(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】車両用の六脚充電ステーションを備えた充電インフラストラクチャ
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220629BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20220629BHJP
B60L 53/35 20190101ALI20220629BHJP
B25J 9/12 20060101ALI20220629BHJP
B25J 11/00 20060101ALI20220629BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20220629BHJP
B25J 17/00 20060101ALI20220629BHJP
B25J 17/02 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B60L53/16
B60L53/35
H02J7/00 P
B25J9/12
B25J11/00 D
B25J13/08
B25J13/08 A
B25J17/00 K
B25J17/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021564114
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 NL2020050266
(87)【国際公開番号】W WO2020222640
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521468682
【氏名又は名称】ロクシス ビー.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】ROCSYS B.V.
【住所又は居所原語表記】Delftweg 65,2289 BA Rijswijk,the Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】ファン デア ヴェイデ,ヨハネス オーステン
【テーマコード(参考)】
3C707
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3C707BS24
3C707CY32
3C707HS27
3C707HT11
3C707JT05
3C707JT09
3C707KS28
3C707KS33
3C707KT01
3C707KT05
3C707KX07
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3C707LV17
3C707MS03
3C707MS27
3C707MT01
3C707MT11
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC22
5H125BE02
5H125DD02
5H125FF12
5H125FF14
(57)【要約】
本発明は、車両側充電インターフェース(20)を有する車両を充電するための充電ステーション(1)を含む充電インフラストラクチャに関し、充電ステーション(1)は、車両側充電インターフェース(20)との充電接続を確立するためのロボット側充電インターフェース(100)を搭載するロボット(50)を含み、ロボットは、ベース・フレーム(51)、ロボット側充電インターフェースを搭載する可動キャリア(60)、ベース・フレームと可動キャリアとの間の、ベース・フレームに対して少なくとも3自由度で可動キャリアを移動させる機構を形成する少なくとも3つの変位アセンブリ(71~76)を含み、変位アセンブリは、アクチュエータ(80)と、コンプライアンス・ストロークまたは角度にわたってアクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放するためにアクチュエータおよびロボット側充電インターフェースと直列のコンプライアンス・アセンブリ(90)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電インフラストラクチャであって、
- 車両側充電インターフェースを有する車両を充電するための充電ステーションを含み、前記充電ステーションは、
- 前記車両側充電インターフェースとの充電接続を確立するためのロボット側充電インターフェースを搭載するロボットを含み、前記ロボットは、
- ベース・フレームと、
- 前記ロボット側充電インターフェースを搭載した可動キャリアと、
を含む、充電インフラストラクチャにおいて、
- 前記ベース・フレームに対して少なくとも3自由度で前記可動キャリアを移動する機構を形成する、前記ベース・フレームと前記可動キャリアとの間の少なくとも3つの変位アセンブリであって、
- 前記変位アセンブリは、変位ストロークにわたって前記ベース・フレームと前記可動キャリアとの間に変位を課すように、または変位角度にわたって前記ベース・フレームに対して前記可動キャリアの回転を課すように構成されたアクチュエータを含み、前記ロボットは、
- アクチュエータおよび前記ロボット側充電インターフェースと直列の少なくとも1つのコンプライアンス・アセンブリであって、
- コンプライアンス・ストロークにわたって前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放するように、または変位角にわたって前記ベース・フレームに対する前記可動キャリアの回転を弾性的に吸収または解放するように構成され、前記コンプライアンス・ストロークの長さは少なくとも5ミリメートルであるか、または前記コンプライアンス回転の角度は少なくとも1度である、コンプライアンス・アセンブリを含む、変位アセンブリを特徴とする、充電インフラストラクチャ。
【請求項2】
前記ロボットは、前記ベース・フレームと前記可動キャリアとの間に六脚機構を形成して、前記可動キャリアを6自由度で移動させる6つの変位アセンブリを含む、請求項1に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項3】
各変位アセンブリは、前記ロボット側充電インターフェースと前記可動キャリアとの間のアクチュエータと直列のコンプライアンス・アセンブリを含む、請求項1または2に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項4】
前記充電ステーションは、アクチュエータおよび前記ロボット側充電インターフェースと直列の複数のコンプライアンス・アセンブリを含み、これらのコンプライアンス・アセンブリは、前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放する相互に異なる機械的インピーダンスを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項5】
前記変位アセンブリは、第1の結合を介して前記ベース・フレームに接続された一方の側にあり、前記変位アセンブリは、第2の結合を介して前記可動キャリアに接続された反対側にあり、前記アクチュエータは、前記コンプライアンス・アセンブリと直列の直線運動アクチュエータである、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項6】
