(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】端末で要求される電力削減の制御
(51)【国際特許分類】
H04W 52/38 20090101AFI20220629BHJP
H04W 52/30 20090101ALI20220629BHJP
H04W 16/14 20090101ALN20220629BHJP
【FI】
H04W52/38
H04W52/30
H04W16/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564635
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2020057511
(87)【国際公開番号】W WO2020221506
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,クン
(72)【発明者】
【氏名】ザンダー,オロフ
(72)【発明者】
【氏名】ユング,リカード
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE56
(57)【要約】
無線端末からの無線送信のアップリンク出力電力を設定するために、無線端末(130)において実行される方法は、第1のアップリンクデューティサイクル(UDC1)に関連付けられた最大電力レベルに基づいて需要電力削減(P-MPR1)を決定する(402)ことと、無線ネットワークノード(120)へと需要電力削減の指示(233)を送信(403)することと、ネットワークノードから実際のアップリンクデューティサイクル(UDC2)に関連付けられた目標電力削減(P-MPR2)の指示(253)を受信(404)することと、前記目標電力削減に基づいて出力電力を設定(406)することとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末(130)において、当該無線端末からの無線送信のアップリンク出力電力を設定するために実行される方法であって、
第1のアップリンクデューティサイクル(UDC1)に関連付けられた最大電力レベルに基づいて需要電力削減(P-MPR1)を決定(402)することと、
無線ネットワークノード(120)に、需要電力削減の指示(233)を送信(403)することと、
前記ネットワークノードから、実際のアップリンクデューティサイクル(UDC2)に関連付けられた目標電力削減(P-MPR2)の指示(253)を受信(404)することと、
前記目標電力削減に基づいて出力電力を設定(406)することとを含む方法。
【請求項2】
前記目標電力削減(P-MPR2)は前記需要電力削減(P-MPR1)とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標電力削減(P-MPR2)が前記需要電力削減(P-MPR1)よりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記目標電力削減(P-MPR2)が前記需要電力削減(P-MPR1)よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のアップリンクデューティサイクル(UDC1)の指示(213、233)を前記ネットワークノードへと送信(401、403)する、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワークノードから、前記第2のアップリンクデューティサイクル(UDC2)を指示するネットワークスケジューリング(253)を受信(405)する、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記実際のアップリンクデューティサイクルが前記第1のアップリンクデューティサイクルとは異なる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記実際のアップリンクデューティサイクルが前記第1のアップリンクデューティサイクルよりも低い値を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記実際のアップリンクデューティサイクルが前記第1のアップリンクデューティサイクルよりも高い値を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記ターゲット電力削減に関連付けられたアップリンクビームの空間関係情報を送信(231)する、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
需要電力削減を決定することが複数のアップリンクビーム(B1~B4)の各々について実行され、前記需要電力削減の前記指示は前記複数のアップリンクビームの各々の電力値を示す、請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記需要電力削減の前記指示は、前記複数のアップリンクビームのうち、基準ビーム(B1)についてのビーム固有値と、別のビーム(B2)についての前記ビーム固有値に関連付けられた相対値とを示す、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記目標電力削減の指示は、前記複数のアップリンクビームの各々の電力値を示す、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
無線ネットワークノード(120)において、無線端末(130)からの無線送信のアップリンク出力電力を設定するために実行される方法であって、
第1のアップリンクデューティサイクル(UDC1)を用いたアップリンク送信に関連付けられた、最大電力レベルに基づく需要電力削減(P-MPR1)の指示(233)を前記無線端末から受信(602)することと、
前記無線端末の目標電力削減(P-MPR2)を決定(603)することと、
前記出力電力を設定するために、前記無線端末によって適用される前記決定された目標電力削減(P-MPR2)の指示(253)を前記無線端末へと送信(605)することとを含む方法。
【請求項15】
前記目標電力削減が前記需要電力削減とは異なる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記目標電力削減が前記需要電力削減よりも小さい、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記目標電力削減が前記需要電力削減よりも大きい、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記目標電力削減に関連付けられた実際のアップリンクデューティサイクル(UDC2)を決定(604)することと、
