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特表2022-531101配電エリア認識方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】配電エリア認識方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20220629BHJP
   G01R 11/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J13/00 B
G01R11/00 B
G01R11/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562065
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 CN2020085512
(87)【国際公開番号】W WO2020221035
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】201910357968.2
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521455545
【氏名又は名称】北京市騰河智慧能源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】常 洪山
(72)【発明者】
【氏名】何 光
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA09
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA03
(57)【要約】
本発明は配電エリア認識方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。前記配電エリア認識方法は、配電エリア給電ネットワークにおける各ノードの電力統計に基づいて、電力ホッピング特徴を認識することにより対応する電力メーターの帰属関係を判断することを実現し、線路電力損失による影響を解消し、認識の正確性を向上させ、また、未認識の総電力及び認識すべきエリアにおける電力メーターの電力の変化特徴に基づいて認識し、認識済みの電力メーターの電力変動による認識に対する干渉を減少させ、認識の正確性を向上させ、反復認識を用い、認識すべきエリアが小さくなり、収束速度が速くなる。本発明の配電エリア認識方法は電力ホッピングアルゴリズムを用いて配電エリアを認識し、線路電力損失による影響を解消し、認識の正確性を向上させ、反復認識を組み合わせ、認識プロセスが継続的に進行するにつれて収束速度が速くなり認識正確性も高くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在状態が含まれていると認識されたエリア及び現在状態が排除されたと認識されたエリアを含む現在状態が認識されたエリアと、現在状態が未認識のエリアと、を含む認識エリアにおける各電力メーターの電力及び合計メーターの電力を収集して統計するステップS1と、
合計メーターの電力と現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力との差である未認識の総電力を計算するステップS2と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化を計算するステップS3と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化に応じて配電エリアを認識するステップS4と、
認識エリアを安定状態が含まれていると認識されたエリア、安定状態が排除されたと認識されたエリア及び安定状態が未認識のエリアに分割するまで、ステップS1~S4を繰り返して実行するステップS5と、を含むことを特徴とする配電エリア認識方法。
【請求項2】
前記ステップS4は、具体的には、
未認識の総電力が平滑に変動し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生した場合、該電力メーターを擬似排除状態として判定するステップS41aと、
該電力メーターが擬似排除状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が排除されたと認識されたエリアに入れるステップS42aと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の配電エリア認識方法。
【請求項3】
前記ステップS4は、具体的には、
未認識の総電力に有効ホッピングが発生し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、且つこの2つの有効ホッピングが等しい場合、該電力メーターを擬似包含状態として判定するステップS41bと、
該電力メーターが擬似包含状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が含まれていると認識されたエリアに入れるステップS42bと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の配電エリア認識方法。
【請求項4】
前記ステップS4は、
同じ電力メーターが前後して、擬似排除状態及び擬似包含状態として判定される場合、又は、前後して、擬似包含状態及び擬似排除状態として判定される場合、該電力メーターを初期状態にリセットするステップS43をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の配電エリア認識方法。
【請求項5】
