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特表2022-530986カウレン酸13-ヒドロキシラーゼ(KAH)バリアント及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-05
(54)【発明の名称】カウレン酸13-ヒドロキシラーゼ(KAH)バリアント及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/53 20060101AFI20220628BHJP
   C12N 9/02 20060101ALI20220628BHJP
   C12N 15/29 20060101ALI20220628BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20220628BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20220628BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220628BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220628BHJP
   C12N 1/13 20060101ALI20220628BHJP
   C12P 19/00 20060101ALI20220628BHJP
   C12N 15/31 20060101ALN20220628BHJP
   C12N 15/54 20060101ALN20220628BHJP
   C12N 15/60 20060101ALN20220628BHJP
   C12N 15/61 20060101ALN20220628BHJP
   C12R 1/865 20060101ALN20220628BHJP
【FI】
C12N15/53
C12N9/02 ZNA
C12N15/29
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N1/13
C12P19/00
C12N15/31
C12N15/54
C12N15/60
C12N15/61
C12R1:865
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564945
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2020031171
(87)【国際公開番号】W WO2020227148
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/842,810
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510079008
【氏名又は名称】アミリス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】クライン、アンドリュー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ルンド、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ウィッチマン、ゲイル
(72)【発明者】
【氏名】コルヤキナ、イリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ホーガン、カイル
(72)【発明者】
【氏名】ボリソヴァ、スヴェトラーナ
【テーマコード(参考)】
4B050
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B050CC03
4B050CC04
4B050DD03
4B050DD04
4B050DD07
4B050DD09
4B050LL02
4B050LL05
4B064AF41
4B064BJ10
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA10
4B064CA11
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA10
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA80X
4B065AA83X
4B065AA86X
4B065AA87Y
4B065AA89Y
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065CA27
4B065CA41
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、ステビオール配糖体の生成を改善するための遺伝的に改変された宿主細胞、組成物、及び方法である。この宿主細胞は、Ro.KAHの新規でかつ最適化されたバリアントを発現する異種核酸を含むように遺伝子改変されている。この宿主細胞は、宿主細胞において1つ以上のステビオール配糖体を産生し得る経路のさらなる酵素をコードする1つ以上の異種ヌクレオチド配列をさらに含む。本明細書に記載の宿主細胞、組成物、及び方法は、レバウディオサイドA、レバウディオサイドD、及びレバウディオサイドMを含むステビオール配糖体の異種生産のための効率的な経路を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列を含み、前記配列が1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む、バリアントカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチド。
【請求項2】
前記1つ以上のアミノ酸置換が、K69R、V343G、T403V、H491P、P72D、L64D、Q84C、L64G、E206D、Y238C、A210G、L64N、I237C、L11V、N207F、M73G、W8G、E60R、Y55S、N475G、D292P、P161C、K267D、L485F、A396F、R507A、P72T、I132G、N61P、K119V、T220E、P72G、Q513R、S133G、Y506V、K69P、E60G、K224C、M73H、H379G、P72C、K314P、W202A、G466F、N49A、S339G、N160D、T216G、D102Y、F246G、M58P、T220R、R458D、M58G、A68I、S70P、F88V、T240D、L205I、K167G、L232M、S62R、G56D、Q244G、A242D、N49R、Q513G、W29T、L303D、T378D、I508L、W202Q、S505R、R233C、I104D、M258G、K69G、F88D、F88S、A217V、E230C、R507G、G466S、G56S、E230G、Y55G、A503C、S460I、I129R、S245G、F246S、Q84L、S133R、T509V、R507E、R233T、V30F、A68G、G56N、T162G、A68P、S165D、K119Y、W29C、S165P、W29V、I284G、A217L、Q335V、L65S、F53R、Y55P、W202V、K224V、W29A、H164G、Q244D、K291C、L65G、K167S、C327I、K291S、D57G、K167H、N160T、W202C、A242G、F88R、I104N、G466D、N475D、K119S、T123D、T216A、S339A、P161D、I104R、L54G、M171F、L232Y、D293C、V340A、T162A、A297V、I104H、F332L、A236R、K224I、S452D、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される、請求項1に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項3】
前記1つ以上のアミノ酸置換が、A297V、I104H、F332L、A236R、K224I、S452D、I104A、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される、請求項2に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項4】
前記1つ以上のアミノ酸置換が、S452D、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される、請求項3に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項5】
前記1つ以上のアミノ酸置換が、N146W、A297Y、A236S、V9S、G466F、T283D、T142G、T425V、L459C、T283A、T283G、S460V、S133G、I129V、W52G、S505I、I243T、V340S、S460C、S452D、L118I、S505V、T123D、W52C、S460I、S457G、W52R、W52N、N146T、G466A、及びW52Tから選択される、請求項1に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項6】
前記1つ以上のアミノ酸置換がA297Yを含む、請求項1に記載のポリペプチドのバリアント。
【請求項7】
前記1つ以上のアミノ酸置換がN146Tを含む、請求項1または6に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項8】
前記1つ以上のアミノ酸置換がN146T/A297Y/G466A、W52T/N146T/A297Y、T142G/N146T/A297Y/G466A、W52T/T142G/N146T/A297Y、及びW52T/T142G/N146T/A297Y/G466Aから選択される、請求項1に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項9】
1つ以上のアミノ酸置換がW52T/T142G/G466A、A145G/N146F/A297Y;N146W/A297Y/S460I、W52N/N146W/A297Y、F332L/S452D、N146W/A297Y、及びQ84R/N146T/A297Yから選択される、請求項1に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項10】
N末端シグナル配列をコードする前記アミノ酸が、異種植物p450ポリペプチドのN末端シグナル配列をコードする対応するアミノ酸配列で置き換えられている、先行請求項のいずれか1項に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項11】
前記N末端シグナル配列が配列番号1のアミノ酸1~25に対応する、請求項10に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項12】
前記対応するアミノ酸配列が配列番号22を含む、請求項11に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項13】
配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21から選択される前記アミノ酸配列を含む、請求項12に記載のバリアントポリペプチド。
【請求項14】
先行請求項のいずれか1項に記載の前記バリアントポリペプチドをコードする、核酸。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載のポリペプチドまたは請求項14に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項16】
前記宿主細胞が、1つ以上のステビオール配糖体を産生することができる、請求項15に記載の宿主細胞。
【請求項17】
前記1つ以上のステビオール配糖体が、RebA、RebB、RebD、RebE、及びRebMから選択される、請求項16に記載の宿主細胞。
【請求項18】
前記1つ以上のステビオール配糖体がRebMを含む、請求項17に記載の宿主細胞。
【請求項19】
ステビオール配糖体を作製するための経路の1つ以上の酵素をコードする1つ以上の核酸をさらに含む、請求項15~18のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項20】
ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼをコードする核酸をさらに含む、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項21】
コパリル二リン酸シンターゼをコードする核酸をさらに含む、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項22】
ent-カウレンシンターゼをコードする核酸をさらに含む、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項23】
カウレンオキシダーゼをコードする核酸をさらに含む、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項24】
シトクロムP450レダクターゼをコードする核酸をさらに含む、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項25】
1つ以上のウリジン5’-二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼをコードする核酸をさらに含む、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項26】
ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ、コパリル二リン酸シンターゼ、ent-カウレンシンターゼ、カウレンオキシダーゼ、シトクロムP450レダクターゼ、UGT40087、UGT74G1、UGT76G1、UGT85C2、EUGT11、及びUGT91Dをコードする1つ以上の核酸をさらに含む、請求項19に記載の宿主細胞。
【請求項27】
前記細胞が、細菌細胞、酵母細胞、藻細胞、昆虫細胞、及び植物細胞から選択される、請求項15~16のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項28】
前記細胞が、酵母細胞である、請求項27に記載の宿主細胞。
【請求項29】
前記細胞が Saccharomyces cerevisiaeである、請求項28に記載の宿主細胞。
【請求項30】
1つ以上のステビオール配糖体を産生するための方法であって、
1つ以上のステビオール配糖体を作製して培養ブロスを生成するのに適した条件下で、炭素源を含む培地中で、請求項15~29のいずれか1項に記載の宿主細胞の集団を培養することと、
前記培養ブロスから1つ以上のステビオール配糖体を回収することと、を含む、前記方法。
【請求項31】
前記1つ以上のステビオール配糖体がRebMである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
発酵組成物であって、
請求項15~29のいずれか1項に記載のカウレン酸ヒドロキシラーゼをコードする核酸を含む宿主細胞と、
前記宿主細胞によって産生される1つ以上のステビオール配糖体と、を含む前記発酵組成物。
【請求項33】
前記1つ以上のステビオール配糖体がRebMである、請求項32に記載の発酵組成物。
【請求項34】
請求項31に記載の方法によって製造されたRebMを含む組成物。
【請求項35】
配列番号1の前記アミノ酸配列と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドを含む宿主細胞。
【請求項36】
前記カウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドの前記アミノ酸配列が、配列番号1、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21から選択される前記アミノ配列を含む、請求項35に記載の宿主細胞。
【請求項37】
前記宿主細胞が、1つ以上のステビオール配糖体を産生することができる、請求項35または36に記載の宿主細胞。
【請求項38】
前記1つ以上のステビオール配糖体が、RebA、RebB、RebD、RebE、及びRebMから選択される、請求項37に記載の宿主細胞。
【請求項39】
前記1つ以上のステビオール配糖体がRebMである、請求項38に記載の宿主細胞。
【請求項40】
ステビオール配糖体を作製するための経路の1つ以上の酵素をコードする1つ以上の核酸をさらに含む、請求項35~39のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項41】
ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ、コパリル二リン酸シンターゼ、ent-カウレンシンターゼ、カウレンオキシダーゼ、シトクロムP450レダクターゼ、UGT40087、UGT74G1、UGT76G1、UGT85C2、EUGT11、及びUGT91Dをコードする1つ以上の核酸をさらに含む、請求項40に記載の宿主細胞。
【請求項42】
細菌細胞、酵母細胞、藻細胞、昆虫細胞、及び植物細胞から選択される、請求項35~41のいずれか1項に記載の宿主細胞。
【請求項43】
前記細胞が、酵母細胞である、請求項42に記載の宿主細胞。
【請求項44】
前記細胞が Saccharomyces cerevisiaeである、請求項43に記載の宿主細胞。
【請求項45】
1つ以上のステビオール配糖体を産生するための方法であって、
1つ以上のステビオール配糖体を作製して培養ブロスを生成するのに適した条件下で、炭素源を含む培地中で、請求項35~44のいずれか1項に記載の宿主細胞の集団を培養することと、
前記培養ブロスから前記1つ以上のステビオール配糖体を回収することと、を含む、前記方法。
【請求項46】
前記1つ以上のステビオール配糖体がRebMである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
発酵組成物であって、
請求項35~44のいずれか1項に記載のカウレン酸ヒドロキシラーゼをコードする核酸を含む宿主細胞と、
前記宿主細胞によって産生される1つ以上のステビオール配糖体と、を含む前記発酵組成物。
【請求項48】
1つ以上のステビオール配糖体がRebMである、請求項47に記載の発酵組成物。
【請求項49】
請求項46に記載の方法によって産生されたRebMを含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2020年4月30日に作成された前記ASCIIコピーは、51494-009WO2_Sequence_Listing_4_30_20_ST25と命名され、100,106バイトの大きさである。
【0002】
発明の分野
本開示は、カウレン酸13-ヒドロキシラーゼ(KAH)バリアント、それを含む宿主細胞、及び異種分子の産生のためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
天然の供給源に由来する低カロリー甘味料は、高糖消費の健康への影響を制限するために望まれている。ステビア植物(Stevia rebaudiana Bertoni)は、ステビオール配糖体と呼ばれるさまざまな甘味のあるグリコシル化ジテルペンを生成する。公知の全てのステビオール配糖体の中で、Reb Mは最も高い効力(ショ糖の約300倍の甘味)を有し、最も魅力的なフレーバープロファイルを有する。ただし、Reb Mは、ステビア植物によって少量しか生成されず、ステビオール配糖体の総含有量のごく一部(1.0%未満)であるので、ステビアの葉からRebMを分離することは現実的ではない。RebMを取得する別の方法が必要である。そのようなアプローチの1つは、持続可能な原料供給源から大量のReb Mを生成する微生物(例えば、酵母)を設計するための合成生物学の適用である。
【0004】
合成生物学を使用して生成物を経済的に生産するためには、原料から生成物への生物変換の各ステップは、高い変換効率(理想的には90%超)を有する必要がある。Reb Mを生成する酵母で本発明者らの操作において、野生型酵素を使用した場合、特定の酵素ステップが酵母でうまく機能しないことに気づいた。微生物におけるReb Mの生産性及び収量を向上させるために、野生型酵素よりも優れた性能を発揮するバリアント酵素の生産を目指した。そのような酵素の1つは、ent-カウレン酸のステビオールへの変換を触媒する、カウレン酸13-ヒドロキシラーゼ(KAH)である。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に提供されるのは、カウレン酸のステビオールへの改善された変換のための組成物及び方法である。これらの組成物及び方法は、カウレン酸を高効率でステビオールに変換することができる、ある特定のバリアントカウレン酸ヒドロキシラーゼ(KAH)の生成に部分的に基づいている。
【0006】
一態様では、本発明は、配列番号1の配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドを有する宿主細胞を提供する。
【0007】
一態様では、本発明は、一般に、配列番号1のアミノ酸配列を有するバリアントカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドを提供し、この配列は、1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。
【0008】
別の態様では、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列を有するバリアントカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を提供し、この配列は、1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。別の態様では、本発明は、本明細書に記載のバリアントポリペプチドのいずれか1つをコードする核酸を提供する。
【0009】
さらに別の態様では、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列を有するバリアントカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドを含む宿主細胞を提供し、この配列は、1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドまたは核酸のいずれか1つを含む宿主細胞を提供する。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列を有するバリアントカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞提供し、この配列は、1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。
【0011】
ある実施形態では、本発明は、1つ以上のアミノ酸置換が、K69R、V343G、T403V、H491P、P72D、L64D、Q84C、L64G、E206D、Y238C、A210G、L64N、I237C、L11V、N207F、M73G、W8G、E60R、Y55S、N475G、D292P、P161C、K267D、L485F、A396F、R507A、P72T、I132G、N61P、K119V、T220E、P72G、Q513R、S133G、Y506V、K69P、E60G、K224C、M73H、H379G、P72C、K314P、W202A、G466F、N49A、S339G、N160D、T216G、D102Y、F246G、M58P、T220R、R458D、M58G、A68I、S70P、F88V、T240D、L205I、K167G、L232M、S62R、G56D、Q244G、A242D、N49R、Q513G、W29T、L303D、T378D、I508L、W202Q、S505R、R233C、I104D、M258G、K69G、F88D、F88S、A217V、E230C、R507G、G466S、G56S、E230G、Y55G、A503C、S460I、I129R、S245G、F246S、Q84L、S133R、T509V、R507E、R233T、V30F、A68G、G56N、T162G、A68P、S165D、K119Y、W29C、S165P、W29V、I284G、A217L、Q335V、L65S、F53R、Y55P、W202V、K224V、W29A、H164G、Q244D、K291C、L65G、K167S、C327I、K291S、D57G、K167H、N160T、W202C、A242G、F88R、I104N、G466D、N475D、K119S、T123D、T216A、S339A、P161D、I104R、L54G、M171F、L232Y、D293C、V340A、T162A、A297V、I104H、F332L、A236R、K224I、S452D、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される。別の実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、N146W、A297Y、A236S、V9S、G466F、T283D、T142G、T425V、L459C、T283A、T283G、S460V、S133G、I129V、W52G、S505I、I243T、V340S、S460C、S452D、L118I、S505V、T123D、W52C、S460I、S457G、W52R、W52N、N146T、G466A、及びW52Tから選択される。特定の実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、A297V、I104H、F332L、A236R、K224I、S452D、I104A、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される。好ましい実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、S452D、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される。さらなる実施形態では、バリアントポリペプチドは、N末端シグナル配列が別のp450ポリペプチドのシグナル配列で置換されている。いくつかの実施形態では、N末端シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~25に対応する。いくつかの実施形態では、別のp450ポリペプチドのシグナル配列は、配列番号22のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、アミノ酸置換A297Yを含み、1つ以上の追加のアミノ酸置換も含み得る。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、N146T/A297Yを含むアミノ酸置換を含み、また1つ以上の追加のアミノ酸置換も含み得る。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、N146T/A297Y/G466A、W52T/N146T/A297Y、T142G/N146T/A297Y/G466A、W52T/T142G/N146T/A297Y、及びW52T/T142G/N146T/A297Y/G466Aから選択されるアミノ酸置換を有する。好ましい実施形態では、バリアントポリペプチドは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、バリアントポリペプチドは、W52T/T142G/G466A、A145G/N14F/A297Y、N146W/A297Y/S460I、W52N/N146W/A297Y、F332L/S452D、N146W/A297Y、及びQ84R/N146T/A297Yから選択されるアミノ酸置換を有する。
【0012】
本発明の一実施形態では、宿主細胞は、1つ以上のステビオール配糖体を産生し得る。別の実施形態では、1つ以上のステビオール配糖体は、RebA、RebB、RebD、RebE、及びRebMから選択される。好ましい実施形態では、1つ以上のステビオール配糖体は、RebMである。
【0013】
