(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-05
(54)【発明の名称】電動自転車
(51)【国際特許分類】
B62M 6/65 20100101AFI20220628BHJP
B62K 15/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
B62M6/65
B62K15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565048
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 US2020031133
(87)【国際公開番号】W WO2020223682
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500088195
【氏名又は名称】ハンター、イアン・ダブリュー
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】ハンター・イアン・ダブリュー
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BA06
3D212BB03
3D212BB24
3D212BB42
3D212BB53
3D212BB66
(57)【要約】
【課題】
異なる形態に折り畳み可能な電動自転車を提供する。
【解決手段】
電動自転車は、中間フレームに対して旋回する前輪および後輪を備える。中間フレームはペダル駆動型発電機モータを備え、各輪が電動発電機を備える。これらの車輪は、中間フレームの両側へと約180°旋回させて折り畳み形態にすることができる。旋回は、傾斜した旋回軸を有する単軸ジョイントにおいて行われてもよい。折り畳み形態では、自転車は持ち運びおよび保管に適しており、一輪車/エクササイクル形態で使用することもできる。両輪を中間フレームの同一の側へと約90°旋回させることにより、自転車は、歩行器、車輪付きシート、および荷物または人を運ぶためのチャリオットを含む他の形態にすることが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動自転車であって、
中間フレームと、
前記中間フレームにより支持されたペダル駆動型発電機であって、前記中間フレームの両側へとペダルが延びている発電機と、
回転するタイヤをそれぞれ備える前輪および後輪であって、それぞれ旋回型取付具を用いて前記中間フレームに取り付けられており、インライン位置から前記中間フレームに沿う折り畳み位置へと前記中間フレームの両側で旋回するように構成されている前輪および後輪と、
前記前輪にハンドルバー支持体を介して取り付けられたハンドルバーと、
前記後輪の上方にシート支持体を介して取り付けられたシートと、
前記前輪および前記後輪のうちの第1の車輪に設けられた第1のホイールモータであって、前記中間フレームに固定されたステータと、前記第1の車輪の前記タイヤを駆動するロータとを備える第1のホイールモータと、
前記ペダル駆動型発電機により充電される電流源と、
前記ペダル駆動型発電機からの前記電流源の充電および前記電流源から前記ホイールモータへの電力の供給を制御する電子機器と、
を備える電動自転車。
【請求項2】
請求項1または2に記載の電動自転車において、さらに、前記前輪および前記後輪のうちの第2の車輪に第2のホイールモータを備え、前記第2のホイールモータは、前記中間フレームに固定されたステータと、前記第2の車輪の前記タイヤを駆動するロータとを備える、電動自転車。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動自転車において、各前記旋回型取付具は、傾斜したスイベル軸を中心として旋回する単軸ジョイントを備える、電動自転車。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の電動自転車において、各前記ステータは、車輪リムを構成する両側のステータリングであり、前記ロータは、前記ステータリングの間に配置され前記タイヤを支持する、電動自転車。
【請求項5】
請求項4に記載の電動自転車において、前記車輪において前記ステータの内側にある中央領域は開放された領域である、電動自転車。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の電動自転車において、前記ペダル駆動型発電機は、前記ペダルが取り付けられるロータリングと、前記中間フレームに固定されたステータリングとを備える、電動自転車。
【請求項7】
請求項6に記載の電動自転車において、前記ペダルは、前記発電機の開放された中央領域へと旋回して閉じる、電動自転車。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電動自転車において、前記シートおよび前記ハンドルバーは、前記前輪および前記後輪が前記折り畳み位置にあるとき、乗り手が前記自転車を一輪車としてこぐことができるような位置に再配置されるように構成されている、電動自転車。
【請求項9】
請求項8に記載の電動自転車において、エクササイズ形態で前記ペダルが駆動されるときに静止しているように構成されている電動自転車。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電動自転車において、前記前輪および前記後輪が前記中間フレームの同一の側へと前記中間フレームに対して垂直に旋回されるように構成可能である電動自転車。
