(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-05
(54)【発明の名称】高屈折率、高アッベ型組成物
(51)【国際特許分類】
C08F 271/02 20060101AFI20220628BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20220628BHJP
A61L 27/16 20060101ALI20220628BHJP
A61L 27/18 20060101ALI20220628BHJP
A61L 27/26 20060101ALI20220628BHJP
A61L 27/50 20060101ALI20220628BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20220628BHJP
G02B 1/04 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
C08F271/02
C08F290/06
A61L27/16
A61L27/18
A61L27/26
A61L27/50
G02C7/04
G02B1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020566222
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 IB2020054149
(87)【国際公開番号】W WO2020225685
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509127664
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・サージカル・ビジョン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アリ・アザーム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン・バート・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョスリン・スコット・エル
【テーマコード(参考)】
2H006
4C081
4J026
4J127
【Fターム(参考)】
2H006BB06
4C081AB21
4C081AB22
4C081AB23
4C081BB09
4C081CA021
4C081CA031
4C081CA081
4C081CA101
4C081CA151
4C081CA181
4C081CA201
4C081CA231
4C081CA271
4C081CC01
4C081CC05
4C081CE11
4C081DA01
4C081EA02
4C081EA05
4C081EA14
4J026AA57
4J026AA61
4J026BA27
4J026BA28
4J026BA30
4J026BA50
4J026BB04
4J026BB10
4J026DA12
4J026DB07
4J026DB36
4J026FA09
4J026GA07
4J127AA03
4J127BB022
4J127BB031
4J127BB102
4J127BB111
4J127BB221
4J127BB222
4J127BC021
4J127BC022
4J127BC151
4J127BC152
4J127BD222
4J127BD331
4J127BE241
4J127BE24Y
4J127BE342
4J127BE34Y
4J127BF182
4J127BF18X
4J127BF18Y
4J127BF371
4J127BF37Z
4J127BG101
4J127BG10Z
4J127BG142
4J127BG14X
4J127BG14Y
4J127BG14Z
4J127BG381
4J127CB121
4J127CB152
4J127CC092
4J127DA56
4J127EA13
4J127FA24
4J127FA25
4J127FA26
(57)【要約】
高屈折率及び高アッベ数の両方を有する疎水性アクリル材料が開示される。材料は、内部湿潤剤を有してもよく、埋め込み可能な眼科用デバイスとしての使用に非常に適しており、エネルギーの適用によって編集され得る屈折率を有する。眼内レンズに使用される場合、屈折率が高いため、レンズが圧縮されて薄いレンズができ、小さく切開することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、
a.少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、
b.少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、
c.少なくとも1種のポリアミドと、
d.少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、
前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも39のアッベ数を示す、組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、1~25個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖、又は環状ヒドロキシアルキル基を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種のポリアミドがコポリマーである、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5重量%~約2重量%の量で、前記少なくとも1種のポリアミドを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合の前記アルキル基が、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合の前記アリール基が、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記反応性モノマー混合物が、約15重量%~30重量%の量で、前記ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の親水性モノマーを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種の親水性モノマーが、ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のヒドロキシシリコーンモノマーを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種のヒドロキシシリコーンモノマーが、モノ-n-ブチル末端モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルオキシ)-プロピル末端ポリジメチルシロキサン、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、3-(3-1,5-ジ-tert-ブチル-1,1,3,5,5-ペンタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1種のUV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のUV吸収化合物を含む、請求項16又は17に記載の組成物。
【請求項19】
重合性基及び少なくとも1つの他の炭素-炭素二重結合を有する不飽和モノマーを更に含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記重合性基が、(メタ)アクリラート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、O-ビニルカルバマート、O-ビニルカルボネート、ビニル基、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記炭素-炭素二重結合が、2~30個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環状脂肪族炭化水素部分中に存在する、請求項19又は20に記載の組成物。
【請求項22】
前記不飽和モノマーが、シクロヘキセニルエーテルアクリラート、N,N-ジアリルアクリルアミド、ジアリルマレアート、アリル(メタ)アクリラート、2-(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項19~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
約0重量%~15重量%、約0.5重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、前記組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は前記組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、請求項1~25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
【請求項28】
前記眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、請求項27に記載の眼科用デバイス。
【請求項29】
眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
【請求項30】
前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物からブランクを調製する工程と、
b.前記ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む、方法。
【請求項33】
前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、請求項29~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、請求項29~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、
a.少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、
b.少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、
c.少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、
前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、約15重量%~約22重量%の量で、前記反応性モノマー混合物中に存在する、組成物。
【請求項38】
前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが2-フェニルエチルアクリラートである、請求項37又は38に記載の組成物。
【請求項40】
前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが2-フェニルエチルメタクリラートである、請求項37又は38に記載の組成物。
【請求項41】
前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである、請求項37又は38に記載の組成物。
【請求項42】
前記反応性モノマー混合物が、約40重量%~約80重量%の量で、前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートを含む、請求項37~41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記反応性モノマー混合物が、約60重量%~約75重量%の量で、前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートを含む、請求項37~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項37~43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む、請求項37~45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記反応性モノマー混合物が、約5重量%~約15重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む、請求項37~46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合の前記アルキル基が、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合の前記アリール基が、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである、請求項37~47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、以下の式を有し:
【化1】
式中、nが5~50の整数である、請求項37~47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
nが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
nが20である、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記反応性モノマー混合物が、約15重量%~約22重量%の量で、前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む、請求項37~52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記反応性モノマー混合物が、約16重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む、請求項37~53のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
前記反応性モノマー混合物が、約18重量%の量で、前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む、請求項37~54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
ポリアミドを更に含む、請求項37~55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
前記ポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、請求項56に記載の組成物。
【請求項58】
前記ポリアミドが、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記ポリアミドが、コポリマーである、請求項57に記載の組成物。
【請求項60】
前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5重量%~約2重量%の量で、前記ポリアミドを含む、請求項56~59のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、請求項37~60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項62】
前記少なくとも1種のUV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のUV吸収化合物を含む、請求項61又は62に記載の組成物。
【請求項64】
前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、請求項37~63のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項65】
約0重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、請求項37~64のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項66】
前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、前記組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は前記組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、請求項37~65のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項67】
前記フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、請求項37~66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
請求項37~67のいずれか一項に記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
【請求項69】
前記眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、請求項68に記載の眼科用デバイス。
【請求項70】
眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.請求項37~67のいずれか一項に記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
【請求項71】
前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
眼科用デバイスを作製するための方法であって、前記方法が、
g.第37項~第67項のいずれかに記載の組成物からブランクを調製し、前記ブランクから前記眼科用デバイスを機械加工する工程と、
h.前記眼科用デバイスを、第37項~第67項のいずれかに記載の組成物から成形する工程と、
i.前記眼科用デバイスを、第37項~第67項のいずれかに記載の組成物から成形し、前記眼科用デバイスの表面を機械加工する工程と、からなる群から選択される、方法。
【請求項74】
前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、請求項70~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、請求項70~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、
a.少なくとも1種の疎水性モノマーと、
b.少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーと、
c.少なくとも1種の架橋剤と、
d.少なくとも1種のポリアミドと、を含み、
前記反応性モノマー混合物が、約0.10重量%~約5.0重量%の量で、前記ポリアミドを含む、組成物。
【請求項79】
前記少なくとも1種の疎水性モノマーが、疎水性(メタ)アクリラートモノマーである、請求項78に記載の組成物。
【請求項80】
前記疎水性(メタ)アクリラートが、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、脂環式(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項78に記載の組成物。
【請求項81】
前記疎水性(メタ)アクリラートが、脂肪族(メタ)アクリラートである、請求項80に記載の組成物。
【請求項82】
前記脂肪族(メタ)アクリラートが、C
1~C
18アルキル(メタ)アクリラートである、請求項81に記載の組成物。
【請求項83】
前記C
1~C
18アルキル(メタ)アクリラートが、エチル(メタ)アクリラート、n-ブチル(メタ)アクリラート、イソ-ブチル(メタ)アクリラート、t-ブチル(メタ)アクリラート、n-ヘキシル(メタ)アクリラート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、イソ-デシル(メタ)アクリラート、ヘプタデシル(メタ)アクリラート、ドデシル(メタ)アクリラート、2-プロピルヘプチル(メタ)アクリラート、ステアリル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
前記C
1~C
18アルキル(メタ)アクリラートが、n-ヘキシルアクリラートである、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
前記疎水性(メタ)アクリラートが、芳香族(メタ)アクリラートである、請求項80に記載の組成物。
【請求項86】
前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラートである、請求項86に記載の組成物。
【請求項88】
前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルメタクリラートである、請求項86に記載の組成物。
【請求項89】
前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである、請求項86に記載の組成物。
【請求項90】
前記疎水性(メタ)アクリラートが、脂環式(メタ)アクリラートである、請求項80に記載の組成物。
【請求項91】
前記脂環式(メタ)アクリラートが、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、シクロペンチル(メタ)アクリラート、2-シクロヘキシルエチル(メタ)アクリラート、3-シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリラート、ノルボルニル(メタ)アクリラート、イソボルニル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
前記脂環式(メタ)アクリラートが、シクロヘキシルアクリラートである、請求項91に記載の組成物。
【請求項93】
前記組成物が、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、及び脂環式(メタ)アクリラートを含む、請求項80に記載の組成物。
【請求項94】
組成物が、シクロヘキシルアクリラート、フェニルエチルアクリラート、及びn-ヘキシルアクリラートを含む、請求項93に記載の組成物。
【請求項95】
前記反応性モノマー混合物が、約50重量%~90重量%の量で、前記少なくとも1種の疎水性モノマーを含む、請求項78~94のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項96】
前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートである、請求項78~95のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項97】
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項96に記載の組成物。
【請求項98】
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである、請求項97に記載の組成物。
【請求項99】
前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーが、ヒドロキシシリコーンモノマーである、請求項78~95のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項100】
前記ヒドロキシシリコーンモノマーが、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート(SiMAA)、モノ-n-ブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(mPDMS)、及びモノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)-プロピルエーテル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(OH-mPDMS)から選択される、請求項99に記載の組成物。
【請求項101】
前記反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーを含む、請求項78~100のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項102】
前記反応性モノマー混合物が、約5重量%~約15重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーを含む、請求項101に記載の組成物。
【請求項103】
前記少なくとも1種の架橋剤が、非脂環式架橋剤、脂環式架橋剤、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項78~102のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項104】
前記少なくとも1種の架橋剤が、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、グリセロールトリ(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリラート、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせから選択される非脂環式架橋剤である、請求項103に記載の組成物。
【請求項105】
前記非脂環式架橋剤が、エチレングリコールジメタクリラートである、請求項104に記載の組成物。
【請求項106】
前記少なくとも1種の架橋剤が、1~4個の脂環式環を有する脂環式基を含む脂環式架橋剤である、請求項103に記載の組成物。
【請求項107】
前記脂環式架橋剤が、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリラートである、請求項106に記載の組成物。
【請求項108】
前記反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、又は約3重量%~約10重量%の量で、前記脂環式架橋剤を含む、請求項106又は107に記載の組成物。
【請求項109】
前記少なくとも1種の架橋剤が、以下の式を有し:
1.
