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特表2022-531105冷間形成された3D製品および真空チャックを用いた処理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】冷間形成された3D製品および真空チャックを用いた処理
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20220629BHJP
   C03B 23/023 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
C03B23/023
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562122
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020029058
(87)【国際公開番号】W WO2020223056
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】62/840,237
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ノウルズ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイガー,クリストファー マーク
(72)【発明者】
【氏名】ティモンズ,クリストファー リー
(72)【発明者】
【氏名】ワイケル,アーリン リー
【テーマコード(参考)】
3D344
4G015
【Fターム(参考)】
3D344AA14
3D344AA19
3D344AB01
3D344AC13
3D344AD01
4G015AA03
4G015AB03
(57)【要約】
本開示は、真空形成方法、装置、および、結果的に得られる様々な主要領域で改善を示す表示部に関する。方法は、例えば、硬化時間の短縮を通して、製造スループットを大きく改良する。方法は、更に、ガラス形状が目標とする形状になるように、よく制御すること、および、接合線幅をよく制御することを容易にし、その結果、耐久性および長期信頼性を高める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示モジュールを乗物内部システムに収容する装置において、
湾曲した中心部分、該中心部分の第1の側に接続して、前記複数の表示モジュールの1つを中に受け付けるように構成された第1の開口部を画成する第1の端部分、および、該中心部分の反対の側である第2の側に接続して、該複数の表示モジュールの第2の表示モジュールを中に受け付けるように構成された第2の開口部を画成する第2の端部分を有する枠部と、
前記枠部上に配置されたガラス基板であって、該枠部の前記湾曲した中心部分と接する湾曲した中心部分、該枠部の前記第1の端部分と接して前記第1の開口部を覆う第1の端部分、および、該枠部の前記第2の端部分と接して前記第2の開口部を覆う第2の端部分を有するガラス基板と、
前記ガラス基板を前記枠部に取り付ける接合媒体物であって、該ガラス基板と該枠部の間に、+/-200μm、または、望ましい厚さの10%の小さい方の範囲で変動する厚さを有する接合媒体物と
を含む装置。
【請求項2】
前記ガラス基板の前記第1の端部分、前記枠部の前記第1の端部分、該ガラス基板の前記第2の端部分、および、該枠部の前記第2の端部分の1つ以上は、各々、略平坦で、湾曲が、+/-0.250ディオプター(+/-0.250m-1)、+/-0.150ディオプター(+/-0.150m-1)、および、+/-0.100ディオプター(+/-0.100m-1)の1つの範囲で変動する少なくとも1つの表面を有するものである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガラス基板の前記湾曲した中心部分は、前記枠部の前記湾曲した中心部分の曲率半径の100μm以内の曲率半径を有するものである、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記枠部の前記湾曲した中心部分、および、前記ガラス基板の前記湾曲した中心部分の少なくとも一方は、各々、20mmから2000mm未満の曲率半径を有するものである、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記枠部は、前記第1の開口部を画成する第1の内面、および、第2の開口部を画成する第2の内面を有し、該第1の内面は、前記複数の表示モジュールの第1の表示モジュールを該第1の開口部内に配置するために、機械的な位置合わせを行うものであり、該第2の内面は、該複数の表示モジュールの前記第2の表示モジュールを該第2の開口部内に配置するために、機械的な位置合わせを行うものである、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
複数の表示モジュールを乗物内部に収容する装置において、
湾曲した中心部分を有し、前記複数の表示モジュールの少なくとも1つを収容するように構成された枠部と、
前記枠部に取り付けられ、その上に配置されたガラス基板であって、該枠部の前記湾曲した中心部分と接する湾曲した中心部分を含むガラス基板と
を含み、
前記ガラス基板の前記湾曲した中心部分は、前記枠部の前記湾曲した中心部分の曲率半径の100μm以内の曲率半径を有するものである装置。
【請求項7】
前記枠部は、更に、
前記中心部分の第1の側に接続され、前記複数の表示モジュールの1つを中に受け付けるように構成された第1の開口部を画成する第1の端部分と、
前記中心部分の反対の側である第2の側に接続され、前記複数の表示モジュールの他の1つを中に受け付けるように構成された第2の開口部を画成する第2の端部分と
を含むものである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ガラス基板は、更に、
前記枠部の前記第1の端部分と接して前記第1の開口部を覆う第1の端部分と、
前記枠部の前記第2の端部分と接して前記第2の開口部を覆う第2の端部分と
を含むものである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ガラス基板の前記第1の端部分、前記枠部の前記第1の端部分、該ガラス基板の前記第2の端部分、および、該枠部の前記第2の端部分の1つ以上は、各々、略平坦で、湾曲が+/-0.250ディオプター(+/-0.250m-1)の範囲で変動する少なくとも1つの表面を有するものである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
1つ以上の表示モジュールを乗物内部システムに実装するための表示部の形成方法において、
ガラス基板を、複数の形成要素を有する形成装置上に配置する工程であって、該複数の形成要素は、各々、該ガラス基板と接するように構成された主面を有するものであり、該複数の形成要素の少なくとも1つの該主面は曲率半径を有するものである工程と、
前記形成装置を用いて、気圧差を与えて、前記ガラス基板を変形させて、その主面に沿った形状を、該形成装置の各主面の形状に対応するようにする工程であって、該ガラス基板の該主面の一部は、前記複数の形成要素の少なくとも1つの前記主面の前記曲率半径と対応する曲率半径を有するように変形するものである工程と、
構造接着剤を、枠部および前記ガラス基板の少なくとも一方に塗布する工程と、
前記枠部を、前記ガラス基板上に、それらの間に配置された前記構造接着剤が配置された状態で配置する工程と、
望ましい力を前記枠部に加えて、前記接着剤を望ましい厚さに圧縮する工程と、
前記ガラス基板を前記形成装置の前記複数の形成装置の少なくとも1つに留められた状態で維持しながら、該ガラス基板を該複数の形成要素の1つ以上から外す工程と、
前記ガラス基板は、前記形成装置の前記複数の形成要素の少なくとも1つに留められ、該複数の形成要素の1つ以上から外された状態で、前記望ましい力を加えるのを維持して、前記接着剤を前記望ましい厚さに、望ましい時間、圧縮する工程と
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2019年4月29日出願の米国仮特許出願第62/840,237号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、冷間形成された3D製品および真空チャックを用いた処理に関する。
【背景技術】
【0003】
