(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】オフラインおよびオンラインソリューションを組み合わせた駐車軌跡生成方法、非一時的機械可読媒体、データ処理システムおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20220629BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020570181
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2020082398
(87)【国際公開番号】W WO2021195951
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517323290
【氏名又は名称】バイドゥドットコム タイムズ テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Baidu.com Times Technology (Beijing) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F A2 Zhongguancun Software Park 17th building, No.8, Dongbeiwang West Road, Haidian District, Beijing 100080, China
(71)【出願人】
【識別番号】516357421
【氏名又は名称】バイドゥ ユーエスエイ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baidu USA LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、シン
(72)【発明者】
【氏名】チュー、ファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ、トンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ、ニン
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BA22
3D241BB02
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3D241CC17
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3D241CE08
3D241DB01Z
5H181AA01
5H181AA27
5H181BB02
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB20
5H181CC03
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5H181CC24
5H181FF04
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5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得することができる。駐車軌跡集合は、事前に収集された駐車場の計画および制御データに基づいて事前生成される。駐車軌跡集合における各駐車軌跡は、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応し得る。駐車軌跡は、ADVの現在位置に基づいて、駐車軌跡集合から選択され得る。選択された駐車軌跡に従ってADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御できる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両(ADV)を動作させるためのコンピュータ実施方法であって、
前記ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、前記駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、前記駐車軌跡のそれぞれは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する、ステップと、
前記ADVの現在位置に基づいて、前記駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、前記ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含むコンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記駐車場で駐車機能をアクティブにしたときに前記ADVの現在位置を確定するステップと、
前記現在位置が前記所定位置集合における1つの所定位置と一致するか否かを判定するステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在位置が前記所定位置集合における所定位置と一致することを確定するステップをさらに含み、
選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在位置が前記所定位置集合におけるいずれの所定位置と一致しないことを確定するステップと、
前記所定位置集合における、前記現在位置に最も近い所定位置を確定するステップと、を含み、
選択された駐車軌跡は、前記現在位置に最も近い所定位置に関連付けられる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置までの軌跡を生成するステップと、
生成された軌跡に従って、前記ADVを前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置まで運転するように制御するステップと、をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の前記事前計画および制御データに基づくデジタル地図に従って事前生成されたものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記駐車場の前記事前計画および制御データは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットおよび車線に関連する情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の駐車スポットのそれぞれについて、前記駐車スポットの近くの所定位置の部分集合に対して駐車軌跡の部分集合を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ADVに搭載された複数のセンサから得られたセンサデータに基づいて、選択された駐車軌跡を閉塞する障害物を検出するステップと、
前記障害物の検出に応答して前記ADVを停止するコマンドを送信するステップと、
前記障害物が離れたときに、前記ADVを選択した駐車軌跡を再び続けるように制御するステップと、をさらに含む請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
命令が格納されている非一時的機械可読媒体であって、前記命令はプロセッサにより実行されると、
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、前記駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、前記駐車軌跡のそれぞれは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する、ステップと、
前記ADVの現在位置に基づいて、前記駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、前記ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含む動作を前記プロセッサに実行させる、非一時的機械可読媒体。
【請求項11】
前記動作は、
前記駐車場で駐車機能をアクティブにしたときに前記ADVの現在位置を確定するステップと、
前記現在位置が前記所定位置集合における1つの所定位置と一致するか否かを判定するステップと、をさらに含む請求項10に記載の媒体。
【請求項12】
前記動作は、前記現在位置が前記所定位置集合における所定位置と一致することを確定するステップをさらに含み、
選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる、請求項11に記載の媒体。
【請求項13】
前記動作は、
前記現在位置が前記所定位置集合におけるいずれの所定位置と一致しないことを確定するステップと、
前記所定位置集合における、前記現在位置に最も近い所定位置を確定するステップと、をさらに含み、
選択された駐車軌跡は、前記現在位置に最も近い所定位置に関連付けられる、請求項11に記載の媒体。
【請求項14】
前記動作は、
前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置までの軌跡を生成するステップと、
生成された軌跡に従って、前記ADVを前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置まで運転するように制御するステップと、をさらに含む請求項13に記載の媒体。
【請求項15】
前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の前記事前計画および制御データに基づくデジタル地図に従って事前生成されたものである、請求項10に記載の媒体。
【請求項16】
前記動作は、
前記ADVに搭載された複数のセンサから得られたセンサデータに基づいて、選択された駐車軌跡を閉塞する障害物を検出するステップと、