【化2】
2.式中、nが5~50の整数である、請求項78~102のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項110】
nが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である、請求項109に記載の組成物。
【請求項111】
nが20である、請求項110に記載の組成物。
【請求項112】
前記反応性モノマー混合物が、約15重量%~約22重量%の量で、前記少なくとも1種の架橋剤を含む、請求項109~111のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項113】
前記反応性モノマー混合物が、約16重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種の架橋剤を含む、請求項109~112のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項114】
前記反応性モノマー混合物が、約18重量%の量で、前記反応性モノマー混合物中に存在する前記少なくとも1種の架橋剤を含む、請求項109~113のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項115】
前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、請求項78~114のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項116】
前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)又はポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である、請求項115に記載の組成物。
【請求項117】
前記少なくとも1種のポリアミドが、コポリマーである、請求項115に記載の組成物。
【請求項118】
前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のポリアミドを含む、請求項78~117のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項119】
前記少なくとも1種の反応性モノマー混合物が、約0.25重量%~約2重量%の量で、前記少なくとも1種のポリアミドを含む、請求項78~118のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項120】
前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、請求項78~119のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項121】
前記少なくとも1種のUV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである、請求項120に記載の組成物。
【請求項122】
前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のUV吸収化合物を含む、請求項120又は121に記載の組成物。
【請求項123】
前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、請求項78~122のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項124】
約0重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、請求項78~123のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項125】
前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、前記組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は前記組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、請求項78~124のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項126】
前記フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、請求項78~125のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項127】
請求項78~126のいずれか一項に記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
【請求項128】
前記眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、請求項127に記載の眼科用デバイス。
【請求項129】
眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.請求項78~126のいずれか一項に記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
【請求項130】
前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.請求項78~126のいずれか一項に記載の組成物からブランクを調製する工程と、
b.前記ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む、方法。
【請求項133】
前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、請求項129~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、請求項129~135のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮出願第62/842993号(2019年5月3日に出願)の優先権を主張するものであり、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、重合したときに高屈折率及び高アッベ数を有するアクリル材料を形成する反応性モノマー混合物を含む組成物に関する。編集可能な屈折率を有し得るこれらの材料は、眼内インプラント又はレンズなどの眼科用デバイスに使用するように設計されている。
【背景技術】
【0003】
白内障手術は、一般的に、不透明になった自然な眼球の水晶体を置き換えるために行われる。自然な水晶体を置き換えるために使用される材料は、柔らかくなければならず、柔軟性に優れている必要があり、その結果、レンズに形成されると、それらは折り畳まれ、典型的には約2mmである切開部を通過することができる。更に、材料は、透明性に優れ、光沢がほとんどない必要がある。高屈折率を有することにより、より薄いレンズを使用することができる。高いアッベ数を有する材料は、分散がより少ないことを示している。これにより、光学的な結果が改善され、光の散乱が少なくなる。高屈折率を高アッベ数と組み合わせることにより、材料に適した光学特性が得られる。
【0004】
この分野における最初の特許のうちの1つであるMazzoccoに対する米国特許第4,573,998号は、比較的小さな切開部を通って適合するように丸めることができる変形可能な眼内レンズを開示している。変形可能なレンズは、丸められた構成に保持された状態で眼内に挿入され、次いで眼房内で解放される。レンズの弾性特性により、眼に挿入した後、成形された形状に戻る。Mazzoccoは、変形可能なレンズに適した材料として、ポリウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、ヒドロゲルポリマー化合物、有機又は合成ゲル化合物、及びこれらの組み合わせを開示している。
【0005】
送達装置の内部からの摩擦及び送達中の医師の力により、レンズが損傷する可能性がある。この問題を克服するために、いくつかの送達装置は、余分な潤滑性を提供するようにコーティングされる。例えば、Huに対する米国特許第8,323,799号は、小さい(3mm未満の)切開部での使用に適した小さなボアカートリッジを通して容易にIOLを挿入することを可能にする、ポリマーIOL挿入カートリッジ用の柔らかくて柔軟な高潤滑性コーティングを開示している。このようなコーティングは有用であるが、挿入中にレンズに加わる摩擦力を更に低減する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、屈折率及びアッベ数が比較的高く、小さな切開部を通して適合する構成に単純に丸められるか、又は折り畳むことができる柔軟な眼内レンズを形成するために使用できる材料が必要である。更に、そのような材料が内部潤滑性を有することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の実施形態では、本開示は、反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物に関し、この組成物は、
(A)(i)少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、(ii)少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(iii)少なくとも1種のポリアミドと、(iv)少なくとも1種のビ(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも39のアッベ数を示し(「組成物(A)」)、又は
(B)(i)少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、(ii)少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(iii)少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、架橋剤が、約15重量%~約22重量%の量で、反応性モノマー混合物中に存在し(「組成物(B)」)、又は
(C)(i)少なくとも1つの疎水性モノマーと、(ii)少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーと、(iii)少なくとも1種の架橋剤と、(iv)少なくとも1種のポリアミドと、を含み、反応性モノマー混合物は、約0.10重量%~約5.0重量%の量で、ポリアミドを含む(「組成物(C)」)。
【0008】
特定の実施形態では、本開示は、組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)を含むデバイスを提供する。特定の他の実施形態では、デバイスは、眼科用デバイスである。特定の実施形態では、眼科用デバイスは、眼内インプラント又はレンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、及び角膜インサートから選択されるレンズ、インレー、アウトレー、又はインサートを含む。特定の実施形態では、眼科用デバイスは、眼内インプラント又はレンズである。より具体的には、本開示はまた、組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)から少なくとも部分的に又は完全に作製された眼内インプラント及び/又はレンズを提供する。
【0009】
更に他の実施形態では、本開示は、眼科用デバイスを製造するための方法を提供し、方法は、(a)組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つを提供する工程と、(b)当該組成物のいずれかから眼科用デバイスを形成する工程と、を含む。他の実施形態では、本開示の主題は、眼科用デバイスを作製するための方法を提供し、方法は、(a)組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つからブランクを調製する工程と、(b)ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む。他の実施形態では、本開示の主題は、眼科用デバイスの製造方法を提供し、方法は、組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つからレンズを成形する工程と、(b)ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む。他の実施形態では、本開示の主題は、眼科用デバイスの製造方法を提供し、方法は、組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つからレンズを成形する工程と、(b)レンズを機械加工して、表面特性を改良する工程と、を含む。いずれかの方法の特定の実施形態では、方法は、眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む。特定の実施形態では、方法は、抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む。特定の実施形態では、方法は、レーザーを使用する照射工程を更に含む。より具体的な実施形態では、方法は、眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、以下の説明に記載されている構造又はプロセス工程の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、本明細書に記載の教示を用いた様々な方法によって実行又は実施することが可能である。
【0011】
A.定義
本開示において使用される用語に関しては、以下の定義が提供される。
【0012】
特段の規定がない限り、本明細書で用いられる全ての科学技術用語は、本開示が属する技術分野における当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。ポリマーの定義は、Compendium of Polymer Terminology and Nomenclature,IUPAC Recommendations 2008,edited by:Richard G.Jones,Jaroslav Kahovec,Robert Stepto,Edward S.Wilks,Michael Hess,Tatsuki Kitayama,and W.Val Metanomskiに開示される定義に一致する。本明細書において言及される刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
「反応性モノマー混合物」という用語は、一緒に混合され、重合条件にさらされたとき、本開示の組成物及び眼科用デバイスを形成する成分(反応性及び非反応性の両方)の混合物を指す。反応性混合物は、モノマー、マクロマー、プレポリマー、架橋剤、開始剤、希釈剤などの反応性成分、並びに反応性であるか又は非反応性であってもよいが、得られる生物医学用デバイス、例えば眼科用デバイス内に保持することができる湿潤剤、離型剤、染料、UV吸収剤、顔料、染料及びフォトクロミック化合物などの光吸収化合物、並びに医薬化合物及び栄養補助化合物を含む活性成分、並びに任意の希釈剤などが挙げられるがこれらに限定されない追加成分を含んでもよい。製造される生物医学装置及びその使用方法に基づいて、多様な添加物を加えてもよいことが理解されよう。特定の実施形態では、反応性混合物の成分の濃度は、希釈剤を除く、反応混合物中の全成分の重量%で示される。希釈剤を使用するとき、成分の濃度は、反応混合物及び希釈剤中の全成分の量を基準とする重量%として示される。
【0014】
「反応性成分」は、共有結合又は水素結合によって、得られる組成物のポリマーネットワークの構造の一部となる、反応性モノマー混合物中の成分である。ポリマーの構造の一部にならない希釈剤及び加工助剤は、反応性成分ではない。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「(メタ)」とは、任意のメチル置換を意味する。したがって、「(メタ)アクリレート」等の用語は、メタクリレート及びアクリレートの両方を意味する。
【0016】
どこに化学構造が記載されていようと、構造における置換基について開示された選択肢を任意の組み合わせで組み合わせてもよいことを理解すべきである。したがって、構造が置換基R*及びR**を含有しており、これらがそれぞれ3つの可能性のある基のリストを含んでいる場合、9とおりの組み合わせが開示される。特性の組み合わせについても同じことが当てはまる。
【0017】
一般式[***]nにおける「n」などの下付き文字が、ポリマーの化学式における反復単位の数を表示するために使用されるとき、式は、高分子の数平均分子量を表すと解釈すべきである。
【0018】
「個体」という用語は、ヒト及びヒト以外の脊椎動物を含む。
【0019】
「生物医学用デバイス」という用語は、哺乳類の組織又は体液の中又は上のいずれか、好ましくは、ヒトの組織又は体液の中又は上のいずれかにおいて用いられるように設計されている、任意の物品を指す。これらのデバイスの例としては、創傷包帯、シーラント、組織補填体、薬物送達システム、コーティング、癒着防止バリア、カテーテル、インプラント、ステント、並びに眼内インプラント、眼内レンズ、及びコンタクトレンズなどの眼科用デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。生物医学用デバイスは、眼科用デバイス、特に、本明細書に記載の反応性モノマー組成物から作製された眼科用インプラント又は眼科用レンズであってもよい。
【0020】
「眼の表面」という用語は、角膜、結膜、涙腺、副涙腺、鼻涙管、及びマイボーム腺の表面及び腺上皮、並びにそれらの先端及び基部マトリクス、涙点、並びに神経支配による上皮の連続性と内分泌系及び免疫系との両方によって機能的システムとして連結されている瞼を含む隣接した又は関連する構造を含む。
【0021】
「眼科用デバイス」という用語は、眼又は眼の表面を含む眼の任意の一部の中又は上に存在する任意の装置を指す。これらのデバイスは、光学補正、外見向上、視力強化、治療効果(例えば、包帯として)、若しくは医薬成分及び栄養補助成分などの活性成分の供給、又は前述の任意の組み合わせを提供することができる。眼科用デバイスの例としては、限定されるものではないが、レンズ、光学及び眼挿入物(限定されるものではないが、涙点プラグを含む)などが挙げられる。「レンズ」としては、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、ハイブリッドコンタクトレンズ、眼内レンズ、及びオーバーレイレンズが挙げられる。眼科用デバイスは、眼内インプラント、眼内レンズ、又はコンタクトレンズを含んでもよい。
【0022】
「コンタクトレンズ」という用語は、個体の眼の角膜上に置くことができる眼科用デバイスを指す。コンタクトレンズは、創傷治癒、薬剤若しくは栄養補助剤の送達、診断的評価若しくはモニタリング、紫外線吸収、可視光若しくはグレアの低減、又はこれらの任意の組み合わせを含む、矯正的、美容的、又は治療的な利益をもたらし得る。コンタクトレンズは、当該技術分野で既知の任意の適切な材料であり得、ソフトレンズ、ハードレンズ、又は弾性率、含水率、光透過、若しくはこれらの組み合わせなどの、異なる物理、機械、若しくは光学特性を有する少なくとも2つの別個の部分を含有するハイブリッドレンズであり得る。
【0023】
「眼内レンズ」は、眼に埋め込まれたレンズを指す。いくつかの実施形態では、眼内レンズは、既存の水晶体を置き換えるために眼内に埋め込まれる(例えば、既存の水晶体が白内障によって曇っているため、又は眼の屈折力を変化させるための屈折手術の形態として)。
【0024】
「標的高分子」は、モノマー、マクロマー、プレポリマー、架橋剤、開始剤、添加剤、希釈剤などを含む反応性モノマー混合物から合成されている高分子を意味する。
【0025】
「重合性化合物」という用語は、1つ又は複数の重合性基を含有する化合物を意味する。この用語は、例えば、モノマー、マクロマー、オリゴマー、プレポリマー、架橋剤などを包含する。
【0026】
「重合性基」は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合、例えばラジカル重合開始条件に供されたときに重合することができる炭素-炭素二重結合などの、連鎖成長重合を受けることができる基である。フリーラジカル反応性基の非限定的な例としては、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、O-ビニルカルバメート、O-ビニルカーボネート、及び他のビニル基が挙げられる。好ましくは、フリーラジカル重合性基は、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、及びスチリル官能基、並びに前述のうちの任意の混合物を含む。より好ましくは、フリーラジカル重合性基は、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物を含む。重合性基は、非置換であってもよく、又は置換されていてもよい。例えば、(メタ)アクリルアミド中の窒素原子は、水素に結合されてもよく、又は水素は、アルキル若しくはシクロアルキル(それ自体が更に置換されてもよい)で置換されてもよい。
【0027】
限定されるものではないが、バルク、溶液、懸濁液、及びエマルションを含む、任意の種類のフリーラジカル重合、並びに、安定性フリーラジカル重合、窒素酸化物媒介リビング重合、原子移動ラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合、有機テルル媒介リビングラジカル重合などの、制御ラジカル重合法のいずれかを使用することができる。
【0028】
「モノマー」は、連鎖成長重合、特にフリーラジカル重合を受け、それによって標的高分子の化学構造内に反復単位を作り出すことができる単官能性分子である。いくつかのモノマーは、架橋剤として作用することができる二官能性不純物を有する。「親水性モノマー」はまた、5重量%の濃度にて25℃で、脱イオン水を用いて混合したときに、透明な単相溶液が得られるモノマーである。「親水性成分」は、5重量%の濃度にて25℃で、脱イオン水を用いて混合したときに、透明な単相溶液が得られる、モノマー、マクロマー、プレポリマー、開始剤、架橋剤、添加剤、又はポリマーである。「疎水性成分」は、25℃で脱イオン水中でわずかに可溶性又は不溶性であるモノマー、マクロマー、プレポリマー、開始剤、架橋剤、添加剤、又はポリマーである。
【0029】
「高分子」は、1500ダルトンを超える数平均分子量を有する有機化合物であり、反応性であっても、非反応性であってもよい。
【0030】
「マクロモノマー」又は「マクロマー」は、連鎖成長重合、特にフリーラジカル重合を受け、それによって標的高分子の化学構造内に反復単位を作り出すことができる1つの基を有する高分子である。一般的に、マクロマーの化学構造は、標的高分子の化学構造とは異なり、すなわち、マクロマーのペンダント基の反復単位は、標的高分子又はその主鎖の反復単位とは異なる。モノマーとマクロマーとの間の差は、ペンダント基の化学構造、分子量、及び分子量分布のうちの1つに過ぎない。結果として、かつ本明細書で使用するとき、特許文献は、約1,500ダルトン以下の比較的低い分子量を有する重合性化合物としてモノマーを定義することがあり、これは、本質的にいくつかのマクロマーを含む。具体的には、モノメタクリルオキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(分子量=500~1500g/mol)(mPDMS)及びモノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)-プロピルエーテル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(分子量=500~1500g/mol)(OH-mPDMS)は、モノマー又はマクロマーと称され得る。更に、特許文献は、1つ又は2つ以上の重合性基を有するものとしてマクロマーを定義することがあり、マクロマーの一般的な定義を本質的に拡大してプレポリマーを含む。結果として、かつ本明細書で使用するとき、二官能性及び多官能性マクロマー、プレポリマー、及び架橋剤は、互換的に使用され得る。
【0031】
「ポリマー」は、重合中に使用されるモノマーの反復単位で構成される標的高分子である。
【0032】
「ホモポリマー」は、1つのモノマーから作製したポリマーであり、「コポリマー」は、2つ以上のモノマーから作製したポリマーであり、「ターポリマー」は、3つのモノマーから作製したポリマーである。「ブロックコポリマー」は、組成的に異なるブロック又はセグメントからなる。ジブロックコポリマーは、2つのブロックを有する。トリブロックコポリマーは、3つのブロックを有する。「櫛形又はグラフトコポリマー」は、少なくとも1つのマクロマーから作られる。
【0033】
「反復単位」は、特定のモノマー又はマクロマーの重合に対応する、ポリマー内の最小の原子群である。
【0034】
「反応開始剤」とは、続いてモノマーと反応してフリーラジカル重合反応を開始することができるラジカルに分解可能である分子である。熱開始剤は、温度に応じて特定の速度で分解し、典型例は、1,1’-アゾビスイソブチロニトリル及び4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)などのアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、ジクミルペルオキシド、及びラウロイルペルオキシドなどのペルオキシド、過酢酸及び過硫酸カリウムなどの過酸、並びに様々な酸化還元系である。光開始剤は、光化学プロセスにより分解し、典型例は、ベンジル、ベンゾイン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、及びこれらの混合物の誘導体、並びに様々なモノアシル及びビスアシルホスフィンオキシド、並びにこれらの組み合わせである。