前記実際のアップリンクデューティサイクルに従って、前記端末からのアップリンク送信をスケジュールすることと、を含む請求項14~17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記目標電力削減(P-MPR2)は、前記需要電力削減(P-MPR1)よりも小さく、
前記実際のアップリンクデューティサイクルは、前記第1のアップリンクデューティサイクルよりも低い値を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記目標電力削減(P-MPR2)が需要電力削減(P-MPR1)よりも大きく、
前記実際のアップリンクデューティサイクルは前記第1のアップリンクデューティサイクルよりも高い値を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記需要電力削減に関連付けられたアップリンクビームについての空間関連情報を受信(232)することを含む、請求項14~20のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記需要電力削減の指示が複数のアップリンクビームの各々の電力値を示す、請求項14~20のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記需要電力削減の前記指示は、前記複数のアップリンクビームのうち、基準ビーム(B1)についてのビーム固有値と、別のビーム(B2)についての前記ビーム固有値に関連付けられた相対値とを示す、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記目標電力削減の指示は、前記複数のアップリンクビームの各々の電力値を示す、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記目標電力削減の指示は、前記端末が使用するための少なくとも1つのアップリンクビームを示す、請求項21~24のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
前記目標電力削減(P-MPR2)及び前記実際のアップリンクデューティサイクル(UDC2)は互いに依存して制御され、前記端末の総送信電力は前記閾値を下回ったままとなる、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
無線トランシーバ(313)と、
前記無線トランシーバを介して、無線ネットワークノードとデータを通信するように構成されたロジック(310)とを具備する無線端末(130)であって、ここでの前記ロジックは更に、
第1のアップリンクデューティサイクル(UDC1)に関連付けられた最大電力レベルに基づいて、需要電力削減(P-MPR1)を決定(402)し、
無線ネットワークノード(120)へと、前記需要電力削減の指示(233)を送信(403)し、
前記ネットワークノードから、実際のアップリンクデューティサイクル(UDC2)に関連付けられた目標電力削減(P-MPR2)の指示(253)を受信(404)し、
前記目標電力削減に基づいて出力電力を設定(406)するように構成される無線端末。
【請求項28】
前記ロジックは、請求項2~13の前記ステップのいずれかを実行するように更に構成される、請求項27に記載の無線端末。
【請求項29】
無線端末(130)からの無線送信のアップリンク出力電力を設定するための無線ネットワークノード(120)であって、
無線トランシーバ(513)と、
前記無線トランシーバを介してデータを通信するように構成されたロジック(510)を具備し、前記ロジックは、
前記無線端末から、第1のアップリンクデューティサイクル(UDC1)を用いたアップリンク送信に関連付けられた、最大電力レベルに基づく需要電力削減(P-MPR1)の指示(233)を受信(602)し、
前記無線端末の目標電力削減(P-MPR2)を決定(603)し、
前記出力電力を設定するために、前記無線端末によって適用されるように前記目標電力削減の指示(253)を前記無線端末へと送信(605)するように構成される、無線ネットワークノード。
【請求項30】
前記ロジックは、請求項15~26の前記ステップのいずれかを実行するように更に構成される、請求項29に記載の無線ネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で提供される解決策は、無線通信ネットワークで動作する端末における出力送信電力の設定及び管理に関連する。具体的には、電力削減とアップリンクデューティサイクルの両方を考慮に入れることにより、端末が要求する電力管理の変更又は調整などの制御を可能にするソリューションが提供される。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)の様々な反復下において動作する無線通信システムは、単純なネットワークアーキテクチャにより、高いピークデータレート、低い遅延、改善されたシステム容量、及び低い運用コストを提供する。これらには、とりわけ長期進化(Long-Term Evolution:LTE)システム、ならびに最近では所謂5Gネットワーク及び新無線(New Radio:NR)が含まれる。反射及び干渉に対して高度な復元力を提供しながら、高いデータ帯域幅を効率的に送信することを可能にするために、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)無線技術が組み込まれている。このような無線通信システムにおいて、ユーザ機器(User Equipment:UE)とも呼ばれる各移動端末の送信電力は、ネットワークによって特定のレベルに維持され、且つ調整される必要がある。ただし、各UEの最大送信電力容量は、UEの機能及び状況によって異なる。電力ヘッドルームレポート(Power Headroom Report:PHR)は、UEを、その電力容量及び使用量がネットワークに提供されるように構成するメカニズムである。UEは、PHRメカニズムを使用して、そのサービング基地局に対して、その電力ヘッドルーム(Power Headroom:PH)を定期的に提供する。これは、UEが設定した最大送信電力とUEが計算した現在のUE送信電力との間の電力オフセットとして定義される。この受信されたPH情報に基づき、eNBは適切なリソース割り当てを用いてUEの送信電力を調整できる。
【0003】