前記第1の結合および/または前記第2の結合がユニバーサル・ジョイントである、請求項5に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項7】
前記コンプライアンス・ストロークの長さが前記変位ストロークの少なくとも50%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項8】
前記コンプライアンス・アセンブリが、前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の規定された位置にバイアスされる、請求項1から7のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項9】
前記コンプライアンス・アセンブリは、前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の閾値負荷を超えた後、前記コンプライアンス・ストロークにわたって前記変位を弾性的に吸収するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項10】
前記ロボット側充電インターフェースおよび前記車両側充電インターフェースは、確立された充電接続をロックおよびロック解除するためのロック機構を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項11】
前記充電ステーションは、前記充電ステーションの動作を制御するための電子制御システムを含み、前記電子制御システムは、前記アクチュエータに接続された電子制御装置を含み、前記電子制御装置は、前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、前記電子制御システムは、アクチュエータの前記位置または動きを決定するための前記電子制御装置に接続されたセンサ、および/またはコンプライアンス・ストロークを決定するため、もしくはコンプライアンス・アセンブリに作用する力もしくは負荷を決定するための前記電子制御装置に接続されたセンサ、および/または前記ロボット側充電インターフェースと前記可動キャリアとの間に作用する力もしくは負荷を決定するための、前記電子制御装置に接続された前記可動キャリアと前記ロボット側充電インターフェースとの間のセンサを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項12】
前記電子制御装置は、コンプライアンス・アセンブリのコンプライアンス・ストロークを検出するように、および前記コンプライアンス・ストロークの前記検出に応答して前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、ならびに/または、前記電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて前記ロボット側充電インターフェースの衝突を決定するように構成され、ならびに/または、前記電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、前記ロボット側充電インターフェースと前記車両側充電インターフェースとの間の物理的接触を決定するように構成され、ならびに/または前記電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、前記ロボット側充電インターフェースと前記車両側充電インターフェースとの間の不整合を決定するように構成され、ならびに/または、前記電子制御装置は、前記ロボット側充電インターフェースと前記車両側充電インターフェースとの間の前記不整合を少なくとも部分的に修正するために、前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成される、請求項11に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項13】
前記電子制御システムは、前記電子制御装置に接続された画像化検出器を含み、前記電子制御装置は、前記充電ステーション内の前記車両側充電インターフェースの前記空間位置を決定し、それに応じて前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、前記ロボット側充電インターフェースを前記車両側充電インターフェースに移動して、前記充電接続を確立し、および/または、前記電子制御装置は、前記充電ステーション内の前記ロボット側充電インターフェースの前記空間位置を決定し、それに応じて前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、前記ロボット側充電インターフェースを前記車両側充電インターフェースに移動して、前記充電接続を確立する、請求項10、11または12に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項14】
前記電子制御装置の構成または遠隔制御のために前記電子制御システムに接続された、前記充電ステーションから離れたコンピュータ・サーバを含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項15】
充電インフラストラクチャの充電ステーション内の車両側充電インターフェースを有する車両を充電するための方法であって、請求項1から14のいずれかに記載の充電インフラストラクチャの使用を含む、方法。
【請求項16】
充電ステーションに請求項15に記載の方法を実行させるように適合されたコンピュータ実行可能命令を有する、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特に乗用車などの電動車両を充電するための充電ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両は、バッテリー充電器に接続して頻繁に充電する必要がある。近年、例えば、遠隔制御アームの電気接点で係合できる充電コネクタを車両の下部または屋根に実装することによって、接続の確立を自動化するための多くの試みがなされてきた。
【0003】
既知のソリューションの欠点は、適用される特定の充電コネクタが特定のインフラストラクチャを必要とし、現地の法律の下で承認が必要なため、様々な車両や国で使用できないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、標準化された車両側充電インターフェースとの充電接続を自動的に行うことができる充電ステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、車両側充電インターフェースを有する車両を充電するための充電ステーションを含む充電インフラストラクチャを提供し、充電ステーションは、車両側充電インターフェースとの充電接続を確立するためのロボット側充電インターフェースを搭載するロボットを含み、ロボットは、ベース・フレーム、ロボット側充電インターフェースを搭載する可動キャリア、およびベース・フレームと可動キャリアとの間の、ベース・フレームに対して少なくとも3自由度で可動キャリアを移動させる機構を形成する少なくとも3つの変位アセンブリを含み、変位アセンブリは、変位ストロークにわたってベース・フレームと可動キャリアとの間に変位を課すように、または変位角度にわたってベース・フレームに対して可動キャリアの回転を課すように構成されたアクチュエータを備え、ロボットは、アクチュエータおよびロボット側充電インターフェースと直列の少なくとも1つのコンプライアンス・アセンブリを備え、これは、コンプライアンス・ストロークにわたってアクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放するように、または変位角にわたってベース・フレームに対する可動キャリアの回転を弾性的に吸収または解放するように構成され、コンプライアンス・ストロークの長さは少なくとも5ミリメートルであるか、またはコンプライアンス回転の角度は少なくとも1度、すなわち+/-0.5度である。