【0035】
「架橋剤」は、分子上の2つ以上の位置でフリーラジカル重合を受け、それによって分岐点及びポリマーネットワークを作り出すことができる、二官能性又は多官能性モノマー又はマクロマーである。一般的な例は、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、トリアリルシアヌレートなどである。
【0036】
「プレポリマー」は、更に反応を受けてポリマーを形成可能な、残存している重合性基を含有するモノマーの反応生成物である。「反応性混合物」及び「反応性モノマー混合物」という用語は、一緒に混合され、重合条件に供されると、ポリマーネットワーク並びに生物医学用デバイス、眼科用デバイス、眼内インプラント、コンタクトレンズ、及びこれらから作製される眼内レンズの形成をもたらす、構成成分(保持及び非保持)の混合物を指す。反応性混合物は、モノマー、マクロマー、プレポリマー、架橋剤、及び開始剤などの保持成分、反応性又は非反応性であってよいが、得られる生物医学用デバイス内に保持することができる湿潤剤、ポリマー、染料、UV吸収剤、顔料、フォトクロミック化合物などの光吸収化合物などの添加剤、医薬化合物、及び/又は栄養補助化合物を含んでもよい。反応性混合物はまた、希釈剤などの使用前にデバイスから除去されることが意図される非保持成分を含有してもよい。作製される生物医学用デバイス及びその使用目的に基づき、多様な添加剤が添加され得ることが理解されるであろう。反応性混合物の成分の濃度は、反応性混合物中の全ての保持成分の重量%で表され、したがって、希釈剤などの非保持成分が除かれる。希釈剤が使用される場合、それらの濃度は、反応性混合物中の全ての成分(希釈剤を含む)の量に基づき重量%で表される。
【0037】
「保持成分」は、反応性混合物中の重合性化合物(モノマー、マクロマー、オリゴマー、プレポリマー、及び架橋剤など)、並びに重合後並びに全ての後処理工程(抽出工程など)及び包装工程が完了した後に、重合性ネットワーク中に実質的に残存することが意図されている任意の他の成分である。保持成分は、共有結合、水素結合、静電相互作用、相互貫入ポリマーネットワークの形成、又は任意の他の手段によって、ポリマーネットワーク内に保持され得る。使用中に生物医学用デバイスから放出することが意図される成分は、依然として「保保持成分」と見なされる。例えば、装着中に放出されることが意図されるコンタクトレンズ内の医薬成分又は栄養補助成分は、「保持成分」と見なされる。製造プロセス中(例えば、抽出によって)ポリマーネットワークから除去されることが意図される、希釈剤などの成分は、「非保持成分」である。
【0038】
「多官能性」という用語は、2つ以上の重合性基を有する成分を指す。「単官能性」という用語は、1つの重合性基を有する成分を指す。
【0039】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0040】
「アルキル」又は「脂肪族」は、本明細書において互換的に使用され、指定された数の炭素原子を含有する任意選択で置換された直鎖又は分枝鎖アルキル基を指す。数が示されていない場合、アルキル(アルキル上の任意置換基を含む)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び16個の炭素原子を含む1~16個の炭素原子を含有してもよい。好ましくは、アルキル基は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10個の炭素原子を含む1~10個の炭素原子、或いは1、2、3、4、5、6、7、及び8個の炭素原子を含む1~8個の炭素原子、或いは1、2、3、及び4個の炭素原子を含む1~6個の炭素原子、或いは1、2、3、及び4個の炭素原子を含む1~4個の炭素原子を含有する。アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ-、sec-及びtert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、3-エチルブチルなどが挙げられる。アルキル上の置換基の例としては、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、チオアルキル、カルバメート、カーボネート、ハロゲン、フェニル、ベンジル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ、2つ、又は3つの基が挙げられる。「アルキレン」は、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、及び-CH2CH2CH2CH2-などの、二価アルキル基を意味する。
【0041】
「ハロアルキル」は、1個又は複数のハロゲン原子で置換された上で定義されるアルキル基を指し、各ハロゲンは、独立して、F、Cl、Br、又はIである。好ましいハロゲンは、Fである。好ましいハロアルキル基は、1~6個の炭素、より好ましくは1~4個の炭素、更により好ましくは1~2個の炭素を含有する。「ハロアルキル」は、-CF3-又は-CF2CF3-などのペルハロアルキル基を含む。「ハロアルキレン」は、-CH2CF2-などの二価ハロアルキル基を意味する。
【0042】
「ヒドロキシ」は、-OH基を指す。
【0043】
「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で定義されるように、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指す。ヒドロキシアルキルの代表的な例としては、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2,3-ジヒドロキシペンチル、4-ヒドロキシブチル、2-エチル-4-ヒドロキシヘプチル、3,4-ジヒドロキシブチル、及び5-ヒドロキシペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
「シクロアルキル」又は「脂環式」は、本明細書において互換的に使用され、指定された数の環炭素原子を含有する任意選択で置換された環状炭化水素を指す。数が示されていない場合、シクロアルキルは、3~12個の環炭素原子を含有してもよい。好ましくは、C3~C8シクロアルキル基、C3~C7シクロアルキル、より好ましくはC4~C7シクロアルキル、更により好ましくはC5~C6シクロアルキルである。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル上の置換基の例としては、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボニル、アルコキシ、チオアルキル、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、ベンジル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ、2つ、又は3つの基が挙げられる。「シクロアルキレン」は、1,2-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレン、又は1,4-シクロヘキシレンなどの二価シクロアルキル基を意味する。
【0045】
「ヘテロシクロアルキル」は、少なくとも1つの環炭素が、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子で置換されている、上で定義されるシクロアルキル環又は環系を指す。ヘテロシクロアルキル環は、任意選択で、他のヘテロシクロアルキル環及び/又は非芳香族炭化水素環及び/又はフェニル環に縮合しているか、又は他の方法で結合される。好ましいヘテロシクロアルキル基は、5~7員を有する。より好ましいヘテロシクロアルキル基は、5又は6員を有する。ヘテロシクロアルキレンは、二価ヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0046】
「アリール」は、少なくとも1つの芳香環を含有する、任意選択で置換された芳香族炭化水素環系を指す。アリール基は、示された数の環炭素原子を含有する。数が示されていない場合、アリールは、6~14個の環炭素原子を含有してもよい。芳香環は、任意選択で、他の芳香族炭化水素環又は非芳香族炭化水素環に縮合していてもよく、又は他の方法で結合されてもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、及びビフェニルが挙げられる。アリール基の好ましい例としては、フェニルが挙げられる。アリール上の置換基の例としては、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、チオアルキル、カルバメート、カーボネート、ハロ、フェニル、ベンジル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ、2つ、又は3つの基が挙げられる。「アリーレン」は、二価アリール基、例えば1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、又は1,4-フェニレンを意味する。
【0047】
「アリールアルキル」は、本明細書に定義されるようなアルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるようなアリール基を指す。アリールアルキルの代表的な例としては、フェニルメチル(すなわち、ベンジル)、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、及び4-フェニルブチルが挙げられる。
【0048】
「ヘテロアリール」は、上で定義したように、少なくとも1つの環炭素原子が、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるヘテロ原子で置換されているアリール環又は環系を指す。ヘテロアリール環は、1つ又は2つ以上のヘテロアリール環、芳香族若しくは非芳香族炭化水素環、又はヘテロシクロアルキル環に縮合していてもよく、又は別の方法で結合されてもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、フリル、及びチエニルが挙げられる。「ヘテロアリーレン」は、二価ヘテロアリール基を意味する。
【0049】
「アルコキシ」は、酸素架橋を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。アルコキシ基の例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びイソプロポキシが挙げられる。「チオアルキル」は、硫黄架橋を介して親分子に結合しているアルキル基を意味する。チオアルキル基の例としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、及びイソプロピルチオが挙げられる。「アリールオキシ」は、酸素架橋を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。例としては、フェノキシが挙げられる。「アリールチオ」は、硫黄架橋を介して親分子部分に結合しているアリール基を指す。例としては、フェニルチオが挙げられる。「環状アルコキシ」は、酸素架橋を介して親部分に結合しているシクロアルキル基を意味する。
【0050】
「アルキルアミン」は、-NH架橋を介して親分子部分に結合しているアルキル基を指す。アルキレンアミンは、-CH2CH2NH-などの二価アルキルアミン基を意味する。
【0051】
「シロキサニル」は、少なくとも1つのSi-O-Si結合を有する構造を指す。したがって、例えば、シロキサニル基は、少なくとも1つのSi-O-Si基(すなわち、シロキサン基)を有する基を意味し、シロキサニル化合物は、少なくとも1つのSi-O-Si基を有する化合物を意味する。「シロキサニル」は、モノマー(例えば、Si-O-Si)並びにオリゴマー/ポリマー構造(例えば、-[Si-O]n-、式中、nは2である)を包含する。シロキサニル基中の各ケイ素原子は、それらの原子価を完全なものにするために、独立して選択されるRA基(ここで、RAは、式Aの選択肢(b)~(i)で定義されるとおりである)で置換されている。
【0052】
式A.シリコーン含有成分は、式Aの1つ又は2つ以上の重合性化合物を含んでもよく、
【0053】
【化1】
式中、
少なくとも1つのR
Aは、式R
g-Lの基であり、ここで、R
gは、重合性基であり、Lは、連結基であり、残りのR
Aは、それぞれ独立して、
a.R
g-L-、
b.1つ又は複数のヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバマート、カルボナート、ハロ、フェニル、ベンジル、又はこれらの組み合わせで任意選択で置換されているC
1~C
16アルキル、
c.1つ又は複数のアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバマート、カルボナート、ハロ、フェニル、ベンジル、又はこれらの組み合わせで任意選択で置換されているC
3~C12シクロアルキル、
d.1つ又は複数のアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミド、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、カルボニル、アルコキシ、アミド、カルバマート、カルボナート、ハロ、フェニル、ベンジル、又はこれらの組み合わせで任意選択で置換されているC6~C14アリール基、
e.ハロ、
f.アルコキシ、環状アルコキシ、又はアリールオキシ、
g.シロキシ、
h.ポリエチレンオキシアルキル、ポリプロピレンオキシアルキル、又はポリ(エチレンオキシ-コ-プロピレンオキシアルキル)などのアルキレンオキシ-アルキル又はアルコキシ-アルキレンオキシ-アルキル、或いは
アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバマート、ハロ又はこれらの組み合わせで任意選択で置換されている1~100個のシロキサン反復単位を含む一価シロキサン鎖であり、
nは、0~500、又は0~200、又は0~100、又は0~20であり、nが0以外であるとき、nが表示値と同等のモードを有する分布であることが理解される。nが2以上であるとき、SiO単位は、同じ又は異なるR
A置換基を担持してもよく、異なるR
A置換基が存在する場合、n基は、ランダム又はブロック構成であってもよい。
【0054】
式Aにおいて、3つのRAは、それぞれ重合性基を含んでもよく、代替的に2つのRAは、それぞれ重合性基を含んでもよく、又は代替的に1つのRAは、重合性基を含んでもよい。
【0055】
「シリル」は、式R3Si-の構造を指し、「シロキシ」は、式R3Si-O-の構造を指し、ここで、シリル又はシロキシ中の各Rは、トリメチルシロキシ、C1~C8アルキル(好ましくはC1~C3アルキル、より好ましくはエチル又はメチル)、及びC3~C8シクロアルキルから独立して選択される。
【0056】
「アルキレンオキシ」は、一般式-(アルキレン-O-)p-又は-(O-アルキレン)p-の基を指し、ここで、アルキレンは、上で定義したとおりであり、pは、1~200、又は1~100、又は1~50、又は1~25、又は1~20、又は1~10であり、各アルキレンは、独立して、ヒドロキシル、ハロ(例えば、フルオロ)、アミノ、アミド、エーテル、カルボニル、カルボキシル、及びこれらの組み合わせから独立して選択される1つ又は複数の基で任意選択で置換されている。pが1より大きい場合、各アルキレンは、同じであっても異なっていてもよく、アルキレンオキシは、ブロック又はランダム構成であってもよい。アルキレンオキシが分子中に末端基を形成するとき、アルキレンオキシの末端は、例えば、ヒドロキシ又はアルコキシ(例えば、HO-[CH2CH2O]p-又はCH3O-[CH2CH2O]p-)であってもよい。アルキレンオキシの例としては、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、ポリブチレンオキシ、及びポリ(エチレンオキシ-コ-プロピレンオキシ)が挙げられる。
【0057】
「オキサアルキレン」は、1つ又は複数の非隣接CH2基が、酸素原子で置換されている、-CH2CH2OCH(CH3)CH2-などの上で定義されるアルキレン基を指す。「チアアルキレン」は、1つ又は複数の非隣接CH2基が、硫黄原子で置換されている、-CH2CH2SCH(CH3)CH2-などの上で定義されるアルキレン基を指す。
【0058】
「連結基」という用語は、重合性基を親分子に連結させる部分を指す。連結基は、連結基がその一部である化合物に適合し、化合物の重合を不所望に妨害せず、重合条件、並びに最終生成物の加工及び保管の条件下で安定である任意の部分であってもよい。例えば、連結基は、結合であってもよく、又は1つ以上のアルキレン、ハロアルキレン、アミド、アミン、アルキレンアミン、カルバメート、エステル(-CO2-)、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アルキレンオキシ、オキサアルキレン、チアアルキレン、ハロアルキレンオキシ(1つ以上のハロ基で置換されたアルキレンオキシ、例えば、-OCF2-、-OCF2CF2-、-OCF2CH2-)、シロキサニル、アルキレンシロキサニル、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。連結基は、1つ又は2つ以上の置換基で任意選択で置換されてもよい。好適な置換基としては、アルキル、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、HO-アルキレンオキシ、MeO-アルキレンオキシ、シロキサニル、シロキシ、シロキシ-アルキレンオキシ-、シロキシ-アルキレン-アルキレンオキシ-(1つを超えるアルキレンオキシ基が存在してもよく、アルキレン及びアルキレンオキシ中の各メチレンは、独立して、ヒドロキシルで任意選択で置換されている)、エーテル、アミン、カルボニル、カルバメート、及びこれらの組み合わせから独立して選択されるものを挙げることができる。連結基はまた、(メタ)アクリレートなどの重合性基で置換されてもよい(連結基が連結している重合性基に加えて)。
【0059】
好ましい連結基としては、C1~C8アルキレン(好ましくは、C2~C6アルキレン)及びC1~C8オキサアルキレン(好ましくは、C2~C6オキサアルキレン)が挙げられ、これらはそれぞれ、ヒドロキシル及びシロキシから独立して選択される1つ又は2つの基で任意選択で置換されている。好ましい連結基としてはまた、カルボキシレート、アミド、C1~C8アルキレン-カルボキシレート-C1~C8アルキレン、又はC1~C8アルキレン-アミドC1~C8アルキレンが挙げられる。
【0060】
連結基が上述のような部分(例えば、アルキレン及びシクロアルキレン)の組み合わせからなる場合、部分は任意の順序で存在してもよい。例えば、上記の式Aにおいて、Lが、-アルキレン-シクロアルキレン-であると示されている場合、Rg-Lは、Rg-アルキレン-シクロアルキレン-、又はRg-シクロアルキレン-アルキレン-のいずれかであってもよい。これにかかわらず、列記する順序は、連結基が結合している末端重合性基(Rg又はPg)から始まって、その部分が化合物中に現れる好ましい順序を表す。例えば、式Aにおいて、Lが、-アルキレン-シクロアルキレン-であると示されている場合、Rg-Lは、好ましくは、Rg-アルキレン-シクロアルキレン-である。
【0061】
「電子求引基」(EWG)という用語は、電子求引基が結合している原子又は原子群から電子密度を求引する化学基を指す。EWGの例としては、シアノ、アミド、エステル、ケト、又はアルデヒドが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいEWGは、シアノ(CN)である。
【0062】
「光吸収化合物」という用語は、可視スペクトル内(例えば、380~780nmの範囲)の光を吸収する化学物質を指す。「高エネルギー放射吸収剤」、「UV/HEV吸収剤」又は「高エネルギー光吸収化合物」は、様々な波長の紫外線、高エネルギー可視光、又はその両方を吸収する化学物質を指す。ある材料が特定の波長の光を吸収する能力は、そのUV/Vis透過スペクトルを測定することによって判定することができる。特定の波長で吸収を示さない化合物は、その波長で実質的に100パーセントの透過率を呈する。逆に、特定の波長で完全に吸収する化合物は、その波長で実質的に0%の透過率を呈する。材料の透過量が、特定の波長範囲についての百分率として示される場合、当該材料が、その範囲内の全ての波長において透過率を呈することを理解されたい。
【0063】
本明細書に記載の化合物が、オレフィン二重結合又は他の幾何学的不斉中心を含有する場合、別途に特定しない限り、化合物は、シス、トランス、Z-、及びE-構成を包含することを意図する。同様に、全ての互変異性体及び塩形態も包含することを意図する。
【0064】
「任意選択的な置換基」という用語は、基底部位の水素原子が置換基によって任意選択的に置換されることを意味する。置換部位において立体的に実用的であり、合成的に実現可能な任意の置換基が使用され得る。適切な任意の置換基の同定は、当業者の能力の範囲内である。「任意選択の置換基」の例としては、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6チオアルキル、C3~C7シクロアルキル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、NR4R5、ベンジル、SO3H、又はSO3Naが挙げられるが、これらに限定されず、R4及びR5は独立して、H又はC1~C6アルキルである。前述の置換基は、任意の置換基(これは、別途指示がない限り、好ましくは、更に置換されていない)で任意選択的に置換されてもよい。例えば、アルキルは、ハロによって置換されてもよい(例えば、CF3をもたらす)。
【0065】
別途記載のない限り、比率、百分率、部などは重量による。
【0066】
別途記載のない限り、例えば、「2~10」のような数字範囲は、その範囲を定義する数字(例えば、2及び10)を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、少なくとも1種のポリアミドを含む。本明細書で使用するとき、用語「ポリアミド」は、アミド基を含有す反復単位を含むポリマー及びコポリマーを指す。ポリアミドは、環状アミド基、非環状アミド基及びこれらの組み合わせを含んでもよく、当業者に既知の任意のポリアミドであってもよい。非環状ポリアミドは、ペンダント非環状アミド基を含み、ヒドロキシル基との会合が可能である。環状ポリアミドは、環状アミド基を含み、ヒドロキシル基との会合が可能である。本開示の組成物及び方法での使用に適したポリアミドは、2018年1月11日に公開されたAlliらに対するSILICONE HYDROGELS COMPRISING HIGH LEVELS OF POLYAMIDESと題された米国特許出願公開第20180009922号、及び2018年1月11日に公開されたAlliらに対するSILICONE HYDROGELS COMPRISING POLYAMIDESと題された米国特許出願公開第20180011222号に開示されており、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0068】
「アッベ数」は、透明材料のV数又は収斂性としても知られており、材料の分散性の尺度、すなわち、波長に対する屈折率の変化を測定する尺度であり、Vの値が高いほど分散性が低いことを示す。材料のアッベ数は、以下のように定義される。
【0069】
【数1】
式中、n
D、n
F及びn
Cは、フラウンホーファーD-、F-、及びC-スペクトル線(それぞれ589.3nm、486.1nm、及び656.3nm)の波長における材料の屈折率である。
【0070】
「屈折率」は、以下のように定義される。
【0071】
【数2】
式中、cは真空中の光の速度であり、vは媒体中の光の位相速度である。
【0072】
B.組成物
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物を提供し、この反応性モノマー混合物は、
(A)(i)少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、(ii)少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(iii)少なくとも1種のポリアミドと、(iv)少なくとも1種のビ(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも39のアッベ数を示し(以下、「組成物(A)」)、又は
(B)(i)少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、(ii)少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(iii)少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、架橋剤が、約15重量%~約22重量%の量で、反応性モノマー混合物中に存在し(以下、「組成物(B)」)、又は
(C)(i)少なくとも1つの疎水性モノマーと、(ii)少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーと、(iii)少なくとも1種の架橋剤と、(iv)少なくとも1種のポリアミドと、を含み、反応性モノマー混合物は、約0.10重量%~約5.0重量%の量で、ポリアミドを含む(以下、「組成物(C)」)。
【0073】
次に、各組成物についてより詳細に説明する。
【0074】
1.組成物(A)