一実施形態では、本発明の宿主細胞は、ステビオール配糖体を作製するための経路の1つ以上の酵素をコードする1つ以上の核酸を含む。別の実施形態では、宿主細胞は、ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼをコードする核酸を含む。さらに別の実施形態では、宿主細胞は、コパリル二リン酸シンターゼをコードする核酸を含む。別の実施形態では、宿主細胞は、ent-カウレンシンターゼをコードする核酸を含む。さらに別の実施形態では、宿主細胞は、カウレンオキシダーゼをコードする核酸を含む。別の実施形態では、宿主細胞は、シトクロムP450レダクターゼをコードする核酸を含む。さらに別の実施形態では、宿主細胞は、1つ以上のウリジン5’-二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼをコードする核酸を含む。好ましい実施形態では、宿主細胞は、ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ、コパリル二リン酸シンターゼ、ent-カウレンシンターゼ、カウレンオキシダーゼ、シトクロムP450レダクターゼ、UGT40087、UGT74G1、UGT76G1、UGT85C2、EUGT11、及びUGT91Dをコードする1つ以上の核酸を含む。
【0014】
ある実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞、酵母細胞、藻類細胞、昆虫細胞、または植物細胞であり得る。特定の実施形態では、宿主細胞は酵母細胞である。好ましい実施形態では、宿主細胞は Saccharomyces cerevisiaeである。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、1つ以上のステビオール配糖体を生成するための方法を提供し、この方法は、以下のステップa)1つ以上のステビオール配糖体を作製するために適切な条件下で炭素源を有する培地中で本発明の宿主細胞の集団を培養して培養ブロスを生成するというステップと、b)この培養ブロスから1つ以上のステビオール配糖体を回収するというステップとを含む。好ましい実施形態では、この方法は、RebMの回収を伴う。
【0016】
さらなる実施形態では、本発明は、本発明のバリアントカウレン酸ヒドロキシラーゼをコードする核酸を含む宿主細胞を含む発酵組成物、及び宿主細胞によって産生される1つ以上のステビオール配糖体を提供する。好ましい実施形態では、この発酵組成物はRebMを含む。
【0017】
一実施形態では、カウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドは、配列番号1の配列と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を有する。好ましい実施形態では、本発明の宿主細胞は、配列番号1のアミノ酸配列を有するカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドを有する。いくつかの実施形態では、本発明の宿主細胞は、カウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドのアミノ酸配列を有するカウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドを有し、配列番号1、配列番号17、配列番号18、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21から選択されるアミノ配列を含む。
【0018】
一態様では、本発明は、本発明の方法によってまたは本発明の宿主細胞によって生成されたRebMを含む組成物及び食品を提供する。別の態様では、本発明は、なんら他の植物由来物質を含まないステビオール配糖体(例えば、RebA、RebB、RebD、RebE、またはRebM)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体はRebMである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】天然酵母代謝産物ファルネシルピロリン酸(FPP)からレバウディオサイドM(Reb M)への酵素経路を示す概略図である。
図2】KAH遺伝子をRebM株に挿入するために使用されるランディングパッドDNA構築物の概略図である。ランディングパッドは、選択した酵母遺伝子座の上流及び下流のゲノム領域への構築物の両端にある500bpの遺伝子座標的化DNA配列で構成されている。ランディングパッドを挿入しても遺伝子が削除されないように遺伝子座を選択する。内部的には、ランディングパッドにはGALプロモーターと、それに続くF-CphIエンドヌクレアーゼ及び酵母ターミネーターの認識部位が含まれている。エンドヌクレアーゼF-CphIは、認識配列を切断し、ランディングパッドで二本鎖切断を作成して、その部位でのRo.KAHDNAバリアントの相同組換えを促進する。
図3】Rs.KAH対照と比較した全細胞ブロス中の総ステビオール配糖体(μMで測定)のグラフである。異なる過剰発現KAH遺伝子を有する酵母株をマイクロタイタープレートで増殖させた。KAHを含まない親株のデータも示されている。濃い垂直線は、平均の95%信頼区間を表す(N=8)。
図4】野生型Ro.KAH含有酵母と比較して、部位飽和突然変異誘発ライブラリーで生成されたRo.KAHの変異体を含むReb M産生酵母の全細胞ブロス中の総ステビオール配糖体(μMで測定)のグラフである。異なる過剰発現KAH遺伝子を有する酵母株をマイクロタイタープレートで増殖させた。また、KAHを含まない親株、ならびに野生型Ro.KAH及びSr.KAHを含む酵母株のデータも示している。
図5】野生型Ro.KAH含有酵母(これも示されている)と比較したコンビナトリアルライブラリーで生成されたRo.KAHの変異体を含むReb M産生酵母の全細胞ブロス中の総ステビオール配糖体(μMで測定)のグラフである。異なる過剰発現KAH遺伝子を有する酵母株を、マイクロタイタープレートで増殖させた。
図6】A~Dは、カウレン酸に対するRo.KAH活性の副産物に由来する不純物C20H32O4 + 1Glcの提案された構造(A)及び不純物同定を支持する実験的証拠(B~D)を示す。Bは、野生型Ro.KAH、Sr.KAH、Rs.KAHを発現するか、またはKAHを発現しない酵母培養物の全細胞ブロス抽出物のCADクロマトグラム由来の目的の領域である。RebM及びC20H32O4+1Glcのピークにラベルが付けられている。Cは、Ro.KAHクロマトグラムの9.5分のピークのフルマススペクトルである。Dは、Ro.KAHクロマトグラムの9.5分のピークのMS2フラグメンテーションスペクトルである。
図7】野生型Ro.KAHと比較した、Ro.KAH A297Yの部位特異的飽和突然変異誘発を介して生成されたRo.KAH変異体のインビボ活性及び生成物特異性の改善を示すグラフである。活性(y軸)の改善は次のように計算される。
【数1】

特異性の改善(x軸)は次のように計算される。
【数2】

図8】野生型Ro.KAHと比較した、Ro.KAH A297Yのコンビナトリアル部位特異的飽和突然変異誘発を介して生成されたRo.KAH突然変異体のインビボ活性及び生成物特異性の改善を示すグラフである。活性(y軸)と特異性(x軸)の改善は、図7の凡例で説明されているように計算される。
図9】Ro.KAH N146W/A297Yと比較した、Ro.KAH N146W/A297Yの完全な部位特異的飽和突然変異誘発を介して生成されたRo.KAH変異体のインビボ活性及び生成物特異性の改善を示すグラフである。活性(y軸)及び特異性(x軸)の改善は、図7の凡例で説明されているように計算される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で使用される場合、「異種」という用語は、自然界では通常見られないものを指す。「異種ヌクレオチド配列」という用語は、自然界の所与の細胞には通常見られないヌクレオチド配列を指す。したがって、異種ヌクレオチド配列は、(a)その宿主細胞に対して外来性(すなわち、細胞に対して「外因性」)であってもよいし、(b)宿主細胞に自然に見られてもよい(すなわち、「内因性」であり得る)が、細胞内に不自然な量(すなわち、宿主細胞に自然に見られるよりも多いかまたは少ない量)で存在してもよく、または(c)宿主細胞に自然に見られるが、その自然の遺伝子座の外側に位置していてもよい。
【0021】
本明細書で使用される場合、分子、特にポリペプチド及びポリヌクレオチドに関する「天然」または「内因性」という用語は、それらが起源であるかまたは自然界に見出される生物で発現される分子を示す。天然のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの発現は、組換え生物において改変され得ることが理解される。
【0022】
本明細書で使用される場合、「バリアント」という用語は、構造または配列のいずれかにおいて具体的に記載された「参照」分子とは異なる分子、特にポリペプチド及びポリヌクレオチドを指す。好ましい実施形態では、参照は野生型分子である。ポリペプチド及びポリヌクレオチドに関して、バリアントとは、それぞれ、アミノ酸またはヌクレオチド配列の置換、付加、または欠失を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「異種核酸発現カセット」という用語は、宿主細胞においてコード配列を発現するのに十分な1つ以上の調節エレメントに作動可能に連結されたコード配列を含む核酸配列を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「カウレン酸13-ヒドロキシラーゼ」または「KAH」という用語は、ent-カウレン酸をステビオールへ変換することができる触媒酵素を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「親細胞」という用語は、改変宿主細胞に操作される1つ以上の特定の遺伝子改変、例えば、ステビオール経路の酵素の異種発現、ステビオールグリコシド経路、ステビオールグリコシド経路の酵素の異種発現、ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼの異種発現、コパリル二リン酸シンターゼの異種発現、カウレンシンターゼの異種発現、カウレンオキシダーゼの異種発現、ステビオールシンターゼ(カウレン酸ヒドロキシラーゼ)の異種発現、シトクロムP450レダクターゼの異種発現、例えばEUGT11、UGT74G1、UGT76G1、UGT85C2、UGT91D、及びUGT40087またはそのバリアントを含むUDP-グリコシルトランスフェラーゼの異種発現からなる群より選択される1つ以上の改変を含まないことを除いて、本明細書に開示される遺伝子改変宿主細胞と同一の遺伝的背景を有する細胞を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「培地」という用語は、培養培地及び/または発酵培地を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「発酵組成物」という用語は、遺伝子改変された宿主細胞及び遺伝子改変された宿主細胞によって産生される生成物または代謝産物を含む組成物を指す。発酵組成物の例は、全細胞ブロスであり、これは、細胞、水相、及び遺伝子改変された宿主細胞から生成された化合物を含む、容器の全内容物であり得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、「産生」という用語は、一般に、本明細書で提供される遺伝子改変された宿主細胞によって産生される量のステビオール配糖体を指す。いくつかの実施形態では、産生は、宿主細胞によるステビオール配糖体の収量として表される。他の実施形態では、産生は、ステビオール配糖体を産生する際の宿主細胞の生産性として表される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「収量」という用語は、宿主細胞によって消費される炭素源の1重量あたりに産生されるステビオール配糖体の重量として表される、宿主細胞によるステビオール配糖体の産生を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「生産性」という用語は、宿主細胞によるステビオール配糖体の産生であって、経時的(1時間あたり)に宿主細胞が培養される発酵ブロスの量(容積)あたりで生成されるステビオール配糖体の量(重量)として表される産生を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「シグナル配列」または「N末端シグナル配列」という用語は、ポリペプチドのN末端にある短いペプチド(例えば、長さが5~50アミノ酸)であって、ポリペプチドを分泌経路(例えば、細胞外空間)に向かわせるポリペプチドを指す。シグナルペプチドは通常、ポリペプチドの分泌中に切断される。シグナル配列は、ポリペプチドを細胞内区画または細胞小器官、例えば小胞体に向ける場合がある。シグナル配列は、ポリペプチドを細胞の特定の領域に標的化するという既知の機能を有するペプチドに対する相同性または生物学的活性によって同定され得る。当技術分野の通常の技術の1つは、容易に入手可能なソフトウェア(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, Wis.53705, BLAST、またはPILEUP/PRETTYBOX programs)を使用することによってシグナルペプチドを同定し得る。シグナルペプチドは、例えば、配列番号22のアミノ酸配列または配列番号1のアミノ酸1~25と実質的に同一であるものであり得る。N末端シグナル配列は、異種のN末端シグナル配列(例えば、植物p450ポリペプチドからのN末端シグナル配列)をコードする対応するアミノ酸配列で置き換えられ得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、「カウレン酸」という用語は、カウレン酸の任意の立体異性体を含む化合物カウレン酸を指す。好ましい実施形態では、この用語は、当技術分野でent-カウレン酸として知られており、以下の構造を有するエナンチオマーを指す。
【化1】
【0033】
本明細書で使用される場合、「ステビオール」という用語は、ステビオールの任意の立体異性体を含む、化合物ステビオールを指す。好ましい実施形態では、この用語は、以下の構造を有する化合物を指す。
【化2】
【0034】
本明細書で使用される場合、「ステビオールグリコシド」という用語は、19-グリコシド、ステビオールモノシド、ステビオールビオシド、ルブソシド、ダルコシドB、ダルコシドA、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドG、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、レバウディオサイドD2、レバウディオサイドM2を含むがこれらに限定されないステビオールのグリコシドを指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「レバウディオサイドM」または「Reb M」という用語は、以下の構造を有するステビオール配糖体を指す。
【化3】
【0036】
本明細書で使用される場合、2つ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の文脈における「配列同一性」または「同一性パーセント」という用語は、同一であるか、または同一であるヌクレオチドもしくはアミノ酸残基を特定のパーセンテージで有する2つ以上の配列またはサブ配列を指す。例えば、配列は、比較ウィンドウ上で最大の対応を得るために比較及び整列された場合の参照配列、または配列比較アルゴリズムを使用して、もしくは手動の整列及び目視検査によって測定された指定された領域に対して、特定の領域にわたって、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%という同一性パーセント、またはより高い同一性を有し得る。例えば、同一性パーセントは、配列中の同一のヌクレオチド(またはアミノ酸残基)の数を、全ヌクレオチド(またはアミノ酸残基)の長さからギャップの長さを引いたもので割った比率を計算することによって決定される。
【0037】
便宜上、2つの配列間の同一性の程度は、当技術分野で公知のコンピュータープログラム及び数学的アルゴリズムを使用して確認し得る。パーセント配列同一性を計算するそのようなアルゴリズムは、一般に、比較領域にわたる配列ギャップ及びミスマッチを考慮する。配列を比較及び整列させるプログラム、例えば、Clustal W(Thompson et al.(1994)Nuclei Acids Res.,vol.22,pp.4673-4680),ALIGN(Myers et al.,(1988)CABIOS,vol.4,pp.11-17),FASTA(Pearson et al.,(1988)PNAS,vol.85,pp.2444-2448;Pearson(1990)Methods Enzymol.,vol.183,pp.63-98)、及びギャップのあるBLAST(Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.,vol.25,pp.3389-3402)が、この目的に有用である。BLASTまたはBLAST2.0(Altschul et al.,(1990)J.Mol.Biol.,vol.215pp.403-410)は、いくつかの供給源、例としては、米国国立生物情報センター(NCBI)から、及びインターネットでは、配列分析プログラムBLASTP、BLASTN、BLASTX、TBLASTN、及びTBLASTXに関連して使用のために入手可能である。追加情報はNCBIのウェブサイトで見出し得る。
【0038】
ある特定の実施形態では、配列アラインメント及び同一性パーセントの計算は、その標準的なデフォルトパラメーターを使用して、BLASTプログラムを用いて決定され得る。ヌクレオチド配列アラインメント及び配列同一性の計算では、BLASTNプログラムがデフォルトのパラメーター(ギャップ開口ペナルティ=5、ギャップ拡張ペナルティ=2、核酸一致=2、核酸不一致=-3、期待値=10.0、ワードサイズ=11、クエリ範囲で最大一致=0)で使用される。ポリペプチド配列アラインメント及び配列同一性の計算では、BLASTPプログラムがデフォルトのパラメーター(アラインメントマトリックス=BLOSUM62;ギャップコスト:存在=11、拡張=1;組成調整=条件付き組成スコア、マトリックス調整;期待値=10.0;ワードサイズ=6;クエリ範囲での最大一致=0)で使用される。または、次のプログラム及びパラメーターも使用され得る。Clone Manager Suiteバージョン5のAlign Plusソフトウェア(Sci-Edソフトウェア);DNA比較:グローバル比較、標準線形スコアリングマトリックス、ミスマッチペナルテ=2、オープンギャップペナルティ=4、拡張ギャップペナルティ=1。アミノ酸比較:グローバル比較、BLOSUM62スコアリングマトリックス。本明細書に記載の実施形態では、配列同一性は、それらのデフォルトパラメーターを使用して、BLASTNまたはBLASTPプログラムを用いて計算される。本明細書に記載の実施形態では、2つ以上の配列の配列アラインメントは、提案されたデフォルトパラメーター(入力配列の整列解除:いいえ;Mbed-likeクラスタリングガイドツリー:はい;Mbed-likeクラスタリング反復:はい;組み合わされた反復の数:デフォルト(0);最大ガイドツリー反復:デフォルト;最大HMM反復:デフォルト;オーダー:入力)を使用して、Clustal Wを用いて実行される。
【0039】
発明のある特定の実施形態では、親宿主細胞は、カウレン酸を生成することができる1つ以上の酵素経路を含み得る。本明細書に記載されるように、宿主細胞は、カウレン酸をステビオールに変換することができる、本明細書に提供されるRubus occidentalisカウレン酸ヒドロキシラーゼ及びそのバリアントを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ファルネシル二リン酸をゲラニルゲラニル二リン酸に変換することができる1つ以上の酵素をさらに含む。さらなる実施形態では、宿主細胞は、コパリル二リン酸をカウレンに変換することができる1つ以上の酵素を含む。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、カウレンをカウレン酸に変換することができる1つ以上の酵素をさらに含む。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、ステビオールを1つ以上のステビオール配糖体に変換することができる1つ以上の酵素をさらに含む。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、ステビオールをReb Aに変換することができる1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の酵素を一緒にさらに含む。ある特定の実施形態では、宿主細胞は、RebDをRebMに変換することができる1つ以上の酵素をさらに含む。特定の実施形態では、宿主細胞は、Reb DをReb Mに変換し得る1つ以上の酵素をさらに含む。有用な酵素及びこの酵素をコードする核酸は当業者に公知である。特に有用な酵素及び核酸は、以下のセクションに記載され、さらに、例えば、米国特許出願公開第2014/0329281A1号、同第2014/0357588A1号、同第2015/0159188号、WO2016/038095A2、及び米国特許出願公開第2016/0198748A1号に記載されている。
【0040】
さらなる実施形態では、宿主細胞は、炭素源からゲラニルゲラニル二リン酸を作製することができる1つ以上の酵素をさらに含む。これらには、DXP経路の酵素及びMEV経路の酵素が含まれる。有用な酵素及び酵素をコードする核酸は当業者に公知である。各経路の例示的な酵素は、以下に記載され、さらに、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0177341A1号にさらに記載される。
【0041】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、以下からなる群から選択されるイソプレノイド経路酵素の1つ以上または全てを含む。(a)アセチル補酵素Aの2つの分子を縮合してアセトアセチルCoAを形成する酵素(例えば、アセチルCoAチオラーゼ)、(b)アセトアセチル-CoAをアセチル-CoAの別の分子と縮合させて3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)を形成する酵素(例えば、HMG-CoAシンターゼ)、(c)HMG-CoAをメバロン酸に変換する酵素(例えば、HMG-CoAレダクターゼ)、(d)メバロン酸をメバロン酸5-リン酸に変換する酵素(例えば、メバロン酸キナーゼ)、(e)メバロン酸5-リン酸をメバロン酸5-ピロリン酸に変換する酵素(例えば、ホスホメバロン酸キナーゼ)、(f)メバロン酸5-ピロリン酸をイソペンテニル二リン酸(IPP)に変換する酵素(例えば、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ)、(g)IPPをジメチルアリルピロリン酸(DMAPP)に変換する酵素(例えば、IPPイソメラーゼ)、(h)IPP及び/またはDMAPP分子を縮合して5つ以上の炭素を含むポリプレニル化合物を形成し得るポリプレニルシンターゼ、(i)IPPをDMAPPと縮合させてゲラニルピロリン酸(GPP)を形成する酵素(例えば、GPPシンターゼ)、(j)2分子のIPPを1分子のDMAPPと縮合させる酵素(例えば、FPPシンターゼ)、(k)IPPをGPPと縮合させてファルネシルピロリン酸(FPP)を形成する酵素(例えば、FPPシンターゼ)、(l)IPPとDMAPPを縮合してゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)を形成する酵素、ならびに(m)IPPとFPPを縮合してGGPPを形成する酵素。
【0042】
ある特定の実施形態では、追加の酵素は天然である。有利な実施形態では、追加の酵素は異種である。ある特定の実施形態では、2つ以上の酵素を1つのポリペプチドに組み合わせてもよい。
【0043】
細胞株
本明細書で提供される本発明の宿主細胞としては、古細菌、原核生物、及び真核生物の細胞が挙げられる。
【0044】
適切な生物宿主細胞としては、限定するものではないが、グラム陽性、グラム陰性、及びグラム可変細菌のいずれかが挙げられる。例としては、限定するものではないが、以下の属に属する細胞が挙げられる。Agrobacterium、Alicyclobacillus、Anabaena、Anacystis、Arthrobacter、Azobacter、Bacillus、Brevibacterium、Chromatium、Clostridium、Corynebacterium、Enterobacter、Erwinia、Escherichia、Lactobacillus、Lactococcus、Mesorhizobium、Methylobacterium、Microbacterium、Phormidium、Pseudomonas、Rhodobacter、Rhodopseudomonas、Rhodospirillum、Rhodococcus、Salmonella、Scenedesmun、Serratia、Shigella、Staphylococcus、Streptomyces、Synechococcus、及びZymomonas。原核菌株の例としては、限定するものではないが、以下が挙げられる。Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefacines、Brevibacterium ammoniagenes、Brevibacterium immariophilum、Clostridium beijerinckii、Enterobacter sakazakii、Escherichia coli、Lactococcus lactis、Mesorhizobium loti、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas mevalonii、Pseudomonas pudica、Rhodobacter capsulatus、Rhodobacter sphaeroides、Rhodospirillum rubrum、Salmonella enterica、Salmonella typhi、Salmonella typhimurium、Shigella dysenteriae、Shigella flexneri、Shigella sonnei、及びStaphylococcus aureus。特定の実施形態では、宿主細胞は、Escherichia coli細胞である。
【0045】
適切な古細菌宿主としては、限定するものではないが、以下の属に属する細胞が挙げられる。Aeropyrum、Archaeoglobus、Halobacterium、Methanococcus、Methanobacterium、Pyrococcus、Sulfolobus、及びThermoplasma。古細菌株の例としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:Archaeoglobus fulgidus、Halobacterium sp.、Methanococcus jannaschii、Methanobacterium thermoautotrophicum、Thermoplasma acidophilum、Thermoplasma volcanium、Pyrococcus horikoshii、Pyrococcus abyssi、及びAeropyrum pernix。
【0046】
適切な真核生物宿主としては、限定するものではないが、真菌細胞、藻類細胞、昆虫細胞、及び植物細胞が挙げられる。いくつかの実施形態では、本方法において有用な酵母としては、微生物寄託(例えば、IFO、ATCCなど)で寄託され、以下の属に属する。Aciculoconidium、Ambrosiozyma、Arthroascus、Arxiozyma、Ashbya、Babjevia、Bensingtonia、Botryoascus、Botryozyma、Brettanomyces、Bullera、Bulleromyces、Candida、Citeromyces、Clavispora、Cryptococcus、Cystofilobasidium、Debaryomyces、Dekkara、Dipodascopsis、Dipodascus、Eeniella、Endomycopsella、Eremascus、Eremothecium、Erythrobasidium、Fellomyces、Filobasidium、Galactomyces、Geotrichum、Guilliermondella、Hanseniaspora、Hansenula、Hasegawaea、Holtermannia、Hormoascus、Hyphopichia、Issatchenkia、Kloeckera、Kloeckeraspora、Kluyveromyces、Kondoa、Kuraishia、Kurtzmanomyces、Leucosporidium、Lipomyces、Lodderomyces、Malasserzia、Metschnikowia、Mrakia、Myxozyma、Nadsonia、Nakazawaea、Nematospora、Ogataea、Oosporidium、Pachysolen、Phachytichospora、Phaffia、Pichia、Rhodosporidium、Rhodotorula、Saccharomyces、Saccharomycodes、Saccharomycopsis、Saitoella、Sakaguchia、Saturnospora、Schizoblastoporion、Schizosaccharomyces、Schwanniomyces、Sporidiobolus、Sporobolomyces、Sporopachydermia、Stephanoascus、Sterigmatomyces、Sterigmatosporidium、Symbiotaphrina、Sympodiomyces、Sympodiomycopsis、Torulaspora、Trichosporiella、Trichosporon、Trigonopsis、Tsuchiyaea、Udeniomyces、Waltomyces、Wickerhamia、Wickerhamiella、Williopsis、Yamadazyma、Yarrowia、Zygoascus、Zygosaccharomyces、Zygowilliopsis、及びZygozyma。
