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特表2022-531494気化器デバイスと共に使用するためのインサート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】気化器デバイスと共に使用するためのインサート
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20220629BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20220629BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566117
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2020031628
(87)【国際公開番号】W WO2020227377
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/863,227
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/876,575
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/844,001
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20190100302
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315012459
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Juul Labs, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー ジェイ. バトリー
(72)【発明者】
【氏名】イアン ガルシア-ドティ
(72)【発明者】
【氏名】クセノフォン カロゲロポロス
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア エイ. カーズマン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー アール. マウクル
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ディー. ニューボールド
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ジェイ. スミス
(72)【発明者】
【氏名】ポール アール. ヴィエイラ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC02
4B162AC13
4B162AC16
4B162AC17
4B162AC22
4B162AC41
4B162AC50
4B162AD03
4B162AD15
4B162AD23
(57)【要約】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのシステムが、気化器デバイスのコンパートメント内に挿入されるように構成されたインサート650を有している。インサートは、気化可能材料を収容するように構成された内側チャンバを画定するジャケット660を含み、加熱要素は、気化可能材料を加熱するように構成されていてよく、これにより吸入可能なエアロゾルが生成される。いくつかの実施例では、インサートは、第2の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されていて、加熱要素によって加熱された際に蒸気を発生させるように構成されたフィルタを含んでいてよく、これにより吸入可能なエアロゾルの混合物が形成される。関連するシステム、方法、および製造品についても記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのシステムであって、前記システムは、
インサートであって、
内側チャンバを画定するジャケットと、
前記内側チャンバ内に含まれる気化可能材料と、を有するインサートと、
気化器デバイスであって、
前記インサートを収容するように構成されたコンパートメントと、
前記コンパートメント内に位置する前記インサートを加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された加熱要素と、を有する気化器デバイスと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記ジャケットは、気化可能材料から形成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記ジャケットは、空気が前記インサート内へかつ/または前記インサートから外へ流れることを許容するように構成された貫通孔を含む、請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記ジャケットは、前記ジャケットが加熱されるかまたは加熱されることによって劣化するまで、空気が前記インサートを通って流れることを妨げるように構成されている、請求項1または2記載のシステム。
【請求項5】
前記加熱要素は、インサート捕捉および加熱機構を有していて、前記インサート捕捉および加熱機構は、第1の箔ヒータを含み、前記第1の箔ヒータはばね機構を介して第2の箔ヒータに連結されていて、前記ばね機構は、前記第1の箔ヒータと前記第2の箔ヒータとが開放構造と閉鎖構造との間で移行することを許容するように構成されており、前記開放構造は、前記インサートが前記第1の箔ヒータと前記第2の箔ヒータとの間に配置されることを許容し、前記閉鎖構造は、前記インサートの加熱のために前記第1の箔ヒータと前記第2の箔ヒータとを前記インサートの対向する面に少なくとも部分的に適合させて、前記吸入可能なエアロゾルを生成する、請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記加熱要素は、インサートヒータを有していて、前記インサートヒータは、枢動支持部の間に延在する柔軟な加熱要素を含んでおり、前記枢動支持部は、前記インサートヒータが開放構造と閉鎖構造との間で移行することを許容し、前記開放構造は、前記柔軟な加熱要素が前記インサートを受容することを許容し、前記閉鎖構造は、前記インサートの加熱のために前記柔軟な加熱要素が前記インサートの少なくとも一部に巻き付いて前記吸入可能なエアロゾルを生成することを許容する、請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記加熱要素は、前記気化器デバイスの前記コンパートメント内に延在する穿刺部材に連結されていて、前記穿刺部材は、前記インサートが前記コンパートメント内に挿入されるときに前記インサートを穿刺するように構成され、これにより、前記インサートの前記内側チャンバ内に前記加熱要素が配置される、請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記加熱要素は、前記インサートの周面の周囲に延在するように構成されたコイルばねを備える、請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記気化可能材料は、植物性材料および/または植物性材料ベースの製品を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記気化可能材料は、タバコの葉および/または再形成タバコを有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記気化可能材料は、ゲル材料を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
前記気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
気化器デバイスのコンパートメント内に挿入されるように構成されたインサートであって、前記インサートは、
内側チャンバを形成するジャケットと、
前記内側チャンバ内に含まれる気化可能材料と、を備え、前記ジャケットおよび前記気化可能材料のそれぞれは、タバコ材料を有している、
インサート。
【請求項14】
前記気化可能材料を加熱し、これにより吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された加熱要素をさらに有している、請求項13記載のインサート。
【請求項15】
前記加熱要素は、導電材料から成る平坦なプレートを有していて、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記インサートの前記内側チャンバ内に位置している、請求項14記載のインサート。
【請求項16】
前記ジャケットは、空気が前記インサート内へかつ/または前記インサートから外へ流れることを許容するように構成された貫通孔を含む、請求項13から15までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項17】
前記ジャケットは、前記ジャケットが加熱されるかまたは加熱により劣化するまで、空気が前記インサートを通って流れることを妨げるように構成されている、請求項13から15までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項18】
気化器デバイスと共に使用するためのインサートであって、前記インサートは、
内側チャンバを形成し、第1の気化可能材料を有するジャケットと、
前記内側チャンバ内に含まれる第2の気化可能材料と、
前記第1の気化可能材料および前記第2の気化可能材料のうちの一方または両方と接触する加熱要素と、を有しており、前記加熱要素は、前記第1の気化可能材料と前記第2の気化可能材料とを加熱して、吸入可能なエアロゾルを形成するように構成されている、
インサート。
【請求項19】
前記第1の気化可能材料および前記第2の気化可能材料のそれぞれは、非液状の気化可能材料を有している、請求項18記載のインサート。
【請求項20】
前記第1の気化可能材料および前記第2の気化可能材料のそれぞれは、ルーズリーフのタバコを有している、請求項18または19記載のインサート。
【請求項21】
前記第1の気化可能材料および前記第2の気化可能材料のそれぞれは、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを有している、請求項18記載のインサート。
【請求項22】
前記加熱要素は、導電材料から成る平坦なプレートを有していて、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記インサートの前記内側チャンバ内に位置している、請求項18から21までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項23】
ユーザによる吸入のための吸入可能なエアロゾルを生成するための方法であって、前記方法は、
気化可能材料を含むように構成された内側チャンバを形成するジャケットを有しているインサートを、気化器デバイスのコンパートメント内に収容するステップと、
前記気化可能材料を加熱するように構成された加熱要素を作動させるステップと、
前記作動させるステップ及び前記気化可能材料の加熱の結果として前記吸入可能なエアロゾルを形成するステップと、
を有している、方法。
【請求項24】
前記インサートは前記加熱要素を有している、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記気化器デバイスは前記加熱要素を有している、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記インサートは生物分解性の材料を有している、請求項23記載の方法。
【請求項27】
前記気化可能材料は非液状の気化可能材料を有している、請求項23記載の方法。
【請求項28】
前記気化可能材料はタバコを有している、請求項23記載の方法。
【請求項29】
気化器デバイスと共に使用するためのインサートであって、前記インサートは、
内側チャンバを形成するジャケットと、
前記内側チャンバ内に含まれる第1の気化可能材料と、
前記内側チャンバ内に含まれる第2の気化可能材料と、
前記ジャケットに連結される加熱要素であって、前記加熱要素は、前記第1の気化可能材料および前記第2の気化可能材料と接触し、これらを加熱するように構成されており、前記第1の気化可能材料の加熱により第1の吸入可能なエアロゾルが形成される、加熱要素と、