【請求項11】
請求項10に記載の電動自転車において、前記ハンドルバーおよび前記シートが取り外され、前記ハンドルバー支持体および前記シート支持体がハンドルとして機能する歩行器として構成された電動自転車。
【請求項12】
請求項10に記載の電動自転車において、前記前輪および前記後輪が取り付けられている前記中間フレームの第1の部分が直立しており、前記中間フレームの他の部分が前記第1の部分から回動してシートとして機能する、電動自転車。
【請求項13】
請求項10に記載の電動自転車において、前記前輪および前記後輪を回転させることで、前記中間フレームが地面に近づけられ且つ前記地面に対して平行になるように配置されて荷重を支持する、電動自転車。
【請求項14】
請求項13に記載の電動自転車において、前記前輪および前記後輪がさらに旋回されて、前記地面から離れた箇所で互いに合わさる、電動自転車。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の電動自転車において、前記ハンドルバー支持体および前記シート支持体は、それぞれ横軸を中心として旋回するように取り付けられている、電動自転車。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の電動自転車において、前記中間フレームは、湾曲した前部フレームチューブを備え、湾曲した前記前部フレームチューブは、前記前輪の前記ステータの両端部に連結され、一方の端部が前記ハンドルバー支持体に隣接しており、
前記旋回型取付具は、前記ハンドルバー支持体からずれて前記前部フレームチューブに設けられたスイベルジョイントを備え、
前記中間フレームは、さらに、湾曲した後部フレームチューブを備え、前記後部フレームチューブは、前記後輪の前記ステータの両端部に連結され、一方の端部が前記シート支持体に隣接しており、
前記後輪の前記旋回型取付具は、前記シート支持体からずれて前記後部フレームチューブに設けられたスイベルジョイントを備える、電動自転車。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の電動自転車において、各ホイールモータは発電機として動作するように構成され、前記ペダル駆動型発電機はモータとして動作可能である、電動自転車。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2019年5月2日出願の米国仮出願第62/842,241号の優先権を主張するものであり、上記出願の教示内容全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
【背景技術】
【0002】
ハンドルバー、シート、および駆動ペダルと共に、前輪および後輪がフレームに取り付けられた自転車は周知である。また、電動モータにより駆動される自転車も知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
電動自転車は、中間フレームと、前記中間フレームにより支持されたペダル駆動型発電機であって、前記中間フレームの両側へとペダルが延びている発電機とを備える。前輪および後輪は回転するタイヤをそれぞれ備える。各輪は、旋回型取付具を用いて前記中間フレームに取り付けられており、前記前輪および前記後輪は、インライン位置から折り畳み位置へと前記中間フレームの両側で旋回するように構成されている。前記前輪にハンドルバーがハンドルバー支持体を介して取り付けられており、前記後輪の上方にシートがシート支持体を介して取り付けられている。前記前輪および前記後輪のうちの一方の車輪に設けられた第1のホイールモータは、前記中間フレームに固定されたステータと、前記一方の車輪の前記タイヤを駆動するロータとを備える。前記ペダル駆動型発電機により電流源が充電され、電子機器が、前記ペダル駆動型発電機からの前記電流源の充電および前記電流源から前記ホイールモータへの電力の供給を制御する。
【0004】
前記前輪および後輪の一方または両方がホイールモータを支持している。各ホイールモータは、前記中間フレームに固定されたステータと、前記車輪の前記タイヤを駆動するロータとを備えていてもよい。また、各ホイールモータは、発電機として動作するように構成されていてもよい。前記ペダル駆動型発電機は、モータとしても動作可能であってもよい。
【0005】
前記自転車は、前記前輪および前記後輪が互いに平行な方向に回転する位置まで折り畳むことができる。簡易なジョイントとするために、各旋回型取付具は、傾斜したスイベル軸を中心として旋回する単軸ジョイントを備えていてもよい。
【0006】
各前記ステータは、車輪リムを構成する両側のリングであってもよく、前記ロータは、前記ステータのリングの間に配置され前記タイヤを支持していてもよい。前記車輪において前記ステータの内側にある中央領域は開放された領域であってもよい。前記ペダル駆動型発電機は、前記ペダルが取り付けられるロータリングと、前記中間フレームに固定されたステータリングとを備えていてもよい。前記ペダルは、前記発電機の開放された中央領域へと旋回して閉じることができる。
【0007】