【0047】
いくつかの実施形態では、宿主微生物は、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、Schizosaccharomyces pombe、Dekkera bruxellensis、Kluyveromyces lactis(前には、Saccharomyces lactisと呼ばれる)、Kluveromyces marxianus、Arxula adeninivorans、またはHansenula polymorpha(現在、Pichia angustaとして公知)。いくつかの実施形態では、宿主微生物は、カンジダ(Candida)属の株、例えば、Candida lipolytica、Candida guilliermondii、Candida krusei、Candida pseudotropicalis、またはCandida utilsである。
【0048】
好ましい実施形態では、宿主微生物は、Saccharomyces cerevisiaeである。いくつかの実施形態では、宿主は、パン酵母、CEN.PK2、CBS 7959、CBS 7960、CBS 7961、CBS 7962、CBS 7963、CBS 7964、IZ-1904、TA、BG-1、CR-1、SA-1、M-26、Y-904、PE-2、PE-5、VR-1 BR-1、BR-2、ME-2、VR-2、MA-3、MA-4、CAT-1、CB-1、NR-1、BT-1、及びAL-1から選択されるSaccharomyces cerevisiaeの株である。いくつかの実施形態では、宿主微生物は、PE-2、CAT-1、VR-1、BG-1、CR-1、及びSA-1から選択されるSaccharomyces cerevisiaeの菌株である。特定の実施形態では、Saccharomyces cerevisiaeの菌株は、PE-2である。別の特定の実施形態では、Saccharomyces cerevisiaeの菌株は、CAT-1である。別の特定の実施形態では、Saccharomyces cerevisiaeの菌株は、BG-1である。
【0049】
ステビオール配糖体生合成経路
いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体生合成経路は、ステビオール配糖体の生合成を触媒することができる酵素をコードするポリヌクレオチドを発現するように細胞を操作することによって、遺伝子改変された宿主細胞において活性化される。
【0050】
いくつかの実施形態では、遺伝子改変された宿主細胞は、ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(GGPPS)をコードする異種ポリヌクレオチド、コパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)をコードする異種ポリヌクレオチド、カウレンシンターゼ(KS)をコードする異種ポリヌクレオチド、カウレンオキシダーゼ(KO)をコードする異種ポリヌクレオチド、カウレン酸ヒドロキシラーゼ(KAH)をコードする異種ポリヌクレオチド、シトクロムP450レダクターゼ(CPR)をコードする異種ポリヌクレオチド、UDP-グルコーストランスフェラーゼをコードする異種ポリヌクレオチド、UGT74G1をコードする異種ポリヌクレオチド、UGT76G1をコードする異種ポリヌクレオチド、UGT85C2をコードする異種ポリヌクレオチド、UGT91Dをコードする異種ポリヌクレオチド、EUGT11をコードする異種ポリヌクレオチド、及び/またはUGT40087をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子改変された宿主細胞は、バリアントGGPPS、CDPS、KS、KO、KAH、CPR、UDP-グルコーストランスフェラーゼ、UGT74G1、UGT76G1、UGT85C2、UGT91D、EUGT11、及び/またはUGT40087をコードする異種ポリヌクレオチドを含む。ある特定の実施形態では、バリアント酵素は、参照酵素と比較して、1~最大20までのアミノ酸置換を有し得る。ある特定の実施形態では、ポリヌクレオチドのコード配列は、特定の宿主細胞に対して最適化されたコドンである。
【0051】
ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(GGPPS)
ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼ(EC2.5.1.29)は、ファルネシルピロリン酸のゲラニルゲラニル二リン酸への変換を触媒する。ゲラニルゲラニル二リン酸シンターゼの例としては、Stevia rebaudiana(アクセッション番号ABD92926)、Gibberella fujikuroi(アクセッション番号CAA75568)、Mus musculus(アクセッション番号AAH69913)、Thalassiosira pseudonana(アクセッション番号XP_002288339)、Streptomyces clavuligerus(アクセッション番号ZP-05004570)、Sulfulobus acidocaldarius(アクセッション番号BAA43200)、Synechococcus sp.(アクセッション番号ABC98596)、Arabidopsis thaliana(アクセッション番号MP_195399)、及びBlakeslea trispora(アクセッション番号AFC92798.1)のシンターゼ、ならびに米国特許出願公開第2014/0329281A1号に記載されているシンターゼが挙げられる。
【0052】
コパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)
コパリル二リン酸シンターゼ(EC5.5.1.13)は、ゲラニルゲラニル二リン酸のコパリル二リン酸への変換を触媒する。コパリル二リン酸シンターゼの例としては、Stevia rebaudiana(アクセッション番号AAB87091)、Streptomyces clavuligerus(アクセッション番号EDY51667)、Bradyrhizobioum japonicum(アクセッション番号AAC28895.1)、Zea mays(アクセッション番号AY562490)、Arabidopsis thaliana(アクセッション番号NM_116512)、及びOryza sativa(アクセッション番号Q5MQ85.1)由来のシンターゼ、ならびに米国特許出願公開第2014/0329281A1号に記載されているシンターゼが挙げられる。
【0053】
カウレンシンターゼ(KS)
カウレンシンターゼ(EC4.2.3.19)は、コパリル二リン酸のカウレン及び二リン酸への変換を触媒する。酵素の例としては、Bradyrhizobium japonicum(アクセッション番号AAC28895.1)、Arabidopsis thaliana(アクセッション番号Q9SAK2)、及びPicea glauca(アクセッション番号ADB55711.1)の酵素、ならびに米国特許出願公開第2014/0329281A1号に記載されている酵素が挙げられる。
【0054】
二官能性コパリル二リン酸シンターゼ(CDPS)及びカウレンシンターゼ(KS)
CDPS-KS二機能性酵素(EC5.5.1.13及びEC4.2.3.19)も本発明の宿主細胞で使用してもよい。例としては、Phomopsis amygdali(アクセッション番号BAG30962)、Phaeosphaeria sp.(アクセッション番号O13284)、Physcomitrella patens(アクセッション番号BAF61135)、及びGibberella fujikuroi(アクセッション番号Q9UVY5.1)の酵素、ならびに米国特許出願公開第2014/032928A1号、同第2014/0357588A1号、同第2015/0159188号、WO2016/038095に記載されている酵素が挙げられる。
【0055】
Ent-カウレンオキシダーゼ(KO)
本明細書ではカウレンオキシダーゼとも呼ばれるEnt-カウレンオキシダーゼ(EC1.14.13.88)は、カウレンのカウレン酸への変換を触媒する。酵素の実例としては、Oryza sativa(アクセッション番号Q5Z5R4)、Gibberella fujikuroi(アクセッション番号O94142)、Arabidopsis thaliana(アクセッション番号Q93ZB2)、Stevia rebaudiana(アクセッション番号AAQ63464.1)、及びPisum sativum(ユニプロット(Uniprot)番号Q6XAF4)の酵素、ならびに米国特許出願公開第2014/0329281A1号、米国特許出願公開第2014/0357588A1号、米国特許出願公開第2015/0159188号、及びWO2016/038095に記載されている酵素が挙げられる。
【0056】
カウレン酸ヒドロキシラーゼ(KAH)
ステビオールシンターゼとも呼ばれるカウレン酸ヒドロキシラーゼ(EC1.14.13)は、カウレン酸のステビオールへの変換を触媒する。酵素の例としては、Stevia rebaudiana(アクセッション番号ACD93722)、Arabidopsis thaliana(アクセッション番号NP_197872)、Vitis vinifera(アクセッション番号XP_002282091)、及びMedicago trunculata(アクセッション番号ABC59076)の酵素、ならびに米国特許出願公開第2014/0329281号、同第2014/0357588号、同第2015/0159188号、及びWO2016/038095に記載されている酵素が挙げられる。いくつかの実施形態では、カウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドは、バリアントKAHであり得る。いくつかの実施形態では、バリアントKAHは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、配列番号1のアミノ酸配列は、1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。いくつかの実施形態では、この1つ以上のアミノ酸置換は、K69R、V343G、T403V、H491P、P72D、L64D、Q84C、L64G、E206D、Y238C、A210G、L64N、I237C、L11V、N207F、M73G、W8G、E60R、Y55S、N475G、D292P、P161C、K267D、L485F、A396F、R507A、P72T、I132G、N61P、K119V、T220E、P72G、Q513R、S133G、Y506V、K69P、E60G、K224C、M73H、H379G、P72C、K314P、W202A、G466F、N49A、S339G、N160D、T216G、D102Y、F246G、M58P、T220R、R458D、M58G、A68I、S70P、F88V、T240D、L205I、K167G、L232M、S62R、G56D、Q244G、A242D、N49R、Q513G、W29T、L303D、T378D、I508L、W202Q、S505R、R233C、I104D、M258G、K69G、F88D、F88S、A217V、E230C、R507G、G466S、G56S、E230G、Y55G、A503C、S460I、I129R、S245G、F246S、Q84L、S133R、T509V、R507E、R233T、V30F、A68G、G56N、T162G、A68P、S165D、K119Y、W29C、S165P、W29V、I284G、A217L、Q335V、L65S、F53R、Y55P、W202V、K224V、W29A、H164G、Q244D、K291C、L65G、K167S、C327I、K291S、D57G、K167H、N160T、W202C、A242G、F88R、I104N、G466D、N475D、K119S、T123D、T216A、S339A、P161D、I104R、L54G、M171F、L232Y、D293C、V340A、T162A、A297V、I104H、F332L、A236R、K224I、S452D、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される。いくつかの実施形態では、この1つ以上のアミノ酸置換は、A297V、I104H、F332L、A236R、K224I、S452D、I104A、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される。いくつかの実施形態では、この1つ以上のアミノ酸置換は、S452D、I104A、V340S、F229Y、A297Y、及びA297Fから選択される。いくつかの実施形態では、この1つ以上のアミノ酸置換は、N146W、A297Y、A236S、V9S、G466F、T283D、T142G、T425V、L459C、T283A、T283G、S460V、S133G、I129V、W52G、S505I、I243T、V340S、S460C、S452D、L118I、S505V、T123D、W52C、S460I、S457G、W52R、W52N、N146T、G466A、及びW52Tから選択される。いくつかの実施形態では、この1つ以上のアミノ酸置換は、N146T/A297Y/G466A、W52T/N146T/A297Y、T142G/N146T/A297Y/G466A、W52T/T142G/N146T/A297Y、及びW52T/T142G/N146T/A297Y、及びW52T/T142G/N146T/A297Y/G466Aから選択される。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、N146T/A297Y/G466Aを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、W52T/N146T/A297Yを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、T142G/N146T/A297Y/G466Aを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、W52T/T142G/N146T/A297Yを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、W52T/T142G/N146T/A297Y/G466Aを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、W52T/T142G/G466Aを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、A145G/N146F/A297Yを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、N146W/A297Y/S460Iを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、W52N/N146W/A297Yを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、F332L/S452Dを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、N146W/A297Yを含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸置換は、A297Yを含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、Q84R/N146T/A297Yを含む。いくつかの実施形態では、このバリアントポリペプチドは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、及び配列番号21から選択されるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、このバリアントポリペプチドは、配列番号17のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このバリアントポリペプチドは、配列番号18のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このバリアントポリペプチドは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このバリアントポリペプチドは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、このバリアントポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、N末端シグナル配列をコードするアミノ酸が、異種植物p450ポリペプチドのN末端シグナル配列をコードする対応するアミノ酸配列で置き換えられる。いくつかの実施形態では、N末端シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~25に対応する。いくつかの実施形態では、N末端シグナル配列に対応するアミノ酸配列は、配列番号22を含む。
【0057】
シトクロムP450レダクターゼ(CPR)
上記のKO及び/またはKAHの活性には、シトクロムP450レダクターゼ(EC1.6.2.4)が必要である。酵素の例としては、Stevia rebaudiana(アクセッション番号ABB88839)、Arabidopsis thaliana(アクセッション番号NP_194183)、Gibberella fujikuroi(アクセッション番号CAE09055)、及びArtemisia annua(アクセッション番号ABC47946.1)の酵素、ならびに米国特許出願公開第2014/0329281、米国特許出願公開第2014/0357588号、米国特許出願公開第2015/0159188号、及びWO2016/038095に記載される酵素が挙げられる。
【0058】
UDPグリコシルトランスフェラーゼ74G1(UGT74G1)
UGT74G1は、ウリジン5’-ジホスホグルコシル:ステビオール19-COOHトランスフェラーゼとして、及びウリジン5’-ジホスホグルコシル:ステビオール-13-O-グルコシド19-COOHトランスフェラーゼとして機能することができる。したがって、UGT74G1は、ステビオールを19-グリコシドに、ステビオールを19-グリコシドに、ステビオールモノシドをルブソシドに、及びステビオシドをステビオシドに変換することができる。UGT74G1は、Richman et al.,2005、Plant J.,vol.41,pp.56-67、米国特許出願公開第2014/0329281号、WO2016/038095、及びアクセッション番号AAR06920.1に記載されている。
【0059】
UDPグリコシルトランスフェラーゼ76G1(UGT76G1)
UGT76G1は、グルコース部分を、アクセプター分子ステビオールグリコシド(ここで、グリコシド=Glcb(1-> 2)Glc)のC-3’位置に転移し得る。この化学的性質は、アクセプター分子のC-13-O-結合型グルコース、またはC-19-O-結合型グルコースアクセプター分子のいずれで発生してもよい。したがって、UGT76G1は、ウリジン5’-ジホスホグルコシルトランスフェラーゼとして、以下に対して機能し得る。(1)Reb Bを形成するベータ結合におけるステビオシド上の13-O-結合型グルコースのC-3’位置、(2)RebAを形成するベータ結合におけるステビオシド上の19-O-結合型グルコースのC-3’位置、及び(3)RebMを形成するベータ結合におけるRebD上の19-O-結合型グルコースのC-3’位置。UGT76G1は、Richman et al.,2005,Plant J.、vol.41,pp.56-67、米国特許出願公開第2014/0329281、WO2016/038095、及びアクセッション番号AAR0692.1に記載されている。
【0060】
UDPグリコシルトランスフェラーゼ85C2(UGT85C2)
UGT85C2は、ウリジン5’-ジホスホグルコシル:ステビオール13-OHトランスフェラーゼとして、及びウリジン5’-ジホスホグルコシル:ステビオール-19-O-グルコシド13-OHトランスフェラーゼとして機能することができる。UGT85C2は、ステビオールをステビオールモノシドに変換することができ、かつまた19-グリコシドをルブソシドに変換することができる。UGT85C2酵素の例としては、Stevia rebaudianaの酵素が挙げられる。例えば、Richman et al.,(2005),Plant J.,vol.41,pp.56-67、米国特許出願公開第2014/0329281、WO2016/038095;及びアクセッション番号AAR06916.1を参照のこと。
【0061】
UDPグリコシルトランスフェラーゼ91D(UGT91D)
UGT91Dは、ウリジン5’-ジホスホグルコシル:ステビオール-13-O-グルコシドトランスフェラーゼとして機能し、グルコース部分をアクセプター分子、ステビオール-13-O-グルコシド(ステビオールモノシド)の13-O-グルコースのC-2’に転移してステビオールビオシドを生成することができる。UGT91Dは、ウリジン5’-ジホスホグルコシル:ルブソシドトランスフェラーゼとして機能し、グルコース部分をアクセプター分子であるルブソシドの13-O-グルコースのC-2’に転移してステビオシドを提供することができる。UGT91Dはまた、UGT91D2、UGT91D2e、またはUGT91D様3とも呼ばれる。UGT91D酵素の例としては、Stevia rebaudianaの酵素が挙げられる:例えば、アクセッション番号ACE87855.1、米国特許出願公開第2014/0329281、及びWO2016/038095を参照のこと。
【0062】
UDPグリコシルトランスフェラーゼ40087(UGT40087)
UGT40087は、グルコース部分をReb Aの19-O-グルコースのC-2’位置に移して、Reb Dを生成することができる。UGT40087はまた、グルコース部分をステビオシドの19-O-グルコースのC-2’位置に移して、RebEを生成することができる。UGT40087の例としては、アクセッション番号XP_004982059.1及びWO2018/031955のものが挙げられる。
【0063】
RebAをRebDに変換することができる追加のウリジン二リン酸依存性グリコシルトランスフェラーゼ(UGTAD)
UGT40087に加えて、他のUGTADが、グルコース部分をReb Aの19-O-グルコースのC-2’位置に移して、Reb Dを生成することができる。UGTADはまた、グルコース部分をステビオシドの19-O-グルコースのC-2’位置に移してRebEを生成することができる。UGTADの例としては、Oryza sativa由来のOs_UGT_91C1(EUGT11とも呼ばれる(WO2013/022989及びアクセッション番号XP_01529141.1を参照))、Solanum lycopersicum由来のS1_UGT_101249881(UGTSL2とも呼ばれる(WO2014/193888及びアクセッション番号XP_0042504851を参照のこと))、sr.UGT_925778、Bd_UGT0840(アクセッション番号XP_003560669.1を参照のこと)、Hv_UGT_V1(アクセッション番号BAJ94055.1を参照のこと)、Bd_UGT10850(アクセッション番号XP_010230871.1を参照のこと)、及びOB_UGT91B1_like(アクセッション番号XP_0066504551を参照のこと)が挙げられる。
【0064】
MEV経路FPP及び/またはGGPP生産
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される遺伝子改変宿主細胞は、FPP及び/またはGGPPの形成に有用な、MEV経路の1つ以上の異種酵素を含む。MEV経路の1つ以上の酵素としては、アセチルCoAをマロニルCoAと縮合させてアセトアセチルCoAを形成する酵素、2分子のアセチルCoAを縮合してアセトアセチルCoAを形成する酵素、アセトアセチルCoAをアセチルCoAと縮合させてHMG-CoAを形成する酵素、またはHMG-CoAをメバロン酸に変換する酵素が挙げられる。さらに、遺伝子改変された宿主細胞は、メバロン酸をメバロン酸5-リン酸にリン酸化するMEV経路酵素、メバロン酸5-リン酸をメバロン酸5-ピロリン酸に変換するMEV経路酵素、メバロン酸5-ピロリン酸をイソペンテニルピロリン酸に変換するMEV経路酵素、またはイソペンテニルピロリン酸をジメチルアリル二リン酸に変換するMEV経路酵素を含み得る。特に、MEV経路の1つ以上の酵素は、アセチル-CoAチオラーゼ、アセトアセチル-CoAシンテターゼ、HMG-CoAシンターゼ、HMG-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ、及びイソペンチル二リン酸:ジメチルアリル二リン酸イソメラーゼ(IDIまたはIPPイソメラーゼ)から選択される。本発明の遺伝子改変された宿主細胞は、1つ以上のMEV経路酵素のコード配列を含む1つ以上の異種ヌクレオチド配列から、MEVの1つ以上の異種酵素を発現し得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、遺伝子改変された宿主細胞は、イソペンテニルピロリン酸(IPP)をジメチルアリルピロリン酸(DMAPP)に変換し得る酵素をコードする異種核酸を含む。さらに、宿主細胞は、IPP及び/またはDMAPP分子を縮合してポリプレニル化合物を形成し得る酵素をコードする異種核酸を含み得る。いくつかの実施形態では、遺伝子改変された宿主細胞は、IPPまたはポリプレニルを改変して、FPPなどのイソプレノイド化合物を形成し得る酵素をコードする異種核酸をさらに含む。
【0066】
アセチルCoAのアセトアセチルCoAへの変換
遺伝子改変された宿主細胞は、2分子のアセチル補酵素Aを縮合してアセトアセチルCoA(アセチルCoAチオラーゼ)を形成し得る酵素をコードする異種核酸を含み得る。アセチルCoAチオラーゼをコードするヌクレオチド配列の例としては以下が挙げられる。(アクセッション番号NC_000913 REGION:2324131.2325315(Escherichia coli))、(D49362(Paracoccus denitrificans))、及び(L20428(Saccharomyces cerevisiae))。
【0067】
アセチル-CoAチオラーゼは、2分子のアセチル-CoAの可逆的縮合を触媒してアセトアセチル-CoAを生成するが、この反応は熱力学的に有利ではない。アセトアセチルCoAチオール分解は、アセトアセチルCoA合成よりも有利である。アセトアセチルCoAシンターゼ(AACS)(アセチルCoA:マロニルCoAアシルトランスフェラーゼとも呼ばれる;EC 2.3.1.194)は、アセチルCoAとマロニルCoAとを縮合させてアセトアセチルCoAを形成する。アセチルCoAチオラーゼとは対照的に、AACS触媒によるアセトアセチルCoA合成は、マロニルCoAの関連する脱炭酸に起因して、本質的にエネルギーに有利な反応である。さらに、AACSは、アセトアセチルCoAに対してチオール分解活性を示さないため、反応は不可逆的である。
【0068】
アセチル-CoAチオラーゼ及び異種ADA及び/またはホスホトランスアセチラーゼ(PTA)を発現する細胞において、アセトアセチル-CoAチオール分解に有利なアセチル-CoAチオラーゼによって触媒される可逆的反応は、大きなアセチル-CoAプールをもたらす場合がある。ADAの可逆的活性を考慮すると、このアセチルCoAプールは、アセチルCoAをアセトアルデヒドに変換する逆反応へとADAを向かわせる可能性があり、それによってADAがアセチルCoAの生成にもたらす利点を減少させる。同様に、PTAの活性は可逆的であり、したがって、大きなアセチルCoAプールは、アセチルCoAをアセチルホスフェートに変換する逆反応に向けてPTAを駆動し得る。したがって、いくつかの実施形態では、アセチルCoAを強力に引き寄せて、ADA及びPTAの順方向反応を駆動するために、本明細書で提供される遺伝子改変宿主細胞のMEV経路は、アセトアセチルCoAシンターゼを利用して、アセトアセチル-CoAを、アセチルCoA及びマロニルCoAから形成する。