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、本明細書において「組成物(A)」と称される組成物を提供し、この組成物は、(a)少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、(b)少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(c)少なくとも1種のポリアミドと、(d)少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含む反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合により作製され、組成物は、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも39のアッベ数を示す。
【0075】
組成物(A)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、少なくとも1つのアリール基を含む(メタ)アクリラートである。他の実施形態では、アリール基はフェニル基である。いくつかの実施形態では、アリール基は、アリールアルキル基(例えば、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、又は4-フェニルブチル)、アリールオキシアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2-フェノキシエチル、3-フェノキシプロピル、又は4-フェノキシブチル)、又はアリールチオアルキル基(例えば、フェニルチオメチル、2-フェニルチオエチル、3-フェニルチオプロピル、4-フェニルチオブチル、又は1,3-ビス(フェニルチオ)-2-プロピル)の一部として芳香族(メタ)アクリラート中に存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルアクリラート、2-フェニルエチルメタクリラート、及び1,3-ビス(フェニルチオ)-2-プロピルアクリラートから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルアクリラートである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルメタクリラートである。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、1,3-ビス(フェニルチオ)-2-プロピルアクリラートである。
【0076】
組成物(A)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、及び25個の炭素原子を含む、1~25個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖、又は環状ヒドロキシアルキル基を含む。特定の実施形態では、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。特定の実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチルメタクリラート及び4-ヒドロキシブチルアクリラートから選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチルメタクリラートである。
【0077】
組成物(A)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のポリアミドは、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1種のポリアミドは、ポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1種のポリアミドは、コポリマーである。
【0078】
いくつかの実施形態では、組成物(A)の反応性モノマー混合物は、約0.1、0.5、1、2、3、4、及び5重量%を含む約0.1重量%~約5重量%、約0.5、1、2、及び3重量%を含む約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5、1、及び2重量%を含む約0.5重量%~約2重量%の量で、少なくとも1種のポリアミドを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のポリアミドの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0079】
組成物(A)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤は、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合のアルキル基は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、及び25個の炭素原子を含む、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合のアリール基は、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである。特定の実施形態では、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤は、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である。
【0080】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約15、20、25、及び30重量%を含む約15重量%~30重量%の量で、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)を含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在するビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)の重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0081】
より特定の実施形態では、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤は、次式を有し:
【0082】
【化2】
式中、nは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50を含む5~50の整数である。いくつかの実施形態では、nは、10~40の整数である。いくつかの実施形態では、nは、15~30の整数である。いくつかの実施形態では、nは、15~25の整数である。特定の実施形態では、nは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である。更に別の実施形態では、nは、20である。
【0083】
いくつかの実施形態では、組成物Aは、(a)2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、(b)2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(c)ポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)から選択される少なくとも1種のポリアミドと、(d)以下の式を有する少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含む反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合により作製され、
【0084】
【化3】
式中、nは5~50(例えば、15~25)の整数であり、
組成物は、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも39のアッベ数を示す。
【0085】
いくつかの実施形態では、組成物(A)は、少なくとも1種の親水性モノマーを更に含む。特定の実施形態では、少なくとも1種の親水性モノマーは、ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリラート、ポリ(エチレングリコール)メタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。
【0086】
いくつかの実施形態では、組成物(A)は、少なくとも1種のヒドロキシシリコーンモノマーを更に含む。特定の実施形態では、少なくとも1種のヒドロキシシリコーンモノマーは、モノ-n-ブチル末端モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルオキシ)-プロピル末端ポリジメチルシロキサン、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、3-(3-1,5-ジ-tert-ブチル-1,1,3,5,5-ペンタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、組成物(A)は、反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む。UV吸収化合物は、式Iの形態をとり得る:
【0088】
【化4】
式中、
m及びnは、独立して、0、1、2、3、又は4であり、
Tは、結合、O、又はNRであり、
Xは、O、S、NR、SO、又はSO
2であり、
Yは、連結基であり、
P
gは、重合性基であり、
Rは、各出現時において、独立して、H、C
1~C
6アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はY-P
gであり、
R
1及びR
2は、存在する場合、各出現時において独立して、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6チオアルキル、C
3~C
7シクロアルキル、アリール(好ましくは、非置換フェニル或いはアルキル又はハロで置換されたフェニル)、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、NR
3R
4、又はベンジルであり、R
3及びR
4は、独立して、H又はC
1~C
6アルキルであるか、或いは2つの隣接するR
1又はR
2基は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、結合してシクロアルキル又はアリール環を形成し、
EWGは、電子求引基である。
【0089】
式Iの化合物は、好ましくは、1つ又は2つのY-Pg基を含有する。より好ましくは、化合物は、1つのY-Pg基を含有する。
【0090】
特定の実施形態では、少なくとも1種のUV吸収化合物は、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む。特定の実施形態では、少なくとも1種のUV吸収化合物は、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラートである。
【0091】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約0.1、1、2、3、4、及び5重量%を含む約0.1重量%~約5重量%、1、2、3及び4重量%を含む約1重量%~約4重量%、又は約1、2、及び3重量%を含む約1重量%~約3重量%の量で、少なくとも1種のUV吸収化合物を含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のUV吸収化合物の重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物(A)は、重合性基及び少なくとも1つの他の炭素-炭素二重結合を有する不飽和モノマーを更に含む。特定の実施形態では、不飽和モノマーの重合性基は(メタ)アクリラート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、O-ビニルカルバマート、O-ビニルカルボネート、ビニル基、又はこれらの任意の組み合わせを含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の炭素-炭素二重結合は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30個の炭素原子を含む2~30個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環状脂肪族炭化水素部分中に存在する。特定の実施形態では、不飽和モノマーは、シクロヘキセニルエーテルアクリラート、N,N-ジアリルアクリルアミド、ジアリルマレアート、アリル(メタ)アクリラート、2-(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、2-(((3aS,4R,6S,7R,7aR)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イル)オキシ)エチル(メタ)アクリラート(エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラートとしても知られている)、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。
【0093】
いくつかの実施形態では、組成物(A)は、反応性モノマー混合物中に本明細書に定義される少なくとも1種の希釈剤を更に含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、組成物(A)は、約0、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15重量%を含む約0重量%~15重量%、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10重量%を含む約0.5重量%~10重量%、又は約1、2、3、4、5、6、7、及び8重量%を含む約1重量%~8重量%の含水量を有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、組成物(A)は、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有する。他の実施形態では、組成物(A)は、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する。更に他の実施形態では、組成物(A)は、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する。
【0096】
組成物(A)のいくつかの実施形態では、フリーラジカル重合は、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である。いくつかの実施形態では、開始剤は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドである。
【0097】
2.組成物(B)
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、本明細書において「組成物(B)」と称される組成物を提供し、この組成物は、(a)少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、(b)少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(c)少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含む反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合により作製され、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤は、約15、16、17、18、19、20、21、及び22重量%を含む約15重量%~約22重量%、及びこれらの量の間に包含される任意の範囲の量で、反応性モノマー混合物中に存在する。
【0098】
組成物(B)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、少なくとも1つのアリール基を含む(メタ)アクリラートである。他の実施形態では、アリール基はフェニル基である。いくつかの実施形態では、アリール基は、アリールアルキル基(例えば、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、又は4-フェニルブチル)、アリールオキシアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2-フェノキシエチル、3-フェノキシプロピル、又は4-フェノキシブチル)、又はアリールチオアルキル基(例えば、フェニルチオメチル、2-フェニルチオエチル、3-フェニルチオプロピル、又は4-フェニルチオブチル)の一部として芳香族(メタ)アクリラート中に存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルアクリラートである。特定の実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルメタクリラートである。より特定の実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである。
【0099】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約40、45、50、55、60、65、70、75、及び80重量%を含む約40重量%~約80重量%の量で、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートを含む。特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約60、65、70、及び75重量%を含む約60重量%~約75重量%の量で、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0100】
組成物(B)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。特定の実施形態では、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチルメタクリラートである。
【0101】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20重量%を含む約1重量%~約20重量%の量で、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む。特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15重量%を含む約5重量%~約15重量%の量で、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0102】
組成物(B)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤は、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合のアルキル基は、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合のアリール基は、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである。特定の実施形態では、架橋剤は、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である。より特定の実施形態では、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤は、次式を有し:
【0103】
【化5】
式中、nは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50を含む5~50の整数である。いくつかの実施形態では、nは、10~40の整数である。いくつかの実施形態では、nは、15~30の整数である。いくつかの実施形態では、nは、15~25の整数である。特定の実施形態では、nは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である。更に別の実施形態では、nは、20である。
【0104】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約15、16、17、18、19、20、21、及び22重量%を含む約15重量%~約22重量%の量で、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む。特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約16、17、18、19、及び20重量%を含む約16重量%~約20重量%の量で、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む。より特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約18重量%の量で、少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤の重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0105】
いくつかの実施形態では、組成物(B)は、(a)2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと(b)2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、(c)以下の式を有する少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含む反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合により作製され、
【0106】
【化6】
式中、nは5~50(例えば、15~25)の整数であり、
少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤は、約15、16、17、18、19、20、21、及び22重量%を含む約15重量%~約22重量%、及びこれらの量の間に包含される任意の範囲の量で、反応性モノマー混合物中に存在する。
【0107】
いくつかの実施形態では、組成物(B)は、ポリアミドを更に含む。特定の実施形態では、ポリアミドは、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される。特定の実施形態では、ポリアミドは、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である。特定の実施形態では、ポリアミドは、コポリマーである。
【0108】
いくつかの実施形態では、組成物(B)の反応性モノマー混合物は、約0.1、0.5、1、2、3、4、及び5重量%を含む約0.1重量%~約5重量%、約0.5、1、2、及び3重量%を含む約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5、1、及び2重量%を含む約0.5重量%~約2重量%の量で、ポリアミドを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在するポリアミドの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0109】
いくつかの実施形態では、組成物(B)は、反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む。UV吸収化合物は、上記式Iの形態をとり得る。特定の実施形態では、少なくとも1種のUV吸収化合物は、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである。特定の実施形態では、少なくとも1種のUV吸収化合物は、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラートである。
【0110】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約0.1、0.5、1、2、3、4、及び5重量%を含む約0.1重量%~約5重量%、1、2、3及び4重量%を含む約1重量%~約4重量%、又は約1、2、及び3重量%を含む約1重量%~約3重量%の量で、少なくとも1種のUV吸収化合物を含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のUV吸収化合物の重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0111】
いくつかの実施形態では、組成物(B)は、反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、組成物(B)は、約0、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15重量%を含む約0重量%~15重量%、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10重量%を含む約1重量%~10重量%、又は約1、2、3、4、5、6、7、及び8重量%を含む約1重量%~8重量%の含水量を有する。
【0113】
