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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】液体ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
B67D3/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021505927
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(85)【翻訳文提出日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2020060342
(87)【国際公開番号】W WO2020208240
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】19305474.9
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042828
【氏名又は名称】ソシエテ アノニム デ オー ミネラル デビアン エ アン アブレジェ “エス.アー.ウー.エム.ウー.”
(74)【復代理人】
【識別番号】100196449
【弁理士】
【氏名又は名称】湯澤 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】タンシェット,ジャン-バティスト
(72)【発明者】
【氏名】ジェヴィエツキ,カテリーヌ-アリクス
(72)【発明者】
【氏名】ロワゼル,ヴァンサン
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082DD20
(57)【要約】
液体(40)をユーザに分配するためのシステムであって、容器(10)と、液体(40)と、分配位置で容器(10)を受容および保持するように配設され、かつ制御ユニット(32)ユーザを備える、ディスペンサ(30)と、容器(10)に接続され、かつ制御ユニット(32)に接続されて、容器(10)からの液体(40)の流れを選択的に放出または停止させるために制御ユニット(32)に接続された、弁(20)と、を備え、
-液体(40)の少なくとも一部を放出した時点で、容器(10)が変形可能であり、弁(20)が、容器(10)からの液体(40)の流れを放出することと、-液体(40)の少なくとも別の一部を放出した時点で、弁(20)が、容器(10)からの液体(40)の流れを放出し、容器(10)の中へのガスの流れを可能にすることとを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(40)をユーザに分配するためのシステムであって、
-基準容器容積を有する容器(10)と、
-前記容器(10)内の液体(40)であって、前記液体は最大で液体基準容量の量であり、前記液体基準容量は好ましくは前記容器基準容積の80%~99%である、容器(10)内の液体(40)と、
-分配位置で前記容器(10)を受容および保持するように配設され、かつ前記ユーザによって作動される制御ユニット(32)を有するディスペンサ(30)と、
-前記容器(10)に接続され、かつ前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを選択的に放出または停止させるために前記制御ユニット(32)に接続された弁(20)と、を備え、
-前記液体(40)の少なくとも一部を放出した時点で、前記容器(10)が変形可能であり、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記弁(20)が、前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを放出することと、
-前記液体(40)の少なくとも別の一部を放出した時点で、前記弁(20)が、前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを放出し、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記容器(10)の中へのガスの流れを可能にすることと、
を特徴とする、システム。
【請求項2】
第1の分配段階の間、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記弁(20)が、前記容器(10)からの液体(40)の流れを放出のみするように前記容器(10)が変形可能であり、
第2の分配段階の間、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記容器(10)前記弁(20)が、前記容器(10)からの液体(40)の流れを放出し、かつ前記容器(10)の中へのガスの流れを可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器(10)は、底部分(11)、側面部分(12)、および肩部分(13)を備える壁と、前記底部分(11)の反対側の前記肩部分(13)上に提供される首部(14)と、を有し、前記側面部分(12)は直線部分を有している、請求項1および2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記底部分(11)および/または前記肩部分(13)が、半球形状を呈し、前記側面部分(12)が、円筒状、好ましくは円柱状である、請求項1~3に記載のシステム。
【請求項5】
前記容器(10)の壁が、リッジ、リブ、または溝を含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記弁(20)が、
-前記容器(10)から液体(40)を完全に排出するための平均として、0.020L/秒~0.028L/秒未満、または0.028L/秒~0.150L/秒、好ましくは0.042L/秒~0.083L/秒の、ならびに、好ましくは、
-前記弁(20)が前記容器(10)からの液体(40)の流れだけを可能にする場合の平均として、0.030L/秒~0.042L/秒未満、または0.042L/秒~0.150L/秒、好ましくは0.050L/秒~0.060L/秒未満、または0.060L/秒~0.150L/秒の、ならびに/または
-前記弁(20)が前記容器(10)からの液体(40)の流れおよび前記容器(10)の中への空気の流れを可能にする場合の平均として、0.020L/秒~0.028L/秒未満、または0.028L/秒~0.083L/秒、好ましくは0.028L/秒~0.050L/秒の、前記容器(10)からの前記液体の流れを可能にするように配設される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記容器(10)が、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作製され、好ましくは少なくとも部分的にリサイクルされる、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記容器(10)が、5.27g/L~9.33g/L、好ましくは5.27g/L~7.33g/L、好ましくは5.80g/L~7.00g/Lの、その重量とその基準容積との比を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記容器基準容積が、少なくとも3.0L、好ましくは少なくとも4.0L、好ましくは少なくとも5.0L、および好ましくは最大で22.0L、好ましくは最大で11.0Lである、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記容器(10)は、前記液体基準容量で充填され、封止されたときに、少なくとも5mmの変形に対して少なくとも10daNの頂部負荷抵抗、および/または少なくとも2.5mmの変形に対して少なくとも5daNの横方向負荷抵抗を呈する、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
-前記液体(40)の容量が空気進入閾値~前記液体基準容量の100%の範囲で構成される場合、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記弁(20)が、第1の分配段階で、前記容器(10)からの液体の流れ(40)を放出のみするように配設され、
-前記液体(40)の容量が0%~前記液体基準容量の空気進入閾値の範囲で構成される場合、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記弁(20)が、第2の分配段階で、前記容器(10)からの液体の流れ(40)を放出し、かつ前記容器(10)の中へのガスの流れを可能にするように配設され、
