(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】ドライブトレイン内の分離可能な連結具を有するパーソナルケア装置
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20220629BHJP
A61C 17/34 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A61H23/02 330
A61C17/34 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565025
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 IB2020054035
(87)【国際公開番号】W WO2020222136
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペドロ サンチェス マルティネス
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ブドケ
【テーマコード(参考)】
3B202
4C074
【Fターム(参考)】
3B202AA02
3B202AA07
3B202BD03
3B202BE09
4C074BB01
4C074DD01
4C074GG01
4C074HH10
(57)【要約】
本開示は、被駆動処理ヘッドを有するヘッド部分と、運動方向を有する運動を提供するための駆動ユニットを有するハンドル部分と、駆動ユニットから被駆動処理ヘッドに運動を伝達するための、駆動ユニットと被駆動処理ヘッドとの間に延在するドライブトレインであって、分離可能な連結具を有する、ドライブトレインと、を有するパーソナルケア装置に関する。分離可能な連結具は、第1の連結要素を有する第1の連結部と、第2の連結要素を有する第2の連結部であって、第1の連結要素と第2の連結要素とは互いに分離可能に係合される、第2の連結部と、第1の連結要素と第2の連結要素とが運動方向に沿って間隙のないやり方で係合されるように、第1の連結要素及び第2の連結要素を互いに対して付勢する弾性要素と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア装置であって、
被駆動処理ヘッドを有するヘッド部分と、
運動方向を有する運動を提供するための駆動ユニットを有するハンドル部分と、
前記駆動ユニットから前記被駆動処理ヘッドに前記運動を伝達するための、前記駆動ユニットと前記被駆動処理ヘッドとの間に延在するドライブトレインであって、分離可能な連結具を含み、
前記分離可能な連結具は、
第1の連結要素を有する第1の連結部と、
第2の連結要素を有する第2の連結部であって、前記第1の連結要素と前記第2の連結要素とが互いに分離可能に係合される、第2の連結部と、
前記第1の連結要素と第2の連結要素とが、前記運動方向に沿って間隙のないやり方で係合されるように、前記第1の連結要素及び前記第2の連結要素を互いに対して付勢する弾性要素と、を含む、ドライブトレインと、を含む、パーソナルケア装置。
【請求項2】
前記弾性要素が、前記第1の連結要素の力伝達面及び前記第2の連結要素の力伝達面を互いに対して付勢するように配置されている、請求項1に記載のパーソナルケア装置。
【請求項3】
前記運動が回転運動であり、具体的には、前記ドライブトレインが、前記分離可能な連結具によって連結された第1のシャフト及び第2のシャフトを含み、前記第1のシャフトは前記駆動ユニットと連結され、前記回転運動は、前記第1のシャフトの長手方向軸の周りの運動であり、前記運動方向は、前記第1のシャフトに関して円周方向である、請求項1又は請求項2に記載のパーソナルケア装置。
【請求項4】
前記第1の連結要素及び前記第2の連結要素が、第1の一対の連結要素を形成し、前記分離可能な連結具が、少なくとも第2の一対の連結要素を含み、特に少なくとも3つの一対の連結要素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項5】
前記分離可能な連結具が、第2の弾性要素を含み、前記第2の弾性要素は、前記運動方向が反転されたときに、前記第2の一対の連結要素の力伝達面が互いに相互作用するように、前記第2の一対の連結要素の前記連結要素を互いに対して押すように配置されている、請求項4に記載のパーソナルケア装置。
【請求項6】