いくつかの実施形態では、組成物(B)は、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有する。他の実施形態では、組成物(B)は、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する。更に他の実施形態では、組成物(B)は、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する。
【0114】
組成物(B)のいくつかの実施形態では、フリーラジカル重合は、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である。いくつかの実施形態では、開始剤は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドである。
【0115】
3.組成物(C)
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、本明細書において「組成物(C)」と称される組成物を提供し、この組成物は、(a)少なくとも1種の疎水性モノマーと、(b)少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーと、(c)少なくとも1種の架橋剤と、(d)少なくとも1種のポリアミドと、を含む反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合により作製され、反応性モノマー混合物は、約0.1、0.5、1、2、3、4、及び5重量%を含む約0.10重量%~約5.0重量%の量で、少なくとも1種のポリアミドを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のポリアミドの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0116】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種の疎水性モノマーは、疎水性(メタ)アクリラートモノマーである。特定の実施形態では、疎水性(メタ)アクリラートは、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、脂環式(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。より特定の実施形態では、疎水性(メタ)アクリラートは、脂肪族(メタ)アクリラートである。特定の実施形態では、脂肪族(メタ)アクリラートは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、及びC18アルキル(メタ)アクリラートを含むC1~C18アルキル(メタ)アクリラートである。より具体的な実施形態では、C1~C18アルキル(メタ)アクリラートは、エチル(メタ)アクリラート、n-ブチル(メタ)アクリラート、イソ-ブチル(メタ)アクリラート、t-ブチル(メタ)アクリラート、n-ヘキシル(メタ)アクリラート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、イソ-デシル(メタ)アクリラート、ヘプタデシル(メタ)アクリラート、ドデシル(メタ)アクリラート、2-プロピルヘプチル(メタ)アクリラート、ステアリル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。更により具体的な実施形態では、C1~C18アルキル(メタ)アクリラートは、n-ヘキシルアクリラートである。
【0117】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、疎水性(メタ)アクリラートは、芳香族(メタ)アクリラートである。特定の実施形態では、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートは、少なくとも1つのアリール基を含む(メタ)アクリラートである。他の実施形態では、アリール基はフェニル基である。いくつかの実施形態では、アリール基は、アリールアルキル基(例えば、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、又は4-フェニルブチル)、アリールオキシアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2-フェノキシエチル、3-フェノキシプロピル、又は4-フェノキシブチル)、又はアリールチオアルキル基(例えば、フェニルチオメチル、2-フェニルチオエチル、3-フェニルチオプロピル、又は4-フェニルチオブチル)の一部として芳香族(メタ)アクリラート中に存在する。いくつかの実施形態では、芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。特定の実施形態では、芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルアクリラートである。特定の実施形態では、芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルメタクリラートである。特定の実施形態では、芳香族(メタ)アクリラートは、2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである。
【0118】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、疎水性(メタ)アクリラートは、脂環式(メタ)アクリラートである。いくつかの実施形態では、脂環式基は、1つの脂環式環を有する。脂環式環は、C3~C8シクロアルキル基、C3~C7シクロアルキル基、C4~C7シクロアルキル基、又はC5~C6シクロアルキル基であってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の脂環式(メタ)アクリラートは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む少なくとも1つの脂環式基を有する。特定の実施形態では、脂環式(メタ)アクリラートは、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、シクロペンチル(メタ)アクリラート、2-シクロヘキシルエチル(メタ)アクリラート、3-シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリラート、ノルボルニル(メタ)アクリラート、イソボルニル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、2-(((3aS,4R,6S,7R,7aR)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イル)オキシ)エチル(メタ)アクリラート(エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラートとしても知られている)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、脂環式(メタ)アクリラートは、シクロヘキシルアクリラート、シクロヘキシルメチルアクリラート、2-シクロヘキシルエチルアクリラート、3-シクロヘキシルプロピルアクリラート、及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリラートから選択される。いくつかの実施形態では、脂環式(メタ)アクリラートは、シクロヘキシルアクリラート、シクロヘキシルメチルアクリラート、2-シクロヘキシルエチルアクリラート、及び3-シクロヘキシルプロピルアクリラートから選択される。特定の実施形態では、脂環式(メタ)アクリラートは、シクロヘキシルアクリラートである。いくつかの実施形態では、脂環式(メタ)アクリラートは、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリラートである。
【0119】
いくつかの実施形態では、組成物(C)は、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、及び脂環式(メタ)アクリラートを含む。特定の実施形態では、組成物(C)は、シクロヘキシルアクリラート、フェニルエチルアクリラート、及びn-ヘキシルアクリラートを含む。
【0120】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、50、55,60、65、70、75、80、85、及び90重量%を含む約50重量%~90重量%の量で、少なくとも1種の疎水性モノマーを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種の疎水性モノマーの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0121】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートである。特定の実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む。より特定の実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートは、2-ヒドロキシエチルメタクリラートである。
【0122】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーは、ヒドロキシシリコーンモノマーである。特定の実施形態では、ヒドロキシシリコーンモノマーは、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート(SiMAA)、モノ-n-ブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(mPDMS)、及びモノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)-プロピルエーテル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(OH-mPDMS)から選択される。
【0123】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20重量%を含む約1重量%~約20重量%の量で、少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーを含む。特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15重量%を含む約5重量%~約15重量%の量で、ヒドロキシル含有モノマーを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0124】
いくつかの実施形態では、組成物(C)は、少なくとも1種の親水性モノマーを更に含む。特定の実施形態では、少なくとも1種の親水性モノマーは、ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリラート、ポリ(エチレングリコール)メタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。
【0125】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種の架橋剤は、非脂環式架橋剤、脂環式架橋剤、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1種の架橋剤は、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、グリセロールトリ(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリラート、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせから選択される脂環式架橋剤である。より特定の実施形態では、非脂環式架橋剤は、エチレングリコールジメタクリラートである。特定の実施形態では、少なくとも1種の架橋剤は、1~4個の脂環式環を有する脂環式基を含む脂環式架橋剤である。更により具体的な実施形態では、脂環式架橋剤は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリラートである。
【0126】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、又は約3重量%~約10重重量%の量で、脂環式架橋剤を含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する脂環式架橋剤の重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0127】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種の架橋剤は、以下の式を有し:
【0128】
【化7】
式中、nは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50を含む5~50の整数である。いくつかの実施形態では、nは、10~40の整数である。いくつかの実施形態では、nは、15~30の整数である。いくつかの実施形態では、nは、15~25の整数である。特定の実施形態では、nは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である。更に別の実施形態では、nは、20である。
【0129】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約15、16、17、18、19、20、21、及び22重量%を含む約15重量%~約22重量%の量で、少なくとも1種の架橋剤を含む。特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約16、17、18、19、及び20重量%を含む約16重量%~20重量%の量で、少なくとも1種の架橋剤を含む。より特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約18重量%の量で、少なくとも1種の架橋剤を含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種の架橋剤の重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0130】
いくつかの実施形態ではて、少なくとも1種のポリアミドは、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される。
【0131】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、少なくとも1種のポリアミドは、ポリ(ビニルピロリドン)又はポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である。特定の実施形態では、ポリアミドは、コポリマーである。
【0132】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約0.1、0.5、1、2、及び3重量%を含む約0.1重量%~約3重量%の量で、少なくとも1種のポリアミドを含む。特定の実施形態では、反応性モノマー混合物は、約0.25、0.5、1、及び2重量%を含む約0.25重量%~約2重量%の量で、少なくとも1種のポリアミドを含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のポリアミドの重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0133】
いくつかの実施形態では、組成物(C)は、(a)2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される芳香族(メタ)アクリラートである少なくとも1種の疎水性(メタ)アクリラートと、(b)2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーと、(c)以下の式を有する少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、
【0134】
【化8】
式中、nは5~50(例えば、15~25)の整数であり、
(d)ポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)から選択される少なくとも1種のポリアミドと、を含む反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合により作製され、反応性モノマー混合物は、約0.10重量%~約5.0重量%の量で、少なくとも1種のポリアミドを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、組成物(C)は、反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む。UV吸収化合物は、上記式Iの形態をとり得る。特定の実施形態では、少なくとも1種のUV吸収化合物は、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである。特定の実施形態では、少なくとも1種のUV吸収化合物は、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラートである。
【0136】
いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物は、約0.1、0.5、1、2、3、4、及び5重量%を含む約0.1重量%~約5重量%、1、2、3及び4重量%を含む約1重量%~約4重量%、又は1、2、及び3重量%を含む約1重量%~約3重量%の量で、少なくとも1種のUV吸収化合物を含む。いくつかの実施形態では、反応性モノマー混合物中に存在する少なくとも1種のUV吸収化合物の重量%は、希釈剤を除いて計算される。
【0137】
いくつかの実施形態では、組成物(C)は、反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、組成物(C)は、約0、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、及び15重量%を含む約0重量%~15重量%、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10重量%を含む約1重量%~10重量%、又は約1、2、3、4、5、6、7、及び8重量%を含む約1重量%~8重量%の含水量を有する。
【0139】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有し、他の実施形態では、組成物は、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有し、又は、更に他の実施形態では、組成物は、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する。
【0140】
組成物(C)のいくつかの実施形態では、フリーラジカル重合は、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である。いくつかの実施形態では、開始剤は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドである。
【0141】
C.眼科用デバイス
いくつかの実施形態では、本開示の主題は、すぐ上で説明したような組成物(A、B又C)を含むデバイスを提供する。
【0142】
特定の実施形態では、眼科用デバイスは、眼内インプラント又はレンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、及び角膜インサートから選択されるレンズ、インレー、アウトレー、又はインサートを含む。
【0143】
特定の実施形態では、眼科用デバイスは、眼内インプラント又はレンズである。より具体的には、本開示の主題はまた、本明細書に記載される組成物(A~C)から少なくとも部分的に又は完全に作製された眼内インプラント及び/又はレンズを提供する。このような眼内インプラント又はレンズは、光学部分及び1つ又は複数の触覚部分を含むことができる。典型的には、本開示の主題の組成物は、眼内インプラント又はレンズの光学部分の一部又は全部を構成する。いくつかの実施形態では、インプラント又はレンズの光学部分は、異なるポリマー又は材料によって取り囲まれた、本明細書に記載の組成物のうちの1つから作製されたコアを有する。光学部分が、本開示の主題の組成物のうちの1つの少なくとも一部から構成されるインプラント又はレンズはまた、通常、触覚部分を有する。触覚部分はまた、本開示のポリマーから作製することができ、又は異なる材料、例えば別のポリマーから作製することもできる。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示の主題の眼内インプラント又はレンズは、柔らかくて折り畳み可能な中央光学領域と、両方の領域が同じポリマーで作製される外周領域(触覚領域)とを有する一体型レンズである。他の実施形態では、光学及び触覚領域は、必要に応じて、異なる種類のポリマー又は材料から形成することができる。いくつかのインプラント又はレンズはまた、異なる材料で構成される触覚部分を有することができ、例えば、1つ又は複数の触覚部分が光学部分と同じ材料から作製され、他の触覚部分が本開示のポリマー以外の材料で作製される。多成分インプラント又はレンズは、一方の材料を他方の同時押出プロセスに埋め込むこと、硬質材料を軟質材料の周囲で固化させること、又は硬質成分の相互貫入ネットワークを予め形成された疎水性コアに形成することによって作製することができる。1つ又は複数の触覚部分が、レンズの光学部分とは異なる材料から作製される場合、触覚部分は、光学部分に穴又は複数の穴を開け、触覚部分を挿入することなどによって、当該技術分野において既知の任意の方法で光学部分に取り付けることができる。
【0145】
本明細書に記載される組成物は、眼内レンズが小さな切開部を通して個体の眼に挿入され得るように、それらが折り畳まれることができるように設計されている。レンズの触覚部分は、レンズの挿入及び展開後に眼内のインプラント又はレンズの必要な支持を提供し、挿入後のレンズの位置及び切開部の閉鎖を安定させるのに役立つ傾向がある。触覚部分の設計の形状は特に限定されず、任意の所望の構成、例えば、プレート型又はCループ設計としても知られる段階的な厚さのスパイラルフィラメントのいずれかであってもよい。
【0146】
眼内レンズの光学部分は、水和前に直径約2~6mmであってもよい。直径2~6mmは当該技術分野においてかなり標準的であり、一般に、自然に発生する条件下で完全に拡張した状態の瞳孔を覆うように選択される。しかし、他のサイズが企図されており、本開示の主題は、眼内レンズの任意の特定の直径又はサイズに限定されない。更に、レンズ光学部分が円形である必要はなく、所望に応じて、楕円形、正方形、又は任意の他の形状であってもよい。
【0147】
眼内レンズは、光学部分の最外周面から離れて延びる1つ又は複数の非光学触覚成分を更に含むことができる。触覚成分は、任意の所望の形状、例えば、段階的なスパイラルフィラメント又は平板セクションであってもよく、後眼房内でレンズを支持するために使用される。任意の所望の設計構成を有するレンズを製作することができる。眼内レンズは、光学部分及び触覚部分以外の他の成分を含むべきであり、そのような他の部分は、触覚及び光学部分と同様にポリマーで、又は必要に応じて別の材料で作製することができる。
【0148】
眼内インプラントレンズは、当該技術分野において既知の任意の方法で眼に挿入され得る。例えば、眼内レンズは、眼内レンズ挿入器を使用して眼内に挿入される前に、又は眼用外科医によって典型的に使用されるタイプの小さな薄い鉗子によって、折り畳まれてもよい。インプラント又はレンズが目的の位置に配置された後、解放されて、展開される。当該技術分野において既知のように、典型的には、交換されるレンズは、眼内レンズの挿入前に取り除かれる。本開示の主題の眼内レンズは、折り畳み及び展開後であっても、クリアで透明な屈折レンズ本体を提供することができる、一般的に生理学的に不活性な軟質ポリマー材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、本開示の主題の折り畳み可能な眼内レンズは、注射によって任意の眼に挿入することができ、それにより、機械的適合材料は、折り畳まれ、内径1mm~3mmの管などの小さな管に押し込まれる。
【0149】
D.眼科用デバイスの作製方法
更に他の実施形態では、本開示の主題は、眼科用デバイスの作製方法を提供し、方法は、(a)組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つを提供する工程と、(b)眼科用デバイスを形成する工程と、を含む。他の実施形態では、本開示の主題は、眼科用デバイスを作製するための方法を提供し、方法は、(a)組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つからブランクを調製する工程と、(b)ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む。他の実施形態では、本開示の主題は、眼科用デバイスの製造方法を提供し、方法は、組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つからレンズを成形する工程を含む。他の実施形態では、本開示の主題は、眼科用デバイスの製造方法を提供し、方法は、組成物(A)、組成物(B)、又は組成物(C)のいずれか1つからレンズを成形する工程と、(b)レンズを機械加工して、表面特性を改良する工程と、を含む。いずれかの方法の特定の実施形態では、方法は、眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む。特定の実施形態では、方法は、抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む。特定の実施形態では、方法は、レーザーを使用する照射工程を更に含み、特定の実施形態では、レーザーは、2光子レーザーであり、より特定の実施形態では、フェムト秒2光子レーザーである。より具体的な実施形態では、方法は、眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む。眼科用デバイスは、限定されないが高圧蒸気処理などの既知の手段により殺菌してもよい。