前記空気進入閾値が、前記液体基準容量の5%~66%、好ましくは10%~50%、好ましくは20%~40%で構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
-前記容器(10)が、底部分(11)、側面部分(12)、および肩部分(13)を備える壁と、前記底部分(11)の反対側の前記肩部分(13)上に提供された首部(14)と、を備え、
-前記ディスペンサ(30)が、分配位置で前記容器(10)を安定的に受容および保持するために、前記肩部分(13)と嵌合するように配設された、受容部分(31)を備え、
前記底部分(11)は、前記受容部分(31)が直立位置で前記容器(10)を安定的に受容および保持することができるように、前記肩部分(13)よりも類似的な形状を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
さらに、
前記ユーザまたは処理エンティティに少なくとも1つの情報または命令メッセージを表示または送信するように配設された、電子制御ユニット(32)を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
さらに、
液体量測定ユニットを備える、請求項1~13に記載のシステム。
【請求項15】
-電子ユニットに接続されたクロックと、
-容器存在センサと、を備え、
前記メッセージは、前記容器存在センサが容器(10)の取り付けを検出するために状態を変化したときに開始された期間が、鮮度時間閾値を超えたときの、前記容器(10)を取り替えるためのリマインダ、または新しい充填された容器(10)の注文である、請求項13または14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記メッセージは、前記容器重量が前記重量閾値未満に測定されているときに開始された第2の期間が、容器内のガス時間閾値を超えたときの、前記容器(10)を取り替えるためのリマインダである、請求項13~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
少なくとも1つの容器種類認識センサを備え、前記電子制御ユニット(32)は、前記容器種類認識センサが許可された種類の容器(10)を認識できない場合に、あらゆるメッセージの前記送信を阻止するように配設されている、請求項13~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のシステムのための容器(10)。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか一項に記載のシステムのためのディスペンサ(30)。
【請求項20】
請求項1~17のいずれか一項に記載のシステムによって液体(40)を分配するための方法であって、
-容器基準容積を有し、前記容器基準容積の80%~99%である液体基準容量の液体(40)を充填した、封止された容器(10)を提供するステップと、
-前記容器(10)の前記封止を破壊するステップと、
-弁(20)を前記容器(10)に接続するステップと、
-前記弁(20)をディスペンサ(30)の制御ユニット(32)に接続するために、前記弁(20)を備える前記容器(10)を前記ディスペンサ(30)に結合するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
さらに、
-前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを選択的に放出または停止させるために、前記制御ユニット(32)を作動させるステップと、
-前記液体(40)の少なくとも一部を放出した時点で、前記容器(10)が変形し、よって、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記弁(20)が、前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを放出するステップと、
-前記液体(40)の少なくとも別の一部を放出した時点で、前記弁(20)が、前記容器(10)からの前記液体(40)の流れを放出し、前記ユーザが前記制御ユニット(32)を作動させたときに、前記容器(10)の中へのガスの流れを可能にするステップと、
を含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体ディスペンサに関し、具体的には液体飲料ディスペンサに関し、より具体的には水ディスペンサに関する。本発明は、液体ディスペンサに関し、液体は、ユーザに分配する前に閉鎖された容器に貯蔵される。
【背景技術】
【0002】
通常の水分配システムは、空になった時点でも依然として大きい容積を有する厚い容器を備える。空間の無駄を回避するために、ユーザは、空の容器を潰さなければならず、したがって、ユーザの余分な労力を必要とする。代替的に、容器は、再充填するために返却され、これは、様々な材料に対する既存の一般的なリサイクリングストリームを利用しない、相当な費用のかかる特定のロジスティックを必要とする。要約すると、通常の既存のディスペンサ用の容器は、高価であり、ユーザフレンドリーでない。
【0003】
特許出願文書CN103482169、WO2010/07744、FR2922146、およびWO2014/101956は、変形可能な容器を有し、あらゆる空気の進入を防止するように配設された、水分配システムを記載している。しかしながら、そのようなシステムは、水の完全な排出を可能にせず、容器を取り替えるときに、ユーザが望まない水の無駄および/またはいくらかの流出をもたらす。
【0004】
特許出願文書EP2730535A1は、2つのカテゴリの水分配システムを開示している。第1のカテゴリは、容積低減によって液体の喪失を補償する、収縮可能なボトルに関する。第2のカテゴリは、液体配給中に恒常的な形状を有する、硬質のボトルに関する。
【0005】
特許出願WO2006/005601A1は、所定容量の飲料を送達するために、逆さまにしたボトルに結合される飲料ディスペンサ(弁)を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の上述した欠点に対処すること、およびよりユーザフレンドリーであり、水の歩留まりを最適にし、および/または、使用される容器材料の量を削減する、液体が容器に貯蔵される第1のディスペンサを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的において、本発明の第1の態様は、液体をユーザに分配するためのシステムに関し、該システムは、
-基準容器容積を有する容器と、
-容器内の液体であって、該液体が、最大で液体基準容量の量であり、液体基準容量が、好ましくは容器基準容積の80%~99%である、容器内の液体と、
-分配位置で容器を受容および保持するように配設され、かつユーザによって作動される制御ユニットを備える、ディスペンサと、
-容器に接続され、かつ容器からの液体の流れを選択的に放出または停止させるために制御ユニットに接続された弁と、を備え、
-液体の少なくとも一部を放出した時点で、容器が変形可能であり、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出することと、
-液体の少なくとも別の一部を放出した時点で、弁が、容器からの液体の流れを放出し、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、容器の中へのガスの流れを可能にすることと、を特徴とする。
【0008】
上の実施形態によれば、弁は、2つの異なる動作モードを提供するように配設される。第1の動作モードでは、主に容器から液体を放出/排出する。この第1の動作モードでは、容器が変形して、液体の放出によって生じた容量の喪失を補償する(容器は、容器容積が減少するように変形して、容器から排出された液体容量の少なくとも80%、または90%、または99%、または好ましくは100%を補償する)。第2の動作モードでは、容器から液体を放出/排出し、容器の中へ空気を進入/流入させて容器から排出された液体容量の大部分を補償する)。この第2の動作モードでは、容器が変形して、液体の放出によって生じた容量の喪失を補償するが、容器容積の減少は、容器から排出された液体容量の50%未満、または30%未満、さらには20%未満であり、それによって、容器の中への空気の(相当な)進入/流入を生じさせ得る。容器変形の結果として、液体が完全に排出されたときに、容器は、潰れた状態であり、廃棄するために、および理想的に再利用するために、その空間/容積を低減させる。本発明によれば、空の容器の取り扱いは、より容易である。加えて、容器の変形は、ガス/空気の進入を制限し、よって、容器内の残存液体のガス/空気による潜在的な汚染の危険性を低減されることに留意されたい。それによって、液体の鮮度および/または保存が改善される。したがって、開口後の推奨される液体消費期限を延ばすことができる。開口後の鮮度および/または推奨される液体消費期限は、液体によって異なり得る。水の場合、この期間は、最高15日であり得る。果実もしくは果実抽出物ならびに/または砂糖および/もしくは甘味料を含む飲料の場合、この期間は、最長で5日、好ましくは最長で2日または3日であり得る。