前記第1の連結要素又は前記第2の連結要のうちの一方が、受け部として実現され、前記第1の連結要素又は前記第2の連結要のうちの他方が、前記受け部と分離可能に係合する突起、特にピンとして実現される、請求項1~5のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項7】
前記受け部が、分離方向に沿って開放端部を有し、前記受け部の前記開放端部に面取り部が形成されている、請求項6に記載のパーソナルケア装置。
【請求項8】
前記弾性要素が、前記第1の連結部又は前記第2の連結部のうちの1つと一体である、請求項1~7のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項9】
前記弾性要素、及び前記弾性要素が一体的に実現される前記連結部が、プラスチック材料から作製され、特に、前記プラスチック材料がポリオキシメチレン材料である、請求項8に記載のパーソナルケア装置。
【請求項10】
前記弾性要素が、前記連結具が前記連結状態にあるときに偏倚されるように配置されたばねアームを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項11】
前記弾性要素が、前記パーソナルケア装置の動作中に前記逆運動方向に通常印加される力よりも大きい付勢力を提供するように設計されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項12】
前記被駆動処理ヘッド及び前記ハンドル部分が、少なくとも第1の枢動軸を中心に互いに対して枢動可能であるように配置され、特に、前記第1の枢動軸の周りの前記全枢動角度は、1度~50度の範囲にある、請求項1~11のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項13】
前記分離可能な連結具が分離可能な自在継ぎ手で実現される、請求項1~12のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項14】
前記ハンドル部分と前記ヘッド部分とを機械的に接続するための少なくとも1つの一対の分離可能な機械的コネクタ要素を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【請求項15】
前記弾性要素が、ばね用金属、特にばね用金属シートから少なくとも部分的に作製されている、請求項1~8及び10~14のいずれか一項に記載のパーソナルケア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動ユニットを被駆動処理ヘッドと連結するためのドライブトレインを有するパーソナルケア装置であって、ドライブトレインが分離可能な連結具を有する、パーソナルケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア装置は、ハンドル部分と、例えば洗浄目的又は交換のためにハンドル部分から取り外すことができるヘッド部分と、を含み得ることが一般的に知られている。ヘッド部分が被駆動処理ヘッドを含む場合には、ハンドル部分の駆動ユニットとヘッド部分の被駆動処理ヘッドとの間のドライブトレインは分離可能でなければならない必要がある。したがって、分離可能な連結部は、例えば、取り付けられた状態で互いに係合し、ヘッド部分とハンドル部分とが互いに分離されると係合離脱するギア歯を有する、2つの歯車を含んでいてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
記載されたタイプのパーソナルケア装置を改善すること、特に、そのノイズ挙動及び/又は分離可能な連結部の摩耗に関して改善することが、全体的な目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、パーソナルケア装置であって、被駆動処理ヘッドを有するヘッド部分と、運動方向を有する運動を提供するための駆動ユニットを有するハンドル部分と、駆動ユニットから被駆動処理ヘッドに運動を伝達するための、駆動ユニットと被駆動処理ヘッドとの間に延在するドライブトレインであって、分離可能な連結具を有し、分離可能な連結具は、第1の連結要素を有する第1の連結部と、第2の連結要素を有する第2の連結部であって、第1の連結要素と第2の連結要素とは互いに分離可能に係合されている、第2の連結部と、第1の連結要素と第2の連結要素とが、運動方向に沿って間隙のないやり方で係合されるように、第1の連結要素及び第2の連結要素を互いに対して付勢する弾性要素と、を有する、ドライブトレインと、を含む、パーソナルケア装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示及び提案されるパーソナルケア装置は、図面を参照する詳細な説明によって更に明らかになるであろう。図中、
