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特表2022-531321骨保存機能を有する整形外科用インプラントシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】骨保存機能を有する整形外科用インプラントシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A61F2/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564777
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 IB2020054100
(87)【国際公開番号】W WO2020222167
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】62/842,178
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト・スティーブン・イー
(72)【発明者】
【氏名】マロニー・ウィリアム・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC13
4C097DD02
4C097DD09
4C097DD10
4C097EE02
4C097FF10
4C097SC08
4C097SC09
(57)【要約】
脛骨インサートは、関節面と、関節面の反対側の底面とを含む。底面は、1つ以上の骨保存機能を含む。いくつかの実施形態では、底面は、脛骨インサートの厚さが比較的一定であるように、関節面の湾曲に一致するように湾曲していてもよい。他の実施形態では、底面は比較的平坦であってもよいが、脛骨インサートの最小厚さを維持するために平坦なベース面から延在する突起部を含む。記載された特徴は、ユニコンパートメント脛骨プロテーゼ、バイコンパートメントプロテーゼ、又は完全膝プロテーゼに組み込まれてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニコンパートメント脛骨インサートであって、
前端及び後端と、
前記前端から前記後端まで延在し、天然又は人工大腿骨の対応する顆と関節結合するように構成された関節面と、
前記関節面の反対側の、前記前端から前記後端まで延在し、ユニコンパートメント脛骨トレイと結合するように構成された底面であって、非平面である底面とを備え、
前記関節面と前記底面との間の垂直距離は、前記脛骨インサートの厚さを規定し、前記脛骨インサートの前記厚さは、前記前端と前記後端との間で一定である、ユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項2】
前記関節面が、矢状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面が、前記矢状面で見たときに凸形状を有する、請求項1に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項3】
前記関節面が、冠状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面が、前記冠状面で見たときに凸形状を有する、請求項2に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項4】
前記関節面の湾曲が、前記底面の湾曲と一致する、請求項1に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項5】
前記脛骨インサートの前記厚さが、約6ミリメートルである、請求項1に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項6】
ユニコンパートメント脛骨インサートであって、
前端及び後端と、
前記前端から前記後端まで延在し、天然又は人工大腿骨の対応する顆と関節結合するように構成された関節面と、
前記関節面の反対側の、前記前端から前記後端まで延在し、ユニコンパートメント脛骨トレイと結合するように構成された底面であって、平坦なベース面と、前記平坦なベース面から延在する突起部とを含み、前記突起部が湾曲した外面を有する、底面と、を備える、ユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項7】
前記関節面が、矢状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面の前記突起部は、前記矢状面で見たときに凸形状を有する、請求項6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項8】
前記関節面が、冠状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面の前記突起部が、前記冠状面で見たときに凸形状を有する、請求項7に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項9】
前記関節面と前記底面との間の垂直距離が、前記脛骨インサートの厚さを規定し、前記脛骨インサートの前記厚さが、前記前端と前記後端との間で一定である、請求項6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【請求項10】
