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特表2022-531420コンテナを画像化するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】コンテナを画像化するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/34 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
B07C5/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565113
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 EP2020061798
(87)【国際公開番号】W WO2020221767
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】1906157.1
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】クランシー、トム
(72)【発明者】
【氏名】ポポブ、イベイロ
(72)【発明者】
【氏名】マクリス、クリストス
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079AD11
3F079CB24
3F079CB29
3F079CB33
3F079CB35
3F079CC01
(57)【要約】
画像化ユニットを制御してトレイ/コンテナの画像化を行う制御ユニットを提供する。制御ユニットはさらに、自動化された機械を使用して、及び/又は人間にアクションを実行するように指示して、コンテナに対するアクションを実行させるように構成される。特に、本発明は、画像化ユニットによって捕捉されたコンテナの画像に基づいて、コンテナ中の汚染の存在を検出するように構成された制御ユニットを提供し、制御ユニットは、画像化ユニットからコンテナの画像を受信するように構成された受信ユニットを備える。制御ユニットは、受信した画像に基づいてコンテナが汚染されているかどうかを決定するように構成された決定ユニットと、コンテナが汚染されていると決定ユニットが決定したときに、コンテナを清掃ユニットに向けるように構成された命令ユニットとをさらに備える。さらに、本発明は、画像化ユニットによって捕捉された製品の画像に基づいて、製品を検出するように構成された制御ユニットも提供し、制御ユニットは、画像化ユニットから製品の画像を受信するように構成された画像受信ユニットを備える。制御ユニットは、受信した画像に基づいて製品のアイデンティティを決定するように構成された決定ユニットと、決定ユニットが製品のアイデンティティを決定しないときに、決定ユニットが製品のアイデンティティを決定しなかったことを表示するように表示ユニットに命令するように構成された命令ユニットとをさらに備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化ユニットによって捕捉されたコンテナの画像に基づいて、前記コンテナ中の汚染の存在を検出するように構成された制御ユニットであって、
前記画像化ユニットから前記コンテナの画像を受信するように構成された受信ユニットと、
前記受信した画像に基づいて、前記コンテナが汚染されているかどうかを決定するように構成された決定ユニットと、
前記コンテナが汚染されていると前記決定ユニットが決定したとき、前記コンテナを清掃ユニットに向けるように構成された命令ユニットとを備える、制御ユニット。
【請求項2】
前記決定ユニットは、前記受信した画像に基づいて前記コンテナが汚染されていないかどうかを決定するようにさらに構成され、
前記コンテナが汚染されていないと前記決定ユニットが決定したとき、前記命令ユニットは、前記コンテナを充填ユニットに向けるようにさらに構成される、請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項3】
前記決定ユニットは、統計モデルに基づいて前記コンテナが汚染されているかどうかを決定するように構成される、請求項1又は2に記載の制御ユニット。
【請求項4】
前記制御ユニットは、汚染されているコンテナの、画像化ユニットによって捕捉された、画像を、及び、汚染されていないコンテナの、画像化ユニットによって捕捉された、画像を記憶するように構成された記憶ユニットをさらに備え、
前記決定ユニットは、前記記憶ユニット中に記憶された情報に基づいて、前記コンテナが汚染されているか汚染されていないかを決定するようにトレーニングされるように構成される、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項5】
前記命令ユニットは、前記コンテナを方向転換するように構成された方向転換ユニットに命令するように構成される、請求項1から4のうちのいずれかに記載の制御ユニット。
【請求項6】
画像化ユニットにより捕捉された製品の画像に基づいて、前記製品を検出するように構成された制御ユニットであって、
前記画像化ユニットから前記製品の画像を受信するように構成された画像受信ユニットと、
前記受信した画像に基づいて、前記製品のアイデンティティを決定するように構成された決定ユニットと、
前記決定ユニットが前記製品の前記アイデンティティを決定しないときに、前記決定ユニットが前記製品の前記アイデンティティを決定しなかったことを表示するように表示ユニットに命令するように構成された命令ユニットと、を備える、制御ユニット。
【請求項7】
前記命令ユニットは、前記決定ユニットが前記製品の前記アイデンティティを決定したときに、前記表示ユニットに、前記決定ユニットが前記製品の前記アイデンティティを決定したことを表示するように命令するように構成される、請求項6に記載の制御ユニット。
【請求項8】
前記命令ユニットは、前記決定ユニットが前記製品の前記アイデンティティを決定したとき、前記表示ユニットに、移動される製品の数を示す数を表示するように命令するように構成される、請求項6又は7に記載の制御ユニット。
【請求項9】
前記決定ユニットは、統計モデルに基づいて、前記製品のアイデンティティを決定するように構成される、請求項6から8のうちのいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項10】
前記制御ユニットは、
前記製品から捕捉された製品識別子を受信するように構成された製品識別子受信ユニットと、
前記受信した画像及び前記受信した製品識別子を記憶するように構成された記憶ユニットと、を備え、
前記決定ユニットは、前記記憶ユニットに記憶された情報に基づいて、前記製品の前記アイデンティティを決定するようにトレーニングされるように構成される、請求項6から9のうちのいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項11】
前記命令ユニットは、前記決定ユニットが前記製品の前記アイデンティティを決定しないとき、捕捉された製品識別子を前記製品が有するべきであることを表示するように前記表示ユニットに命令するように構成される、請求項6から10のうちのいずれか一項に記載の制御ユニット。
【請求項12】
保管システムであって、
複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に伸長する平行なレール又は軌道の第1のセット、及び前記第1のセットを横断するY方向に伸長する平行なレール又は軌道の第2のセットと、
前記レールの下に位置付けられ、各スタックが単一の格子空間の設置面積内に位置付けられるように構成されたコンテナの複数のスタックと、
搬送デバイスと、前記搬送デバイスは、前記レール上の前記スタックの上方で、前記X及びY方向に選択的に移動するように構成され、コンテナを搬送するように構成され、
清掃ユニットと、
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御ユニットと、を備え、ここで、前記制御ユニットは、前記搬送デバイスから受け取ったコンテナを画像化するように構成される保管システム。
【請求項13】
保管システムであって、
複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に伸長する平行なレール又は軌道の第1のセット、及び前記第1のセットを横断するY方向に伸長する平行なレール又は軌道の第2のセットと、
前記レールの下に位置付けられ、各スタックが単一の格子空間の設置面積内に位置付けられるように構成されたコンテナの複数のスタックと、
搬送デバイスと、前記搬送デバイスは、前記レール上の前記スタックの上方で、前記X及びY方向に選択的に移動するように構成され、コンテナを搬送するように構成され、
前記搬送デバイスによって搬送されるコンテナに保管された製品を受け取るように構成されたピッキングステーションと、
請求項6から11のうちのいずれか1項に記載の制御ユニットと、を備える、保管システム。
【請求項14】
前記搬送デバイスは、前記保管システムにおける単一の格子空間のみを占有する設置面積を有し、それにより、1つの格子空間を占有する搬送デバイスは、前記X及びY方向において、隣接する格子空間を占有又は横断する搬送デバイスを妨害しない、請求項12又は13に記載の保管システム。
【請求項15】
画像化ユニットによって捕捉されたコンテナの画像に基づいて、前記コンテナ中の汚染の存在を検出する方法であって、
前記画像化ユニットから前記コンテナの画像を受信するステップと、
前記受信した画像に基づいて、前記コンテナが汚染されているかどうかを決定するステップと、
前記決定するステップが、前記コンテナが汚染されていると決定したときに、前記コンテナを清掃ユニットに向けるステップとを含む、方法。
【請求項16】
画像化ユニットによって捕捉された製品の画像に基づいて、前記製品を検出する方法であって、
前記画像化ユニットから前記製品の画像を受信することと、
前記受信した画像に基づいて、前記製品のアイデンティティを決定することと、
前記決定するステップが前記製品の前記アイデンティティを決定しないとき、前記決定するステップが前記製品の前記アイデンティティを決定しなかったことを表示するように表示ユニットに命令することと、を含む、方法。
【請求項17】
保管システムであって、
複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に伸長する平行なレール又は軌道の第1のセット、及び前記第1のセットを横断するY方向に伸長する平行なレール又は軌道の第2のセットと、
前記レールの下に位置付けられ、各スタックが単一の格子空間の設置面積内に位置付けられるように構成されたコンテナの複数のスタックと、
搬送デバイスと、前記搬送デバイスは、前記レール上の前記スタックの上方で、前記X及びY方向に選択的に移動するように構成され、コンテナを搬送するように構成され、
清掃ユニットと、を備える、保管システム。
【請求項18】
前記搬送デバイスによって搬送されるコンテナ内に保管された製品を受け取るように構成されたピッキングステーションと、をさらに備える、請求項17記載の保管システム。
【請求項19】
前記搬送デバイスは、前記保管システムにおける単一の格子空間のみを占有する設置面積を有し、それにより、1つの格子空間を占有する搬送デバイスは、前記X及びY方向において、隣接する格子空間を占有又は横断する搬送デバイスを妨害しない、請求項17又は18に記載の保管システム。
【請求項20】
入口ポート、出口ポート、又は双方向ポートのうちの少なくとも1つをさらに備え、ポートは、コンテナがないように構成され、前記搬送デバイスを支持するように構成された前記保管システムの柱によって形成される、請求項17から19のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項21】
前記ポートは、前記ポートに対するコンテナのポジションを検出するように構成されたセンサをさらに備える、請求項20に記載の保管システム。