前記障害物の検出に応答して前記ADVを停止するコマンドを送信するステップと、
前記障害物が離れたときに、前記ADVを選択した駐車軌跡を再び続けるように制御するステップと、をさらに含む請求項10~15のいずれか一項に記載の媒体。
【請求項17】
プロセッサと、命令を格納するために前記プロセッサに接続されるメモリとを備えるデータ処理システムであって、
前記命令は、前記プロセッサにより実行されると、
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、前記駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、前記駐車軌跡のそれぞれは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する、ステップと、
前記ADVの現在位置に基づいて、前記駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、前記ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含む動作を前記プロセッサに実行させる、データ処理システム。
【請求項18】
前記動作は、
前記駐車場で駐車機能をアクティブにしたときに前記ADVの現在位置を確定するステップと、
前記現在位置が前記所定位置集合における1つの所定位置と一致するか否かを判定するステップと、をさらに含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作は、前記現在位置が前記所定位置集合における所定位置と一致することを確定するステップをさらに含み、
選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記動作は、
前記現在位置が前記所定位置集合におけるいずれの所定位置と一致しないことを確定するステップと、
前記所定位置集合における、前記現在位置に最も近い所定位置を確定するステップと、をさらに含み、
選択された駐車軌跡は、前記現在位置に最も近い所定位置に関連付けられる、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記動作は、
前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置までの軌跡を生成するステップと、
生成された軌跡に従って、前記ADVを前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置まで運転するように制御するステップと、をさらに含む請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、主に自動運転車両を動作させることに関する。より具体的に、本開示の実施形態は自動運転車両(ADV)の軌跡の生成に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転モード(例えば、ドライバーレス)で走行している車両は、乗員、特に運転手を運転関連責務から解放することができる。車両は、自動運転モードで走行しているとき、搭載されたセンサを使用して様々な場所にナビゲートすることができ、ヒューマンコンピュータインタラクションが最小限に抑えられた場合、又は乗客がいない状況下などで走行することを可能にする。
【発明の概要】
【0003】
運動計画および制御は、自動運転における重要な操作である。多くの自動運転シナリオでは、時間は重要な決定的要素である。自動運転車は一般にリアルタイムで軌跡を生成する必要があるが、リアルタイムの軌跡生成には多くの場合、大量のコンピューティングリソースが必要である。したがって、リアルタイムの軌跡生成は、貴重なコンピューティングリソースには非常に要求が厳しく、複雑なシナリオではある程度の時間がかかる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示の実施形態は、図面の各図において限定的ではなく例示的な形態で示され、図面における同じ図面符号が類似の素子を示す。
【
図1】一実施形態に係るネットワーク化システムを示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る自動運転車両の一例を示すブロック図である。
【
図3A】一実施形態に係る自動運転車両と共に使用される感知・計画システムの一例を示すブロック図である。
【
図3B】一実施形態に係る自動運転車両と共に使用される感知・計画システムの一例を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態に係る計画モジュールの一例を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態に係る計画モジュールの処理フローチャートである。
【
図6A】オフラインで生成された駐車軌跡の例を示す図である。
【
図6B】オフラインで生成された駐車軌跡集合を格納するテーブルの例を示す。
【
図7】一実施形態に係るオフラインで駐車軌跡集合を生成するプロセスの例を示すフローチャートである。
【
図8】いくつかの実施形態による、オフラインおよびオンラインの軌跡生成を組み合わせることによって、ADVを駐車スポットに駐車する方法の例を示す図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、オフラインおよびオンラインの軌跡生成を組み合わせることによって、ADVを駐車スポットに駐車するプロセスの例を示すフローチャートである。
【
図10】いくつかの実施形態による、オフラインおよびオンラインの軌跡生成を組み合わせることによって、ADVを駐車スポットに駐車するプロセスの具体的な例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下に説明される詳細を参照しながらの様々な実施形態および態様を説明し、添付図面に様々な実施形態を示す。下記の説明及び図面は、本開示を説明するためのものであり、本開示を限定するものとして解釈すべきではない。本開示の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が説明されている。しかしながら、特定の例において、本開示の実施形態の簡潔な議論を提供するために、周知のまたは従来の詳細は記載されていない。
【0006】
本明細書において、「一実施形態」又は「実施形態」とは、当該実施形態を参照しながら説明した特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれてもよいことを意味する。「一実施形態では」という語句は、本明細書の全体において同一の実施形態を指すとは限らない。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、まず駐車場の計画および制御データを収集することによってオフラインの高精細デジタル地図を生成し得る。デジタル地図が生成されると、駐車場内の駐車スポットへの駐車軌跡は、デジタル地図を使用してオフラインで生成され得る。デジタル地図内の駐車スポットごとに、多くの実行可能な所定位置(オフラインで計算された位置)のための駐車スポットに向かう駐車軌跡が生成され得る。ADVが所定位置(オフラインで計算された位置)とは異なる位置にある場合、ADVがその位置から最も近い所定位置(オフラインで計算された位置)に運転するための軌跡のみをリアルタイムで生成する必要がある。ADVが最も近い所定位置(オフラインで計算された位置)に到達すると、ADVは、オフラインで生成された最も近い所定位置から対応する駐車スポットまでの対応する駐車軌跡のみをフェッチし、フェッチされた駐車軌跡に従うことができる。オンラインとオフラインの軌跡生成方法を組み合わせることにより、駐車シナリオ向けの低コストの軌跡生成ソリューションが提供される。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得することができ、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、駐車軌跡集合における駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応し得る。ADVの現在位置に基づいて、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択することができる。選択された駐車軌跡に従って、ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御することができる。
【0009】
図1は、本開示の一実施形態に係る自動運転車両のネットワーク構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ネットワーク構成100は、ネットワーク102を介して1つ以上のサーバ103~104に通信可能に接続される自動運転車両101を含む。一台の自動運転車両のみが示されているが、複数の自動運転車両が、ネットワーク102を介して、互いに接続されるか、及び/又はサーバ103~104に接続されてもよい。ネットワーク102は、有線又は無線のあらゆるタイプのネットワーク、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、セルラーネットワーク、衛星ネットワークのようなワイドエリアネットワーク(WAN)又はそれらの組み合わせであってもよい。サーバ103~104は、任意のタイプのサーバまたはサーバクラスタであってもよく、例えば、ネットワークまたはクラウドサーバ、アプリケーションサーバ、バックエンドサーバ、またはそれらの組み合わせが挙げられる。サーバ103~104は、データ解析サーバ、コンテンツサーバ、交通情報サーバ、地図・ポイントオブインタレスト(MPOI)サーバ又は位置サーバなどであってもよい。
【0010】