完全な配電エリア給電ネットワークを認識するまで、隣接する認識エリアを統合し、上記ステップS1~S5を繰り返して実行するステップS6をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の配電エリア認識方法。
【請求項6】
前記配電エリア認識方法は、単なる搬送波ネットワークに基づいて電力データを収集する、ことを特徴とする請求項1に記載の配電エリア認識方法。
【請求項7】
前記配電エリア認識方法は、
複数の配電エリア給電ネットワークを統合することにより、確認済みの配電エリア給電ネットワークの電力メーターから構成される統合後の認識済みのエリアと、未認識の電力メーターから構成される統合後の認識すべきエリアと、を含む完全なエリアを形成するステップS7と、
各々の給電ネットワークの未認識の総電力、及び統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力を計算するステップS8と、
統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力の変化及び各々の給電ネットワークの未認識の総電力の変化に応じて、配電エリアを認識するステップS9と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の配電エリア認識方法。
【請求項8】
前記ステップS9は、具体的には、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS91と、
統合後の認識すべきエリアにおける複数の電力メーターに同方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、これらの電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS92と、
統合後の認識すべきエリアにおける2つの電力メーターのみに逆方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する方向において対応する変動が発生した場合、対応する方向に従って、2つの電力メーターの帰属を分割するステップS93と、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみの電力が変化し、その変化値がその他の電力メーターの電力変化の絶対値の和より大きく、ある給電ネットワークに、対応する未認識の総電力変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS94と、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の配電エリア認識方法。
【請求項9】
前記ステップS1は、
電力が常にゼロの未使用電気メーターを直接認識エリアから除外するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の配電エリア認識方法。
【請求項10】
配電エリアを認識するコンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータにおいて実行されると、
現在状態が含まれていると認識されたエリア及び現在状態が排除されたと認識されたエリアを含む現在状態が認識されたエリアと、現在状態が未認識のエリアと、を含む認識エリアにおける各電力メーターの電力及び合計メーターの電力を収集して統計するステップS1と、
合計メーターの電力と現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力との差である未認識の総電力を計算するステップS2と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化を計算するステップS3と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化に応じて配電エリアを認識するステップS4と、
認識エリアを安定状態が含まれていると認識されたエリア、安定状態が排除されたと認識されたエリア及び安定状態が未認識のエリアに分割するまで、ステップS1~S4を繰り返して実行するステップS5と、を実行する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマート送電網の技術分野に関し、特に、配電エリア認識方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電力システムでは、配電エリアとは、変圧器の給電範囲又は領域であり、1つの電力経済の運転管理の名詞である。従って、配電エリアを正確かつ効果的に認識することにより、電力の管理効率を著しく向上できる。
【0003】
しかし、従来の配電エリア認識方法は、送電網が取り付けられる際の給電線路の接続に基づいて配電エリアを認識するが、送電網が取り付けられる際、給電線路の接続エラーの状況が存在する可能性があり、それにより、配電エリアの認識結果エラーを引き起こす。また、従来の配電エリア認識方法は、線路電力損失による影響を削除できないため、認識結果の正確性が低くなり、配電エリアを迅速かつ正確に認識できない。
【0004】
従来の配電エリア認識方法に存在する、認識正確性が低い問題に対して、現在、有効的な解決案が提供されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、配電エリア認識方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することにより、従来の配電エリア認識方法に存在する、認識正確性が低いという技術課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、配電エリア認識方法が提供され、配電エリア認識方法は、
