(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】精製プラットフォームから得られた組成物中の酵素加水分解活性速度を低下させる方法
(51)【国際特許分類】
C07K 1/34 20060101AFI20220629BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20220629BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220629BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220629BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
C07K1/34
A61K35/12
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K47/26
C07K16/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564765
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020031164
(87)【国際公開番号】W WO2020227144
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】306021192
【氏名又は名称】エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リース, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】モリス, アレクサンドラ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シュペンスベルガー, ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】イグゾー, インゲス
(72)【発明者】
【氏名】エデルマン, フランツィスカ
(72)【発明者】
【氏名】ファルケンシュタイン, ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】グラフ, トビアス
(72)【発明者】
【氏名】グ, ジエ
(72)【発明者】
【氏名】プラバカール, ジーバン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4C076DD09
4C076EE23
4C076FF65
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE01
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4C087NA03
4H045AA11
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4H045AA30
4H045FA74
4H045GA10
4H045GA22
4H045GA23
4H045GA26
(57)【要約】
本開示は、深層フィルタ工程及び/又は疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む精製プラットフォームを提供する。本明細書に記載の精製プラットフォーム及びそれから得られる組成物、例えば医薬組成物を使用する方法も本明細書に開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、
(a)捕捉工程、及び
(b)深層濾過工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、前記組成物の前記酵素加水分解活性速度を低下させる、方法。
【請求項2】
前記酵素加水分解活性速度が酵素ポリソルベート加水分解活性速度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物の前記酵素加水分解活性速度の相対的な低下が、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、少なくとも約20%である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
精製プラットフォームから得られた組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる方法であって、試料を、
(a)捕捉工程、及び
(b)深層濾過工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、前記組成物中の前記加水分解酵素のレベルを低下させる、方法。
【請求項5】
前記1つ以上の加水分解酵素がポリソルベートを加水分解することができる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物中の前記1つ以上の加水分解酵素のレベルの相対的な低下が、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、少なくとも約20%である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
精製プラットフォームから得られた組成物中のポリソルベートの分解を低減させるための方法であって、試料を、
(a)捕捉工程、及び
(b)深層濾過工程、を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
それにより、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、前記組成物中の前記ポリソルベートの分解を低減させる、方法。
【請求項8】
前記組成物中の前記ポリソルベートの分解の相対的低減が、前記深層濾過工程を有さない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、少なくとも約5%である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記精製プラットフォームが、前記試料から標的を精製するためのものであり、前記試料が、前記標的及び1つ以上の宿主細胞不純物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記標的がポリペプチドを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記宿主細胞不純物が宿主細胞タンパク質である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記深層濾過工程が前記捕捉工程の前に実施されるか、又は前記深層濾過工程が前記捕捉工程の後に実施される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記深層濾過工程が、深層フィルタによる処理を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記深層フィルタが、1つ以上の珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集樹脂、及び灰組成物を含む基材を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記深層フィルタの前記基材の少なくとも一部が表面改質を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記表面改質が、第四級アミン表面改質、カチオン表面改質、及びアニオン表面改質の1つ以上である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記深層フィルタが、EMPHAZE(商標)深層フィルタ、PDD1深層フィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZA深層フィルタ、及びZETA PLUS(商標)120ZB深層フィルタからなる群から選択される、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記捕捉工程が、アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記アフィニティクロマトグラフィーが、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、プロテインLクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィー、及びカッパXLクロマトグラフィーからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記精製プラットフォームがウイルス不活化工程を更に含み、前記ウイルス不活化工程が前記捕捉工程の後に実施される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記深層濾過工程が前記ウイルス不活化工程の後に実施される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記精製プラットフォームが、前記捕捉工程の前に実施される別の深層濾過工程を更に含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記精製プラットフォームが1つ以上の精製工程を更に含み、前記1つ以上の精製工程が、前記捕捉工程、前記深層濾過工程、及び存在する場合には前記ウイルス不活化工程の後に実施される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の精製工程がポリペプチド精製工程を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記精製プラットフォームが、前記1つ以上の精製工程の前、間、又は後に実施される別の深層濾過工程を更に含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記精製プラットフォームが限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程を更に含み、前記UFDF工程が前記1つ以上の精製工程の後に実施される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記精製プラットフォームが、前記UFDF工程の前又は後に実施される別の深層濾過工程を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記精製プラットフォームが、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)精製工程を更に含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記HIC精製工程が、存在する場合には、前記1つ以上の精製工程の前、間、又は後に実施される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記HIC精製工程が、前記1つ以上の精製工程の後で、かつ存在する場合には前記UFDF工程の前に実施される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記精製プラットフォームがpH保持工程を更に含み、前記pH保持工程が、存在する場合には前記1つ以上の精製工程の後で、かつ前記UFDF工程の前に実施される、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項32】
前記精製プラットフォームがウイルス濾過工程を更に含み、前記ウイルス濾過工程が前記pH保持工程の後で、かつ前記UFDF工程の前に実施される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ウイルス濾過工程が、ウイルスフィルタによる処理を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記HIC精製工程が、HICフィルタによる処理を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上の精製工程が、それぞれ独立して、イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性電荷誘導クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む、請求項23~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ以上の精製工程が、それぞれ独立して、DEAE、DMAE、TMAE、QAE、SPSFF、SPXL、QSFF、MEP-Hypercel(商標)、Capto MMC、及びCapto Adhereからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む、請求項23~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、
(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、
(b)ウイルス不活化工程、
(c)第2のポリペプチド精製工程、
(d)第3のポリペプチド精製工程、及び
(e)限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、
前記精製プラットフォームが、以下、
(i)前記捕捉工程の前、
(ii)前記捕捉工程の後で、かつ前記ウイルス不活化工程の前、
(iii)前記ウイルス不活化工程の後で、かつ前記第2のポリペプチド精製工程の前、
(iv)前記第2のポリペプチド精製工程の後で、かつ前記第3のポリペプチド精製工程の前、又は
(v)前記第3のポリペプチド精製工程の後で、かつ前記限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程の前、の1つ以上で実施される深層濾過工程を更に含み、
それにより、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、前記組成物の前記酵素加水分解活性速度を低下させる、方法。
【請求項38】
前記精製プラットフォームが、前記第3のポリペプチド精製工程の後で、かつ前記UFDF工程の前に実施される、pH保持工程及びウイルス濾過工程をこの順で更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ウイルス濾過工程が、ウイルスフィルタによる処理を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記精製プラットフォームが、以下の1つ以上、
(i)前記第3のポリペプチド精製工程の後で、かつ前記pH保持工程の前、
(ii)前記pH保持工程の後で、かつ前記ウイルス濾過工程の前、又は
(iii)前記ウイルス濾過工程の後で、かつ前記UFDF工程の前、
に実施される疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)精製工程を更に含む、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物の前記酵素加水分解活性速度を決定することを更に含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することを更に含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物がポリソルベートを含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
試料処理工程を更に含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記試料が、細胞培養試料であるか、又は細胞培養試料に由来する、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記細胞培養試料が宿主細胞を含み、前記宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は大腸菌(E.coli)細胞である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記試料が、宿主細胞又はそれに由来する成分を含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記試料が1つ以上の宿主細胞タンパク質を含み、前記1つ以上の宿主細胞タンパク質の1つが加水分解酵素である、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記加水分解酵素が、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記試料が標的を含み、前記標的が抗体部分である、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記抗体部分が、モノクローナル抗体である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記抗体部分が、ヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
前記抗体部分が、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗IX因子抗体、抗X因子抗体、抗aベータ抗体、抗tau抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、請求項51~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281、及びRO7122290からなる群から選択される、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
請求項1~55のいずれか一項に記載の方法から得られる医薬組成物。
【請求項57】
抗体部分及びポリソルベートを含む、製剤化された抗体部分組成物であって、前記組成物はポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、前記組成物の貯蔵寿命が24ヶ月を超える、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項58】
抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、前記組成物はポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、前記組成物の貯蔵寿命が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示される貯蔵寿命と比較して延長されており、前記貯蔵寿命が、前記文書に示される貯蔵寿命と比較して少なくとも6ヶ月延長されている、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項59】
抗体部分を含む製剤化された抗体部分組成物であって、前記製剤化された抗体部分組成物はポリソルベートの分解が低下しており、前記分解が、前記製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して少なくとも約20%低下している、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項60】
抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、前記ポリソルベートが、液体組成物の貯蔵中に年間20%以下分解される、製剤化された抗体部分組成物。
【請求項61】
前記抗体部分がモノクローナル抗体である、請求項57~60のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項62】
前記抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、請求項57~61のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項63】
前記抗体が、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗IX因子抗体、抗X因子抗体、抗aベータ抗体、抗tau抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、請求項57~62のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項64】
前記抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される、請求項57~63のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項65】
前記ポリソルベート加水分解活性速度が、少なくとも約20%低下される、請求項57~64のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項66】
前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される、請求項57~65のいずれか一項に記載の製剤化された抗体部分組成物。
【請求項67】
精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、
(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、及び
(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーにより処理することを含む精製工程、
をこの順で含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
前記精製プラットフォームが、1つ以上の深層濾過工程を更に含み、
前記1つ以上の深層濾過工程が、前記捕捉工程の前、前記捕捉工程の後、又は前記捕捉工程の後で、かつ前記精製工程の前のいずれか1つ以上で実施され、
各深層濾過工程は、深層フィルタによる処理を含み、
前記深層フィルタが、
(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、
(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに
(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライト、
からなる群から選択される材料を含み、それにより、前記1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、前記組成物の前記酵素加水分解活性速度を低下させる、方法。
【請求項68】
前記酵素加水分解活性速度が酵素ポリソルベート加水分解活性速度である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記組成物の前記酵素加水分解活性速度の相対的な低下が、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、少なくとも約20%である、請求項67又は68に記載の方法。
【請求項70】
精製プラットフォームから得られた組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる方法であって、試料を、
(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、及び
(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーにより処理することを含む精製工程、
をこの順で含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
前記精製プラットフォームが、1つ以上の深層濾過工程を更に含み、
前記1つ以上の深層濾過工程が、前記捕捉工程の前、前記捕捉工程の後で、かつ前記精製工程の前、又は前記精製工程の後のいずれか1つ以上で実施され、
各深層濾過工程は、深層フィルタによる処理を含み、
前記深層フィルタが、
(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、
(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに
(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライト、
からなる群から選択される材料を含み、
それにより、前記1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、前記組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる、方法。
【請求項71】
前記1つ以上の加水分解酵素がポリソルベートを加水分解することができる、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記組成物中の前記1つ以上の加水分解酵素のレベルの相対的な低下が、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、少なくとも約20%である、請求項70又は71に記載の方法。
【請求項73】
精製プラットフォームから得られた組成物中のポリソルベートの分解を低減させるための方法であって、試料を前記精製プラットフォームに供する工程を含み、前記精製プラットフォームが、試料を、
(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、及び
(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーにより処理することを含む精製工程、
をこの順で含む前記精製プラットフォームに供することを含み、
前記精製プラットフォームが、1つ以上の深層濾過工程を更に含み、
前記1つ以上の深層濾過工程が、前記捕捉工程の前、前記捕捉工程の後、又は前記捕捉工程の後で、かつ前記精製工程の前のいずれか1つ以上で実施され、
各深層濾過工程は、深層フィルタによる処理を含み、
前記深層フィルタが、
(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、
(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに
(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライト、
からなる群から選択される材料を含み、
それにより、前記1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、前記組成物中の前記ポリソルベートの分解を低減させる、方法。
【請求項74】
前記組成物中の前記ポリソルベートの分解の相対的低減が、前記深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した前記試料の精製と比較して、少なくとも約5%である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記シリカ及び前記ポリアクリル系繊維を含む前記深層フィルタが、シリカ濾過助剤及びポリアクリル系繊維パルプを含む、請求項67~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及び前記マルチゾーン微多孔膜を含む前記深層フィルタが、ヒドロゲルQ官能化不織布材料及び9ゾーン微多孔膜を含む4つの層を備える、請求項67~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトを含む前記深層フィルタが2つの層を含み、各層がセルロースフィルタマトリックスを含み、前記セルロースフィルタマトリックスが珪藻土又はパーライトの1つ以上を含む濾過助剤で含浸され、各層が樹脂バインダーを更に含む、請求項67~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記深層フィルタが、前記深層フィルタに入る溶液のpHに基づいて選択される、請求項67~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記深層フィルタに入る前記溶液が約5~約6.5である場合に、前記シリカ及び前記ポリアクリル系繊維を含む前記深層フィルタが選択される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記深層フィルタに入る前記溶液が約7~約8.5である場合に、前記ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及び前記マルチゾーン微多孔膜を含む前記深層フィルタが選択される、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記深層フィルタに入る前記溶液の前記pHに基づいて前記深層フィルタを選択する工程を更に含む、請求項67~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記精製プラットフォームが、前記ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む前記深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程、プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む前記捕捉工程、及び前記精製工程、をこの順で含む、請求項67~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記精製工程が、前記HICによる処理を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記HICがフェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィーである、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記精製工程が、前記陽イオン交換クロマトグラフィーによる処理を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記陽イオン交換クロマトグラフィーがPOROS(登録商標)50HSである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記精製プラットフォームが、前記シリカ及び前記ポリアクリル系繊維を含む前記深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程を更に含み、前記第2の深層濾過工程が、前記捕捉工程の後で、かつ前記精製工程の前に実施される、請求項67~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記精製工程が、前記マルチモーダルクロマトグラフィーによる処理を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項89】