ミリ波周波数でUEを動作させるときは、ビームフォーミングの機能が不可欠である。これは、全方向性の送信とは対照的に、信号対雑音比が改善されるように送信を指向させることを可能にするからである。しかしながら、UEを利用するユーザへの信号エネルギーの最大露出を扱うための制限が存在する。したがって、3GPPでは、FR2(周波数範囲2-ミリ波範囲内のスペクトル)のUEは、政府及び規制当局の制限により、最大許容露出(Maximum Permitted Exposure:MPE)の重大な制限に直面する可能性が高いと結論付けられている。したがって、UEが規制上の暴露制限に準拠できるようにするために、当該仕様におけるRel-15中に2つの方法が導入されている。1つは電力管理の最大電力削減(Power Management Maximum Power Reduction:P-MPR)であり、もう1つはmaxUplinkDutyCycle機能である。
【0004】
P-MPRを使用すると、3GPP標準は、UEが出力電力を削減して要件を満たすことを可能にする。しかしながら、これは、UEがネットワークスケジューリングの意図を認識しないので、UEは、最悪の場合の送信デューティサイクルを考慮しなければならない欠点を有する。したがって、P-MPR法は粗雑な方法になるであろう。
【0005】
ネットワークに登録すると、UEは、最大アップリンクデューティサイクル機能を報告し、UEがスケジュールされるべき最大デューティサイクルを示す。しかし、この指示は性能であり、動的シグナリングではないため、これは更に粗雑な方法である。
【0006】
その結果、無線通信ネットワークにおいては、UEの送信電力を設定するためのより柔軟なソリューションが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定されたニーズを対象とするソリューションがここに提供される。これらソリューションは独立請求項に提供されており、また様々な実施形態が従属請求項に提供される。
【0008】
これら提案されたソリューションは、とりわけ、無線送信のアップリンク出力電力を設定するように適合された無線端末において実行される方法に関する。当該方法は、
第1のアップリンクデューティサイクルに関連付けられた最大電力レベルに基づいて、需要電力削減を決定することと、
無線ネットワークノードへと、需要電力削減の指示を送信することと、
前記ネットワークノードから、実際のアップリンクデューティサイクルに関連付けられた目標電力削減の指示を受信することと、
前記目標の電力削減に基づいて出力電力を設定することを含む。
【0009】
この提案されるソリューションは更に、無線ネットワークノードにおいて、無線端末からの無線送信のアップリンク出力電力を設定するために実行される方法に関し、当該方法は、
前記無線端末から、第1のアップリンクデューティサイクルを用いたアップリンク送信に関連付けられた、最大電力レベルに基づく需要電力削減の指示を受信することと、
前記無線端末の目標電力削減を決定することと、
前記無線端末へと、出力電力を設定するために無線端末によって適用される決定された目標電力削減の指示を送信することを含む。
【0010】
この方法は、決定された目標電力削減に関連付けられた実際のアップリンクデューティサイクルに従って、前記端末からのアップリンク送信をスケジューリングすることを更に含むことができる。
【0011】
ソリューションにはまた、これら実施形態を動作させるように設定された端末及び無線ネットワークノードも含まれる。
【0012】
当該提案されたソリューションによって、前記端末は、その出力電力を下げるように設定される可能性がある一方で、同時に、ネットワークにより調整された需要電力削減を有する。更に、電力削減の調整は、露出制限又は規制を満たすたように、アップリンクのデューティサイクルに関して適用される変更に関連付けられる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、無線通信ネットワーク、ならびに様々な実施形態による無線ネットワークノードと無線端末との間の通信を概略的に示している。
【
図2】
図2は、
図1の実施形態を含む様々な実施形態に従った、システムの異なるエンティティ間の信号伝達図を概略的に示している。
【
図3】
図3は、様々な実施形態に従って動作するように構成された無線通信端末を概略的に示している。
【
図4】
図4は、様々な実施形態に従って、端末により実行される方法ステップを概略的に示している。
【
図5】
図5は、様々な実施形態に従って動作するように構成された無線ネットワークノードを概略的に示している。
【
図6】
図6は、様々な実施形態に従って、無線ネットワークノードにより実行される方法ステップを概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明では、限定ではなく説明の目的で、様々な実施形態に関連する詳細を記載する。しかしながら、本発明は、これら特定の詳細から逸脱した他の実施形態で実施され得ることが当業者には明らかであろう。場合によっては、不必要な詳細により本発明の説明が曖昧にならないように、周知のデバイス、回路、及び方法の詳細な説明は省略される。機能ブロックを含む様々な要素の機能(「コンピュータ」、「プロセッサ」又は「コントローラ」としてラベル付け又は説明されたものを含むが、これらに限定されない)は、ハードウェアの使用を通して、例えばコンピュータ可読媒体に格納されたコード化された命令の形でソフトウェアを実行できる、回路ハードウェア及び/又はハードウェアなどの使用を通して提供され得る。したがって、そのような機能及び図示された機能ブロックは、ハードウェア実装及び/又はコンピュータ実装のいずれかであり、したがって機械実装であると理解されるべきである。ハードウェアの実装に関して、機能ブロックは、限定されるものではないが、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)ハードウェア、縮小命令組プロセッサ、特定用途向け集積回路[Application Specific Integrated Circuit:ASIC]を含むハードウェア(例えば、デジタル又はアナログ)回路、及び(適切な場合には)そのような機能を実行できるステートマシンを含み得るか、又は包含し得る。コンピュータの実装に関して、コンピュータは、一般には1つ又は複数のプロセッサ又は1つ又は複数のコントローラを含むと理解され、コンピュータ及びプロセッサ及びコントローラの用語は、本明細書では互換的に使用され得る。コンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって提供される場合、機能は、単一の専用コンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって、単一の共有コンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって、又は複数の個別のコンピュータ又はプロセッサ又はコントローラによって提供され得、それらの幾つかは共有又は配布され得る。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」の用語の使用は、そのような機能を実行し、及び/又はソフトウェアを実行できる他のハードウェア、例えば上記ハードウェアの例を指すと解釈されるべきである。
