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特表2022-531392心臓組織をアブレーションするための装置、システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】心臓組織をアブレーションするための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565012
(86)(22)【出願日】2020-05-03
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 IB2020054178
(87)【国際公開番号】W WO2020225696
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/843,213
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/892,464
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/864,704
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ・リーチャ
(72)【発明者】
【氏名】スタッグ・ロバート・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ワン・チョン
(72)【発明者】
【氏名】サフラ・ベッツィー
(72)【発明者】
【氏名】ブー・リー・ミン
(72)【発明者】
【氏名】ゴバリ・アサフ
(72)【発明者】
【氏名】セルキー・トーマス・ブイ
(72)【発明者】
【氏名】ビークラー・クリストファー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン・アンドレス・クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】キース・ジョセフ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パパイオアンヌ・アタナシオス
(72)【発明者】
【氏名】フイマオノ・クリスティーネ・ビー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK13
4C160KK54
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM38
(57)【要約】
薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステム。当該システムは、細長い本体と、内側チャンバと近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、当該遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含み得る。当該システムは、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して急性処置上のPVIの成功を達成するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムであって、
細長い本体と、
前記細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、前記遠位部分の前記壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、
前記近位部分と前記遠位部分との間で前記内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、前記少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、前記遠位端部は、前記壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含み、
前記システムは、印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含んだアブレーションモードを備えて構成されている、システム。
【請求項2】
前記アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記細長い本体によって、また前記細長い本体を通じて治療溶液の注入を送達するように構成された灌注ポンプを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記灌注ポンプは、高周波エネルギーが高周波アブレーション中に送達されていないときに、約2ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記灌注ポンプは、高周波エネルギーが高周波アブレーション中に送達されていないときに、約8ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
使用中に前記カテーテルシステムによって前記治療部位に加えられる接触力を検出するための力感覚システムを更に備え、前記システムと標的部位との間の前記接触力が約5~30グラムの範囲に及ぶ、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記アブレーションモードを使用して、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方において、スチームポップ生起のゼロの発生率を達成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で少なくとも約13%、最高組織温度を上昇させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、前記アブレーションモードは、前記アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約10~30グラムの範囲に及ぶ接触力を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、炭化物、凝塊、及びスチームポップのうちの少なくとも1つの形成を回避する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、前記心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記アブレーションモードは温度制御及び灌注リンクを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記電極アセンブリは、1つ以上のリング電極と微小電極とを備え、前記カテーテルシステムは、アイドル状態の間及び高周波アブレーションの間、1つ以上のリング電極及び微小電極からのペースを臨床的に改善するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回る高周波アブレーション時間を達成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記微小要素の前記遠位端部は、前記シェルの前記壁の外側の露出部分を含み、前記微小要素は温度感知用に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記微小要素は、インピーダンス感知用に構成された第1の複数の第1の微小要素と、温度感知用に構成された第2の複数の第2の微小要素と、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の微小要素の遠位端部は、前記電極アセンブリの長手方向軸を中心として、前記シェルの前記遠位部分の外周に沿った放射状のパターンをなして配列されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
システムであって、
細長い本体と、
前記細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成され、前記壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、
前記近位部分と前記遠位部分との間で前記内側チャンバを通って延在する微小要素と、を備え、
前記システムは、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成するために、約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含むアブレーションモードを備えて構成されている、システム。
【請求項19】
前記アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、前記心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを伴って構成されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第62/843,213号(2019年5月3日)、同第62/892,464号(2019年8月27日)、及び米国特許出願公開第16/864,704号(2020年5月1日)に対する優先権を主張し、これらそれぞれの内容全体が、逐語的に述べられているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、広義には侵襲的な医療処置のための方法及び装置に関するものであり、具体的には、カテーテル、特に、灌注アブレーションカテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0003】
心筋組織のアブレーションは、心不整脈の治療として周知である。例えば、無線周波数(RF)アブレーションでは、カテーテルが心臓に挿入され、標的位置において組織と接触される。次いで、組織内の催不整脈性の電流経路を破壊する目的で病変を生成するために、RFエネルギーを、電極を介してカテーテルに印加する。
【0004】
灌注カテーテルは、アブレーション手術において、現在では一般的に用いられている。灌注は、冷却が行われなければ炭化物及び凝塊の形成、更にはスチームポップを引き起こしかねない組織の過熱を防止する電極及び組織の冷却など、多くの利点を与える。しかしながら、このような有害事象を防止するためにアブレーション手術中に組織温度が評価されるので、検知された温度は、組織の温度を正確に反映したものであり、かつカテーテルからの冷却灌注液によって偏っている可能性がある組織の表面温度のみを反映したものでないことが重要である。更に、一般的に、より深部の組織との接触により、損傷部のサイズを決定することなどを目的とした改善されたインピーダンスの測定値など、より正確な熱的及び電気的な指示値が与えられる。
【0005】
したがって、温度検知及びインピーダンス測定などのより正確な測定を行うため、組織を著しく損傷又は断裂することなくより効果的に組織を探測することが可能な遠位端を備えた灌注アブレーションカテーテルが望まれている。
【0006】
更に、初期処置であっても、持続性心房細動(PAF)の病態生理学は複雑であり得、多くの場合、肺静脈領域の外側に複数のトリガを伴い、このことがそれらの識別及び治療を困難にしている。多数の研究により、肺静脈隔離(PVI)の成功率は持続性PAFを有する患者においてより低くなることが証明されている。心房細動(AF)は、ヒトにおける最も一般的な持続性不整脈である。AFは一般人口の0.4%から1%程度に影響を及ぼし、若年成人での<1%から、80歳超の患者での8%と、年齢と共に有病率が増大する。高周波(RF)カテーテルアブレーションは、多くの種類の心室性不整脈を治療するために優れた結果をもたらしてきた。発作性AFの処置におけるその有用性は既に確立されており、研究により、不整脈の高い消失率が示されている。成功した結果に対する接触力の影響を評価する非無作為化臨床治験において、THERMOCOOL SMARTTOUCH(登録商標)SFカテーテルによるRFアブレーションは、1年の患者の72.5%における症候性の心房性不整脈の排除と関連付けられた。
【0007】
2017 EHRA/ECAS/APHRS/SOLAECE Consensus Statementでは、左心房からの肺静脈(PV)の電気的隔離が「大多数のAFアブレーション処置のための基礎」となることが言明されている。貫壁性があり連続的でかつ耐久性のあるRF損傷部の形成が、PV隔離術(PVI)の目的である。灌注カテーテルを用いたRFアブレーションの従来のパラメータは、10~20グラムの接触力範囲で比較的長い持続時間(20~40秒)にわたって中程度の電力(20~40W)を送達することに関連するものである。依然として、急性PV再接続の発生は高頻度であり、周波数15~22%でPVI後に発生する。PV再接続の根底にある機構は完全には理解されていないが、カテーテルの不安定性、組織浮腫、及び可逆的な非貫壁性の損傷が主要な原因として示唆されている。
【0008】
RF損傷部形成は、2つの温熱性加熱フェーズ、すなわち、抵抗性加熱及び伝熱性加熱から得られる。抵抗性加熱は、先端部から約2mmのホットスポットを直ちに生成するRF電力に大いに依存する。この抵抗性加熱段階は、伝熱段階の間により深い組織層に受動的に延在する熱源を作り出す。伝導性加熱は時間依存性であり、熱はホットスポットから心筋のより深い層へと伝達される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
抵抗性加熱段階を増加させてPVの周囲のLA組織の全厚に即時に熱を送達することによる、抵抗性加熱段階と伝熱性加熱段階との間の関係の修正は、均一な経壁性損傷部を実現することになり得る。伝熱性加熱段階を低減することにより、付随的な組織損傷が限定され得る。これは、短い持続時間にわたって大きな電流を送達することによって達成され得る。したがって、当該技術分野のこれらの問題及び他の問題を解決するアブレーションカテーテルが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
いくつかの実施例では、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムが開示される。本システムは、細長い本体と;内側チャンバと近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと;近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、当該遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含み得る。このシステムは、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して急性処置上のPVIの成功を達成するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施例では、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムが開示される。本システムは、細長い本体と;内側チャンバと近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと;近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、当該遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含み得る。本システムは、アブレーションカテーテルシステムによって、PAF及びRFアブレーションの間に静脈内ラインを介して送達される全流体を臨床的に改善することを達成するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施例では、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムが開示される。本システムは、細長い本体と;内側チャンバと近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと;近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、当該遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含み得る。本システムは、安全性及び有効性を臨床的に改善することを達成し、結果として、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較してRFアブレーション時間を少なくとも約80%下回るように構成されている。
【0013】
いくつかの実施例では、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムが開示される。本システムは、細長い本体と;内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリであって、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと;近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と;RFアブレーションの間にRFエネルギーを送達しないとき、細長い本体によって、また細長い本体を通じて、約2ミリリットル/分の治療溶液の連続注入を送達するように構成された灌注ポンプと、を含み得る。本システムは、カテーテルシステムと標的部位との間の約5~30gの範囲で作用する接触力によってPAFの安全性及び有効性を臨床的に改善することを達成するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施例では、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムが開示される。本システムは、細長い本体と;内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリであって、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと;近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と;RFアブレーションの間にRFエネルギーを送達しないとき、細長い本体によって、また細長い本体を通じて、約2ミリリットル/分の治療溶液の連続注入を送達するように構成された灌注ポンプと、を含み得る。本システムは、大幅に短い総処置時間、アブレーション時間、X線透視時間、及び高周波印加時間によって、PAFの安全性及び有効性を臨床的に改善することを達成するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施例では、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムが開示される。本システムは、細長い本体と;内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリであって、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと;近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と;RFアブレーションの間にRFエネルギーを送達しないとき、細長い本体によって、また細長い本体を通じて、約2ミリリットル/分の治療溶液の連続注入を送達するように構成された灌注ポンプと、を含み得る。本システムは、所定の灌注流体速度及び90Wを含む電力設定でアブレーションカテーテルシステムを使用した左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起のゼロ発生率を達成するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施例では、本システムは、複雑な心不整脈の治療を臨床的に改善するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施例では、所定の患者集団の大きさは、少なくとも約50人の患者である。
【0018】
いくつかの実施例では、本システムは、カテーテルシステムを通じて治療部位に治療溶液を送達するための灌注ポンプを含む。
【0019】
いくつかの実施例では、本システムは、使用中にカテーテルシステムによって治療部位に印加される接触力を検出するための力感覚システムを含む。
【0020】
いくつかの実施例では、本システムは、灌注流を用い、8ミリリットル/分の流量を維持するアブレーション処置における使用のためにのみ構成される。
【0021】
いくつかの実施例では、臨床的安全性が、アブレーション処置から7日以内に生じる任意の一次有害事象(PAE)を有する被験者の割合によって規定される。
【0022】
いくつかの実施例では、臨床有効性エンドポイントが、アブレーション処置後の12か月目で少なくとも約9か月にわたって、記録された心房不整脈(心房細動(AF))エピソードのない被験者の割合によって規定される。
【0023】
いくつかの実施例では、臨床有効性エンドポイントが、アブレーション処置後の12か月目で少なくとも約9か月にわたって、記録された心房頻脈(AT)エピソードのない被験者の割合によって規定される。
【0024】
いくつかの実施例では、臨床有効性エンドポイントが、アブレーション処置後の12か月目で少なくとも約9か月にわたって、記録された心房粗動(AFL)エピソードのない被験者の割合によって規定される。
【0025】
いくつかの実施例では、臨床的安全性が、アブレーション処置から約7日以内の一次有害事象を有する被験者の割合によって規定される。
【0026】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、所定の患者集団に対して、カテーテルシステムのアブレーションの間及びその後、処置後の最大3か月間、重大な有害事象の発生率を低減するように構成されている。
【0027】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、処置の終了時にPVの電気的隔離を有する被験者の割合によって規定される急性処置の成功率を臨床的に改善するように構成されている。
【0028】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、アブレーションモードのみを用いて、PVの電気的隔離を有する被験者の割合によって規定される急性処置の成功率を臨床的に改善するように構成されている。
【0029】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、8ミリリットル/分の流速で約90Wである。
