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特表2022-530831低温バイアル及びバイアルアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-01
(54)【発明の名称】低温バイアル及びバイアルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
A61J1/05 310
A61J1/05 315A
A61J1/05 315Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564944
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 IB2020054157
(87)【国際公開番号】W WO2020225687
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/843,073
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】フォルタ,クリストファー エム.
(72)【発明者】
【氏名】アセルタ,ロジャー ピー.
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047BB01
4C047BB11
4C047DD03
4C047DD22
4C047DD35
4C047GG40
(57)【要約】
低温環境下で薬剤を貯蔵するためのバイアル及びバイアルアセンブリが提供される。例示的な一実施形態では、ベース部分及び仕上げ部分を含むバイアルが提供される。仕上げ部分は、外側表面及び内側表面を有し、内側表面は、変形可能な封止部材の第1の部分を受容するように構成されているチャネルを画定する。その外側表面上の仕上げ部分は、変形可能な封止部材の第2の部分と係合するように構成されている表面特徴部を含む。表面特徴部は、変形可能な封止部材が第1の構成から第2の構成に収縮するときに、変形可能な封止部材の第2の部分と係合したままであるように構成されており、それによって、仕上げ部分と変形可能な封止部材との間の封止を維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアルであって、
薬剤を選択的に保持するように構成されている空洞を画定する内側表面を有するベース部分と、
外側表面及び内側表面を有する仕上げ部分であって、前記内側表面が、前記空洞と流体連通しているチャネルを画定し、前記チャネルが、変形可能な封止部材の第1の部分を受容するように構成されており、前記仕上げ部分が、その前記外側表面上に、
前記変形可能な封止部材の第2の部分と係合するように構成されている表面特徴部を含む、仕上げ部分と、を含み、
前記表面特徴部は、前記変形可能な封止部材が第1の構成から第2の構成に収縮するときに、前記変形可能な封止部材の前記第2の部分と係合したままであるように構成されており、それによって、前記仕上げ部分と前記変形可能な封止部材との間の封止を維持する、バイアル。
【請求項2】
前記表面特徴部が、前記変形可能な封止部材の前記第2の部分を受容するように構成されている窪み部、及び前記変形可能な封止部材の前記第2の部分を貫通するように構成されている突出部のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のバイアル。
【請求項3】
前記窪み部又は前記突出部のうちの少なくとも1つが、前記仕上げ部分の少なくとも一部分周りに周方向に延在する、請求項2に記載のバイアル。
【請求項4】
前記突出部が、前記変形可能な封止部材の前記第2の部分に押し込むように構成されている表面において終端する、請求項3に記載のバイアル。
【請求項5】
前記ベース部分から前記仕上げ部分まで延在するネック部分を更に含み、前記ネック部分が、外側表面及び内側表面を有し、前記内側表面が、前記仕上げ部分の前記チャネル及び前記ベース部分の前記空洞と流体連通しているチャネルを画定する、請求項1に記載のバイアル。
【請求項6】
前記変形可能な封止部材が、約40A~70Aのショア硬度を有する、請求項1に記載のバイアル。
【請求項7】
前記変形可能な封止部材が、約45A~55Aのショア硬度を有する、請求項1に記載のバイアル。
【請求項8】
前記変形可能な封止部材が、実質的にT形状構成を有する、請求項1に記載のバイアル。
【請求項9】
前記変形可能な封止部材を前記仕上げ部分に選択的に封止するように、前記仕上げ部分の少なくとも一部分の周りに選択的に圧着されるように構成されている、保護キャップを更に含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項10】
前記保護キャップが、金属箔を含む、請求項8に記載のバイアル。
【請求項11】
前記変形可能な封止部材は、前記バイアルが約-25℃~196℃の温度に曝露されるときに、前記第1の構成から前記第2の構成に収縮する、請求項1に記載のバイアル。
【請求項12】
前記温度が、約-85℃~約-75℃である、請求項11に記載のバイアル。
【請求項13】
前記温度が、約-196℃~約-120℃である、請求項11に記載のバイアル。
【請求項14】
前記バイアルが、前記ベース部分の前記空洞内に配置された前記薬剤を更に含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項15】
前記表面特徴部が、1つ又は2つ以上の凹状窪み部を含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項16】
前記表面特徴部が、1つ又は2つ以上の三角形突出部を含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項17】
前記表面特徴部が、1つ又は2つ以上の三角形突出部及び1つ又は2つ以上の凹状窪み部を含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項18】
前記表面特徴部が、各々が少なくとも1つの平面状表面を有する1つ又は2つ以上の突出部を含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項19】
前記表面特徴部が、1つ又は2つ以上の凹状窪み部を含む、請求項18,に記載のバイアル。
【請求項20】
前記表面特徴部が、切頭多角形形状を有する1つ又は2つ以上の突出部を含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項21】
前記表面特徴部が、反転された切頭多角形形状を有する1つ又は2つ以上の窪み部を含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項22】
前記表面特徴部が、互いに対してある角度で延在する第1及び第2の対向壁を含む、請求項1に記載のバイアル。
【請求項23】
前記角度が、約45度~55度である、請求項22に記載のバイアル。
【請求項24】
前記角度が、約100度~110度である、請求項22に記載のバイアル。
【請求項25】
前記表面特徴部が、約0.2mm~0.5mmの幅を有する、請求項1に記載のバイアル。
【請求項26】
前記表面特徴部が、約0.1mm~0.5mmの高さを有する、請求項1に記載のバイアル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
バイアル及びバイアルアセンブリは、低温環境下で薬剤を貯蔵するために提供される。
【背景技術】
【0002】