前記マルチモーダルクロマトグラフィーがCapto Adhereである、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記精製プラットフォームが、前記ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む前記深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程を更に含み、前記第2の深層濾過工程が、前記捕捉工程の後で、かつ前記精製工程の前に実施される、請求項88又は89に記載の方法。
【請求項91】
前記精製プラットフォームが、前記試料から標的を精製するためのものであり、前記試料が、前記標的及び1つ以上の宿主細胞不純物を含む、請求項67~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記標的がポリペプチドを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記宿主細胞不純物が宿主細胞タンパク質である、請求項91又は92に記載の方法。
【請求項94】
前記精製プラットフォームがウイルス不活化工程を更に含み、前記ウイルス不活化工程が前記捕捉工程の後に実施される、請求項67~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記1つ以上の深層濾過工程が前記ウイルス不活化工程の後に実施される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記精製プラットフォームが限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程を更に含み、前記UFDF工程が前記精製工程の後に実施される、請求項67~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記組成物の前記酵素加水分解活性速度を決定することを更に含む、請求項67~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することを更に含む、請求項67~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記組成物がポリソルベートを含む、請求項67~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
試料処理工程を更に含む、請求項67~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記試料が、細胞培養試料であるか、又は細胞培養試料に由来する、請求項67~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記細胞培養試料が宿主細胞を含み、前記宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は大腸菌(E.coli)細胞である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記試料が、宿主細胞又はそれに由来する成分を含む、請求項67~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記試料が1つ以上の宿主細胞タンパク質を含み、前記1つ以上の宿主細胞タンパク質の1つが加水分解酵素である、請求項67~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記加水分解酵素が、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記試料が標的を含み、前記標的が抗体部分である、請求項67~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記抗体部分がモノクローナル抗体である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、請求項107又は108に記載の方法。
【請求項110】
前記抗体部分が、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗IX因子抗体、抗X因子抗体、抗aベータ抗体、抗tau抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、請求項107~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281、及びRO7122290からなる群から選択される、請求項107~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
請求項67~111のいずれか一項に記載の方法から得られる医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年1月15日出願の米国仮出願第62/961,609号及び2019年5月3日出願の米国仮出願第62/843,261号の利益を主張するものであり、これらは各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、深層濾過工程及び/又は疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む精製プラットフォームを提供する。本明細書に記載の精製プラットフォーム及びそれから得られる組成物を使用する方法も本明細書に開示される。
【背景技術】
【0003】
宿主細胞培養物から産生された抗体などの生物治療製品は、宿主細胞タンパク質、並びに、例えば、製品品質及び治療有効性に影響を及ぼし得る他の不純物を除去するために精製を必要とする。現在の精製方法は、宿主細胞加水分解酵素を含む全ての宿主細胞タンパク質及び不純物を除去するわけではない。したがって、宿主細胞タンパク質及び精製標的と共に残存する不純物は、精製標的自体並びに他の添加剤、例えば界面活性剤などの製剤目的のために添加される成分に影響を及ぼし得る。したがって、薬学的使用のために宿主細胞培養物から産生された生物療法製品を精製するための改善された方法が必要とされている。
【0004】
特許出願及び刊行物を含む本明細書に引用される全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、(a)捕捉工程、及び(b)深層濾過工程を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、それにより、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用する試料の精製と比較して、組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、酵素加水分解活性速度は、酵素ポリソルベート加水分解活性速度である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程なしで同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物の酵素加水分解活性速度の相対的減少は、少なくとも約20%である。
【0007】
別の態様では、精製プラットフォームから得られた組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる方法であって、試料を、(a)捕捉工程、及び(b)深層濾過工程を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、それにより、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中の加水分解酵素のレベルを低下させる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上の加水分解酵素は、ポリソルベートを加水分解することができる。いくつかの実施形態では、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルの相対的な低下は、少なくとも約20%である。
【0008】
別の態様では、精製プラットフォームから得られた組成物中のポリソルベートの分解を低減させるための方法であって、試料を、(a)捕捉工程、及び(b)深層濾過工程を含む前記精製プラットフォームに供することを含み、それにより、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中のポリソルベートの分解を低減させる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中のポリソルベートの分解の相対的低減は、少なくとも約5%である。
【0009】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、試料から標的を精製するためのものであり、試料は標的及び1つ以上の宿主細胞不純物を含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞不純物は、宿主細胞タンパク質である。
【0010】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施されるか、又は深層濾過工程は、捕捉工程の後に実施される。
【0011】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、深層フィルタによる処理を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集性樹脂、及び灰組成物のうちの1つ以上を含む基材を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタの基材の少なくとも一部は、表面改質を含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、第四級アミン表面改質、カチオン性表面改質、及びアニオン性表面改質の1つ以上である。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、EMPHAZE(商標)深層フィルタ、X0SP深層フィルタ、PDD1深層フィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZA深層フィルタ、及びZETA PLUS(商標)120ZB深層フィルタからなる群から選択される。
【0012】
いくつかの実施形態では、捕捉工程はアフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む。いくつかの実施形態では、アフィニティクロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、プロテインLクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィー及びカッパXLクロマトグラフィーからなる群より選択される。
【0013】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス不活化工程を更に含み、ウイルス不活化工程は、捕捉工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ウイルス不活化工程の後に実施される。
【0014】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される別の深層濾過工程を更に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程を更に含み、1つ以上の精製工程は、捕捉工程、深層濾過工程、及び存在する場合はウイルス不活化工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、1つ以上の精製工程はポリペプチド精製工程を含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の前、間、又は後に実施される別の深層濾過工程を更に含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程を更に含み、UFDF工程は、1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UFDF工程の前又は後に実施される別の深層濾過工程を更に含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)精製工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC精製工程は、存在する場合、1つ以上の精製工程の前、間、又は後に実施される。いくつかの実施形態では、HIC精製工程は、1つ以上の精製工程の後、存在する場合はUFDF工程の前に実施される。
【0018】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームはpH保持工程を更に含み、pH保持工程は、存在する場合、1つ以上の精製工程の後、かつUFDF工程の前に実施される。
【0019】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス濾過工程を更に含み、ウイルス濾過工程は、pH保持工程の後かつUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、ウイルス濾過工程は、ウイルスフィルタによる処理を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、HIC精製工程は、HICフィルタによる処理を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つ以上の精製工程は、それぞれ独立して、イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性電荷誘導クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の精製工程は、それぞれ独立して、以下からなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む:DEAE、DMAE、TMAE、QAE、SPSFF、SPXL、QSFF、MEP-Hypercel(商標)、Capto MMC、及びCapto Adhere。
【0022】
別の態様では、精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(b)ウイルス不活化工程、(c)第2のポリペプチド精製工程、(d)第3のポリペプチド精製工程、及び(e)限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが、(i)捕捉工程の前、(ii)捕捉工程の後で、かつウイルス不活化工程の前、(iii)ウイルス不活化工程の後で、かつ第2のポリペプチド精製工程の前、(iv)第2のポリペプチド精製工程の後で、かつ第3のポリペプチド精製工程の前、又は(v)第3のポリペプチド精製工程の後で、かつ限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程の前、の1つ以上で実施される深層濾過工程を更に含み、それにより、深層濾過工程なしで同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる、方法が提供される。
【0023】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、以下の順序で、第3のポリペプチド精製工程の後及びUFDF工程の前に実施されるpH保持工程及びウイルス濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、ウイルス濾過工程は、ウイルスフィルタによる処理を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、以下の1つ以上で実施される疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)精製工程を更に含む:(i)第3のポリペプチド精製工程の後、pH保持工程の前、(ii)pH保持工程後かつウイルス濾過工程の前、又は(iii)ウイルス濾過工程の後で、かつUFDF工程の前。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、組成物の酵素加水分解活性速度を決定することを更に含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法は、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することを更に含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、組成物はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法は、試料処理工程を更に含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、試料は、細胞培養試料であるか、又は細胞培養試料に由来する。いくつかの実施形態では、細胞培養試料は宿主細胞を含み、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は大腸菌細胞である。いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞又はそれに由来する成分を含む。いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の宿主細胞タンパク質を含み、1つ以上の宿主細胞タンパク質のうちの1つは加水分解酵素である。
【0030】
いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである。
【0031】
いくつかの実施形態では、試料は標的を含み、標的は抗体部分である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。
【0032】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。
【0033】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される。
【0034】
別の態様では、本明細書に記載の方法のいずれか1つから得られる医薬組成物が提供される。
【0035】
別の態様では、ポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が24ヶ月を超える、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0036】
別の態様では、抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、組成物はポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された貯蔵寿命と比較して延長され、貯蔵寿命が、上記文書に示された貯蔵寿命と比較して少なくとも6ヶ月延長される、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0037】
別の態様では、抗体部分を含む製剤化された抗体部分組成物であって、製剤化された抗体部分組成物はポリソルベートの分解が低下しており、分解が、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して少なくとも約20%低下している、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0038】
別の態様では、抗体部分とポリソルベートとを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベートが、液体組成物の貯蔵中に年間20%以下分解される、製剤化された抗体部分組成物が提供される。
【0039】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分は、ヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である。
【0040】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分は、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分は、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される。
【0042】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物のポリソルベート加水分解活性速度は、少なくとも約20%低下する。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される。
【0043】
別の態様では、精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、並びに(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが1つ以上の深層濾過工程を更に含み、1つ以上の深層濾過工程が、捕捉工程の前、捕捉工程の後、又は捕捉工程の後で、かつ精製工程の前のいずれか1つ以上において実施され、各深層濾過工程が深層フィルタによる処理を含み、深層フィルタが、(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトからなる群から選択される材料を含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の酵素加水分解活性速度が低下する、方法が提供される。いくつかの実施形態では、酵素加水分解活性速度は、酵素ポリソルベート加水分解活性速度である。いくつかの実施形態では、深層濾過工程なしで同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物の酵素加水分解活性速度の相対的減少は、少なくとも約20%である。
【0044】
別の態様では、精製プラットフォームから得られた組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、並びに(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが1つ以上の深層濾過工程を更に含み、1つ以上の深層濾過工程が、捕捉工程の前、捕捉工程の後で精製工程の前、又は精製工程の後のいずれか1つ以上において実施され、各深層濾過工程が深層フィルタによる処理を含み、深層フィルタが、(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトからなる群から選択される材料を含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の1つ以上の加水分解酵素のレベルが低下する、方法が提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上の加水分解酵素は、ポリソルベートを加水分解することができる。いくつかの実施形態では、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルの相対的な低下は、少なくとも約20%である。
【0045】
別の態様では、精製プラットフォームから得られた組成物中のポリソルベートの分解を低減させるための方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、並びに(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが1つ以上の深層濾過工程を更に含み、1つ以上の深層濾過工程が、捕捉工程の前、捕捉工程の後、又は捕捉工程の後で、かつ精製工程の前のいずれか1つ以上において実施され、各深層濾過工程が深層フィルタによる処理を含み、深層フィルタが、(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトからなる群から選択される材料を含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中のポリソルベートの分解を低減させる、方法が提供される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中のポリソルベートの分解の相対的低減は、少なくとも約5%である。
【0046】
いくつかの実施形態では、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタは、シリカ濾過助剤及びポリアクリル系繊維パルプを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタは、ヒドロゲルQ官能化不織布材料及び9ゾーン微多孔膜を含む4つの層を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトを含む深層フィルタは、2つの層を含み、各層はセルロースフィルタマトリックスを含み、セルロースフィルタマトリックスは、珪藻土又はパーライトの1つ以上を含む濾過助剤で含浸され、各層は樹脂バインダーを更に含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液のpHに基づいて選択される。いくつかの実施形態では、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約5~約6.5である場合に選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約7~約8.5である場合に選択される。いくつかの実施形態では、本方法は、深層フィルタに入る溶液のpHに基づいて深層フィルタを選択する工程を更に含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程を順に含み、捕捉工程はプロテインAクロマトグラフィーによる処理を含み、精製工程を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、精製工程は、HICによる処理を含む。いくつかの実施形態では、HICは、フェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィーである。
【0052】
いくつかの実施形態では、精製工程は陽イオン交換クロマトグラフィーによる処理を含む。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーは、POROS(登録商標)50HSである。
【0053】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程を更に含み、第2の深層濾過工程は、捕捉工程の後で精製工程の前に実施される。
【0054】
いくつかの実施形態では、精製工程は、マルチモーダルクロマトグラフィーによる処理を含む。いくつかの実施形態では、マルチモーダルクロマトグラフィーはCapto Adhereである。
【0055】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程を更に含み、第2の深層濾過工程は、捕捉工程の後で精製工程の前に実施される。
【0056】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、試料から標的を精製するためのものであり、試料は標的及び1つ以上の宿主細胞不純物を含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞不純物は、宿主細胞タンパク質である。
【0057】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、ウイルス不活化工程を更に含み、ウイルス不活化工程は、捕捉工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、1つ以上の深層濾過工程は、ウイルス不活化工程の後に実施される。
