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特表2022-531073発光ダイオードアレイにおけるピーク電流使用量の削減
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】発光ダイオードアレイにおけるピーク電流使用量の削減
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/02 20060101AFI20220629BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220629BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20220629BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20220629BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
G09G3/02 P
G09G3/20 641E
G09G3/20 642J
G09G3/20 642P
G09G3/20 670J
G09G3/20 670M
G09G3/20 680F
G09G3/34 D
H04N5/64 511A
G02B27/02 Z
G09G3/02 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557102
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020031371
(87)【国際公開番号】W WO2020227242
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】20190100204
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(31)【優先権主張番号】16/430,135
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】フェイスブック・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FACEBOOK TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】特許業務法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ブランク, ウィリアム トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パッパス, イリアス
(72)【発明者】
【氏名】イー, マイケル
【テーマコード(参考)】
2H199
5C080
【Fターム(参考)】
2H199CA06
2H199CA12
2H199CA30
2H199CA32
2H199CA42
2H199CA43
2H199CA45
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA70
2H199CA75
2H199CA89
5C080AA07
5C080CC03
5C080DD18
5C080DD27
5C080DD29
5C080EE30
5C080FF09
5C080FF14
5C080HH13
5C080JJ02
5C080JJ06
5C080JJ07
(57)【要約】
実施形態は、放出フレームの第1のサブフレーム中に光を放出するように第1の色の第1の発光ダイオード(LED)を駆動することと、放出フレームの第2のサブフレーム中に光を放出するように第2の色の第2のLEDを駆動することと、放出フレームの第2のサブフレーム中に光を放出するように第3の色の第3のLEDを駆動することとに関する。第1、第2、および第3のLEDから放出された光は、画像フィールドの複数のピクセル位置の上へと光を反射するミラーの上へと向けられる。第1、第2、および第3のLEDは、第1のLEDが第2のLEDから第1の距離離れたところにあり、第1のLEDが第3のLEDから第2の距離離れたところにあるように、LEDのアレイ上に整列する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像フィールド上の少なくとも対応する複数のピクセル位置の上へと第1の色の光を放出するように構成された複数の第1の発光ダイオード(LED)と、
前記画像フィールド上の少なくとも前記複数のピクセル位置の上へと第2の色の光を放出するように構成された複数の第2のLEDと、
コントローラであって、
放出フレームの第1のサブフレーム中には前記第1のLEDを動作させ、前記第2のLEDをディスエーブルにし、
前記放出フレームの第2のサブフレーム中には前記第2のLEDを動作させ、前記第1のLEDをディスエーブルにする
ように構成された、コントローラと
を備える、ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記第1のLEDおよび前記第2のLEDから離れたミラーであって、前記ミラーが、
前記放出フレームのうちの1つの第1のサブフレーム中に前記複数のピクセル位置の上へと前記第1のLEDからの前記光を反射し、
前記放出フレームのうちのもう1つのものの第2のサブフレーム中に前記複数のピクセル位置の上へと前記第2のLEDからの前記光を反射する
ように動作する、ミラーをさらに備える、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記複数のピクセル位置が、前記画像フィールド内のピクセル位置の行である、請求項2に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記複数のピクセル位置の上へと第3の色の光を放出するように構成された複数の第3のLED
をさらに備え、
前記第1のLEDが第1の行に沿って整列し、前記第2のLEDが前記第1の行の一方の側で前記第1の行に平行な第2の行に沿って整列し、前記第3のLEDが前記第1の行の反対側で前記第1の行および前記第2の行に平行な第3の行に沿って整列する、
請求項3に記載のディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記第3のLEDが、前記第1のサブフレーム中には前記コントローラによって動作させられ、前記第2のサブフレーム中には前記コントローラによってディスエーブルにされる、請求項4に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記第1の行が前記第2の行から第1の距離離れたところにあり、前記第1の行が前記第3の行から第2の距離離れたところにあり、前記第1の距離が前記第2の距離の(n+1/2)倍であり、nが0または0よりも大きい整数である、請求項5に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記第3のLEDが第3のサブフレーム中に前記コントローラによって動作させられ、前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレーム中にはディスエーブルにされる、請求項4に記載のディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記第1の行が前記第2の行から第1の距離離れたところにあり、前記第1の行が前記第3の行から第2の距離離れたところにあり、前記第1の距離が前記第2の距離に等しい、請求項7に記載のディスプレイデバイス。
【請求項9】
第1のLEDから光を放出するように放出フレームの第1のサブフレーム中に第1の色の前記第1のLEDを動作させることと、
画像フィールドの複数のピクセル位置の上へと前記第1のLEDから放出された前記光を向けることと、
前記放出フレームの前記第1のサブフレーム中には第2の色の第2のLEDをディスエーブルにすることと、
前記第2のLEDから光を放出するように前記放出フレームの第2のサブフレーム中に前記第2のLEDを動作させることと、
前記画像フィールドの前記複数のピクセル位置の上へと前記第2のLEDから放出された前記光を向けることと、
前記放出フレームの前記第2のサブフレーム中には前記第1のLEDをディスエーブルにすることと
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のLEDからの前記光を向けることが、前記放出フレームのうちの1つの前記第1のサブフレーム中にミラーによって前記複数のピクセル位置の上へと前記第1のLEDからの前記光を反射することを含み、