前記脛骨インサートの前記厚さが、約6ミリメートルである、請求項9に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2019年5月2日に提出された「ORTHOPAEDIC IMPLANT SYSTEM WITH BONE CONSERVING FEATURES」と題する、米国仮特許出願第62/842,178号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、その全体が参照により本出願に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、整形外科用システムに関し、より具体的には、膝関節置換手術を実施するための整形外科用システムに関する。
【背景技術】
【0003】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節を人工関節に置換する、周知の外科的処置である。通常の膝プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされるポリマーインサート又はベアリングを含む。患者の関節への損傷の重症度に応じて、様々な可動性の整形外科用プロテーゼを使用することができる。例えば、膝プロテーゼは、著しい軟組織損傷又は損失が存在する場合など、膝プロテーゼの運動を制限することが望ましい場合に、「固定」脛骨インサートを含み得る。あるいは、膝プロテーゼは、より大きな運動自由度が所望される場合に、「可動」脛骨インサートを含み得る。
【0004】
患者の天然の膝関節を置換するために使用される整形外科用膝プロテーゼのタイプはまた、手術中に患者の後十字靭帯が保持されるか、又は犠牲にされる(すなわち、除去される)かどうかに依存し得る。例えば、患者の後十字靭帯が手術中に損傷、病変、及び/又は他の方法で除去される場合、後方安定化膝プロテーゼを使用して、後屈曲度で追加の支持及び/又は制御を提供することができる。あるいは、後十字靭帯が無傷である場合、十字靭帯保持膝プロテーゼを使用してもよい。
【0005】
加えて、整形外科用膝プロテーゼは、患者の膝関節の状態によって、患者の大腿骨の両方の顆の大腿骨脛骨境界面を置換するように設計された完全膝プロテーゼ、又は患者の大腿骨の単一の顆の大腿骨脛骨境界面を置換するように設計されたユニコンパートメント(単顆)膝プロテーゼであり得る。膝関節の全置換又は形成術は、大腿骨、大腿骨近位部、大腿骨遠位部及び/又は大腿骨全骨、並びに脛骨近位部の中軸部分の置換を含み得る。ユニコンパートメント膝関節置換又は形成術は、単顆関節面置換術を含む。ユニコンパートメント膝関節形成術は、非炎症性変性関節疾患又は変形性関節症若しくは外傷後関節炎のその複合診断などの外傷若しくは疾患の結果として1つの顆のみが損傷している場合に、膝をリハビリテーションするための人工膝関節全置換術の代替法を提供する。場合によっては、整形外科用膝プロテーゼは、患者の内側脛骨顆及び外側脛骨顆のそれぞれを置換する2つのユニコンパートメント膝プロテーゼによって形成されたバイコンパートメント膝プロテーゼであってもよい。そのような場合、単一の完全な大腿骨構成要素又は2つの部分的な大腿骨構成要素を使用して、2つのユニコンパートメント・インサートと協働させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ユニコンパートメント脛骨インサートは、前端と、後端と、前端から後端まで延在する関節面と、関節面の反対側の、前端から後端まで延在する底面とを含む。関節面は、天然又は人工大腿骨の対応する顆と関節結合するように構成される。底面は、ユニコンパートメント脛骨トレイと結合するように構成され、非平面である。
【0007】
いくつかの実施形態では、関節面は、矢状面で見たときに凹形状を有し、底面は、矢状面で見たときに凸形状を有する。加えて又は別法として、関節面は、冠状面で見たときに凹形状を有してもよく、底面は、冠状面で見たときに凸形状を有してもよい。
【0008】
関節面と底面との間の垂直距離は、脛骨インサートの厚さを規定することができる。いくつかの実施形態では、脛骨インサートの厚さは、前端と後端との間で一定である。例えば、脛骨インサートの厚さは、約6ミリメートルである。更に、いくつかの実施形態では、関節面の湾曲は、底面の湾曲と一致する。
【0009】
本開示の別の態様によれば、ユニコンパートメント脛骨インサートは、前端と、後端と、前端から後端まで延在する関節面と、関節面の反対側の、前端から後端まで延在する底面とを含む。関節面は、天然又は人工大腿骨の対応する顆と関節結合するように構成される。底面は、ユニコンパートメント脛骨トレイと結合するように構成され、非平面である。関節面と底面との間の垂直距離は、前端と後端との間で一定である脛骨インサートの厚さを規定することができる。
【0010】
本開示の更なる態様によれば、ユニコンパートメント脛骨インサートは、前端、後端、前端から後端まで延在する関節面、及び関節面の反対側の、前端から後端まで延在する底面を含んでもよい。関節面は、天然又は人工大腿骨の対応する顆と関節結合するように構成される。底面は、ユニコンパートメント脛骨トレイと結合するように構成され、平坦なベース面と、平坦なベース面から延在する突起部とを含む。突起部は、湾曲した外面を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、関節面は、矢状面で見たときに凹形状を有してもよく、底面の突起部は、矢状面で見たときに凸形状を有してもよい。加えて又は別法として、関節面は、冠状面で見たときに凹形状を有してもよく、底面の突起部は、冠状面で見たときに凸形状を有してもよい。
【0012】
関節面と底面との間の垂直距離は、脛骨インサートの厚さを規定することができる。そのような実施形態では、脛骨インサートの厚さは、前端と後端との間で一定であってもよい。例えば、脛骨インサートの厚さは、約6ミリメートルである。
【0013】