【0069】
Streptomyces sp.CL190株から得られたAACSを使用してもよい(Okamura et al.,(2010),PNAS,vol.107,pp.11265-11270を参照のこと)。Streptomyces sp.CL190株由来の核酸配列をコードする代表的なAACSには、アクセッション番号AB540131.1の配列を含み、及び対応するAACSタンパク質配列には、アクセッション番号D7URV0及びBAJ10048の配列を含む。本発明に有用な他のアセトアセチルCoAシンターゼとしては、Streptomyces sp.(アクセッション番号AB183750、KO-3988 BAD86806、KO-3988 AB212624、及びKO-2988 BAE78983を参照のこと)、S.anulatus株9663(アクセッション番号FN178498及びCAX48662を参照のこと)、Actinoplanes sp.A40644(アクセッション番号AB113568及びBAD07381を参照のこと)、Streptomyces sp.C(アクセッション番号NZ_ACEW010000640及びZP_05511702を参照のこと);Nocardiopsis dassonvillei DSM 43111(アクセッション番号NZ_ABUI01000023及びZP_04335288を参照のこと)、Mycobacterium ulcerans Agy99(アクセッション番号NC_008611及びYP_907152を参照のこと)、Mycobacterium marinum M(アクセッション番号NC_010612及びYP_001851502を参照のこと)、Streptomyces sp.Mg1(参照、アクセッション番号NZ_DS570501及びZP_05002626)、Streptomyces sp.AA4(アクセッション番号NZ_ACEV01000037及びZP_05478992を参照)、S.roseosporusNRRL 15998(アクセッション番号NZ_ABYB01000295及びZP_04696763を参照)、Streptomyces sp.ACTE(アクセッション番号NZ_ADFD01000030及びZP_06275834を参照)、S.viridochromogenes DSM 40736(アクセッション番号NZ_ACEZ01000031及びZP_05529691を参照)、Frankia sp.CcI3(アクセッション番号NC_007777及びYP_480101を参照)、Nocardia brasiliensis(アクセッション番号NC_018681及びYP_006812440.1を参照)、及びAustwickia chelonae(アクセッション番号NZ_BAGZ01000005及びZP_10950493.1を参照)のシンターゼが挙げられる。追加の適切なアセトアセチル-CoAシンターゼとしては、米国特許出願公開番号2010/0285549及び2011/0281315に記載されているシンターゼが挙げられる。
【0070】
本明細書で提供される組成物及び方法においても有用なアセトアセチル-CoAシンターゼとしては、本明細書に記載のアセトアセチル-CoAシンターゼのいずれかの「誘導体」であると言われる分子が挙げられる。そのような「誘導体」は、以下の特徴を有する。(1)本明細書に記載のアセトアセチル-CoAシンターゼのいずれかと実質的な相同性を共有する、及び(2)アセチル-CoAとマロニル-CoAとの不可逆的縮合を触媒してアセトアセチル-CoAを形成することができる。アセトアセチル-CoAシンターゼの誘導体は、誘導体のアミノ酸配列が、アセトアセチル-CoAシンターゼのアミノ酸配列と少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%同じである場合、アセトアセチル-CoAシンターゼのアミノ酸配列と「実質的な相同性」を共有すると言われる。
【0071】
アセチルCoAのHMG-CoAへの変換
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、アセトアセチル-CoAをアセチル-CoAの別の分子と縮合して、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)を形成することができる酵素、例えば、HMG-CoAシンターゼをコードする異種ヌクレオチド配列を含む。このような酵素をコードするヌクレオチド配列の例としては以下が挙げられる。(NC_001145.補体19061.20536;Saccharomyces cerevisiae)、(X96617;Saccharomyces cerevisiae)、(X83882;Arabidopsis thaliana)、(AB037907;Kitasatospora griseola)、(BT007302;Homo sapiens)、及び(NC_002758、Locus tag SAV2546、GeneID 1122571;Staphylococcus aureus)。
【0072】
HMG-CoAのメバロン酸への変換
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、HMG-CoAをメバロン酸に変換し得る酵素、例えばHMG-CoAレダクターゼをコードする異種ヌクレオチド配列を含む。HMG-CoAレダクターゼは、NADHを使用するヒドロキシメチルグルタリル-CoAレダクターゼ-CoAレダクターゼであり得る。HMG-CoAレダクターゼ(EC 1.1.1.34;EC 1.1.1.88)は、(S)-HMG-CoAから(R)-メバロン酸への還元的脱アシル化を触媒し、クラスIとクラスIIのHMGrの2つのクラスに分類され得る。クラスIには真核生物とほとんどの古細菌の酵素が含まれ、クラスIIには特定の原核生物と古細菌のHMG-CoAレダクターゼが含まれる。配列の相違に加えて、2つのクラスの酵素もそれらの補因子の特異性に関して異なる。NADPHのみを利用するクラスI酵素とは異なり、クラスII HMG-CoAレダクターゼは、NADPHとNADHを区別する能力が異なる(例えば、Hedl et al.,(2004)Journal of Bacteriology,vol.186,pp.1927-1932を参照のこと)。選ばれたクラスIIHMG-CoAレダクターゼのための補因子特異性を表1に示す。
【表1】
【0073】
本発明に有用なHMG-CoAレダクターゼとしては、補因子としてNADHを利用することができるHMG-CoAレダクターゼ、例えば、P.mevalonii、A.fulgidus、またはS.aureus.由来のHMG-CoAレダクターゼが挙げられる。特定の実施形態では、HMG-CoAレダクターゼは、補因子としてNADH、例えば、P.mevalonii、S.pomeroyi、またはD.acidovorans由来のHMG-CoAレダクターゼのみを利用することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、Pseudomonas mevaloniiに由来する。HMG-CoAレダクターゼ(EC 1.1.1.88)をコードするPseudomonas mevaloniiの野生型mvaA遺伝子の配列は、以前に記載されている(Beach and Rodwell,(1989),J.Bacteriol.,vol.171,pp.2994-3001を参照のこと)。Pseudomonas mevaloniiの代表的なmvaA ヌクレオチド配列には、アクセッション番号M24015が挙げられる。Pseudomonas mevaloniiの代表的なHMG-CoAレダクターゼタンパク質配列としては、アクセッション番号AAA25837、P13702、及びMVAA_PSEMVが挙げられる。
【0075】
いくつかの実施形態では、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、Silicibacter pomeroyiに由来する。Silicibacter pomeroyiの代表的なHMG-CoAレダクターゼヌクレオチド配列には、アクセッション番号NC_006569.1が挙げられる。Silicibacter pomeroyiの代表的なHMG-CoAレダクターゼタンパク質配列には、アクセッション番号YP_164994が含まれている。
【0076】
いくつかの実施形態では、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、Delftia acidovoransに由来する。Delftia acidovoransの代表的なHMG-CoAレダクターゼヌクレオチド配列には、NC_010002 REGION:補体(319980..321269)が含まれる。Delftia acidovoransの代表的なHMG-CoAレダクターゼタンパク質配列には、アクセッション番号YP_001561318が含まれている。
【0077】
いくつかの実施形態では、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、Solanum tuberosum(Crane et al.,(2002),J.Plant Physiol.,vol.159,pp.1301-1307を参照のこと)由来である。
【0078】
本発明の実施に有用なNADHを使用するHMG-CoAレダクターゼはまた、例えば、P.mevalonii、S.pomeroyi及びD.acidovorans由来の本明細書に記載の任意のNADHを使用するHMG-CoAレダクターゼの「誘導体」であると言われる分子を含む。そのような「誘導体」は、以下の特徴を有する。(1)本明細書に記載のNADHを使用するHMG-CoAレダクターゼのいずれかと実質的な相同性を共有する、及び(2)補因子としてNADHを優先的に使用しながら、(S)-HMG-CoAから(R)-メバロン酸への還元的脱アシル化を触媒することができる。NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼの誘導体は、誘導体のアミノ酸配列が NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼのアミノ酸配列と少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%同じである場合、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼと「実質的な相同性」を共有すると言われている。
【0079】
本明細書で使用される場合、「NADHを使用する」という表現は、例えば、NADPHよりもNADHに対してより高い比活性を示すことにより、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼが補因子としてNADPHよりもNADHに対して選択的であることを意味する。補因子としてのNADHの選択性は、kcat(NADH)/kcat(NADPH)比として表される。本発明のNADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、少なくとも5、10、15、20、25または25を超えるkcat(NADH)/kcat(NADPH)比を有し得る。NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、NADHのみを使用する場合がある。例えば、NADHのみを使用するNADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは インビトロでNADHを唯一の補因子として供給されて、ある程度の活性を示し、NADPHを唯一の補因子として供給した場合は検出可能な活性を示さない。補因子としてNADHを優先するHMG-CoAレダクターゼを同定するために、当技術分野で知られている補因子特異性を決定するための任意の方法を利用してもよい(例えば、(Kim et al.,(2000),Protein Science,vol.9,pp.1226-1234)及び(Wilding et al.,(2000),J.Bacteriol.,vol.182,pp.5147-5152を参照のこと)。
【0080】
場合によっては、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、例えば、補因子結合ポケットの部位特異的変異誘発を通じて、NAPDHよりもNADHに対して選択的であるように操作される。NADH選択性を操作する方法は、Watanabe et al.,(2007),Microbiology,vol.153、pp.3044-3054)、及びHMG-CoAレダクターゼの補因子特異性を決定するための方法は、Kim et al.,(2000),Protein Sci.,vol.9,pp.1226-1234)に記載される。
【0081】
NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、メバロン酸分解経路を本来含む宿主種、例えば、その唯一の炭素源としてメバロン酸を異化する宿主種に由来し得る。これらの場合、NADHを使用するHMG-CoAレダクターゼは、通常、そのネイティブ宿主細胞内で内部移行された(R)-メバロン酸から(S)-HMG-CoAへの酸化的アシル化を触媒し、逆反応、すなわち、メバロン酸生合成経路を含む遺伝子改変宿主細胞における(S)-HMG-CoAの(R)-メバロン酸への還元的脱アシル化を触媒するために利用される。唯一の炭素源としてメバロネート上で増殖することができる原核生物は、以下によって記載されている:(Anderson et al.,(1989),J.Bacteriol,vol.171,pp.6468-6472);(Beach et al.,(1989),J.Bacteriol.,vol.171,pp.2994-3001);Bensch et al.,J.Biol.Chem.,vol.245,pp.3755-3762);(Fimongnari et al.,(1965),Biochemistry,vol.4,pp.2086-2090);Siddiqi et al.,(1962),Biochem.Biophys.Res.Commun.,vol.8,pp.110-113);(Siddiqi et al.,(1967),J.Bacteriol.,vol.93,pp.207-214);and(Takatsuji et al.,(1983),Biochem.Biophys.Res.Commun.,vol.110,pp.187-193)。
【0082】
宿主細胞は、NADHを使用するHMGr及びNADPHを使用するHMG-CoAレダクターゼの両方を含み得る。NADPHを使用するHMG-CoAレダクターゼをコードするヌクレオチド配列の例としては、(NM_206548、Drosophila melanogaster)、(NC_002758、遺伝子座タグSAV2545、GeneID 1122570、Staphylococcus aureus)、(AB015627、Streptomyces sp.KO 3988)、(AX128213、短縮型HMG-CoAレダクターゼをコードする配列を提供、Saccharomyces cerevisiae)、及び(NC_001145:補体(115734.118898、Saccharomyces cerevisiae)。
【0083】
メバロン酸からメバロン酸-5-リン酸塩への変換
宿主細胞は、メバロン酸をメバロン酸5-リン酸に変換することができる酵素、例えば、メバロン酸キナーゼをコードする異種ヌクレオチド配列を含んでもよい。このような酵素をコードするヌクレオチド配列の実例としては、(L77688;Arabidopsis thaliana)及び(X55875;Saccharomyces cerevisiae)が挙げられる。
【0084】
メバロン酸-5-リン酸塩からメバロン酸-5-ピロリン酸塩への変換
宿主細胞は、メバロン酸5-リン酸塩をメバロン酸5-ピロリン酸塩に変換することができる酵素、例えば、ホスホメバロン酸キナーゼをコードする異種ヌクレオチド配列を含んでもよい。このような酵素をコードするヌクレオチド配列の実例としては、以下が挙げられる。(AF429385、Hevea brasiliensis)、(NM_006556、Homo sapiens)、及び(NC_001145.補体712315.713670、Saccharomyces cerevisiae)。
【0085】
メバロン酸-5-ピロリン酸のIPPへの変換
宿主細胞は、メバロン酸5-ピロリン酸をイソペンテニル二リン酸(IPP)、に変換することができる酵素、例えば、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼをコードする異種ヌクレオチド配列を含み得る。このような酵素をコードするヌクレオチド配列の実例としては:(X97557、Saccharomyces cerevisiae)、(AF290095、Enterococcus faecium)、及び(U49260、Homo sapiens)が挙げられる。
【0086】
IPPからDMAPPへの変換
宿主細胞は、MEV経路を介して生成されたIPPをジメチルアリルピロリン酸(DMAPP)、例えば、IPPイソメラーゼに変換することができる酵素をコードする異種ヌクレオチド配列を含み得る。このような酵素をコードするヌクレオチド配列の実例としては、(NC_000913、3031087.3031635、Escherichia coli)、及び(AF082326、Haematococcus pluvialis)が挙げられる。
【0087】
ポリプレニルシンターゼ
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、IPP及び/またはDMAPP分子を縮合して5つを超える炭素を含むポリプレニル化合物を形成することができるポリプレニルシンターゼをコードする異種ヌクレオチド配列をさらに含む。
【0088】
宿主細胞は、1分子のIPPを1分子のDMAPPと縮合して、1分子のゲラニルピロリン酸(「GPP」)を形成することができる酵素、例えば、GPPシンターゼをコードする異種ヌクレオチド配列を含み得る。このような酵素をコードするヌクレオチド配列の非限定的な例としては、以下が挙げられる。(AF513111、Abies grandis)、(AF513112、Abies grandis)、(AF513113、Abies grandis)、(AY534686、Antirrhinum majus)、(AY534687、Antirrhinum majus)、(Y17376、Arabidopsis thaliana)、(AE016877,Locus AP11092、Bacillus cereus、ATCC 14579)、(AJ243739、Citrus sinensis)、(AY534745、Clarkia breweri)、(AY953508、Ips pini)、(DQ286930、Lycopersicon esculentum)、(AF182828、Mentha x piperita)、(AF182827、Mentha x piperita)、(MPI249453、Mentha x piperita)、(PZE431697、Locus CAD24425、Paracoccus zeaxanthinifaciens)、(AY866498、Picrorhiza kurrooa)、(AY351862、Vitis vinifera)、及び(AF203881、Locus AAF12843、Zymomonas mobilis)。
【0089】
宿主細胞は、2分子のIPPを1分子のDMAPPと縮合するか、またはIPPの分子をGPPの分子に付加して、ファルネシルピロリン酸の分子(「FPP」)を形成することができる酵素、例えば、FPPシンターゼをコードする異種ヌクレオチド配列を含み得る。FPPシンターゼをコードするヌクレオチド配列の非限定的な例としては、以下が挙げられる。(ATU80605、Arabidopsis thaliana)、(ATHFPS2R、Arabidopsis thaliana)、(AAU36376、Artemisia annua)、(AF461050、Bos taurus)、(D00694、Escherichia coli K-12)、(AE009951,Locus AAL95523、Fusobacterium nucleatum subsp.nucleatum ATCC 25586)、(GFFPPSGEN、Gibberella fujikuroi)、(CP000009、Locus AAW60034、Gluconobacter oxydans 621H)、(AF019892、Helianthus annuus)、(HUMFAPS、Homo sapiens)、(KLPFPSQCR、Kluyveromyces lactis)、(LAU15777、Lupinus albus)、(LAU20771、Lupinus albus)、(AF309508、Mus musculus)、(NCFPPSGEN、Neurospora crassa)、(PAFPS1、Parthenium argentatum)、(PAFPS2、Parthenium argentatum)、(RATFAPS、Rattus norvegicus)、(YSCFPP、Saccharomyces cerevisiae)、(D89104、Schizosaccharomyces pombe)、(CP000003,Locus AAT87386、Streptococcus pyogenes)、(CP000017,Locus AAZ51849、Streptococcus pyogenes)、(NC_008022,Locus YP_598856、Streptococcus pyogenes MGAS10270)、(NC_008023,Locus YP_600845、Streptococcus pyogenes MGAS2096)、(NC_008024,Locus YP_602832、Streptococcus pyogenes MGAS10750)、(MZEFPS、Zea mays)、(AE000657、Locus AAC06913、Aquifex aeolicus VF5)、(NM_202836、Arabidopsis thaliana)、(D84432,Locus BAA12575、Bacillus subtilis)、(U12678,Locus AAC28894、Bradyrhizobium japonicum USDA 110)、(BACFDPS、Geobacillus stearothermophilus)、(NC_002940、Locus NP_873754、Haemophilus ducreyi 35000HP)、(L42023、Locus AAC23087、Haemophilus influenzae Rd KW20)、(J05262、Homo sapiens)、(YP_395294、Lactobacillus sakei subsp.sakei 23K)、(NC_005823,Locus YP_000273、Leptospira interrogans serovar Copenhageni str.Fiocruz L1-130)、(AB003187、Micrococcus luteus)、(NC_002946、Locus YP_208768、Neisseria gonorrhoeae FA 1090)、(U00090,Locus AAB91752、Rhizobium sp.NGR234)、(J05091、Saccharomyces cerevisae)、(CP000031,Locus AAV93568、Silicibacter pomeroyi DSS-3)、(AE008481、Locus AAK99890、Streptococcus pneumoniae R6)、及び(NC_004556、Locus NP 779706、Xylella fastidiosa Temecula1)。
【0090】
さらに、宿主細胞は、IPPとDMAPP、またはIPPとFPPを組み合わせてゲラニルゲラニルピロリン酸(「GGPP」)を形成し得る酵素をコードする異種ヌクレオチド配列を含み得る。このような酵素をコードするヌクレオチド配列の非限定的な例としては、以下が挙げられる。(ATHGERPYRS、Arabidopsis thaliana)、(BT005328、Arabidopsis thaliana)、(NM_119845、Arabidopsis thaliana)、(NZ_AAJM01000380,Locus ZP_00743052、Bacillus thuringiensis serovar israelensis,ATCC 35646 sq1563)、(CRGGPPS、Catharanthus roseus)、(NZ_AABF02000074,Locus ZP_00144509、Fusobacterium nucleatum subsp.vincentii、ATCC 49256)、(GFGGPPSGN、Gibberella fujikuroi)、(AY371321、Ginkgo biloba)、(AB055496、Hevea brasiliensis)、(AB017971、Homo sapiens)、(MCI276129、Mucor circinelloides f.lusitanicus)、(AB016044、Mus musculus)、(AABX01000298,Locus NCU01427、Neurospora crassa)、(NCU20940、Neurospora crassa)、(NZ_AAKL01000008、Locus ZP_00943566、Ralstonia solanacearum UW551)、(AB118238、Rattus norvegicus)、(SCU31632、Saccharomyces cerevisiae)、(AB016095、Synechococcus elongates)、(SAGGPS、Sinapis alba)、(SSOGDS、Sulfolobus acidocaldarius)、(NC_007759、Locus YP_461832、Syntrophus aciditrophicus SB)、(NC_006840,Locus YP_204095、Vibrio fischeri ES114)、(NM_112315、Arabidopsis thaliana)、(ERWCRTE、Pantoea agglomerans)、(D90087,Locus BAA14124、Pantoea ananatis)、(X52291、Locus CAA36538、Rhodobacter capsulatus)、(AF195122,Locus AAF24294、Rhodobacter sphaeroides)、及び(NC_004350、Locus NP_721015、Streptococcus mutans UA159)。
【0091】
メバロン酸経路の酵素の例が上に記載されているが、ある特定の実施形態では、DXP経路の酵素を、本明細書で記載された宿主細胞、組成物及び方法においてDMAPP及びIPPを生成するための代替または追加の経路として使用することができる。DXP経路の酵素をコードする酵素及び核酸は、当技術分野(例えば、WO2012/135591)で周知であり、かつ特徴付けられている。
【0092】
ステビオール配糖体の製造方法
本発明は、(a)ステビオール配糖体を生成することができる本明細書で記載の任意の遺伝子改変宿主細胞の集団を、炭素源を有する培地において、ステビオール配糖体化合物を作成するために適切な条件下で培養すること、及び(b)この培地からステビオール配糖体化合物を回収することによって、ステビオールグリコシドの生成をもたらす。
【0093】
遺伝子改変された宿主細胞は、遺伝子改変を有さない親細胞、または遺伝子改変のサブセットのみを有するがそれ以外は遺伝的に同一である親細胞と比較して、増加した量のステビオールグリコシドを産生する。いくつかの実施形態では、増加量は、例えば、収量、生産、及び/または生産性において、1リットルの細胞培養物あたりのグラム数、乾燥細胞重量1グラムあたりのミリグラム数、細胞培養の単位容積あたり、乾燥細胞重量の単位あたり、単位時間あたりの細胞培養の単位体積あたり、または単位時間あたり乾燥単位細胞重量あたり、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、または100%を超える。
【0094】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、発酵培地1リットルあたり約1グラムを超える高レベルのステビオール配糖体を産生し得る。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、発酵培地1リットルあたり約5グラムを超える高レベルのステビオール配糖体を産生する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、発酵培地1リットルあたり約10グラムを超える高レベルのステビオール配糖体を産生する。いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体は、細胞培養1リットルあたり、約10~約50グラム、約10~約15グラム、約15グラムを超える、約20グラムを超える、約25グラムを超える、または約40グラムを超える量で生成される。