前記第2のLEDからの前記光を向けることが、前記放出フレームのうちのもう1つのものの前記第2のサブフレーム中に前記ミラーによって前記複数のピクセル位置の上へと前記第2のLEDからの前記光を反射することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のピクセル位置が前記画像フィールド内のピクセル位置の行である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第3のLEDから光を放出するように複数の前記第3のLEDを動作させることであって、前記第1のLEDが第1の行に沿って整列し、前記第2のLEDが前記第1の行の一方の側で前記第1の行に平行な第2の行に沿って整列し、前記第3のLEDが前記第1の行の反対側で前記第1の行および前記第2の行に平行な第3の行に沿って整列する、複数の前記第3のLEDを動作させること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第3のLEDが、前記第1のサブフレーム中に動作させられ、コントローラによって前記放出フレームの前記第2のサブフレーム中にはディスエーブルにされる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の行が前記第2の行から第1の距離離れたところにあり、前記第1の行が前記第3の行から第2の距離離れたところにあり、前記第1の距離が前記第2の距離の(n+1/2)倍に等しく、nが0または0よりも大きい整数である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第3のLEDが第3のサブフレーム中に動作させられ、前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレーム中にはディスエーブルにされる、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の行が前記第2の行から第1の距離離れたところにあり、前記第1の行が前記第3の行から第2の距離離れたところにあり、前記第1の距離が前記第2の距離に等しい、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第1の行に沿って配列され、画像フィールド上の複数のピクセル位置の上へと第1の色の光を放出するように構成された複数の第1のLEDと、
前記第1の行の一方の側で第2の行に沿って配列され、第1の距離だけ前記第1の行から離れた複数の第2のLEDであって、前記第2のLEDが、前記画像フィールド上の前記複数のピクセル位置の上へと第2の色の光を放出するように構成された、複数の第2のLEDと、
前記第1の行のもう一方の側で第3の行に沿って配列され、第2の距離だけ前記第1の行から離れた複数の第3のLEDであって、前記第3のLEDが、前記画像フィールド上の前記複数のピクセル位置の上へと第3の色の光を放出するように構成され、前記第1の距離が前記第2の距離の(n+1/2)倍に対応し、nが0または0よりも大きい整数である、複数の第3のLEDと
を備える、LEDのアレイ。
【請求項18】
前記第2のLEDおよび前記第3のLEDは、前記第1のLEDが放出フレームの第1のサブフレーム中にディスエーブルにされるときに動作するように構成されている、請求項17に記載のLEDのアレイ。
【請求項19】
前記第1のLEDは、前記第2のLEDおよび前記第3のLEDが放出フレームの第2のサブフレーム中にディスエーブルにされるときに動作するように構成されている、請求項18に記載のLEDのアレイ。
【請求項20】
前記第1、第2、および第3のLEDから放出された光が、前記複数のピクセル位置の上へとミラーから反射される、請求項17に記載のLEDのアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月9日出願のギリシャ特許出願第20190100204号、および2019年6月3日出願の米国特許出願第16/430,135号の優先権を主張する。ギリシャ特許出願第20190100204号および米国特許出願第16/430,135号の内容は、すべての目的のためにそれらの全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ディスプレイデバイスに関し、詳細にはピーク電流を削減するために異なる時刻に点灯される発光ダイオード(LED)の少なくともサブセットを有するディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイデバイスは、ヘッドマウンテッドディスプレイまたはニアアイディスプレイとして仮想現実(VR)システムまたは拡張現実(AR)システムにおいてしばしば使用される。ディスプレイデバイスは、ビューアの眼へと光を放出するLEDのアレイ、およびディスプレイと眼との間に設置された光学ブロックを典型的には含む。光学ブロックは、アレイから放出された光を受光し、そして光が、画像を形成するために画像フィールドの上へと投射されるように光の向きを調節する光学部品を含む。ディスプレイデバイスを介して画像をディスプレイするために、LEDのアレイは光を放出し、そして光が画像フィールドのピクセル位置の上へと投射される。
【0004】
所与のディスプレイデバイスでは、LEDのアレイは、画像をディスプレイするために使用する色の各々(例えば、赤、青、緑)に対して多数のLED(例えば、2560個のLED)を含むことができ、そして同時にアレイ内のLEDのすべて(例えば、7,680個のLED)を点灯することは、大量の瞬間電流を消費する。大量の電流がLEDのアレイを駆動するために必要であるときには、ディスプレイデバイスの複雑なシステム設計が、LEDのアレイに駆動電流を供給するために必要とされることがある。しかしながら、複雑なシステム設計を開発することおよび製造することは、時間集約的であり費用のかかるプロセスである。さらに、大量の電流がディスプレイデバイスを動作させるために使用されると、シリコン性能の劣化のリスクがあり、これが欠陥のある製品の増加およびディスプレイデバイスの短い寿命につながることがある。
【発明の概要】
【0005】
実施形態は、ユーザに画像をディスプレイするために画像フィールドの上へとLEDのアレイからの光を投射することに関する。LEDのアレイから放出された光は、回転するミラーへ向けられることがあり、LEDのアレイと画像フィールドとの間に設置された回転するミラーによって画像フィールドへと向け直されることがある。ミラーの向きに応じて、光は、画像フィールド上のピクセル位置の特定のサブセットを照明するように向けられる。ミラーが回転するにつれて、光は、ピクセル位置の異なるサブセットの上へと投射され、ミラーが全体の画像フィールドを通してスキャンすると、画像が画像フィールド上に生成される。LEDのアレイは、同じ色のLEDが同じ行にあるように配列された各々の色(例えば、赤、青、緑)に対して複数のLED(例えば、2560個のLED)を含むことができる。光を放出するためにLEDのアレイを駆動すると、LEDの異なるサブセットが放出フレームの異なるサブフレームで点灯されて、所与の時刻における電流使用量を削減する。
【0006】
いくつかの実施形態では、LEDのアレイを動作させるために各々の放出フレームは、2つのサブフレームへと分割される。第1のサブフレーム中には、第1のLEDが第1の色(例えば、赤)の光を放出するために点灯され、一方で第2の色(例えば、緑)の第2のLEDおよび第3の色(例えば、青)の第3のLEDは消灯される。第1のサブフレームに続く第2のサブフレーム中には、第1のLEDが消灯され、一方で第2のLEDおよび第3のLEDは点灯される。第1のLEDの行は、第2のLEDの行から第1の距離離れたところにあり、第3のLEDの行は、第2のLEDの行から第2の距離離れたところにあり、ここでは第1の距離と第2の距離とは異なる。第1の距離および第2の距離は、第1のLED、第2のLED、および第3のLEDから放出される光が適切なピクセル位置の上へと投射されるように第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの少なくとも放出タイミングに基づいて決定される。
【0007】
いくつかの実施形態では、各々の放出フレームは、3つのサブフレームへと分割される。第1のサブフレーム中には、第1のLEDが点灯され、一方で第2のLEDおよび第3のLEDは消灯される。第2のサブフレーム中には、第2のLEDが点灯され、一方で第1のLEDおよび第3のLEDは消灯される。第3のサブフレーム中には、第3のLEDが点灯され、一方で第1のLEDおよび第2のLEDは消灯される。第1のLEDの行は、第2のLEDの行から第1の距離離れたところにあり、第3のLEDの行は、第2のLEDの行から第2の距離離れたところにあり、ここでは第1の距離と第2の距離とは等しい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態による、ニアアイディスプレイ(NED)の斜視図である。
図2】実施形態による、図1に図示したNEDのアイウェアの断面図である。