乗物の内部は、表示部、および/または、タッチパネルを組み込む曲面を含みうる。そのような曲面を形成するのに用いられる材料は、典型的には、ガラスの耐久性および光学性能を示さないポリマーに限られる。したがって、特に、表示部、および/または、タッチパネルのカバーとして用いられる場合には、湾曲したガラス基板が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
湾曲したガラス基板を形成する熱成形などの既存の方法は、高いコスト、光学ディストーション、および/または、曲げ中や形成中に生じる表面の跡を含む欠点を有する。したがって、費用効果の高い方法で、かつ、ガラスの熱成形処理に典型的に付き物である問題を生じることなく、湾曲したガラス基板を組み込むことができる乗物内部システムが必要である。しかしながら、現在の冷間形成方法は、接着層が、いくつかの例において剪断および引張応力の両方に曝されること、および/または、速い製造スループットを容易に実現できないことを含む様々な欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、特に、乗物内部表面用の湾曲したガラス基板など、冷間形成された3D製品を提供する。更に、そのような湾曲したガラス基板の形成方法および装置は、ガラス形状を目標とする形状に制御するのを改良し、接合線幅の制御を改良し、処理時間を大きく短縮し、更に、多数の設計に柔軟であり、接合線幅は、積層表示部を含む全種類の表示部に適合する。
【0006】
図面は、概して、本明細書に記載の様々な実施形態を例示するものであり、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】1つ以上の実施形態による乗物内部システムを有する乗物内部を示す斜視図である。
図2A】湾曲したガラス基板および枠部を含む表示部を示す上面図である。
図2B図2Aの表示部の湾曲部分の断面図である。
図2C図2Bの断面図の部分拡大図であり、接合媒体物およびスペーサを更に示している。
図3図2Aおよび2Bの表示部の湾曲した中心領域におけるガラス形状の断面厚さを、目標とする湾曲と比較したグラフである。
図4図2Aの表示部の端領域の1つの断面図である。
図5】枠部およびガラス基板を含む表示部の図4の端部における相対平坦度を示す。
図6A】例示的な一実施形態による真空形成装置を示す。
図6B】例示的な一実施形態による真空形成装置を示す。
図7】真空装置の他の部分から外された中心形成ブロックを示しており、硬化処理の間、表示部に留められる。
図8】機械的なハードストップを生成して接着接合厚さを設定する枠部張出部と接合線特徴物との相互作用を示しており、止めネジ、または、他の機構を、特定の目標とする接合線を満たすように調節して、更に、変動を削減するように調節しうる。
図9】表示部の部分における接合線の均一性を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書および図面で、参照符号を繰り返して用いた場合、図毎に100の位の値を増加させていても、本開示の同じ、または、類似の特徴物または要素を表すことを意図する。当業者であれば、多くの他の変更および例を考えうるものであり、それらも、本開示の原理の範囲および精神に含まれると理解すべきである。
【0009】
ここで、開示した主題のある実施形態を詳細に記載し、例を、部分的には、添付の図面に示している。開示した主題を、列挙した請求項に関連させて記載するが、例示した主題は、請求項を開示した主題に限定することを意図しないことが分かるだろう。
【0010】
冷間形成(例えば、曲げ)は、比較的低い温度(例えば、<140°C)で面外負荷を与えたガラスの弾性変形に基づいて、望ましい形状の湾曲したガラス基板を生成するエネルギー効率の高い方法である。平坦で高い強度のガラス基板は、冷間形成処理の間に3次元(3D)に変形されて、接着中間層によって、例えば、表示機能モジュールが実装される対象とする予め形成された3D枠部に機械的に固定される。
【0011】
本開示は、真空形成方法、装置、更に、その結果得られる様々な主要領域で改良を示す表示部を提供する。その方法は、例えば、硬化時間の短縮により、製造スループットを大きく改良する。方法は、更に、ガラス形状を目標とする形状にする制御の改良、および、接合線幅の制御の改良を容易にし、その結果、例えば、耐久性、および、長期信頼性を改良する。
【0012】
乗物内部システムは、湾曲した表示面など、透明に設計された様々な異なる曲面を含みうるものであり、本開示は、物品、および、ガラス基板を含む、これらの曲面の形成方法を提供する。乗物内部システム用の表示部は、概して、表示部がオンの時に表示要素を容易に見ることを可能にするが、表示部の色またはパターンを隣接した自動車内の構成要素から引き立たせうる枠部を備える。
【0013】
本明細書で用いるように、「冷間形成された」、「冷間湾曲された」、または、「冷間湾曲」という用語は、ガラス基板を、ガラスの軟化点未満の冷間温度で湾曲させることを称する。「冷間湾曲自在」という用語は、ガラス基板が冷間湾曲可能であることを称する。
【0014】
図1は、例示的な実施形態による3つの異なる乗物内部システム100、200、300を含む乗物内部10を示している。乗物内部システム100は、湾曲した表示部130として示した表示部を含む曲面120を有するセンターコンソール基部110を含む。乗物内部システム200は、湾曲した表示部230として示した表示部を含む曲面220を有するダッシュボード基部210を含む。ダッシュボード基部210は、典型的には、計器パネル215を含み、それも、湾曲した表示部を含みうる。乗物内部システム300は、曲面320、および、湾曲した表示部330として示した表示部を有するダッシュボードハンドル基部310を含む。1つ以上の実施形態において、乗物内部システムは、アームレスト、ピラー、背もたれ、フロアーボード、ヘッドレスト、ドアパネル、または、曲面を含む乗物内部の任意の部分である基部を含みうる。
【0015】
本明細書に記載の物品および技術を、乗物内部システム100、200、300のいずれか、または、全てで用いうる。図1は、自動車の車内を示しているが、乗物内部システムの様々な実施形態を、電車、自動車(例えば、車、トラック、バスなど)、船舶(ボート、船、潜水艦など)、および、航空機(例えば、ドローン、飛行機、ジェット機、ヘリコプターなど)などの任意の種類の乗物に組み込みうるもので、それは、人間が運転した乗物、準自動運転の乗物、および、完全自動運転の乗物を含む。
【0016】
図2Aは、一実施形態による乗物内部システム用の表示部400を示している。図6A~8を参照して、表示部400の形成方法および装置を更に記載する。図6A~8の技術および装置は、表示部400に限られたものではなく、図1に示すものを含む任意の表示部に関することが分かるだろう。図2Aおよび図2Bの両方に示すように、表示部400は、ガラス基板402、および、枠部404を含む。図2Aのみに示すように、枠部404は、更に表示要素またはモジュール(不図示)を収容するように構成された第1の開口部406Aおよび第2の開口部406Bを含む。枠部404は、(図2Bの断面図にも示した)湾曲した中心部分408、第1の端部分410A、および、第2の端部分410Bを含む。同様に、ガラス基板402は、(図2Bの断面図にも示した)湾曲した中心部分412、第1の端部分414A、および、第2の端部分414Bを含みうる。
【0017】
図2Aに示すように、第1の端部分410Aは、中心部分408の第1の側に接続されて、表示モジュールの1つを中に受け付けるように構成された第1の開口部406Aを画成しうる。同様に、第2の端部分410Bは、中心部分408の反対の側である第2の側に接続されて、複数の表示モジュールの第2の表示モジュールを中に受け付けるように構成された第2の開口部406Bを画成しうる。
【0018】
ガラス基板402は、本明細書に記載の冷間形成されたガラス基板で用いるのに適したガラス組成物を含みうるもので、ソーダライムガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ボロアルミノケイ酸ガラス、含アルカリアルミノケイ酸ガラス、含アルカリホウケイ酸ガラス、および、含アルカリボロアルミノケイ酸ガラスを含みうる。
【0019】
ガラス基板402を、従来から知られた任意の適した方法を用いて強化しうるものであり、それは、表面から圧縮深さ(DOC)まで延伸する圧縮応力(CS)をガラス基板に生じさせること、物品の部分間での熱膨張率の不一致を用いて、圧縮応力領域、および、引張応力を示す中心領域を生成すること、熱的にガラスをガラス転移温度より高い温度まで加熱し、次に急冷すること、および、化学的に、例えば、ガラス基板の表面、または、その近くのイオンを、同じ原子価または酸化状態で、より大きいイオンと置換または交換するイオン交換による方法を含みうる。
