(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-04
(54)【発明の名称】耐薬品性及び耐湿性を有する可撓性基材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/24 20060101AFI20220627BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20220627BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20220627BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220627BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20220627BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
B65D81/24 E
B32B27/30 D
A61K9/00
A61K47/32
A61K8/02
A61K8/81
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565868
(86)(22)【出願日】2020-05-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 US2020031412
(87)【国際公開番号】W WO2020227256
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】スクワレク、ゲイリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン、カール
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ライナル、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ケルカー、アウドフート ヴァサント
(72)【発明者】
【氏名】テナッパン、アラガッパン
【テーマコード(参考)】
3E067
4C076
4C083
4F100
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AA04
3E067AA05
3E067AB01
3E067AB81
3E067AC01
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3E067GD07
4C076AA95
4C076AA99
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4C076FF70
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4F100AB33B
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4F100AT00C
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100CA12D
4F100DG01D
4F100GB66
4F100GB71
(57)【要約】
【解決手段】 可撓性パッケージ、経皮薬剤送達デバイス、及びパッケージの製造方法が提供される。例示的な可撓性パッケージは、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマーから形成された耐薬品性及び耐湿性層を含む。更に、例示的な可撓性パッケージは、送達される物質を含む。物質は、耐薬品性及び耐湿性層に適用されるか、又はそれによって封入される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性パッケージであって、
ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマーから形成された耐薬品性及び耐湿性層と、
送達される物質であって、前記耐薬品性及び耐湿性層に適用されるか、又は前記耐薬品性及び耐湿性層によって封入される物質と、を備える、可撓性パッケージ。
【請求項2】
前記耐薬品性及び耐湿性層は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーからなる、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項3】
前記耐薬品性及び耐湿性層は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーと、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)との共押出を含む、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項4】
前記耐薬品性及び耐湿性層は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーの層と、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の層とを含む積層構造を含む、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項5】