【
図1A】本開示による例示的なパーソナルケア装置の概略図である
【
図2】本開示による分離可能な連結具の1つの例示的な連結部の概略分離斜視図である。
【
図3】本開示による分離可能な連結具の別の例示的な連結部の概略分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書の文脈において、「パーソナルケア」とは、皮膚及びその付属器(すなわち、毛及び爪)並びに、歯及び口腔(舌、歯茎などを含む)の育成(又はケア)を意味するものとし、一方では、疾病の予防並びに健康の維持及び増強(「ケア」)を目指し、また一方では、皮膚及びその付属器、並びに歯及び口腔の美容的処置及び外観の改善を目指すものである。これは、ウェルビーイングの維持及び強化を含む。これは、スキンケア、ヘアケア、口腔ケア、及びネイルケアを含む。これは、顎ひげケア、シェービング、及び脱毛など整容動作を更に含む。したがって、「パーソナルケアデバイス」とは、このような育成又は整容動作を実行するための任意のデバイス、例えば、皮膚マッサージデバイス又は皮膚ブラシなどの(美容)皮膚処置デバイス;湿式かみそり;電気シェーバー又はトリマー;電動脱毛器;及び手動又は電動の歯ブラシ、(電気)フロッサー、(電気)洗浄器、(電気)舌クリーナー、又は(電気)歯肉マッサージ器などの口腔ケアデバイスを意味する。これは、本提案のパーソナルケアシステムが、このような育成又はデバイスの領域のうちの1つ又は複数の領域で、これらの育成又はデバイスの領域のうちのそれ以外の1つ又は複数においてよりも、より顕著な利点を有し得ることを除外するものでない。
【0007】
本明細書によれば、提案されるパーソナルケア装置のドライブトレインは、分離可能な連結具を含み、この分離可能な連結具は、第1の連結部及び第2の連結部を含む。第1の連結部は第1の連結要素を含み、第2の連結部は第2の連結要素を含む。第1の連結要素及び第2の連結要素は、取り付けられた状態で互いに係合されて、第1の連結部から第2の連結部への運動の伝達を可能にするか、又はその逆である。分離可能な連結具は、第1の連結要素及び第2の連結要素を互いに対して付勢する弾性要素を更に含み、この付勢によって、2つの連結要素が、特に駆動ユニットから被駆動処理ヘッドに伝達されるべき運動の運動方向に、間隙のないやり方で互いに係合されることが十分に確保される。連結要素間に間隙がないので、2つの連結要素は、動作中に本質的に互いに連結解除されることができない。このような連結解除は、普通であればノイズを発生させる場合があり(連結要素が最終的に互いに衝突するため)、また、2つの係合連結要素の摩耗につながる場合がある。運動方向において、第1の連結要素及び第2の連結要素は、第1の連結要素及び第2の連結要素の一部に設けられる本質的に弾性ではない力伝達面を当接させることによって相互作用する。これは、弾性要素が運動方向ではない他の場所に配置されることを意味する(ただし、2つの弾性要素の配置については以下を参照されたい)。弾性要素は、運動方向と逆向きに配置されてもよい。力伝達面は、意図的に弾性ではない、第1の連結要素及び第2の連結要素の側面に配設される。これにより、良好な力の伝達が可能となり、力伝達面が設けられた部分の偏倚によってエネルギーが消費されない。全ての材料は特定の弾力性を有するため、力伝達面が配置される部分の弾性特性は、弾性要素の弾性特性よりも低いものとする。ばね定数によって表すと、力伝達面が実現される部分のばね定数は、弾性要素のばね定数よりも少なくとも約2倍大きい。
【0008】
弾性要素は、印加された付勢力が、パーソナルケア装置の通常の動作中に逆運動方向に生じる通常の力よりも高くなるように設計されてもよい。付勢力よりも高くかつ逆運動方向に作用する力は、ばね要素を偏倚させるので、第1の連結要素及び第2の連結要素の連結解除をもたらすことになる。したがって、付勢力は、パーソナルケア装置の通常の動作中に生じる典型的な力を測定し、平均して50%以下の処置期間中にのみ、第1の連結要素と第2の連結要素の連結解除が生じるように閾値を設定することによって、あるいは25%以下、又は10%以下、又は5%以下、あるいは4%、3%、2%、又は1%以下であるように閾値を設定することによって、定義され得る。