【発明の効果】
【0006】
本発明による充電インフラストラクチャは、変位アセンブリによって形成された機構を有するロボットを備えた充電ステーションを含み、ロボットの充電インターフェースを少なくとも3自由度で車両側充電インターフェースに移動させる。1つまたは複数のコンプライアンス・アセンブリは、アクチュエータの変位ストロークの一部の吸収を可能にする。これにより、ロボット側充電インターフェースを制御された方法で、ただしコンプライアンスで移動できるようになり、適切に位置合わせされていない場合でも、充電インターフェースの適切な係合が容易になる。これにより、充電インターフェースを既存の法的に承認されたコネクタとして実装できる。
【0007】
一実施形態では、ロボットは、ベース・フレームと可動キャリアとの間に六脚機構を形成して、可動キャリアを6自由度で移動させる6つの変位アセンブリを備える。
【0008】
一実施形態では、各変位アセンブリは、アクチュエータと直列のコンプライアンス・アセンブリを含み、それにより、コンプライアンスは、アクチュエータによって提供されるのと同じ自由度で提供することができる。
【0009】
一実施形態では、ロボットは、ロボット側充電インターフェースと可動キャリアとの間にコンプライアンス・アセンブリを備える。
【0010】
一実施形態では、充電ステーションは、アクチュエータおよびロボット側充電インターフェースと直列の複数のコンプライアンス・アセンブリを含み、これらのコンプライアンス・アセンブリは、アクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放する相互に異なる機械的インピーダンスを有する。機械的インピーダンスは、例えば、ばねの剛性である。異なる機械的インピーダンスは、例えば、ロボットに存在する様々な構成要素の異なる個々の重量に続く不均一な重量分布を補償するために使用することができる。
【0011】
一実施形態では、変位アセンブリは、第1の結合を介してベース・フレームに接続された一方の側にあり、変位アセンブリは、第2の結合を介して可動キャリアに接続された反対側にあり、アクチュエータは、コンプライアンス・アセンブリと直列の直線運動アクチュエータである。これらの変位アセンブリは、ベース・フレームと可動キャリアの間に細長い脚を形成し得る。
【0012】
その一実施形態では、第1の結合および/または第2の結合はユニバーサル・ジョイントである。
【0013】
一実施形態では、コンプライアンス・ストロークの長さは、変位ストロークの少なくとも1%である。
【0014】
一実施形態では、コンプライアンス・ストロークの長さは、変位ストロークの少なくとも5%である。
【0015】
一実施形態では、コンプライアンス・ストロークの長さは、変位ストロークの少なくとも10%である。
【0016】
一実施形態では、コンプライアンス・ストロークの長さは、変位ストロークの最大50%である。
【0017】
一実施形態では、コンプライアンス・ストロークの長さは、変位ストロークの最大100%である。
【0018】
一実施形態では、コンプライアンス・アセンブリは、アクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の規定された位置にバイアスされる。
【0019】
一実施形態では、コンプライアンス・アセンブリは、アクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の閾値負荷を超えた後、コンプライアンス・ストロークにわたって変位を弾性的に吸収するように構成される。これらの特徴により、各変位アセンブリのアクチュエータの位置からベース・フレームと可動キャリアの間の距離を決定できる。これから、ロボット側充電インターフェースの空間位置を決定できる。
【0020】
一実施形態では、ロボット側充電インターフェースおよび車両側充電インターフェースは、安全規定として確立された充電接続をロックおよびロック解除するためのロック規定を備えている。
【0021】
一実施形態では、充電ステーションは、異なるタイプの車両側充電インターフェースとの充電接続を確立するための異なるタイプのロボット側充電インターフェースを含み、それにより、異なる車両側充電インターフェースを有する異なる車両を同じステーションで充電することができる。
【0022】
一実施形態では、充電ステーションは、充電ステーションの動作を制御するための電子制御システムを備える。
【0023】
一実施形態では、電子制御システムは、アクチュエータに接続された電子制御装置を含み、電子制御装置は、アクチュエータによる変位を制御するように構成される。
【0024】
その一実施形態では、電子制御システムは、アクチュエータの位置または動きを決定するために電子制御装置に接続された第1のセンサを備える。
【0025】
その一実施形態では、第1のセンサがアクチュエータに取り付けられている。
【0026】
一実施形態では、電子制御システムは、電子制御装置に接続された画像化検出器を含み、電子制御装置は、充電ステーション内の車両側充電インターフェースの空間位置を決定し、それに応じてアクチュエータによる変位を制御するように構成され、充電接続を確立するために、ロボット側充電インターフェースを車両側充電インターフェースに向かって移動する。
【0027】
一実施形態では、電子制御装置は、コンプライアンス・アセンブリのコンプライアンス・ストロークを検出し、コンプライアンス・ストロークの検出に応答してアクチュエータによる変位を制御するように構成される。この制御機能により、例えば、アクチュエータを作動させて、ロボット側充電インターフェースを車両側充電インターフェースに対して一時的に高い力で押して、正しい充電接続を確立することができる。
【0028】
一実施形態では、電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいてロボット側充電インターフェースの衝突を決定するように構成される。これは人間との衝突である可能性があり、電子制御システムはすべてのアクチュエータを格納することによって応答し得る。
【0029】
一実施形態では、電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、ロボット側充電インターフェースと車両側充電インターフェースとの間の物理的接触を決定するように構成される。
【0030】
一実施形態では、電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、ロボット側充電インターフェースと車両側充電インターフェースとの間の不整合を決定するように構成される。
【0031】
一実施形態では、電子制御装置は、ロボット側充電インターフェースと車両側充電インターフェースとの間の不整合を少なくとも部分的に修正するために、アクチュエータによる変位を制御するように構成される。
【0032】