自動運転車両とは、車両が運転手からの入力をほとんどまたは全く伴わずに環境をナビゲートする自動運転モードに構成され得る車両を指す。そのような自動運転車両は、車両の動作環境に関する情報を検出するように構成される1つまたは複数のセンサを有するセンサシステムを含むことができる。車両とその関連コントローラは、検出された情報を使用して環境を通過するようにナビゲートする。自動運転車両101は、手動運転モード、完全自動運転モード、または部分自動運転モードで動作することができる。
【0011】
一実施形態において、自動運転車両101は、感知・計画システム110、車両制御システム111、無線通信システム112、ユーザインターフェースシステム113およびセンサシステム115を含むが、それらに限定されない。自動運転車両101には、通常の車両に備えられているいくつかの一般的な構成要素、例えばエンジン、車輪、ステアリングホイール、変速機などが更に備えられてもよい。前記構成要素は、車両制御システム111及び/又は感知・計画システム110により複数種の通信信号及び/又はコマンド(例えば、加速信号又はコマンド、減速信号又はコマンド、ステアリング信号又はコマンド、ブレーキ信号又はコマンドなど)を使用して制御可能である。
【0012】
構成要素110~115は、インターコネクト、バス、ネットワーク、又はそれらの組み合わせを介して互いに通信可能に接続することができる。例えば、構成要素110~115は、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスを介して互いに通信可能に接続することができる。CANバスは、ホストコンピュータなしのアプリケーションでマイクロコントローラおよびデバイスが相互に通信できるように設計された車両バス規格である。それは、もともと自動車内の多重電気配線のために設計されたメッセージに基づくプロトコルであるが、他の多くの環境にも用いられる。
【0013】
ここで
図2を参照し、一実施形態では、センサシステム115は、1つまたは複数のカメラ211、全地球測位システム(GPS)ユニット212、慣性計測ユニット(IMU)213、レーダユニット214および光検出・測距(LIDAR)ユニット215を含むが、それらに限定されない。GPSシステム212は、自動運転車両の位置に関する情報を提供するように動作可能な送受信機を含んでいてもよい。IMUユニット213は、慣性加速度に基づいて自動運転車両の位置および向きの変化を検知することができる。レーダユニット214は、無線信号を利用して自動運転車両のローカル環境内のオブジェクトを検知するシステムを表すことができる。いくつかの実施形態において、オブジェクトを検知することに加えて、レーダユニット214はさらに、オブジェクトの速度および/または進行方向を検知することができる。LIDARユニット215は、レーザを使用して自動運転車両が位置する環境内のオブジェクトを検知することができる。他のシステム構成要素に加えて、LIDARユニット215は、更に1つまたは複数のレーザ光源、レーザスキャナおよび1つまたは複数の検出器を備えていてもよい。カメラ211は、自動運転車両の周囲環境における画像を取り込むための1つ以上の装置を含んでもよい。カメラ211は、スチルカメラ及び/又はビデオカメラであってもよい。カメラは、例えば、回転及び/又は傾斜のプラットフォームに取り付けることによって機械的に移動可能なものであってもよい。
【0014】
センサシステム115は、ソナーセンサ、赤外線センサ、ステアリングセンサ、スロットルセンサ、ブレーキセンサおよびオーディオセンサ(例えば、マイクロホン)などの他のセンサを更に含んでいてもよい。オーディオセンサは、自動運転車両の周囲の環境から音声を取得するように構成されてもよい。ステアリングセンサは、ステアリングホイールの操舵角、車両の車輪の操舵角又はそれらの組み合わせを検知するように構成されてもよい。スロットルセンサ及びブレーキセンサそれぞれは、車両のスロットル位置及びブレーキ位置を検知する。場合によっては、スロットルセンサとブレーキセンサは統合型スロットル/ブレーキセンサとして一体化されてもよい。
【0015】
一実施形態において、車両制御システム111はステアリングユニット201、スロットルユニット202(加速ユニットともいう)及びブレーキユニット203を含むが、それらに限定されない。ステアリングユニット201は車両の方向又は進行方向を調整するために用いられる。スロットルユニット202はモータ又はエンジンの速度を制御するために用いられ、モータ又はエンジンは更に車両の速度及び加速度を制御するために用いられる。ブレーキユニット203は、車両の車輪またはタイヤを減速させる摩擦を提供することにより車両を減速させる。なお、
図2に示された構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。
【0016】
図1を再び参照して、無線通信システム112は、自動運転車両101と、デバイス、センサ、他の車両などの外部システムとの間の通信を可能にするものである。例えば、無線通信システム112は、1つ以上のデバイスと直接通信することができ、又は通信ネットワークを介して、1つ以上のデバイスと無線通信することができ、例えば、ネットワーク102を介してサーバ103~104と通信することができる。無線通信システム112は、任意のセルラー通信ネットワーク又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を使用することができ、例えば、WiFiを使用して別の構成要素又はシステムと通信することができる。無線通信システム112は、例えば、赤外線リンク、ブルートゥース(登録商標)などを使用して、デバイス(例えば、乗員のモバイルデバイス、表示装置、車両101内のスピーカ)と直接通信することができる。ユーザインターフェースシステム113は、車両101内に実現された周辺装置の一部であってもよく、例えば、キーボード、タッチスクリーン表示装置、マイクロホン及びスピーカなどを含む。
【0017】
自動運転車両101の機能の一部又は全部は、特に自動運転モードで動作しているときに、感知・計画システム110によって制御又は管理することができる。感知・計画システム110は、必要なハードウェア(例えば、プロセッサ、メモリ、記憶デバイス)及びソフトウェア(例えば、オペレーティングシステム、計画・ルーティングプログラム)を備え、センサシステム115、制御システム111、無線通信システム112及び/又はユーザインターフェースシステム113から情報を受信し、受信した情報を処理し、出発地から目的地までのルート又は経路を計画し、その後、計画及び制御情報に基づいて車両101を走行させる。あるいは、感知・計画システム110を車両制御システム111と一体に統合することができる。
【0018】
例えば、乗員としてのユーザは、例えば、ユーザインターフェースを介して、旅程の出発地位置及び目的地を指定することができる。感知・計画システム110は、旅程関連データを取得する。例えば、感知・計画システム110は、MPOIサーバから位置及びルート情報を取得することができ、前記MPOIサーバはサーバ103~104の一部であってもよい。位置サーバは位置サービスを提供し、MPOIサーバは地図サービス及び特定の位置のPOIを提供する。あるいは、このような位置及びMPOI情報は、感知・計画システム110の永続性記憶装置にローカルキャッシュされてもよい。
【0019】
自動運転車両101がルートに沿って移動している間、感知・計画システム110は交通情報システムまたはサーバ(TIS)からリアルタイム交通情報を取得していてもよい。なお、サーバ103~104は第三者機関によって操作されてもよい。あるいは、サーバ103~104の機能は、感知・計画システム110と一体に統合されてもよい。リアルタイム交通情報、MPOI情報及び位置情報、並びにセンサシステム115によって検出又は検知されたリアルタイムローカル環境データ(例えば、障害物、オブジェクト、周辺車両)に基づいて、感知・計画システム110は、指定された目的地までに安全かつ効率的に到着するように、最適なルートを計画し、計画されたルートに従って、例えば、制御システム111によって車両101を運転することができる。
【0020】
サーバ103は、様々な顧客向けにデータ解析サービスを行うためのデータ解析システムであってもよい。一実施形態において、データ解析システム103は、データコレクタ121と、機械学習エンジン122とを備える。データコレクタ121は、様々な車両(自動運転車両又は人間の運転手によって運転される一般車両)から運転統計データ123を収集する。運転統計データ123は、発行された運転命令(例えば、スロットル、ブレーキ、ステアリング命令)及び車両のセンサによって異なる時点で取得された車両の応答(例えば、速度、加速、減速、方向)を示す情報を含む。運転統計データ123は更に、異なる時点における運転環境を記述する情報、例えば、ルート(出発地位置及び目的地位置を含む)、MPOI、道路状況、天気状況などを含んでもよい。
【0021】
機械学習エンジン122は、運転統計データ123に基づいて、様々な目的でルールセット、アルゴリズム及び/又は予測モデル124を生成又は訓練する。一実施形態では、アルゴリズム124は、駐車場の事前計画および制御データに基づいたデジタル地図に従って駐車軌跡集合を生成するためのアルゴリズムまたはモデル、駐車場の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連する駐車軌跡集合を取得するためのアルゴリズム、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定の場所のセット、ADVの現在位置に基づいて駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するアルゴリズム、および/または選択した駐車軌跡に従って対応する駐車スポットにADVを駐車するように制御するためのアルゴリズムまたは予測モデルを含み得る。以下で詳しく説明する。その後、アルゴリズム124を自動運転中にリアルタイムで利用するためにADV(たとえば、