【0009】
第1の動作モードまたは第2の動作モードは、少なくともカップまたはグラスを満たすために液体を排出する間、すなわち、容器から少なくとも0.125L、好ましくは少なくとも0.25L、およびより好ましくは少なくとも0.5Lの液体容量を排出するために、連続的に動作させることができることに留意されたい。
【0010】
換言すれば、システムは、好ましくは、以下のように配設される。
-第1の動作モードの間、容器から少なくとも0.125L、好ましくは少なくとも0.25L、およびより好ましくは少なくとも0.5Lの液体容量を排出するために、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器から液体の流れを放出し、容器容積が容器から排出された液体容量の少なくとも80%、または90%、または99%、より好ましくは100%減少するように容器が変形可能であるように、
-第2の動作モードの間、容器から少なくとも0.125L、好ましくは少なくとも0.25L、およびより好ましくは少なくとも0.5Lの液体容量を排出するために、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器から液体の流れを放出し、容器が、容器から排出される液体容量の最大で50%、または30%、さらには20%変形可能であり、それによって、容器の中への空気の進入/流入を生じさせるように構成される。
【0011】
典型的に、第1の動作モードと第2の動作モードとの間の移行は、液体基準容量の5%~66%、好ましくは20%~40%、好ましくは10%~50%で構成される空気進入閾値の場合に生じる。
【0012】
システムは、アクティブポンプ手段を含まない場合があることに留意されたい。
【0013】
好ましくは、重力だけで容器から液体の放出を生じさせ、システムは、いかなるポンプも備えない。
【0014】
換言すれば、第1の動作モードでは、容器は、容器の中へのガスの進入を制限する、または進入させないことによって、液体の喪失を補償するために「自動的に」変形可能である。
【0015】
第1の動作モードからの第2の動作モードへの切り換えまたは移行は、システム自体によって提供され、容器が所与の収縮または容積の低減に到達した時点で、容器壁は、さらなる収縮または容積の低減に抵抗し、いくらかのガス/空気が容器に進入することを可能にする。換言すれば、システムは、自律的および受動的であり、空気の進入を引き起こすために、外部の制御/信号を必要としない。単に、第1の動作モードが終了する容器の変形/収縮/容積の低減だけに基づく。
【0016】
上記を換言すると、第1の動作モードと第2の動作モードとの間の移行は、変形したまたは実際の容器容積が、典型的に液体基準容量の5%~66%、好ましくは10%~50%、好ましくは20%~40%で構成される空気進入閾値未満であるときに生じる。
【0017】
有利には、第1の分配段階の間、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が容器から液体の流れを放出するように容器は変形可能であり、選好的に、容器から排出した液体容量の少なくとも80%、または90%、または99%、より好ましくは100%を補償するために容器は変形可能であり、第2の分配段階の間、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁は、容器から液体の流れを放出し、同時にまたは連続的に、容器の中へのガスの流れを可能にする。
【0018】
第2の分注段階の間、ガスの流れは、ユーザによって視覚的または音響的に知覚することができると言及される。この知覚は、推奨される液体消費期限閾値について、容器を取り替える、または新しい充填された容器を注文する、または鮮度時間を開始するためのアクションをトリガとするものであってもよい。
【0019】
有利には、容器は、壁を備え、第1の分配段階の間、内部容器液体圧力が、随意に容器自体の抵抗力と共に、大気圧と平衡するように、好ましくは、内部容器液体圧力が、大気圧の少なくとも90%、より好ましくは、95%であるように、大気圧の下で、容器壁が変形可能であり、および/または変形し、第2の分配段階の間、内部容器液体圧力が、随意に容器自体の抵抗力と共に、大気圧よりも小さくなるように、大気圧の下で、容器壁がほとんどまたは全く変形可能でない、および/または変形しない。
【0020】
有利には、容器は、底部分、側面部分、および肩部分を備える壁と、底部分の反対側の肩部分上に提供された首部と、を備え、側面部分は、側面部分が円筒形状を呈するように直線部分を備える。代替的に、側面部分は、わずかに凸状であり得る。
【0021】
有利には、容器の壁は、リッジ、リブ、または溝を含まない。換言すれば、容器の壁は、液体分配の間の変形が容易であるように滑らかである。加えて、ユーザが空の容器を完全に潰したい場合、これは、必要とされる労力をより少なくし、取り扱いをより容易にする。
【0022】
有利には、底部分および/または肩部分は、半球形状を呈し、側面部分は、円筒状、好ましくは円柱状である。そのような半球形状および直線状またはわずかに凸状の側面部分を有する容器は、特に視覚的に魅力的であり、および/または別様に、消費者のために視覚的に差異化する。また、これらの特徴は、下で詳述するいくつかの製造および/または使用上の利点を可能にすることが見出された。
【0023】
有利には、弁は、
-容器から液体を完全に排出するための平均として、0.020L/秒~0.028L/秒未満、または0.028L/秒~0.150L/秒、好ましくは0.042L/秒~0.083L/秒の、ならびに、好ましくは、
-弁が容器から液体の流れだけを可能にする場合の平均として、0.030L/秒~0.042L/秒未満、または0.042L/秒~0.150L/秒、好ましくは0.060L/秒~0.150L/秒の、ならびに/または
-弁が容器から液体(40)の流れおよび容器の中への空気の流れを可能にする平均として、0.020L/秒~0.028L/秒未満、または0.028L/秒~0.083L/秒、好ましくは0.028L/秒~0.050L/秒の、容器からの液体の流れを可能にするように配設される。
【0024】
有利には、容器は、ブロー成形された容器、好ましくは射出ブロー成形された容器である。
【0025】
有利には、
-液体容量が空気進入閾値~液体基準容量の100%の範囲で構成される場合、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、第1の分配段階で、容器からの液体の流れを放出のみするように配設され、
-液体の容量が0%~液体基準容量の空気進入閾値の範囲で構成される場合、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、第2の分配段階で、容器からの液体の流れを放出し、かつ容器の中へのガスの流れを可能にするように配設され、
空気進入閾値は、液体基準容量の5%~66%、好ましくは10%~50%、好ましくは20%~40%で構成される。
【0026】
換言すれば、本発明は、液体をユーザに分配するためのシステムに関し、該システムは、
-基準容器容積を有する容器と、
-液体、好ましくは容器内の液体であって、該液体が、最大で液体基準容量の量であり、液体基準容量が、好ましくは容器基準容積の80%~99%である、液体と、
-分配位置で容器を受容および保持するように配設され、かつユーザによって作動れせる制御ユニットを備える、ディスペンサと、
-容器に接続され、かつ容器からの液体の流れを選択的に放出または停止させるために制御ユニットに接続された弁と、を備え、
-第1の動作モードで(例えば、液体容量が空気進入閾値~液体基準容量の100%の範囲で構成される場合)、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出のみするように配設されること、および
-第2の動作モードで、(例えば、液体容量が0%~液体基準容量の空気進入閾値の範囲で構成される場合、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出し、かつ容器の中へのガスの流れを可能にするように配設されることを特徴とする。
【0027】
有利には、弁は、容器に取り外し可能に結合されるように配設される。換言すれば、容器は、ユーザに送達されるときに、例えば標準的なキャップまたは蓋によって封止される。ユーザは、最初に、例えばキャップまたは蓋を取り出すかまたは穿孔することによって、この封止を破壊し、次いで弁を容器に接続し、次いでこの組立体をディスペンサに取り付けなければならない。
【0028】