一実施形態では、電子制御システムは、コンプライアンス・ストロークを決定するため、またはコンプライアンス・アセンブリに作用する力または負荷を決定するために、電子制御装置に接続された第2のセンサを備える。
【0033】
一実施形態では、第2のセンサは、コンプライアンス・アセンブリに取り付けられている。
【0034】
一実施形態では、電子制御システムは、ロボット側充電インターフェースと可動キャリアとの間に作用する力または負荷を決定するために、電子制御装置に接続された可動キャリアとロボット側充電インターフェースとの間に第3のセンサを備える。
【0035】
一実施形態では、充電インフラストラクチャは、電子制御装置の構成または遠隔制御のために電子制御システムに接続された、充電ステーションから離れたコンピュータ・サーバを含む。
【0036】
第2の態様によれば、本発明は、充電インフラストラクチャの充電ステーション内の車両側充電インターフェースを有する車両を充電するための方法を提供し、充電ステーションは、車両側充電インターフェースとの充電接続を確立するためのロボット側充電インターフェースを搭載するロボットを含み、ロボットは、ベース・フレーム、ロボット側充電インターフェースを搭載する可動キャリア、およびベース・フレームと可動キャリアとの間の少なくとも3つの変位アセンブリを備え、これらは、可動キャリアをベース・フレームに関して、少なくとも3自由度で動かす機構を形成する。変位アセンブリは、変位ストロークにわたってベース・フレームと可動キャリアとの間に変位を課すように構成されたアクチュエータを備える。ロボットは、アクチュエータと直列の少なくとも1つのコンプライアンス・アセンブリと、コンプライアンス・ストロークにわたってアクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放するように構成されたロボット側充電インターフェースとを備える。この方法では、1つまたは複数のリニア・アクチュエータが、変位ストロークにわたってベース・フレームと可動キャリアとの間に変位を課して、ロボット側充電インターフェースを車両側充電インターフェースに向かって移動させる。コンプライアンス・アセンブリの1つまたは複数は、コンプライアンス・ストロークにわたってアクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放する。
【0037】
一実施形態では、コンプライアンス・ストロークの長さは少なくとも1ミリメートルである。
【0038】
一実施形態では、コンプライアンス・ストロークの長さは、変位ストロークの最大100%である。
【0039】
一実施形態では、コンプライアンス・アセンブリは、アクチュエータとロボット側充電インターフェースとの間の閾値負荷を超えた後、コンプライアンス・ストロークにわたって変位を弾性的に吸収するように構成され、この方法では、可動キャリアは、閾値負荷を超えるまでアクチュエータによって課される変位に従い、それによってコンプライアンス・ストロークが行われる。
【0040】
一実施形態では、充電ステーションは、充電ステーションの動作を制御するための電子制御システムを含み、電子制御システムは、アクチュエータに接続された電子制御装置を含み、この方法では、電子制御装置は、アクチュエータによる変位を制御する。
【0041】
一実施形態では、電子制御システムは、電子制御装置に接続された画像化検出器を含み、この方法では、電子制御装置は、画像化検出器によって、充電ステーション内の車両側充電インターフェースの空間位置を決定する。電子制御装置は、それに応じてリニア・アクチュエータによる変位を制御し、ロボット側充電インターフェースを車両側充電インターフェースに向かって移動させて、充電接続を確立する。
【0042】
一実施形態では、電子制御装置は、コンプライアンス・アセンブリのコンプライアンス・ストロークを検出し、コンプライアンス・ストロークの検出に応答してリニア・アクチュエータによる変位を制御する。
【0043】
一実施形態では、電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、ロボット側充電インターフェースの衝突を決定する。
【0044】
一実施形態では、電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、ロボット側充電インターフェースと車両側充電インターフェースとの間の物理的接触を決定する。
【0045】
一実施形態では、電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、ロボット側充電インターフェースと車両側充電インターフェースとの間の不整合を決定する。
【0046】
一実施形態では、電子制御装置は、ロボット側充電インターフェースと車両側充電インターフェースとの間の不整合を少なくとも部分的に修正するために、リニア・アクチュエータによる変位を制御する。
【0047】
第3の態様によれば、本発明は、充電インフラストラクチャに本発明による方法を実行させるように適合されたコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ可読媒体を提供する。
【0048】
明細書に記載および示されている様々な側面および特徴は、可能な限り個別に適用できる。これらの個々の側面、特に添付の従属クレームに記載されている側面と特徴は、分割特許出願の対象にすることができる。
【0049】
本発明は、添付の図面に示される例示的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】電動車両の車両側充電インターフェースとの充電接続を確立したロボット側充電インターフェースを有する本発明の実施形態によるロボットを備えた充電ステーションの等尺性側面図である。
【
図2A】
図1の充電ステーションの等角側面図および詳細であり、ロボットは、充電接続を確立する直前の位置にある。
【
図2B】
図1の充電ステーションの等角側面図および詳細であり、ロボットは、充電接続を確立する直前の位置にある。
【
図3】
図1、2Aおよび2Bに示されるようなロボットの等角正面図である。
【
図5A】充電接続を確立する直前に適切に位置合わせされたロボット側充電インターフェースおよび車両側充電インターフェースの部分断面図である。
【
図5B】充電接続を適切に確立したロボット側充電インターフェースおよび車両側充電インターフェースの部分断面図である。
【
図5C】ロボットの制御下で許容される不整合の修正中のロボット側充電インターフェースおよび車両側充電インターフェースの部分断面図である。
【
図5D】ロボットの制御下で許容される不整合の修正中のロボット側充電インターフェースおよび車両側充電インターフェースの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1、2Aおよび2Bは、電動車両10、この例では乗用車を充電するための車両領域2を備えた充電ステーション1を示している。車両10は、完全に電力が供給されていてもよく、または電気駆動が燃料燃焼と組み合わされているハイブリッド駆動を有していてもよい。車両10は、車輪12上に車体11を有し、この例では、後輪12の1つの上の車体11の右側に、車体11によって運ばれる車両側充電インターフェース20を有する。
【0052】
車両側充電インターフェース20の特定のピン配置は、いわゆるMennekes、Yazaki、SchukoまたはComboタイプなどの任意の既知のタイプのものであり得る。