図3Aのモデル313)にアップロードすることができる。
【0022】
図3A及び
図3Bは、一実施形態に係る自動運転車両と共に使用される感知・計画システムの一例を示すブロック図である。システム300は、
図1の自動運転車両101の一部として実現されてもよく、感知・計画システム110、制御システム111及びセンサシステム115を含むが、それらに限定されない。
図3A~
図3Bに示すように、感知・計画システム110は、測位モジュール301、感知モジュール302、予測モジュール303、決定モジュール304、計画モジュール305、制御モジュール306及びルーティングモジュール307を含むが、それらに限定されない。
【0023】
モジュール301~307のうちの一部または全部は、ソフトウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせで実現されていてもよい。例えば、これらのモジュールは、永続性記憶装置352にインストールされ、メモリ351にロードされ、且つ1つまたは複数のプロセッサ(図示せず)により実行されてもよい。なお、これらのモジュールの一部または全部は、
図2の車両制御システム111のモジュールの一部または全部と通信可能に接続されるか、または一体に統合されていてもよい。モジュール301~307の一部は、集積モジュールとして一体化されていてもよい。
【0024】
測位モジュール301は、自動運転車両300の現在位置を(例えば、GPSユニット212により)決定し、ユーザの旅程又はルートに関する如何なるデータを管理する。測位モジュール301(地図・ルートモジュールとも呼ばれる)は、ユーザの旅程又はルートに関連する如何なるデータを管理する。ユーザは、例えば、ユーザインターフェースを介してログインして、旅程の出発地位置及び目的地を指定することができる。測位モジュール301は、自動運転車両300の地図・ルート情報311のような他の構成要素と通信して、旅程関連データを取得する。例えば、測位モジュール301は、位置サーバ及び地図・ポイントオブインタレスト(MPOI)サーバから位置及びルート情報を取得することができる。位置サーバは位置サービスを提供し、MPOIサーバは、地図サービス及び特定位置のPOIを提供し、これらは地図・ルート情報311の一部としてキャッシュすることができる。自動運転車両300がルートに沿って移動するとき、測位モジュール301は交通情報システム又はサーバからリアルタイム交通情報を得ることも可能である。
【0025】
感知モジュール302は、センサシステム115により提供されたセンサデータと、測位モジュール301により取得された測位情報とに基づいて、周りの環境への感知を確定する。感知情報は、一般運転手が運転手により運転されている車両の周囲で感知するものを表すことができる。感知とは、例えばオブジェクトの形式で、車線配置、信号機信号、他の車両の相対位置、歩行者、建築物、横断歩道又は他の交通関連標識(例えば、止まれ標識、ゆずれ標識)などを含むことができる。車線構成は、例えば、車線の形状(例えば、直線または湾曲)、車線の幅、道路内の車線数、一方向または二方向車線、合流車線または分流車線、退出車線など、1つまたは複数の車線を記述する情報を含む。
【0026】
感知モジュール302は、1つまたは複数のカメラにより取り込まれた画像を処理し解析して自動運転車両の環境内におけるオブジェクト及び/又は特徴を認識するために、コンピュータビジョンシステム又はコンピュータビジョンシステムの機能を含むことができる。前記オブジェクトは、交通信号、道路境界、他の車両、歩行者および/または障害物などを含んでいてもよい。コンピュータビジョンシステムは、オブジェクト認識アルゴリズム、ビデオトラッキング、および他のコンピュータビジョン技術を使用することができる。いくつかの実施形態において、コンピュータビジョンシステムは、環境地図の描画、オブジェクトの追跡、及びオブジェクトの速度の推定などができる。感知モジュール302は、レーダ及び/又はLIDARのような他のセンサによって提供される他のセンサデータに基づいてオブジェクトを検出することもできる。
【0027】
各オブジェクトについて、予測モジュール303は、その場合にオブジェクトがどのように挙動するかを予測する。前記予測は、地図・ルート情報311と交通ルール312のセットに応じて、該時点において走行環境が感知された感知データに基づいて実行される。例えば、オブジェクトが反対方向の車両であり、かつ現在の運転環境が交差点を含む場合に、予測モジュール303は、車両が直進するか、又は旋回するかを予測する。交差点に信号機がないと感知データにより示された場合に、予測モジュール303は、車両が交差点に入る前に完全に停車する必要があると予測可能である。車両が現在左折専用車線又は右折専用車線にあると感知データにより示された場合に、予測モジュール303は、車両がそれぞれ左折又は右折する可能性が高いと予測可能である。
【0028】
オブジェクトごとに対して、決定モジュール304はオブジェクトをどのように処置するかを決定する。例えば、特定のオブジェクト(例えば、交差ルートにおける他の車両)及びオブジェクトを記述するメタデータ(例えば、速度、方向、操舵角)について、決定モジュール304は前記オブジェクトと遇うときに如何に対応するか(例えば、追い越し、道譲り、停止、追い抜き)を決定する。決定モジュール304は、交通ルールまたは運転ルール312などのルールセットに基づいてそのような決定を行うことができ、前記ルールセットは永続性記憶装置352に格納されていてもよい。
【0029】
ルーティングモジュール307は、出発地から目的地までの1つ以上のルート又は経路を提供するように構成される。ルーティングモジュール307は、出発地位置から目的地位置までの特定の旅程(例えば、ユーザから受信された特定の旅程)について、地図・ルート情報311を取得し、出発地位置から目的地位置までのすべての可能なルート又は経路を確定する。ルーティングモジュール307は、出発地位置から目的地位置まで決定された各ルートに対して地形図形式の基準線を生成することができる。基準線とは、他の車両、障害物または交通状況などからの如何なる干渉を受けていない理想的なルートまたは経路をいう。つまり、道路に他の車両、歩行者又は障害物がない場合、ADVは基準線に精確的に又は密接的に従うべきである。そして、地形図を決定モジュール304および/または計画モジュール305に提供する。決定モジュール304及び/又は計画モジュール305は、他のモジュールにより提供された他のデータ(例えば測位モジュール301からの交通状况、感知モジュール302により感知された走行環境及び予測モジュール303により予測された交通状况)に応じて、全ての走行可能なルートを検査して最適なルートのうちの一つを選択及び変更する。ある時点における特定の運転環境に応じて、ADVを制御するための実際の経路又はルートは、ルーティングモジュール307によって提供された基準線に近いか又は異なっていてもよい。
【0030】
感知されたオブジェクトのそれぞれに対する決定に基づいて、計画モジュール305は、ルーティングモジュール307によって提供された基準線をベースとし、自動運転車両に対して経路又はルート並びに運転パラメータ(例えば、距離、速度及び/又は操舵角)を計画する。つまり、特定のオブジェクトについて、決定モジュール304は当該オブジェクトに対して何をするかを決定し、計画モジュール305はどのようにするかを決定する。例えば、特定のオブジェクトについて、決定モジュール304は前記オブジェクトを追い抜くか否かを決定することができ、計画モジュール305は前記オブジェクトを左側から追い抜くか又は右側から追い抜くかを決定することができる。計画及び制御データは、計画モジュール305により生成され、車両300が次の移動周期(例えば、次のルート/経路区間)にはどのように移動するかを記述する情報を含む。例えば、計画及び制御データは、車両300が30マイル/時間(mph)の速度で10メートル移動し、その後に25mphの速度で右車線に変更することを示すことができる。
【0031】
制御モジュール306は、計画及び制御データに基づいて、計画及び制御データにより定義されたルートまたは経路に応じて適当なコマンド若しくは信号を車両制御システム111に送信することにより自動運転車両を制御および運転する。前記計画及び制御データは、経路又はルートに沿って異なる時点で適切な車両構成又は運転パラメータ(例えば、スロットル、ブレーキ、及びステアリング制御コマンド)を使用して、車両をルート又は経路の第1点から第2点まで走行させるのに十分な情報を含む。
【0032】
一実施形態において、計画段階は、例えば、時間間隔が100ミリ秒(ms)の周期など、複数の計画周期(運転周期ともいう)で実行される。計画周期又は運転周期のそれぞれについて、計画及び制御データに基づいて1つまたは複数の制御コマンドを発する。つまり、100ms毎に、計画モジュール305は次のルート区間又は経路区間を計画し、例えば、目標位置及びADVが目標位置に到着するのに必要な時間が含まれる。あるいは、計画モジュール305は、具体的な速度、方向、及び/又は操舵角などを更に指定することができる。一実施形態では、計画モジュール305は、次の所定期間(例えば、5秒)のルート区間又は経路区間を計画する。計画周期のそれぞれに対し、計画モジュール305は、前の周期で計画された目標位置に基づいて、現在の周期(例えば、次の5秒)のための目標位置を計画する。そして、制御モジュール306は、現在の周期における計画及び制御データに基づいて一つ又は複数の制御コマンド(例えば、スロットル、ブレーキ、ステアリングの制御コマンド)を生成する。
【0033】
