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特表2022-531120水撃防止器のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】水撃防止器のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F15D 1/02 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
F15D1/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562792
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 US2020029523
(87)【国際公開番号】W WO2020219676
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】62/837,582
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504466834
【氏名又は名称】ジョージア テック リサーチ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】クネファー、ケネス エー
(72)【発明者】
【氏名】ペディゴ、ナサニエル アール
(72)【発明者】
【氏名】ジャファリニア、アナ
(72)【発明者】
【氏名】ピニオン、アンナ マリー
(72)【発明者】
【氏名】マッサー、マックス
(72)【発明者】
【氏名】ジェジック、レイチェル
(72)【発明者】
【氏名】アイヤール、シュリラーム
(57)【要約】
流体システムは、外表面を有する弾性インサートを含む水撃防止器を備えることが可能である。弾性インサートは、流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサートが無ければ、流れる流体中に当該圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止することができる。静圧範囲とは、約100psig以下であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面を有する弾性インサートを備える水撃防止器を含む流体システムであって、
前記弾性インサートは、流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、前記弾性インサートが無ければ、流れる流体中に前記圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止し、
前記静圧範囲は、約100psig以下である、流体システム。
【請求項2】
前記水撃防止器は、内表面をさらに有し、前記内表面は、前記内表面を通して、静圧範囲内で前記弾性インサートの長さに沿って流れる流体用の流路を規定する、請求項1に記載の流体システム。
【請求項3】
前記水撃防止器は、前記弾性インサートの前記外表面の長さだけ延びる外殻であって、前記弾性インサートの前記外表面と前記外殻の内表面との間に流路を規定する外殻をさらに有する、請求項1に記載の流体システム。
【請求項4】
前記外殻に一体化され、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含む、請求項3に記載の流体システム。
【請求項5】
前記弾性インサート及び前記外殻は、同軸で揃えられている、請求項3に記載の流体システム。
【請求項6】
前記水撃防止器は、前記弾性インサートの前記外表面に沿って延びる透過ケージであって、前記外殻と前記弾性インサートとの間に配置された透過ケージをさらに含む、請求項3に記載の流体システム。
【請求項7】
既存の長さの流体導管をさらに含み、
前記水撃防止器は、前記既存の長さの流体導管の上流部と下流部との間に配置されており、
前記既存の長さの流体導管の上流部、前記水撃防止器、及び、前記既存の長さの流体導管の下流部は、前記既存の長さの流体導管の上流部及び下流部並びに前記水撃防止器に沿って流体連結されている、請求項1に記載の流体システム。
【請求項8】
前記水撃防止器の上流端に配置された流体入口コネクタであって、前記水撃防止器の上流端を前記流体導管の上流部に接続させると共に、前記弾性インサートが前記流体導管の上流部の中に移動することを阻止する流体入口コネクタと、
前記水撃防止器の下流端に配置された流体出口コネクタであって、前記水撃防止器の下流端を前記流体導管の下流部に接続させると共に、前記弾性インサートが前記流体導管の下流部の中に移動することを阻止する流体出口コネクタと、をさらに含む、請求項7に記載の流体システム。
【請求項9】
前記水撃防止器は、前記弾性インサートの前記外表面に沿って延びる外殻をさらに含む、請求項1に記載の流体システム。
【請求項10】
既存の長さの流体導管をさらに含み、
前記水撃防止器は、前記既存の長さの流体導管の上流部と下流部との間に配置されており、
前記既存の長さの流体導管の上流部、前記水撃防止器、及び、前記既存の長さの流体導管の下流部は、前記既存の長さの流体導管の上流部及び下流部並びに前記水撃防止器に沿って流体連結されている、請求項1に記載の流体システム。
【請求項11】
前記弾性インサートは、第1の分離弾性インサート部と第2の分離弾性インサート部とを含み、前記第1の分離弾性インサート部及び前記第2の分離弾性インサート部は、互いに物理的に当接するように動作可能であり、非効果的な水撃防止を導くことになる前記弾性インサートの径方向への圧縮を防止する、請求項1に記載の流体システム。
【請求項12】
前記弾性インサートは、環状断面を含み、各前記分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む、請求項11に記載の流体システム。
【請求項13】
前記弾性インサートは、軸方向に分割されて、前記第1の分離弾性インサート部及び前記第2の分離弾性インサート部を形成する、請求項11に記載の流体システム。
【請求項14】
前記弾性インサートは、
剛性を有するポリマーマトリクスと、
前記ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアと、を含む、請求項1に記載の流体システム。
【請求項15】
前記ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されており、
前記ミクロスフェアは、前記ポリマーマトリクス内に均一に分散されている、請求項14に記載の流体システム。
【請求項16】
前記ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されており、
前記ミクロスフェアは、前記ポリマーマトリクス内に不均一に分散されている、請求項14に記載の流体システム。
【請求項17】
各前記弾性インサートは、
剛性を有するポリマーマトリクスと、
前記ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアと、を含み、
前記ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されており、
前記弾性インサート部のうちの少なくとも1つの弾性インサート部の前記ポリマーマトリクスの剛性は、他の弾性インサート部の剛性と異なる、請求項11に記載の流体システム。
【請求項18】
流体導管の上流部と、
前記流体導管の上流部の下流に配置された水撃防止器と、
前記水撃防止器の下流に配置された、前記流体導管の下流部と、を備える水撃防止器システムであって、
前記水撃防止器は、
外表面及び内表面を有する弾性インサートであって、前記内表面は、前記内表面を通して、前記流体導管の上流部及び下流部の内径にほぼ類似した内径を有する流路を規定する弾性インサートと、
前記弾性インサートの外表面の長さに沿って延びる外殻と、を含み、
前記弾性インサートは、互いに物理的に当接するように動作可能な第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部であって、非効果的な水撃防止を導くことになる前記弾性インサートの径方向への圧縮を防止する、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含み、