前記P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、前記コポリマーの総重量に基づいて、約2~約3重量%又は約4~約5重量%のフッ化ビニリデン(「VDF」)を含む、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項6】
前記物質は前側及び後側を有し、前記物質の前記裏側は前記耐薬品性及び耐湿性層に直接適用され、前記耐湿性パッケージは、前記物質の前記裏側と接触する裏材層を更に含む、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項7】
前記耐薬品性及び耐湿性層は、第1のセグメント及び第2のセグメントを含み、
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、それらの間に封入空洞を形成するように一緒に封止されており、
前記物質は、前記空洞内に配置されている、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項8】
前記物質は、固体、ゲル、液体、繊維、又は粉末形態の薬剤、治療薬、化粧品、軟膏、又は食品である、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項9】
パッケージを製造するための方法であって、
ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマー組成物を提供することと、
前記コポリマー組成物の層を押し出すことと、
前記コポリマー組成物の前記層から、縁部を有する第1のセグメント及び縁部を有する第2のセグメントを形成することと、
前記第1のセグメントの前記縁部を前記第2のセグメントの前記縁部に封止することによって、前記パッケージを形成することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記コポリマー組成物の前記層を押し出すことは、前記コポリマー組成物と、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)組成物とを共押出して、共押出層として前記層を形成することを含み、
前記コポリマー組成物の前記層から前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントを形成することは、前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが折り目で接続されるように、前記コポリマー組成物の前記層を折り畳むことを含み、
前記第1のセグメントの前記縁部を前記第2のセグメントの前記縁部に封止することは、熱、レーザ高周波、又は超音波封止によって、前記第1のセグメントの前記縁部を前記第2のセグメントの前記縁部に封止することを含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、一般に、パッケージ及び経皮薬剤送達デバイス、並びにそのようなパッケージ又はデバイスを製造するための方法に関する。より具体的には、技術分野は、そのようなパッケージ及びデバイスにおける耐薬品性及び耐湿性基材に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な熱可塑性ポリマー、及び熱可塑性ポリマーから形成されたフィルムが知られている。熱可塑性ポリマーフィルムの重要な物理的及び化学的特徴としては、バリア特性、例えば、ガスに対するバリアなど、耐薬品性、芳香及び水分、並びに物理的特性、例えば、耐久性、靭性、耐摩耗性及び耐候性、並びに光透過性などが挙げられる。これらの特性は、例えば、食品、化粧品、又は医療製品用の包装材料としてフィルムを使用する際などのフィルム用途において特に重要である。
【0003】
単一フィルム構造内の様々な個々の成分によって示される異なる特性を組み込んだ多成分構造を製造することが当該技術分野において既知である。例えば、包装用途では、それらのバリア特性、ほとんどの化学物質に対する不活性、高温に対する耐性、及び低摩擦係数について知られているフルオロポリマーを使用することが望ましい。ポリクロロトリフルオロエチレン(「PCTFE」)ホモポリマー及びコポリマー、並びにエチレン-クロロトリフルオロエチレン(「ECTFE」)交互コポリマーは、それらの優れた水分バリア特性により、頻繁に使用されている。
【0004】
様々な異なる熱可塑性プラスチックがフルオロポリマーと共押出され、多層フィルムを形成している。例えば、フルオロポリマー含有多層フィルムは、靭性を改善するためにナイロンの層、又は酸素バリアとしてエチレンビニルアルコール若しくはポリビニルアルコールの層を含むことができる。しかしながら、フルオロポリマーは、接着剤層を補助することなく、ほとんどの他のポリマーに強く接着しない。実際に、ほとんどのフルオロポリマーは、それらの非粘着特性に関して既知であり、層間の不十分な結合強度と多層フィルムの層間剥離に悩まされる。フルオロポリマーフィルムはまた、熱封止能力特性が低いことも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の材料は、蓋及び包装製品として役に立っているが、可撓性包装に使用するための改善された材料が必要とされている。更に、このような材料は、改善された耐薬品性及び耐湿性の両方を提供するために必要とされる。また、このような材料は、熱封止用途又はレーザ、高周波(RF)、及び超音波封止などの他のプラスチック溶接技術における使用を容易にするために望ましい。