現在状態が含まれていると認識されたエリア及び現在状態が排除されたと認識されたエリアを含む現在状態が認識されたエリアと、現在状態が未認識のエリアと、を含む認識エリアにおける各電力メーターの電力及び合計メーターの電力を収集して統計するステップS1と、
合計メーターの電力と現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力との差である未認識の総電力を計算するステップS2と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化を計算するステップS3と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化に応じて配電エリアを認識するステップS4と、
認識エリアを安定状態が含まれていると認識されたエリア、安定状態が排除されたと認識されたエリア及び安定状態が未認識のエリアに分割するまで、ステップS1~S4を繰り返して実行するステップS5と、を含む。
【0007】
さらに、前記ステップS4は、具体的には、
未認識の総電力が平滑に変動し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生した場合、該電力メーターを擬似排除状態として判定するステップS41aと、
該電力メーターが擬似排除状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が排除されたと認識されたエリアに入れるステップS42aと、を含む。
【0008】
さらに、前記ステップS4は、具体的には、
未認識の総電力に有効ホッピングが発生し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、且つこの2つの有効ホッピングが等しい場合、該電力メーターを擬似包含状態として判定するステップS41bと、
該電力メーターが擬似包含状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が含まれていると認識されたエリアに入れるステップS42bと、を含む。
【0009】
さらに、前記ステップS4は、
同じ電力メーターが前後して、擬似排除状態及び擬似包含状態として判定される場合、又は、前後して、擬似包含状態及び擬似排除状態として判定される場合、該電力メーターを初期状態にリセットするステップS43をさらに含む。
【0010】
さらに、前記配電エリア認識方法は、
完全な配電エリア給電ネットワークを認識するまで、隣接する認識エリアを統合し、上記ステップS1~S5を繰り返して実行するステップS6をさらに含む。
【0011】
さらに、前記配電エリア認識方法は、単なる搬送波ネットワークに基づいて電力データを収集する。
【0012】
さらに、前記配電エリア認識方法は、
複数の配電エリア給電ネットワークを統合することにより、確認済みの配電エリア給電ネットワークの電力メーターから構成される統合後の認識済みのエリアと、未認識の電力メーターから構成される統合後の認識すべきエリアと、を含む完全なエリアを形成するステップS7と、
各々の給電ネットワークの未認識の総電力、及び統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力を計算するステップS8と、
統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力の変化及び各々の給電ネットワークの未認識の総電力の変化に応じて、配電エリアを認識するステップS9と、をさらに含む。
【0013】
さらに、前記ステップS9は、具体的には、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS91と、
統合後の認識すべきエリアにおける複数の電力メーターに同方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、これらの電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS92と、
統合後の認識すべきエリアにおける2つの電力メーターのみに逆方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する方向において対応する変動が発生した場合、対応する方向に従って、2つの電力メーターの帰属を分割するステップS93と、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみの電力が変化し、その変化値がその他の電力メーターの電力変化の絶対値の和より大きく、ある給電ネットワークに、対応する未認識の総電力変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS94と。
【0014】
さらに、前記ステップS1は、
電力が常にゼロの未使用電気メーターを直接認識エリアから除外するステップをさらに含む。
【0015】
本発明は、配電エリアを認識するコンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータにおいて実行されると、
現在状態が含まれていると認識されたエリア及び現在状態が排除されたと認識されたエリアを含む現在状態が認識されたエリアと、現在状態が未認識のエリアと、を含む認識エリアにおける各電力メーターの電力及び合計メーターの電力を収集して統計するステップS1と、
合計メーターの電力と現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力との差である未認識の総電力を計算するステップS2と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化を計算するステップS3と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化に応じて配電エリアを認識するステップS4と、