前記弾性インサートは、流れる流体中の、平均静圧を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、前記弾性インサートが無ければ、流れる流体中に前記圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止し、
前記平均静圧は、約100psig以下である、水撃防止器システム。
【請求項19】
前記弾性インサートは、環状断面をさらに含み、各前記分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む、請求項18に記載の水撃防止器システム。
【請求項20】
前記弾性インサートは、軸方向に分割されて、前記第1の分離弾性インサート部及び前記第2の分離弾性インサート部を形成する、請求項18に記載の水撃防止器システム。
【請求項21】
前記水撃防止器の上流端が前記流体導管の上流部と流体連結するように前記水撃防止器の上流端に配置され、前記弾性インサートが前記流体導管の上流部の中に移動することを阻止する流体入口コネクタと、
前記水撃防止器の下流端が前記流体導管の下流部と流体連結するように前記水撃防止器の下流端に配置され、前記弾性インサートが前記流体導管の下流部の中に移動することを阻止する流体出口コネクタと、をさらに含む、請求項18に記載の水撃防止器システム。
【請求項22】
前記弾性インサートの前記内表面の長さだけ延び、前記流体入口コネクタから前記流体出口コネクタまでの流体連結を可能にするように動作し得る透過管をさらに含む、請求項21に記載の水撃防止器システム。
【請求項23】
前記透過管は、前記透過管の少なくとも一端に配置されたフランジであって、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能なフランジをさらに含む、請求項22に記載の水撃防止器システム。
【請求項24】
前記外殻に一体化され、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含む、請求項18に記載の水撃防止器。
【請求項25】
前記水撃防止器の上流端に配置された流体入口コネクタと、
前記水撃防止器の下流端に配置された流体出口コネクタと、
前記流体入口コネクタから前記流体出口コネクタまでの流体連結を可能にするように動作し得る透過管を含む拘束インサートと、をさらに含む、請求項18に記載の水撃防止器システム。
【請求項26】
前記透過管の一端に配置された、外径を有するフランジをさらに含み、
前記フランジの前記外径は、前記外殻の内表面に当接し、
前記フランジは、前記弾性インサートを前記外殻の長さ内に拘束するように動作し得る、請求項25に記載の水撃防止器システム。
【請求項27】
前記外殻に一体化され、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含む、請求項25に記載の水撃防止器。
【請求項28】
外表面を有する弾性インサートを備える水撃防止器を含む流体システムであって、
前記弾性インサートは、流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、前記弾性インサートが無ければ、流れる流体中に前記圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止する、流体システム。
【請求項29】
前記水撃防止器は、弾性インサートの少なくとも一部を支えるように構成された内表面に接続する開口部を有する外殻をさらに含む、請求項28に記載の流体システム。
【請求項30】
既存の長さの流体導管をさらに含み、
前記水撃防止器は、前記既存の長さの流体導管の上流部と下流部との間に配置されており、
前記既存の長さの流体導管の上流部、前記水撃防止器、及び、前記既存の長さの流体導管の下流部は、互いに流体連結されている、請求項28に記載の流体システム。
【請求項31】
前記弾性インサートは、前記外表面と、前記弾性インサート内に空洞を規定する内表面とを接続する開口部をさらに含む、請求項28に記載の流体システム。
【請求項32】
前記弾性インサートは環状断面を含む、請求項28に記載の流体システム。
【請求項33】
前記弾性インサートは、互いに物理的に当接するように動作可能な、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含む、請求項28に記載の流体システム。
【請求項34】
前記弾性インサートは、環状断面を含み、各前記分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む、請求項33に記載の流体システム。
【請求項35】
前記弾性インサートは、軸方向に分割されて、前記第1の分離弾性インサート部及び前記第2の分離弾性インサート部を形成する、請求項33に記載の流体システム。
【請求項36】
各前記弾性インサート部は、
剛性を有するポリマーマトリクスと、
前記ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアと、を含む、請求項28に記載の流体システム。
【請求項37】
前記ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されており、
前記ミクロスフェアは、前記ポリマーマトリクス内に均一に分散されている、請求項36に記載の流体システム。
【請求項38】
前記ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されており、
前記ミクロスフェアは、前記ポリマーマトリクス内に不均一に分散されている、請求項36に記載の流体システム。
【請求項39】
各前記弾性インサート部は、
剛性を有するポリマーマトリクスと、
前記ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアと、を含み、
前記ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されており、
少なくとも1つの弾性インサート部の前記ポリマーマトリクスの剛性は、他の弾性インサート部の剛性と異なる、請求項33に記載の流体システム。
【請求項40】
流体導管の上流部と、
前記流体導管の上流部の下流に配置された水撃防止器と、
前記水撃防止器の下流に配置された、前記流体導管の下流部と、を備える水撃防止器システムであって、
前記水撃防止器は、
外表面を有する弾性インサートと、
前記弾性インサートの少なくとも一部を支えるように構成された内表面に接続する開口部を有する外殻と、を含み、
前記弾性インサートは、流れる流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、前記弾性インサートが無ければ、流れる流体中に前記圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止する、流体システム。
【請求項41】
前記弾性インサートは、互いに物理的に当接するように動作可能な、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含む、請求項40に記載の水撃防止器システム。
【請求項42】
前記弾性インサートは、環状断面を含み、各前記分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む、請求項41に記載の水撃防止器システム。
【請求項43】
前記弾性インサートは環状断面を含む、請求項40に記載の水撃防止器システム。
【請求項44】
前記弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成する、請求項40に記載の水撃防止器システム。
【請求項45】
前記外殻の前記開口部に配置され、前記弾性インサートと前記流体導管との間の接続を提供する流体コネクタをさらに含む、請求項40に記載の水撃防止器システム。
【請求項46】
前記流体コネクタは、前記圧力スパイクに関連付けられた流体、及び、前記流体導管を流れる流体を受け止めると共に放出するように構成されている、請求項45に記載の水撃防止器システム。
【請求項47】
前記外殻に一体化され、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含む、請求項40に記載の水撃防止器。
【請求項48】
前記弾性インサートは、前記外表面と、空洞を規定する内表面とを接続する開口部をさらに含む、請求項40に記載の水撃防止器。
【請求項49】
前記流体導管と前記水撃防止器との間に配置された流体コネクタと、