【0095】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、乾燥細胞重量1グラムあたり約50ミリグラムを超える高レベルのステビオール配糖体を産生する。いくつかのそのような実施形態では、ステビオール配糖体は、乾燥細胞重量1グラムあたり、約50~約1500ミリグラム、約100ミリグラムを超える、約150ミリグラムを超える、約200ミリグラムを超える、約250ミリグラムを超える、約500ミリグラムを超える、約750ミリグラムを超える、または約1000ミリグラムを超える量で産生される。
【0096】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細胞培養の単位容積あたり、親細胞によって生成されるステビオール配糖体のレベルよりも少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、または少なくとも約1,000倍以上高い上昇したレベルのステビオール配糖体を産生する。
【0097】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、単位乾燥細胞重量あたり、親細胞によって生成されるステビオール配糖体のレベルよりも、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、または少なくとも約1,000倍以上高い上昇したレベルのステビオール配糖体を産生する。
【0098】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、単位時間あたり、細胞培養の単位容積あたり、親細胞によって生成されるステビオール配糖体のレベルよりも少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、または少なくとも約1,000倍以上高い上昇したレベルのステビオール配糖体を産生する。
【0099】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、単位時間あたり、乾燥細胞重量あたり、親細胞によって生成されるステビオール配糖体のレベルよりも少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、または少なくとも約1,000倍以上高い上昇したレベルのステビオール配糖体を産生する。
【0100】
ほとんどの実施形態では、宿主細胞による上昇したレベルのステビオール配糖体の産生は、誘導化合物の存在によって誘導可能である。そのような宿主細胞は、誘導化合物の非存在下で容易に操作され得る。次いで、上昇した誘導化合物を添加して、宿主細胞による高レベルのステビオール配糖体の産生を誘導する。他の実施形態では、宿主細胞による上昇したレベルのステビオール配糖体の産生は、例えば、増殖温度、培地成分などの培養条件を変えることによって誘導可能である。
【0101】
培地及び条件
微生物培養物の維持及び増殖のための材料及び方法は、微生物学または発酵科学の当業者に周知である(例えば、Bailey et al.,Biochemical Engineering Fundamentals,second edition,McGraw Hill,New York,1986を参照のこと)。宿主細胞の特定の要件、発酵、及びプロセスに応じて、適切な培養培地、pH、温度、及び好気性、微好気性、または嫌気性条件のための要件を考慮する必要がある。
【0102】
本明細書で提供されるステビオール配糖体を産生する方法は、細胞培養プレート、マイクロタイタープレート、フラスコまたは発酵槽を含むがこれらに限定されない適切な容器内の適切な培養培地(例えば、パントテン酸補充ありまたはなし)で実施され得る。さらに、この方法は、微生物製品の工業生産を支援するために当技術分野で公知の任意の規模の発酵で実施し得る。撹拌槽型発酵槽、エアリフト発酵槽、気泡発酵槽、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な発酵槽を使用してもよい。Saccharomyces cerevisiaeを宿主細胞として利用する特定の実施形態では、株は、KosaricらによってUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Sixth Edition,vol.12,pp.398-473,Wiley-VCH Verlag GmbH & Co.KDaA,Weinheim,Germanyに詳細に記載される発酵槽で増殖され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、培養培地は、ステビオール配糖体を産生することができる遺伝子改変微生物が存続し得る任意の培養培地である。培養培地は、同化可能な炭素、窒素、及びリン酸塩源を含む水性培地であり得る。このような培地はまた、適切な塩、ミネラル、金属、及びその他の栄養素も含んでもよい。炭素源及び各必須細胞栄養素は、発酵培地に段階的または連続的に添加してもよく、必要な各栄養素は、例えば、炭素源をバイオマスに変換する細胞の代謝または呼吸機能に基づく所定の成長曲線に従って細胞を増殖させることによる、効率的な同化に必要な本質的に最小レベルに維持され得る。
【0104】
微生物を培養するための適切な条件及び適切な培地は、当技術分野で周知である。例えば、適切な培地は、例えば、インデューサー(例えば、遺伝子産物をコードする1つ以上のヌクレオチド配列が誘導性プロモーターの制御下にある場合)、リプレッサー(例えば、遺伝子産物をコードする1つ以上のヌクレオチド配列が抑制可能なプロモーターの制御下にある場合)、または選択剤(例えば、遺伝子改変を含む微生物を選択するための抗生物質)などの1つ以上の追加の薬剤で補充してもよい。
【0105】
炭素源は、単糖、二糖、多糖、非発酵性炭素源、またはそれらの1つ以上の組み合わせであり得る。適切な単糖の非限定的な例としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、リボース、及びそれらの組み合わせが挙げられる。適切な二糖の非限定的な例としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、及びそれらの組み合わせが挙げられる。適切な多糖類の非限定的な例としては、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。適切な非発酵性炭素源の非限定的な例としては、酢酸塩及びグリセロールが挙げられる。
【0106】
培養培地中のグルコースなどの炭素源の濃度は、細胞増殖を促進するのに十分であり得るが、使用される微生物の増殖を抑制するほど高くはない。通常、培養は、グルコースなどの炭素源を、所望のレベルの成長及びバイオマスを達成するためのレベルで添加して実行する。培養培地中のグルコースなどの炭素源の濃度は、約1g/Lより大きく、好ましくは約2g/Lより大きく、より好ましくは約5g/Lより大きくてもよい。さらに、培養培地中のグルコースなどの炭素源の濃度は、典型的には約100g/L未満、好ましくは約50g/L未満、より好ましくは約20g/L未満である。培養成分濃度への言及は、初期及び/または進行中の成分濃度の両方を指す場合があることに注意する必要がある。場合によっては、培養中に培養培地から炭素源を枯渇させることが望ましい場合がある。
【0107】
適切な培地で使用することができる同化可能な窒素源としては、単純な窒素源、有機窒素源、及び複合窒素源が挙げられる。このような窒素源としては、無水アンモニア、アンモニウム塩、ならびに動物、植物、及び/または微生物由来の物質が挙げられる。適切な窒素源としては、タンパク質加水分解物、微生物バイオマス加水分解物、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、尿素、及びアミノ酸が挙げられる。典型的には、培養培地中の窒素源の濃度は、約0.1g/Lより大きく、好ましくは約0.25g/Lより大きく、より好ましくは約1.0g/Lより大きい。しかしながら、ある特定の濃度を超えると、培養培地への窒素源の添加は、微生物の増殖にとって有利ではない。その結果、培養培地中の窒素源の濃度は、約20g/L未満、好ましくは約10g/L未満、より好ましくは約5g/L未満である。さらに、場合によっては、培養中に培養培地から窒素源を枯渇させることが望ましい場合がある。
【0108】
有効な培養培地は、無機塩、ビタミン、微量金属、または成長促進剤などの他の化合物を含んでもよい。そのような他の化合物はまた、有効な培地中の炭素、窒素、もしくはミネラル源に存在してもよいし、または培地に特異的に添加されてもよい。
【0109】
培養培地はまた、適切なリン酸塩源を含んでもよい。そのようなリン酸塩源としては、無機及び有機リン酸塩源の両方が挙げられる。好ましいリン酸塩源としては、リン酸塩、例えば、一塩基性または二塩基性のリン酸ナトリウム及びリン酸カリウム、リン酸アンモニウム、及びそれらの混合物が挙げられる。典型的には、培養培地中のリン酸塩源の濃度は、約0.1g/Lより大きく、好ましくは約0.2.0g/Lより大きく、より好ましくは約5.0g/Lより大きい。しかしながら、ある特定の濃度を超えると、培養培地への窒素源の添加は、微生物の増殖にとって有利ではない。したがって、培養培地中のリン酸塩の濃度は、典型的には約20g/L未満、好ましくは約15g/L未満、より好ましくは約10g/L未満である。
【0110】
適切な培養培地はまた、好ましくは硫酸マグネシウム七水和物などの生理学的に許容される塩の形態のマグネシウム源を含んでもよいが、同様の量のマグネシウムに寄与する濃度の他のマグネシウム源を使用してもよい。典型的には、培養培地中のマグネシウムの濃度は、約0.5g/Lより大きく、好ましくは約1.0g/Lより大きく、より好ましくは約2.0g/Lより大きい。しかしながら、ある特定の濃度を超えると、培養培地へのマグネシウムの添加は、微生物の増殖にとって有利ではない。したがって、培養培地中のマグネシウムの濃度は、典型的には約10g/L未満、好ましくは約5g/L未満、より好ましくは約3g/L未満である。さらに、場合によっては、培養中に培養培地からマグネシウム源を枯渇させることが望ましい場合がある。
【0111】
培養培地はまた、クエン酸三ナトリウムの二水和物などの生物学的に許容されるキレート剤も含んでもよい。このような場合、培養培地中のキレート剤の濃度は、約0.2g/Lより大きく、好ましくは約0.5g/Lより大きく、より好ましくは約1g/Lより大きい。しかしながら、ある特定の濃度を超えると、培養培地へのキレート剤の添加は、微生物の増殖に有利ではない。したがって、培養培地中のキレート剤の濃度は、典型的には約10g/L未満、好ましくは約5g/L未満、より好ましくは約2g/L未満である。
【0112】
培養培地はまた、その培養培地の所望のpHを維持するために、生物学的に許容される酸または塩基も最初に含み得る。生物学的に許容される酸としては、限定するものではないが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。生物学的に許容される塩基としては、限定するものではないが、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、用いられる塩基は、水酸化アンモニウムである。
【0113】
培養培地はまた、塩化カルシウムを含むがこれに限定されない、生物学的に許容されるカルシウム源を含んでもよい。典型的には、培養培地中の塩化カルシウム、二水和物などのカルシウム源の濃度は、約5mg/L~約2000mg/Lの範囲内、好ましくは、約20mg/L~約1000mg/Lの範囲内、より好ましくは約50mg/L~約500mg/Lの範囲である。
【0114】
培養培地はまた、塩化ナトリウムを含んでもよい。典型的には、培養培地中の塩化ナトリウムの濃度は、約0.1g/L~約5g/Lの範囲内、好ましくは約1g/L~約4g/Lの範囲内、より好ましくは約2g/L~約4g/Lの範囲内である。
【0115】
培養培地はまた、微量金属も含んでもよい。そのような微量金属は、便宜上、残りの培養培地とは別に調製し得るストック溶液として培養培地に加えてもよい。通常、培養培地に添加されるそのような微量金属溶液の量は、約1ml/Lより多く、好ましくは約5mL/Lより多く、より好ましくは約10mL/Lより多い。ただし、ある特定の濃度を超えると、培養培地に微量金属を添加しても微生物の増殖には有利ではない。したがって、培養培地に添加されるそのような微量金属溶液の量は、典型的には約100mL/L未満、好ましくは約50mL/L未満、より好ましくは約30mL/L未満である。ストック溶液に微量金属を添加することに加えて、個々の成分を別々に添加してもよく、それぞれが上記の微量金属溶液の範囲によって決定される成分の量に独立して対応する範囲内にあることに留意されたい。
【0116】
この培養培地は、パントテン酸塩、ビオチン、カルシウム、パントテン酸塩、イノシトール、ピリドキシン-HCl、及びチアミン-HClなどの他のビタミンを含み得る。そのようなビタミン類を、便宜上、残りの培養培地とは別に調製し得るストック溶液として培養培地に加えてもよい。しかしながら、ある特定の濃度を超えると、培養培地へのビタミン類の添加は微生物の増殖にとって有利ではない。
【0117】
本明細書に記載の発酵方法は、バッチ、流加(フェッドバッチ)、細胞のリサイクル、連続、及び半連続を含むがこれらに限定されない従来の培養モードで実施され得る。いくつかの実施形態では、発酵は、流加モードで実施される。このような場合、発酵の生産段階でのパントテン酸塩など、培地の成分の一部は培養中に枯渇する。いくつかの実施形態では、培養物は、例えば、生産段階の開始時に比較的高濃度のそのような成分で補充され得、その結果、増殖及び/またはステビオール配糖体の生産は、添加が必要とされる前の期間支持される。これらの成分の好ましい範囲が、培養によってレベルが枯渇するにつれて追加を行うことによって、培養全体を通して維持される。培養培地中の成分のレベルを、例えば、培養培地を定期的にサンプリングすること、及び濃度をアッセイすることによってモニターすることができる。あるいは、標準的な培養手順が開発されると、培養中の特定の時間における既知のレベルに対応する時間間隔で追加を行ってもよい。当業者によって認識されるように、培地の細胞密度が増大するにつれて、培養中に栄養素の消費速度が増大する。さらに、培養培地への外来微生物の導入を回避するために、当技術分野で公知のように、無菌添加法を使用して添加を行う。さらに、培養中に消泡剤を添加してもよい。
【0118】
培養培地の温度は、遺伝子改変された細胞の増殖及び/またはステビオール配糖体の産生に適した任意の温度であり得る。例えば、培養培地に接種物を接種する前に、その培養培地を、約20℃~約45℃の範囲の温度、好ましくは、約25℃~約40℃、より好ましくは約28℃から約32℃の範囲の温度に持って行き、維持してもよい。培養培地のpHは、この培養培地に酸または塩基を添加することで制御され得る。このような場合、水酸化アンモニウムを使用してpHを制御すると、培養培地中の窒素源としても好都合に役立つ。好ましくは、pHは、約3.0~約8.0、より好ましくは約3.5~約7.0、最も好ましくは約4.0~約6.5に維持される。
【0119】
培養培地のグルコース濃度などの炭素源濃度は、培養中にモニターする。培養培地のグルコース濃度は、例えば、上清中のグルコース濃度(例えば、培養培地の無細胞成分)をモニターするために使用され得る、グルコースオキシダーゼ酵素試験または高圧液体クロマトグラフィーの使用などの既知の技術を使用してモニターしてもよい。炭素源濃度は、通常、細胞増殖阻害が発生するレベル未満に維持される。このような濃度は生物によって異なり得るが、炭素源としてのグルコースの場合、細胞増殖阻害は、約60g/Lを超えるグルコース濃度で発生し、トライアルによって容易に決定され得る。したがって、グルコースが炭素源として使用される場合、グルコースは好ましくは発酵槽に供給され、検出限界未満に維持される。あるいは、培養培地中のグルコース濃度は、約1g/L~約100g/Lの範囲、より好ましくは約2g/Lから約50g/Lの範囲、さらにより好ましくは、約5g/Lから約20g/Lの範囲に維持される。炭素源濃度は、例えば、実質的に純粋なグルコース溶液を添加することによって所望のレベル内に維持することができるが、元の培養培地のアリコートを添加することによって培養培地の炭素源濃度を維持することが許容され、好ましい場合がある。培地中の他の栄養素(例えば、窒素及びリン酸塩源)の濃度を同時に維持し得るので、元の培養培地のアリコートの使用が望ましい場合がある。同様に、微量金属溶液のアリコートを添加することにより、微量金属濃度を培養培地中で維持してもよい。
【0120】
他の適切な発酵培地及び方法は、例えば、WO2016/196321に記載されている。
【0121】
発酵組成物
本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の遺伝子改変宿主細胞及び遺伝子改変宿主細胞によって産生されるステビオール配糖体を含む発酵組成物である。発酵組成物は、さらに培地を含み得る。発酵組成物は、遺伝子改変された宿主細胞、Reb A、Reb D、及び/またはReb Mを含んでもよい。本明細書で提供される発酵組成物は、遺伝子改変された宿主細胞によって産生されるステビオール配糖体の主成分としてReb Mを含み得る。発酵組成物は、少なくとも1:7:50の比率でReb A、Reb D、及びReb Mを含み得る。発酵組成物は、少なくとも1:7:50~1:0.5:150の比率でReb A、Reb D、及びReb Mを含み得る。Reb A、Reb D、及びReb Mの比率は、遺伝子組み換え宿主細胞及び培地に関連するステビオール配糖体の総含有量に基づく場合がある。あるいは、Reb A、Reb D、及びReb Mの比率は、培地中のステビオール配糖体の総含有量に基づく場合がある。さらに、Reb A、Reb D、及びReb Mの比率は、遺伝子組み換え宿主細胞に関連するステビオール配糖体の総含有量に基づく場合がある。
【0122】
発酵組成物は、Reb M2を検出不可能なレベルで含んでもよい。さらに、発酵組成物は、検出できないレベルで天然には存在しないステビオール配糖体を含む場合がある。
【0123】
ステビオール配糖体の回収
ステビオール配糖体が宿主細胞によって産生されると、それは、当技術分野で公知である任意の適切な分離及び精製方法を使用して、その後の使用のために回収または単離され得る。例えば、ステビオール配糖体を含む浄化水相は、遠心分離によって発酵から分離され得る。あるいは、ステビオール配糖体を含む浄化水相は、解乳化剤を発酵反応に加えることによって発酵から分離され得る。解乳化剤の例としては、凝集剤及び凝固剤が挙げられる。
【0124】
宿主細胞で産生されたステビオール配糖体は、培養上清中に存在してもよく、及び/または宿主細胞に伴っていてもよい。ステビオール配糖体の一部が宿主細胞伴っている場合、ステビオール配糖体の回収には、細胞からのステビオール配糖体の放出を改善する方法が含まれる場合がある。これは、界面活性剤の有無にかかわらず、及び緩衝液または塩の添加の有無にかかわらず、熱水または緩衝液処理で細胞を洗浄するという形をとり得る。温度は、ステビオール配糖体を放出するのに適していると思われる任意の温度であり得る。例えば、温度は40~95℃;または60~90℃;または75~85℃の範囲であり得る。あるいは、温度は、40、45、50、55、65、70、75、80、85、90、または95℃であり得る。物理的または化学的細胞破壊を使用して、宿主細胞からのステビオール配糖体の放出を増強し得る。あるいは、及び/またはその後、培養培地中のステビオール配糖体は、溶媒抽出、膜清澄化、膜濃縮、吸着、クロマトグラフィー、エバポレーション、化学的誘導体化、結晶化、及び乾燥を含む単離単位操作を使用して回収され得る。
【0125】
遺伝子改変細胞の作製法
本明細書では、上記の修飾の1つ以上、例えば、カウレン酸ヒドロキシラーゼ及び/または生合成経路酵素(例えば、ステビオール配糖体化合物の場合)をコードする1つ以上の異種核酸を含むように遺伝子操作されている宿主細胞を生成する方法も提供される。宿主細胞における異種酵素の発現は、宿主細胞における発現を可能にする調節エレメントの制御下で酵素をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を宿主細胞に導入することによって達成し得る。核酸は、染色体外プラスミド、ヌクレオチド配列を宿主細胞の染色体に組み込み得る染色体組み込みベクター、または相同性を介してヌクレオチド配列を宿主細胞の染色体に組み込み得る二本鎖DNAの線状断片であり得る。
【0126】
これらのタンパク質をコードする核酸は、当業者に公知の任意の方法によって宿主細胞に導入され得る(例えば、Hinnen et al.,(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vol.75,pp.1292-1293;Cregg et al.,(1985),Mol.Cell.Biol.,vol.5,pp.3376-3385;Goeddel et al. eds,1990,Methods in Enzymology,vol.185,Academic Press,Inc.,CA;Krieger,1990,Gene Transfer and Expression -- A Laboratory Manual,Stockton Press,NY;Sambrook et al.,1989,Molecular Cloning -- A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,NY;及びAusubel et al.,eds.,Current Edition,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and Wiley Interscience,NYを参照のこと)。例示的な技術としては、スフェロプラスト化、エレクトロポレーション、PEG1000媒介形質転換、及び酢酸リチウムまたは塩化リチウム媒介形質転換が挙げられる。
【0127】
宿主細胞における酵素の量は、酵素をコードする遺伝子の転写を改変することによって変更され得る。これは、酵素をコードするヌクレオチド配列のコピー数を改変することによって(例えば、ヌクレオチド配列を含むより高いかまたはより低いコピー数の発現ベクターを使用することによって、あるいはヌクレオチド配列の追加のコピーを宿主細胞のゲノムに導入することによって、または宿主細胞のゲノム内のヌクレオチド配列を削除もしくは破壊することによって)、オペロンのポリシストロン性mRNA上のコード配列の順序を変更することによって、またはオペロンをそれぞれ独自の制御要素を有する個々の遺伝子に分割することによって、またはヌクレオチド配列が作動可能に連結されているプロモーターもしくはオペレーターの強度を増大することによって、達成され得る。あるいは、またはさらに、宿主細胞における酵素のコピー数は、酵素をコードするmRNAの翻訳のレベルを改変することによって変更され得る。これは、mRNAの安定性の変更、リボソーム結合部位の配列を変更すること、リボソーム結合部位と酵素コード配列の開始コドンとの間の距離もしくは配列を変更すること、酵素コード領域の開始コドンの5’側の「上流」もしくはそれに隣接して位置するシストロン間領域全体を改変すること、ヘアピン及び特殊な配列を使用してmRNA転写産物の3’末端を安定化すること、酵素のコドン使用頻度を変更すること、酵素の生合成に用いられるまれなコドンtRNAの発現を変更すること、及び/または、例えば、そのコード配列の変異を介するなどの、酵素の安定性の増加によって達成され得る。
【0128】
宿主細胞における酵素の活性は、宿主細胞において増加または減少した溶解性を示す酵素の改変形態を発現すること、酵素の活性が阻害されるドメインを欠く酵素の変化した形態を発現すること、基質に対してより高いもしくはより低いKcatまたはより低いもしくはより高いKを有する酵素の改変形態を発現すること、より高いまたはより低い熱安定性を有する酵素の改変形態を発現すること、細胞のpHで、より高いまたはより低い活性を有する酵素の改変形態を発現すること、細胞内区画またはオルガネラにおいてより高いまたはより低い蓄積を有する酵素の改変形態を発現すること、細胞膜に挿入または会合する能力が増大または減少している酵素の改変形態を発現すること、反応を実行するために必要なアクセサリータンパク質に対してより高いまたはより低い親和性を有する酵素の改変形態を発現すること、必要な補因子またはリガンドに対してより高いまたはより低い親和性を有する酵素の改変形態を発現すること、活性部位のスペースが増加または減少した酵素の改変形態を発現すること(それにより、反応の異なる基質を示差的に可能にするかまたは排除する)、あるいは経路内の別の分子によるフィードバックまたはフィードフォワード調節によって多かれ少なかれ影響を受ける酵素の変化した形態を発現することを含む多数の方法で変更され得る。
【0129】
宿主細胞を遺伝子改変するために使用される核酸は、形質転換された宿主細胞の選択及び外来DNAを維持するために宿主細胞に選択的圧力をかけるために有用な1つ以上の選択可能なマーカーを含んでもよい。
【0130】
選択可能なマーカーは、抗生物質耐性マーカーであり得る。抗生物質耐性マーカーの例としては、BLA、NAT1、PAT、AUR1-C、PDR4、SMR1、CAT、マウスdhfr、HPH、DSDA、KAN、及びSH BLEの遺伝子産物が挙げられる。E.coliのBLA遺伝子産物は、ベータラクタム系抗生物質(例えば、狭スペクトルセファロスポリン、セファマイシン、及びカルバペネム(エルタペネム)、セファマンドール、及びセフォペラゾン)に対して、及びテモシリンを除く全ての抗グラム陰性菌ペニシリンに対する耐性を付与する。S.nourseiのNAT1 遺伝子産物は、ヌールセオトリシン(nourseothricin)に対する耐性を付与する。S.viridochromogenesTu94のPAT遺伝子産物は、ビアロホスに対する耐性を付与する。Saccharomyces cerevisiaeのAUR1-C遺伝子産物は、Auerobasidin A(AbA)に対する耐性を付与する。PDR4遺伝子産物は、セルレニンに対する耐性を付与する。SMR1遺伝子産物は、スルホメツロンメチルに対する耐性を付与する。Tn9トランスポゾン由来のCAT遺伝子産物は、クロラムフェニコールに対する耐性を付与する。マウスのdhfr遺伝子産物は、メトトレキサートに対する耐性を付与する。Klebsiella pneumoniaのHPH遺伝子産物は、ハイグロマイシンBに対する耐性を付与する。E.coliのDSDA遺伝子産物により、D-セリンを唯一の窒素源とするプレート上で細胞を増殖させることが可能になる。Tn903トランスポゾンのKANR 遺伝子は、G418に対する耐性を付与する。Streptoalloteichus hindustanusのSHBLE遺伝子産物は、ゼオシン(Zeocin)(ブレオマイシン)に対する耐性を付与する。抗生物質耐性マーカーは、本明細書に開示される遺伝子改変された宿主細胞が単離された後に欠失されてもよい。
【0131】
選択可能なマーカーは、遺伝子改変微生物における栄養要求性(auxotrophy)(例えば、栄養の要求性(nutritional auxotrophy))のレスキューによって機能し得る。栄養要求性では、親微生物は、アミノ酸またはヌクレオチド生合成経路で機能し、かつ1つ以上の栄養素を補充せずに親細胞を培地で増殖できないようにする、1つ以上の遺伝子産物に機能的破壊を含む。このような遺伝子産物としては、酵母のHIS3、LEU2、LYS1、LYS2、MET15、TRP1、ADE2、及びURA3遺伝子産物が挙げられる。次に、栄養要求性表現型は、破壊された遺伝子産物の機能的コピーをコードする発現ベクターまたは染色体組み込み構築物で親細胞を形質転換することによってレスキューされ得、生成された遺伝子改変宿主細胞は、親細胞の栄養要求性表現型の喪失に基づいて選択され得る。URA3、TRP1、及びLYS2遺伝子を選択マーカーとして利用することには、ポジティブ選択とネガティブ選択の両方が可能であるので、顕著な利点がある。ポジティブ選択は、URA3、TRP1、及びLYS2変異の栄養要求性補完によって実行され、ネガティブ選択は、原栄養性株の増殖を防ぐが、それぞれ URA3、TRP1、及びLYS2変異体の増殖を可能にする、特定の阻害剤、すなわち、それぞれ、5-フルオロオロト酸(FOA)、5-フルオロアントラニル酸、及びアミノアジピン酸(aAA)に基づく。選択可能なマーカーは、公知の選択方法によって特定され得る他の非致死性の欠陥または表現型をレスキューし得る。
【0132】