薬剤は、典型的には、ガラス又はプラスチックバイアルなどのバイアルにパッケージングされ、ストッパ(例えば、ゴムストッパ)が封止されている。しかしながら、低温条件(例えば、ドライアイス又は低温温度)に曝されるときに、バイアルとストッパとの間の封止が損なわれ得る。これは、バイアルとストッパの熱膨張係数の差に起因し得る。低温環境では、ストッパは、バイアルよりも著しく収縮し得る。例えば、低温環境下では、ガラスバイアルは約0%~3%まで収縮し得、ゴムストッパは約8%まで収縮し得る。更に、一般的に使用されるブチルゴムストッパは、それらのガラス転移温度(T)より低い温度では弾性特性を損失し得、これは封止性の更なる危険性をもたらす。結果として、バイアルとストッパとの間に間隙を作り出すことができ、それによって微生物がバイアル内に収容された薬剤と接触して汚染することを可能にする。更に、低温条件下では、封止一体性の一時的な損失により、周囲環境からの冷たい、密なガスがバイアルに漏れることを可能にし得る。ガスのこの進入は、ガスとの相互作用及び結果として生じるバイアル過圧に起因して、貯蔵された薬剤の有効性を低下させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、低温環境下で薬剤を貯蔵することに関連する、改善されたバイアル及びバイアルアセンブリが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
低温環境下で薬剤を貯蔵するための様々なバイアルが開示される。
【0005】
一実施形態では、ベース部分及び仕上げ部分を含むバイアルが提供される。ベース部分は、薬剤を選択的に保持するように構成されている空洞を画定する内側表面を有する。仕上げ部分は、外側表面及び内側表面を有する。内側表面は、空洞と流体連通しているチャネルを画定し、チャネルは、変形可能な封止部材の第1の部分を受容するように構成されている。その外側表面上の仕上げ部分は、変形可能な封止部材の第2の部分と係合するように構成されている表面特徴部を含む。変形可能な封止部材が第1の構成から第2の構成に収縮するときに、変形可能な封止部材の第2の部分と係合したままであるように構成され、それによって、仕上げ部分と変形可能な封止部材との間の封止を維持する。
【0006】
表面特徴部は、様々な構成を有し得る。いくつかの実施形態では、表面特徴部は、窪み部又は突出部のうちの少なくとも1つであり得る。窪み部及び突出部のうちの少なくとも1つは、仕上げ部分の少なくとも一部分周りに周方向に延在し得る。窪み部は、変形可能な封止部材の第2の部分を受容するように構成され得る。突出部は、変形可能な封止部材の第2の部分を貫通するように構成され得る。突出部は、変形可能な封止部材の第2の部分に押し込むように構成された表面で終端し得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、表面特徴部は、1つ又は2つ以上の凹状窪み部を含み得る。他の実施形態では、表面特徴部は、1つ又は2つ以上の三角形突出部を含み得る。更に他の実施形態では、表面特徴部は、1つ又は2つ以上の三角形突出部及び1つ又は2つ以上の凹状窪み部を含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、表面特徴部は、各々少なくとも1つの平面状表面を有する1つ又は2つ以上の突出部を含み得る。このような実施形態では、表面特徴部は、1つ又は2つ以上の凹状窪み部を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、表面特徴部は、切頭多角形形状を有する1つ又は2つ以上の突出部を含み得る。他の実施形態では、表面特徴部は、反転された切頭多角形形状を有する1つ又は2つ以上の窪み部を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、表面特徴部は、互いに対してある角度で延在する第1及び第2の対向壁を含み得る。特定の実施形態では、角度は、約45度~55度であり得る。他の実施形態では、角度は、約100度~110度であり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、表面特徴部は、約0.2mm~0.5mmの幅を有し得る。いくつかの実施形態では、表面特徴部は、約0.1mm~0.5mmの高さを有し得る。
【0012】
変形可能な封止部材は、様々な構成を有し得る。いくつかの実施形態では、変形可能な封止部材は、実質的にT形状構成を有し得る。いくつかの実施形態では、変形可能な封止部材は、約40A~70Aのショア硬度を有し得る。他の実施形態では、変形可能な封止部材は、約45A~55Aのショア硬度を有し得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、バイアルが約-25℃~196℃の温度に曝されるときに、変形可能な封止部材は、第1の構成から第2の構成へと収縮することができる。特定の実施形態では、温度は、約-85℃~-75℃であり得る。他の実施形態では、温度は、約-196℃~-120℃であり得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、バイアルは、ベース部分から仕上げ部分まで延在することができるネック部分を含み得る。ネック部分は、外側表面及び内側表面を有することができ、内側表面は、仕上げ部分のチャネル及びベース部分の空洞と流体連通しているチャネルを画定する。
【0015】
いくつかの実施形態では、バイアルは、変形可能な封止部材を仕上げ部分に選択的に封止するように、仕上げ部分の少なくとも一部分周りに選択的に圧着されるように構成され得る保護キャップを含み得る。保護キャップは、様々な構成を有し得る。いくつかの実施形態では、保護キャップは、金属箔を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、バイアルは、ベース部分の空洞内に配置された薬剤を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、以下の発明を実施するための形態を添付図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
図1A】窪み部を含む仕上げ部分を有するバイアルの一実施形態の断面側面図である。
図1B図1Aの仕上げ部分の断面拡大図である。
図2】内部に挿入された変形可能な封止部材を示す、図1Aのバイアルの断面側面図である。
図3A】バイアルの仕上げ部分の一部分及び変形可能な封止部材の一部分周りに圧着された保護キャップを示す、図2のバイアル及び変形可能な封止部材の断面図である。
図3B図3Aの仕上げ部分、変形可能な封止部材、及び保護キャップの断面拡大図である。
図4A】突出部を含む仕上げ部分を有するバイアルの別の実施形態の断面側面図である。
図4B図4Aの仕上げ部分の断面拡大図である。
図5】内部に挿入された変形可能な封止部材を示す、図4Aのバイアルの断面側面図である。
図6A】バイアルの仕上げ部分の一部分及び変形可能な封止部材の一部分周りに圧着された保護キャップを示す、図5のバイアル及び変形可能な封止部材の断面図である。
図6B図6Aの仕上げ部分、変形可能な封止部材、及び保護キャップの断面拡大図である。
図7A】窪み部及び突出部を含む仕上げ部分を有するバイアルの別の実施形態の断面側面図である。
図7B図7Aの仕上げ部分の断面拡大図である。
図8】内部に挿入された変形可能な封止部材を示す、図7Aのバイアルの断面側面図である。
図9A】バイアルの仕上げ部分の一部分及び変形可能な封止部材の一部分周りに圧着された保護キャップを示す、図8のバイアル及び変形可能な封止部材の断面図である。
図9B図9Aの仕上げ部分、変形可能な封止部材、及び保護キャップの断面拡大図である。
図10A】突出部を含む仕上げ部分を有するバイアルの別の実施形態の断面側面図である。
図10B図10Bで取られた図10Aのバイアルの一部分の断面拡大図である。
図10C図10Cで取られた図10Bのバイアルの一部分の断面拡大図である。
図11A】窪み部を含む仕上げ部分を有するバイアルの別の実施形態の断面側面図である。
図11B図11Bで取られた図11Aのバイアルの一部分の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願で開示するバイアル及びバイアルアセンブリの構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的な実施形態について、これから説明する。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例解される。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、かつ添付の図面に例解されるバイアル及びバイアルアセンブリが、非限定的な典型的な実施形態であること、並びに本発明の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して例解又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0019】