前記外殻に一体化され、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能な拘束部を備える拘束インサートと、をさらに含む、請求項40に記載の水撃防止器システム。
【請求項50】
インライン型水撃防止器の製造方法であって、
外表面及び内表面を有する弾性インサートを提供する工程であって、前記内表面は、前記内表面を通して、前記弾性インサートの長さに沿って流れる静圧範囲内の流体用の流路を規定し、前記弾性インサートは、流体中の前記静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、前記弾性インサートが無ければ、流れる流体中に前記圧力スパイクにより起こったであろう水撃を防止する工程と、
前記弾性インサートの外表面に沿って延びる外殻を提供する工程であって、前記外殻は、前記外殻の上流端に近接して配置される一体型の流体コネクタと、内壁とを有している工程と、
前記弾性インサートと前記流路との間の流体連結を可能にするように動作し得る透過管を含む拘束インサートを提供する工程と、
前記外殻の下流端に配置される分離型の流体コネクタを提供する工程と、
前記拘束インサートを前記外殻内に挿入する工程と、
前記弾性インサートを前記外殻内に挿入する工程と、
前記分離型の流体コネクタを前記外殻の下流端に取り付ける工程と、を含む方法。
【請求項51】
前記外殻の上流端に配置された前記一体型の流体コネクタは、前記流路の上流部と流体導管の上流端との間の流体接続を提供するように構成されている、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記外殻の下流端に配置された前記分離型の流体コネクタは、前記流路の下流部と前記流体導管の下流端との間の流体接続を提供するように構成されている、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記インライン型水撃防止器の前記拘束インサートは、前記透過管の少なくとも一端に配置された、外径を有する少なくとも1つのフランジを含み、前記フランジの前記外径は、前記外殻の内表面に当接し、前記フランジは、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記インライン型水撃防止器の前記外殻は、前記外殻に一体化された拘束部であって、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記弾性インサートは、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含み、前記第1の分離弾性インサート部及び前記第2の分離弾性インサート部は、互いに物理的に当接するように動作可能であり、非効果的な水撃防止を導くことになる前記弾性インサートの径方向への圧縮を防止する、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記弾性インサートは、環状断面を含み、各前記分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の分離弾性インサート部及び前記第2の分離弾性インサート部は、軸方向に分割されたものである、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
側方分岐型水撃防止器の製造方法であって、
外表面を有する弾性インサートを提供する工程と、
前記弾性インサートの少なくとも一部を支えるように構成された内表面に接続する開口部を有する外殻を提供する工程と、
流体コネクタを提供する工程と、
前記弾性インサートを前記外殻内に挿入する工程と、
流体コネクタを外殻の開口部に固定して、流体が前記弾性インサートの中に及び前記弾性インサートから外に流れるための流体接続を提供する工程と、を含む方法。
【請求項59】
前記弾性インサートを前記外殻内に挿入する工程と、
流体が前記弾性インサートの中に及び前記弾性インサートから外に流れるように、流体コネクタを前記外殻の開口部に固定する工程と、をさらに含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記弾性インサートは、前記外表面に配置された開口部であって、空洞を規定する内表面に接続する開口部をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記外殻は、前記外殻に一体化され、前記弾性インサートを前記外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記弾性インサートは、互いに物理的に当接し合う、第1の分離弾性インサート部と第2の分離弾性インサート部とを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
各前記分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成する、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記弾性インサートは環状断面を含む、請求項58に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年4月23日付で出願された米国仮出願第62/837,582号に基づく優先権を主張するものであり、その全体を、それが以下に完全に示されているものとして、参照により本明細書に援用する。
【0002】
(背景技術)
(水撃として知られる)油圧衝撃は、食器洗い機や洗濯機、及び、他の衛生器具といった、速動弁が設けられている流体配管システムならばどこであっても生じる一般的な現象である。水撃は、流れの運動エネルギーが圧力及び張力の位置エネルギーに変換されることによって引き起こされ、すなわち、配管内に結果的に生じる反力が、「水撃」として知られる可聴応答及び振動応答を生じさせる。しかしながら、音響応答は、水撃の結果生じることの1つに過ぎず、水撃イベントの間のピーク圧力は、配管システム内のパイプ、弁、又は、他の構成部品の故障を招き得る。技術設計された水撃防止器(water hammer arrestor、WHA)は、この課題を、既存の配管システムと相互作用して水撃イベント中のピーク圧力を制限することによって対処している。典型的なWHAの設計は、自由ピストン設計であり、これは、移動するピストンを用いてガスクッションを加圧して、水撃イベント中のシステム圧力を軽減するものである。これらの設計には、可動部が必要とされ、可動部は、摩耗又は破損しやすく、頻繁な取り替えや修理を必要とする。
【0003】
したがって、可動部を有さず、WHA装置の取り替えや修理の回数や費用を低減するWHAを得ることが好都合であろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の課題は、上述の要件を満たすシステム、装置、及び、方法を提供することにある。
【0005】
例示的な流体システムは、外表面を有する弾性インサートを含む水撃防止器を備えていることが可能である。弾性インサートは、流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサートが無ければ、流れる流体中に当該圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止し得る。静圧範囲は、約100psig以下である。
【0006】
幾つかの例において、弾性インサートは、内表面を有していてもよく、内表面は、内表面を通して、静圧範囲内で弾性インサートの長さに沿って流れる流体用の流路を規定する。
【0007】
幾つかの例において、水撃防止器は、弾性インサートの外表面の長さだけ延びる外殻であって、弾性インサートの外表面と外殻の内表面との間に流路を規定する外殻をさらに有していてもよい。
【0008】
幾つかの例において、流体システムは、外殻に一体化された拘束部であって、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部を含んでいてもよい。
【0009】
幾つかの例において、弾性インサート及び外殻は、同軸で揃えられていてもよい。
【0010】
幾つかの例において、水撃防止器は、弾性インサートの外表面に沿って延びる透過ケージであって、この外表面と弾性インサートとの間に配置された透過ケージをさらに含んでいてもよい。
【0011】