本明細書に記載されているのは、本発明の方法、組成物、及び宿主細胞において有用な特定の遺伝子及びタンパク質である。ただし、そのような遺伝子との絶対的な同一性は必要ない。例えば、ポリペプチドまたは酵素をコードする配列を含む特定の遺伝子またはポリヌクレオチドの変化を実施し、活性についてスクリーニングしてもよい。通常、このような変更には、保存的変異とサイレント変異が含まれる。そのような修飾または変異したポリヌクレオチド及びポリペプチドは、当技術分野で公知の方法を使用して、機能的酵素の発現についてスクリーニングしてもよい。
【0133】
遺伝暗号の固有の縮重に起因して、実質的に同じまたは機能的に同等のポリペプチドをコードする他のポリヌクレオチドもまた、酵素を発現するために使用され得る。
【0134】
特定の宿主におけるその発現を増強するためにコード配列を改変することは有利であり得る。遺伝子コードは64の可能なコドンと冗長であるが、ほとんどの生物は通常これらのコドンのサブセットを使用する。ある種で最も頻繁に利用されるコドンは最適コドンと呼ばれ、それほど頻繁には利用されないコドンは、希少または低使用のコドンとして分類される。コドンは、「コドン最適化」または「種のコドンバイアスの制御」と呼ばれることもあるプロセスで、宿主の好ましいコドン使用を反映するように置き換えてもよい。他の宿主細胞のコドン最適化は、コドン使用量表を使用して容易に決定し得、またはIntegrated DNA TechnologiesのCodonOpなどの市販のソフトウェアを使用して実行してもよい。
【0135】
特定の原核生物または真核生物の宿主によって好ましいコドンを含む最適化されたコード配列(Murray et al.,(1989),Nucl Acids Res.,vol.17,pp.477-508)を調製して、最適化されていない配列から生成された転写物と比較して、より長い半減期などの望ましい特性を有する、まれな翻訳物を増大するか、または組換えRNA転写物を生成してもよい。翻訳停止コドンを、宿主の好みを反映するように変更してもよい。例えば、S.cerevisiaeと哺乳動物の典型的な終止コドンは、それぞれUAAとUGAである。単子葉植物の典型的な終止コドンはUGAであるが、昆虫及びE.coliは一般にUAAを終止コドンとして使用する(Dalphin et al.,(1996),Nucl Acids Res.,vol.24,pp.216-218)。
【0136】
遺伝暗号の縮重性に起因して、それらのヌクレオチド配列が異なる様々なDNA分子を使用して、本開示の所与の酵素をコードし得る。上記の生合成酵素をコードする天然のDNA配列は、本明細書では、本開示の実施形態を単に説明するために参照されるものであり、本開示は、ポリペプチドのアミノ酸配列及び本発明の方法で利用される酵素のタンパク質をコードする任意の配列のDNA分子を含む。同様の方法で、ポリペプチドは、典型的には、所望の活性の喪失または有意な喪失なしに、そのアミノ酸配列における1つ以上のアミノ酸置換、欠失、及び挿入を許容し得る。本発明は、修飾またはバリアントポリペプチドが参照ポリペプチドの酵素活性を有する限り、本明細書に記載の特定のタンパク質とは異なるアミノ酸配列を有するそのようなポリペプチドを含む。さらに、本明細書に示されるDNA配列によってコードされるアミノ酸配列は、本発明の例を単に例示するだけである。
【0137】
さらに、組成物、方法、または宿主細胞の実施に有用な酵素の相同体が本発明に含まれる。アミノ酸配列が少なくとも約30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する場合、2つのタンパク質(またはタンパク質の領域)は実質的に相同であると見なされる。2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の同一性パーセントを決定するために、この配列を最適な比較目的のために整列させる(例えば、最適な整列のために、ギャップを第1及び第2のアミノ酸または核酸配列の一方または両方に導入してもよく、比較目的に関しては非相同配列を無視してもよい)。比較目的で整列させた参照配列の長さは、その参照配列の長さの少なくとも30%、典型的には少なくとも40%、より典型的には少なくとも50%、さらにより典型的には少なくとも60%、さらにより典型的には少なくとも70%、80%、90%、100%の長さであり得る。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置にあるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有される場合、その分子は、その位置にて同一である(本明細書で使用されるとき、アミノ酸または核酸「同一性」は、アミノ酸または核酸「相同性」と等しい)。2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップの数、及び2つの配列の最適な整列のために導入する必要がある各ギャップの長さを考慮した、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。
【0138】
「相同」を、タンパク質またはペプチドに関して使用する場合、同一ではない残基の位置は、しばしば、保存的なアミノ酸置換によって異なることを認識されたい。「保存的なアミノ酸置換」とは、あるアミノ酸残基が、類似した化学特性(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基によって置換されるものである。一般に、保存的なアミノ酸置換は、タンパク質の機能特性を実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって互いに異なる場合、配列同一性パーセントまたは相同性の程度は、置換の保存的な性質によって補正するように上方調整されてもよい。この調整を行うための手段は、当業者に周知である(例えば、Pearson W.R.,(1994),Methods in Mol Biol,vol.25,pp.365-389を参照のこと)。
【0139】
以下の6つの群は、それぞれ、互いに保存的な置換であるアミノ酸を含む。1)セリン(S)、スレオニン(T);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、アラニン(A)、バリン(V);及び6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
【0140】
配列同一性パーセントとも称されるポリペプチドの配列相同性は、典型的には、配列分析ソフトウェアを使用して測定される。分子配列と、異なる生物由来の多数の配列を含むデータベースとを比較するために使用される典型的なアルゴリズムは、コンピュータープログラムBLASTである。多数の異なる生物体由来の配列を含有するデータベースを検索する場合、アミノ酸配列を比較することが典型的である。
【0141】
さらに、前述の酵素をコードする任意の遺伝子、またはそれらの発現を制御もしくは調節する任意の調節エレメントは、定向進化または合理的突然変異誘発などの遺伝子/タンパク質工学技術によって最適化され得る。そのような作用は、当業者が酵母における発現及び活性のために酵素を最適化することを可能にする。
【0142】
さらに、これらの酵素をコードする遺伝子は、他の真菌及び細菌種から同定されてもよく、ステビオール配糖体経路の調節のために発現されてもよい。種々の生物体が、これらの酵素の供給源として役立ち得、例としては、Saccharomyces spp、例としては、S.cerevisiae及びS.uvarum、Kluyveromyces spp.、例としては、K.thermotolerans、K.lactis、及びK.marxianus、Pichia spp.、Hansenula spp.、例としてはH.polymorpha、Candida spp.、Trichosporon spp.、Yamadazyma spp.、例としてはY.spp.stipitis、Torulaspora pretoriensis、Issatchenkia orientalis、Schizosaccharomyces spp.、例としてはS.pombe、Cryptococcus spp.、Aspergillus spp.、Neurospora spp.、またはUstilago sppである。嫌気性真菌からの遺伝子の供給源としては、Piromyces spp.,Orpinomyces spp.またはNeocallimastix spp.が挙げられる。有用な原核生物酵素の供給源としては、Escherichia.coli、Zymomonas mobilis、Staphylococcus aureus、Bacillus spp.、Clostridium spp.、Corynebacterium spp.、Pseudomonas spp.、Lactococcus spp.、Enterobacter spp.、及びSalmonella spp.が挙げられる。
【0143】
当業者に公知の技術は、追加の相同遺伝子及び酵素を同定するのに適している場合がある。一般に、類似の遺伝子及び/または類似の酵素は、機能分析によって同定してもよく、機能的類似性を有するであろう。類似の遺伝子及び類似の酵素を同定するのに適していることが公知の技術としては、PCR、縮重PCR、低ストリンジェンシー核酸ハイブリダイゼーション、発現クローニング、及びハイスループットスクリーニングが挙げられる。例えば、相同または類似のUDPグリコシルトランスフェラーゼ、KAH、または任意のステビオールグリコシド生合成経路遺伝子、タンパク質、または酵素を同定するための技術としては、限定するものではないが、目的の遺伝子/酵素の公開された配列に基づくプライマーを使用するPCRによる、または目的の遺伝子間の保存領域を増幅するように設計された縮重プライマーを使用した縮重PCRによる、遺伝子のクローニングが挙げられる。さらに、機能的相同性または類似性を有する相同または類似の遺伝子、タンパク質、または酵素を同定する技術が使用され得る。技術には、酵素の触媒活性についての細胞または細胞培養物を、前記活性についてのインビトロ酵素アッセイ(例えば、本明細書またはKiritani,K.,Branched-Chain Amino Acids Methods Enzymology,1970に記載されている)を通して調べること、次いで精製により、前記活性を有する酵素を単離すること、エドマン分解、可能性の高い核酸配列に対するPCRプライマーの設計、PCRによる前記DNA配列の増幅、及び前記核酸配列のクローニングなどの技術により酵素のタンパク質配列を決定することが挙げられる。相同または類似の遺伝子及び/または相同もしくは類似の酵素、類似の遺伝子及び/または類似の酵素もしくはタンパク質を同定するために、技術はまた、候補遺伝子または酵素に関するデータとBRENDA、KEGG、またはMetaCYCなどのデータベースとの比較を含む。候補遺伝子または酵素は、本明細書の教示に従って、上記のデータベース内で同定され得る。
【実施例
【0144】
実施例1:酵母の形質転換法
各DNA構築物は、最適化された酢酸リチウム形質転換において標準的な分子生物学技術を使用して、Saccharomyces cerevisiae(CEN.PK113-7D)に組み込まれた。簡単に説明すると、細胞を酵母抽出物ペプトンデキストロース(YPD)培地で、振とう(200rpm)しながら30℃で一晩増殖させ、100mLのYPDで0.1のOD600に希釈し、0.6~0.8というOD600に増殖させた。各形質転換について、5mLの培養物を遠心分離によって回収し、5mLの滅菌水で洗浄し、再度スピンダウンし、1mLの100mM酢酸リチウムに再懸濁し、マイクロ遠心分離管に移した。細胞を30秒間スピンダウン(13,000xg)し、上清を除去し、その細胞を240μLの50%PEG、36μLの1M酢酸リチウム、10μLの煮沸サケ精子DNA、及び74μLのドナーDNAからなる形質転換ミックスに再懸濁した。エンドヌクレアーゼF-CphIの発現を必要とする形質転換の場合、ドナーDNAには、酵母TDH3プロモーター下で発現するF-CphI遺伝子を保持するプラスミドが含まれていた。このように発現されたF-CphIエンドヌクレアーゼは、宿主株で操作された特定の認識部位を切断して、目的の標的遺伝子の組み込みを促進する。42℃で40分間の熱ショックに続いて、細胞をYPD培地で一晩回収した後、選択培地に播種した。DNAの組み込みは、組み込みに固有のプライマーを使用したコロニーPCRによって確認した。
【0145】
実施例2:ファルネシルピロリン酸(FPP)及びイソプレノイドファルネセンへの高フラックスが可能なベース株の生成
ファルネセン産生株を、天然GALプロモーターの制御下でメバロン酸経路の遺伝子を発現することにより、野生型Saccharomyces cerevisiae株(CEN.PK113-7D)から作製した。この株は、S.cerevisiae由来の以下の染色体に組み込まれたメバロン酸経路遺伝子を含んでいた。アセチル-CoAチオラーゼ、HMG-CoAシンターゼ、HMG-CoAレダクターゼ、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、メバロン酸ピロリン酸デカルボキシラーゼ、及びIPP:DMAPPイソメラーゼ。さらに、この菌株には、Artemisia annua由来のファルネセンシンターゼの複数のコピーが含まれており、これもネイティブGAL1またはGAL10プロモーターのいずれかの制御下にある。本明細書に記載されている全ての異種遺伝子は、公的に利用可能なまたは他の適切なアルゴリズムを使用してコドン最適化された。この菌株にはGAL80遺伝子の欠失も含まれており、スクアレンシンターゼをコードするERG9遺伝子が、ネイティブプロモーターを酵母遺伝子MET3のプロモーターに置き換えることで下方制御される。イソプレノイドへの高フラックスを有するS.cerevisiae株を作製する方法の例は、それらの全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,415,136号及び同第8,236,512号に記載されている。
【0146】
実施例3:新規カウレン酸ヒドロキシラーゼP450酵素の迅速なスクリーニングのための一連の菌株の構築
図1は、カウレン酸中間体を有するFPPからReb Mへの例示的な生合成経路を示している。上記のファルネセンベース株は、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(GGPPS)の6コピー、コパリル二リン酸シンターゼの4コピー、及びカウレンシンターゼの4コピーをゲノムに統合することにより、C20イソプレノイドカウレンへの高フラックスを有するようにさらに設計された。続いて、ファルネセンシンターゼの全てのコピーを、株から除去し、この株がent-カウレンを産生し、ファルネセンを産生しないことを確認した。
【0147】
Kaurenoic acid hydroxylase(KAH)は、カウレン酸の酸化を触媒して、Reb Mを生成するために必要なステビオール(図1を参照のこと)を生成するシトクロムP450酵素である。インビボにおけるS.cerevisiaeのKAH活性について新規なP450酵素をスクリーニングするために、KAH遺伝子のコピーを欠いていることを除いて、Reb Mを生成するために必要な全ての遺伝子を含むいくつかの株を作成した。表1に、使用した全てのRebM経路遺伝子及びプロモーターを列挙する。表1に記載されている全ての遺伝子を含む菌株は、主にKAHの基質であるカウレン酸を産生する。
【表2】
【0148】
S.cerevisiae中で、インビボでのKAHバリアントの活性を測定するために、最初に、KAH遺伝子のコピーを欠いたことを除いて、Reb Mを産生するために必要な全ての遺伝子を含む第1のスクリーニング株を構築した(表1及び図1)。代わりに、それは、KAHバリアントの迅速な挿入を可能にするためのランディングパッドを含む(図2)。このランディングパッドは、選択した酵母遺伝子座(上流遺伝子座及び下流遺伝子座)の上流及び下流のゲノム領域に対して、構築物のいずれかの末端にある500bpの遺伝子座標的化DNA配列で構成され、これにより、ランディングパッドが酵母染色体に組み込まれると遺伝子座が欠失される。内部的に、ランディングパッドは、酵母GALレギュロンのGAL1、GAL3、または任意の他のプロモーターであることができるプロモーター(プロモーター)及びエンドヌクレアーゼ認識部位(F-CphI)に隣接する選択された酵母ターミネーター(ターミネーター)を含む。Ro.KAHのDNAバリアント(配列番号1)を使用して、エンドヌクレアーゼF-CphIを発現するプラスミドで株を形質転換した。F-CphIは、認識配列を切断し、ランディングパッドで二本鎖切断を作成し、この部位のRo.KAHDNAバリアントの相同組み換えを容易にする。
【0149】
Sr.KOがPs.KO(配列番号10)で置き換えられたことを除いて、第1のスクリーニング株と同じ操作をされている第2のスクリーニング株を生成した。Ps.KO酵素は、PCT/US2018/046359(2018年8月10日に出願されたPISUM SATIVUM KAURENE OXIDASE FOR HIGH EFFICIENCY PRODUCTION OF REBAUDIOSIDES)に記載されており、カウレンをカウレン酸に変換するのに非常に活性がある(図1)。したがって、第2のスクリーニング株は、KAHP450の基質であるカウレン酸への炭素フラックスが高くなる。
【0150】
これらの株及びそれらの改変誘導体(例えば、異なるGALプロモーター及び酵母ターミネーターを、ランディングパッド内で使用して、KAH遺伝子の発現を調整し得る)は、機能的KAH遺伝子を欠くReb M産生酵母と呼ばれる。
【0151】
実施例4:酵母の培養条件
予想されるKAH遺伝子を含むことが確認された酵母コロニーを、20g/Lのスクロース、37.5g/Lの硫酸アンモニウム、及び1g/Lのリジンを含む、バードシード培地(Bird Seed Media)(BSM、元々はvan Hoek et al.,Biotechnology and Bioengineering 68(5),2000,pp.517-523に記載)を含む96ウェルマイクロタイタープレートに拾い上げた。細胞を、培養物が炭素枯渇に達するまで、1000rpm及び湿度80%で、振とうする大容量マイクロタイタープレートインキュベーター内で30℃で、3日間培養した。増殖飽和培養物を、飽和培養物から14.4μLを取り出し、360μLの新鮮な培地に希釈することにより、40g/Lスクロース、150g/L硫酸アンモニウム、及び1g/Lリジンを含むBSMを含む新鮮なプレートに継代培養した。生産培地中の細胞は、抽出と分析の前に、高容量マイクロタイタープレートシェーカー内で1000rpm、湿度80%にて30℃でさらに3日間、培養した。
【0152】
実施例5:ステビオール配糖体の分析のための全細胞ブロスサンプル調製条件
細胞によって作製された全てのステビオール配糖体を抽出するために(図1を参照のこと)、培養が完了したら、細胞ブロス全体を、628μLの100%エタノールで希釈し、ホイルシールで密封し、1250rpmで30秒間振とうした。水(314μL)を各ウェルに直接加えて抽出液を希釈し、プレートを短時間遠心分離して、固形物をペレット化した。0.48mg/LのレバウディオサイドN(内部標準として使用)を含むエタノール:水混合物(50:50の198μL)を新しい250μLアッセイプレートに分注し、2μLの培養液/エタノール混合物をアッセイプレートに添加した。分析のためにホイルシールをプレートに適用した。
【0153】
実施例6:分析方法
酵母産生ステビオール配糖体(実施例5)に由来するサンプルを、C8カートリッジを有するRapicFare 365システムオートサンプラーを備えた質量分析計(Agilent 6470-QQQ)を使用して日常的に分析した。ステビオール配糖体とC2032+1Glcと略される望ましくない不純物をアッセイで測定した。
【表3】

【表4】
【0154】
質量分析計は、負イオン多重反応モニタリング(MRM)モードで操作された。各ステビオール配糖体は、前駆イオンの質量とMRM遷移から特定した(表4)。C19での不安定なカルボン酸エステル結合でのフラグメンテーションにより、位置異性体RebAとRebEとの間を区別できたが、この方法を使用すると、ルブソシドとステビオールビオシド(ステビオール+2Glc)またはステビオシドとReb B(ステビオール+3Glc)との間を区別できない。
【表5】
【0155】
質量分析計からのクロマトグラムからのピーク面積を使用して、真正標準を使用して検量線を作成した。関連する化合物のモル比は、真正の標準を使用した外部較正によって各化合物のモル数を定量化し、次に適切な比をとることによって決定された。C2032+1Glcの精製された真正の標準がないことに起因して、異なる酵母株におけるC2032+1Glcの相対的な生成は、対応するピーク面積のみから評価した。
【0156】
特定のステビオール配糖体を決定し、新しい副産物の存在を評価するために、選択されたサンプルはまた、Acquity UPLC BEH C18カラム(15cm、2.1mm、1.7μm、130Å;部品番号186002353)を備えたサーモフィッシャーサイエンティフィックバンキッシュ(Thermo Fisher Scientific Vanquish)UHPLCシステムで超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)を使用して分析した(表5)。二重検出を、Vanquish荷電エアロゾル検出器(CAD)(表6)とThermo Fisher Scientific Q-Exactive Orbitrap質量分析計(表7)を使用し、Restekバイナリ固定フロースプリッタを使用してポストカラムフロースプリット5:1(CADが5及びMSが1)で実行した。
【表6】

【表7】

【表8】

【表9】
【0157】
ピーク同一性は、真正の標準、分子イオン、及びMSフラグメンテーションパターンから決定された保持時間に基づいて、ステビオール配糖体及びC2032+1Glcに割り当てられた(表8)。
【表10】
【0158】
実施例7:Rubus occidentalis のKAHは、KAH活性を有する新規P450酵素である。
植物のRubus suavissimus(チャイニーズブラックベリーまたはチャイニーズスイートリーフとしても公知である)から以前に同定されたKAH酵素(Rs.KAH、配列番号3)を、関連する植物ブラックラズベリー(Rubus occidentalis)のゲノムを検索するためのクエリとして使用した。R.occidentalisの全ゲノムアセンブリは、(https://www.rosaceae.org/organism/Rubus/occidentalis)で公開されている。WebサイトのデフォルトのtBLASTn機能、及びクエリ配列としてRs.KAHアミノ酸配列を使用して、染色体3上の5つのエクソンによってコードされる推定KAHオルソログを特定した。推定Ro.KAHのタンパク質配列を、5つのエクソンのDNAコード配列を単一のタンパク質配列(配列番号1)に翻訳することによって推定した。推定上のRo.KAHタンパク質の酵母コドン最適化DNA配列(配列番号2)を生成し、対応する合成DNA配列をアセンブルした。
【0159】
酵母コドン最適化Ro.KAH遺伝子を、ランディングパッド内のプロモーター及び酵母ターミネーターDNA配列に対して40bpの隣接相同性を有するように設計されたプライマーを使用してPCR増幅した(図2を参照のこと)。これらのフランクを、宿主株の特定の遺伝子座でのランディングパッドへの相同組換えを促進するために、増幅された遺伝子の末端に追加した。実験対照として使用された追加の他のKAH遺伝子も、ランディングパッドに同じ40bpの隣接配列を含むプライマーで増幅した。各KAH遺伝子を、単一コピーとして上記のReb Mスクリーニング株に個別に形質転換し(実施例3)、インビボで発現された場合にステビオール配糖体を産生する能力についてスクリーニングした。実施例3に記載の宿主株は、KAH遺伝子を欠いているため、ステビオール配糖体を産生することができない。したがって、ステビオール配糖体を生成するためには、形質転換体に導入される遺伝子産物は、KAH活性を有しており、かつ宿主酵母のUGT遺伝子によるさらなるグリコシル化のためにカウレン酸をステビオールに変換できなければならない。
【0160】
宿主株におけるインビボのKAH活性を決定するために、株によって産生された全細胞ブロス中のステビオール配糖体を抽出し、質量分析によって測定した(実施例4~6)。全てのステビオール配糖体の合計を計算し(μM)、総ステビオール配糖体(TSG)として報告した。個々のKAHバリアントの活性は、特定のKAH酵素を含む株のTSG測定値を、野生型Rs.KAH酵素を含む株のTSG測定値に正規化することによって算出した。
【0161】
宿主株における推定Ro.KAH配列の過剰発現によって、この遺伝子のタンパク質産物がKAH活性をコードすることが確認された(図3)。予想どおり、KAH遺伝子を有さない宿主株は、ステビオール配糖体を全く生成しない。At.KAH(配列番号4)またはRs.KAH(配列番号3)をコードする以前に同定された遺伝子の発現は、ステビオール配糖体の産生をもたらした(図3)。このように測定されたRo.KAHの活性は、At.KAHまたはRs.KAHのいずれかのKAH活性よりも高かった(それぞれ4倍及び1.5倍高かった)。
【0162】
実施例8:部位特異的飽和突然変異誘発による野生型Ro.KAHの進化
この実施例において、活性データが、野生型Ro.KAH、及びReb Mを含むステビオール配糖体の産生のために S.cerevisiae宿主で発現された場合にRo.KAH活性を改善する特定の変異について提供される。
【0163】
Ro.KAHの各アミノ酸残基を、2セットのライブラリーを生成する縮重コドンを使用して変異した。縮重コドンは、VHGと組み合わせたNDT(最初のセット)またはNNY(2番目のセット)のいずれかで構成されており、ここで、Nは任意のヌクレオチドのアデニン、チミン、グアニン、及びシトシンを表す。Dは、アデニン、グアニン、及びチミンを表す。Tはチミンを表す。Vは、アデニン、シトシン、及びグアニンを表す。Hはアデニン、シトシン、及びチミンを表す。Gはグアニンを表す。そしてYはシトシン及びグアニンを表す。縮重コドンNDTは、12の異なるアミノ酸(R、N、D、C、G、H、I、L、F、S、Y、及びV)をコードするが、縮退コドンVHGは、9つの異なるアミノ酸(A、E、K、L、M、P、Q、T、及びV)を等しい割合でコードする。VHGとNDTを3:4の比率で混合すると、トリプトファンを除く全てのアミノ酸がほぼ等モル量で表される。縮重コドンNNYは、15の異なるアミノ酸(A、C、D、F、G、H、I、L、N、P、R、S、T、V、及びY)をコードする。各ライブラリーは、縮重コドンを導入するように設計されたプライマーを使用したPCRによって構築され、その結果、各PCR産物には、19(第1セット)または15(第2セット)の可能な異なるアミノ酸が単一のタンパク質残基に対応する特定の位置にコードされている遺伝子バリアントの混合物が含まれる。各PCR産物では、前の実施例で説明したように、Ro.KAH遺伝子バリアントのプールの両端に、宿主株のランディングパッドのプロモーター及びターミネーター領域に相同な40bpの配列が隣接している。
【0164】
Ro.KAHの単一アミノ酸での変化を表す各バリアントプールを、独立して宿主酵母に形質転換し、上記のようにKAH活性に対する変異の影響についてスクリーニングした。階層1のスクリーニングでは、スクリーニングする部位ごとに24のコロニーを選択した(これはライブラリーのサンプリング率のおよそ1.4倍に相当する)。野生型Ro.KAH配列(配列番号1)のあらゆるアミノ酸を、記載されているように突然変異誘発及びスクリーニングに供した。
【0165】
KAHによって生成されるステビオールの量は、全てのステビオール配糖体(総ステビオール配糖体、またはTSG(μM)を合計することによって推定される。特定の変異の影響は、変異体アミノ酸を含む株によって生成されたTSGを、野生型Ro.KAHタンパク質を含む株によって生成されたTSGと比較することによって算出した。インビボで酵素の活性を増大させたRo.KAHの変異を発見した際、上記と同じ計算を使用して、ステビオール産生の改善を確認するために、より高い複製(N≧8)で階層2スクリーニングを実行した。変異体によって生成されたステビオール配糖体の中央値が、野生型Ro.KAHタンパク質によって生成されたステビオール配糖体の中央値より少なくとも1標準偏差高い場合、変異はRo.KAH活性を改善すると見なされた。
【0166】
野生型酵素の活性よりも1標準偏差を超えてRo.KAH活性を改善した上記の2セットのライブラリーをスクリーニングすることにより、合計154個の固有の変異が見出された(図4)。表9に、野生型Ro.KAHに対する各変異の改善倍率の中央値を列挙する。野生型Sr.KAHの活性は、参照のために図4及び表9に含まれている。Ro.KAHの最上位の6つの変異体(S452D、I104A、V340S、F229Y、A297Y、A297F)は、野生型Sr.KAHよりも1標準偏差以上改善された活性を有することに注意のこと。