【0015】
図面は概略図であると見なされるべきであり、図面に示されている要素は必ずしも縮尺通りに示されている訳ではない。むしろ、様々な要素は、それらの機能及び一般的な目的が当業者に明らかになるように表されている。図面に示された、又は本明細書に記載された機能ブロック、デバイス、コンポーネント、又は他の物理的又は機能的ユニット間の接続又は結合も、間接的な接続又は結合によって実施され得る。コンポーネント間の結合はまた、ワイヤレス接続を介して確立され得る。機能ブロックは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る。
【0016】
例えば、24250~52600MHzの周波数範囲指定を有するFR2における送信について、端末の出力電力の調整を管理する方法に関して様々な提案が存在する。これには、UE能力maxUplinkDutyCycle機能として、人体条件に直面するピークビーム下での最大アップリンクデューティサイクルの定義が含まれている。ただし、P-MPR及びmaxUplinkDutyCycleの一般的な概念には、考慮すべき多くの欠点が存在する。アップリンクビームは実際にはその時々で変化するため、MPEを軽減するためのソリューションは動的に実行する必要がある。MPEの問題を軽減するための既存のソリューションには、最大アップリンクデューティサイクル制限を動的にレポートすること、及びパワーヘッドルームレポート(Power Headroom Report:PHR)が含まれる。しかし、最大アップリンクデューティサイクル制限と共にPHRを動的に報告することには、幾つかの問題が存在する。
【0017】
1.送信電力が総放射電力(Total Radiated Power:TRP)、例えば電力クラス(Power Class:PC)3についての23dBmによって制限されるだけでなく、PC3について43dBmである実効等方性放射電力(Effective Isotropic Radiated Power:EIRP)によっても制限されるので、FR2についてのPHRは不明確である。したがって、MPEの制限及び規制を満たすことができる最大電力レベルPmaxは、多くのパラメータに基づいて決定され得る。したがって、2つの異なる値はUEごとに、又はUE内のビームごとに異なるため、電力レベルを2つの異なる値と折合いをつけるのは簡単ではない可能性がある。
2.PHRは、UEが送信できる追加の電力量を示すので、基地局、例えばgNBは、MPE要件を満たすためにUEが如何なる量の電力をバックオフする必要があるかを、明示的に知ることはできない。
3.PHRレポートは、MAC-CE(Media Access Control - Control Element:メディアアクセス制御-制御要素)ベースであり、あまり頻繁ではないので、電力をバックオフしたり、実際のネットワークで他のビームを選択したりするための十分な柔軟性がない可能性がある。
4.P-MPR及びアップリンクデューティサイクルをUE側からのみ設定することは、セルの全体的なパフォーマンスにとって最適ではない。UEの送信電力が低すぎるか、アップリンクデューティサイクルが制限されすぎると、カバレッジが低下し、ネットワークの効率が低下する可能性がある。
5.劣悪なビーム回避の大まかな説明よりも、むしろ空間関係の最適化が定義されていない。
【0018】
次に、現状技術における欠陥の少なくとも幾つかを克服するように構成されたソリューションを表す図面を参照して、様々な実施形態を説明する。
【0019】
図1は、無線通信ネットワーク100及び当該ネットワーク100と無線通信するように構成された端末(又はUE)130を含む、無線通信システムを概略的に示している。当該ネットワークは、FR2の下で動作し得る新無線(NR)ネットワークのような、3GPPによって公開された一般的且つ特定の規制及び制限の下で動作する無線通信ネットワークであり得る。ネットワーク100は、コアネットワーク110及び1つ以上の無線ネットワークノード120(そのうちの1つは
図1に示されている)を含み得る。無線ネットワークノード120はgBNであり得、また5Gのために導入されたビームフォーミングのために構成され得る。無線ネットワークノード120は、アクセスノード又は基地局と呼ばれることもある。
【0020】
無線端末130は、携帯電話、コンピュータ、タブレット、M2Mデバイスなどのような、無線アクセスノード120を介してネットワーク100と無線通信するように動作可能な任意のデバイスであり得る。様々な実施形態において、端末130は、
図1に概略的に示される2つ以上のビームB1~B4を用いて通信するように構成され得る。ビームB1~B4は、好ましくは、コード分割及び/又は周波数分割及び/又は時分割に関して直行している。端末130内のビームの構成は、特定の送信方向で無線信号を送信するための異方性感度プロファイルを提供するように構成されたアンテナアレイを使用することによって実現され得る。
【0021】
図2は、上記の問題を軽減又は解決しようとする、様々な実施形態に従って配置された信号図を概略的に示している。この図は、端末130と無線ネットワークノード120との間のシグナリングを示しており、これは
図1と相関し得る。
【0022】
端末130は、データの送信に関連する情報を分析及び処理220して、特定の電力削減がアップリンク、即ち端末130から無線ネットワークノード120への送信において適切であり得ることを決定し得る。より低い出力電力で送信したい理由は、送信が、意図された周波数範囲外の汚染のリスクがあるタイトな周波数リソースに割り当てられるためであり得る。別の理由は、アップリンク送信が、より低い出力電力を必要とする可能性がある方向に関連付けられたビームB1で意図されているためであり得る。したがって、端末130は、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1に関連付けられた最大電力レベルに基づいて、需要電力削減P-MPR1を決定し得る。