【0058】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程を更に含み、UFDF工程は精製工程の後に実施される。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、組成物の酵素加水分解活性速度を決定することを更に含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することを更に含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、組成物はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、試料処理工程を更に含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、試料は、細胞培養試料であるか、又は細胞培養試料に由来する。いくつかの実施形態では、細胞培養試料は宿主細胞を含み、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は大腸菌細胞である。いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞又はそれに由来する成分を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、試料は、1つ以上の宿主細胞タンパク質を含み、1つ以上の宿主細胞タンパク質のうちの1つは加水分解酵素である。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである。いくつかの実施形態では、試料は標的を含み、標的は抗体部分である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体部分は、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される。
【0065】
別の態様では、本明細書に記載の方法のいずれかから得られる医薬組成物が提供される。
【0066】
当業者は、いくつかの実施形態が本発明の範囲及び趣旨内で可能であることを認識するだろう。本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらの実施例は、本開示の範囲又は趣旨を、そこに記載されている特定の手順に限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1A】精製プラットフォーム100の例示的な工程を示す図である。
【
図1B】精製プラットフォームの工程の例示的な選択肢を示す図である。
【0068】
【
図2】FAMSアッセイを使用して精製プラットフォームから得られた組成物中で測定された遊離脂肪酸の量の棒グラフを示す図である。
【0069】
【
図3】リパーゼ活性アッセイを使用して精製プラットフォームから得られた組成物で測定された加水分解活性の棒グラフを示す図である。
【0070】
【
図4】FAMSアッセイを使用して精製プラットフォームから得られた組成物中で測定された遊離脂肪酸の量の棒グラフを示す図である。
【0071】
【
図5】ファリシマブの精製の選択肢の概略図を示す。
【0072】
【
図6A】PDD1フィルタでの濾過前(
図6A)のファリシマブについてFcXL溶出液中で測定したPS20加水分解活性の棒グラフを示す図である。
【
図6B】PDD1フィルタでの濾過後(
図6B)のファリシマブについてFcXL溶出液中で測定したPS20加水分解活性の棒グラフを示す図である。
【0073】
【
図7】FAMSアッセイを使用して精製プラットフォームから得られた組成物中で測定された遊離脂肪酸の量の棒グラフを示す図である。
【0074】
【
図8A】深層フィルタを用いた濾過後のプロテインA溶出液で測定された加水分解活性の棒グラフを示す図である。
【
図8B】深層フィルタを用いた濾過後のプロテインA溶出液で測定された加水分解活性の棒グラフを示す図である。
【0075】
【
図9】EMPHAZE(商標)深層フィルタ清澄化後のプロテインA溶出液のCHOP及びポリソルベート分解活性の相対レベルを示す図である。
【0076】
【
図10】異なる処理量でX0SP深層フィルタ(pH5.5)から得られた組成物のポリソルベート分解の比活性を示す図である。
【0077】
【
図11A】pH5.5のオクレリズマブについて、異なる処理量でのポリソルベート分解の比活性を示す図である。
【
図11B】pH5.5のセリクレルマブについて、異なる処理量でのポリソルベート分解の比活性を示す図である。
【
図11C】pH6.5のトシリズマブについて、異なる処理量でのポリソルベート分解の比活性を示す図である。
【0078】
【
図12】精製プラットフォームから得られた組成物の特定のFAMS率の棒グラフを示す図である。
【0079】
【
図13】精製プラットフォームから得られた組成物の特定のFAMS率の棒グラフを示す図である。
【0080】
【
図14】精製プラットフォームから得られた組成物の特定のFAMS率の棒グラフを示す図である。
【0081】
【
図15】精製プラットフォームから得られた組成物の特定のLEAP率の棒グラフを示す図である。
【0082】
【
図16】精製ワークフローの概略図を示す図である。
【0083】
【
図17】LEAPアッセイを用いて測定した、精製プラットフォームから得られた組成物の平均変換率の棒グラフを示す図である。
【0084】
【
図18A】リパーゼ活性アッセイを使用して測定した、精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性の棒グラフを示す図である。
【
図18B】リパーゼ活性アッセイを使用して測定した、精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性の棒グラフを示す図である。
図18Aは、CF238から得られた結果を示す。
図18Bは、CF239から得られた結果を示す。
【0085】
【
図19A】LEAPアッセイを用いて測定した、精製プラットフォームから得られた組成物の平均変換率の棒グラフを示す図である。
【
図19B】リパーゼ活性アッセイを使用して測定した、精製プラットフォームから得られた組成物の加水分解活性の棒グラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
本出願は、いくつかの態様では、標的を含む試料から標的を精製する方法であって、試料を、1つ以上の深層フィルタ工程及び/又は1つ以上の疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む本明細書に開示される精製プラットフォームに供する工程を含む方法を提供する。
【0087】
本開示は、一部には、宿主細胞培養液(HCCF)及び/又はアフィニティクロマトグラフィー溶出液に対して実施される深層フィルタ工程などの1つ以上の深層フィルタ工程を含む精製プラットフォームが、そこから得られる組成物の酵素加水分解活性速度を低下させるという予想外の知見に基づく。さらに、本開示は、1つ以上のHIC工程を含む精製プラットフォームが、そこから得られる組成物の酵素加水分解活性速度を低下させるという予想外の発見、及び深層濾過工程とHIC工程の両方を含む精製プラットフォームが、そこから得られる組成物の酵素加水分解活性速度をさらに低下させ得るという予想外の発見に部分的に基づく。
【0088】
本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施態様の形態及び詳細の変更を行うことができることも当業者には理解されよう。さらに、様々な実施態様を参照して様々な利点、態様、及び目的を説明したが、本開示の範囲は、そのような利点、態様、及び目的を参照することによって限定されるべきではない。
定義
【0089】
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が適用され、適切な場合にはいつでも、単数形で使用される用語は、複数形も含み、その逆に、複数形で使用される用語は、単数形も含む。以下に記載されるいずれかの定義が、参照により本明細書に組み込まれているいずれかの文献と矛盾する場合には、以下に記載される定義が優先するものとする。
【0090】
「抗体部分」という用語は、全長抗体及びその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含む。軽鎖及び重鎖の可変領域は、抗原結合を担う。両方の鎖の可変領域は、一般に、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つの高度に可変なループを含む(LC-CDR1、LC-CDR2及びLC-CDR3を含む軽鎖(LC)CDR、HC-CDR1、HC-CDR2及びHC-CDR3を含む重鎖(HC)CDR)。本明細書に開示される抗体及び抗原結合断片のCDR境界は、Kabat、Chothia、又はAl-Lazikani(Al-Lazikani 1997;Chothia 1985;Chothia 1987;Chothia 1989;Kabat 1987;Kabat 1991)の慣例によって定義又は同定され得る。重鎖又は軽鎖の3つのCDRは、CDRよりも高度に保存されており、超可変ループを支持するための足場を形成するフレームワーク領域(FR)として公知の隣接するストレッチの間に介在する。重鎖及び軽鎖の定常領域は抗原結合に関与しないが、様々なエフェクター機能を示す。抗体は、その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいてクラスに割り当てられる。抗体の5つの主要なクラス又はアイソタイプは、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMであり、それぞれα、δ、ε、γ及びμ重鎖の存在を特徴とする。主要な抗体クラスのいくつかは、IgG1(γ1重鎖)、IgG2(γ2重鎖)、IgG3(γ3重鎖)、IgG4(γ4重鎖)、IgA1(α1重鎖)、又はIgA2(α2重鎖)などのサブクラスに分けられる。いくつかの実施形態では、抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、半合成抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分はダイアボディである。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。ある特定の実施形態では、抗体は多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、融合タンパク質に連結される。いくつかの実施形態では、抗体部分は、インターロイキンなどの免疫刺激タンパク質に結合している。いくつかの実施形態では、抗体部分は、血液脳関門を通過する侵入を促進するタンパク質に連結される。
【0091】
本明細書で使用される「抗原結合断片」という用語は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、一本鎖抗体分子(scFv)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、1つ以上のCDRを含む抗体の一部から形成された多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、又は抗原に結合するが完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片を含む抗体断片を指す。抗原結合断片は、親抗体又は親抗体断片(例えば、親scFv)が結合する同じ抗原に結合することができる。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、1つ以上の異なるヒト抗体由来のフレームワーク領域にグラフトされた特定のヒト抗体由来の1つ以上のCDRを含み得る。
【0092】
「キメラ抗体」という用語は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種に由来するか、又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一又は相同である一方で、鎖(複数可)の残りが、別の種に由来するか、又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一又は相同である抗体を指し、並びにそれらが所望の生物学的活性を呈する限り、そのような抗体の断片を含む(例えば、米国特許第4,816,567号及びMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851~6855(1984)を参照されたい)。
【0093】
「多重特異性抗体」という用語は、本明細書で使用するとき、少なくとも2つの異なる部位、すなわち、異なる抗原上の異なるエピトープ又は同じ抗原上の異なるエピトープに対して結合特異性を有するモノクローナル抗体を指す。特定の態様では、多重特異性抗体は2つの結合特異性を有する(二重特異性抗体)。ある特定の態様において、多重特異性抗体は3つ以上の結合特異性を有する。多重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
【0094】
抗体又は抗体部分に関して「半合成」という用語は、抗体又は抗体部分が1つ以上の天然に存在する配列及び1つ以上の非天然に存在する(すなわち、合成)配列を有することを意味する。
【0095】
「Fv」とは、完全な抗原認識及び抗原結合部位を含む最小抗体断片である。この断片は1つの重鎖可変領域ドメインと1つの軽鎖可変領域ドメインが、非共有結合で緊密に結合した二量体からなる。これらの2つのドメインの折り畳みにより、抗原結合のためのアミノ酸残基を提供し、かつ抗原結合特異性を抗体に与える6つの超可変ループ(重鎖及び軽鎖から各3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的なCDRを3つのみ含むFvの半分)でさえも、全結合部位よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識してそれに結合する能力を有する。
【0096】
「sFv」又は「scFv」とも略される「一本鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に接続されたVH及びVL抗体ドメインを含む抗体断片である。いくつかの実施形態では、scFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーを更に含み、これにより、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成することが可能になる。scFvに関する概説については、例えば、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。
【0097】
「ダイアボディ」という用語は、Vドメインの鎖内ではなく鎖間の対合が達成され、二価断片、すなわち、2つの抗原結合部位を有する断片をもたらすように、VHドメインとVLドメインとの間にscFv断片(前段落を参照のこと)を短いリンカー(約5~10個の残基)で構築することによって調製された小さい抗体断片を指す。二重特異性ダイアボディは、2つの抗体のVH及びVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する2つの「交差」scFv断片のヘテロ二量体である。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第93/11161号、及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)に更に詳述されている。
【0098】
非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態とは、非ヒト抗体に由来する配列を最小限含むキメラ抗体である。大部分は、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の抗体特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基によって置き換えられる、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの事例では、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基に置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体には見られない残基を含み得る。これらの修飾を行い、抗体の性能をさらに改良する。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインのうちの実質的に全てを含み、超可変ループのうちの全て又は実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、FRのうちの全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のFRである。ヒト化抗体はまた、場合によっては、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部も含むことになる。さらなる詳細については、例えば、Jonesら、Nature、321:522~525(1986)、Riechmannら、Nature332:323~329(1988)、及びPresta、Curr.Op.Struct.Biol.2:593~596(1992)を参照されたい。
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、1つ以上の深層濾過工程を含む。深層濾過工程は、深層フィルタによる処理を含むクロマトグラフィー技術である。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、細胞成分及び残屑などの試料の一部を保持することができる多孔質濾過媒体を含み、濾過は、例えば、フィルタ材料の深度内で実施される。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、合成材料、非合成材料、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集性樹脂、及び灰組成物のうちの1つ以上を含む基材を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタの基材の少なくとも一部は、表面改質を含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、第四級アミン表面改質、カチオン性表面改質、及びアニオン性表面改質の1つ以上である。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、EMPHAZE(商標)深層フィルタ(EMPHAZE(商標)AEX深層フィルタなど)、X0SP深層フィルタ、PDD1深層フィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZA深層フィルタ、及びZETA PLUS(商標)120ZB深層フィルタからなる群から選択される。
【0100】
いくつかの実施形態では、深層フィルタは、セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは2つの層を含み、各層はセルロースフィルタマトリックスを含み、セルロースフィルタマトリックスは、珪藻土又はパーライトの1つ以上を含む濾過助剤で含浸されている。いくつかの実施形態では、深層フィルタは2つの層を含み、各層はセルロースフィルタマトリックスを含み、セルロースフィルタマトリックスは珪藻土又はパーライトの1つ以上を含む濾過助剤で含浸され、各層は樹脂バインダーを更に含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、PDD1深層フィルタである。
【0101】
いくつかの実施形態では、深層フィルタは、シリカ濾過助剤などのシリカと、ポリアクリル系繊維とを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは2層の濾材を含み、第1の層はシリカ濾過助剤などのシリカを含み、第2の層はポリアクリル系繊維パルプなどのポリアクリル系繊維を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、合成材料を含む深層フィルタであり、珪藻土及び/又はパーライトを含まない。いくつかの実施形態では、深層フィルタはX0SP深層フィルタである。
【0102】
いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤は沈降シリカ濾過助剤である。いくつかの実施形態では、濾過助剤は、フィルタ機能の実行を助ける層などのフィルタの一態様である。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤はシリカゲル濾過助剤である。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤は、pH 7でイオン化された約50%のシラノールを有する。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤はシリカゲル濾過助剤であり、シリカ濾過助剤のシラノールの約50%がpH 7でイオン化される。いくつかの実施形態では、シリカ濾過助剤は、SIPERNAT(登録商標)(Evonik Industries AG)などのシリカ、又はKieseigel 60(Merck KGaA)などのシリカゲルから沈殿する。いくつかの実施形態では、ポリアクリル系繊維は、不織ポリアクリル系繊維パルプである。いくつかの実施形態では、ポリアクリル系繊維は電界紡糸ポリアクリルナノファイバーである。いくつかの実施形態では、ポリアクリル系繊維のフィブリル化度は、約10 mL~約800 mLのカナダ標準ろ水度(CSF)と相関する。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、約0.05μm~約0.2μm、例えば約0.1μmの孔径を有する。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、約0.1m2~約1.5m2、例えば約0.11m2、約0.55m2、又は約1.1 m2の表面積を有する。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、珪藻土及び/又はパーライトを含まない。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、濾材の2つの層を含み、第1の層は、pH7でイオン化された約50%のシラノールを有するシリカ濾過助剤を含み、第2の層は、約10mL~約800mLのカナダ標準ろ水度(CSF)と相関するポリアクリル系繊維のフィブリル化度を有するポリアクリル系繊維パルプを含み、深層フィルタは珪藻土を含まない。
【0103】
いくつかの実施形態では、深層フィルタは、ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布材料と、マルチゾーン微多孔膜とを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、ヒドロゲルQ官能化不織布材料及び9ゾーン微多孔膜を含む4つの層を含む。いくつかの実施形態では、不織布材料はポリプロピレンを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、合成材料を含む深層フィルタであり、珪藻土及び/又はパーライトを含まない。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、EMPHAZE(商標)AEX深層フィルタである。
【0104】
いくつかの実施形態では、深層フィルタは、複数の構成要素又は層を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、陰イオン交換(AEX)官能性ポリマーを含む1つ以上の層を含む複数の層を含む。いくつかの実施形態では、AEX官能性ポリマーを含む層は、Q官能性ヒドロゲルなどの第四級アンモニウム(Q)を含む。いくつかの実施形態では、AEX官能性ポリマーを含む層は、不織布物品と会合した第四級アンモニウム(Q)官能性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、AEX官能性ポリマーを含む層は、微細繊維ポリプロピレン不織布足場に共有結合的にグラフト化された第四級アンモニウム(Q)官能性ヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、約0.05μm~約0.3μm、例えば約0.22μmの孔径を有する9ゾーン膜を含むマルチゾーン膜を含む層を含む複数の層を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは珪藻土を含まない。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される方法は、1つ又はそれを超える疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む。HIC工程は、HICフィルタ又はHICカラムなどのHIC媒体による処理を含むクロマトグラフィー技術である。いくつかの実施形態では、HIC媒体は、例えば、メチル、エチル、プロピル、オクチル又はフェニル基を含む疎水性部分を含む。いくつかの実施形態では、試料を極性緩衝液中のHIC媒体に適用する。いくつかの実施形態では、塩濃度を減少させ、界面活性剤の濃度を増加させ、及び/又はpHを調整した水性緩衝液による段階的溶出を使用して、ポリペプチドをHIC培地から溶出する。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、精製プラットフォームから得られる組成物の酵素加水分解活性速度を低下させることができる。いくつかの実施形態では、酵素加水分解活性速度は、1つ以上の加水分解酵素、例えば1つ以上の異なる加水分解酵素の活性速度を表す。いくつかの実施形態では、酵素加水分解活性速度は、組成物中の1つ以上の酵素の活性の代用測定値である。いくつかの実施形態では、酵素加水分解活性速度は、代用基質により測定される。いくつかの実施形態では、酵素加水分解活性速度は、1つ以上の加水分解酵素の加水分解生成物を測定することによって評価される。
【0107】
本明細書で使用される「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、及び「含む(including)」という用語、並びにそれらの文法的同等物は、これらの単語のいずれか1つに続く1つ以上の項目が、そのような1つ以上の項目の網羅的な列挙であることを意味しないか、列挙された1つ以上の項目のみに限定されることを意味しないという点で、意味において同等であり、オープンエンドであることを意図している。例えば、構成要素A、B、及びCを「含む」物品は、構成要素A、B、及びCからなる(すなわち、のみを含有する)ことができるか、又は構成要素A、B、及びCだけでなく1つ以上の他の構成要素も含むこともできる。したがって、「含む(comprises)」及びその類似の形態、並びにその文法上の等価物は、「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「からなる(consisting of)」の実施形態の開示を含むことが意図され、理解される。
【0108】
値の範囲が提供される場合、文脈上明確に指示されない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在値、及びその記載された範囲内の任意の他の記載された値又は介在値は、記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限を条件として、本開示内に包含されることが理解される。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それら包含される限界のいずれか又は両方を除いた範囲もまた、本開示に含まれる。
【0109】
本明細書における「約」値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする変形を含む(かつ説明する)。例えば、「約X」について言及する記述は、「X」の記述を含む。
【0110】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a(1つの)」、「or(又は)」、及び「the(その)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
精製プラットフォーム
【0111】
本開示のいくつかの態様では、深層濾過工程及び/又は疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)工程を含む精製プラットフォームが提供される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、標的を含む試料から標的を任意の程度まで精製するためのワークフローを表す。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームのプロセスワークフローは、標的を含む試料からの標的の精製に関与する工程の順序である。
【0112】
本明細書の開示の例及び説明のため、例示的な精製プラットフォーム100の一部のシーケンスワークフローを
図1Aに示す。
図1Aに示すように、精製プラットフォーム100は、捕捉工程105、コンディショニング工程110、1つ以上のポリペプチド精製工程等の1つ以上の精製工程115、ウイルス濾過工程120、及び限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程125を含むがこれらに限定されない連続工程を含む。いくつかの実施形態では、
図1Aに示す例示的な精製プラットフォームは、1つ以上の深層濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、
図1Aに示す例示的な精製プラットフォームは、コンディショニング工程110の後で、かつ1つ以上の精製工程の前に実施される深層濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、