【0020】
本明細書で用いるように、「ガラス基板」という用語を広義で用いて、それは、全体的または部分的にガラスで製作された任意のものを含む。ガラス基板は、ガラスおよび非ガラス材料の積層物、ガラスおよび結晶材料の積層物、並びに、(非晶質相および結晶相を含む)ガラスセラミックを含む。ガラス基板は、透明、または、不透明でありうる。冷間形成されたガラス基板は、特定の色を提供する着色剤を含みうる。
【0021】
ガラス基板402は、枠部404上に配置されて、枠部404の湾曲した中心部分408と接し、概して、その形状に一致する湾曲した中心部分412を含みうる。ガラス基板402の第1の端部分414Aは、枠部404の第1の端部分410Aと接して、概して、その形状に一致しうる。ガラス基板402の第2の端部分414Bは、枠部404の第2の端部分410Bと接して、概して、その形状に一致しうる。端部分414A、414Bにおけるガラス基板402は、第1および第2の開口部406A、406Bを覆いうる。図2Bは、ガラス基板402と枠部404の接触面を示している。この接触は、ガラス基板402の第1の主面416、および、枠部404の第1の主面418に沿って生じる。
【0022】
枠部404は、第1の開口部406Aを画成する第1の内面、および、第2の開口部406Bを画成する第2の内面を有する。第1の内面は、複数の表示モジュールの第1の表示モジュールを第1の開口部406A内に配置するための機械的な位置合わせを提供し、第2の内面は、複数の表示モジュールの第2の表示モジュールを第2の開口部406B内に配置するための機械的な位置合わせを提供する。
【0023】
更に、図2Cは、図2Bの断面図の拡大図であり、ガラス基板402を枠部404に第1の主面416、418において取り付ける接合媒体物420を示している。この接合媒体物420は、一実施形態による構造接着剤を含みうる。構造接着剤は、ポリウレタン(例えば、3M(登録商標)、Saint Paul、MNから入手可能なDP604NS、並びに、Dupont(登録商標)、Wilmington、DEから入手可能なBetamate 73100/002、73100/005、73100/010、Betaseal X2500、および、Betalink K2)、ポリシロキサンおよびシラン変性ポリマー(例えば、Loctite(登録商標)から入手可能で、TEROSTAT MS9399、および、TEROSON MS647としても知られたTEROSON RB IX)、並びに、エポキシ(例えば、「3M」、Saint Paul、MNから入手可能なScotch-Weld(商標)エポキシ接着剤 DP125、DP604)を含みうる。
【0024】
更なる接着剤は、限定するものではないが、以下のカテゴリーの1つ以上から選択した接着剤を含む:(a)強化エポキシ(例えば、Masterbond EP21TDCHT-LO、3M Scotch Weld エポキシ DP460 Off-white);(b)可撓性エポキシ(例えば、Masterbond EP21TDC-2LO、3M Scotch Weld エポキシ 2216);(c)アクリル、および/または、強化アクリル(例えば、LORD接着剤 403、406、または、410、アクリル接着剤と、LORD促進剤 19または19GBと、LORD AP134 下塗剤、LORD接着剤 850または852/LORD促進剤25GB、Loctite HF8000、Loctite AA4800);(d)ウレタン(例えば、3M Scotch Weld ウレタン DP640 Brown、SikaForce 7570 L03、SikaForce 7550 L15、Sikaflex 552、および、ポリウレタン(PUR)Hot Melt 接着剤、例えば、Technomelt PUR 9622-02 UVNA、Loctite HHD 3542、Loctite HHD 3580、3M Hotmelt 接着剤 3764、3748);並びに、(e)シリコーン(Dow Corning 995、Dow Corning 3-0500、シリコーン Assembly 接着剤、Dow Corning 7091、SikaSil-GP)。いくつかの場合において、シートまたはフィルムとして入手可能な構造接着剤(例えば、限定するものではないが、3M構造接着フィルムAF126-2、AF163-2M、SBT9263、9214、Masterbond FLM36-LO)を用いうる。更に、3M VHBテープなどの感圧接着剤を用いうる。そのような実施形態において、感圧接着剤を用いることで、特に、硬化工程を必要とせずに、湾曲したガラス基板を枠部に接合しうる。
【0025】
図2Cに示すように、接合媒体物は、構造接着剤または他の接合媒体物420とは異なる材料、および/または、異なる厚さTの剛性、半剛性、または、柔軟性のスペーサ422を含みうる。他の実施形態において、スペーサ422は、構造接着剤または他の接合媒体物420と同じ材料であるが、図示したように、異なる厚さTを有しうる。スペーサ422を臨界応力領域で用いて、例えば、構造接着剤が完全に硬化する前のガラスの圧縮を防ぎうる。スペーサ422は、例えば、構造接着剤と別体の特徴物でありうる。スペーサ422は、VHBテープ、気泡テープ、予め硬化された接着ドット、剛性ポリマー、柔軟性ポリマー、若しくは、完全に、または、部分的に硬化された(接合媒体物420の他の部分より前に、完全に、または、部分的に硬化された)構造接着剤の任意の1つ、または、組合せでありうる。スペーサ422を、ガラス、および/または、枠部に与えうる。スペーサ422を用いる表示部の領域において、枠部404は、例えば、溝、隆起部などの機械的な特徴物424を有して、スペーサ422の位置合わせ、または、性能を改良しうる。スペーサ422は、犠牲的、または、永久的なものでありうる。犠牲的スペーサ422は、後で、構造接着剤と置き換えうる。
【0026】
図2Cの(更に、図3、および/または、9のグラフに示すような)実施形態によれば、接合媒体物420は、ガラスと枠部の間に、+/-200μm、または、望ましい厚さの10%の小さい方の範囲で変動する厚さを有しうる。これは、表示部400の形成方法および装置による直接の結果であり、次に、図6A~8を参照して、理由を記載する。接合媒体物420の例示的な厚さは、3mm、2mm、1mm、0.5mm、0.25mm、0.01mm、または、それ未満で、様々な態様で適用されうる。一実施形態において、接着剤を、塗布ガン、および、混合ノズル、若しくは、予め混合されたシリンジ、若しくは、ロボット型接着剤ディスペンサを用いて塗布し、更に、例えば、ローラ、ブラシ、ドクターブレード、または、ドローダウンバーの任意のものを用いて、均一に広げる。
【0027】
接合媒体物420は、任意の適した長さ、および/または、幅も有しうる。例えば、幅、および/または、長さの一方は、約25mm以下でありうる。長さ、および/または、幅は、約1mmから約15mm、約5mmから約20mm、約10mmから約15mm、約1mmから約10mm、約5mmから約10mm、約5mmから約15mm、約10mmから約20mm、または、約1mmから約5mmの範囲でありうる。
【0028】
接合媒体物420は、ガラス基板402と接触する接合媒体物420の表面から枠部404まで測定した任意の適した厚さを有しうる。接合媒体物420の厚さを、特に、枠部404と冷間形成されたガラス基板402との間の積層を確実にするように調整しうる。例えば、接合媒体物420は、約5mm以下の厚さを有しうる。接合媒体物420は、約200μmから約500μm、約225μmから約500μm、約250μmから約500μm、約275μmから約500μm、約300μmから約500μm、約325μmから約500μm、約350μmから約500μm、約375μmから約500μm、約400μmから約500μm、約200μmから約475μm、約200μmから約450μm、約200μmから約425μm、約200μmから約400μm、約200μmから約375μm、約200μmから約350μm、約200μmから約325μm、約200μmから約300μm、または、約225μmから約275μmの範囲の厚さを有しうる。
【0029】