いくつかの実施形態では、関節面と底面の平坦なベース面との間の第1の垂直距離は第1の厚さを規定し、関節面と突起部の湾曲した外面との間の第2の垂直距離は第2の垂直距離を規定する。第2の垂直距離は、第1の垂直距離に等しくてもよい。
【0014】
更に、いくつかの実施形態では、関節面と底面の突起部の湾曲した外面との間の垂直距離は、突起部の厚さを規定することができる。いくつかの実施形態では、突起部の厚さは一定であってもよい。例えば、突起部の厚さは、約6ミリメートルであってもよい。更に、いくつかの実施形態では、底面の突起部は、半楕円形の形状であってもよい。更に、いくつかの実施形態では、底面の突起部は、脛骨インサートの内外軸から脛骨インサートの後端に向かってオフセットされている。
【0015】
本開示の更に別の態様によれば、脛骨膝プロテーゼは、前側、後側、前側から後側に延在する内側関節面、前側から後側に延在する外側関節面、及び内側関節面及び外側関節面の反対側の、前側から後側に延在する底面を含むことができる。内側関節面は、天然又は人工大腿骨の内側顆と関節結合するように構成されてもよい。同様に、外側関節面は、天然又は人工大腿骨の外側顆と関節結合するように構成されてもよい。底面は、平坦なベース面と、平坦なベース面から内側関節面又は外側関節面の下に延在する突起部とを含む。突起部は、湾曲した外面を有してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、脛骨インサートは、底面の突起部から延在するペグを更に含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、内側関節面及び外側関節面の各々は、矢状面で見たときに凹形状を有することができる。そのような実施形態では、底面の突起部は、矢状面で見たときに凸形状を有してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、内側関節面と突起部の湾曲した外面との間、又は外側関節面と突起部の湾曲した外面との間の垂直距離は、突起部の厚さを規定する。そのような実施形態では、突起部の厚さは一定であって、約6ミリメートルであってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、脛骨インサートは、モノブロックプロテーゼとして具現化され、金属プラットフォームに取り付けられたポリマーベアリングを含むことができる。そのような実施形態では、ポリマーベアリングは、内側関節面及び外側関節面を含み、金属プラットフォームは、平坦なベース面を有する底面と、平坦なベース面から内側関節面又は外側関節面の下に延在する突起部とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
詳細な説明は、具体的には、以下の図面を参照する。
図1】患者の脛骨内へ移植するための典型的な整形外科用膝プロテーゼシステムの一実施形態の分解斜視図である。
図2】膝プロテーゼ全切除後の図1の脛骨の斜視図である。
図3】ユニコンパートメント膝プロテーゼ切除後の図2の脛骨の斜視図である。
図4図1の典型的な整形外科用膝プロテーゼシステムの構成要素を形成することができる典型的な脛骨インサートの内外方向断面図である。
図5】骨保存機能を有するユニコンパートメント脛骨インサートの一実施形態の上方斜視図である。
図6図5のユニコンパートメント脛骨インサートの上方平面図である。
図7図5のユニコンパートメント脛骨インサートの下方平面図である。
図8図5のユニコンパートメント脛骨インサートの内面図である。
図9図5のユニコンパートメント脛骨インサートの後面図である。
図10図5のユニコンパートメント脛骨インサートの前後方向断面図である。
図11図4と同様の典型的な脛骨インサートの前後方向断面図である。
図12図5のユニコンパートメント脛骨インサートの内外方向断面図である。
図13図11の典型的なトライバル(tribal)インサートの内外方向断面図である。
図14図5のユニコンパートメント脛骨インサートの移植に備えてユニコンパートメント脛骨インサートを切除した後の患者の脛骨の斜視図である。
図15図5のユニコンパートメント脛骨インサートを含むユニコンパートメント膝プロテーゼを移植した後の図14の患者の脛骨の断面評価図である。
図16】骨保存機能を有するユニコンパートメント脛骨インサートの別の実施形態の下方斜視図である。
図17図16のユニコンパートメント脛骨インサートの上方平面図である。
図18図16のユニコンパートメント脛骨インサートの下方平面図である。
図19図16のユニコンパートメント脛骨インサートの内面図である。
図20図16のユニコンパートメント脛骨インサートの後面図である。
図21図16のユニコンパートメント脛骨インサートの前後方向断面図である。
図22図10と同様の典型的な脛骨インサートの前後方向断面図である。
図23図16のユニコンパートメント脛骨インサートの内外方向断面図である。
図24図22の典型的なトライバル(tribal)インサートの内外方向断面図である。
図25】骨保存機能を有する脛骨完全膝プロテーゼの下方斜視図である。
図26図25の脛骨完全膝プロテーゼの下方平面図である。
図27図25の脛骨完全膝プロテーゼの上方平面図である。
図28図25の脛骨完全膝プロテーゼの後面図である。
図29図25の脛骨完全膝プロテーゼの前面図である。
図30図25の脛骨完全膝プロテーゼの側面図である。
図31図25の脛骨完全膝プロテーゼの別の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の概念は、様々な修正形態及び代替的形態にしやすいが、その特定の例示的な実施形態を例として図面に示し、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての修正物、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。