認識エリアを安定状態が含まれていると認識されたエリア、安定状態が排除されたと認識されたエリア及び安定状態が未認識のエリアに分割するまで、ステップS1~S4を繰り返して実行するステップS5と、を実行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
本発明の配電エリア認識方法は、電力ホッピング認識アルゴリズムを用い、配電エリア給電ネットワークにおける各ノードの電力統計に基づいて、電力ホッピング特徴を認識することにより、対応する電力メーターの帰属関係を判断することを実現し、電力ホッピングに基づいて認識することにより、線路電力損失による影響を最大限に削除し、認識の正確性を向上させることができ、また、未認識の総電力及び認識すべきエリアにおける電力メーターの電力の変化特徴に基づいて認識することにより、認識済みの電力メーターの電力変動による認識に対する干渉を減少させ、認識の正確性を向上させ、反復認識を用い、認識すべきエリアが小さくなり、収束速度が速くなる。本発明の配電エリア認識方法は、電力ホッピングアルゴリズムを用いて配電エリアを認識し、線路電力損失による影響を解消し、認識の正確性を向上させ、反復認識を組み合わせ、認識プロセスが継続的に進行するにつれて、収束速度が速くなる、認識正確性も高くなる。
【0017】
また、本発明の配電エリア認識方法では、搬送波ネットワークの高正確性の時間同期を用い、搬送波モジュールは、それぞれの位置するノードの電力を定期的に読み取ることで、読み取りデータの時間同期を実現する。搬送波モジュールが電力を定期的に読み取り、タイムスタンプ及びメーターのIDを追加し、電力データを生成し、コンセントレーターでまとめた後、電力統計を形成し、後続の認識に適用する。また、搬送波モジュールは、読み取るたびにウィンドウで読み取り、各々の電力メーター間の遅延の同期を保証し、配電エリア認識の正確性をさらに保証する。
【0018】
上記の目的、特徴、および利点に加えて、本発明は、他の目的、特徴、および利点を有する。以下、本発明について、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の一部を構成する図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、本発明の例示的な実施形態およびその説明は、本発明に対する不適切な限定を構成しない。
図1】本発明の好適な実施例の配電エリア認識方法のプロセスの模式図である。
図2】本発明の好適な実施例の配電エリア認識方法のベースとなる配電エリア搬送波ネットワーク及び配電エリア給電ネットワークの構造模式図である。
図3】本発明の好適な実施例の図1におけるステップS4のサブプロセスの模式図である。
図4】本発明の好適な実施例の図1におけるステップS4のサブプロセスの模式図である。
図5】本発明の好適な実施例の図1におけるステップS5で、配電エリアを認識した後の認識エリアの模式図である。
図6】本発明の好適な実施例の図1におけるステップS6で、2つの隣接認識エリアを統合する模式図である。
図7】本発明の好適な実施例の配電エリア認識方法のプロセスの模式図である。
図8】本発明の好適な実施例の図7におけるステップS9のサブプロセスの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は以下のように限定されカバーされた様々な態様で実施されてもよい。
【0021】
図1に示すように、本発明の好適な実施例は、配電エリア認識方法を提供し、配電エリア認識方法は、電力ホッピングアルゴリズムを用いて配電エリアを認識し、線路電力損失による影響を解消し、認識正確性を向上させ、反復認識を組み合わせ、認識プロセスが継続的に進行するにつれて、収束速度が速くなり、認識正確性も高くなる。前記配電エリア認識方法は、
現在状態が含まれていると認識されたエリア及び現在状態が排除されたと認識されたエリアを含む現在状態が認識されたエリアと、現在状態が未認識のエリアと、を含む認識エリアにおける各電力メーターの電力及び合計メーターの電力を収集して統計するステップS1と、
合計メーターの電力と現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力との差である未認識の総電力を計算するステップS2と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化を計算するステップS3と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化に応じて配電エリアを認識するステップS4と、
認識エリアを安定状態が含まれていると認識されたエリア、安定状態が排除されたと認識されたエリア及び安定状態が未認識のエリアに分割するまで、ステップS1~S4を繰り返して実行するステップS5と、を含む。
【0022】
