(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】パネル断熱材としての使用に適した硬質ポリウレタンフォーム
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20220629BHJP
C08G 18/48 20060101ALI20220629BHJP
C08G 18/18 20060101ALI20220629BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
C08G18/00 H
C08G18/48 004
C08G18/18
C08G101:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564200
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 US2020029095
(87)【国際公開番号】W WO2020223060
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516284183
【氏名又は名称】コベストロ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライダー ショーン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】パークス ブランドン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー カーソン シー.
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034BA07
4J034DA01
4J034DB03
4J034DB07
4J034DG03
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4J034HA01
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4J034QB10
4J034QB16
4J034QB19
4J034QC01
4J034RA12
(57)【要約】
ポリウレタンフォーム形成組成物、硬質ポリウレタンフォーム、及びそれらの製造方法、並びに表面材基材の間に挟み込まれたそのようなフォームを含む複合物品(冷蔵トレーラートラックの床断熱要素のためのそのような複合要素の使用を含む)が開示される。硬質ポリウレタンフォームは、(1)ポリオールブレンドと、(2)ヒドロクロロフルオロオレフィンと、(3)第三級アミン触媒組成物とを含む、イソシアネート反応性組成物から製造される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリオールブレンドであって、
(1)前記ポリオールブレンドの総重量に対して30重量%~98重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオールと、
(2)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%の、1.9~2.0の官能価及び20mgKOH/g~120mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコールと、
(3)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%の、少なくとも500mgKOH/gのOH価及び2.5~4の官能価を有するアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールと、
を含む、ポリオールブレンドと、
(b)発泡剤組成物であって、
(1)ヒドロクロロフルオロオレフィンと、
(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤と、
を含む、発泡剤組成物と、
(c)第三級アミン触媒組成物と、
を含む、イソシアネート反応性組成物。
【請求項2】
前記糖開始ポリエーテルポリオールは、前記ポリオールブレンドの総重量に対して40重量%~98重量%、50重量%~98重量%、60重量%~90重量%、又は70重量%~90重量%の量で存在する、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項3】
前記糖は、スクロース、ソルビトール、又はマルチトールを含む、請求項1又は2に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項4】
前記糖開始ポリエーテルポリオールは、プロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドを含む少なくとも1種のアルキレンオキシドと1種以上の適切な開始剤化合物との適切な触媒の存在下での反応生成物であり、ここで、前記開始剤化合物は、1種以上の糖と、水、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エタノールアミン、ジエチレングリコール、又はそれらの混合物を含む1種以上の共開始剤とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項5】
前記糖開始ポリエーテルポリオールは、300mgKOH/g~550mgKOH/g、350mgKOH/g~450mgKOH/g、又は360mgKOH/g~400mgKOH/gのOH価及び/又は4~5、又は4.0~4.5の官能価を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項6】
前記ポリオールブレンドは、前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%、又は10重量%~20重量%の前記ポリアルキレンオキシドグリコールを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項7】
前記ポリアルキレンオキシドグリコールは、1.98~2.00の官能価、及び/又は20mgKOH/g~80mgKOH/g、20mgKOH/g~40mgKOH/g、又は20mgKOH/g~30mgKOH/gのOH価を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項8】
前記ポリアルキレンオキシドグリコールは、1000g/mol~5600g/mol、2800g/mol~5600g/mol、又は3700g/mol~5600g/molの数平均分子量を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項9】
前記ポリアルキレンオキシドグリコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールを含む1種以上のグリコール、並びにエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールのその他のオリゴマーへの、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシドを含む1種以上のアルキレンオキシドの付加重合生成物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項10】
前記糖開始ポリエーテルポリオール及び前記ポリアルキレンオキシドグリコールは、少なくとも2:1、2:1~10:1、3:1~7:1、又は4:1~6:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項11】
前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、又はそれらの任意の2種以上の混合物を含む少なくとも1種のアルキレンオキシドと、式:
NH
2-Z-OH
(式中、Zは、炭素数2~6の直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、炭素数4~6のシクロアルキレン基、又は式:
-R-O-R-
によって表されるジアルキレンエーテル基である二価の基を表し、ここで、各Rは、炭素数2又は3の炭化水素基を表す)によって表されるアルカノールアミンを含む1種以上の適切な開始剤化合物との反応生成物である、請求項1~10のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項12】
前記アルカノールアミンは、モノエタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、2-アミノ-1-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、1-(2-アミノエトキシ)エタノール、1-アミノ-2-ブタノール、2-アミノ-3-ブタノール、2-アミノ-2-メチルプロパノール、5-アミノペンタノール、3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノール、4-アミノシクロヘキサノール、又はそれらの任意の2種以上の混合物を含む、請求項11に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項13】
前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、500mgKOH/g~900mgKOH/g、600mgKOH/g~800mgKOH/g、若しくは680mgKOH/g~720mgKOH/gのOH価、及び/又は2.5~3.5の官能価を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項14】
前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~10重量%、又は2重量%~10重量%の量で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項15】
前記糖開始ポリエーテルポリオール及び前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、少なくとも5:1、10:1~25:1、又は15:1~25:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項1~14のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項16】