幾つかの例において、流体システムは、既存の長さの流体導管をさらに含んでいてもよく、水撃防止器は、既存の長さの流体導管の上流部と下流部との間に配置されていてもよく、既存の長さの流体導管の上流部、水撃防止器、及び、既存の長さの流体導管の下流部は、既存の長さの流体導管の上流部及び下流部並びに水撃防止器に沿って流体連結されていてもよい。
【0012】
幾つかの例において、流体システムは、水撃防止器の上流端に配置された流体入口コネクタであって、水撃防止器の上流端を流体導管の上流部に接続させると共に、弾性インサートが流体導管の上流部の中に移動することを阻止する流体入口コネクタと、水撃防止器の下流端に配置された流体出口コネクタであって、水撃防止器の下流端を流体導管の下流部に接続させると共に、弾性インサートが流体導管の下流部の中に移動することを阻止する流体出口コネクタと、をさらに含んでいてもよい。
【0013】
幾つかの例において、水撃防止器は、弾性インサートの外表面に沿って延びる外殻をさらに含んでいてもよい。
【0014】
幾つかの例において、流体システムは、既存の長さの流体導管をさらに含んでいてもよく、水撃防止器は、既存の長さの流体導管の上流部と下流部との間に配置されていてもよく、既存の長さの流体導管の上流部、水撃防止器、及び、既存の長さの流体導管の下流部は、既存の長さの流体導管の上流部及び下流部並びに水撃防止器に沿って流体連結されていてもよい。
【0015】
幾つかの例において、弾性インサートは、第1の分離弾性インサート部と第2の分離弾性インサート部とを含み、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部は、互いに物理的に当接するように動作可能であり、非効果的な水撃防止を導くことになる弾性インサートの径方向への圧縮を防止し得る。
【0016】
幾つかの例において、弾性インサートは、環状断面を含んでいてもよく、各分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む。
【0017】
幾つかの例において、弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成することが可能である。
【0018】
幾つかの例において、弾性インサートは、剛性を有するポリマーマトリクスと、ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアとを含んでいてもよい。
【0019】
幾つかの例において、ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されていてもよく、ミクロスフェアは、ポリマーマトリクス内に均一に分散されていてもよい。
【0020】
幾つかの例において、ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されていてもよく、ミクロスフェアは、ポリマーマトリクス内に不均一に分散されていてもよい。
【0021】
幾つかの例において、各弾性インサートは、剛性を有するポリマーマトリクスと、ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアと、を含んでいてもよく、ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されていてもよく、弾性インサート部のうちの少なくとも1つの弾性インサート部のポリマーマトリクスの剛性は、他の弾性インサート部の剛性と異なり得る。
【0022】
例示的な水撃防止器システムは、流体導管の上流部と、流体導管の上流部の下流に配置された水撃防止器と、水撃防止器の下流に配置された、流体導管の下流部と、を備えることが可能である。
【0023】
水撃防止器は、外表面及び内表面を有する弾性インサートであって、内表面は、内表面を通して、流体導管の上流部及び下流部の内径にほぼ類似した内径を有する流路を規定する弾性インサートと、弾性インサートの外表面の長さに沿って延びる外殻と、を含んでいてもよく、弾性インサートは、互いに物理的に当接するように動作可能な第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部であって、非効果的な水撃防止を導くことになる弾性インサートの径方向への圧縮を防止する、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含んでいてもよく、弾性インサートは、流れる流体中の、平均静圧を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサートが無ければ、流れる流体中に当該圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止することができ、平均静圧は、約100psig以下である。
【0024】
幾つかの例において、弾性インサートは、環状断面を含んでいてもよく、各分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む。
【0025】
幾つかの例において、弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成し得る。
【0026】
幾つかの例において、水撃防止器システムは水撃防止器の上流端が流体導管の上流部と流体連結するように水撃防止器の上流端に配置され、弾性インサートが流体導管の上流部の中に移動することを阻止する流体入口コネクタと、水撃防止器の下流端が流体導管の下流部と流体連結するように水撃防止器の下流端に配置され、弾性インサートが流体導管の下流部の中に移動することを阻止する流体出口コネクタと、をさらに含んでいてもよい。
【0027】
幾つかの例において、水撃防止器システムは、弾性インサートの内表面の長さだけ延び、流体入口コネクタから流体出口コネクタまでの流体連結を可能にするように動作し得る透過管をさらに含んでいてもよい。
【0028】
幾つかの例において、透過管は、透過管の少なくとも一端に配置されたフランジであって、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能なフランジをさらに含んでいてもよい。
【0029】
幾つかの例において、水撃防止器は、外殻に一体化され、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含むことがさらに可能である。
【0030】
幾つかの例において、水撃防止器は、水撃防止器の上流端に配置された流体入口コネクタと、水撃防止器の下流端に配置された流体出口コネクタと、流体入口コネクタから流体出口コネクタまでの流体連結を可能にするように動作し得る透過管を含む拘束インサートと、をさらに含んでいてもよい。
【0031】
幾つかの例において、水撃防止器は、透過管の一端に配置された、外径を有するフランジをさらに含んでいてもよく、フランジの外径は、外殻の内表面に当接していてもよく、フランジは、弾性インサートを外殻の長さ内に拘束するように動作可能であり得る。
【0032】
幾つかの例において、水撃防止器は、外殻に一体化され、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含んでいてもよい。
【0033】
例示的な流体システムは、外表面を有する弾性インサートを含む水撃防止器を備え、弾性インサートが無ければ、流れる流体中に当該圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止することができる。
【0034】
幾つかの例において、水撃防止器は、弾性インサートの少なくとも一部を支えるように構成された内表面に接続する開口部を有する外殻をさらに含んでいてもよい。
【0035】
幾つかの例において、流体システムは、既存の長さの流体導管をさらに含んでいてもよく、水撃防止器は、既存の長さの流体導管の上流部と下流部との間に配置されていてもよく、既存の長さの流体導管の上流部、水撃防止器、及び、既存の長さの流体導管の下流部は、互いに流体連結されていてもよい。
【0036】
幾つかの例において、弾性インサートは、外表面と、弾性インサート内に空洞を規定する内表面とを接続する開口部をさらに含んでいてもよい。
【0037】
幾つかの例において、弾性インサートは環状断面を含んでいてもよい。
【0038】
幾つかの例において、弾性インサートは、互いに物理的に当接するように動作可能な、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含んでいてもよい。
【0039】