有利には、弁は、好ましくは制御ユニットに取り外し可能に接続されるように配設される。弁は、任意の種類であり得、いくつかの機械シャッタのうちの1つを備え、様々な段階でおよび/または制御ユニットを介した様々な制御アクションで、容器からの液体の流れを放出することを可能にし、かつ容器の中へのガスの流れを可能にする。
【0029】
有利には、
-弁は、容器を封止するために公称位置に静止させるように配設された、弾性要素を備え、
-制御ユニットは、少なくとも容器からの液体の流れを放出するために弾性要素をその公称位置から撓ませるように配設された、制御部材を備える。
【0030】
有利には、制御部材は、
-弾性要素がその公称位置にある静止位置と、
-弾性要素がその公称位置から撓ませられる作動位置と、の間で移動可能であり、
制御部材は、その静止位置では、弁に結合された容器の分配基部から取り外すことを可能にするために、容器に結合された弁との所定の間隔を画定するように配設される。
【0031】
有利には、弁は、液体圧力によって生成された力の下で、弾性要素がその公称位置に押し込まれるように配設される。
【0032】
有利には、
-容器は、底部分、側面部分、および肩部分を備える壁と、底部分の反対側の肩部分上に提供された首部と、を備え、
-ディスペンサは、肩部分と嵌合して、容器を分配位置で安定的に受容および保持するために配設された、受容部分を備え、
底部分は、受容部分が容器を安定的に直立位置で受容および保持することができるように、肩部分よりも類似的な形状を有する。上の実施形態によれば、ディスペンサは、例えば液体を完全に充填した容器を開封して弁を取り付けるために、容器を直立位置で受容することができる。開封は、例えば、キャップまたは蓋を取り外すまたは穿孔することによって行われる。これは、容器が特に軽く、薄く、かつ高度に変形可能な場合であっても受容部分が安定した静止位置を提供することができるので、ユーザの取り扱いを容易にする。
【0033】
有利には、底部分および肩部分は、半球形状を呈する。換言すれば、容器は、首部を除いて、対称形である。上で述べた誘目性または差異化以外に、そのような半球形状は、ユーザが充填した容器を開いて弁を連結するときに、容器とディスペンサとの安定した嵌合を提供して、任意の予想外の変形を回避する。最後に、底部および肩部に提供されるそのような半球形状は、ポリエチレンテレフタレートの射出ブロー成形プロセスによって得られるように十分適していることに留意されたい。
【0034】
有利には、システムは、ユーザまたは処理エンティティに少なくとも1つの情報または命令メッセージを表示または送信するように配設された、電子制御ユニットをさらに備える。好ましくは、電子制御ユニットは、ディスペンサ内に提供されるが、スマートフォンまたはスマートウォッチなどの電子ポータブル装置でも(部分的に)提供され得る。
【0035】
有利には、本システムは、液体量測定ユニットをさらに備える。
【0036】
有利には、液体量測定ユニットは、容器内の液体を計量するように配設され、かつ電子ユニットに接続された計量ユニットであり、電子ユニットは、計量ユニットで測定された容器重量に基づいて、情報または命令メッセージを表示または送信するように配設される。
【0037】
有利には、メッセージは、少なくとも1つの充填した容器を注文するためのリマインダ、または少なくとも1つの充填した容器の注文であり、液体量測定ユニットによって測定された液体内容量が液体閾値未満であるときに生成される。
【0038】
有利には、本システムは、
-電子ユニットに接続されたクロックと、
-容器存在センサと、を備え、
メッセージは、容器存在センサが容器の取り付けを検出するために、状態を変化したときに開始された期間が、鮮度時間または推奨される液体消費期限閾値を超えたときの、容器を取り替えるためのリマインダ、または新しい充填された容器の注文である。上述した実施形態によれば、ユーザは、容器が取り付けられた場合に、および/またはガス/空気が長期間存在した場合に、さらには容器が空でない場合であっても、容器に貯蔵された液体の鮮度および/または液体消費期限閾値に関して通知され、容器を取り替えるように促される。
【0039】
有利には、メッセージは、測定されている容器重量が重量閾値未満になったときに開始された第2の期間が、容器内のガス時間または推奨される液体消費期限閾値を超えたときの、容器を取り替えるためのリマインダである。上述した実施形態によれば、ユーザは、容器内の空気の存在に基づいて決定される、容器内に貯蔵された液体の鮮度または推奨される液体消費期限に関して通知される。実際に、第1の動作モードでは、容器の中へのガスの進入はほとんどまたは全く存在しないので、汚染のリスクが低い。しかしながら、第2の動作モードでは、より多くのガスまたは空気が容器の中へ進入することが可能になり、よって、汚染または汚濁のより高いリスクが存在し得る。したがって、容器の取り替えは、第2の動作モードが生じたときに、より早期に送信される。第2の期間が、計量ユニットによって、所与の空気進入重量を使用することによって、または液体の流量を計算することによって決定することができると言及される。第1の段階での流量は、典型的に、第2の段階での流量よりも多い。
【0040】
有利には、少なくとも1つのメッセージは、液体消費の追跡を含む。ユーザは、例えば1日当たり十分に消費していることを確認するために、消費に関して通知される。
【0041】
有利には、本システムは、少なくとも1つの容器種類認識センサを備え、電子制御ユニットは、容器種類認識センサが許可された種類の容器を認識できない場合に、あらゆるメッセージの送信を阻止するように配設される。使用上の安全性が向上し、メッセージは、検出された容器の種類にも適合され得る。
【0042】
有利には、少なくとも1つの容器種類認識センサは、
-RFID受信機およびRFIDタグを備え、および/または
-コードリーダーを備え、および/または
-容器の特定の一部分によって作動されるように適合された、機械感知タッチを備える。
【0043】
有利には、液体は、飲料、好ましくは水、好ましくは静水である。
【0044】
本発明の第2の態様は、システムによって液体を分配するための方法に関し、該方法は、
-容器基準容積を有し、容器基準容積の80%~99%である液体基準容量の液体を充填した、封止された容器を提供するステップと、
-容器の封止を破壊するステップと、
-弁を容器に接続するステップと、
-弁をディスペンサの制御ユニットに接続するために、弁を備える容器をディスペンサに結合するステップと、を含む。
【0045】
有利には、本方法は、
-容器からの液体の流れを選択的に放出または停止させるために、制御ユニットを作動させるステップと、
-液体の少なくとも一部を放出した時点で、容器が変形し、よって、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出するステップと、
-液体の少なくとも別の一部を放出した時点で、弁が、容器からの液体の流れを放出し、好ましくは同時に、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、容器の中へのガスの流れを可能にするステップと、をさらに含む。
【0046】
有利には、第1の分配段階の間、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出のみするように容器が変形可能であり、第2の分配段階の間、ユーザが制御ユニットを作動させたときに、弁が、容器からの液体の流れを放出し、好ましくは同時に、容器の中へのガスの流れを可能にする。
【0047】
有利には、本方法は、
-容器の封止を破壊する前に、容器を好ましくはディスペンサに直立位置で配置するステップと、
-弁を備える容器をディスペンサに結合する前に、弁を備える容器を反転させるステップと、を含む。
【0048】
有利には、液体と接触するディスペンサおよび/または弁の要素または構成要素、またはそのような要素または構成要素のカバーは、ユーザによって、好ましくはねじ回しなどの特定の工具を使用することなく、着脱可能または取り外し可能である。そのような要素または構成要素の例としては、制御ユニットまたはその部品、ならびにパイプ、カナル、または他のタップもしくはスパウト要素が挙げられる。これは、バイオフィルムなどの任意の長期の汚染を回避するために適切である、そのような要素または構成要素の容易な洗浄を可能にする。これは、特に、一部の消費者によって純度が重要な利点として認められる水、液体に適すると考えられる。
【0049】
全ての上の実施形態は、それらに技術的な互換性があれば、組み合わせることができることを理解されたい。
【0050】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面によって示される、本発明の特定の非制限的な実施例の以下の詳細な説明からより明確に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明によるシステムのための容器を表す。