なお、決定モジュール304及び計画モジュール305は、集積モジュールとして一体化されてもよい。決定モジュール304/計画モジュール305は、自動運転車両の運転経路を決定するためのナビゲーションシステムまたはナビゲーションシステムの機能を含んでいてもよい。例えば、ナビゲーションシステムは、自動運転車両が最終的な目的地に通じる走行車線に基づく経路に沿って進行すると共に感知された障害物を実質的に回避するように、自動運転車両をその経路に沿って移動させることを実現するための一連の速度および進行方向を確定することができる。目的地は、ユーザインターフェースシステム113を介したユーザ入力に従って設定することができる。ナビゲーションシステムは、自動運転車両が走行している間に運転経路を動的に更新することができる。ナビゲーションシステムは、自動運転車両のための走行経路を決定するために、GPSシステム及び一つ以上の地図からのデータを取り入れることができる。
【0034】
一実施形態では、駐車場の車線および1つまたは複数の駐車スポットを含む駐車場の情報を収集することができる。駐車場の事前計画および制御データに基づいて高精細デジタル地図を生成することができる。駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられた駐車軌跡集合は、デジタル地図に従って生成され得る。駐車場内の駐車スポットごとに、駐車軌跡集合の部分集合(subset)が、駐車スポットの近くの所定位置集合の部分集合に対して生成され得る。駐車軌跡集合は、地図・ルート情報311の駐車軌跡情報314に格納され得る。
【0035】
一実施形態によれば、計画モジュール305は、ADVを駐車場に駐車する要求に応答して、駐車場における1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連する駐車軌跡集合(例えば、駐車軌跡情報314から)を取得するように構成され得る。駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前に生成され得、駐車軌跡集合における各駐車軌跡は、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応し得る。計画モジュール305はさらに、ADVの現在位置に基づいて駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するように構成され得る。制御モジュール306は、選択された駐車軌跡に従って対応する駐車スポットに駐車するようにADVを制御するように構成され得る。
【0036】
図4は、計画モジュール305の例を示すブロック図であり、
図5は、一実施形態による計画モジュール305の処理フローチャートである。
図4および
図5を参照すると、計画モジュール305は、確定モジュール401、フェッチングモジュール402、選択モジュール403、軌跡モジュール404、および障害物モジュール405を含むが、これらに限定されない。これらは、選択した駐車軌跡に応じて対応する駐車スポットにADVを駐車するように、格納された駐車軌跡情報314を使用して協働する。モジュール401~405は、より少ない数のモジュールまたは単一のモジュールに統合され得ることに留意されたい。
【0037】
一実施形態によれば、ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、フェッチングモジュール402は、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するように構成され得、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、駐車軌跡集合における駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する。選択モジュール403は、ADVの現在位置に基づいて、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するように構成され得る。
【0038】
一実施形態では、確定モジュール401は、駐車場での駐車機能をアクティブ化したときに、ADVの現在位置を確定するように構成され得る。確定モジュール401はさらに、現在位置が所定位置集合における1つの位置と一致するかどうかを判定するように構成され得る。
【0039】
一実施形態では、確定モジュール401はさらに、現在位置が所定位置集合における所定位置と一致すると確定するように構成され得、選択された駐車軌跡が一致した所定位置に関連付けられている。制御モジュール306は、選択された駐車軌跡に従って、一致した所定位置から運転して離れて対応する駐車スポットに駐車するようにADVを制御するように構成され得る。
【0040】
一実施形態では、確定モジュール401は現在位置が所定位置集合におけるいずれの所定位置と一致しないと確定するように構成され得る。確定モジュール401はさらに、所定位置集合における現在位置から最も近い所定位置を確定するように構成され得、選択された駐車軌跡が最も近い所定位置に関連付けられる。軌跡モジュール404は、現在位置から最も近い所定位置までの軌跡を生成するように構成され得る。制御モジュール306は、生成された軌跡に従って現在位置から最も近い所定位置まで運転するようにADVを制御し、選択された駐車軌跡に従って、最も近い所定位置から運転して離れて対応する駐車スポットに駐車するようにADVを制御するように構成され得る。
【0041】
一実施形態では、感知モジュール302は、ADVに取り付けられた複数のセンサから得られたセンサデータに基づいて、選択された駐車軌跡を遮断する障害物を検出するように構成され得る。障害物モジュール405は、障害物の検出に応答してADVを停止するコマンドを送信するように構成され得る。制御モジュール306は、障害物が離れるときに、選択された駐車軌跡を再び続けるようにADVを制御するように構成され得る。
【0042】
時間は、多くの自動運転シナリオにおいて重要な要素である。ADVは、一般的にリアルタイムで軌跡を生成する必要がある可能である。ただし、リアルタイムの軌跡生成には、多くの場合、大量のコンピューティングリソースが必要である。したがって、リアルタイムの軌跡生成は、貴重なコンピューティングリソースには非常に要求が厳しく、複雑なシナリオではある程度の時間がかかる場合がある。
【0043】
要求の少ないリアルタイムの軌跡生成方法は、他の構成要素のための貴重なコンピューティングリソースを節約し、軌跡生成プロセスをスピードアップすることができる。低コスト、高速、リアルタイムの駐車ソリューションを実現するために、オフラインとオンラインの両方の駐車軌跡生成アルゴリズムを使用する方法を開発する必要がある可能である。
【0044】
図6Aはオフラインで生成された駐車軌跡の例を示す
図600aである。駐車場601では、駐車スポット(例えば、602)、車線、静的障害物、駐車場での運転制限などの計画および制御データが収集され得る。駐車場601で収集された計画および制御データに基づいてオフラインの高精細デジタル地図(図示せず)を生成できる。デジタル地図は、自動運転車両が駐車する可能性のある駐車場601内のすべての駐車スポットを含む。デジタル地図が作成されると、駐車場601内の駐車軌跡(例えば、621)がオフラインで生成され得る。
【0045】
オフラインプロセスでは、
図6Aに示されるように、デジタル地図はグリッドに分割され得る。グリッドの解像度は、計算時間と駐車軌跡の品質のバランスをとるように設定できる。一般に、解像度が高いほど、計算時間が長くなり、生成される駐車軌跡が良くなる。したがって、計算時間と生成された駐車軌跡の品質の間にはトレードオフがある。例えば、グリッドの解像度は、駐車軌跡ごとに、計算時間が1~2秒になるように設定することができる。
【0046】
一実施形態では、ハイブリッドA-スター(A*)検索アルゴリズムまたはA*検索アルゴリズムを使用して、駐車軌跡を検索することができる。グリッド内のノードは、事前設定された/実行可能な位置を表すことができる。A*検索アルゴリズムは、情報に通じた検索アルゴリズムである。A*は、グラフの開始ノードからスタートし、コストが最小(移動距離が最短、時間が最短など)の宛先ノードへのルートまたは経路を見つけることを目的としている。A*検索は、開始ノードで発生する経路ツリーを維持し、その終了基準が満たされるまで、一度に1つのエッジでそれらの経路を拡張することによって行われる。メインループの各反復で、A*は、経路のコストと、経路を宛先ノードまで拡張するために必要なコストの推定に基づいて、拡張する経路を決定する。ハイブリッドA*検索アルゴリズムは、車両の3次元(3D)運動状態空間に適用されるA*検索アルゴリズムの変形であるが、A*の離散検索ノードにおける連続状態データをキャプチャする変更された状態更新ルールがある。A*検索アルゴリズムと同様に、検索空間(x、y、θ)は離散化されるが、セルの中心にのみアクセスできる従来のA*とは異なり、ハイブリッドA*検索アルゴリズムは車両の連続3D状態を各グリッドセルに関連付けさせる。ハイブリッドA*検索アルゴリズムは、ADVの運動学的モデルを使用できる。ハイブリッドA*検索アルゴリズムから得られるルートまたは経路は、A*検索アルゴリズムの場合のような区分線形ではなく、運転可能である必要がある。
【0047】
地図内の各駐車スポット(例えば、602)について、所定位置である1つまたは複数の実行可能な位置(例えば、611、612、613、6145、615、616)の駐車スポット(例えば、602)に向かう駐車軌跡が、生成され得る。例えば、駐車スポット602について、駐車スポット602まで運転するための1つまたは複数の実行可能な位置/所定位置があり得る。駐車スポット602の近くの1つまたは複数の実行可能な位置/所定位置は、所定位置611、612、613、614、615、616などを含み得る。各駐車スポットについて、駐車スポットの近くの所定の/実行可能な位置は、駐車スポットまでの所定の閾値距離に基づいて確定され得る。例えば、駐車スポットまでの所定の閾値距離は、5メートル、10メートル、15メートル、20メートル、またはそれらの間の任意の値であり得る。デジタル地図の解像度が高いほど、駐車場の1つまたは複数の駐車スポットの近くにある所定位置が多くなる。例えば、駐車場内の各駐車スポットについて、駐車場の近くの所定位置の数/量は、10、20、30、50、80、100、またはそれらの間の任意の値であり得る。所定位置ごとに、所定位置から対応する駐車スポットまでの駐車軌跡を生成することができる。