前記ポリアルキレンオキシドグリコール及び前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、少なくとも1:1、1:1~10:1、1:1~5:1、又は2:1~4:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項1~15のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項17】
前記ポリオールブレンドは、100mgKOH/g~500mgKOH/g、200mgKOH/g~400mgKOH/g、200mgKOH/g~300mgKOH/g、200mgKOH/g~250mgKOH/g、230mgKOH/g~250mgKOH/g、若しくは233mgKOH/g~243mgKOH/gのOH価、及び/又は2超~4、2.5~3.5、若しくは3.0の官能価を有する脂肪族トリオール開始ポリエーテルポリオールを更に含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項18】
前記ポリオールブレンドは、4~6、4.5~4.5若しくは4.5~5.0の加重平均官能価、及び/又は300mgKOH/g~500mgKOH/g、300mgKOH/g~400mgKOH/g、若しくは320mgKOH/g~360mgKOH/gの加重平均ヒドロキシル価、及び/又は800g/mol超~1600g/mol、1000g/mol~1400g/mol、若しくは1200g/mol~1300g/molの加重平均分子量を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項19】
前記ヒドロクロロフルオロオレフィンは、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd、E異性体及び/又はZ異性体)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、HCFO1223、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエテン(E異性体及び/又はZ異性体)、3,3-ジクロロ-3-フルオロプロペン、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブテン-2(E異性体及び/又はZ異性体)、2-クロロ-1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロブテン-2(E異性体及び/又はZ異性体)、又はそれらの任意の2種以上の混合物を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項20】
前記ヒドロクロロフルオロオレフィンの大気圧での沸点は、少なくとも-25℃、少なくとも-20℃、又は少なくとも-19℃で、かつ40℃以下、35℃以下、又は33℃以下であり、例えば、前記ヒドロクロロフルオロオレフィンは、-25℃~40℃、-20℃~35℃、又は-19℃~33℃の大気圧での沸点を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項21】
前記ヒドロクロロフルオロオレフィンは、前記イソシアネート反応性組成物の総重量に対して少なくとも10重量%、10重量%~30重量%、又は10重量%~20重量%の量で存在する、請求項1~20のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項22】
前記二酸化炭素発生化学的発泡剤は、水及び/又はギ酸ブロックアミンを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項23】
前記二酸化炭素発生化学的発泡剤は、前記イソシアネート反応性組成物の総重量に対して0.5重量%~5.0重量%、1重量%~4重量%、1.0重量%~3.0重量%、又は2.0重量%~3.0重量%の量で存在する、請求項1~22のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項24】
前記ヒドロクロロフルオロオレフィン及び前記二酸化炭素発生化学的発泡剤は、前記発泡剤組成物の総重量に対して少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%の量で存在する、請求項1~23のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項25】
前記ヒドロクロロフルオロオレフィン及び二酸化炭素発生化学的発泡剤は、前記発泡剤組成物中に少なくとも2:1、少なくとも4:1、4:1~10:1、又は6:1~10:1の重量比で存在する、請求項1~24のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項26】
前記イソシアネート反応性組成物は、ポリシロキサン-ポリアルキレン-ブロックコポリマー(例えば、ポリエーテル変性ポリシロキサン)、長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、長鎖アルキル酸硫酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、又はアルキルアリールスルホン酸の第三級アミン塩又はアルカノールアミン塩等の界面活性剤を更に含む、請求項1~25のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項27】
前記第三級アミン触媒組成物は、モルホリン及び/又はイミダゾールを含み、例えば、前記第三級アミン触媒組成物は、(i)前記第三級アミン触媒組成物の総重量に対して80重量%~99重量%、90重量%~99重量%、95重量%~98重量%、又は97重量%~98重量%のモルホリンと、(ii)前記第三級アミン触媒組成物の総重量に対して1重量%~20重量%、1重量%~10重量%、2重量%~5重量%、又は2重量%~3重量%のイミダゾールとを含み、例えば、モルホリン触媒は、ジモルホリノジエチルエーテル、ジモルホリノジメチルエーテル、N-エチルモルホリン、N-メチルモルホリン、又はそれらの任意の2種以上の混合物を含み、かつイミダゾール触媒は、イミダゾール、n-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、又はそれらの任意の2種以上の混合物を含み、例えば、前記モルホリン触媒は、ジモルホリノジエチルエーテル及びN-メチルモルホリンの混合物を含み、ここで、モルホリン触媒の総重量に対して、前記ジモルホリノジエチルエーテルは、30重量%~80重量%又は40重量%~80重量%の量で存在し、かつN-メチルモルホリンは、20重量%~70重量%又は20重量%~60重量%の量で存在する、請求項1~27のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項28】
(a)ポリイソシアネートと、(b)請求項1~27のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物とを含む、硬質ポリウレタンフォーム形成組成物。
【請求項29】
前記ポリイソシアネートは、芳香族、脂肪族、若しくは環状脂肪族のポリイソシアネート、又はそれらの任意の2種以上の混合物、例えば1分子当たり1.8個~3.5個又は2.0個~3.1個のイソシアネート部の平均官能価、及び25重量%~32重量%のNCO含有量を有するメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネート及び/又はメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネートのプレポリマーを含む、請求項28に記載の硬質ポリウレタンフォーム形成組成物。
【請求項30】
請求項28又は29に記載の硬質ポリウレタンフォーム形成組成物から製造された硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項31】
90~140又は110~130のイソシアネート指数で、有機ポリイソシアネートを、請求項1~27のいずれか一項に記載のイソシアネート反応性組成物と混合することを含む、硬質ポリウレタンフォームを製造する方法。
【請求項32】
前記混合物を、20℃~70℃又は35℃~60℃の温度を有する型へと射出又は注入する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
1つ以上の表面材基材の間に挟み込まれた請求項28若しくは29に記載の硬質ポリウレタンフォーム形成組成物の反応生成物である又は請求項31若しくは32に記載の方法によって製造された硬質ポリウレタンフォームを含む複合物品であって、前記表面材基材は、連続的双方向ガラス繊維で強化されたポリプロピレン樹脂若しくは繊維ガラス強化ポリエステルコポリマー等のプラスチック、紙、木材、又はアルミニウム等の金属を含む、複合物品。
【請求項34】
前記複合物品は、冷蔵装置として具体化される、請求項33に記載の複合物品。
【請求項35】
前記冷蔵装置はトレーラーを含み、かつ前記複合物品はトレーラー床用のサンドイッチ複合材である、請求項34に記載の複合物品。
【請求項36】
表面材基材の間に挟み込まれた硬質ポリウレタンフォームを含む複合物品であって、前記硬質ポリウレタンフォームは、(a)ポリイソシアネートと、(b)ポリオールブレンドと、(c)(1)ヒドロクロロフルオロオレフィン及び(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤を含む発泡剤組成物と、(d)第三級アミン触媒組成物とを含む反応混合物の反応生成物を含み、ここで、前記ポリオールブレンドは、
(1)前記ポリオールブレンドの総重量に対して40重量%~98重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオールと、
(2)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%の、1.9~2.0の官能価及び20mgKOH/g~120mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコールと、
(3)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%の、少なくとも500mgKOH/gのOH価及び2.5~4の官能価を有するアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールと、
を含む、複合物品。
【請求項37】