図1Aに示す例示的な精製プラットフォームは、捕捉工程105の前に実施される深層濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、
図1Aに示す例示的な精製プラットフォームは、1つ以上のHIC工程を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、1つ以上の精製工程の後、ウイルス濾過工程のpH保持工程の後、及び/又はウイルス濾過工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、
図1Aに示す例示的な精製プラットフォームは、1つ以上の深層濾過工程及び1つ以上のHIC工程を含む。
【0113】
当業者は、本明細書に記載の精製プラットフォームが、標的を含む試料から標的を精製するためのワークフロー、精製プラットフォームのワークフローの各工程を実施するために使用される成分、並びにその中で使用される成分及び試薬を導くことを容易に理解するであろう。本開示のいくつかの例では、精製プラットフォーム及びその使用方法の説明は、モジュール方式で提供される。そのような開示は、本出願の範囲を限定することを意味しない。本開示は、個々の成分及び/又はその工程の開示に包含される精製プラットフォームの任意の組み合わせ及び/又は配置を包含する。
深層濾過工程
【0114】
いくつかの態様では、本開示は、深層濾過工程を含む精製プラットフォームを提供する。本明細書に記載されるように、深層濾過工程は、精製プラットフォーム内の1つ以上の位置のいずれかに配置することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、プロセスワークフローの任意の段階に配置された1つ以上の深層濾過工程、例えば2、3、4、又は5の深層濾過工程のいずれかを含む。精製プラットフォームが2つ以上の深層濾過工程を含むいくつかの実施形態では、深層濾過工程は直接連続して実施されない、すなわち、深層濾過工程の間に精製プラットフォームの何らかの介在工程が実施されない。精製プラットフォームが2つ以上の深層濾過工程を含むいくつかの実施形態では、深層濾過工程は同じである。精製プラットフォームが2つ以上の深層濾過工程を含むいくつかの実施形態では、深層濾過工程は異なり、例えば、異なる深層フィルタの使用を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームが2つ以上の深層濾過工程を含み、プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程の前に第1の深層濾過工程が実施され、捕捉工程の後で精製工程の前に第2の深層濾過工程が実施される。
【0116】
いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、深層フィルタによる処理を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、合成材料を含む深層フィルタである。深層フィルタによる処理に関連するものを含む深層濾過工程は、当技術分野で知られている。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるYigzaw et al.,Biotechnol Prog,22,2006、及びLiu et al.,mAbs,2,2010を参照されたい。当業者は、例えば、深層濾過工程に関与する構成要素、条件及び試薬を理解するであろう。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、それぞれが深層フィルタによる処理を含む1つ以上の深層濾過工程を含み、深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液のpHに基づいて選択される。いくつかの実施形態では、シリカと、X0SP深層フィルタなどのポリアクリル系繊維とを含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約5~約6.5である場合に選択される。いくつかの実施形態では、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタ、例えばX0SP深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約6.5以下、例えば約6.4以下、6.3以下、6.2以下、6.1以下、6.0以下、5.9以下、5.8以下、5.7以下、5.6以下、5.5以下、5.4以下、5.3以下、5.2以下、5.1以下、又は5.0以下のいずれかである場合に選択される。いくつかの実施形態では、シリカ及びX0SP深層フィルタなどのポリアクリル系繊維を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、又は5.0のいずれかである場合に選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びEMPHAZE(商標)深層フィルタなどのマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約7~約8.5である場合に選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びEMPHAZE(商標)深層フィルタなどのマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約7以上、例えば約7.1以上、7.2以上、7.3以上、7.4以上、7.5以上、7.6以上、7.7以上、7.8以上、7.9以上、8.0以上、8.1以上、8.2以上、8.3以上、8.4以上、又は8.5以上のいずれかである場合に選択される。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びEMPHAZE(商標)深層フィルタなどのマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、又は8.5のいずれかである場合に選択される。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、深層フィルタに入る溶液のpHに基づいて深層フィルタを選択する工程を更に含み得る。いくつかの例では、深層フィルタに入る溶液及びその特性は、本明細書に記載の精製プラットフォームを使用して精製されたポリペプチド(例えば、抗体)等の標的に基づくことができることを当業者は容易に理解するであろう。したがって、いくつかの実施形態では、pIなどの標的の特性が、本明細書に記載の精製プラットフォームで使用するための深層フィルタを選択するための基礎として使用される。
【0118】
いくつかの実施形態では、深層フィルタは、珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集性樹脂、合成粒子、イオン帯電性樹脂、及び灰組成物の1つ以上を含む基材を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは珪藻土を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは陰イオン交換媒体を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、深層フィルタの基材の少なくとも一部は、表面改質を含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、第四級アミン表面改質、カチオン性表面改質、及びアニオン性表面改質の1つ以上である。
【0120】
いくつかの実施形態では、深層フィルタは、EMPHAZE(商標)深層フィルタ(EMPHAZE(商標)AEX深層フィルタなど)、X0SP深層フィルタ、PDD1深層フィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZA深層フィルタ、及びZETA PLUS(商標)120ZB深層フィルタからなる群から選択される。
HIC工程
【0121】
いくつかの態様では、本開示は、HIC工程を含む精製プラットフォームを提供する。本明細書に記載されるように、HIC工程は、精製プラットフォーム内の任意の1つ以上の位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、プロセスワークフローの任意の段階に配置された1つ以上のHIC工程、例えば2、3、4、又は5つのHIC工程のいずれかを含む。精製プラットフォームが2つ以上のHIC工程を含むいくつかの実施形態では、HIC工程は直接連続して実施されない、すなわち、HIC工程の間に実施される精製プラットフォームの何らかの介在工程を伴わずに実施されない。精製プラットフォームが2つ以上のHIC工程を含むいくつかの実施形態では、HIC工程は同じである。精製プラットフォームが2つ以上のHIC工程を含むいくつかの実施形態では、HIC工程は異なり、例えば、異なるHIC媒体の使用を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、HIC工程は、HICカラム又はHIC膜などのHIC媒体による処理を含む。HIC媒体による処理に関与するものを含むHIC工程は、当技術分野で知られている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiu et al.mAbs,2,2010を参照されたい。当業者は、例えば、HIC工程に関与する成分、条件及び試薬を理解するであろう。
【0123】
いくつかの実施形態では、HIC媒体は疎水性樹脂を含む。いくつかの実施形態では、HIC媒体の基材の少なくとも一部は、表面改質を含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、フェニル又はブチル表面改質である。
【0124】
いくつかの実施形態では、HIC工程はフロースルーモードHIC工程である。いくつかの実施形態では、HIC工程は結合溶出モードHIC工程である。
【0125】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、プロセスワークフローの任意の段階に配置された1つ以上の深層濾過工程、及びプロセスワークフローの任意の段階に配置された1つ以上のHIC工程を含む。
捕捉工程
【0126】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは捕捉工程を含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程はアフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む。
【0127】
例えば、アフィニティクロマトグラフィーによる処理に関与するものを含む捕捉工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiu et al.mAbs,2,2010を参照されたい。
【0128】
いくつかの実施形態では、アフィニティクロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、プロテインLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィー及びカッパXLクロマトグラフィーからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、捕捉工程はプロテインAクロマトグラフィーによるプロセシングを含む。いくつかの実施形態では、捕捉工程はFcXLクロマトグラフィーによる処理を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーはシリカ系プロテインAクロマトグラフィーである。いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーはアガロースベースのプロテインAクロマトグラフィーである。いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーは有機ポリマーベースのプロテインAクロマトグラフィーである。
【0130】
いくつかの実施形態では、プロテインAクロマトグラフィーは、Prose vA(商標)、Prosep(登録商標)vA Ultra、プロテインA Sepharose(登録商標)Fast Flow、MabSelect(商標)、MabSelect(商標)SuRe、Poros(登録商標)A及びMabCapture(商標)からなる群から選択される。
コンディショニング工程
【0131】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームはコンディショニング工程を含む。いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、捕捉工程の後に実施される。
【0132】
コンディショニング工程は、コンディショニング工程のための処理に関与するものを含めて、当該技術分野において公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiu et al.mAbs,2,2010を参照されたい。
【0133】
いくつかの実施形態では、コンディショニング工程は、ウイルス不活化工程、例えば低pH保持工程を含む。いくつかの実施形態では、低pH保持工程は、約2.5~約4のpHで実施される。いくつかの実施形態では、低pH保持工程は、ウイルス不活化のために構成される。いくつかの実施形態では、低pH保持工程は、内因性/外来性ウイルスを不活性化することができる。
1つ以上の精製工程
【0134】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の精製工程は、捕捉工程及びコンディショニング工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、1つ以上の精製工程はポリペプチド精製工程を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の精製工程は、2つ、3つ、4つ又は5つのポリペプチド精製工程のいずれかなど、2つ以上のポリペプチド精製工程を含む。
【0135】
ポリペプチド精製工程のための処理に関与するものを含むポリペプチド精製工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiu et al.mAbs,2,2010を参照されたい。
【0136】
いくつかの実施形態では、ポリペプチド精製工程は、イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性電荷誘導クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、ポリペプチド精製工程は、ジエチルアミノエチル(DEAE)、ジメチルアミノエチル(DMAE)、トリメチルアミノエチル(TMAE)、四級アミン、四級アミノエチル(QAE)、スルホプロピル(SP)、SP-Sepharose(登録商標)(架橋ビーズ状アガロース)Fast Flow(FF)、SP-Sepharose(登録商標)XL、四級アミン(Q)Sepharose(登録商標)FF、メルカプトエチルピリジン(MEP)-Hypercel(商標)、Capto MMC(マルチモーダルクロマトグラフィー)、Capto Adhere、Poros(登録商標)XS、及びPoros(登録商標)50HSからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、ポリペプチド精製工程は結合溶出ポリペプチド精製工程である。いくつかの実施形態では、ポリペプチド精製工程はフロースルーポリペプチド精製工程である。いくつかの実施形態では、ポリペプチド精製工程は、弱分配クロマトグラフィーポリペプチド精製工程である。いくつかの実施形態では、ポリペプチド精製工程は過負荷ポリペプチド精製工程である。
ウイルス濾過工程
【0139】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームはウイルス濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス濾過工程は、1つ以上の精製工程の後に実施される。
【0140】
ウイルス濾過工程の処理に関与するものを含むウイルス濾過工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiu et al.mAbs,2,2010、及び米国特許出願公開第20140309403号を参照されたい。
【0141】
いくつかの実施形態では、ウイルス濾過工程は、ウイルスフィルタによる処理を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス濾過工程はpH保持工程を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスフィルタによる処理は、pH保持工程の後に実施される。
UFDF工程
【0142】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、UFDF工程を含む。いくつかの実施形態では、UFDF工程は、1つ以上の精製工程の後及び/又はウイルス濾過工程の後に実施される。
【0143】
UFDF工程の処理に関与するものを含むUFDF工程は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLiu et al.mAbs,2,2010を参照されたい。
【0144】
いくつかの実施形態では、UFDF工程は、限外濾過による処理を含む。いくつかの実施形態では、UFDF工程は、接線流濾過(TFF)モードで実行される。いくつかの実施形態では、UFDF工程は、高性能接線流濾過などの接線流濾過による処理を含む。
【0145】
上述のように、本出願に開示される精製プラットフォームは、本明細書に記載されるものを含む、精製工程の任意の組み合わせ及び配置を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、及び深層濾過工程を含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程を更に含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程と、精製プラットフォームが深層濾過工程を更に含むコンディショニング工程とを順に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後に実行される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程を更に含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、コンディショニング工程、及び1つ以上の精製工程を順に含み、精製プラットフォームは、深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などのHIC工程を更に含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びウイルス濾過工程を順に含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、1つ以上の精製工程の後、ウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ウイルス濾過工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後及び/又はウイルス濾過工程、ウイルス濾過工程のpH保持工程の後などの後若しくは間に実施される1つ以上のHIC工程から選択されるようなHIC工程を更に含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びUFDF工程を順に含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、1つ以上の精製工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、UFDF工程の後に実行される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後及び/又はUFDF工程の後に実施される1つ以上のHIC工程から選択されるようなHIC工程を更に含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、ウイルス濾過工程、及びUFDF工程を含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、1つ以上の精製工程の後、ウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ウイルス濾過工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、UFDF工程の後に実行される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後、及び/又はウイルス濾過工程のpH保持工程の後等のウイルス濾過工程の後若しくはその間、及び/又はUFDF工程の後に実施される1つ以上のHIC工程から選択されるようなHIC工程を更に含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程及びHIC工程を含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程と、精製プラットフォームがHIC工程を更に含むコンディショニング工程とを順に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、コンディショニング工程、及び1つ以上の精製工程を順に含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びウイルス濾過工程を順に含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、1つ以上の精製工程の後及びウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、ウイルス濾過工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びUFDF工程を含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、1つ以上の精製工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、UFDF工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、ウイルス濾過工程、及びUFDF工程を含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、1つ以上の精製工程の後及びウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、ウイルス濾過工程の後及びUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、UFDF工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
試料、その成分、及び精製プラットフォームから得られた組成物
【0157】
いくつかの態様では、本明細書に記載の精製プラットフォームは、標的を含む試料から標的を任意の程度まで精製するのに有用である。
【0158】
いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞試料である。いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞培養液(HCCF)である。いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞培養液の一部を含む。いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞培養液に由来する。いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、宿主細胞残屑などの宿主細胞の成分を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳類細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、大腸菌(E.coli)細胞である。
【0159】
いくつかの実施形態では、試料は、試料を本明細書に記載の精製プラットフォームに供する前に実行される処理工程に供されるなど、処理されている。いくつかの実施形態では、試料は界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、試料はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される。
【0160】
いくつかの実施形態では、試料は標的を含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチド複合体である。いくつかの実施形態では、標的は、抗体部分である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体部分は、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される。
【0161】
いくつかの実施形態では、試料は1つ以上の宿主細胞タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞タンパク質は加水分解酵素である。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は多酵素タンパク質である。いくつかの実施形態では、多酵素タンパク質は脂肪酸シンターゼである。いくつかの実施形態では、脂肪酸シンターゼはチオエステラーゼサブユニットを含む。
【0162】
本明細書に記載の精製プラットフォームは、場合によっては、多数の精製工程を含み得る。いくつかの実施形態では、「組成物」という用語は、本明細書では、精製プラットフォームの任意の段階の任意の入力(精製プラットフォームへの最初の試料入力を除く)、中間、又は出力を説明するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、「組成物」という用語の使用は、精製プラットフォームの最終出力を記述することに限定されない。
【0163】
いくつかの実施形態では、組成物は界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される。
【0164】
いくつかの実施形態では、組成物は標的を含む。いくつかの実施形態では、標的は、ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、標的はポリペプチドである。いくつかの実施形態では、標的はポリペプチド複合体である。いくつかの実施形態では、標的は抗体部分である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分はヒト化抗体である。いくつかの実施形態では、抗体部分は、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体部分は、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される。
【0165】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の宿主細胞タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞タンパク質は加水分解酵素である。いくつかの実施形態では、加水分解酵素は、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである。
追加の工程
【0166】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームに関与する又は関連する追加の工程を提供する。精製プラットフォームに関与するか又は関連する追加の工程、及びそのような工程を行うための方法が知られている。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLiu et al.mAbs,2,2010を参照されたい。
【0167】
いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、試料調製工程などの試料処理工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、例えばHCCFを清澄化するための清澄化工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、例えば精製プラットフォームから得られた試料及び/又は組成物から宿主細胞及び宿主細胞残屑を除去するための宿主細胞及び宿主細胞残屑除去工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、遠心分離工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、滅菌濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、接線流精密濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、凝集/沈殿工程を更に含む。
精製プラットフォームを使用する方法