【0048】
例として、所定位置611について、駐車軌跡621は、ハイブリッドA*検索アルゴリズムを使用することによって生成され得る。開始ノードは、所定位置611を表すノードであり得、宛先ノードは、駐車スポット602を表すノードであり得る。ハイブリッドA*検索アルゴリズムは、所定位置611から対応する駐車スポット602までの駐車軌跡621を見つけるために使用できる。同様に、ハイブリッドA*検索アルゴリズムは、所定位置の部分集合(例えば、611、612、613、614、615、616)から対応する駐車スポット(例えば、602)までの駐車軌跡の部分集合(例えば、
図6Bに示されるように、621、622、623、624、625、626)を見つけるために使用できる。したがって、所定位置集合から駐車場内のすべての駐車スポットまでの駐車軌跡集合は、例えば、ハイブリッドA*検索アルゴリズムを使用することによって、オフラインで生成することができる。
【0049】
図6Bは、オフラインで生成された駐車軌跡集合を格納するテーブル600bの一部の例を示し、該駐車軌跡は、示されるように、駐車軌跡テーブルなどのデータ構造に格納され得る。各駐車スポット(例えば、602)について、駐車スポット(例えば、602)の近くの所定位置の部分集合(例えば、611、612、613、614、615、616)の駐車軌跡の部分集合(例えば、621、622、623、624、625、626))は、オフラインで生成され、格納され得る。グリッド内のすべての実行可能な位置/所定位置の駐車軌跡が生成されると(通常は数分または数時間かかる)、それらの軌跡は、たとえば
図6Bに示すようにテーブルに保存できる。したがって、駐車場内のすべての駐車スポットの近くの所定位置集合の駐車軌跡集合を生成して、テーブルに格納することができる。駐車軌跡テーブルは、駐車軌跡情報314の一部として格納することができる。
【0050】
図7は、一実施形態に係るオフラインで駐車軌跡集合を生成するプロセスの例を示すフローチャートである。プロセス700は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行することができる。プロセス700は、ADV、コンピュータ、または任意のタイプのコンピューティングデバイスによって実行され得る。
図7を参照すると、動作701において、処理ロジックは、駐車場の計画および制御データを収集する。動作702において、処理ロジックは、収集された駐車場の計画および制御データに基づいてデジタル地図を生成する。動作703において、処理ロジックは、デジタル地図に基づいて駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられた駐車軌跡集合を生成する。ここで、駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つに対応する。動作704において、処理ロジックは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられた駐車軌跡集合を記憶する。
【0051】
図8は、いくつかの実施形態による、オフラインおよびオンラインの軌跡生成を組み合わせることによって、ADVを駐車スポットに駐車する方法の例を示す図である。該方法では、オフラインとオンラインの軌跡生成アルゴリズムを組み合わせることで、低コスト、高速、リアルタイムの駐車ソリューションを実現する。
【0052】
図8を参照すると、オンラインステップにおいて、ADV803は、駐車場801に到達し、駐車機能をアクティブにすることを決定することができる。アクティブされると、ADV803は、例えば位置特定モジュール301から、ADVのリアルタイムの現在位置810を決定するように構成され得る。ADV803は、現在位置810を、オフラインで生成された駐車軌跡集合(例えば、821)に関連付けられたオフラインで格納された所定位置集合(例えば、811)と比較するように構成され得る。例えば、
図6Bに示されるように、オフラインで格納された所定位置集合およびオフラインで生成された駐車軌跡集合は、テーブルに格納され得る。ADV803は、例えば、モジュール402をフェッチすることによって、オフラインで格納された所定位置集合に関連付けられたオフラインで生成された駐車軌跡集合を取得するように構成され得る。
【0053】
一実施形態では、ADVの現在位置が、駐車軌跡集合の1つの軌跡に関連する所定位置と一致する場合、一致する所定位置に関連する対応する駐車軌跡が、例えば、選択モジュール403によって選択される。対応する駐車軌跡は、制御モジュール306に送ることができる。
【0054】
一実施形態では、ADV803の現在位置810が、格納されたテーブル内の所定位置のいずれとも一致しない場合、格納されたテーブルからの最も近い所定位置811または実行可能な位置が確定され得る。最も近い所定位置811に関連付けられた駐車軌跡821は、例えば、選択モジュール403によって選択され得る。ADV803は、ADV803を最も近い所定位置811に向けてガイドする軌跡820を生成するように構成され得る。テーブルに格納されている最も近い所定位置811に到達すると、最も近い所定位置811に関連付けられた対応する駐車軌跡821は制御モジュール306に送ることができる。
【0055】
この方法では、ADV803は、ADV803を現在位置810からオフラインで計算された位置である所定位置811に向けてリアルタイムで運転する軌跡820を生成するだけでよい。ADV803が所定位置811(オフラインで計算された位置)に到達すると、ADV803は、オフラインで生成された対応する駐車軌跡821をフェッチし、駐車軌跡821に従って、対応する駐車スポット802に駐車すればよい。オンラインおよびオフラインの軌跡生成方法を組み合わせることにより、駐車シーンの高速、低コスト、リアルタイムの駐車軌跡生成ソリューションが提供される。
【0056】
一実施形態では、デジタル地図に基づいてオフラインで生成された駐車軌跡集合(例えば、821)は、理想的な状況である障害物に関する情報を含まない。実際の駐車中に障害物804が存在する場合、感知モジュール302は、ADV803に取り付けられた複数のセンサから得られたセンサデータに基づいて、選択された駐車軌跡821を遮断する障害物804を検出するように構成され得る。障害物804を検出すると、障害物モジュール405は、障害物804の周りを運転する代わりに、障害物804の前でADV803を停止するコマンドを送信するように構成され得る。障害物804が離れると、制御モジュール306は、ADV803が駐車スポット802に駐車されるまで、選択された駐車軌跡821を再び続けるようにADV803を制御するように構成され得る。
【0057】
図9は、いくつかの実施形態による、オフラインおよびオンラインの軌跡生成を組み合わせることによって、ADVを駐車スポットに駐車するプロセスの例を示すフローチャートである。プロセス900は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行することができる。例えば、プロセス900は、計画モジュール305及び制御モジュール306により実行され得る。
図9を参照すると、動作901ではADVを駐車場に駐車する要求に応じて、処理ロジックは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得し、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する。動作902では、処理ロジックは、ADVの現在位置に基づいて、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択する。動作903では、処理ロジックは、選択された駐車軌跡に従って、ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御する。
【0058】
一実施形態では、処理ロジックは、駐車場での駐車機能をアクティブ化したときにADVの現在位置を確定し、現在位置が所定位置集合における1つの位置と一致するかどうかを確定することができる。
【0059】
一実施形態では、処理ロジックは、現在位置が、所定位置集合における所定位置と一致することを確定することができ、選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる。
【0060】
一実施形態では、処理ロジックは、現在位置が、所定位置集合におけるいずれの位置とも一致しないことを確定することができ、所定位置集合における現在位置から最も近い所定位置を確定することができ、選択された駐車軌跡が最も近い所定位置に関連付けられている。処理ロジックは、現在位置から最も近い所定位置までの軌跡を生成し、生成された軌跡に従って現在位置から最も近い所定位置まで運転するようにADVを制御することができる。
【0061】
一実施形態では、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいたデジタル地図に従って事前生成された。一実施形態では、駐車場の事前計画および制御データは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットおよび車線に関連する情報を含む。一実施形態では、1つまたは複数の駐車スポットのそれぞれについて、駐車軌跡の部分集合が、駐車スポットの近くの所定位置の部分集合に対して生成される。
【0062】
一実施形態では、処理ロジックは、ADVに搭載された複数のセンサから得られたセンサデータに基づいて、選択された駐車軌跡を閉塞する障害物を検出することができる。処理ロジックは、障害物の検出に応答してADVを停止するコマンドを送信する。障害物が離れたときに、処理ロジックは、ADVを選択した駐車軌跡を再び続けるように制御する。
【0063】