幾つかの例において、弾性インサートは、環状断面を含んでいてもよく、各分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む。
【0040】
幾つかの例において、弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成し得る。
【0041】
幾つかの例において、各弾性インサート部は、剛性を有するポリマーマトリクスと、ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアとを含んでいてもよい。
【0042】
幾つかの例において、ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されていてもよく、ミクロスフェアは、ポリマーマトリクス内に均一に分散されていてもよい。
【0043】
幾つかの例において、ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されていてもよく、ミクロスフェアは、ポリマーマトリクス内に不均一に分散されていてもよい。
【0044】
幾つかの例において、各弾性インサート部は、剛性を有するポリマーマトリクスと、ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアと、を含んでいてもよく、ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧に加圧されていてもよく、少なくとも1つの弾性インサート部のポリマーマトリクスの剛性は、他の弾性インサート部の剛性と異なり得る。
【0045】
例示的な水撃防止器システムは、流体導管の上流部と、流体導管の上流部の下流に配置された水撃防止器と、水撃防止器の下流に配置された、流体導管の下流部と、を備得ていてもよい。水撃防止器は、外表面を有する弾性インサートと、弾性インサートの少なくとも一部を支えるように構成された内表面に接続する開口部を有する外殻と、をさらに含んでいてもよく、弾性インサートは、流れる流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサートが無ければ、流れる流体中に当該圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止することができる。
【0046】
幾つかの例において、弾性インサートは、互いに物理的に当接するように動作可能な、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含んでいてもよい。
【0047】
幾つかの例において、弾性インサートは、環状断面を含んでいてもよく、各分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含んでいてもよい。
【0048】
幾つかの例において、弾性インサートは環状断面を含んでいてもよい。
【0049】
幾つかの例において、弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成し得る。
【0050】
幾つかの例において、水撃防止器システムは、外殻の開口部に配置され、弾性インサートと流体導管との間の接続を提供する流体コネクタをさらに含んでいてもよい。
【0051】
幾つかの例において、流体コネクタは、圧力スパイクに関連付けられた流体、及び、流体導管を流れる流体を受け止めると共に放出するように構成され得る。
【0052】
幾つかの例において、水撃防止器は、外殻に一体化され、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部を含んでいてもよい。
【0053】
幾つかの例において、弾性インサートは、外表面と、空洞を規定する内表面とを接続する開口部をさらに含んでいてもよい。
【0054】
幾つかの例において、水撃防止器システムは、流体導管と水撃防止器との間に配置された流体コネクタと、外殻に一体化され、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部を備える拘束インサートと、をさらに含んでいてもよい。
【0055】
インライン型水撃防止器の例示的な製造方法は、外表面及び内表面を有する弾性インサートを提供する工程であって、内表面は、内表面を通して、弾性インサートの長さに沿って流れる静圧範囲内の流体用の流路を規定し、弾性インサートは、流体中の静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサートが無ければ、流れる流体中に圧力スパイクにより起こったであろう水撃を防止する工程と、弾性インサートの外表面に沿って延びる外殻を提供する工程であって、外殻は、外殻の上流端に近接して配置される一体型の流体コネクタと、内壁とを有している工程と、弾性インサートと流路との間の流体連結を可能にするように動作し得る透過管を含む拘束インサートを提供する工程と、外殻の下流端に配置される分離型の流体コネクタを提供する工程と、拘束インサートを外殻内に挿入する工程と、弾性インサートを流路内に挿入する工程と、分離型の流体コネクタを外殻の下流端に取り付ける工程と、を含んでいてもよい。
【0056】
幾つかの例において、本方法では、外殻の上流端に配置された一体型の流体コネクタは、流路の上流部と流体導管の上流端との間の流体接続を提供するように構成され得る。
【0057】
幾つかの例において、外殻の下流端に配置され得る分離型の流体コネクタは、流路の下流部と流体導管の下流端との間の流体接続を提供する。
【0058】
幾つかの例において、インライン型水撃防止器の拘束インサートは、透過管の少なくとも一端に配置された、外径を有する少なくとも1つのフランジを含み、フランジの外径は、外殻の内表面に当接し、フランジは、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能であり得る。
【0059】
幾つかの例において、インライン型水撃防止器の外殻は、外殻に一体化された拘束部であって、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含んでいてもよい。
【0060】
幾つかの例において、弾性インサートは、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含み、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部は、互いに物理的に当接するように動作可能であり、非効果的な水撃防止を導くことになる弾性インサートの径方向への圧縮を防止し得る。
【0061】
幾つかの例において、弾性インサートは、環状断面を含んでいてもよく、各分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含む。
【0062】
幾つかの例において、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部は、軸方向に分割されたものであってもよい。
【0063】
側方分岐型水撃防止器の例示的な製造方法は、外表面を有する弾性インサートを提供する工程と、弾性インサートの少なくとも一部を支えるように構成された内表面に接続する開口部を有する外殻を提供する工程と、流体コネクタを提供する工程と、弾性インサートを外殻内に挿入する工程と、流体コネクタを外殻の開口部に固定して、流体が弾性インサートの中に及び弾性インサートから外に流れるための流体接続を提供する工程と、を含んでいてもよい。
【0064】
幾つかの例において、本方法は、弾性インサートを外殻内に挿入する工程と、流体が弾性インサートの中に及び弾性インサートから外に流れるように、流体コネクタを外殻の開口部に固定する工程と、をさらに含んでいてもよい。
【0065】
幾つかの例において、弾性インサートは、外表面に配置された開口部であって、空洞を規定する内表面に接続する開口部をさらに含んでいてもよい。
【0066】
幾つかの例において、水撃防止器は、外殻は、外殻に一体化され、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含んでいてもよい。
【0067】
幾つかの例において、弾性インサートは、互いに物理的に当接し合う、第1の分離弾性インサート部と第2の分離弾性インサート部とを含んでいてもよい。
【0068】
幾つかの例において、各分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を含んでいてもよい。
【0069】