前記内側チャンバを通って延在しており、前記第1の吸入可能なエアロゾルが前記第2の気化可能材料の一部に注入されることを許容するとともにユーザによる吸入のための第2の吸入可能なエアロゾルを形成する空気流通路と、
を有しているインサート。
【請求項30】
前記第1の気化可能材料を含む第1の領域の上流に位置するフィルタをさらに有していて、前記フィルタは前記第2の気化可能材料を含むように構成されている、請求項29記載のインサート。
【請求項31】
前記フィルタは綿材料から形成されている、請求項30記載のインサート。
【請求項32】
前記第2の気化可能材料は、プロピレングリコールおよび植物性グリセリンベースの液体のうちの1種以上を有している、請求項29から31までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項33】
前記ジャケットは、第3の気化可能材料から形成されている、請求項29から32までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項34】
前記加熱要素は、前記ジャケットの周面の周囲に延在している、請求項29から33までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項35】
前記第2の気化可能材料は液状の気化可能材料を有している、請求項29から34までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項36】
前記第1の気化可能材料は非液状の気化可能材料を有している、請求項29から35までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項37】
前記第1の気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを有している、請求項29から35までのいずれか1項記載のインサート。
【請求項38】
前記加熱要素は、前記第1の気化可能材料または前記第2の気化可能材料に直接接触する、請求項29から37までのいずれか1項記載のインサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)のもとで、2019年5月6日に出願された「TOBACCO INSERT」と題する米国仮特許出願第62/844,001号;2019年6月18日に出願された「TOBACCO INSERT」と題する米国仮特許出願第62/863,227号;2019年7月19日に出願された「TOBACCO INSERT」と題する米国仮特許出願第62/876,575号の優先権を主張し、さらに、米国特許法第119条(a)のもとで、2019年7月12日に出願された「TOBACCO INSERT」と題するギリシャ非仮特許出願第20190100302号の優先権を主張し、これらの出願の開示の全体は参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本明細書に記載される対象は、気化器デバイスの様々な実施例、および気化器デバイスと共に使用するための気化可能材料インサートの様々な実施例に関する。
【0003】
背景技術
気化器、電子気化器デバイス、またはe気化器デバイスとも称され得る気化器デバイスは、気化デバイスのユーザによるエアロゾルの吸入による、1種以上の有効成分を含むエアロゾル(例えば、空気または他の何らかの気体担体の静止しているまたは動いている質量中に懸濁された蒸気相および/または凝縮相の物質)の供給に使用することができる。例えば、電子ニコチン供給システム(ENDS)は、バッテリ電源が供給され、喫煙の体験をシミュレートするために使用することができる種類の気化器デバイスを含む。気化器は、薬剤の供給における規定された医療用途と、タバコ、ニコチン、および他の植物ベースの材料の消費との両方において、人気が高まっている。気化器デバイスは、携行可能であり、自給式であり、かつ/または使用に便利であり得る。
【0004】
気化器デバイスの使用において、ユーザは、口語で「蒸気」と称されるエアロゾルを吸入し、このエアロゾルは、例えば、気化可能材料を少なくとも部分的に気相に移行させることにより、気化可能材料を気化させる加熱要素によって生成することができる。気化可能材料は、液体、溶液、固体、ペースト、ワックス、および/または特定の気化器デバイスとの使用に適合する任意の他の形態であってよい。さらに、気化器と共に使用される気化可能材料は、気化可能材料を含む気化器デバイスの分離可能部分であってよく、気化可能材料の気化により生成されるエアロゾルをユーザに供給するための出口(例えば、マウスピース)を有する気化器カートリッジ内に提供することができる。
【0005】
気化器デバイスによって生成される吸入可能なエアロゾルを受け取るために、ユーザは、所定の例では、パフ(吸い込み)を行うことによって、ボタンを押すことによって、および/または何らかの他のアプローチによって、気化器デバイスを作動させることができる。本明細書で使用されるパフという用語は、空気体積を気化器デバイス内に引き込ませる形式で行われるユーザによる吸入を意味することができ、これにより気化された気化可能材料が空気体積と組み合わせられる場合に、吸入可能なエアロゾルが生成される。
【0006】
気化器デバイスが気化可能材料から吸入可能なエアロゾルを生成するアプローチは、気化可能材料を気相(または蒸気相)に変換させるために、気化チャンバ(例えば、ヒータチャンバ)内で気化可能材料を加熱することを含む。気化チャンバとは、その内部で熱源(例えば、伝導性、対流性、および/または放射性の熱源)が気化可能材料を加熱して空気と気化した材料との混合物を生成させ、気化デバイスのユーザによる気化可能材料の吸入のための蒸気を形成させる気化器デバイス内の領域または容積を意味することができる。
【0007】
気化可能材料が液体の場合、ウィッキング要素は、気化可能材料を保持しているリザーバの外に気化可能材料を引き出し、気化チャンバ内へと引き込むことができる。気化チャンバ内への気化可能材料の吸引は、少なくとも部分的には、ウィック要素が、気化可能材料をウィック要素に沿って気化チャンバの方向に引くときにウィック要素によって提供される毛管作用によるものであり得る。
【0008】
気化器デバイスは、気化器上の1つ以上のコントローラ、電子回路(例えば、センサ、加熱要素)および/またはこれらに類するものによって制御することができる。気化器デバイスは、外部コントローラ(例えば、スマートフォンなどのコンピューティングデバイス)と無線で通信することもできる。
【0009】
タバコまたは気化可能材料の品質は、大気に曝されると経年劣化するおそれがある。いくつかの気化器デバイスは、タバコまたは気化可能材料のために気密な格納を提供しておらず、これにより、タバコの品質を劣化させるおそれがあり、タバコの均一な加熱を妨げるおそれがある。
【0010】
現行の気化器デバイスに関するいくつかの問題点には、タバコのような気化可能材料を均一に加熱できないことが含まれている。このような困難な点を克服しようとすると、例えば、望ましくないことに、結果として製造コストが高くなるおそれがある。
【0011】
概要
本対象の特定の態様では、非液状の気化可能材料を含む様々な気化可能材料から吸入可能なエアロゾルを効率的かつ効果的に形成することに関する問題は、本明細書で説明される1つ以上の特徴、または通常の当業者によって理解される比較可能な/同等なアプローチによって対処することができる。本対象の態様は、吸入可能なエアロゾルを形成するために、気化器デバイスに挿入するための、気化可能材料インサートに関連する方法およびシステムに関する。
【0012】
1つの態様では、吸入可能なエアロゾルを生成するためのシステムが記載されている。このシステムは、内側チャンバを画定するジャケットと、この内側チャンバ内に含まれる気化可能材料とを有するインサートを含むことができる。このシステムは、インサートを収容するように構成されたコンパートメントと、このコンパートメント内に位置するインサートを加熱して、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された加熱要素とを含む気化器デバイスを含むことができる。
【0013】
いくつかの変化態様では、以下の特徴の1つ以上が、任意の実施可能な組み合わせにおいてオプションとして含まれてよい。ジャケットは、気化可能材料から形成することができる。ジャケットは、空気がインサート内へかつ/またはインサートから外へ流れることを許容するように構成された貫通孔を含むことができる。ジャケットは、当該ジャケットが加熱されるかまたは加熱により劣化するまで、空気がインサートを通って流れることを妨げるように構成することができる。気化可能材料は、植物性材料および/または植物性材料ベースの製品を含むことができる。気化可能材料は、タバコの葉および/または再形成タバコを含むことができる。気化可能材料は、ゲル材料を含むことができる。気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含むことができる。
【0014】
いくつかの変化態様では、加熱要素は、インサート捕捉および加熱機構を含むことができ、インサート捕捉および加熱機構は、第1の箔ヒータを含み、この第1の箔ヒータはばね機構を介して第2の箔ヒータに連結されている。ばね機構は、第1の箔ヒータと第2の箔ヒータとが開放構造と閉鎖構造との間で移行することを許容するように構成されていてよい。開放構造は、インサートが第1の箔ヒータと第2の箔ヒータとの間に配置されることを許容し得、閉鎖構造は、インサートの加熱のために第1の箔ヒータと第2の箔ヒータとをインサートの対向する面に少なくとも部分的に適合させて、吸入可能なエアロゾルを生成し得る。いくつかの変化態様では、加熱要素はインサートヒータを含むことができ、このインサートヒータは、枢動支持部の間に延在する柔軟な加熱要素を含んでいる。枢動支持部は、インサートヒータが開放構造と閉鎖構造との間で移行することを許容し得る。開放構造は、柔軟な加熱要素がインサートを受容することを許容し得、閉鎖構造は、インサートの加熱のために柔軟な加熱要素がインサートの少なくとも一部に巻き付いて吸入可能なエアロゾルを生成することを許容し得る。いくつかの変化態様では、加熱要素は、気化器デバイスのコンパートメント内に延在する穿刺部材に連結されていてよい。この穿刺部材は、インサートがコンパートメント内に挿入されるときにインサートを穿刺するように構成されていてよく、これによりインサートの内側チャンバ内に加熱要素が配置される。いくつかの変化態様では、加熱要素は、インサートの周面の周囲に延在するように構成されたコイルばねを備える。
【0015】
別の態様では、気化器デバイスのコンパートメント内に挿入されるように構成されたインサートが記載されている。インサートは、内側チャンバを形成するジャケットを含むことができる。インサートは、内側チャンバ内に含まれる気化可能材料を含むことができ、ジャケットおよび気化可能材料のそれぞれは、タバコ材料を含むことができる。
【0016】
いくつかの変化態様では、以下の特徴の1つ以上が、任意の実施可能な組み合わせにおいてオプションとして含まれてよい。インサートは、気化可能材料を加熱し、これにより吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された加熱要素を含むことができる。加熱要素は、導電材料から成る平坦なプレートを含むことができ、加熱要素の少なくとも一部は、インサートの内側チャンバ内に位置することができる。ジャケットは、空気がインサート内へかつ/またはインサートから外へ流れることを許容するように構成された貫通孔を含むことができる。ジャケットは、当該ジャケットが加熱されるかまたは加熱により劣化するまで、空気がインサートを通って流れることを妨げるように構成することができる。
【0017】
別の態様では、気化器デバイスと共に使用するためのインサートが記載されている。インサートは、内側チャンバを形成するジャケットを含むことができ、このジャケットは第1の気化可能材料を含むことができる。インサートは、内側チャンバ内に含まれる第2の気化可能材料と、第1の気化可能材料および第2の気化可能材料のうちの一方または両方と接触する加熱要素とを含むことができる。加熱要素は、第1の気化可能材料および第2の気化可能材料を加熱して吸入可能なエアロゾルを形成するように構成され得る。
【0018】
いくつかの変化態様では、以下の特徴の1つ以上が、任意の実施可能な組み合わせにおいてオプションとして含まれてよい。第1の気化可能材料および第2の気化可能材料のそれぞれは、非液状の気化可能材料および/またはルーズリーフのタバコを含むことができる。第1の気化可能材料および第2の気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含むことができる。いくつかの変化態様では、加熱要素は、導電材料から成る平坦なプレートを含むことができ、加熱要素の少なくとも一部は、インサートの内側チャンバ内に位置することができる。