図10は、いくつかの実施形態による、オフラインおよびオンラインの軌跡生成を組み合わせることによって、ADVを駐車スポットに駐車するプロセスの詳細な例を示すフローチャートである。プロセス1000は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを含み得る処理ロジックによって実行することができる。例えば、プロセス1000は、計画モジュール305及び制御モジュール306により実行され得る。
図10を参照すると、動作1001において、処理ロジックは、ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得し、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する。
【0064】
動作1002において、処理ロジックは、駐車場で駐車機能をアクティブにしたときにADVの現在位置を確定することができる。動作1003において、処理ロジックは、現在位置が所定位置集合における1つの位置と一致するか否かを判定することができる。
【0065】
動作1004において、処理ロジックは、現在位置が所定位置集合におけるいずれの位置と一致しないことを判定することができる。動作1005において、処理ロジックは、所定位置集合における現在位置から最も近い所定位置を確定することができる。動作1006において、処理ロジックは、現在位置から最も近い所定位置までの軌跡を生成することができる。動作1007において、処理ロジックは、生成された軌跡に従って、ADVを現在位置から最も近い所定位置まで運転するように制御することができる。
【0066】
動作1008において、処理ロジックは、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択し、ここで、選択された駐車軌跡は、最も近い所定位置に関連付けられている。動作1009において、処理ロジックは、現在位置が、所定位置集合における所定位置と一致することを確定することができる。動作1010において、処理ロジックは、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択し、ここで、選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる。動作1012において、処理ロジックは、選択された駐車軌跡に従って、ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御する。
【0067】
なお、以上に例示及び説明された構成要素の一部又は全ては、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせで実現されることができる。例えば、このような構成要素は、永続性記憶装置にインストールされるとともに格納されるソフトウェアとして実現されてもよく、前記ソフトウェアは、本出願にわたって記載されたプロセス又は動作を実施するように、プロセッサ(図示せず)でメモリにロードして実行され得る。あるいは、このような構成要素は、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路又はASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような専用ハードウェアにプログラミングまたは埋め込まれた実行可能なコードとして実現されてもよく、前記実行可能なコードは、アプリケーションからの対応するドライバーおよび/またはオペレーティングシステムを介してアクセスすることができる。また、このような構成要素は、ソフトウェア構成要素が1つ以上の特定の命令によってアクセス可能な命令セットの一部として、プロセッサ又はプロセッサコアにおける特定のハードウェアロジックとして実現されることができる。
【0068】
上述した具体的な説明の一部は、既に、コンピュータメモリにおけるデータビットに対する演算のアルゴリズムと記号表現により示された。これらのアルゴリズムの説明および表現は、データ処理分野における当業者によって使用される、それらの作業実質を所属分野の他の当業者に最も効果的に伝達する方法である。本明細書では、一般的に、アルゴリズムは、所望の結果につながるセルフコンシステントシーケンスと考えられる。これらの操作は、物理量の物理的処置が必要とされるものである。
【0069】
しかしながら、念頭に置くべきなのは、これらの用語および類似の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるものであり、これらの量を標識しやすくするためのものに過ぎない。以上の説明で他に明示的に記載されていない限り、本明細書の全体にわたって理解すべきなのは、用語(例えば、添付された特許請求の範囲に記載のもの)による説明とは、コンピュータシステム、または類似の電子式計算装置の動作および処理を指し、前記コンピュータシステムまたは電子式計算装置は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリにおける物理(電子)量として示されたデータを制御するとともに、前記データをコンピュータシステムメモリまたはレジスタまたはこのようなその他の情報記憶装置、伝送または表示装置において同様に物理量として示された別のデータに変換する。
【0070】
本出願の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置にも関する。このようなコンピュータプログラムは、非一時的コンピュータ可読媒体に格納される。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)により読み取り可能な形式で情報を格納するための任意のメカニズムを含む。例えば、機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス)を含む。
【0071】
上述した図面において説明されたプロセス又は方法は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に具現化されるもの)、又は両方の組み合わせを含む処理ロジックにより実行されることができる。前記プロセス又は方法は、以上で特定の順序に応じて説明されたが、前記動作の一部が異なる順序で実行されてもよいことを理解されたい。また、一部の操作は、順番ではなく並行して実行されてもよい。
【0072】
本出願の実施形態は、いずれの特定のプログラミング言語を参照することなく記載されている。理解すべきなのは、本明細書に記載の本出願の実施形態の教示を実現するために、様々なプログラミング言語を使用することができる。
【0073】
本明細書において、本出願の実施形態は、既にその具体的な例示的な実施形態を参照しながら記載された。明らかなように、添付された特許請求の範囲に記載された本出願のより広い趣旨及び範囲を逸脱しない限り、本出願に対して様々な変更を行うことができる。それゆえに、本明細書および図面は、限定的な意味でなく、例示的な意味で理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2020-12-16
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
運動計画および制御は、自動運転における重要な操作である。多くの自動運転シナリオでは、時間は重要な決定的要素である。自動運転車は一般にリアルタイムで軌跡を生成する必要があるが、リアルタイムの軌跡生成には多くの場合、大量のコンピューティングリソースが必要である。したがって、リアルタイムの軌跡生成は、貴重なコンピューティングリソースには非常に要求が厳しく、複雑なシナリオではある程度の時間がかかる場合がある。
本開示の実施形態は、自動運転車両(ADV)を動作させるためのコンピュータ実施方法、非一時的機械可読媒体、データ処理システムおよびコンピュータプログラムを提供する。
第1態様では、本開示のいくつかの実施形態は、自動運転車両を動作させるためのコンピュータ実施方法であって、
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応し得る、ステップと、
ADVの現在位置に基づいて、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含むコンピュータ実施方法を提供する。
第2態様では、本開示のいくつかの実施形態は、命令が格納されている非一時的機械可読媒体であって、命令はプロセッサにより実行されると、
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応し得る、ステップと、
ADVの現在位置に基づいて、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含む動作をプロセッサに実行させる、非一時的機械可読媒体を提供する。
第3態様では、本開示のいくつかの実施形態は、プロセッサと、命令を格納するためにプロセッサに接続されるメモリとを備えるデータ処理システムであって、
命令は、プロセッサにより実行されると、
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、駐車軌跡集合は、駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、駐車軌跡のそれぞれは、駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応し得る、ステップと、
ADVの現在位置に基づいて、駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含む動作をプロセッサに実行させる、データ処理システムを提供する。
第4態様では、コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1態様に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