【請求項22】
前記搬送デバイスからコンテナを受け取り、前記コンテナを前記清掃ユニットに移動させることを可能にし、
前記清掃ユニットからコンテナを受け取り、前記搬送デバイスがコンテナをピックアップすることを可能にするように構成されている双方向ポートをさらに備える、請求項17から19のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項23】
前記搬送デバイスは、前記コンテナを前記双方向ポートに置き、グリッパプレートを上昇させて前記コンテナの前方への移動を可能にし、前記双方向ポートが異なるコンテナをポジションに移動させるのを待ち、前記グリッパプレートを下て前記異なるコンテナを把持し、前記異なるコンテナを受け取るように構成されている、請求項22に記載の保管システム。
【請求項24】
前記清掃ユニットは、
コンベヤインフィードと、
ゴミ除去ユニットと、
洗浄ユニットと、
すすぎユニットと、
乾燥ユニットと、
コンベヤアウトフィードと、を備える、請求項17から23のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項25】
前記保管システムは、
前記清掃ユニットを前記保管システムの出口ポート又は双方向ポートに接続するように構成されたインフィードコンベヤと、
前記清掃ユニットを前記保管システムの入口ポート又は双方向ポートに接続するように構成されたアウトフィードコンベヤと、をさらに備える、請求項17から24のうちのいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項26】
コンテナが在庫の保管又は顧客注文の保管に使用されているかどうかを記録し、コンテナが前記清掃ユニットによって清掃されていない限り、コンテナが在庫の保管から顧客注文の保管に、又はその逆に切り替わることを許可しないように構成されたコントローラをさらに備える、請求項17から25のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項27】
前記コントローラは、在庫を保管する各コンテナについて、
最後の洗浄からの経過時間、
最後のコンテナ洗浄からのコールアウトの数、
最後の洗浄から、空にするために前記コンテナがピッキングされた回数、
前記コンテナが汚れているとしてフラグを立てられていること、及び/又は、
コンテナの内容物が設定可能な高リスク製品リスト上で指定されること、を記録するようにさらに構成される、請求項26に記載の保管システム。
【請求項28】
前記コントローラは、顧客注文を保管する各コンテナについて、
最後の洗浄からの経過時間、
最後のコンテナ洗浄からのコールアウトの数、及び/又は、
前記コンテナは、汚れているとしてフラグが立てられていること、を記録するようにさらに構成される、請求項26又は27に記載の保管システム。
【請求項29】
前記コントローラは、前記記録された情報に基づいて、各コンテナについて優先度レベルを指定するようにさらに構成され、第1の優先度レベルのコンテナは、それらが洗浄されるまで使用することができず、
前記コントローラは、洗浄される準備ができており、前記指定された優先度レベルと前記コンテナの洗浄が要求された日時とに基づいて優先順位が付けられた、コンテナのログを記録するようにさらに構成される、請求項27又は請求項28に記載の保管システム。
【請求項30】
前記コントローラは、いったん前記コンテナが前記清掃ユニットから戻ると、前記コンテナに関する情報をリセットするように構成される、請求項27から29のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項31】
前記保管システムは、コンテナを前記保管システムに導入するか又は前記保管システムからコンテナを除去するように構成されたコンテナステーションをさらに備え、
前記コンテナステーションは、入口ポート、出口ポート、又は双方向ポートのうちの少なくとも1つを備え、
前記コンテナステーションは、各コンテナに位置付けられた識別子をスキャンするように構成されたスキャンユニットをさらに備える、請求項17から30のうちのいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項32】
前記コンテナステーションは、前記保管システムに導入されるときに、前記コンテナ中の製品のアイテムの数量及びタイプの入力を受け取るように構成された入力ユニットをさらに備える、請求項31に記載の保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年5月2日に出願された英国特許出願番号GB1906157.1号からの優先権を主張し、本出願のすべての内容は、参照によってここに組み込まれている。
【0002】
本発明は、概して画像化の分野に関し、より具体的には、コンテナを画像化するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
倉庫では、商品/製品/アイテムは、トレイ上又はコンテナ中に保管され移動されることが多い。従来、トレイ/コンテナに関して行う全ての動作は、手動で、又は手動で動作される機械の助けを借りて行われる。例えば、コンテナは人間によって積み込まれ、フォークリフトトラック及びこれに類するものを使用して倉庫の周りを移動する。
【0004】
より現代的な倉庫では、トレイ/コンテナを倉庫中のあるロケーションから倉庫中の別のロケーションに移動させるために、自動搬送手段が利用されている。例えば、コンベヤベルトの使用は、倉庫を横断してトレイ/コンテナを自動的に移動させるために使用されてもよい。
【0005】
しかしながら、コンテナ上の動作は依然として手作業で行われており、これは時間がかかり、多大な人的労力を必要とする。したがって、トレイ/コンテナ動作を少なくとも部分的に自動化する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
既知のトレイ/コンテナ動作における問題に鑑みて、本発明は、トレイ/コンテナ動作のこのような部分的/完全な自動化のための装置及び方法を提供することを目的とする。
【0007】
一般的に言えば、本発明は、トレイ/コンテナの画像化を実行するように画像化ユニットを制御する制御ユニットの使用を導入する。制御ユニットはさらに、自動化された機械を使用して、及び/又は人間にアクションを実行するように指示して、コンテナに対するアクションを実行させるように構成される。
【0008】
本発明によれば、画像化ユニットによって捕捉されたコンテナの画像に基づいて、コンテナ中の汚染の存在を検出するように構成された制御ユニットが提供され、制御ユニットは、画像化ユニットからコンテナの画像を受信するように構成された受信ユニットを備える。制御ユニットは、受信した画像に基づいて、コンテナが汚染されているかどうかを決定するように構成された決定ユニットと、コンテナが汚染されていると決定ユニットが決定したときに、コンテナを清掃ユニットに向けるように構成された命令ユニットとをさらに備える。
【0009】
本発明はまた、画像化ユニットによって捕捉された製品の画像に基づいて、製品を検出するように構成された制御ユニットを提供し、制御ユニットは、画像化ユニットから製品の画像を受信するように構成された画像受信ユニットを備える。制御ユニットは、受信した画像に基づいて、製品のアイデンティティを決定するように構成された決定ユニットと、決定ユニットが製品のアイデンティティを決定しないときに、決定ユニットが製品のアイデンティティを決定しなかったことを表示するように表示ユニットに命令するように構成された命令ユニットとをさらに備える。
【0010】
本発明はまた、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に伸長する平行なレール又は軌道の第1のセット、及び第1のセットを横断するY方向に伸長する平行なレール又は軌道の第2のセットと、レールの下に位置付けられ、各スタックが単一の格子空間の設置面積内に位置付けられるように構成されたコンテナの複数のスタックと、搬送デバイスとを提供し、搬送デバイスは、レール上のスタックの上方で、X及びY方向に選択的に移動するように構成され、コンテナを搬送するように構成される。本発明は、清掃ユニット及び上述したような制御ユニットをさらに備え、制御ユニットは、搬送デバイスから受け取ったコンテナを画像化するように構成される。
【0011】
本発明はまた、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に伸長する平行なレール又は軌道の第1のセット、及び第1のセットを横断するY方向に伸長する平行なレール又は軌道の第2のセットと、レールの下に位置付けられ、各スタックが単一の格子空間の設置面積内に位置付けられるように構成されたコンテナの複数のスタックと、搬送デバイスとを提供し、搬送デバイスは、レール上のスタックの上方で、X及びY方向に選択的に移動するように構成され、コンテナを搬送するように構成される。本発明はさらに、搬送デバイスによって搬送されたコンテナ中に保管された製品を受け取るように構成されたピッキングステーションと、前述の制御ユニットとを備える。
【0012】
本発明はまた、画像化ユニットによって捕捉されたコンテナの画像に基づいて、コンテナ中の汚染の存在を検出する方法を提供し、方法は、画像化ユニットからコンテナの画像を受信するステップと、受信した画像に基づいて、コンテナが汚染されているかどうかを決定するステップと、決定するステップが、コンテナが汚染されていると決定したときに、コンテナを清掃ユニットに向けるステップとを含む。
【0013】
本発明はまた、画像化ユニットによって捕捉された製品の画像に基づいて、製品を検出する方法を提供し、方法は、画像化ユニットから製品の画像を受信することと、受信した画像に基づいて、製品のアイデンティティを決定することと、決定するステップが製品のアイデンティティの決定しないときに、決定するステップが製品のアイデンティティの決定しなかったことを表示するように表示ユニットに命令することとを含む。
【0014】
本発明はまた、複数の格子空間を備える格子パターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に伸長する平行なレール又は軌道の第1のセット、及び第1のセットを横断するY方向に伸長する平行なレール又は軌道の第2のセットと、レールの下に位置付けられ、各スタックが単一の格子空間の設置面積内に位置付けられるように構成されたコンテナの複数のスタックと、搬送デバイスとを提供し、搬送デバイスは、レール上のスタックの上方で、X及びY方向に選択的に移動するように構成され、コンテナを搬送するように構成される。本発明は、清掃ユニットをさらに含む。
【0015】
次に、本発明の実施形態が、添付図面を参照して、例としてのみ説明され、それにおいて、同様の参照番号は、同じ又は対応する部分を指し示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、汚染されたコンテナを検出するための関係する周辺機器と共に、本発明の第1の実施形態による制御ユニットの図である。
図2図2は、本発明のある実施形態による、制御ユニットの概略図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態による、制御ユニットによって実行されるプロセスのフローチャートである。
図4図4は、コンテナからの製品のピッキングを支援するための関係する周辺機器と共に、本発明の第2の実施形態による制御ユニットの図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態による、制御ユニットの概略図である。
図6図6は、本発明の第2の実施形態による、制御ユニットによって実行されるプロセスのフローチャートである。
図7図7は、既知のシステムによる、フレームワーク構造の概略図である。