【0023】
アップリンクのデューティサイクルは、アップリンク通信のリソースをスケジュールするときに、無線ネットワークノードによって決定及び制御される。端末130は、アップリンク送信のための所定のUE能力であり得る最大アップリンクデューティサイクルMUDC、即ち、特定の最大値、例えばパーセンテージに関連付けられる。したがって、様々な実施形態において、最大アップリンクデューティサイクルMUDCは、特定のデバイスとして、又はデバイスのタイプ、即ちブランド、モデル等として端末130に関連付けられた所定の値であり得る。
【0024】
第1のアップリンクデューティサイクルUDC1、即ち、需要電力低減P-MPR1が基づくべきアップリンクデューティサイクルは、幾つかの実施形態では最大アップリンクデューティサイクルMUDCであり得る。最大アップリンクデューティサイクルMUDCは、添付手順210において、データ送信213により提供されるUE能力CAPとしてネットワーク100に登録する際に、端末130によって事前に共有され得る。
【0025】
他の実施形態において、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1は、例えば仕様によって決定される別の固定された所定の値であり得、また問題の端末130のUE能力に関連付けられるのではなく、一般的であり得る。
【0026】
他の代替実施形態において、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1は、登録後にネットワーク100によって事前に割り当てられ、又は設定されていてよく、したがって、最大アップリンクデューティサイクルMUDCとは異なり得る。そのような実施形態において、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1は、無線ネットワークノード120から端末130へと信号送信され得る。
【0027】
更に別の実施形態において、第1のアップリンクデューティサイクルは、例えば特定の時間窓、例えば先行する1秒の窓でのアップリンク送信に基づき、端末130によって評価され得る。そのような実施形態において、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1は無線ネットワークノード120によって設定され、且つアップリンクデューティサイクルUDC1の指示を受信することにより、又は特定の期間内の使用されるアップリンクデューティサイクルの評価により、端末130によって取得される現在のアップリンクデューティサイクルを表す。
【0028】
したがって、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1は、様々な実施形態において、端末130に関連する最大アップリンクデューティサイクルMUDC、又はネットワーク設定された異なるアップリンクデューティサイクルであり得る。
【0029】
端末130は、需要電力削減P-MPR1の指示233を含む電力削減要求メッセージ230を、無線ネットワークノード120へと送信231し得る。電力削減要求メッセージ230は、例えば、アップリンク制御情報UCIとして伝達され得る。幾つかの妥当な代替案には、物理層アップリンクメッセージとしてのRRCシグナリングの一部、又はHARQシグナリングにおけるピギーバックメッセージとしての送信が含まれる場合がある。需要電力削減P-MPR1の指示233は、需要電力削減P-MPR1を識別するデータを含むことができ、これは特定の電力値指示、また必要な電力削減のデルタ値、又はパーセンテージ値であり得る。幾つかの実施形態において、需要電力削減P-MPR1を示すデータは、受信無線ネットワークノード120によって評価され、例えばルックアップテーブルに基づいて特定のレベルの所望の電力削減又は電力レベルに相関し得る指示であり得る。
【0030】
幾つかの実施形態において、電力削減要求は、関連付けられた第1のアップリンクデューティサイクルUDC1の指示を含み得、これに基づいて、需要電力削減P-MPR1が決定されている。
【0031】
需要電力削減P-MPR1の指示233を受信232すると、無線ネットワークノード120は、受信したデータを分析及び処理240し得る。これには、需要電力削減P-MPR1を使用した場合に得られる期待される品質又は信号強度の分析が含まれ得る。様々な実施形態において、処理240は、需要電力削減P-MPR1を使用することが、通信の信頼性又は品質に関して負の効果を有することを示し得る。したがって、処理240は、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2に関連付けられた、無線端末の目標電力削減P-MPR2を決定することを含み得る。具体的には、目標電力削減P-MPR2は、需要電力削減P-MPR1とは異なる場合、即ち、それよりも高い又は低い場合がある。そのような実施形態では、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2は、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1とは更に異なっていてもよい。幾つかの実施形態において、電力削減P-MPR及びアップリンクデューティサイクルUDCは、無線ネットワークノード120によって相互に依存して制御され、総電力又は露出は、総送信電力に関連付けられた閾値と同じまま、又は当該閾値未満のままとなる。
【0032】
無線ネットワークノードは、ターゲット電力削減P-MPR2の指示を送信251することによって、目標電力削減メッセージ250による電力削減要求メッセージ230に応答するように構成され得る。この指示は、目標電力削減P-MPR2を識別するデータ253を含んでもよく、これは特定の電力値指示であり得るか、又は例えば、望ましい電力削減のデルタ値、又はパーセンテージ値であり得る。幾つかの実施形態において、目標電力削減P-MPR2を示すデータは、特定のレベルの所望の電力削減又は電力レベル、例えばルックアップテーブルに基づいた電力レベルと相関するように、端末130によって評価され得る指示であり得る。幾つかの実施形態では、目標電力削減メッセージ250は、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2の指示を含み得る。
【0033】
他の実施形態において、処理240は、需要電力削減P-MPR1が許容可能であることを示し、無線ネットワークノードは、電力削減要求メッセージ230を端末130に確認応答251するように構成されてもよく、応答しないように構成されてもよい。
【0034】