ガラス基板402の厚さを、ガラス基板がより柔軟になるように調整して、望ましい曲率半径を実現しうる。更に、ガラス基板402は薄いほど、より容易に変形しうるもので、それにより、(湾曲した場合に)表示部400の形状により生じうる形状の不一致および間隙を相殺する可能性を有しうる。ガラス基板402、および、少なくとも枠部404の一部は、略同様の曲率半径を有して、接合媒体物420、および/または、スペーサ422で充填されうる第1の主面416と第1の主面418の間の距離を略均一にしうる。
【0030】
ここで、図2Bに戻り、枠部404の湾曲した中心部分408の曲率半径、および/または、ガラス基板402の湾曲した中心部分412の曲率半径は、例えば、約20mm以上、40mm以上、50mm以上、60mm以上、100mm以上、250mm以上、または、500mm以上でありうる。例えば、第1の曲率半径は、約20mmから約2000mm、約30mmから約2000mm、約40mmから約1500mm、約50mmから約1500mm、60mmから約1500mm、約70mmから約2000mm、約80mmから約1500mm、約90mmから約2000mm、約100mmから約2000mm、約120mmから約2000mm、約140mmから約2000mm、約150mmから約2000mm、約160mmから約2000mm、約180mmから約2000mm、約200mmから約2000mm、約220mmから約2000mm、約240mmから約2000mm、約250mmから約2000mm、約260mmから約2000mm、約270mmから約2000mm、約280mmから約2000mm、約290mmから約2000mm、約300mmから約2000mm、約350mmから約2000mm、約400mmから約2000mm、約450mmから約2000mm、約500mmから約2000mm、約550mmから約2000mm、約600mmから約2000mm、約650mmから約2000mm、約700mmから約2000mm、約750mmから約2000mm、約800mmから約2000mm、約900mmから約2000mm、約950mmから約2000mm、約1000mmから約2000mm、約1250mmから約2000mm、約20mmから約1400mm、約20mmから約1300mm、約20mmから約1200mm、約20mmから約1100mm、約20mmから約1000mm、約20mmから約950mm、約20mmから約900mm、約20mmから約850mm、約20mmから約800mm、約20mmから約750mm、約20mmから約700mm、約20mmから約650mm、約20mmから約200mm、約20mmから約550mm、約20mmから約500mm、約20mmから約450mm、約20mmから約400mm、約20mmから約350mm、約20mmから約300mm、約20mmから約250mm、約20mmから約200mm、約20mmから約150mm、約20mmから約100mm、約20mmから約50mm、約60mmから約1400mm、約60mmから約1300mm、約60mmから約1200mm、約60mmから約1100mm、約60mmから約1000mm、約60mmから約950mm、約60mmから約900mm、約60mmから約850mm、約60mmから約800mm、約60mmから約750mm、約60mmから約700mm、約60mmから約650mm、約60mmから約600mm、約60mmから約550mm、約60mmから約500mm、約60mmから約450mm、約60mmから約400mm、約60mmから約350mm、約60mmから約300mm、または、約60mmから約250mmの範囲でありうる。1つ以上の実施形態において、約0.4mm未満の厚さを有するガラス基板は、約100mm未満、または、約60mm未満の曲率半径を示しうる。一実施形態によれば、枠部の湾曲した中心部分、および、ガラス基板の湾曲した中心部分は、各々、20mmから500mm未満の曲率半径を有しうる。
【0031】
図3に示すように、ガラス基板402の湾曲した中心部分412の曲率半径は、枠部404の湾曲した中心部分408の曲率半径の100μm以内でありうる。これは、表示部400の形成方法および装置による直接の結果であり、次に、図6A~8を参照して、理由を記載する。要するに、ガラスで形成された部分についての主要パラメータの2つは、ガラス形状、および、接合厚さである。ガラスおよび枠部の厚さは比較的変わらないので、全体的な部分の厚さは、代わりに接合線幅を反映することが多い。図3は、表示部400の湾曲した領域の断面を示している。実線(カラー画像では青色)は断面であり、線幅は、接合媒体物420の変動を示している。破線(カラー画像では赤色)は、目標形状である。図6A~8の真空チャック上で製作された部分は、目標形状に、100μm以内の近さで一致する。これは、部分が目標形状から1mmより大きく相違した従来の方法/装置と対比されるべき点である。
【0032】
枠部404は、任意の適した厚さを有しうる。例えば、金属基材の厚さは、約0.5mmから約20mm(例えば、約2mmから約20mm、約3mmから約20mm、約4mmから約20mm、約5mmから約20mm、約6mmから約20mm、約7mmから約20mm、約8mmから約20mm、約9mmから約20mm、約10mmから約20mm、約12mmから約20mm、約14mmから約20mm、約1mmから約18mm、約1mmから約16mm、約1mmから約15mm、約1mmから約14mm、約1mmから約12mm、約1mmから約10mm、約1mmから約8mm、約1mmから約6mm、約1mmから約5mm、約1mmから約4mm、約1mmから約3mm、約1mmから約2mm、および、全ての範囲、並びに、それらの間の部分範囲)でありうる。
【0033】
図2Aの第1の端領域410A、414Aにおける断面図である図4に示すように、ガラス基板402は、第1の主面416と第2の主面416Aの間の距離として画定される略一定の厚さ(t)を有しうる。本明細書で用いるように、厚さ(t)は、ガラス基板の最大厚さを称する。図4に示すように、ガラス基板は、第1の厚さ(t)に直交する第1または第2の主面416、416A、418の1つの第1の最大寸法として画定される幅(W)、および、厚さおよび幅の両方に直交する第1または第2の表面416、416A、418の1つの第2の最大寸法として画定される長さ(図4が断面図であることから不図示)を含む。本明細書に記載の寸法は、平均寸法でありうる。接合媒体物は、図4に特に示していない。
【0034】
ガラス基板402は、任意の適した厚さを有しうる。例えば、約1.5mm以下の厚さ(t)を有しうる。例えば、厚さは、約0.01mmから約1.5mm、0.02mmから約1.5mm、0.03mmから約1.5mm、0.04mmから約1.5mm、0.05mmから約1.5mm、0.06mmから約1.5mm、0.07mmから約1.5mm、0.08mmから約1.5mm、0.09mmから約1.5mm、0.1mmから約1.5mm、約0.15mmから約1.5mm、約0.2mmから約1.5mm、約0.25mmから約1.5mm、約0.3mmから約1.5mm、約0.35mmから約1.5mm、約0.4mmから約1.5mm、約0.45mmから約1.5mm、約0.5mmから約1.5mm、約0.55mmから約1.5mm、約0.6mmから約1.5mm、約0.65mmから約1.5mm、約0.7mmから約1.5mm、約0.01mmから約1.4mm、約0.01mmから約1.3mm、約0.01mmから約1.2mm、約0.01mmから約1.1mm、約0.01mmから約1.05mm、約0.01mmから約1mm、約0.01mmから約0.95mm、約0.01mmから約0.9mm、約0.01mmから約0.85mm、約0.01mmから約0.8mm、約0.01mmから約0.75mm、約0.01mmから約0.7mm、約0.01mmから約0.65mm、約0.01mmから約0.6mm、約0.01mmから約0.55mm、約0.01mmから約0.5mm、約0.01mmから約0.4mm、約0.01mmから約0.3mm、約0.01mmから約0.2mm、約0.01mmから約0.1mm、約0.04mmから約0.07mm、約0.1mmから約1.4mm、約0.1mmから約1.3mm、約0.1mmから約1.2mm、約0.1mmから約1.1mm、約0.1mmから約1.05mm、約0.1mmから約1mm、約0.1mmから約0.95mm、約0.1mmから約0.9mm、約0.1mmから約0.85mm、約0.1mmから約0.8mm、約0.1mmから約0.75mm、約0.1mmから約0.7mm、約0.1mmから約0.65mm、約0.1mmから約0.6mm、約0.1mmから約0.55mm、約0.1mmから約0.5mm、約0.1mmから約0.4mm、または、約0.3mmから約0.7mmの範囲でありうる。