【0021】
解剖学的基準を表す前方、後方、内側、外側、上位、下位等の用語は、本明細書全体において、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び手術器具、並びに患者の天然の解剖学的形態に関して使用され得る。このような用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても十分に理解された意味を有する。記述されている説明及び「特許請求の範囲」におけるこのような解剖学的参照用語の使用は、特に明記しないかぎり、それらの十分に理解された意味と一貫性を有することが意図される。
【0022】
ここで図1を参照すると、例示的な整形外科用完全膝プロテーゼシステム100は、典型的な「可動」又は「回転」整形外科用膝プロテーゼ102及び典型的な「固定」整形外科用膝プロテーゼ104を含む。整形外科用膝プロテーゼ102及び整形外科用膝プロテーゼ104のそれぞれは、以下でより詳細に説明するように、患者の脛骨106の外科的に準備された近位端に固定されるように構成される。
【0023】
例示的な「可動」整形外科用膝プロテーゼ102は、脛骨インサート110及び脛骨トレイ112を含む。脛骨インサート110は、典型的には、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリマー材料から形成される一方で、脛骨トレイ112は、コバルトクロム又はチタンなどの金属材料から形成される。
【0024】
脛骨インサート110は、脛骨トレイ112と結合されるように構成され、上側ベアリング面122及び底面124を有するプラットフォーム120を含む。脛骨インサート110と脛骨トレイ112との結合を容易にするために、脛骨インサート110はまた、プラットフォーム120の底面124から下方に延在するステム126を含む。ステム126は、脛骨トレイ112のボア138内に受け入れられるように構成される。使用中、脛骨インサート110は、脛骨トレイ112に対してステム126によって規定される軸の周りを回転するように構成される。
【0025】
図2に関連して後述するように、脛骨トレイ112は、患者の脛骨106の外科的に準備された近位端に固定されるように構成される。脛骨トレイ112は、骨接着剤又は他の取り付け手段を使用して患者の脛骨に固定することができる。脛骨トレイ112は、上面132及び底面134を有するプラットフォーム130を含む。脛骨トレイ112はまた、プラットフォーム130の底面134から下方に延在するステム136を含む。ボア138は、プラットフォーム130の上面132に画定され、ステム126の中に下方に延在する。
【0026】
例示的な「固定」整形外科用膝プロテーゼ104は、脛骨プラットフォーム又はベース142に取り付けられた脛骨インサート又はベアリング140を含む。脛骨インサート140は、典型的には、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリマー材料から形成される一方で、脛骨プラットフォーム142は、コバルトクロム又はチタンなどの金属材料から形成される。整形外科用膝プロテーゼ104はまた、患者の脛骨106への固定を容易にするために脛骨プラットフォーム142の底面152から下方に延在する1つ以上のペグ又はキール150を含んでいてもよい。
【0027】
脛骨インサート140及び脛骨プラットフォーム142は、モジュラーデザインであってもよく(例えば、脛骨インサート140及び脛骨プラットフォーム142は別個の構成要素であってもよい)又は一体設計であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、脛骨インサート140は、脛骨プラットフォーム142に恒久的に取り付けられても(例えば、成形されても)よい。それにもかかわらず、脛骨トレイ112と同様に、脛骨プラットフォーム142は、患者の脛骨106の外科的に準備された近位端に固定されるように構成される。
【0028】
上述したように、人工膝関節全置換術(TKA)において、整形外科用膝プロテーゼ102又は整形外科用膝プロテーゼ104のいずれかを使用して、患者の脛骨106の近位端を置換することができる。そうするために、患者の脛骨106は、図2に示されるように、患者の脛骨106の近位端に平坦な切除面200をもたらすべく脛骨プラトーを横切って平面的に切断することによって切除される。平坦な切除面200は、整形外科用膝プロテーゼ102、104のどちらが使用されるかに応じて、脛骨トレイ112のプラットフォーム130の底面134を支持するか、又は脛骨プラットフォーム142の底面152を支持するベースを提供する。いずれの場合も、脛骨インサート110、140は、患者の天然又は人工大腿骨が関節結合することができる人工脛骨関節面を提供する。もちろん、整形外科用膝プロテーゼ102、104を完全にインプラントするために、追加の外科的処置(例えば、脛骨106の穿孔)が必要とされ得る。
【0029】