端末130は、目標電力削減P-MPR2を示すデータ253など、目標電力削減P-MPR2に関連付けられたデータを受信252し得る。使用する目標電力レベルを評価するために、端末130で更なる処理260を実行してもよい。次に、端末130は、アップリンク送信について無線ネットワークノード120によりそれに割り当てられたリソースにおいて、目標電力削減に基づいて出力電力を設定260する。無線ネットワークノード120は、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2に従って、そのようなリソースを更にスケジュールする。
【0035】
したがって、これらの実施形態は、端末130が、指定されたアップリンクデューティサイクルに関連付けられた需要P-MPR1の情報を含み得る方法を概説する。したがって、端末130は、所与のアップリンクデューティサイクル及び電流ビームB1の使用について、端末130が特定のP-MPR1を必要とするか又は望むであろうことを示す。次に、ネットワーク100はこれを考慮に入れ、何れのP-MPRを使用するかを端末130に信号送信することができる。具体的には、端末130がより低いP-MPR1を信号送信する場合、ネットワークは、端末130がそれに基づいて需要電力削減P-MPR1を計算した、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1よりも低いデューティサイクルを割り当てるべきである。
【0036】
最大アップリンクデューティサイクルMUDCは、一例として、3GPP仕様において指定され得る(例えば100%)。他の例では、ネットワーク100は、使用するアップリンクデューティサイクルUDCを、ブロードキャスト又はRRCシグナリングで示し得る。更なる例において、端末130は、例えばUE能力に基づいて使用するアップリンクデューティサイクルUDC(例えばMUDC)について決定し、また選択された値を、例えばUE能力シグナリングの一部として、又は電力削減要求230の一部として、信号送信し得る。
【0037】
様々な実施形態において、シグナリングは、端末130の向き、及び無線ネットワークノード120と端末130との間の相対位置の変化に適応するために、動的に更新されるべきである。端末130の関連する変化又は向き又は相対位置の検出に応じて、電力削減要求の処理220及びその後の送信231がトリガされ得る。或いは、処理220は定期的なスキームで実行される一方で、電力削減要求230の送信231は、処理220の結果として要求されたときに実行される。処理220及び/又は電力削減要求の送信231は、端末130内の言及された1つ又は複数のセンサーによってトリガされ得る。
【0038】
この実施形態及び以下の更なる代替実施形態について、ネットワークは、端末130からの信号情報を考慮に入れ、端末130のシナリオ及びネットワーク状況(例えば、端末130は無線ネットワークノード120までの如何なる距離にあるか、及びアップリンクに関してネットワークが如何にビジーであるか)に基づいて、P-MPR及びアップリンクデューティサイクルの組み合わせを設定する。当該ネットワークは、ダウンリンクで送信される制御情報の一部として、例えばアップリンク資源割り当て(アップリンクスケジューリング)の一部として、何れのP-MPRを使用するかを端末130に通知する。
【0039】
説明された実施形態により、端末130が第1のアップリンクデューティサイクルUDC1に基づいて特定の需要電力削減P-MPR1を望む場合、ネットワーク100は、その無線ネットワークノード120を介して、要求されたものとは異なる目標電力削減P-MPR2を適用する一方、同時に、異なる実際のアップリンクデューティサイクルを使用してアップリンク送信用リソースのスケジューリングを適用するように、端末130を設定し得る。具体的には、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2及び目標電力削減P-MPR2は、最大露出のレベルを超えないように決定される。一例として、端末130は、100%のアップリンクデューティサイクルで動作する場合、P-MPR1として6dBのバックオフを必要とするか、又は要求し得る。分析及び処理240によって決定される安定したアップリンクを維持するために、無線ネットワークノード120は、低減された3dB P-MPR2を用いて端末130を設定し得るが、50%のアップリンクデューティサイクルのみでスケジュールされる。
【0040】
図3は、本明細書に提示される無線通信ネットワーク100で使用するための、及び概説される方法ステップを実行するための無線通信端末130の実施形態を概略的に示す。この実施形態は、
図1のシナリオ及び
図2の信号図と一致している。
【0041】
端末130は、無線通信ネットワーク100の他のエンティティ、例えば無線ネットワークノード120と通信するための無線トランシーバ313を備え得る。したがって、トランシーバ313は、少なくともエアインターフェースを介して通信するための無線受信機及び送信機を含み得る。
【0042】
端末130は更に、無線トランシーバを介して、無線チャネル上で無線通信ネットワーク100へとデータを通信するように、及び/又はデバイス間(Device-to Device:D2D)通信によって別の端末と直接データを通信するように構成されたロジック310を備える。
【0043】
ロジック310は、1つ又は複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、データプロセッサ、コプロセッサ、及び/又は命令及び/又はデータを解釈及び/又は実行する他のタイプのコンポーネントを含んだ処理装置311を含み得る。処理装置311は、ハードウェア(例えば、マイクロプロセッサなど)として、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせ(例えば、システムオンチップ(System-On-Chip:SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)として実装され得る。処理装置311は、オペレーティングシステム及び/又は様々なアプリケーション又はプログラムに基づいて、1つ又は複数の操作を実行するように構成され得る。
【0044】