【0030】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、8ミリリットル/分の流速で少なくとも約50Wを超える。
【0031】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、RF発生器を用いて少なくとも約4秒の持続時間にわたって約90Wである。
【0032】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、全ての電力設定におけるPVの電気的隔離を有する被検者の割合に、第1のパス隔離後のPVの電気的隔離を有する被検者の割合を組み合わせたものによって規定される有効性を臨床的に改善するように構成されている。
【0033】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、全ての電力設定におけるPVの電気的隔離を有する被検者の割合に、待機期間後のPVの電気的隔離を有する被検者の割合を組み合わせたものによって規定される有効性を臨床的に改善するように構成されている。
【0034】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、全ての電力設定におけるPVの電気的隔離を有する被検者の割合に、アデノシン負荷後のPVの電気的隔離を有する被検者の割合を組み合わせたものによって規定される有効性を臨床的に改善するように構成されている。
【0035】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、被験者の割合並びに全ての標的静脈及びタッチアップ位置の中で急性再接続のアブレーションを除くためにタッチアップを有するPVの割合によって規定される有効性を臨床的に改善するように構成されている。
【0036】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、第1の包囲後の急性PV再接続の解剖学的位置を有する被験者の割合によって規定される有効性を臨床的に改善するように構成されている。
【0037】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、カテーテルシステムと共に使用されるアブレーション処置の間及びそれに続く予期せぬ有害装置効果の発生率を臨床的に改善するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、カテーテルシステムによって実施されたアブレーション処置から7日以内における重大な有害事象の発生率及び出血性合併症の発生率を臨床的に改善するように構成されている。
【0039】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、カテーテルシステムによって実施されたアブレーション処置から7日~30日後における重大な有害事象の発生率及び出血性合併症の発生率を臨床的に改善するように構成されている。
【0040】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、カテーテルシステムによって実施されたアブレーション処置から少なくとも30日後における重大な有害事象の発生率及び出血性合併症の発生率を臨床的に改善するように構成されている。
【0041】
いくつかの実施例では、出血性合併症の発生率は、主要出血として規定される。
【0042】
いくつかの実施例では、出血性合併症の発生率は、臨床的に関連する非主要出血として規定される。
【0043】
いくつかの実施例では、出血性合併症の発生率は、軽度の出血として規定される。
【0044】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、所定の患者集団に対して、カテーテルシステムのRFアブレーションに関連する凝固速度を臨床的に改善するように構成されている。
【0045】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、所定の患者集団に対して、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルと比較したスチームポップ率を臨床的に改善するように構成されている。
【0046】
いくつかの実施例では、従来の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルは、流速8ミリリットル/分の流量において約50W以下でRFアブレーションを実施するように構成されており、本カテーテルシステムは、8ミリリットル/分の流速において約90WでRFアブレーションを実施するように構成されている。
【0047】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、所定の患者集団に対して、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルと比較して、最大深さ、最大径及び表面直径を含む損傷部寸法を臨床的に改善するように構成されている。
【0048】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、所定の患者集団に対して、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルと比較してアブレーション中に使用される平均電力を臨床的に改善するように構成されている。
【0049】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、所定の患者集団に対して、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルと比較してアブレーション中に使用される最高電極温度を臨床的に改善するように構成されている。
【0050】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、所定の患者集団に対して、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルと比較してアブレーション中のインピーダンス低下を臨床的に改善するように構成されている。
【0051】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、標的部位におけるRFエネルギー送達を臨床的に改善するように構成されている。
【0052】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、肺静脈の急性隔離を臨床的に改善するように構成されている。
【0053】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、アイドル状態の間及びRFアブレーションの間、リング電極及び微小電極からのペースを臨床的に改善するように構成されている。
【0054】
いくつかの実施例では、カテーテルシステムは、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルと比較してアブレーション中の温度フィードバックを臨床的に改善するように構成されている。
【0055】
いくつかの実施例では、チャンバは流体を受容するように適合され、またチャンバは、チャンバの内側からチャンバの外側へと流体を流動させるように構成された複数の灌注開口部を有する。
【0056】
いくつかの実施例では、微小要素の遠位端は、シェルの壁の外側に露出した部分を含む。
【0057】
いくつかの実施例では、微小要素はその遠位端部に微小電極要素を有し、少なくとも1本のワイヤが微小電極要素に取り付けられる。
【0058】
いくつかの実施例では、微小要素は温度感知のために構成されている。
【0059】
いくつかの実施例では、本システムは、それぞれが遠位端部を有する複数の微小要素を含み、微小要素の遠位端部は、電極の長手方向軸を中心として、電極の遠位部分に放射状のパターンをなして配置されている。
【0060】
いくつかの実施例では、当該複数は約2~6の範囲にある。
【0061】
いくつかの実施例では、当該複数は6である。
【0062】
いくつかの実施例では、本システムは、インピーダンス感知用に構成された第1の複数の第1の微小要素と、温度感知用に構成された第2の複数の第2の微小要素と、を含む。
【0063】
いくつかの実施例では、第1の微小要素の遠位端部は、電極の長手方向軸を中心として、シェルの遠位部分の外周に沿った放射状のパターンをなして配列されている。
【0064】
いくつかの実施例では、第2の微小要素の遠位端部もまた、第1の微小要素との間に間隔をおいて、外周に沿った放射状のパターンをなして配列されている。
【0065】
いくつかの実施例では、第2の微小要素の遠位端部は、電極の長手方向軸を中心として、シェルの遠位部分の異なる外周に沿った放射状のパターンをなして配列されている。
【0066】
いくつかの実施例では、露出した部分は、電極の長手方向軸に対して遠位方向の成分と径方向の成分とを有するある角度で延びる。
【0067】
いくつかの実施例では、露出した部分は、組織を断裂することなく組織に微小陥凹部を形成するように適合された非外傷性の形態を有する。
【0068】
いくつかの実施例では、本システムは、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすることと、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施することと、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中にアブレーションカテーテルシステムによって静脈内ラインを介して送達される全流体を臨床的に改善することと、を含む方法を実現するように構成されている。
【0069】
いくつかの実施例では、本システムは、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、アブレーションカテーテルシステムによって、完全な肺静脈隔離を達成することと、を含む方法を実現するように構成されている。
【0070】
いくつかの実施例では、本システムは、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することと、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢することと、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成することと、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中にその生成されたエネルギーを伝達することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、アブレーションカテーテルシステムによって、安全性及び有効性を臨床的に改善することであって、結果として、RFアブレーション時間が、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回る、改善することと、を含む方法を実現するように構成されている。
【0071】
いくつかの実施例では、本システムは、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすることと、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施することと、アブレーションカテーテルシステムにより、アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約5~30グラムの範囲で作用する接触力によってPAFの安全性及び有効性を臨床的に改善することと、を含む方法を実現するように構成されている。
【0072】
いくつかの実施例では、本システムは、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、大幅に短い総処置時間、アブレーション時間、X線透視時間、及び高周波印加時間によって、PAFの臨床的に改善された安全性及び有効性を達成することと、を含む方法を実現するように構成されている。
【0073】
いくつかの実施例では、本システムは、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することと、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢することと、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成することと、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中にその生成されたエネルギーを伝達することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び90Wを含む電力設定でアブレーションカテーテルシステムを使用した左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起のゼロ発生率を達成することと、を含む方法を実現するように構成されている。
【0074】
いくつかの実施例では、臨床的に改善された心臓アブレーションを実施するための方法が開示され、本方法は、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすることと、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施することと、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中にアブレーションカテーテルシステムによって静脈内ラインを介して送達される全流体を臨床的に改善することと、を含む。
【0075】
いくつかの実施例では、肺静脈隔離処置の間に心臓組織に対してRFアブレーションを実施するための方法が開示され、本方法は、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、アブレーションカテーテルシステムによって、完全な肺静脈隔離を達成することと、を含む。
【0076】
いくつかの実施例では、肺静脈隔離処置の間に心臓組織に対してRFアブレーションを実施するための方法が開示され、本方法は、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することと、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢することと、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成することと、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中にその生成されたエネルギーを伝達することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、アブレーションカテーテルシステムによって、安全性及び有効性を臨床的に改善することであって、結果として、RFアブレーション時間が、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回る、改善することと、を含む。
【0077】
いくつかの実施例では、臨床的に改善された心臓アブレーションを実施するための方法が開示され、本方法は、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすることと、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施することと、アブレーションカテーテルシステムにより、アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約5~30グラムの範囲で作用する接触力によってPAFの安全性及び有効性を臨床的に改善することと、を含む。
【0078】
いくつかの実施例では、肺静脈隔離処置の間に心臓組織に対してRFアブレーションを実施するための方法が開示され、本方法は、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、大幅に短い総処置時間、アブレーション時間、X線透視時間、及び高周波印加時間によって、PAFの臨床的に改善された安全性及び有効性を達成することと、を含む。
【0079】
いくつかの実施例では、肺静脈隔離処置の間に心臓組織に対してRFアブレーションを実施するための方法が開示され、本方法は、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することと、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢することと、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成することと、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中にその生成されたエネルギーを伝達することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び90Wを含む電力設定でアブレーションカテーテルシステムを使用した左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起のゼロ発生率を達成することと、を含む。
【0080】
いくつかの実施例では、50℃の標的温度及び4秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約7.5グラムの平均力を印加することを更に含む。
【0081】
いくつかの実施例では、55℃の標的温度及び4秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約9.1グラムの平均力を印加することを更に含む。
【0082】
いくつかの実施例では、60℃の標的温度及び4秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約17.7グラムの平均力を印加することを更に含む。
【0083】
いくつかの実施例では、60℃の標的温度及び2秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約13.6グラムの平均力を印加することを更に含む。
【0084】
いくつかの実施例では、罹患した心臓が本方法の治療部位である。
【0085】
いくつかの実施例では、本方法は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、4つの心室全てにおいて、有効な電位図信号減衰を臨床的に改善すること、及び損傷部を臨床的に等価に若しくはより良好にすることを含む。
【0086】
いくつかの実施例では、本方法は、心臓アブレーション中にアブレーションカテーテルシステムによって治療部位に送達される全流体を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約76.5%だけ臨床的に低減することを含む。
【0087】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中に治療部位に約382mL以下の治療流体を送達することを含む。
【0088】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション処置時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約50%だけ臨床的に低減することを含む。
【0089】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション処置時間を約105.2分以下に臨床的にすることを含む。
【0090】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約62%だけ臨床的に低減することを含む。
【0091】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション時間を約46分以下に臨床的にすることを含む。
【0092】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムの総X線透視時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約80%だけ臨床的に低減することを含む。
【0093】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムによって総X線透視時間を約6.6分以下又はそれ未満に臨床的にすることを含む。
【0094】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムの総RF印加持続時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約83%だけ臨床的に低減することを含む。
【0095】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムによって総RF印加持続時間を約8.1分以下又はそれ未満に臨床的に低減することを含む。
【0096】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの総処置時間及びX線透視時間は、それぞれ約105分及び6.6分を含む。
【0097】
いくつかの実施例では、本方法は、食道温度監視装置を配置することと、該温度監視装置を使用して食道温度を監視することと、を含む。
【0098】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムを左心房に挿入する350秒以上前にACTを確認し、処置全体にわたって維持することを含む。
【0099】
いくつかの実施例では、本方法は、LAにおけるアブレーション処置の前に左心房の解剖学的マップを生成することを含む。
【0100】
いくつかの実施例では、本方法は、RF印加前に最小2秒のアブレーション前流量遅延を使用することを含む。
【0101】
いくつかの実施例では、本方法は、最大4秒間にわたる最大90WのRF電力印加を介したRFアブレーションを含む。
【0102】
いくつかの実施例では、本方法は、治療部位の第1の位置から治療部位の第2の位置までアブレーションカテーテルシステムを移動させることを含む。
【0103】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムを移動させる工程は、臨床的に有効なアブレーションが達成された場合に、アブレーションカテーテルシステムを約4ミリメートル移動させることを含む。