前記シートおよび前記ハンドルバーは、前記前輪および前記後輪が前記折り畳み位置にあるとき、乗り手が前記自転車を一輪車としてこぐことができるような位置に再配置されるように構成されていてもよい。この形態では、前記自転車は、固定位置または限られた領域でのエクササイズに用いることができる。前記自転車は、さらに、前記ペダルが駆動されるときに静止しているように構成されていてもよい。
【0008】
前記折り畳み位置に代えて、前記自転車は、前記前輪および前記後輪が前記中間フレームの同一の側へと前記中間フレームに対して垂直に旋回されるように構成可能であってもよい。この形態では、前記自転車は、前記ハンドルバーおよび前記シートが取り外され、前記ハンドルバー支持体および前記シート支持体がハンドルとして機能する歩行器として構成されてもよい。代替的に、前記前輪および前記後輪が取り付けられている前記中間フレームの第1の部分が直立しており、前記中間フレームの他の部分が前記第1の部分から回動してシートとして機能してもよい。さらに代替的な構成として、前記前輪および前記後輪を前記中間フレームの同一の側へと旋回させた後、前記前輪および前記後輪を回転させることで、前記中間フレームが地面に近づけられ且つ前記地面に対して平行になるように配置されて荷重を支持する。前記前輪および前記後輪をさらに旋回させて、前記地面から離れた箇所で互いに合わさるようにしてもよい。
【0009】
前記ハンドルバー支持体および前記シート支持体は、それぞれ横軸を中心として旋回するように取り付けられていてもよく、前記ハンドルバーおよび前記シートは、それぞれの前記支持体を中心として回転してもよい。
【0010】
前記中間フレームは、前記前輪の前記ステータの両端部に連結された湾曲チューブを備え、前記湾曲チューブの一方の端部が前記ハンドルバー支持体に隣接していてもよい。前記旋回型取付具は、前記ハンドルバー支持体からずれて前記チューブに設けられたスイベルジョイントを備えていてもよい。前記中間フレームは、さらに、前記後輪の前記ステータの両端部に連結された湾曲チューブを備え、前記湾曲チューブの一方の端部が前記シート支持体に隣接していてもよい。前記後輪の旋回型取付具は、前記シート支持体からずれて前記チューブに設けられたスイベルジョイントを備えていてもよい。
【0011】
上記の内容は、添付の図面に示されるような例示的な実施形態についての以下のより具体的な説明から明らかとなる。異なる図面における同一の符号は、同一の部分を指す。これらの図面は必ずしも縮尺に合わせたものではなく、実施形態を説明するにあたり強調が加えられている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】追加の中間フレーム部分を含む本発明の代替的な実施形態を示す側面図である。
【
図4】シート支持体を移動させた状態の代替的な実施形態を示す側面図である。
【
図5】
図3および
図4の構成を有する実施形態を示す側面図である。
【
図8】シートが後部スイベルジョイントの下方に移動された状態で、
図1の自転車が折り畳まれるところを示す上面図である。
【
図9】シートが後部スイベルジョイントの下方に移動された状態で、
図1の自転車が折り畳まれるところを示す上面図である。
【
図10】シートが後部スイベルジョイントの下方に移動された状態で、
図1の自転車が折り畳まれるところを示す上面図である。
【
図11】シートが後部スイベルジョイントの下方に移動された状態で、
図1の自転車が折り畳まれるところを示す上面図である。
【
図12】持ち運びのためにハンドルバーおよびシートが移動された状態の、折り畳まれた自転車を示す側面図である。
【
図14】
図12と同様の側面図であって、ハンドルバーの位置が異なる位置にある状態を示す側面図である。
【
図15】
図12と同様の側面図であって、ハンドルバーの位置がさらに異なる位置にある状態を示す側面図である。
【
図16】一輪車動作のためにハンドルバーおよびシートが移動された状態の、折り畳まれた自転車を示す斜視図である。
【
図20】歩行器として構成された
図3の自転車の代替的な形態を示す斜視図である。
【
図24】中間フレーム追加部分が前方に傾けられた状態の
図20の歩行器形態を示す斜視図である。
【
図25】ハンドルバーが取り付けられた状態の
図24の形態を示す端面図である。
【
図27】チャリオット(台車)として構成された代替的な形態を示す斜視図である。
【
図31】
図27のチャリオット形態において、同チャリオットに荷物が載せられた状態を示す斜視図である。
【
図32】荷物を運ぶための代替的なコンパクト形態を示す端面斜視図である。
【
図36】輸送のために荷物が載せられた状態の
図32の形態を示す上方斜視図である。
【
図38】ユーザを運ぶように変更された
図32の形態を示す斜視図である。
【
図42】
図24と同様の代替的な形態であって、中間フレーム部分に着座するように変更された形態を示す図である。
【
図43】
図42の形態において、着座ネットが追加された状態を示す斜視図である。
【
図47】本発明の各実施形態で使用される電子制御部の電気ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、例示的な実施形態を説明する。
【0014】
図1および
図2は、それぞれ電動自転車の側面図および斜視図である。前記自転車は、前輪102と、後輪104と、中間フレーム106とを備える。中間フレーム106は、発電機モータ108を備える。発電機モータ108は、中間フレーム構造の一部をなす固定されたステータ110を備える。リング状軸受によりロータ112が前記ステータに取り付けられて前記ステータ内で回転する。ロータ112は、ユーザが当該ロータを回転させることができるようにペダル114および116を支持している。