【0006】
したがって、改善された耐薬品性及び耐湿性を示す層又は複数層から形成された可撓性パッケージ又は経皮薬剤送達デバイスを提供することが望ましい。更に、可撓性パッケージ又は経皮薬剤送達デバイスをそのような層から製造するための方法を提供することが望ましい。更に、他の望ましい特徴及び特性は、後続の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を、添付図面及び本背景技術と併せ読むことで明らかになるであろう。
【0007】
可撓性パッケージ、経皮薬剤送達デバイス、及びパッケージの製造方法が提供される。例示的な可撓性パッケージは、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマーから形成された耐薬品性及び耐湿性層を含み、同じ材料から構成された付属物、コネクタ、クロージャ、及び又はチューブを含んでもよい。更に、例示的な可撓性パッケージは、送達される物質を含む。物質は、耐薬品性及び耐湿性層に適用されるか、又はそれによって封入される。
【0008】
別の例示的な実施形態では、経皮薬剤送達デバイスが提供される。経皮送達デバイスは、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマーを含む、耐薬品性及び耐湿性層を含む。P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約0~約5重量%のフッ化ビニリデン(「VDF」)を含む。更に、経皮薬剤送達デバイスは、耐薬品性及び耐湿性層に解放可能に接続された第2の層を含む。また、経皮薬剤送達デバイスは、耐薬品性及び耐湿性層と第2の層との間に配置された薬剤を含む。
【0009】
別の実施形態では、パッケージを製造するための方法が提供される。パッケージを製造する方法は、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマー組成物を提供することと、コポリマー組成物の層を押し出すことと、を含む。更に、本方法は、コポリマー組成物の層から、縁部を有する第1のセグメント及び縁部を有する第2のセグメントを形成することを含む。また、本方法は、第1のセグメントの縁部を第2のセグメントの縁部に封止することによって、パッケージを形成することを含む。
【0010】
この概要は、以下の「発明を実施するための形態」で更に詳述される、選定された概念を単純な形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主な特徴又は本質的な特徴を識別することを意図するものではない。また、特許請求される主題の範囲の決定を支援するものとして使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
様々な実施形態が、次の描画図形と共に以下に説明され、同様の番号は、同様の要素を示す。
【0012】
【
図1】
図1は、本明細書の一実施形態に係る、P(CTFE-co-VDF)コポリマーから形成された層を含む、非封入可撓性パッケージの概略斜視図を通る断面を示す。
【0013】
【
図2】
図2は、本明細書の一実施形態に係る、P(CTFE-co-VDF)コポリマーから形成された層を含む、非封入可撓性パッケージの概略斜視図を通る断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、可撓性パッケージ及び経皮薬剤送達デバイス、又は製造方法を限定することを意図するものではない。更に、前述の背景技術又は以下の詳細な説明で提示される、いずれの理論によっても拘束されることは意図していない。
【0015】
本明細書に説明されるように、可撓性パッケージには、P(CTFE-co-VDF)コポリマーから形成された耐薬品性及び耐湿性層が提供される。例示的な耐薬品性及び耐湿性層は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーからなる。他の実施形態では、耐薬品性及び耐湿性層は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーと、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)とを含んでもよい。例えば、例示的な層は、INEOS Barex AG(ケルン、ドイツ)によってBarex(登録商標)として販売されているアクリロニトリル-メチルアクリレートコポリマーを含むことができる。他の好適なアクリロニトリルコポリマーが使用されてもよい。P(CTFE-co-VDF)コポリマーと、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の両方を利用する層では、P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、単一層として他の材料と共押出されてもよく、又は副層の積層構造から積層されてもよい。
【0016】
可撓性パッケージには、薬剤、治療薬、化粧品、軟膏、食品、水、溶媒、又は他の好適な物質などの送達される物質が更に提供される。送達される物質は、固体、ゲル、液体、繊維状、粉末、又は他の所望の形態であってもよい。送達される物質は、耐薬品性及び耐湿性層に適用されてもよく、又はそれによって封入されてもよい。