【0104】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムを移動させる工程は、臨床的に有効なアブレーションが電位図の低減及び/又はインピーダンスの低下によって判断して20秒以内に達成された場合に、アブレーションカテーテルシステムを概ね移動させることを含む。
【0105】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムを用いて、左心房のアブレーション及びリアルタイムのPV隔離を実施することを含む。
【0106】
いくつかの実施例では、本方法は、診断カテーテルによって、全ての標的PVにおける進入ブロックを確認することを含む。
【0107】
いくつかの実施例では、本方法は、X線透視法を用いて治療部位及びアブレーションカテーテルシステムを可視化することを含む。
【0108】
いくつかの実施例では、本方法は、食道温度プローブを使用することによって食道損傷のリスクを最小化することであって、温度上昇は食道内で検知され、次いで治療部位の組織が所定の温度に冷却される、最小化することと、X線透視下で食道を可視化することと、を含む。
【0109】
いくつかの実施例では、アブレーションの持続時間は、治療部位における後壁上で30秒を超えなかった。
【0110】
いくつかの実施例では、本方法は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、隔離の確認及び外周アブレーションの達成前の、PVに対する最初のRF印加と最後のRF印加との間におけるアブレーションカテーテルシステムのPVIアブレーション時間を臨床的に低減することを含む。
【0111】
いくつかの実施例では、本方法は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、最初のRF印加と全てのPVIが完了する前の最後のRF印加との間におけるアブレーションカテーテルシステムの被験者PVIアブレーション時間を臨床的に低減することを含む。
【0112】
いくつかの実施例では、本方法は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、最初のRF印加と全てのPVIが完了する前の最後のRF印加との間におけるアブレーションカテーテルシステムの総アブレーション時間を臨床的に低減することを含む。
【0113】
いくつかの実施例では、総アブレーション時間は、第1の大腿骨穿刺から最後のカテーテルの除去までの総処置時間によって決定される。
【0114】
いくつかの実施例では、本方法は、温度、インピーダンス、電力、接触力、及びRF持続時間を含めて、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、アブレーション処置中のアブレーションカテーテルシステムのアブレーションパラメータを臨床的に改善することを含む。
【0115】
いくつかの実施例では、本方法は、心房マッピング時間を臨床的に改善することを含む。
【0116】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルのLA挿入からLAからのアブレーションカテーテル除去までのLAカテーテル滞留時間を臨床的に改善することを含む。
【0117】
いくつかの実施例では、本方法は、アブレーションカテーテルシステムを介して心臓組織を灌注することを含む。
【0118】
いくつかの実施例では、本方法は、持続的な心房細動を消失又は緩解させる際にアブレーションカテーテルシステムを使用することによって、心室及び僧帽弁における急性又は最小の心内膜下出血を最小化することを含む。
【0119】
いくつかの実施例では、本方法は、所定の患者集団の患者に対するアブレーションカテーテルシステムの安全性及び/又は有効性が臨床的に改善されたことを実証することを含み、所定の患者集団は、3つの異なる不整脈のサブグループ、すなわち、心室性頻拍と、複合性の心房性頻拍又は再発性の発作性心房細動と、持続性の心房細動とに分割される。
【0120】
いくつかの実施例では、本方法は、左心房、右心房、左心室、及び右心室のうちの少なくとも1つに対するアブレーションカテーテルシステムの安全性及び有効性を臨床的に改善することを含む。
【0121】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの使用が開示され、当該使用は、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすることと、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施することと、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中にアブレーションカテーテルシステムによって静脈内ラインを介して送達される全流体を臨床的に改善することと、を含む。
【0122】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの使用が開示され、当該使用は、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、アブレーションカテーテルシステムによって、完全な肺静脈隔離を達成することと、を含む。
【0123】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの使用が開示され、当該使用は、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することと、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢することと、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成することと、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中にその生成されたエネルギーを伝達することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、アブレーションカテーテルシステムによって、安全性及び有効性を臨床的に改善することであって、結果として、RFアブレーション時間が、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回る、改善することと、を含む。
【0124】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの使用が開示され、当該使用は、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすることと、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施することと、アブレーションカテーテルシステムにより、アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約5~30グラムの範囲で作用する接触力によってPAFの安全性及び有効性を臨床的に改善することと、を含む。
【0125】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの使用が開示され、当該使用は、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、大幅に短い総処置時間、アブレーション時間、X線透視時間、及び高周波印加時間によって、PAFの臨床的に改善された安全性及び有効性を達成することと、を含む。
【0126】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの使用が開示され、当該使用は、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入することと、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢することと、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成することと、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中にその生成されたエネルギーを伝達することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすることと、アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び90Wを含む電力設定でアブレーションカテーテルシステムを使用した左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起のゼロ発生率を達成することと、を含む。
【0127】
いくつかの実施例では、50℃の標的温度及び4秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約7.5グラムの平均力を印加することを含む。
【0128】
いくつかの実施例では、55℃の標的温度及び4秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約9.1グラムの平均力を印加することを更に含む。
【0129】
いくつかの実施例では、60℃の標的温度及び4秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約17.7グラムの平均力を印加することを更に含む。
【0130】
いくつかの実施例では、60℃の標的温度及び2秒のアブレーション持続時間の場合、達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約13.6グラムの平均力を印加することを更に含む。
【0131】
いくつかの実施例では、罹患した心臓が本方法の治療部位である。
【0132】
いくつかの実施例では、本使用は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、4つの心室全てにおいて、有効な電位図信号減衰を臨床的に改善すること、及び損傷部を臨床的に等価に若しくはより良好にすることを含む。
【0133】
いくつかの実施例では、本使用は、心臓アブレーション中にアブレーションカテーテルシステムによって治療部位に送達される全流体を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約76.5%だけ臨床的に低減することを含む。
【0134】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中に治療部位に約382mL以下の治療流体を送達することを含む。
【0135】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション処置時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約50%だけ臨床的に低減することを含む。
【0136】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション処置時間を約105.2分以下に臨床的にすることを含む。
【0137】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約62%だけ臨床的に低減することを含む。
【0138】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムによって総アブレーション時間を約46分以下又はそれ未満に臨床的にすることを含む。
【0139】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムの総X線透視時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約80%だけ臨床的に低減することを含む。
【0140】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムによって総X線透視時間を約6.6分以下又はそれ未満に臨床的にすることを含む。
【0141】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムの総RF印加持続時間を、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムから約83%だけ臨床的に低減することを含む。
【0142】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムによって総RF印加持続時間を約8.1分以下又はそれ未満に臨床的に低減することを含む。
【0143】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムの総処置時間及びX線透視時間は、それぞれ約105分及び6.6分を含んでいた。
【0144】
いくつかの実施例では、本使用は、食道温度監視装置を配置することと、当該温度監視装置を使用して食道温度を監視することと、を含む。
【0145】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムを左心房に挿入する350秒以上前にACTを確認し、処置全体にわたって維持することを含む。
【0146】
いくつかの実施例では、本使用は、LAにおけるアブレーション処置の前に左心房の解剖学的マップを生成することを含む。
【0147】
いくつかの実施例では、本使用は、RF印加前に最小2秒のアブレーション前流量遅延を使用することを含む。
【0148】
いくつかの実施例では、本使用は、最大4秒間にわたる最大90WのRF電力印加を介したRFアブレーションを含む。
【0149】
いくつかの実施例では、本使用は、治療部位の第1の位置から治療部位の第2の位置までアブレーションカテーテルシステムを移動させることを含む。
【0150】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムを移動させる工程は、臨床的に有効なアブレーションが達成された場合に、アブレーションカテーテルシステムを約4ミリメートル移動させることを含む。
【0151】
いくつかの実施例では、アブレーションカテーテルシステムを移動させる工程は、臨床的に有効なアブレーションが電位図の低減及び/又はインピーダンスの低下によって判断して20秒以内に達成された場合に、アブレーションカテーテルシステムを概ね移動させることを含む。
【0152】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムを用いて、左心房のアブレーション及びリアルタイムのPV隔離を実施することを含む。
【0153】
いくつかの実施例では、本使用は、診断カテーテルによって、全ての標的PVにおける進入ブロックを確認することを含む。
【0154】
いくつかの実施例では、本使用は、X線透視法を用いて治療部位及びアブレーションカテーテルシステムを可視化することを含む。
【0155】
いくつかの実施例では、本使用は、食道温度プローブを使用することによって食道損傷のリスクを最小化することであって、温度上昇は食道内で検知され、次いで治療部位の組織が所定の温度に冷却される、最小化することと、X線透視下で食道を可視化することと、を含む。
【0156】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションの持続時間が治療部位における後壁上で30秒を超えなかったことを含む。
【0157】
いくつかの実施例では、本使用は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、隔離の確認及び外周アブレーションの達成前の、PVに対する最初のRF印加と最後のRF印加との間におけるアブレーションカテーテルシステムのPVIアブレーション時間を臨床的に低減することを含む。
【0158】
いくつかの実施例では、本使用は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、最初のRF印加と全てのPVIが完了する前の最後のRF印加との間におけるアブレーションカテーテルシステムの被験者PVIアブレーション時間を臨床的に低減することを含む。
【0159】
いくつかの実施例では、本使用は、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、最初のRF印加と全てのPVIが完了する前の最後のRF印加との間におけるアブレーションカテーテルシステムの総アブレーション時間を臨床的に低減することを含む。
【0160】
いくつかの実施例では、本使用は、総アブレーション時間が第1の大腿骨穿刺から最後のカテーテルの除去までの総処置時間によって決定されることを含む。
【0161】
いくつかの実施例では、本使用は、温度、インピーダンス、電力、接触力、及びRF持続時間を含めて、以前の臨床的に承認されたアブレーションカテーテルシステムと比較して、アブレーション処置中のアブレーションカテーテルシステムのアブレーションパラメータを臨床的に改善することを含む。
【0162】
いくつかの実施例では、本使用は、心房マッピング時間を臨床的に改善することを含む。
【0163】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルのLA挿入からLAからのアブレーションカテーテル除去までのLAカテーテル滞留時間を臨床的に改善することを含む。
【0164】
いくつかの実施例では、本使用は、アブレーションカテーテルシステムを介して心臓組織を灌注することを含む。
【0165】
いくつかの実施例では、本使用は、持続的な心房細動を消失又は緩解させる際にアブレーションカテーテルシステムを使用することによって、心室及び僧帽弁における急性又は最小の心内膜下出血を最小化することを含む。
【0166】
いくつかの実施例では、本使用は、所定の患者集団の患者に対するアブレーションカテーテルシステムの安全性及び/又は有効性が臨床的に改善されたことを実証することを含み、所定の患者集団は、3つの異なる不整脈のサブグループ、すなわち、心室性頻拍と、複合性の心房性頻拍又は再発性の発作性心房細動と、持続性の心房細動とに分割される。
【0167】
いくつかの実施例では、本使用は、左心房、右心房、左心室、及び右心室のうちの少なくとも1つに対するアブレーションカテーテルシステムの安全性及び有効性を臨床的に改善することを含む。
【0168】
いくつかの実施例では、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのシステムが開示される。本システムは、細長い本体と、細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含む。本システムは、印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含んだアブレーションモードを備えて構成されている。
【0169】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている。
【0170】
いくつかの実施例では、本システムは、細長い本体によって、また細長い本体を通じて治療溶液の注入を送達するように構成された灌注ポンプを含む。本灌注ポンプは、RFエネルギーがRFアブレーション中に送達されていないときに、約2ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている。本灌注ポンプは、RFエネルギーがRFアブレーション中に送達されていないときに、約8ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている。
【0171】
いくつかの実施例では、使用中にカテーテルシステムによって治療部位に加えられる接触力を検出するための力感覚システムが含められ、システムと標的部位との間の接触力は約5~30グラムの範囲に及ぶ。
【0172】
いくつかの実施例では、本システムは、アブレーションモードを使用して、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方において、スチームポップ生起のゼロの発生率を達成するように構成されている。
【0173】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で少なくとも約13%、最高組織温度を上昇させるように構成されている。
【0174】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、アブレーションモードは、アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約10~30gの範囲に及ぶ接触力を更に含む。
【0175】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、炭化物、凝塊、スチームポップの形成を回避する。
【0176】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け(kissing)」アブレーションアプローチを含む。
【0177】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは温度制御及び灌注リンクを含む。
【0178】
いくつかの実施例では、電極アセンブリは、1つ以上のリング電極と微小電極とを備え、カテーテルシステムは、アイドル状態の間及び高周波アブレーションの間、1つ以上のリング電極及び微小電極からのペースを臨床的に改善するように構成されている。
【0179】
いくつかの実施例では、本システムは、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回るRFアブレーション時間を達成するように構成されている。
【0180】
いくつかの実施例では、微小要素の遠位端部は、シェルの壁の外側の露出部分を含み、微小要素は温度感知用に構成されている。
【0181】
いくつかの実施例では、微小要素は、インピーダンス感知用に構成された第1の複数の第1の微小要素と、温度感知用に構成された第2の複数の第2の微小要素と、を更に含む。第1の微小要素の遠位端部は、電極アセンブリの長手方向軸を中心として、シェルの遠位部分の外周に沿った放射状のパターンをなして配列されてもよい。
【0182】
いくつかの実施例では、細長い本体と、細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成され、壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通って延在する微小要素と、を含むシステムが開示される。本システムは、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方けるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成するために、約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含むアブレーションモードを備えて構成されている。