前記表面材基材は、アルミニウム表面材を含む、請求項36に記載の複合物品。
【請求項38】
前記複合物品は、冷蔵トレーラートラックの床において具体化される、請求項37に記載の複合物品。
【請求項39】
(a)ポリイソシアネートと、
(b)ポリオールブレンドであって、
(1)前記ポリオールブレンドの総重量に対して40重量%~98重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオール、又は、
(2)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%の、1.9~2.0の官能価及び20mgKOH/g~120mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコール、並びに、
(3)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%の、少なくとも500mgKOH/gのOH価及び2.5~4の官能価を有するアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオール、
を含む、ポリオールブレンドと、
(c)発泡剤組成物であって、
(1)ヒドロクロロフルオロオレフィンと、
(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤と、
を含む、発泡剤組成物と、
(d)第三級アミン触媒組成物と、
を含む、硬質ポリウレタンフォーム形成組成物。
【請求項40】
請求項39に記載の硬質ポリウレタンフォーム形成組成物から作製された硬質ポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般に、硬質ポリウレタンフォーム形成組成物、硬質ポリウレタンフォーム、及びそれらの製造方法、並びに表面材基材の間に挟み込まれたそのようなフォームを含む複合物品(冷蔵トレーラートラックの床断熱要素のためのそのような複合要素の使用を含む)に関する。硬質ポリウレタンフォームは、(1)ポリオールブレンドと、(2)ヒドロクロロフルオロオレフィン(「HCFO」)と、(3)第三級アミン触媒組成物とを含む、イソシアネート反応性組成物から製造される。
【背景技術】
【0002】
硬質ポリウレタンフォームは多くの産業で使用されている。これらは、適切なポリイソシアネートとイソシアネート反応性化合物、通常はポリオールとを発泡剤の存在下で反応させることによって製造される。そのようなフォームの1つの用途は、冷蔵貯蔵装置の構築における断熱媒体としての用途である。独立気泡硬質フォームの断熱特性は、平均気泡サイズ及び気泡内容物の熱伝導率を含む多くの要因に依存する。クロロフルオロカーボン(CFC)は、通常、その蒸気熱伝導率が格別低いため、これらのフォームを製造する発泡剤として使用されてきた。しかしながら、現在、CFCは成層圏のオゾン層破壊に寄与することが知られており、結果として、それらの使用を禁止する命令が発されている。
【0003】
当初は、CFCの最も有望な代替物は、含水素クロロフルオロカーボン(「HCFC」)であるように思われた。HCFC 141b等のHCFCがCFCの代替物として使用されてきたが、これらはまた幾らかのオゾン層破壊係数を有することが分かってきた。したがって、CFCだけでなくHCFCの代わりを見つけることも望まれている。
【0004】
ヒドロフルオロカーボン(「HFC」)等の代替的な発泡剤もCFCに取って代わるものとなった。しかしながら、これらの化合物は温室効果ガスである。ペンタン異性体等の炭化水素も使用されているが、これらは可燃性であり、より低いエネルギー効率を有する。HCFO等のハロゲン化ヒドロオレフィン化合物がHFCの代替品として考えられる候補である。それというのも、これらの低層大気での化学的不安定性により、地球温暖化係数が低く、オゾン層破壊がゼロ又はほぼゼロであるからである。
【0005】
しかしながら、満足のいくイソシアネートベースのフォームの製造における発泡剤としての幾つかのHCFOの不利点は、貯蔵寿命の問題である。通常、発泡剤をポリオール並びに界面活性剤(複数の場合もある)及び触媒(複数の場合もある)等の他の成分と合わせて、最大数ヶ月間貯蔵することができる、いわゆる「Bサイド」プレミックスを形成した後に、「Aサイド」イソシアネート成分と合わせることで、フォームが形成される。或る特定のHCFOを使用する系の不利点は、Bサイド組成物の貯蔵寿命である。ポリイソシアネートと合わせる前にBサイド組成物が劣化すると、フォームがより低い品質となる可能性があり、形成の間に崩壊することさえあり得る。不十分なフォーム構造は、或る特定の触媒とこれらのHCFOとが反応する原因となり、それにより発泡剤の部分的な分解、ひいてはシリコーン界面活性剤の不所望な変性が引き起こされて、不十分なフォーム構造及び品質がもたらされると考えられる。
【0006】
冷蔵トレーラーの床用断熱材等の断続的なパネル断熱材の製造に使用されるフォーム形成組成物は、厳格な特性組合せを示さなければならない。例えば、良好な断熱特性に加えて、これらのフォーム形成組成物は、使用される製造機器及び製造方法に資する目標となるゲルタイムを示さなければならず、かつ長い貯蔵寿命を示さなければならず、これは、発泡剤成分として水がイソシアネート反応性組成物の総重量に対して2重量%以上の量で使用されるとしても、このゲルタイムが長期間(数ヶ月以上)にわたるフォーム形成組成物成分の貯蔵後に大きく変化し得ないことを意味する。また、フリーライズフォーム(free-rise foams)が1.4lb/ft3~1.7lb/ft3(22.4kg/m3~27.2kg/m3)の比較的低い密度を有する場合でさえも、これらは良好な寸法安定性(低いフォーム収縮性)を示さなければならない。さらに、フォームが、アルミニウム等の冷蔵トレーラーの床用途で典型的に使用される表面材基材に十分に接着することが重要である。さらに、トレーラーの床部分はしばしば加圧なしに発泡されるので、発泡の間にフォームが高圧を発生しないことが重要となり得る。最後に、フォームが低い脆砕性を示すこと、すなわち、良好な寸法安定性を維持しつつ、容易に崩壊する又は小片に砕ける傾向が低いことが重要であり得る(寸法安定性は通常、系の官能価が増加するにつれて改善するが、これは典型的には、脆砕性の増加を犠牲にして起こる)。フォームの脆砕性を低下させると、表面材基材へのフォームの接着性が改善する場合があり、これはより早期の離型を可能にし得ることから、結果として生産性が高まる。
【0007】
したがって、HCFO発泡剤を利用しながら、全てではないにしてもこれらの要件の殆どを満たすことができる組成物が非常に望ましいこととなる。
【発明の概要】
【0008】
或る特定の態様において、本開示は、イソシアネート反応性組成物に関する。これらのイソシアネート反応性組成物は、(a)ポリオールブレンドと、(b)発泡剤組成物と、(c)第三級アミン触媒組成物とを含む。ポリオールブレンドは、(1)ポリオールブレンドの総重量に対して30重量%~98重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオールと、(2)ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%の、1.9~2.0の官能価及び20mgKOH/g~120mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコールと、(3)ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%の、少なくとも500mgKOH/gのOH価及び2.5~4の官能価を有するアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールとを含む。発泡剤組成物は、(1)HCFOと、(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤とを含む。
【0009】
本明細書はまた、そのような組成物から製造された硬質ポリウレタンフォーム、そのような硬質フォームを作る方法、そのような硬質フォームを含む複合物品、そのような複合要素を床用断熱材として含む冷蔵トレーラー、及び関連のフォーム形成組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
開示される発明の構造、機能、特性、及び使用の全体的な理解を提供するために、本明細書においては様々な実施形態が記載され、解説される。本明細書に記載及び解説されている様々な実施形態は、非限定的で非網羅的であることが理解される。したがって、本発明は、本明細書に開示される様々な非限定的で非網羅的な実施形態の記載によって限定されない。様々な実施形態に関連して記載される特徴及び特性を、他の実施形態の特徴及び特性と組み合わせることができる。かかる修飾及びバリエーションは、本明細書の範囲内に含まれることが意図されている。したがって、特許請求の範囲を、本明細書に明示的又は本質的に記載されている、或いは明示的又は本質的に支持されている任意の特徴又は特性を列挙するように補正することができる。さらに、本出願人は、先行技術に存在する可能性のある特徴又は特性を積極的に放棄するために特許請求の範囲を補正する権利を留保する。したがって、任意のかかる補正は、米国特許法第112条及び同法第132条(a)の要件に準拠している。本明細書に開示及び説明される様々な実施形態は、本明細書に様々に記載されるような特徴及び特性を含むか、それのみからなるか、又は本質的にそれらからのみなっていてもよい。
【0011】
本明細書において特定される任意の特許、刊行物又は他の開示資料は、特に明記しない限り、その全体が引用することにより本明細書の一部をなすが、組み込まれる資料が既存の定義、記述、又は本明細書に明示的に記載される他の開示資料と矛盾しない場合に限られる。したがって、必要な範囲で、本明細書に記載されている明示的な開示は、引用することにより本明細書の一部をなす矛盾する任意の資料に優先する。引用することにより本明細書の一部をなすと言われているが、本明細書に記載の既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾する任意の資料又はその一部は、その組み込まれた資料及び既存の開示資料との間で矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。本出願人は、引用することにより本明細書の一部をなす任意の主題又はその一部を明示的に列挙するために、本明細書を補正する権利を留保する。
【0012】