ロジック310は、メモリストレージ312を更に含んでもよく、これは、1つ又は複数のメモリ及び/又は1つ又は複数の他のタイプの記憶媒体を含み得る。例えば、メモリストレージ312は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory:DRAM)、キャッシュ、読み取り専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(Programmable Read Only Memory:PROM)、フラッシュメモリ、及び/又は幾つかのタイプのメモリを含み得る。メモリストレージ312は、ハードディスク(例えば、磁気ディスク、光ディスク、磁気光学ディスク、ソリッドステートディスクなど)を含み得る。
【0045】
メモリストレージ312は、処理装置311によって実行され得るコンピュータプログラムコードを保持するように構成され、ロジック310は、端末130を制御して本明細書で提供される方法ステップのいずれかを実行するように構成される。前記コンピュータプログラムコードによって定義されるソフトウェアは、機能及び/又はプロセスを提供するアプリケーション又はプログラムを含み得る。当該ソフトウェアは、デバイスファームウェア、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、又はロジック310で実行され得る様々なアプリケーションを含み得る。
【0046】
端末130は、アレイ314を更に含んでもよく、これはアンテナアレイを含み得る。ロジック310は更に、アンテナアレイの異方性感度プロファイルを使用して、無線信号を特定の送信方向に送信するように、無線トランシーバを制御するように設定され得る。
【0047】
端末130は、端末130のユーザ等の別の目的物に対する向き又は近接を感知及び検出するように構成された、近接センサー、加速度計、磁力計等のような1つ又は複数のセンサー315を更に含み得る。
【0048】
明らかに、当該端末は、電源、ケーシング、ユーザーインターフェースのような、図面に示されたもの又は本明細書に記載されたもの以外の特徴及び要素を含み得る。
【0049】
図4は、端末130が実行するように設定され得る方法ステップを概略的に示している。一実施形態において、無線通信端末130は、当該無線端末からの無線送信でのアップリンク出力電力を設定するように適合され、また無線トランシーバ323及びロジック320を具備してもよく、ここでのロジックは、無線トランシーバを介してデータを通信するように構成される。当該ロジックは更に、
第1のアップリンクデューティサイクルUDC1に関連付けられた最大電力レベルに基づいて、需要電力削減P-MPR1を決定402し、
需要電力削減の指示233を、無線ネットワークノード120へと送信403し、
前記ネットワークノードから、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2に関連付けられた目標電力削減P-MPR2の指示253を受信404し、
前記目標電力削減に基づいて出力電力を設定406するように構成され得る。
【0050】
このようにして、端末130は、その出力電力を下げるように構成されてもよく、同時に、ネットワークによって要求される電力削減を調整することができる。更に、電力削減の調整は、露出制限又は規制を満たすために、アップリンクのデューティサイクルに関して適用される変更に関連付けられる可能性がある。
【0051】
幾つかの実施形態において、目標電力削減P-MPR2は需要電力削減P-MPR1とは異なり、例えば需要電力削減P-MPR1よりも小さいか又は大きい。
【0052】
前記ロジックは、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1の指示213、233を、ネットワークノード120に送信401、403するように構成され得る。第1のアップリンクデューティサイクルは、例えば、UE能力CAPで提供される最大アップリンクデューティサイクルMUDCであり得る。或いは、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1は、先行するアップリンク送信に基づいて計算された値であってもよい。
【0053】
前記ロジックは、様々な実施形態において、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2を指示するネットワークスケジューリング253をネットワークノードから受信405するように構成されてもよく、これはネットワークノード120が目標電力削減P-MPR2のために適用することを決定したものである。
【0054】
幾つかの実施形態において、実際のアッリンクデューティサイクルは、第1のアップリンクデューティサイクルとは異なる。
【0055】
幾つかの実施形態において、実際のアップリンクデューティサイクルは、第1のアップリンクデューティサイクルよりも低い値を有する。
【0056】
幾つかの実施形態において、実際のアップリンクデューティサイクルは、第1のアップリンクデューティサイクルよりも高い値を有する。
【0057】
前記ロジックは、様々な実施形態において、前記目標電力削減に関連付けられたアップリンクビームの空間関係情報を送信231するように構成され得る。
【0058】
幾つかの実施形態において、前記ロジックは、複数のアップリンクビームB1~B4のそれぞれの需要電力削減を決定するように構成されてもよく、ここで前記需要電力削減の指示は、前記複数のアップリンクビームの各電力値を示す。したがって、需要電力削減P-MPR1のシグナリングは、無線ネットワークノード120が通信のために最適化されたビーム対を選択するのを支援するために、端末130の複数のビームに対して実行することができる。したがって、電力削減要求メッセージ230のシグナリングは、P-MPR1及び空間関係情報の両方を含み得る。様々な実施形態において、空間情報は、ビームID、参照信号、SRSの対、及びSSB/CSI-RS情報のうちの1つ又は複数を含み得る。前述のように、電力削減要求メッセージ230は、任意に、想定されるデューティサイクルUDC1を含むか、又はそれを含む追加のメッセージに関連付けられてもよい。上記のように、想定されるデューティサイクルUDC1の報告は任意である。何故なら、端末130は、基準アップリンクデューティサイクルUDC1、例えばMUDC又はデフォルト値としての100%を用いて、PDCCHの監視に使用する全てのビームについてP-MPRを報告することを要求される可能性があるからである。電力削減要求メッセージ230は、様々な実施形態において、例えば最大で4つのビームを用いて、PUCCH又はPUSCHを介して送信され得る。
【0059】