低温で薬剤を貯蔵するための様々なバイアル及びバイアルアセンブリが提供される。本明細書で使用する場合、「薬剤」は、対象に投与されるとき、意図した予防効果、例えば、傷害、疾患、病状若しくは病状の発症(若しくは再発)を予防若しくは遅延させるか、若しくは傷害、疾患、病理、若しくは病状、若しくはそれらの症状の発症(若しくは再発)の可能性を低減するか、又は意図した治療効果、例えば、傷害、疾患、病理若しくは病状、若しくはそれらの症状の処置若しくは改善であって、緩和などの治療の任意の客観的若しくは主観的パラメータ、寛解、症状を低減するか、又は若しくは患者にとって傷害、病理、若しくは病状をより許容されるものにすること、変性若しくは低下速度を減速させること、変性の最終ポイントを、衰弱させることが少ないこと、若しくは患者の身体若しくは精神的幸福を改善することができるものを有する治療剤(薬物、生物製剤、生物学的材料など)を指す。好適な薬剤の非限定的な例としては、キメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptors t-cell、CAR-T)、遺伝子修飾、細胞療法、t細胞、幹細胞、及び組織が挙げられる。本明細書で使用する場合、「低温」は、約-196℃~-25℃の任意の温度を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、低温は、約-85℃~-75℃、又は約-196℃~-120℃の温度であり得る。他の実施形態では、低温は、これらの列挙された温度値のいずれかの間の温度であり得る。
【0020】
一般に、バイアルは、バイアルと変形可能な封止部材との間に低温条件下で封止を形成及び維持するように設計された仕上げ部分を含む。仕上げ部分は、変形可能な封止部材の一部分と係合し、変形可能な封止部材が第1の構成から第2の構成に収縮するときに、係合したままであるように構成されている、その外側表面上の表面特徴部を含む。結果として、この係合は、変形可能な封止部材、したがってバイアルが低温に曝されたときに、バイアルと変形可能な封止部材との間の封止を維持することができる。したがって、低温条件下では、バイアル内の薬剤の漏れ及び汚染を回避することができる。更に、バイアルを取り囲む低温空気及び微生物の侵入を阻止して、それにより、バイアルの過加圧及び微生物汚染のリスクを低減することができる。
【0021】
例示的なバイアルは、1つ又は2つ以上の材料、例えば、ガラス、ポリマーなどで形成することができる。いくつかの実施形態では、バイアルはガラスで形成することができる。他の実施形態では、バイアルは、1つ又は2つ以上のポリマーから形成することができる。更に他の実施形態では、バイアルの異なる部分(例えば、図1A~9Aに示すベース部分102、402、702、仕上げ部分104、404、704、及び/又はネック部分106、406、706)を異なる材料で形成することができる。
【0022】
変形可能な封止部材は、通常ストッパと呼ばれるものであり得る。例示的な変形可能な封止部材は、任意の好適なエラストマー材料、例えば、ブロモブチル、クロロブチルなどの熱硬化性ゴム、及びハロブチルなどの熱可塑性エラストマーから形成することができる。いくつかの実施形態では、変形可能な封止部材は、約40A~70A又は約45A~55Aのショア硬度を有し得る。他の実施形態では、変形可能な封止部材は、これらの列挙されたショア硬度値のいずれかの間のショア硬度を有し得る。変形可能な封止部材は、様々な構成を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、変形可能な封止部材は、実質的にT形状構成を有し得る。他の実施形態では、変形可能な封止部材は、打ち抜きディスク構成を有し得る。更に他の実施形態では、変形可能な封止部材は、バイアル内に少なくとも部分的に挿入されるように構成されている任意の他の可能な好適な形状を有し得る(例えば、バイアルの終端部を部分的に通って、あるいは仕上げ部分を通って、少なくとも部分的にバイアルのネック部分を通って)。
【0023】
例示的なバイアルは、本明細書において説明され、図面において例解されるように、内部に薬剤を封止及び貯蔵することを容易にする様々な特徴を有し得る。しかしながら、バイアルがこれらの特徴のうちのいくつかのみを含み得ること、及び/又は当該技術分野で公知の様々な他の特徴を含み得ることを当業者は認識するであろう。本明細書で説明されるバイアルは、特定の例示的な実施形態を表すことを意図したものに過ぎない。
【0024】
図1A及び1Bは、内部に薬剤を貯蔵し、低温条件下で、図2~3Bに示す変形可能な封止部材200のような変形可能な封止部材との封止を維持するように構成されているバイアル100の例示的な一実施形態を例解する。例解されるバイアル100は、一般にベース部分102、及び仕上げ部分104を含む。図示されるように、バイアル100はまた、ベース部分102から仕上げ部分104まで延在するネック部分106を含む。
【0025】
ベース部分102は、内側表面108及び外側表面110を含む。内側表面108は、薬剤を選択的に保持するように構成されているベース部分102内に空洞112を画定する。ベース部分102は、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、ベース部分102は、実質的に円筒形の形状を有する。他の実施形態では、ベース部分は、任意の他の好適な形状、例えば、矩形の形状などを有し得る。
【0026】
ネック部分106は様々な構成を有し得るが、ネック部分106は、内側表面114及び外側表面116を有する。図示されるように、内側表面114は、ネック部分106を通って延在するチャネル118を包囲及び画定する。チャネル118は、ベース部分102の空洞112と流体連通している。この例解される実施形態では、ネック部分106の内側表面114は、テーパ構成を有する。他の実施形態では、ネック部分の内側表面は、非テーパ構成を有し得る。
【0027】
仕上げ部分104は、図示されるように様々な構成を有し得るが、仕上げ部分104は、内側表面119及び外側表面120を有する。内側表面119は、仕上げ部分104を通って延在するチャネル124を包囲及び画定する。仕上げ部分104のチャネル124は、ネック部分106のチャネル118、したがってベース部分102の空洞112と流体連通している。仕上げ部分104のチャネル124は、図2~3Bに示す変形可能な封止部材200のような変形可能な封止部材の第1の部分を受容するように構成されている。
【0028】
更に図示されるように、仕上げ部分104は、その外側表面120上に表面特徴部126を含む。表面特徴部126は、図2~3Bに示す変形可能な封止部材200のような変形可能な封止部材の第2の部分と係合するように構成され得る。表面特徴部126は様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、表面特徴部126は、仕上げ部分104の一部分周りに周方向に延在する窪み部の形態である。以下でより詳細に説明し、図3A及び3Bに例解されるように、窪み部126は、変形可能な封止部材の第2の部分を受容し、それに係合するように構成されている。
【0029】
この例解される実施形態では、窪み部126は、外側表面120の第1のセグメント128と第2のセグメント130との間に延在する。図示されるように、第1のセグメント128に対する表面法線(SN)は、バイアル100の長手方向軸(L)に対して実質的に平行に延在する。更に、第2のセグメント130に対する表面法線(SN)は、バイアル100の長手方向軸(L)に対して実質的に垂直に延在する。したがって、第1のセグメント128の表面法線(SN)及び第2のセグメント130の表面法線(SN)は、互いに対して約90°の角度で延在する。他の実施形態では、第1のセグメントの表面法線及び第2のセグメントの表面法線は、互いに対して約25°~110°で延在することができる。
【0030】