【0015】
また、中間フレーム106は前部チューブ状構造118を備えており、前記前部チューブ状構造は、前輪102のカーブに沿って湾曲していてもよい。同様に、湾曲したチューブ状構造120が後輪104のカーブに沿っており、同構造も中間フレームを構成する部分である。チューブ状構造118および120は、後述するように、発電機モータ108により充電されるバッテリまたはキャパシタと、2つの駆動輪102および104とを支持している。また、フレームチューブ118および120は、後述するように、バッテリまたはキャパシタの充放電を制御し且つ前記車輪および発電機に与えられる速度および慣性力を制御する電子機器(エレクトロニクス)を支持している。
【0016】
フレームチューブ118の上端に、伸縮型支持体124を介してハンドルバー122が取り付けられている。支持体124は、ピボットジョイント154を介してチューブ118に取り付けられており、このピボットジョイントにより、ハンドルバーは、
図2に示されるスイベル軸202を中心として前後に傾けることができる。
【0017】
後部フレームチューブ120の上端に、伸縮型支持体128を介してシート126が取り付けられている。支持体128は、
図2に示される軸心204を中心として旋回するスイベルジョイント156を介してチューブ120に取り付けられている。シート126は、ピボットジョイントで支持体128に取り付けられており、このピボットジョイントにより、前記シートは、
図2に示される軸心206を中心として回動させることができる。
【0018】
前輪は、タイヤ140を駆動する円形のモータ130,138を備える。前記モータは、フレームチューブ118に対して上端のU字形ブラケット132および下端のU字形ブラケット134により固定された左右のステータ構造130を備える。これらのステータ要素は、U字形ブラケット136により自転車の前部で結合されている。リング状軸受によりステータ要素内に取り付けられたロータ138は、ステータ要素を介して電流により駆動される。タイヤ140はロータ138に取り付けられて、このロータと共に駆動される。
【0019】
同様の車輪構造が自転車の後部にも設けられている。U字形ブラケット144,146および148によりステータ要素142が結合されており、ブラケット144および146において後部フレームチューブ120の端部に取り付けられている。リング状軸受によりロータ150がステータ要素内に取り付けられており、後輪のタイヤ152を駆動する。このように、各車輪は、その車輪のリムを構成し中間フレーム106に固定的に連結された固定ステータ構造を備えることが分かる。ロータおよびタイヤは、各組のステータ要素に対して回転して、前進時および後退時に自転車を駆動する。
【0020】
操縦にあたり、前輪102は、垂直軸158を中心として中間フレーム106に対して向きを変えることができる。このため、フレームチューブ118の上端部分160は、スイベルジョイント162を介してフレームチューブ118の本体に結合されている。ステータ要素130は、別のスイベルジョイント164を介してフレームチューブ118の下端に取り付けられている。ハンドルバー122の向きを変えることにより、従来の自転車と同様に前輪の向きが変わる。また、スイベル動作により、下記で詳述するように自転車の再構成が可能である。
【0021】
後輪の向きを変えることことも可能である。これは、自転車の動作中に転回させるためでも
図1の形態のためでもなく、後述するように自転車の再構成のためである。このため、フレームチューブ120の上端部分166は、スイベルジョイント168において垂直軸172を中心として旋回する。また、ステータ要素142は、スイベルジョイント170でフレームチューブ120の下端に取り付けられている。
【0022】
ロータ138および150は、反対方向に駆動されることで発電機となることも可能である。使用し得る電動発電機の設計としては多数のものがあり、ハルバッハ配列、ギアレス、ブラシレスDC電動発電機、およびローレンツ力による電動発電機(単極またはファラデー型発電機)の設計が挙げられる。このような電動発電機の設計は周知である。
【0023】
ロータ138,150およびステータ137,142は、細長いリング状軸受(ボール、ころ、またはニードルが内蔵された軸受など)により連結されている。他の実施形態では、これらのリング状軸受には、グラフェンなどのすべり摩擦が極めて小さい材料を採用してもよい。
【0024】
各電動発電機は独立にコンピュータ制御することができ、モータとして動作するときには、チューブ状フレーム内に位置する蓄電ユニットに蓄えられたエネルギーを用いて前記自転車を前へと押し出すトルクを生成する。下り坂を走行する際には、電動発電機は発電機として動作し、自転車および乗り手(およびペイロードを増大させる全ての物品)の運動エネルギーを(チューブ状フレーム内の蓄電要素に)蓄えられた電気エネルギーに変換する。
【0025】
発電機として動作する電動発電機からエネルギー(つまり、電力)が取り出される速度によって、チューブ状フレーム内に収められた内部コンピュータ制御システムにより分かる角速度依存トルク(つまり、粘度)が決定される。例えば、下り坂を走行する際に、発電機から取り出される電力が大きい場合には、(エネルギーを獲得する際に電動発電機により加えられる粘性抵抗により)自転車の速度が低下する。実際のところ、発電機から(つまり両輪から)最大の電力が取り出されるのは、急ブレーキ時である。