【0168】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームを使用する方法を記載する。いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を本明細書に記載の精製プラットフォームに供することを含む。
【0169】
いくつかの態様では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む本明細書に記載の精製プラットフォームから得られる組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を精製プラットフォームに供することを含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程なしの同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物の酵素加水分解活性速度の相対的な低下は、少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%のいずれかである。いくつかの実施形態では、酵素加水分解活性速度は、酵素ポリソルベート加水分解活性速度である。
【0170】
いくつかの態様では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる方法であって、試料を精製プラットフォームに供することを含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中の加水分解酵素のレベルを低下させる方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルの相対的な低下は、少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%のいずれかである。いくつかの実施形態では、1つ以上の加水分解酵素は、ポリソルベートを加水分解することができる。
【0171】
いくつかの態様では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物中のポリソルベートの分解を低減する方法であって、試料を精製プラットフォームに供することを含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中のポリソルベートの分解を低減する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中のポリソルベートの分解の相対的低減は、少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%のいずれかである。
【0172】
いくつかの態様では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む本明細書に記載の精製プラットフォームから得られる組成物の貯蔵寿命を延長する方法であって、試料を精製プラットフォームに供することを含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用する試料の精製と比較して、組成物の貯蔵寿命を延長する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使用する試料の精製と比較した組成物の貯蔵寿命の相対的増加は、少なくとも約1週間、例えば少なくとも約2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、又は24ヶ月超のいずれかである。いくつかの実施形態では、組成物の貯蔵寿命は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使った試料の精製と比較して、少なくとも約1週間、例えば少なくとも約2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、30ヶ月、36ヶ月、42ヶ月、48ヶ月、又は48ヶ月超のいずれかである。いくつかの実施形態では、組成物の貯蔵寿命は、6ヶ月超、9ヶ月超、12ヶ月超、18ヶ月超、24ヶ月超、30ヶ月超、36ヶ月超、42ヶ月超、48ヶ月超又は48ヶ月超である。
【0173】
いくつかの態様では、ポリソルベートの分解がより少ない組成物を製造する方法であって、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物であって、試料を精製プラットフォームに供することを含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、ポリソルベートの分解がより少ない組成物を製造する方法が本明細書で提供される。
【0174】
いくつかの態様では、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物中の標的の凝集を減少させる方法であって、試料を精製プラットフォームに供することを含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中の標的の凝集を減少させる方法が本明細書で提供される。
【0175】
本明細書に記載されるように、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む精製プラットフォームに試料を供することから得られる組成物の1つ以上の属性は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較される。当業者であれば、場合によっては、そのような比較は、意味のある比較を可能にする適切な条件下で実施されなければならないことを理解するであろう。例えば、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含む精製プラットフォームから得られた組成物を、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較する場合、酵素加水分解活性速度の読み取りに影響を及ぼし得る時間的要因を考慮に入れなければならない。組成物と参照との比較のために考慮すべきさらなる関連因子としては、実験条件、使用されるアッセイ、温度条件、pH、タイミング、試料、緩衝液及び試料源が挙げられる。
【0176】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程及び深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程を更に含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程及びコンディショニング工程を順に含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後に実行される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HIC工程を更に含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程、コンディショニング工程、及び1つ以上の精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などのHIC工程を更に含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びウイルス濾過工程を順に含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、1つ以上の精製工程の後、ウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ウイルス濾過工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後及び/又はウイルス濾過工程、ウイルス濾過工程のpH保持工程の後などの後若しくは間に実施される1つ以上のHIC工程から選択されるようなHIC工程を更に含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びUFDF工程を順に含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、1つ以上の精製工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、UFDF工程の後に実行される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後及び/又はUFDF工程の後に実施される1つ以上のHIC工程から選択されるようなHIC工程を更に含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、方法は、標的を含む試料を、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、ウイルス濾過工程、及びUFDF工程を順に含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームは深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実行される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、コンディショニング工程の後で、1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、1つ以上の精製工程の後、ウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、ウイルス濾過工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、深層濾過工程は、UFDF工程の後に実行される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の前に実施される深層濾過工程などの第2の深層濾過工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後、及び/又はウイルス濾過工程のpH保持工程の後、ウイルス濾過工程、及び/又はUFDF工程の後などの後若しくは間に実施される1つ以上のHIC工程から選択されるようなHIC工程を更に含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、方法は、標的を含む試料を、捕捉工程及びHIC工程を含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、方法は、標的を含む試料を、捕捉工程及びコンディショニング工程を順に含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、方法は、標的を含む試料を、捕捉工程、コンディショニング工程、及び1つ以上の精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びウイルス濾過工程を順に含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、1つ以上の精製工程の後及びウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、ウイルス濾過工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、及びUFDF工程を順に含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、1つ以上の精製工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、UFDF工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、上記方法は、標的を含む試料を、捕捉工程、コンディショニング工程、1つ以上の精製工程、ウイルス濾過工程、及びUFDF工程を含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームはHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、HIC工程は捕捉工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、捕捉工程の後でコンディショニング工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、コンディショニング工程の後及び1つ以上の精製工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、2つ以上の精製工程が存在する場合、1つ以上の精製工程のいずれかの間に、又は1つ以上の精製工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、1つ以上の精製工程の後及びウイルス濾過工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、ウイルス濾過工程の後及びUFDF工程の前に実施される。いくつかの実施形態では、HIC工程は、UFDF工程の後に実施される。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、1つ以上の精製工程の後に実施されるHIC工程などの第2のHIC工程を更に含む。いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、捕捉工程の後に実施される深層濾過工程などの深層濾過工程を更に含む。
【0188】
本明細書の開示の例及び説明の目的のため、例示的な精製プラットフォーム200の態様に利用可能な選択肢のシーケンスワークフローを
図1Bに示す。
図1Bに示すように、精製プラットフォームは、以下:プロテインAクロマトグラフィー工程 210;HIC 225、陽イオン交換クロマトグラフィー225、又はマルチモーダルクロマトグラフィー230から選択される更なるクロマトグラフィー工程、並びにプロテインAクロマトグラフィー工程の前にHCCF上で実施されるEMPHAZE(商標)深層濾過工程205、プロテインAプール上で実施されるX0SP深層濾過工程215、又はプロテインAプール上で実施されるEMPHAZE(商標)深層濾過工程220のいずれかから選択される1つ以上の深層濾過工程を含む。
【0189】
図1Bによれば、いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、EMPHAZE(商標)深層濾過プールをプロテインAクロマトグラフィー210に供する前にHCCF上で実施されるEMPHAZE(商標)深層濾過工程205を含む。そのような実施形態では、プロテインAプールは、下流クロマトグラフィー工程の前に、X0SP深層濾過工程215又はEMPHAZE(商標)深層濾過工程220のいずれかに供される。精製プラットフォームがX0SP深層濾過工程215を含むいくつかの実施形態では、プロテインAプールは、プロテインAプールのpHを約5~約6.5に調整することによってX0SP深層濾過工程215の前にコンディショニングされる。精製プラットフォームがX0SP深層濾過工程215を含むいくつかの実施形態では、X0SP深層濾過プールをHIC(フェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロー等)又は陽イオン交換クロマトグラフィー(POROS(登録商標)50HS等)に更に供する。精製プラットフォームがEMPHAZE(商標)深層濾過工程220を含むいくつかの実施形態では、プロテインAプールは、EMPHAZE(商標)深層濾過工程220の前に、プロテインAプールのpHを約7~約8.5に調整することによりコンディショニングされる。精製プラットフォームがEMPHAZE(商標)深層濾過工程220を含むいくつかの実施形態では、EMPHAZE(商標)深層濾過プールをマルチモーダルクロマトグラフィー(Capto Adhere等)に更に供する。
【0190】
図1Bによれば、いくつかの実施形態では、精製プラットフォームは、HCCFに対して実施されるEMPHAZE(商標)深層濾過工程205を含まない。そのような実施形態では、HCCFは、プロテインAクロマトグラフィー210に供され、プロテインAプールは、下流のクロマトグラフィー工程の前に、X0SP深層濾過工程215又はEMPHAZE(商標)深層濾過工程220のいずれかに供される。精製プラットフォームがX0SP深層濾過工程215を含むいくつかの実施形態では、プロテインAプールは、プロテインAプールのpHを約5~約6.5に調整することによってX0SP深層濾過工程215の前にコンディショニングされる。精製プラットフォームがX0SP深層濾過工程215を含むいくつかの実施形態では、X0SP深層濾過プールをHIC(フェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロー等)又は陽イオン交換クロマトグラフィー(POROS(登録商標)50HS等)に更に供する。精製プラットフォームがEMPHAZE(商標)深層濾過工程220を含むいくつかの実施形態では、プロテインAプールは、EMPHAZE(商標)深層濾過工程220の前に、プロテインAプールのpHを約7~約8.5に調整することによりコンディショニングされる。精製プラットフォームがEMPHAZE(商標)深層濾過工程220を含むいくつかの実施形態では、EMPHAZE(商標)深層濾過プールをマルチモーダルクロマトグラフィー(Capto Adhere等)に更に供する。
【0191】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程、(b)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、及び(c)精製工程をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製工程は、HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタはEMPHAZE(商標)深層フィルタである。いくつかの実施形態では、HICは、フェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィーである。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーは、POROS(登録商標)50HSである。いくつかの実施形態では、マルチモーダルクロマトグラフィーはCapto Adhereである。
【0192】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む第1の深層フィルタによる処理を含む第1の深層濾過工程、(b)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(c)ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む第2の深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程、並びに(d)マルチモーダルクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、第1の深層フィルタ及び第2の深層フィルタはEMPHAZE(商標)深層フィルタである。いくつかの実施形態では、マルチモーダルクロマトグラフィーはCapto Adhereである。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む第2の深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約7~約8.5である場合に選択される。
【0193】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(b)ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程、並びに(c)マルチモーダルクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタはEMPHAZE(商標)深層フィルタである。いくつかの実施形態では、マルチモーダルクロマトグラフィーはCapto Adhereである。いくつかの実施形態では、深層フィルタに入る溶液が約7~約8.5である場合に、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタが選択される。
【0194】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)第1の深層フィルタによる処理を含む第1の深層濾過工程、(b)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、及び(c)第2の深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、第1の深層フィルタは、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む。いくつかの実施形態では、第1の深層フィルタはEMPHAZE(商標)深層フィルタである。いくつかの実施形態では、第1の深層フィルタは、無機濾過助剤、セルロース、及び樹脂系を含む。いくつかの実施形態では、第1の深層フィルタは、120ZBの深層フィルタである。いくつかの実施形態では、第2の深層フィルタは、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む。いくつかの実施形態では、第2の深層フィルタはX0SP深層フィルタである。いくつかの実施形態では、上記方法は、コンディショニング工程を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の精製工程をさらに含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む第1の深層フィルタによる処理を含む第1の深層濾過工程、(b)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(c)シリカ及びポリアクリル系繊維を含む第2の深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程、並びに(d)陽イオン交換クロマトグラフィーによる処理を含む精製工程をこの順で含む、精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、第1の深層フィルタはEMPHAZE(商標)深層フィルタである。いくつかの実施形態では、第2の深層フィルタはX0SP深層フィルタである。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーは、POROS(登録商標)50HSである。いくつかの実施形態では、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む第2の深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約5~約6.5である場合に選択される。
【0196】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む第1の深層フィルタによる処理を含む第1の深層濾過工程、(b)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(c)シリカ及びポリアクリル系繊維を含む第2の深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程、並びに(d)HICによる処理を含む精製工程をこの順で含む、精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、第1の深層フィルタはEMPHAZE(商標)深層フィルタである。いくつかの実施形態では、第2の深層フィルタはX0SP深層フィルタである。いくつかの実施形態では、HICは、フェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィーである。いくつかの実施形態では、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む第2の深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約5~約6.5である場合に選択される。
【0197】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、及び(b)深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程をこの順に含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタは、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタはX0SP深層フィルタである。いくつかの実施形態では、上記方法は、コンディショニング工程を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の精製工程をさらに含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(b)シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程、並びに(c)陽イオン交換クロマトグラフィーによる処理を含む精製工程をこの順に含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタはX0SP深層フィルタである。いくつかの実施形態では、陽イオン交換クロマトグラフィーは、POROS(登録商標)50HSである。いくつかの実施形態では、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約5~約6.5である場合に選択される。
【0199】
いくつかの実施形態では、本方法は、標的を含む試料を、(a)プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(b)シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程、並びに(c)HICによる処理を含む精製工程をこの順に含む精製プラットフォームに供することを含む。いくつかの実施形態では、深層フィルタはX0SP深層フィルタである。いくつかの実施形態では、HICは、フェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィーである。いくつかの実施形態では、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタは、深層フィルタに入る溶液が約5~約6.5である場合に選択される。
追加の方法工程
【0200】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、追加の方法工程を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞培養工程を更に含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、薬学的に許容可能な組成物又はその前駆物質を形成するために組成物を処理する等の製剤化工程を更に含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、本方法は、組成物の酵素加水分解活性速度を決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物に対してリパーゼ活性アッセイを実施することを更に含む。いくつかの実施形態では、リパーゼ活性アッセイは、基質(例えば、非蛍光基質)の、加水分解酵素の検出可能な生成物(例えば、蛍光生成物)への変換をモニターすることによって、1つ以上の加水分解酵素のリパーゼ活性を測定する工程を含む。いくつかの実施形態では、基材はエステル結合を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2018035025号に記載されているように、1つ以上の加水分解酵素の生成物を決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、脂肪酸質量分析(FAMS)アッセイを実施することによって、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られた組成物中の遊離脂肪酸(FFA)のレベルを決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、組成物の貯蔵寿命を決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、組成物中の標的の凝集体のレベルを決定することを更に含む。
医薬組成物
【0202】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の方法から得られる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は精製組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は滅菌医薬組成物である。
【0203】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は抗体部分を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗体部分及びポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、抗体部分、ポリソルベート、及び宿主細胞タンパク質、例えば加水分解酵素等の宿主細胞不純物を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、医薬組成物はポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される。