図2Bおよび5Aに示されるように、車両側充電インターフェース20は、この例では、通常の充電と高速充電の両方を受け入れるComboCCS-2入口である。車両側充電インターフェース20は、円周方向の内面22に内向きに合流する前面21を備える。内面22は、第1のソケット24および第2のソケット31が突出する底面23に合流する。第1のソケット24は、5つの凹型通常充電コネクタ27が延びる5つの第1のチャネル26と、2つの制御コネクタ29が延びる2つの第2のチャネル28とを有する電気絶縁材料のソケット本体25を備える。第2のソケット31は、2つの高速充電コネクタ33が延びる2つの第3のチャネル32を有する電気絶縁材料のソケット本体31を備える。内面21およびソケット本体26は一緒になって、ソケット24、31の周りにスロット30を規定する。スロット30、第1のチャネル26、第2のチャネル28、および第3のチャネル32は、第1のチャネル26、第2のチャネル28、および第3のチャネル32に平行な受入方向Rを有する。
【0053】
図3に示すように、充電ステーション1は、車両側充電インターフェース20との充電接続を確立するためのロボット側充電インターフェース100を有するロボット50を備える。ロボット側充電インターフェース100は、図示されていないバッテリー充電器に電気的に接続されている。ロボット50は、この例では、車両側充電インターフェース20に近い側の車両領域2の脇にあるコンソール3によって支持されている、概略的に図示されたメイン・ベース51を備える。ロボット50は、車両側充電インターフェース20の位置に応じて、車両10の任意の側、または前側または後側に配置することができる。あるいは、ロボット50は、床上または床下に配置されて、車両10の下側の車両側充電インターフェース20に到達するか、または、ロボット50は、車両10の上に吊り下げられて、車両10の上面または屋根にある車両側充電インターフェース20に到達する。
【0054】
メイン・ベース51は、メイン・フレーム52、同じ平面にあり、三角形構成で対を形成する、メイン・フレーム52上に2つの第1の脚支持体53、2つの第2の脚支持体54および2つの第3の脚支持体55を備える。
【0055】
図2Bおよび3に最もよく示されるように、ロボット50は、キャリア・フレーム61、同じ平面であり、三角形構成で対を形成する、キャリア・フレーム61上の2つの第1の脚支持体62、2つの第2の脚支持体63および2つの第3の脚支持体64を有する可動キャリア60を備える。対の間の距離は、メイン・ベース51の脚支持体53~55の対の間の距離よりも小さい。キャリア60は、ロボット側充電インターフェース100を搭載する。
【0056】
図2B、3および5Aに示されるように、ロボット側充電インターフェース100は、この例では、通常の充電のためのいわゆるMennekesタイプ(IEC62196に基づくタイプ2コネクタ)である。ロボット側充電インターフェースは、車両側充電インターフェース20のスロット30と嵌合してその内部に適合するシールド101と、複数の第1のブッシュ102および第2のブッシュ103とを備え、それらは、車両側充電インターフェース20のそれぞれの第1のチャネル26および第2のチャネル28と嵌合し、それらの内部に適合する。ロボット側充電インターフェース100は、ブッシュ102、103の内側に埋め込まれ、車両側充電インターフェース20のコネクタ27、29と電気的に接続する充電コネクタを備える。シールド101、第1のブッシュ102および第2のブッシュ103は、それらと平行な挿入方向Pを有する。挿入方向Pは、デフォルトで、車両側充電インターフェース20の受入方向Rと完全に平行であり、位置合わせされている。
【0057】
車両側充電インターフェース20およびロボット側充電インターフェース100は、典型的には、最初の相互接触において、受入方向Rを横切るわずかな最大約3ミリメートルの不整合、または手動で相互に接続した場合、わずかな最大10度の不整合のみを可能にする非常に正確に適合する形状を有する。充電インターフェース20、100の自己探索形状特徴により、そのような不整合は自動的に修正され、それにより、充電インターフェース20、100は適切な相互係合状態になる。車両側充電インターフェース20のコネクタ27、29、33およびロボット側充電インターフェースのコネクタは、不整合の場合でも、嵌合コネクタ間にデフォルトの接触順序を課すために、挿入方向Pおよび受入方向Rにおいて異なる長さまたは位置を有し得る。これにより、例えば、電源接続が行われる前に、アース接続または制御接続が確立されることを保証する。
【0058】
ロボット50は、この例では、6本の脚71~76として具体化される、メイン・ベース51と可動キャリア60との間の合計6つの変位アセンブリを備え、これは、メイン・ベース51の脚支持体53~55と可動キャリア60の脚支持体62~64との間に延び、メイン・ベース51と可動キャリア60との間に六脚機構70を形成する。脚71~76は、構造が同一であり、以下、第2の脚72を参照することによって詳細に説明される。その詳細も
図4に示されている。
【0059】
第2の脚72は、ユニバーサル・ジョイントとして具体化される第1の結合88を介してメイン・ベース51の脚支持体53~55に接続された下端にある外管81を有する直線運動アクチュエータ80を備える。この例では、直線運動アクチュエータ80は、外管81に取り付けられた電気モータ83を有する。直線運動アクチュエータ80は、外管81の内側に直線的に案内され、外管81から部分的に突出する駆動ロッド82を有する。駆動ロッド82は、例えばスピンドルを介して電気モータ83と動作可能に接続されている。これにより、駆動ロッド82は、それに応じて電気モータ83に電力を供給することにより、変位ストロークにわたって第1の結合88に関して方向Aに相互に直線的に移動可能である。直線運動アクチュエータ80は、スピンドル上の回転センサまたは回転カウンタなどの、外管81に対する駆動ロッド82の位置を測定するための内部第1のセンサを有する。それにより、各脚71~76はそのような第1のセンサを有する。
【0060】
第2の脚72は、直線運動アクチュエータ80と直列のコンプライアンス・アセンブリ90を備える。コンプライアンス・アセンブリ90は、この例では、直線運動アクチュエータ80の駆動ロッド82の端に取り付けられた外管91と、外管91の内側に直線的に案内される接続ロッド92とを備える。この例では、摺動ベアリング93を使用している。接続ロッド92は、部分的に外管91から突出し、コンプライアンス・アセンブリ90は、接続ロッド92の端にエンド・ストップ94を備え、これは、摺動ベアリング93の後ろに残り、駆動ロッド82に対する接続ロッド92の規定された最も外側の位置、およびこの例ではばねである可逆的な可撓性要素を決定し、特に、エンド・ストップ94と、摺動ベアリング93と隣接してエンド・ストップ94を維持するようにバイアスされた駆動ロッド82との間のコイルばね95である。コイルばね95によって、接続ロッド92は、バイアスを克服する規定された閾値力を超えると、コンプライアンス・ストロークにわたって駆動ロッド82に向かって方向Bに弾性的に摺動して戻ることができる。接続ロッド92は、その遠位端で、ユニバーサル・ジョイントとして具体化される第2の結合89を介して可動キャリア60のその脚支持体61~63に接続されている。
【0061】