【0183】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを伴って構成されている。
【0184】
いくつかの実施例では、アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている。
【0185】
いくつかの実施例では、治療部位にアブレーションカテーテルシステムを選択的に配置することと、印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を用いたアブレーションカテーテルシステムで、治療部位において組織をアブレーションすることと、を含む方法又は使用が開示される
【0186】
いくつかの実施例では、本方法又は使用は、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中に、約76℃の最高組織温度を治療部位に対して達成することを含む。
【0187】
いくつかの実施例では、組織をアブレーションする工程は、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で少なくとも約13%、最高組織温度を上昇させることを含む。
【0188】
いくつかの実施例では、組織をアブレーションする工程は、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む。
【0189】
いくつかの実施例では、組織をアブレーションする工程は、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で更に約40%深い損傷部深さを達成することを含み、この方法又は使用は、治療部位に、アブレーションカテーテルシステムの遠位端部によって、約5~30グラムの範囲に及ぶ接触力を印加することを更に含む。
【0190】
いくつかの実施例では、本アブレーションカテーテルシステムは、細長い本体と、内側チャンバと壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリと、近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含む。
【0191】
いくつかの実施例では、所定の患者集団の大きさは、少なくとも約50人の患者である。
【0192】
いくつかの実施例では、本方法又は使用は、RFアブレーションの間にRFエネルギーを送達しないとき、細長い本体によって、また細長い本体を通じて、約8ミリリットル/分の治療溶液の連続注入を送達することを含む。
【0193】
いくつかの実施例では、本方法又は使用は、臨床的に有効なアブレーションが電位図の低減及び/又はインピーダンスの低下によって判断して20秒以内に達成された場合に、アブレーションカテーテルシステムを約4ミリメートル、移動させることを含む。
【0194】
いくつかの実施例では、心臓組織を含んだ治療部位にアブレーションカテーテルシステムを送達することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、他方に近接する少なくとも1つのセンサーと、を含む、送達することと、アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び約90Wを含む電力設定で心臓組織をアブレーションすることと、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、アブレーションカテーテルシステムによって、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成することと、を含む方法又は使用が開示される。
【0195】
いくつかの実施例では、本アブレーションカテーテルシステムは、細長い本体と、内側チャンバと壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリと、近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含む。
【0196】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約7.5グラムの平均力を印加することと、約50℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む。
【0197】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約9グラムの平均力を印加することと、約55℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む。
【0198】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約17.7グラムの平均力を印加することと、約1360℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む。
【0199】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約13.6グラムの平均力を印加することと、約1360℃の標的温度及び約2秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む。
【0200】
いくつかの実施例では、本方法又は使用は、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中に治療部位に約380mL以下の所定の灌注流体速度の治療流体を送達することを含む。
【0201】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約105分以下の総アブレーション処置時間を含む。
【0202】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約46分以下の総アブレーション処置時間を含む。
【0203】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約6.5分以下又はそれ未満の総X線透視時間を含む。
【0204】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約8分以下の総RF印加持続時間を含む。
【0205】
いくつかの実施例では、完全な肺静脈隔離を達成する工程は、治療部位の後壁上における30秒の総RF印加持続時間を含む。
【0206】
いくつかの実施例では、心臓組織をアブレーションする工程は、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む。
【0207】
上記の目的及び関連する目的の実現のために、特定の例示的な態様について、以下の説明及び添付の図面に関連して本明細書に説明する。しかし、これらの態様は、特許請求の範囲の主題の原理を用いることができる様々な方法のいくつかだけを示しており、特許請求の範囲の主題は、全てのそのような態様及びその均等物を包含することを意図したものである。他の利点及び新規な特徴は、図面に関連して考慮した時、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0208】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明のデバイスの1つ以上の実装形態を描写している。
図1】本開示の実施形態による、カテーテルに基づいた医療システムの概略的な全体図である。
図2】PVIを実施するために使用される本開示のカテーテルの全体図である。
図3A】本発明の実施形態による、図1のシステムと共に使用するためのカテーテルの側面図である。
図3B】本発明の実施形態による、図1のシステムで使用するためのカテーテルの斜視図である。
図4A】本発明の実施形態による、流体方向付けアセンブリを示すアブレーションカテーテルの遠位セグメントの破断断面図である。
図4B図4Aのアブレーションカテーテルの遠位セグメントの概略的な断面図である。
図5A】本開示の試験のための35Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフである。
図5B】本開示の試験のための50Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフである。
図6A】本開示の試験のための90Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフである。
図6B】本開示の試験のための90Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフである。
図7】例示的なアブレーション損傷部の生物物理的パラメータを示すグラフである。
図8】PAFのための従来の装置に関する推定された平均安全複合エンドポイントの結果のメタ分析を要約したものである。
図9A】本開示のカテーテルに関連する例示的な温度分布表示である。
図9B】本開示のカテーテルの各熱電対読み取り値に関連する、例示的な「ブルズアイ」表示である。
図10】本開示の試験のカテーテルによって測定された最高温度を示す温度分布である。
図11】本開示の試験の概要である。
図12】本開示の試験において使用される機器を要約する表である。
図13】本開示の試験のための抗不整脈薬(AAD)及び主要有効性分類に対する影響を要約する表である。
図14】RF印加中のアブレーションモード及び流量設定を要約する表である。
図15】本開示の試験における被験者の治療及び評価のための必要なスケジュールを要約する表である。
図16】本開示の試験において決定された主要な有害事象を要約する表である。
図17】本開示の試験において決定された主要な有害事象を要約する表である。
図18】本開示の試験において決定された主要な有害事象を要約する表である。
図19】本開示の試験において決定された主要な有害事象を要約する表である。
図20】本開示の試験による強度又は重篤度を要約する表である。
図21】本開示の試験において評価されたAE結果を要約する表である。
図22】本開示の試験における患者の特性及び病歴を要約するグラフである。
図23】本開示の試験における急性肺静脈再接続を要約するグラフである。
図24】本開示の試験の安全集団における主要な有害事象を要約するグラフである。
図25】本開示の試験における処置パラメータを要約するグラフである。
図26】本開示の試験における処置結果を要約するグラフである。
図27A】本開示のカテーテルと従来の臨床的に承認された装置との比較のための処置結果を要約する表である。
図27B】本開示のカテーテルと従来の臨床的に承認された装置との比較のための処置結果を要約する表である。
図28】試験の全ての場所に設定することによるアブレーションの結果を要約する表である。
図29】試験の全ての場所に設定することによるアブレーションの結果を要約する表である。
図30A】本開示の第2の試験のための例示的な概略図である。
図30B】本開示の第2の試験のための例示的な概略図である。
図31A】本開示の第2の試験の特定の結果を要約したものである。
図31B】本開示の第2の試験の特定の結果を要約したものである。
図32】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
図33】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
図34】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
図35】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
図36】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
図37】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
図38】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
図39】本開示による1つの方法又は使用の図式的な概要である。
【発明を実施するための形態】
【0209】
開示された技術の代表的な実施形態が本明細書に詳述されるが、他の実施形態が企図されることを理解すべきである。したがって、以下の説明に記載される又は図面に示される構成要素の構造及び配置の詳細に開示した技術の範囲が限定されることを意図するものではない。開示した技術は、他の実施形態が可能であり、種々の方法で実施又は実行されることが可能である。
【0210】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上そうではないと明白に指示していない限り、複数の指示対象も含むことにも留意されたい。「を備える(comprising)」又は「を含有する(containing)」又は「を含む(including)」は、少なくとも言及された化合物、要素、粒子、又は方法工程が、組成物若しくは物品又は方法において存在することを意味するが、他の化合物、材料、粒子、方法工程の存在を、これらの他の化合物、材料、粒子、方法工程が言及されたものと同じ機能を有する場合であっても、除外するものではない。
【0211】
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能にする好適な寸法の許容範囲を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」とは、列挙された値の±10%の値の範囲を指し得るものであり、例えば「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で使用するとき、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを意図していないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を表す。
【0212】
例示的な実施形態について説明する際、話を分かりやすくするために、特別な用語法を利用する。各用語は、当業者によって理解されるその最も広い意味を有することが企図されており、類似の目的を実現するために同様に作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法の1つ以上の工程への言及は、追加の方法工程又は明示的に識別されたそれらの工程間に介在する方法工程の存在を排除しないことも理解されたい。方法の各工程は、開示される技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に述べられる順序とは異なる順序で行うことができる。同様に、デバイス又はシステムにおける1つ以上の構成要素への言及は、追加の構成要素の存在又は明示的に識別されたそれらの構成要素間に介在する構成要素の存在を排除しないことも理解されたい。
【0213】
本明細書で述べる「被験者」又は「患者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であってよい。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、種々のあらゆる該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者でよいことを理解するべきである。
【0214】
本明細書で述べられる場合、「操作者」は、被験者の心房細動の治療のためのRFバルーンカテーテルの送達に関与する、医師、外科医、又は任意の他の個人若しくは送達器具を含み得る。
【0215】
本明細書で心臓組織のアブレーションに使用される装置、関連する送達システム、又は処置の方法に関して述べる用語「安全性」は、有害な出血事象、注入又は過敏反応を含む、有害事象の比較的低い重症度を指す。有害な出血事象が一次安全性エンドポイントであってもよく、例えば、大出血、軽度の出血、及び任意の出血事象の複合エンドポイントの個々の要素を含む。
【0216】
本明細書で述べる場合、特に断りがない限り、用語「臨床的に有効な」(独立して、又は用語「有効」を修正するために使用される)は、臨床試験によって証明されており、臨床試験が、米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国家規制機関の承認基準を満たしていることを意味し得る。例えば、臨床試験は、本開示の心臓アブレーション装置及び関連システムの効果を臨床的に証明するために使用される、適切なサイズのランダム化された二重盲検対照試験であってもよい。最も好ましくは、例えば、患者の臨床的に有効な結果を達成するため、及び/又はこれらの罹患した静脈における肺静脈隔離を達成するために、全ての標的肺静脈に対する装置の効果を臨床的に証明することが最も好ましい。
【0217】
好ましい態様では、本開示の解決策は、手術又は治療によってヒト又は動物の身体を治療するための方法ではなく、またヒト又は動物の身体に対して実施される診断方法でもない。例えば、本解決策が、使用中に少なくとも1つの臨床的属性を臨床的に改善することを含む場合、その臨床的属性は、手術若しくは治療によってヒト若しくは動物の身体を治療するための方法、又はヒト若しくは動物の身体に対して実施される診断方法に関連しない場合がある。
【0218】
本明細書で述べる「コンピュータ断層撮影」又はCTという用語は、異なる角度から得られた多くのX線測定のコンピュータ処理された組み合わせを使用して、走査される物体の特有の区域の断面(断層撮影)画像(仮想「スライス」)を作成し、切断することなく使用者が物体の内側を見ることを可能にする1つ以上の走査を意味する。本開示のそのようなCT走査は、X線CT、並びに陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、PET)及び単光子放出コンピュータ断層撮影(single-photon emission computed tomography、SPECT)などの多くの他のタイプのCTを指すことができる。
【0219】
本開示は、心臓カテーテル法のためのシステム及びカテーテルに関し、そのカテーテルは、それが組織に係合するとき、カテーテルの位置及びカテーテの遠位部に加えられる圧力の両方を表す信号を提供する検知アセンブリを有する。従来の位置検知アセンブリ及び圧力検知アセンブリと比較して、カテーテルの検知アセンブリは有利に、リード線の損傷及び破損のリスクを最小限に抑える簡易化カテーテル構造に対して、リード線の数及び/又はそれらの長さを低減するように、連続的に配線された検知構造を有して構成される。図1は、当該技術分野において既知の心臓カテーテル法のための従来のシステム20の概略描写図である。システム20は、カテーテル28の形態をなす侵襲プローブと、制御コンソール34と、を含み得る。コンソール34の信号プロセッサ36は、典型的には位置座標と配向座標との両方を含めて、遠位部13の位置座標を決定するために、カテーテル28のセンサーからの信号を処理する。本開示の試験のカテーテル28及び対応する特徴は、添付書類1において更に明確に記載された特徴を含むものとして理解されてよく、添付書類1には、米国特許第8,357,152号、同第8,437,832号、同第8,535,308号、同第8,706,193号、同第8,784,413号、同第8,818,485号、同第8,900,228号、同第9,737,353号、同第9,445,725号、同第9,980,652号、同第10,213,856号、同第10,517,667号、同第10,405,920号、同第10,292,763号、同第10,441,354号、同第10,307,206号、同第10,201,385号、並びに、米国特許出願第14/289,802号、同第15/793,433号、同第15/295296及び同第16/272,098号が含まれており、これらはそれぞれ、全ての内容が逐語的に記載されたものとして本明細書に組み込まれる。これに関連して、同様の位置検知の方法が、参照によりその開示内容の全てが本明細書に組み込まれる米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150号、及び同第2004/0068178号に、また優先出願である米国仮特許出願第62/843,213号の添付書類1に記載されている。図2は、PVIを実施するために使用される本開示のカテーテルの全体図を示す。
【0220】
現在利用可能なアブレーションカテーテルでは、標準的な電力設定よりも高い、通常は45W~50Wでのアブレーションに関する公表データがあることに留意することが重要である。しかしながら、これらのほとんどの遡及的研究は、安全性エンドポイントの限定された分析を伴って少数の部位で実施されたものであり、リアルタイムの組織温度のモニタリングは、これらのカテーテルでは不可能であった。他方で、ダイヤモンド含浸先端部を有する別の温度検知灌注カテーテルが、処置時間を大幅に低減するものとして示されている。Iwasawa J、Koruth JS、Petru Jらの「Temperature-controlled radiofrequency ablation for pulmonary vein isolation in patients with atrial fibrillation」、J Am Coll Cardiol 2017;70:542-53を参照されたい。しかしながら、このカテーテルは50Wに限定されており、したがって、4秒の試験アブレーションモード損傷部を送達することはできず、損傷部は平均化されると、このカテーテルでそれぞれ18.8±1.9秒であった。
【0221】
本開示の試験において記載される試験アブレーション(90W、4 s)は、50Wの限界を有する全ての以前の試験とは異なることに留意することが重要である。本開示の試験において参照される試験アブレーションモードは、8ミリリットル/分の流速で90Wと理解され、QMODE+と呼ばれることもある。温度に基づいて電力を調整する新規な試験アブレーションモードの能力は、電極及び組織の過熱の可能性を低下させ、これはひいては、炭化物形成及びスチームポップの回避に役立ち得る。カテーテル28及び対応する試験アブレーションモードによって観察された安全プロファイルは有望であり、PAEの発生率が低く、予期せぬ有害な装置効果もなかった。更に、局所電位のみを強調し、遠方の電位は強調しない能力により、微小電極は瘢痕組織上での高周波送達を回避するのに有用であった。試験アブレーションの安全性は、より大規模な臨床試験において更に評価される。点ごとのカテーテルアブレーションの制限の1つは、個々に損傷部位を形成することに関連するより長い処置時間であり、これにより、PVI用バルーン系カテーテルの採用が促進された。それでもなお、現在のバルーン技術は、大部分がPVアブレーションに限定されている。現在の研究により、現在市販されているCF及び非CFカテーテルで典型的に観察されるよりも処置時間の短い、試験アブレーションによる処置時間の短縮が証明された。