したがって、窪み部126は様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、窪み部126は、凹状構成を有する。図示されるように、窪み部126は、第1の終端部134から第2の終端部136まで延在する仕上げ部分104の外側表面120の第3のセグメント132を画定する。この例解される実施形態では、第1の終端部134は、第1のセグメント128の縁部138を画定し、第2の終端部136は、第2のセグメント130の縁部140を画定する。窪み部の深さ(D)は、第3のセグメント132のうち第1の終端部134と第2の終端部136との間の長手方向(例えば、y方向)の距離によって画定される。いくつかの実施形態では、窪み部の深さ(D)は、仕上げ部分104の第1の部分104aの厚さ(TFP1)の約10%~約50%であり得る。当業者であれば、窪み部の深さは、少なくとも仕上げ部分の厚さ及び変形可能な封止部材の構造的構成に依存し得ることを、本開示に基づいて認識するであろう。
【0031】
使用中、図2に示すように、変形可能な封止部材200がバイアル100内に挿入される。変形可能な封止部材200は、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、変形可能な封止部材200は、ディスク形状要素202と、そこから延在する細長い円筒形要素204と、を含む、実質的にT字形状構成を有する。ディスク形状要素202は、第1の表面206から第2の表面208まで延在する。図2に示すように、細長い円筒形要素204は、仕上げ部分104のチャネル124内に位置付けられ、ディスク形状要素202の第1の表面206の第1の部分210は、仕上げ部分104の外側表面120の第1のセグメント128上に位置付けられ、接触している。
【0032】
変形可能な封止部材200がバイアル100と係合されると、図3A及び3Bに示すように、保護キャップ300が、変形可能な封止部材200のディスク形状要素202の第2の表面208及びバイアル100の仕上げ部分104の一部分周りに位置し、これらに圧着される。
【0033】
保護キャップ300は、様々な構成を有し得る。この例解される実施形態では、保護キャップ300は、金属箔の形態である。いくつかの実施形態では、保護キャップはまた、バイアルのベース部分の空洞へのアクセスを可能にするように構成されている、その上面に開口部を有するディスク形状要素を含み得る。代替的に又は追加的に、保護キャップは、変形可能な封止部材をバイアル上の定位置に保持するように、変形可能な封止部材及び仕上げ部分の少なくとも一部分周りに圧着されるように構成されている金属リングを含み得る。
【0034】
図3A及び3Bに示されるように、保護キャップ300が圧着されるときに、ディスク形状要素202の第1の表面206の第2の部分212は、仕上げ部分104の外側表面120の第3のセグメント132に押し付けられ、それによって、それらの間に封止を形成する。低温に曝されるときに、変形可能な封止部材200は、図3A及び3Bに示すように、第1の構成から第2の構成へと収縮する。収縮中、半径方向内向きの力が生成され、それによって、ディスク形状要素202の第2の部分212が、窪み部126内に更に圧縮される。これにより、変形可能な封止部材200と仕上げ部分104の外側表面120の第3のセグメント132との間の封止の一体性が維持される。
【0035】
図4A及び4Bは、バイアル400の別の実施形態を例解する。例解されるバイアル400は、一般に、ベース部分402と、仕上げ部分404と、それらの間に延在するネック部分406と、を含む。ベース部分402及びネック部分406は、図1A~3Aに示すベース部分102及びネック部分106と同様とすることができ、したがって、共通の特徴は、本明細書で更に説明されない。
【0036】
仕上げ部分404は、様々な構成を有し得る。図示されるように、仕上げ部分404は、内側表面419及び外側表面420を有する。内側表面419は、仕上げ部分404を通って延在するチャネル424を包囲及び画定する。仕上げ部分404のチャネル424は、ネック部分406のチャネル418、したがってベース部分402の空洞412と流体連通している。仕上げ部分404のチャネル424は、図5~6Bに示す変形可能な封止部材500のような変形可能な封止部材の第1の部分を受容するように構成されている。
【0037】
更に図示されるように、仕上げ部分404は、その外側表面420の第1のセグメント428から延在する表面特徴部426を含む。表面特徴部426は様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、表面特徴部426は、仕上げ部分404の一部分周りに周方向に延在する突出部の形態である。以下により詳細に説明されるように、突出部426は、図5~6Bに示す変形可能な封止部材500のような変形可能な封止部材の一部分に貫通して係合するように構成されており、それにより、仕上げ部分404と変形可能な封止部材との間に封止を形成する。突出部426は、変形可能な封止部材が第1の構成から第2の構成へと収縮するときに、変形可能な封止部材と係合したままであるように更に構成されている。結果として、変形可能な封止部材、したがってバイアル400がより低い温度に曝されるときに、封止を維持することができる。
【0038】
突出部426は、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、突出部426は、実質的に三角形構成を有する。具体的には、突出部426は、外側表面420の第1のセグメント428の一部分から外向きに延在し、尖っていてもよい表面427に収束する2つの対向壁426a、426bを含む。尖った表面427は、図5~6Bに示す変形可能な封止部材500と同様に、変形可能な封止部材の一部分に押し込むように構成されている。
【0039】
突出部426の高さ(HP1)は、外側表面420の第1のセグメント428と、突出部426の尖った表面427との間の長手方向(例えば、Y方向)の距離によって画定される。当業者であれば、突出部426の高さ(HP1)は、少なくともバイアル400に封止されるように構成されている変形可能な封止部材の構造的構成に依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、突出部426の高さ(HP1)は、図5~6Bに示す変形可能な封止部材500のディスク形状要素502のような変形可能な封止部材のディスク形状要素の厚さ(TDM)の約5%~約50%であり得る。
【0040】
使用中、図5に示すように、変形可能な封止部材500がバイアル400内に挿入される。変形可能な封止部材500は、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、変形可能な封止部材500は、ディスク形状要素502と、そこから延在する細長い円筒形要素504と、を含む、実質的にT字形状構成を有する。ディスク形状要素802は、第1の表面506から第2の表面508まで延在する。図5~6Bに示すように、細長い円筒形要素504は、仕上げ部分404のチャネル424内に位置付けられる。更に、ディスク形状要素502は、ディスク形状要素502の第1の表面506が、仕上げ部分404の外側表面420の第1のセグメント428に面するように、仕上げ部分404の突出部426の尖った表面427上に位置付けられる。
【0041】
変形可能な封止部材500がバイアル400内に挿入されると、図3A及び3Bに示す保護キャップ300のような保護キャップ600が、図6A及び6Bに示すように、変形可能な封止部材500のディスク形状要素502の第2の表面508及びバイアル400の仕上げ部分404の一部分周りに配置され、圧着される。保護キャップ600が圧着されるときに、ディスク形状要素502の第1の表面506は、第1の表面506が突出部426の2つの収束壁426a、426b及び仕上げ部分404の外側表面420の第1のセグメント428と接触するように、バイアル400に向かって下向きに(例えば、y方向に)押し付けられて、それらの間に封止を形成する。したがって、突出部426の少なくとも一部分は、変形可能な封止部材500を変形させる。低温に曝されるときに、変形可能な封止部材500は、図6A及び6Bに示すように、第1の構成から第2の構成へと収縮する。収縮中、変形可能な封止部材500内の突出部426の貫通は、仕上げ部分404の外側表面420の第1のセグメント428に対するディスク形状要素502の半径方向の移動を阻止する。更に、図6A及び6Bに示すように、変形可能な封止部材内に押し込まれた突出部の高さは、突出部426自体の全高(HP1)と実質的に等しく、変形可能な封止部材500の軸方向の収縮の程度よりも大きくなるように設計されている。結果として、収縮中、突出部426の少なくとも一部分が変形可能な封止部材500を変形させる。したがって、変形可能な封止部材500と突出部426、したがってバイアル400との間の封止の一体性が維持される。