【0019】
さらに別の態様では、気化器デバイスと共に使用するためのインサートが記載されており、このインサートは、内側チャンバを形成するジャケットと、この内側チャンバ内に含まれる第1の気化可能材料とを含んでいる。インサートは、内側チャンバ内に含まれる第2の気化可能材料と、ジャケットに連結されている加熱要素とを含むことができる。加熱要素は、第1の気化可能材料および第2の気化可能材料と接触し、これらを加熱するように構成されており、第1の気化可能材料の加熱により、第1の吸入可能なエアロゾルを形成することができる。インサートは、内側チャンバを通って延在しており、第1の吸入可能なエアロゾルが第2の気化可能材料の一部に注入されることを許容するとともにユーザによる吸入のための第2の吸入可能なエアロゾルを形成する空気流通路をさらに含むことができる。
【0020】
いくつかの変化態様では、以下の特徴の1つ以上が、任意の実施可能な組み合わせにおいてオプションとして含まれてよい。インサートは、第1の気化可能材料を含む第1の領域の上流に位置するフィルタをさらに含むことができ、このフィルタは第2の気化可能材料を含むように構成されている。フィルタを綿材料から形成することができる。第2の気化可能材料は、プロピレングリコールおよび植物性グリセリンベースの液体のうちの1種以上を含むことができる。ジャケットを、第3の気化可能材料から形成することができる。加熱要素は、ジャケットの周面の周囲に延在することができる。第2の気化可能材料は、液状の気化可能材料を含むことができる。第1の気化可能材料は、非液状の気化可能材料を含むことができる。第1の気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含むことができる。加熱要素は、第1の気化可能材料または第2の気化可能材料に直接接触することができる。
【0021】
本対象の相互に関連する別の態様では、ユーザによる吸入のための吸入可能なエアロゾルを生成するための方法は、気化器デバイスのコンパートメント内にインサートを収容するステップを含んでいる。インサートは、気化可能材料を含むように構成された内側チャンバを形成するジャケットを含むことができる。この方法はさらに、気化可能材料を加熱するように構成された加熱要素を作動させるステップと、この作動させるステップ及び気化可能材料の加熱の結果として吸入可能なエアロゾルを形成するステップとを含むことができる。
【0022】
いくつかの変化態様では、以下の特徴の1つ以上が、任意の実施可能な組み合わせにおいてオプションとして含まれてよい。インサートは、加熱要素を含むことができる。気化器デバイスは、加熱要素を含むことができる。インサートは、生物分解性の材料を含むことができる。気化可能材料は、非液状の気化可能材料を含むことができる。気化可能材料は、タバコを含むことができる。
【0023】
本明細書に記載された対象の1つまたは複数の変化態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本明細書に記載された対象の他の特徴および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。本開示に続く特許請求の範囲は、保護される対象の範囲を定義することを意図している。
【0024】
本明細書に組み込まれてその一部分を成している添付の図面は、本明細書で開示される対象の特定の態様を示しており、その説明と併せて、開示される実施形態に関連するいくつかの原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】本対象の実施形態に一致する気化器のブロック図である。
図1B】気化器デバイス本体から分離されたカートリッジを示す、図1Aの気化器の実施例の平面図である。
図2A】気化器本体のコンパートメント内へ挿入されたインサートの実施例を示す断面図である。
図2B】気化器デバイスのコンパートメント内へ挿入されたインサートの別の実施例を示す断面図である。
図3】気化器デバイスのコンパートメント内へ挿入されたインサートの別の実施例を示す図である。
図4A】気化器デバイス内にインサートを捕捉し固定するように構成されているインサート捕捉および加熱機構を含む気化器デバイスを示す図である。
図4B】気化器デバイス内にインサートを捕捉し固定するように構成されているインサート捕捉および加熱機構を含む気化器デバイスを示す図である。
図4C】気化器デバイス内にインサートを捕捉し固定するように構成されているインサート捕捉および加熱機構を含む気化器デバイスを示す図である。
図4D】気化器デバイス内にインサートを捕捉し固定するように構成されているインサート捕捉および加熱機構を含む気化器デバイスを示す図である。
図5A】長円形の外側プロフィールを有したインサートの別の実施例を示す平面図である。
図5B図5Aのインサートの斜視端面図である。
図6A】長方形の外側プロフィールを有したインサートの別の実施例を示す平面図である。
図6B図6Aのインサートの斜視端面図である。
図7A】インサートの1つの実施例を製造する方法を示す図である。
図7B】インサートの1つの実施例を製造する方法を示す図である。
図7C】インサートの1つの実施例を製造する方法を示す図である。
図7D】インサートの1つの実施例を製造する方法を示す図である。
図8A】インサートとヒータとが組み合わせられた構造の実施例を示す斜視端面図である。
図8B】インサートとヒータとが組み合わせられた構造の別の実施例を示す平面図である。
図9A】インサートの別の実施例を示す図である。
図9B】インサートの別の実施例を示す図である。
図9C】インサートの別の実施例を製造する方法を示す図である。
図9D】インサートの別の実施例を製造する方法を示す図である。
図9E】インサートの別の実施例を製造する方法を示す図である。
図9F】インサートの別の実施例を製造する方法を示す図である。
図9G】インサートの別の実施例を製造する方法を示す図である。
図9H図9A図9Gを参照して記載されたインサートのようなインサートを穿刺するように構成され得る穿刺部材を有する気化器デバイスの実施例を示す図である。
図9I図9A図9Gを参照して記載されたインサートのようなインサートを穿刺するように構成され得る穿刺部材を有する気化器デバイスの実施例を示す図である。
図10A】インサートを加熱するように構成されたインサートヒータの実施例を示す上方斜視図である。
図10B】気化器デバイスに組み込まれた図10Aのインサートヒータ内へのインサートの挿入を示す図である。
図10C図10Aのインサートヒータを、インサートヒータの収容部内に位置するインサートと共に示す斜視端面図である。
図10D】開放構造にある図10Aのインサートヒータを示す端面図である。
図10E】閉鎖構造にある図10Aのインサートヒータを示す端面図である。
図11】気化器デバイス内に含むことができるインサートヒータの別の実施例を示す図である。
図12】液状の気化可能材料を含むフィルタを備えたインサートの別の実施例を示す図である。
【0026】
実施例において、同様の参照符号は、同様の構造、機能、または要素を示す。
【0027】
詳細な説明
本対象の実施形態は、ユーザによる吸入のための1種以上の気化可能材料の気化に関する方法、装置、製造品、およびシステムを含む。例示的な実装形態には、気化器デバイスおよび気化器デバイスを含むシステムが含まれる。以下の説明および特許請求の範囲において使用される「気化器デバイス」なる語は、任意の自給式装置、2つ以上の分離可能な部品(例えばバッテリおよび他のハードウェアを含む気化器本体、ならびに気化可能材料を含むカートリッジ)を含む装置、および/またはこれらに類するものを意味する。本明細書で使用する「気化器システム」は、1つ以上の構成要素、例えば気化器デバイスを含むことができる。本対象の実施形態に一致する気化器デバイスの例には、電子気化器、電子ニコチン供給システム(ENDS)、および/またはこれらに類するものが含まれる。一般に、そのような気化器デバイスは、吸入可能な材料用量を提供するために、気化可能材料を(例えば、対流、伝導、放射、および/またはそれらの一部の組合せによって)加熱する手持ち式デバイスである。
【0028】
気化器デバイスと共に使用される気化可能材料は、カートリッジ(例えば、気化可能材料を含む気化器の一部)内に提供され得る。カートリッジは、空になった場合に補充され得、または、同じか又は異なる種類の追加的な気化可能材料を含む新しいカートリッジが使用され得るように使い捨てられ得る。気化器デバイスは、カートリッジを使用する気化器デバイス、カートリッジなしの気化器デバイス、またはカートリッジの有無にかかわらず使用可能な多用途気化器デバイスであり得る。例えば、気化器デバイスは、気化可能材料を収容するように構成された加熱チャンバまたはコンパートメント(例えば、その内部で、気化可能材料が加熱要素によって加熱されるチャンバ)を含んでいてよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、気化器デバイスは、液状の気化可能材料(例えば、有効成分および/または不活性成分が溶液中に懸濁または保持されている担体溶液、または気化可能材料自体の液状形態)、および/または非液状の気化可能材料(例えば、ペースト、ワックス、固体、植物性材料、および/または類似のもの)と共に使用するように構成することができる。非液状の気化可能材料は、植物材料の一部を気化可能材料として放出する植物材料(例えば、植物材料の一部がユーザによる吸入のために気化された後に廃棄物として残る)を含むことができ、またはオプションとして、すべての固体材料が最終的には、吸入のために気化できるような、気化可能材料自体の固体形態であってよい。液状の気化可能材料は、同様に完全に気化可能であってもよいし、または吸入に適した材料のすべてが気化された後に残る液体材料の一部を含んでもよい。
【0030】
図1Aは、本対象の実施形態に一致する気化器デバイス100の1つの例を図解するブロック図を示している。図1Aを参照すると、気化器デバイス100は、電源112(例えば、充電池であり得るバッテリ)と、気化可能材料102を凝集形態(例えば、固体、液体、溶液、懸濁液、少なくとも部分的に未処理の植物材料の一部等)から気相へと変換させるために加熱要素150からの熱の供給を制御するコントローラ104(例えば、ロジックを実行可能なプロセッサ、回路機構等)とを含むことができる。コントローラ104は、本対象の特定の実施形態に一致する1つ以上のプリント回路基板(PCB)の一部であり得る。気化可能材料102の気相への変換後、気相の気化可能材料102の少なくとも一部は、凝縮して、エアロゾルの部分としての気相と少なくとも部分的に局所的平衡状態にある粒子状物質を形成し得る。これにより、気化器デバイス100でユーザがパフまたは吸引している間に、気化器デバイス100によって提供される吸入可能量の一部または全部が形成され得る。気化器デバイス100によって生成されるエアロゾル中の気相と凝集相との間の相互作用は、エアロゾルの1つ以上の物理パラメータに影響を与えることがある要因、例えば、周囲温度、相対湿度、化学的性質、空気流路(気化器の内部およびヒトまたは他の動物の気道の内部の両方)における流動条件、および/または気相もしくはエアロゾル相の気化可能材料102と他の空気流との混合などの要因により、複雑かつ動的であり得ることを理解されたい。いくつかの気化器デバイスでは、特に揮発性の気化可能材料の供給のために構成された気化器デバイスでは、吸入可能量は、主に気相で存在し得る(例えば、凝集相粒子の形成は極めて制限される場合がある)。
【0031】
加熱要素150は、導電性ヒータ、放射性ヒータ、および/または対流性ヒータのうちの1つ以上を含んでいてよい。加熱要素の1つの形式は、抵抗性加熱要素であり、抵抗性加熱要素は、加熱要素の1つ以上の抵抗セグメントに電流が流されたときに、電力を熱の形で散逸させるように構成された材料(例えば、金属または合金、例えばニッケルクロム合金、または非金属抵抗)を含むことができる。本対象のいくつかの実施形態では、加熱要素150(例えば、抵抗性加熱要素および/または類似のもの)は、気化可能材料102の吸入可能量を生成するために気化可能材料102を気化させるための熱を発生させるように構成されている。補足すると、気化可能材料102は、液状または非液状(または液状および非液状両者の組合せ)であってよい。例えば、加熱要素150は、気化可能材料102に熱を供給するために熱接触するように、気化可能材料102に巻き付けられるか、気化可能材料102の中に配置されるか、気化可能材料102のバルク形状に統合されるか、気化可能材料102に圧入されるか、またはその他の形式で配置されてよく、これにより、気相および/または凝縮相(例えば、エアロゾル粒子または液滴)でユーザが続いて吸入することができるように気化される。