【0222】
図3Aに示されるように、カテーテル28は、細長いカテーテル本体11と、偏向可能な中間部分12と、その遠位先端部30に少なくとも先端電極15を担持する遠位部分13と、制御ハンドル16とを備える。カテーテル28は、心臓の電気生理学的マッピングを容易にするように、またアブレーション目的のためにカテーテル先端電極に高周波(RF)電流を送信するように設計された偏向可能な先端を有する、操縦可能な多電極管腔カテーテルであってもよい。心臓専門医などの操作者26は、カテーテルの遠位部分13が患者の心臓22の内腔に入るように、患者24の血管系を通してカテーテル28を挿入し得る。操作者は、カテーテルの遠位先端30が所望の位置又は複数位置にて心内膜組織70と係合するようにカテーテルを前進させる。カテーテル28は、その近位端の好適なコネクタによって、コンソール34に接続される。コンソールは、RF発生器を備えてもよく、これは、遠位部分13によって係合される位置において、心臓内の組織をアブレーションするためにカテーテルを介して高周波電気エネルギーを供給するものである。アブレーションのために、カテーテル28は、分散パッド(例えば、異なる電極)と併せて使用され得る。この点において、カテーテル28は、8Fのリング電極を用いて7.5Fを測定するシャフトを含み得る。
【0223】
カテーテル28はまた、カテーテル先端部と心臓壁との間の接触力のリアルタイム測定を提供する力感知システムを有し得る。安全でありかつPV周縁付近に均一な非貫通性の損傷部を付与すると証明され得る適切な試験アブレーションモード設定を決定するために、大腿筋調製モデルを含んだ一連の体内及び体外実験、並びに体内拍動心臓実験が、本開示の試験と併せて実施された。その主な目的は、炭化物又はスチームポップ形成なしに、可能な最短の持続時間で最大の電力出力を可能にする最適なアブレーション設定を特定及び評価することであった。一定範囲の電力(例えば、50~100W)及び持続時間(3~15秒)が研究及び解析され、これらの評価からのデータが示唆するところによれば、より高い電力を使用して抵抗性加熱を促進する一方で、隣接する組織を通した伝熱性加熱の影響を限定するために持続時間を短縮することにより、効率、有効性及び安全性の最適なバランスがもたらされる。これらの試験からの結論は、4秒間で90W(8ミリリットル/分の灌注設定)のアブレーションパラメータを用いる試験アブレーションモードとして実現されている。
【0224】
図3Bに示されるように、遠位先端部分13は、電極アセンブリ19と、標的組織22との直接的な接触に適合された非外傷性遠位端部を有する少なくとも1つの微小要素20と、を含み得る。カテーテル本体12は、長手方向軸と、カテーテル本体12から軸外に一方向又は二方向に偏向可能となり得る、カテーテル本体12の遠位側の中間部分14と、を有し得る。中間部分14の遠位側には、少なくとも1個の微小要素を有する電極アセンブリ19がある。カテーテル本体の近位側には、中間部分14の偏向を含む、操作者によるカテーテルの操作を可能とする制御ハンドル16がある。
【0225】
シャフトは、比較的高いトルクを与えることが可能であり、遠位先端部分13は、3つの微小電極を備えた3.5mmの先端ドームを含む電極の配列を有する電極アセンブリ19を収容しながらも、相対的に偏向可能である。これらの電極の全てが、記録及び刺激の目的で使用され得る。先端を偏向させるためにロッカーレバーが使用され得る。高トルクシャフトはまた、湾曲した先端部の平面を回転させて、所望の部位へのカテーテル先端の正確な位置決めを容易にする。「D」、「F」、及び「J」と指定される3つの曲線型構成が利用可能である。電極アセンブリ19は、RF発生器から所望のアブレーション部位にRFエネルギーを送達する役割を果たす。電極アセンブリ19及びリング電極は、貴金属から作製され得る。いくつかの実施例では、カテーテル28はまた、3.5mmの先端電極に埋め込まれた6つの熱電対温度センサーを含み得る。
【0226】
RF発生器ソフトウェアは、カテーテル28を介して心臓内の部位に送達するためのRFエネルギーを生成することによって、心臓アブレーション用に構成され得る。RF発生器は、カテーテルのアブレーション電極におけるアブレーションパラメータを制御するための機能を含み得る。電力、インピーダンス、アブレーション持続時間、及び温度などのアブレーションパラメータを記録し、処置の終了時にUSB装置にエクスポートしてもよい。RF発生器は、RFエネルギーの送達を提供するハードウェアを収容するコンソールを含み得る。ローカルモニタが、ユーザインターフェースと共に含められ得る。モニターは、発生器のための制御命令を含むことができ、どの機能を実施するかをコンソールに命令することができる。これはまた、ワークステーションと通信することができる。ユーザがアブレーションを開始及び停止するためのフットペダルが含まれ得る。
【0227】
カテーテル28の近位端部において、標準的なルアー取付具を有する生理食塩水入力ポートが、開放ルーメンから終端し得る。この生理食塩水ポートは、電極アセンブリ19に灌注するための生理食塩水の注入を可能にするように働く。アブレーション中、アブレーション部位並びに電極先端部を灌注及び冷却するために、ヘパリン化生理食塩水が、カテーテル28の内部ルーメンに通され、また電極アセンブリ19に通され得る。特定の実施例では、生理食塩水の灌注を制御するために、灌注ポンプが使用され得る。
【0228】
ここで図4を参照するが、この図は、本発明の実施形態による、カテーテル28の遠位先端部分13の表面を一部切り取った断面図である。灌注アセンブリ51は、カテーテル28のセグメント81及びアセンブリ19の1つ以上の電極47と嵌合する。アセンブリ51は軸方向管腔83を含み、これは遮断終端部85に向かって遠位方向に灌注流体を運ぶ。この遮断終端部は、灌注流体が前方向に引き続き進むのを阻止する。灌注流体の流れは矢印87で示されている。終端部85で、複数の通路89が軸方向管腔83に対して90°の角度で軸横断的に外向きに枝分かれし、矢印91で示されているように、外向きの流れへと変える。灌注流体は、カテーテル28の軸を横断する管腔49に入り、概ね、電極47内の側方向通路(例えば通路61)に向かう。
【0229】
灌注の経路が、対称軸53に揃った管腔83から出る場合、通路61を通る灌注流は、望ましくないことになる。すなわち、この流れは向きを反転させることが必要になり、近位側に傾いた通路(例えば通路61)に入るには90°を超える方向転換が必要になるからである。図4の配置の利点は、流れがアセンブリ51から前方向に出る場合に比べて、灌注流が1つ以上の電極47の全ての孔に、より比較的均一に分配されることである。
【0230】
生理食塩水の灌注を制御するために、灌注ポンプが使用され得る。カテーテル28は、適切なコネクタを有する付属の延長ケーブルを介して、標準的な記録機器及び互換性のあるRF発生器とインターフェースし得る。カテーテル28は、位置及び接触力情報をナビゲーションシステムに送信する、遠位先端部分13に埋め込まれた位置特定センサーを含み得る。基準位置を特定する目的で、適切な基準装置が必要とされ得る。
【0231】
図4Bを参照すると、遠位先端部分13において終端するものとして示された、図4Aのアブレーションカテーテルの遠位セグメントの概略断面図があり、この遠位先端部分は、白金、パラジウム、金、イリジウム、又は前述の合金などの生体適合性導体から形成され、対称軸70を有する。図4Bに示される遠位端部の断面は、軸70を含む平面内で取られたものである。遠位先端部分13の外部表面は、先端の近位端部にある円筒状領域78と、先端の遠位端部にある平面領域82と、円筒状領域を平面領域に接合する湾曲した環状領域86との3つの領域に分割される。
【0232】
図示の実施形態では、遠位先端部分13は、通路を終端させる灌注開口部によって外側表面が穿孔されるように、灌注通路によって貫通されている。灌注流体は、遠位先端部に形成された内部マニホールド94を介して灌注通路の中へと方向付けられてもよい。マニホールドの灌注流体は、管腔内の専用導管(図示せず)によって提供される。
【0233】
少なくとも1つの空洞が円筒形領域78内に形成される。少なくとも1つの空洞が、外部表面の湾曲した環状領域86内に形成される。本明細書に記載される実施形態は、軸70に関して対称的に分布された3つの空洞を含み、湾曲した環状領域86の3つの空洞はまた、その軸に関して対称的に分布され、各空洞は、先述の先端電極15のそれぞれの微小電極120を受容し、それと嵌合するように構成される。湾曲した環状領域86の各空洞は、それぞれの微小電極140を受容し、それと嵌合するように構成されている。微小電極120は、円筒形領域78内のそれぞれの空洞に挿入されるように構成されている。微小電極140は、湾曲した環状領域86のそれぞれの空洞に挿入されるように構成されている。
【0234】
図5Aは、最大持続時間が30秒に設定される、本開示の試験のための35Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフを示す。図5Bは、最大持続時間が30秒に設定される、本開示の試験のための50Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフを示す。
【0235】
図6Aは、最大持続時間が4秒に設定される、本開示の試験のための90Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフを示す。図6Bは、最大持続時間が4秒に設定される、本開示の試験のための90Wでの発生器RFによる経時的な電力送達のグラフを示す。図6A図6Bに示されるアプローチは、電力を滴定することである。この設定では、電力送達は、短い持続時間を考慮して、変調なしで8ミリリットル/分の一定の灌注流量で送達される。
【0236】
図7は、本開示のカテーテル28によって引き起こされる例示的なアブレーション損傷部の生物物理的パラメータを示すグラフである。これは2秒の予冷却段階を含み、それに4秒のアブレーション損傷が続く。60℃の目標温度を維持するための、最後の1.5秒のエネルギー送達において特に顕著となる電力変調に留意されたい。
【0237】
図8では、PAFのための従来の装置に関する推定された平均安全性複合エンドポイントの結果のメタ分析が提示されている。現在の研究におけるカテーテル28と同様の装置に関する最近の臨床試験からのデータは、安全性エンドポイントの性能目標を導出するための第1の工程としてレビューされた。平均複合エンドポイント速度を推定するためにメタ分析アプローチが行われた。プロットに基づいて、95%信頼区間の上限は9%に等しいと推定された。14%の提案される性能目標は、95%CIの上限からリスクが約50%増加することを反映する。
【0238】
更に、従来の研究では、主要な合併症の発生率が低いことが報告されており(0.8%)、世界各国の主要なセンターで、カテーテルアブレーションに関連する発生率は5%未満であると報告されている。AFのカテーテルアブレーションに関連する最も一般的な合併症には、主にPVI主処置を含む心房細動(AF)のカテーテルアブレーションにおいて約0.2~5%で報告されているように、心臓タンポナーデが含まれていた。
【0239】
AFアブレーション中の心膜液貯留の一般的な発生率は、約1.2%~1.3%である。心穿孔は、カテーテルの操作又は高周波電流の印加から生じ得る。心穿孔の公表されたリスクは、<1%~2.4%の範囲である。しかしながら、穿孔の危険性は、カテーテル技術の進歩に伴って低下している。この潜在的に生命を脅かす損傷は、心タンポナーデを生じさせることがあり、また経皮的な心膜ドレナージ又は外科的修復を必要とすることもある。血流力学的な著しい悪化は、神経学的損傷又は死をもたらす可能性がある。心穿孔のリスクの増大は、生理食塩水灌注電極カテーテルの使用に関連付けられ得るが、これはそのようなカテーテルが、大きな、より深いRF損傷部を生成し得ることに起因する。このリスクは、薄肉の室(すなわち、RA、LA、付属器、又はRV)において最大となる。
【0240】
肺静脈狭窄(PVS)は、心房細動の高周波カテーテルアブレーションの周知の合併症である。重度のPVS(>70%の直径低減)の発生率は、976人の被験者による最近の研究において<1%であることが判明した。高周波カテーテルアブレーションの合併症に関する大規模な系統的レビューにおいて、わずか0.5%の発生率が報告された。
【0241】
更に、左心房は食道に解剖学的に近接しているため、LA後壁に対するカテーテルアブレーションは、食道を熱的に損傷し、最終的には5%の罹患率で食道潰瘍を発生させることがあるが、これが、壊滅的な結果を伴う心房食道瘻(AEF)へと進行することはまれであり得る。内視鏡による食道損傷は、2.2~21%の罹患率を有する。食道穿孔は、心房細動アブレーション処置の0.02~11%において発生する心房細動アブレーションの重篤な合併症である。診断遅延は、心房食道瘻(AEF)の発生及び死亡率の増加に関連する。食道損傷の合併症率は、病変部の位置及び発見された病変の種類(紅斑、壊死性潰瘍、穿孔、又は瘻孔形成)に応じて、大いに変動する。AFのアブレーション後のAEFの発生率は、処置の約0.1%であると想定される。管腔温度監視を使用して、アブレーション中の食道の潜在的に危険な加熱を特定する研究では、発生率の低下を実証することができなかった。
【0242】
現在、肺静脈前庭部隔離術中に右PVの隔離が得られず、RFアブレーションが胸峰において右PVの内側で実施されるとき、横隔神経麻痺が0.5%未満、恒久的麻痺が0%~0.4%と報告されている。2018年に公開された研究では、2,750の処置のうち、0.04%の非常に低い率のPNPが報告されている。RSPVの領域におけるアブレーションの前に、研究者らは、横隔神経への近接性及びペーシング操作の評価などの予防的措置を実施するよう奨励されている。
【0243】
死亡はまた、CA技術に関連した稀な合併症である。死亡の全体的な発生率は、<0.1%~0.4%であると報告されている。2010年に公開された世界的な調査では、0.1%の全体死亡率が示された。162のセンターのAFアブレーションの国際調査からの別の報告では、32,569人の患者におけるAFアブレーション処置の間又はその後に発生した32人(0.1%)の死亡についての詳細が提供された。死亡の最多原因の中には、心タンポナーデ(死亡の25%)、脳卒中(16%)、心房食道瘻(16%)及び巨大肺炎(massive pneumonia)(6%)があった。
【0244】
高周波電流は、直接的な熱損傷、痙縮、又は血栓形成のいずれかによって冠状動脈の閉塞を引き起こし得る。急性冠動脈閉塞は、RFCAの非常に稀であるが、潜在的に生命を脅かす合併症である。多くのセンターでの経験から、冠状動脈閉塞のリスクは0.5%未満であることが示唆されている。冠状動脈閉塞は、心筋梗塞(MI)、狭心症、又は死亡を生じさせ得る。冠状動脈の閉塞は、医学的に示されるように、薬理学的介入、カテーテル及び/又は外科的介入を通じて冠状動脈血流を回復させることによって治療され得る。
【0245】
処置中の血栓発生はまた、患者にとって深刻で、更には生命を脅かすリスクをもたらし得る。血栓は、インピーダンスの変化の有無にかかわらず、高周波電流を印加する間にアブレーション電極上に形成され得る。血栓は追い出され、塞栓形成して、虚血性脳卒中、MI、又は他の閉塞性損傷を生じさせることもある。いくつかの観察的研究により、カテーテルアブレーション後の脳卒中の率が比較的低いことが示されているが、カテーテルアブレーションが血栓塞栓リスクを低下させ得るかどうかは依然として不明である。
【0246】
AFアブレーションに関連する血栓塞栓症の平均発生率は、約1%~2%であった。更に最近では、血栓塞栓症の発生率は、周術期の抗凝固にもかかわらず、AFアブレーションを受ける患者の最大5%であると報告されている。虚血性脳卒中の発症は、典型的にはAFアブレーション処置の24時間以内に生じ、より高リスクの期間は、アブレーション後の最初の2週間に及ぶ。
【0247】
肺出血は、PVIの稀であるが深刻な合併症である。遅発性の喀血及び肺高血圧症が、アブレーション後の肺静脈狭窄症(PVS)に続いて生じる可能性がある。急性肺出血もまた報告されている。カテーテル操作による機械的外傷は、肺出血の考えられる機序である。心臓弁への損傷は、カテーテル操作又は高周波電流の印加に起因し得る(リスク<1%)。これは、弁閉鎖不全を発生させ、場合によっては弁交換手術を必要とし得る。
【0248】
図9Aは、本開示における試験のカテーテル28に関連する例示的な温度分布表示である。図9Bは、本開示における試験のカテーテル28の各熱電対読み取り値に関連する、例示的な「ブルズアイ」表示である。「ブルズアイ」表示は、医師に温度情報を提供する。RF発生器からの温度の任意の数値は、表示するか若しくは表示しない医師の好みによって決定された「ブルズアイ」上に表示され得る。ブルズアイの図形は、6つの熱電対から得られた先端部と組織との相対的な界面温度の読み取り値を提供する。この図形は、カテーテル先端部13のどの部分が組織22と接触しているかに関する指示を医師に提供する。
【0249】
加えて、グラフィックはまた、先端部と組織との安定性の指標を医師に提供することもできる。例えば、カテーテル先端部13がスリップした場合、熱電対から得られる温度は変化し、これは「ブルズアイ」の上だけでなく、カテーテル28の先端部13の図形上にも視覚的に表示される。これらの表示における色は、熱電対の温度が変化するにつれて変化し得る。図9Bの図形の色は、ここでは黒及び白で描写されているが、暗青色(最低温度)から暗赤色(最高温度)までの範囲に及び得、また円形の提示は、医師が先端部内の遠位熱電対と近位熱電対との相対温度(中心から外側に向かって見られる)を可視化することを可能にする。外側ハローは、3次元空間におけるカテーテル先端部の向きを提示する。
【0250】
図10は、RFアブレーションセッション中にカテーテル先端部13の温度分布の適切な応答を検証するために測定及び使用される最高温度を監視する温度分布である。アブレーション中の温度フィードバック表示が図10に示されており、ここでは6つの小さな円が6つの熱電対(例えば、遠位に3つ、近位に3つ)を表している。内側の円は電極アセンブリ19を表し、外側のリングは先端電極の側部を表す。先端部13の所望の向きの任意の(例えば、組織22に対して垂直な向きからの)変化は、下部の四分区間内のより暗い色によって示されるように、電極アセンブリ19の対応する部分の温度上昇をもたし得る。
【0251】
調査の概要
本開示は、PAFのマッピング及び/又は治療に関してより詳細に後述する対応する調査でより明確に理解される。図11は、本開示の主題研究プロトコルの概略概要を提供し、これは、優先出願である米国仮特許出願第62/843,213号の添付書類2であり、その内容全体が、逐語的に述べられているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。薬物不応性の再発症候性PAFに対するRFアブレーション処置について考慮された全ての患者が、研究者又は研究チームの指定された研究員による試験において、プロトコル対象及び除外基準ごとの試験適格性について評価された。処置前評価は、特に断りのない限り、インデックスAFアブレーション処置の前の30日以内に実施されたものである。
【0252】
本試験の主たる目標は、標準的な電気生理学的マッピング及びRFアブレーション処置中に、薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)の治療において、カテーテル28が本開示のRF発生器と共に使用されるときの臨床的安全性及び有効性を実証することであった。試験を成功させるために、両方のエンドポイントは、それらのそれぞれの性能目標に対して統計的に有意でなければならない。一次安全エンドポイントは、アブレーション処置から7日以内に生じる任意の主要な有害事象(PAE)を有する被験者の割合であった。PAE速度が14%の主要目標と比較された。本試験の主要有効性エンドポイントは、12か月目における(つまり、ブランク期間の後の9か月の間、すなわち91~365日目)確認された心房性不整脈(心房細動(AF)、心房頻拍(AT)、又は心房粗動(AFL))エピソードを有しない患者の割合であった。この試験の別の目的は、早期発症した(アブレーション処置から7日以内)主要有害事象を有する被験者の割合に基づいて安全性を実証することであった。
【0253】
この試験の主要な副次的目的は、処置の終了時にPVの電気的隔離(進入ブロック)を受けた被験者の%、及びQMODE+を唯一のアブレーション戦略として用いたPVの電気的隔離(進入ブロック)を受けた被験者の%によって定義される緊急処置成功率を評価するために、処置の間及び処置から3か月後迄の(重大な)有害事象の発生率を評価することであった。もう一つの二次有効性エンドポイントは、全ての電力設定においてPVの電気的隔離(進入ブロック)を受けた被験者の%に、待機期間及びアデノシン負荷を終えて第1のパス隔離後にPVの電気的隔離(進入ブロック)を受けた被験者の%を組み合わせたものであった。もう一つの二次有効性エンドポイントは、全ての標的の静脈及びタッチアップ箇所のうち、タッチアップ(すなわち、タッチアップは急性再接続のアブレーションを排除するために用いられる)を有する被験者の%及びPVの%であった。もう一つの二次有効性エンドポイントは、第1の包囲後の急性PV再接続の解剖学的位置であった。この試験のもう一つの目的は、カテーテル28の一次有効性と、発作性AF集団に対する12か月の最小許容成功率として指示される50%の所定の性能目標とを比較することであった。
【0254】
本試験の二次安全性エンドポイントには、装置による予期しない悪影響(UADE)の発生率、最初のアブレーションから7日以内(早期発症)、>7日~30日(周術期)及び>30日(晩期発症)の重大な有害事象(SAE)の発生率、並びに、a)重度の出血、b)臨床的に関連のある非重度の出血、及びc)軽度の出血、の出血性合併症(ISTH定義)の発生率を含むものであった。この試験のもう一つの目的は、十分に確立されたイヌ大腿筋モデルを使用して、電力制御モードを使用する従来のカテーテルと比較したときの、試験アブレーションモードを使用する本開示の電極カテーテル28の安全性及び性能を評価することであった。
【0255】
カテーテル28は、灌注流を伴わない試験アブレーションモード下では試験に使用されず、このより高い流量を維持した。研究者がQMODE+ではPVIを完了することが不可能であると見なすと、本明細書でQMODEと呼ばれることもある電力制御モードがPVIに使用された。加えて、QMODE温度制御が、試験アブレーション処置中にPV口の外側の全てのRF印加に使用された。QMODEは、(a)ミリリットル/分の流速で25~35W又は(b)15ミリリットル/分の流速で36~50Wのいずれかを含むものであった。QMODEは、RFエネルギー送達の開始から最大でも最小の2秒に開始し、エネルギー印加の終了後に、このより高い流量を最大で4秒間維持する、比較的高い流量である。この試験では、QMODE+がPVIの一次モードとして使用された。しかしながら、研究者がQMODE+を、PVIを達成できないと見なした場合、処置を完了するためにQMODEにあるカテーテル28が使用された。