【0017】
例示的な可撓性パッケージは、薬剤送達デバイスとして提供され、耐薬品性及び耐湿性の層又は複数層に適用されるか又はそれによって封入される薬剤を含む。使用中、薬剤は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーの耐薬品性及び耐湿性層によって形成され得る剥離可能ライナーから薬剤を分離することによって、又はP(CTFE-co-VDF)コポリマーの耐薬品性及び耐湿性層から形成されたパウチ若しくはエンクロージャから薬剤を除去することによって露出される。
【0018】
図1を参照すると、例示的な可撓性パッケージ10が示されている。図示のように、可撓性パッケージ10は、耐薬品性及び耐湿性層12を含む。層12は、裏材層と見なすことができる。例示的な層12は、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマーから形成される。例えば、層12は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーから成ってもよく、P(CTFE-co-VDF)コポリマーと、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の共押出であってもよく、又はP(CTFE-co-VDF)コポリマーの層又は複数層と、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の層又は複数層、及び/又はその他を含む積層構造であってもよい。
【0019】
例示的な実施形態では、P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約0~約10重量%(wt.%)のフッ化ビニリデン(「VDF」)、例えば、コポリマーの総重量に基づいて、約0~約5重量%(wt.%)のVDFを含む。例えば、P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約4~約5重量%のVDF、例えば約5重量%のVDFを含んでもよい。あるいは、P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約2~約3重量%のVDF、例えば約2.5重量%のVDFを含んでもよい。他の実施形態では、耐薬品性及び耐湿性層12は、2つ以上のP(CTFE-co-VDF)コポリマーによって形成されてもよい。例えば、層12は、約4~約5重量%のVDFを含むP(CTFE-co-VDF)コポリマーによって、及び約2~約3重量%のVDFを含むP(CTFE-co-VDF)コポリマーから形成されてもよい。このような実施形態は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーの共押出層若しくは複数層、又は各P(CTFE-co-VDF)コポリマーの副層を含む積層構造、又は共押出層若しくは複数層を含む積層構造を含んでもよい。
【0020】
図1に示すように、可撓性パッケージ10は、送達される物質14を更に含む。
図1では、物質14は、耐薬品性及び耐湿性層12に直接適用される。例えば、物質14は、薬剤及び接着剤を含む母体であってもよく、又は物質14が層12と直接接触するように当然、接着剤であってもよい。他の実施形態では、可撓性パッケージ10は、物質14を層12に接着するための追加の接着剤層(図示せず)を含むと考えることができる。
【0021】
いずれかの実施形態では、物質14は、裏側13及び前側15を有する。図示されるように、物質14の裏側13は、耐薬品性及び耐湿性層12に直接又は間接的に適用される。
【0022】
図1に示すように、パッケージ10は、第2の層18を更に含んでもよい。第2の層18は、剥離性ライナーであると考えられてもよい。物質14の前側15は、直接又は間接的に第2の層18に適用される。
【0023】
第2の層18は、耐薬品性及び耐湿性層12と組成的に同一であってもよく、すなわち、同じコポリマー組成物から形成されてもよい。あるいは、第2の層18は、層12から独立して別個の組成物から形成されてもよい。例えば、第2の層18は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーから、又はP(CTFE-co-VDF)コポリマーと、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)から選択される材料から形成されてもよい。
【0024】
可撓性パッケージ10は、エンクロージャ内など、更にパッケージ化されてもよい。使用のために、可撓性パッケージ10は外部パッケージから取り外され、第2の層18は物質14から除去される。物質14の前側15は、経皮薬剤送達用などのユーザーのスキーに適用されてもよい。他の実施形態では、用具を使用して、物質14を層12から擦り取るか、ないしは別の方法で除去することができる。同様に、層12は、物質14を別の物品に適用するために取り扱うことができる。
【0025】
図2は、パウチの形態の可撓性パッケージ20の別の実施形態を示す。