【0035】
ガラス基板402は、約5cmから約250cm、約30cmから約90cm、約10cmから約250cm、約15cmから約250cm、約20cmから約250cm、約25cmから約250cm、約30cmから約250cm、約35cmから約250cm、約40cmから約250cm、約45cmから約250cm、約50cmから約250cm、約55cmから約250cm、約60cmから約250cm、約65cmから約250cm、約70cmから約250cm、約75cmから約250cm、約80cmから約250cm、約85cmから約250cm、約90cmから約250cm、約95cmから約250cm、約100cmから約250cm、約110cmから約250cm、約120cmから約250cm、約130cmから約250cm、約140cmから約250cm、約150cmから約250cm、約5cmから約240cm、約5cmから約230cm、約5cmから約220cm、約5cmから約210cm、約5cmから約200cm、約5cmから約190cm、約5cmから約180cm、約5cmから約170cm、約5cmから約160cm、約5cmから約150cm、約5cmから約140cm、約5cmから約130cm、約5cmから約120cm、約5cmから約110cm、約5cmから約110cm、約5cmから約100cm、約5cmから約90cm、約5cmから約80cm、または、約5cmから約75cmの範囲の幅(w)、および/または、(特に示していない)長さも有しうる。
【0036】
図5は、第1の端領域410A、414Aにおけるガラス基板402、および、枠部404の例示的な平坦度を示している。このような第1の主面416、418の接触面に沿った平坦度は、表示視認性を改良し、破損を早めうる機械的な応力を削減するのに、特に重要である。このように第1の主面416の第1の主面418に対する平坦度が改良するのは、表示部400の形成方法および装置の直接の結果であり、次に、図6A~8を参照して、理由を記載する。
【0037】
図5に、第1の端部分410A、414Aに沿った、特に第1の開口部406Aにおける表示領域での表示部400の平坦度を示している。図5は、デフレクトメトリによって収集した画像を示しており、局所湾曲をディオプターの単位で示しており、ゼロ以外のディオプター値は、湾曲を示している。ディオプターの増加は、局所湾曲の増加を示すものである。図5に示すように、少なくとも2時間留めることで、最も平坦な表示領域になり、光学性能を改良する。したがって、図5に示すように、ガラス基板の第1の端部分、枠部の第1の端部分、ガラス基板の第2の端部分、および、枠部の第2の端部分の1つ以上は、各々、+/-0.250ディオプター(+/-0.250m-1)、+/-0.150ディオプター(+/-0.150m-1)、+/-0.100のディオプター(+/-0.100m-1)の単位で変動する湾曲を有する少なくとも1つの面を有する。目標とする局所湾曲は、0(略平坦)と2ディオプター(2m-1)の単位の間でありうる。
【0038】
図6A、6Bは、既に記載したようにガラス基板402を冷間形成するための(真空チャックとも称される)真空形成装置を含む形成装置500を示している。枠部404を含む、表示部400の他の構成要素を図6Bに示している。図6Aは、表示部400を冷間形成処理を介して形成する形成装置500を示している。
【0039】
図6Bに最もよく示すように、形成装置500は、任意で、本体502、(挿入部、領域、または、パッドとも称される)複数の形成要素504A、504B、504C、薄膜506、第1の枠部固定部508、および、第2の枠部固定部アセンブリ510を含みうる。第2の枠部固定部アセンブリ510は、ハンドル512、および、バー514を含みうる。
【0040】
本体502は、その中に、複数の独立した別々のプレナム516A、516B、516Cを形成するか収容し、これらは、各々、複数の形成要素504A、504B、504Cと連通しうる。その代わりに、本体502は、複数の形成要素504A、504B、504Cと連通する単一のプレナムを有しうる。これらを用いて、独立制御した圧力差を複数の形成要素504A、504B、504Cに与えうる。中心または端部に与えた圧力差は、互いに異なりうる。例えば、端部に与える圧力差は、特定の設計については必要ではなく、一方、特定の設計の中心では、より大きい圧力差が要求されうる。本体502は、そこから取り外し自在に構成されうる複数の形成要素504A、504B、504Cを受け付けるように構成されうる。
【0041】
複数の形成要素504A、504B、504Cは、各々、ガラス基板402の対応する主面と接するように設計された主面505A、505B、505Cを有しうる。図7に更に示すように、複数の形成要素504A、504B、504Cは、取り外し自在な中心要素504Aを含み、形成工程と留める工程の間で中断なく留めることが可能になりうる(部分を留め部から取り外さなくてよい)。本明細書において更に記載するように、取り外し自在な中心要素504Aは、湾曲中心を有する主面505Aを有しうる。既に記載したように、端部分504B、504Cは、各々、表示部400の端領域を形成するために略平坦な主面505B、505Cを有しうる。装置500の幾何学構成も変化させて、多数の構成要素を取り外すのではなく、単に中心要素504Aを取り外すことによって、湾曲を変化させうる。複数の形成要素504A、504B、504Cは、表示部400、特に、ガラス基板402に、その主面に沿って与える圧力差(下に引っ張る力)を改良するように構成された孔または流路518などの(図6Aに最もよく示した)表面特徴物を含みうる。流路518は、複数の形成要素504A、504B、504Cの表面上にのみ形成され、例えば、プレナムに侵入しないようにしうる。図8を参照して更に記載するように、枠部固定部508、510、特に、第2の枠部固定部アセンブリ510および本体502は、調節自在な接合線制御特徴物を提供する機械的な抑制部を有しうる。バー514、および、第2の枠部固定部アセンブリ510の留め部は、大きい押圧部を必要とせずに、均一な圧力を枠部404を介して表示部400に与えるように構成されうる。枠部固定部510に取り付けられたハンドル512を有する枠部固定部510は、剛性を高めて、取扱いを容易にしうる。
【0042】
既に記載したように、形成装置500による利点は、ガラス基板402が目標とする形状の(>1mmとは対照的に)100μm以内の形状になること、接合線の制御を改良すること(>1mmとは対照的に、例えば、+/-200μm)、処理時間の短縮(2時間以上とは対照的に、例えば、15分)、多数の設計および接合線幅に対応可能であること(例えば、単に中心要素504Aを取り外して、異なる幾何学構成を有する異なる中心要素と交換する)、および、積層表示部を含む多数の種類の表示部との適合性を高めることを含みうる。
【0043】
図6B、7は、中心要素504Aが取り外し自在であることを示している。図7も、形成装置500の他の部分(図6Bを参照)から取り外された後も、表示部400が中心要素504Aに留められたままでありうることを示している。図7に示すように、中心要素504Aは、取り外された時も、低圧力源P(真空など)に接続されたままであるようにも構成されうる。これにより、形成工程と留める工程の間で中断なく留めることが可能になりうる(部分を留め部から取り外さなくてよい)。
【0044】
ここで図6Bのみに戻り、薄膜506は、確実な封止、ガラス基板402の保護を行うが、優れた形状を実現するように僅かにのみ柔軟であるように構成されたテフロン(登録商標)テープなどのポリマー膜を含みうる。一例によれば、膜506は、最小の柔軟性を有し、接着剤が裏に付いたポリマーフィルムでありうる。これを選択した場合には、適切に真空封止しながら、ガラスを金属チャックによる破損から保護し、最小の柔軟性を有する。接着フィルムの使用は、利用および置換えが容易である。
【0045】
1つのハイレベルな例によれば、形成装置500を用いた冷間形成処理は、例えば、平坦ガラスを形成装置に位置合わせすること、真空または他の低圧力差を与えて、ガラスを望ましい形状に保持すること、構造接着剤などの接合媒体物を、枠部またはガラス表面に特定のパターンで塗布すること、3次元形状の枠部を形成装置上のガラスに位置合わせして押圧すること、接着剤を一定の厚さ(接合線幅)に圧縮するように力を加えること、および、枠部を、ガラスに対して、留める手段によって保持することを伴いうる。
【0046】