コンプライアンス・ストロークの長さは、最小1ミリメートルであり、駆動ロッド82の変位ストロークの最大長の最大100%である。
【0062】
説明された実施形態では、コンプライアンス・アセンブリ90は、エンド・ストップ94に、およびエンド・ストップ94に対してバイアスされる。あるいは、コイルばね95または他の任意の弾性要素は、閾値力を実装するかどうかにかかわらず、反対方向に弾性を提供し、それにより、接続ロッド92を弾性的に駆動ロッド82に向かって押し、駆動ロッド82から引き離され得る。個々の脚71~76のコイルばね95は、異なるインピーダンス、この例では、例えば、ロボット50に存在する様々な構成要素の異なる個々の重量に続く不均一な重量分布により、垂れ下がることなくロボット側充電インターフェース100のデフォルト位置を確実にするための異なる剛性を有し得る。
【0063】
この例では、6本の脚71~76は、メイン・ベース51と可動キャリア60との間に六脚機構70を形成している。あるいは、Stewartプラットフォームを形成する6本の脚71~76を作成した。直線運動アクチュエータ80は、コンプライアンス・アセンブリ90にかかる閾値力を超えない限り、第1の結合88と第2の結合89との間に変位を課し、直後に可動キャリア60が続く。これにより、可動キャリア60は、3つの直交方向X、Y、Z(横方向、縦方向、および垂直方向)に並進を行い、これらの軸(ピッチ、ロール、ヨー)の周りを合計6自由度(6-DOF)で回転させることができる。第1の結合88と第2の結合89との間に課せられた変位の一部は、閾値力を超えると、コンプライアンス・アセンブリ90によって可逆的に吸収され得る。
【0064】
コンプライアンス・アセンブリ90は、距離センサ、または接続ロッド92が駆動ロッド82に及ぼす圧力を測定するための圧力センサまたは力センサなどの駆動ロッド82に対する接続ロッド92の位置を測定するための内部第2のセンサ96を有する。それにより、各脚71~76は、そのような第2のセンサ96を有し、それにより、第1のセンサで得られるような可動キャリア60の実際の位置での可動キャリア60と駆動ロッド75との間のコンプライアンスに関連するコンプライアンス・データを得ることができる。このコンプライアンスは、3つの直交方向X、Y、Z(横方向、縦方向、垂直方向)の並進と、これらの軸(ピッチ、ロール、ヨー)を中心とした回転、合計6自由度(6-DOF)で構成される。あるいは、またはそれに加えて、可動キャリア60は、キャリア・フレーム61とロボット側充電インターフェース100との間に、圧力センサ・マトリックスなどの第3のセンサ66を含み、6自由度で上記のコンプライアンス・データを取得または導出する。
【0065】
充電ステーション1は、充電ステーション1の動作を制御するための電子制御システムを備える。制御システムは、ビデオ・カメラまたは複数のカメラなどの1つまたは複数の画像化検出器130を備え、ステレオ・カメラ、またはLIDAR、レーダー、または誘導ベースのセンサなどの距離センサを形成して、充電ステーション1内の車両の車両側充電インターフェース20の位置を検出する。したがって、画像化検出器130は、ビジョン・システムの一部を形成する。画像化検出器130は、示されているようにコンソール3などにベースに取り付けられてもよく、または示されているようにキャリア・フレーム61などにロボット50によって運ばれてもよい。制御システムは、電気モータ83に接続されてそれらの回転に電力を供給する電子制御装置を備える。電子制御装置は、検出器130、およびリニア・アクチュエータ80の第1のセンサおよびコンプライアンス・アセンブリ90の第2のセンサ96、および/またはキャリア・フレーム61とロボット側充電インターフェース100との間の第3のセンサ66に接続されている。
【0066】
充電ステーションは、電子制御装置との通信および電子制御装置の構成のための遠隔コンピュータ・サーバを備えた充電インフラストラクチャの一部を形成する。電子制御装置には、電子制御装置のプロセッサによって実行されるソフトウェアがロードされ、それによって、充電ステーション1は、
図6に概略的に示されるように、以下の動作を実行する。説明は、脚71~76の完全に格納された駆動ロッド82から始まり、それにより、ロボット側充電インターフェース100が待機位置で車両領域2から引き出され、車両10が充電ステーション1に入ることを可能にする。
【0067】
第1のステップ310において、車両領域2における特定の車両10の存在は、画像化検出器130によって、もしくは任意の他の適切なセンサによって、または車両10と充電ステーション1との間の任意のタイプのデータ通信によって、あるいは、任意のタイプの遠隔トリガー・システムによって、もしくは車両10の運転手による登録によって、または充電ステーション1の現場にいる人間の操作者によって通知される。
【0068】
車両10の存在が通知されると、第2のステップ320において、充電ステーション1内の車両側充電インターフェース20の空間的位置および向きが、画像化センサ130によって決定される。これは、3つの直交する方向X、Y、Zの位置と、これらの軸の周りの回転方向で構成される。
【0069】
第3のステップ330において、ロボット側充電インターフェース100の対応する特定の初期空間位置および向きが決定され、ロボット側充電インターフェース100は、
図5Aに示されるように、車両側充電インターフェース20に方向Rに正しく挿入され得る。
【0070】
第4のステップ340において、電気モータ83は、ロボット側充電インターフェース100を特定の初期空間位置および向きにもたらすために、第1のセンサで方向Aにおける駆動ロッド82の個々の位置を制御しながら、個別に電力を供給される。この第4のステップ340において、駆動ロッド82に対する接続ロッド92の個々の位置、または接続ロッド92と駆動ロッド82との間に作用する任意の力が、第2のセンサ96によって監視される。あるいは、またはそれに加えて、これは、第3のセンサ66で決定することができる。動きは、画像化検出器130で形成されたビジョン・システムで監視される。接続ロッド92のいずれかが同じ脚71~76の駆動ロッド75に向かって変位するとき、予期しない物理的接触が発生したと想定され、例えば、人間、車両、その他の周囲などの異物との衝突などである。次に、第5のステップ350において、電気モータ83が停止または逆転されて、ロボット側充電インターフェース100を格納させる。
【0071】
衝突が発生しなかった場合、第4のステップ340に続く第6のステップ360において、第1のセンサで駆動ロッド82の位置を方向Aに制御しながら電気モータ83に電力を供給し、ロボット側充電インターフェース100を車両側充電インターフェース20に押し込む。第6のステップ360において、駆動ロッド75に対する接続ロッド92の位置は、第2のセンサ96によって監視されるか、または第3のセンサ66によって決定されて、3つの機能を実行する。
【0072】
第1の機能は、
図5Bに示されるように、車両側充電インターフェース20に対するロボット側充電インターフェース100の適切な最終係合位置の決定である。最終的な係合は、挿入方向Pに押す力を加えることによって得られる。この押し付け力は、バイアスされたコイルばね95を介してメイン・ベース51から可動キャリア60に伝達される。コイルばね95は、それらの規定された閾値力を超えたときに押し込むことができ、これは、第2のセンサ96または第3のセンサ66によって監視される。第1の機能では、脚71~76におけるこのコンプライアンスは、車両側充電インターフェース20に対するロボット側充電インターフェース100の適切な最終係合位置に到達できるようにするため、それに応じて電気モータ83に電力を供給することによって少なくとも部分的に補償される。適切な最終的な係合は、ロボット側充電インターフェース100に接続されているバッテリー充電器によって確認することができる。