【0042】
図7A及び7Bは、図1A~3Bに示す仕上げ部分104と図4A~6Aに示す仕上げ部分404の構造的組み合わせである仕上げ部分704を有するバイアル700の別の実施形態を例解する。具体的には、仕上げ部分704は、図1A~3B及び4A~6Bに示すバイアル100、400の内側表面119、419のような内側表面719から外側表面720まで延在し、図1A~3Bに示す窪み部126のような窪み部742と、図4A~6Bの突出部426のような突出部744を含む。
【0043】
使用中、図8に示すように、変形可能な封止部材800がバイアル700内に挿入される。変形可能な封止部材800は、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、変形可能な封止部材800は、ディスク形状要素802と、そこから延在する細長い円筒形要素804と、を含む、実質的にT字形状構成を有する。ディスク形状要素802は、第1の表面806から第2の表面808まで延在する。図8~9Bに示すように、細長い円筒形要素804は、仕上げ部分704のチャネル724内に位置付けられる。更に、ディスク形状要素802は、ディスク形状要素802の第1の表面806が、仕上げ部分704の外側表面720の第1のセグメント728に面するように、仕上げ部分704の突出部744の尖った表面746上に位置付けられる。
【0044】
変形可能な封止部材800がバイアル700内に挿入されると、図8A及び8Bに示すように、図3A及び3Bに示す保護キャップ300のような保護キャップ900が、変形可能な封止部材800のディスク形状要素802の第2の表面808及びバイアル700の仕上げ部分704の一部分周りに位置し、これらに圧着される。保護キャップ900が圧着されるときに、ディスク形状要素502の第1の表面506は、第1の表面806の第1の部分806aが、突出部744の2つの収束壁744a、744b、及び仕上げ部分704の外側表面720の第1のセグメント728と接触するように、バイアル400に向かって下向きに(例えば、y方向に)押し付けられて、それらの間に封止を形成する。したがって、突出部744の少なくとも一部分は、変形可能な封止部材800を変形させる。更に、保護キャップ900が圧着されるときに、ディスク形状要素802の第1の表面806の第2の部分806bは、仕上げ部分704の外側表面720の第3のセグメント732に押し付けられ、それによって、それらの間に封止を形成する。したがって、バイアル700の仕上げ部分704と変形可能な封止部材800のディスク形状要素802との間に2つ封止が形成される。
【0045】
低温に曝されるときに、変形可能な封止部材800は、図9A及び9Bに示すように、第1の構成から第2の構成へと収縮する。収縮中、変形可能な封止部材800内の突出部744の貫通は、仕上げ部分704の外側表面720の第1のセグメント728に対するディスク形状要素802の第1の表面806の第1の部分806aの半径方向の移動を阻止する。更に、ディスク形状要素802の厚さに対する突出部744の高さにより、突出部744の少なくとも一部分は、変形可能な封止部材800内に埋め込まれたままであり、したがって、変形可能な封止部材800の軸方向の収縮が、それらの間に形成された封止を損なうことを阻止する。追加的に、ディスク形状要素802の収縮によって半径方向内向きの力が生成される。これにより、ディスク形状要素802の第1の表面806の第2の部分806bは、仕上げ部分704の窪み部742内に更に圧縮される。これにより、変形可能な封止部材800と仕上げ部分704の外側表面720の第3のセグメント732との間の封止の一体性が維持される。
【0046】
図10A~10Cは、バイアル1000の別の実施形態を例解する。例解されるバイアル1000は、一般に、ベース部分1002と、仕上げ部分1004と、それらの間に延在するネック部分1006と、を含む。ベース部分1002及びネック部分1006は、図1A~3Aに示すベース部分102及びネック部分106と同様とすることができ、したがって、共通の特徴は、本明細書で更に説明されない。
【0047】
仕上げ部分1004は、様々な構成を有し得る。図示されるように、仕上げ部分1004は、内側表面1019及び外側表面1020を有する。内側表面1019は、仕上げ部分1004を通って延在するチャネル1024を包囲及び画定する。仕上げ部分1004のチャネル1024は、ネック部分1006のチャネル1018、したがってベース部分1002の空洞1012と流体連通している。仕上げ部分1004のチャネル1024は、変形可能な封止部材の第1の部分を受容するように構成されている。変形可能な封止部材は、様々な構成を有し得る。例えば、変形可能な封止部材は、図2~3A、5~6A及び8~9Bにそれぞれ示す前述の変形可能な封止部材200、500、800のいずれかと同様であり得る。
【0048】
更に図示されるように、仕上げ部分1004は、その外側表面1020の第1のセグメント1028から延在する表面特徴部1026を含む。表面特徴部1026は様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、表面特徴部1026は、仕上げ部分1004の一部分周りに周方向に延在する突出部の形態である。以下により詳細に説明されるように、突出部1026は、変形可能な封止部材の一部分と係合するように構成されており、それによって、仕上げ部分1004と変形可能な封止部材との間に封止を形成する。突出部1026は、変形可能な封止部材が第1の構成から第2の構成へと収縮するときに、変形可能な封止部材と係合したままであるように更に構成されている。結果として、変形可能な封止部材、したがってバイアル1000がより低い温度に曝されるときに、封止を維持することができる。
【0049】
突出部1026は、様々な構成、例えば、切頭三角形形状、切頭角錐形状、切頭円錐形状、切頭四辺形形状、切頭五角形形状、切頭六角形形状、切頭七角形形状、切頭八角形形状などの切頭多角形形状を有し得る。この例解される実施形態では、突出部1026は、4つの角部1029a、1029b、1029c、1029dを有する切頭三角形形状を有し、各々が丸みを帯びていてもよい。
【0050】
突出部1026は、外側表面1020の第1のセグメント1028の一部分から表面1027に向かって外向きに延在する第1及び第2の対向壁1026a、1026bを含む。この例解される実施形態では、表面1027は平面状であり、外側表面1020の第1のセグメント1028に対して横方向(例えば、X方向)に実質的に平行に延在する。
【0051】
図10Cにより詳細に示すように、第1及び第2の対向壁1026a、1026bは、傾斜しており、互いに対して角度(A)で延在する。いくつかの実施形態では、角度(A)は、0度~90度であり得る。特定の実施形態では、角度(A)は、約10度~60度、約20度~50度、又は約40度~50度であり得る。一実施形態において、角度(A)は、約45度~55度であり得る。一実施形態では、角度(A)は、約50度であり得る。他の実施形態では、対向壁1026a、1026bの一方又は両方は、外側表面1020の第1のセグメント1028に対して約90度で延在することができる。
【0052】
突出部1026の公称幅(W)は、平面状表面1027の横方向(例えば、X方向)の幅によって画定される。当業者であれば、突出部1026の公称幅(W)は、少なくとも、バイアル1000に封止されるように構成されている変形可能な封止部材の構造的構成、及び外側表面1020の第1のセグメント1028の幅に依存し得ることを、本説明に基づいてする認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、突出部1026の公称幅(W)は、0mm~6mmであり得る。特定の実施形態では、突出部1026の公称幅(W)は、約0.1mm~6mm、約0.1mm~5mm、約0.1mm~2mm、約0.1mm~1.5mm、約0.1~1mm、約0.1~0.5mm、又は約0.2mm~0.5mmである。一実施形態では、突出部1026の公称幅(W)は、約0.41mmであり得る。