図2】本発明によるシステムのためのディスペンサを表す。
図3】液体が充填され、直立位置で図2ディスペンサに受容された図1の容器を備える本発明のシステム、および容器に接続するための弁を表す。
図4】弁が容器に結合された、図3のシステムを表す。
図5】弁が容器に結合され、倒立位置であり、ディスペンサに接続された、図4のシステムを表す。
図6】容器から液体を排出する異なる瞬間での図5のシステムを表す。
図7】容器から液体を排出する異なる瞬間での図5のシステムを表す。
図8】容器から液体を排出する異なる瞬間での図5のシステムを表す。
図9】容器から液体を排出する異なる瞬間での図5のシステムを表す。
図10】図の左側が液体を充填した状態で、図の右側が空の状態である、図1の容器を表す。
図11図3図9に示される弁を詳細に示す。
図12図3図9に示される弁を詳細に示す。
図13図3図9に示される弁を詳細に示す。
図14】5L容器を形成するための、32gの適切なPETプレフォームを表す。寸法は、mmである。
図15図14のプレフォームから形成された、32gの適切なPETの5L容器を表す。寸法は、mmである。
図16】5L容器を形成するための、32gの別の適切なPETプレフォームを表す。寸法は、mmである。
図17図16のプレフォームから形成された、32gの適切なPETの5L容器を表す。寸法は、mmである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、本発明による容器10を表す。容器10は、液体、好ましくは水などの飲用液体を含むように設計される。容器10は、典型的に、プラスチック材料で作製される。プラスチック材料、ならびに厚さおよび形状などの容器の構造的特徴は、容器が空になったときに少なくとも変形可能な可撓性を有するほどのものである。
【0053】
液体
容器内に含まれ、容器から放出される液体は、好ましくは、飲用に適した飲料用液体である。そのような液体の例としては、水および飲料が挙げられる。
【0054】
水の例としては、水道水、蒸留水などの精製水および/または滅菌水、井戸水、湧水、ならびに鉱水が挙げられる。水は、塩、鉱物、電解質などのいくつかの添加物を追加することができる。水は、ビタミンなどのいくつかの機能性添加剤を追加することができる。水は、酸性、中性、またはアルカリ性の水であり得る。水は、静水、または例えば炭酸入り、例えば天然炭酸入り、人工炭酸入り、または一部天然炭酸入りの発泡水であり得る。
【0055】
飲料の例としては、アルコールまたはノンアルコール飲料、風味付きの水、アクアドリンク、随意に風味付きのミルク、例えば、牛乳などの動物起源のミルク、または豆乳、アーモンド乳、カシュー乳、オート麦乳、白米乳、ココナッツ乳などの植物代用物、飲用ヨーグルトもしくは植物代用物、ケフィア、昆布茶、煎じた飲料などの発酵飲料、インスタントコーヒー、インスタント茶、インスタントクリーマ、フルーツジュースもしくはネクター、コーラもしくはソーダなどの炭酸入りソフトドリンクが挙げられる。ノンアルコール飲料は、例えば、砂糖、甘味料、および/または果実もしくは野菜、またはこれらの抽出物を含み得る。
【0056】
容器の材料および構造的な特徴
容器に好適なプラスチック材料の例としては、リサイクル可能なポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレン2,5-フランジカルボキシレート(PEF)、ポリトリメチレン2,5-フランジカルボキシレート(PTF)が挙げられる。PETおよびrPETは、例えば様々なグレードまたは組成物、例えばパッケージグレードまたは組成物、例えばボトルグレードまたは組成物で入手可能である。PETは、特に水に適している。水は、味覚修飾に非常に敏感であり、PETは、少なくとも3ヵ月、好ましくは少なくとも6ヵ月、好ましくは少なくとも12ヵ月、好ましくは少なくとも24ヵ月の貯蔵期間にわたって、水の味感を変化させないことが分かっている。
【0057】
プラスチック材料は、好ましくは、例えば機械的ルート、化学的ルート、および/または微生物学的ルートによってリサイクル可能である。PETは、そのようなルートによってリサイクル可能である。プラスチック材料は、好ましくは、少なくとも部分的にリサイクルされる。プラスチック材料は、例えば100%リサイクル材料であり得、またはリサイクル材料のR重量%の量の、および100-R%の未使用材料の量の、好ましくはリサイクル材料と同じ材料を含み得、Rは、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%であり得る。PETは、例えば、100%リサイクルPET(rPET)、またはrPETのR重量%の量、および未使用PETの100-R%の量を含み得、Rは、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%であり得る。
【0058】
リサイクルは、好ましくは使用済(PC)リサイクルであり、容器は、消費者による使用およびユーザまたは消費者による処理の後に、廃棄物ストリームからリサイクルされる。rPETは、PCrPETであり得る。リサイクルは、典型的には、廃棄物ストリームを分類して、選択された材料のストリームを回収することと、精製、洗浄、および/または研磨などのステップによってストリームを処理することと、を含む。例えば、PETは、廃棄物ストリームから分類し、次いで、様々なルートに従って処理することができる。機械ルートは、rPETポリマーを回収するために、精製すること、洗浄すること、および/または研磨することを含む。回収rPETポリマーは、固相重合を受けさせて、その分子量を再増加させること、例えば、その固有粘度(IV)を再増加させることができる。化学的ルートは、解重合させて、モノマーを回収することを含む。モノマーは、再重合させて、リサイクルされた新しいポリマーを得ることができる。例えば、PETまたはrPETは、加水分解、メタノリシス、解糖、アンモノリシス、またはアミノ分解によって解重合させて、リサイクルされたテレフタル酸またはそのジエステル、およびリサイクルされたモノエチレングリコールを得ることができる。リサイクルされたテレフタル酸もしくはジエステルおよび/またはリサイクルされたモノエチレングリコールは、随意にいくつかの未使用のテレフタル酸もしくはジエステルおよび/またはモノエチレングリコールを加えることで、再重合させることができる。同様に、微生物学的ルートは、微生物によって材料ストリームを処理して、解重合オリゴマーまたはモノマーを得て、次いで、随意にいくつかの未使用のモノマーまたはオリゴマーを加えることで、該モノマーまたはオリゴマーを再重合させることを含む。
【0059】
容器は、ブロー成形プロセスなどの成形プロセス、例えば押し出しブロー成形プロセス、または射出ブロー成形プロセス、例えば射出延伸ブロー成形プロセスによって、プラスチック材料から形成することができる。射出(延伸)ブロー成形プロセスは、特にPET材料に好適である。これらのプロセスは、射出によってPETプレフォームを形成することと、プレフォームを加熱することと、プレフォームを金型内に配置することと、ガス、通常は空気を加熱されるプレフォームの中にブローして金型内の材料をブローすることと、材料を金型に適合させることと、を含む。ブローした時点で、PETは、延伸し、より薄くなり、歪み硬化および/または歪み誘起の結晶化現象(複数可)によって抵抗性を得る。そのようなプロセスはよく知られている。機器および未使用またはリサイクルの材料は市販されている。
【0060】
プレフォームは、単層容器を得るために、単層プレフォームであり得る。例えば、プレフォームは、単層PETである。例えば、容器は、単層PET容器であり得る。プレフォームは、多層容器を得るために、多層プレフォームであり得る。例えば、プレフォームは、好ましくは外部の少なくとも部分層として、未使用のPETの層およびrPETの層を有することができる。例えば、容器は、好ましくは外部の少なくとも部分層として、未使用のPETの層およびrPETの層を有することができる。
【0061】
容器は、容器が変形していないときの最大容積として定義される、基準容積を有する。これは、図1に示す状態である。
【0062】
容器基準容積は、少なくとも3.0L、好ましくは少なくとも4.0L、好ましくは少なくとも5.0Lであり得る。容器は、最大で22.0L、好ましくは最大で11.0Lの基準容積を有することができる。容器は、3.0~4.4L、または4.0~5.5L、または5.0~6.6L、または6.0~7.7L、または7.0~8.8L、または8.0~9.9L、または9.0L~10.0Lの基準容積を有することができる。例えば、図に示す容器は、4.9L~5.2Lの基準容積を有する。
【0063】