【0073】
第2の機能は、ロボット側充電インターフェース100と車両側充電インターフェース20との間の予期しない物理的接触の決定である。
【0074】
第3の機能は、例えば
図5Cに示されるように、予想されるまたは予期しない第1の物理的接触200に起因する、車両側充電インターフェース20に対するロボット側充電インターフェース100の許容可能な不整合の決定である。この第1の物理的接触200は、押し付け力がバイアスされたコイルばね95を介してメイン・ベース51から可動キャリア60に伝達される間、ロボット側充電インターフェース100を車両側充電インターフェース20に対して傾斜または摺動させる。コイルばね95は、それらの規定された閾値力を超えたときに押し込むことができ、これは、第2のセンサ96または第3のセンサ66によって監視される。個々のコイルばね95によって提供されるコンプライアンスは、それらの自己探索形状特徴によって、車両側充電インターフェース20に沿って方向Vでロボット側充電インターフェース100の摺動運動を誘発し得、および/または電気モータ83の修正的活性化は、第2のセンサ96または第3のセンサ66の信号に基づいて決定される。
図5Cでは、図示された不整合には、同じ平面内での並進と回転が含まれている。電気モータ83の対応する是正措置によって、6自由度すべてにおいて何らかの不整合が発生する可能性があり、検出および修正することができることは明らかであろう。これは、車両側充電インターフェース20に対するロボット側充電インターフェース100の適切な最終係合位置に到達するまで繰り返される。この反復では、
図5Dに示されるようなさらなる物理的接触201が、方向Wへの摺動運動を誘発することによって検出および修正され得る。電子制御システムは、例えば、バッテリー充電器を介して、ロボット側充電インターフェースのコネクタとの電気接続を監視して、例えば、接触順序を決定することによって、またはデフォルトの接触順序からの逸脱を検出することによって、不整合を決定することができる。
【0075】
第7のステップ370において、係合されたロボット側充電インターフェース100および車両側充電インターフェース20は、切り離しを防ぐためにロックされ、車両2は、適切に係合された充電インターフェース20、100を介して充電される。
【0076】
充電後、充電インターフェース20、100はロック解除され、ロボット側充電インターフェース100は、脚71~76の駆動ロッド82を格納することによって、第8のステップ380で車両側充電インターフェース20から切り離される。駆動ロッド82は完全に格納されて、ロボット側充電インターフェース100を前記待機位置に格納する。
【0077】
並列コンプライアンス・アセンブリ90によって提供される特定のコンプライアンスには、以下の利点がある。
【0078】
第1に、コンプライアンスは、ロボット側充電インターフェース100が車両側充電インターフェース20に対してその初期空間位置に移動されたときに、予想されるまたは予期しない物理的接触、例えば人間との衝突の安全な検出を可能にする。コンプライアンスは、ロボット側充電インターフェース100に当たったときに柔らかさまたは柔軟性を提供する。
【0079】
第2に、コンプライアンスは、初期の空間位置および向きに達した後、ロボット側充電インターフェース100と車両側充電インターフェース20との間のいかなる不整合の検出も可能にする。不整合は、検出された物理的接触に由来する。コンプライアンスは、ロボット側充電インターフェース100および車両側充電インターフェース20の自己探索形状特徴を使用して、適切な最終係合位置を迅速に取得することを容易にする。コンプライアンスは、提供される弾力性またはコンプライアンスによって損傷するピーク力が防止されるため、物理的接触自体をより安全にする。
【0080】
第3に、コンプライアンスは、特に充電プロセス中に車両10の位置が変更された場合に、ロボット側充電インターフェース100を車両側充電インターフェース20から切り離すことを容易にする。
【0081】
第4に、コンプライアンスは、直線運動アクチュエータ80によって、または車両10の小さな動きによって課されるような任意の剛体運動を吸収する。これらの小さな動きは、例えば、車両2に乗り降りする乗客によって、または車両2に対して作用する風によって引き起こされる可能性がある。
【0082】
したがって、コンプライアンス・アセンブリ90は、可動キャリア60の動きの6自由度で、したがって車両側充電インターフェース100からの触覚フィードバックを提供する。この触覚フィードバックは、第3のセンサ66または第2のセンサ96から導出され、直線運動アクチュエータ80を制御する際に電子制御装置によって使用される。ビジョン・システムは視覚的なフィードバックを提供する。
【0083】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれており、本発明の範囲を限定することを意味するものではないことを理解されたい。上記の説明から、本発明の範囲にまだ含まれるであろう多くの変形が当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2020-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電インフラストラクチャであって、
- 車両側充電インターフェースを有する車両を充電するための充電ステーションを含み、前記充電ステーションは、
- 前記車両側充電インターフェースとの充電接続を確立するためのロボット側充電インターフェースを搭載するロボットを含み、前記ロボットは、
- ベース・フレームと、
- 前記ロボット側充電インターフェースを搭載した可動キャリアと、
を含む、充電インフラストラクチャにおいて、
- 前記ベース・フレームに対して少なくとも3自由度で前記可動キャリアを移動する機構を形成する、前記ベース・フレームと前記可動キャリアとの間の少なくとも3つの変位アセンブリであって、
- 前記変位アセンブリは、変位ストロークにわたって前記ベース・フレームと前記可動キャリアとの間に変位を課すように、または変位角度にわたって前記ベース・フレームに対して前記可動キャリアの回転を課すように構成されたアクチュエータを含み、前記ロボットは、
- アクチュエータおよび前記ロボット側充電インターフェースと直列の少なくとも1つのコンプライアンス・アセンブリ
を含み、前記コンプライアンス・アセンブリは、充電プロセス中に車両の位置が変更された場合に、前記ロボット側充電インターフェースを前記車両側充電インターフェースから切り離すことが可能であり、または、前記アクチュエータの直線運動もしくは前記車両の小さな運動によって課される任意の剛体運動を吸収することが可能であり、
- コンプライアンス・ストロークにわたって前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放するように、または変位角にわたって前記ベース・フレームに対する前記可動キャリアの回転を弾性的に吸収または解放するように構成され、前記コンプライアンス・ストロークの長さは少なくとも5ミリメートルであるか、または前記コンプライアンス回転の角度は少なくとも1度である、コンプライアンス・アセンブリを含む、変位アセンブリを特徴とする、充電インフラストラクチャ。