幾つかの例において、弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成し得る。
【0070】
幾つかの例において、弾性インサートは環状断面を含んでいてもよい。
【0071】
例示的な水撃防止器では、発泡体ベースの防止器が流水式設計を可能にし、このため、既存及び新規の配管システムに一体化することや、水撃を超える他の流体媒介性騒音を潜在的に低減することに利点を有し得る。発泡体ベースの装置は、側方分岐型及び流水型の構成のいずれにおいても実装可能である。反対に、ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアを含むシンタクチックフォームは、油圧システムにおいて、機械的に堅牢であることが示されており、大気よりも高い圧力に「プリチャージされる」ことが可能であり得る。
【0072】
本開示の技術の他の実装形態、特徴、及び、態様は、本明細書において詳細に説明され、請求及び本開示の技術の一部であると考えられる。これらは、以下の詳細な説明、添付の図面、及び、特許請求の範囲を参照することにより理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0073】
以下に、添付の図面及びフロー図を参照する。図面及びフロー図は、必ずしも原寸通りに示されているものではない。
図1A図1Aは、本明細書に開示されるような、例示的な流体システムを示す分解図である。
図1B図1Bは、本明細書に開示されるような、例示的な流体システムを示す分解図である。
図1C図1Cは、本明細書に開示されるような、例示的な流体システムを示す分解図である。
図1D図1Dは、本明細書に開示されるような、例示的な流体システムを示す分解図である。
図2A図2Aは、本明細書に開示されるような、例示的な水撃防止器を示す断面図である。
図2B図2Bは、本明細書に開示されるような、例示的な水撃防止器を示す断面図である。
図3図3は、本明細書に開示されるような、例示的な水撃防止器を示す側面図である。
図4図4は、本明細書に開示されるような、例示的なインライン型水撃防止器を製造するための方法を示す図である。
図5図5は、本明細書に開示されるような、例示的な側方分岐型水撃防止器を製造するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本明細書に提示される例は、一般的に、弾性インサートを備える水撃防止器を含む流体システムを含む。弾性インサートは、流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサートが無ければ、流れる流体内に当該圧力スパイクにより起こったであろう水撃を効果的に防止する。静圧範囲は、約100ポンド毎平方インチ(psig)以下であり得る。
【0075】
以下に、本開示の技術の幾つかの実装形態を、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。しかしながら、本開示の技術は、多くの異なる形態において実施されてもよく、以下に記載する実装形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0076】
以下の説明において、多くの具体的な詳細事項を説明する。しかし、本開示の技術の実装形態は、これらの特定の詳細事項が無くても実施され得ることは理解されよう。他の例では、この説明の理解を曖昧にしないために、公知の方法、構造、及び、技術については詳細に示していない。「一実装形態」、「実装形態」、「例示的な実装形態」、「幾つかの実装形態」、「特定の実装形態」、「様々な実装形態」等という記載は、本開示の技術の、そのように記載される実装形態が、特定の特徴、構造、又は、特性を含み得るが、全ての実装形態が必ずしもこの特定の特徴、構造、又は、特性を含んでいないことを示している。さらに、「一実装形態」という表現を繰り返し使用することは、同じ実装形態を指すものであってもよいが、必ずしも同じ実装形態を指しているわけではない。
【0077】
明細書及び特許請求の範囲を通して、以下の用語は、文脈が明らかに他のことを示していない限り、少なくとも、当該箇所において明らかに関連する意味を有する。用語「又は」は、包括的な「又は」を意味することが意図される。さらに、用語「1つの(a)、(an)」、及び、「その(the)」は、他に特定されない限り、又は、文脈から単独の形態を指すことが明確でない限り、1つ又は複数を意味することが意図される。
【0078】
他に特定されない限り、順序を示す形容詞である「第1の」、「第2の」、「第3の」等を使用して一般的な対象物を記載することは、単に、同様の対象物の別の例が言及されていることを示すものであり、そのように記載される対象物が、時間的、空間的、順位付けにおいて、又は、他の方法において、規定の順番にあるべきであることを示唆することは意図されてない。
【0079】
図1Aは、流体システム100を示す図である。流体システム100は、水撃防止器100a、上流流体導管101a(つまり、流体導管の上流部)、及び、下流流体導管101b(つまり、流体導管の下流部)を含み得る。上流流体導管101a及び下流流体導管101bは、当業者に公知の配管金具、衛生器具、コネクタ、調整器、弁、及び/又は、パイプであり得る。一例において、流体導管101a及び101bは、流体を、約100psig以下であり得る静圧範囲において輸送するように構成されていてよい。例として、静圧範囲は、約90psig~約100psigといった区間であり得る。他の例では、静圧範囲は、100psigといった単一の数値であり得る。他の例では、静圧範囲は、500psig±10%、又は、500psig±50psigといった、閾値圧力の許容範囲内の数値であり得る。例として、流体導管101a及び101bは、およそ160psigの全圧(つまり、静圧範囲に圧力スパイクを加算した圧力)に耐えるように構成されていてもよい。流体導管101a及び101bは、例えば、米国衛正技術協会(American Society of Sanitary Engineers、ASSE)又は類似の規制当局によって公開されているコードといった、適用可能な規制コードにしたがった寸法、構成、及び/又は、動作が可能であってよい。水撃防止器100aは、弾性インサート102、外殻104、拘束インサート106、流体入口コネクタ108、流体出口コネクタ110、上流端112、及び、下流端114を含むことが可能である。水撃防止器100aは、米国衛正技術協会(ASSE)又は類似の規制組織によって公開されているコードといった適用可能な規制コードにしたがった寸法、構成、及び/又は、動作が可能であってよい。例として、水撃防止器100aは、およそ160psig以下の全圧(つまり、静圧範囲に圧力スパイクを加算した圧力)を制限するように構成されていてよい。流体導管101a及び101bは、それぞれ、流体を水撃防止器100aの中に及び/又は水撃防止器100aから外に輸送するように動作可能であり得る。
【0080】
図1Bを参照すると、弾性インサート102は、流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサート102が無ければ、圧力スパイクにより流体中に起こったであろう水撃の効果的な防止を提供する。静圧範囲は、約100psig以下である。弾性インサート102は、剛性を有するポリマーマトリクスから構成されていてよい。ポリマーマトリクスの剛性は、シンタクチックフォームの剛性と類似していることが可能であり、これについては当業者であれば理解できるであろう。ポリマーマトリクスは、例えば、ウレタン又はシリコーンゴムであり得る。ポリマーマトリクスは、ポリマーマトリクス内に分散されたミクロスフェアを含み得る。ミクロスフェアは、0.1MPa以上の内圧を有していてもよい。追加的又は選択的に、ミクロスフェアは、ポリマーマトリクス中に均一に分散されていてもよい。追加的又は選択的に、ミクロスフェアは、ポリマーマトリクス中に不均一に分散されていてもよい。弾性インサート102は、円筒形、立方形、球体、パターン形、及び/又は、非対称形を有していることが可能である。弾性インサート102は、環状、固形、ハチの巣状、及び/又は、立方形の断面を有していてもよい。追加的又は選択的に、弾性インサート102の断面は、非対称形、及び/又は、パターン形であり得る。
【0081】