図2において、可撓性パッケージ20は、耐薬品性及び耐湿性層26を含む。例示的な層26は、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマーから形成される。例えば、層26は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーから成ってもよく、P(CTFE-co-VDF)コポリマーと、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の共押出であってもよく、又はP(CTFE-co-VDF)コポリマーの層又は複数層と、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の層若しくは複数層を含む積層構造であってもよい。
【0026】
例示的な実施形態では、P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約0~約10重量%(wt.%)のフッ化ビニリデン(「VDF」)、例えば、コポリマーの総重量に基づいて、約0~約5重量%(wt.%)のVDFを含む。例えば、P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約4~約5重量%のVDF、例えば約5重量%のVDFを含んでもよい。あるいは、P(CTFE-co-VDF)コポリマーは、コポリマーの総重量に基づいて、約2~約3重量%のVDF、例えば約2.5重量%のVDFを含んでもよい。他の実施形態では、耐薬品性及び耐湿性層26は、2つ以上のP(CTFE-co-VDF)コポリマーによって形成されてもよい。例えば、層26は、約4~約5重量%のVDFを含むP(CTFE-co-VDF)コポリマーによって、及び約2~約3重量%のVDFを含むP(CTFE-co-VDF)コポリマーから形成されてもよい。このような実施形態は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーの共押出層若しくは複数層、又は各P(CTFE-co-VDF)コポリマーの副層を含む積層構造、又は共押出層若しくは複数層を含む積層構造を含んでもよい。
【0027】
図2に示すように、層26は、第1のセグメント21及び第2のセグメント22を含む。第1のセグメント21は、少なくとも1つのP(CTFE-co-VDF)コポリマーの第1の層であると考えることができ、第2のセグメント22は、少なくとも1つのP(CTFE-co-VDF)コポリマーの第2の層であると考えることができる。特定の実施形態では、第1のセグメント21及び第2のセグメント22は、一体型であってもよい。例えば、第1のセグメント21及び第2のセグメント22は、シートを折り目25で折り畳むことによって、共通のシートから形成されてもよい。
【0028】
一体型であるか否かにかかわらず、第1のセグメント21及び第2のセグメント22は、縁部26によって結合される。
図2に示すように、第1のセグメント21の縁部26は、第2のセグメント22の縁部26に封止される。例えば、セグメント21及び22の縁部26は、一緒に熱封止される。
【0029】
セグメント21及び22の縁部26を接合することにより、エンクロージャ又は完全に封入された空洞28は、セグメント21と22との間に画定される。図示のように、送達される物質30は、封入空洞28内に配置される。特定の実施形態では、
図1に記載されるパッケージ10は、封入空洞28内に配置されてもよい。
【0030】
他の実施形態では、物質30は、固体、ゲル、液体、繊維、又は粉末形態の薬剤、治療薬、化粧品、軟膏、又は食品であってもよい。特定の実施形態では、物質30は、封入空洞28内に注入されるか、ないしは別の方法で配置される液体であってもよい。空洞30を充填するために穿孔された場合に空洞28が再封止され得ることを条件として、物質30は、封止プロセスの前又は後にセグメント21と22との間に位置付けられてもよい。
【0031】
図2の特定の実施形態では、物質30は、中間接着剤又は他の材料が必要でないため、耐薬品性及び耐湿性層28に直接適用されると考えることができる。
【0032】
図1及び2の実施形態で使用するために上述したP(CTFE-co-VDF)コポリマーは、懸濁又は乳化重合プロセスのいずれかを介して形成されてもよい。パッケージ及びデバイスが形成される約0重量%~約10%重量%のVDF部分を有するP(CTFE-co-VDF)コポリマー組成物は、従来のフリーラジカル重合法によって重合され得る。任意の好適な市販のラジカル開始剤を、プロセスにおいて使用することができる。好適な候補としては、熱開始剤及び酸化還元又は「レドックス」開始剤系を挙げることができる。熱開始剤としては、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムなどの金属過硫酸塩;ジアシル過酸化物、ケトン過酸化物、ペルオキシエステル、ジアルキル過酸化物、及びペルオキシケタールなどの有機過酸化物又はヒドロペルオキシド;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル及びこれらの水溶性類似体などのアゾ開始剤;並びにこれらの混合物及び組み合わせが挙げられる。
【0033】