前記ロジックは、ビームB1~B4ごとに1つの需要P-MPR値を報告するように構成され得る。或いは、前記ロジックは、1つのビームB1、例えば現在使用されているビームについては、需要電力削減P-MPR1を報告するように構成され得るのに対し、他の候補ビームB2~B4の対応する需要電力削減は、参照ビームに対するデルタ値として報告できる。したがって、需要電力削減P-MPR1の指示は、前記複数のアップリンクビームのうち、基準ビームB1についてのビーム固有値と、別のビームB2についての前記ビーム固有値に関連付けられた相対値とを示し得る。
【0060】
図5は、本明細書に提示される無線通信ネットワーク100で使用され、且つ1つ又は複数の端末130を制御する概説された方法ステップを実行するための、無線ネットワークノード120を概略的に示す。この実施形態は、
図1のシナリオ及び
図2の信号図と一致する。無線ネットワークノード120は、gNBのような、無線通信ネットワーク100の基地局を含む。無線ネットワークノード120は、無線通信ネットワーク100の他のエンティティ、例えば端末130と通信するための無線トランシーバ513を備え得る。したがって、トランシーバ513は、少なくともエアインターフェースを介して通信するための無線受信機及び送信機を含み得る。
【0061】
基地局120は、無線トランシーバを介して、無線チャネル上で、端末130とデータを通信するように構成されたロジック510を更に具備する。ロジック510は、1つ又は複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、データプロセッサ、コプロセッサ、及び/又は命令及び/又はデータを解釈及び/又は実行する他のタイプのコンポーネントを含む処理装置511を含み得る。処理装置511は、ハードウェア(例えば、マイクロプロセッサなど)として、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせ(例えば、システムオンチップ[System-On-Chip:SOC]、特定用途向け集積回路[ASIC]など)として実装され得る。この処理装置511は、オペレーティングシステム及び/又は様々なアプリケーション又はプログラムに基づいて、1つ又は複数の操作を実行するように構成され得る。
【0062】
ロジック510は、メモリストレージ512を更に含んでもよく、これは、1つ又は複数のメモリ及び/又は1つ又は複数の他のタイプの記憶媒体を含み得る。例えば、メモリストレージ512は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、フラッシュメモリ、及び/又は幾つかのタイプのメモリを含み得る。メモリストレージ512は、ハードディスク(例えば、磁気ディスク、光ディスク、磁気光学ディスク、ソリッドステートディスクなど)を含み得る。
【0063】
メモリストレージ512は、処理装置511によって実行され得るコンピュータプログラムコードを保持するように構成され、ロジック510は、無線装置120を制御して、本明細書で提供される方法ステップのいずれかを実行するように構成される。前記コンピュータプログラムコードによって定義されるソフトウェアは、機能及び/又はプロセスを提供するアプリケーション又はプログラムを含み得る。ソフトウェアは、デバイスファームウェア、オペレーティングシステム(OS)、又はロジック510で実行され得る様々なアプリケーションを含み得る。
【0064】
無線ネットワークノード120は、無線トランシーバ513に接続されたアンテナ514を更に含むことができ、このアンテナはアンテナアレイを含み得る。ロジック510は更に、特定の送信方向で無線信号を送信及び/又は受信するために、無線トランシーバを制御して、アンテナアレイの異方性感度プロファイルを使用するように構成され得る。
【0065】
様々な実施形態において、無線ネットワークノード120は、
無線端末130から、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1を用いたアップリンク送信に関連付けられた、最大電力レベルに基づく需要電力削減P-MPR1の指示233を受信602し、
無線端末の目標電力削減P-MPR2を決定603し、
前記出力電力を設定するために、前記無線端末によって適用される目標電力削減の指示253を、無線端末へと送信605するように構成される。
【0066】
このようにして、端末130は、その出力電力を低下させることを望む端末を制御し、同時に、需要電力削減を調整するように構成され得る。更に、前記電力削減の調整は、露出制限又は規制を満たすために、アップリンクデューティサイクルに関して適用される変更に関連付けられる可能性がある。
【0067】
幾つかの実施形態において、目標電力削減P-MPR2は需要電力削減とは異なっており、例えば需要電力削減P-MPR1よりも小さいか、又は大きい。
【0068】
幾つかの実施形態において、ロジック510は、
目標電力削減に関連付けられた実際のアップリンクデューティサイクルUDC2を決定604し、
前記実際のアップリンクデューティサイクルに従って、端末からのアップリンク送信をスケジュールするように構成される。
【0069】
様々な実施形態において、実際のアップリンクデューティサイクルは、第1のアップリンクデューティサイクルとは異なる。
【0070】
具体的には、目標電力削減P-MPR2が需要電力削減P-MPR1よりも小さい幾つかの実施形態において、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2は、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1よりも低い値を有する。
【0071】
同様に、目標電力削減P-MPR2が需要電力削減P-MPR1よりも大きい幾つかの実施形態において、実際のアップリンクデューティサイクルUDC2は、第1のアップリンクデューティサイクルUDC1よりも高い値を有する。
【0072】
幾つかの実施形態において、ロジックは、前記需要電力削減に関連付けられたアップリンクビームの空間関係情報を受信232するように構成され得る。そのような実施形態において、需要電力削減の前記指示は、複数のアップリンクビームの各々の電力値を示し得る。需要電力削減の指示は、前記複数のアップリンクビームのうち、基準ビームB1についてのビーム固有値と、別のビームB2についての前記ビーム固有値に関連付けられた相対値とを示し得る。或いは、目標電力削減の指示は、前記複数のアップリンクビームの各々の電力値を示し得る。
【0073】
本発明を、特定の好ましい例に関して示し且つ説明してきたが、本明細書を読んで理解した当業者には、均等物及び改変物が想い浮かぶであろう。本発明は、そのような全ての均等物及び改変を含むものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【国際調査報告】