図3A】実施形態による、ディスプレイデバイスの斜視図である。
図3B】実施形態による、ソースアセンブリのブロック図である。
図4】実施形態による、発光ダイオード(LED)のアレイを図解している図である。
図5A】実施形態による、画像フィールドの上へのLEDから放出された光の投射を図解している図である。
図5B】実施形態による、画像フィールド上のピクセル位置の行を図解している図である。
図6A】実施形態による、単一のフレーム内の2つのサブフレームでのLEDの放出パターンを図解しているタイミング図である。
図6B】実施形態による、単一のフレーム内の3つのサブフレームでのLEDの放出パターンを図解しているタイミング図である。
図7A-7C】実施形態による、2つのサブフレームを有する放出フレームについてLEDが光を投射する行を図解している概念図である。
図8A-8C】実施形態による、3つのサブフレームを有する放出フレームについてLEDが光を投射する行を図解している概念図である。
図9】実施形態による、ディスプレイデバイスを動作させるプロセスを描いているフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図は、単に説明の目的で本開示の実施形態を描いている。
【0010】
実施形態は、画像をディスプレイするために使用されるディスプレイデバイスのLEDのアレイによるピーク電流使用量を削減するディスプレイデバイスの動作に関する。画像をディスプレイするときにアレイ上のLEDのすべてを同時に点灯する代わりに、第1の色の第1のLEDが、放出フレームの第1のサブフレーム中に光を放出するように駆動され、一方で第2の色の第2のLEDはディスエーブルにされる。同じ放出フレームの第2のサブフレーム中には、第2のLEDが光を放出するように駆動され、一方で第1のLEDはディスエーブルにされる。
【0011】
本発明の実施形態は、人工現実システムを含むことができるまたは上記システムとともに実装されることがある。人工現実は、ユーザへの表示の前にいくつかの方式で調節されている現実感のある形態であり、例えば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、ハイブリッド現実、またはこれらのいくつかの組合せおよび/もしくは派生物を含むことができる。人工現実コンテンツは、完全に生成されたコンテンツまたは取り込んだ(例えば、現実世界)コンテンツと組み合わせた生成されたコンテンツを含むことができる。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、またはこれらのいくつかの組合せ、および単チャネルでもしくは(ビューアに三次元効果を生成するステレオビデオなどの)多チャンネルで表示されることがあるもののうちのいずれかを含むことができる。加えて、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、例えば、人工現実においてコンテンツを作り出すために使用されるおよび/またはそうでなければ人工現実において使用される(例えば、アクティビティを行う)アプリケーション、プロダクツ、アクセサリ、サービス、またはこれらのいくつかの組合せに関連することもある。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されたヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)、スタンドアロンHMD、モバイルデバイスもしくはコンピューティングシステム、または1人もしくは複数のビューアに人工現実コンテンツを提供することができるいずれかの他のハードウェアプラットフォームを含め様々なプラットフォーム上に実装されることがある。
【0012】
ニアアイディスプレイ
図1は、実施形態による、ニアアイディスプレイ(NED)100の図である。NED100は、ユーザにメディアを表示する。NED100により表示されるメディアの例は、1つまたは複数の画像、ビデオ、オーディオ、またはこれらのいくつかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、オーディオは、NED100、コンソール(図示せず)、または両方からのオーディオ情報を受信しそしてオーディオ情報に基づいてオーディオデータを表現する外部デバイス(例えば、スピーカおよび/またはヘッドホン)を介して表現される。NED100は、VR NEDとして動作できる。しかしながら、いくつかの実施形態では、NED100はまた、拡張現実(AR)NED、複合現実(MR)NED、またはこれらのいくつかの組合せとしても動作するように改造されることがある。例えば、いくつかの実施形態では、NED100は、コンピュータが生成した要素(例えば、画像、ビデオ、音、等)を用いて物理的現実世界環境の視野を拡張できる。
【0013】
図1に示したNED100は、フレーム105およびディスプレイ110を含む。フレーム105は、メディアをユーザへ共にディスプレイする1つまたは複数の光学素子を含む。ディスプレイ110は、NED100によって表示されるコンテンツをユーザが見るように構成される。図2とともに下記に論じるように、ディスプレイ110は、ユーザの眼にメディアを表示するための画像光を生成する少なくともソースアセンブリを含む。ソースアセンブリは、例えば、光源、光学系、またはこれらのいくつかの組合せを含む。
【0014】
図1は、VRシステムの一例に過ぎない。しかしながら、代替の実施形態では、図1はまた、ヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)とも呼ばれることがある。
【0015】
図2は、実施形態による、図1に図示したNED100の断面図200である。断面200は、少なくとも1つの導波路アセンブリ210を図示する。射出ひとみは、ユーザがNED100を装着したときに眼220がアイボックス領域230内に位置する場所である。いくつかの実施形態では、フレーム105は、アイウェア眼鏡のフレームを表すことがある。図解の目的で、図2は、片眼220で単導波路アセンブリ210に関連する断面200を示すが、図示しない代替の実施形態では、図2に示した導波路アセンブリ210とは別のもう一方の導波路アセンブリが、ユーザのもう一方の眼220に画像光を提供する。
【0016】
導波路アセンブリ210は、図2で下記に図示されるように、射出ひとみを通して眼220へ画像光を向ける。導波路アセンブリ210を、NED100の重量を実効的に最小化しそして視野(以降「FOV」と略す)を広げる1つまたは複数の屈折率を有する1つまたは複数の材料(例えば、プラスチック、ガラス、等)から構成することができる。代替の構成では、NED100は、導波路アセンブリ210と眼220との間に1つまたは複数の光学素子を含む。光学素子は、導波路アセンブリ210から放出された画像光を拡大すること、導波路アセンブリ210から放出された画像光のいくつかの他の光学的な調節、またはこれらのいくつかの組合せを行うように機能する(例えば、導波路アセンブリ210から放出された画像光の収差を補正する)ことができる。光学素子に関する例は、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、または画像光に影響を及ぼす任意の他の適した光学素子を含むことができる。1つの実施形態では、導波路アセンブリ210は、図5Bに関連して下記にさらに詳細に論じられるように、アイボックス領域230への多くのひとみ複製物を生成し向けることができる。
【0017】
図3Aは、実施形態による、ディスプレイデバイス300の斜視図を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス300は、NED100の構成部品(例えば、導波路アセンブリ210または導波路アセンブリ210の一部)である。代替の実施形態では、ディスプレイデバイス300は、いくつかの他のNEDの一部、または特定の場所へディスプレイ画像光を向けるもう1つのシステムである。実施形態および実装形態に応じて、ディスプレイデバイス300はまた、導波路ディスプレイおよび/またはスキャニングディスプレイとも呼ばれることがある。しかしながら、他の実施形態では、ディスプレイデバイス300は、スキャニングミラーを含まない。例えば、ディスプレイデバイス300は、スキャニングミラーを用いないが導波路を通して画像フィールド上に光を投射する発光素子の行列を含むことができる。もう1つの実施形態では、発光素子の二次元行列により放出された画像を、光が導波路またはスクリーンに達する前に光学アセンブリ(例えば、レンズ)によって拡大することができる。
【0018】