【0053】
突出部1026の4つの角部1029a、1029b、1029c、1029dは、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、4つの角部1029a、1029b、1029c、1029dは、各々対応する曲率半径RA1、RB1、RC1、RD1を有する。当業者であれば、丸みを帯びた角部の各々の曲率半径は、少なくとも、バイアルの製造における製造公差に依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの曲率半径RA1、RB1、RC1、RD1は、約0mm~0.5mm、約0.1mm~0.4mm、又は約0.15~0.3mmであり得る。更に、いくつかの実施形態では、少なくとも2つの半径RA1、RB1、RC1、RD1は同じにすることができ、他の実施形態では、各曲率半径RA1、RB1、RC1、RD1は、異なることができる。一実施形態では、2つの半径RA1及びRD1は各々約0.3mmであり、2つの半径RB1及びRC1は各々約0.15mmである。
【0054】
突出部1026の高さ(HP2)は、外側表面1020の第1のセグメント1028と、突出部1026の平面状表面1027との間の長手方向(例えば、Y方向)の距離によって画定される。当業者であれば、突出部1026の高さ(HP2)は、少なくともバイアル1000に封止されるように構成されている変形可能な封止部材の構造的構成に依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、突出部1026の高さ(HP2)は、0mm~0.5mmであり得る。特定の実施形態では、突出部1026の高さ(HP2)は、約0.1mm~0.5mm、約0.2mm~0.5mm、又は約0.2mm~0.45mmであり得る。一実施形態では、突出部1026の高さ(HP2)は、約0.3mmとすることができ、別の実施形態では、突出部1026の高さ(HP2)は、約0.43mmであり得る。
【0055】
更に、図10A~10Bに示すように、突出部1026は、仕上げ部分1004の少なくとも内側表面1019から距離(D)だけ離間している。この例解される実施形態では、距離(D)は、突出部1026の中心と内側表面1019との間の横方向(例えば、X方向)の距離によって画定される。当業者であれば、突出部1026の中心と内側表面1019との間の距離(D)は、少なくとも、バイアル1000に封止されるように構成されている変形可能な封止部材の構造的構成、及び外側表面1020の第1のセグメント1028の幅に依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、突出部1026の中心と内側表面1019との間の距離(D)は、0mm~3mmであり得る。特定の実施形態では、突出部1026の中心と内側表面1019との間の距離(D)は、約0.5mm~2mm、又は約1mm~1.5mmであり得る。一実施形態では、突出部1026の中心と内側表面1019との間の距離(D)は、約1.2mm~1.5mmであり得る。
【0056】
使用中、変形可能な封止部材がバイアル1000内に挿入される。変形可能な封止部材は、バイアル1000に関するこの考察の目的のために、様々な構成を有し得るが、変形可能な封止部材は、図5~6Bに示す変形可能な封止部材500である。より具体的には、細長い円筒形要素504は、仕上げ部分1004のチャネル1024内に位置付けられ、ディスク形状要素502は、突出部1026の平面状表面1027上に位置付けられる。結果として、ディスク形状要素502の第1の表面506は、仕上げ部分404の外側表面420の第1のセクション1028に対向する。
【0057】
変形可能な封止部材500がバイアル1000内に挿入されると、保護キャップが、変形可能な封止部材500のディスク形状要素502の第2の表面508及びバイアル1000の仕上げ部分1004の一部分の周りに位置し、これらに圧着される。保護キャップは、バイアル1000にするこの考察の目的のために、様々な構成を有し得るが、保護キャップは、図6A~6Bに示す保護キャップ600である。
【0058】
保護キャップ600が圧着されるときに、ディスク形状要素502の第1の表面506は、第1の表面506が突出部1026の2つの対向壁1026a、1026b及び仕上げ部分1004の外側表面1020の第1のセグメント1028と接触するように、バイアル1000に向かって下向きに(例えば、y方向に)押し付けられて、それらの間に封止を形成する。したがって、突出部1026の少なくとも一部分は、変形可能な封止部材500内に入れ子化される。低温に曝されるときに、変形可能な封止部材500は、第1の構成から第2の構成へと収縮する。収縮中、変形可能な封止部材500内の突出部1026の入れ子化は、仕上げ部分1004の外側表面1020の第1のセグメント1028に対するディスク形状要素502の半径方向の移動を阻止する。更に、変形可能な封止部材内に入れ子化された突出部1026の高さは、変形可能な封止部材500の軸方向の収縮の程度よりも大きいように設計されている。結果として、収縮中、突出部1026の少なくとも一部分が変形可能な封止部材500内に埋め込まれたままである。したがって、変形可能な封止部材500と突出部1026、したがってバイアル1000との間の封止の一体性が維持される。
【0059】
いくつかの実施形態では、バイアル1000は、バイアル1000を処理中に操作することを可能にするために、グリッパなどの自動又は手動ハンドリング機器によって把持されるように構成されている保持要素1048などの追加の特徴を含み得る。一実施形態によれば、バイアル1000は、バイアル1000が1つ又は2つ以上の材料、例えば、バイアルの壁を通る水分及び空気の侵入及び/又は排出を阻止することができる材料でコーティングされている間に保持要素1048を介して保持され得る。更に、バイアル1000を保持要素1048によって保持することにより、バイアル1000の少なくとも1つの外側表面(例えば、ベース部分1002の外側表面1010、ネック部分1006の外側表面1016及び/又は仕上げ部分1004の外側表面1020)に360度のアクセスを提供することができる。結果として、バイアル1000の少なくとも1つの外側表面上への1つ又は2つ以上の材料の実質的に均一なコーティングを達成することができる。
【0060】
保持要素1048は、図10Aに示されるような様々な構成を有することができ、より詳細に図10Bには、保持要素1048は、仕上げ部分1004の第2のセグメント1054周りに周方向に延在する凹部の形態である。特に、凹部1048は、4つの角部1049a、1049b、1049c、1049dを有する反転された切頭三角形形状を有する。結果として、凹部1048は、1つ又は2つ以上のコーティングプロセス中にバイアル1000を保持するグリッパ又はトラックなどのハンドリング機器を受容するように構成されている仕上げ部分1004の第2のセグメント1054内にチャネルを画定する。他の実施形態では、凹部1048は、他の切頭多角形形状など、任意の他の好適な形状を有し得る。
【0061】
図10Bにより詳細に示すような凹部1048は、ベース表面1050と、外側表面1020の第2のセグメント1054からベース表面1050まで内向きに延在する2つの対向壁1052a、1052bと、を含む。この例解される実施形態では、ベース表面1050は、平面状であり、外側表面1020の第2のセグメント1054に対して長手方向(例えば、Y方向)に実質的に平行に延在する。
【0062】
図10Bにより詳細に示されるように、第1及び第2の対向壁1052a、1052bは、傾斜しており、互いに対して角度(A)で延在する。様々な例において、角度(A)は、約0度~約90度であり得る。特定の実施形態では、角度(A)は、約10度~80度、約20度~50度、約40度~50度、又は55度~65度であり得る。一実施形態では、角度(A)は、約60度であり得る。他の実施形態では、対向壁1052a、1052bの一方又は両方は、外側表面1020の第2のセグメント1054に対して約90度で延在し得る。
【0063】