【0150】
ここで、本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例にて詳細に記述する。
【実施例】
【0151】
屈折率試験方法:屈折率は、アントンパール社製Abbemat WR波長屈折計を使用して測定した。使用前に、器具を35℃で最低1時間平衡化した。測定波長は589.3ナノメートルに設定した。一対のピンセットを使用して、サンプルを石英プレート上に配置した。器具の蓋を閉じ、60秒の滞留時間後に屈折率を記録した。3つのサンプルについて測定を行い、平均を報告した。
【0152】
アッベ数試験方法:589.3nmでの屈折率を測定するための工程に続いて、486.1nm及び656.3nmにおける屈折率を測定した。含水率は、次のように計算した。
【0153】
【数3】
式中、n
D、n
F及びn
Cは、フラウンホーファーD-、F-、及びC-スペクトル線(それぞれ589.3nm、486.1nm、及び656.3nm)の波長における材料の屈折率である。
【0154】
以下の略語は、実施例をとおして使用され、以下の意味を有する。
TL03光:Phillips TLK 40W/03電球
RMM:反応性モノマー混合物
BC:バック又はベースカーブプラスチック成形型
FC:フロントカーブプラスチック成形型
ゼオノア:ポリシクロオレフィン熱可塑性ポリマーであるゼオノア(日本ゼオン株式会社)
RI(35):35℃で測定した屈折率
アッベ数35:35℃で測定したアッベ数
PEMA:2-フェニルエチルメタクリラート(メルロブ、パルモン)
PEA:2-フェニルエチルアクリラート[CAS 3530-36-7](メルロブ、パルモン)
BPTPA:1,3-ビス(フェニルチオ)-2-プロピルアクリラート(Bimax)
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(Bimax)
HBA:4-ヒドロキシブチルアクリラート[CAS 2478-10-6](TCI又はBASF)
mPEG950:ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリラート[CAS 26915-72-0](アルドリッチ、Mn=950g/mol)、ジエチルエーテルからの結晶化によって精製され得る)
PEGDMA:ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート、Mn=1000ダルトン(ポリサイエンス)
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート(Esstech)
mPDMS:モノ-n-ブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Mn=500~1500ダルトン)(Gelest)
SiMAA:2-プロペン酸、2-メチル-2-ヒドロキシ-3-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(Toray)、又は3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート
tBu-SiMAA:3-(3-(1,5-ジ-tert-ブチル-1,1,3,5,5-ペンタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート
LMW HO-mPDMS:モノ-n-ブチル末端モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルオキシ)-プロピル末端ポリジメチルシロキサン(分子量=612ダルトン、n=4)(Ortec又はDSM-Polymer Technology Group)
HO-mPDMS:モノ-n-ブチル末端モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルオキシ)-プロピル末端ポリジメチルシロキサン(Mn=1400ダルトン、n=15)(Ortec又はDSM-Polymer Technology Group)
ac-PDMS:ビス-3-アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン(Evonik製のTegomer V-Si 2250)
XLMA:ビス-3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン(Mn=2000ダルトン、n=20)(Adesis又はShin Etsu)
UVB:3-(3-(tert-ブチル)-5-(5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)プロピルメタクリラート又は2-メチルアクリル酸、3-[3-tert-ブチル-5-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]-プロピルエステル(Adesis)
Omnirad 819:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド[CAS 162881-26-7](IGM樹脂)
PVP K90:ポリ(N-ビニルピロリドン)[CAS 9003-39-8](アシュランド)
PVMA 570kDa:ポリビニルメチルアセトアミド。下記のとおりPVMAを調製した。
380mL(3.48mol)の蒸留したN-ビニル-N-メチルアセトアミド及び187mg(1.14mmol)のアザビスイソブチロニトリルを、還流冷却器、磁気撹拌棒及び熱電対が取り付けられた三ツ口丸底フラスコに添加し、窒素ガスを反応混合物に通してバブリングして、2時間かけて酸素ガスをパージした。次いで、反応混合物を75℃で24時間加熱すると、反応混合物は、その時間内に固化した。反応生成物を空気中で反応停止した後、後処理手順1又は後処理手順2によって分離した。後処理手順:反応生成物を水に溶解させ、透析膜管(Spectra Pore MWCO 3500)中で広範に透析し、凍結乾燥させた(60%収率)(LABCONCO、Freezone(登録商標)Triad(商標)凍結乾燥システム、モデル#7400030)。分子量は、マルチアングル光散乱を用いるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-MALS)によって決定された。SEC-MALS設定は、40℃で0.5mL/分の流速で、80%(v/v)50mM Na2SO4及び20%(v/v)アセトニトリルからなる移動相としてアセトニトリル水溶液を用いた。東ソーバイオサイエンス社製TSKゲルカラム2本を直列に使用した[SuperAW4000及びSuperAW5000]に、オンラインAgilent 1200 UV/VISダイオードアレイ検出器、Wyatt Optilab rEX干渉屈折計、及びWyatt mini-DAWN Treosマルチアングルレーザー散乱(MALS)検出器(λ=658 nm)を取り付けた。絶対分子量及び多分散度データは、Wyatt ASTRA VI SEC/LSソフトウェアパッケージを使用して計算した。約40ミリグラムのPVMAを、10mLのメスフラスコ内の充填溶液に溶解させた。充填溶液:18.52グラム(300mmol)のホウ酸、3.7グラム(9.7mmol)のホウ酸ナトリウム十水和物、及び28グラム(197mmol)の硫酸ナトリウムを、2リットルのメスフラスコを満たすのに十分な脱イオン水に溶解させた。3つの異なる溶液を調製し、試験した。全ての溶液を、SEC-MALSシステムに注入する前に0.45マイクロメートルのナイロン膜フィルターを通して濾過した。3つのサンプルの数平均分子量は、290.5kDaであり、3つのサンプルの重量平均分子量は、570.3kDaであり、1.96の多分散指数が得られる。
【0155】
実施例1~11
黄色の照明下で、表1及び2に列挙したRMMを、窒素ガスを用いて少なくとも3分間曝気することによって脱気し、容器内のヘッドスペースを窒素ガスで逆充填した。容器を、0.1%(v/v)未満の酸素ガスを含み、周囲温度で内部温度を有する、窒素ガス雰囲気を有する充填箱に直ちに移した。約75~100μLの反応性混合物を、エッペンドルフピペットを使用して、ゼオノア社製のFCに投与した。次いで、同じくゼオノア社製のBCをFC上に置いた。FC及びBCは、約85マイクロメートルの厚さを有するディスクサンプルを作製するように設計された。成形型は、注入前にグローブボックス内で最低12時間平衡化された。8つの成形型アセンブリを収容するパレットを、それぞれ、55℃~60℃に維持された隣接するグローブボックスに移し、トレイの位置で3.5~4.0mW/cm2の強度を有するTL03光を使用して、15分間、上部からレンズを硬化させた。硬化したアセンブリを手動で型から取り外した。実施例1、3~5、及び9~11は透明であり、表面の粘着性を示さず、実施例2、5、及び10は濁っていた。実施例2、6、及び7~8は硬直していた。実施例1、3、4、6~9、及び11は、折り畳んで元の形状に戻すと、良好な形状記憶を示した。各実施例について、屈折率及びアッベ数を決定し、表1及び表2に列挙した。続いて、サンプルを脱イオン水中で浸漬することによって水和し、37℃で最低48時間平衡化させた。サンプルを吸い取り紙で簡単に吸い取り、余分な表面水を除去し、計量し、109℃のオーブン内に24時間配置し、再計量し、次いで、以下の式:[(水和重量-乾燥重量)/水和重量]×100%を使用して、含水率を計算した。屈折率及びアッベ数は、アントンパール社製Abbemat WR多波長屈折計(部品番号89608)を使用して測定した。水和ポリマーについては、測定前にサンプルを吸い取り紙で簡単に吸い取り、余分な表面水を除去した。
【0156】
【0157】
【0158】
表1及び表2に示すRMMは全て、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートモノマー、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートモノマー、及び湿潤剤(PVP又はPVMA)を含む。これらの実施例の間の重要な変数は架橋剤である。架橋剤としてEGDMA又はPEGDMAを使用する表1の材料は、39~44の範囲のアッベ数を有する。対照的に、架橋剤としてXLMAを使用する表2に示される材料は、46~52の範囲のより高いアッベ数を有する。
【0159】
実施例12~16
黄色の照明下で、表3に列挙したRMMを、窒素ガスを用いて少なくとも3分間曝気することによって脱気し、容器のヘッドスペースを窒素ガスで逆充填し、次いで、容器を、0.1%(v/v)未満の酸素ガスを含み、周囲温度で内部温度を有する、窒素ガス雰囲気を有する充填箱に直ちに移した。約75~100μLの反応性混合物を、エッペンドルフピペットを使用して、ゼオノア社製のFCに投与した。次いで、同じくゼオノア社製のBCをFC上に置いた。FC及びBCは、約85マイクロメートルの厚さを有するディスクサンプルを作製するように設計された。成形型は、注入前にグローブボックス内で最低12時間平衡化された。8つの成形型アセンブリを収容するパレットを、それぞれ、55℃~60℃に維持された隣接するグローブボックスに移し、トレイの位置で5~6mW/cm2の強度を有するTL03光を使用して、25分間、上部からレンズを硬化させた。硬化したアセンブリを手動で型から取り外した。実施例12、14~15、及び16は透明であり、表面の粘着性を示さなかった。実施例13はわずかに濁っていたが、水和すると透明になった。実施例12~16は、折り畳んで元の形状に戻すと、良好な形状記憶を示した。各実施例について、屈折率及びアッベ数を決定し、表3に列挙した。
【0160】
【0161】
表3に示すRMMは全て、少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートモノマー、少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートモノマー、湿潤剤、及びヒドロキシシリコーン成分を含む。これらの実施例は、架橋剤の選択がアッベ数に影響を与え、XLMA架橋剤がより高いアッベ数を生成することを再び示している。
【0162】
項目
完全性を確保するために、本開示の様々な態様は、以下の番号付けされた項目に記載される。
【0163】
第1項.反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、反応性モノマー混合物は、
a.少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、
b.少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、
c.少なくとも1種のポリアミドと、
d.少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、
組成物は、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも39のアッベ数を示す。
【0164】
第2項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第1項に記載の組成物。
【0165】
第3項.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、1~25個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖、又は環状ヒドロキシアルキル基を含む、第1項又は第2項に記載の組成物。
【0166】
第4項.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第3項に記載の組成物。
【0167】
第5項.ポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、第1項~第4項のいずれか一項に記載の組成物。
【0168】
第6項.ポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)から選択される、第5項に記載の組成物。
【0169】
第7項.ポリアミドが、コポリマーである、第5項に記載の組成物。
【0170】
第8項.反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5重量%~約2重量%の量で、ポリアミドを含む、第1項~第7項のいずれか一項に記載の組成物。
【0171】
第9項.架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合のアルキル基が、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合のアリール基が、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである、第1項~第8項のいずれか一項に記載の組成物。
【0172】
第10項.架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、第9項に記載の組成物。
【0173】
第11項.反応性モノマー混合物が、約15重量%~30重量%の量で、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)を含む、第10項に記載の組成物。
【0174】
第12項.少なくとも1種の親水性モノマーを更に含む、第1項~第11項のいずれか一項に記載の組成物。
【0175】
第13項.親水性モノマーが、ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、第12項に記載の組成物。
【0176】
第14項.少なくとも1種のヒドロキシシリコーンモノマーを更に含む、第1項~第13項のいずれか一項に記載の組成物。
【0177】
第15項.ヒドロキシシリコーンモノマーが、モノ-n-ブチル末端モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルオキシ)-プロピル末端ポリジメチルシロキサン、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、3-(3-1,5-ジ-tert-ブチル-1,1,3,5,5-ペンタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、第14項に記載の組成物。
【0178】
第16項.反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、第1項~第15項のいずれか一項に記載の組成物。
【0179】
第17項.UV吸収化合物が、式Iの形態の化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、第16項に記載の組成物。
【0180】
第18項.反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、UV吸収化合物を含む、第16項又は第17項に記載の組成物。
【0181】
第19項.重合性基及び少なくとも1つの他の炭素-炭素二重結合を有する不飽和モノマーを更に含む、第1項~第18項のいずれか一項に記載の組成物。
【0182】
第20項.重合性基が、(メタ)アクリラート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、O-ビニルカルバマート、O-ビニルカルボナート、ビニル基、又はこれらの任意の組み合わせを含む、第19項に記載の組成物。
【0183】
第21項.炭素-炭素二重結合が、2~30個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環状脂肪族炭化水素部分中に存在する、第19項又は第20項に記載の組成物。
【0184】
第22項.不飽和モノマーが、シクロヘキセニルエーテルアクリラート、N,N-ジアリルアクリルアミド、ジアリルマレアート、アリル(メタ)アクリラート、2-(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第19項~第21項のいずれか一項に記載の組成物。
【0185】
第23項.反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、第1項~第22項のいずれか一項に記載の組成物。
【0186】
第24項.約0重量%~約15重量%、約0.5重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、第1項~第23項のいずれか一項に記載の組成物。
【0187】
第25項.組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、第1項~第24項のいずれか一項に記載の組成物。
【0188】
第26項.フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、第1項~第25項のいずれか一項に記載の組成物。
【0189】
第27項.第1項~第26項のいずれか一項に記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
【0190】
第28項.眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、第27項に記載の眼科用デバイス。
【0191】
第29項.眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.第1項~第26項のいずれか一項に記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
【0192】
第30項.眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、第29項に記載の方法。
【0193】
第31項.抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、第30項に記載の方法。
【0194】
第32項.眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.第1項~第26項のいずれかに記載の組成物からブランクを調製し、ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、
b.眼科用デバイスを、第1項~第26項のいずれかに記載の組成物から成形する工程と、又は
c.眼科用デバイスを、第1項~第26項のいずれかに記載の組成物から成形し、眼科用デバイスの表面を機械加工する工程と、を含む、方法。
【0195】
第33項.眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、第32項に記載の方法。
【0196】
第34項.抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、第33項に記載の方法。
【0197】
第35項.フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、第29項~第34項のいずれか一項に記載の方法。
【0198】
第36項.眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、第29項~第35項のいずれかに記載の方法。
【0199】
第37項.反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、反応性モノマー混合物は、
a.少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、
b.少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、
c.少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、
架橋剤が、約15重量%~約22重量%の量で、反応性モノマー混合物中に存在する、組成物。
【0200】
第38項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第37項に記載の組成物。
【0201】
第39項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラートである、第37項又は第38項に記載の組成物。
【0202】
第40項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルメタクリラートである、第37項又は第38項に記載の組成物。
【0203】
第41項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである、第37項又は第38項に記載の組成物。
【0204】
第42項.反応性モノマー混合物が、約40重量%~約80重量%の量で、芳香族(メタ)アクリラートを含む、第37項~第41項のいずれか一項に記載の組成物。
【0205】
第43項.反応性モノマー混合物が、約60重量%~約75重量%の量で、芳香族(メタ)アクリラートを含む、第37項~第42項のいずれか一項に記載の組成物。
【0206】
第44項.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第37項~第43項のいずれか一項に記載の組成物。
【0207】
第45項.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである、第44項に記載の組成物。
【0208】
第46項.反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%の量で、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む、第37項~第45項のいずれか一項に記載の組成物。
【0209】
第47項.反応性モノマー混合物が、約5重量%~約15重量%の量で、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む、第37項~第46項のいずれか一項に記載の組成物。
【0210】
第48項.架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合のアルキル基が、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合のアリール基が、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである、第37項~第47項のいずれか一項に記載の組成物。
【0211】
第49項.架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、第48項に記載の組成物。
【0212】
第50項.架橋剤が、以下の式を有し:
【0213】
【化9】
式中、nが5~50の整数である、第37項~第47項のいずれか一項に記載の組成物。
【0214】
第51項.nが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である、第50項に記載の組成物。
【0215】
第52項.nが20である、第51項に記載の組成物。
【0216】
第53項.反応性モノマー混合物が、約15重量%~約22重量%の量で、架橋剤を含む、第37項~第52項のいずれか一項に記載の組成物。
【0217】