【0032】
いくつかの実施例では、気化可能材料102は、例えば、固相の材料(例えばワックス等)または植物材料(例えばタバコの葉および/またはタバコの葉の一部)を含む非液状の気化可能材料であってよい。気化可能材料102が非液状の気化可能材料である場合は、加熱要素150は、気化可能材料102がその中に置かれる加熱チャンバまたはコンパートメント(例えば、カートリッジ受け口118)の壁の一部であるか、またはその他の形式で壁に組み込まれるか、または壁と熱的に接触させられていてよい。代替的に、加熱要素150は、気化可能材料102を貫流する、またはその周囲を通過する空気を加熱して、気化可能材料102の対流加熱を生じさせるために使用することができる。さらに別の例では、加熱要素150は、加熱チャンバ(例えば、オーブンおよび/または類似のもの)の壁から内方への伝導によってのみではなく、気化可能材料102の質量内から気化可能材料102の直接伝導加熱が生じるように、気化可能材料102と緊密に接触するように配置されてよい。いくつかの実施例では、加熱要素150は、図1Aに示されたように、気化器カートリッジ120の一部であってよい。いくつかの実施例では、加熱要素150は、気化器本体110の一部(例えば、気化器100の耐久性のあるまたは再利用可能な部分)であってよい。
【0033】
加熱要素150は、ユーザが気化器デバイス100のマウスピース130をパフ(例えば、吸引、吸入など)することに関連して活性化され得、これにより、空気が、空気入口から、吸入可能なエアロゾルの形成を支援するための空気流路に沿って流れることとなる。エアロゾルは、マウスピース130の空気出口を通って外部に配送され得る。空気流路に沿って流れる流入空気は、加熱要素150および/または気化可能材料102を通過または貫流して、空気流路において、気相の気化可能材料102が空気に混入される。加熱要素150はコントローラ104を介して活性化され得る。本明細書で説明するようにオプションとして気化器本体110の部分であり得るコントローラ104は、オプションとして気化器カートリッジ120の部分である加熱要素150を含む回路を介して、電源112から電流を流す。本明細書で述べるように、混入される気相の気化可能材料102は、空気流路の残りを通過するときに凝縮され得、これにより、エアロゾル形態の気化可能材料102の吸入可能な量が、ユーザによる吸入のための空気出口(例えば、マウスピース130)から送出され得る。
【0034】
加熱要素150の活性化は、1つ以上のセンサ113によって生成された1つ以上の信号に基づくパフの自動検出によって行うことができる。これらのセンサ113、およびセンサ113によって生成された信号は、周囲の圧力に対する空気流路沿いの圧力を検出する(または、オプションとして、絶対圧力における変化を測定する)ように配置された1つ以上の圧力センサ、気化器デバイス100の1つ以上のモーションセンサ(例えば、加速度計)、気化器デバイス100の1つ以上のフローセンサ、気化器デバイス100の容量性リップセンサ、1つ以上の入力デバイス116(例えば、気化器デバイス100のボタン、またはその他の触覚制御デバイス)を介したユーザと気化器デバイス100との対話の検出、気化器デバイス100と通信するコンピューティングデバイスからの信号の受信、かつ/または、パフが発生していること又はパフが発生しそうであることを決定するためのその他のアプローチを介した信号の受信、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0035】
本明細書で説明するように、本対象の実施形態と一致する気化器デバイス100は、気化器デバイス100と通信する1つのコンピューティングデバイス(またはオプションとして2つ以上のデバイス)に(例えば、無線または有線接続を介して)接続するように構成され得る。このために、コントローラ104は、通信ハードウェア105を含むことができる。コントローラ104は、メモリ108も含むことができる。通信ハードウェア105は、ファームウェアを含むことができ、かつ/または、通信のための1つ以上の暗号化プロトコルを実行するためのソフトウェアによって制御することができる。
【0036】
コンピューティングデバイスは、気化器デバイス100も含む気化器システムの構成要素であってよく、気化器デバイス100の通信ハードウェア105との無線通信チャネルを確立することができる通信用の固有のハードウェアを含むことができる。例えば、気化器システムの一部として使用されるコンピューティングデバイスは、ユーザが気化器デバイス100と対話できるようにするためのユーザインタフェースを提供する、ソフトウェアを実行する汎用コンピューティングデバイス(例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、その他のポータブルデバイス、例えばスマートウォッチ等)を含むことができる。本対象の他の実施形態では、気化器システムの一部として使用されるそのようなデバイスは、(例えば、画面または他のディスプレイデバイス上で構成可能であり、タッチパネル、またはマウス、ポインタ、トラックボール、カーソルボタンなどの他の入力デバイスとのユーザの対話を介して選択可能な)1つ以上の物理的なまたはソフト的なインターフェースコントロールを有するリモコンまたはその他の無線もしくは有線デバイスのような、ハードウェアの専用部分であってよい。気化器デバイス100はさらに、1つ以上のアウトプット117またはユーザに情報を提供するためのデバイスを有することができる。例えば、アウトプット117は、気化器デバイス100の状態および/または動作モードに基づいてユーザにフィードバックを提供するように構成された1つ以上の発光ダイオード(LED)を含むことができる。
【0037】
コンピューティングデバイスが、加熱要素の活性化に関連する信号を提供する例において、または様々な制御もしくは他の機能の実施のためにコンピューティングデバイスと気化器デバイス100とを連結する他の例において、コンピューティングデバイスは、1つ以上のコンピュータ命令セットを実行して、ユーザインタフェースおよび基礎となるデータ処理を提供する。一例では、1つ以上のユーザインタフェース要素とユーザとの対話をコンピューティングデバイスが検出することによっては、コンピューティングデバイスが気化器デバイス100に信号を送信して、蒸気/エアロゾルの吸入可能な用量を生成するための動作温度に達するように加熱要素を活性化させ得る。気化器デバイス100の他の機能は、気化器デバイス100と通信するコンピューティングデバイス上のユーザインタフェースとユーザとの対話によって制御され得る。
【0038】
気化器デバイス100の加熱要素150の温度は、加熱要素150に供給される電力量および/または電力が供給されるデューティサイクル、気化器デバイス100の他の部分および/または環境への伝導性熱伝達、気化可能材料102の気化に起因する潜熱損失、ならびに空気流(例えば、ユーザが気化器デバイス100で吸入したときに加熱要素150にわたって移動する空気)に起因する対流熱損失、を含む複数の要因に依存し得る。本明細書で述べる通り、加熱要素150を確実に活性化するために、または加熱要素150を所望の温度まで加熱するために、気化器デバイス100は、本対象のいくつかの実施形態では、センサ113(例えば、圧力センサ)からの信号を利用して、いつユーザが吸入しているかを決定してもよい。センサ113は、空気流路に配置することができ、かつ/または(例えば、通路または他の流路によって)気化器デバイス100に入る空気のための入口と、生じた蒸気および/またはエアロゾルをユーザが吸入するための出口とを含む空気流路に接続することができ、これにより、センサ113は、空気が空気入口から空気出口へ気化器デバイス100を通過すると同時に変化(例えば、圧力変化)を経験する。本対象のいくつかの実施形態では、加熱要素150は、例えばパフの自動検出によって、または空気流路における変化(例えば圧力変化)を検出するセンサ113によって、ユーザのパフに関連して活性化され得る。
【0039】
センサ113は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板アセンブリまたは他の形式の回路基板)上に配置することができる、またはコントローラ104に連結(例えば、物理的接続または無線接続を介して電気的または電子的に接続)することができる。測定を正確に行い、気化器デバイス100の耐久性を維持するためには、空気流路を気化器デバイス100の他の部分から分離するために十分弾性的であるシール127を設けることが有益であり得る。ガスケットであり得るシール127は、センサ113を少なくとも部分的に取り囲むように構成することができ、これにより気化器デバイス100の内部の回路機構へのセンサ113の接続部は、空気流路に曝されたセンサ113の部分から分離される。気化器デバイス100内のシール127のこのような配置は、蒸気相または液相の水のような環境要因との相互作用に起因する、気化器構成要素への潜在的な破壊的影響を緩和するのに、かつ/または気化器デバイス100内の特定の空気流路からの空気の漏れを低減するために、役立ち得る。気化器デバイス100の回路機構に対する、望ましくない空気、液体、またはその他の流体の通過および/または接触は、圧力読取り値の変化のような様々な望ましくない作用を引き起こす可能性があり、かつ/または気化器デバイス100の一部での湿気、気化可能材料102の誤差分のような望ましくない材料の堆積を招くおそれがある。これらの結果、圧力信号の不良、センサ113または他の構成要素の劣化、および/または、気化器デバイス100の低寿命化が生じ得る。シール127におけるリークによって、吸入には望ましくない材料を含む、または吸入には望ましくない材料から成る気化器デバイス100の部分を通過した空気をユーザが吸入する結果を生じ得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、気化器本体110は、コントローラ104、電源112(例えば、バッテリ)、1つ以上のセンサ113、(例えば電源112を充電するための)充電接点、シール127、および1つ以上の様々な取付け構造を介して気化器本体110と連結するために気化器カートリッジ120を収容するように構成されたカートリッジ受け口118を含む。いくつかの例において、気化器カートリッジ120は、気化可能材料102を収容するための(例えば、生物分解性の材料から成る)ジャケットを含み、マウスピース130は、吸入可能な用量をユーザに供給するためのエアロゾル出口を有する。いくつかの実施例では、マウスピース130は、気化器本体110の一部である。
【0041】
電源112が気化器本体110の一部であり、加熱要素150が気化器カートリッジ120内に配置されていて、気化器本体110に連結されるように構成された気化器デバイス100の実施例では、気化器デバイス100は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板、マイクロコントローラ等)と電源112と加熱要素150とを含む回路を完成させるために電気接続機能(例えば、回路を完成させるための手段)を含むことができる。これらの電気接続機能は、気化器カートリッジ120の下面における1つ以上の接点(例えば、カートリッジ接点124aおよび124b)と、気化器デバイス100の一コンパートメントまたは受け口(例えば、カートリッジ受け口118)の基部付近に配置された少なくとも2つの接点(例えば、受け口接点125aおよび125b)とを含むことができる。カートリッジ接点124aおよび124bと、受け口接点125aおよび125bとは、例えば、気化器カートリッジ120がカートリッジ受け口118に挿入および連結されたときに電気接続する。これらの電気接続によって完成された回路は、電流を加熱要素150に供給することを可能とし、さらに、付加的な機能のために、例えば、加熱要素の抵抗率の熱係数に基づく加熱要素150の温度の決定および/または制御において利用するための加熱要素150の抵抗の測定のような付加的な機能のために、利用することができる。いくつかの実施形態では、気化器本体110が加熱要素150を含んでおり、これにより、カートリッジ受け口118および気化器カートリッジ120は1つ以上の接点を含まない。例えば、いくつかの実施例では、カートリッジ受け口118は、電源112に連結された加熱要素150を含む。
【0042】