一実施形態によれば、1つ以上の表示モジュールを乗物内部システムに実装するための表示部400の形成方法を開示する。方法は、ガラス基板402を形成装置500に配置する工程を含みうる。形成装置500は、複数の形成要素504A、504B、504Cを含み、それらは、各々、ガラス基板402と接触するように構成された主面505A、505B、505Cを有しうる。複数の形成要素の少なくとも1つ(ここでは、504A)の主面505Aは、曲率半径を有する。方法は、形成装置500を用いて、気圧差を与え、ガラス基板402を変形させて、その主面に沿った形状が、形成装置500の(具体的には、複数の形成要素504A、504B、504Cの)各主面505A、505B、505Cの形状と対応するようにしうる。ガラス基板402の主面の一部は、複数の形成要素の少なくとも1つである504Aの主面505Aの曲率半径と対応する曲率半径を有するように変形する。方法は、構造接着剤(または、本明細書に記載の他の接合媒体物)を枠部404およびガラス基板402の少なくとも一方に塗布する工程と、枠部404を、ガラス基板402上に、それらの間に構造接着剤が位置された状態で配置する工程とを含みうる。方法は、望ましい力を枠部404に加えて、接着剤を望ましい厚さに圧縮する工程を含みうる。方法は、ガラス基板402を複数の形成要素の少なくとも1つ(ここでは、図7に示すような504A)に留めた状態を維持しながら、ガラス基板402を、形成装置の複数の形成要素の1つ以上(ここでは、504B、504C)から取り外す工程を含みうる。方法は、図7に示すように、ガラス基板を複数の形成要素の少なくとも1つに留めた状態で、望ましい力を加える状態を維持して、接着剤を望ましい厚さに望ましい時間、圧縮する工程を含みうる。方法は、更に、形成要素504Aは取り外され、ガラス基板402は、複数の形成要素の少なくとも1つ(ここでは、504A)に留められた状態で、圧力差を与えるのを維持する工程を含みうる。方法は、形成装置を用いて、気圧差を与える工程を含み、それは、複数の形成要素504A、504B、504Cの1つ以上について、異なる量の気圧差を与える工程を含みうる。
【0047】
従来の処理は、接着剤が硬化する間の全時間に亘り、ガラスと枠部を真空チャック上で留めることを要する。留めたものを、接着剤が固まり/十分な強度を実現する前に緩めると、ガラスの形状が変化するか、または、高応力領域において、枠部から層分離さえ生じうる。接着剤が硬化する間に、構成要素(ガラスと枠部)が動くのも望ましくない。
【0048】
本発明の1つの態様は、図7の実施形態に示すように、(バー514を介した)留めた状態、および/または、圧力差Pを連続して維持しうるので、接着剤が完全に硬化する前に、表示部400を真空チャックから取り外すのを可能にしうる。図7に示すように、留めることは、ガラス基板402の応力が最も高くなる湾曲の一部に亘って、(図6A、6Bに既に示したバー514の2つを用いた)バー/ネジ山付きロッドの組合せにより可能になる(例えば、湾曲が略平坦に移行する平坦領域を、ここでは、平坦先端領域と称する)。機械的な(図8を参照して後述するものと同様の)抑制部も、中心要素504A、および、図7のバー514を含む他の構成要素と含んで、バー留め部が過度にきつく締められるのを防ぎうる。この構成を用いて、表示部400を真空チャック上に形成して、接着剤が完全に硬化する前に取り外しうる。処理する追加の各表示部分について、追加の中心要素504Aを要しうるが、これによる利点として、より速いスループット、および、代わりの設計の湾曲に対応しうる。
【0049】
図8に示すように、本体502、および、第2の枠部固定部アセンブリ510は、機械的な抑制部540を形成しうる。機械的な抑制部540は、本体502の位置調節自在特徴物542(ネジ、止めネジなど)、および、枠部404を留める第2の枠部固定部アセンブリ510の一部を含みうる。したがって、機械的な抑制部540を備えた結果、接合線(接合媒体物)の望ましい厚さは、+/-200μmの間で変動する。特に、第2の枠部固定部アセンブリ510は、各止めネジ548(位置調節自在特徴物542)と相互作用する張出部または端部546(部分544)を含み、機械的な抑制部540を生成して、接着接合厚さを設定しうる。止めネジ544を調節して、目標とする特定の接合線となるようにし、更に、接合線の変動を削減しうる。多数の止めネジを、形成装置500の各側に備えうる。
【0050】
図9は、接合媒体物は、ガラス基板と枠部の間に、+/-200μm、または、望ましい厚さの10%の小さい方の範囲で変動する厚さを有しうることを示している。これは、表示部400を形成するための形成装置500が、図7、8を参照して記載したように機械的な抑制部を含むことによる直接の結果である。
【0051】
本明細書において企図する更なる方法または製品は、導電または放射系方法を用いて、接着剤の特定の領域を局所加熱/硬化する工程を含む。特定の領域は、平坦な先端、および、中心領域など、圧縮および引張応力が最大の領域を含む。局所加熱を用いて、特定の領域を「タック」留めしうる。利用例は、予め加熱して湾曲した中心挿入物、カートリッジヒーター、IR放射の使用を含む。企図した特定の領域は、例えば、ガラス基板が圧縮応力を接合媒体物に与えるか、または、引張応力を接合媒体物に与える領域を含む。
【0052】
本開示の態様(1)は、複数の表示モジュールを乗物内部システムに収容する装置に関し、それは、湾曲した中心部分、中心部分の第1の側に接続して、複数の表示モジュールの1つを中に受け付けるように構成された第1の開口部を画成する第1の端部分、および、中心部分の反対の側である第2の側に接続して、複数の表示モジュールの第2の表示モジュールを中に受け付けるように構成された第2の開口部を画成する第2の端部分を有する枠部と、枠部上に配置されたガラス基板であって、枠部の湾曲した中心部分と接する湾曲した中心部分、枠部の第1の端部分と接して第1の開口部を覆う第1の端部分、および、枠部の第2の端部分と接して第2の開口部を覆う第2の端部分を有するガラス基板と、ガラス基板を枠部に取り付ける接合媒体物であって、ガラス基板と枠部の間に、+/-200μm、または、望ましい厚さの10%の小さい方の範囲で変動する厚さを有する接合媒体物とを含む。
【0053】
本開示の態様(2)は、態様(1)の装置に関し、ガラス基板の第1の端部分、枠部の第1の端部分、ガラス基板の第2の端部分、および、枠部の第2の端部分の1つ以上は、各々、略平坦で、湾曲が、+/-0.250ディオプター(+/-0.250m-1)、+/-0.150ディオプター(+/-0.150m-1)、および、+/-0.100ディオプター(+/-0.100m-1)の1つの範囲で変動する少なくとも1つの表面を有するものである。
【0054】
本開示の態様(3)は、態様(1)または(2)の装置に関し、ガラス基板の湾曲した中心部分は、枠部の湾曲した中心部分の曲率半径の100μm以内の曲率半径を有するものである。
【0055】
本開示の態様(4)は、態様(1)から(3)のいずれか1つの装置に関し、枠部の湾曲した中心部分、および、ガラス基板の湾曲した中心部分の少なくとも一方は、各々、20mmから500mm未満の曲率半径を有するものである。
【0056】
本開示の態様(5)は、態様(1)から(4)のいずれか1つの装置に関し、枠部は、第1の開口部を画成する第1の内面、および、第2の開口部を画成する第2の内面を有し、第1の内面は、複数の表示モジュールの第1の表示モジュールを第1の開口部内に配置するために、機械的な位置合わせを行うものであり、第2の内面は、複数の表示モジュールの第2の表示モジュールを第2の開口部内に配置するために、機械的な位置合わせを行うものである。
【0057】
本開示の態様(6)は、態様(1)から(5)のいずれか1つの装置に関し、接合媒体物は、構造接着剤を含むものである。
【0058】
本開示の態様(7)は、態様(1)から(6)のいずれか1つの装置に関し、枠部とガラス基板の間に配置され、接合媒体物に隣接して配置されたスペーサを、
更に含む。
【0059】
本開示の態様(8)は、態様(7)の装置に関し、スペーサは、VHBテープ、発泡テープ、剛性ポリマー、柔軟性ポリマー、若しくは、完全に、または、部分的に硬化された構造接着剤の1つ以上を含むものである。
【0060】
本開示の態様(9)は、態様(7)または(8)の装置に関し、枠部は、スペーサの位置合わせ、または、性能を改良するように構成された1つ以上の特徴物を有しうるものである。
【0061】
本開示の態様(10)は、複数の表示モジュールを乗物内部に収容する装置に関し、それは、湾曲した中心部分を有し、複数の表示モジュールの少なくとも1つを収容するように構成された枠部と、枠部に取り付けられ、その上に配置されたガラス基板であって、枠部の湾曲した中心部分と接する湾曲した中心部分を含むガラス基板とを含み、ガラス基板の湾曲した中心部分は、枠部の湾曲した中心部分の曲率半径の100μm以内の曲率半径を有するものである。