地図内の各駐車スポット(例えば、602)について、所定位置である1つまたは複数の実行可能な位置(例えば、611、612、613、614、615、616)の駐車スポット(例えば、602)に向かう駐車軌跡が、生成され得る。例えば、駐車スポット602について、駐車スポット602まで運転するための1つまたは複数の実行可能な位置/所定位置があり得る。駐車スポット602の近くの1つまたは複数の実行可能な位置/所定位置は、所定位置611、612、613、614、615、616などを含み得る。各駐車スポットについて、駐車スポットの近くの所定の/実行可能な位置は、駐車スポットまでの所定の閾値距離に基づいて確定され得る。例えば、駐車スポットまでの所定の閾値距離は、5メートル、10メートル、15メートル、20メートル、またはそれらの間の任意の値であり得る。デジタル地図の解像度が高いほど、駐車場の1つまたは複数の駐車スポットの近くにある所定位置が多くなる。例えば、駐車場内の各駐車スポットについて、駐車場の近くの所定位置の数/量は、10、20、30、50、80、100、またはそれらの間の任意の値であり得る。所定位置ごとに、所定位置から対応する駐車スポットまでの駐車軌跡を生成することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両(ADV)を動作させるためのコンピュータ実施方法であって、
前記ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、前記駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、前記駐車軌跡のそれぞれは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する、ステップと、
前記ADVの現在位置に基づいて、前記駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、前記ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含むコンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記駐車場で駐車機能をアクティブにしたときに前記ADVの現在位置を確定するステップと、
前記現在位置が前記所定位置集合における1つの所定位置と一致するか否かを判定するステップと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在位置が前記所定位置集合における所定位置と一致することを確定するステップをさらに含み、
選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在位置が前記所定位置集合におけるいずれの所定位置と一致しないことを確定するステップと、
前記所定位置集合における、前記現在位置に最も近い所定位置を確定するステップと、を含み、
選択された駐車軌跡は、前記現在位置に最も近い所定位置に関連付けられる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置までの軌跡を生成するステップと、
生成された軌跡に従って、前記ADVを前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置まで運転するように制御するステップと、をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の前記事前計画および制御データに基づくデジタル地図に従って事前生成されたものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記駐車場の前記事前計画および制御データは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットおよび車線に関連する情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の駐車スポットのそれぞれについて、前記駐車スポットの近くの所定位置の部分集合に対して駐車軌跡の部分集合を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ADVに搭載された複数のセンサから得られたセンサデータに基づいて、選択された駐車軌跡を閉塞する障害物を検出するステップと、
前記障害物の検出に応答して前記ADVを停止するコマンドを送信するステップと、
前記障害物が離れたときに、前記ADVを選択した駐車軌跡を再び続けるように制御するステップと、をさらに含む請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
命令が格納されている非一時的機械可読媒体であって、前記命令はプロセッサにより実行されると、
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、前記駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、前記駐車軌跡のそれぞれは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する、ステップと、
前記ADVの現在位置に基づいて、前記駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、前記ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含む動作を前記プロセッサに実行させる、非一時的機械可読媒体。
【請求項11】
前記動作は、
前記駐車場で駐車機能をアクティブにしたときに前記ADVの現在位置を確定するステップと、
前記現在位置が前記所定位置集合における1つの所定位置と一致するか否かを判定するステップと、をさらに含む請求項10に記載の媒体。
【請求項12】
前記動作は、前記現在位置が前記所定位置集合における所定位置と一致することを確定するステップをさらに含み、
選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる、請求項11に記載の媒体。
【請求項13】
前記動作は、
前記現在位置が前記所定位置集合におけるいずれの所定位置と一致しないことを確定するステップと、
前記所定位置集合における、前記現在位置に最も近い所定位置を確定するステップと、をさらに含み、
選択された駐車軌跡は、前記現在位置に最も近い所定位置に関連付けられる、請求項11に記載の媒体。
【請求項14】
前記動作は、
前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置までの軌跡を生成するステップと、
生成された軌跡に従って、前記ADVを前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置まで運転するように制御するステップと、をさらに含む請求項13に記載の媒体。
【請求項15】
前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の前記事前計画および制御データに基づくデジタル地図に従って事前生成されたものである、請求項10に記載の媒体。
【請求項16】
前記動作は、
前記ADVに搭載された複数のセンサから得られたセンサデータに基づいて、選択された駐車軌跡を閉塞する障害物を検出するステップと、
前記障害物の検出に応答して前記ADVを停止するコマンドを送信するステップと、
前記障害物が離れたときに、前記ADVを選択した駐車軌跡を再び続けるように制御するステップと、をさらに含む請求項10~15のいずれか一項に記載の媒体。
【請求項17】
プロセッサと、命令を格納するために前記プロセッサに接続されるメモリとを備えるデータ処理システムであって、
前記命令は、前記プロセッサにより実行されると、
ADVを駐車場に駐車する要求に応じて、前記駐車場内の1つまたは複数の駐車スポットの近くの所定位置集合に関連付けられる駐車軌跡集合を取得するステップであって、前記駐車軌跡集合は、前記駐車場の事前計画および制御データに基づいて事前生成され、前記駐車軌跡のそれぞれは、前記駐車場内の前記1つまたは複数の駐車スポットのうちの1つの駐車スポットに対応する、ステップと、
前記ADVの現在位置に基づいて、前記駐車軌跡集合から駐車軌跡を選択するステップと、
選択された駐車軌跡に従って、前記ADVを対応する駐車スポットに駐車するように制御するステップと、を含む動作を前記プロセッサに実行させる、データ処理システム。
【請求項18】
前記動作は、
前記駐車場で駐車機能をアクティブにしたときに前記ADVの現在位置を確定するステップと、
前記現在位置が前記所定位置集合における1つの所定位置と一致するか否かを判定するステップと、をさらに含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記動作は、前記現在位置が前記所定位置集合における所定位置と一致することを確定するステップをさらに含み、
選択された駐車軌跡は、一致した所定位置に関連付けられる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記動作は、
前記現在位置が前記所定位置集合におけるいずれの所定位置と一致しないことを確定するステップと、
前記所定位置集合における、前記現在位置に最も近い所定位置を確定するステップと、をさらに含み、
選択された駐車軌跡は、前記現在位置に最も近い所定位置に関連付けられる、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記動作は、
前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置までの軌跡を生成するステップと、
生成された軌跡に従って、前記ADVを前記現在位置から前記現在位置に最も近い所定位置まで運転するように制御するステップと、をさらに含む請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータプログラム。
【国際調査報告】