【0026】
低速時の制動には、前輪および/または後輪がモータとして動作し、前進動作とは反対方向のトルクを生成する(つまり、蓄電要素からエネルギーが消費される)ような他の方式を用いてもよい。
【0027】
チューブ状フレームに収められた蓄電要素は、好適には高電力および高エネルギー密度を有する特定の種類のバッテリ(例えば、リチウムイオンバッテリ)であってもよく、他の実施形態では、(好適には高電力および高エネルギー密度の)キャパシタであってもよい。
【0028】
前輪と後輪との間に配置された、より小さい中央の発電機モータ110,112は、前輪および後輪に用いられるものと同様の設計の発電機モータとすることができる。
【0029】
自転車の乗り手により生成されるトルクは、ペダル114,116を介して中央の発電機モータ部のロータ112に伝達される。その後、生成された電気エネルギーは、いずれか一方または両方の種類の蓄電部に蓄えられる。自転車の乗り手により生成されるトルクからエネルギー(電力)が取り出される速度はコンピュータ制御される。これにより、乗り手は、乗り手自身がペダルに加える力と、モータとして動作する前部および後部の電動発電機により路面に送られる力との比率を、(コンピュータ、パワーエレクトロニクスおよび3つの電動発電機全てを介して)制御することができる。このように、人間の乗り手が入力する力と自転車により路面に加えられる力との比率は、極めて広い範囲で選択することができる。これにより、上記のシステムは、物理的なギアを必要とすることなく、従来の自転車のギアシステムのように動作する。実際のところ、上記システムは連続的な範囲の「変速比」を得ることが可能である。
【0030】
乗り手は、ハンドルバーのセンサグリップ208および210を介して速度およびペダル抵抗を制御し得る。例えば、ユーザは、右側のグリップに回転トルクを加えることで加速(前方への回転トルク)したり減速(後方への回転トルク)したりすることができ、左側のグリップに回転トルクを加えることでドラグ力を変えることができる。
【0031】
なお、ペダルを後輪に連結するチェーンは設けられておらず、物理的なギアも設けられていない。
【0032】
3つの電動発電機(前部、中央および後部)は、蓄電部から電力を供給し、かつ、逆に、路面により駆動されたときに電動発電機(前部、後部)から運動エネルギーを獲得し当該エネルギーを蓄電部へと供給することができる電力増幅器を用いて制御されると理解されたい。
【0033】
スイベルジョイント162においてフレームチューブ118内に収められたソレノイド(および場合によってはスイベルジョイント164に設けられたソレノイド)は、前記自転車が後述するような非従来的な形態に再構成されるときに、様々な位置で前輪をロックするように作動させることができる。後輪にも、同様のソレノイドがジョイント168および場合によってはジョイント170に設けられている。このソレノイドは、前記自転車が従来的な形態であるときには(図示のとおり)前方を向く向きで後輪をロックし、または後述する他の位置で後輪をロックする。
【0034】
ハンドルバー支持体124および後部シート支持体にそれぞれ埋め込まれた多軸力覚センサを用いることにより、(図示されるような)従来的な自転車形態および(後の図面に示されるような)非従来的な自転車形態の両方において、乗り手が自転車を制御することができ、または、人間が自転車の横を歩き、ハンドルバー支持体またはシート支持体のいずれかに軽い力を加えて自転車を案内することができる。(以下に示す)非従来的な自転車形態においては、同じセンサを用いて、自転車に対して(速度または方向などを設定する)コマンドを発する。
【0035】
図3には、中間フレームの一部として追加フレーム302がさらに設けられている点を除き、
図1および
図2と実質的に同様の他の実施形態が示されている。湾曲したチューブ304および306がフレームチューブ118および120に近接して設けられており、下側のチューブ308は発電機モータ108に近接して配置されており、上側のチューブ310はチューブ304および306に架け渡されている。追加フレーム部分302は、前記フレームの剛性を増大させ、蓄電装置のバッテリおよびキャパシタならびに電子機器のために追加の空間を提供する。また、フレーム302は、下記のような自転車の他の形態においてさらなる機能を提供する。
【0036】
図4には、
図1および
図2と実質的に同様の他の実施形態であって、シートが代替的な方式で取り付けられた実施形態が示されている。ここでは、伸縮型のシート支持体402が、スイベルジョイント404において後部フレームチューブ120の上側部分406の下端に取り付けられている。また、
図4では、ハンドルバー122およびハンドルバー支持体124が、
図1に示された状態よりも前方に旋回された状態で示されている。
【0037】
図5には、
図4と同じ自転車であって、
図3に示されているような追加フレーム部分302がさらに設けられた自転車が示されている。
【0038】
【0039】
図8から