導波路および光学系を使用する特定の実施形態に関して、ディスプレイデバイス300は、ソースアセンブリ310、出力導波路320、およびコントローラ330を含むことができる。ディスプレイデバイス300は、両眼用のまたは片眼用の画像を提供できる。図解の目的で、図3Aは、片眼220に関係するディスプレイデバイス300を示す。ディスプレイデバイス300から離れた(または一部が離れた)もう一方のディスプレイデバイス(図示せず)が、ユーザのもう一方の眼に画像光を提供する。一部が離れたシステムでは、1つまたは複数の構成部品が、各々の眼に対してディスプレイデバイス同士の間で共有されることがある。
【0019】
ソースアセンブリ310は、画像光355を生成する。ソースアセンブリ310は、光源340および光学系345を含む。光源340は、行列に配列された複数の発光素子を使用して画像光を生成する光学部品である。各々の発光素子は、単色光を放出することができる。光源340は、制限されないが、赤色画像光、青色画像光、緑色画像光、赤外画像光、等を含め、画像光を生成する。RGBが本開示ではしばしば論じられるが、本明細書において説明する実施形態は、原色として赤、青および緑を使用するようには限定されない。他の色もまた、ディスプレイデバイスの原色として使用することが可能である。また、実施形態によるディスプレイデバイスは、3色よりも多くの原色を使用できる。
【0020】
光学系345は、制限されないが、光源340により生成された画像光に焦光プロセス、統合プロセス、調整プロセス、およびスキャニングプロセスを含め、ひと組の光学プロセスを実行する。いくつかの実施形態では、光学系345は、図3Bに関連して詳細に下記に説明するように、統合アセンブリ、光調整アセンブリ、およびスキャニングミラーアセンブリを含む。ソースアセンブリ310は、出力導波路320のカップリング素子350への画像光355を生成し出力する。
【0021】
出力導波路320は、ユーザの眼220に画像光を出力する光学導波路である。出力導波路320は、1つまたは複数のカップリング素子350のところで画像光355を受光し、そして受光した入力画像光を1つまたは複数のデカップリング素子360へ案内する。カップリング素子350を、例えば、回折格子、ホログラフィ格子、画像光355を出力導波路320へと結合するいくつかの他の素子、またはこれらのいくつかの組合せとすることができる。例えば、カップリング素子350が回折格子である実施形態では、回折格子のピッチは、内部全反射が生じるように選択され、そして画像光355は、デカップリング素子360に向かって内部を伝播する。回折格子のピッチを、300nmから600nmの範囲内とすることができる。
【0022】
デカップリング素子360は、出力導波路320からの内部全反射した画像光をデカップルする。デカップリング素子360を、例えば、回折格子、ホログラフィ格子、出力導波路320を出る画像光をデカップルするいくつかの他の素子、またはこれらのいくつかの組合せとすることができる。例えば、デカップリング素子360が回折格子である実施形態では、回折格子のピッチは、入射画像光を出力導波路320から射出させるように選択される。出力導波路320から射出する画像光の向きおよび位置は、カップリング素子350に入射する画像光355の向きおよび位置を変えることによって制御される。回折格子のピッチを、300nmから600nmまでの範囲内とすることができる。
【0023】
出力導波路320を、画像光355の内部全反射を容易にする1つまたは複数の材料から構成することができる。出力導波路320を、例えば、シリコン、プラスチック、ガラス、もしくはポリマ、またはこれらのいくつかの組合せから構成することができる。出力導波路320は、比較的小さな形状因子を有する。例えば、出力導波路320を、X次元に沿ったほぼ50nmの幅、Y次元に沿った30nmの長さ、そしてZ次元に沿った0.5~1mmの厚さとすることができる。
【0024】
コントローラ330は、ソースアセンブリ310の画像レンダリング操作を制御する。コントローラ330は、少なくとも1つまたは複数のディスプレイインストラクションに基づいてソースアセンブリ310に対するインストラクションを決定する。ディスプレイインストラクションは、1つまたは複数の画像を表現するインストラクションである。いくつかの実施形態では、ディスプレイインストラクションを、単純に画像ファイル(例えば、ビットマップ)とすることができる。ディスプレイインストラクションを、例えば、VRシステムのコンソール(ここでは図示せず)から受信できる。スキャニングインストラクションは、画像光355を生成するためにソースアセンブリ310によって使用されるインストラクションである。スキャニングインストラクションは、例えば、画像光のソースのタイプ(例えば、単色、多色)、スキャニングレート、スキャニング装置の向き、1つもしくは複数の照明パラメータ、またはこれらのいくつかの組合せを含むことができる。コントローラ330は、開示の他の態様を不明瞭にしないようにここには示さないハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組合せを含む。
【0025】
図3Bは、実施形態による、例のソースアセンブリ310を図示するブロック図である。ソースアセンブリ310は、画像フィールド(図示せず)に投射されるだろう画像光355を生成するために光学系345によって光学的に処理される光を放出する光源340を含む。光源340は、コントローラ330または画像処理ユニット375から送られるデータに基づいて駆動回路370によって駆動される。1つの実施形態では、駆動回路370は、光源340の様々な発光素子に接続しそして機械的に保持する回路パネルである。組み合わせられた駆動回路370および光源340は、ときにはディスプレイパネル380またはLEDパネル(LEDのいくつかの形態が発光素子として使用される場合)と呼ばれることがある。
【0026】
光源340は、空間的にコヒーレントなまたは一部が空間的にコヒーレントな画像光を生成できる。光源340は、多数の発光素子を含むことができる。発光素子を、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)デバイス、発光ダイオード(LED)、マイクロLED、波長可変レーザ、および/またはいくつかの他の発光デバイスとすることができる。1つの実施形態では、光源340は、発光素子の行列を含む。もう1つの実施形態では、光源340は、発光素子の多数のセットを含み、各々のセットが色によりグループ分けされそして行列形態に配列されることをともなう。光源340は、可視帯域(例えば、約390nmから700nmまで)の光を放出する。光源340は、コントローラ330によって設定されそしておそらく画像処理ユニット375および駆動回路370によって調節される1つまたは複数の照明パラメータに従って光を放出する。照明パラメータは、光を生成するために光源340によって使用されるインストラクションである。照明パラメータは、例えば、ソース波長、パルスレート、パルス振幅、ビームタイプ(連続またはパルス)、放出された光に影響を及ぼす他のパラメータ、またはこれらのいくつかの組合せを含むことができる。光源340は、ソース光385を放出する。いくつかの実施形態では、ソース光385は、赤色光、緑色光、および青色光、またはこれらのいくつかの組合せの多数のビームを含む。
【0027】
光学系345は、光源340からの光を光学的に調節しそしておそらく向きを変える1つまたは複数の光学部品を含むことができる。光の調節例の1つの形態は、光を調整することを含むことができる。光源340からの光を調整することは、例えば、拡大すること、コリメートすること、1つもしくは複数の光学的エラー(例えば、像面湾曲、色収差、等)を補正すること、光のいくつかの他の調節、またはこれらのいくつかの組合せを含むことができる。光学系345の光学部品は、例えば、レンズ、ミラー、アパーチャ、格子、またはこれらのいくつかの組合せを含むことができる。光学系345から放出される光は、画像光355と呼ばれる。
【0028】
光学系345は、1つまたは複数の反射部および/または屈折部を介して画像光335の向きを変えることができ、そのため画像光355が、出力導波路320(図3Aに示す)に向けて特定の向きで投射される。画像光が向きを変えられて向かう場所は、1つもしくは複数の反射部および/または屈折部の具体的な向きに基づく。いくつかの実施形態では、光学系345は、少なくとも二次元でスキャンする1個のスキャニングミラーを含む。他の実施形態では、光学系345は、各々が互いに直交方向にスキャンする複数のスキャニングミラーを含むことができる。光学系345は、ラスタスキャン(水平にまたは縦に)、双共振スキャン、またはこれらのいくつかの組合せを実行できる。いくつかの実施形態では、光学系345は、2つの次元に沿ってスキャンしそしてユーザの眼に表示されるメディアの二次元投射線画像を生成するためにオシレーションの固有周波数で水平方向および/または縦方向に沿って制御された振動を実現できる。他の実施形態では、光学系345はまた、1つまたは複数のスキャニングミラーと同様の機能または同じ機能を果たすレンズも含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、光学系345は、ガルバノミラーを含む。例えば、ガルバノミラーは、1つまたは複数のミラーを用いて画像光のビームを偏向させることによって電流を検知したことを示すいずれかの電気機械機器を表すことができる。ガルバノミラーは、画像光355を生成するために少なくとも一方の直交する次元にスキャンできる。ガルバノミラーからの画像光355は、ユーザの眼に表示されるメディアの二次元線画像を表す。