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、第1の連結要素及び第2の連結部は、連結要素の更なる係合対、例えば、少なくとも第2の一対の連結要素を含む。分離可能な連結具は、3つ又は4つ又はそれ以上の対の係合連結要素を有してもよい。このような実施形態では、第2の弾性要素が提供されてもよく、その際、この第2の弾性要素は、第2の一対の連結要素の各連結要素が互いに付勢されて、逆運動方向に配設された力伝達面で相互作用するように、運動方向に提供されてもよい。これにより、本質的に弾力性でない力伝達面を介した運動伝達の影響を失うことなく、運動方向を反転させることができる。
【0010】
駆動ユニットから被駆動処理ヘッドに伝達される運動は、回転運動であってもよい。いくつかの実施形態では、回転運動は、振動回転運動であってもよく、又はパーソナルケア装置は、例えばボタン又はタッチスクリーンなどのそれぞれの入力装置によって回転運動を逆転させる可能性を含んでもよい。運動が直線運動又はより複雑な運動であることも除外するものではない。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、第1の連結要素は、受容部分(受け部とも呼ばれる)及び突起(例えば、ピン)のうちの一方であり、第2の連結要素は、受容部分及び突起のうちの他方である。受け部は、それに沿って第1の連結部と第2の連結部とが分離されることが意図される方向に開放端部を有してもよい。開放端部は、分離された連結部の容易な取り付けに対応する面取り部を有してもよく、その場合、突起は、2つの連結要素間のオフセットにもかかわらず、面取り部によって、受容部分内に導かれる。
【0012】
弾性要素は、第1の連結部又は第2の連結部のうちの1つと一体に配置されてもよく、例えば、上述の例では、受容部分の片側を形成してもよい。弾性要素は、静止位置から、連結状態における偏倚位置へと偏倚することができるばねアームを含んでもよい。例えば、第1の連結要素は受け部として実現され、第2の連結要素は、連結部が取り付けられたときに受け部と係合する突起として実現される。その際、受け部の片側は、弾性要素、例えば、中空の中に偏倚することができるばねアームによって実現されてもよい。ここで、受け部は、受け部に入る突起の対応する寸法よりも小さく設計されてもよい。次いで、より大きい寸法の突起は、弾性要素のばねアームをその静止状態から偏倚状態へと偏倚させる。そのような偏倚を受けて、弾性要素は、2つの連結要素を互いに押し付ける付勢力を提供する。弾性要素は、具体的には、2つの連結要素が動作中に、既に論じたように、弾性ではない(連結要素が作製されるバルク材料の任意の弾力性は無視する)2つの力伝達面を介して運動を伝達するように、運動方向とは反対の方向に配置されてもよい。弾性要素は、弾性要素が一体的に設けられる連結部と同じ材料から作製されてもよい。材料は、ポリオキシメチレンなどのプラスチック材料であってもよいが、任意の他の材料を除外するものではない。いくつかの実施形態では、弾性要素の少なくとも一部分は、金属から、例えば、プラスチックによって少なくとも部分的にオーバーモールドされ得るばねシートを形成する、例えば、ばね用金属から作製される。
【0013】
パーソナルケア装置の処理ヘッド及びハンドル部分は、少なくとも1つの枢動軸を中心に互いに対して枢動可能であるように配置されてもよい。第1の連結部及び第2の連結部のこのような相対的な枢動運動に適応するために、分離可能な連結具は、分離可能な自在継ぎ手として実現されてもよい。枢動角度は、約1度~約50度の絶対範囲を有してもよい。ハンドル部分及び処理ヘッドはまた、2つの、特に垂直枢動軸を中心に互いに枢動可能であるように配置されてもよい。
【0014】
ハンドル部分及びヘッド部分は、スナップフックとスナップフックを受容するための対応する受け部などの少なくとも1つの一対の分離可能な機械的コネクタ要素によって互いに固定されてもよい。
【0015】