追加的又は選択的に、弾性インサート102は、2つ以上の分離弾性インサート部、例えば、第1の分離弾性インサート部102a及び第2の分離弾性インサート部102bに分割され得る。第1の分離弾性インサート部102aは、物理的に、第2の分離弾性インサート部102bに当接していることが可能である。弾性インサート102は、断面方向、軸方向、及び/又は、対角線方向に分割可能である。この分割体は、曲線状、及び/又は、直線状の切断部を有し得る。追加的又は選択的に、この弾性インサート102を第1の弾性インサート部102a及び第2の弾性インサート部102bに分割する切断部は、弾性インサート部102の外表面102cに沿っていてもよい。弾性インサート102を外表面102cに沿って分割することは、第1の弾性インサート部102aと第2の弾性インサート部102bとの間が直接接続されないことにより、各弾性インサート部102a、102bの径方向における圧縮が低減され得るため、好都合であり得る。これは、径方向の圧縮が防止器の性能を低下させる可能性があるため、望ましいことである。
【0082】
追加的又は選択的に、各分離弾性インサート部は、異なるポリマーマトリクス、ミクロスフェア分散体、ミクロスフェア内圧、及び/又は、剛性を有していてよい。分散及び加圧されたミクロスフェアを有するポリマーマトリクスを有することは、水撃イベント中に、ポリマーマトリクスが圧力スパイクの一部を吸収し、これをポリマーマトリクスの機械的な変位に変換することができるため、好都合であり得る。加えて、加圧されたミクロスフェアは、その内圧よりも大きい圧力下で圧縮することにより、圧力スパイクの一部をさらに吸収する。さらに、一般的なポリマー発泡体材料は、WHA装置において使用できるほど十分に機械的堅牢性を有していない場合が多く、それらの孔隙が自由ピストン装置における圧力よりも低い初期ガス圧力であるため、体積において欠点を有している。
【0083】
追加的又は選択的に、弾性インサート102は、内表面102dを含むことが可能であり、内表面102dは、これを通して、弾性インサート102の長さに沿って流れる流体用の流路102f(つまり、空洞)を規定し得る。弾性インサート102は、外表面102cを内表面102dに接続する少なくとも1つの開口部102eを含むことが可能である。追加的又は選択的に、流路102fは、空洞を規定可能な、内表面102dに接続する第1の開口部102eを含んでいてもよい。追加的又は選択的に、流路102fは、外表面102cを内表面102dに接続するように動作し得る第2の開口部を含んでいてもよい。追加的又は選択的に、弾性インサート102の外表面102cは、外表面102cと外殻104との間に、弾性インサート102の長さに沿って流れる流体用の流路を規定し得る。これについては、図2Bに詳細に説明する通りである。追加的又は選択的に、弾性インサート102は、外殻104内でこれと同軸で揃えられていることが可能である。
【0084】
図1Cを参照すると、外殻104は、内表面104aと開口部104bとを有することが可能である。追加的又は選択的に、外殻104は、外殻104に一体化された拘束部104cを有することが可能であり、拘束部104cは、弾性インサート102を外殻104内に拘束して、流体出口コネクタ110の閉塞を妨げるように動作可能である。拘束部104cは、小塊、爪、突起、パターン、及び/又は、直径が小さくなる機構のうちの1つ又はそれ以上であり得る。外殻104は、PVCといったプラスチック、及び/又は、銅といった金属から製造されていることが可能であり、100psigを超える圧力に耐えるように動作可能であり得る。
【0085】
図1Dを参照すると、拘束インサート106は、第1の端部106b及び第2の端部106cを有する透過管106aを含むことが可能である。透過管106a(つまり、透過ケージ)は、流体が弾性インサートに移動すること、及び、弾性インサートから移動することを許容するように動作し得る多数の孔、スロット、及び/又は、他の細孔を含むことが可能である。追加的又は選択的に、透過管106aは、流体が弾性インサート102の中に、及び、弾性インサート102から拡散することを許容するように動作し得る透過膜であり得る。例えば、透過管106aは、弾性インサート102によって少なくとも部分的に取り囲まれていることが可能である。他の例では、透過管106aは、弾性インサート102を少なくとも部分的に取り囲んでいてもよい。追加的又は選択的に、透過管106aは、第1の端部106b又は第2の端部106cのうちの少なくとも1つに、第1のフランジ106dを含むことが可能である。第1のフランジ106dは、弾性インサート102を外殻104内に拘束して、弾性インサート102が流体出口コネクタ110に詰まらないように動作可能であり得る。追加的又は選択的に、透過管106aは、第1の端部106b又は第2の端部106cのうちの少なくとも1つに、第2のフランジ106eを含んでいてもよい。第2のフランジ106eは、弾性インサート102を外殻104内に拘束して、弾性インサート102が流体入口コネクタ108に詰まらないように動作可能であり得る。第1のフランジ106d及び第2のフランジ106eのうちの少なくとも1つは、外殻104内に収まるように構成された外径D1を有していてもよい。拘束インサート106は、PVCといったプラスチック、及び/又は、銅といった金属から製造可能である。
【0086】
図1Aに戻ると、流体入口コネクタ108は、水撃防止器100aの上流端112上に配置されていることが可能であり、水撃防止器100aの上流端112を上流流体導管101aに接続すると共に、弾性インサート102が上流流体導管101aの中に移動することを阻止する。流体入口コネクタ108は、上流流体導管101aを支えるように構成されたネジ部を含むことが可能である。当業者であれば、このネジが、管用ネジの既存の規格、例えば管用ネジの米国標準規格(NPT)に適合し得ることは理解されよう。流体入口コネクタ108は、金属、及び/又は、プラスチックから製造可能である。一例では、流体入口コネクタ108は、外殻104と一体化されていてもよい。一例では、流体入口コネクタ108は、外殻104から分離されていてもよい。流体入口コネクタ108は、PVCといったプラスチック、及び/又は、銅といった金属から製造可能である。
【0087】
流体出口コネクタ110(つまり流体コネクタ)は、水撃防止器100aの下流端114上に配置されていることが可能であり、水撃防止器100aの上流端114を下流流体導管101bに接続すると共に、弾性インサート102が下流流体導管101bの中に移動することを阻止する。流体出口コネクタ110は、下流流体導管101bを支えるように構成されたネジ部を含むことが可能である。当業者であれば、このネジが、管用ネジの既存の規格、例えば管用ネジの米国標準規格(NPT)に適合し得ることは理解されよう。流体出口コネクタ110は、金属、及び/又は、プラスチックから製造可能である。一例では、流体出口コネクタ110は、外殻104と一体化されていてもよい。一例では、流体出口コネクタ110は、外殻104から分離されていてもよい。追加的又は選択的に、流体入口コネクタ108及び流体出口コネクタ110は、流体が流体導管101a及び101bに受け止められるように、及び、流体導管101a及び101bから放出されるように動作し得る単一のコネクタであり得る。流体出口コネクタ110は、PVCといったプラスチック、及び/又は、銅といった金属から製造可能である。
【0088】
図2Aは、例示的な水撃防止器100aを示す断面図である。水撃防止器100aは、例えば、第1の分離弾性インサート部102aと第2の分離弾性インサート部102bとを含む弾性インサート102を含むことが可能である。第1の分離弾性インサート部102a及び第2の分離弾性インサート部102bは、それぞれ、部分的に環状の断面を有し得るように構成されていてよく、すなわち、互いに物理的に当接するように構成されている場合に、環状断面を形成する。流路102fは、内径D2を有していることが可能である。内径D2は、上流流体導管101a及び/又は下流流体導管101bの内径と類似した寸法を有し得る。透過管106aは、弾性インサート102によって取り囲まれていてもよい。
【0089】
図2Bは、例示的な水撃防止器を示す断面図である。透過管106a(つまり、透過ケージ)は、弾性インサート102の外表面102cを取り囲んでいてもよい。流路102fは、外殻104の内表面104aと弾性インサート102の外表面102cとの間に規定され得る。弾性インサート102は、拘束インサート106の第1のフランジ106d及び/又は第2のフランジ106e、及び/又は、一体型の拘束部104cを利用することによって、外殻104内において心合わせされ得る。
【0090】