図8図8は、図7のフレームワーク構造内に構成された容器のスタックを示す上面から見下ろした図の概略図である。
図9a図9aは、容器を置く積み荷取り扱いデバイスの概略斜視図である。
図9b図9bは、容器を置く積み荷取り扱いデバイスの概略斜視図である。
図9c図9cは、容器を持ち上げる積み荷取り扱いデバイスの概略正面斜視図である。
図10図10は、フレームワーク構造上で動作する積み荷取り扱いデバイスを示すシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態による制御ユニット100を、制御ユニット100と共に使用することができる更なる周辺機器と共に描いている。
【0018】
特に、制御ユニット100は、画像化ユニット201(例えば、カメラ)及び方向転換ユニット202と共に使用することができる。画像化ユニット201は、コンテナ401を画像化するように構成される。
【0019】
本明細書において、本明細書に記載される全ての実施形態に関して、「コンテナ」という用語は、倉庫の周りを移動する、製品を保管するための任意の手段を想定している。したがって、トート、トレイ及びパレットなどの用語を包含することが想定される。特に、これらの保管手段の各々は、製品をその上に/その中に含め、倉庫の周りを移動するように構成される。
【0020】
この例では、コンテナ401は、充填ユニット501に向かって(コンベヤベルト、コンテナ401を運ぶ自律走行車、およびこれらに類するもののような)第1の運搬手段301上を移動するように構成される。この例では、充填ユニット501は、製品がコンテナ401中に配置されるロケーションであってもよい。したがって、コンテナ401は、空である間に画像化されてもよく、例えば、充填ユニット501において再充填されるように倉庫に戻る前に目的地で空にされており、別の目的地に発送される準備ができている。しかしながら、含まれる製品及び/又は移動した環境の結果として、コンテナ401は汚染されているかもしれない。例えば、液体がコンテナ401の底部にこぼれたかもしれず、及び/又は粘着性物質がコンテナ401に付着したかもしれない。したがって、コンテナ401は、充填ユニット501において充填するのに適していない。なぜなら、そうすることは、充填ユニット501においてコンテナ401内に配置されている製品を汚染するからである。
【0021】
したがって、図1は、コンテナを清掃ユニット502に運搬するように構成された第2の運搬手段302をさらに示す。この例では、コンテナ402が、第2の運搬手段302によって清掃ユニット502に向かって運搬されているところが示されている。特に、コンテナ402は汚染されており、したがって、充填ユニット501に充填するために利用可能になる前に清掃する必要がある。この目的のために、清掃ユニット502は、コンテナ402の清掃を行う作業者によって、及び/又は清掃動作を行うように構成された機械によって、手動又は自動で動作されることが想定される。
【0022】
清掃後、コンテナ402は、目的地への搬送のために製品で充填される充填ユニット501に向けられてもよい。
【0023】
従来、作業者は、充填前にコンテナ401の汚染に気づき、その後、コンテナ401を充填前に清掃ユニット502に手動で向ける必要がある。しかしながら、これは労働集約的であり、充填ユニット501における作業者の作業を混乱させる。
【0024】
したがって、制御ユニット100は、コンテナ401中の汚染を自動的に検出し、必要とされるときにコンテナを清掃ユニット502に向けるか、又はコンテナ401が充填ユニット501に進むことを可能にするように構成される。したがって、画像化ユニット201は、コンテナ401を画像化するように構成される。コンテナ401の画像は、コンテナ401が汚染されているかどうかを決定するように構成された制御ユニット100によって受信される。制御ユニット100は、コンテナ401が汚染されていないと決定した場合、制御ユニット100は、コンテナ401を製品で充填される充填ユニット501に向けるように構成することができる。しかしながら、コンテナ401が汚染されていると決定された場合、制御ユニット100は、清掃する清掃ユニット502にコンテナ401を向けるように構成される。
【0025】
これを達成するために、制御ユニット100は、コンテナ401を適切に向けるように第1の運搬手段301及び/又は方向転換ユニット202を制御するように構成されてもよい。例えば、コンテナ401が汚染されていないと決定された場合、制御ユニット100は、第1の運搬手段301を作動させて、コンテナ401を充填ユニット501に直接運搬することができる。しかしながら、コンテナ401が汚染されていると決定された場合、制御ユニット100は、方向転換ユニット202を作動させるように構成されてもよく、方向転換ユニットは、この例では、コンテナ401を第2の運搬手段302上に横向きに押すように構成された押し板であると考えられる。しかしながら、コンテナ401の方向を変えるように切り換えることができる軌道のような、コンテナ401を方向転換させる他の手段、及び/又はコンテナ401を2つの垂直方向に移動させることができるイントラロックスアクティベイテッドローラーベルト(Intralox Activated Roller Belt)のような運搬手段301を使用することも考えられる。さらに、汚染されたコンテナを第2の運搬手段302上に押し込む代わりに、コンテナ401を清掃ユニット502に直接押し込むことができ、それによって第2の運搬手段302の必要性をなくすことが想定される。
【0026】
図2は、第1の実施形態による、制御ユニット100の概略図である。制御ユニット100は、受信ユニット101、決定ユニット102、及び命令ユニット103を備える。オプションとして、制御100はさらに、記憶ユニット104を備えていてもよい。
【0027】
受信ユニット101は、画像化ユニット201からコンテナ401の画像を受信するように構成される。オプションとして、受信ユニット101は、画像をトリミングすること、画像を回転させること、色を調節することなどのような、画像を処理するように構成することができる。したがって、決定ユニット102によって使用される画像は一貫しており、可能な限り類似している。
【0028】
決定ユニット102は、受信ユニット101から画像を受信するように構成され、受信した画像に基づいてコンテナが汚染されているかどうかを決定するように構成される。特に、決定ユニット102は、統計モデル及び/又は機械学習モデルを使用して、受信した画像中のコンテナが汚染されているかどうかを決定するように構成されてもよい。さらに、決定ユニット102は、コンテナ102がぼやけているか、不明瞭であるか、コンテナでないかなどを決定するように構成されてもよい。言い換えれば、コンテナが汚染されているかどうかに関する例外を決定することである。例外のケースでは、決定ユニット102は、人間のオペレータに問題を警告し、オーバーライドコマンドを受け入れることができる。あるいは、決定ユニット102は、コンテナが汚染されているか否かについて明確な決定を行うことができるコンテナのさらなる画像を捕捉するように画像化ユニット201に命令するように構成することができる。
【0029】
オプションとして、決定ユニット102は、コンテナ401が汚染されているという決定におけるパーセンテージ信頼度を決定することができる。例えば、画像化されたコンテナ401が汚染されているという70%の信頼度、又は画像化されたコンテナ401が汚染されているという20%の信頼度である。決定されたパーセンテージ信頼度は、例えば40%で閾値化されてもよい。したがって、汚染の信頼度が40%以上であるコンテナについては、制御ユニット100はそれらを清掃ユニット501に向けることができる。一方、40%未満の信頼度を有するコンテナについては、制御ユニット100はそれらを充填ユニット501に向けることができる。
【0030】
オプションとして、制御ユニット100はさらに、命令ユニット103を含んでいてもよい。命令ユニット103は、コンテナ401が汚染されていると決定ユニットが決定したとき、コンテナ401を清掃ユニット502に向けるように構成される。逆に、命令ユニット103は、コンテナ401が汚染されていないと決定ユニットが決定したとき、コンテナ401を充填ユニット501に向けるように構成されてもよい。これを達成するために、命令ユニット103は、コンテナ401が充填ユニット501又は清掃ユニット502に移動するかを選択的に決定するように、第1の運搬手段301及び/又は方向転換ユニット202を制御するように構成されてもよい。上述したように、方向転換ユニット202は、各々が特殊な制御を必要とする多数の異なるテクノロジーであると考えられる。この目的のために、制御ユニット100は、第1の運搬手段301と共に方向転換ユニット202を制御して、コンテナ401を必要とされる方向に向けることができる。
【0031】
オプションとして、制御ユニット100はさらに、記憶ユニット104を含んでいてもよい。記憶ユニット104は、決定ユニット102によって使用される機械学習モデル/統計モデルをトレーニングするために使用されてもよい情報を記憶するように構成されてもよい。特に、記憶ユニットは、汚染され、そのようなものとして(例えば、人間の作業者によって)識別された、コンテナの画像化ユニットによって捕捉された画像を記憶するように構成されてもよい。同様に、記憶ユニットは、汚染されておらず、(人間の作業者などによって)そのように識別されたコンテナの画像化ユニットによって捕捉された画像をさらに記憶することができる。このようにして、記憶ユニット104に記憶された情報は、コンテナが汚染されているか汚染されていないかを決定するように決定ユニット102をトレーニングするために使用されてもよい。
【0032】
決定ユニット102は、1回オフラインでトレーニングされてもよいことが想定され、言い換えれば、機械学習モデルは、記憶ユニット104に記憶された情報を使用して1回トレーニングされるだけでよく、その後、決定ユニット102は、コンテナが汚染されているか否かを適切に決定することができる。さらに、そのようなトレーニングは、制御ユニット100が動作している間に行われる必要はなく、むしろ制御ユニット100が使用される前に行われる必要があり、その結果、最初に使用されるときに、決定ユニット102は、コンテナが汚染されているか否かを決定するように適切にトレーニングされる。
【0033】
オプションとして、トレーニングは経時的に改善されてもよい。この場合、画像化ユニットによって受信される各画像は、そこに示されるコンテナが汚染されているかどうかを決定する人間の作業者によってさらに検査されてもよい。次いで、画像は、将来の日付において機械学習モデルがトレーニングされてもよいさらなる情報として記憶ユニット104に記憶されてもよい。このようにして、機械学習モデルは、汚染されているかもしれない又は汚染されていないかもしれないコンテナについてのさらなる情報の入力によって経時的に改善されてもよい。
【0034】
このようにして、コンテナ401が汚染されているか否かを決定することに関して、完全に自動化された手法が説明される。その結果、人間の作業者を使用する場合と比較して、コンテナの処理速度及び処理の精度を改善させることができる。
【0035】
図3は、第1の実施形態の制御ユニットによって実行される方法のフローチャートS300を示す。本方法は、画像化ユニットによって捕捉されたコンテナの画像に基づいて、コンテナ中の汚染の存在を検出する。
【0036】
この目的のために、第1のステップS301において、新たな製品が空のコンテナ内に配置されてもよい充填ユニットにおいてコンテナが充填されることを妨げる固形化した液体などの汚染物質をコンテナが含むかどうかを決定するように、制御ユニットは、空のコンテナの画像を画像化ユニットから受信する。
【0037】