図11は、自転車が折り曲げられて、折り畳まれた形態へと再構成される過程を示す上面図である。自転車を前部および後部において再構成するために、スイベルジョイント162および168におけるソレノイドを一時的に作動させて自転車を解除し、前輪および後輪がそれぞれの旋回軸158および172を中心として旋回自在となるようにする。これが完了すると、自転車の乗り手は、前輪および後輪をそれぞれの旋回軸158,172回りにほぼ180度旋回させることで、
図11に示されるように、前輪および後輪が中間フレーム106の両側で互いに隣合うようにすることができる。
【0040】
図8から
図11では、シート126は、移動されてスイベルジョイント168よりも下方の位置でフレームチューブ120にクランプ固定された状態で示されている。よって、前記シートは後輪104と共に回動しない。もし前記シートが
図1に示されているようにフレームチューブ120の部分166の上端に残されたままであれば、前記シートは車輪と共に回転することになる。
図11では、前記シートがもっと左側で反対方向を向いた状態で示されることになる。
【0041】
図8では、前輪102および後輪104は、中間フレーム106の両側に向かってそれぞれの旋回軸158および172を中心として旋回されている。
図9では、これらの車輪がさらに旋回されており、
図10では、これらの車輪はほぼ全体に渡って中間フレーム106と並ぶように旋回されている。
図11には、完全に折り畳まれた状態が上面図に示されている。
図11では、ペダルは前輪102および後輪104を貫通しており、これは、前記車輪の中央領域が開放されたスポークレスな車輪により可能である。
【0042】
前記自転車は手動で折り畳むことが可能であり、あるいは、前輪および後輪のモータがこの変形を支援する(または全て自動で実行する)ことも可能である。まず、前輪および後輪が僅かにずれた位置に旋回される。その後、前後の動きで、前輪が逆向きに駆動され、後輪が前方へと駆動されて、自動で折り畳みが行われる。
【0043】
図11の折り畳まれた形態から、前記自転車を、
図12の側面図に示されているようにさらにコンパクトにすることができる。ここで、左側のペダル114が上方へと旋回され、右側のペダル116が下方へと旋回されて、それぞれ完全に発電機モータ108内の開放領域内に配置される。また、
図12には、上側のフレームチューブ部分160および166が車輪102および104と並んだ状態で示されている。メインフレームチューブ118および120に対する上側部分160,166の合わせ面1202,1206が旋回軸158,172に対して垂直でありつつも、チューブ118および120の中心軸に対して角度を有していることにより、この効果が得られる。
図12では、前記ハンドルバーはハンドルバー支持体124から取り外されており、スイベルジョイント154を中心として旋回されて車輪102の近くに配置されている。同様に、シートもシート支持体128から取り外されており、スイベルジョイント156を中心として旋回されて後輪104の近くに配置されている。前記シートは車輪の内側に配置されており、車輪に対して磁気的に連結され、またはスプリングクランプで固定され、または他の方法で連結されて、折り畳まれた自転車を肩に乗せて運ぶときに肩当てとして機能する。ハンドルバー122は、一方または両方の車輪にクランプ固定され、または磁気的にもしくは他の方法で連結されていてもよい。
図12では、ハンドルバーは車輪の右側に配置された状態で示されている。
【0044】
もし前記自転車が垂直軸158,172を中心として折り畳まれるとすると、車輪102,104と中間フレーム106が平行な向きに到達する前に、これらの車輪と中間フレームがぶつかってしまうということが分かる。前記車輪を平行な形態に折り畳むために、二軸ジョイント162,168を使用することができる。ただし、図示されているシステムは、二軸ジョイントの複雑性を回避するために、単軸ジョイント162,168に依るものとなっており、旋回軸158,172のうちの一方が一方側に、他方が他方側に垂直線から僅かに傾斜している。この結果は、
図12の折り畳まれた自転車の端面図を示す
図13において最もよく表されている。同図では、車輪102および104は、
図1から
図7の標準的な乗用形態のときのような垂直な状態ではなくなっている。傾斜した旋回軸により、これらの車輪は、上端では互いの近くにあり、下端では離れている。よりコンパクトに折り畳むことができるように、フレームチューブ118にノッチ174(
図1)が設けられており、フレームチューブ120にノッチ176が設けられている。この折り畳み形態では、後輪104はノッチ174に入り、前輪102はノッチ176に入る。その結果、前記車輪が平行ではなくなっているものの、前記車輪が平行な方向に回転することができる折り畳み形態となる。また、前記車輪が地面において広がっていることにより、より高い安定性が得られる。これらの車輪が上部において互いに近接していることにより、後述するような乗用の実施形態において、ハンドルバー支持体およびシート支持体も軸方向において中央平面に向かって互いに近接している。
【0045】
図14および
図15には、折り畳まれた状態の自転車に連結されたハンドルバー122の代替的な位置が示されている。上記と同様に、前記ハンドルバーは、折り畳まれた車輪の一方または両方にクランプ固定または磁気的に連結されていてもよい。
【0046】
図16から
図19には、折り畳まれた形態であるものの、ハンドルバー122およびシート126ならびにそれぞれの支持体が、ジョイント154,156において、