本明細書において、特に明記されていない限り、全ての数値パラメーターは、「約」という用語によって全ての場合に前置き及び修飾されていると理解されるものとし、数値パラメーターは、パラメーターの数値を決定するために使用される基礎となる測定技術の固有の変動特性を有する。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、本明細書に記載されている各数値パラメーターは、少なくとも報告された有効桁数に照らし、通常の丸め手法を適用することにより解釈されるべきである。
【0013】
また、本明細書に列挙されている任意の数値範囲は、列挙されている範囲内に包含される同じ数値精度の全ての部分範囲を含むことを意図している。例えば、「1.0~10.0」の範囲は、列挙されている最小値1.0と列挙されている最大値10.0との間の(及びそれを含む)全ての部分範囲、すなわち、1.0以上の最小値及び10.0以下の最大値を有する部分範囲、例えば、2.4~7.6等を含むことを意図している。本明細書に列挙されている任意の最大数値限定は、そこに包含される全てのより低い数値限定を含むことを意図し、本明細書に列挙されている任意の最小数値限定は、それに包含される全てのより高い数値限定を含むことを意図している。したがって、本出願人(複数の場合もある)は、本明細書に明示的に列挙される範囲内に包含される任意の部分範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含めて本明細書を補正する権利を留保する。かかる範囲はいずれも、任意のかかる部分範囲を明示的に列挙するように補正することが米国特許法第112条及び同法第132条(a)の要件に準拠するように、本明細書に本質的に記載されることを意図している。
【0014】
本明細書において使用される数量を限定しない文法冠詞(grammatical articles "one", "a", "an", and "the")は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を含むことを意図している。そのため、冠詞は、本明細書において、冠詞の文法上の1つ又は2つ以上(すなわち、「少なくとも1つ」)の目的語を指すために使用される。例として、「成分(a component)」は、1つ以上の成分を意味し、したがって、おそらくは2以上の成分が企図され、記載される実施形態の実施において採用又は使用され得る。さらに、使用に関連して別段の定めがない限り、単数名詞の使用には複数形が含まれ、複数名詞の使用には単数形が含まれる。
【0015】
本明細書において使用される場合に、「官能価」という用語は、記載されているポリオール又はポリオールブレンドの1分子当たりに存在する反応性ヒドロキシル基-OHの平均数を指す。ポリウレタンフォームの製造において、ヒドロキシル基は、ポリイソシアネートに付属しているイソシアネート基-NCOと反応する。「ヒドロキシル価」という用語は、反応に利用可能な反応性ヒドロキシル基の数を指し、1グラムのポリオールのヒドロキシル含有量に相当する水酸化カリウムのミリグラム数として表現される(ASTM D4274-16)。「当量」という用語は、化合物の重量をその原子価で割ったものを指す。ポリオールの場合に、当量はイソシアネート基と化合するポリオールの重量であり、ポリオールの分子量をその官能価で割ることによって計算することができる。ポリオールの当量は、56100をポリオールのヒドロキシル価で割ることによって計算することもできる。当量(g/eq)=(56.1×1000)/OH価。
【0016】
示されるように、本明細書の或る特定の実施形態は、硬質フォームの製造に関する。硬質フォームは、"Polyurethanes: Chemistry and Technology, Part II Technology," J. H. Saunders & K. C. Frisch, Interscience Publishers, 1964, page 239に記載されるように、少なくとも0.5:1の圧縮強度対引張強度の比、10%未満の伸び、並びに歪みからの低い回復率及び低い弾性限界を有することを特徴としている。
【0017】
幾つかの実施態様において、本明細書は、ポリオールブレンドを含むイソシアネート反応性組成物に関する。より具体的には、或る特定の実施形態において、ポリオールブレンドは、ポリオールブレンドの総重量に対して30重量%~98重量%、例えば40重量%~98重量%、50重量%~98重量%、60重量%~90重量%、又は幾つかの場合に70重量%~90重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオールを含む。
【0018】
本明細書において使用される場合に、「糖開始ポリエーテルポリオール」は、少なくとも1種のアルキレンオキシドと1種以上の糖類を含む1種以上の適切な開始剤化合物とを適切な触媒の存在下で反応させることによって作製されるポリエーテルポリオールを指す。適切なアルキレンオキシドの例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、又はそれらの混合物等が挙げられる。適切な糖開始剤の幾つかの例は、スクロース、ソルビトール、マルチトール、及びそれらの混合物、並びにその他の単糖類、二糖類、三糖類、及び多糖類である。糖開始ポリエーテルポリオールを作製するのに、糖開始剤と組み合わせて他の開始剤化合物がしばしば使用される。糖開始ポリエーテルポリオールを形成するために、糖類を、例えば、水、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エタノールアミン、ジエチレングリコール等の化合物、及びそれらの混合物とともに共開始させることができる。理解されるように、広範な様々な個々の開始剤化合物を互いに組み合わせて使用することが可能であり、その際、個々の開始剤化合物の官能価は本明細書に示される官能価の範囲内にないが、但し、開始剤化合物の混合物の平均官能価は、本明細書に開示される官能価の範囲全体を満たしている。
【0019】
使用され得る適切な触媒の幾つかの例としては、塩基性触媒(例えば、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム又はメチルイミダゾール等の第三級アミン)及び二重金属シアン化物(DMC)触媒が挙げられる。
【0020】
幾つかの実施形態において、糖開始ポリエーテルポリオールは、200mgKOH/g~600mgKOH/g、例えば300mgKOH/g~550mgKOH/g、例えば350mgKOH/g~450mgKOH/g、又は幾つかの場合には360mgKOH/g~400mgKOH/gのOH価、及び4~6、例えば4~5、又は4.0~4.5の官能価を有する。
【0021】
先に示されたように、本明細書のイソシアネート反応性組成物に含まれるポリオールブレンドの実施態様は、ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%、例えば1重量%~20重量%、又は幾つかの場合に10重量%~20重量%の、1.9~2.0、例えば1.98~2.00の官能価、及び20mgKOH/g~120mgKOH/g、例えば20mgKOH/g~80mgKOH/g、20mgKOH/g~40mgKOH/g、又は20mgKOH/g~30mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコールを更に含む。そのようなポリアルキレンオキシドグリコールはまた、例えば1000g/mol~5600g/mol、例えば2800g/mol~5600g/mol、又は3700g/mol~5600g/molの数平均分子量を有し得る。
【0022】
適切なポリアルキレンオキシドグリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の1種以上のグリコール、並びにエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールのその他のオリゴマーへの、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のような1種以上のアルキレンオキシドの付加重合によって得ることができる生成物が挙げられる。幾つかの実施形態において、アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドを含む若しくは幾つかの場合にそれらのみからなる、及び/又はグリコールは、プロピレングリコールを含む若しくは幾つかの場合にそれのみからなる。
【0023】
幾つかの実施形態において、ポリアルキレン(例えば、ポリプロピレン)オキシドグリコールは、従来の水酸化カリウムの代わりに複金属シアン化物触媒(DMC触媒)を使用して製造され、その結果、幾つかの場合に、水酸化カリウムを触媒として使用して製造されたものよりも高いOH官能価及び低いモノオール含有量を示し得る。
【0024】
そのようなポリエーテルポリオールは、例えば、国際公開第97/29,146号(実施例1~実施例5)に記載された方法を使用して、開始剤の添加を漸増させてヘキサシアノコバルト酸亜鉛等のDMC触媒の存在下で130℃にてプロピレンオキシドを重合することによって製造され得る。
【0025】
幾つかの実施態様において、上記の糖開始ポリエーテルポリオール及び上記のポリアルキレンオキシドグリコールは、少なくとも2:1、例えば2:1~10:1、3:1~7:1、又は4:1~6:1の重量比でポリオールブレンド中に存在する。
【0026】
先に示されたように、本明細書のイソシアネート反応性組成物のポリオールブレンドは、アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールを含む。本明細書において使用される場合に、「アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオール」は、少なくとも1種のアルキレンオキシドと1種以上のアルカノールアミンを含む1種以上の適切な開始剤化合物とを適切な触媒の存在下で反応させることによって作製されるポリエーテルポリオールを指す。適切な触媒としては、塩基性触媒(例えば、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム又はメチルイミダゾール等の第三級アミン)及びDMC触媒が挙げられる。本明細書に記載されるポリオールブレンドにおいて、「アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオール」及び「脂肪族アミン開始ポリエーテルポリオール」を含む列挙されたポリエーテルポリオールのそれぞれは互いに異なる。
【0027】
本明細書において使用される場合に、「アルカノールアミン」という用語は、式:
NH2-Z-OH
(式中、Zは、炭素数2~6の直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキレン基、炭素数4~6のシクロアルキレン基、又は炭素数4~6のジアルキレンエーテル基である二価の基を表す)によって表される化合物を指す。ジアルキレンエーテル基は、式:
-R-O-R-
(式中、各Rは、炭素数2又は3の炭化水素基を表す)によって表され得る。
【0028】
アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールの作製に使用され得る適切なアルカノールアミンの特定の例としては、モノエタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、2-アミノ-1-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、1-(2-アミノエトキシ)エタノール、1-アミノ-2-ブタノール、2-アミノ-3-ブタノール、2-アミノ-2-メチルプロパノール、5-アミノペンタノール、3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノール、4-アミノシクロヘキサノール、及びそれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0029】
アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールを作製するのに、アルカノールアミンとアルキレンオキシドとが反応される。適切なアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、及びエピクロロヒドリン、並びにそれらの任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0030】
幾つかの実施態様において、アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、少なくとも500mgKOH/g、例えば500mgKOH/g~900mgKOH/g、例えば600mgKOH/g~800mgKOH/g、又は幾つかの場合には680mgKOH/g~720mgKOH/gのOH価、及び2.5~4、例えば2.5~3.5の官能価を有する。
【0031】
幾つかの実施態様において、アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%、例えば1重量%~10重量%、又は2重量%~10重量%の量で利用される。
【0032】
幾つかの実施態様において、上記の糖開始ポリエーテルポリオール及びアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、少なくとも5:1、例えば10:1~25:1、又は15:1~25:1の重量比でポリオールブレンド中に存在する。或る特定の実施形態において、ポリアルキレンオキシドグリコール及びアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、少なくとも1:1、例えば1:1~10:1、1:1~5:1、又は幾つかの場合に2:1~4:1の重量比でポリオールブレンド中に存在する。
【0033】
驚くべきことに、本明細書に記載されるイソシアネート反応性組成物において上記の範囲内の量でアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールを含むことによって、そのようなアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールを含まない同様のイソシアネート反応性組成物によって製造されるフォームと比較して大幅に低下した脆砕性(大幅に改善された表面材の接着がもたらされる)を有する硬質ポリウレタンフォームを製造することができる貯蔵寿命が安定したイソシアネート反応性組成物を製造することが可能となることが見出された。この改善された表面材の接着は、目下、より素早い離型を可能にすることから、結果として生産性が高まると考えられている。
【0034】
所望であれば、ポリオールブレンドは、イソシアネート反応性基を含む追加の化合物を含み得る。例えば、幾つかの実施態様において、ポリオールブレンドは、100mgKOH/g~500mgKOH/g、例えば200mgKOH/g~400mgKOH/g、200mgKOH/g~300mgKOH/g、200mgKOH/g~250mgKOH/g、230mgKOH/g~250mgKOH/g、又は233mgKOH/g~243mgKOH/gのOH価、及び2超~4、例えば2.5~3.5、又は幾つかの場合に3.0の官能価を有する脂肪族トリオール開始ポリエーテルポリオールを更に含み得る。
【0035】
そのようなポリエーテルポリオールは、少なくとも1種の脂肪族三価アルコール(例えばグリセリン)が使用されるという条件で、適切な脂肪族の二価、三価及び/又はより多価のアルコール(例えば、エタンジオール、プロパンジオール-1,2及びプロパンジオール-1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール-1,4、ヘキサンジオール-1,6、並びにグリセリン)を反応させることによって作製され得る。幾つかの実施形態において、多価アルコール開始剤は、グリセリンを含む若しくは幾つかの場合にそれのみからなり、かつアルキレンオキシドは、プロピレンオキシドを含む若しくは幾つかの場合にそれのみからなる。
【0036】
所望であれば、ポリオールブレンドは、連鎖延長剤及び/又は架橋剤等のイソシアネート反応性基を含む他の化合物、並びに上記されていないより高分子量のポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールを含み得る。連鎖延長剤及び/又は架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、及びジエチルトルエンジアミンが挙げられる。ポリエステルポリオールは、例えば、炭素数2~12の有機ジカルボン酸、例えば炭素数4~6の脂肪族ジカルボン酸と、多価アルコール、例えば炭素数2~12のジオール又はトリオールとから作製され得る。ジカルボン酸の例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸である。遊離ジカルボン酸の代わりに、炭素数1~4のアルコールとのエステル化によって作製されるジカルボン酸モノエステル若しくはジカルボン酸ジエステル又はジカルボン酸無水物等の対応するジカルボン酸誘導体を使用することができる。
【0037】
或る特定の実施形態において、ポリオールブレンドは、4~6、例えば4.5~4.5若しくは4.5~5.0の加重平均官能価、及び/又は300mgKOH/g~500mgKOH/g、例えば300mgKOH/g~400mgKOH/g、若しくは320mgKOH/g~360mgKOH/gの加重平均ヒドロキシル価、及び/又は800g/mol超~1600g/mol、例えば1000g/mol~1400g/mol、若しくは1200g/mol~1300g/molの加重平均分子量を有する。
【0038】
示されるように、本明細書のイソシアネート反応性組成物は、発泡剤組成物を更に含む。発泡剤組成物は、(1)HCFOを含む物理的発泡剤と、(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤とを含む。
【0039】
好適なHCFOとしては、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd、E異性体及び/又はZ異性体)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、HCFO1223、1,2-ジクロロ-1,2-ジフルオロエテン(E異性体及び/又はZ異性体)、3,3-ジクロロ-3-フルオロプロペン、2-クロロ-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブテン-2(E異性体及び/又はZ異性体)、2-クロロ-1,1,1,3,4,4,4-ヘプタフルオロブテン-2(E異性体及び/又はZ異性体)が挙げられる。幾つかの実施態様において、HCFOの大気圧での沸点は、少なくとも-25℃、少なくとも-20℃、又は幾つかの場合には少なくとも-19℃で、かつ40℃以下、例えば35℃以下、又は幾つかの場合には33℃以下である。HCFOは、大気圧で、例えば-25℃~40℃、又は-20℃~35℃、又は-19℃~33℃の沸点を有し得る。
【0040】
幾つかの実施態様において、HCFOは、イソシアネート反応性組成物の総重量に対して少なくとも10重量%、例えば10重量%~30重量%、又は10重量%~20重量%の量で利用される。
【0041】
或る特定の実施態様において、イソシアネート反応性組成物は、1種以上の他の物理的発泡剤、例えばCFC、HCFC及び/又はHFC等の他のハロゲン化発泡剤、及び/又はブタン、n-ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン及び/又はイソペンタン(すなわち、2-メチルブタン)等の炭化水素発泡剤を含む。他の実施形態において、イソシアネート反応性組成物は、他の物理的発泡剤、例えばCFC、HCFC及び/又はHFC等の他のハロゲン化発泡剤、及び/又はブタン、n-ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン及び/又はイソペンタン(すなわち、2-メチルブタン)等の炭化水素発泡剤を実質的に又は幾つかの場合には完全に含まない。本明細書において使用される場合に、これらの発泡剤に関して使用される場合の「実質的に含まない」という用語は、発泡剤が、存在するにしても発泡剤組成物の総重量に対して10重量%未満、例えば1重量%未満の量で存在することを意味する。
【0042】
上記のように、イソシアネート反応性組成物は、水及び/又はギ酸ブロックアミン(formate-blocked amine)等の二酸化炭素発生化学的発泡剤を含む。
【0043】
これらの実施態様の幾つかにおいて、水等の二酸化炭素発生化学的発泡剤は、イソシアネート反応性組成物の総重量に対して0.5重量%~5.0重量%、例えば1重量%~4重量%、又は1.0重量%~3.0重量%、又は2.0重量%~3.0重量%の量で利用される。
【0044】