ステップS302では、受信した画像に基づいて、コンテナが汚染されているかどうかが決定される。これを達成するために、機械学習モデル及び/又は統計モデルを使用して、画像に基づいて、汚染がコンテナ中に存在するかどうかを決定することができることが想定される。この目的のために、機械学習モデル/統計モデルは、汚染されているか否かが識別された他のコンテナの複数の画像に基づいて、汚染を認識するようにトレーニングされていてもよい。したがって、機械学習モデル/統計モデルは、コンテナの新しい画像が提示されたときに、機械学習モデル/統計モデルがコンテナが汚染されている場所を識別することができるように、以前の汚染の事例に基づいてトレーニングされてもよい。機械学習モデル/統計モデルを使用することによって、トレーニングは、画像の一部がソリッドカラーであるかどうかなどの予め定められた規則に依存するアルゴリズム的方法よりも正確である。このような規則は、汚染物質がコンテナと同じ色であるときには失敗する。一方、例示的な汚染の実際の画像に対してトレーニングされたモデルを使用することは、汚染が検出されるかどうかに関してよりロバストな出力をもたらす。
【0038】
ステップS303において、汚染が存在するかどうかの決定の結果に基づいて、汚染が検出されたときに清掃されるようにコンテナを向けるように制御ユニットは構成される。清掃は、そのような使用のために構成された機械によって手動で又は自動的に行われてもよい。この目的のために、制御ユニットは、運搬手段、押し手段、方向転換手段又はこれらに類するものを制御して、清掃されるコンテナの経路を変えることができる。同様に、制御ユニットが汚染を検出しない場合、コンテナは、新しい製品がコンテナ中に配置されてもよい充填ユニットに向けられてもよい。同様に、充填ユニットへの方向は、運搬手段、方向転換手段、押圧手段などを制御する制御ユニットによって実行されてもよい。
【0039】
このようにして、第1の実施形態による方法を使用して、その汚染に応じたコンテナの自動的な向け直しが達成される。
【0040】
第2の実施形態
図4は、本発明の第2の実施形態による制御ユニット600を、制御ユニット600と共に使用するための周辺機器と共に描く。
【0041】
特に、図4は、製品がコンテナに追加されるか又はコンテナから除去される倉庫内のロケーションに関する。典型的な設備では、人間の作業者803は、第1のコンテナ801及び第2のコンテナ802と共に位置付けられる。 第1のコンテナ801は、製品が取り出されるコンテナであってもよく、第2のコンテナ802は、第1のコンテナ801から製品を受け取るように構成されてもよい。第1のコンテナ801は、異なるタイプの製品を含んでもよく、又は同じタイプの製品の全てを含んでもよい。人間の作業者803は、第1のコンテナ801から予め定められた数の製品を取り出し、それらを第2のコンテナ802に置くように指示されてもよい。
【0042】
例えば、食料雑貨品注文システムの例である。顧客の注文は、1つのリンゴと2つのバナナとを含んでいてもよい。人間の作業者803に配送される第1のコンテナ801は、複数のリンゴ及び複数のバナナを含んでいてもよい。したがって、人間の作業者803は、第1のコンテナ801から1つのリンゴ及び2つのバナナを取り出し、それらを第2のコンテナ802中に置くように指示される。したがって、顧客の注文は、第2のコンテナ802中で満たされ、したがって、第2のコンテナ802は、顧客への配送のために出荷されることができ、一方、第1のコンテナ801は、倉庫中の保管エリアに戻ることができる。
【0043】
追加的又は代替的に、各第1のコンテナ801は、1つのタイプの製品/アイテムのみを保管してもよく、例えば、リンゴのみを保管するか又はバナナのみを保管してもよい。したがって、顧客の注文を満たすために、リンゴのコンテナは、最初に、1つのリンゴを取り出し、それを第2のコンテナ802内に配置するように指示された人間の作業者803に運ばれることが予測される。次に、バナナのコンテナは、2つのバナナを取り出してそれらを第2のコンテナ802中に配置するように指示された人間の作業者803に運搬される。したがって、第2のコンテナ802は、そこに出荷されてもよい顧客の注文を含み、一方、リンゴのコンテナ及びバナナのコンテナは、保管場所に戻されてもよい。
【0044】
上記のケースそれぞれにおいて、人間の作業者803は、第1のコンテナ801から取り出された製品が予測されるものであることを確実に確認するように課せられる。例えば、図4に示される表示ユニット703は、第1のコンテナ801から第1の製品(1つのリンゴなど)を取り出し、それを第2のコンテナ802内に配置するように人間の作業者803に指示することができる。オプションとして、表示ユニット703は、第2のコンテナ802内のどのロケーションに第1の製品が配置されるべきかを、例えば第2のコンテナ802の上部にさらに表示してもよい。有利には、第2のコンテナ802の特定の部分に位置付けることによって、第2のコンテナ802中の複数の製品のそれぞれについてアルゴリズム的に計算されたロケーションが結果として第2のコンテナ802中の製品の最適なパッキングをもたらすので、第2のコンテナ802内のパッキング密度を高めることができる。
【0045】
表示ユニット703は、異なる形態を取ってもよいことが想定される。例えば、ディスプレイは、第1のコンテナ801から第2のコンテナ802に製品をピッキングするタスクを実行するのに必要な情報を人間の作業者803に示すために、この機能について使用されることができる。あるいは、スピーカを使用して、人間の作業者803にコマンドを話すことができる。
【0046】
表示ユニット703はさらに、第1の製品を第2のコンテナ802中に配置する前に、第1の製品の製品識別子を捕捉するように人間の作業者803に指示することができる。これを達成するために、製品に添付された製品識別子(バーコード、RFIDタグなど)は、製品識別子リーダ702(バーコードリーダ、RFIDリーダなど)によって捕捉されてもよい。したがって、いったん製品識別子が記録されると、表示ユニット703は、第1のコンテナ801から取り出される製品の数を減少させることができる。したがって、人間の作業者803のための通常の作業プロセスは、第1のコンテナ801から取り出されるべき製品の数を表示ユニット703によって指示されるべきである。したがって、人間の作業者803は、第1のコンテナ801から第1の製品を取り出し、製品識別子リーダ702によってその製品識別子を読み取り、次いで、製品を第2のコンテナ802中に配置する。表示ユニット703は、第1コンテナ801から取り出される製品の残数を表示するカウンタをデクリメントしてもよい。したがって、人間の作業者803は、表示ユニット703が第1のコンテナ801からさらなる製品を取り出す必要がないことを表示するまで、各製品について製品識別子リーダ702によって製品識別子を読み取って、前と同じアクションを繰り返す。その後、第1のコンテナ801からの製品の取り出しが完了する。
【0047】
各製品に対して製品識別子リーダ702を使用するように人間の作業者803に指示することによって、誤った第1のコンテナ801(例えば、リンゴの代わりにオレンジを含むもの)が配送されて、そこから製品が取り出されるリスクが除去される。例えば、典型的なシステムでは、特定の顧客によって注文されていない製品を含む第1のコンテナの1%が不正確に配送されるかもしれない。したがって、製品識別子リーダ702の使用は、第1のコンテナ801が顧客の注文に配置されると予測される製品を含むことを確認することによって、このリスクを除去する。
【0048】
作業者は人間の作業者803として説明されてきたが、ロボットシステムなどのロボット作業者、例えばロボットアームを使用して、第1のコンテナ801から第2のコンテナ802内に製品を移動させることができることが想定される。
【0049】
しかしながら、各製品について製品識別子リーダ702を使用するように作業者に指示することによって、第1のコンテナ801から製品を取り出すことと第2のコンテナ802中に置くこととの間に時間的な遅延が追加される。さらに、製品識別子リーダ702の前で製品を正しく配向するために追加の時間がかかるかもしれない。例えば、製品がバーコードを使用するとき、バーコードリーダは、バーコードへの視線を必要とし、バーコードの鮮明な画像を取得する。したがって、作業者は、バーコードリーダがバーコードの十分な読み取りを取得するまで製品の向きを変える必要があるかもしれず、これには数秒かかるかもしれない。
【0050】
第2実施形態の制御ユニット600は、この問題を解決するために構成されている。特に、制御ユニット600は、画像化ユニット701によって捕捉された第1のコンテナ801の画像に基づいて、第1のコンテナ701中の製品を検出するように構成されている。この目的のために、図4に示すように、画像化ユニット701は、第1のコンテナ801を画像化することができるように位置付けられる。好ましくは、画像化ユニット701は、人間の作業者803が第1のコンテナ801から製品をピッキングする前に第1のコンテナ801を画像化するように位置付けられる。代替的に、画像化ユニット701は、製品が第2のコンテナ802に移動されるように製品がピッキングされると、製品を画像化するように構成されてもよい。有利には、製品が移動されると製品を画像化することによって、人間の作業者803が移動の間に製品を自然に移動させると異なる向きからの製品の画像を提供する。この例では、画像は、例えば、25msごとに捕捉されてもよく、それによって、各製品移動について多数の画像を生成し、これは、制御ユニット600によって実行される認識に有利である。
【0051】
人間の作業者803の代わりにロボットシステムを使用するとき、第1のコンテナ801から第2のコンテナ802に製品をピッキングするときに予め定められた軌道に沿って移動するようにロボットシステム/アームに指示することが有利であるかもしれない。 特に、ロボットアームは、製品の異なる部分を画像化ユニット701に示す2つ以上の姿勢で、製品を画像化ユニット701に提示してもよい。例えば、第1の側面及び第2の側面が、画像化ユニット701に提示されてもよい。このようにして、製品が画像化ユニット701に対して異なる向きで提示されるので、製品決定の精度の向上を達成できる。
【0052】
より詳細には、制御ユニット600は、画像化ユニット701によって捕捉された画像を受信するように構成され、捕捉された画像に基づいて、第1のコンテナ801中に位置付けられた製品を決定するように構成される。したがって、製品が正しく識別されたとき、人間の作業者803は、もはや製品識別子リーダ702を使用して各製品の製品識別子を読み取る必要がない。代わりに、人間の作業者803は、製品識別子の読み取りを実行することなく、必要な数のアイテムを第1のコンテナ801から第2のコンテナ802に直接移動させるだけでよい。このようにして、人間の作業者803によって実行される時間及び労力が節約され、結果として、単位時間当たりに各人間の作業者803によってピッキングされるアイテムの数が増加する。特に、製品当たり100 msの節約をすることができる。1時間当たり何千ものアイテムが人間の作業者803によってピッキングされるとき、時間の節約は相当なものとなる。
【0053】
さらに、制御ユニット600は、第1のコンテナ801を画像化するとき、その中に位置付けられた製品の数を決定するようにさらに構成されてもよい。
【0054】
追加的又は代替的に、制御ユニット600は、人間の作業者803によって第1のコンテナ801から第2のコンテナ802に移動された製品の数をカウントするように構成されてもよい。例えば、制御ユニット600は、第1の制御ユニット801から第2のコンテナ802に人間の作業者803によって移動された製品の数(及びそれらのタイプ)を検出し、それを予測された移動される製品の数と比較するようにさらに構成されてもよい。このようにして、制御ユニット600は、移動された製品の数を予測された移動される製品の数(例えば、顧客の注文における製品の数)と比較し、多すぎる又は少なすぎる製品が第2のコンテナ802に移動されたことを人間の作業者803に表示することができる。このようにして、多すぎる又は少なすぎる製品は、顧客に配送されない。
【0055】