図1Aは、本開示による例示的なパーソナルケア装置1の概略図である。パーソナルケア装置1は、ヘッド部分10と、互いに分離可能に接続されるハンドル部分20と、を有する。ヘッド部分10は、処理ヘッド11を含み、処理ヘッド11は、駆動されて運動するように配置された少なくとも1つの部分を有する(単純化するために、以下では、パーソナルケア装置の動作中に処理ヘッド11が駆動されるとしているが、処理ヘッド11の少なくとも1つの部分が駆動されることと理解されるものとし、完全な処理ヘッド11が駆動されて運動することを除外するものではない)。駆動ユニット30は、ハンドル部分20の中に配設される。ドライブトレイン40は、駆動ユニット30と処理ヘッド11との間に延在して、駆動ユニット30によって提供された運動を処理ヘッド11に伝達する。ドライブトレイン40は分離可能な連結具50を含み、この分離可能な連結具50は、ヘッド部分10とハンドル部分20とが分離されたときに、分離可能な連結具50も分離するように配置されている。ヘッド部分10及びハンドル部分20は、少なくとも1つの一対の機械的コネクタ要素12、22を含んでもよい。ヘッド部分10は機械的コネクタ要素12を含んでもよく、ハンドル部分20は機械的コネクタ要素22を含んでもよく、一対の機械的コネクタ要素12、22は、ヘッド部分10とハンドル部分20とを一緒に機械的に接続する。いくつかの実施形態では、ヘッド部分10及びハンドル部分20は、2つ以上の一対の機械的コネクタ要素を含む。機械的コネクタ要素12、22のうちの一方はスナップフックとして配置されてもよく、他方は、スナップフックの少なくとも一部分、例えばスナップフックのノーズを受容するための受け部として配置されてもよい。これは、他の機械的コネクタ要素を使用することができることを除外するものではない。
【0016】
分離可能な連結具50は、
図1Bに関して詳細に説明されるように、互いに分離可能に係合される第1の連結部510及び第2の連結部520を有する。分離可能な連結具50は、弾性要素530を更に含む。
【0017】
図1Bは、
図1Aに示す分離可能な連結具50の拡大図である。第1の連結部510は第1の連結要素511Aを含み、第2の連結部520は第2の連結要素512Aを含む。ドライブトレイン40は、駆動ユニットによって提供される運動M1を伝達するために第1の連結部510と接続されている第1のシャフト513と、同様に、運動M2を伝達するために第2の連結部520と接続されている第2のシャフト523と、を含み、連結具50は伝達比を有しないため、M2=M1である。連結具50は、第1の連結部510を第2の連結部520に対して分離方向S1に移動させることによって分離させることができ、又は逆もまた同様であり、第2の連結部520を第1の連結部510に対して分離方向S2に移動させることによって分離させることができる。
【0018】
図示の実施形態では、弾性要素530は、第1の連結部510と一体である要素として実現されている。これは非限定的な例として理解されるべきであり、弾性要素530は第2の連結部520に設けられてもよく、又は別の方法で分離可能な連結具50の一部を形成してもよい。図示の例では、弾性要素530は、偏倚した位置にあるばねアーム531を含む(ばねアーム531が偏倚するのに十分な位置を有するように、ばねアーム531の後ろに中空532が設けられている)。このため、ばねアーム531は、付勢力Fを第2の連結要素521Aに加え、それによって、第2の連結要素521Aの力伝達面522Aを第1の連結要素511Aの力伝達面512Aに押し付ける。その設計された弾性特性、すなわちそのばね特性のため、弾性要素530のばねアーム531は、第1の連結部510と第2の連結部520とが係合解除(すなわち分離)すると、その静止位置に戻る。弾性要素530によって、第1の連結要素511Aと第2の連結要素521Aとは、運動M1の運動方向に関して間隙なく係合される。間隙なく係合することにより、及び付勢力Fに起因して、第1の連結要素511Aと第2の連結要素521Aとは、本質的に常にそれらの力伝達面512A、522Aにおいて力伝達接触状態となる。連結要素の間に間隙が存在する場合、駆動ユニットの不均一な運動又は処理ヘッドにかかる負荷により、連結要素が、特に繰り返しゆるく接触し、すると再び接触したときに再度互いに衝突するが、これにより構成要素のノイズ及び摩耗が生じる。弾性要素530は、ばねアーム531において第2の連結要素522Aによって印加され得る典型的な力よりも、付勢力の方が大きくなるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ドライブトレイン40は、弾性要素530おいてに印加される力が制限されるように、過負荷クラッチを含んでもよい。