本対象のいくつかの実施形態では、カートリッジ接点124aおよび124bと、受け口接点125aおよび125bとを、少なくとも2つの向きのいずれかで電気的に接続するように構成することができる。換言すれば、気化器デバイス100の動作に必要な1つ以上の回路は、カートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を(気化器本体110のカートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を挿入する方向の軸線を中心として)第1の回転方向で挿入することによって完成することができ、これにより、カートリッジ接点124aは受け口接点125aに電気的に接続され、カートリッジ接点124bは受け口接点125bに電気的に接続される。さらに、気化器デバイス100の動作に必要な1つ以上の回路は、カートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を第2の回転方向で挿入することによって完成することができ、これにより、カートリッジ接点124aは受け口接点125bに電気的に接続され、カートリッジ接点124bは受け口接点125aに電気的に接続される。
【0043】
いくつかの実施形態では、カートリッジ受け口118への挿入のために構成された気化器カートリッジ120または気化器カートリッジ120の少なくとも1つの挿入可能な端部122は、気化器カートリッジ120をカートリッジ受け口118に挿入する方向の軸線に対して横方向で非円形の断面を有することができる。例えば、非円形断面は、近似の長方形、近似の楕円形(例えば、近似の長円形)、2組の平行なまたはほぼ平行な対向する辺を有しているが長方形ではない(例えば、平行四辺形のような形状を有する)非長方形、または少なくとも2回対称の他の形状であり得る。この文脈では、近似の形状とは、記述された形状に対する基本的な類似性は明らかであるが、問題となっている形状の側面が完全に直線状である必要はなく、頂点が完全に鋭角である必要がないことを示す。断面形状の縁部もしくは頂点の双方または一方の丸みは、本明細書において言及した任意の非円形の断面として説明される。
【0044】
カートリッジ接点124aおよび124bと、受け口接点125aおよび125bとは、様々な形態をとることができる。例えば、一方または両方の接点セットは、導電ピン、タブ、端子、ピンまたは端子のための受容穴またはこれらに類するものを含むことができる。いくつかのタイプの接点は、気化器カートリッジ120上の接点と気化器本体110上の接点との間のより良好な物理的および電気的な接続を容易にするために、ばねまたは他の特徴を含むことができる。電気接点は、オプションとして金メッキすることができ、かつ/または他の材料を含むことができる。
【0045】
図1Bは、気化器カートリッジ120を取外し可能に挿入することができるカートリッジ受け口118を有する気化器本体110の実施例を示している。図1Bは、気化器本体110内へ挿入するために配置されている気化器カートリッジ120を示す気化器100の平面図を示す。ユーザが気化器100でパフを行うと、気化器カートリッジ120の外面と気化器本体110上のカートリッジ受け口118の内面との間を空気が通過することができる。次いで、気化器カートリッジの少なくとも一部内に空気を引き込むことができ、ユーザに吸入可能なエアロゾルを供給するためにマウスピース130の出口から引き出すことができる。
【0046】
いくつかの実施例では、気化器デバイス100は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)、および/または、これに類するものを含む非液状の気化可能材料を加熱するように構成され得る。例えば、気化器デバイス100の気化器本体110のいくつかの実施例は、少なくとも部分的に非液状の気化可能材料から成る、かつ/または少なくとも部分的に非液状の気化可能材料を含む気化器カートリッジ120の実施例を受容するように構成されていてよい。少なくとも部分的に非液状の気化可能材料から成る、かつ/または少なくとも部分的に非液状の気化可能材料を含む気化器カートリッジ120の実施例は、本明細書では、「インサート」と称されてよい。したがって、本明細書で説明する全てのインサートの実施例は、(例えば、図1Aおよび図1Bを参照して)気化器カートリッジに関して本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。同様に、本明細書で説明する全ての気化器カートリッジの実施例は、インサートに関して本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施例では、インサートは、非液状の気化可能材料を収容するように構成された内側チャンバを画定する(例えば、生物分解性の材料から成る)ジャケットを含むことができる。したがって、カートリッジ受け口118のいくつかの実施例は、例えば、吸入可能なエアロゾルを形成するために、インサートの様々な実施例を受容し、加熱するように構成されていてよい。例えば、カートリッジ受け口118の1つの実施例は、後述するように、様々なインサートの受容および加熱のために構成されているコンパートメントを含むことができる。したがって、このコンパートメントは、(例えば、図1Aおよび図1Bを参照して)カートリッジ受け口118に関して本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上を含むことができ、同様に、非液状の気化可能材料から形成されるかつ/または非液状の気化可能材料を含むインサートまたは気化器カートリッジの実施例を受容しかつ/または加熱するように構成された1つ以上の特徴を有していてよい。
【0048】
いくつかの実施例では、このコンパートメントは加熱要素150(例えば、加熱コイル等)の全部または一部を含むことができ、加熱要素150は、例えば吸入可能なエアロゾルを形成するために、コンパートメントに収容されるインサートを加熱するように構成されている。いくつかの実施例では、インサートは、熱伝導性材料を含むような加熱要素150の一部を含むことができる。加熱要素150の一部を含むいくつかのインサートの実施例は、1つ以上のインサート接点(例えば、カートリッジ接点124)を含むこともできる。インサート接点は、インサートがこのコンパートメントに挿入されたときに1つ以上の受け口接点125に連結することができ、これにより、例えば吸入可能なエアロゾルを形成するためにインサートを加熱するために、インサートの加熱要素150の部分を活性化させることができる。様々な気化器デバイス100と共に使用するために、本明細書では、様々なインサートの実施例が説明されている。様々なインサートの実施例を加熱および収容するために、例えば、吸入可能なエアロゾルを形成するために、本明細書では、加熱要素150およびコンパートメントの様々な実施例も説明されている。
【0049】
図2Aおよび図2Bは、気化器デバイス100の気化器本体110のコンパートメント252内にそれぞれ位置するインサート250aおよび250bの実施例を示す。コンパートメント252は加熱要素255を含むことができ、これにより、加熱要素255が耐久性のある/再利用可能な気化器本体110に含まれることが可能になる。図2Aおよび図2Bに示したように、加熱要素255は、コンパートメント252の1つ以上の側面に隣接してかつ/または沿って配置され得る。したがって、インサート250がコンパートメント252内に位置している場合、加熱要素255は、インサート250a,250bに隣接および/または接触することができ、これにより加熱要素255は、吸入可能なエアロゾルを形成するためにインサート250a,250bを効率的かつ効果的に加熱することができる。加熱要素255は、実質的に、インサート250a,250bの周面の周りに延在していてよく、かつ/またはインサート250a,250bの長さに沿って延在していてよい。加熱要素255を含むコンパートメント252は、本明細書で説明するように、インサート250a,250bを収容し、加熱するための様々な特徴および形状を含むことができる。インサート250a,250bの効率的かつ効果的な加熱を可能とする、加熱要素255の様々な実施例が、本開示の範囲内にある。
【0050】
図2Aおよび図2Bに示されたように、インサート250a,250bは、気化可能材料265を収容するように構成された内側チャンバ262を形成するジャケット260を含むことができる。気化可能材料265は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。いくつかの実施例では、ジャケット260は、完全にまたは実質的に、気化可能材料265を含むことができる。いくつかの実施例では、ジャケット260は(例えば、加熱されるか、または加熱により劣化するまで)空気の通過を妨げる材料から形成され得、これにより、空気がジャケット260内に収容される気化可能材料265の品質に影響を与えることを妨げ得る。例えば、ジャケット260のいくつかの実施例は完全にシールされており、ジャケット260が加熱されるか、または加熱により劣化するまで、空気の内側チャンバ262内への流通を妨げ得る。
【0051】
いくつかの実施例では、ジャケット260は、空気がインサート250a,250b内へ、かつ/またはインサート250a,250bから外へ流れることを許容する1つ以上の空気通路または貫通孔267を含むことができる。例えば、インサート250a,250bは、ジャケット260の壁を貫通して延在する1つの貫通孔267以外は、完全にシールされていてよい。図2Aに示されたように、インサート250aは1つの貫通孔267を含み得る。この貫通孔267は、第1の端部でジャケット260を貫通して延在しており、エアロゾルが例えばユーザによる吸入のためにインサート250aの外に向けられることを可能にする。図2Bに示されたように、インサート250bは、(例えば、インサート250bの対向する両端部で)ジャケット260を貫通して延在する2つの貫通孔267を含むことができ、これらの貫通孔によってインサートの両端部間には空気流通路268が形成される。空気流通路268は、この通路に沿って空気流が流れることを可能とし、インサート250b内に形成されたエアロゾルが例えばユーザによる吸入のためにインサート250bの外に向けられることを可能にする。1つ以上の貫通孔267および/または空気流通路268は、気化器本体110のコンパートメント252内にインサート250a,250bを挿入する前にまたは挿入すると同時に、形成され得る。例えば、1つ以上の貫通孔267は、コンパートメント内にインサート250a,250bを挿入すると同時に形成され得る。これにより、インサート250a,250b内の気化可能材料265の新鮮さおよび品質を改善し、維持することができる。
【0052】
いくつかの実施例では、インサート250a,250bのジャケット260は、非液状の気化可能材料から形成され得る。気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。したがって、ジャケット260は、例えばユーザによる吸入のために、エアロゾルを生成する消耗品の一部として含めることができる。いくつかの実施例では、ジャケット260の少なくとも一部が金属またはアルミ箔のような熱伝導性材料から形成され得る。したがって、加熱要素255は、(例えば、1つ以上の電気的接点を介して)熱伝導性のジャケットに接触し、かつ/またはこれを加熱することができる。次いで、加熱された熱伝導性のジャケットは、ジャケット260内に含まれる気化可能材料265を実質的に均一に加熱し得る。これによって、吸入可能なエアロゾルの効率的かつ効果的な形成を達成するための好ましい気化可能材料265の加熱がもたらされ得る。このような均一な加熱は、効果的に繰り返されるジャケット260内の気化可能材料265の加熱開始・加熱停止を提供することができる。
【0053】
いくつかの実施例では、ジャケット260は、非透過性の膜から形成されている。いくつかの実施例では、加熱要素255の少なくとも一部をインサートに含ませることができる。インサートおよびジャケットの別の材料および実施例が、本開示の範囲内にある。
【0054】
図2Aに示されたように、インサート250aは、気化器本体110のコンパートメント252内に挿入され得る。コンパートメント252の開放端部280は、少なくとも1つの通気口282を含むことができる。この通気口は、例えば気化器デバイス100の外部から、気化器デバイス100に沿って延在する空気流通路へと(例えば、開放端部280を通って)空気が貫流することを許容する。したがって、ユーザが気化器デバイス100からパフを行うと、空気が通気口282を通って引き込まれ得、この空気は、さらに、例えばユーザが吸入可能なエアロゾルを吸入することができるように(例えば、インサート250aに沿った貫通孔267を介して)インサートから吸入可能なエアロゾルを引きあげることができる。
【0055】