凹部1048の公称高さ(H)は、平面状ベース表面1050の長手方向(例えば、Y方向)の高さによって画定される。当業者であれば、凹部1048の公称高さ(H)は、1つ又は2つ以上のコーティングプロセス中にバイアルを把持して保持するグリッパなどのハンドリング機器の幾何学的形状に少なくとも依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、凹部1048の公称高さ(H)は、0mm~2mmであり得る。特定の実施形態では、凹部1048の公称高さ(H)は、約0.5mm~1.5mm、約0.5mm~1.5mm、又は約1mm~2mmであり得る。
【0064】
凹部1048の4つの角部1049a、1049b、1049c、1049dは、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、4つの角部1049a、1049b、1049c、1049dは、各々対応する曲率半径RA2、RB2、RC2、RD2を有する。当業者であれば、丸みを帯びた角部の各々の曲率半径は、1つ又は2つ以上のコーティングプロセス中にバイアルを把持して保持するグリッパなどのハンドリング機器に少なくとも依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの曲率半径RA2、RB2、RC2、RD2は、約0mm~0.5mm、約0.1mm~0.4mm、又は約0.15mm~0.3mmであり得る。更に、いくつかの実施形態では、少なくとも2つの半径RA2、RB2、RC2、RD2は同じにすることができ、他の実施形態では、各曲率半径RA2、RB2、RC2、RD2は異なることができる。一実施形態では、各半径RA2、RB2、RC2、RD2は、約0.13mmであり得る。
【0065】
凹部1048の深さ(D)は、外側表面1020の第2のセグメント1054と凹部1048のベース表面1050との間の横方向(例えば、X方向)の距離によって画定される。当業者であれば、凹部1048の深さ(D)は、1つ又は2つ以上のコーティングプロセス中にバイアルを把持して保持するグリッパ又はトラックなどのハンドリング機器の幾何学的形状に少なくとも依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、凹部1048の深さ(D)は、0mm~0.5mmであり得る。特定の実施形態では、凹部1048の深さ(D)は、約0.05mm~0.5mm、約0.05mm~0.4mm、又は約0.2mm~0.3mmであり得る。一実施形態では、凹部1048の深さ(D)は、約0.25mmとすることができる。
【0066】
更に、図10A~10Bに示すように、凹部1048は、仕上げ部分1004の少なくとも第1のセグメント1028から距離(D)だけ離間している。この例解される実施形態では、距離(D)は、外側表面1020の第1のセグメント1028から第1の丸みを帯びた角部1049aまでの長手方向(例えば、Y方向)までの距離によって画定される。当業者であれば、外側表面1020の第1のセグメント1028から凹部1048の第1の丸みを帯びた角部1049aまでの距離(D)は、外側表面1020の第2のセグメント1054の高さ(HS1)に少なくとも依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、距離(D)は、0mm~3mmであり得る。特定の実施形態では、距離(D)は、約0.5mm~2mm、約1mm~2mm、又は約1mm~1.5mmであり得る。一実施形態では、距離(D)は、約1.2mmであり得る。
【0067】
図11A図11Bは、バイアル1100の別の実施形態を例解する。例解されるバイアル1100は、一般に、ベース部分1102と、仕上げ部分1104と、それらの間に延在するネック部分1106と、を含む。ベース部分1102及びネック部分1106は、図1A~3Aに示すベース部分102及びネック部分106と同様とすることができ、したがって、共通の特徴は、本明細書で更に説明されない。更に、例解されるバイアル1100はまた、図10A及び10Bに示される保持要素1048と同様とすることができる保持要素1148を含み、したがって共通の特徴は、ここでは更に説明されない。
【0068】
仕上げ部分1104は、様々な構成を有し得る。図示されるように、仕上げ部分1104は、内側表面1119及び外側表面1120を有する。内側表面1119は、仕上げ部分1104を通って延在するチャネル1124を包囲及び画定する。仕上げ部分1104のチャネル1124は、ネック部分1106のチャネル1108、したがってベース部分1102の空洞1112と流体連通している。仕上げ部分1104のチャネル1124は、変形可能な封止部材の第1の部分を受容するように構成されている。変形可能な封止部材は、様々な構成を有し得る。例えば、変形可能な封止部材は、図2~3A、5~6A及び8~9Bにそれぞれ示す前述の変形可能な封止部材200、500、800のいずれかと同様であり得る。
【0069】
更に図示されるように、仕上げ部分1104は、その外側表面1120の第1のセグメント1128から内向きに延在する表面特徴部1126を含む。表面特徴部1126は様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、表面特徴部1126は、仕上げ部分1104の一部分周りに周方向に延在する凹状の窪み部の形態である。以下により詳細に説明されるように、窪み部1126は、変形可能な封止部材の一部分と係合するように構成され、それにより、仕上げ部分1104と変形可能な封止部材との間に封止を形成する。窪み部1126は、変形可能な封止部材が第1の構成から第2の構成へと収縮するときに、変形可能な封止部材と係合したままであるように更に構成されている。結果として、変形可能な封止部材、したがってバイアル1100がより低い温度に曝されるときに、封止を維持することができる。
【0070】
窪み部1126は、様々な構成、例えば、切頭三角形形状、切頭角錐形状、切頭円錐形状、切頭四辺形形状、切頭五角形形状、切頭六角形形状、切頭七角形形状、切頭八角形形状などの切頭多角形形状を有し得る。この例解される実施形態では、窪み部1126は、丸みを帯びた角部1129a、1129b、1129c、1129dを有する反転された切頭三角形形状を有する。結果として、窪み部1126は、変形可能な封止部材の一部分を受容するように構成されている仕上げ部分1104の第1のセグメント1128内にチャネルを画定する。
【0071】
図11Bにより詳細に示すような窪み部1126は、ベース表面1127と、外側表面1120の第1のセグメント1128からベース表面1127まで内向きに延在する2つの対向壁1126a、1126bと、を含む。この例解される実施形態では、ベース表面1127は、平面状であり、外側表面1120の第1のセグメント1128に対して長手方向(例えば、Y方向)に実質的に平行に延在する。
【0072】
図11Bにより詳細に示されるように、第1及び第2の対向壁1126a、1126bは、傾斜しており、互いに対して角度(A)で延在する。いくつかの実施形態では、角度(A)は、0度~120度であり得る。特定の実施形態では、角度(A)は、約10度~110度、約90度~120度、又は約100度~110度であり得る。一実施形態では、角度(A)は、約100度~110度であり得る。一実施形態では、角度(A)は、約103度であり得る。他の実施形態では、対向壁1126a、1126bの一方又は両方は、外側表面1120の第1のセグメント1128に対して約90度で延在することができる。
【0073】
窪み部1126の公称幅(W)は、横方向(例えば、X方向)における平面状ベース表面1127の幅によって画定される。当業者であれば、窪み部1126の公称幅(W)は、少なくとも、バイアル1100に封止されるように構成されている変形可能な封止部材の構造的構成、及び外側表面1120の第1のセグメント1128の幅に依存し得ることを、本説明に基づいてする認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、窪み部1126の公称幅(W)は、0mm~6mmであり得る。特定の実施形態では、窪み部1126の公称幅(W)は、約0.1mm~6mm、約0.1mm~5mm、約0.1mm~2mm、約0.1mm~1.5mm、約0.1~1mm、約0.1~0.5mm、又は0.2mm~0.5mmであり得る。一実施形態では、窪み部1126の公称幅(W)は、約0.39mmであり得る。
【0074】