図1の標準形態に示されるような状態のままになっている自転車が示されている。最初に折り畳んだ時点では、前記ハンドルバーおよびシートはいずれも
図11に示されるハンドルバー122とは反対方向を向いている。折り畳まれた後、フレームチューブ118および120の端部部分160および166が向かい合うようにされる。シート支持体128およびハンドルバー支持体124は、前記車輪のずれにより、前記車輪の軸方向において互いに僅かにずれている。
図16に示される位置を得るために、ハンドルバー122がその支持体124において180°回転され、支持体124がスイベルジョイント154においてシートから離れるように前方に向かって旋回される。同様に、シート126がその支持体128において180°回転され、支持体128がスイベルジョイント156においてハンドルバーから離れるように旋回される。
【0047】
この形態では、前記自転車は、室内または他の閉鎖空間内でのエクササイズのためのエクササイズ用自転車(エクササイクル)としての特定の用途を有する一輪車として使用し得る。このエクササイズ用形態では、前記自転車は、前記ペダルに速度依存トルクを与えることで、身体の運動のために使用することができる。中央の電動発電機112,114により生成される電気エネルギーは、蓄電モジュールに蓄えられる。ジャイロおよび加速度計を用いた検出により、前記電子機器は、車輪の前後の回転をディザリングすることで前記一輪車を安定な静止位置に保持してもよい。必要に応じて、この形態の自転車は、エクササイズ中に円形、8の字形、またはその他の任意の経路を走行するようにプログラムすることができる。実際には、走行する経路(例えば、リビングルーム内であってもよい)は、何らかの面白味のある経路(山道など)やサーキット(自転車レースサーキットなど)を表示する、ハンドルバーなどに取り付けられたディスプレイと連動していてもよい。
【0048】
【0049】
図20から
図26には、
図3の自転車の歩行器形態が示されている。この形態を得るために、両方の車輪102および104がスイベルジョイント162,168を中心に中間フレームの同一の側に向かって90°旋回されて、定位置でロックされる。フレームチューブ118および120の端部部分160および166も同一の側に向かって90°で延びている。ペダル114,116は、発電機108の内側の折り畳み位置へと旋回され、ハンドルバーおよびシートが取り外される。ハンドルバー支持体124およびシート支持体128は、対応するトルクセンサと共に、歩行器のハンドルとして車輪に沿って延びている。この歩行器は電動であり、2つの車輪により生成される差動トルクによってコンピュータ制御下で操縦可能である。自転車制御システムにおける3軸加速度計および3軸ジャイロは、この歩行器形態の自転車をサーボ制御して、図示されるような向きに保つために用いられる。この歩行器形態の自転車を使用する人は、(一方の手に)ハンドルバー支持体バー124および(他方の手に)シート支持体バー128を持ってこの自転車を保持する。支持体124および128の多軸力覚/トルクセンサは、人間からの方向および速度の指令を検出するために用いられる。
【0050】
また、この歩行器形態の自転車は、自律型ロボットとして機能することもできる(つまり、人間の“操縦者”なしで機能することができる)。
【0051】
【0052】
また、前記歩行器のユーザは、単に、中間フレームの追加フレーム部分302の上部バー310を握ってもよい。
図24の形態では、中間フレーム追加部分302は、前部フレームチューブ118および後部フレームチューブ120を貫通して延びるピン2401において、ユーザに向かって傾けられている。これにより、上部バー310がユーザに近づけられて、より把持しやすくなる。
【0053】
図25は、フレーム追加部分302がユーザの方へと傾けられた状態の
図24の歩行器の端面図であり、さらに、前輪と後輪の間に取り付けられたハンドルバーを示している。前記ハンドルバーは、磁気的な連結、スプリングクランプ、または他の一時的な取付機構によって取り付けてもよい。前記ハンドルバーは、前記システムの剛性を向上させる。中間フレーム追加部分302が設けられていない形態では、ハンドル122は、ユーザにより把持される追加の構成となり、端部ハンドグリップ208および210を介した制御が可能である。
図26は、
図25の形態の斜視図を示している。
【0054】
図27から
図31には、前記自転車のさらに別の形態であるチャリオット(台車)形態が示されている。ここで、前記自転車は
図20に示されるような構成であるが、前輪102および後輪104の車輪ステータがその中心軸を中心として90°回転されている。これにより、中間フレーム302が低い位置で地面に沿って平行な状態となる。この形態は、
図31に示されるように中間フレームに支持された荷物を運ぶために用いることができ、あるいはユーザが中間フレームの上に立ってもよい。後者の場合、ハンドルバー122を前輪102および後輪104のステータの間に接続して、ユーザにより把持されるハンドルグリップ制御部を有するハンドルバーとして機能するようにしてもよい。ハンドルバー支持体124およびシート支持体128は、依然としてユーザが使用できるようになっていてもよいが、しゃがまなくてもよいように、これらの支持体に延長部(図示せず)が追加され得る。いずれの場合にせよ、支持体124および128の多軸力覚/トルクセンサは、ユーザからの方向および速度の指令を検出するために用いられる。また、このチャリオット形態の自転車は、自律型ロボットとして機能することもでき(つまり、人間の操縦者なしで機能することができ)、他のタスクのなかでも荷物の搬送に用いてもよい。