図2Bに示されたように、インサート250bの空気流通路268は、コンパートメント252の実施例の入口284に概ね整列し得る。したがって、ユーザが気化器デバイス100からパフを行うと、空気が入口284からコンパートメント252内へと引き込まれてインサート250bの空気流通路268に沿って流れ得、例えばユーザによる吸入のために吸入可能なエアロゾルが形成されて気化器本体110から外部へと流出し得る。
【0056】
コンパートメント252は、吸入可能なエアロゾルを加熱および形成するためのインサートを効果的に受容するための様々な形状およびサイズを有することができる。例えば、インサートの効率的かつ効果的な加熱を保証し、コンパートメント252内のインサートの位置を固定するために、例えば、コンパートメント252は、インサートの少なくとも1つの側面に沿った滑り嵌めまたは摩擦嵌めをもたらし得る。
【0057】
図3は、気化器デバイス100のコンパートメント352内へ挿入されたインサート350の別の実施例を示す。例えば、インサート350はジャケット360を含み得る。ジャケット360は、包装媒体で包装されている、ルーズリーフの植物性材料または植物性材料ベースの製品、から形成される。包装媒体は、例えば、アルミ箔、紙、植物繊維、植物性材料(例えば、タバコ)、カプトンテープ、または、その他の形式の絶縁および保護層である。
【0058】
図3に示されたように、コンパートメント352は、絶縁材料(例えば、ノーメックス絶縁体)を含む絶縁層330によって少なくとも部分的に取り囲まれていてよい。絶縁層330は、加熱要素355からの熱をコンパートメント352に関して封じ込めるのを支援する。その結果、熱は、コンパートメント352内に位置するインサートを加熱するために実質的に使用される。付加的に、絶縁層330を収容し、コンパートメント352に固定するために、少なくとも1つの圧縮プレート335が絶縁層330の外側の側面に沿って配置され得る。
【0059】
図3に示されたように、気化器デバイス100は加熱要素355を含み得る。加熱要素355は、コンパートメント352の長さの少なくとも一部に沿って延在し、インサート350のジャケット360の外面に接触するように構成されている。いくつかの実施例では、ジャケット360は、熱伝導性材料(例えば、アルミ箔)を含むことができる。加熱要素355と、熱伝導性材料を含むジャケット360との間の接触は、吸入可能なエアロゾルの形成のためにインサート350の気化可能材料365の効率的かつ効果的な加熱を提供し得る。
【0060】
ジャケット360が熱伝導性材料から形成されている実施例では、ジャケット内に含まれる気化可能材料に沿った熱伝達を改善することができ、これにより気化可能材料のより均一な加熱を保証することができる。気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)、および/または、これに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。
【0061】
いくつかの実施例では、加熱要素は、アルミ箔材料から形成されるジャケットと一体であってよい。いくつかの実施例では、インサートは、加熱要素の少なくとも一部を含むことができ、これにより加熱要素は消耗品に統合される。ジャケットが少なくとも部分的に、非気化可能材料および/または別の生物分解性の材料から形成されている(そしてヒータが、耐久性のある気化器本体の一部である)実施例では、インサートは、生物分解性であり、消耗品の一部であると見なすことができる。
【0062】
図4A図4Dは、インサート捕捉および加熱機構470を含む加熱要素の実施例を含む気化器デバイス100を示しており、インサート捕捉および加熱機構は、例えば吸入可能なエアロゾルの加熱および形成のために、気化器100内にインサート450を捕捉し固定するように構成されている。捕捉および固定が行われると、捕捉および加熱機構470を作動させて、捕捉および加熱機構470内に捕捉されたインサート450を、例えば吸入可能なエアロゾルの形成のために、加熱および/または気化させることができる。
【0063】
図4Aおよび図4Bに示されたように、インサート捕捉および加熱機構470は第1の箔ヒータ472を含むことができ、この第1の箔ヒータは、ばね機構473を介して第2の箔ヒータ474に連結されている。例えば、ばね機構473は、ばねコイル478から延在する一対のアーム477を含むことができる。図4Cおよび図4Dに示されたように、第1および第2の箔ヒータ472,474のそれぞれは、ばねコイル478から延在する一対のアーム477に固定されていてよく、これらのアームの間に延在している。ばね機構473のアーム477の各対は、第1の箔ヒータ472および第2の箔ヒータ474のための構造的な支持体を提供することができる。付加的に、以下により詳しく説明するように、アーム477の各対は、これらの間にインサート450を捕捉するために、ならびにインサート450の後続の加熱および/または気化のために、第1および第2の箔ヒータ472,474に十分な構造的な支持を持たせることができる。
【0064】
図4Aは、開放構造にあるインサート捕捉および加熱機構470を示している。開放構造では、インサート捕捉および加熱機構470は、気化器本体110に沿って遠位位置に位置することができ、これにより、第1および第2の箔ヒータ472,474は、枢動して又はばね的に開いて開放構造となることができる。例えば、遠位位置では、インサート捕捉および加熱機構470は、気化器本体110の遠位端部から少なくとも部分的に延在することができ、これにより、第1および第2の箔ヒータ472,474は、ばね運動または枢動を制限されずに開放構造をとる。付加的に、インサート捕捉および加熱機構470のばね機構473は、開放構造において第1および第2の箔ヒータ472,474を付勢することができる。
【0065】
開放構造において、インサート450は第1の箔ヒータ472と第2の箔ヒータ474との間に挿入され得る。第1の箔ヒータ472と第2の箔ヒータ474との間にインサートが配置されると、インサート捕捉および加熱機構470は気化器本体110に沿ってより近位の位置へと移動され得、これにより、図4Bに示されたように、第1および第2の箔ヒータ472,474はインサート450がこれら箔ヒータの間に捕捉されている閉鎖構造へと移動する。例えば、図4Bに示されたように、より近位の位置では、ばね機構473は気化器本体110内のスペース内に閉塞され得、このスペースがばね機構473に閉鎖構造を成すことを強要する。
【0066】
第1および第2の箔ヒータ472,474は、これらの間に捕捉されたインサート450の対向する面に、第1および第2の箔ヒータ472,474のそれぞれが少なくとも部分的に適合することができるように柔軟であってよい。例えば、図4Cに示されたように、ばね機構473が開放構造にあるとき、第1および第2の箔ヒータ472,474は、互いにほぼ平行に延在することができ、インサート450をこれらの間に挿入することができる距離だけ分離されていてよい。図4Dに示されたように、ばね機構473が閉鎖構造にあるとき、第1および第2の箔ヒータ472,474の一方または両方は、インサート450の一部に適合することができ、これにより、インサート450の固定および加熱(例えば、伝導加熱)を支援することができる。このような付加的な接触は、第1および第2の箔ヒータ472,474によるインサート450の効率的かつ効果的な加熱を可能にし得る。インサート捕捉および加熱機構470は、第1および第2の箔ヒータ472,474を含んでいるものとして説明されているが、インサート捕捉および加熱機構470の加熱構成部分は、この開示の範囲を逸脱することなく、様々な別の加熱構成部分を含むことができる。
【0067】
図5Aおよび図5Bは、インサート550の別の実施例を示しており、このインサートは、第1のジャケット構成部分561と第2のジャケット構成部分562とから形成されたジャケット560を含んでいる。例えば、第1および第2のジャケット構成部分561,562は、それぞれ、円筒状の形状を有していてよく、同じまたは類似のサイズを有することができる。第1および第2のジャケット構成部分561,562の両方は、シールされ得る周面575を含んでいてよい。例えば、第1のジャケット構成部分561の周面領域577は、第2のジャケット構成部分562の周面領域577に対してシールすることができ、これにより、ジャケット560内には細長いまたは円筒状の内側チャンバが形成される。内側チャンバには、非液状の気化可能材料が充填または実質的に充填され得る。気化可能材料565は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するもの、例えばルーズリーフのタバコを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料565は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。いくつかの実施例では、ジャケット560は、例えばタバコ材料を含む気化可能材料から形成され得る。ジャケット560は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な材料から形成することができ、様々な材料を充填することができる。
【0068】
上述したように、インサート550のいくつかの実施例は、ジャケット560を貫通して延在する1つ以上の貫通孔567を含むことができる。貫通孔567は、インサート550内へまたはインサート550の外へと流れる空気の量を制御するまたは制限するような、サイズおよび形状にすることができる。例えば、貫通孔567は、例えば気化器本体110のコンパートメント内へインサート550を挿入する間に、インサート550を穿刺することによりインサート550に沿って形成することができる。
【0069】
いくつかの実施例では、インサート内に形成された密閉容積の圧力上昇を利用することにより、インサート550を通る空気流に依存することなく、ジャケットの内側チャンバ内に形成されたエアロゾルを(例えば、ジャケット560を貫通して延在する貫通孔567を介して)インサートから放出させることができる。これにより、例えばパフの終了時に、気化器デバイス100内にエアロゾルが吸い戻されるリスク、および汚染の問題を引き起こすリスクを減じることができる。
【0070】
図6Aおよび図6Bは、インサート650の別の実施例を示しており、このインサートは、第1のジャケット構成部分661と第2のジャケット構成部分662とから形成されたジャケット660を含んでいる。例えば、第1および第2のジャケット構成部分661,662は、四角形または長方形の形状を有していてよく、同じまたは類似のサイズを有することができる。第1および第2のジャケット構成部分661,662の両方は、シールすることができる周面675を含んでいてよい。例えば、第1のジャケット構成部分661の周面領域677は、第2のジャケット構成部分662の周面領域677に対してシールすることができ、これによりジャケット660内には細長いまたは円筒状の内側チャンバが形成される。内側チャンバには、非液状の気化可能材料を充填するまたは実質的に充填することができる。非液状の気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含むことができる。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。いくつかの実施例では、ジャケット660は、非液状の気化可能材料から、例えば本明細書で説明される任意の非液状の気化可能材料から、形成され得る。ジャケット660は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な材料から形成することができ、様々な材料を充填することができる。
【0071】
図6A図6Bに示されたように、インサート650は、ジャケット660を貫通して延在する1つ以上の貫通孔667を含むことができる。貫通孔667は、インサート650内へまたはインサート650の外へと流れ得る空気の量を制御するまたは制限するような、サイズおよび形状にすることができる。例えば、貫通孔667は、例えば気化器本体110のコンパートメント内へインサート650を挿入する間に、インサート650を穿刺することによりインサート650に沿って形成することができる。
【0072】