【0030】
いくつかの実施形態では、ソースアセンブリ310は、光学系を含まない。光源340により放出された光は、導波路320(図3Aに示した)に直接投射される。
【0031】
コントローラ330は、光源340および、いくつかのケースでは、光学系345の動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ330を、ディスプレイデバイスのグラフィック処理ユニット(GPU)とすることができる。他の実施形態では、コントローラ330を、他の種類のプロセッサとすることができる。コントローラ330によって実行される動作は、ディスプレイ用のコンテンツを取得することおよびコンテンツを個別のセクションへと分割することを含む。コントローラ330は、ユーザに最終的にはディスプレイされる画像内のそれぞれの行に対応する発光素子を使用して個別のセクションを順次表示するように光源340に指示する。コントローラ330は、光の異なる調節を実行するように光学系345に指示する。例えば、コントローラ330は、出力導波路320(図3Aに示した)のカップリング素子の異なるエリアに表示される個別のセクションをスキャンするために光学系345を制御する。したがって、出力導波路320の射出ひとみのところで、各々の個別の部分が、異なる場所に表示される。各々の個別のセクションが異なる時刻に表示される一方で、個別のセクションの表示およびスキャニングは、ユーザの眼が異なるセクションを単一の画像または一連の画像へと統合するように十分早く生じる。コントローラ330はまた、光源340の個々のソース素子に対応するアドレスおよび/または個々のソース素子に印加される電気的バイアスを含む光源340へのスキャニングインストラクションも提供できる。
【0032】
画像処理ユニット375を、汎用プロセッサおよび/または本明細書において説明する特徴を実行することに特化される1つもしくは複数の専用回路とすることができる。1つの実施形態では、汎用プロセッサを、本明細書において説明するある種のプロセスをプロセッサに実行させるソフトウェアインストラクションを遂行するメモリにつなげることができる。もう1つの実施形態では、画像処理ユニット375を、ある種の特徴を実行するために特化された1つまたは複数の回路とすることができる。図3Bには、画像処理ユニット375が、コントローラ330および駆動回路370とは別々であるスタンドアロンユニットとして示されているが、他の実施形態では、画像処理ユニット375を、コントローラ330または駆動回路370のサブユニットとすることができる。言い換えると、それらの実施形態では、コントローラ330または駆動回路370は、画像処理ユニット375の様々な画像処理手続きを実行する。画像処理ユニット375をまた、画像処理回路とも呼ぶこともできる。
【0033】
発光ダイオードアレイ
図4は、実施形態による、図3Aおよび図3Bの光源340に含まれることがある発光ダイオード(LED)のアレイ400の上面図である。アレイ400は、行および列へと編制された複数のLEDを含む。図4に示した例では、アレイ400は、同じ色のLEDが同じ行であるように配置された赤色LED410、緑色LED420、および青色LED430を含む。緑色LED420は、緑色LED420の一方の側の赤色LED410に沿って整列する。青色LED430が、赤色LED410に平行な線に沿って置かれ、そして緑色LED420が緑色LED420の反対側に置かれる。
【0034】
赤色LED410の行は、緑色LED420の行から第1の距離D1のところにあり、青色LED430の行は、緑色LED420の行から第2の距離D2のところにある。第1の距離D1および第2の距離D2は、図6Aおよび図6Bに関して下記に詳細に説明されるように、ディスプレイモード中に放射フレームの少なくともサブフレームの数と相互に関連する。第1の距離D1および第2の距離D2は、互いに等しいことも異なることもある。図4には示されないとはいえ、LEDの様々な他の構成もまた本開示の範囲内である。例えば、アレイ400は、違った色をしたLEDを含むことができ、違った色配列、および/または各々の色に対してLEDの追加の行を有することができる。
【0035】
図4に示したLEDが、行および行に直角な列に配列される一方で、他の実施形態では、アレイ400上のLEDが、他の形態で配列されることがある。例えば、LEDのうちのいくつかは、斜めに整列するまたは他の配列で、規則的にまたは不規則に、対称的にまたは非対称に整列することがある。また、行および列という用語は、素子同士の2つの相対的な空間的関係を記述できる。簡潔さの目的で、本明細書において記述される列が、通常、素子の縦のラインと関係付けられている一方で、列が縦に(または縦方向に)配列されなければならないことがないことを理解すべきである。同様に、行が水平に(または横方向に)配列されなければならないことはない。行および列はまた、ときには直線的ではない配列を記述することもできる。行および列はまた、いずれかの平行または直角な配列を必ずしも意味する必要もない。ときには、行または列は、ラインと呼ばれることもある。他の実施形態では、各々の色についてLEDの2つ以上のラインであってもよい。いくつかの実施形態では、LEDのラインの数は、各々の色の明るさに基づいて色ごとに変わる。例えば、赤色LEDは、青色LEDよりも明るいことがある。アレイ内の明るさの違いを補償するために、アレイ上に2本のラインの赤色LEDと5本のラインの青色LEDがあってもよい。
【0036】
1つの実施形態では、LEDを、マイクロLEDとすることができる。他の実施形態では、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)などの他のタイプの発光素子を使用することができる。「マイクロLED」を、小さな能動発光面積(例えば、いくつかの実施形態では2,000μm未満、他の実施形態では20μm未満または10μm未満)を有する特定のタイプのLEDとすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロLEDの放射面は、ほぼ5μm未満の直径を有することがある、とはいえ、放射面についてのより小さな(例えば、2μm)直径またはより大きな直径を他の実施形態では利用することができる。マイクロLEDはまた、いくつかの例では、コリメートされた光出力または非ランバーシアン光出力を有することもあり、これは、小さな能動発光面積から放出される光の明るさレベルを高めることができる。
【0037】
画像の形成例
図5Aは、実施形態による、画像フィールドの上へとLEDから放出された光の投射を図解する図である。図5Aは、光源340から放出された光を使用してディスプレイデバイスに画像がどのようにして形成されるかを図解する。画像フィールドは、光源340により放出された光を受光しそして画像を形成するエリアである。例えば、画像フィールドは、図3Aのカップリング素子350の一部分またはデカップリング素子360の一部分に対応することがある。いくつかのケースでは、画像フィールドは、実際の物理的構造物ではないが、画像光が投射されそして画像が形成されるエリアである。1つの実施形態では、画像フィールドは、カップリング素子350の表面であり、そして画像フィールド上に形成された画像は、光が出力導波路320を通って進むにつれて拡大される。もう1つの実施形態では、画像フィールドは、画像フィールドを形成するために異なる色の光を組み合わせる導波路を光が通過した後で形成される。いくつかの実施形態では、画像フィールドが、ユーザの眼へと直接投射されることがある。
【0038】