【0205】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使用した同じ試料の精製から得られる組成物と比較して、酵素加水分解活性速度が低下している。
【0206】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使用した同じ試料の精製から得られる組成物と比較して、1つ以上の加水分解酵素のレベルが低下している。
【0207】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使用した同じ試料の精製から得られる組成物と比較して、ポリソルベートの分解が減少している。
【0208】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使用した同じ試料の精製から得られる組成物と比較して、貯蔵寿命が増加している。
【0209】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使用した同じ試料の精製から得られる組成物と比較して、分解されたポリソルベートが少ない。
【0210】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を伴わない同じ精製プラットフォームを使用した同じ試料の精製から得られる組成物と比較して、標的の凝集が減少している。
製剤化された抗体部分組成物
【0211】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載の精製プラットフォームから得られる製剤化された抗体部分組成物を提供する。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、本明細書に記載の方法から得られる。
【0212】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は抗体部分を含む。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、抗体部分及びポリソルベートを含む。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、抗体部分、ポリソルベート、及び宿主細胞不純物(宿主細胞タンパク質等、例えば加水分解酵素)を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤化された抗体部分組成物は、参照、例えば1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を有さない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物と比較して、貯蔵寿命が増加している。いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分の凝集により、貯蔵寿命が評価される(例えば、測定される)。いくつかの実施形態では、貯蔵寿命は、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分の1つ以上の官能性の保存によって、測定などによって評価される。いくつかの実施形態では、貯蔵寿命は、製剤化された抗体部分組成物の抗体部分の活性、例えば結合活性により測定されるなどして評価される。
【0214】
いくつかの実施形態では、抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物は、ポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命は、約12ヶ月超、例えば約13ヶ月超、約14ヶ月超、約15ヶ月超、約16ヶ月超、約17ヶ月超、約18ヶ月超、約19ヶ月超、約20ヶ月超、約21ヶ月超、約22ヶ月超、約23ヶ月超、約24ヶ月超、約25ヶ月超、約26ヶ月超、約27ヶ月超、約28ヶ月超、約29ヶ月超、約30ヶ月超、約31ヶ月超、約32ヶ月超、約33ヶ月超、約34ヶ月超、約35ヶ月超、又は約36ヶ月超のいずれかである。いくつかの実施形態では、ポリソルベート加水分解活性速度が低下した製剤化された抗体部分組成物は、参照、例えば1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を有さない同じ精製プラットフォームから得られる製剤化された抗体部分組成物と比較したものである。いくつかの実施形態では、低下したポリソルベート加水分解活性速度は、低下した相対ポリソルベート加水分解活性速度である。
【0215】
いくつかの実施形態では、抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物は、ポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命は、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された貯蔵寿命と比較して延長され、貯蔵寿命は、当該文書に示された貯蔵寿命と比較して、少なくとも約2ヶ月、例えば少なくとも約3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、又は12ヶ月のいずれかで延長される。いくつかの実施形態では、ポリソルベート加水分解活性速度が低下した製剤化された抗体部分組成物は、参照、例えば1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を有さない同じ精製プラットフォームから得られる製剤化された抗体部分組成物と比較したものである。いくつかの実施形態では、低下したポリソルベート加水分解活性速度は、低下した相対ポリソルベート加水分解活性速度である。
【0216】
いくつかの実施形態では、抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物は、ポリソルベートの分解が低減しており、分解は、製剤化された抗体部分組成物に関する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して、少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%のいずれかまで低減される。いくつかの実施形態では、ポリソルベートの分解が低減した製剤化された抗体部分組成物は、参照、例えば1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を有さない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物と比較したものである。いくつかの実施形態では、ポリソルベートの分解の低減は、ポリソルベートの相対分解の低減である。
【0217】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物のポリソルベート加水分解活性速度は、参照と比較して、少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%のいずれかまで低下する。
【0218】
いくつかの実施形態では、製剤化された抗体部分組成物は、抗体部分及びポリソルベートを含み、ポリソルベートは、液体組成物の貯蔵中に年間約50%以下、例えば年間約45%以下、年間40%以下、年間35%以下、年間30%以下、年間25%以下、年間20%以下、年間15%以下、年間10%以下又は年間5%以下のいずれかで分解される。
【0219】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤化された抗体部分組成物は、参照、例えば1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を有さない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物と比較して、少なくとも約6ヶ月間、例えば少なくとも約7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、又は24ヶ月の間、凝集体形成が減少している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤化された抗体部分組成物は、少なくとも約6ヶ月間、例えば少なくとも約7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、又は24ヶ月間の、参照と比較して、少なくとも約20%少ない、例えば少なくとも約25%少ない、30%少ない、35%少ない、40%少ない、45%少ない、50%少ない、55%少ない、65%少ない、70%少ない、75%少ない、80%少ない、85%少ない、90%少ない、95%少ない、又は100%少ない凝集体形成を有し、参照は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程を含まない同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物である。凝集体形成を評価する、例えば測定する方法は、当該技術分野で知られており、例えば、目視検査、動的光散乱、静的光散乱、及び光学密度測定を含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される製剤化された抗体部分組成物は、少なくとも約6ヶ月間、例えば少なくとも約7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、又は24ヶ月の間、参照と比較して、抗体部分活性の少なくとも約50%、例えば少なくとも約55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%のいずれかを維持し、参照は、1つ以上の深層濾過工程及び/又は1つ以上のHIC工程なしに同じ精製プラットフォームから得られた製剤化された抗体部分組成物である。
【0221】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、モノクローナル抗体である。
【0222】
いくつかの実施形態では、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体である。
【0223】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される。
【0224】
いくつかの実施形態では、抗体部分は、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される。
【0225】
いくつかの実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される。
【0226】
本明細書で報告されるさらなる態様は、保存中のポリソルベート分解が低い製剤化抗体組成物である。本発明の一態様は、抗体/タンパク質とポリソルベートとを含む製剤化された抗体組成物であって、ポリソルベートが、製剤化された抗体組成物の貯蔵期間/貯蔵期間中に、年間20%以下(一実施形態において、15%以下、一実施形態において、12%以下、一実施形態において、10%以下、一実施形態において、9%以下、一実施形態において、8%以下、一実施形態において、7%以下、一実施形態において、6%以下、一実施形態において、5%以下、一実施形態において、4%以下、一実施形態において、3%以下、一実施形態において、2%以下、一実施形態において、1%以下)分解される、製剤化された抗体組成物である。一実施形態では、ポリソルベートは、液体組成物の貯蔵中に年間10%以下分解される。
【0227】
別の態様は、抗体とポリソルベートとを含む製剤化された抗体組成物であって、1年後にポリソルベートが組成物中に初期濃度の少なくとも80%(一実施形態では少なくとも85%、一実施形態では少なくとも88%、一実施形態では少なくとも90%、一実施形態では少なくとも91%、一実施形態では少なくとも92%、一実施形態では少なくとも93%、一実施形態では少なくとも94%、一実施形態では少なくとも95%、一実施形態では少なくとも96%、一実施形態では少なくとも97%、一実施形態では少なくとも98%、一実施形態では少なくとも99%の濃度で存在し、初期濃度は、液体組成物中の抗体の製剤化時又は貯蔵開始時の濃度である、製剤化された抗体組成物である。
例示的な実施形態
【0228】
実施形態1.精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、(a)捕捉工程、及び(b)深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる、方法。
【0229】
実施形態2.酵素加水分解活性速度が酵素ポリソルベート加水分解活性速度である、実施形態1に記載の方法。
【0230】
実施形態3.深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物の酵素加水分解活性速度の相対的低下が少なくとも約20%である、実施形態1又は2に記載の方法。
【0231】
実施形態4.精製プラットフォームから得られた組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる方法であって、試料を、(a)捕捉工程、及び(b)深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中の加水分解酵素のレベルを低下させる、方法。
【0232】
実施形態5.1つ以上の加水分解酵素がポリソルベートを加水分解することができる、実施形態4に記載の方法。
【0233】
実施形態6.深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルの相対的な低下が少なくとも約20%である、実施形態4又は5に記載の方法。
【0234】
実施形態7.精製プラットフォームから得られた組成物中のポリソルベートの分解を低減させるための方法であって、試料を、(a)捕捉工程、及び(b)深層濾過工程を含む精製プラットフォームに供することを含み、それにより、深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中のポリソルベートの分解を低減させる、方法。
【0235】
実施形態8.深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中のポリソルベートの分解の相対的低減が、少なくとも約5%である、実施形態7に記載の方法。
【0236】
実施形態9.精製プラットフォームが、試料からの標的の精製のためのものであり、試料が標的及び1つ以上の宿主細胞不純物を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
実施形態10.標的がポリペプチドを含む、実施形態9に記載の方法。
【0238】
実施形態11.宿主細胞不純物が宿主細胞タンパク質である、実施形態9又は10に記載の方法。
【0239】
実施形態12.深層濾過工程が捕捉工程の前に実施されるか、又は深層濾過工程が捕捉工程の後に実施される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
実施形態13.深層濾過工程が、深層フィルタによる処理を含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
実施形態14.深層フィルタが、1つ以上の珪藻土組成物、シリカ組成物、セルロース繊維、ポリマー繊維、凝集樹脂、及び灰組成物を含む基材を含む、実施形態13に記載の方法。
【0242】
実施形態15.深層フィルタの基材の少なくとも一部が表面改質を含む、実施形態14に記載の方法。
【0243】
実施形態16.表面改質が、第四級アミン表面改質、カチオン表面改質、及びアニオン表面改質の1つ以上である、実施形態15に記載の方法。
【0244】
実施形態17.深層フィルタが、EMPHAZE(商標)深層フィルタ、PDD1深層フィルタ、ZETA PLUS(商標)120ZA深層フィルタ、及びZETA PLUS(商標)120ZB深層フィルタからなる群から選択される、実施形態14~16のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
実施形態18.捕捉工程が、アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
実施形態19.アフィニティクロマトグラフィーが、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA/Gクロマトグラフィー、プロテインLクロマトグラフィー、FcXLクロマトグラフィー、プロテインXLクロマトグラフィー、カッパクロマトグラフィー、及びカッパXLクロマトグラフィーからなる群から選択される、実施形態18に記載の方法。
【0247】
実施形態20.精製プラットフォームがウイルス不活化工程を更に含み、ウイルス不活化工程が捕捉工程の後に実施される、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
実施形態21.深層濾過工程がウイルス不活化工程の後に実施される、実施形態20に記載の方法。
【0249】
実施形態22.精製プラットフォームが、捕捉工程の前に実施される別の深層濾過工程を更に含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
実施形態23.精製プラットフォームが1つ以上の精製工程を更に含み、1つ以上の精製工程が、捕捉工程、深層濾過工程、及び存在する場合にはウイルス不活化工程の後に実施される、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
実施形態24.1つ以上の精製工程がポリペプチド精製工程を含む、実施形態23に記載の方法。
【0252】
実施形態25.精製プラットフォームが、1つ以上の精製工程の前、間、又は後に実施される別の深層濾過工程を更に含む、実施形態23又は24に記載の方法。
【0253】
実施形態26.精製プラットフォームが限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程を更に含み、UFDF工程が1つ以上の精製工程の後に実施される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
実施形態27.精製プラットフォームが、UFDF工程の前又は後に実施される別の深層濾過工程を更に含む、実施形態26に記載の方法。
【0255】
実施形態28.精製プラットフォームが、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)精製工程を更に含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0256】
実施形態29.HIC精製工程が、存在する場合には、1つ以上の精製工程の前、間、又は後に実施される、実施形態28に記載の方法。
【0257】
実施形態30.HIC精製工程が、1つ以上の精製工程の後で、かつ存在する場合にはUFDF工程の前に実施される、実施形態28に記載の方法。
【0258】
実施形態31.精製プラットフォームがpH保持工程を更に含み、pH保持工程が、存在する場合には1つ以上の精製工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される、実施形態26又は27に記載の方法。
【0259】
実施形態32.精製プラットフォームがウイルス濾過工程を更に含み、ウイルス濾過工程がpH保持工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される、実施形態31に記載の方法。
【0260】
実施形態33.ウイルス濾過工程が、ウイルスフィルタによる処理を含む、実施形態32に記載の方法。
【0261】
実施形態34.HIC精製工程が、HICフィルタによる処理を含む、実施形態28に記載の方法。
【0262】
実施形態35.1つ以上の精製工程が、それぞれ独立して、イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性電荷誘導クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む、実施形態23~34のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
実施形態36.1つ以上の精製工程が、それぞれ独立して、DEAE、DMAE、TMAE、QAE、SPSFF、SPXL、QSFF、MEP-Hypercel(商標)、Capto MMC、及びCapto Adhereからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む実施形態23~35のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
実施形態37.精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、(b)ウイルス不活化工程、(c)第2のポリペプチド精製工程、(d)第3のポリペプチド精製工程、並びに(e)限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが、(i)捕捉工程の前、(ii)捕捉工程の後で、かつウイルス不活化工程の前、(iii)ウイルス不活化工程の後で、かつ第2のポリペプチド精製工程の前、(iv)第2のポリペプチド精製工程の後で、かつ第3のポリペプチド精製工程の前、又は(v)第3のポリペプチド精製工程の後で、かつ限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程の前、の1つ以上で実施される深層濾過工程を更に含み、それにより、深層濾過工程なしで同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる、方法。
【0265】
実施形態38.精製プラットフォームが、第3のポリペプチド精製工程の後で、かつUFDF工程の前に実施される、pH保持工程及びウイルス濾過工程をこの順で更に含む、実施形態37に記載の方法。
【0266】
実施形態39.ウイルス濾過工程が、ウイルスフィルタによる処理を含む、実施形態38に記載の方法。
【0267】
実施形態40.精製プラットフォームが、以下:(i)第3のポリペプチド精製工程の後で、かつpH保持工程の前、(ii)pH保持工程後で、かつウイルス濾過工程の前、又は(iii)ウイルス濾過工程の後で、かつUFDF工程の前の1つ以上において実施される疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)精製工程を更に含む、実施形態37~39のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
実施形態41.組成物の酵素加水分解活性速度を決定することを更に含む、実施形態1~40のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
実施形態42.組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することを更に含む、実施形態1~41のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
実施形態43.組成物がポリソルベートを含む、実施形態1~42のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
実施形態44.ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される、実施形態43に記載の方法。
【0272】
実施形態45.試料処理工程を更に含む、実施形態1~44のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
実施形態46.試料が、細胞培養試料であるか、又は細胞培養試料に由来する、実施形態1~45のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
実施形態47.細胞培養試料が宿主細胞を含み、宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は大腸菌(E.coli)細胞である、実施形態46に記載の方法。
【0275】
実施形態48.試料が、宿主細胞又はそれに由来する成分を含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
実施形態49.試料が1つ以上の宿主細胞タンパク質を含み、1つ以上の宿主細胞タンパク質の1つが加水分解酵素である、実施形態1~48のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
実施形態50.加水分解酵素が、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである、実施形態49に記載の方法。
【0278】
実施形態51.試料が標的を含み、標的が抗体部分である、実施形態1~50のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
実施形態52.抗体部分がモノクローナル抗体である、実施形態51に記載の方法。
【0280】
実施形態53.抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、実施形態51又は52に記載の方法。
【0281】
実施形態54.抗体部分が、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、実施形態51~53のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
実施形態55.抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される、実施形態51~54のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
実施形態56.実施形態1~55のいずれか1つに記載の方法から得られる医薬組成物。
【0284】
実施形態57.抗体部分及びポリソルベートを含む、製剤化された抗体部分組成物であって、組成物はポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が24ヶ月を超える、製剤化された抗体部分組成物。
【0285】
実施形態58.抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、組成物はポリソルベート加水分解活性速度が低下しており、組成物の貯蔵寿命が、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示される貯蔵寿命と比較して延長されており、貯蔵寿命が、文書に示される貯蔵寿命と比較して少なくとも6ヶ月延長されている、製剤化された抗体部分組成物。
【0286】
実施形態59.抗体部分を含む製剤化された抗体部分組成物であって、製剤化された抗体部分組成物はポリソルベートの分解が低下しており、分解が、製剤化された抗体部分組成物に関連する保健当局に提出された文書に示された分解と比較して少なくとも約20%低下している、製剤化された抗体部分組成物。
【0287】
実施形態60.抗体部分及びポリソルベートを含む製剤化された抗体部分組成物であって、ポリソルベートが、液体組成物の貯蔵中に年間20%以下分解される、製剤化された抗体部分組成物。
【0288】
実施形態61.抗体部分がモノクローナル抗体である、実施形態57~60のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0289】
実施形態62.抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、実施形態57~61のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0290】
実施形態63.抗体が、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗D因子抗体、抗IX因子抗体、抗X因子抗体、抗aベータ抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、実施形態57~62のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0291】
実施形態64.抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される、実施形態57~63のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0292】
実施形態65.ポリソルベート加水分解活性速度が、少なくとも約20%低下される、実施形態57~64のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0293】
実施形態66.ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される、実施形態57~65のいずれか1つに記載の製剤化された抗体部分組成物。
【0294】
実施形態67.精製プラットフォームから得られた組成物の酵素加水分解活性速度を低下させる方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、並びに(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが1つ以上の深層濾過工程を更に含み、1つ以上の深層濾過工程が、捕捉工程の前に、捕捉工程の後に、又は捕捉工程の後で精製工程の前のいずれか1つ以上において実施され、各深層濾過工程が深層フィルタによる処理を含み、深層フィルタが、(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトからなる群から選択される材料を含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の酵素加水分解活性速度が低下する、方法。