【請求項2】
前記ロボットは、前記ベース・フレームと前記可動キャリアとの間に六脚機構を形成して、前記可動キャリアを6自由度で移動させる6つの変位アセンブリを含む、請求項1に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項3】
各変位アセンブリは、前記ロボット側充電インターフェースと前記可動キャリアとの間のアクチュエータと直列のコンプライアンス・アセンブリを含む、請求項1または2に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項4】
前記充電ステーションは、アクチュエータおよび前記ロボット側充電インターフェースと直列の複数のコンプライアンス・アセンブリを含み、これらのコンプライアンス・アセンブリは、前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の変位を弾性的に吸収または解放する相互に異なる機械的インピーダンスを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項5】
前記変位アセンブリは、第1の結合を介して前記ベース・フレームに接続された一方の側にあり、前記変位アセンブリは、第2の結合を介して前記可動キャリアに接続された反対側にあり、前記アクチュエータは、前記コンプライアンス・アセンブリと直列の直線運動アクチュエータである、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項6】
前記第1の結合および/または前記第2の結合がユニバーサル・ジョイントである、請求項5に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項7】
前記コンプライアンス・ストロークの長さが前記変位ストロークの少なくとも50%である、請求項1から6のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項8】
前記コンプライアンス・アセンブリが、前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の規定された位置にバイアスされる、請求項1から7のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項9】
前記コンプライアンス・アセンブリは、前記アクチュエータと前記ロボット側充電インターフェースとの間の閾値負荷を超えた後、前記コンプライアンス・ストロークにわたって前記変位を弾性的に吸収するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項10】
前記ロボット側充電インターフェースおよび前記車両側充電インターフェースは、確立された充電接続をロックおよびロック解除するためのロック機構を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項11】
前記充電ステーションは、前記充電ステーションの動作を制御するための電子制御システムを含み、前記電子制御システムは、前記アクチュエータに接続された電子制御装置を含み、前記電子制御装置は、前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、前記電子制御システムは、アクチュエータの前記位置または動きを決定するための前記電子制御装置に接続されたセンサ、および/またはコンプライアンス・ストロークを決定するため、もしくはコンプライアンス・アセンブリに作用する力もしくは負荷を決定するための前記電子制御装置に接続されたセンサ、および/または前記ロボット側充電インターフェースと前記可動キャリアとの間に作用する力もしくは負荷を決定するための、前記電子制御装置に接続された前記可動キャリアと前記ロボット側充電インターフェースとの間のセンサを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項12】
前記電子制御装置は、コンプライアンス・アセンブリのコンプライアンス・ストロークを検出するように、および前記コンプライアンス・ストロークの前記検出に応答して前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、ならびに/または、前記電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて前記ロボット側充電インターフェースの衝突を決定するように構成され、ならびに/または、前記電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、前記ロボット側充電インターフェースと前記車両側充電インターフェースとの間の物理的接触を決定するように構成され、ならびに/または前記電子制御装置は、変位ストロークおよびコンプライアンス・ストロークに基づいて、前記ロボット側充電インターフェースと前記車両側充電インターフェースとの間の不整合を決定するように構成され、ならびに/または、前記電子制御装置は、前記ロボット側充電インターフェースと前記車両側充電インターフェースとの間の前記不整合を少なくとも部分的に修正するために、前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成される、請求項11に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項13】
前記電子制御システムは、前記電子制御装置に接続された画像化検出器を含み、前記電子制御装置は、前記充電ステーション内の前記車両側充電インターフェースの前記空間位置を決定し、それに応じて前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、前記ロボット側充電インターフェースを前記車両側充電インターフェースに移動して、前記充電接続を確立し、および/または、前記電子制御装置は、前記充電ステーション内の前記ロボット側充電インターフェースの前記空間位置を決定し、それに応じて前記アクチュエータによる前記変位を制御するように構成され、前記ロボット側充電インターフェースを前記車両側充電インターフェースに移動して、前記充電接続を確立する、請求項10、11または12に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項14】
前記電子制御装置の構成または遠隔制御のために前記電子制御システムに接続された、前記充電ステーションから離れたコンピュータ・サーバを含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の充電インフラストラクチャ。
【請求項15】
充電インフラストラクチャの充電ステーション内の車両側充電インターフェースを有する車両を充電するための方法であって、請求項1から14のいずれかに記載の充電インフラストラクチャの使用を含む、方法。
【請求項16】
充電ステーションに請求項15に記載の方法を実行させるように適合されたコンピュータ実行可能命令を有する、コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】