或る特定の実施態様において、発泡剤組成物は、HCFOと、水等の二酸化炭素発生化学的発泡剤とを含み、HCFO及び二酸化炭素発生化学的発泡剤は、発泡剤組成物の総重量に対して少なくとも90重量%、例えば少なくとも95重量%、又は幾つかの場合には少なくとも99重量%の量で存在する。或る特定の実施態様において、HCFO及び二酸化炭素発生化学的発泡剤は、少なくとも2:1、例えば少なくとも4:1、例えば4:1~10:1又は6:1~10:1の重量比で発泡剤組成物中に存在する。
【0045】
所望であれば、発泡剤組成物は、他の物理的発泡剤、例えば(a)ペンタフルオロプロパン、テトラフルオロプロペン、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1,2,3,3-テトラフルオロプロペン、トリフルオロプロペン、テトラフルオロブテン、ペンタフルオロブテン、ヘキサフルオロブテン、ヘプタフルオロブテン、ヘプタフルオロペンテン、オクタフルオロペンテン、及びノナフルオロペンテン等の他のヒドロフルオロオレフィン(HFO)、(b)ヒドロフルオロカーボン、(c)ペンタン異性体及びブタン異性体のいずれか等の炭化水素、(d)ヒドロフルオロエーテル(HFE)、(e)C1~C5アルコール、C1~C4アルデヒド、C1~C4ケトン、C1~C4エーテル及び二酸化炭素を含み得る。そのような発泡剤の特定の例は、米国特許出願公開第2014/0371338号の[0051]及び[0053]に記載されており、その引用部分は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0046】
幾つかの実施態様において、イソシアネート反応性組成物はまた、界面活性剤を含む。有機ケイ素化合物、例えばポリシロキサン-ポリアルキレン-ブロックコポリマー、例えばポリエーテル変性ポリシロキサンを含むあらゆる適切な界面活性剤を使用することができる。他の有用な界面活性剤としては、長鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、長鎖アルキル酸硫酸エステル、アルキルスルホン酸エステル又はアルキルアリールスルホン酸の第三級アミン塩又はアルカノールアミン塩が挙げられる。そのような界面活性剤は、発泡反応混合物を崩壊及び大きくて不均一な気泡の形成から安定化するのに十分な量で使用される。幾つかの実施形態において、界面活性剤は、イソシアネート反応性組成物の総重量に対して0.2重量%~5.0重量%、例えば1重量%~3重量%の量で利用される。
【0047】
先に示したように、イソシアネート反応性組成物は、第三級アミン触媒組成物を更に含む。理解されるように、第三級アミン触媒は、水-ポリイソシアネート発泡反応に対してより大きな効果を有することから、「発泡触媒」として知られている。幾つかの実施態様において、第三級アミン触媒は、モルホリン及び/又はイミダゾールを含む。さらに、幾つかの実施態様において、第三級アミン触媒組成物は、(i)第三級アミン触媒組成物の総重量に対して80重量%~99重量%、例えば90重量%~99重量%、又は幾つかの場合に95重量%~98重量%若しくは97重量%~98重量%のモルホリンと、(ii)第三級アミン触媒組成物の総重量に対して1重量%~20重量%、例えば1重量%~10重量%、又は幾つかの場合に2重量%~5重量%若しくは2重量%~3重量%のイミダゾールとを含む。
【0048】
適切なモルホリン触媒としては、例えば、ジモルホリノジエチルエーテル、ジモルホリノジメチルエーテル、N-エチルモルホリン、及びN-メチルモルホリンが挙げられる。適切なイミダゾール触媒としては、例えば、イミダゾール、n-メチルイミダゾール、及び1,2-ジメチルイミダゾールが挙げられる。幾つかの実施形態において、モルホリン触媒は、2種以上のモルホリン触媒の混合物、例えばジモルホリノジエチルエーテルとN-メチルモルホリンとの混合物を含み、ここで、例えば、利用されるモルホリン触媒の総重量に対して、ジモルホリノジエチルエーテルは、30重量%~80重量%、例えば40重量%~80重量%の量で利用され、かつN-メチルモルホリンは、20重量%~70重量%、例えば20重量%~60重量%の量で利用される。
【0049】
或る特定の実施形態において、第三級アミン触媒組成物は、酸ブロック型アミン触媒を含まない。或る特定の実施形態において、イソシアネート反応性組成物は、金属触媒、及び/又は第三級アミン触媒ではない他の触媒を含まない。
【0050】
或る特定の実施形態において、イソシアネート反応性組成物において利用される第三級アミン触媒の総量は、イソシアネート反応性組成物の総重量に対して1重量%~5重量%、例えば1.0重量%~3.0重量%又は1.5重量%~2.5重量%である。
【0051】
本発明のフォーム形成組成物中に任意に含まれ得る追加の材料としては、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、難燃剤、及び安定剤が挙げられる。本発明のフォーム形成組成物において有用な例示的な難燃剤としては、限定されるものではないが、反応性臭素系化合物、並びに限定されるものではないが、トリ(2-クロロエチル)ホスフェート(TECP)、トリ(1,3-ジクロロ-2-プロピル)ホスフェート、トリ(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)及びジメチルプロピルホスフェート(DMPP)を含む塩素化リン酸エステルが挙げられる。
【0052】
理解されるように、本明細書の他の実施形態は、(a)ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネート(総称して「ポリイソシアネート」)と、(b)上記の種類のイソシアネート反応性組成物とを含む、硬質ポリウレタンフォーム形成組成物に関する。
【0053】
既知の有機ポリイソシアネート、変性ポリイソシアネート、又は既知の有機イソシアネートのいずれかから作られたイソシアネート末端プレポリマーのいずれかを使用することができる。適切な有機イソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、及び環状脂肪族ポリイソシアネート、並びにそれらの組合せが挙げられる。有用なポリイソシアネートとしては、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートの異性体、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート及び3,3’-ジメチルジフェニルプロパン-4,4’-ジイソシアネート等のジイソシアネート、2,4,6-トルエントリイソシアネート等のトリイソシアネート、並びに4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネート及びポリメチレンポリフェニル-ポリイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。
【0054】
未蒸留ポリイソシアネート又は粗製ポリイソシアネートを使用することもできる。トルエンジアミンの混合物をホスゲン化することによって得られる粗製トルエンジイソシアネート及び粗製ジフェニルメタンジアミンをホスゲン化することによって得られる粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(ポリマーMDI)が適切な粗製ポリイソシアネートの例である。適切な未蒸留ポリイソシアネート又は粗製ポリイソシアネートは米国特許第3,215,652号に開示されている。
【0055】
変性ポリイソシアネートは、ポリイソシアネートの化学反応によって得られる。有用な変性ポリイソシアネートとしては、限定されるものではないが、エステル基、尿素基、ビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び/又はウレタン基を含むポリイソシアネートが挙げられる。変性ポリイソシアネートの例としては、NCO基を含み、かつ25重量%~35重量%、例えば29重量%~34重量%のNCO含有量を有するプレポリマー、例えばポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオール及びジフェニルメタンジイソシアネートを基礎とするものが挙げられる。
【0056】
或る特定の実施形態において、ポリイソシアネートは、ポリウレタンを架橋させる能力のため、1分子当たり1.8個~3.5個、例えば2.0個~3.1個のイソシアネート部の平均官能価及び25重量%~32重量%のNCO含有量を有するメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネート及び/又はメチレン架橋ポリフェニルポリイソシアネートのプレポリマーを含む。
【0057】
本明細書はまた、硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。このような方法では、有機ポリイソシアネートと上記の種類のイソシアネート反応性組成物とが反応される。幾つかの実施形態において、イソシアネート官能性成分及びイソシアネート反応性組成物は、90~140、例えば110~130のイソシアネート指数で混合される。
【0058】
或る特定の実施形態において、イソシアネート反応性組成物のポリオールブレンドと有機ポリイソシアネートとが発泡剤組成物、水、第三級アミン触媒組成物、界面活性剤、及び任意の他の成分の存在下で反応される。硬質フォームは、イソシアネート反応性組成物の全ての成分を相安定混合物中で一緒にブレンドした後に、これを適切な比率で有機ポリイソシアネートと混合することによって作製され得る。代替的には、界面活性剤等の1種以上の成分を有機ポリイソシアネートと合わせた後に、それをイソシアネート反応性成分と混合することができる。本発明の他の可能な実施形態は、ポリオールブレンド及び有機ポリイソシアネートと一緒に、別個の流れとして1種以上の成分を添加することを含むこととなる。
【0059】
多くの発泡機は、2種の成分のみを適切な比率で調整して混合するように設計されている。これらの発泡機を使用するために、ポリイソシアネートを除く全ての成分のプレミックスが有利に使用され得る。二成分法(成分A:ポリイソシアネート並びに成分B:典型的にはポリオールブレンド、発泡剤、水、触媒、及び界面活性剤を含むイソシアネート反応性組成物)によれば、これらの成分は、適切な比率で5℃~50℃、例えば15℃~35℃の温度で混合され、20℃~70℃、例えば35℃~60℃の範囲内に制御された温度を有する型内に射出又は注入され得る。その後に、混合物は膨張して、硬質ポリウレタンフォームが空洞を満たす。これはポリウレタンフォーム形成混合物を形成する反応成分の計量及び混合を単純化するが、イソシアネート反応性組成物が相安定である必要がある。
【0060】