図7A図7Dは、インサートの1つの実施例を製造する方法を示している。図7Aに示されたように、インサートのジャケット760は、1つ以上の材料から形成することができる。いくつかの実施例では、ジャケット760は、四角形または長方形の材料片から形成することができ、この材料片は、半分に折って、この材料片の対向する面を共にシールすることができ、これにより円筒状の通路740と第1のシール側742とが形成される(図7Cも参照)。いくつかの実施例では、ジャケット760は、2つの材料片から形成することができ、これらの材料片は実質的に整列されて、対向する面に沿って共にシールされ(例えば、加熱シールされ)、これにより、図7Dに示されたように、第1のシール側742と第2のシール側743とが形成される。さらに、図7Bに示されたように、例えば第1のシール側742の形成後、ジャケット760の一方または両方の端部をシールすることができる。
【0073】
例えば、ジャケットの第1の端部をシールすることができ、これにより第1のシール端部744が形成される。第1のシール端部744の形成後は、気化可能材料は、例えばシールされていない第2の端部から円筒状の通路740内へと、ジャケット構成部分内に堆積され得る。気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。所望量の材料(例えば、タバコ)がジャケット構成部分内に堆積された後は、第2の端部をシールして、第2のシール端部746を形成することができる。第2の端部のこのようなシールは、ジャケット760内にシールされたまたは実質的にシールされた内側チャンバを形成することができ、これにより、堆積された材料がこの内側チャンバ内に含まれることとなる。ジャケットの1つの実施例を形成し、充填する方法が、単一のジャケット構成部分を含むものとして説明されるが、本開示の範囲を逸脱することなく、2つ以上のジャケット構成部分を含むジャケットの実施例を形成し充填するために同様の方法を使用することができる。
【0074】
図8Aおよび図8Bは、インサートヒータ890の実施例を示しており、このインサートヒータは、インサート850(例えば、本明細書に記載された任意のインサート)およびヒータ構成部分892(例えば、本明細書に記載された任意のヒータ構成部分)を含んでいる。例えば、図8Aは、絶縁および保護層(例えば、カプトン材料)、熱伝導性材料(例えば、金属材料)のうちの少なくとも1つから成るジャケット860を有するインサート850を含むインサートヒータ890の実施例を示している。ジャケット860は、気化可能材料が充填されたまたは実質的に充填された内側チャンバを含むことができる。気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。付加的に、インサートヒータ890は、少なくとも1つの熱伝導性エレメントを含み得るヒータ構成部分892を含むことができる。例えば、ヒータ構成部分892は、様々な構造を有する導電材料から成る平坦なプレートと、導電材料に沿って電流が流されたときにヒータ構成部分892の温度を上昇させる抵抗とから形成され得る。ヒータ構成部分892は、電源に連結することができ(例えば、受け口接点125を介して電源112に連結することができ)、ヒータ構成部分892に沿って電流を流すことができる少なくとも1つの導電性の延長部894を含むことができる。図8Aに示されたように、ヒータ構成部分892は、少なくとも部分的に、絶縁および保護層と、ジャケット860を有する熱伝導性材料との間に延在することができる。ヒータ構成部分892の温度が上昇すると、熱伝導性材料の温度が上昇し得、これにより、内側チャンバ862内に含まれる気化可能材料を加熱する。
【0075】
図8Bは、生物分解性の材料(例えば、タバコ材料)から成るジャケット960を有するインサート950を含むインサートヒータ990の別の実施例を示している。ジャケット960は、気化可能材料が充填されたまたは実質的に充填された内側チャンバを含むことができる。気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。付加的に、インサートヒータ990は、少なくとも1つの熱伝導性エレメントを含み得るヒータ構成部分992を含むことができる。例えば、ヒータ構成部分992は、様々な構造を有する導電材料から成る平坦なプレートと、導電材料に沿って電流が流されたときにヒータ構成部分992の温度を上昇させる抵抗とから形成することができる。ヒータ構成部分992は、電源に連結することができ(例えば、受け口接点125を介して電源112に連結することができ)、ヒータ構成部分992に沿って電流を流すことができる少なくとも1つの導電性の延長部994を含むことができる。図8Bに示されたように、ヒータ構成部分992は、少なくとも部分的にジャケット960内で、例えば、ジャケット960の内側チャンバ内でまたは内側チャンバに沿って、延在することができる。したがって、ヒータ構成部分992は、ジャケット960内に含まれる気化可能材料と直接接触し得、ヒータ構成部分992の温度が上昇すると気化可能材料の温度が上昇し得る。
【0076】
図9A図9Gは、インサート1050の別の実施例およびインサート1050を製造する方法を示している。図9Aに示されたように、インサート1050は、ジャケット1060と、ジャケット1060の対向する端部に連結された第1および第2の端部キャップ1066とを含んでいてよい。内側チャンバ1062は、ジャケット1060内で第1の端部キャップ1066と第2の端部キャップ1066との間に位置し得る。内側チャンバ1062には、気化可能材料1065を充填するまたは実質的に充填することができる。気化可能材料1065は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)、および/または、これに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。内側チャンバ1062の少なくとも一部には熱伝導性材料1071をライニングすることができ、これにより、熱伝導性材料1071の加熱により、例えば吸入可能なエアロゾルを形成するために、気化可能材料1065を加熱することができる。図9Bに示されたように、第1および第2の端部キャップ1066のうちの少なくとも一方は、エアロゾルを含む空気流が貫流し得る貫通孔1067を含んでいてよい。いくつかの実施例では、少なくとも1つの貫通孔1067は、穿刺可能な材料1072を含んでいてよく、これにより、穿刺可能な材料1072が破壊されるまたは穿刺されるまで、内側チャンバ1062内の気密なシールを提供することができる。例えば、インサート1050が気化器デバイス100内に挿入される前に、または挿入されている間に、穿刺可能な材料1072を破壊または穿刺することができる。
【0077】
図9Hおよび図9Iは、例えば図9A図9Gにつき上述したインサート1050を穿刺するようにインサートを構成し得る穿刺部材1099を有した気化器デバイス100の実施例を示している。例えば、穿刺部材1099は、インサート1050を収容するように構成されたチャンバまたはコンパートメント1052の中心軸線に沿って延在することができる。したがって、穿刺部材1099は、インサート1050がコンパートメント1052内に挿入されるときに、インサート1050の穿刺可能な材料1072を穿刺することができる。穿刺部材1099は、熱伝導性および/または導電性の材料を含み得るヒータ構成部分1092を含むことができる。図9Iに示されたように、ヒータ構成部分1092は、当該ヒータ構成部分1092に直接接触し得るインサート1050内の気化可能材料1065を加熱するように構成され得る。
【0078】
図9Cおよび図9Dに示されたように、ジャケット1060は、例えば、図7Aにつき上述された、ジャケット構成部分(例えば、ジャケット1060を形成するために使用される材料片)の第1のシール側1042を形成することにより形成することができる。さらに、図9Eに示されたように、第1のシール側1042が形成された後、第1の端部キャップ1066をジャケット1060の第1の端部に固定的に連結させることができる。次いで、気化可能材料1065を、ジャケット1060の第2の端部を介して内側チャンバ内へ加えることができ、その後、第2のキャップ1066を第2の端部に固定的に連結することができる。第1および第2の端部キャップ1066のこのような固定は、接着剤の使用を含む任意の数の固定機能および方法により行われてよい。
【0079】
図10A図10Eは、気化器デバイス100内に含まれてよいインサートヒータ1155を含む加熱要素の実施例を示している。図10Aは、第1および第2の枢動支持部1157に固定され、これらの間に延在している柔軟な加熱要素1156を含むことができるインサートヒータ1155を示している。図10C図10Eに示されたように、柔軟な加熱要素1156は、第1および第2の枢動支持部1157が第1の位置にあるとき、開放構造(図10D)を形成することができ、これにより、インサート1150は、柔軟な加熱要素1156に接触するように配置され得る。第1および第2の枢動支持部1157が閉鎖構造を形成する際には、図10Eに示されたように、柔軟な加熱要素1156はインサート1150の周囲にまたは実質的に周囲に巻き付くことができる。これにより、柔軟な加熱要素1156とインサート1150との間での効率的かつ効果的な熱伝導がもたらされ得る。このような効率的かつ効果的な熱伝導により、インサート1150の気化可能材料を所望のように加熱して、例えば吸入可能なエアロゾルとすることができる。気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。いくつかの実施例では、気化可能材料は、液状の気化可能材料が少なくとも部分的に浸されているスポンジを含んでいてよい。いくつかの実施例では、気化可能材料はゲルベースの消耗品を含んでいてよい。
【0080】
図10Bに示されたように、柔軟な加熱要素1156は気化器デバイス100のチャンバまたはコンパートメント1152内に配置され得、コンパートメント1152はインサート1150を収容するように構成され得る。インサート1150がコンパートメント1152内に挿入されていない場合には、インサートヒータ1155は開放構造であってよい。インサート1150がコンパートメント1152に挿入されると、インサート1150は柔軟な加熱要素1156を押圧し得、これにより、第1および第2の枢動支持部1157が枢動して、インサートヒータ1155が閉鎖構造を形成することとなる。閉鎖構造を形成すると、インサートヒータ1155はインサート1150の加熱のために作動され得る。
【0081】
図11は、気化器デバイス100内に含むことのできるインサートヒータ1255の別の実施例を示している。図11に示されたように、インサートヒータ1255は、熱伝導性および/または導電性の材料から形成された1つ以上のコイルばね1288を含むことができる。コイルばね1288は、隣接するインサートを加熱するために温度上昇し得る。コイルばね1288は、当該コイルばね1288内にインサート1250を取外し可能に挿入することができるような形状にされていてよく、これにより、コイルばね1288は、インサート1250がインサートヒータ1255に連結される際に、インサート1250の周面の周囲に、かつインサート1250の長さに沿って延在する。これにより、インサートヒータ1255は、インサート1250内に含まれる気化可能材料を、例えば吸入可能なエアロゾルを形成するために、効率的かつ効果的に加熱することができる。
【0082】
いくつかの実施例では、インサートは、非液状の気化可能材料の加熱に加えて、液状の気化可能材料を加熱するように構成されていてよく、これにより、ユーザによる吸入のための吸入可能なエアロゾルを形成することが可能になる。当該エアロゾルは、非液状の気化可能材料および液状の気化可能材料の両方の蒸気混合物を含んでいる。気化可能材料は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含む非液状の気化可能材料であってよい。非液状および液状の気化可能材料両者の蒸気を含む吸入可能なエアロゾルのこのような形成を可能にする構成部分を含むインサートの実施例は、本明細書で説明されている。
【0083】
図12は、インサート1350の別の実施例を示しており、このインサートは、ジャケット1360を含んでいる。ジャケット1360は、第1の領域1390と第2の領域1392とを有する内側チャンバ1362を形成する。ジャケット1360は円筒状または任意の様々な形状であってよい。例えば、第1の領域1390は非液状の気化可能材料1365を含むように構成されていてよく、第2の領域1392はフィルタ1366を含むように構成されていてよい。非液状の気化可能材料1365は、例えば、植物性材料(例えば、タバコの葉)、植物性材料ベースの製品(例えば、再形成タバコ)および/またはこれに類するものを含むことができる。いくつかの実施例では、フィルタ1366は、綿から製作することができ、かつ/または液状の気化可能材料(例えば、プロピレングリコール(PG)および/または植物性グリセリン(VG)ベースの液体)で少なくとも部分的に浸すことができる。