第54項.反応性モノマー混合物が、約16重量%~約20重量%の量で、架橋剤を含む、第37項~第53項のいずれか一項に記載の組成物。
【0218】
第55項.反応性モノマー混合物が、約18重量%の量で、架橋剤を含む、第37項~第54項のいずれか一項に記載の組成物。
【0219】
第56項.ポリアミドを更に含む、第37項~第55項のいずれか一項に記載の組成物。
【0220】
第57項.ポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、第56項に記載の組成物。
【0221】
第58項.ポリアミドが、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である、第57項に記載の組成物。
【0222】
第59項.ポリアミドが、コポリマーである、第57項に記載の組成物。
【0223】
第60項.反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5重量%~約2重量%の量で、ポリアミドを含む、第56項~第59項のいずれか一項に記載の組成物。
【0224】
第61項.反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、第37項~第60項のいずれか一項に記載の組成物。
【0225】
第62項.UV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである、第61項に記載の組成物。
【0226】
第63項.反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、UV吸収化合物を含む、第61項又は第62項に記載の組成物。
【0227】
第64項.反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、第37項~第63項のいずれか一項に記載の組成物。
【0228】
第65項.約0重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、第37項~第64項のいずれか一項に記載の組成物。
【0229】
第66項.組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、第37項~第65項のいずれか一項に記載の組成物。
【0230】
第67項.フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、第37項~第66項のいずれか一項に記載の組成物。
【0231】
第68項.第37項~第67項のいずれか一項に記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
【0232】
第69項.眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、第68項に記載の眼科用デバイス。
【0233】
第70項.眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.第37項~第67項のいずれか一項に記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
【0234】
第71項.眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、第70項に記載の方法。
【0235】
第72項.抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、第71項に記載の方法。
【0236】
第73項.眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.請求項37~67のいずれかに記載の組成物からブランクを調製する工程と、
b.ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む、方法。
【0237】
第74項.眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、第73項に記載の方法。
【0238】
第75項.抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、第74項に記載の方法。
【0239】
第76項.フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、第70項~第75項のいずれか一項に記載の方法。
【0240】
第77項.眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、第70項~第76項のいずれかに記載の方法。
【0241】
第78項.反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、反応性モノマー混合物は、
a.少なくとも1種の疎水性モノマーと、
b.少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーと、
c.少なくとも1種の架橋剤と、
d.少なくとも1種のポリアミドと、を含み、
反応性モノマー混合物が、約0.10重量%~約5.0重量%の量で、ポリアミドを含む、組成物。
【0242】
第79項.疎水性モノマーが、疎水性(メタ)アクリラートモノマーである、第78項に記載の組成物。
【0243】
第80項.疎水性(メタ)アクリラートが、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、脂環式(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第78項に記載の組成物。
【0244】
第81項.疎水性(メタ)アクリラートが、脂肪族(メタ)アクリラートである、第80項に記載の組成物。
【0245】
第82項.脂肪族(メタ)アクリラートが、C1~C18アルキル(メタ)アクリラートである、第81項に記載の組成物。
【0246】
第83項.C1~C18アルキル(メタ)アクリラートが、エチル(メタ)アクリラート、n-ブチル(メタ)アクリラート、イソ-ブチル(メタ)アクリラート、t-ブチル(メタ)アクリラート、n-ヘキシル(メタ)アクリラート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、イソ-デシル(メタ)アクリラート、ヘプタデシル(メタ)アクリラート、ドデシル(メタ)アクリラート、2-プロピルヘプチル(メタ)アクリラート、ステアリル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第82項に記載の組成物。
【0247】
第84項.C1~C18アルキル(メタ)アクリラートが、n-ヘキシルアクリラートである、第83項に記載の組成物。
【0248】
第85項.疎水性(メタ)アクリラートが、芳香族(メタ)アクリラートである、第80項に記載の組成物。
【0249】
第86項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第85項に記載の組成物。
【0250】
第87項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラートである、第86項に記載の組成物。
【0251】
第88項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルメタクリラートである、第86項に記載の組成物。
【0252】
第89項.芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである、第86項に記載の組成物。
【0253】
第90項.疎水性(メタ)アクリラートが、脂環式(メタ)アクリラートである、第80項に記載の組成物。
【0254】
第91項.脂環式(メタ)アクリラートが、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、シクロペンチル(メタ)アクリラート、2-シクロヘキシルエチル(メタ)アクリラート、3-シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリラート、ノルボルニル(メタ)アクリラート、イソボルニル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、第90項に記載の組成物。
【0255】
第92項.脂環式(メタ)アクリラートが、シクロヘキシルアクリラートである、第91項に記載の組成物。
【0256】
第93項.組成物が、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、及び脂環式(メタ)アクリラートを含む、第80項に記載の組成物。
【0257】
第94項.組成物が、シクロヘキシルアクリラート、フェニルエチルアクリラート、及びn-ヘキシルアクリラートトを含む、第93項に記載の組成物。
【0258】
第95項.反応性モノマー混合物が、約50重量%~約90重量%の量で、疎水性モノマーを含む、第78項~第94項のいずれか一項に記載の組成物。
【0259】
第96項.ヒドロキシル含有モノマーが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートである、第78項~第95項のいずれか一項に記載の組成物。
【0260】
第97項.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、第96項に記載の組成物。
【0261】
第98項.ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである、第97項に記載の組成物。
【0262】
第99項.ヒドロキシル含有モノマーが、ヒドロキシシリコーンモノマーである、第78項~第95項のいずれか一項に記載の組成物。
【0263】
第100項.ヒドロキシシリコーンモノマーが、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート(SiMAA)、モノ-n-ブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(mPDMS)、及びモノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)-プロピルエーテル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(OH-mPDMS)から選択される、第99項に記載の組成物。
【0264】
第101項.反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%の量で、ヒドロキシル含有モノマーを含む、第78項~第100項のいずれか一項に記載の組成物。
【0265】
第102項.反応性モノマー混合物が、約5重量%~約15重量%の量で、ヒドロキシル含有モノマーを含む、第101項に記載の組成物。
【0266】
第103項.架橋剤が、非脂環式架橋剤、脂環式架橋剤、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第78項~第102項のいずれか一項に記載の組成物。
【0267】
第104項.架橋剤が、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、グリセロールトリ(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリラート、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせから選択される非脂環式架橋剤である、第103項に記載の組成物。
【0268】
第105項.非脂環式架橋剤が、エチレングリコールジメタクリラートである、第104項に記載の組成物。
【0269】
第106項.架橋剤が、1~4個の脂環式環を有する脂環式基を含む脂環式架橋剤である、第103項に記載の組成物。
【0270】
第107項.脂環式架橋剤が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリラートである、第106項に記載の組成物。
【0271】
第108項.反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、又は約3重量%~約10重量%の量で、脂環式架橋剤を含む、第106項又は第107項に記載の組成物。
【0272】
第109項.架橋剤が、以下の式を有し:
【0273】
【化10】
式中、nが5~50の整数である、第78項~第102項のいずれか一項に記載の組成物。
【0274】
第110項.nが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である、第109項に記載の組成物。
【0275】
第111項.nが20である、第110項に記載の組成物。
【0276】
第112項.反応性モノマー混合物が、約15重量%~約22重量%の量で、架橋剤を含む、第109項~第111項のいずれか一項に記載の組成物。
【0277】
第113項.反応性モノマー混合物が、約16重量%~約20重量%の量で、架橋剤を含む、第109項~第112項のいずれか一項に記載の組成物。
【0278】
第114項.反応性モノマー混合物が、約18重量%の量で、反応性モノマー混合物中に存在する架橋剤を含む、第109項~第113項のいずれか一項に記載の組成物。
【0279】
第115項.ポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、第78項~第114項のいずれか一項に記載の組成物。
【0280】
第116項.ポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である、第115項に記載の組成物。
【0281】
第117項.ポリアミドが、コポリマーである、第115項に記載の組成物。
【0282】
第118項.反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約3重量%の量で、ポリアミドを含む、第78項~第117項のいずれか一項に記載の組成物。
【0283】
第119項.反応性モノマー混合物が、約0.25重量%~約2重量%の量で、ポリアミドを含む、第78項~第41項のいずれか一項に記載の組成物。
【0284】
第120項.反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、第78項~第119項のいずれか一項に記載の組成物。
【0285】
第121項.UV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである、第120項に記載の組成物。
【0286】
第122項.反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、UV吸収化合物を含む、第120項又は第121項に記載の組成物。
【0287】
第123項.反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、第78項~第122項のいずれか一項に記載の組成物。
【0288】
第124項.約0重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、第78項~第123項のいずれか一項に記載の組成物。
【0289】
第125項.組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、第78項~第124項のいずれか一項に記載の組成物。
【0290】
第126項.フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、第78項~第125項のいずれか一項に記載の組成物。
【0291】
第127項.第78項~第126項のいずれか一項に記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
【0292】
第128項.眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、第127項に記載の眼科用デバイス。
【0293】
第129項.眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.第78項~第126項のいずれか一項に記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
【0294】
第130項.眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、第129項に記載の方法。
【0295】
第131項.抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、第130項に記載の方法。
【0296】
第132項.眼科用デバイスを作製するための方法であって、
d.第78項~第126項のいずれかに記載の組成物からブランクを調製し、ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、
e.眼科用デバイスを、第78項~第126項のいずれかに記載の組成物から成形する工程と、又は
f.眼科用デバイスを、第78項~第126項のいずれかに記載の組成物から成形し、眼科用デバイスの表面を機械加工する工程と、を含む、方法。
【0297】
第133項.眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、第132項に記載の方法。
【0298】
第134項.抽出された眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、第133項に記載の方法。
【0299】
第135項.フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、第129項~第134項のいずれか一項に記載の方法。
【0300】
第136項.眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、第129項~第135項のいずれかに記載の方法。
【0301】
〔実施の態様〕
(1) 反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、
a.少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、
b.少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、
c.少なくとも1種のポリアミドと、
d.少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、
前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも39のアッベ数を示す、組成物。
(2) 前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、1~25個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖、又は環状ヒドロキシアルキル基を含む、実施態様1又は2に記載の組成物。
(4) 前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、実施態様3に記載の組成物。
(5) 前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、実施態様1~4のいずれかに記載の組成物。
【0302】
(6) 前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)及びポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)から選択される、実施態様5に記載の組成物。
(7) 前記少なくとも1種のポリアミドがコポリマーである、実施態様5に記載の組成物。
(8) 前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5重量%~約2重量%の量で、前記少なくとも1種のポリアミドを含む、実施態様1~7のいずれかに記載の組成物。
(9) 前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合の前記アルキル基が、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合の前記アリール基が、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである、実施態様1~8のいずれかに記載の組成物。
(10) 前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、実施態様9に記載の組成物。
【0303】
(11) 前記反応性モノマー混合物が、約15重量%~30重量%の量で、前記ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)を含む、実施態様10に記載の組成物。
(12) 少なくとも1種の親水性モノマーを更に含む、実施態様1~11のいずれかに記載の組成物。
(13) 前記少なくとも1種の親水性モノマーが、ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-ビニルアセトアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、又はこれらの任意の組み合わせから選択される、実施態様12に記載の組成物。
(14) 少なくとも1種のヒドロキシシリコーンモノマーを更に含む、実施態様1~13のいずれかに記載の組成物。
(15) 前記少なくとも1種のヒドロキシシリコーンモノマーが、モノ-n-ブチル末端モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルオキシ)-プロピル末端ポリジメチルシロキサン、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、3-(3-1,5-ジ-tert-ブチル-1,1,3,5,5-ペンタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施態様14に記載の組成物。
【0304】
(16) 前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、実施態様1~15のいずれかに記載の組成物。
(17) 前記少なくとも1種のUV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施態様16に記載の組成物。
(18) 前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のUV吸収化合物を含む、実施態様16又は17に記載の組成物。
(19) 重合性基及び少なくとも1つの他の炭素-炭素二重結合を有する不飽和モノマーを更に含む、実施態様1~18のいずれかに記載の組成物。
(20) 前記重合性基が、(メタ)アクリラート、スチレン、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、O-ビニルカルバマート、O-ビニルカルボネート、ビニル基、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施態様19に記載の組成物。
【0305】
(21) 前記炭素-炭素二重結合が、2~30個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環状脂肪族炭化水素部分中に存在する、実施態様19又は20に記載の組成物。
(22) 前記不飽和モノマーが、シクロヘキセニルエーテルアクリラート、N,N-ジアリルアクリルアミド、ジアリルマレアート、アリル(メタ)アクリラート、2-(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、実施態様19~21のいずれかに記載の組成物。
(23) 前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、実施態様1~22のいずれかに記載の組成物。
(24) 約0重量%~15重量%、約0.5重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、実施態様1~23のいずれかに記載の組成物。
(25) 前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、前記組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は前記組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、実施態様1~24のいずれかに記載の組成物。
【0306】
(26) 前記フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、実施態様1~25のいずれかに記載の組成物。
(27) 実施態様1~26のいずれかに記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
(28) 前記眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー(corneal outlay)、又は角膜インサートを含む、実施態様27に記載の眼科用デバイス。
(29) 眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.実施態様1~26のいずれかに記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
(30) 前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、実施態様29に記載の方法。