【0256】
カテーテル28は、以下の目的、すなわち、(1)電力制御モードを使用した従来のカテーテルと比較した、その試験アブレーションモードを使用したカテーテル28の炭化物/凝塊及びスチームポップ速度、(2)カテーテル28と対照カテーテルとの間の損傷部寸法(最大深さ、最大直径、及び表面直径)の比較、並びに、(3)対照カテーテルと比較したときの挙動の類似性及び違いを理解するための特性評価を目的とした、アブレーションパラメータ、すなわち、平均出力、最高電極温度、温度上昇、初期インピーダンス、インピーダンス降下の収集、に従って臨床的安全性及び性能について評価された。
【0257】
この試験の更なる目的は、臨床PVI処置をシミュレートするとき、試験アブレーションモード(例えば、nMARQマルチチャネルRF発生器)を使用してカテーテル28の安全性及び性能を評価することであった。また、その試験アブレーションモードを使用したカテーテル28の全体的な安全性及び機能性能が、電力制御モード(すなわち、Smart Ablate発生器)で使用されているSmart Touch SF対照カテーテル(対照カテーテル1)と比較された。カテーテル28は、(1)標的部位にRFエネルギーを送達する、(2)肺静脈の急性隔離を実証する、(3)対照と同等である臨床的に許容可能な信号品質を実証する、(4)アイドル状態の間及びアブレーションの間に、リング電極及び微小電極からペーシングする、(5)アブレーションの間に対照カテーテルよりも著しく良好な温度フィードバックを提供する、(6)補助機器(例えば、RF発生器、QDOTドングル、CoolFlowポンプ、及びCARTO 3マッピングシステムなど)と共に使用される場合に効果的に機能する、として評価された。
【0258】
この試験の更なる目的は、本開示のRF発生器を使用して、試験アブレーションモード(例えば、約90W/4sなど、高電力でかつ短い持続時間)におけるカテーテル28の安全性及び性能を評価することであった。試験アブレーションモードにおけるカテーテル28の全体的な安全性及び性能が、RF発生器(例えば、Smart Ablate RF発生器)を使用して、特にイヌ大腿筋モデルと共に使用した、2つの異なる設定(50W/10s又は30W/30s)における電力制御モードの対照カテーテル1の安全性及び性能と比較された。カテーテル28は、安全性及び性能に関して試験アブレーションモードを評価され、以下の対象、すなわち、(1)その電力制御モードを使用する対照カテーテル1と比較した、試験アブレーションモードを使用するカテーテル28の安全性(例えば、炭化物/凝塊及びスチームポップ速度)、(2)試験カテーテルと対照カテーテルとの間の損傷部寸法(最大深さ、最大直径、及び表面直径)の比較、並びに(3)平均電力、最高電極温度、温度上昇、初期インピーダンス、及びインピーダンス低下、について試験された。
【0259】
アブレーション処置自体において、被験者は、自身のアブレーション処置のために電気生理学実験室に到着し、病院の標準プロトコル(治験責任者の裁量)に従って処置の準備を受けた。アブレーション処置は、PAFを有する被験者を治療するために、本明細書に記載されるアブレーションモード(例えば、QMODE及びQMODE+温度制御モード)を利用した。温度制御のためのQMODE+の試験アブレーションモードは、主にPVIに使用された。QMODE温度制御の電力制御モードは、主にPV口の外側でのAF用途及びPVIのタッチアップに使用された。図12は、本試験において使用される機器を要約する表を示す。
【0260】
図13は、本開示の試験のためのAAD及び主要有効性分類に対する影響を要約する表を示す。本試験は、クラスIの薬物(例えば、フレカイニド、プロパフェノン、ジソピラミドなど)及びクラスIIIの薬物(例えば、アミオダロン、ドロネダロン、ドフェチリドなど)を調査するものであった。図13の表は、ブランク期間及びポストブランク期間に実施されたAAD療法に基づく一次有効性エンドポイントの対応する状態を示す。
【0261】
図14は、RF印加中のアブレーションモード及び流量設定を要約する表を示す。90Wの電力設定を有する行は、試験アブレーションモードに対応する。試験中にRF発生器上に表示される温度は、必ずしも組織温度又は電極組織界面温度を表すものではなかった。調査されたカテーテル28に関連する灌注ポンプは、RFエネルギーを送達しないとき、2ミリリットル/分の室温ヘパリン化生理食塩水(1uヘパリン/1ミリリットル生理食塩水)の連続注入を送達するように構成されたものであった。RFエネルギー送達の開始の最底2秒前に始まる高流量まで灌流を増加させる。試験においてQMODE及びQMODE+でカテーテル28を使用するとき、推奨される接触力作用範囲は5~30gであった。
【0262】
試験アブレーションモードでのこの試験のためのAFアブレーション処置は、以下のシーケンスに従った:(1)診断用のカテーテル配置、(2)電気生理学的試験(研究者の裁量)、(3)被験者がAFである場合の心臓除細動(研究者の裁量)、(4)CARTO(登録商標)Respiratory Gating Mandatory(Jet Ventilationを使用しない限り)、(5)食道温度監視装置の配置、(6)左心房にカテーテル28を挿入する350秒以上前のACTの確認及び処置の全体を通じた維持、(7)経中隔穿刺、並びに(8)LAにおけるアブレーション処置の前に、左心房解剖学的マップが推奨/必要とされる。解剖学的マップは、左心房の外側のトリガ(例えば、SVC/CSなど)を必要としなかった。このシーケンスは、(9)カテーテル28の導入、を含んでもよく、その導入は次の工程、すなわち、CartoのAUTOTAG機能を使用して、各印加後に各QMODE+アブレーション点をタグ付けすることと、新しい箇所において、RF印加を開始する前にカテーテル安定性を確保することと、最低2秒のアブレーション前の流量遅延がRF印加前に発生することと、最大4秒にわたって最大90W(QMODE+)のRF電力印加を介してアブレーションすることと、臨床的に有効なアブレーションが達成された場合、カテーテルを新しい箇所に移動させることと(約4ミリメートル)、QMODE+が完全なPV封入に使用されることと、を含み得る。研究者がQMODE+を、PVIを達成できないと見なした場合、処置を完了するためにQMODEにあるカテーテル28が使用された。工程(9)はまた、周方向PVIが完了するまでRF印加及びカテーテル28の移動を継続することを含み得た。
【0263】
温度が温度カットオフ(例えば、65℃)を超えて上昇した場合、RF印加は直ちに停止された。アブレーション中の任意の時点でRF電力送達を中断するという決定は、研究者の判断、並びに、カテーテルの動き、電位図の減少及び/又はインピーダンス変化を含むアブレーション有効性パラメータの監視によって誘導された。右上PVの領域におけるアブレーションのために、ペーシング操作などの予防措置が用いられて、横隔神経への近接性が評価された。
【0264】
このシーケンスはまた、(10)左心房アブレーション及びリアルタイムPV隔離、(11)AF/再接続を誘導するためのペーシング処置及び/又は心臓治療薬の注入(例えば、アデノシン、イソプロテレノール2-20マイクログラム/分)前のアブレーション後の20分の待機期間、(12)Lasso(登録商標)又はPentaRay(登録商標)による全ての標的PVにおける進入ブロックの確認、並びに(13)横隔膜のX線透視評価の実行、を含んでもよい。
【0265】
これは本試験において食道損傷のリスクを最小限に抑えるために必要とされた。この方法は、局在化するために、(1)食道温度プローブの使用、(2)CARTOSOUND(登録商標)及び/若しくはICEによる食道可視化、又は(3)バリウム嚥下を用いた食道可視化、のうちの1つを用いた。食道温度上昇の場合、次のことが生じた:(1)組織が冷却され、付加的な損傷が同じ個所又は近くの個所でなされたこと、(2)隔離が達成されていない場合には、そのスポットから離れて移動し、他のエリアを最初にアブレーションし、次いでそのスポットに戻ること、(3)QMODEが必要に応じて、操作者の通常の選択された後壁の電力及び持続時間で使用され、それでもなお温度上昇に関して非常に慎重に監視し、食道温度がベースラインに戻るまで開始しないこと、並びに(4)上記の2つの工程がタスクを達成しない場合には、そのエリア付近であるがそのエリアからわずかに離れたエリアでアブレーションすること、が生じた。
【0266】
図15は、本開示の試験における被験者の治療及び評価のための必要なスケジュールを要約する表を示す。この表において、番号付けされた注釈は、以下のとおり対応している。(1)初期アブレーション処置は、同意から30日以内に行われるべきである。(2)最後の訪問以来、病歴の変化がないことを確認するために収集された。(3)同意した後に収集されたAEは、最後の訪問以来、病歴の変化がないことを確認するために署名された。(4)AEの結果として入院となった場合、健康経済データ収集が必要とされた。(5)ライフツールの品質(AFEQT)。(6)妊娠試験は、処置の24時間以内に、閉経前の女性に対してのみ行われなければならない。(7)被験者は、LA血栓の存在について画像診断を受けるべきである。(8)心房サイズを決定するための撮像TTE(被験者が、心房サイズが評価された画像診断処置を最近の6か月以内に受けている場合、処置前の画像診断評価は必要ではない)。(9)処置の後、全ての被験者は、心膜液貯留及び/又は心膜炎に関して心膜を評価するためにTTE処置を受ける。(10)併用薬:心臓関連(抗不整脈薬、抗凝固レジメンなど)のみ。(11)症状を有する被験者のPV撮像(CT/MRA)がアブレーション後の1か月の7日間にわたって経過観察を受ける。(12)該当する場合、入院(UB04)、ER訪問、及び外来患者訪問のための健康経済データ。(13)TTM:全ての症候性心臓のエピソードは、事象が発生した時点で記録及び送信されるべきである。(14)12ヶ月の訪問又は最後に完了した訪問。(15)場合によっては仮想訪問、又は来診。(16)来診にのみ必要。(17)脳卒中の場合、脳卒中を患う被験者の障害の程度を評価するために、修正されたランキンスコアが査定される。(18)標準化された神経学的評価(脳神経、運動及び感覚機能、並びに歩行評価を含む)が行われる。この神経学的評価によって新たな異常所見が示された場合、患者はまた、脳卒中の疑われる診断を確認するために使用される、適切な画像診断(すなわち、DW-MRI)を用いた形式的な神経学的診察及び検査を受けるべきである。(19)ブランキング期間中にカテーテル28による繰り返しアブレーション処置を受ける全ての被験者は、PV狭窄を示唆するか、あるいはCT/MRA PV分析処置中である。
【0267】
本試験では、「有害事象」は、試験装置又はアブレーション処置に関連しているか否かに関わらず、臨床試験中に発生する任意の好ましくない医療上の出来事、意図されない疾患若しくは負傷、又は有害な臨床的徴候(異常な実験室所見を含む)のいずれかであると見なされた。本試験の目的のために、有害事象は、以下に従って生じると見なされた:事象は、本質的に血管、心臓血管、又は神経学的なものである;事象は、重大な有害事象である;因果律は、カテーテル28及びそのアブレーション処置に関連している;又は本質的に未知である。
【0268】
対照的に、以下の臨床事象は、この臨床試験の有害事象と見なされなかった:試験中の任意の時点で試験の被験者の状態が悪化しない限り、検診の際に存在する任意の医学的状態;無症候性である極微量/微量の心膜液貯留;既存のAF/AFLの再発;アブレーション後に生じる左心房粗動の新たな発症を含まない、試験期間全体にわたって任意の時点で薬理学的除細動を必要とするAF/AFL/再発がAEであること;AF又は既存のAFL/ATのための再アブレーション。しかしながら、繰り返しのアブレーション処置に関連する任意の合併症はAEと見なされた。
【0269】
図16図17図18、及び図19は、本開示の試験において決定された一次有害事象の要約を示す。それらの図に示されるように、本試験による一次AEは、図16図19に列挙された事象のうちの1つであった。それらの事象は、本明細書に記載されたRF発生器と共に使用されたカテーテル28によるAFアブレーション処置から7日以内に発生したものであるが、心房食道瘻及びPV狭窄は例外であり、これらはまた、アブレーション処置から7日を超え、90日以内に生じた場合、一次有害事象と見なされ得る。
【0270】
本試験における深刻な有害事象(SAE)は、以下の基準のうちの1つ以上を満たす任意の事象と見なされた:死につながる;生命を脅かす病気若しくは負傷又は身体構造若しくは身体機能の恒久的な障害をもたらした、被験者の健康の深刻な悪化につながる;入院又は現行の入院期間の延長が必要である;又は、身体構造又は身体機能への恒久的な障害を防止するための医療的又は外科的介入が生じる、胎児仮死、胎児死亡、又は先天異常若しくは出生時欠損につながる。
【0271】
図20は、本開示の試験による強度又は重篤度を要約する表であり、これによってAEの強度又は重篤度が定義される。間欠的なAEはがそれらの最大の重篤度に従って分類された。重症度を変化させる連続的なAEが、新たなAEとして報告された。
【0272】
電力制御モードでは、ワークフローは以下のように機能する。温度が急速に上昇すると、RF印加は直ちに停止された。心房アブレーションには、15~50ワット(W)のRF電力範囲が使用された。LA後壁又はCSではない解剖学的位置において、最大許容電力は50Wを超えず、アブレーションの持続時間は、所与の位置における60秒を超える連続的アブレーションを超えなかった。カテーテル28は、臨床的に有効なアブレーションが達成されたとき(例えば、電位図の減少及び/又はインピーダンス低下)、新しい場所に移動又はドラッグされた。
【0273】
後壁及び冠状静脈洞をアブレーションする間、以下の予防措置が取られた。LA後壁及び食道に近い場合、アブレーションは、後壁に対する標準的なワークフローを使用して開始された。カテーテル28は、臨床的に有効なアブレーションが20秒以内に達成された場合(電位図の減少及び/又はインピーダンス低下)、新しい場所に移動又はドラッグされた。後壁及び冠状静脈洞をアブレーションするために使用された最大電力は、試験アブレーションモードを使用する場合を除き、35Wを超えなかった。食道の温度変化が、腔内食道プローブ又は食道を移動させるために使用された方法によって監視された。アブレーションの持続時間は、後壁に対して30秒を超えなかった。
【0274】
処置データ収集は、匿名化された(又は非特定化された)発生器ファイル、匿名化された(又は非特定化された)CARTO(登録商標)データファイル、処置のワークシート、及び被験者の医療ファイルを用いて行われた。処置データのドキュメントは、研究分析のために、被験者のCRF、匿名化された(又は非特定化された)バックアップジェネレータファイル及びバックアップCARTO(登録商標)データファイルに保存された。処置中に収集された情報は、限定するものではないが、損傷部ごとのRF印加モード(QMODE+/QMODE/他)、カテーテル28(合計/QMODE+/QMODE)及び非研究用カテーテルを用いたRF印加の回数、カテーテル28(合計/QMODE+/QMODE)及び非研究用カテーテルを用いたRF印加の持続時間、PVIアブレーション時間(隔離が確認され、周方向のアブレーションが達成されるまでの、PVへの最初のRF印加から最後のRF印加までの時間)、被験者のPVIアブレーション時間(全てのPVIが完了するまでの、最初のRF印加から最後のRF印加までの時間)、被験者の合計アブレーション時間(被験者における最初のRF印加から最後のRF印加までの時間)、RF印加ごとのアブレーションパラメータ(位置、温度、インピーダンス、電力、接触力、RF持続時間、アブレーション指数、CARTO(登録商標)上での損傷部情報)、標的(左PV標的、右PV標的、及びPVエリア外の標的)ごとの最初のRF印加及び最後のRF印加に関する発生器上のアブレーション回数、タッチアップ適用に関するアブレーションパラメータ(位置、RF印加モード、タッチアップ適用の量、持続時間、及び関連する発生器ファイル番号)、全処置時間(最初の大腿骨穿刺から最後のカテーテル除去まで)、心房マッピング時間、X線透視時間及び線量、LAカテーテル滞留時間(アブレーションカテーテルのLA挿入からLAからのアブレーションカテーテル除去まで)、ECGデータ、アブレーションカテーテル及び静脈ラインを介して送達される全流体、流体出力及び正味流体入力、食道損傷のリスクを最小限に抑えるために使用される戦略、並びに異常な食道の温度上昇、を含んでいた。
【0275】
本試験の被験者は、最初のアブレーション処置後の12か月(365日)にわたって経過観察訪問を完遂することを要求された。経過観察スケジュールは、30日の月に基づくものであった。経過観察訪問は、以下の時間枠、すなわち、7日(7日目、7~10日目)、1ヶ月±7日(1か月目、23~37日目)、3ヶ月間±14日(3か月目、76~104日目)、6ヶ月間±30日(6か月目、150~210日目)、及び12ヶ月±30日(12か月目、335~395日目)に従ってスケジュールされた。経過観察訪問スケジュールは、被験者が繰り返しのAFアブレーション処置を受けた場合にはリセットされなかった。
【0276】
退院前、標準化された神経学的評価(脳神経、運動及び感覚機能、並びに歩行評価を含む)に含められた物理的検査が退院前に実施される。神経学的評価によって、ベースラインで実施されたものと比較して新たな異常所見が示された場合、脳卒中の疑いのある診断を確認するために、適切な画像診断(例えば、DW-MRI)を用いた公式な神経学的診断及び検査が行われた。NIH脳卒中スケール(NIHSS)が、退院前に認定医療提供者によって実施された。退院前の他の事象には、可能性のある心膜液貯留及び/又は心膜炎に関する心膜の評価のために、不整脈の発生の検出、心電図(12-Lead ECG)、及び経胸壁心エコー(TTE)が含まれていた。有意な心膜液貯留が特定された場合、被検者は症状が解消するまでフォローを受けた。薬物の種類及び名称、関連する指示、処方箋の開始日及び終了日などを含めて、アブレーション処置は経過観察の終了時まで記録されたため、心臓関連の併用薬(AAD、抗凝固レジメンなど)が処方された。
【0277】
患者選択
本試験で指定された患者選択、方法、人員、施設、及びトレーニングに関する基準は、この処置を受けている被験者に対するリスクを最小限に抑えることを目的とした。試験対象患者基準及び除外の基準への準拠を確実にするために、被験者を調査登録前に慎重に事前スクリーニングした。
【0278】
調査の選択基準には、以下が含まれた。
・1つの心電図上に記録されたAFエピソードを有する症候性発作性AF
・登録前の6ヶ月以内、及び7日以内の再発性自己終結AFを示す医師の注記。実証は、心電図(ECG)、トランステレフォニックモニタリング(TTM)、ホルターモニター又はテレメトリストリップを含み得る。
・再発性症候性AF、禁忌、又はAADに対する不耐性によって証明されるように、少なくとも1つの抗不整脈薬(AAD)(クラスI又はIII)の失敗。
・18歳以上。
・署名された患者同意説明文書(ICF)。
・全ての事前、事後、及び経過観察の検査要件及び訪問要件を遵守する能力及び意欲。
【0279】
調査の除外基準には、以下が含まれた。
・心房細動の外科的又はカテーテルアブレーション処置歴。
・電解質不均衡続発性のAF、甲状腺疾患、又は可逆的若しくは非心臓の原因。
・登録前の過去3ヶ月間のいずれかの時点での患者へのアミオダロン投与。
・以前に持続性又は長期持続性のAF及び/又は7日を超えて続く連続的なAFと診断された
・過去6ヶ月(180日)以内のCABG手術。
・心臓弁膜症の外科的/経皮的処置(すなわち、心室切開術、心房切開術、弁の修復又は置換、及び人工弁の存在)。
・過去6ヶ月以内の任意の頸動脈ステント留置術又は頸動脈内膜切除術。
・画像に記録されたLA血栓(試験アブレーション処置前の48時間以内)。
・記録されたLAサイズ>50mm(傍胸骨長軸図)。
・記録されたLVEF<40%。
・抗凝固療法(例えばヘパリン)の禁忌
・血液凝固又は出血異常の病歴
・過去2ヶ月(60日)以内のMI/PCI
・過去12ヶ月(365日)以内の(TIAを含む)記録された血栓塞栓事象
・リウマチ性心疾患
・制御不能な心不全又はNYHA機能クラスIII若しくはIV
・重度の僧帽逆流(60mL/拍動以上の逆流量、50%以上の逆流率、及び/又は0.40cm以上の有効逆流弁口面積)
・今後12ヶ月(365日)以内の心臓移植又は他の心臓手術の予定
・不安定狭心症
・活動性の全身感染又は敗血症
・心房粘液腫の診断又は心房間バッフル若しくはパッチの存在。
・埋め込まれたICD/CRT-Dの存在。
・慢性症状を引き起こす重大な肺疾患(例えば、拘束性肺疾患、収縮性又は慢性閉塞性肺疾患など)又はその他の肺若しくは呼吸器系の疾患若しくは機能不全。
・重度の胃食道逆流性疾患(GERD;OTC薬を含まない有意な介入を必要とする活動期)
・調査者の意見ではこの調査への登録を不可能とするであろう重大な先天性異常又は医学的問題。
・妊娠中(閉経前の場合は妊娠検査で証明される)、授乳中の女性、又は出産可能年齢であり、試験の過程で妊娠を計画している女性。
・別の装置、生物学的製剤又は薬剤を評価する調査研究への登録。
・血管へのアクセス又はカテーテルの操作を妨げる壁内血栓、腫瘍又はその他の異常の存在。
・下大静脈フィルタの存在。
・それぞれの使用説明書に示されているような、試験で使用される装置(TTE、CTなど)の禁忌の提示。
・12カ月未満の推定寿命
【0280】
調査結果
本試験では、カテーテル28が評価され、185人の評価可能な被験者を用いた過去の対照の達成業績と比較された。図21は、本開示の試験において評価されたAE結果を要約する表である。図22は、本開示の試験における患者の特性及び病歴を要約するグラフである。図23は、本開示の試験における急性肺静脈再接続を要約するグラフである。図24は、本開示の試験の安全集団における主要な有害事象を要約するグラフである。
【0281】