図2に示すように、配電エリア給電ネットワークは、複数の配電エリア給電サブネットワークを含む。図2は、例示的な説明として、配電エリア給電サブネットワークA及び配電エリア給電サブネットワークBのみを示し、配電エリア給電サブネットワークは、ここでは限定されない。配電エリア給電ネットワークは、複数のコンセントレーター(すなわち、合計メーター)と、複数のスマート電力メーターと、を含み、1つのコンセントレーターは、複数のスマート電力メーターに給電線路を介して接続され、1つのコンセントレーター、及びそれに接続される複数のスマート電力メーターは、1つの配電エリア給電サブネットワークを構成する。また、コンセントレーターに搬送波モジュールが設けられ、スマート電力メーターの各々にも、搬送波モジュールが設けられ、1つのコンセントレーターにおける搬送波モジュール、及び該コンセントレーターに接続されるスマート電力メーターにおける搬送波モジュールは、1つの搬送波サブネットワークを構成し、搬送波サブネットワークの各々は、1つの認識エリアであり、搬送波サブネットワークにおける複数の搬送波モジュールの間が仮想の電力ラインの搬送波線路を介して接続される。電力ラインの搬送波線路は、物理的に存在せず、論理線路に過ぎず、給電線路をベースとして特定のアルゴリズムにより生成されるが、実際の適用では様々な干渉が存在し、線路が間違って割り当てられる場合があり、配電エリアの認識エラーを引き起こす。例えば、配電エリア給電サブネットワークAにおけるスマート電力メーターAnが配電エリア給電サブネットワークAに属するべきであり、搬送波ネットワークの線路が間違って割り当てられるため、搬送波ネットワークに基づいて配電エリアを認識するとき、スマート電力メーターAnを配電エリア給電サブネットワークBに間違って割り当ててしまうため、配電エリアの認識エラーを引き起こす。理想的な場合には、配電エリア給電ネットワークと、配電エリア搬送波ネットワークとが一致している一方、現実には、様々な理由で、2つのネットワークに偏差が生じる。本発明の配電エリア認識方法は、配電エリアの初期搬送波ネットワークから正確な配電エリア給電ネットワークを導出するプロセスである。本発明の配電エリア認識方法は、単なる搬送波ネットワークに基づいて電力データを収集する。ブロードバンド搬送波システムでは、ネットワークのサイト(STA)は、いずれも、ゲートウェイ(CCO)のネットワーク基準時間と同期しており、すなわち、コンセントレーターの搬送波モジュール(CCO)と、該コンセントレーターにおいて搬送波ネットワークを介して接続されるすべての電力メーターの搬送波モジュール(STA)とは、ネットワーク基準時間に従って同期を維持する。したがって、搬送波システムネットワーク基準時間を基準とする電力データは、良好な同期性を持ち、電力データの収集の同期と正確さを保証する。搬送波モジュールがリアルタイムな電力を定期的に読み取り、メーターのID及び認識エリアの正確なタイムスタンプを組み合わせ、それにより、基本的な電力データを形成する。
【0023】
また、好ましいものとしては、電力メーターのMCUによる電力の読み取り時点と、電力メーターの計測チップの実際の測定時点との間に、ゼロから数百ミリ秒の遅延があり、各電力メーター間のこの遅延値は、ランダムであり、遅延の同期を維持することができない。本発明の配電エリア認識方法は、搬送波モジュールを用い、読み取るたびにウィンドウで読み取り、例えば、ウィンドウが3秒であり、1秒に1回読み取り、このようにして、1ラウンドで3つの電力データを読むことができ、間隔が1秒である。このラウンドの3つのデータが平滑に変動すると、平均値を用いて特徴マッチングすることができるが、このラウンドの3つのデータにジャンプがある場合、予め定められたポリシーに従って処理し、ポリシーは、今回のデータを放棄することであってもよいし、特徴マッチングを試みることであってもよい。
【0024】
コンセントレーターにおける搬送波モジュールは、搬送波サブネットワークの中央コーディネータであり、スマート電力メーターにおける搬送波モジュールは、搬送波サブネットワークのサイトであることが理解され得る。コンセントレーターは、1つの配電エリア給電サブネットワークにおける統一の電力データ収集機器であり、搬送波ネットワークを介して、ネットワーク内の各電力メーターの電力などの電力データを収集することができ、同時に、コンセントレーターは、配電エリア給電サブネットワーク全体の総電力などの電力データを測定することもできる。
【0025】
前記ステップS1では、コンセントレーターを介して1つの認識エリア(すなわち、配電エリア給電サブネットワーク)における各々の電力メーターの電力データ及び合計メーター(すなわち、コンセントレーター)の電力データを収集し、認識エリアを、現在状態が含まれていると認識されたエリア及び現在状態が排除されたと認識されたエリアを含む現在状態が認識されたエリアと、現在状態が未認識のエリアとに分割することが理解され得る。前記現在状態が含まれていると認識されたエリアは、認識エリアにおける、配電エリア給電サブネットワークに含まれると確認された電力メーターから構成され、現在状態が排除されたと認識されたエリアは、配電エリア給電サブネットワークから排除されたと確認された電力メーターから構成され、現在状態が未認識のエリアは、配電エリア給電サブネットワークにおける、認識されていない電力メーターから構成される。電力が常にゼロの未使用電気メーターを認識せずに、直接認識エリアから除外し、認識効率を向上させることが理解され得る。
【0026】
前記ステップS2では、未認識の総電力が配電エリア給電サブネットワークの総電力と、現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力との差に等しく、現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力は、含まれる電力メーターの電力の和であることが理解され得る。また、未認識の総電力は、現在状態が未認識のエリアに含まれる電力メーターの電力の和ではない。
【0027】
前記ステップS3では、ステップS1で統計された認識エリアにおける各電力メーターの電力及び合計メーターの電力に基づいて、未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化を計算することが理解され得る。
【0028】
図3に示すように、前記ステップS4は、具体的には、