一般に、P(CTFE-co-VDF)などのフルオロポリマーの調製に有用であることが知られている任意のレドックス開始剤系を使用することができる。典型的なレドックス開始剤系は、1)有機若しくは無機酸化剤又はこれらの混合物と、2)有機若しくは無機還元剤又はこれらの混合物と、を含む。好適な酸化剤としては、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムなどの金属過硫酸塩;過酸化水素、過酸化カリウム、過酸化アンモニウム、三級ブチルヒドロペルオキシド(「TBHP」)((CH3)3COOH))、クメンヒドロペルオキシド、及びt-アミルヒドロペルオキシドなどの過酸化物;三酢酸マンガン;過マンガン酸カリウム;アスコルビン酸及びこれらの混合物が挙げられる。好適な還元剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、m-亜硫酸水素ナトリウム(「MBS」)(Na2S2O5)及びチオ硫酸ナトリウムなどの亜硫酸ナトリウム;亜硫酸水素アンモニウムなどの他の亜硫酸塩;ヒドロキシルアミン;ヒドラジン;第一鉄、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、及びこれらの組み合わせなどの有機酸が挙げられる。
【0034】
例示的なフリーラジカル開始系は、重合を開始しながらポリマーを同時に乳化させる働きをし、したがって大量の界面活性剤の必要性を排除する。レドックス開始剤系は、好ましいラジカル開始剤であり得る。好適なレドックス開始剤系は、MBS還元剤及びTBHP酸化剤を使用してもよい。例示的な実施形態では、レドックス開始剤系は、遷移金属促進剤と共に使用される。促進剤は、重合時間を大幅に削減することができる。任意の市販の好適な遷移金属は、銅、銀、チタン、第一鉄、及びこれらの混合物を含む促進剤として使用することができる。
【0035】
プロセスで使用されるラジカル開始剤の量は、様々なモノマーが共重合する相対的な容易性、ポリマーの分子量、及び所望される反応速度に依存し得る。一般に、約10~約100,000ppmの開始剤、例えば約100~約10,000ppmが使用され得る。
【0036】
任意に、重合を更に促進するために、レドックス開始剤系は、追加の過酸化物系化合物を含んでもよい。使用される追加の過酸化物系化合物の量は、約10~約10,000ppm、例えば、約100~約5,000ppmであってよい。ラジカル開始剤は、コポリマーを作製するために使用されるモノマーの添加及び/又は消費の前、同時、及び/又は直後に添加されてもよい。追加の過酸化物系化合物が使用される場合、それは、一次ラジカル開始剤のために指定された同じ間隔で添加されてもよい。
【0037】
P(CTFE-co-VDF)コポリマーの調製のための例示的なプロセスでは、モノマー、水、及びラジカル開始剤の初期充填が好適な重合容器に導入される重合反応を含む。更なるモノマーが、一定の圧力を維持するために、消費速度に等しい速度で反応全体にわたって添加される。開始剤の漸増的な添加充填は、重合を維持するために反応の期間にわたって容器に導入される。反応混合物は、制御された温度で維持され、一方、全ての反応物は、容器に、重合反応の全体にわたって充填される。
【0038】
P(CTFE-CO-VDF)コポリマーを調製するために使用される反応容器の唯一の要件は、加圧及び撹拌が可能であることである。プロセスは、必要な反応圧力(安全考慮のために3.36MPa(500psig)未満など)に封止及び加圧することができる従来の市販のオートクレーブを利用することができる。特定の実施形態では、反応器容器は、フルオロポリマー又はガラスライナーで裏打ちされる。
【0039】
例示的な実施形態では、重合が行われる水性媒体は、脱イオン、窒素パージ水であってもよい。一般に、オートクレーブの容量のおよそ半分に相当する量が使用される。ポリマーと水との比は、水中で約20~約60%のポリマー固体の分散体を得るように選択される。水をオートクレーブに予充填する。
【0040】
例示的な実施形態では、モノマーは、重合の過程で半連続的又は連続的な方法のいずれかで反応器容器に充填されてもよい。「半連続的」とは、重合反応の過程で、モノマーのいくつかのバッチが反応器に充填されることを意味する。
【0041】
ラジカル開始剤に消費される全モノマーのモル比は、所望の分子量に依存する。好ましくは、モノマー対開始剤の全体モル比は、1モルの開始剤に対して、約10~約10,000、例えば、約50~約1,000モル、例えば、約100~約500モルの全モノマーであろう。
【0042】
例示的な実施形態では、ラジカル開始剤は、一般に、反応の過程で漸増式に添加される。この議論の目的のために、開始剤の「初期充填」又は「初期充填すること」は、重合開始を引き起こす開始剤の急速な、大きな、単一の、又は漸増式の添加を指す。初期充填では、一般に、約10ppm/分~約1,000ppm/分の間、モノマーの充填前、充填後、又は充填中に、約3~約30分の期間にわたって添加される。「連続充填」又は「連続充填すること」は、開始剤を約1時間~約6時間の期間にわたって、又は重合が終了するまで、ゆっくりと、少量、漸増式に添加することを意味する。連続充填では、一般に、約0.1ppm/分~約30ppm/分の開始剤が添加される。
【0043】
重合反応の開始中、封止された反応器及びその内容物は、所望の反応温度に維持されるか、あるいは反応過程中の温度を変化させる様々な温度プロファイルに維持される。反応温度の制御は、生成されるコポリマーの最終分子量を確立するための別の重要な要因である。一般的な規則として、重合温度は、製品分子量に反比例する。典型的には、反応温度は、約0℃~約150℃であるべきであるが、これらの値を上回る及び下回る温度もまた企図される。反応圧力は、約172KPa~約5.5MPa、例えば、約345KPa~約4.2MPaであってよい。高圧及び温度は、より高い反応速度をもたらす。
【0044】