第1に、かつ重要なことに、前臨床試験では、カテーテル28によるアブレーションは、従来のアブレーションと比較して、80%下回るRF時間をもたらしたことが示された。これにより、本開示の試験では、全52人の患者がアブレーションを受け、経過観察を完了した。PVIは、全ての患者においてカテーテル28を単独で使用して、それぞれ合計で105.2±24.7分及び6.6±8.2分の処置時間とX線透視時間で達成された。ほとんどの患者(n=49;94.2%)は、3ヶ月で洞律動にあった。2つのPAEが報告され、1つは偽動脈瘤であり、1つは無症候性血栓塞栓症であった。死亡、脳卒中、心房食道瘻、PV狭窄、又は予期されない有害な装置効果は存在しなかった。6人の患者はSCLが確認され、全て臨床的又は神経障害のない無症候として分類された。ほとんどのPAF集団と一致することとして、登録された患者の年齢は比較的若く(62.0±12.0才)、約3分の2が男性であり、併存症の全体的な割合は中程度であり(63.0%が高血圧、18.5%が鬱血性心不全)、前後の左心房直径が中程度に拡大された(39.3±5.2mm)。アブレーションを受けた52人の参加者のうち、PVIは全員に実施され、1人の患者のみが、追加的なアブレーションを受けた(左房天蓋部、並びに左下部PVと右下部PVと間のライン)。経過観察の間隔中にPAFのための第2のアブレーションは必要とされなかった。高周波印加の総数は、CF 16.9±6.7グラム(最小8.1グラム及び最大36g)及び電力85.4±6.7Wで108.3±42.5であった。
【0282】
図25は、本開示の試験における処置パラメータを要約するグラフである。図示のように、20分の待機時間とアデノシン又はイソプロテレノール負荷とを含む、最初の穿刺時から最後のカテーテが除去時まで時間として理解される合計処置時間は、105.2±24.7分(68.0~177.0分の範囲)であった。この全処置時間のうち、マッピング時間は9.5±5.3分であり、X線透視時間は6.6±8.24分であり、全PVアブレーション時間は44.3±22.4分であり、全アブレーション時間(最初の高周波印加の時間から最後の高周波印加の時間まで)は46.0±21.3分であり、左心房滞留時間(左心房へのカテーテル挿入から左心房からの除去までの時間)は81.7±20.2分であった。データを収集された50人の患者については、アブレーションカテーテルによって送達された流体の体積は382.4±299.1mLであった。
【0283】
図26は、本開示の試験における処置結果を要約するグラフである。図示のように、本試験において評価されるカテーテル28の処置結果は、他の以前の多施設試験よりも大幅に改善されている。本試験、並びに以前の多施設試験の両方について重要な処置パラメータが示されおり、THERMOCOOL AF治験は、生理食塩水灌注高周波アブレーションカテーテルを調査するものであり、SMART-AF治験は、生理食塩水灌注力感知アブレーションカテーテルを調査するものであり、SMART-SF治験は、生理食塩水灌注が強化された力感知アブレーションカテーテルを調査するものであった。
【0284】
図27A図27Bは、本開示のカテーテルと以前の臨床的に承認された装置との間の比較処置の結果を要約する表である。本試験の処置中にアブレーションカテーテルによって送達された流体に関して言えば、本開示のカテーテル28は、382.4mLの送達された総平均流量を記録したが、これは、Smart Touch SFに対して約57.4%(すなわち約898.4mL)の改善であり、Smart Touch AFに対して約79.7%(すなわち約1879.6mL)の改善であり、THERMOCOOLに対して約57.4%(すなわち約898.4mL)の改善であった。本試験の処置中のアブレーションカテーテルによる総処置時間に関して言えば、本開示のカテーテル28は、約105.2分の平均総処置時間を記録したが、これは、Smart Touch SFに対して約41.9%(すなわち約181.1分)の改善であり、Smart Touch AFに対して約52.8%(すなわち約222.7分)の改善であり、THERMOCOOLに対して約49.9%(すなわち約210.1分)の改善であった。
【0285】
本試験の処置中のアブレーションカテーテルによる総アブレーション時間に関して言えば、本開示のカテーテル28は、約46分の平均総アブレーション時間を記録したが、これは、Smart Touch SFに対して約55.9%(すなわち約104.3分)の改善であり、Smart Touch AFに対して約62.1%(すなわち約121.5分)の改善であり、THERMOCOOLに対して約58.3%(すなわち約110.3分)の改善であった。本試験の処置中の総X線透視時間に関して言えば、本開示のカテーテル28は、約6.6分の平均総X線透視時間を記録したが、これは、Smart Touch SFに対して約64.5%(すなわち約18.6分)の改善であり、Smart Touch AFに対して約84.1%(すなわち約41.5分)の改善であり、THERMOCOOLに対して約86.7%(すなわち約49.7分)の改善であった。本試験の処置中の総RFアブレーション時間に関して言えば、本開示のカテーテル28は、約8.1分の平均総RFアブレーション時間を記録したが、これは、Smart Touch SFに対して約83.6%(すなわち約49.5分)の改善であり、Smart Touch AFに対して約86.6%(すなわち約60.6分)の改善であり分)の改善であった。THERMOCOOLの総RFアブレーション時間に関しては、従来から知られている数字は未知であった。CF及び非CFカテーテルを使用した以前の試験と比較して、カテーテル28は、大幅に短い総処置時間、総アブレーション時間、総X線透視時間、及び総高周波印加時間、並びにより少ない灌注流体負荷を明確に示した。
【0286】
図28は、試験の全ての場所に設定することによるアブレーションの結果を要約する表である。図29は、試験の全ての場所に設定することによるアブレーションの結果を要約する表である。具体的に言えば、この表は、本試験の処置中にカテーテル28を用いた試験アブレーションモードにおける第1のパス隔離対急性再接続に関する情報を示す。
【0287】
一次有効性エンドポイント(アデノシン又はイソプロテレノール負荷後に確認されたPVI)は、全ての患者においてカテーテル28を使用して達成された。なお、78.8%(41/52)の場合、PVIは、試験アブレーションモードのみを使用して達成された。患者の26.9%(14/52)及び静脈の5.0%(22/444)において、アデノシン/イソプロテレノール後のPV再接続が、更なる損傷を促進し、大部分は後方に進行した。最初の損傷部は、5つの静脈内での試験アブレーションと標準的アブレーションとの組み合わせによって、また、急性再接続を示す他の17静脈内のみにおける試験アブレーションによって生成された。非試験カテーテルによってなされた印加はなかった。3ヶ月の経過観察訪問において、49人の患者(94.2%)は洞律動にあったが、2人の患者はAFにあり、1人は心房粗動にあった。
【0288】
2つのPAE(2/52、3.8%)が報告され、1つは大腿骨偽動脈瘤であり(SADEとしても分類され、トロンビン注入により正常に治療された)、また1つは無症候性血栓塞栓症であった(2つの新しい微小塞栓であり、退院時にMRI中に存在し、処置から1ヶ月後及び5ヶ月後に再確認された)。死亡、脳卒中、心房食道瘻、PV狭窄、又は予期されない有害な装置効果は存在しなかった。追加のSADE(食道潰瘍性出血)が、1日目の処置後内視鏡検査によって観察され、薬物で治療された。
【0289】
アブレーション後MRIを受けた51人の患者のうち、SCLは、6名の患者(6/51、11.7%)に見出された。これらの患者のうちの4人は、アブレーション前に少なくとも3週間中断されずに抗凝固を受け、1人の患者はワルファリンを受けたが、処置の前日に中断され、また1人は抗凝固療法を用いられなかった。全ての損傷部は、臨床的又は神経学的欠陥がない(NIHSS、mRS、及びMoCAによって評価される)ことを前提として、無症候性脳塞栓として分類された。1つの新しい微小塞栓を有する5人の患者において、損傷部は1ヶ月で分解された。アブレーション後の脳病変部のこれまでの研究において報告されている発生率は広範に変動しているが、これらの病変部は、典型的には、神経障害に関連しておらず、大部分はアブレーション後の1~3ヶ月の反復的MRIで消失する。
【0290】
急性処置の成功(全ての治療されたPVにおける進入ブロックを確認することとして定義される)は、アブレーションを受けた全ての52人の患者において達成された。2つのPAEのみが報告され(偽動脈瘤及び無症候性血栓塞栓症)、報告された死亡、又は、心房食道瘻、脳卒中/心血管事故、一過性虚血発作、PV狭窄、横隔神経麻痺、若しくは心臓タンポナーデの実例は存在しなかった。
【0291】
非常に高い電力でかつ短い持続時間に安全にアブレーションする能力は、いくつかの理論上の利点を有する。第一に、カテーテルと組織との接触安定性は、臨床的成功に寄与する重要な因子であると思われる。再発性する不整脈が長期間ないように、十分な最小CFが接触を可能にするために必要であるが、必要以上に高いCFは、スチームポップ又は心房穿孔による血栓などの即時の合併症を引き起こす場合がある。試験アブレーション中、安定性が考慮される前に非常に短い時間で損傷部が生成されることから、CF不安定性の悪影響が軽減され得る。実際、前臨床試験において、損傷部の質は、標準的なアブレーションと比較してより均質に見える。当然のことながら、不安定性の程度が大きいほど、カテーテル28による損傷部によって、更なる試験アブレーションモードの有効性が減じられたり、損なわれたりし得る。
【0292】
第二に、AFアブレーションのための重要な安全性の考慮事項は、側副組織へのダメージを最小限に抑えることである。前臨床モデルにおいて、試験アブレーションが食道などの側副組織への伝導加熱及びその結果としてのダメージを最小化し、場合によっては心房食道瘻のリスクを最小化することが示唆されてきた。心房食道瘻の不在は、本試験において促進された。実際に、本試験で観察された食道潰瘍性出血の単一のケースは、合併症発生率が試験アブレーションモード戦略を用いても増大しないことを確実にするために、注意深さを維持しなければならないということを明らかにするものである。
【0293】
試験アブレーションモードにおいてカテーテル28を用いて観察された凝塊の全体的な発生率は、対照カテーテル1と臨床的に同様であり、対照カテーテル2と比較して著しく少ないことが示された。試験アブレーションモードにおいてカテーテル28を用いて観察されたスチームポップの全体的な発生率は、対照カテーテル1及び2と比較して臨床的に同等であった。損傷部特性は、カテーテル28と対照カテーテルとの間で臨床的に類似していた。試験アブレーションモードにおけるカテーテル28の全体的な性能は、電力制御アブレーションモードにおける対照カテーテル1及び2と臨床的に類似しているか、あるいはそれらよりも良好であった。
【0294】
試験アブレーションモードで使用されるときのカテーテル28の凝塊及びスチームポップなどのエンドポイントを含む全体的な安全性及び性能は、電力制御モードで使用されるときの対照カテーテル1及び2と比較して臨床的に同様であることが示された。試験アブレーションモードにおけるカテーテル28について特定された最大アブレーションパラメータが試験され、この試験の結果に基づいて臨床的に安全かつ臨床的に有効であると評価されている。
【0295】
カテーテル28上で炭化物/凝塊は観察されなかった。カテーテル28を用いて観察されたスチームポップの全体的な発生率(RAにおいて0、LVにおいて5/9、全ての他の位置において0)は、対照カテーテル1(RAにおいて0、PVIの間において3/36、LA壁において5/12、LVにおいて5/6、RVにおいて1/7)と比較して低かった。重要なことに、試験設定において試験アブレーションモードを用いてカテーテル28を使用した左心房アブレーションと右心房アブレーションの両方におけるスチームポップ生起の発生率はゼロであった。
【0296】
本試験では、カテーテル28は、その試験アブレーションモードで使用されたとき、4つの心腔全てにおいて、臨床的に有効な電位図信号減衰及び対照カテーテル1と比較して臨床的に同等又はより良好な損傷部を生成することが可能であった。カテーテル28に接続して使用される発生器もまた、カテーテル28の電極温度応答及び電力設定に基づいて灌注流量をうまく修正して、試験アブレーションモードで使用されるときの温度限界を維持することが可能であることが示された。温度目標及び流量設定を使用した試験アブレーションモードを用いるカテーテル28は、全ての許容基準を満たすことが示された。試験アブレーションモードを用いたカテーテル28の全体的な機能性及び臨床的安全性は、対照カテーテル1と臨床的に同等以上であることが証明された。
【0297】
本試験では、垂直な向き平行な向きの両方で試験された場合、電力制御モードにある対照カテーテル1と比較して、試験アブレーションモードを用いてカテーテル28で観測される凝塊の全体的な発生率に有意な違いは存在しなかった。結論として、カテーテル28のこの試験は、その臨床的実現性及び関連する安全性を実証した。
【0298】
第2の試験では、本開示のカテーテル28は、図30Aに示されるように、約21.9キログラムの平均体重を有する6匹のイヌにおける大腿筋及び拍動心臓モデルで適用された、温度制御された90W-4秒のアブレーションモードで評価された。この試験では、図30Bに示されるように、組織温度傾向及び加熱パターンを1回のアブレーションと2回のアブレーションとで比較するために、カテーテル先端の下方の約3mmの深さで各患者の大腿筋に、光学温度センサーが配置された。損傷部深さは、RF印加に従って測定された。様々なサイズの損傷部タグを使用して、イヌの拍動する心臓でRA線状損傷部の完全性及び損傷部間の任意の間隙が試験及び検査された。
【0299】
第2の試験では、4秒の中断期間を伴う2回の90W-4S印加は、図31Aに見られるように、67.5℃~76.3℃を含む更なる組織温度上昇を引き起こしたことが観察された。第2の試験はまた、炭化物、凝塊、又はスチームポップが観察されることなく、図31Bに見られるように、拍動心臓と大腿筋の両方において40%より深い損傷部をもたらした。また、全体的な病理学により、2mmのRFタグを使用するとき、重複した連続的なRF損傷線が生成されたことも示された。4mmのRFタグを使用して損傷線に間隙が検出され、同様に、3mmタグを使用して、重複損傷部を最小限に抑えて連続的な損傷線が形成された。したがって、第2の試験では、3mmの損傷部タグ及び点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを使用するとき、90W-4Sによって、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁に連続的かつ経壁的な線形損傷線が形成されたと結論付けられた。意図的に重複された90W-4S印加によって、より深い損傷部が意図的に形成された。
【0300】
図32は、本開示による一方法3200の図式的な概要を表す。方法3200は、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすること(3210)と、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすること(3220)と、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施すること(3230)と、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中にアブレーションカテーテルシステムによって静脈内ラインを介して送達される全流体を臨床的に改善すること(3240)と、を含み得る。
【0301】
図33は、本開示による一方法3300の図式的な概要を表す。方法3300は、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入すること(3310)であって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすること(3320)と、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、アブレーションカテーテルシステムによって、完全な肺静脈隔離を達成すること(3330)と、を含み得る。
【0302】
図34は、本開示による一方法3400の図式的な概要を表す。方法3400は、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入すること(3410)と、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢すること(3420)と、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成すること(3430)と、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中に当該生成されたエネルギーを伝達すること(3440)と、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすること(3450)と、アブレーションカテーテルシステムによって、安全性及び有効性を臨床的に改善すること(3460)であって、結果として、RFアブレーション時間が、PAF用の以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回る、改善することと、を含み得る。
【0303】
図35は、本開示による一方法3500の図式的な概要を表す。方法3500は、脈管構造内の治療部位に診断カテーテルを選択的に位置決めすること(3510)と、治療部位において、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすること(3520)と、アブレーションカテーテルシステムを用いて治療部位において組織をアブレーションすることによってPVIを実施すること(3530)と、アブレーションカテーテルシステムにより、アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約5~30グラムの範囲で作用する接触力によってPAFの安全性及び有効性を臨床的に改善すること(3540)と、を含み得る。
【0304】
図36は、本開示による一方法3600の図式的な概要を表す。方法3600は、心臓組織を含んだ治療部位にいずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入すること(3610)であって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、近接して身体内にある少なくとも1つのセンサーと、を含む、挿入することと、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすること(3620)と、大幅に短い総処置時間、アブレーション時間、X線透視時間、及び高周波印加時間によって、PAFの臨床的に改善された安全性及び有効性を達成すること(3630)と、を含み得る。
【0305】
図37は、本開示による一方法3700の図式的な概要を表す。方法3700は、生体の身体の中に、いずれかの先の主張に従うアブレーションカテーテルシステムを挿入すること(3710)と、身体内の心臓組織と接触するようにアブレーションカテーテルシステムを付勢すること(3720)と、ある電流レベルにある電力出力レベルでアブレーションエネルギーを生成すること(3730)と、アブレーションカテーテルシステムを介して、組織の中に当該生成されたエネルギーを伝達すること(3740)と、アブレーションカテーテルシステムを用いて心臓組織をアブレーションすること(3750)と、アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び90Wを含む電力設定でアブレーションカテーテルシステムを使用した左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起のゼロ発生率を達成すること(3760)と、を含み得る。
【0306】
図38は、本開示による一方法3800の図式的な概要を表す。方法3800は、治療部位においてアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めする方法(3810)と、印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を用いたアブレーションカテーテルシステムで、治療部位において組織をアブレーションすること(3820)と、を含み得る。
【0307】
図39は、本開示による一方法3900の図式的な概要を表す。方法3900は、心臓組織を含んだ治療部位にアブレーションカテーテルシステムを送達すること(3910)であって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、他方に近接する少なくとも1つのセンサーと、を含む、送達することと、アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び約90Wを含む電力設定で心臓組織をアブレーションすること(3920)と、PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、アブレーションカテーテルシステムによって、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成すること(3930)と、を含み得る。
【0308】
本開示の方法、システム、及び装置は、PAFなどの特定の状態を有する患者で使用するための臨床的に有効かつ/又は安全なマッピングカテーテルシステムを例示した。特有の構成、材料の選択、並びに様々な要素のサイズ及び形状は、開示する技術の原理によって構築されたシステム又は方法を必要とする特定の設計仕様又は制約に応じて変更され得る。そのような変更は、開示する技術の範囲内に包含されることが意図される。したがって、本明細書に開示する実施形態は、あらゆる観点から限定的ではなく例示的であると考えられる。したがって、上記から、本開示の特定の形態について図示及び説明したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができ、その意味及び均等物の範囲内のあらゆる変更は、本開示に包含されることが意図されることが明らかであろう。
【0309】
以下の項目は、本開示の非限定的な実施形態を列挙する。
1.薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムであって、
細長い本体と、
細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、遠位部分の壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、
近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含み、
当該システムは、印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含んだアブレーションモードを備えて構成されている、システム。
2.アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている、項目1に記載のシステム。
3.