容器は、典型的に基準容積の液体で充填され、封止される。液体基準容量は、放出する前に、容器内に含まれる液体の最大量である。液体基準容量は、充填されて封止された容器が典型的にはヘッド空間(充填されていない一部または容器)を呈するので、典型的には、容器基準容積よりもわずかに少ない。ヘッド空間は、好ましくは、液体基準容量の0%~10%、例えば1%~10%、または1%~5%である。液体基準容積は、少なくとも3.0L、好ましくは少なくとも4.0L、好ましくは少なくとも5.0Lであり得る。液体基準容量は、最大で20.0L、好ましくは最大で10.0Lであり得る。液体基準容量は、3.0~4.0L、または4.0~5.0L、または5.0~6.0L、または6.0L~7.0L、または7.0~8.0L、または8.0~9.0L、または9.0L~10.0L、または10.0~15.0L、または15.0~20.0Lであり得る。例えば、液体基準容量は、4.9L~5.1Lであり得る。
【0064】
充填された容器は、使用前に、典型的には閉鎖具によって封止される。閉鎖具は、任意のタイプの閉鎖具、例えばキャップまたは可撓性の蓋であり得る。閉鎖具は、例えば、ねじ付きキャップまたはスナップキャップであり得る。容器は、閉鎖具を取り外すことによって、または少なくとも部分的に閉鎖具に穿孔することによって開くことができる。
【0065】
容器は、本体および開口部、例えば首部を有する薄壁容器である。本体は、底部分、側面部分、および肩部分を備える壁を有することができる。開口部は、底部分の反対側の肩部分上に提供された首部であり得る。変形を可能にし、かつプラスチックの節約を可能にするために、本体は、少なくとも一部分が、好ましくは本体の長さまたは表面の少なくとも50%が、好ましくは少なくとも80%を表す少なくとも一部分が、好ましくは本体の全てが、薄い平均厚さを有する。底部および/または肩部は、本体の残部の平均厚さ最大100%を超える、より厚い平均厚さを示すことができる。本体の平均厚さは、例えば、30μm~200μm、好ましくは50μm~150μm、例えば50μm~75μm、または75μm~100μm、または100μm~125μm、または125μm~150μmであり得る。
【0066】
ブローした容器の厚さは、所与の容器基準容積、プレフォーム、特にその形状および壁厚に適合させることによって、および延伸パラメータに適合させることによって管理することができる。その長さ、その直径、およびその底部形状などのプレフォームの幾何学形状は、首部と共に、プレフォームの重量、したがって容器の重量を決定すると言及される。延伸は、以下のパラメータによって説明することができる。
-軸方向延伸比(首部下の容器の長さと首部下のプレフォームの長さとの比)
-フープ延伸比(半分の長さでの、容器の直径とプレフォームの直径との比)
-平面延伸比:軸方向延伸比×フープ延伸比。
【0067】
平面延伸比は、例えば、12.0~27.0、好ましくは15.0~20.0であり得る。軸方向延伸比は、例えば、3.0~4.5、好ましくは3.3~4.0であり得る。フープ延伸比は、例えば、4.0~6.0、好ましくは4.5~5.5であり得る。
【0068】
容器は、5.27g/L~9.33g/L、好ましくは5.27g/L~7.33g/L、好ましくは5.80g/L~7.00g/Lの、容器重量と液体基準容量との比として決定される、包装有効性を表すことができる。
【0069】
容器は、100~200g/mの、本体の表面と容器重量との比として決定される表面密度を表すことができる。
【0070】
そのような非常に軽い容器は、必要な原材料が少なく、安価で、かつ流体を分配する間に潰れる能力の向上を呈する。
【0071】
有利には、容器は、液体基準容量で充填され、封止されたときに、少なくとも5mmの変形に対して少なくとも10daNの頂部負荷抵抗、および/または少なくとも2.5mmの変形に対して少なくとも5daNの横方向負荷抵抗を呈する。
【0072】
次に、容器10の幾何学形状を参照すると、底部分11と、側面部分12と、肩部分13と、首部分14と、を備える。
【0073】
首部分14は、閉鎖具を受容するように設計され、図1に示す場合、閉鎖具は、首部分14にねじ込まれるキャップ15である。しかしながら、スナップ嵌め係合のキャップ、または熱封止された蓋などの、他の封止が可能である。
【0074】
側面部分12は、直線部分を備え、すなわち、側面部分は、円筒形状、好ましくは環状円筒形状を呈する。側面部分12の厚さは、変形を可能にするように十分に薄い。例えば、PET容器の場合、側面部分の平均厚さは、30μm~200μm、好ましくは50μm~150μm、例えば、50μm~75μm、または75μm~100μm、または100μm~125μm、または125μm~150μmであり得る。また、側面部分は、リッジ、縁部、溝、またはリブを含まない。下で詳述するように、そのような薄く滑らかな側面部分12は、容易に変形可能である。
【0075】
底部分11を参照すると、半球形状を呈し、その厚さは、例えば、PET容器の場合、105μm~275μm、好ましくは125μm~225μm、例えば、例えば、125μm~150μm、または150μm~175μm、または175μm~200μm、または200μm~225μmであり得る。また、底部分11は、リッジ、縁部、溝、またはリブを含まない。下で詳述するように、そのような薄く滑らかな底部分11は、容易に変形可能である。
【0076】
肩部分13を参照すると、半球形状を呈し、その厚さは、例えば、PET容器の場合、105μm~275μm、好ましくは125μm~225μm、例えば、例えば、125μm~150μm、または150μm~175μm、または175μm~200μm、または200μm~225μmであり得る。また、肩部分13は、リッジ、縁部、溝、またはリブを含まない。下で詳述するように、そのような薄く滑らかな肩部分13は、容易に変形可能である。
【0077】
有利には、底部分11および肩部分13は、類似する形状を呈し、好ましくは、底部分11および肩部分13は、同じ半球形状を呈する。その結果、側面部分12が円柱状であるとみなした場合、容器10は、対称形であり(首部分14を除く)、半球状の相手側を有するデバイス内で直立または倒立位置で受容することができる。加えて、そのような形状は、ブロー前の時点で自然の形状に近くなり、ブロー成形プロセスの間に、金型に合わせる時点で制約が少ないので、より簡単な製造プロセスを提供する。
【0078】
ディスペンサおよび分配
図2は、本発明のシステムのためのディスペンサ30を表す。ディスペンサ30は、図1の容器10を受容および保持するように配設される。具体的には、ディスペンサ30は、容器10の底部分11および肩部分13に類似する半球形状を有する、受容部分31を備える。
【0079】
ディスペンサ30はまた、下で説明するように、特に、ユーザが分注を手動で作動させるためのシャフト33およびレバー34を有する制御ユニット32も備える。受容部分31の底部分は、シャフト33がアクセスすることができる窪み37を呈する。示されていないが、制御ユニット32は、レバー34を図2に示す静止位置に自動的に位置決めするための弾性手段も備える。いくつかの実施形態では、制御ユニットはまた、下で詳述するいくつかの機能を行うために、電動アクチュエータも備え得る。
【0080】
受容部分31、ケースまたはハウジングなどのディスペンサの主構成要素は、プラスチックなどの様々な材料で作製することができる。主構成要素は、木、金属、石、異なるプラスチック、または異なる色もしくは表面を有するプラスチックなどの別の材料で作製された、いくつかの装飾部品を備え得る。一実施形態では、示されていないが、ディスペンサは、支持体上に静止または安定させるための手段を備える。一実施形態では、ディスペンサは、充填された典型的には重い重量に対して安定させるために、例えば金属、石、砂、または液体の、釣合錘要素を備える。
【0081】
いくつかの実施形態では、ディスペンサはまた、容器10内の液体の量を測定するための電子ユニット35、ユーザに情報を送信または表示するためのスクリーン36、(無線波、インターネット、・・・を介して)リモートサーバとの間の、またはスマートフォンもしくはスマートウォッチなどのポータブルデバイスへのデータの交換を提供するための通信ユニットも備え得る。
【0082】
図3は、液体40(例えば、静水)を充填した図1の容器10と、図2のディスペンサ30と、容器10に接続された弁20と、を備える、本発明によるシステムを表す。
【0083】
すでに説明したように、ディスペンサ30は、図1の容器10を受容および保持するように配設される。この図3に表される容器10は、容器基準容積(例えば5リットル)を有し、また、液体基準容量を有する液体40が完全に、またはほぼ完全に充填され、液体40は、例えば静水である。好ましくは、液体基準容量は、容器基準容積の少なくとも90%、およびより好ましくは容器基準容積の少なくとも95%である。
【0084】
具体的には、ディスペンサ30は、容器10の底部分11および肩部分13に類似する半球形状を有する、受容部分31を備える。その結果、容器10は、ディスペンサによって、図4に示すように直立位置で、または図5に示すように倒立位置で受容および保持され得る。