スキャニング動作中に、ディスプレイデバイス500は、光源340から画像フィールド530へ光を投射するためにスキャニングミラー520を使用する。ディスプレイデバイス500は、ニアアイディスプレイ100または別のスキャンタイプのディスプレイデバイスに対応することがある。光源340は、図3Bに示した光源340に対応することがある、または他のディスプレイデバイスで使用されることがある。光源340は、挿入図515内にドットによって表されたような発光デバイスの多数の行および列を有するアレイ400を含む。1つの実施形態では、光源340は、各々の色について発光ダイオードの単一のラインを含むことができる。他の実施形態では、光源340は、各々の色についてLEDの1つよりも多くのラインを含むことができる。光源340によって放出された光502を、光のコリメートされたビームのセットとすることができる。例えば、図5Aの光502は、LEDの行により放出された多数のビームを示す。ミラー520に達する前に、光502を、調整アセンブリなどの異なる光学デバイスによって調整することができる。ミラー520は、光源340から画像フィールド530への光502を反射し投射する。ミラー520は、軸522の周りを回転する。ミラー520を、微小電気機械システム(MEMS)ミラーまたはいずれかの他の適したミラーとすることができる。ミラー520を、図3Bの光学系345または光学系345の一部の実施形態とすることができる。ミラー520が回転するにつれて、実線の光504の反射した部分および破線の光504の反射した部分によって図示されたように、光502は、画像フィールド530の異なる部分へ向けられる。
【0039】
ミラー520の特定の向き(すなわち、特定の回転角)のところで、アレイ400は、画像フィールド530の一部分(例えば、画像フィールド530上の多数のピクセル位置532のうちの特定のサブセット)を照明する。1つの実施形態では、LEDは、各々のLEDからの光ビームが対応するピクセル位置532上に投射するように配列されそして間隔を空けられる。LEDの隣り合う行同士の間の距離が、図6Aおよび図6Bに関して説明される。もう1つの実施形態では、マイクロLEDなどの小さな発光素子がLED用に使用され、そのため多数の発光素子のうちのサブセットからの光ビームが同じピクセル位置532のところに一緒に投射される。言い換えると、多数のLEDのうちのサブセットが、一度に単一のピクセル位置532を集団として照明する。
【0040】
画像フィールド530はまた、光502が画像フィールド530のエリアに投射されたときに、画像フィールド530のエリアが光502によって照明されるという理由で、スキャンフィールドとも呼ばれることがある。画像フィールド530を、行と列の(挿入図534内のブロックにより表される)ピクセル位置532の行列によって空間的に規定することができる。ピクセル位置は、ここでは1個のピクセルを呼ぶ。画像フィールド530内のピクセル位置532(または単純にピクセル)は、ときには、実際には追加の物理的構造物でないことがある。代わりに、ピクセル位置532を、画像フィールド530を分割する空間的な領域とすることができる。また、ピクセル位置532のサイズおよび位置は、光源340からの光502の投射に依存することがある。例えば、ミラー520の所与の回転角のところで、光源340から放出された光ビームが、画像フィールド530のあるエリアに当たることがある。それはそうとして、画像フィールド530のピクセル位置532のサイズおよび位置を、各々の光ビームの位置に基づいて規定することができる。いくつかのケースでは、ピクセル位置532を、サブピクセル(図示せず)へと空間的に細分化することができる。例えば、ピクセル位置532は、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルを含むことができる。赤色サブピクセルは、1つまたは複数の赤色光ビームが投射される位置、等に対応する。サブピクセルが存在するときには、ピクセル532の色は、サブピクセルの時間的平均値および/または空間的平均値に基づく。
【0041】
光源340のアレイ400内のLEDの行および列の数は、画像フィールド530内のピクセル位置532の行および列の数と同じであっても同じでなくてもよい。1つの実施形態では、アレイ400の行内のLEDの数は、画像フィールド530の行内のピクセル位置532の数に等しい、一方で列のアレイ400内のLEDの数は、2つ以上であるが、画像フィールド530の列内のピクセル位置532の数よりも少ない。言い換えるならば、そのような実施形態では、光源340は、画像フィールド530内のピクセル位置の列の数と同じ数のアレイ400内のLEDの列を有するが、画像フィールド530よりも少ない行を有する。例えば、1つの具体的な実施形態では、光源340は、アレイ400内に約1280個のLEDの列を有し、これは画像フィールド530のピクセル位置532の列の数と同じであるが、LEDの3行だけである。光源340は、LEDの第1の行から最後の行までを測定した第1の長さL1を有することができる。画像フィールド530は、スキャンフィールド530の行1から行pまでを測定した第2の長さL2を有する。1つの実施形態では、L2はL1よりも大きい(例えば、L2はL1よりも50から10,000倍大きい)。
【0042】
ピクセル位置532の行の数が、いくつかの実施形態ではアレイ400内のLEDの行の数よりも大きいので、ディスプレイデバイス500は、異なる時刻にピクセルの異なる行に光502を投射するためにミラー520を使用する。ミラー520が回転しそして光502が迅速に画像フィールド530全体をスキャンするにつれて、画像が画像フィールド530上に形成される。いくつかの実施形態では、光源340はまた、画像フィールド530よりも少ない数の列を有する。ミラー520は、光で画像フィールド530を埋めるように二次元に回転できる(例えば、画像フィールド530内で行を下り次いで新たな列へ移動するラスタタイプのスキャニング)。
【0043】
ディスプレイデバイスは、予め定められたディスプレイ期間内に動作できる。ディスプレイ期間は、画像が形成される時間の存続期間に対応することができる。例えば、ディスプレイ期間は、放射フレームが所与の時間(例えば、1秒)内に繰り返される頻度を表しているフレームレート(例えば、フレームレートの逆数)に関係することがある。回転ミラーを含むディスプレイデバイス500の特定の実施形態では、ディスプレイ期間をまた、スキャニング期間と呼ぶこともできる。ミラー520の回転の完全な1サイクルを、スキャニング期間と呼ぶことがある。スキャニング期間は、本明細書では、全体の画像フィールド530が完全にスキャンされる所定のサイクル時間を呼ぶ。スキャニング期間を、複数の放射フレームへと分割することができ、各々の放射フレームが画像フィールド530上のピクセル位置のうちの特定のサブセット(例えば、画像フィールド上のピクセル位置のうちの3行)の上へと投射される光に対応する。画像フィールド530のスキャニングは、ミラー520によって制御される。ディスプレイデバイス500の光生成を、ミラー520の回転と同期させることができる。例えば、1つの実施形態では、画像フィールド530の行1へ光を投射する初期位置から画像フィールド530の行pへ光を投射する最後の位置まで、そして次いで初期位置まで戻るミラー520の動きが、スキャニング期間に等しい。スキャニング期間はまた、ディスプレイデバイス500のフレームレートに関係することがある。スキャニング期間を終わらせることにより、画像(例えば、フレーム)が、スキャニング期間ごとに画像フィールド530上に形成される。これゆえ、フレームレートは、1秒間でのスキャニング期間の数に対応することがある。
【0044】
ミラー520が回転するにつれて、光は画像フィールドの全体をスキャンし、そして画像が形成される。所与のピクセル位置532の実際の色値および光強度(輝度)を、スキャニング期間中にピクセル位置を照明する様々な光ビームの色の平均とすることができる。スキャニング期間が終わった後で、ミラー520は、駆動信号の新たなセットがLEDへ供給され得ることを除いて、再び画像フィールド530の最初の数行の上へと光を投射するために初期位置へと逆戻りする。ミラー520が周期的に回転するので、同じプロセスを繰り返すことができる。それはそうとして、異なる画像が、異なるフレームにおいてスキャニングフィールド530内に形成される。
【0045】
図5Bは、実施形態による、画像フィールド上のピクセル位置の行を図解する図である。画像フィールド530は、ピクセル位置の複数の行を含むことができ、各々の行が複数のピクセル位置を含む。図5Bに示した例では、画像フィールド530上にはz個の行がある。スキャニングミラー520が回転するにつれて、アレイ400から放出された光は、画像フィールド530の異なる部分の上へと投射されて、所与の時刻に画像フィールド530の異なる行を照明する。
【0046】
1つの実施形態では、アレイ400上のLEDのすべては、放出フレームの始まりにおいて点灯するように、そして放出フレームの前半に対応する放出期間中に光を放出するように駆動される。放出期間中には、アレイ400から放出された光が、画像フィールド530上のピクセル位置の最初の3行(例えば、行1、行2、行3)の上へと投射される。例えば、赤色LED410から放出された赤色光が行1の上へと投射され、緑色LED420から放出された緑色光が行2の上へと投射され、そして青色LED430から放出された青色光が行3の上へと投射される。放出フレームの後で、引き続く放出フレームにおいて、アレイ400から放出される光が、先の放出フレームと比較して1行だけオフセットした画像フィールド530上の3行のピクセル位置の上へと投射されるように、ミラー520は回転する。例えば、赤色光が今度は行2の上へと投射され、緑色光が行3の上へと投射され、そして青色光が行4の上へと投射される。