図3は、例示的な側方分岐型水撃防止器100bを示す側面図である。側方分岐型水撃防止器100bは、弾性インサート102、外殻104、及び、流体コネクタ110(つまり、上述の流体出口コネクタ110)を含むことが可能である。側方分岐型水撃防止器100bは、米国衛正技術協会(ASSE)又は類似の規制組織によって公開されているコードといった適用可能な規制コードにしたがった寸法、構成、及び/又は、動作が可能であってよい。例として、側方分岐型水撃防止器100bは、およそ160psig以下の全圧(つまり、静圧範囲に圧力スパイクを加算した圧力)を制限するように構成されていいてよい。弾性インサート102は、外殻104内に配置されていてよい。流体コネクタ110は、流体が弾性インサート102の中に、及び、弾性インサート102から外に流出することを許容するように動作可能であり得る。
【0091】
図4は、例示的なインライン型水撃防止器を製造するための方法300を示す図である。ブロック302において、本方法は、外表面及び内表面を有する弾性インサートを提供する工程を含み得る。内表面は、これを通して、流体が弾性インサートの長さに沿って流れるための流路を規定し、弾性インサートは、流体中の、静圧範囲を超える圧力スパイクを軽減するように動作可能であり、弾性インサートが無ければ、流体中に当該圧力スパイクにより起こったであろう水撃を防止することができる。追加的又は選択的に、弾性インサートは、互いに物理的に当接するように動作し得る第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含むことが可能であり、これによって、非効果的な水撃防止を導き得る弾性インサートの径方向への圧縮を阻止することができる。追加的又は選択的に、弾性インサートは、実質的に環状断面を有していてもよい。追加的又は選択的に、幾つかの分離弾性インサート部は、それぞれ、部分的に環状の断面を有していてもよい。追加的又は選択的に、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部は、軸方向に分割されたものであってもよい。
【0092】
ブロック304において、本方法は、弾性インサートの外表面に沿って延びる外殻を提供する工程を含み得る。外殻は、外殻の上流端に近接して配置された一体型の流体コネクタと内壁とを有している。追加的又は選択的に、外殻の上流端に配置された一体型の流体コネクタは、流路の上流部と流体導管の上流端との間の流体接続を提供するように構成されていてもよい。追加的又は選択的に、外殻は、外殻に一体化されて、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部を含んでいてもよい。ブロック306において、本方法は、弾性インサートと流路との間の流体連結を可能にするように動作し得る透過管を含む拘束インサートを提供する工程を含み得る。ブロック308において、本方法は、外殻の下流端に配置される分離型の流体コネクタを提供する工程を含み得る。追加的又は選択的に、外殻の下流端に配置される分離型の流体コネクタは、流路の下流部と流体導管の下流端との間の流体接続を提供する。
【0093】
ブロック310において、本方法は、拘束インサートを外殻の中に挿入する工程を含み得る。追加的又は選択的に、拘束インサートは、外径を有すると共に透過管の少なくとも一端に配置された少なくとも1つのフランジを含むことが可能である。このフランジの外径は、外殻の内表面に当接可能であり、フランジは、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能であり得る。ブロック312において、本方法は、弾性インサートを外殻の中に挿入する工程を含み得る。ブロック314において、本方法は、分離型の流体コネクタを外殻の下流端に取り付ける工程を含み得る。
【0094】
図5は、例示的な側方分岐型水撃防止器を製造するための方法400を示す図である。ブロック402において、本方法は、外表面を有する弾性インサートを提供する工程を含み得る。弾性インサートは、外表面に配置された開口部であって空洞を規定する内表面に接続した開口部を含み得る。追加的又は選択的に、弾性インサートは、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を含んでいてもよい。各分離弾性インサート部は、互いに物理的に当接するように動作し得る。追加的又は選択的に、各分離弾性インサート部は、部分的に環状の断面を有していてもよい。追加的又は選択的に、弾性インサートは、軸方向に分割されて、第1の分離弾性インサート部及び第2の分離弾性インサート部を形成し得る。追加的又は選択的に、弾性インサートは、実質的に環状断面を有し得る。
【0095】
ブロック404において、本方法は、弾性インサートの少なくとも一部を支えるように構成された内表面に接続する開口部を有する外殻を提供する工程を含み得る。追加的又は選択的に、外殻は、外殻に一体化されて、弾性インサートを外殻内に拘束するように動作可能な拘束部をさらに含んでいてもよい。ブロック406において、本方法は、流体コネクタを提供する工程を含み得る。ブロック408において、本方法は、弾性インサートを外殻の中に挿入する工程を含み得る。ブロック410において、本方法は、流体コネクタを外殻の開口部に固定して流体が弾性インサートの中に及び弾性インサートから外に流れるための流体接続を提供する工程を含み得る。
【0096】
一例では、水撃防止器は、堅牢な外殻、及び、環状孔を有する円筒形の柔軟ライナーを含むことが可能である。防止器のこのライナー部と主要な流体経路との間の首状部分は、主要流路の直径と同じ大きさであり得る。ANSI/ASSE規格1010-2004は、水撃防止器に適用可能であり、当該規格と一致するものとして分類されるためには、最大許容ダイナミック超過圧力が、1MPa(150psig)以下に制限されるべきであることを特定している。
【0097】
一例では、水撃防止器は、円筒形の圧力含有シェル内の、中心管を有するライナーとして構成された発泡材料を含むことが可能である。しかしながら、加圧下において、円筒形の発泡体は、径方向に圧縮して、支持管に負荷を与え、性能の低下や潜在的なトラップ圧力を生じさせる。発泡材料は、1つ以上の軸方向分割部に分割されており、円周方向における材料の継続性が必要ないため、発泡体の径方向の圧縮が回避され、性能を低下させる動作を排除する。
【0098】
一例では、水撃防止器は、軸方向に分割されたシンタクチックフォームを使用する。シンタクチックフォームは、ミクロスフェアが埋め込まれた(ウレタンといった)ホストマトリクスから成ることが可能である。ミクロスフェアは、気圧よりも高い圧力の気体で充填され得る。加圧下において、ミクロスフェアは曲がって、気体自体を保持しながら、材料の剛性を低減させる。加えて、ミクロスフェアの高い体積分率(典型的には50%)により、粒子の細かい微細構造を有する材料が得られ、ホスト材料も、コンプライアンスに貢献する。これについては、肉眼的に分割されたシンタクチックフォームのライナーは、従来の発泡体よりも高い静圧に対してコンプライアンスを維持する。この分割により、圧力トラップ及びライナーの径方向の崩壊が妨げられ、水撃防止器は、変動するシステム圧力に亘ってその意図される機能を行う。
【0099】
本開示の技術の特定の技法及び方法を、現在最も実用的な実装形態であると考えられることに関連して説明してきたが、本開示の技術は、開示された実装形態に限定されるものではなく、その反対に、添付の特許請求の範囲に含まれる様々な変形例及び同等の形態を網羅することが意図されていることは理解されよう。ここで特定の用語を使用したが、これらは、一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定するために使用するものではない。
【0100】
本明細書では、例を用いて、ベストモードを含む本開示の技術の特定の実装形態を開示し、また、当業者が、任意の装置又はシステムを作成および使用し、組み込まれた任意の方法を実行することを含め、本開示の技術の特定の実装形態を実施できるようにする。本開示の技術の特定の実装形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲で定義されており、当業者が思い付く他の例を含んでいてもよい。そのような他の例は、特許請求の範囲の字義どおりの構造要素を持っている場合、または特許請求の範囲の字義と実質的な違いを持たない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】