場合によっては、患者の脛骨及び/又は大腿骨の1つの顆しか病変又は損傷していない可能性があるため、人工膝関節全置換術が必要でないことがある。そのような場合、整形外科用ユニコンパートメント膝プロテーゼを使用して、患者の脛骨106及び/又は大腿骨の天然の顆を置換することができる。典型的なユニコンパートメント膝関節プロテーゼは、完全膝関節プロテーゼの半分に類似しているが、単一の顆又は関節面を置換するように構成されている。したがって、典型的なユニコンパートメント脛骨プロテーゼは、単一の関節面を有する脛骨インサートと、患者の脛骨106に固定されるように構成された脛骨トレイとを含む。ユニコンパートメント膝関節形成(UKA)外科的処置を用いて、典型的なユニコンパートメント脛骨プロテーゼをインプラントすることができる。そうするために、図3に示されるように、患者の脛骨106の近位端において内側又は外側に平坦な切除面300をもたらすために、患者の脛骨106の関節面のうちの一方が脛骨プラトーを横切って平面的に切断することによって切除される。図2に関して上述した平坦な切除面200と同様に、平坦な切除面300は、典型的なユニコンパートメントの脛骨プロテーゼのプラットフォームの底面を支持するベースを提供する。もちろん、バイコンパートメント膝プロテーゼを使用する場合には、患者の脛骨106の近位端の内側及び外側の両方が切除され得る。
【0030】
整形外科用脛骨プロテーゼにおいて一般的に推奨され順守される1つの基準は、脛骨インサートの関節面と脛骨トレイの上面との間の最小距離である。上述したように、脛骨インサートは一般にポリマー材料から形成される一方、脛骨トレイは金属である。このように、ポリマー脛骨インサートの最小厚さは、脛骨インサートが使用中に破断したり過度に摩耗したりしないように維持されるべきである。例えば、図4に示すように、脛骨インサート140の関節面と脛骨プラットフォーム142の上面との間の最小距離400(すなわち、脛骨インサートの厚さ)を6から8ミリメートルに順守することができる。しかしながら、最小脛骨インサート厚を維持する、特に脛骨インサートの関節面のドエルポイントでそれを維持するには、患者の脛骨から過剰な骨を除去することが必要になる可能性がある。すなわち、典型的な脛骨インサートの関節面が湾曲していることに起因して、患者の脛骨106は、関節面のドエルポイントを超える最小距離(例えば、6~8ミリメートル)に等しい距離だけ切除されなければならず、その結果、関節面のドエルポイントの前後の領域であって関節面がドエルポイントほど深くない領域において、骨が過剰に切除されることになり得る。
【0031】
更に、状況によっては、患者の脛骨106を平面的に切除することは、脛骨膝プロテーゼの「シーソー」負荷効果をもたらし得、この場合、脛骨膝プロテーゼの一方の側の圧縮負荷によって、反対側を持ち上げ得る。更に、人工膝関節の屈曲及び伸長は、人工膝関節の整形外科用プロテーゼの関節面を横切るせん断力を伝達し得る。平面はせん断力に対する抵抗が減少しているので、そのようなせん断力に抵抗するために、整形外科用脛骨プロテーゼにペグ又はキールが必要になる場合があり、その場合、更に骨を除去することが必要になる。
【0032】
ここで図5図9を参照すると、例示的なユニコンパートメント脛骨インサート500は、患者の脛骨内へ脛骨インサート500を移植する間に除去される骨の量を減らすための骨保存機能を含む。ユニコンパートメント脛骨インサート500は、図6及び図7に示されるように平面図で見たときに一般に「D字形」であり、関節面502と、関節面502の反対側の底面504とを含む。脛骨インサート500の前端506から後端508まで延在する関節面502は、湾曲し、患者の大腿骨の対応する天然又は人工の顆と関節結合するように構成される。更に、典型的なユニコンパートメント脛骨インサートとは異なり、底面504も湾曲しており、脛骨インサート500の前端506から後端508まで延在する。
【0033】
例示的には、関節面502は凹状の湾曲を有し、底面504は、底面504が関節面502の湾曲を反映するように凸状の湾曲を有する。例えば、図8に示すように、関節面502は矢状面で見たときに前後方向に凹状であり、底面504は矢状面で見たときに前後方向に凸状である。同様に、図9に示すように、冠状面で見たときに関節面502は内外方向に凹状であり、底面504は冠状面で見たときに内外方向に凸状である。
【0034】
ここで図10図13を参照すると、いくつかの実施形態では、ユニコンパートメント脛骨インサート500の厚さが製作公差内で一定となるように、底面504の湾曲は関節面502の湾曲と一致する。例えば、例示的な実施形態では、関節面502と底面504との間に規定される垂直距離1000は、ユニコンパートメント脛骨インサート500の厚さを規定し、これは、図10に示すように前後方向及び図12に示すように内外方向において一定である。
【0035】
図10及び図12に示すように、垂直距離1000は、関節面502に接する仮想接線503に垂直であり、かつ底面504に接する仮想接線505に垂直な仮想線の長さ(距離1000)によって規定される。例えば、垂直距離1000は、仮想接線503と関節面502との接点と、仮想接線505と底面504との接点との間の距離として測定することができる。
【0036】
逆に、図11及び図12に示されるように、典型的なユニコンパートメント脛骨インサート1100は平坦な底面1102を有し、これにより、典型的なユニコンパートメント脛骨インサート1100の厚さは、図11に示されるように前後方向及び図13に示されるように内外方向の両方で変化する。したがって、典型的なユニコンパートメント脛骨インサート1100は、患者の脛骨の追加の骨を周辺の前方、後方、内側及び外側の領域(すなわち、ドエルポイントから離れた領域)で除去することを必要とする。
【0037】