【0019】
図1Bでは、分離可能な連結具50が2つ以上の一対の連結要素511A、521Aを有し得ることが示されている。第1の連結部510に設けられたそれぞれの受け部状連結要素と係合する、2つの更なるピン状連結要素521B及び521Cが示されている。第1の連結部510と第2の連結部520との相対位置は、第1の一対の連結要素511A、521Aによって画定されるため、任意の他の一対の結合要素は、間隙のないやり方で係合される必要はない。いくつかの実施形態では、第2の弾性要素が存在してもよく、この第2の弾性要素は、弾性要素530及び第1の一対の連結要素511A及び521Aの図示された配置の方への運動M1の運動方向に関して鏡映するやり方で、第2の一対の連結要素と共に配置されてもよい。その際、このような鏡映配置は、運動M1’である逆運動方向の力伝達を引き受けることになる。弾性要素530及び第1の一対の連結要素511A及び521Aの図示された配置のみが存在する場合、運動方向がM1’に反転されたときに、弾性要素530の弾性に起因していくらかのエネルギーが失われる。
【0020】
図2は、本開示による分離可能な連結具の第1の連結部又は第2の連結部として利用され得る例示的な連結部300の概略斜視図である。連結部300は、シャフト310の端部に配置され、基部要素320と突起321、322、及び323とを含む。これら突起321、322、及び323はそれぞれ、基部要素320から半径方向外向きに延びるピンとして実現され、隣接する突起の対である321及び322、322及び323、並びに323及び321の各対の間は180度だけ角度オフセットされている。突起321、322、及び323(すなわち、それらの中心線)は、シャフト310がそれに沿って延在する長手方向軸に垂直な平面内に延在する。図示の例とは対照的に、1つの連結部が、分離可能な連結具の他の連結部の受容部分と係合する1つの突起を有していれば、基本的に十分である。1つの突起、又は示されるような3つの突起の代わりに、それぞれの連結部は、2つの突起又は4つの突起等を有してもよい。突起として設けられる連結要素は、任意の形態をとることができ、ピンに限定されない。突起として実現される2つ以上の連結要素の場合、連結要素のそれぞれは、それ自体の形状及び位置を有してもよい。
【0021】
図3は、本開示による分離可能な連結具の第1の連結部又は第2の連結部として利用され得る例示的な連結部400の概略斜視図である。具体的には、連結部400は、分離可能な連結具を形成するために、
図2に示される連結部300と係合されてもよい。連結部400は、シャフト410の端部に配置され、基部要素420、及び3つの受容部分421、422、及び423、並びに弾性要素430も含む。受容部分421、422、及び423のそれぞれは、基部要素420と、隣接する壁要素421A、422A、423Aの壁とによって形成され、受容部分421の場合、壁のうちの1つは、弾性要素430のばねアーム431の壁によって画定される。壁要素421A、422A及び423Aはそれぞれ、シャフト要素410の長手方向延在方向に平行な方向に延在する。連結要素400が係合連結部からそれぞれの突起を受容すると、突起並びに受容部分421、422、及び423は、壁要素421A、422A、及び423Aの力伝達面421F、422F、及び423Fに沿ってそれぞれ相互作用することを意図して、反時計回り方向の動きM3がもたらされる。更に、受容部分421と係合する突起が受容部分421の開放幅よりも周囲方向にわずかに大きい寸法を有することと、突起が、弾性要素430のアーム431を、その図示された静止位置から、ばねアームが中空432内に移動されて突起を伝達面421Fに対して付勢する偏倚位置へと屈曲させることと、が意図されている。この配置により、突起(例えば、
図2に示すような突起321)と受容部分421とは、周囲方向(すなわち、運動M3の方向)に間隙のないやり方で係合し、動作中に突起と受容部分とが繰り返し連結解除することによるノイズ及び摩耗が効果的に低減される。
【0022】
図2及び
図3に示されるような、それぞれが突起のみ又は受容部分のみを有する2つの係合連結部の代わりに、係合連結部は、それぞれが突起と受容部分の組み合わせを有してもよい。例えば、各連結部は、1つの突起と、1つの受容部分と、を有していてもよい。
【0023】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【国際調査報告】