【0047】
しかしながら、アレイ400上のすべてのLEDが放出期間中に同時に光を放出するように駆動されると、同時にLEDのすべてを点灯するために大きな瞬間電流が必要とされる。しかし、同時にアレイ400のすべてのLEDを点灯するために必要な電流を供給するために、ニアアイディスプレイ100は扱いにくいことがあり、その理由は、これが大きな電流源を必要とし、そして設計することおよび製造することの高いコストのために高価になるためである。さらに、大電流で動作することに起因してシリコンが経時的に適正に機能しないリスクの増大ならびに容易に下がり得ない大きなサーマルバジェットに起因する安全性リスクがある。ピーク電流を削減するために、図6Aおよび図6Bに関して下記に詳細に説明するように、時分割法を使用することができて、各々の放出フレームをサブフレームへと分割し、そしてアレイ400上のLEDのすべてを同時に点灯する代わりに、サブフレームの各々においてアレイ400上のLEDのうちの異なる部分を点灯する。
【0048】
図6Aは、各々の放出フレームが実施形態に従って2つのサブフレームA、Bを有するLEDの放出パターンを図解するタイミング図である。アレイ400を動作させる方法は、放出フレームの異なるサブフレームにおいてアレイ400上のLEDのサブセットを点灯することである。コントローラ330または画像処理ユニット375は、LEDから放出された光が画像フィールド530上のピクセル位置内のサブピクセルに対応するようにLED410の各々に印加する電圧値を決定する。図6Aに示した例では、アレイ400のLEDの第1のサブセットは、放出フレームのサブフレームA中に光を放出し、アレイ400のLEDの第2のサブセットは、サブフレームAに続く放出フレームのサブフレームB中に光を放出する。1つの実施形態では、LEDの第1のサブセットは赤色LED410であり、LEDの第2のサブセットは緑色LED420および青色LED430である。もう1つの実施形態では、LEDの第1のサブセットおよびLEDの第2のサブセットが、異なる色を有することがある。例えば、LEDの第1のサブセットを、緑色LED420とすることができ、そしてLEDの第2のサブセットを、赤色LED410および青色LED430とすることができる。
【0049】
図6Aに示したタイミング図では、アレイ400の第1の行に配置された赤色LED410は、各々の放出フレームのサブフレームA中に光を放出する。赤色LED410が点灯されて光を放出する間、緑色LED420および青色LED430は消灯される。緑色LED420は、アレイ400の第2の行に配置され、そして各々の放出フレーム中のサブフレームAに続くサブフレームB中に光を放出する。青色LED430は、緑色LED420の下のアレイ400の第3の行に配置され、そして緑色LED420と同時にサブフレームB中に光を放出する。緑色LED420および青色LED430が点灯されて光を放出する間、赤色LED410は消灯される。
【0050】
画像フィールド530上に画像を生成するために、赤色LED410、緑色LED420、および青色LED430から放出された光は、画像フィールド530の上へと投射される。画像フィールド530上の各々のピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルへと分割される。アレイ400上のすべてのLEDが同時に光を放出するときには、アレイ400上のLEDの行は、隣り合う2つの行同士の間では等しい。
【0051】
しかしながら、LEDの異なる部分が異なる時刻に光を放出するように駆動されるときには、アレイ400上の行同士の間の距離は、画像フィールド530上の画像アライメントを維持するために時間遅延を補償する必要がある。図4に示したように、赤色LED410と緑色LED420との間の距離はD1であり、そして緑色LED420と青色LED430との間の距離はD2であり、ここでは、緑色LED420の行が、赤色LED410の行と青色LED430の行との間にある。アレイ400がサブフレームA中に赤色LEDを点灯しそしてサブフレームB中に緑色LEDを点灯するように構成されるときには、赤色LED410と緑色LED420との間の距離D1は、緑色LED420と青色LED430との間の距離D2の(n+1/2)倍に等しく、ここではnは0または0よりも大きい整数である。
【0052】
図6Bは、実施形態による、各々の放出フレームが3つのサブフレームA’、B’、C’を有するLEDの放出パターンを図解するタイミング図である。サブフレームA’中には、LEDの第1のサブセットが第1の色の光を放出する。サブフレームB’中には、LEDの第2のサブセットが光を放出し、第2の色のLEDの第2のサブセットはLEDの第1のサブセットとは異なる。サブフレームC’中には、LEDの第3のサブセットが、第1の色および第2の色とは異なる第3の色の光を放出する。図6Bに示した例では、LEDの第1のサブセットは赤色LED410であり、LEDの第2のサブセットは緑色LED420であり、そしてLEDの第3のサブセットは青色LED430である。他の例では、LEDのサブセットは、図6Bに示されたものとは異なる色を有することがある。サブフレームA’、B’、C’は、等しい持続時間を有するまたは異なる持続時間を有することがある。しかしながら、サブフレームA’、B’、およびC’に関する持続時間の合計は、フレームの持続時間以下でなければならない。
【0053】
サブフレームA’中には、赤色LED410が点灯され、一方で緑色LED420および青色LED430は消灯される。サブフレームB’中には、緑色LED420が点灯され、一方で赤色LED410および青色LED430は消灯される。サブフレームC’中には、青色LED430が点灯され、一方で赤色LED410および緑色LED420は消灯される。
【0054】
3つのサブフレームがありそしてアレイ400上のLEDの各々の行が図6Bのタイミング図に示されたように異なるサブフレーム中に光を放出するように駆動されるときには、赤色LED410と緑色LED420との間の距離D1および緑色LED420と青色LED430との間の距離D2は同じである。しかしながら、距離D1およびD2は、放出フレーム中に同時にアレイ400のすべての3つの行から光を放出する(例えば、アレイのすべての3つの行が放出フレームの前半の間に光を放出する)ように構成されたディスプレイデバイスに関する隣り合う行同士の間の距離よりも大きい。
【0055】
図7A図7Cは、実施形態に従って、図6Aを参照して上に説明したような2つのサブフレームを有する放出フレームについてLEDが光を投射する行を図解する概念図である。各々の放出フレームの第1のサブフレーム中には、アレイ400上のLEDの第1のサブセットが点灯され、そしてアレイ400上のLEDの第2のサブセットは消灯される。第1のサブフレームに続く各々の放出フレームの第2のサブフレーム中には、アレイ400上のLEDの第1のサブセットが消灯され、そしてアレイ400上のLEDの第2のサブセットは点灯される。赤色LED410、緑色LED420、および青色LED430は、光を放出するために適切な放出サブフレーム中に点灯するようにそして消灯するようにコントローラ330によって管理される。LEDから放出された光は、画像フィールド530の全体にわたって光をスキャンするために回転するミラー520の表面から反射される。
【0056】
図7Aは、第1の放出フレーム中の画像フィールド530の上への光の投射を図解する。アレイ400の各々の行内のLEDの数は、画像フィールド530の行内のピクセル位置の数に一致する。左の図に示したように、アレイ400上の赤色LED410が、3つの連続する放出フレームの第1の放出フレームの第1のサブフレーム中に点灯する。赤色LED410から放出された光が、第1のサブフレーム中に画像フィールド530の行nの上へと投射される。緑色LED420および青色LED430は、第1のサブフレーム中には消灯される。赤色LED410の各々から放出された光は、画像フィールド530の行n上のピクセル位置の赤色サブピクセルを照明する。
【0057】
右の図に示したように、赤色LED410は、第1の放出フレームの第2のサブフレーム中には消灯され、そして緑色LED420および青色LED430が点灯される。緑色LED420から放出された光は、画像フィールド530の行n-1の上へと投射される。行n-1は、赤色LED410が第1のサブフレーム中に光を投射した行nと隣り合う。青色LED430から放出された光は、画像フィールド530の行n-2の上へと投射される。
【0058】