ここで図14及び図15を参照すると、ユニコンパートメント脛骨インサート500は、ユニコンパートメント脛骨トレイ1500を含むか又はそれと嵌合するように構成されて、ユニコンパートメント脛骨プロテーゼ1550を形成し得ることが当然に理解される。いくつかの実施形態では、ユニコンパートメント脛骨トレイ1500は、ユニコンパートメント脛骨インサート500と結合するように形成された湾曲上面1504と、移植中に除去される骨の量を減少させるために、ユニコンパートメント脛骨インサート500の底面504の湾曲と同様に湾曲しているか、さもなければ底面504の湾曲と一致するように湾曲している底面1506とを有する脛骨プラットフォーム1502を含むことができる。したがって、図14に示されるように、ユニコンパートメント脛骨プロテーゼ1550は、患者の脛骨1400を示されるように平面的に切断する必要なしに、患者の脛骨1400の近位端に穿孔されるか又は他の方法で形成された円形又は半楕円形の凹部1402内に埋め込むことができる。湾曲した底面504、1506のために、凹部1402は、ユニコンパートメント脛骨インサート500の関節面502と脛骨トレイ1500の上面1504との間の最小距離を確保するのに必要な最小限の深さを有するように形成することができる。このようにして、患者の脛骨1400の骨は、患者の脛骨を平面的に切除することに比べて保存される。更に、凹部1402の楕円形状は、せん断力に対する抵抗を改善することができ、それにより、脛骨トレイ1500上のペグ又はキールの必要性を低減又は排除し、患者の脛骨1400の骨をより一層保存することができることが当然に理解される。
【0038】
ここで図16図20を参照すると、別の例示的なユニコンパートメント脛骨インサート1600は、患者の脛骨内へ脛骨インサート1600を移植する間に除去される骨の量を減らすための骨保存機能を含む。ユニコンパートメント脛骨インサート1600は、上述のユニコンパートメント脛骨インサート500と同様であり、図17及び図18に示されるように平面図で見たときに一般に「D字形」である。ユニコンパートメント脛骨インサート1600は、関節面1602と、関節面1602の反対側の底面1604とを含む。ユニコンパートメント脛骨インサート500と同様に、脛骨インサート1600の前端1606から後端1608まで延在する関節面1602は、湾曲して、患者の大腿骨の対応する天然又は人工の顆と関節結合するように構成される。しかしながら、ユニコンパートメント脛骨インサート1600の底面1604は、平坦なベース面1610と、平坦なベース面1610から離れるように(例えば、下方)延在する突起部1620とを有する。
【0039】
突起部1620は、突起部1620の領域における関節面1602の凹状湾曲を反映する凸状湾曲を有する湾曲した外面を有する。例えば、図19に示すように、矢状面で見ると、関節面1602は前後方向に凹状であり、矢状面で見ると、突起部1620の湾曲した外面は前後方向に凸状である。同様に、図20に示すように、関節面1602は、冠状面で見たときに内外方向に凹状であり、突起部1620の湾曲した外面は、冠状面で見たときに内外方向に凸状である。
【0040】
突起部1620は、例示的には半楕円形であるが、他の実施形態では異なる形状を有してもよい。突起部1620は、ユニコンパートメント脛骨インサート1600の厚さが最小厚さ(例えば、6~8ミリメートル)を満たすべく関節面1602のドエルポイントと位置合わせされるように平坦なベース面1610上に位置する。例えば、図18に示されるように、関節面1602のドエルポイントはユニコンパートメント脛骨インサート1600の後端1608に向かって位置されるため、突起部1620は同様にユニコンパートメント脛骨インサート1600の内外軸1630に対して後端1608に向かってオフセットされる。
【0041】
ここで図21図24を参照すると、いくつかの実施形態では、突起部1620の湾曲した外面の湾曲は、突起部1620の領域におけるユニコンパートメント脛骨インサート1600の厚さが製作公差内で一定となるように関節面1602の湾曲と一致する。例えば、例示的な実施形態では、関節面1602と突起部1620の湾曲した外面との間の垂直距離2100は、図21に示すように前後方向及び図23に示すように内外方向において一定である突起部1620の厚さを規定する。
【0042】
図21及び図23に示すように、垂直距離2100は、関節面1602に接する仮想接線1603に垂直であり、かつ突起部1620の湾曲した外面に接する仮想接線1605に垂直な仮想線(距離2100)の長さによって規定される。例えば、垂直距離2100は、仮想接線1603と関節面1602との接点と、仮想接線1604と突起部1620の湾曲した外面との接点との間の距離として測定することができる。
【0043】
逆に、図22及び図24に示されるように、典型的なユニコンパートメント脛骨インサート1100は平坦な底面1102を有し、これにより、典型的なユニコンパートメント脛骨インサート1100の厚さは、図22に示されるように前後方向及び図24に示されるように内外方向の両方で変化する。
【0044】
例示的には、ユニコンパートメント脛骨インサート1600の全体の厚さは、突起部1620と平坦なベース面1610との間で異なる。例えば、図21に示すように、関節面1602と平坦なベース面1610との間の垂直距離2102は、上述した突起部1620の厚さとは異なるユニコンパートメント脛骨インサート1600の厚さを規定する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ユニコンパートメント脛骨インサート1600の全体的な厚さは、突起部1620の厚さ(すなわち、垂直距離2100)と異なっていなくてもよく、等しくてもよい。
【0045】
脛骨インサート500、1600は、患者の脛骨の単一の顆を置換するためのユニコンパートメント脛骨インサートとして図示及び説明してきた。しかしながら、いくつかの実施形態では、内側及び外側のユニコンパートメント脛骨インサート500、1600を使用して、患者の脛骨の両方の顆を置換するためのバイコンパートメント脛骨インサートを形成してもよいことが当然に理解される。