【0085】
弁20は、容器10の首部分14を介して該容器に結合されるように設計される。基本的に、弁20は、弁ハウジング21を備え、これは、本実施形態の弾性カップ22である可撓性部材を受容する。弁ハウジング21は、弾性カップがアクセスすることができる出口または側面窓21A、例えばねじフィレによって首部分14と噛み合うように設計され、かつ2つの孔、すなわち、下で説明する機能を有する第2の入口23Bおよび第1の入口23Aを有する、壁を備える、弁構造は、図11~13に示し、詳述する。
【0086】
図4は、示すように、ユーザが容易に封止キャップ15を取り外して、弁20を取り付けることができるように、直立位置で容器10がディスペンサ30によって安定的に受容されることを表す。
【0087】
図5は、倒立位置でディスペンサ30の受容部分31に保持された容器10を示し、弁20は、ディスペンサ30の窪み37で受容される。その位置において、シャフト33は、弁20の側面窓21Aに面する。
【0088】
その結果、図6に示されるように、ユーザがレバー34を押したときに、シャフト33が弁20に向かって移動し、弾性カップ22を押して撓ませるために、側面窓21Aを通過して、液体40を容器10から放出し、該液体が図示のようにカップ50に分配される。
【0089】
容器10に戻り、上で説明したように、その特徴のうちの1つは、その薄い厚さである。その結果、容器10は、いくらかの液体40が容器10から放出されたときに容易に変形することができる。加えて、弁入口23Aおよび23Bは、図6に示す分配段階の間、液体40だけが容器10から放出され、ガスまたは空気の容器10への進入を全くないかまたは非常に少量にすることを可能にし、容器は、それによって変形して、液体の喪失を完全に、またはほぼ完全に補償するように設計される。
【0090】
容器10の中への空気の進入が全くない、または非常に制限された、そのような分配段階は、任意の外部構成要素によって液体40が汚濁または汚染されるというリスクを最小にする。したがって、液体40の分配を開始してから外部の空気が容器10に進入することを可能にする場合と比較して、鮮度および貯蔵寿命時間がより長くなる。
【0091】
図7は、液体を分配するさらなる段階を示す。示すように、レバー34がユーザによって作動され、液体40が容器10から排出される。液体基準容量の約1/3が、すでにいくつかのシーケンスで分配されている。しかしながら、図7に示すように、依然として容器10への空気の進入の量が全くないか、または非常に制限されており、よって、実際の容器容積は、容器10の内部の実際の液体容量にほぼ等しい。容器10が変形し続けて、完全に、またはほぼ完全に液体40の喪失を補償するので、液体40中には気泡が存在しないことに留意されたい。
【0092】
しかしながら、容器10の所与の変形において、容器は、さらに十分に変形して、分配段階の間の液体40の喪失を完全に補償することができなくなる。この状況を図8に示し、分配段階の間、液体40が容器10から排出され、空気が容器10の中へ進入することが可能になる。詳細には、容器10が大きく潰れると、それ自体の抵抗が増加し、またはさらに潰れることを妨げ、空気が第2の入口23Bを通過することができ、一方で、容器内部が減圧され、それ自体の抵抗が大気圧に対抗することができなくなると、液体40が第1の入口23Aを通過することができる。そのような段階の間、以下の要因、すなわち、
-容器自体の抵抗と共に容器10内部の液体圧力が大気圧より低いこと、および/または、
-弁20を通る液体の流れが少なく、それによって、弁領域での圧力低下を少なくさせ、空気が液体ストリームを克服することを可能にすること、に基づいて、容器の中への空気の進入が可能になる。
【0093】
要約すると、-空気の進入が全くない、または非常に制限された状態で液体容量40を容器10から排出することができ、容器10が、液体40の喪失を完全に補償するように変形する、第1の分配段階(図6および図7)、-空気の進入を伴って液体容量40を容器10から排出することができ、容器10が、ほとんどまたは全く変形せず、よって、このほとんどまたは全く変形しないことは、液体40の喪失を完全に補償しない、第2の分配段階(図8)が存在する。
【0094】
最後に、図9に示すように、容器10の中への空気の進入が空気の完全な排出を可能にし、よって、液体40の無駄がなく、これは、使用後の容器10の取り扱いも容易にする。図10に示すように、左側の液体40を満たした容器10と比較して、右側の空の容器10は、完全に空であり、かつ部分的に潰れている。部分的な圧壊は、空の容器を廃棄し、リサイクルすることを大幅に容易にする。要約すると、容器10が完全に空であることは、初期液体容量の1%未満、さらには0.5%未満が容器内に残っていることを意味する。
【0095】
上で簡潔に述べたように、ディスペンサ30はまた、電子ユニット35と、特に、容器10内の液体40の量を測定するための計量ユニットであり得る液体量測定ユニットと、を備え得る。
【0096】
実際には、例えばスケールがディスペンサ30の底部分に提供され、よって、風袋が差し引かれ得るように、ディスペンサ30を単独で、またはそれ以外で、および取り付けられたときの容器10を、計量することができる。容器10が取り付けられたとき、液体量測定ユニットは、液体の分配を正確に追跡することができ、よって、いくつかの可能性、すなわち、
-電子ユニット35が、1つの容器の全ての分配段階、初期重量、最終重量と共に、使用履歴を記憶することができること、
-電子ユニット35が、分配段階当たりに分配された液体量(完全に、半分充填したカップ50のサイズ)、使用頻度、2つの分配段階の間の期間を決定することができること、を提供する。
【0097】
全ての上記のデータを計算して、容器の使用、ユーザの習慣を追跡することができる。
【0098】
ディスペンサ30が、スクリーン36またはディスプレイを備えている場合、電子ユニット35は、容器10の使用、さらにはその状態に関するメッセージをユーザに送信することができる。実際に、容器10が取り付けられてから、鮮度時間または推奨される液体消費期限閾値を超えた場合、ユーザは、容器10を取り替えるべきであることが知らされる。加えて、所与の重量(典型的には、空気/ガス進入閾値)から、または流量から計算して、容器内のガスが、時間または液体消費期限閾値の場合、ユーザは、容器10を取り替えるべきであることが知らされる。最後に、容器10の重量がゼロに近づいたときに、ユーザはまた、新しい容器10を注文して購入するように、および/または現在の容器の消費を止めるようにも促され得る。
【0099】
第1のものは、容器の取り付けの最初からカウントされ、もう1つは、空気が容器の中へ進入することが可能になったときにだけカウントされ得る。典型的には、第2の鮮度時間は、いくらかの空気が容器に進入すると、より短くなる。
【0100】
加えて、ディスペンサはまた、(無線波、インターネット、・・・を介して)リモートサーバとの間nの、またはスマートフォンもしくはスマートウォッチなどのポータブルデバイスへのデータの交換を提供するための通信ユニットも備え得る。その結果、容器10がほぼ空であるときに、自動的な注文をリモートサーバに送信することができ、または、リマインダをユーザの電話に送信し得る。
【0101】
また、ディスペンサ30は、容器存在センサ、または容器種類認識センサを備え得、これは、容器の存在を、さらには容器の種類を検出し、次いで、液体40の分配を許可すること、または上記の機能(使用の追跡、ユーザへのメッセージ、遠隔の切断または装置への通信、・・・)のうちのいずれかの提供を可能にすることができる。
【0102】
図11は、非分配モードの、すなわち閉じられている際にその分配/吐出開口部/出口21Aが左に面した状態で、弁自体を、および容器から分解したときの、または弁自体を、および容器に組み立てる間/前の、図3図9の弁を分解斜視図で示す。
【0103】
図12は、分配モードにある、すなわち、弁から液体物質または飲料を分配/吐出するために開いた、図3~9の弁の断面を示す。
【0104】
図13は、弁の完全分配モードの/完全に閉じた際にその分配/放出開口部/出口21Aが左に面した状態で、弁自体は組み立てられているが容器に組み立てられていない、または容器に組み立てられる間/前の、図3図9の弁を斜視図で示す。
【0105】
図11図13に示すように、可撓性部材または弾性カップ22は、その端部の1つにおいて弁ハウジング21に導入されるまたは取り出されるように構成される。可撓性部材22は、そこに組み立てるときに、プラグまたは蓋として、この弁ハウジングの端部を着脱可能に封止する。そのような着脱可能な弾性カップ22は、弁20の全ての構成要素を簡単かつ完全に洗浄するために、簡単な解体を提供することに留意されたい。
【0106】