未認識の総電力が平滑に変動し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生した場合、該電力メーターを擬似排除状態として判定するステップS41aと、
該電力メーターが擬似排除状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が排除されたと認識されたエリアに入れるステップS42aと、を含むことが理解され得る。
【0029】
1つの電力メーターの隣接する2つの統計点の電力変化が電力平滑変動閾値未満の場合、該電力メーターの下に、新しい電器のスイッチング(switching)がないと考え、このとき、電力メーターの電力が平滑に変動すると呼称される。電力メーターの電力が平滑に変動すると、該電力メーターにおいて電力変化がないと認める。1つの電力メーターの隣接する2つの統計点の電力変化が電力有効ホッピング閾値より大きい場合、該電力メーターの下に、認識的意味のある電器のスイッチングが発生したと考え、このとき、電力メーターの電力の有効ホッピングと呼称される。電力変動による干渉を防止するために、電力有効ホッピング閾値は、現在状態が未認識のエリアにおけるすべての電力メーターの電力平滑変動閾値の和より著しく大きいはずであり、電力平滑変動閾値及び電力有効ホッピング閾値を動的に調整できる。
【0030】
前記ステップS41aでは、搬送波モジュールの読み取り頻度が高いため、2回の読み取りの間隔時間が短く、未認識の総電力が平滑に変動する場合、配電エリア給電サブネットワーク内におけるすべての未認識の電力メーターの電力が平滑に変動する確率が高いと考え、このとき、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生すると、この電力メーターが本配電エリア給電サブネットワークに属さしない確率が高く、この特徴を擬似排除特徴として定義し、該電力メーターの状態を擬似排除状態として設定することが理解され得る。
【0031】
前記ステップS42aでは、統計過程では、ある電力メーターは、擬似排除特徴の出現回数が1つの閾値よりも大きい場合、例えば3回の場合、該電力メーターが本配電エリア給電サブネットワークに属さないことを確認し、この閾値を排除確認閾値として定義し、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が排除されたと認識されたエリアに入れる。擬似排除特徴の出現回数を加算し、加算回数が指定された閾値より大きくなると、排除を確認し、これにより、計算結果に対するフォールトトレランス能力を向上させる。
【0032】
図4に示すように、前記ステップS4は、
未認識の総電力に有効ホッピングが発生し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、且つこの2つの有効ホッピングがほぼ等しい場合、該電力メーターを擬似包含状態として判定するステップS41bと、
該電力メーターが擬似包含状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が含まれていると認識されたエリアに入れるステップS42bと、をさらに含むことが理解され得る。
【0033】
前記ステップS41bでは、未認識の総電力に有効ホッピングが発生し、このとき、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、且つこの2つの有効ホッピングがほぼ等しい場合、この電力メーターが本配電エリア給電サブネットワークに属する確率が高く、この特徴を擬似包含特徴として定義し、該電力メーターの状態を擬似包含状態として設定することが理解され得る。
【0034】
前記ステップS42bでは、統計過程では、ある電力メーターは、擬似包含特徴の出現回数が1つの閾値よりも大きい場合、例えば3回の場合、該電力メーターが本配電エリア給電サブネットワークに属することを確認し、この閾値を確認包含閾値として定義し、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が含まれていると認識されたエリアに入れる。擬似包含特徴の出現回数を加算し、加算回数が指定閾値より大きくなると、含むと確認し、それにより、計算結果に対するフォールトトレランス能力を向上させる。
【0035】
前記ステップS4は、
同じ電力メーターが前後して、擬似排除状態及び擬似包含状態として判定される場合、又は、前後して、擬似包含状態及び擬似排除状態として判定される場合、該電力メーターを初期状態にリセットし、誤判定が発生することを防止し、配電エリア認識の正確性を保証するステップS43をさらに含むことが理解され得る。
【0036】
図5に示すように、前記ステップS5では、上記の擬似排除特徴及び擬似包含特徴を含む電力ホッピング特徴を認識することにより、含まれると認識されたエリア及び排除されたと認識されたエリアをそれぞれ独立に計算し、反復を繰り返すことにより、安定状態が含まれていると認識されたエリア、安定状態が排除されたと認識されたエリア及び安定状態が未認識のエリアを形成する。
【0037】
図1及び図6に示すように、前記配電エリア認識方法は、
完全な配電エリア給電ネットワークを認識するまで、隣接する認識エリアを統合し、上記ステップS1~S5を繰り返し実行するステップS6をさらに含む。各ネットワークを統合した後、コンセントレーターのそれぞれに対して、含まれると認識されたエリア、排除されたと認識されたエリア及び認識すべきエリアを再形成し、新たに形成された認識すべきエリアを認識し、完全な配電エリア給電ネットワークを導出するまで、隣接する搬送波サブネットワークを繰り返して統合する。
【0038】
図7に示すように、好ましいとして、前記配電エリア認識方法は、