さらに、硬質ポリウレタンフォームは、任意のよく知られた発泡装置を使用するワンショット法又は擬プレポリマー法によって回分法又は連続法で作製され得る。硬質ポリウレタンフォームは、スラブ材、成形物、キャビティ充填物、吹き付けフォーム、気泡フォーム(frothed foam)、又は表面材基材としてハードボード、石膏ボード、プラスチック、紙若しくは金属等の他の材料を有するラミネートの形で製造され得る。
【0061】
独立気泡断熱フォームの場合は、発泡剤を気泡中に保持して、断熱材料、すなわち硬質ポリウレタンフォームの低い熱伝導率を維持することが目的である。したがって、フォーム中の高い独立気泡含有量が望まれる。本明細書の実施形態に従って製造されたフォームは、ASTM D6226-15に従って測定される80%超、典型的には85%超、又は88%超の独立気泡含有量を有する。さらに、本明細書の様々な実施形態に従って製造されたフォームの35゜F(2℃)で測定された熱伝導率は、ASTM C518-17に従って測定されて3インチの厚さのパネルのコアからのフォームについて0.160BTU・in/h・ft2・゜F未満である。
【0062】
本明細書はまた、断熱のための本明細書に記載される硬質ポリウレタンフォームの使用に関する。硬質フォームは、例えば、複合要素における中間層として、又は冷蔵庫及び冷凍庫又は冷蔵トレーラーの中空空間を充填するために使用され得る。フォームはまた、建設産業において又は長距離加熱配管及びコンテナの断熱のために使用され得る。
【0063】
したがって、本発明はまた、1つ以上の表面材基材の間に挟み込まれた本明細書に開示される硬質ポリウレタンフォームを含む複合物品を提供する。或る特定の実施形態において、表面材基材は、プラスチック(例えば、連続的双方向ガラス繊維で強化されたポリプロピレン樹脂又は繊維ガラス強化ポリエステルコポリマー)、紙、木材、又はアルミニウム等の金属であり得る。例えば、或る特定の実施形態において、複合物品は、外部の金属外板と内部のプラスチックライナーとを備えた冷蔵庫、冷凍庫、又は冷却器等の冷蔵装置であり得る。或る特定の実施形態において、冷蔵装置はトレーラーであり得て、複合物品は本発明に従って製造されたポリウレタンフォームをトレーラー床用のサンドイッチ複合材に含み得る。
【0064】
本明細書に記載される特定のイソシアネート反応性組成物は、目下、トレーラー床用のサンドイッチ複合材での使用に適したものとなる特定の特性組合せを有する硬質フォームを製造することができると考えられている。
【0065】
第一に、硬質フォームは、イソシアネート反応性組成物において使用されるHCFOの量がイソシアネート反応性組成物の総重量に対して15重量%未満であるとしても、1.90lb/ft3~2.20lb/ft3(30.4kg/m3~35.2kg/m3)の全体フォーム密度でASTM D1622-14に従って測定されて3インチの厚さのパネルのコアからのフォームについて0.160BTU・in/h・ft2・゜F未満の75゜F(23.9℃)で測定された熱伝導率を有し得る。第二に、イソシアネート反応性組成物は長い貯蔵寿命を有する。ここで、イソシアネート反応性組成物が「長い」貯蔵寿命を有すると述べられる場合に、それは、イソシアネート反応性組成物を60℃で6日間貯蔵した後にイソシアネート反応性組成物をポリイソシアネートと合わせたときに、イソシアネート反応性組成物が1.5重量%以上の水を含む場合でさえも、それにより製造されたフォームのゲルタイムが初期のゲルタイム(製造直後であってイソシアネート反応性組成物を60℃で6日間貯蔵した後ではない、そのようなフォームのゲルタイム)の10%以内に留まることを意味する。幾つかの場合に、この初期のゲルタイムは100秒~240秒であり、これはトレーラーの床用途に理想的であり得る。第三に、硬質フォームは、2.02lb/ft3という低い密度でさえも低い収縮を示し、これは、本明細書に記載されるフォーム形成組成物から製造されたフリーライズ密度フォーム(free-rise density foam)の体積変化が、温度及び圧力の周囲条件(25℃及び1気圧)で4週間のフォームのエージング後に14%未満であることを意味する。第四に、フォームは、冷蔵トレーラーの床用断熱材のための複合要素の製造に典型的に使用される表面材基材、特にアルミニウム表面材に優れた接着を示す。第五に、トレーラーの床部分の製造において加圧なしに発泡させた場合に、フォームは発泡の間に低い圧力しか発生し得ないため、上部床の撓みは0.5インチ未満に維持される。本明細書において使用される場合に、「優れた接着」とは、硬質フォームが以下に記載されるグリーンストレングス接着試験(Green Strength Adhesion Test)に合格することを意味する。
【0066】
以下の非限定的かつ非網羅的な実施例は、様々な非限定的かつ非網羅的な実施形態を更に説明することを意図しており、本明細書に記載される実施形態の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0067】
フォーム形成組成物を、表1に示される成分及び量(重量部)を使用して作製した。以下の材料を使用した:
【0068】
ポリオール1:398mgKOH/g~422mgKOH/gのOH価及び4.3の平均官能価を有するスクロース、グリセリン、プロピレングリコール、及び水で開始されたポリエーテルポリオール
ポリオール2:370mgKOH/g~390mgKOH/gのOH価及び5.33の平均官能価を有するスクロース及び水で開始されたポリエーテルポリオール
ポリオール3:445mgKOH/g~495mgKOH/gのOH価を有するグリセリンで開始されたプロピレンオキシドを基礎とするトリオール
ポリオール4:4000の分子量のポリプロピレンオキシドを基礎とするジオール、ヒドロキシル価26~30
ポリオール5:233mgKOH/g~243mgKOH/gのOH価を有するグリセリンで開始されたポリプロピレンオキシドを基礎とするトリオール
ポリオール6:ポリプロピレンオキシドを基礎とするジオール、ヒドロキシル価107.4~115.4(当量486~522)
ポリオール7:450mgKOH/g~490mgKOH/gのOH価及び5.52の平均官能価を有するスクロース/水で開始されたポリエーテルポリオール
ポリオール8:芳香族アミン開始ポリエーテルテトラオール、ヒドロキシル価378mgKOH/g~398mgKOH/g
ポリオール9:芳香族アミン開始ポリエーテルテトラオール、ヒドロキシル価350mgKOH/g~370mgKOH/g
ポリオール10:230mgKOH/g~250mgKOH/gのOH価及び25℃で2000mPa・s~4000mPa・sの粘度を有する芳香族ポリエステルポリオール
ポリオール11:モノエタノールアミンをプロポキシル化することにより作製された、685~715のOH価、3の官能価、及び5.8重量%の窒素含有量を有するモノエタノールアミン開始ポリエーテルポリオール
SURF:TEGOSTAB(商標)B-8499
CAT 1:2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル(HuntsmanのJEFFCAT(商標)DMDEE)
CAT 2:N-メチルモルホリン触媒(HuntsmanのJEFFCAT(商標)NMM)
CAT 3:1,2-ジメチルイミダゾール(EvonikのDABCO(商標)2040又はDABCO(商標)2041)
CAT 4:(2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムホルメート(EvonikのDABCO(商標)TMR-2)
FR:トリス(2-クロロイソプロピル)ホスフェート(ICL Industrial ProductsのFyrol(商標)PCF)
HCFO:trans-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HoneywellのSolstice(商標)LBA)
ISO:高分子ジフェニルメタンジイソシアネート(pMDI);NCO重量31.5%;25℃で粘度200mPa・s;当量133;官能価2.8(Covestro LLCのMONDUR(商標)MR)。
【0069】
【0070】
【0071】
実施例のそれぞれについて、ポリオール、触媒、界面活性剤、難燃剤、水、及びHCFOを、表1に示される量で合わせた。研究室で小規模の研究室用プレス機を使用して全てのフォームを作製した。成功した実験成果物は、HenneckeのHK-100高圧発泡機を使用して作製された。液体排出物をポリオール側では21℃で、かつイソシアネート側では27℃で一定に維持し、その際、排出量範囲は103barの注入圧力で454グラム/秒~653グラム/秒であった。8インチ×78.75インチ×3インチ(20.3cm×200cm×7.6cm)の寸法を有する温度制御された型(29.4℃)に、その型を完全に充填せずに注入して3枚のパネルを発泡させてから最小充填密度を決定した後に、線形回帰を使用して、最小パネル質量の計算値を求めた。最小充填密度を決定した後に、フォームを詰めて、最小充填密度よりもおよそ8パーセント~15パーセント高い所望の密度を得た。そのフォームを、1つのアルミニウム表面材と1つのプラスチック表面材との間に挟み込んだ。離型の前に、フォームを型内で29.4℃にて180分間~240分間保持した。各フォームの全体密度は、ASTM D1622-14に従って測定して、2.01lb/ft3~2.17lb/ft3(32.2kg/m3~34.8kg/m3)であった。
【0072】
様々な特性についてフォームを試験し、これらの結果を表2に示す。k係数については、フォームが、ASTM C518-17に従って測定されて3インチの厚さのパネルのコアからのフォームについて0.160BTU・in/h・ft2・゜F未満の75゜F(23.9℃)で測定された熱伝導率を有する場合に、そのフォームを「合格」とみなした。貯蔵寿命については、イソシアネート反応性組成物を60℃で6日間貯蔵した後のフォームのゲルタイムが、初期のゲルタイム(製造直後であってイソシアネート反応性組成物を60℃で6時間貯蔵した後ではない、そのようなフォームのゲルタイム)の10%以内である場合に、そのフォームを「合格」とみなした。寸法安定性については、フリーライズ密度フォームの体積変化が、温度及び圧力の周囲条件(25℃及び1気圧)で4週間のフォームのエージング後に14%未満である場合に、そのフォームを「合格」とみなした。フォーム圧力については、発生した圧力が、米国特許出願第16/296,872号の段落[00111]に記載されるように測定して1.0lb/in2未満、幾つかの場合に0.95lb/in2未満、又は更には0.85lb/in2未満である場合に、そのフォームを「合格」とみなした。接着については、以下に記載されるグリーンストレングス接着試験に従って測定して、アルミニウム表面材がフォームに貼り付いてテープをプレス機から引き離した場合に、そのフォームを「合格」とみなした。接着については、グリーンストレングス接着試験に従って測定して、アルミニウム表面材がフォームから剥離して、プレス機にテープが貼られたままとなった場合に、そのフォームを「不合格」とみなした。