【表11-1】

【表11-2】

【表11-3】

【表11-4】
【0167】
実施例9:コンビナトリアル突然変異誘発によるRo.KAHの進化(完全な階乗様式で突然変異誘発の標的となる24アミノ酸残基)
2つの完全な階乗の組み合わせライブラリーを構築するために、実施例8に記載された独特の部位特異的飽和突然変異誘発ヒットから12個の突然変異の2つのセットを選択した。最初のコンビナトリアルライブラリーには、変異L54G、Y55P、F88R、I104A、K119S、T123D、P161D、T162A、S165D、M171F、T216A、K224Iが含まれ、第2のライブラリーには変異F229Y、L232Y、A236R、I284G、K291C、D293C、A297Y、F332L、S339A、V340A、S452D、L485Fを含んだ。これらのライブラリーは、12の変異の中で可能な全ての組み合わせを作成して、インビボでRo.KAHの最高の活性をもたらす組み合わせを見つけるように設計した。遺伝子は、所望の変異を含むPCR増幅フラグメントの混合物からアセンブルした。各フラグメントは、各断片の端に重複する相同性を含んでいたため、断片は順番に重複していた。PCRを使用してインビトロで全ての断片を組み立てると、全長KAH対立遺伝子が再構成された。末端の5’及び3’断片は、機能的なKAH遺伝子を欠くRebM産生酵母のランディングパッド配列のプロモーター及びターミネーターとも相同性があった。アセンブルされた全長ライブラリー遺伝子を酵母に形質転換した。
【0168】
階層1コンビナトリアルライブラリーDNAを、0.9倍の被覆率でReb M産生酵母においてスクリーニングした。特定の変異の組み合わせの効果を、複数の変異アミノ酸を含む株によって産生されたTSGを、上記のように野生型Ro.KAHタンパク質を含む株によって産生されたTSGと比較することによって算出した(実施例8)。コンビナトリアルライブラリースクリーニングから特定された56の最高性能のKAH対立遺伝子を、N=8の複製で階層2確認に昇格させた。これらのバリアントのほとんどは、野生型Ro.KAHと比較して少なくとも1.4倍高いTSGを生成し、最上位のバリアントは5.02倍改善された生成をもたらした(図5及び表10)。興味深いことに、改良されたバリアントのほとんどは、バリアントごとに2つまたは3つの変異しか含まず、5つのバリアントのみが4つの変異を含み、4つを超える変異を含む改良されたバリアントは特定されなかった(表10)。アミノ酸置換の最良の組み合わせは、F332LとS452Dの2つの変異のみで構成されていた。
【表12-1】

【表12-2】
【0169】
実施例10:カウレン酸に対するRo.KAH活性の副産物に由来する望ましくない不純物C2032+1Glcの同定
Ro.KAHを発現する酵母に由来するサンプルを、タンデムCAD及びOrbitrap-MS検出器を備えたUHPLCを使用して、図1に示されるReb M経路の一部ではない追加の代謝産物の産生について分析した(分析の詳細については、実施例6を参照のこと)。Ro.KAH、Sr.KAH、Rs.KAHを発現するか、またはKAHを発現しない株のCADクロマトグラムの比較により、Ro.KAHに固有の1つのピークを特定した(図6B)。高分解能イオン質量及びMS/MSフラグメンテーションパターンをさらに検査すると、目的のこのピークは、単一グリコシル化カウレン酸+酸素+水と一致する分子式C2642を有することが確認された(図6C及び6D)。CADクロマトグラムで同じ保持時間の小さなピークはまた、Rs.KAHを発現するRebM生成細胞でも検出可能であるが、MSの特性評価には存在量が少なすぎる。
【0170】
シトクロムP450スーパーファミリーの既知の反応性の範囲に基づいて、Ro.KAHは、カウレン酸を2つの生成物、ステビオールまたはエポキシドのいずれかに変換し得るようである(図6A)。次に、エポキシドは自発的にジオールに加水分解され、Reb M経路のグリコシルトランスフェラーゼの1つによってカルボキシレート部位(C19)でグリコシル化され、新しいピークで検出されたイオン質量と一致するグルコシル化ジオール生成物を生成し得る。カウレン酸コアにすでに存在する立体中心は、C2032+1Glcという名前のこのジオールに保存されている可能性があるが、C16での立体化学は、この研究で使用した方法を使用して決定することはできない。
【0171】
C16で定義されたS配置を有するC2032+1Glc(図6Aに示されるような構造)は、以前にいくつかの植物から単離されている。最も注目すべきは、C2032+1GlcがRs.KAHの供給源であるR.suavissimusの甘い葉の無味の副成分として同定され(Ohtani et al.,Phytochemistry 31(5),1992,pp.1553-1559)、suavioside E.と名付けられた。Stevia phlebophylla A.Grayは、メキシコの希少種であり、同じ化合物を生成するようであり(Ceunen et al.,Carbohydrate Research379,2013、pp.1-6)、ならびに アスター(Aster)属のいくつかの中国の薬用植物種(Cheng et al.,Phytochemistry33(5),1993,pp.1181-1183;Tan et al.、Journal of Natural Products 56(11),1993,pp.1917-1922;Tan et al.,Magnetic Resonance in Chemistry 33(9),1995,pp.749-754)及びクッソニア(Cussonia)属のアフリカの植物のいくつかの種(Harinantenaina et al.,Chemical & Pharmaceutical Bulletin 50(2),2002,pp.268-271;Harinantenaina et al.,Chemical & Pharmaceutical Bulletin 50(8),2002,pp.1122-1123;Harinantenaina et al.,Phytochemistry 61(4),2002,pp.367-372)も同様である。
【0172】
パニキュロシドIVと呼ばれる場合が多い、C16で定義されたR構成を有するC2032+1Glc(図6Aに示される構造)はまた、限定するものではないが、Cussonia種(Harinantenaina et al.,Chemical & Pharmaceutical Bulletin 50(2),2002,pp.268-271;Harinantenaina et al.,Chemical & Pharmaceutical Bulletin 50(8),2002,pp.1122-1123;Harinantenaina et al.,Phytochemistry 61(4),2002,pp.367-372),Pulicaria種(Darwish et al.,Alexandria Journal of Pharmaceutical Sciences 15(1),2001,pp.21-24;Rasool et al.,Natural Product Communications 3(2),2008,pp.141-144;Rasool et al.,Natural Product Communications 8(6),2013,pp.757-759)、Acanthopanax koreanum(Cai et al.,Archives of Pharmacal Research 26(9),2003,pp.731-734;Cai et al.,Phytotherapy Research 18(8),2004,pp.677-680)及び他のいくつかを含む多数の異なる植物からも単離された。
【0173】
上記の植物由来の天然物の以前の単離及び特徴付けの報告は、図6Aに示されるC2032+1Glcについて提案された構造の支持を提供するが、それを明確に確認しない。それにもかかわらず、C2032+1Glcの生成は、Ro.KAHの存在下でのみ、ステビオールに加えて副産物のこの酵素による形成を確認する。これには、改善された全体的な活性に加えて、改善された生成物特異性、すなわち、望ましくない副産物の絶対量及び相対量が減少したステビオールの形成の増加を伴うRo.KAH酵素バリアントの進化を必要とした。
【0174】
実施例11:46アミノ酸残基を標的とする部位特異的飽和突然変異誘発によるRo.KAHA297Y活性及び生成物特異性の改善
実施例10に記載されるように、Ro.KAHを発現する酵母は、Reb M及び他のマイナーなステビオールグリコシド(Reb M経路中間体として)だけでなく、約1対2(C2032+1Glc対RebM)のモル比で望ましくない副産物C2032+1Glcも産生する。したがって、Ro.KAHの活性と生成物特異性の両方の改善は、以下の実施例で説明するライブラリーで標的とされた。
【0175】
Ro.KAHの活性及び生成物特異性をさらに改善するために、別のラウンドの部位特異的飽和突然変異誘発を、実施例8に記載の最上位のSSMバリアントの1つに適用した(Ro.KAH A297Y)。選択した46個のアミノ酸のそれぞれ(F128、I129、I132、L136、L140、A141、T142、G143、L144、A145、N146、Y238、K241、I243、I273、I277、K328、L329、F330、Y331、F332、A333、G334、Q335、E336、T337、T338、A396、V397、I398、E399、L400、P401、P463、F464、G465、G466、G467、P468、R469、I470、I472、G473、Y506、I508、及びT509)を、Ro.KAH A297Y配列において、縮重コドンNNS(ここで、Nは任意のヌクレオチドアデニン、チミン、グアニン、及びシトシンを表し、Sはグアニン及びシトシンを表す)によってコードされる20の異なるアミノ酸(A、R、N、D、C、E、Q、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、及びV)に変異した。Ro.KAH A297Y遺伝子バリアントのNNSライブラリーを、実施例8に記載のように所望の位置にNNS縮重コドンを含むプライマーを使用するPCRによって構築し、機能的なKAH遺伝子を欠くRebM産生酵母を形質転換するために使用した。
【0176】
NNSライブラリー変異体のインビボKAH活性を、階層1スクリーニングで測定した。特定の変異(A297Yに加えて)の効果を、変異体株によって生成されたRebM力価を、野生型Ro.KAHタンパク質を含む株によって生成されたRebMと比較することによって算出した。Reb M経路の下流のグリコシルトランスフェラーゼの効率が高いので、Reb Mは、TSGの大部分を構成するが、他のステビオール配糖体はごく少量しか存在しない。KAHインビボ活性の尺度として相対RebM力価を使用すると、データ分析が簡素化され、相対TSG測定と同じランクのバリアントが生成される。NNSライブラリー変異体のインビボKAH生成物特異性も、副産物C2032+1GlcのMSクロマトグラムのピーク面積及びRebM(μM)の力価を使用して、野生型Ro.KAHと比較した階層1スクリーニングで測定された。生成物特異性の変化倍数を、野生型Ro.KAHと比較して変異体によって生成されたReb M(μM)と、野生型Ro.KAHと比較して変異体によって生成された副産物C2032+1Glcの比率を計算することによって推定した:
【数3】
【0177】
39個の分離株を、タンパク質配列の変異位置ごとにスクリーニングし、それぞれの固有のバリアントについて、N=1で約1.2倍の被覆率を与えた。インビボで酵素の活性と生成物特異性を増大させると思われるRo.KAHA297Yと組み合わせた変異を発見した際には、目的の特定の変異体を含む株のより高い複製(N=8)で階層2スクリーニングを実施し、上記の計算を使用した改善を確認した。NNS由来の変異体Ro.KAH対立遺伝子の、結果として生じる活性及び生成物特異性を、図7及び表11において野生型Ro.KAHに対する改善の倍数で報告する。
【表13】
【0178】
活性及び生成物特異性の両方において野生型Ro.KAHを超える改善をもたらす、A297Yと組み合わせた23の変異が同定された(改善されたバリアントのほとんどは、位置141、142、及び146のアミノ酸置換から生じる)。この部位特異的変異誘発NNSライブラリー(N146T/A297Y)からの最高の活性変異体は、野生型Ro.KAHと比較してインビボでのKAH活性の5.2倍の改善を提供する。最高の特異性変異体(N146W/A297Y)は、野生型Ro.KAHと比較してKAH生成物特異性を12.97倍改善する。興味深いことに、活性と特異性の両方で最も高い改善が見られたのは、同じ位置N146だが、アミノ酸置換が異なっていた(それぞれT及びW)変異誘発であった。
【0179】
実施例12:コンビナトリアル部位特異的飽和突然変異誘発によるRo.KAHA297Y活性及び生成物特異性の改善
Ro.KAHの活性及び生成物特異性をさらに改善するために、コンビナトリアル部位特異的飽和変異誘発を、実施例8に記載の最上位のSSMバリアントの1つ(Ro.KAH A297Y)に適用した。コンビナトリアル活性部位飽和試験(CAST;Reetz et al.,Angewandte Chemie International Edition English 44(27),2005,pp.4192-4196)としても公知のこのタイプの突然変異誘発では、空間的に近い2つのアミノ酸残基は同時に変異し、側鎖の配向から生じる潜在的な相乗効果を可能にする。したがって、Ro.KAH A297Y変異体の2つのアミノ酸残基が同時に変異した10個のライブラリーが作成された:F128及びF129、L144及びA145、A145及びN146、K328及びF332、F330及びG334、F332及びT337、A396及びV397、V397及びI398、R507及びI508、I508及びT509。各アミノ酸残基は、縮重コドンNDTによってコードされる12の異なるアミノ酸(R、N、D、C、G、H、I、L、F、S、Y、及びV)に変異した(ここで、Nはヌクレオチドアデニン、チミン、グアニン、及びシトシンを表し、Dはアデニン、グアニン、及びチミンを表し;Tはチミンを表す)。Ro.KAH A297Y遺伝子バリアントのNDTライブラリーを、実施例8に記載のように所望の位置にNDT縮重コドンを含むプライマーを使用するPCRによって構築し、機能的なKAH遺伝子を欠くRebM産生酵母を形質転換するために使用した。
【0180】
変異体のインビボKAH活性及び生成物特異性の変化を、実施例11に記載されるように測定した。39の分離株を、タンパク質配列の変異位置ごとにスクリーニングし、階層1の固有のバリアントごとにN=1で約2倍の被覆率とした。インビボでの酵素の活性及び生成物特異性を高めると思われたRo.KAHA297Yと組み合わせた変異が見つかった場合、階層2スクリーニングを、目的の特定の変異体を含む株のより高い複製(N=8)で実施して、改善を確認した。変異体Ro.KAH対立遺伝子の結果として生じる活性及び生成物特異性を、図8において野生型Ro.KAHに対する増加倍数で報告する。表12は、図8に示されるライブラリヒットのサブセット、具体的には、Ro.KAH A297Yに同時に導入された2つ(1つだけではない)のアミノ酸変化を有するものを列挙している。
【表14】
【0181】
野生型Ro.KAHと比較して生成物特異性が改善されたいくつかのバリアントが、このコンビナトリアルライブラリーから同定され、バリアントA145G/N146F/A297Yは、野生型Ro.KAHと比較して9.6倍の特異性改善をもたらした。特異性の改善は、全体的な活性を犠牲にするという犠牲を払ってもたらされた。親Ro.KAH A297Yと比較して2つのアミノ酸変化を有するバリアントはなく、単一のアミノ酸変化を有するほんの一握りだけが親酵素よりも優れた活性を有した。2つ以上のアミノ酸残基が同時に変異している場合、これは驚くべきことではない。
【0182】
実施例13:完全な部位特異的飽和突然変異誘発によるRo.KAH N146T/A297Yの進化
Ro.KAH N146T/A297Y(最上位の活性バリアント、実施例11)の活性をさらに改善するために、別のラウンドの部位特異的飽和変異誘発を適用して、カウレン酸をステビオールに変換する際にさらに高い活性を有する変異体バリアントを単離した(図1)。Ro.KAH N146T/A297Y配列の各アミノ酸残基は、縮重コドンNNTによってコードされる15の異なるアミノ酸(A、C、D、F、G、H、I、L、N、P、R、S [2つのコドンによってコードされる]、T、V、及びY)(ここで、Nは任意のヌクレオチドアデニン、チミン、グアニン、及びシトシンを表し、Tはチミンを表す)に変異した。Ro.KAH N146T/A297YのNDTライブラリーを、実施例8に記載のように所望の位置にNDT縮重コドンを含むプライマーを使用するPCRによって構築し、機能的なKAH遺伝子を欠くRebM産生酵母を形質転換するために使用した。
【0183】
Ro.KAH N146T/A297Y変異体の相対的なインビボKAH活性及び生成物特異性を、実施例11に記載されるように評価した 13の分離株を、タンパク質配列の変異位置ごとにスクリーニングし、階層1の固有のバリアントごとにN=1で約0.8倍の被覆率とした。インビボでの酵素の活性を高めると思われたRo.KAH N146T/A297Yにおいて変異が見つかった際、階層2スクリーニングを、目的の特定の変異体を含む株のより高い複製(N=8)で実施して、改善を確認した。階層2で確認された活性が改善されたバリアントを階層3検証に供し、そこでは変異体バリアントのDNA配列を、プロモーター及びターミネーター配列との相同性を含むプライマーを使用して、パフォーマンスが改善されたReb M産生株からPCR増幅し、これを使用して、KAH遺伝子を欠くRebM産生酵母を形質転換した。階層3は、酵母ゲノムの他の場所での意図しないランダムに導入された変異に起因して生じる階層1及び階層の偽陽性を排除する。NNT由来の変異体Ro.KAHN146T/A297Y対立遺伝子の結果として生じる活性及び生成物特異性を、表13においてRo.KAH N146T/A297Yに対する増加倍数で報告する。
【表15】
【0184】
Ro.KAH N146T/A297Yに対して1.18倍~1.25倍の範囲で、活性の改善をもたらす5つの変異が同定された。これらのうち4つは、Q84R/N146T/A297Y及びN146T/A297Y/G466Aの最上位2つのバリアントで、適度な特異性の改善をももたらし、1.2倍の特異性の改善がもたらされた。
【0185】
実施例14:完全な部位特異的飽和変異誘発によるRo.KAH N146W/A297Yの進化
Ro.KAH N146W/A297Y(最上位の特異性バリアント、実施例11)の活性をさらに改善するために、別のラウンドの部位特異的飽和変異誘発を適用して、カウレン酸をステビオールに変換する際にさらに高い活性を有する変異体バリアントを単離した(図1)。Ro.KAH N146W/A297Y配列の各アミノ酸残基を、実施例13に記載されているように、縮重コドンNNTによってコードされる15の異なるアミノ酸に変異させ、得られた変異体を、機能的なKAH遺伝子を欠くRebM産生酵母で試験した。
【0186】
Ro.KAH N146T/A297Y変異体の相対的な インビボ KAH活性及び生成物特異性を、実施例11に記載されるように評価した 実施例13に記載されているように、ライブラリー被覆率及び階層的スクリーニングを実施した。NNT由来の変異体Ro.KAH N146W/A297Y対立遺伝子の結果として生じる活性及び生成物特異性を、図9及び表14においてRo.KAH N146W/A297Yに対する増加倍数で報告する。
【表16】
【0187】
Ro.KAH N146W/A297Yの1.3倍~2.2倍の範囲の活性の改善をもたらす26の変異を同定した。同じ26の変異により、Ro.KAH N146W/A297Yよりも特異性が向上し、最上位のバリアントであるRo.KAH N146W/A297Y/S460Iでは、1.8倍の特異性の改善が生じた。
【0188】
実施例15:部位特異的変異誘発及び変異の統合によるRo.KAH N146T/A297Y/G466Aの進化
最上位のKAH活性を有する最上位の変異体バリアントの活性をさらに改善する試みにおいて、Ro.KAH N146T/A297Y/G466A(実施例13、表13)を、多くが以前の実施例において活性を改善することが示された68のアミノ酸を標的とするさらに別のラウンドの部位特異的飽和変異誘発に供した(W52、Q84、T123、I129、T142、T216、I265、K267、T283、F332、V340、S452、S457、S460、S505):W52、Q84、T123、I129、T142、R170、M171、L172、P173、S174、F175、H176、Q177、S178、C179、T180、T216、I265、N266、K267、E268、I269、K270、G271、L272、I273、I277、I278、K279、R280、E281、H282、T283、I284、K285、A286、G287、E288、F332、V340、Q409、L410、G411、K412、F413、S414、L415、P416、E417、G418、V419、E420、V421、R422、L423、P424、T425、L426、L427、I428、H429、H430、D431、K432、S452、S457、S460、S505)。Ro.KAH N146T/A297Y/G466A配列のこれらの68の各アミノ酸のそれぞれを、実施例13に記載されているように、縮重コドンNNTによってコードされる15の異なるアミノ酸に変異させ、得られた変異体を、機能的なKAH遺伝子を欠くRebM産生酵母で試験した。Ro.KAH N146T/A297Y変異体の相対的なインビボKAH活性及び生成物特異性を、実施例11に記載されるように評価した。ライブラリー被覆率及び階層的スクリーニングは、実施例13に記載されているとおりであった。
【0189】
このスクリーニングで識別されたヒットはごくわずかであり、これらでさえ、わずかな活動の改善しかなかった。したがって、新しい最上位の活性ヒットRo.KAH T142G/N146T/A297Y/G466Aは、ライブラリーの親であるRo.KAH N146T/A297Y/G466Aよりも10%未満だけ多くのReb Mを生成した(表15)。興味深いことに、Ro.KAH T142G/N146T/A297Y/G466Aバリアントが、このセットでも最高の生成物特異性を示した:ライブラリーの親よりも1.7倍改善した。特定の変異T142Gはまた、初期のラウンドの操作で活性及び生成物特異性の両方に有益であり、その後の操作のラウンドごとに活性の改善が減少したことも確認された。Ro.KAHA297Yでは4倍超(実施例11、表11)、及びRo.KAH N146W/A297Yでは40%(実施例14、表14)。
【0190】
変異体T142Gが他のバックグラウンドで有益であるか否かを調査するために、それを、他の最上位の有益な変異であるW52T及びG466Aと組み合わせて試験した。簡単に説明すると、バリアントRo.KAH W52T/T142G/N146T/A297Y及びRo.KAH W52T/T142G/N146T/A297Y/G466Aの遺伝子配列を、所望の変異を含むPCR増幅フラグメントの混合物からアセンブルした。各フラグメントは、各断片の端に重複する相同性を含んでいたため、この断片は配列中で重複していた。PCRを使用してインビトロで全ての断片をアセンブルすると、全長KAH対立遺伝子が再構成された。末端の5’及び3’断片は、ランディングパッド配列のプロモーター及びターミネーターとも相同性があった。アセンブルされた全長遺伝子を、機能的なKAH遺伝子を欠くReb M産生酵母に形質転換し、それらの相対インビボKAH活性及び生成物特異性を、実施例11に記載されるように評価した。結果として得られたRo.KAHバリアントの活性及び生成物特異性を、表15においてRo.KAH N146T/A297Y/G466Aに対する増加倍数として報告する。
【表17】
【0191】
Ro.KAHの新しい4倍及び5倍突然変異体について、三重変異体Ro.KAH N146T/A297Y/G466Aに対する劇的な改善は検出されなかった。後続の操作のラウンドごとに回収が減少するため、極小値に達した可能性がある。興味深いことに、Ro.KAH W52T/N146T/A297Y配列にT142G変異のみを組み込むと、活性は低下したが、生成物特異性は向上し、T142GとG466Aを組み込むと、活性と特異性の両方が向上した(表15)。
【0192】
実施例16:Ro.KAHバリアントのインビボ活性を改善するためのN末端ドメインスワップ
この実施例は、改善された活性を示す置換されたN末端ドメインを有する修飾カウレン酸ヒドロキシラーゼポリペプチドを提供する。
【0193】
カウレン酸ヒドロキシラーゼは、シトクロムP450酵素である。ほとんどの真核生物のP450は、膜結合タンパク質であり、膜会合型シトクロムP450酵素の高レベルドメイン構造は高度に保存されている。植物のシトクロムP450酵素は、膜標的化を媒介する約30~50アミノ酸のN末端ポリペプチド鎖とともに小胞体(ER)に組み込まれている。P450酵素の触媒ドメインは、小胞体の細胞質側に面している。Sr.KAHのER関連N末端を、他のN末端膜貫通ドメイン、例えば、Artemisia annua(Aa.CPR)のシトクロムP450レダクターゼ(CPR)のドメインと交換すると、KAH酵素活性が向上することが実証された。PCT/US2019/056153を参照のこと。以下に説明するように、同様のアプローチをRo.KAHバリアントに対して試験した。
【0194】
Ro.KAHの膜貫通ドメインを、TMHMMサーバー(http://www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM/で入手可能)を使用して予測した。次に、それをAa.CPRの最初の66アミノ酸(配列番号22)で置き換えた。これらの短縮のN末端に融合したAa.CPRの配列を一定に保ちながら、異なる長さの短縮(Ro.KAHのN末端から23~50アミノ酸を除去)を調べた。キメラタンパク質の遺伝子配列を、重複する相同性を含むAa.CPR及びRo.KAHバリアントのPCR増幅フラグメントの混合物からアセンブルし、機能的なKAH遺伝子を欠くRebM産生酵母に形質転換した。キメラタンパク質のインビボKAH活性を、実施例11に記載されているように評価して、ドメインスワップなしの対応するRo.KAHバリアントに対するRebM力価の増大倍数として表16に報告する。Ro.KAHの最初の25アミノ酸を短縮すると、試験した各バリアントのN末端融合の活性が最も高くなることが確立された。したがって、これらのキメラのデータのみを表16に示す。
【表18】
【0195】
試験された全てのRo.KAH変異体について、Aa.CPRとのN末端ドメインスワップは、KAH活性の10~17%の改善を伴うRo.KAHバリアントをもたらした。キメラタンパク質の生成物プロファイル(RebM及びC20H32O4+1Glcの相対力価)は、N末端ドメインスワップによって変化しなかった(データは示していない)。副産物への分配は、膜標的ドメインではなく、P450の触媒ドメインのアミノ酸によって決定される可能性が高いため、これは予想される。控えめではあるが、N末端ドメインスワップに起因するKAH活性の増加は、Ro.KAH配列内の点変異に起因する活性の改善と相加的であり、活性を改善するためのさらに別の手段を提供する。
【0196】
本明細書で引用された全ての刊行物、特許及び特許出願は、各々の個々の刊行物または特許出願が明確に及び個々に示され、参照により援用されているかのように、参照により本明細書に援用される。理解の明瞭化ために図示及び実施例を用いてある程度詳しく前述の発明を記載しているが、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、特定の範囲及び改変をそれに対してなし得ることが、当業者には容易に明らかであろう。
配列の付表
配列番号1:Ro.KAHアミノ酸配列
MEVTVGSWVALSLVFVSIIVGWAWSVLDWVWLKPKKLERCLREQGLKGNSYWFLYGDMKENSILLKQAKSKPMNLSTSHDIAPQVIPFVDQTVKVYGKNSFDWIGPIPRVNIMNPEELKDVFTKYDDFIKPISNPLFKLLATGLANYEGEKWAKHRRIINPTFHSEKLKRMLPSFHQSCTEMIKEWESLVSKEGSSCELDVWPFLENMTADVISRTAFGTSYKKGRKIFELLREQAIYATKAIQSFYIPGWRFLPTKMNKRMKEINKEIKGLIKGIIIKREHTIKAGEETKDDLLGALMESNLKDIREHGKNNKNFGMSIEDVIEECKLFYFAGQETTSVLLVWTMVLLGQNQNWQDRARQEILQVFGSNKPDFDGLTHLKVVTMILLEVLRLYPAVIELPRTIHKKTQLGKFSLPEGVEVRLPTLLIHHDKELWGDDANEFKPERFSEGVSKATKSRLSFFPFGGGPRICIGQNFAMMEAKLALVLILQHFTFELSPSYAHAPSYRITLQPQYGVPIILHRR