【0062】
本開示の態様(11)は、態様(10)の装置に関し、枠部は、更に、中心部分の第1の側に接続され、複数の表示モジュールの1つを中に受け付けるように構成された第1の開口部を画成する第1の端部分と、中心部分の反対の側である第2の側に接続され、複数の表示モジュールの他の1つを中に受け付けるように構成された第2の開口部を画成する第2の端部分とを含むものである。
【0063】
本開示の態様(12)は、態様(11)の装置に関し、ガラス基板は、更に、枠部の第1の端部分と接して第1の開口部を覆う第1の端部分と、枠部の第2の端部分と接して第2の開口部を覆う第2の端部分とを含むものである。
【0064】
本開示の態様(13)は、態様(12)の装置に関し、ガラス基板の第1の端部分、枠部の第1の端部分、ガラス基板の第2の端部分、および、枠部の第2の端部分の1つ以上は、各々、略平坦で、湾曲が+/-0.250ディオプター(+/-0.250m-1)の範囲で変動する少なくとも1つの表面を有するものである。
【0065】
本開示の態様(14)は、態様(10)から(13)のいずれか1つの装置に関し、ガラス基板は、接合媒体物によって、枠部に取り付けられたものであり、接合媒体物は、ガラス基板と枠部の間に望ましい厚さの+/-200μmの範囲で変動する厚さを有するものである。
【0066】
本開示の態様(15)は、1つ以上の表示モジュールを乗物内部システムに実装するための表示部の形成方法に関し、それは、ガラス基板を、複数の形成要素を有する形成装置上に配置する工程であって、複数の形成要素は、各々、ガラス基板と接するように構成された主面を有するものであり、複数の形成要素の少なくとも1つの主面は曲率半径を有するものである工程と、形成装置を用いて、気圧差を与えて、ガラス基板を変形させて、その主面に沿った形状を、形成装置の各主面の形状に対応するようにする工程であって、ガラス基板の主面の一部は、複数の形成要素の少なくとも1つの主面の曲率半径と対応する曲率半径を有するように変形するものである工程と、構造接着剤を、枠部およびガラス基板の少なくとも一方に塗布する工程と、枠部を、ガラス基板上に、それらの間に構造接着剤が配置された状態で配置する工程と、望ましい力を枠部に加えて、接着剤を望ましい厚さに圧縮する工程と、ガラス基板を形成装置の複数の形成装置の少なくとも1つに留められた状態で維持しながら、ガラス基板を複数の形成要素の1つ以上から外す工程と、ガラス基板は、形成装置の複数の形成要素の少なくとも1つに留められ、複数の形成要素の1つ以上から外された状態で、望ましい力を加えるのを維持して、接着剤を望ましい厚さに、望ましい時間、圧縮する工程とを含む。
【0067】
本開示の態様(16)は、態様(15)の方法に関し、複数の形成要素は、曲率半径を有する主面を有する、複数の形成要素の少なくとも1つを含む中心形成要素を含むものである。
【0068】
本開示の態様(17)は、態様(16)の方法に関し、複数の形成要素は、更に、略平坦な主面を有する第1の端要素、および、略平坦な主面を有する第2の端要素を含むものである。
【0069】
本開示の態様(18)は、態様(15)から(17)のいずれか1つの方法に関し、望ましい力を枠部に加えて、接着剤を望ましい厚さに圧縮する工程は、機械的な抑制部によって制御されるものである。
【0070】
本開示の態様(19)は、態様(18)の方法に関し、機械的な抑制部は、形成装置の位置調節自在特徴物、および、枠部を留める固定部の一部を含むものである。
【0071】
本開示の態様(20)は、態様(18)または(19)の方法に関し、望ましい厚さは、機械的な抑制部を用いた結果、+/-200μmの範囲で変動するものである。
【0072】
本開示の態様(21)は、態様(15)から(20)のいずれか1つの方法に関し、ガラス基板の曲率半径は、複数の形成要素の少なくとも1つの主面の曲率半径の100μm以内である。
【0073】
本開示の態様(22)は、態様(15)から(20)のいずれか1つの方法に関し、形成装置を用いて気圧差を与える工程は、複数の形成要素の1つ以上について、異なる量の気圧差を与える工程を含むものである。
【0074】
本開示の態様(23)は、態様(15)から(22)のいずれか1つの方法に関し、形成装置の主面は、ガラス基板と連通して、気圧差を与えるのを可能にする複数の流路を画成するものである法。
【0075】
本開示の態様(24)は、態様(15)から(23)のいずれか1つの方法に関し、選択領域における構造接着剤の硬化を加速させる工程を、更に含むものである。
【0076】
本開示の態様(25)は、態様(15)から(24)のいずれか1つの方法に関し、ガラス基板は、形成装置の複数の形成要素の少なくとも1つに留められ、複数の形成要素の1つ以上から外された状態で、気圧差を与えるのを維持する工程を、更に含む。
【0077】
値を範囲で表した場合には、柔軟に解釈して、範囲の端点として明示的に記載した数値に限定せず、その範囲内の全ての個々の数値、または、部分範囲も、それらの各数値および部分範囲が明示的に記載されたものと解釈されるべきである。例えば、「約0.1%から約5%」、または、「約0.1%から5%」の範囲は、約0.1%から約5%だけではなく、示した範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、4%)、および、部分範囲(例えば、0.1%から0.5%、1.1%から2.2%、3.3%から4.4%)も含む。別段の記載がない限りは、「約XからY」は、「約Xから約Y」と同じ意味である。同様に、別段の記載がない限りは、「約X、Y、または、約Z」という記載は、「約X、約Y、または、約Z」と同じ意味である。
【0078】
本明細書において、文脈から、そうでないことが明らかでない限りは、原文の英語で不定冠詞または定冠詞を用いて、1つ、または、1つより多くを含む。別段の記載がない限りは、「または」という用語を用いて、非排他的な「または」であることを称する。更に、本明細書において用いた熟語または用語は、別段に定義されない限りは、記載のために用いたものに過ぎず、限定するものではないと理解すべきである。いずれの見出しも、明細書を読むのを助けるように付したものであり、限定するものと解釈されるべきではない。セクションの見出しに関連する情報は、その特定のセクション内または外で生じうる。更に、本明細書に引用した全ての出版物、特許、特許文献は、個々に参照により組み込まれたものとして、参照により全体として、本明細書に組み込まれる。本明細書と、参照により組み込まれた、それらの文献とで使用法が異なる場合には、組み込まれた文献の使用法は、本明細書の記載の補足として考えるべきであり、矛盾し不整合の場合には、本明細書の使用法が優先する。
【0079】
本明細書で用いるように、「約」という用語は、値または範囲が、記載した値、または、記載した範囲から、例えば、10%以内、5%以内、または、1%以内程度の範囲で変動しうることを表しうる。
【0080】
本明細書で用いるように、「略」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、または、少なくとも約99.999%以上など、大多数か、または、ほとんどの場合ということを表す。
【0081】
本開示は、以下の実施形態を提供するが、実施形態に付した番号は、重要性のレベルを示すと解釈されるべきではない。
【0082】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0083】
実施形態1
複数の表示モジュールを乗物内部システムに収容する装置において、
湾曲した中心部分、該中心部分の第1の側に接続して、前記複数の表示モジュールの1つを中に受け付けるように構成された第1の開口部を画成する第1の端部分、および、該中心部分の反対の側である第2の側に接続して、該複数の表示モジュールの第2の表示モジュールを中に受け付けるように構成された第2の開口部を画成する第2の端部分を有する枠部と、
前記枠部上に配置されたガラス基板であって、該枠部の前記湾曲した中心部分と接する湾曲した中心部分、該枠部の前記第1の端部分と接して前記第1の開口部を覆う第1の端部分、および、該枠部の前記第2の端部分と接して前記第2の開口部を覆う第2の端部分を有するガラス基板と、
前記ガラス基板を前記枠部に取り付ける接合媒体物であって、該ガラス基板と該枠部の間に、+/-200μm、または、望ましい厚さの10%の小さい方の範囲で変動する厚さを有する接合媒体物と