【0046】
ここで図25図31を参照すると、例示的な脛骨膝プロテーゼ2500は、患者の脛骨内へ脛骨膝プロテーゼ2500を移植する間に除去される骨の量を減らすための骨保存機能を含む。脛骨膝プロテーゼ2500は、患者の脛骨の近位端を置換するように構成された完全人工膝関節として具現化される。したがって、脛骨膝プロテーゼ2500は、内側関節面2502と、外側関節面2522と、内側関節面2502及び外側関節面2522の反対側の底面2504とを含む。脛骨膝プロテーゼ2500の前端2506から後端2508まで延在する内側関節面2502は、湾曲して、患者の大腿骨の対応する天然又は人工の内側顆と関節結合するように構成される。同様に、脛骨膝プロテーゼ2500の前端2506から後端2508まで延在する外側関節面2522は、湾曲して、患者の大腿骨の対応する天然又は人工の外側顆と関節結合するように構成される。しかしながら、底面2504は、平坦なベース面2510と、平坦なベース面2510から離れるように(例えば、下方)延在する一対の突起部2550、2552とを有する。
【0047】
脛骨膝プロテーゼ2500の突起部2550、2552の各々は、上述の突起部1620と実質的に同様であってもよい。例えば、各突起部2550、2552は、対応する突起部2550、2552の領域内の対応する内側関節面2502又は外側関節面2522の凹状湾曲を反映する凸状湾曲を有する湾曲した外面を有する。例えば、図28及び図29に最も良く示されているように、内側関節面2502は矢状面で見たときに前後方向に凹状であり、突起部2550の湾曲した外面は矢状面で見たときに前後方向に凸状である。同様に、外側関節面2522は、矢状面で見たときに前後方向に凹状であり、突起部2552の湾曲した外面は、矢状面で見たときに前後方向に凸状である。更に、図30及び図31に最も良く示されているように、内側関節面2502は、冠状面で見たときに内外方向に凹状であり、突起部2550の湾曲した外面は、冠状面で見たときに内外方向に凸状である。同様に、外側関節面2522は、冠状面で見たときに内外方向に凹状であり、突起部2552の湾曲した外面は、冠状面で見たときに内外方向に凸状である。
【0048】
突起部2550、2552の各々は、例示的に半楕円形であるが、他の実施形態では異なる形状を有してもよい。更に、脛骨膝プロテーゼ2500は、例示的な実施形態では、2つの突起部2550、2552を含むが、脛骨膝プロテーゼ2500は、他の実施形態では追加の又はより少ない突起部2550、2552を含んでもよい。突起部2550、2552の各々は、各突起部2550、2552の厚さ(すなわち、各突起部2550、2552の外面と対応する内側関節面2502/外側関節面2522との間の垂直距離)が最小厚さ(例えば、6~8ミリメートル)を満たすように、対応する内側関節面2502/外側関節面2522のドエルポイントと位置合わせされる。上述したように、関節面2502、2522のドエルポイントは後端2508に向かって位置するため、各突起部2550、2552は同様に後端2508に向かってオフセットされる。更に、例示的な実施形態では、各突起部2550、2552は、それぞれ、対応する突起部2550、2552の湾曲した外面から延在するペグ2560、2562を含む。
【0049】
脛骨膝プロテーゼ2500は、モジュール式又は一体式の設計であってもよいことが当然に理解される。例えば、いくつかの実施形態では、脛骨膝プロテーゼ2500は、関節面2502、2522を含む脛骨インサートと、脛骨トレイとを含む。そのような実施形態では、脛骨インサートは、脛骨膝プロテーゼ2500を形成するために脛骨トレイに取り外し可能に取り付けられてもよい。他の実施形態では、脛骨膝プロテーゼ2500の脛骨インサートは、脛骨膝プロテーゼ2500の脛骨トレイに取り付けられる(例えば、成形される)。例えば、脛骨トレイは、脛骨インサートの取り付けを容易にするために多孔質のコーティング又は外面を有してもよい。そのような設計は、一般に「モノリシック」脛骨プロテーゼと呼ばれる。
【0050】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとは見なすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示して説明してきたにすぎず、本開示の趣旨に含まれるすべての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0051】
本開示は、本明細書において説明される方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、説明される特徴のすべてを含むわけではないが、依然として、こうした特徴の利点のうちの少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の特徴のうちの1つ又は2つ以上を組み込む、添付の「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0052】
〔実施の態様〕
(1) ユニコンパートメント脛骨インサートであって、
前端及び後端と、
前記前端から前記後端まで延在し、天然又は人工大腿骨の対応する顆と関節結合するように構成された関節面と、
前記関節面の反対側の、前記前端から前記後端まで延在し、ユニコンパートメント脛骨トレイと結合するように構成された底面であって、非平面である底面とを備え、
前記関節面と前記底面との間の垂直距離は、前記脛骨インサートの厚さを規定し、前記脛骨インサートの前記厚さは、前記前端と前記後端との間で一定である、ユニコンパートメント脛骨インサート。