図5は、本発明の第2の実施形態による、制御ユニット600のさらなる詳細を示す。示すように、制御ユニット600は、画像受信ユニット601と、決定ユニット602と、命令ユニット603とを備える。オプションとして、制御ユニット600は、製品識別子受信ユニット604及び記憶ユニット605をさらに備えていてもよい。
【0056】
画像受信ユニット601は、第1のコンテナ801及びその中に含まれる製品の捕捉された画像を受信するように構成される。オプションとして、画像受信ユニット601は、画像をトリミングすること、画像を回転させること、色を調節することなど、画像を処理するように構成されることができる。したがって、決定ユニット602によって使用される画像は一貫しており、可能な限り類似している。
【0057】
決定ユニット602は、画像受信ユニット601から捕捉画像を受信するように構成され、少なくとも1つの製品を決定するように構成される。特に、決定ユニット602は、統計モデル及び/又は機械学習モデルを使用して、第1のコンテナ801中の製品のアイデンティティを決定するように構成されてもよい。前述のように、決定ユニット602は、複数の画像を使用して、製品のアイデンティティに関する決定を行うことができる。
【0058】
オプションとして、決定ユニット602は、第1のコンテナ801中の製品のアイデンティティにおける信頼度パーセンテージを決定することができる。例えば、画像化された製品が識別された製品であるという70%の信頼度である。決定されたパーセンテージ信頼度は、例えば60%の閾値であってもよい。したがって、60%以上の信頼度を有する製品については、制御ユニット600は、製品が正しく識別されたと決定し、したがって、予め定められた数の製品を第2のコンテナ802内に移動させるように人間の作業者803に指示することができる。一方、60%未満の信頼度を有する製品については、制御ユニット600は、製品が正しく識別されていないという例外を発生させることができ、その取扱いについては、命令ユニット603に関連して説明する。
【0059】
特に、例外に関して、決定ユニット602は、製品が成功裏に識別できないときのような例外を決定するように構成されてもよい。追加又は代替として、捕捉された画像がぼやけているとき、不明瞭であるとき、製品ではないとき、未知の製品などである。その後、決定ユニット602は、命令ユニット603によって取り扱われる例外を発生させるように構成することができる。
【0060】
より具体的には、決定ユニットがコンテナ中の製品のアイデンティティを決定しないときに、命令ユニット603は、決定ユニット602が製品のアイデンティティを決定しなかったことを表示するように表示ユニットに命令するように構成される。
【0061】
特に、命令ユニット603は、第1のコンテナ801中の製品のアイデンティティを決定しなかったことを表示ユニット703に命令するように構成されてもよい。その結果、人間の作業者803は、従来のセットアップのケースのように、製品識別子を決定するために製品識別子リーダ702の前に製品を渡すアクションを実行するように指示されてもよい。このようにして、製品識別子は、画像化ユニット701によってではなく、製品識別子によって確認できる。
【0062】
他方では、決定ユニット602が第1のコンテナ801中の製品を確信的に識別するとき、命令ユニット603は、これを表示するように人間の作業者803に命令するように構成されてもよく、したがって、人間の作業者803は、製品識別子を読み取るために製品識別子リーダ702を使用する必要がない。その代わりに、人間の作業者803は、製品を第2のコンテナ802に直接移動させることができる。さらに、命令ユニット603は、コンテナから取り出される多数の製品を示す数を表示するように表示ユニット703に命令するようにさらに構成されてもよい。このようにして、人間の作業者803は、予め定められた数の製品を第2のコンテナ802内に移動させるように指示され、これは、例えば、顧客によって注文された製品の数に等しくてもよい。
【0063】
このようにして、ほとんどの状況において、製品識別子リーダ702は、製品識別子を読み取るために使用される必要がなく、代わりに、制御ユニット600は、画像化ユニット701から受信された画像に基づいて第1のコンテナ801の内容物の決定を可能にする機能性を提供する。しかしながら、製品の決定が可能でない例では、人間の作業者803は、この状況に関して表示され、製品識別子リーダ702は、そのアイデンティティを確認するために製品について使用されるべきである。
【0064】
オプションとして、制御ユニット600は、製品識別子受信ユニット604及び/又は記憶ユニット605を備えてもよい。
【0065】
製品識別子受信ユニット604は、製品識別子リーダ702から受信されると、製品識別子を表示する情報を受信するように構成することができる。例えば、製品識別子リーダ702がバーコードリーダであるとき、製品識別子受信ユニット604は、バーコード番号を受信し、オプションとして、バーコード番号を製品と相関させるように構成されてもよい。あるいは、製品識別子受信ユニット604がRFIDリーダであるとき、製品識別子受信ユニット604は、製品を一意に識別するように構成された製品に添えられたRFIDタグに記憶された番号を受信するように構成されてもよい。
【0066】
記憶ユニット605は、決定ユニット602によって使用される機械学習モデル/統計モデルをトレーニングするために使用されてもよい情報を記憶するように構成されてもよい。特に、記憶ユニット605は、(画像受信ユニット601によって受信されたような)製品の画像化ユニット701によって捕捉された画像を記憶するように構成されてもよい。さらに、記憶された画像は、画像中で捕捉された製品を表示する情報でマークされてもよい。一例では、画像のマーキングは、人間の作業者によって実行される。このようにして、記憶ユニット605に記憶された情報は、第1のコンテナ801に保管された製品を決定するように決定ユニット602をトレーニングするために使用されてもよい。
【0067】
決定ユニット602は、1回およびオフラインでトレーニングされてもよいことが想定され、換言すれば、機械学習モデルは、記憶ユニット605に記憶された情報を使用して1回トレーニングされるだけでよく、その後、決定ユニット602は、画像受信ユニット601から受信した画像から、そこに示される製品を適切に決定することができる。さらに、そのようなトレーニングは、制御ユニット600が動作している間に行われる必要はなく、むしろ使用される前に行われ、最初に使用されるときに、決定ユニット602は、第1のコンテナ801内の製品を決定するように適切にトレーニングされる。
【0068】
オプションとして、トレーニングは経時的に改善されてもよい。この事例では、画像化ユニット701によって受信された各画像は、その中に示される製品を決定するために人間の作業者によってさらに検査されてもよい。次いで、画像は、将来の日付において機械学習モデルがトレーニングされてもよいさらなる情報として記憶ユニット605に記憶されてもよい。このようにして、機械学習モデルは、コンテナに保管された製品についてのさらなる情報を入力することによって、経時的に改善されてもよい。
【0069】
好ましくは、製品識別子受信ユニット604は、決定ユニット602において機械学習モデルをトレーニングするための情報を提供するように、記憶ユニット605と共に使用される。前述のように、決定ユニット602は、画像受信ユニット601から受信された画像に基づいて製品を決定することができないかもしれないことが想定される。その後、命令ユニット603は、第1のコンテナ801中の製品のアイデンティティの決定をしなかったことを表示ユニット703に命令するように構成されてもよい。その結果、人間の作業者803は、製品識別子を決定するために、製品識別子リーダ702の前に製品を通過させるアクションを実行するように指示されてもよい。その結果、製品識別子受信ユニット604は製品識別子をさらに受信する。
【0070】
したがって、記憶ユニット605は、画像受信ユニット601から製品の画像を受信し、製品識別子受信ユニット604から製品識別子を受信するように構成されるだろう。記憶ユニット605は、画像及び製品識別子の両方を記憶するように構成されてもよい。このようにして、機械学習モデルをトレーニングするために必要とされる情報は、示された製品についての情報で各画像を手動でタグ付けする人間の作業者を必要とせずに、記憶ユニット605に記憶される。言い換えれば、製品の画像及び製品識別子の両方を受信し、それらを記憶ユニット605に記憶することによって、決定ユニット602は、人間の作業者が手動で画像にタグ付けすることなく、自動的に製品を認識するようにこの情報に関してトレーニングできる。したがって、経時的に、決定ユニット602中の機械学習モデルは、認識するように十分にトレーニングされていないそれらの製品が、製品についての情報を用いた再トレーニングの上述のフィードバックループを使用して補正されるので、精度が向上する。このようにして、決定ユニット602は、以前に認識することができなかった製品をより良く認識するように学習することができる。
【0071】
特定の課題は、製品製造業者によって時々変更されてもよい製品パッケージングの変更に関する。この目的のために、記憶ユニット605は、(外部ソースから決定された)パッケージング改訂版を、それが関連するパッケージングの画像と共に記憶するように構成されてもよい。このようにして、決定ユニット602をトレーニングするとき、パッケージング改訂が現在のパッケージングの改訂と一致し、古い/未使用のパッケージング改訂ではない画像を使用してトレーニングを行うだけで、注意を払うことができる。この目的のために、新しいパッケージングが製造業者によって使用されるとき、決定ユニット602をトレーニングする際に使用するために新しいパッケージングの画像を捕捉することが有利であるかもしれない。加えて、複数のパッケージング改訂が使用されている期間があるかもしれず、例えば、製品の新しい在庫は、より新しいパッケージングを有するかもしれない一方で、より古い在庫は依然としてより古いパッケージングを有する。したがって、記憶ユニット605は、同じ製品であるが異なるパッケージングを有する画像を記憶することができる。次いで、決定ユニット602は、いずれかのパッケージングを製品として検出するようにトレーニングされてもよい。このようにして、制御ユニット600は、現実世界のシナリオで使用されるような異なるパッケージングを取り扱うように構成される。
【0072】
オプションとして、いったん特定の製品が高いレベルの識別信頼度で十分にトレーニングされたと決定されると、その製品のトレーニングを停止することができる一方で、識別信頼度がそれほど高くない他の製品に焦点が合わせられる。さらに、製品の自動的に生成された画像は、機械学習モデルをトレーニングするために使用されてもよいことが想定される。例えば、製品の3Dモデルが制御ユニット600の使用前に取得される場合、決定ユニット602は、異なる照明条件下で異なる角度からデジタル的にレンダリングされた製品の計算的に生成された画像を入力することができる。このようにして、決定ユニット602において機械学習モデルをトレーニングする速度は、製品を第1のコンテナ801から第2のコンテナ802内に移動させることによって、注文が実行されなければならない時点で製品を注文する顧客に依存しないので、増加できる。
【0073】
図6は、第2の実施形態による制御ユニット600によって実行される方法ステップのフローチャートS600を示す。
【0074】
最初のステップS601において、制御ユニット600は、画像化ユニットからコンテナの画像を受信する。コンテナは、少なくとも1つの製品を含む。好ましくは、コンテナ中に保管される製品は、それらがすべて同じパッケージングを有する同じサイズの同じタイプの製品であるという点で均質である。このようにして、制御ユニット600の出力の信頼性が高められる。
【0075】