【0307】
(31) 抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、実施態様30に記載の方法。
(32) 眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.実施態様1~26のいずれかに記載の組成物からブランクを調製する工程と、
b.前記ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む、方法。
(33) 前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、実施態様32に記載の方法。
(34) 抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、実施態様33に記載の方法。
(35) フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、実施態様29~34のいずれかに記載の方法。
【0308】
(36) 前記眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、実施態様29~35のいずれかに記載の方法。
(37) 反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、
a.少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートと、
b.少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートと、
c.少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤と、を含み、
前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、約15重量%~約22重量%の量で、前記反応性モノマー混合物中に存在する、組成物。
(38) 前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、実施態様37に記載の組成物。
(39) 前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが2-フェニルエチルアクリラートである、実施態様37又は38に記載の組成物。
(40) 前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが2-フェニルエチルメタクリラートである、実施態様37又は38に記載の組成物。
【0309】
(41) 前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートが2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである、実施態様37又は38に記載の組成物。
(42) 前記反応性モノマー混合物が、約40重量%~約80重量%の量で、前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートを含む、実施態様37~41のいずれかに記載の組成物。
(43) 前記反応性モノマー混合物が、約60重量%~約75重量%の量で、前記少なくとも1種の芳香族(メタ)アクリラートを含む、実施態様37~42のいずれかに記載の組成物。
(44) 前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、実施態様37~43のいずれかに記載の組成物。
(45) 前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである、実施態様44に記載の組成物。
【0310】
(46) 前記反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む、実施態様37~45のいずれかに記載の組成物。
(47) 前記反応性モノマー混合物が、約5重量%~約15重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートを含む、実施態様37~46のいずれかに記載の組成物。
(48) 前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキルシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアリールシロキサン)、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジアルキル-コ-ジアリールシロキサン)、又はこれらの任意の組み合わせから選択され、各場合の前記アルキル基が、1~25個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状炭化水素基であり、各場合の前記アリール基が、ベンジル、フェニル、又は置換フェニルである、実施態様37~47のいずれかに記載の組成物。
(49) 前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリ(ジメチルシロキサン)である、実施態様48に記載の組成物。
(50) 前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤が、以下の式を有し:
【0311】
【化11】
式中、nが5~50の整数である、実施態様37~47のいずれかに記載の組成物。
【0312】
(51) nが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である、実施態様50に記載の組成物。
(52) nが20である、実施態様51に記載の組成物。
(53) 前記反応性モノマー混合物が、約15重量%~約22重量%の量で、前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む、実施態様37~52のいずれかに記載の組成物。
(54) 前記反応性モノマー混合物が、約16重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む、実施態様37~53のいずれかに記載の組成物。
(55) 前記反応性モノマー混合物が、約18重量%の量で、前記少なくとも1種のビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリシロキサン架橋剤を含む、実施態様37~54のいずれかに記載の組成物。
【0313】
(56) ポリアミドを更に含む、実施態様37~55のいずれかに記載の組成物。
(57) 前記ポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、実施態様56に記載の組成物。
(58) 前記ポリアミドが、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である、実施態様57に記載の組成物。
(59) 前記ポリアミドが、コポリマーである、実施態様57に記載の組成物。
(60) 前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約0.5重量%~約3重量%、又は約0.5重量%~約2重量%の量で、前記ポリアミドを含む、実施態様56~59のいずれかに記載の組成物。
【0314】
(61) 前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、実施態様37~60のいずれかに記載の組成物。
(62) 前記少なくとも1種のUV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである、実施態様61に記載の組成物。
(63) 前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のUV吸収化合物を含む、実施態様61又は62に記載の組成物。
(64) 前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、実施態様37~63のいずれかに記載の組成物。
(65) 約0重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、実施態様37~64のいずれかに記載の組成物。
【0315】
(66) 前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、前記組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は前記組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、実施態様37~65のいずれかに記載の組成物。
(67) 前記フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、実施態様37~66のいずれかに記載の組成物。
(68) 実施態様37~67のいずれかに記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
(69) 前記眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、実施態様68に記載の眼科用デバイス。
(70) 眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.実施態様37~67のいずれかに記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
【0316】
(71) 前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、実施態様70に記載の方法。
(72) 抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、実施態様71に記載の方法。
(73) 眼科用デバイスを作製するための方法であって、前記方法が、
g.第37項~第67項のいずれかに記載の組成物からブランクを調製し、前記ブランクから前記眼科用デバイスを機械加工する工程と、
h.前記眼科用デバイスを、第37項~第67項のいずれかに記載の組成物から成形する工程と、
i.前記眼科用デバイスを、第37項~第67項のいずれかに記載の組成物から成形し、前記眼科用デバイスの表面を機械加工する工程と、からなる群から選択される、方法。
(74) 前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、実施態様73に記載の方法。
(75) 抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、実施態様74に記載の方法。
【0317】
(76) フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、実施態様70~75のいずれかに記載の方法。
(77) 前記眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、実施態様70~76のいずれかに記載の方法。
(78) 反応性モノマー混合物のフリーラジカル重合によって作製される組成物であって、
a.少なくとも1種の疎水性モノマーと、
b.少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーと、
c.少なくとも1種の架橋剤と、
d.少なくとも1種のポリアミドと、を含み、
前記反応性モノマー混合物が、約0.10重量%~約5.0重量%の量で、前記ポリアミドを含む、組成物。
(79) 前記少なくとも1種の疎水性モノマーが、疎水性(メタ)アクリラートモノマーである、実施態様78に記載の組成物。
(80) 前記疎水性(メタ)アクリラートが、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、脂環式(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、実施態様78に記載の組成物。
【0318】
(81) 前記疎水性(メタ)アクリラートが、脂肪族(メタ)アクリラートである、実施態様80に記載の組成物。
(82) 前記脂肪族(メタ)アクリラートが、C1~C18アルキル(メタ)アクリラートである、実施態様81に記載の組成物。
(83) 前記C1~C18アルキル(メタ)アクリラートが、エチル(メタ)アクリラート、n-ブチル(メタ)アクリラート、イソ-ブチル(メタ)アクリラート、t-ブチル(メタ)アクリラート、n-ヘキシル(メタ)アクリラート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリラート、オクチル(メタ)アクリラート、イソ-デシル(メタ)アクリラート、ヘプタデシル(メタ)アクリラート、ドデシル(メタ)アクリラート、2-プロピルヘプチル(メタ)アクリラート、ステアリル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施態様82に記載の組成物。
(84) 前記C1~C18アルキル(メタ)アクリラートが、n-ヘキシルアクリラートである、実施態様83に記載の組成物。
(85) 前記疎水性(メタ)アクリラートが、芳香族(メタ)アクリラートである、実施態様80に記載の組成物。
【0319】
(86) 前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチル(メタ)アクリラート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリラート、4-クロロフェノキシエチル(メタ)アクリラート、3-フェニルプロピル(メタ)アクリラート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリラート、1,3-ビス-(フェニルチオ)-2-プロピル(メタ)アクリラート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテル(メタ)アクリラート、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施態様85に記載の組成物。
(87) 前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラートである、実施態様86に記載の組成物。
(88) 前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルメタクリラートである、実施態様86に記載の組成物。
(89) 前記芳香族(メタ)アクリラートが、2-フェニルエチルアクリラート及び2-フェニルエチルメタクリラートの組み合わせである、実施態様86に記載の組成物。
(90) 前記疎水性(メタ)アクリラートが、脂環式(メタ)アクリラートである、実施態様80に記載の組成物。
【0320】
(91) 前記脂環式(メタ)アクリラートが、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、シクロペンチル(メタ)アクリラート、2-シクロヘキシルエチル(メタ)アクリラート、3-シクロヘキシルプロピル(メタ)アクリラート、ノルボルニル(メタ)アクリラート、イソボルニル(メタ)アクリラート、((1R,2S,4R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-イル)メチル(メタ)アクリラート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテル(メタ)アクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施態様90に記載の組成物。
(92) 前記脂環式(メタ)アクリラートが、シクロヘキシルアクリラートである、実施態様91に記載の組成物。
(93) 前記組成物が、脂肪族(メタ)アクリラート、芳香族(メタ)アクリラート、及び脂環式(メタ)アクリラートを含む、実施態様80に記載の組成物。
(94) 組成物が、シクロヘキシルアクリラート、フェニルエチルアクリラート、及びn-ヘキシルアクリラートを含む、実施態様93に記載の組成物。
(95) 前記反応性モノマー混合物が、約50重量%~90重量%の量で、前記少なくとも1種の疎水性モノマーを含む、実施態様78~94のいずれかに記載の組成物。
【0321】
(96) 前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートである、実施態様78~95のいずれかに記載の組成物。
(97) 前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリラート、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施態様96に記載の組成物。
(98) 前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートが、2-ヒドロキシエチルメタクリラート又は4-ヒドロキシブチルアクリラートである、実施態様97に記載の組成物。
(99) 前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーが、ヒドロキシシリコーンモノマーである、実施態様78~95のいずれかに記載の組成物。
(100) 前記ヒドロキシシリコーンモノマーが、3-(3-(1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン-3-イル)プロポキシ)-2-ヒドロキシプロピルメタクリラート(SiMAA)、モノ-n-ブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(mPDMS)、及びモノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピル)-プロピルエーテル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(OH-mPDMS)から選択される、実施態様99に記載の組成物。
【0322】
(101) 前記反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーを含む、実施態様78~100のいずれかに記載の組成物。
(102) 前記反応性モノマー混合物が、約5重量%~約15重量%の量で、前記少なくとも1種のヒドロキシル含有モノマーを含む、実施態様101に記載の組成物。
(103) 前記少なくとも1種の架橋剤が、非脂環式架橋剤、脂環式架橋剤、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施態様78~102のいずれかに記載の組成物。
(104) 前記少なくとも1種の架橋剤が、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート、グリセロールトリ(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリラート、ビス(2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)末端ポリジメチルシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせから選択される非脂環式架橋剤である、実施態様103に記載の組成物。
(105) 前記非脂環式架橋剤が、エチレングリコールジメタクリラートである、実施態様104に記載の組成物。
【0323】
(106) 前記少なくとも1種の架橋剤が、1~4個の脂環式環を有する脂環式基を含む脂環式架橋剤である、実施態様103に記載の組成物。
(107) 前記脂環式架橋剤が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリラートである、実施態様106に記載の組成物。
(108) 前記反応性モノマー混合物が、約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、又は約3重量%~約10重量%の量で、前記脂環式架橋剤を含む、実施態様106又は107に記載の組成物。
(109) 前記少なくとも1種の架橋剤が、以下の式を有し:
1.
【0324】
【化12】
2.式中、nが5~50の整数である、実施態様78~102のいずれかに記載の組成物。
(110) nが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25である、実施態様109に記載の組成物。
【0325】
(111) nが20である、実施態様110に記載の組成物。
(112) 前記反応性モノマー混合物が、約15重量%~約22重量%の量で、前記少なくとも1種の架橋剤を含む、実施態様109~111のいずれかに記載の組成物。
(113) 前記反応性モノマー混合物が、約16重量%~約20重量%の量で、前記少なくとも1種の架橋剤を含む、実施態様109~112のいずれかに記載の組成物。
(114) 前記反応性モノマー混合物が、約18重量%の量で、前記反応性モノマー混合物中に存在する前記少なくとも1種の架橋剤を含む、実施態様109~113のいずれかに記載の組成物。
(115) 前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、実施態様78~114のいずれかに記載の組成物。
【0326】
(116) 前記少なくとも1種のポリアミドが、ポリ(ビニルピロリドン)又はポリ(N-ビニル-N-メチルアセトアミド)である、実施態様115に記載の組成物。
(117) 前記少なくとも1種のポリアミドが、コポリマーである、実施態様115に記載の組成物。
(118) 前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のポリアミドを含む、実施態様78~117のいずれかに記載の組成物。
(119) 前記少なくとも1種の反応性モノマー混合物が、約0.25重量%~約2重量%の量で、前記少なくとも1種のポリアミドを含む、実施態様78~118のいずれかに記載の組成物。
(120) 前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種のUV吸収化合物を更に含む、実施態様78~119のいずれかに記載の組成物。
【0327】
(121) 前記少なくとも1種のUV吸収化合物が、式Iの化合物、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-シアノ-2-(9H-チオキサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(9H-キサンテン-9-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、2-(2-シアノ-2-(10-メチルアクリジン-9(10H)-イリデン)アセトアミド)エチルメタクリラート、又はこれらの任意の組み合わせである、実施態様120に記載の組成物。
(122) 前記反応性モノマー混合物が、約0.1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、又は約1重量%~約3重量%の量で、前記少なくとも1種のUV吸収化合物を含む、実施態様120又は121に記載の組成物。
(123) 前記反応性モノマー混合物中に少なくとも1種の希釈剤を更に含む、実施態様78~122のいずれかに記載の組成物。
(124) 約0重量%~約15重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約8重量%の含水量を有する、実施態様78~123のいずれかに記載の組成物。
(125) 前記組成物が、少なくとも1.45の屈折率及び少なくとも45のアッベ数を有するか、前記組成物が、少なくとも1.48の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有するか、又は前記組成物が、少なくとも1.50の屈折率及び少なくとも50のアッベ数を有する、実施態様78~124のいずれかに記載の組成物。
【0328】
(126) 前記フリーラジカル重合が、ビスアシルホスフィンオキシド開始剤を使用する光重合である、実施態様78~125のいずれかに記載の組成物。
(127) 実施態様78~126のいずれかに記載の組成物を含む、眼科用デバイス。
(128) 前記眼科用デバイスが、眼内レンズ、コンタクトレンズ、角膜インレー、角膜アウトレー、又は角膜インサートを含む、実施態様127に記載の眼科用デバイス。
(129) 眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.実施態様78~126のいずれかに記載の組成物を提供する工程と、
b.眼科用デバイスを形成する工程と、を含む、方法。
(130) 前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、実施態様129に記載の方法。
【0329】
(131) 抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、実施態様130に記載の方法。
(132) 眼科用デバイスを作製するための方法であって、
a.実施態様78~126のいずれかに記載の組成物からブランクを調製する工程と、
b.前記ブランクから眼科用デバイスを機械加工する工程と、を含む、方法。
(133) 前記眼科用デバイスを溶媒で抽出する工程を更に含む、実施態様132に記載の方法。
(134) 抽出された前記眼科用デバイスを少なくとも1種の水溶液で水和する工程を更に含む、実施態様133に記載の方法。
(135) フェムト秒2光子レーザーを使用する照射工程を更に含む、実施態様129~134のいずれかに記載の方法。
【0330】
(136) 前記眼科用デバイスを滅菌する工程を更に含む、実施態様129~135のいずれかに記載の方法。
【国際調査報告】