複数の配電エリアの搬送波ネットワークを統合することにより、確認済みの配電エリア給電ネットワークの電力メーターから構成される統合後の認識済みのエリアと、未認識の電力メーターから構成される統合後の認識すべきエリアと、を含む完全なエリアを形成する、ステップS7と、
該給電ネットワークの総電力と、統合後の認識済みのエリアにおける該給電ネットワークに属する電力メーターの電力の和との差値に等しい各々の給電ネットワークの未認識の総電力、及び統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力を計算するステップS8と、
統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力の変化及び各々の給電ネットワークの未認識の総電力の変化に応じて、配電エリアを認識するステップS9と、をさらに含む。
【0039】
前記ステップS7では、2つ又は複数の配電エリアの搬送波ネットワークが統合された後の結果が、対応する配電エリアの給電ネットワークが統合された後の結果と一致し、すなわち、統合された複数の配電エリアのすべての電力メーターが認識エリアに位置し、同時に、統合された複数の配電エリアの外の電力メーターが全て認識エリアに位置しない場合、この複数の搬送波ネットワークが完全なエリアを構成すると呼ばれる。完全なエリアに対して、メインサイトを用いて統合後のネットワークを一括して認識することが理解され得る。また、各給電ネットワークの総電力の和と、統合後の認識済みのエリア及び統合後の認識すべきエリアを含む統合後の認識エリアにおける電力メーターの電力の和とに大きい偏差が生じると、統計結果にエラーが生じ、今回のデータを放棄することを意味する。
【0040】
前記ステップS7、S8、S9は、単独で実行しても良いし、ステップS6の後に実行しても良いことが理解され得る。
【0041】
図8に示すように、前記ステップS9は、具体的には、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS91と、
統合後の認識すべきエリアにおける複数の電力メーターに同方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、これらの電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS92と、
統合後の認識すべきエリアにおける2つの電力メーターのみに逆方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する方向において対応する変動が発生した場合、対応する方向に従って、2つの電力メーターの帰属を分割するステップS93と、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみの電力が変化し、その変化値が他の電力メーターの電力変化の絶対値の和より明らかに大きく、ある給電ネットワークに、対応する未認識の総電力変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS94と、を含むことが理解され得る。
【0042】
本発明の配電エリア認識方法は、電力ホッピング認識アルゴリズムを用い、配電エリア給電ネットワークにおける各ノードの電力統計に基づいて、電力ホッピング特徴を認識することにより、対応する電力メーターの帰属関係を判断することを実現し、電力ホッピングに基づいて認識することにより、線路電力損失による影響を最大限に削除し、認識の正確性を向上させることができ、また、未認識の総電力及び認識すべきエリアにおける電力メーターの電力の変化特徴に基づいて認識し、認識済みの電力メーターの電力変動による認識に対する干渉を減少させ、認識の正確性を向上させ、反復認識を用い、認識すべきエリアが小さくなり、収束速度が速くなる。本発明の配電エリア認識方法は、電力ホッピングアルゴリズムを用いて配電エリアを認識し、線路電力損失による影響を解消し、認識の正確性を向上させ、反復認識を組み合わせ、認識プロセスが継続的に進行するにつれて、収束速度が速くなる、認識正確性も高くなる。
【0043】
また、本発明の配電エリア認識方法では、搬送波ネットワークの高正確性の時間同期を用い、搬送波モジュールは、それぞれの位置するノードの電力を定期的に読み取ることで、読み取りデータの時間同期を実現する。搬送波モジュールが電力を定期的に読み取り、タイムスタンプ及びメーターのIDを追加し、電力データを生成し、コンセントレーターでまとめた後、電力統計を形成し、後続の認識に適用する。また、搬送波モジュールは、読み取るたびにウィンドウで読み取り、各々の電力メーター間の遅延の同期を保証し、配電エリア認識の正確性をさらに保証する。
【0044】
本発明の他の実施例は、配電エリアを認識するコンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータプログラムは、コンピュータにおいて実行されると、
現在状態が含まれていると認識されたエリア及び現在状態が排除されたと認識されたエリアを含む現在状態が認識されたエリアと、現在状態が未認識のエリアと、を含む認識エリアにおける各電力メーターの電力及び合計メーターの電力を収集して統計するステップS1と、
合計メーターの電力と現在状態が含まれていると認識されたエリアの総電力との差である未認識の総電力を計算するステップS2と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化を計算するステップS3と、
未認識の総電力の変化及び現在状態が未認識のエリアにおける各電力メーターの電力変化に応じて配電エリアを認識するステップS4と、
認識エリアを安定状態が含まれていると認識されたエリア、安定状態が排除されたと認識されたエリア及び安定状態が未認識のエリアに分割するまで、ステップS1~S4を繰り返して実行するステップS5と、を実行する。
【0045】