窪み部1126の4つの角部1129a、1129b、1129c、1129dは、様々な構成を有し得るが、この例解される実施形態では、4つの角部1129a、1129b、1129c、1129dは、各々対応する曲率半径RA3、RB3、RC3、RD3を有する。当業者であれば、丸みを帯びた角部のそれぞれの曲率半径は、バイアルの製造における製造公差に依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの曲率半径RA3、RB3、RC3、RD3は、約0mm~0.5mm、約0.1mm~0.4mm、又は約0.1~0.3mmであり得る。更に、いくつかの実施形態では、少なくとも2つの半径RA3、RB3、RC3、RD3は同じにすることができ、他の実施形態では、各曲率半径RA3、RB3、RC3、RD3は異なることができる。一実施形態では、2つの半径RA3及びRD3は各々約0.25mmであり、2つの半径RB3及びRC3は各々約0.15mmである。
【0075】
窪み部1126の高さ(H)は、外側表面1020の第1のセグメント1128と、窪み部1126のベース表面1127との間の長手方向(例えば、X方向)の距離によって画定される。当業者であれば、窪み部1126の高さ(H)は、少なくとも、仕上げ部分104の構造的構成及び仕上げ部分1104の第2のセグメント1154の高さ(HS2)に依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、窪み部1126の高さ(H)は、0mm~0.5mmであり得る。特定の実施形態では、窪み部1126の高さ(H)は、約0.05mm~0.5mm、約0.1mm~0.5mm、約0.1mm~0.4mm、又は約0.15mm~0.3mmであり得る。一実施形態では、窪み部1126の高さ(H)は、約0.2mmであり得る。
【0076】
更に、図11Aに示すように、窪み部1126は、仕上げ部分1104の少なくとも内側表面1119から距離(D)だけ離間している。この例解される実施形態では、距離(D)は、窪み部1126の中心と内側表面1119との間の横方向(例えば、X方向)の距離によって画定される。当業者であれば、窪み部1126の中心と内側表面1119との間の距離(D)は、少なくとも、バイアル1100に封止されるように構成されている変形可能な封止部材の構造的構成、及び外側表面1120の第1のセグメント1128の幅に依存し得ることを、本説明に基づいて認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、窪み部1126の中心と内側表面1119との間の距離(D)は、0mm~3mmであり得る。特定の実施形態では、窪み部1126の中心と内側表面1119との間の距離(D)は、約0.5mm~2mm、又は約1mm~1.5mmであり得る。一実施形態では、窪み部1126の中心と内側表面1119との間の距離(D)は、約1.2mm~1.5mmであり得る。
【0077】
使用中、変形可能な封止部材がバイアル1100内に挿入される。変形可能な封止部材は、バイアル1100に関するこの考察の目的のために、様々な構成を有し得るが、変形可能な封止部材は、図2~3Bに示す変形可能な封止部材200である。より具体的には、細長い円筒形要素204は、仕上げ部分1104のチャネル1124内に位置付けられ、ディスク形状要素202の第1の表面206の第1の部分210は、仕上げ部分1104の外側表面1120の第1のセグメント1128上に位置付けられ、接触している。
【0078】
変形可能な封止部材200がバイアル1100内に挿入されると、保護キャップが、変形可能な封止部材200のディスク形状要素202の第2の表面208及びバイアル1100の仕上げ部分1104の一部分の周りに位置し、これらに圧着される。保護キャップは、バイアル1100に関するこの考察の目的のために、様々な構成を有し得るが、保護キャップは、図3A~3Bに示す保護キャップ300である。
【0079】
保護キャップ300が圧着されると、ディスク形状要素202の第1の表面206の第2の部分212は、窪み部1126内に押し込まれ、したがって、2つの対向壁1126a、1126bの少なくとも一部分に押し付けられ、それによって、それらの間に封止を形成する。場合によっては、ディスク形状要素202が窪み部1126に押し込まれるときに、第2の部分212もまた、ベース表面1127に対して押し付けられ得る。低温に曝されるときに、変形可能な封止部材200は、第1の構成から第2の構成へと収縮する。収縮中、半径方向内向きの力が生成され、それによって、ディスク形状要素202の第2の部分212が、窪み部1126内に更に圧縮される。したがって、変形可能な封止部材200と窪み部1126、したがってバイアル1100との間の封止の一体性が維持される。
【0080】
保持要素は、主に図10A~11Bの実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、保持要素が同様に、仕上げ部分上の保持要素の適切な構造寸法及び配置を確実にする任意の修正を行って、図1~9Bの実施形態と共に使用することができることを理解するであろう。
【0081】
例解される表面特徴は、窪み部(図1A~3B及び11A~11B)、突出部(図4A~6B及び図10A~10C)、及びそれらの組み合わせ(図7A図9B)として示され、各々が仕上げ部分周りに周方向に延在するが、いくつかの実施形態では、窪み部及び/又は突出部は、仕上げ部分周りに不連続とすることができ、例えば、仕上げ部分の周囲周りに延在する複数のセグメントに分割され得る。更に、いくつかの実施形態では、表面特徴部は、2つ又は3つ以上の特徴を含み得る。例えば、一実施形態では、表面特徴部は、2つ又は3つ以上の凹状窪み部を含み得る。他の実施形態では、表面特徴部は、2つ又は3つ以上の突出部を含み得る。更に他の実施形態では、表面特徴部は、2つ又は3つ以上の突出部及び1つ又は2つ以上の凹状窪み部を含み得る。
【0082】
値又は範囲は、本明細書では、「約」及び/又は「約」1つの特定の値から別の特定の値までとして表すことができる。そのように値又は範囲が表される場合、開示される他の実施形態は、列挙された特定の値、及び/又は1つの特定の値から別の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用によって値が近似の形式で表現された場合、開示される多くの値が列挙され、その特定値により別の実施形態が形成されることが理解されるであろう。開示される多くの値が存在し、各値は、本明細書においては、その特定の値自体に加えて「約」が付く値として開示されることも更に理解されるであろう。一部の実施形態では、「約」は、例えば、列挙された値の10%以内、列挙された値の5%以内、又は列挙された値の2%以内を意味するために使用され得る。
【0083】
本教示を説明及び定義する目的で、別途記載のない限り、用語「実質的に」は、本明細書では、任意の定量的な比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために利用されることに留意されたい。用語「実質的に」はまた、本明細書では、定量的表現が、問題の対象物の基本的機能の変化をもたらすことなく、記述された基準から変化し得る程度を表すためにも利用される。
【0084】
当業者には、上で説明される実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点が認識されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明された内容により限定されるものではない。本明細書に引用されるすべての刊行物及び文献は、それらの全容を本明細書に明示的に援用する。参照によって全体又は一部が本明細書に組み込まれるとされる任意の特許、公開又は情報は、組み込まれる資料は、この文書に記載されている既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾しない程度にのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に明確に示した開示内容は、本明細書に援用されるいかなる矛盾する文献にも優先するものとする。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
【国際調査報告】