ステップS602において、制御ユニット600は、受信した画像に基づいて、コンテナ中の製品のアイデンティティを決定する。例えば、制御ユニット600は、機械学習モデル及び/又は統計モデルを使用して決定を行うことができる。特に、ステップS602は、コンテナ中の製品の画像を受信し、トレーニングされた機械学習モデルを使用して、どの製品が示されているかを決定する。例えば、機械学習モデルは、コンテナが含む製品に関する情報でタグ付けされたコンテナの他の画像上でトレーニングされてもよい。このようにして、機械学習モデルは、そこに含まれる製品を学習する。
【0076】
ステップS603において、制御ユニット600は、ステップS602を製品を決定しないときに、製品決定が製品のアイデンティティを決定しなかったことを表示するように表示ユニットに命令するように構成される。特に、表示ユニットは、製品決定の状態を人間の作業者に表示するように構成されたスクリーン又は他の出力手段であってもよい。製品の決定が成功するとき、人間の作業者は、単に製品を1つのコンテナから別のコンテナに移すことができる。しかしながら、製品決定しないとき、人間の作業者は、製品を正しく識別するために、製品識別子読み取り手段(バーコードリーダなど)によって各製品を渡すように指示されてもよい。
【0077】
このようにして、第2の実施形態による制御ユニット600は、画像化された製品が正しく識別されたときに、人間の作業者が製品識別子リーダを使用する必要性を回避する機能性を提供する。
【0078】
修正及びバリエーション
本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多くの修正及びバリエーションを行うことができる。
【0079】
オンラインの食料雑貨店やスーパーマーケットのような、複数の製品ラインを販売しているオンライン小売ビジネスは、数万の、または、数十万もの異なる製品ラインを保管することができるシステムを必要とする。必要とされるスタックのすべてを収容するために非常に広いフロアエリアが必要とされることから、このようなケースにおける単一製品スタックの使用は、非実用的であることがある。さらに、傷みやすいもの、あまり頻繁に注文されない品物のような、いくつかのアイテムの少量を保管することのみに望ましいことがあり、単一製品スタックを非効率的な解決策としている。
【0080】
国際特許出願WO98/049075A(Autostore)は、その内容が参照によってここに組み込まれており、コンテナの複数製品スタックがフレーム構造内で構成されているシステムを説明している。
【0081】
PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)は、さらなる既知の保管及び履行システムを説明しており、容器又はコンテナのスタックは、フレームワーク構造内に構成されている。容器又はコンテナは、フレーム構造の最上部に位置付けられている軌道上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスによってアクセスされる。積み荷取り扱いデバイスは、スタックから容器又はコンテナを持ち上げ、複数の積み荷取り扱いデバイスは、スタックの一番下のポジションに位置付けられている容器又はコンテナにアクセスするために協同する。このタイプのシステムは、添付の図面の図7から図10において概略的に図示されている。
【0082】
図7及び図8において示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、互いの最上部に積み重ねられている。スタック12は、倉庫又は製造環境において格子フレームワーク構造14中に構成されている。図7は、フレームワーク構造14の概略的な斜視図であり、図8は、フレームワーク構造14内に構成されている容器10のスタック12を示している上面から見下ろした図である。
各容器10は、典型的に、(示されていない)複数の製品アイテムを保持しており、容器10内の製品アイテムは、完全に同じであるかもしれず、又は、用途に依存する異なる製品タイプのものであるかもしれない。
【0083】
フレームワーク構造14は、水平の部材18、20を支持する複数の直立部材16を備えている。直立部材16によって支持されている複数の水平格子構造を形成するために、平行な水平部材18の第1のセットは、平行な水平部材20の第2のセットに垂直に構成されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造されている。フレームワーク構造14は、容器10のスタック12の水平移動に対してガードし、容器10の垂直の移動を誘導するように、容器10は、フレームワーク構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられている。
【0084】
フレーム構造14の最上レベルは、スタック12の最上部に渡る格子パターンで構成されているレール22を含んでいる。さらに、図9及び図10を参照すると、レール22は、複数のロボットの積み荷取り扱いデバイス30をサポートしている。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の一番上に渡って、第1の方向(X)における積み荷取り扱いデバイス30の移動を誘導し、平行なレール22の第2のセット22bは、第1のセット22aに対して垂直に配置され、第1の方向に対して垂直な第2の方向(Y)において、積み荷取り扱いデバイス30の移動を誘導する。この方法において、レール22は、水平X-Y平面における、2次元での横方向の積み荷取り扱いデバイス30の移動を可能にするので、積み荷取り扱いデバイス30は、スタック12のうちのいずれか上のポジションに移動できる。
【0085】
積み荷取り扱いデバイス30の一形態は、ノルウェー特許第317366号にさらに記載されており、その内容は、参照によってここに組み込まれる。図9(a)及び9(b)は、容器10を置く積み荷取り扱いデバイス30の概略断面図であり、図9(c)は、容器10を持ち上げる積み荷取り扱いデバイス30の概略正面斜視図である。しかしながら、ここで説明するシステムと組み合わせて使用されてもよい、積み荷取り扱いデバイスの他の形態がある。例えば、ロボット積み荷取り扱いデバイスのさらなる形態が、PCT特許公報第WO2015/019055(Ocado)で説明されており、参照によってここに組み込まれており、ここでは、各ロボット積み荷ハンドラがフレームワーク構造の1つの格子空間のみをカバーし、したがって、積み荷ハンドラのより高い密度が、及び、したがって所定サイズのシステムに対してより高いスループットが可能となる。
【0086】
各積み荷取り扱いデバイス30は、スタック12の上方で、フレーム構造14のレール22上で、X方向及びY方向に移動するように構成されている車両32を備えている。車両32の正面のホイール34の対と、車両32の背面のホイール34の対とからなる、ホイール34の第1のセットは、レール22の第1のセット22aの2つの隣接レールに係合するように構成されている。同様に、車両32の各側面のホイール36の対からなる、ホイール36の第2のセットは、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように構成されている。ホイール34、36の各セットは、ホイール34の第1のセット又はホイール36の第2のセットのいずれかが常にそれぞれのレールのセット22a、22bと係合するように、持ち上げられ、且つ下げられることができる。
【0087】
ホイール34の第1のセットがレールの第1のセット22aに係合され、ホイール36の第2のセットがレール22から完全に持ち上げられているとき、車両32中に収納されている駆動機構(示されていない)を介して、積み荷取り扱いデバイス30をX方向に移動させるために、ホイール34を駆動することができる。Y方向に積み荷取り扱いデバイス30を移動させるために、ホイール34の第1のセットは、レール22から完全に持ち上げられて、ホイール36の第2のセットは、レール22aの第2のセットとの係合の中に下げられる。その後、駆動機構を使用してホイール36の第2のセットを駆動し、Y方向への移動を達成することができる。
【0088】
積み荷取り扱いデバイス30は、持ち上げデバイスを装備する。持ち上げデバイス40は、4本のケーブル38によって積み荷取り扱いデバイス32の本体から吊り下げられているグリッパプレート39を備えている。ケーブル38は、車両32内に収納されている(示していない)巻き線機構に接続されている。車両32に関するグリッパプレート39のポジションをZ方向に調節できるように、ケーブル38は、積み荷取り扱いデバイス32に、又は、積み荷取り扱いデバイス32から巻き取られることができる。
【0089】
グリッパプレート39は、容器10の最上部と係合するように適合されている。例えば、グリッパプレート39は、容器10の最上面を形成するリム中の(示されていない)対応する穴と結合する(示されていない)ピンと、容器10を把持するためにリムと係合可能な(示されていない)スライドクリップを含んでいてもよい。クリップは、グリッパプレート39内に収容された適切な駆動機構によって容器10と係合するように駆動され、その駆動機構は、ケーブル38自体又は別個の制御ケーブル(図示せず)を通じて搬送される信号によって電力供給され、制御される。
【0090】
スタック12の最上部から容器10を取り除くために、グリッパプレート39がスタック12のより上に位置付けられるように、積み荷取り扱いデバイス30を必要に応じてX及びY方向に移動させる。グリッパプレート39は次いで、図9(c)に示されるように、Z方向に垂直に下げられ、スタック12の最上部の容器10と係合する。グリッパプレート39は、容器10を把持し、その後、取り付けられた容器10とともに、ケーブル38上に引っ張り上げられる。その垂直移動の最上部において、容器10は、車両本体32の内に収容され、レール22のレベル上に保持される。このような方法で、容器10を別のロケーションに搬送するために、X-Y平面において異なるポジションに積み荷取り扱いデバイス30を移動させることができ、積み荷取り扱いデバイス30とともに容器10を運ぶ。ケーブル38は、積み荷取り扱いデバイス30が、フロアレベルを含むスタック12の任意のレベルから容器を取り出し、置くことができるように十分長い。車両32の重量は、ホイール34、36のための駆動機構に電力供給するために使用されるバッテリから部分的に備えてもよい。
【0091】
図10中に示すように、複数の同じ積み荷取り扱いデバイス30が設けられ、各積み荷取り扱いデバイス30は、システムのスループットを増加させるために、同時に動作できる。図10に図示されるシステムは、ポートとして知られる特定のロケーションを含んでいてもよく、そこで容器10をシステム内部又は外部に移送することができる。各ポートには、追加のコンベヤシステム(図示せず)が関係付けられているため、積み荷取り扱いデバイス30によってポートに搬送された容器10を、コンベヤシステムによって別のロケーション、例えば、ピッキングステーション(図示せず)に移送することができる。同様に、容器10は、コンベヤシステムによって外部ロケーションからポート、例えば、容器充填ステーション(図示せず)に移動され、積み荷取り扱いデバイス30によってスタック12に搬送されて、システムにおけるストックを補充することができる。
【0092】
各積み荷取り扱いデバイス30は、同時に1つの容器10を持ち上げ、移動することができる。スタック12の最上部に位置付けられていない容器10b(「ターゲット容器」)を回収する必要がある場合、上にある容器10a(「非ターゲット容器」)をまず移動させて、ターゲット容器10へのアクセスを可能にしなければならない。これは、以下で「掘り出し」として呼ばれる動作で達成される。
【0093】
図10を参照すると、掘り出し動作の間、積み荷取り扱いデバイス30のうちの1つは、ターゲット容器10bを含むスタック12から各非ターゲット容器10aをシーケンシャルに持ち上げ、別のスタック12内の空のポジションに配置する。ターゲット容器10bは次いで、積み荷取り扱いデバイス30によってアクセスされ、更なる搬送のためにポートに移動されることができる。