(2) 前記関節面が、矢状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面が、前記矢状面で見たときに凸形状を有する、実施態様1に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(3) 前記関節面が、冠状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面が、前記冠状面で見たときに凸形状を有する、実施態様2に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(4) 前記関節面の湾曲が、前記底面の湾曲と一致する、実施態様1に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(5) 前記脛骨インサートの前記厚さが、約6ミリメートルである、実施態様1に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【0053】
(6) ユニコンパートメント脛骨インサートであって、
前端及び後端と、
前記前端から前記後端まで延在し、天然又は人工大腿骨の対応する顆と関節結合するように構成された関節面と、
前記関節面の反対側の、前記前端から前記後端まで延在し、ユニコンパートメント脛骨トレイと結合するように構成された底面であって、平坦なベース面と、前記平坦なベース面から延在する突起部とを含み、前記突起部が湾曲した外面を有する、底面と、を備える、ユニコンパートメント脛骨インサート。
(7) 前記関節面が、矢状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面の前記突起部は、前記矢状面で見たときに凸形状を有する、実施態様6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(8) 前記関節面が、冠状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面の前記突起部が、前記冠状面で見たときに凸形状を有する、実施態様7に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(9) 前記関節面と前記底面との間の垂直距離が、前記脛骨インサートの厚さを規定し、前記脛骨インサートの前記厚さが、前記前端と前記後端との間で一定である、実施態様6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(10) 前記脛骨インサートの前記厚さが、約6ミリメートルである、実施態様9に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【0054】
(11) 前記関節面と前記底面の前記平坦なベース面との間の第1の垂直距離が第1の厚さを規定し、前記関節面と前記突起部の前記湾曲した外面との間の第2の垂直距離が前記第1の垂直距離に等しい第2の垂直距離を規定する、実施態様6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(12) 前記関節面と前記底面の前記突起部の前記湾曲した外面との間の垂直距離が前記突起部の厚さを規定し、前記突起部の前記厚さが一定である、実施態様6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(13) 前記突起部の前記厚さが、約6ミリメートルである、実施態様12に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(14) 前記底面の前記突起部が、半楕円形の形状である、実施態様6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
(15) 前記底面の前記突起部が、前記脛骨インサートの内外軸から前記脛骨インサートの前記後端に向かってオフセットされている、実施態様6に記載のユニコンパートメント脛骨インサート。
【0055】
(16) 脛骨膝プロテーゼであって、
前側及び後側と、
前記前側から前記後側に延在し、天然又は人工大腿骨の内側顆と関節結合するように構成された内側関節面と、
前記前側から前記後側に延在し、前記天然又は人工大腿骨の外側顆と関節結合するように構成された外側関節面と、
前記前側から前記後側に延在する、前記内側関節面及び前記外側関節面の反対側の底面であって、平坦なベース面と、前記平坦なベース面から前記内側関節面又は前記外側関節面の下に延在する突起部とを含み、前記突起部は湾曲した外面を有する、底面と、を備える、脛骨膝プロテーゼ。
(17) 前記底面の前記突起部から延在するペグを更に備える、実施態様16に記載の脛骨膝プロテーゼ。
(18) 前記内側関節面及び前記外側関節面の各々が、矢状面で見たときに凹形状を有し、
前記底面の前記突起部は、前記矢状面で見たときに凸形状を有する、実施態様16に記載の脛骨膝プロテーゼ。
(19) 前記内側関節面と前記突起部の前記湾曲した外面との間、又は前記外側関節面と前記突起部の前記湾曲した外面との間の垂直距離が前記突起部の厚さを規定し、前記突起部の前記厚さが一定で約6ミリメートルである、実施態様16に記載の脛骨膝プロテーゼ。
(20) 前記脛骨インサートが、金属プラットフォームに取り付けられたポリマーインサートを備え、前記ポリマーインサートが、前記内側関節面及び前記外側関節面を含み、前記金属プラットフォームが、前記平坦なベース面と、前記平坦なベース面から前記内側関節面又は前記外側関節面の下に延在する前記突起部とを有する前記底面を含む、実施態様16に記載の脛骨膝プロテーゼ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【国際調査報告】