細長い本体によって、また細長い本体を通じて治療溶液の注入を送達するように構成された灌注ポンプを更に含む、項目1に記載のシステム。
4.灌注ポンプは、高周波エネルギーが高周波アブレーション中に送達されていないときに、約2ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている、項目3に記載のシステム。
5.灌注ポンプは、高周波エネルギーが高周波アブレーション中に送達されていないときに、約8ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている、項目3に記載のシステム。
6.使用中にカテーテルシステムによって治療部位に加えられる接触力を検出するための力感覚システムを更に備え、システムと標的部位との間の接触力が約5~30グラムの範囲に及ぶ、項目1に記載のシステム。
7.システムは、アブレーションモードを使用して、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方において、スチームポップ生起のゼロの発生率を達成するように構成されている、項目1に記載のシステム。
8.アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で少なくとも約13%、最高組織温度を上昇させるように構成されている、項目1に記載のシステム。
9.アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、アブレーションモードは、アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約10~30グラムの範囲に及ぶ接触力を更に含む、項目1に記載のシステム。
10.アブレーションモードは、第1の殻アブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、炭化物、凝塊、スチームポップの形成を回避する、項目1に記載のシステム。
11.アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む、項目1に記載のシステム。
12.アブレーションモードは温度制御及び灌注リンクを含む、項目1に記載のシステム。
13.電極アセンブリは、1つ以上のリング電極と微小電極とを備え、カテーテルシステムは、アイドル状態の間及び高周波アブレーションの間、1つ以上のリング電極及び微小電極からのペースを臨床的に改善するように構成されている、項目1に記載のシステム。
14.システムは、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回る高周波アブレーション時間を達成するように構成されている、項目1に記載のシステム。
15.微小要素の遠位端部は、シェルの壁の外側の露出部分を含み、微小要素は温度感知用に構成されている、項目1に記載のシステム。
16.微小要素は、インピーダンス感知用に構成された第1の複数の第1の微小要素と、温度感知用に構成された第2の複数の第2の微小要素と、を更に含む、項目1に記載のシステム。
17.第1の微小要素の遠位端部は、電極アセンブリの長手方向軸を中心として、シェルの遠位部分の外周に沿った放射状のパターンをなして配列されている、項目16に記載のシステム。
18.システムであって、
細長い本体と、
細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成され、壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、
近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通って延在する微小要素と、を備え、
当該システムは、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方おけるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成するために、約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含むアブレーションモードを備えて構成されている、システム。
19.アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを伴って構成されている、項目18に記載のシステム。
20.アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている、項目18に記載のシステム。
21.方法又は使用であって、
治療部位においてアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、
印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を用いたアブレーションカテーテルシステムで、治療部位において組織をアブレーションすることと、を含む、方法又は使用。
22.当該方法又は使用は、アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中に、約76℃の最高組織温度を治療部位に対して達成することを含み得る、項目21に記載の方法又は使用。
23.組織をアブレーションする工程は、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で少なくとも約13%、最高組織温度を上昇させることを更に含む、項目21に記載の方法又は使用。
24.組織をアブレーションする工程は、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む、項目21に記載の方法又は使用。
25.組織をアブレーションする工程は、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で更に約40%深い損傷部深さを達成することを含み、本方法又は使用は、治療部位に、アブレーションカテーテルシステムの遠位端部によって、約5~30グラムの範囲に及ぶ接触力を印加することを更に含む、項目21に記載の方法又は使用。
26.アブレーションカテーテルシステムは、
細長い本体と、
内側チャンバと壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリと、
近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含む、項目21に記載の方法又は使用。
27.所定の患者集団の大きさは、少なくとも約50人の患者である、項目21に記載の方法又は使用。
28.
高周波アブレーションの間に高周波エネルギーを送達しないとき、細長い本体によって、また細長い本体を通じて、約8ミリリットル/分の治療溶液の連続注入を送達することを更に含む、項目21に記載の方法又は使用。
29.
臨床的に有効なアブレーションが電位図の低減及び/又はインピーダンスの低下によって判断して20秒以内に達成された場合に、アブレーションカテーテルシステムを約4ミリメートル、移動させることを更に含む、項目21に記載の方法又は使用。
30.方法又は使用であって、
心臓組織を含んだ治療部位にアブレーションカテーテルシステムを送達することであって、当該システムは、少なくとも1つの電極と、他方に近接する少なくとも1つのセンサーと、を含む、送達することと、
アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び約90Wを含む電力設定で心臓組織をアブレーションすることと、
PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、アブレーションカテーテルシステムによって、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成することと、を含む、方法又は使用。
31.アブレーションカテーテルシステムは、
細長い本体と、
内側チャンバと壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリと、
近位部分と遠位部分との間で内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、遠位端部は、壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含む、項目30に記載の方法又は使用。
32.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約7.5グラムの平均力を印加することと、約50℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
33.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約9グラムの平均力を印加することと、約55℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
34.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約17.7グラムの平均力を印加することと、約1360℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
35.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中にアブレーションカテーテルシステムによって心臓組織に約13.6グラムの平均力を印加することと、約1360℃の標的温度及び約2秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
36.アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中に治療部位に約380ミリリットル以下の所定の灌注流量の治療流体を送達することを更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
37.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約105分以下の総アブレーション処置時間を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
38.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約46分以下の総アブレーション処置時間を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
39.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約6.5分以下又はそれ未満の総X線透視時間を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
40.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約8分以下の総高周波印加持続時間を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
41.完全な肺静脈隔離を達成する工程は、治療部位の後壁上における30秒の総高周波印加持続時間を更に含む、項目31に記載の方法又は使用。
42.心臓組織をアブレーションする工程は、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む、項目31に記載の方法又は使用。
【0310】
〔実施の態様〕
(1) 薬物不応性の症候性発作性心房細動(PAF)のためのアブレーションカテーテルシステムであって、
細長い本体と、
前記細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成されたシェルを備え、前記遠位部分の前記壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、
前記近位部分と前記遠位部分との間で前記内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、前記少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、前記遠位端部は、前記壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含み、
前記システムは、印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含んだアブレーションモードを備えて構成されている、システム。
(2) 前記アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記細長い本体によって、また前記細長い本体を通じて治療溶液の注入を送達するように構成された灌注ポンプを更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記灌注ポンプは、高周波エネルギーが高周波アブレーション中に送達されていないときに、約2ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記灌注ポンプは、高周波エネルギーが高周波アブレーション中に送達されていないときに、約8ミリリットル/分の治療溶液を送達するように構成されている、実施態様3に記載のシステム。
【0311】
(6) 使用中に前記カテーテルシステムによって前記治療部位に加えられる接触力を検出するための力感覚システムを更に備え、前記システムと標的部位との間の前記接触力が約5~30グラムの範囲に及ぶ、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記システムは、前記アブレーションモードを使用して、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方において、スチームポップ生起のゼロの発生率を達成するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で少なくとも約13%、最高組織温度を上昇させるように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、前記アブレーションモードは、前記アブレーションカテーテルシステムと標的部位との間の約10~30グラムの範囲に及ぶ接触力を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記アブレーションモードは、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で損傷部を約40%、更に深くさせるように構成されており、炭化物、凝塊、及びスチームポップのうちの少なくとも1つの形成を回避する、実施態様1に記載のシステム。
【0312】
(11) 前記アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、前記心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む、実施態様1に記載のシステム。
(12) 前記アブレーションモードは温度制御及び灌注リンクを含む、実施態様1に記載のシステム。
(13) 前記電極アセンブリは、1つ以上のリング電極と微小電極とを備え、前記カテーテルシステムは、アイドル状態の間及び高周波アブレーションの間、1つ以上のリング電極及び微小電極からのペースを臨床的に改善するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(14) 前記システムは、PAFを治療するための以前の臨床的に承認されたカテーテルシステムのアブレーション時間と比較して、少なくとも約80%下回る高周波アブレーション時間を達成するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(15) 前記微小要素の前記遠位端部は、前記シェルの前記壁の外側の露出部分を含み、前記微小要素は温度感知用に構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0313】
(16) 前記微小要素は、インピーダンス感知用に構成された第1の複数の第1の微小要素と、温度感知用に構成された第2の複数の第2の微小要素と、を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(17) 前記第1の微小要素の遠位端部は、前記電極アセンブリの長手方向軸を中心として、前記シェルの前記遠位部分の外周に沿った放射状のパターンをなして配列されている、実施態様16に記載のシステム。
(18) システムであって、
細長い本体と、
前記細長い本体に結合された電極アセンブリであって、内側チャンバと、近位部分及び遠位部分を画定する壁とを備えて構成され、前記壁は少なくとも1つの開口部を有する、電極アセンブリと、
前記近位部分と前記遠位部分との間で前記内側チャンバを通って延在する微小要素と、を備え、
前記システムは、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成するために、約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を含むアブレーションモードを備えて構成されている、システム。
(19) 前記アブレーションモードは、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、前記心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを伴って構成されている、実施態様18に記載のシステム。
(20) 前記アブレーションモードは、約76℃の最高組織温度を引き起こすように構成されている、実施態様18に記載のシステム。
【0314】
(21) 方法又は使用であって、
治療部位においてアブレーションカテーテルシステムを選択的に位置決めすることと、
印加の間の約4秒の中断期間を伴って約4秒きざみで組織に印加される約90Wの電力設定を用いた前記アブレーションカテーテルシステムで、前記治療部位において組織をアブレーションすることと、
を含む、方法又は使用。
(22) 前記アブレーションカテーテルシステムによって、アブレーション処置中に、約76℃の最高組織温度を前記治療部位に対して達成することを更に含む、実施態様21に記載の方法又は使用。
(23) 前記組織をアブレーションする工程は、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で少なくとも約13%、最高組織温度を上昇させることを更に含む、実施態様21に記載の方法又は使用。
(24) 前記組織をアブレーションする工程は、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、前記心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む、実施態様21に記載の方法又は使用。
(25) 前記組織をアブレーションする工程は、第1のアブレーション印加と第2のアブレーション印加との間で更に約40%深い損傷部深さを達成することを含み、前記方法又は使用は、前記治療部位に、前記アブレーションカテーテルシステムの遠位端部によって、約5~30グラムの範囲に及ぶ接触力を印加することを更に含む、実施態様21に記載の方法又は使用。
【0315】
(26) 前記アブレーションカテーテルシステムは、
細長い本体と、
内側チャンバと壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリと、
近位部分と遠位部分との間で前記内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、前記遠位端部は、前記壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含む、実施態様21に記載の方法又は使用。
(27) 所定の患者集団の大きさは、少なくとも約50人の患者である、実施態様21に記載の方法又は使用。
(28) 高周波アブレーションの間に高周波エネルギーを送達しないとき、前記細長い本体によって、また前記細長い本体を通じて、約8ミリリットル/分の治療溶液の連続注入を送達することを更に含む、実施態様21に記載の方法又は使用。
(29) 臨床的に有効なアブレーションが電位図の低減及び/又はインピーダンスの低下によって判断して20秒以内に達成された場合に、前記アブレーションカテーテルシステムを約4ミリメートル、移動させることを更に含む、実施態様21に記載の方法又は使用。
(30) 方法又は使用であって、
心臓組織を含んだ治療部位にアブレーションカテーテルシステムを送達することであって、前記システムは、少なくとも1つの電極と、他方に近接する少なくとも1つのセンサーと、を含む、送達することと、
前記アブレーションカテーテルシステムによって、所定の灌注流体速度及び約90Wを含む電力設定で心臓組織をアブレーションすることと、
PAFに罹患している所定の患者集団の全ての患者に対して、前記アブレーションカテーテルシステムによって、左心房アブレーションと右心房アブレーションとの両方におけるスチームポップ生起の約ゼロの発生率及び完全な肺静脈隔離を達成することと、を含む、方法又は使用。
【0316】
(31) 前記アブレーションカテーテルシステムは、
細長い本体と、
内側チャンバと壁とを備えて構成されたシェルを備える電極アセンブリと、
近位部分と遠位部分との間で前記内側チャンバを通じて延在する微小要素であって、少なくとも1つの開口部内に受容される遠位端部を有し、前記遠位端部は、前記壁の外側表面と少なくとも同一の広がりを持つ、微小要素と、を含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(32) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中に前記アブレーションカテーテルシステムによって前記心臓組織に約7.5グラムの平均力を印加することと、約50℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(33) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中に前記アブレーションカテーテルシステムによって前記心臓組織に約9グラムの平均力を印加することと、約55℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(34) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中に前記アブレーションカテーテルシステムによって前記心臓組織に約17.7グラムの平均力を印加することと、約1360℃の標的温度及び約4秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(35) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、使用中に前記アブレーションカテーテルシステムによって前記心臓組織に約13.6グラムの平均力を印加することと、約1360℃の標的温度及び約2秒のアブレーション持続時間を達成することと、を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
【0317】
(36) 前記アブレーションカテーテルシステムによって、前記アブレーション処置中に前記治療部位に約380mL以下の所定の灌注流量の治療流体を送達することを更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(37) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約105分以下の総アブレーション処置時間を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(38) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約46分以下の総アブレーション処置時間を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(39) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約6.5分以下又はそれ未満の総X線透視時間を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(40) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、約8分以下の総高周波印加持続時間を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
【0318】
(41) 前記完全な肺静脈隔離を達成する工程は、前記治療部位の後壁上における30秒の総高周波印加持続時間を更に含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
(42) 前記心臓組織を前記アブレーションする工程は、損傷部の重なり合いを最小限に抑えて、前記心房壁における連続的かつ経壁的な直線状損傷線を生じさせる点ごとの「口付け」アブレーションアプローチを含む、実施態様30に記載の方法又は使用。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図28
図29
図30A
図30B
図31A
図31B
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
【国際調査報告】