配列番号2:Ro.KAHコード核酸配列
ATGGAAGTAACCGTTGGATCTTGGGTAGCTTTGTCCTTAGTCTTCGTTTCTATTATCGTCGGTTGGGCTTGGTCCGTTTTAGATTGGGTCTGGTTGAAACCAAAGAAGTTAGAAAGATGTTTGAGAGAACAAGGTTTAAAGGGTAACTCTTACTGGTTCTTGTATGGTGACATGAAAGAGAACTCTATTTTGTTGAAGCAAGCTAAGTCTAAGCCAATGAACTTATCTACCTCTCACGACATCGCCCCACAAGTTATTCCATTTGTCGACCAAACTGTCAAGGTCTACGGTAAGAACTCTTTCGATTGGATCGGTCCTATTCCAAGAGTCAATATCATGAACCCAGAAGAATTGAAGGATGTTTTCACCAAGTACGATGACTTCATCAAGCCAATTTCTAACCCTTTGTTCAAGTTGTTGGCTACCGGTTTGGCTAATTACGAAGGTGAGAAGTGGGCTAAGCACAGACGTATTATCAACCCAACTTTCCATTCTGAGAAGTTGAAAAGAATGTTGCCATCCTTCCACCAATCTTGTACTGAAATGATCAAGGAATGGGAATCTTTGGTTTCTAAGGAAGGTTCTTCTTGTGAGTTAGACGTCTGGCCATTCTTAGAAAACATGACCGCTGACGTTATTTCTAGAACTGCTTTCGGTACTTCTTACAAGAAGGGTAGAAAGATTTTCGAATTGTTGAGAGAACAAGCTATTTACGCCACCAAGGCTATCCAATCTTTTTACATTCCAGGTTGGCGTTTTTTGCCTACTAAAATGAACAAGAGAATGAAGGAAATCAACAAGGAGATCAAGGGTTTGATTAAGGGTATCATCATCAAAAGAGAACACACTATCAAGGCTGGTGAAGAAACTAAGGATGACTTGTTAGGTGCTTTGATGGAATCTAACTTGAAGGACATTAGAGAACACGGTAAGAACAACAAGAACTTCGGTATGTCTATCGAAGACGTTATCGAAGAGTGTAAGTTGTTCTACTTTGCTGGTCAAGAAACTACTTCTGTTTTGTTAGTTTGGACCATGGTTTTGTTGGGTCAAAATCAAAACTGGCAAGATAGAGCTAGACAAGAAATCTTGCAAGTTTTTGGTTCTAATAAGCCAGACTTCGATGGTTTGACTCACTTGAAAGTTGTCACCATGATTTTATTGGAAGTCTTGAGATTGTACCCAGCTGTTATCGAATTGCCAAGAACCATTCACAAGAAGACTCAATTGGGTAAATTCTCTTTACCTGAAGGTGTTGAAGTTAGATTGCCAACTTTGTTAATCCACCATGATAAGGAATTGTGGGGTGATGACGCTAACGAATTCAAGCCAGAACGTTTCTCTGAAGGTGTTTCTAAGGCTACCAAATCCAGATTGTCCTTTTTTCCTTTCGGTGGTGGTCCTAGAATCTGTATTGGTCAAAACTTTGCTATGATGGAAGCTAAATTGGCTTTGGTTTTGATTTTGCAACACTTCACTTTCGAATTGTCCCCTTCCTACGCCCATGCTCCATCCTACAGAATTACCTTACAACCTCAATATGGTGTCCCTATTATCTTGCACCGTCGTTA
配列番号3:Rs.KAH
MEVTVASSVALSLVFISIVVRWAWSVVNWVWFKPKKLERFLREQGLKGNSYRFLYGDMKENSILLKQARSKPMNLSTSHDIAPQVTPFVDQTVKAYGKNSFNWVGPIPRVNIMNPEDLKDVLTKNVDFVKPISNPLIKLLATGIAIYEGEKWTKHRRIINPTFHSERLKRMLPSFHQSCNEMVKEWESLVSKEGSSCELDVWPFLENMSADVISRTAFGTSYKKGQKIFELLREQVIYVTKGFQSFYIPGWRFLPTKMNKRMNEINEEIKGLIRGIIIDREQIIKAGEETNDDLLGALMESNLKDIREHGKNNKNVGMSIEDVIQECKLFYFAGQETTSVLLAWTMVLLGQNQNWQDRARQEVLQVFGSSKPDFDGLAHLKVVTMILLEVLRLYPPVIELIRTIHKKTQLGKLSLPEGVEVRLPTLLIHHDKELWGDDANQFNPERFSEGVSKATKNRLSFFPFGAGPRICIGQNFSMMEAKLALALILQHFTFELSPSHAHAPSHRITLQPQYGVRIILHRR
配列番号4:At.KAH
MESLVVHTVNAIWCIVIVGIFSVGYHVYGRAVVEQWRMRRSLKLQGVKGPPPSIFNGNVSEMQRIQSEAKHCSGDNIISHDYSSSLFPHFDHWRKQYGRIYTYSTGLKQHLYINHPEMVKELSQTNTLNLGRITHITKRLNPILGNGIITSNGPHWAHQRRIIAYEFTHDKIKGMVGLMVESAMPMLNKWEEMVKRGGEMGCDIRVDEDLKDVSADVIAKACFGSSFSKGKAIFSMIRDLLTAITKRSVLFRFNGFTDMVFGSKKHGDVDIDALEMELESSIWETVKEREIECKDTHKKDLMQLILEGAMRSCDGNLWDKSAYRRFVVDNCKSIYFAGHDSTAVSVSWCLMLLALNPSWQVKIRDEILSSCKNGIPDAESIPNLKTVTMVIQETMRLYPPAPIVGREASKDIRLGDLVVPKGVCIWTLIPALHRDPEIWGPDANDFKPERFSEGISKACKYPQSYIPFGLGPRTCVGKNFGMMEVKVLVSLIVSKFSFTLSPTYQHSPSHKLLVEPQHGVVIRVV
配列番号5:Sr.KAH(野性型Stevia rebaudianaカウレン酸ヒドロキシラーゼ)
MEASYLYISILLLLASYLFTTQLRRKSANLPPTVFPSIPIIGHLYLLKKPLYRTLAKIAAKYGPILQLQLGYRRVLVISSPSAAEECFTNNDVIFANRPKTLFGKIVGGTSLGSLSYGDQWRNLRRVASIEILSVHRLNEFHDIRVDENRLLIRKLRSSSSPVTLITVFYALTLNVIMRMISGKRYFDSGDRELEEEGKRFREILDETLLLAGASNVGDYLPILNWLGVKSLEKKLIALQKKRDDFFQGLIEQVRKSRGAKVGKGRKTMIELLLSLQESEPEYYTDAMIRSFVLGLLAAGSDTSAGTMEWAMSLLVNHPHVLKKAQAEIDRVIGNNRLIDESDIGNIPYIGCIINETLRLYPAGPLLFPHESSADCVISGYNIPRGTMLIVNQWAIHHDPKVWDDPETFKPERFQGLEGTRDGFKLMPFGSGRRGCPGEGLAIRLLGMTLGSVIQCFDWERVGDEMVDMTEGLGVTLPKAVPLVAKCKPRSEMTNLLSEL
配列番号6:Sr.KO
MDAVTGLLTVPATAITIGGTAVALAVALIFWYLKSYTSARRSQSNHLPRVPEVPGVPLLGNLLQLKEKKPYMTFTRWAATYGPIYSIKTGATSMVVVSSNEIAKEALVTRFQSISTRNLSKALKVLTADKTMVAMSDYDDYHKTVKRHILTAVLGPNAQKKHRIHRDIMMDNISTQLHEFVKNNPEQEEVDLRKIFQSELFGLAMRQALGKDVESLYVEDLKITMNRDEIFQVLVVDPMMGAIDVDWRDFFPYLKWVPNKKFENTIQQMYIRREAVMKSLIKEHKKRIASGEKLNSYIDYLLSEAQTLTDQQLLMSLWEPIIESSDTTMVTTEWAMYELAKNPKLQDRLYRDIKSVCGSEKITEEHLSQLPYITAIFHETLRRHSPVPIIPLRHVHEDTVLGGYHVPAGTELAVNIYGCNMDKNVWENPEEWNPERFMKENETIDFQKTMAFGGGKRVCAGSLQALLTASIGIGRMVQEFEWKLKDMTQEEVNTIGLTTQMLRPLRAIIKPRI
配列番号7:Bt.GGPPS
MLTSSKSIESFPKNVQPYGKHYQNGLEPVGKSQEDILLEPFHYLCSNPGKDVRTKMIEAFNAWLKVPKDDLIVITRVIEMLHSASLLIDDVEDDSVLRRGVPAAHHIYGTPQTINCANYVYFLALKEIAKLNKPNMITIYTDELINLHRGQGMELFWRDTLTCPTEKEFLDMVNDKTGGLLRLAVKLMQEASQSGTDYTGLVSKIGIHFQVRDDYMNLQSKNYADNKGFCEDLTEGKFSFPIIHSIRSDPSNRQLLNILKQRSSSIELKQFALQLLENTNTFQYCRDFLRVLEKEAREEIKLLGGNIMLEKIMDVLSVNE
配列番号8:Ent-Os.CDPS
MEHARPPQGGDDDVAASTSELPYMIESIKSKLRAARNSLGETTVSAYDTAWIALVNRLDGGGERSPQFPEAIDWIARNQLPDGSWGDAGMFIVQDRLINTLGCVVALATWGVHEEQRARGLAYIQDNLWRLGEDDEEWMMVGFEITFPVLLEKAKNLGLDINYDDPALQDIYAKRQLKLAKIPREALHARPTTLLHSLEGMENLDWERLLQFKCPAGSLHSSPAASAYALSETGDKELLEYLETAINNFDGGAPCTYPVDNFDRLWSVDRLRRLGISRYFTSEIEEYLEYAYRHLSPDGMSYGGLCPVKDIDDTAMAFRLLRLHGYNVSSSVFNHFEKDGEYFCFAGQSSQSLTAMYNSYRASQIVFPGDDDGLEQLRAYCRAFLEERRATGNLRDKWVIANGLPSEVEYALDFPWKASLPRVETRVYLEQYGASEDAWIGKGLYRMTLVNNDLYLEAAKADFTNFQRLSRLEWLSLKRWYIRNNLQAHGVTEQSVLRAYFLAAANIFEPNRAAERLGWARTAILAEAIASHLRQYSANGAADGMTERLISGLASHDWDWRESNDSAARSLLYALDELIDLHAFGNASDSLREAWKQWLMSWTNESQGSTGGDTALLLVRTIEICSGRHGSAEQSLKNSEDYARLEQIASSMCSKLATKILAQNGGSMDNVEGIDQEVDVEMKELIQRVYGSSSNDVSSVTRQTFLDVVKSFCYVAHCSPETIDGHISKVLFEDVN
配列番号9:Ent-Pg.KS
MKREQYTILNEKESMAEELILRIKRMFSEIENTQTSASAYDTAWVAMVPSLDSSQQPQFPQCLSWIIDNQLLDGSWGIPYLIIKDRLCHTLACVIALRKWNAGNQNVETGLRFLRENIEGIVHEDEYTPIGFQIIFPAMLEEARGLGLELPYDLTPIKLMLTHREKIMKGKAIDHMHEYDSSLIYTVEGIHKIVDWNKVLKHQNKDGSLFNSPSATACALMHTRKSNCLEYLSSMLQKLGNGVPSVYPINLYARISMIDRLQRLGLARHFRNEIIHALDDIYRYWMQRETSREGKSLTPDIVSTSIAFMLLRLHGYDVPADVFCCYDLHSIEQSGEAVTAMLSLYRASQIMFPGETILEEIKTVSRKYLDKRKENGGIYDHNIVMKDLRGEVEYALSVPWYASLERIENRRYIDQYGVNDTWIAKTSYKIPCISNDLFLALAKQDYNICQAIQQKELRELERWFADNKFSHLNFARQKLIYCYFSAAATLFSPELSAARVVWAKNGVITTVVDDFFDVGGSSEEIHSFVEAVRVWDEAATDGLSENVQILFSALYNTVDEIVQQAFVFQGRDISIHLREIWYRLVNSMMTEAQWARTHCLPSMHEYMENAEPSIALEPIVLSSLYFVGPKLSEEIICHPEYYNLMHLLNICGRLLNDIQGCKREAHQGKLNSVTLYMEENSGTTMEDAIVYLRKTIDESRQLLLKEVLRPSIVPRECKQLHWNMMRILQLFYLKNDGFTSPTEMLGYVNAVIVDPIL
配列番号10:Ps.KO
MDTLTLSLGFLSLFLFLFLLKRSTHKHSKLSHVPVVPGLPVIGNLLQLKEKKPHKTFTKMAQKYGPIFSIKAGSSKIIVLNTAHLAKEAMVTRYSSISKRKLSTALTILTSDKCMVAMSDYNDFHKMVKKHILASVLGANAQKRLRFHREVMMENMSSKFNEHVKTLSDSAVDFRKIFVSELFGLALKQALGSDIESIYVEGLTATLSREDLYNTLVVDFMEGAIEVDWRDFFPYLKWIPNKSFEKKIRRVDRQRKIIMKALINEQKKRLTSGKELDCYYDYLVSEAKEVTEEQMIMLLWEPIIETSDTTLVTTEWAMYELAKDKNRQDRLYEELLNVCGHEKVTDEELSKLPYLGAVFHETLRKHSPVPIVPLRYVDEDTELGGYHIPAGSEIAINIYGCNMDSNLWENPDQWIPERFLDEKYAQADLYKTMAFGGGKRVCAGSLQAMLIACTAIGRLVQEFEWELGHGEEENVDTMGLTTHRLHPLQVKLKPRNRIY
配列番号11:At.CPR
MSSSSSSSTSMIDLMAAIIKGEPVIVSDPANASAYESVAAELSSMLIENRQFAMIVTTSIAVLIGCIVMLVWRRSGSGNSKRVEPLKPLVIKPREEEIDDGRKKVTIFFGTQTGTAEGFAKALGEEAKARYEKTRFKIVDLDDYAADDDEYEEKLKKEDVAFFFLATYGDGEPTDNAARFYKWFTEGNDRGEWLKNLKYGVFGLGNRQYEHFNKVAKVVDDILVEQGAQRLVQVGLGDDDQCIEDDFTAWREALWPELDTILREEGDTAVATPYTAAVLEYRVSIHDSEDAKFNDINMANGNGYTVFDAQHPYKANVAVKRELHTPESDRSCIHLEFDIAGSGLTYETGDHVGVLCDNLSETVDEALRLLDMSPDTYFSLHAEKEDGTPISSSLPPPFPPCNLRTALTRYACLLSSPKKSALVALAAHASDPTEAERLKHLASPAGKDEYSKWVVESQRSLLEVMAEFPSAKPPLGVFFAGVAPRLQPRFYSISSSPKIAETRIHVTCALVYEKMPTGRIHKGVCSTWMKNAVPYEKSENCSSAPIFVRQSNFKLPSDSKVPIIMIGPGTGLAPFRGFLQERLALVESGVELGPSVLFFGCRNRRMDFIYEEELQRFVESGALAELSVAFSREGPTKEYVQHKMMDKASDIWNMISQGAYLYVCGDAKGMARDVHRSLHTIAQEQGSMDSTKAEGFVKNLQTSGRYLRDVW
配列番号12:UGT85C2
MDAMATTEKKPHVIFIPFPAQSHIKAMLKLAQLLHHKGLQITFVNTDFIHNQFLESSGPHCLDGAPGFRFETIPDGVSHSPEASIPIRESLLRSIETNFLDRFIDLVTKLPDPPTCIISDGFLSVFTIDAAKKLGIPVMMYWTLAACGFMGFYHIHSLIEKGFAPLKDASYLTNGYLDTVIDWVPGMEGIRLKDFPLDWSTDLNDKVLMFTTEAPQRSHKVSHHIFHTFDELEPSIIKTLSLRYNHIYTIGPLQLLLDQIPEEKKQTGITSLHGYSLVKEEPECFQWLQSKEPNSVVYVNFGSTTVMSLEDMTEFGWGLANSNHYFLWIIRSNLVIGENAVLPPELEEHIKKRGFIASWCSQEKVLKHPSVGGFLTHCGWGSTIESLSAGVPMICWPYSWDQLTNCRYICKEWEVGLEMGTKVKRDEVKRLVQELMGEGGHKMRNKAKDWKEKARIAIAPNGSSSLNIDKMVKEITVLARN
配列番号13:UGT74G1
MAEQQKIKKSPHVLLIPFPLQGHINPFIQFGKRLISKGVKTTLVTTIHTLNSTLNHSNTTTTSIEIQAISDGCDEGGFMSAGESYLETFKQVGSKSLADLIKKLQSEGTTIDAIIYDSMTEWVLDVAIEFGIDGGSFFTQACVVNSLYYHVHKGLISLPLGETVSVPGFPVLQRWETPLILQNHEQIQSPWSQMLFGQFANIDQARWVFTNSFYKLEEEVIEWTRKIWNLKVIGPTLPSMYLDKRLDDDKDNGFNLYKANHHECMNWLDDKPKESVVYVAFGSLVKHGPEQVEEITRALIDSDVNFLWVIKHKEEGKLPENLSEVIKTGKGLIVAWCKQLDVLAHESVGCFVTHCGFNSTLEAISLGVPVVAMPQFSDQTTNAKLLDEILGVGVRVKADENGIVRRGNLASCIKMIMEEERGVIIRKNAVKWKDLAKVAVHEGGSSDNDIVEFVSELIKA
配列番号14:UGT91D様3
MYNVTYHQNSKAMATSDSIVDDRKQLHVATFPWLAFGHILPYLQLSKLIAEKGHKVSFLSTTRNIQRLSSHISPLINVVQLTLPRVQELPEDAEATTDVHPEDIPYLKKASDGLQPEVTRFLEQHSPDWIIYDYTHYWLPSIAASLGISRAHFSVTTPWAIAYMGPSADAMINGSDGRTTVEDLTTPPKWFPFPTKVCWRKHDLARLVPYKAPGISDGYRMGLVLKGSDCLLSKCYHEFGTQWLPLLETLHQVPVVPVGLLPPEIPGDEKDETWVSIKKWLDGKQKGSVVYVALGSEVLVSQTEVVELALGLELSGLPFVWAYRKPKGPAKSDSVELPDGFVERTRDRGLVWTSWAPQLRILSHESVCGFLTHCGSGSIVEGLMFGHPLIMLPIFGDQPLNARLLEDKQVGIEIPRNEEDGCLTKESVARSLRSVVVEKEGEIYKANARELSKIYNDTKVEKEYVSQFVDYLEKNARAVAIDHES
配列番号15:UGT76G1
MENKTETTVRRRRRIILFPVPFQGHINPILQLANVLYSKGFSITIFHTNFNKPKTSNYPHFTFRFILDNDPQDERISNLPTHGPLAGMRIPIINEHGADELRRELELLMLASEEDEEVSCLITDALWYFAQSVADSLNLRRLVLMTSSLFNFHAHVSLPQFDELGYLDPDDKTRLEEQASGFPMLKVKDIKSAYSNWQILKEILGKMIKQTKASSGVIWNSFKELEESELETVIREIPAPSFLIPLPKHLTASSSSLLDHDRTVFQWLDQQPPSSVLYVSFGSTSEVDEKDFLEIARGLVDSKQSFLWVVRPGFVKGSTWVEPLPDGFLGERGRIVKWVPQQEVLAHGAIGAFWTHSGWNSTLESVCEGVPMIFSDFGLDQPLNARYMSDVLKVGVYLENGWERGEIANAIRRVMVDEEGEYIRQNARVLKQKADVSLMKGGSSYESLESLVSYISSL
配列番号16:UGT40087
MDASDSSPLHIVIFPWLAFGHMLASLELAERLAARGHRVSFVSTPRNISRLRPVPPALAPLIDFVALPLPRVDGLPDGAEATSDIPPGKTELHLKALDGLAAPFAAFLDAACADGSTNKVDWLFLDNFQYWAAAAAADHKIPCALNLTFAASTSAEYGVPRVEPPVDGSTASILQRFVLTLEKCQFVIQRACFELEPEPLPLLSDIFGKPVIPYGLVPPCPPAEGHKREHGNAALSWLDKQQPESVLFIALGSEPPVTVEQLHEIALGLELAGTTFLWALKKPNGLLLEADGDILPPGFEERTRDRGLVAMGWVPQPIILAHSSVGAFLTHGGWASTIEGVMSGHPMLFLTFLDEQRINAQLIERKKAGLRVPRREKDGSYDRQGIAGAIRAVMCEEESKSVFAANAKKMQEIVSDRNCQEKYIDELIQRLGSFEK
配列番号17:Aa.CPR(1a:66a)-Ro.KAH N146T/A297Y/G466A(26a:523a)
MQSTTSVKLSPFDLMTALLNGKVSFDTSNTSDTNIPLAVFMENRELLMILTTSVAVLIGCVVVLVWVLDWVWLKPKKLERCLREQGLKGNSYWFLYGDMKENSILLKQAKSKPMNLSTSHDIAPQVIPFVDQTVKVYGKNSFDWIGPIPRVNIMNPEELKDVFTKYDDFIKPISNPLFKLLATGLATYEGEKWAKHRRIINPTFHSEKLKRMLPSFHQSCTEMIKEWESLVSKEGSSCELDVWPFLENMTADVISRTAFGTSYKKGRKIFELLREQAIYATKAIQSFYIPGWRFLPTKMNKRMKEINKEIKGLIKGIIIKREHTIKAGEETKDDLLGYLMESNLKDIREHGKNNKNFGMSIEDVIEECKLFYFAGQETTSVLLVWTMVLLGQNQNWQDRARQEILQVFGSNKPDFDGLTHLKVVTMILLEVLRLYPAVIELPRTIHKKTQLGKFSLPEGVEVRLPTLLIHHDKELWGDDANEFKPERFSEGVSKATKSRLSFFPFGAGPRICIGQNFAMMEAKLALVLILQHFTFELSPSYAHAPSYRITLQPQYGVPIILHRR
配列番号18:Aa.CPR(1a:66a)-Ro.KAH W52T/N146T/A297Y(26a:523a)
MQSTTSVKLSPFDLMTALLNGKVSFDTSNTSDTNIPLAVFMENRELLMILTTSVAVLIGCVVVLVWVLDWVWLKPKKLERCLREQGLKGNSYTFLYGDMKENSILLKQAKSKPMNLSTSHDIAPQVIPFVDQTVKVYGKNSFDWIGPIPRVNIMNPEELKDVFTKYDDFIKPISNPLFKLLATGLATYEGEKWAKHRRIINPTFHSEKLKRMLPSFHQSCTEMIKEWESLVSKEGSSCELDVWPFLENMTADVISRTAFGTSYKKGRKIFELLREQAIYATKAIQSFYIPGWRFLPTKMNKRMKEINKEIKGLIKGIIIKREHTIKAGEETKDDLLGYLMESNLKDIREHGKNNKNFGMSIEDVIEECKLFYFAGQETTSVLLVWTMVLLGQNQNWQDRARQEILQVFGSNKPDFDGLTHLKVVTMILLEVLRLYPAVIELPRTIHKKTQLGKFSLPEGVEVRLPTLLIHHDKELWGDDANEFKPERFSEGVSKATKSRLSFFPFGGGPRICIGQNFAMMEAKLALVLILQHFTFELSPSYAHAPSYRITLQPQYGVPIILHRR
配列番号19:Aa.CPR(1a:66a)-Ro.KAH T142G/N146T/A297Y/G466A(26a:523a)
MQSTTSVKLSPFDLMTALLNGKVSFDTSNTSDTNIPLAVFMENRELLMILTTSVAVLIGCVVVLVWVLDWVWLKPKKLERCLREQGLKGNSYWFLYGDMKENSILLKQAKSKPMNLSTSHDIAPQVIPFVDQTVKVYGKNSFDWIGPIPRVNIMNPEELKDVFTKYDDFIKPISNPLFKLLAGGLATYEGEKWAKHRRIINPTFHSEKLKRMLPSFHQSCTEMIKEWESLVSKEGSSCELDVWPFLENMTADVISRTAFGTSYKKGRKIFELLREQAIYATKAIQSFYIPGWRFLPTKMNKRMKEINKEIKGLIKGIIIKREHTIKAGEETKDDLLGYLMESNLKDIREHGKNNKNFGMSIEDVIEECKLFYFAGQETTSVLLVWTMVLLGQNQNWQDRARQEILQVFGSNKPDFDGLTHLKVVTMILLEVLRLYPAVIELPRTIHKKTQLGKFSLPEGVEVRLPTLLIHHDKELWGDDANEFKPERFSEGVSKATKSRLSFFPFGAGPRICIGQNFAMMEAKLALVLILQHFTFELSPSYAHAPSYRITLQPQYGVPIILHRR
配列番号20:Aa.CPR(1a:66a)-Ro.KAH W52T/T142G/N146T/A297Y(26a:523a)
MQSTTSVKLSPFDLMTALLNGKVSFDTSNTSDTNIPLAVFMENRELLMILTTSVAVLIGCVVVLVWVLDWVWLKPKKLERCLREQGLKGNSYTFLYGDMKENSILLKQAKSKPMNLSTSHDIAPQVIPFVDQTVKVYGKNSFDWIGPIPRVNIMNPEELKDVFTKYDDFIKPISNPLFKLLAGGLATYEGEKWAKHRRIINPTFHSEKLKRMLPSFHQSCTEMIKEWESLVSKEGSSCELDVWPFLENMTADVISRTAFGTSYKKGRKIFELLREQAIYATKAIQSFYIPGWRFLPTKMNKRMKEINKEIKGLIKGIIIKREHTIKAGEETKDDLLGYLMESNLKDIREHGKNNKNFGMSIEDVIEECKLFYFAGQETTSVLLVWTMVLLGQNQNWQDRARQEILQVFGSNKPDFDGLTHLKVVTMILLEVLRLYPAVIELPRTIHKKTQLGKFSLPEGVEVRLPTLLIHHDKELWGDDANEFKPERFSEGVSKATKSRLSFFPFGGGPRICIGQNFAMMEAKLALVLILQHFTFELSPSYAHAPSYRITLQPQYGVPIILHRR
配列番号21:Aa.CPR(1a:66a)-Ro.KAH W52T/T142G/N146T/A297Y/G466A(26a:523a)
MQSTTSVKLSPFDLMTALLNGKVSFDTSNTSDTNIPLAVFMENRELLMILTTSVAVLIGCVVVLVWVLDWVWLKPKKLERCLREQGLKGNSYTFLYGDMKENSILLKQAKSKPMNLSTSHDIAPQVIPFVDQTVKVYGKNSFDWIGPIPRVNIMNPEELKDVFTKYDDFIKPISNPLFKLLAGGLATYEGEKWAKHRRIINPTFHSEKLKRMLPSFHQSCTEMIKEWESLVSKEGSSCELDVWPFLENMTADVISRTAFGTSYKKGRKIFELLREQAIYATKAIQSFYIPGWRFLPTKMNKRMKEINKEIKGLIKGIIIKREHTIKAGEETKDDLLGYLMESNLKDIREHGKNNKNFGMSIEDVIEECKLFYFAGQETTSVLLVWTMVLLGQNQNWQDRARQEILQVFGSNKPDFDGLTHLKVVTMILLEVLRLYPAVIELPRTIHKKTQLGKFSLPEGVEVRLPTLLIHHDKELWGDDANEFKPERFSEGVSKATKSRLSFFPFGAGPRICIGQNFAMMEAKLALVLILQHFTFELSPSYAHAPSYRITLQPQYGVPIILHRR
配列番号22:Aa.CPRシグナル配列
MQSTTSVKLSPFDLMTALLNGKVSFDTSNTSDTNIPLAVFMENRELLMILTTSVAVLIGCVVVLVW
配列番号23:EUGT11
MDSGYSSSYAAAAGMHVVICPWLAFGHLLPCLDLAQRLASRGHRVSFVSTPRNISRLPPVRPALAPLVAFVALPLPRVEGLPDGAESTNDVPHDRPDMVELHRRAFDGLAAPFSEFLGTACADWVIVDVFHHWAAAAALEHKVPCAMMLLGSAHMIASIADRRLERAETESPAAAGQGRPAAAPTFEVARMKLIRTKGSSGMSLAERFSLTLSRSSLVVGRSCVEFEPETVPLLSTLRGKPITFLGLMPPLHEGRREDGEDATVRWLDAQPAKSVVYVALGSEVPLGVEKVHELALGLELAGTRFLWALRKPTGVSDADLLPAGFEERTRGRGVVATRWVPQMSILAHAAVGAFLTHCGWNSTIEGLMFGHPLIMLPIFGDQGPNARLIEAKNAGLQVARNDGDGSFDREGVAAAIRAVAVEEESSKVFQAKAKKLQEIVADMACHERYIDGFIQQLRSYKD
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
2022530986000001.app
【国際調査報告】