【0295】
実施形態68.酵素加水分解活性速度が酵素ポリソルベート加水分解活性速度である、実施形態67に記載の方法。
【0296】
実施形態69.深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物の酵素加水分解活性速度の相対的低下が少なくとも約20%である、実施形態67又は68に記載の方法。
【0297】
実施形態70.精製プラットフォームから得られた組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを低下させる方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、並びに(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが1つ以上の深層濾過工程を更に含み、1つ以上の深層濾過工程が、捕捉工程の前、捕捉工程の後で精製工程の前、又は精製工程の後のいずれか1つ以上において実施され、各深層濾過工程が深層フィルタによる処理を含み、深層フィルタが、(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトからなる群から選択される材料含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物の1つ以上の加水分解酵素のレベルが低下する、方法。
【0298】
実施形態71.1つ以上の加水分解酵素がポリソルベートを加水分解することができる、実施形態70に記載の方法。
【0299】
実施形態72.深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルの相対的な低下が少なくとも約20%である、実施形態70又は71に記載の方法。
【0300】
実施形態73.精製プラットフォームから得られた組成物中のポリソルベートの分解を低減させるための方法であって、試料を、(a)アフィニティクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、並びに(b)HIC、陽イオン交換クロマトグラフィー及びマルチモーダルクロマトグラフィーからなる群から選択されるクロマトグラフィーによる処理を含む精製工程、をこの順で含む精製プラットフォームに供することを含み、精製プラットフォームが1つ以上の深層濾過工程を更に含み、1つ以上の深層濾過工程が、捕捉工程の前に、捕捉工程の後に、又は捕捉工程の後で精製工程の前のいずれか1つ以上において実施され、各深層濾過工程が深層フィルタによる処理を含み、深層フィルタが、(i)シリカ及びポリアクリル系繊維、(ii)ヒドロゲルQ(第四級アミン)官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜、並びに(iii)セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトからなる群から選択される材料を含み、それにより、1つ以上の深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較して、組成物中のポリソルベートの分解を低減させる、方法。
【0301】
実施形態74.深層濾過工程を含まない同じ精製プラットフォームを使用した試料の精製と比較した、組成物中のポリソルベートの分解の相対的低減が、少なくとも約5%である、実施形態73に記載の方法。
【0302】
実施形態75.シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタが、シリカ濾過助剤及びポリアクリル系繊維パルプを含む、実施形態67~74のいずれか1つに記載の方法。
【0303】
実施形態76.ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタが、ヒドロゲルQ官能化不織布材料及び9ゾーン微多孔膜を含む4つの層を備える、実施形態67~74のいずれか1つに記載の方法。
【0304】
実施形態77.セルロース繊維、珪藻土、及びパーライトを含む深層フィルタが2つの層を含み、各層がセルロースフィルタマトリックスを含み、セルロースフィルタマトリックスが1つ以上の珪藻土又はパーライトを含む濾過助剤で含浸され、各層が樹脂バインダーを更に含む、実施形態67~74のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態78.深層フィルタが、深層フィルタに入る溶液のpHに基づいて選択される、実施形態67~77のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
実施形態79.深層フィルタに入る溶液が約5~約6.5である場合に、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタが選択される、実施形態78に記載の方法。
【0307】
実施形態80.深層フィルタに入る溶液が約7~約8.5である場合に、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタが選択される、実施形態78に記載の方法。
【0308】
実施形態81.深層フィルタに入る溶液のpHに基づいて深層フィルタを選択する工程を更に含む、実施形態67~80のいずれか1つに記載の方法。
【0309】
実施形態82.精製プラットフォームが、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタによる処理を含む深層濾過工程、プロテインAクロマトグラフィーによる処理を含む捕捉工程、並びに精製工程をこの順で含む、実施形態67~81のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
実施形態83.精製工程が、HICによる処理を含む、実施形態82に記載の方法。
【0311】
実施形態84.HICがフェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィーである、実施形態83に記載の方法。
【0312】
実施形態85.精製工程が、陽イオン交換クロマトグラフィーによる処理を含む、実施形態82に記載の方法。
【0313】
実施形態86.陽イオン交換クロマトグラフィーがPOROS(登録商標)50HSである、実施形態85に記載の方法。
【0314】
実施形態87.精製プラットフォームが、シリカ及びポリアクリル系繊維を含む深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程を更に含み、第2の深層濾過工程が、捕捉工程の後で、かつ精製工程の前に実施される、実施形態67~86のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
実施形態88.精製工程が、マルチモーダルクロマトグラフィーによる処理を含む、実施形態82に記載の方法。
【0316】
実施形態89.マルチモーダルクロマトグラフィーがCapto Adhereである、実施形態88に記載の方法。
【0317】
実施形態90.精製プラットフォームが、ヒドロゲルQ官能化不織布媒体及びマルチゾーン微多孔膜を含む深層フィルタによる処理を含む第2の深層濾過工程を更に含み、第2の深層濾過工程が、捕捉工程の後で、かつ精製工程の前に実施される、実施形態88又は89に記載の方法。
【0318】
実施形態91.精製プラットフォームが、試料からの標的の精製のためのものであり、試料が標的及び1つ以上の宿主細胞不純物を含む、実施形態67~90のいずれか1つに記載の方法。
【0319】
実施形態92.標的がポリペプチドを含む、実施形態91に記載の方法。
【0320】
実施形態93.宿主細胞不純物が宿主細胞タンパク質である、実施形態91又は92に記載の方法。
【0321】
実施形態94.精製プラットフォームがウイルス不活化工程を更に含み、ウイルス不活化工程が捕捉工程の後に実施される、実施形態67~93のいずれか1つに記載の方法。
【0322】
実施形態95.1つ以上の深層濾過工程がウイルス不活化工程の後に実施される、実施形態94に記載の方法。
【0323】
実施形態96.精製プラットフォームが限外濾過/ダイアフィルトレーション(UFDF)工程を更に含み、UFDF工程が精製工程の後に実施される、実施形態67~95のいずれか1つに記載の方法。
【0324】
実施形態97.組成物の酵素加水分解活性速度を決定することを更に含む、実施形態67~96のいずれか1つに記載の方法。
【0325】
実施形態98.組成物中の1つ以上の加水分解酵素のレベルを決定することを更に含む、実施形態67~97のいずれか1つに記載の方法。
【0326】
実施形態99.組成物がポリソルベートを含む、実施形態67~98のいずれか1つに記載の方法。
【0327】
実施形態100.ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60及びポリソルベート80からなる群から選択される、実施形態99に記載の方法。
【0328】
実施形態101.試料処理工程を更に含む、実施形態67~100のいずれか1つに記載の方法。
【0329】
実施形態102.試料が、細胞培養試料であるか、又は細胞培養試料に由来する、実施形態67~101のいずれか1つに記載の方法。
【0330】
実施形態103.細胞培養試料が宿主細胞を含み、宿主細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又は大腸菌(E.coli)細胞である、実施形態102に記載の方法。
【0331】
実施形態104.試料が、宿主細胞又はそれに由来する成分を含む、実施形態67~103のいずれか1つに記載の方法。
【0332】
実施形態105.試料が1つ以上の宿主細胞タンパク質を含み、1つ以上の宿主細胞タンパク質の1つが加水分解酵素である、実施形態67~104のいずれか1つに記載の方法。
【0333】
実施形態106.加水分解酵素が、リパーゼ、エステラーゼ、チオエステラーゼ、ホスホリパーゼ、又はセラミダーゼである、実施形態105に記載の方法。
【0334】
実施形態107.試料が標的を含み、標的が抗体部分である、実施形態67~106のいずれか1つに記載の方法。
【0335】
実施形態108.抗体部分がモノクローナル抗体である、実施形態107に記載の方法。
【0336】
実施形態109.抗体部分がヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体である、実施形態107又は108に記載の方法。
【0337】
実施形態110.抗体部分が、抗CD20抗体、抗CD40抗体、抗HER2抗体、抗IL6抗体、抗IgE抗体、抗IL13抗体、抗TIGIT抗体、抗PD-L1抗体、抗VEGF-A抗体、抗VEGF-A/ANG2抗体、抗CD79b抗体、抗ST2抗体、抗第D因子抗体、抗第IX因子抗体、抗第X因子抗体、抗abeta抗体、抗タウ抗体、抗CEA抗体、抗CEA/CD3抗体、抗CD20/CD3抗体、抗FcRH5/CD3抗体、抗Her2/CD3抗体、抗FGFR1/KLB抗体、FAP-4-1 BBL融合タンパク質、FAP-IL2v融合タンパク質、及びTYRP1 TCB抗体からなる群から選択される、実施形態107~109のいずれか1つに記載の方法。
【0338】
実施形態111.抗体部分が、オクレリズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、トシリズマブ、ファリシマブ、ポラツズマブ、ガンテネルマブ、シビサタマブ、クレネズマブ、モスネツズマブ、チラゴルマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、アテゾリズマブ、オビヌツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、エミシズマブ、セリクレルマブ、プラシネズマブ、RO6874281及びRO7122290からなる群から選択される、実施形態107~110のいずれか1つに記載の方法。
【0339】
実施形態112.実施形態67~111のいずれか1つに記載の方法から得られる医薬組成物。
【0340】
当業者は、いくつかの実施形態が本発明の範囲及び趣旨内で可能であることを認識するだろう。本開示は、以下の実施例によって更に説明されるが、これらの実施例は、本開示の範囲又は趣旨を、そこに記載されている特定の手順に限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0341】
実施例1
この実施例は、抗体、トラスツズマブを未調整バルクから精製するための2つの精製プラットフォーム間の比較を、以下を使用して実証する。(1)一般的な精製プラットフォーム、(2)アフィニティクロマトグラフィーからの溶出液を調整した後、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーの前に実施した追加のPDD1深層濾過工程を含む同一の精製プラットフォーム。
【0342】
一般的な精製プラットフォーム(1)を2連で実施し、以下の連続工程からなった:アフィニティクロマトグラフィー、溶出液コンディショニング、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、並びに陰イオン交換クロマトグラフィーから得られたプールの接線流濾過及びコンディショニング。精製プロセスのプール名及びプールの説明は、表1において以下の通りであった。
【0343】
PDD1深層濾過工程(2)を追加した精製プラットフォームを2連で実施した。未調整バルクレベルでのポリソルベート加水分解活性を、遊離脂肪酸質量分析法(FAMS)によって比較し、その方法論を、材料及び方法の節でより詳細に開示する。
【0344】
深層濾過工程を含む精製プラットフォームについては、アフィニティクロマトグラフィーの後で、PDD1深層フィルタ(Pall PDD1;SUPRAcap(商標)-50 SC050PDD1(ロット:102992583);面積:22cm2)でフィルタにかける前に溶出液をコンディショニングした。PDD1深層フィルタをCEX平衡化緩衝液を用いて平衡化した。コンディショニングされたアフィニティプールの濾過を圧力制御した。濾過工程を周囲温度(15℃~30℃)で行った。トラスツズマブをPDD1フィルタに流した。使用前及び濾過後に、PDD1深層フィルタをCEX平衡化緩衝液で洗い流した。PDD1深層フィルタは各使用後に廃棄した。CEX平衡化緩衝液の許容範囲は以下の通りであった:0.020~0.040M MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、0.042~0.048M NaCl、pH5.50~5.70、及び導電率5.10~5.70mS/cm。PDD1深層フィルタの操作条件は表2の通りとした。
【0345】
陽イオン交換クロマトグラフィー(SP Sepharose(登録商標)FFクロマトグラフィー)を結合溶出モードで行った。陽イオン交換工程は、抗体凝集体、抗体変異体、CHO HCP不純物、DNA、浸出プロテインA、及び他のプロセス関連不純物のレベルを低下させる。抗体電荷変異体を漸増塩化ナトリウム濃度の勾配でカラムから洗浄し、段階溶出を用いてトラスツズマブを溶出する。全てのクロマトグラフィー工程を、周囲温度(15℃~30℃)で行う。
【0346】
陽イオン交換カラムにロードする前に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)塩基でpHを5.5±0.3に調整することによってアフィニティプールをコンディショニングした。プールを過剰に滴定した場合、プールをクエン酸で特定のpHに調整し、続いて高度に精製された水(必要な場合)の添加によって導電率を3.5±1.0 mS/cmに調整した。陽イオン交換カラムを平衡化緩衝液で平衡化し、コンディショニングされたアフィニティプールでロードした。ローディング後、カラムを平衡化緩衝液で洗浄し、次いで、伝導率を増加させる勾配洗浄を行い、続いて再び平衡化緩衝液で洗浄した。トラスツズマブを溶出緩衝液による段階溶出によってカラムから溶出した。溶出液の回収を開始し、吸光度及び体積に基づいて終了した。
【0347】
CEX平衡化緩衝液の許容範囲は以下の通りであった:0.020~0.040M MES、0.042~0.048M NaCl、pH5.50~5.70、及び導電率5.10~5.70mS/cm。溶出緩衝液の許容範囲は以下の通りであった:0.020~0.040M MES、0.092~0.098M NaCl、pH5.50~5.70、及び導電率10.10~10.80mS/cm。陽イオン交換クロマトグラフィーの操作条件は表3の通りであった。
aGramsトラスツズマブ/リットルのSP Sepharose(登録商標)陽イオン交換樹脂。
【0348】
陰イオン交換クロマトグラフィー(Q Sepharose(登録商標)クロマトグラフィー)をフロースルーモードで行い、CHO HCP、DNA、プロテインA及び潜在的ウイルスを減少させた。使用されるロード及び洗浄条件下では、トラスツズマブはカラムを通って流れる。全てのクロマトグラフィー工程を、周囲温度(15℃~30℃)で行う。
【0349】
陽イオン交換プールのpHは、Tris塩基、必要に応じてMESでpH8.0±0.5に調整し、導電率は高純度水で5.5~7.8mS/cmに調整した。陰イオン交換カラムを平衡化緩衝液で平衡化し、次いで、pH調整陽イオン交換プールでロードした。ロードが完了した後、カラムを平衡化緩衝液で洗浄した。プール(Pooling)は、吸光度及び体積に基づいた。陰イオン交換プールのpHを酢酸で6.0±0.1に調整した。
【0350】
平衡化緩衝液の許容範囲は以下の通りであった:0.015~0.035M Tris、0.025~0.075M NaCl及びpH7.5~8.5。陽イオン交換クロマトグラフィーの操作条件は表4の通りであった。
【0351】
コンディショニングされた陰イオン交換プールの接線流濾過(TFF)を、濃縮及びダイアフィルトレーションのために行った。コンディショニングされていないバルクについて30±5 mg/mLのタンパク質濃度を達成するために、コンディショニングされた陰イオン交換プールを、30 kDaのポリエーテルスルホン(PES)膜を装備したTFFデバイスによって濃縮した。続いて、ヒスチジンを含む溶液を添加することによって、緩衝液組成を条件を満たすように調整した。
【0352】
使用前に、限外濾過膜をダイアフィルトレーション緩衝液で平衡化した。コンディショニングされた陰イオン交換プールを10~50g/Lの中間濃度に濃縮し、TFFユニットにおいて最低8プール体積のダイアフィルトレーション緩衝液を用いてダイアフィルトレーションを行った。続いて、対応する量のコンディショニング緩衝液を添加することによって、緩衝液組成を0.02mol/Lヒスチジン/ヒスチジンHCl、pH5.3±0.2に調整した。必要に応じてダイアフィルトレーション緩衝液の添加によりタンパク質濃度を30±5 mg/mLに調整した。
【0353】
ダイアフィルトレーション緩衝液は、0.02 mol/Lヒスチジン/ヒスチジン-HCl、pH 5.3±0.2であった。陽イオン交換クロマトグラフィーの操作条件は表5の通りであった。
【0354】
陽イオン交換クロマトグラフィーロード組成物中の宿主細胞タンパク質の量を測定し、結果を表6に提供する。一般的な精製プラットフォームと比較して、宿主細胞タンパク質のレベルの低下が、PDD1深層フィルタを有する精製プラットフォームの両方の複製物について観察された。
【0355】
ダイアフィルトレーションによるコンディショニング後のTFFプール中の宿主細胞タンパク質の量を測定し、結果を表7に示す。一般的な精製プラットフォームと比較して、宿主細胞タンパク質のレベルの低下が、PDD1深層フィルタを有する精製プラットフォームの両方の複製物について観察された。
【0356】
ダイアフィルトレーションによるコンディショニング後のTFFプール中の加水分解活性を測定し、結果を
図2に提供する。加水分解活性を、最終トラスツズマブ濃度6g/Lで、40℃、0.04%(w/v)SR-PS20、10mMメチオニン、100mM Tris pH8.0のFAMSを使用して測定した。一般的な精製プラットフォームの複製物と比較して、遊離脂肪酸の量によって間接的に測定される酵素加水分解活性速度の減少が、PDD1深層フィルタを有する精製プラットフォームの両方の複製について観察された(
図2)。
材料及び方法
【0357】
タンパク質濃度の決定.タンパク質濃度を、Cary(登録商標)50 UV-Vis分光光度計(Varian)又はNanoDrop(商標)OneC(Thermo Scientific)のいずれかを使用するUV分光法によって決定した。タンパク質試料をそれぞれの緩衝液で希釈し、二連として測定した。ランベルト・ベールの法則から導き出される以下の式に従って濃度を決定した:c=(A280nm~A320nm)/ε・d・F、タンパク質濃度[mg/ml]、吸光度、ε吸光係数[ml/(mg・cm)]、d細胞長[cm]及びF希釈係数。トラスツズマブ、ファリシマブ及びFAP-IL2vの具体的な吸光係数は、1.48、1.7及び1.35ml/(mg・cm)である。
【0358】
リパーゼ活性アッセイ(LEAPアッセイ).リパーゼ活性アッセイは、基質エステル結合の切断による非蛍光基質(4-MU、Chem Impex Int’l Inc)の蛍光生成物(MU、Sigma-Aldrich)への変換をモニターすることによってリパーゼ活性を測定した。分析対象のタンパク質プール試料を、Amicon Ultra-0.5ml遠心フィルタユニット(10,000Daカットオフ、Merck Millipore)を使用することによって150mM Tris-Cl pH8.0に再緩衝化した。アッセイ反応混合物は、80μLの反応緩衝液(150mM Tris-Cl pH8.0、0.25%(w/v)Triton X-100及び0.125%(w/v)アラビアガム)、10μLの4-MU基質(DMSO中1mM)、及び10μLのタンパク質プール試料を含んでいた。タンパク質プール試料濃度を10~30g/Lに調整し、3つの異なる濃度で試験した。各反応を96ウェル半面積ポリスチレンプレート(蓋付き黒色透明平底、Corning Incorporated)に3回の技術的反復でセットアップし、Infinite 200Proプレートリーダー(Tecan Life Sciences)において反応プレートを37℃で2時間インキュベートすることによって蛍光シグナル(355nmで励起、460nmで発光)の増加を10分ごとにモニターした。MU生成速度を、蛍光時間経過(0.5時間~2時間)の傾きから求め、反応の生の速度(kraw[RFU/h])を表す。
【0359】
酵素ブランク反応をさらに設定して、緩衝マトリックスによって引き起こされる基質の非酵素的切断を測定した。10μLのタンパク質プール試料を、反応混合物中の10μLの150mM Tris-Cl pH8.0に置き換えた。自己開裂速度(kself開裂[RFU/h])を、蛍光の時間経過(0.5時間~2時間)の傾きから求めた。蛍光シグナル(RFU)をμMのMUに変換するために、標準的なMU 3連をプレートごとに添加した。10μLのMU(DMSO中100μM)に、10μLの150mM Tris-Cl pH8.0及び80μLの反応緩衝液を補充した。変換係数a[RFU/μM]は、蛍光シグナル(0.5時間~2時間)を平均し、ウェル中に存在するMUの最終濃度で割ることによって計算した。
【0360】
試料の反応速度(kraw[RFU/h])から酵素ブランクの反応速度(kself-切断[RFU/h])を差し引き、項を変換係数a[RFU/μM]で割ることによって蛍光シグナルをμM MU/hに変換することにより、[μM MU/h]で示される試料のリパーゼ活性を決定した。活性を、ウェルあたりに適用されたタンパク質濃度に対して正規化した。加水分解活性をパーセントで報告するために、参照試料のリパーゼ活性を100%に設定した。
【0361】
遊離脂肪酸及び質量分析(FAMS)アッセイ.それぞれの溶出画分中のPS20分解後の遊離脂肪酸の含有量をモニターするため、最初にPS20安定性研究用に試料を調製し、続いて質量分析によって分析した。特に明記しない限り、タンパク質プール試料を、0.04%(w/v)SR-PS20、10mM L-メチオニン及び100mM Tris pH8を含有する同じタンパク質濃度(それぞれの実験の説明に示される通り)に調整した。実験の時間経過中にPS20の酸化分解を制御するための効率的な酸化防止剤としてL-メチオニンを添加した。緩衝液対照試料として、適用したタンパク質体積を同じ体積の対応する溶出緩衝液系で置き換えた。
【0362】
全ての反応混合物を、Thermomixer(Eppendorf)中、37℃又は40℃のいずれかで、600rpmで振盪しながらインキュベートした。試料を規定の時点(それぞれの図に示す)の後に取り出し、その後の分析まで-80℃で保存した。
【0363】
50μLの試料を新しいエッペンドルフカップに移した。200μLのFFA溶解溶液(アセトニトリル中500 ng/mLのD23ラウリン酸及び500 ng/mLの13C14-ミリスチン酸)を添加し、短時間ボルテックスした。試料を14.000rpmで5分間遠心分離し、MS分析のためHPLCバイアルに移した。5μLの注入試料からの脂肪酸の分離を、ACQUITY UPLC(登録商標)Peptide BEH C18カラム(1.7μm 2.1×150mm及び300A)を使用してThermo Scientific(商標)Vanquish(商標)UHPLCシステムで行った。溶離液A(0.1%水酸化アンモニウム水溶液)及び溶離液B(100%アセトニトリル)を0.3mL/分の流速及び60℃のカラム温度で以下の勾配に使用した。初期条件は70%溶離液Bであった。勾配を0.2分から5.5分まで直線的に変化させ、溶離液Aを100%まで増加させ、6.0まで保持した。溶離液Bを6.1分で70%に設定し、平衡化のために10.0分まで保持した。質量分析計(Triple TOF(登録商標)6600,AB Sciex)を-4500Vのイオンスプレー電圧で負イオン化モードで操作した。ソース温度を450℃に設定し、TOF質量範囲を100~1000m/Zとした。減衰電位は-120V、衝突エネルギーは-10Vであった。
【0364】
ラウリン酸、ミリスチン酸、及び同位体標識された(D23)-ラウリン酸及び(13C14)ミリスチン酸の質量に対するXICを生成した。それぞれのピークを積分し、ラウリン酸とD23-ラウリン酸との間のピーク面積比、並びにミリスチン酸と13C14-ミリスチン酸との間の比を決定した。ピーク面積比を使用して、試料中のラウリン酸及びミリスチン酸の濃度を計算した。測定を2連で行った。FFA(ラウリン酸(LA)及びミリスチン酸(MA))の量をパーセントで報告するため、参照試料の量を100%に設定した。
実施例2
【0365】
この実施例は、以下を使用する、抗体であるトラスツズマブを精製するための3つのプラットフォーム間の比較を実証する:(1)一般的な精製プラットフォーム、(2)アフィニティクロマトグラフィーからの溶出液を調整した後、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーの前に実行されるPDD1深層濾過工程を追加した一般的な精製プラットフォーム、(3)アフィニティクロマトグラフィーからの溶出液を調整した後、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーの前に実施したEMPHAZE(商標)深層濾過工程を追加した一般的な精製プラットフォーム。
【0366】
一般的な精製プラットフォーム(1)は、以下:アフィニティクロマトグラフィー、溶出液コンディショニング、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、及び接線流濾過、並びに陰イオン交換クロマトグラフィーから得られたプールのコンディショニングからなっていた。
【0367】
深層濾過工程を含む精製プラットフォームについては、アフィニティクロマトグラフィーの後で、深層フィルタを通してフィルタにかける前に溶出液をコンディショニングした。使用したPDD1深層フィルタは、Pall PDD1、SUPRAcap(商標)-50 SC050PDD1(ロット102992583)、面積:22cm2であった。使用したEMPHAZE(商標)深層フィルタは、EMPHAZE(商標)AEX Hybrid(ロット:S210650302)、面積:25cm2であった。トラスツズマブは、深層フィルタを通って流れる。濾過工程を周囲温度(15℃~30℃)で行う。
【0368】
使用前に、陽イオン交換平衡緩衝液を用いて深層フィルタを平衡化した。コンディショニングされたアフィニティプールの濾過はフロー制御されている。濾過後にすすぎは行わなかった。これにより、宿主細胞タンパク質(酵素)の実際の減少を調べることができる。各使用後にフィルタを廃棄した。CEX平衡化緩衝液の許容範囲は以下の通りであった:0.020~0.040M MES、0.042~0.048M NaCl、pH5.50~5.70、及び導電率5.10~5.70 mS/cm。深層フィルタの操作条件は表8の通りとした。
【0369】
陽イオン交換クロマトグラフィーロード組成物中の宿主細胞タンパク質の量を測定し、結果を表9に提供する。実施例1に従ってタンパク質濃度の測定を行った。一般的な精製プラットフォームと比較して、EMPHAZE(商標)深層フィルタを備えた精製プラットフォームとPDD1深層フィルタを備えた精製プラットフォームの両方で、宿主細胞タンパク質のレベルの低下が観察された。
【0370】
一般的なプラットフォーム(アフィニティクロマトグラフィー後、深層濾過なし、参照)の陽イオン交換クロマトグラフィーロードのリパーゼ活性を、アフィニティクロマトグラフィー後の追加の深層濾過工程を含む対応する陽イオン交換クロマトグラフィーロード(
図3)と比較した。リパーゼ活性アッセイは実施例1に従って実施した。
【0371】
一般的なプラットフォーム(アフィニティクロマトグラフィー後、深層濾過なし、参照)の陽イオン交換クロマトグラフィーロードの加水分解活性を、アフィニティクロマトグラフィー後の追加の深層濾過工程を含む対応する陽イオン交換クロマトグラフィーロード(