容器10は、弁20を開くことによって水40を吐出させ、それによって、水40が重力による水の流れWFとして流れ、一方で、空気が空気の流れAFとして容器10の中へ入る(図12を参照されたい)ときに、形状を変化させる、または少なくとも部分的に潰れる能力を有する材料で作製される。弁ハウジング21は、水の流れWFのための2つの開口部または入口23A、23Bをその頂端部に備える。それらの上部入口23A、23Bのうちの少なくとも1つは、空気の流れAFが容器10に入るように構成される。弁ハウジング21は、少なくとも1つの他の開口部または出口21Aをその側部に、かつそこを通して備える。容器10は、バリア性を有するプラスチック材料で作製され、これは、細菌作用のリスクを伴うことなく、密閉して室温で長期間にわたって水40を容器内に貯蔵することができることを保証する。容器10が作製されるプラスチック材料は、食品貯蔵の要求を満たし、一方で、液体実質40を分配するときに容器内容物を空気と交換することを必要とするために十分に硬いが柔軟性のある、PETまたは同類のプラスチック材料などの、特別な特性を有するプラスチック箔の形態である。
【0107】
可撓性部材22は、その中に組み立てたときに弁ハウジング21の内部に対して封止するように、およびその開口部21Aの内部のまたは内側リムの周囲で弁ハウジングの内側シートに対して当接するように構成される。したがって、可撓性部材22は、有窓弁ハウジング21を通る部分によって部分的に露出される。この可撓性部材部分は、弁ハウジング21の外側からアクセス可能である。弁20は、図5図9に示すように、露出した可撓性部材部分21に外圧Pを印加することによって開かれるように適合される。
【0108】
図12に示すように、第1の入口23Aは、第1のチャネル27の第1のオリフィスを形成し、水40の一部の流れWF1を弁ハウジングの中へ流れさせるように、貫通孔が弁ハウジング21の中へ延在する。弁20の第2の水の入口23Bは、第2のチャネル28の第1のオリフィスを形成し、水の流れ40の一部の流れWF2を弁ハウジングの中へ流れさせるように、貫通孔が弁ハウジング21の中へ延在する。
【0109】
上記の効果は、弁20の以下の特徴によって達成され得、および/または弁の以下の特徴によってさらに向上し得る。上記の態様/実施形態のいずれかによる弁20では、第2の水入口23Bは、第1の弁ハウジング端部から軸方向に突出する外部中空チャンネル28の第1の自由オリフィスとして構成される。この外部中空チャンネル28は、煙突に類似する弁ハウジング端部から離れて外方に延在し、第1の弁ハウジング端部から距離Hにある第2の水入口23Bにおいて終端する、外部中空突起29によって形成される。この外側距離Hは、弁ハウジング21の中心軸の縦方向軸に沿って/平行に測定される。外部中空チャンネル28は、その外側入口23Bを有するその自由端部の反対側の他方の端部に、第2のオリフィス23B2を備える。容器の水内容物と液体連通するように適合されたこの第1の弁ハウジングに対して実質的に垂直または垂直である方向に延在するこの距離Hまたは長さの第1の外側オリフィスまたは水入口23Bを有する、外部中空突起29およびその内側チャネル28を提供することによって、これは、撓性部材が撓んだ形状であるときに、水40が、第2の水入口23Bから、外部中空突起29を通って(第1に、その自由オリフィス/入口23Bを通り、さらに内側チャネル28を通り、そして第2のオリフィス23B2から)弁ハウジング21およびその内部通路の中へ流れ、そして、可撓性部材22を通過し、内部通路および可撓性部材22を介して、少なくとも1つの出口21Aから流れることを可能にし、これを図12に示す。
【0110】
本発明による弁20は、その第2の内側チャネル28の貫通孔のその第1の/外側の高さまたは長さHを増加または減少させることによって水の流れを最適化するように構成され得る。第2の内側チャネル28の貫通孔の対応する第2の/内側の高さまたは長さhを増加または減少させることによって、この最適化をさらに向上させることが可能である。第1の内側チャネル27および第2の内側チャネル28の2つの別々の高さ/長さh、Hおよび内側端部のこの最適化は、別々にまたは互いに関連して、空気の流れの効果および空気の流れAFの制御をさらに向上させることを可能にし、すなわち、容器10の中へ空気AFを入れることがより容易に、より素早く、より滑らになり、すなわち、分配/吐出の間に容器内の水40を空気と交換するときに、気泡がなく、またはほとんどなく、または極めて小さく、振動を全くまたはほとんど生じず、分配が、はるかに静かに、さらには無音/無騒音になり、かつより確実に達成される。
【0111】
弁20の1つ最適化および設計は、内側チャネル27およびその外側入口23Aが出口21Aのより近くに、または外側もしくは上部チャネル28の外側入口23Bの下側に配置されることに関係し、すなわち、外側入口23Aおよび外側入口23Bは、好ましくは、互いに水平または面一でないか、または弁ハウジング21に対して垂直方向において同じ高さで終端しない。これは、図12で、そのレベル△の上部または第2の水入口23Bに対する、そのレベル△の下部または第1の水入口23Aについて視覚化される。図12のレベル△および△は、第1の入口23Aの上側の水のレベルまたはピラーが、第2の入口23Bの上側の水のレベルまたはピラーよりも大きいか、または高いか、または長く、したがって、第2の入口23Bに対して生じた水圧は、第1の入口23Aに対してよりも低い。
【0112】
弁20のこの設計は、分配プロセスにおいて、任意の空気の流れAFの流れ込みをできる限り遅く開始させて、容器10の中に入る空気の量を最小にし、さらには水40の中へのエアリングおよび酸素/酸化作用の追加も可能にする。
【0113】
任意の空気の流れAFは、経路または「最少の抵抗線」を追跡し、これは、第2の入口23Bが、第1の入口23Aのレベル△1の上側にあるものと比較して「貫通する」ように、水40のより短いピラーまたは「ルーフ」を伴うそのレベル△2において「より高く」配置されるので、入来空気に対して最も好ましい「通路」であることを意味する。
【0114】
弁20のこの配置は、容器10内部の圧力または負圧が、外圧または容器の外側の圧力よりも低い、十分なまたは特定のレベルまたは値に到達したときに、空気の流れAFが「吸い込まれ」始めていることを意味する。
【実施例
【0115】
実施例1
5.0Lの水(基準容量)のrPET容器を実装する。
容器は、図14に表すプレフォームを射出延伸ブロー成形によって準備され(寸法はmm)、図15に表される容器を得る(寸法はmm)。主パラメータおよび特徴を、下記の表1.1に報告する。容器は、5.0Lの水を充填し、ねじ蓋で封止する。
【0116】
【表1】
【0117】
開封後に、容器は、図11図13に表す弁と結合される。図12を参照して、寸法を下記の表1.2に報告する。
【0118】
【表2】
【0119】
システムの使用時に、
-第1の分配段階の間、液体40が排出され、かつ空気は容器10に進入せず、空気は容器を変形させて、この段階での流出を補償する
-第2の分配段階の間、液体40が排出され、かついくらかの空気が容器10に進入する、
水の流速を評価し、下記の表1.3に報告する。
【0120】
【表3】
【0121】
容器からの水の完全な排出が達成される。
【0122】
実施例2
5.0Lの水(基準容量)のrPET容器を実装する。
【0123】
容器は、図16に表すプレフォームを射出延伸ブロー成形によって準備され(寸法はmm)、図17に表される容器を得る(寸法はmm)。主パラメータおよび特徴を、下記の表2.1に報告する。容器は、5.0Lの水を充填し、ねじ蓋で封止する。
【0124】
【表4】
【0125】
表2.1に列挙された詳細を有する実施例2による容器は、図11図13に表すものに類似する、水を分配するための弁に結合することができ、
-第1の分配段階の間、液体が排出され、かつ空気が容器に進入せず、空気は容器を変形させて、流出を補償する、
-第2の分配段階の間、液体が排出され、かついくらかの空気が容器に進入する。
【0126】
加えて、いくつかの調整を弁/容器のインターフェースに行って、特定の首部直径/結合システム/封止ソリューションを提案し得る。そのような場合、それに応じて弁寸法(少なくとも、容器に挿入される一部分の寸法)が調整されるものとする。一例として、特定の容器の首部開口に嵌合するように弁の外径を調整することは、2つの連続的な段階(液体の排出だけを伴う第1の分配段階、ならびに液体の排出および空気の侵入を伴う第2の段階)で液体を分配することをさらに確実にするために、弁の残りの部分の寸法をわずかに調整することを必要とし得る。具体的には、第1のチャネル直径S’、第2のチャネル直径S’’、突起高さH、高さh、長さLを調整する必要があり得る。
【0127】
当然ながら、当業者には、明らかな改善および/または修正が実施され得、それでも添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】