例示的な実施形態では、適切な混合を確実にするために、撹拌下で重合を行う。撹拌速度及び反応時間は、典型的には、所望のコポリマー生成物の量に依存するが、当業者は、過度の実験を行うことなく反応条件を容易に最適化することができる。攪拌速度は、一般に、攪拌器の形状及び容器のサイズに応じて、約5~約800rpm、例えば約25~約700rpmの範囲である。反応時間は、一般に、約1~約24時間、例えば約1~約8時間である。
【0045】
界面活性剤を含まない乳化プロセスを使用して調製された分散体は、水中で最大40重量%の固形分を有する安定な分散体を得、これは濃縮工程なしに得られる。低濃度の界面活性剤を添加して、より高い濃度の乳化されたポリマーを水中で得ることができる(すなわち、約40~約60重量%)。好適な界面活性剤は、当業者に容易に思い浮かび、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性界面活性剤を含む。例示的な分散体は、約0~約0.25重量%のアニオン性乳化剤を有するアニオン性界面活性剤安定化ラテックスエマルジョンである。
【0046】
例示的な界面活性剤は、過フッ素化アニオン性界面活性剤である。好適な過フッ素化アニオン性界面活性剤の例としては、ペルフッ素化アンモニウムオクタノエート、ペルフッ素化アルキル/アリールアンモニウム(金属)カルボキシレート、及びペルフッ素化アルキル/アリールリチウム(金属)スルホネートが挙げられ、アルキル基は約1~約20個の炭素原子を有する。好適な界面活性剤としては、フッ素化イオン性又は非イオン性界面活性剤、炭化水素系界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネート、又は前述のうちのいずれかの混合物も挙げられる。
【0047】
上記のプロセスによって生成されるコポリマーは、水媒体を蒸発させること、水性懸濁液を凍結乾燥すること、又は軽微な量の凝集剤若しくは凝固剤(例えば、炭酸アンモニウム)を添加すること、続いて濾過又は遠心分離などの従来の方法によって単離され得る。あるいは、生成されたコポリマー分散体をそのまま使用してもよい。
【0048】
所望の用途に応じて、他の成分、例えば、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールなどの湿潤剤及びレベリング剤;二酸化チタンなどの顔料;疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(HEURASE)などの増粘剤;消泡剤、UV吸収剤、ブチルベンジルフタレートなどの可塑剤;殺生物剤;ガラスビーズなどの充填剤、並びにナノスフェア;水性PTFE又は微粉末PTFEなどの汚れ耐性なども含まれ得る。
【0049】
例示的な層12又は26は、周知の押出技術を使用して、P(CTFE-co-VDF)コポリマーの単層フィルムとして形成されてもよい。他の実施形態では、層12又は26は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーの層又は複数層、アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の層又は複数層、並びに共押出によって互いに取り付けられた任意の他の層を含んでもよい。
【0050】
共押出のために、個々の層のポリマー材料は、同様の数の押出機の送込みホッパーに供給され、各押出機は、層のうちの1つ以上のために材料を取り扱う。個々の押出機から溶融され可塑化された流れは、単一のマニホールド共押出ダイに供給され得る。ダイ中にある間、層は並置され得、組み合わされ得、次いで、ダイからポリマー材料の単一の複数層フィルムとして現れる。ダイを出た後、フィルムは、第1の制御された温度キャスティングロール上にキャストされ、第1のロールの周りを通過し、次いで、第1のロールよりも通常冷却される第2の制御された温度ロール上にキャストされる。制御された温度ロールは、ダイから出た後のフィルムの冷却速度を大きく制御する。追加のロールを用いてもよい。別の方法では、フィルム形成装置は、当該技術分野において吹込フィルム装置と呼ばれるものであってもよく、バブルブローフィルム用のマルチマニホールド円形ダイヘッドを含み、これを通して可塑化されたフィルム組成物が強制されてフィルムバブルに形成され、これは最終的に崩壊してフィルムに形成され得る。フィルム及びシート積層体を形成するための共押出プロセスが一般的に知られている。
【0051】
あるいは、個々の副層は、まず別個の層として形成され、次いで熱及び圧力下で一緒に積層されて積層構造を形成してもよい。積層技術は、当該技術分野において周知である。典型的には、積層は、層を結合させて単体のフィルムにするのに十分な加熱及び圧力の条件下で個々の層を互いの上に位置付けることによって行われる。個々の層は互いの上に位置付けられ得、その組み合わせを当該技術分野において周知の手法によって一対の加熱した積層ローラーのニップに通す。典型的には、積層は、中間接着剤層を用いて又は用いずに実施されてもよい。例示的な実施形態では、コポリマー層の間に中間接着剤層は使用されない。積層加熱は、約120℃~約225℃、例えば約150℃~約175℃の温度、及び約5psig(0.034MPa)~約100psig(0.69MPa)の圧力で、約5秒~約5分間、例えば約30秒~約1分間、行われ得る。
【0052】