図4)と比較した。FAMS分析を実施例1に従って行った。加水分解活性を、40℃、0.04%(w/v)SR-PS20、10mMメチオニン、100mM Tris pH8.0及び4.8g/Lの最終トラスツズマブ濃度でFAMSを使用して測定した。リパーゼ活性アッセイによって測定される酵素加水分解活性速度の減少(
図3)及びFAMSアッセイにおけるFAAの量の減少(
図4)が、一般的な精製プラットフォームと比較して、深層フィルタを含む両方の精製プラットフォームについて観察された。
実施例3
【0372】
この実施例は、滅菌前にHCCF(回収細胞流体)に対して実施される深層濾過工程、及びアフィニティクロマトグラフィー(CaptureSelect(商標)FcXL)の後に実施される第2の深層フィルタ工程を用いる、抗VEGF/Ang2抗体を精製するための精製プラットフォームの使用を実証する。使用した精製プラットフォームを
図5に詳述する。参照対照は、HCCFの追加の深層濾過工程なしで図示される精製プロセスを使用して実施された(
図5)。
【0373】
図5に示すように、潜在的な宿主細胞タンパク質を除去するように設計された3つの異なる深層フィルタを通してHCCFをフィルタにかけた。抗体はフィルタを通って流れる。濾過工程を周囲温度(15℃~30℃)で行う。
【0374】
使用前に、EMPHAZE(商標)(EMPHAZE(商標)AEX Hybrid(ロット:S228585702)、面積:25cm2)、VR02(BioCap_VR02(ロット:3923452)、面積:25cm2)及び120ZB(BioCap_120ZB(ロット:3923452)、面積:25cm2)にはアフィニティ平衡緩衝液を使用し、PDD1(SUPRAcap(商標)-50 SC050PDD1(ロット:103119429)、面積:22cm2)には陽イオン交換平衡緩衝液を使用して、3つの深層フィルタを平衡化した。HCCFの濾過を圧力制御した(フィード圧力=0.2MPa;最大供給フロー:25mL/分)。コンディショニングされたアフィニティプールの濾過はフロー制御されている(供給フロー=5.2ml/分;圧力制御:0.2MPa)。濾過後、フィルタを生成物回収のために同じ緩衝液で洗い流した。各使用後にフィルタを廃棄した。平衡化緩衝液を表10に提供する。
【0375】
PDD1フィルタフラッシュを、200mL(約90L/m2)の注射用水を用いて行った。EMPHAZE(商標)フィルタフラッシュを、200mL(約90L/m2)のC1平衡化緩衝液を使用して行った。フィルタにかけたHCCFの容量は1750mL(EMPHAZE(商標)については約700L/m2)であった。
【0376】
CaptureSelect FcXLの操作条件は、表11の通りとした。
【0377】
宿主細胞タンパク質ロード量を精製プラットフォームの様々な時点(
図5を参照されたい)で測定し、結果を表12に示す。
【0378】
加水分解活性を、実施例1に記載のリパーゼ活性アッセイによって測定した。種々の精製プラットフォームのFcXL溶出液の酵素加水分解活性速度の低下が、追加の深層フィルタなしの一般的な精製プラットフォーム(
図6A)と比較して、試験した深層フィルタのいずれか(EMPHAZE
(商標)、VR02、120ZB)で観察された。種々の精製プラットフォームのPDD1濾液の酵素加水分解活性速度の低下が、追加の深層フィルタなしの一般的な精製プラットフォーム(
図6B)と比較して、試験した深層フィルタのいずれか(EMPHAZE
(商標)、VR02、120ZB)で観察された。
【0379】
抗体を精製するための2つの精製プラットフォームを強陽イオン交換クロマトグラフィープールと比較するために、FAMSアッセイを行った:(1)一般的な精製プラットフォーム、(2)アフィニティクロマトグラフィーの前に実施された追加の120ZB深層濾過工程を含む同一の精製プラットフォーム。一般的な精製プラットフォームは、以下の連続工程からなった:アフィニティクロマトグラフィー、溶出液コンディショニング、深層濾過、マルチモーダル陰イオン交換クロマトグラフィー、強陽イオン交換クロマトグラフィー及び接線流濾過。FAMSアッセイを実施例1及び以下の条件に従って実施した:37℃、0.04%(w/v)SR-PS20、10mMメチオニン、150mM Tris pH8.0、最終抗体濃度50g/L。遊離脂肪酸の量によって測定される酵素加水分解活性速度の減少が、一般的な精製プラットフォームと比較して、120ZB深層フィルタを備えた精製プラットフォームで観察された(
図7)。
実施例4
【0380】
この実施例は、コンディショニングされたアフィニティクロマトグラフィー(プロテインAクロマトグラフィー)溶出液をフィルタにかけるための、2つの異なる深層フィルタ(X0SP又はPDD1)を組み込んだ抗FAP-IL2vを精製するための精製プラットフォームの比較を実証する。
【0381】
実施例1に記載されるように、HCCF試料を調製し、フィルタにかけた。
【0382】
一般的なプラットフォーム(深層濾過なし)のプロテインAクロマトグラフィー溶出液のリパーゼ活性を、プロテインAクロマトグラフィー溶出液に対して実施したX0SP又はPDD1深層濾過工程のいずれかを有する精製プラットフォームを含む深層濾過のアフィニティクロマトグラフィー溶出液と比較した。リパーゼ活性アッセイを実施例1に従って実施した。X0SP深層フィルタから得られた画分のリパーゼ活性の結果を
図8Aに示す。PDD1深層フィルタから得られたリパーゼ活性の結果を
図8Bに示す。
実施例5
【0383】
この実施例は、精製プラットフォームから得られた抗体部分組成物中のポリソルベートの加水分解を最小限に抑える選択肢を見出すために実施された様々な抗体部分の精製のための精製最適化実験を実証する。本明細書に開示される実験は、タンパク質A及び第2のクロマトグラフィーカラムのロードフィルタとしてのEMPHAZE(商標)等の深層フィルタ、並びに後続のウイルス濾過工程に対する研磨カラム溶出プールフィルタ又はロードフィルタとしてのHIC媒体(SARTOBIND(登録商標)フェニルメンブレン)の包含を評価する。
【0384】
ポリソルベート分解に関与する加水分解酵素を除去又は低減する可能性を、EMPHAZE(商標)及びX0SPを含むいくつかの深層フィルタについて評価した。EMPHAZE(商標)フィルタの組み込みを、一般的なmAb精製プロセスフローにおいて2つの処理レベルで評価した。第1の選択肢は、プロテインAクロマトグラフィーの前のプロテインAロードフィルタであり、プロテインAカラムにロードする前にHCCFをフィルタにかける。表13に要約されるように、相対加水分解活性は、プロテインAクロマトグラフィーの前にHCCFをフィルタにかけると、一般的な精製プロセスと比較して40%を超えて低下する。
【0385】
EMPHAZE(商標)で達成されたポリソルベート(polylobate)分解の減少が宿主細胞タンパク質単独の減少と関連していなかったことを実証するために、EMPHAZE(商標)処理量の増加時のHCCF試料をプロテインAで精製し、プールをCHOP及びポリソルベート分解活性の両方について分析した。
図9に示すように、CHOP値の減少はEMPHAZE(商標)濾過処理量に依存したが、ポリソルベート分解速度の有意な減少は比較的一定であった。対照と比較して達成されたポリソルベート分解比活性の有意な減少は、EMPHAZE(商標)清澄化処理量の増加を伴う対照とほぼ同じ高さのCHOP値の連続的な増加にもかかわらず、800L/m
2処理量まで比較的一定のままである。
【0386】
評価した第2の選択肢は、ウイルス不活化工程の下流のEMPHAZE(商標)及びX0SP深層フィルタの配置、又は第2のカラムクロマトグラフィーに対するロードフィルタとしての配置であった。この評価のため、いくつかの分子からのプロテインAプールをpH5.5又はpH8.0のいずれかに中和し、EMPHAZE(商標)又はX0SPで300L/m
2の処理量でフィルタにかけた。フィルタにかけたプールのポリソルベート加水分解活性を、対照の濾過していない試料と比較した。表14に要約されるように、EMPHAZE(商標)及びX0SPフィルタの両方が、濾過していない対照プールと比較してポリソルベート分解の有意な減少を示した。
図10に示すように、ポリソルベート加水分解活性(プロテインAプールの抗タウmAbの精製においてリパーゼ活性アッセイを使用して測定される)は、pH5.5でのX0SP深層フィルタのフィルタ処理量に依存する。
【0387】
ポリソルベート分解を低減するためのアプローチとして、HIC膜の使用を評価した。HIC膜は、最後のポリペプチドクロマトグラフィーカラム工程(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー)の後、ウイルス濾過の前に実施されるpH保持工程(例えば、pH5~6)の後、及び/又はUFDF工程の前に実施されるウイルス濾過工程の後に配置することができる。
【0388】
この試験で評価した一次HIC膜は、SARTOBIND(登録商標)フェニル膜であった。種々のpH値に調整した後の最後のポリペプチドクロマトグラフィープールを、SARTOBIND(登録商標)メンブレンフィルタでフィルタにかけた。濾過したプールを相対的なポリソルベート分解について分析した。
図11A~11Cに示すように、相対ポリソルベート活性は、対照と比較して有意に減少した。同じデータはまた、活性の低下が膜体積スループットに依存することを示す(
図11A~
図11C))。具体的には、
図11Aは、pH5.5でのオクレリズマブについての異なる処理量でのポリソルベート分解の比活性を示す。
図11Bは、pH5.5でのセリクレルマブの異なる処理量でのポリソルベート分解の比活性を示す。
図11Bは、pH6.5(
図11C)でのトシリズマブについての異なるスループットでのポリソルベート分解の比活性を示す。
材料及び方法
【0389】
Resins Pro A Sepharose(登録商標)FF、Fractogel(登録商標)TMAE及びセラミックヒドロキシアパタイト樹脂は、それぞれGE Healthcare(スウェーデン国ウプサラ)、TOSOH Biosciences(ペンシルバニア州キング・オブ・プロシア)及びBio-Rad(カリフォルニア州ハーキュリーズ)から購入した。Amicon遠心フィルタ及びX0SP深層フィルタをMillipore(マサチューセッツ州ベッドフォード)から入手した。EMPHAZE(商標)AEX深層フィルタを3M(コネチカット州メリデン)について入手し、SARTOBIND(登録商標)フェニル膜はSartorius(ニューヨーク州ボヘミア)から入手した。4-メチルウンベリフェリルカプリラート、Triton(商標)X-100及びアラビアガムは、それぞれResearch Organcis(オハイオ州クリーブランド)及びAcros Organics(ニュージャージー州ブリッジウォーター)から入手した。リパーゼ活性アッセイで使用した超精製(SR)グレードのPS20は、Croda(ニューアーク、ニュージャージー州)製であった。ここで報告された全てのモノクローナル抗体は、CHO細胞で発現されたヒト化又はヒトIgG1であり、Roche(カリフォルニア州サウスサンフランシスコ又はオーシャンサイド)で産生された。
【0390】
小規模EMPHAZE(商標)及び他の深層フィルタのため、25cm2サイズのカプセルを使用した。フィルタを最初に25mM Tris、250mM NaCl pH7.5で100L/m2、8ml/分の流速で洗い流した。平衡化後、HCCF(Pro Aロード)又は中和プロテインA溶出プールのいずれかを800L/m2までフィルタにかけた。画分を100L/m2ごとに収集し、その後のカラム工程にわたって精製し、ポリソルベート分解活性を測定した。
【0391】
SARTOBIND(登録商標)フェニル膜評価のために、3mlサイズのデバイスを使用した。膜を最初に、30mlの平衡化緩衝液により15L/分の流速で洗い流した。平衡化後、最後のクロマトグラフィープールをSARTOBIND(登録商標)フェニル膜でフィルタにかけ、画分を回収し、相対的なポリソルベート(polylobate)分解活性についてアッセイした。
【0392】
全ての小規模クロマトグラフィーの実行を、0.66cm×20cmのカラムで行った。プロテインA精製のため、カラムを最初に平衡化緩衝液中で予備平衡化し、HCCFを10~20g/L樹脂にロードした。ロード後、カラムを3カラム体積超の平衡緩衝液及び4カラム体積超の洗浄緩衝液で洗浄した。結合したタンパク質を2.5mM HCl pH2.7又は150mM酢酸で溶出した。0.5OD~0.5ODの溶出画分を回収し、pH5に中和し、ポリソルベート分解活性についてアッセイした。
【0393】
ポリソルベートに類似した構造を有するウンベリフェリル基質におけるエステル結合の切断を追跡することによって、リパーゼ酵素活性を調べた。この研究では、DMSO中の10μLの10mM 4-メチルウンベリフェリルカプリレートを80μLの反応緩衝液(50mM Tris、pH8.0、0.4% Triton(商標)X-100及び0.1%アラビアガム)と混合することによって反応混合物を調製した。蛍光励起及び発光波長を、それぞれ355nm及び460nmに設定した。蛍光動態を37℃で2~4時間連続的にモニターした。線形フィッティングを使用して速度論的硬化の初期反応速度を計算することによって各試料のリパーゼ活性を決定し、バックグラウンド加水分解を説明するために緩衝液のみの反応速度について補正した。比活性は、反応速度を試料タンパク質濃度で割ることによって決定される。
【0394】
タンパク質試料を0.2μmのフルオロジンシリンジフィルタで滅菌濾過し、25倍コンディショニング緩衝液(10mM酢酸ヒスチジンpH5中20mg/mLメチオニン、1% w/v SR PS20)でスパイクした。添加した試料を無菌条件下でエッペンドルフチューブに分注し、25℃で最大20日間インキュベートした。各時点でアリコートを採取し、遊離脂肪酸の抽出が実施されるまで-70℃で凍結した。
【0395】
各試料中の遊離脂肪酸を、同位体標識FFA内部標準を含有するアセトニトリル溶液によって抽出した。14000rpmで5分間遠心分離した後、上清をガラスインサート付きHPLCバイアルに移し、測定まで凍結した。Waters ACQUITY UPLC(登録商標)BEH300 C18(1.7um、2.1×150mm)カラムを備えたWaters HクラスBio UPLCシステムを、FFA検出用のAB Sciex 6600質量分析計と組み合わせて使用した。注入した試料5μLからの遊離脂肪酸の分離を、水中の5mM酢酸アンモニウム及び0.1%水酸化アンモニウムを緩衝液Aとして、100%アセトニトリルを緩衝液Bとして用いて、流速0.3mL/分、カラム温度60℃で行った。この方法を70%緩衝液Bで0.2分間開始し、続いて5.3分間かけて100%Bまで勾配をかけ、次いで0.1分で70%Bに戻し、70%Bで3.9分間平衡化した。質量分析計を、-4500Vのイオンスプレー電圧で負イオン化モードで操作した。ソース温度を450℃に設定し、TOP質量範囲を100~1000m/zとした。デクラスタリング電位は-120V、衝突エネルギーは-10Vであった。線形範囲のFFAの蓄積を線形回帰に適合させて、初期加水分解速度を計算した。
【0396】
全てのインプロセス試料中の宿主細胞タンパク質を社内のCHOタンパク質(CHOP)ELISAアッセイによって測定し、DNAを社内のqPCR法によって定量した。
実施例6
【0397】
この実施例は、抗体精製のための以下の2つの精製プラットフォーム間の比較を実証し、精製プラットフォームは以下を含む:(1)120ZB10A深層フィルタを用いた HCCFの深層濾過、続くプロテインAクロマトグラフィー、又は(2)EMPHAZE(商標)AEX深層フィルタを用いたHCCFの深層濾過、続くプロテインAクロマトグラフィー。
【0398】
3つの異なる抗体部分(AM1、AM2、及びAM3)の発現のための3つの異なる細胞培養物から採取した細胞培養液(HCCF)を個々に収集した。120ZB10A深層濾過工程を有する精製プラットフォーム(精製プラットフォーム(1))については、各HCCFプールを120ZB10A層濾過(300L/m
2)に別々に供し、次いでプロテインAクロマトグラフィーに供した。プロテインAクロマトグラフィー後のプールのアリコートを収集した。アリコートのポリソルベート加水分解活性を、FAMSを使用して測定した(その方法論は、実施例1の材料及び方法の節においてより詳細に開示されている)。プロテインAクロマトグラフィー後のアリコートの測定された特定のFAMS率を
図12に示す。HCCFプールのアリコート(深層濾過の前)を使用して、対照測定値を得た。
【0399】
EMPHAZE(商標)AEX深層濾過工程を有する精製プラットフォーム(精製プラットフォーム(2))については、各HCCFプールをEMPHAZE(商標)AEX層濾過(300L/m
2)に別々に供し、次いでプロテインAクロマトグラフィーに供した。プロテインAクロマトグラフィー後のプールのアリコートを収集した。アリコートのポリソルベート加水分解活性を、FAMSを使用して測定した(その方法論は、実施例1の材料及び方法の節においてより詳細に開示されている)。プロテインAクロマトグラフィー後のアリコートの測定された特定のFAMS率を
図12に示す。HCCFプールのアリコート(深層濾過の前)を使用して、対照測定値を得た。
実施例7
【0400】
この実施例は、抗体精製のための以下の2つの精製プラットフォーム間の比較を実証し、精製プラットフォームは以下を含む:(1)HCCFのプロテインAクロマトグラフィー、続いて活性炭(40CR)濾過、続いてPOROS(登録商標)50HSを使用する陽イオン交換クロマトグラフィー、又は(2)HCCFのプロテインAクロマトグラフィー、続いてX0SP深層フィルタを用いた深層濾過、続いてフェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フローを用いたHIC。
【0401】
3つの異なる抗体部分(AM1、AM2、及びAM4)の発現のための3つの異なる細胞培養物から採取した細胞培養液(HCCF)を個々に収集した。深層濾過工程を有さない精製プラットフォーム(精製プラットフォーム(1))については、3つのHCCF試料をそれぞれ別々にプロテインAクロマトグラフィーに供した。プロテインAクロマトグラフィープールを、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)塩基を用いてpHを5.5±0.3に調整することによってコンディショニングし、次いで、コンディショニングしたプールを別々に40CR濾過(300L/m
2)に供し、続いてPOROS(登録商標)50 HSクロマトグラフィーに供した。40CR濾過後のプールのアリコート及びPOROS(登録商標)50HS濾過後のプールのアリコートを収集した。アリコートのポリソルベート加水分解活性を、FAMSを使用して測定した(その方法論は、実施例1の材料及び方法の節においてより詳細に開示されている)。40CR濾過後のプールのアリコート及びPOROS(登録商標)50HSクロマトグラフィー後のプールのアリコートについて測定された特定のFAMS率を、それぞれ
図13及び
図14に示す。プロテインAクロマトグラフィープールのアリコート(40CR濾過なし)を使用して、対照測定値を得た。
【0402】
X0SP深層濾過工程を有する精製プラットフォーム(精製プラットフォーム(2))について、3つのHCCF試料をそれぞれ別々にプロテインAクロマトグラフィーに供した。プロテインAクロマトグラフィープールを、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)塩基を用いてpHを5.5±0.3に調整することによってコンディショニングし、次いで、コンディショニングしたプールを別々にX0SP濾過(300L/m
2)に供し、続いてフェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィーに供した。X0SP濾過後のプールのアリコート及びフェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィー後のプールのアリコートを収集した。アリコートのポリソルベート加水分解活性を、FAMSを使用して測定した(その方法論は、実施例1の材料及び方法の節においてより詳細に開示されている)。X0SP濾過後のプールのアリコート及びフェニルSEPHAROSE(登録商標)高速フロークロマトグラフィー後のプールのアリコートについて測定された特定のFAMS率を、それぞれ
図13及び
図14に示す。プロテインAクロマトグラフィープールのアリコート(X0SP深層濾過なし)を使用して、対照測定値を得た。
実施例8
【0403】
この実施例は、抗体精製のための以下の3つの精製プラットフォーム間の比較を実証し、精製プラットフォームは以下を含む:(1)HCCFのプロテインAクロマトグラフィー、続いて活性炭(40CR)濾過、続いてCapto Adhereを用いたマルチモーダルクロマトグラフィー、(2)HCCFのプロテインAクロマトグラフィー、続いてEMPHAZE(商標)深層フィルタを用いた深層濾過、続いてCapto Adhereを用いたマルチモーダルクロマトグラフィー、又は(3)HCCFのプロテインAクロマトグラフィー、続いてPDD1深層フィルタを用いた深層濾過、続いてCapto Adhereを使用したマルチモーダルクロマトグラフィー。
【0404】
3つの異なる抗体部分(AM1、AM2、及びAM4)の発現のための3つの異なる細胞培養物から採取した細胞培養液(HCCF)を個々に収集した。深層濾過工程を有さない精製プラットフォーム(精製プラットフォーム(1))については、3つのHCCF試料をそれぞれ別々にプロテインAクロマトグラフィーに供した。プロテインAクロマトグラフィープールを、Tris塩基を用いてpHを8.0±0.5に調整することによってコンディショニングし、次いで、コンディショニングしたプールを40CR深層濾過(300L/m
2)、続いてCapto Adhereクロマトグラフィーに別々に供した。40CR濾過後のプールのアリコートを収集した。アリコートのポリソルベート加水分解活性を、LEAPアッセイを使用して測定した(その方法論は、実施例1の材料及び方法の節においてより詳細に開示されている)。40CR濾過後のプールのアリコートについて測定された特定のLEAP率を
図15に示す。プロテインAクロマトグラフィープールのアリコート(40CR濾過なし)を使用して、対照測定値を得た。
【0405】
EMPHAZE(商標)深層濾過工程を有する精製プラットフォーム(精製プラットフォーム(2))について、3つのHCCF試料をそれぞれ別々にプロテインAクロマトグラフィーに供した。プロテインAクロマトグラフィープールを、Tris塩基を用いてpHを8.0±0.5に調整することによってコンディショニングし、次いで、コンディショニングしたプールをEMPHAZE(商標)深層濾過(300 L/m
2)、続いてCapto Adhereクロマトグラフィーに別々に供した。EMPHAZE(商標)深層濾過後のプールのアリコートを収集した。アリコートのポリソルベート加水分解活性を、LEAPアッセイを使用して測定した(その方法論は、実施例1の材料及び方法の節においてより詳細に開示されている)。EMPHAZE(商標)深層濾過後のプールのアリコートについて測定された特定のLEAP率を
図15に示す。プロテインAクロマトグラフィープールのアリコート(EMPHAZE(商標)深層濾過なし)を使用して、対照測定値を得た。
【0406】
PDD1深層濾過工程を有する精製プラットフォーム(精製プラットフォーム(3))について、3つのHCCF試料をそれぞれ別々にプロテインAクロマトグラフィーに供した。プロテインAクロマトグラフィープールを、Tris塩基を用いてpHを8.0±0.5に調整することによってコンディショニングし、次いで、コンディショニングしたプールをPDD1深層濾過(300L/m
2)、続いてCapto Adhereクロマトグラフィーに別々に供した。PDD1深層濾過後のプールのアリコートを収集した。アリコートのポリソルベート加水分解活性を、LEAPアッセイを使用して測定した(その方法論は、実施例1の材料及び方法の節においてより詳細に開示されている)。PDD1深層濾過後のプールのアリコートについて測定された特定のLEAP率を
図15に示す。プロテインAクロマトグラフィープールのアリコート(PDD1深層濾過なし)を使用して、対照測定値を得た。
実施例9
【0407】
この実施例は、TYRP1 TCB抗体(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT/EP2019/08614に開示されている)を精製するためのワークフローの評価及び比較を実証し、ワークフローは異なるC1深層フィルタを使用し、続いてMerckMillipore Millistak+(登録商標)HC Pro X0SPフィルタを使用するC2濾過工程を使用する。比較されるpre-C1深層フィルタは、化学的に定義された合成材料(3M(商標)EMPHAZE(商標)AEX Hybrid Purifier)を含む深層フィルタ及び回収浄化深層フィルタ(ZETA PLUS(商標)EXT ZBシリーズ、120ZB)である。120ZB及びEMPHAZE(商標)深層フィルタは両方とも正に帯電しており、X0SP深層フィルタはpH>4.5で負に帯電している。
【0408】
実験ワークフロー及び試料名の割り当てを
図16に示す。簡潔には、約80 NTUの濁度を有し、TYRP1 TCB抗体を含有する無細胞採取液を、記載の実験のための負荷物質として使用するためにバイオリアクターから回収した。プロテインAクロマトグラフィーの前に、無細胞採取液の一部を120ZB深層フィルタを用いてフィルタにかけ、第2の部分をEMPHAZE(商標)深層フィルタを用いてフィルタにかけた。次いで、両方の濾液を滅菌濾過し、GE HealthcareのMABSELECT SURE(商標)媒体を使用してプロテインAクロマトグラフィーに供した。120ZB深層フィルタワークフロー及びEMPHAZE(商標)深層フィルタワークフローからの溶出液をそれぞれ、1M TRIS/HCl、pH5.5でpH9.0に滴定した。各ワークフローについて、滴定した溶出液をアリコートに分け、一方のアリコートを0.2μm滅菌フィルタを用いて滅菌濾過して参照として保持し、第2のアリコート(約100mL~約120mL)を小規模MerckMillipore Millistak+(登録商標)HC Pro X0SPフィルタ(5cm
2フィルタ面積)を用いてフィルタにかけた。120ZBワークフローから、X0SP濾過からの溶出液の3画分を収集した。EMPHAZE(商標)ワークフローから、X0SP濾過からの溶出液の4画分を収集した。その後、各X0SP溶出液画分を0.2μm滅菌フィルタを用いて濾過した。
【0409】
次いで、得られた各アリコートを、実施例1で提供される方法に従ってLEAPアッセイによって分析した。LEAPアッセイ結果の比較は、pre-C1深層フィルタワークフローの両方が加水分解活性を低下させるのによく機能したこと、及びX0SPフィルタが捕捉カラムの出力の加水分解活性を有意に低下させることを示す(
図17)。120ZB及びEMPHAZE(商標)ワークフローの比較は、EMPHAZE(商標)濾過材料のプロテインA溶出液が120ZB濾過プロテインA溶出液と比較して加水分解活性が33%低いことを示す(
図17)。
実施例10
【0410】
この実施例は、プロテインAクロマトグラフィー溶出液に対して実施されるX0SP深層濾過工程を含む精製プラットフォームを使用した、TYRP1 TCB抗体(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT/EP2019/08614に開示されている)を含有する種々のHCCF試料の精製の評価及び比較を実証する。
【0411】
TYRP1 TCB抗体を産生する細胞の別個の培養から、2つの異なるHCCF試料を調製した(CF 238及びCF 239)。プロテインAクロマトグラフィーを、MABSELECT SURE(商標)媒体を使用して行った。溶出液を収集し(CF 238 MSS溶出液及びCF 239 MSS溶出液)、それぞれ1M TRIS/HCl、pH5.5でpH9.0に滴定し、次いでX0SP深層濾過に供した。具体的には、それぞれ35LのCF 238 MSS溶出液又は20LのCF239 MSS溶出液を、160 L/m2/hの流速でX0SPフィルタ(それぞれ1 m2又は0.55 m2)でフィルタにかけた。並行して、CF 238及びCF 239 HCCF試料のアリコートを、プロテインAクロマトグラフィー後のX0SP深層濾過工程を含まない参照精製プラットフォームを使用してそれぞれ精製した。
【0412】
得られた各溶出液のリパーゼ活性を実施例1に記載のように行った。CF 238及びCF 239の両方の精製プラットフォームを含む参照及びX0SP深層フィルタから得られたリパーゼ活性の結果を
図18A(CF 238)及び
図18B(CF 239)に示す。
図18A及び18Bに示すように、X0SP含有精製プラットフォームからの溶出液では、加水分解活性が有意に低下している。
実施例11
【0413】
この実施例は、コンディショニングされたアフィニティクロマトグラフィー(プロテインAクロマトグラフィー)溶出液をフィルタにかけるための種々の深層濾過工程を組み込んだ4つの精製プラットフォームを使用するプラシネズマブ(prasinezumab)の精製の比較を実証する。具体的には、4つの異なる深層濾過工程は以下に基づいていた:(i)PDD1;(ii)X0SP;(iii)PDD1とそれに続くX0SP;及び(iv)X0SPとそれに続くPDD1。
【0414】
アフィニティクロマトグラフィー溶出液を、2M Trisを用いてpH6.0+/-0.2に調整した。PDD1及びXS0Pフィルタを、少なくとも220mlの対応する緩衝液(25mM Tris/酢酸塩)で平衡化した。両方のフィルタに200L/m2未満でロードした。PDD1及びXS0Pフィルタの流量は11ml/分であった。実験期間中、圧力を制御した。深層フィルタからの溶出液を100L/m2及び200L/m2後に分画した。
【0415】
参照アプローチ(深層濾過なし;ロード)のプロテインAクロマトグラフィー溶出液中のリパーゼ活性及びHCP量を、4つの精製プラットフォームの各深層濾過工程後に収集した溶出液と比較した。リパーゼ活性アッセイを実施例1に従って実施した。深層フィルタから得られた画分のリパーゼ活性の結果を
図19Aに示す。HCP測定の結果を
図19Bに示す。
【国際調査報告】