【0055】
図29は、ハンドルバー122が取り付けられた状態のチャリオット形態の端面図であり、
図30は、ハンドルバーがない状態のチャリオット形態の側面図である。
【0056】
図32から
図37には、さらに別の形態であるコンパクトなロボット形態が示されている。この形態は、
図27から
図31のチャリオット形態と同様であるが、車輪102,104が中間フレーム106の同一の側へとさらに旋回されており、符号3202の箇所において合わさり、この箇所でクランプ固定することができる。前記チャリオット形態と同様に、この形態は
図37に示されるように荷物を運ぶことができ、自動で動作可能である。
【0057】
図38から
図41には、
図32から
図37の形態の変形例であって、中間フレーム上で荷物を運びつつ、人間のユーザが乗ることができる形態が示されている。このため、符号3202の箇所にある前記車輪の交点において、連結具3804により上部バー3802が連結されている。ハンドルバー122はバー3802の一端部に配置されており、シート126は前記バーの他端部に配置されている。このユニットは、ハンドルバー122のハンドグリップ208および210により制御することができる。
図38は同形態を示す斜視図であり、
図39は側面図であり、
図40は端面図であり、
図41は上面図である。なお、この形態では、
図36に示すように荷物を運ぶことができる。また、ハンドルバー支持体124のトルクセンサを用いて、人間から方向および速度の指令を受けてもよい。他の全ての形態と同様に、自転車制御システムは、3軸加速度計および3軸ジャイロにより、図示されているような自転車の直立状態を保つことができる。また、他の全ての形態と同様に、このユニットは、人間の操縦者なしで自律型ロボットとして動作してもよい。
【0058】
図42から
図46には、さらに別の形態である着座用形態が示されている。ここで、前記自転車は、ピン2401において中間フレーム追加部分302が水平位置まで旋回されている点を除き、
図21から
図24の歩行器形態と同じように構成されている。ユーザは、バー310の上に着座し、ハンドルバー支持体124およびシート支持体128を制御ハンドルとして用いてこの着座型自転車を制御することができる。
図43に示されているように、ウェブ4302をフレームチューブ118および120と中間フレーム追加部分302とに連結して、座部4306と背もたれ4308とによりユーザの快適性を高め、当該ウェブの側部4304により中間フレーム追加部分302に対するさらなる支えとしてもよい。
【0059】
図44はウェブなしの同形態を示す端面図であり、
図45はウェブなしの同形態を示す側面図であり、
図46はウェブなしの同形態を示す上面図である。
【0060】
他の全ての形態と同様に、多軸力覚/トルクセンサを用いて、人間のユーザからの方向および速度の指令を検出してもよい。加速度計およびジャイロを用いることで、このユニットを図示されているような安定な直立位置に保持することができ、このユニットは、人間の操縦者なしで自律型ロボットとして動作してもよい。
【0061】
図47には、前記自転車の電子部品および電源部品が示されている。前部電動発電機4702は、当該前部電動発電機を構成するステータ130,ロータ138に対応する。後部電動発電機4704は、後部のステータ142およびロータ150に対応する。ペダル発電機モータ4706は発電機モータ108に対応する。これらの電動発電機は、パワーエレクトロニクス4710を介して蓄電装置4708を充電し、蓄電装置4708から電力供給を受ける。前述のとおり、この蓄電装置は、バッテリ、キャパシタ、またはこれら2つの組み合わせであってもよい。電動発電機の蓄電および給電の充放電は、プロセッサ4712によりパワーエレクトロニクス4710を介して制御される。前記プロセッサは、内部ソフトウェアプログラミングおよび外部入力に応答する。入力には速度制御4714が含まれ、ハンドルバー122の右側のグリップから210与えられてもよい。剛性制御4716は、例えば、左側のグリップ208から与えられてもよい。多方向トルク入力はトルクセンサ4718から得られてもよく、このトルクセンサは、例えば、ハンドルバー支持体124およびシート支持体128に取り付けられていてもよい。中間フレーム内の任意の箇所に取り付けられた加速度計4720およびジャイロ4722は、上記した多数の形態のそれぞれにおいて自転車が安定した直立位置で立つことができるようにする入力をプロセッサに与える。スイベルジョイント162,168をロックするために用いられる前部および後部のソレノイドは、前記プロセッサにより制御される。前記プロセッサに対する他の入力および出力は、スマートフォンのアプリケーションなどの制御装置から及びこの制御装置へと供給されてもよい。前記部品4708,4710,4712,4720および4722はいずれも、
図1および
図2の基部の中間フレーム106内に取り付けてもよいし、任意で中間フレーム追加部分302内に取り付けてもよい。
【0062】
例示的な実施形態を具体的に示し説明を行ったが、当業者であれば、添付の請求の範囲に包含される実施形態の範囲から逸脱することなく、形状および細部に様々な変更を施すことができるということが分かるであろう。
【国際調査報告】