各層は、接合される前に配向されてもよい。延伸比という用語は、延伸方向における寸法の増加の指標である。一定の実施形態では、層は、少なくとも1つの方向、すなわち、長手方向、横断方向において一軸方向で、又は長手方向及び横断方向のそれぞれにおいて二軸方向で、1.5:1~5:1の延伸比に延伸される。層は、同時に二軸配向されてもよく、例えば、機械方向及び横断方向の両方において可塑化されたフィルムを同時に配向する。これにより、明確な強度及び靱性特性の劇的な改善がもたらされる。層は、横断方向及び長手方向の両方で層が収縮可能であるように、二軸方向に配向され得、ヒートセットされなくてもよい。あるいは、多層フィルムは、個々のフィルム層を接合した後に全体として一軸又は二軸方向に配向されてもよい。
【0053】
フィルム構造の各層は異なる厚さを有してもよいが、コポリマーの層又は複数層の厚さは、約8μm~約254μm、例えば約8μm~約102μm、例えば約8μm~約13μmであってもよい。アクリロニトリルコポリマー、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、箔、及び/又は二軸配向ポリアミド(BOPA)の層又は複数層の厚さは、存在する場合、約1μm~約250μm、例えば約5μm~約225μm、例えば約10μm~約200μmであってよい。したがって、フィルム全体の厚さは、約9μm~約504μm、例えば約13μm~約327μm、例えば約18μm~約213μmであってもよい。かかる厚さが開示されるが、特定の必要性を満たすように他のフィルム厚さが製造され得、まだ主題の範囲内にあることが理解される。
【0054】
熱封止可能パッケージ、デバイス及び層の水蒸気透過率(WVTR)は、ASTM F1249に記載の手順を介して決定され得る。例示的な実施形態では、パッケージ、デバイス及び層は、37.8℃及び100%RHでの物品全体の約0.0005~約1gm/100in2/日、例えば物品全体の約0.001~約0.1gm/100in2/日、例えば物品全体の約0.003~約0.05gm/100in2/日のWVTRを有する。当該技術分野において周知のように、水蒸気透過率は、個々のフィルム層の厚さ、並びにフィルム全体の厚さによって直接影響される。
【0055】
例示的な熱封止可能層は、一般に、約2%~約30%、例えば、約10%~約20%の長さ、若しくは幅、又は長さ及び幅のそれぞれの量で熱収縮可能である。層は、層上又は層間に印刷されたしるしを更に有してもよい。このような印刷は、典型的には、構造の内部表面上にあり、適用方法は当該技術分野において周知である。
【0056】
上述のように、例示的な層は、層の部分をそれ自体に封止することによってパッケージを形成するのに有用である。例えば、コポリマー又は複数コポリマーの単一層は、層がそれ自体の上に重なり合い、上縁部及び側縁部を有する重なり部を形成し、側縁部及び任意選択的に上縁部を一緒に封止してパッケージを形成するように、押出又は共押出され、折り畳まれ、位置付けられてもよい。封止プロセスは、熱封止の適用によって、又はレーザ、高周波(RF)、及び超音波封止などの他のプラスチック溶接技術によって実行されてもよい。熱封止技術は当該技術分野において周知であり、約150℃~約270℃の範囲の温度、例えば約200℃~約250℃など、及び約10psia~約100psiaの圧力、例えば約60psi~約100psiなどで、ポリマー層の部分を一緒に溶融及び融合させるための適用熱を伴う。熱封止プロセスは、親コポリマー材料と同じ水分バリア特性を有するコポリマーフィルム表面間に強い層間結合を形成し、接着結合層の必要性を回避し、低水分バリア接着材料に関連する水分バリア特性の典型的な低減を克服する。
【0057】
本明細書の実施形態によれば、可撓性パッケージは、ガンマ線照射処理及び/又は極低温処理に耐えることができる。
【0058】
前述の詳細な説明で、少なくとも1つの例示の実施形態が提示されたが、膨大な数の変更例が存在することを理解されたい。例示的実施形態又は複数の例示的実施形態は、あくまで例であり、いかなるようにも主題の範囲、適用性、又は構成を制限することを意図しないこともまた理解されるべきである。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者らに例示の実施形態を実装するのに簡便なロードマップを提供するだろう。添付の特許請求の範囲に記載される範囲から逸脱することなく、例示の実施形態に説明された要素の機能及び構成に様々な変更を加えることができるものと理解される。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性パッケージであって、
ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマーから形成された耐薬品性及び耐湿性層と、
送達される物質であって、前記耐薬品性及び耐湿性層に適用されるか、又は前記耐薬品性及び耐湿性層によって封入される物質と、を備える、可撓性パッケージ。
【請求項2】
前記耐薬品性及び耐湿性層は、P(CTFE-co-VDF)コポリマーからなる、請求項1に記載の可撓性パッケージ。
【請求項3】
パッケージを製造するための方法であって、
ポリ(クロロトリフルオロエチレン-co-フッ化ビニリデン)(「P(CTFE-co-VDF)」)コポリマー組成物を提供することと、
前記コポリマー組成物の層を押し出すことと、
前記コポリマー組成物の前記層から、縁部を有する第1のセグメント及び縁部を有する第2のセグメントを形成することと、
前記第1のセグメントの前記縁部を前記第2のセグメントの前記縁部に封止することによって、前記パッケージを形成することと、を含む、方法。
【国際調査報告】