【0094】
積み荷取り扱いデバイス30のそれぞれは、中央コンピュータの制御下にある。システム中の各個々の容器10は追跡され、適切な容器10を取り出し、搬送し、必要に応じて置き換えることができる。例えば、掘り出し動作の間、非ターゲット容器10aを追跡できるように、非ターゲット容器10aのそれぞれのロケーションは、ログ記録される。
【0095】
図7から10を参照して説明するシステムは、多くの利点を有し、広範囲の保管と取り出し動作に適している。特に、これは、製品の非常に密な保管を可能にし、容器10中に大規模な範囲の異なるアイテムを保管する非常に経済的な方法を提供する一方で、ピッキングのために必用とされるとき、容器10のすべてへの合理的で経済的なアクセスを可能にする。
【0096】
しかしながら、このようなシステムにはいくつかの欠点があり、それらはすべて、ターゲット容器10bがスタック12の最上部にないときに実行されなければならない上述した掘り出し動作から結果として生じる。
【0097】
容器又はコンテナのスタックがフレームワーク構造内に配置される上述の保管及び履行システムは、本発明の第1及び第2の実施形態のいずれか又は両方とともに使用されてもよい。
【0098】
特に、第1の実施形態は、フレームワーク構造から出る、フレームワーク構造に入る、又はフレームワーク構造から、フレームワーク構造に、もしくはフレームワーク構造の間で搬送される容器10とともに使用されてもよい。例えば、フレームワーク構造に入る前に、容器10は、第1の実施形態の制御ユニット100を使用して検査することができる。容器10が汚染されていると決定された場合、容器10は、フレームワーク構造内に進入して積み荷取り扱いデバイス30によって使用される前に、清掃ユニット502に迂回されてもよい。代替的に、積み荷取り扱いデバイス30は、当然のことながら、容器10が汚染されているかどうかについての制御ユニット100による決定のために、スタック間のロケーション、スタックの外側などにおいて、フレーム構造からの容器10を置いてもよい。もしそうであれば、容器のスタックに再挿入する前に清掃することができる。同様に、フレームワーク構造を離れると、容器10は、その行程に沿って続けることができるようになる前に、制御ユニット100によって汚染についてチェックされてもよい(必要であれば清掃されてもよい)。
【0099】
追加的又は代替的に、第1の実施形態は、作業者(手動又は自動ピッキングのいずれか)による容器10からの製品の取り出し及び/又は容器10への製品の追加のために、フレームワーク構造に隣接し、搬送デバイス30から容器10を受け取るように配置されたピッキングステーションで使用されてもよい。例えば、ピッキングステーションに入る前に、容器10は、第1の実施形態の制御ユニット100を使用して検査されてもよい。容器10が汚染されていると決定される場合、容器10は、ピッキングステーションに入る前に清掃ユニット502に方向転換されてもよい。同様に、ピッキングステーションを出ると、容器10は、制御ユニット100によって汚染についてチェックされ(必要に応じて清掃され)、その後、その行程に沿って、例えば、フレームワーク構造に入ることが可能になる。
【0100】
追加的又は代替的に、第2の実施形態の制御ユニット600は、作業者803による容器10からの製品の取り出し及び/又は容器10への製品の追加のために、搬送デバイス30から容器10を受け取るように構成された、フレームワーク構造に隣接するピッキングステーションで使用されてもよい。この動作は、容器10を画像化してその中に存在する製品/アイテムを識別するように構成することができる第2の実施形態の制御ユニット600によって支援することができる。したがって、作業者802は、各製品をスキャンしてその製品識別子(バーコードなど)を決定する必要なく、容器10から多数の製品を取り出すように指示されてもよい。このようにして、各製品のスキャンが必要とされないので、動作可能な時間及び労力が節約される。作業者802による作業が完了した後、容器10は、スタックに再挿入されるか、又はスタックから別のロケーションに出ることができる。
【0101】
保管システムと清掃ユニットの一体化
清掃ユニット502については既に説明した。以下は、このような清掃ユニット502と図7に示される保管システムとの統合に関するさらなる情報を提供する。清掃ユニット502と保管システムとの統合は、第1の実施形態又は第2の実施形態のいずれかに限定されない。代わりに、清掃ユニット502は、Ocado又はオートストアによって製造及び維持されるもののような、図7に描かれるタイプの任意の保管システムと統合するように構成される。この目的のために、第1の実施形態又は第2の実施形態の特徴は、清掃ユニット502と図7の保管システムとの統合を達成するために必ずしも必要とされない。本変形例で説明する清掃ユニット502は、容器10を清掃するように構成されたものである。これは、溶媒(水など)、手動撹拌(毛又は水の噴流など)、およびこれらに類するもののような多くの方法で達成することができる。しかしながら、以下の説明は、オプションとして、躊躇することなく、第1の実施形態及び/又は第2の実施形態の特徴と組み合わせることができる。
【0102】
以下の説明では、清掃ユニット502は「トート洗浄機」として説明されるが、機能は同じであり、すなわち、容器10の清掃(又は洗浄)である。容器10及びトートという用語は、交換可能に使用されることが想定される。
【0103】
入口ポート&出口ポート
「ポート」は、フレーム構造への/からのトートの出入りのために確保された保管システム内の単一の垂直柱である。この目的のために、水平部材18、20を支持する複数の直立部材16を備えるフレームワーク構造は、典型的には、図7に示されるように、積み重ねられた容器10を保管するために使用される。しかしながら、ポートを形成するために、フレームワーク構造の柱は、容器10がない/自由であるように配置される。このようにして、積み荷取り扱いデバイス30は、障害なく、容器10をフレームワーク構造の底部から頂部まで持ち上げ又は下げることができる。したがって、運搬手段がフレーム構造の底部に設けられている場合、積み荷取り扱いデバイス30は、ポートを通してフレーム構造の内外に容器10を移動させることができる。
【0104】
専用ポート柱内のフレームワーク構造内に保管されたトートの最上レベル又はその下には、(a)フレームワーク構造出口ポート中の積み荷取り扱いデバイス30からトートを受け取るように、(b)積み荷取り扱いデバイス30がフレームワーク構造入口ポート中のトートをピックアップすることを可能にするように、及び/又は(c)双方向ポート中で前述の機能の両方を実行するように構成された機械パッドが位置付けられてもよい。単一方向の入口ポート及び出口ポートは、プログラマブルロジックコントローラの変更によって反対の機能に再構成可能であるように設計することができるが、典型的には機械的な変更を必要としない。
【0105】
双方向ポート
専用ポート柱中のフレームワーク構造中に保管されたトートの最上レベル又はその下のある点には、(a)フレームワーク構造出口ポート中の積み荷取り扱いデバイス30からトートを受け取ること、及び(b)積み荷取り扱いデバイス30がフレームワーク構造入口ポート中のトートをピックアップすることの両方の機能を実行するように設計された機械パッドを位置付けることができる。このようにして、フレームワーク構造からの入口及び出口の機能を実行するためにフレームワーク構造中に必要とされる空間が少なくなり、フレームワーク構造のより多くの柱を容器10の保管場所に割り当てることが可能になる。
【0106】
積み荷取り扱いデバイス「ホバー」を備えた双方向ポート
上述の双方向ポートは、オプションとして、積み荷取り扱いデバイス30がグリッパプレート39を使用して機械的受けパッド上にトートを置くことを可能にする追加の機能を有してもよい。次に、積み荷取り扱いデバイス30は、ポートに対してそのグリッパプレート39を十分に上昇させて、置かれたトートを受けパッドからフレームワーク構造出口コンベヤ(又は他の運搬手段、例えば自律誘導車両など)上に移動させる。次いで、ポート機構は、フレームワーク構造に入ってくる次の容器を機械パッド上に移動させる。次いで、積み荷取り扱いデバイス30は、グリッパプレート39を下げて、フレームワーク構造物進入トートをピックアップする。グリッパプレート39をその下でトートを交換するのに十分な高さに保持する技術は、「積み荷取り扱いデバイスホバリング」として知られている。これは、各積み荷取り扱いデバイス30の使用において、特にポート機械式受けパッドがフレームワーク構造内の下方に配置されるときに、より効率的である。このようにして、各積み荷取り扱いデバイス30によって時間が節約され、1つの容器についてそのグリッパプレート39を完全にウインチで上げ下げする必要がなくなる。その代わりに、ウィンチで下げることは第1の容器10を置くことができ、ウィンチで上げることは第2の容器10を回収することができる。したがって、積み荷取り扱いデバイス30の下方で容器を交換するのに必要な時間が短くなる。積み荷取り扱いデバイスホバーを有する双方向ポート機構は、所定のスループットに必要な時間に関してより効率的であり、ポート自体はより効率的であり、より高い容器双方向スループットレートをサポートする。
【0107】
トート洗浄機
以下では、汚れたトートを受け取り、それらがきれいになるまでそれらを処理するように構成されたトート洗浄機の構造の例を説明する。先に説明したように、トート洗浄機は、清掃ユニット502と同じ機能を実行することが想定される。
【0108】
トート洗浄機のセクション/フェーズは以下の通りである:
・コンベヤインフィード;
・第1の段階:場合によってはトートの反転、様々なエフェクタを有するロボットアーム、及び吸引デバイスによる「ゴミ除去」。このようにして、トート中の物理的材料、例えば、パッケージング、食品、他の廃棄物が除去される;
・第2段階:噴霧ジェット及び場合によってはブラシによるトート洗浄。トートの表面に付着した液体又は固体の汚染物質を除去する。
・第3段階:トートすすぎ:例えば、残りの化学物質を除去するために淡水を使用する;
・第2及び第3の段階は、排水を補助するために反転されたトートを用いて行われてもよい。
・第4段階:トート乾燥。この方法は、熱風などを用いて達成される;
・トートは出口コンベヤによってトート洗浄機を出る;
・段階は、トート洗浄機を通ってトートが移動するにつれて連続的に生じてもよく、又は単一の多目的ベイ内で行われてもよい。
【0109】
一体化されたトート洗浄機
トート洗浄機の保管システムへの統合は、トート洗浄機のインフィードコンベヤ及びアウトフィードコンベヤを、それぞれ、フレームワーク構造の出口ポート及び入口ポートに接続することによって達成されてもよい。このようなポートについては前述した。あるいは、トート洗浄機のインフィードコンベヤ及びアウトフィードコンベヤは、フレームワーク構造の双方向ポートに接続されてもよい。このようにして、フレームワーク構造からの往復退出、トート洗浄、及びフレームワーク構造への(戻り)進入を達成するために、トートの手動の取り扱いは必要とされない。
【0110】
参照を簡単にするために、トート洗浄機をフレームワーク構造に接続する出口/入口/双方向ポートは、「トート洗浄ポート」とよばれてもよい。
【0111】
「トート洗浄ポート」においてフレームワーク構造を離れるトート(フレームワーク構造出口)