を含む装置。
【0084】
実施形態2
前記ガラス基板の前記第1の端部分、前記枠部の前記第1の端部分、該ガラス基板の前記第2の端部分、および、該枠部の前記第2の端部分の1つ以上は、各々、略平坦で、湾曲が、+/-0.250ディオプター(+/-0.250m-1)、+/-0.150ディオプター(+/-0.150m-1)、および、+/-0.100ディオプター(+/-0.100m-1)の1つの範囲で変動する少なくとも1つの表面を有するものである、実施形態1に記載の装置。
【0085】
実施形態3
前記ガラス基板の前記湾曲した中心部分は、前記枠部の前記湾曲した中心部分の曲率半径の100μm以内の曲率半径を有するものである、実施形態1または2に記載の装置。
【0086】
実施形態4
前記枠部の前記湾曲した中心部分、および、前記ガラス基板の前記湾曲した中心部分の少なくとも一方は、各々、20mmから500mm未満の曲率半径を有するものである、実施形態1から3のいずれか1つに記載の装置。
【0087】
実施形態5
前記枠部は、前記第1の開口部を画成する第1の内面、および、第2の開口部を画成する第2の内面を有し、該第1の内面は、前記複数の表示モジュールの第1の表示モジュールを該第1の開口部内に配置するために、機械的な位置合わせを行うものであり、該第2の内面は、該複数の表示モジュールの前記第2の表示モジュールを該第2の開口部内に配置するために、機械的な位置合わせを行うものである、実施形態1から4のいずれか1つに記載の装置。
【0088】
実施形態6
前記接合媒体物は、構造接着剤を含むものである、実施形態1から5のいずれか1つに記載の装置。
【0089】
実施形態7
前記枠部と前記ガラス基板の間に配置され、前記接合媒体物に隣接して配置されたスペーサを、
更に含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の装置。
【0090】
実施形態8
前記スペーサは、VHBテープ、発泡テープ、剛性ポリマー、柔軟性ポリマー、若しくは、完全に、または、部分的に硬化された構造接着剤の1つ以上を含むものである、実施形態7に記載の装置。
【0091】
実施形態9
前記枠部は、前記スペーサの位置合わせ、または、性能を改良するように構成された1つ以上の特徴物を有しうるものである、実施形態7または8に記載の装置。
【0092】
実施形態10
複数の表示モジュールを乗物内部に収容する装置において、
湾曲した中心部分を有し、前記複数の表示モジュールの少なくとも1つを収容するように構成された枠部と、
前記枠部に取り付けられ、その上に配置されたガラス基板であって、該枠部の前記湾曲した中心部分と接する湾曲した中心部分を含むガラス基板と
を含み、
前記ガラス基板の前記湾曲した中心部分は、前記枠部の前記湾曲した中心部分の曲率半径の100μm以内の曲率半径を有するものである装置。
【0093】
実施形態11
前記枠部は、更に、
前記中心部分の第1の側に接続され、前記複数の表示モジュールの1つを中に受け付けるように構成された第1の開口部を画成する第1の端部分と、
前記中心部分の反対の側である第2の側に接続され、前記複数の表示モジュールの他の1つを中に受け付けるように構成された第2の開口部を画成する第2の端部分と
を含むものである、実施形態10に記載の装置。
【0094】
実施形態12
前記ガラス基板は、更に、
前記枠部の前記第1の端部分と接して前記第1の開口部を覆う第1の端部分と、
前記枠部の前記第2の端部分と接して前記第2の開口部を覆う第2の端部分と
を含むものである、実施形態11に記載の装置。
【0095】
実施形態13
前記ガラス基板の前記第1の端部分、前記枠部の前記第1の端部分、該ガラス基板の前記第2の端部分、および、該枠部の前記第2の端部分の1つ以上は、各々、略平坦で、湾曲が+/-0.250ディオプター(+/-0.250m-1)の範囲で変動する少なくとも1つの表面を有するものである、実施形態12に記載の装置。
【0096】
実施形態14
前記ガラス基板は、接合媒体物によって、前記枠部に取り付けられたものであり、該接合媒体物は、該ガラス基板と該枠部の間に望ましい厚さの+/-200μmの範囲で変動する厚さを有するものである、実施形態10から13のいずれか1つに記載の装置。
【0097】
実施形態15
1つ以上の表示モジュールを乗物内部システムに実装するための表示部の形成方法において、
ガラス基板を、複数の形成要素を有する形成装置上に配置する工程であって、該複数の形成要素は、各々、該ガラス基板と接するように構成された主面を有するものであり、該複数の形成要素の少なくとも1つの該主面は曲率半径を有するものである工程と、
前記形成装置を用いて、気圧差を与えて、前記ガラス基板を変形させて、その主面に沿った形状を、該形成装置の各主面の形状に対応するようにする工程であって、該ガラス基板の該主面の一部は、前記複数の形成要素の少なくとも1つの前記主面の前記曲率半径と対応する曲率半径を有するように変形するものである工程と、
構造接着剤を、枠部および前記ガラス基板の少なくとも一方に塗布する工程と、
前記枠部を、前記ガラス基板上に、それらの間に前記構造接着剤が配置された状態で配置する工程と、
望ましい力を前記枠部に加えて、前記接着剤を望ましい厚さに圧縮する工程と、
前記ガラス基板を前記形成装置の前記複数の形成装置の少なくとも1つに留められた状態で維持しながら、該ガラス基板を該複数の形成要素の1つ以上から外す工程と、
前記ガラス基板は、前記形成装置の前記複数の形成要素の少なくとも1つに留められ、該複数の形成要素の1つ以上から外された状態で、前記望ましい力を加えるのを維持して、前記接着剤を前記望ましい厚さに、望ましい時間、圧縮する工程と
を含む方法。
【0098】
実施形態16
前記複数の形成要素は、前記曲率半径を有する前記主面を有する、該複数の形成要素の少なくとも1つを含む中心形成要素を含むものである、実施形態15に記載の方法。
【0099】
実施形態17
前記複数の形成要素は、更に、略平坦な前記主面を有する第1の端要素、および、略平坦な前記主面を有する第2の端要素を含むものである、実施形態16に記載の方法。
【0100】
実施形態18
前記望ましい力を前記枠部に加えて、前記接着剤を前記望ましい厚さに圧縮する工程は、機械的な抑制部によって制御されるものである、実施形態15から17のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態19
前記機械的な抑制部は、前記形成装置の位置調節自在特徴物、および、前記枠部を留める固定部の一部を含むものである、実施形態18に記載の方法。
【0102】
実施形態20
前記望ましい厚さは、前記機械的な抑制部を用いた結果、+/-200μmの範囲で変動するものである、実施形態18または19に記載の方法。
【0103】
実施形態21
前記ガラス基板の前記曲率半径は、前記複数の形成要素の少なくとも1つの前記主面の前記曲率半径の100μm以内である、実施形態15から20のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
実施形態22
前記形成装置を用いて前記気圧差を与える工程は、前記複数の形成要素の1つ以上について、異なる量の前記気圧差を与える工程を含むものである、実施形態15から20のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
実施形態23
前記形成装置の前記主面は、前記ガラス基板と連通して、前記気圧差を与えるのを可能にする複数の流路を画成するものである、実施形態15から22のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
実施形態24
選択領域における前記構造接着剤の硬化を加速させる工程を、
更に含む、実施形態15から23のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
実施形態25
前記ガラス基板は、前記形成装置の前記複数の形成要素の少なくとも1つに留められ、該複数の形成要素の1つ以上から外された状態で、前記気圧差を与えるのを維持する工程を、
更に含む、実施形態15から24のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0108】
400 表示部
402 ガラス基板
404 枠部
420 接合媒体物
500 形成装置
502 本体
508 第1の枠部固定部
510 第2の枠部固定部アセンブリ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【国際調査報告】