【0073】
グリーンストレングス接着試験は以下の通りであった:高さ26インチ、幅13インチ、及び厚さ3インチのフレーム内寸を有する縦型の研究室用プレス機を85゜Fに加熱した。1インチ幅のマスキングテープを、プレス機の作動側で厚さ0.04インチのアルミニウム表面材の全周囲に、表面材上に1/2インチ重ねて、かつプレス機上に1/2インチ重ねて貼り付けた。この表面材により、高さ26インチ及び幅13インチの大きさのフレームの片側が差し替えられている。フレームの残部に離型剤(Solar Corp.の1894-EX-S)を塗布し、少なくとも2分間乾燥させた。プレス機内でフレームを閉じ、所望の量のフォーム形成組成物を、所望の密度を達成するために目標とする量で型内に注入した。フォームが型の上部に到達する前に、型の上部を閉じてクランプした。20分後に、フレーム部分を手で適所に保ちながらプレス機の作動側を開いた。
【0074】
【0075】
表2から明らかなように、本発明による実施例8、実施例9、実施例12、及び実施例14は全て寸法安定性試験に合格し、許容可能なフォーム圧力を示した。本発明による実施例12及び実施例14に接着試験も行ったところ、合格であった(試験していないが、実施例8及び実施例9も接着試験に合格したであろうと考えられる)。実施例14に貯蔵寿命試験も行ったところ、合格であった(実施例8、実施例9、及び実施例12も貯蔵寿命試験に合格したであろうと考えられる)。
【0076】
本発明は、例示の目的で前述に詳細に記載されてきたが、かかる詳細は、その目的のためだけであり、それが特許請求の範囲によって制限され得る場合を除いて、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって変更が加えられ得ることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリオールブレンドであって、
(1)前記ポリオールブレンドの総重量に対して30重量%~98重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオールと、
(2)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%の、1.9~2.0の官能価及び20mgKOH/g~120mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコールと、
(3)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%の、少なくとも500mgKOH/gのOH価及び2.5~4の官能価を有するアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールと、
を含む、ポリオールブレンドと、
(b)発泡剤組成物であって、
(1)ヒドロクロロフルオロオレフィンと、
(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤と、
を含む、発泡剤組成物と、
(c)第三級アミン触媒組成物と、
を含む、イソシアネート反応性組成物。
【請求項2】
前記第三級アミン触媒組成物は、
(1)前記第三級アミン触媒組成物の総重量に対して80重量%~99重量%のモルホリンと、
(2)前記第三級アミン触媒組成物の総重量に対して1重量%~20重量%のイミダゾールと、
を含む、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項3】
前記糖開始ポリエーテルポリオールは、前記ポリオールブレンドの総重量に対して
少なくとも70重量%の量で存在する、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項4】
前記
アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、600mgKOH/g~800mgKOH/gのOH価及び2.5~3.5の官能価を
有する、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項5】
前記糖開始ポリエーテルポリオールは、300mgKOH/g~550mgKOH/g
のOH価及び5.0~
5.5の官能価を有する、請求項4に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項6】
前記
糖開始ポリエーテルポリオール及び前記ポリアルキレンオキシドグリコール
は、2:1~10:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項7】
前記
糖開始ポリエーテルポリオール及び
前記ポリアルキレンオキシドグリコールは、3:1~7:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項6に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項8】
前記糖開始ポリエーテルポリオール及び前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、少なくとも5:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項9】
前記糖開始ポリエーテルポリオール及び前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、10:1~25:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項8に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項10】
前記ポリアルキレンオキシドグリコール及び前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、少なくとも
1:1の重量比で前記ポリオールブレンド中に存在する、請求項
8に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項11】
前記
ポリアルキレンオキシドグリコール及び前記アルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールは、
1:1~5:1の
重量比で前記ポリオールブレンド中に
存在する、請求項10に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項12】
前記ヒドロクロロフルオロオレフィンは、trans-1,1,1-トリフルオロ-3-クロロプロペンを含む、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項13】
前記
モルホリンは、
(A)前記モルホリンの総重量に対して40重量%~80重量%のジモルホリノジエチルエーテルと、
(B)前記モルホリンの総重量に対して20重量%~60重量%のN-メチルモルホリンと、
を
含む、請求項
2に記載のイソシアネート反応性組成物。
【請求項14】
硬質ポリウレタンフォームを作る方法で
あって、請求項1に記載のイソシアネート反応性組成物
とポリイソシアネートとを、90~150のイソシアネート指数で混合して、反応混合物を形成することを含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法によって作製された硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項16】
表面材基材の間に挟み込まれた硬質ポリウレタンフォームを含む複合物品であって、前記硬質ポリウレタンフォームは、(a)ポリイソシアネートと、(b)ポリオールブレンドと、(c)(1)ヒドロクロロフルオロオレフィン及び(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤を含む発泡剤組成物と、(d)第三級アミン触媒組成物とを含む反応混合物の反応生成物を含み、ここで、前記ポリオールブレンドは、
(1)前記ポリオールブレンドの総重量に対して40重量%~98重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオールと、
(2)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%の、1.9~2.0の官能価及び20mgKOH/g~120mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコールと、
(3)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%の、少なくとも500mgKOH/gのOH価及び2.5~4の官能価を有するアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオールと、
を含む、複合物品。
【請求項17】
前記表面材基材は、アルミニウム表面材を含む、請求項
16に記載の複合物品。
【請求項18】
前記複合物品は、冷蔵トレーラートラックの床において具体化される、請求項
17に記載の複合物品。
【請求項19】
(a)ポリイソシアネートと、
(b)ポリオールブレンドであって、
(1)前記ポリオールブレンドの総重量に対して40重量%~98重量%の、200mgKOH/g~600mgKOH/gのOH価及び4~6の官能価を有する糖開始ポリエーテルポリオール、又は、
(2)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~40重量%の、1.9~2.0の官能価及び20mgKOH/g~120mgKOH/gのOH価を有するポリアルキレンオキシドグリコール、並びに、
(3)前記ポリオールブレンドの総重量に対して1重量%~20重量%の、少なくとも500mgKOH/gのOH価及び2.5~4の官能価を有するアルカノールアミン開始ポリエーテルポリオール、
を含む、ポリオールブレンドと、
(c)発泡剤組成物であって、
(1)ヒドロクロロフルオロオレフィンと、
(2)二酸化炭素発生化学的発泡剤と、
を含む、発泡剤組成物と、
(d)第三級アミン触媒組成物と、
を含む、硬質ポリウレタンフォーム形成組成物。
【請求項20】
請求項
19に記載の硬質ポリウレタンフォーム形成組成物から作製された硬質ポリウレタンフォーム。
【国際調査報告】