保管システムコントローラは、保管システムに関係付けられ、積み荷取り扱いデバイス30のそれぞれの移動及び動作を制御するように構成されてもよく、また、コンベヤは、容器10をフレームワーク構造へ/から移動させるように構成されてもよい。加えて、機械パッドは、パッド上にトートがあることを保管システムコントローラに通知するように配置されたセンサを備えてもよく、トートによって既に占有されているときに、これは、保管システムコントローラが荷扱いデバイス30に別のトートをパッド上に配置するように課すことを防止する。ポートはまた、受け入れエリアから離れたトートの移動を可能にするのに十分にグリッパプレート39が後退したことを検出するためのセンサを有してもよく、又はこの情報は、積み荷取り扱いデバイス30によって伝えられてもよい。いったんパッド上のトートの存在が確認され、積み荷取り扱いデバイス30からトートがなくなると、保管システムコントローラは、パッド機構に、トートをコンベヤシステムに移動させる(又は解放する)ように命令してもよい。一体化されたトート洗浄機のケースでは、コンベヤはトート洗浄機まで走行してもよい。いくつかの送出ポートからのコンベヤは、トート洗浄機より前に一緒に併合されてもよい。代替的に、コンベヤはスタブを形成してもよく、このスタブから、パレットによる搬送のために自律誘導車両又はパレットに手動又は自動で積載する。
【0112】
「トート洗浄ポート」においてフレームワーク構造に導入されるトート(フレームワーク構造進入)
ポートの機械パッドは、パッド上にトートが存在することを保管システムコントローラに通知するように配置されたセンサをさらに備えてもよく、これは、保管システムコントローラをトリガして、積み荷取り扱いデバイス30に、パッドからトートをピックアップするように課す。トリガはまた、トートがパッドに到達する前に、それを通過するときに起動される光センサなどの、コンベヤ上のさらに下流の事前告知スキャナからのものであってもよい。パッドはまた、保管システムコントローラが別のトートをパッド上に移動させるのに十分にグリッパプレート39が後退したことを検出するためのセンサを備えてもよい。
【0113】
一体型トート洗浄機のケースでは、コンベヤは、トート洗浄機の出口からフレームワーク構造の入口トート洗浄ポートまで伸長してもよい。
オプションとして、トート洗浄機の出口上のコンベヤはスタブを形成してもよく、そこからパレットによる搬送のためにAGV又はパレットへの手動又は自動積載が行われてもよい。
次いで、トートは、自動的に又は手動でコンベヤスタブ上に降ろされてもよく、そこからトートは、フレームワーク構造(入口)トート洗浄ポートに誘導される。
トート洗浄機の出口からのコンベヤは、それぞれが別個のフレームワーク構造(入口)トート洗浄ポートに供給するいくつかのコンベヤスプールに方向転換されてもよい。
【0114】
双方向「トート洗浄ポート」を用いた動作
トート洗浄ポートは、双方向であってもよく、すなわち、積み荷取り扱いデバイス30は、洗浄のために汚れたトートを降ろし、グリッパプレート39を積み荷取り扱いデバイス30内に完全に後退させる必要なく、同じ「トート洗浄」ポートから清潔な(新たに洗浄された)トートをピックアップしてもよい。典型的には、一体型トート洗浄機の送り込みにつながるコンベヤは、双方向「トート洗浄」ポートの一方の側に接続され、一体型トート洗浄機の出口につながるコンベヤは、双方向トート洗浄ポートの異なる側に接続される。
【0115】
このようにして、双方向ポートに関して上述したように、機械パッドは、積み荷取り扱いデバイス30から汚れたトートを受け取ることができる。次に、機械パッドは、汚れたトートを清掃のためにトート洗浄機に送ることができる。同時に、汚れたトートが発送されるまで、清潔なトートがトート洗浄機を離れ、双方向ポートの隣に保持されてもよい。その後、清潔なトートは、ホバリング積み荷取り扱いデバイス30による収集の準備ができている機械パッドに入ることができる。
【0116】
トート洗浄機能との保管システムコントローラの相互作用
保管システムコントローラ又はそのサブモジュールは、トートが以下のために使用されているかどうかを記録することができる:
1)在庫、すなわち、顧客注文の一部を形成するかもしれないアイテムを保管するトートを保管すること;
2)サブトート、すなわち、顧客が注文した製品を含む、顧客に配送するためのサブトートにおいて顧客注文を保管すること;
3)最後の洗浄以来、在庫を保管するためにもサブトートを保管するためにも使用されていないこと。いったんトートは、1)在庫を保管するか、又は2)サブトートを保管するかのいずれかに割り当てられると、洗浄されるまで他の目的に使用することができない。
【0117】
在庫を保管するために使用されるトートについて、保管システムコントローラ又はサブモジュールは、以下の規則のうちの少なくとも1つに基づいて、トートが洗浄のためにフラグ付けされるべきときを指定する少なくとも1つの構成可能な規則を実現してもよい;
1)最後の洗浄からの経過時間;
2)最後のトート洗浄からのコールアウトの数;
3)最後の洗浄から空にするためにトートがピッキングされた回数;
4)ピッカー、デカンター、IMS(「在庫管理ステーション」)作業者によって、トートが汚れているとフラグを立てられていること、又はGUIにおいて、管理者がトートに汚れているとフラグを立てていること;
5)トートの内容物は、設定可能な高リスク製品リスト上で指定されること。典型的には、これは生チキン、漂白剤、排水管クリーナーのような在庫である。高リスク製品リストに指定された製品を含むトートについて、保管システムコントローラ又はサブモジュールは、トートが空になるようにピッキングされるN回ごとに洗浄するようにトートにフラグを立て、Nは1以上の整数値をとることができ、Nの別個の値を個々の製品ごとに記憶及び構成することができ、又はNの値を高リスク製品の特定のグループについて記憶及び構成することができる。
【0118】
「空にするためにピッキングされる」は、ピックステーションにおいて顧客注文への移送のために製品をピッキングするプロセスによって、製品を含んでいるトートを空にするプロセスに関する。
【0119】
顧客への配送のためにサブトートを保管するために使用されるトートについて、保管システムコントローラ又はサブモジュールは、以下の規則のうちの少なくとも1つを含む、トートが洗浄のためにフラグを立てられるべきときを指定する少なくとも1つの構成可能な規則を実現してもよい:
1)最後の洗浄からの経過時間;
2)最後のトート洗浄からのコールアウトの数;
3)ピッカー、デカンター、IMS作業者又は管理者が、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)においてトートが汚れているとフラグを立てたかどうか。
【0120】
トートが洗浄されるべきであることを指定する各規則を用いて、別個の構成可能な洗浄優先度レベルが割り当てられてもよい。保管システムコントローラは、最高優先度レベルでマークされたトートが洗浄される前に使用できないように構成することができる。これは、典型的には、汚れているとしてフラグが立てられたトート、又は空にする(すなわち、それが以前に保管していた製品を空にする)ためにトートがピッキングされるたびに洗浄を必要とする高リスクSKUを保管しているトートである。保管システムコントローラは、洗浄優先度及び洗浄要求が設定された日付及び時間に基づいて、洗浄のために直ちに準備ができているトートのバックログを維持する。これにより、保管システムコントローラは、効率的なバックグラウンドプロセスとしてトート洗浄機能を動作させることができ、余分なリソースを使用するが、生産要件を満たすためにフレームワーク構造中で十分な数の利用可能なトートを維持する。
【0121】
その最後の洗浄以来、在庫を保管するため、又はサブトートを保管するために使用されていないトートに関して、保管システムコントローラは、1)在庫を保管するか、又は2)サブトートを保管するかのいずれかへの割り当てを、これらのクラスのトートのうちの1つの集団を拡大する必要があるまで、遅延させてもよい。
【0122】
トートは、トート洗浄機からフレームワーク構造に戻る際にリセットされた洗浄履歴及び内容物履歴に関するすべての洗浄関連データを有する。
【0123】
室温で保管される製品のための、及び冷却された環境を必要とする製品のための別個のフレームワーク構造を有する施設について、一体型トート洗浄は、一方又は両方の格子中に入口、出口及び/又は双方向ポートを有してもよい。トート洗浄ポートが1つのフレームワーク構造中にのみ設置されるケースでは、トートは、移送機構を使用してフレームワーク構造間で搬送され、一体型トート洗浄機にアクセスし、そこから戻ることができる。
【0124】
トート洗浄ポートが室温製品を保管するフレームワーク構造にのみに合うケースでは、トートがトート洗浄機内の高温洗浄から冷却されるまで、保管システムコントローラは、室温製品を保管するために新たに洗浄されたトートをフレームワーク構造中に保持することができ、その後、新たに洗浄されたトートは、冷却された製品についてフレームワーク構造内に移動されることを考慮できるようになる。これは、冷却された製品のためのフレームワーク構造における局所的な冷却条件を維持するのに役立つ。
【0125】
一体化されていないトート洗浄機は、フレームワーク構造とのそのような広範な一体化を考慮しない。したがって、トートを洗浄するために、汚れたトートは、(以前はピックステーションと呼ばれていた)在庫管理ステーションから取り出され、清掃され、その後、(以前はピックステーションと呼ばれていた)在庫管理ステーションにおけるフレームワーク構造に清潔に戻される。典型的には、室温製品のために使用されるトートは、室温フレームワーク構造のためのフレームワーク構造在庫管理ステーションにおいて取り出され、戻される。一方、トートに保管された冷却された製品は、チルドフレームワーク構造のためのフレームワーク構造在庫管理ステーションにおいて取り出され、戻される。しかしながら、室温及び冷却された製品のための別個のフレームワーク構造を有する施設のためのトート洗浄機への問題のあるルートに適合するために、洗浄のための全てのトートは、1つのフレームワーク構造中の在庫管理ステーションにおいて除去され、戻されてもよい。他の温度レジームフレームワーク構造のためのトートは、フレームワーク構造間の移送を介してルーティングされてもよい。同様に、単一の温度レジームに複数のフレームワーク構造がある場合、トートは、単一のフレームワーク構造の在庫管理ステーションで除去され、戻されてもよく、他のフレームワーク構造の洗浄のためのトートは、フレームワーク構造の移送を介して除去され、戻される。
【0126】
ポートを介したトートの導入及び除去
トートは、空であるか、又は在庫が含まれているかのいずれかであり、以下のうちの少なくとも1つを介して、フレームワーク構造保管場所に導入されるか、又はそこから除去されてもよい。
・入口ポート及び出口ポート
・双方向ポート
・積み荷取り扱いデバイス「ホバー」を備えた双方向ポート
ポートがこのように使用されるとき、それらは、バーコード、QRコード(登録商標)、又はRFIDタグ、又は誘導される各トート上に位置付けられた他のアイデンティティタグもしくはラベルのような識別子を読み取るためのスキャン手段をさらに備えてもよい。トートの導入に使用されるポートは、導入された在庫の1つ以上のラベルをスキャンするためのデバイスをさらに備えることができ、オプションとして、導入されている各製品のアイテムの数量を入力するオプションを有することができる。このようにして、保管システムコントローラは、製品が保管されるコンテナと共に保管システムに保管されている製品の量及びタイプを認識することができる。このようにして、必要とされるとき、保管システムからの製品の迅速かつ正確な取り出しを行うことができる。あるいは、スキャン機能性は、ポートで使用されるモバイル(ワイヤレス)デバイスに組み込まれてもよい。そのケースでは、ポートは、バーコード、QRコード(登録商標)、又は他のスキャン可能なラベルを有してもよく、そのようなモバイルデバイスが、在庫が導入されているポートを識別することを可能にする。
【0127】
本発明の実施形態の前述の説明は、実例及び説明の目的で提示されている。本開示を開示したまさにその形態に網羅する又は限定することを意図してはいない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、修正及びバリエーションを行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a-9c】
図10
【国際調査報告】