図7Bは、1つの実施形態に従って、第1の放出フレーム後の第2の放出フレーム中の画像フィールド530の上への光の投射を図解する。赤色LED410、緑色LED420、および青色LED430から放出された光が、図7Aと比較して1行だけオフセットした行の上へと投射されるように、ミラー520は、アレイ400から放出された光を向け直す。左の図に示したように、アレイ400上の赤色LED410からの光が、第2の放出フレームの第1のサブフレーム中に行n+1上へと投射され、ここでは赤色LED410は、行n+1上のピクセル位置の赤色サブピクセルに対応する。右の図に示したように、緑色LED420からの光が行nの上へと投射され、そして青色LED430からの光が行n-1の上へと投射される。緑色LED420から放出された光は、行n上のピクセル位置の緑色サブピクセルに対応し、そして青色LED430から放出された光は、行n-1上のピクセル位置の青色サブピクセルに対応する。
【0059】
図7Cは、第3の放出フレーム中の画像フィールド530の上への光の投射を図解する。左の図に示したように、赤色LED410からの光が、第3の放出フレームの第1のサブフレーム中に行n+2の上へと投射される。第3の放出フレームの第2のサブフレーム中には、緑色LED420からの光が行n+1の上へと投射され、そして青色LED430からの光が行nの上へと投射される。
【0060】
各々の放出フレームが短期間(例えば、345ns)の間存続するという理由で、光が1つの放出フレームから次まで放出されるときは、人間の眼には識別不可能である。図7A図7Cに示した3つの連続する放出フレームにわたって、赤色LED410、緑色LED420、および青色LED430から放出された光は、行nの上へと投射される。第1の放出フレームの第1のサブフレーム中に赤色LED410から放出された光、第2の放出フレームの第2のサブフレーム中に緑色LED420から放出された光、および第3の放出フレームの第2のサブフレーム中に青色LED430から放出された光は、画像フィールドの行n上のピクセルの1つの行として見える。異なる色の光が異なる時刻に投射されるとはいえ、各々のピクセルは、光の人間の眼におけるぼやけおよび空間的融合のために異なる放出フレームにおいて各々が表される3つの別個のサブピクセルの代わりに単一の色として見える。
【0061】
図示しないとはいえ、図7A図7Cに示した3つの放出フレームに続く第4の放出フレームでは、赤色LED410からの光が、第1のサブフレーム中に行n+3の上へと投射され、緑色LED420からの光が、第2のサブフレーム中に行n+2の上へと投射され、そして青色LED430からの光が、第2のサブフレーム中に行n+1の上へと投射される。第2の放出フレームの第1のサブフレーム中に赤色LED410から放出された光、第3の放出フレームの第2のサブフレーム中に緑色LED420から放出された光、および第4の放出フレームの第2のサブフレーム中に青色LED430から放出された光は、行n+1上のピクセルの1つの行として見える。
【0062】
図8A図8Cは、実施形態に従って、LEDが3つのサブフレームA’、B’、C’を有する放出フレームにおいて光を投射する行を図解する概念図である。図8Aは、第1の放出フレーム中に画像フィールド530の上への光の投射を図解する。第1の放出フレームは、3つのサブフレームA’、B’、C’へと分割され、サブフレームの各々の持続期間に、LEDの異なる行が光を放出するために点灯される。左の図に示したように、赤色LED410が、第1の放出フレームの第1のサブフレーム中に点灯され、そして行nの上へと投射され、一方で緑色LED420および青色LED430は消灯される。中の図に示したように、緑色LED420が、第1の放出フレームの第2のサブフレーム中に点灯され、そして行n-1の上へと投射され、一方で赤色LED410および青色LED430は消灯される。右の図に示したように、青色LED430が、放出フレームの第3のサブフレーム中に点灯され、そして行n-2の上へと投射され、一方で赤色LED410および緑色LED420は消灯される。
【0063】
図8Bは、第1の放出フレームの直後の第2の放出フレーム中に画像フィールド530の上への光の投射を図解する。赤色LED410、緑色LED420、および青色LED430から放出された光が、図7Aと比較して1行だけオフセットした行の上へと投射されるように、ミラー520は、アレイ400から放出された光を向け直す。左の図に示したように、赤色LED410が、第2の放出フレームの第1のサブフレーム中に点灯され、そして行n+1の上へと投射され、一方で緑色LED420および青色LED430は消灯される。中の図に示したように、緑色LED420が、第2の放出フレームの第2のサブフレーム中に点灯され、そして行nの上へと投射され、一方で赤色LED410および青色LED430は消灯される。右の図に示したように、青色LED430が、第2の放出フレームの第3のサブフレーム中に点灯され、そして行n-1の上へと投射され、一方で赤色LED410および緑色LED420は消灯される。
【0064】
図8Cは、第2の放出フレームの直後の第3の放出フレーム中に画像フィールド530の上への光の投射を図解する。左の図に示したように、赤色LED410が、第3の放出フレームの第1のサブフレーム中に点灯され、そして行n+2の上へと投射され、一方で緑色LED420および青色LED430は消灯される。中の図に示したように、緑色LED420が、第3の放出フレームの第2のサブフレーム中に点灯され、そして行n+1の上へと投射され、一方で赤色LED410および青色LED430は消灯される。右の図に示したように、青色LED430が、第3の放出フレームの第3のサブフレーム中に点灯され、そして行nの上へと投射され、一方で赤色LED410および緑色LED420は消灯される。
【0065】
第1の放出フレームの第1のサブフレーム中に赤色LED410から放出された光、第2のサブフレームの第2のサブフレーム中に緑色LED420から放出された光、および第3のサブフレームの第3のサブフレーム中に青色LED430から放出された光は、画像フィールドの行n上のピクセルの1つの行として見える。
【0066】
ディスプレイデバイスを動作させる方法例
図9は、実施形態による、ディスプレイデバイスを動作させるプロセスを描いているフローチャートである。ディスプレイデバイスは、第1のLEDから光を放出するように放出フレームの第1のサブフレーム中に第1の色の第1のLEDを動作させる910ように構成される。ディスプレイデバイスは、画像フィールドの複数のピクセル位置の上へと第1のLEDから放出された光を向ける920ように構成される。第1のLEDから放出された光を、複数のピクセル位置の上へと光を投射する回転するミラーへ向けることができる。複数のピクセル位置が、画像フィールド上のピクセルの行に対応することがある。第1のLEDが第1のサブフレーム中に光を放出する間、ディスプレイデバイスは、放出フレームの第1のサブフレーム中には第2の色の第2のLEDをディスエーブルにする930ように構成される。
【0067】
ディスプレイデバイスは、放出フレームの第2のサブフレーム中に第2のLEDを動作させる940ように構成される。ディスプレイデバイスは、画像フィールドの複数のピクセル位置の上へと第2のLEDから放出された光を向ける950ように構成される。第2のLEDが第2のサブフレーム中に光を放出する間、ディスプレイデバイスは、放出フレームの第2のサブフレーム中には第1のLEDをディスエーブルにする960ように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは、第3の色の第3のLEDを含む。ディスプレイデバイスは、第2のLEDおよび第3のLEDが第2のサブフレーム中に光を放出するように放出の第2のサブフレーム中に第3のLEDを動作させることができる。
【0069】
他の実施形態では、ディスプレイデバイスは、放出フレームの第3のサブフレーム中に第3のLEDを動作させることができる。ディスプレイデバイスは、第3のLEDが光を放出する間、第3のサブフレーム中には第1のLEDおよび第2のLEDをディスエーブルにするように構成されることがある。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1のLEDは、アレイの第1の行に沿って配列され、第2のLEDは、第1の行の一方の側で第1の行に平行な第2の行に沿って配列され、そして第3のLEDは、第1の行の反対側で第1の行および第2の行に平行な第3の行に沿って配列される。
【0071】
明細書において使用した言語は、読みやすさおよび教育的な目的で主として選択されてきており、本発明の主題を線引きするまたは制限するようには選択されてきていないことがある。これゆえ、開示の範囲は、この詳細な説明によっては限定されずに、むしろ基づく出願から出てくるすべての特許請求の範囲によって限定されるものである。したがって、実施形態の開示は、限定しないが、別記の特許請求の範囲において述べられる開示の範囲の例示であるものとする。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A-7C】
図8A-8C】
図9
【国際調査報告】