好ましいものとして、前記ステップS4は、
未認識の総電力が平滑に変動し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生した場合、該電力メーターを擬似排除状態として判定するステップS41aと、
該電力メーターが擬似排除状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が排除されたと認識されたエリアに入れるステップS42aと、を含むことが理解され得る。
【0046】
前記ステップS4は、
未認識の総電力に有効ホッピングが発生し、現在状態が未認識のエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、且つこの2つの有効ホッピングがほぼ等しい場合、該電力メーターを擬似包含状態として判定するステップS41bと、
該電力メーターが擬似包含状態として判定された回数が閾値を超える場合、該電力メーターを現在状態が未認識のエリアから移し出し、現在状態が含まれていると認識されたエリアに入れるステップS42bと、をさらに含むことが理解され得る。
【0047】
前記ステップS4は、
同じ電力メーターが前後して、擬似排除状態及び擬似包含状態として判定される場合、又は、前後して、擬似包含状態及び擬似排除状態として判定される場合、該電力メーターを初期状態にリセットするステップS43をさらに含むことが理解され得る、誤判定の状況を防止し、配電エリア認識の正確性を保証する。
【0048】
前記コンピュータプログラムは、コンピュータにおいて実行されると、
完全な配電エリア給電ネットワークを認識するまで、隣接する認識エリアを統合し、上記ステップS1~S5を繰り返して実行するステップS6をさらに実行することが理解され得る。
【0049】
前記コンピュータプログラムは、コンピュータにおいて実行されると、
複数の配電エリア給電ネットワークを統合することにより、確認済みの配電エリア給電ネットワークの電力メーターから構成される統合後の認識済みのエリアと、未認識の電力メーターから構成される統合後の認識すべきエリアと、を含む完全なエリアを形成するステップS7と、
該給電ネットワークの総電力と、統合後の認識済みのエリアにおける該給電ネットワークに属する電力メーターの電力の和との差値に等しい各々の給電ネットワークの未認識の総電力、及び統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力を計算するステップS8と、
統合後の認識すべきエリアにおける各電力メーターの電力の変化及び各々の給電ネットワークの未認識の総電力の変化に応じて、配電エリアを認識するステップS9と、をさらに実行することが理解され得る。
【0050】
前記ステップS9は、具体的には、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみに電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS91と、
統合後の認識すべきエリアにおける複数の電力メーターに同方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する変動が発生した場合、これらの電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS92と、
統合後の認識すべきエリアにおける2つの電力メーターのみに逆方向の電力メーターの電力の有効ホッピングが発生し、ある給電ネットワークの未認識の総電力に、対応する方向において対応する変動が発生した場合、対応する方向に従って、2つの電力メーターの帰属を分割するステップS93と、
統合後の認識すべきエリアにおける1つの電力メーターのみの電力が変化し、その変化値が他の電力メーターの電力変化の絶対値の和より明らかに大きく、ある給電ネットワークに、対応する未認識の総電力変動が発生した場合、該電力メーターを該給電ネットワークに分割するステップS94と、を含むことが理解され得る。
【0051】
一般的なコンピュータ読み取り可能な媒体の形態は、フロッピーディスク(floppy disk)、フレキシブルディスク(flexible disk)、ハードディスク、テープ、任意のその他の磁気メディア、CD-ROM、任意のその他の光学媒体、パンチカード(punch cards)、紙テープ(paper tape)、任意のその他の穴付きパターンの物理媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュ(登録商標)消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(FLASH-EPROM)、任意のその他のメモリチップ又はカードボックス、又は任意のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。命令は、さらに、送信媒体によって送信または受信されてもよい。伝送媒体という用語は、任意の有形または無形の媒体を含むことができ、機械に実行させるための命令を格納、符号化、または搬送するために使用され、デジタルまたはアナログ通信信号、または上記命令との通信を容易にする無形媒体を含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線および光ファイバを含み、コンピュータデータ信号を伝送するためのバスの導線を含む。
【0052】
上記は本発明の好適な実施形態にすぎず、本発明を限定するものではなく、当業者にとっては、本発明は様々な変更および変更が可能である。本発明の精神及び原則の内に、作成されたいかなる修正、均等置換や改善などは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】