【0084】
図12に示されたように、第2の領域1392は、第1の領域1390よりも空気流通路1395の上流に位置していてよい。したがって、インサート1350を通過する空気は、非液状の気化可能材料を含む第2の領域1392を通過する前に、液状の気化可能材料の蒸気を空気流内に引き込むことができ、これにより、非液状の気化可能材料からのフレーバーおよびニコチンの両方が吸入可能なエアロゾルに吸収/注入される。液状の気化可能材料を含むフィルタの上流に非液状の気化可能材料を配置することを含む他の構成は、本開示の範囲内にある。
【0085】
いくつかの実施例では、加熱要素は、インサート1350のジャケット1360の周面の周りに延在していてよく、かつ/またはインサート1350のジャケット1360の長さに沿って延在していてよい。このような構造により、例えば、加熱要素は、第2の領域1392における(フィルタ1366に含まれる)液状の気化可能材料と、第1の領域1390における非液状の気化可能材料とを、効率的かつ効果的に加熱することができる。いくつかの実施例では、フィルタ1366は、加熱要素1355に直接接触していてよい。
【0086】
例えば、加熱要素1355は、フィルタ1366内の液状の気化可能材料を加熱することができ、これにより、液状の気化可能材料を気化させ、空気流通路1395内に放出させる。加熱要素1355は、第1の領域内の非液状の気化可能材料も加熱することができ、これにより、非液状の気化可能材料を気化させ、空気流通路1395内に放出させる。非液状の気化可能材料から形成された蒸気は、液状の気化可能材料から生成された蒸気と組み合わされて、空気流通路1395に沿って、ユーザによる吸入のためにインサート1350の外に引き出される。
【0087】
それぞれ非液状の気化可能材料と液状の気化可能材料とを含む第1および第2の領域を含むこのようなインサートの実施例は、(例えば、1つのヒータしか必要としないことにより)製造コストの削減、気化器デバイスの性能と効率の改善といった様々な利点を提供することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、加熱要素1355は、(例えば、プロセッサによって)制御されてよく、または第2の領域1392とは異なる温度で第1の領域1390を加熱するように構成されていてよい。インサート1350に沿って加熱要素1355によって提供される様々な温度および温度差は、本開示の範囲内にある。
【0089】
いくつかの実施例では、空気流通路1395は、インサート1350の中心を通って、またはインサートの長手方向軸線に沿って、延在していてよい。
【0090】
別の実施例では、インサート1350の第2の領域1392は、液状の気化可能材料を含むように構成されたリザーバを含んでいてよい。空気流通路は、第1および/または第2の領域を貫通して、またはこれらの領域に隣接して通っていてよい。リザーバ内の液状の気化可能材料の加熱および/または気化により生成された第1の吸入可能な蒸気は、第1の領域1390に含まれる非液状の気化可能材料を貫通するように通過してよく、これにより、非液状の気化可能材料からのニコチンとフレーバーとが第1の吸入可能な蒸気に注入される(注入された第1の吸入可能な蒸気を含む第2の吸入可能な蒸気が形成される)。
【0091】
図12に示されたように、いくつかの実施例では、インサート1350は、第1の領域1390および第2の領域1392よりも空気流通路1395の下流に位置する冷却フィルタ1393(例えば、綿フィルタ)を含んでいてよい。冷却フィルタ1393は、ユーザによる吸入前に吸入可能なエアロゾルを冷却するように構成され得る。
【0092】
用語
ある特徴または要素が、本明細書において別の特徴または要素の「上」にあるものとして言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素のすぐ上にあるものとすることができるし、あるいは介在する特徴および/または要素が存在してもよい。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素の「すぐ上」にあるものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」、または「連結されている」ものとして言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素に直接、接続することができ、取り付けることができ、または連結することができるし、あるいは介在する特徴または要素が存在してもよいことは理解されるであろう。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接連結されている」ものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0093】
1つの実施例に関して説明または図示されているが、そのように説明または図示された特徴および要素は、他の実施例にも適用可能である。また、別の特徴に「隣接して」配置された構造または特徴に関する言及は、隣接する特徴と重なり合う部分またはその下にある部分を有する場合もあることが、当業者には理解されるであろう。
【0094】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例および実施形態のみを説明する目的で使用されており、限定することを意図していない。例えば本明細書で用いられる単数形の不定冠詞および定冠詞は、文脈から明確に別段の指示がない限りは、複数形も同様に含むことを意図している。本明細書において使用される場合、用語「を含む」および/または「を含んでいる」は、記載された特徴、ステップ、オペレーション、要素および/または構成要素の存在を指定するが、それらの1つ以上の他の特徴、ステップ、オペレーション、要素、構成要素および/またはそのグループの存在または追加を除外するものではないことをさらに理解されたい。本明細書において使用されるとき、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意のおよびすべての組合せを含み、「/」と省略することができる。
【0095】
上記の説明および特許請求の範囲において、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」などの語句が、要素または特徴の連言的なリストに続いて現れる場合がある。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリスト中に現れる場合もある。使用された文脈によって他のやり方で暗黙的もしくは明示的に否定されない限り、そのような語句は、列挙された要素または特徴のいずれかを個別に意味すること、あるいは列挙された要素または特徴のいずれかと他の列挙された要素または特徴のいずれかとの組合せを意味することを意図している。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」、ならびに「Aおよび/またはB」との語句は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、またはAおよびBともに」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図されている。例えば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」、「A、BおよびCのうちの1つ以上」、ならびに「A、Bおよび/またはC」との語句は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBともに、AおよびCともに、BおよびCともに、またはAおよびBおよびCともに」を意味することを意図している。これまでの記載および特許請求の範囲における用語「に基づく」の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0096】
「前方」、「後方」、「下方に」、「下側に」、「下部に」、「上方に」、「上部に」およびこれらに類するものなどの空間的に相対的な用語が、図面に示されているような1つの要素または特徴と、他の要素または特徴との関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書において使用されてよい。空間的に相対的な用語が、図面に描かれている配向に加え、使用時または動作時におけるデバイスの様々な配向を包含することを意図していることは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転されたならば、その場合には他の要素または特徴の「下方に」または「真下に」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方に」配向されることになる。したがって、例として挙げた用語「の下方に」は、上方と下方との配向の双方を包含し得るものである。デバイスは(90度回転させられるかまたは他の配向で)別の向きで配向されてよく、本明細書で使用される空間的に相対する記述もそれに応じて解釈され得る。同様に、用語「上方に向かって」、「下方に向かって」、「垂直に」、「水平に」およびこれらに類するものは、具体的に別段の指示がない限りは、本明細書では説明の目的で用いられるにすぎない。
【0097】
本明細書では、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために用語「第1の」および「第2の」が用いられる場合があるが、これらの特徴/要素は、文脈が別段の指示をしない限り、これらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用することができる。したがって、本明細書で提供される教示から逸脱することなく、以下で述べる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、以下で述べる第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と称することができる。
【0098】
実施例において使用される場合を含め、特に別段の指定がない限りは、本明細書および特許請求の範囲において使用されているすべての数は、「約」または「ほぼ」といった単語が、たとえこれらの用語が明確に現れていないにしても、前置きされているかのように読むことができる。大きさおよび/または位置を説明する場合、これらの「約」または「ほぼ」という語句は、記載される値および/または位置が、当該値および/または位置の妥当な予測範囲内にあることを示すために使用される場合がある。例えば、数値は、所定値(または値の範囲)の+/-0.1%、所定値(または値の範囲)の+/-1%、所定値(または値の範囲)の+/-2%、所定値(または値の範囲)の+/-5%、所定値(または値の範囲)の+/-10%などの値を含むことができる。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈により別段の指定がない限り、その値付近の、またはほぼ同じ値を含むものと理解されたい。例えば値「10」が開示されているならば、その場合には「約10」も開示されている。本明細書で挙げられているいずれの数値範囲も、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことを意図している。また、ある値が開示されている場合には、当業者が適切に理解するように、その値「以下」、「その値以上」、およびそれらの値の間の可能な範囲も開示されていることが理解されよう。例えば、値「X」が開示されているならば、「X以下」ならびに「X以上」(例えば、Xは数値)も開示されている。また、本出願全体を通して、データが多くの異なる形式で提供されていること、ならびにこのデータは、終了点および開始点、およびこれらのデータ点の任意の組合せに関する範囲を表すことが理解されよう。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されているならば、10および15より大きい、10および15以上の、10および15より小さい、10および15以下の、ならびに10および15と等しいことも、10と15との間の範囲と同様に開示されていると見なされることが理解されよう。また、2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されているということも理解される。例えば10および15が開示されているならば、その場合には11、12、13および14も開示されている。
【0099】
様々な例示的な実施例を上述したが、本明細書の教示から逸脱することなく、様々な実施例に対して多数の変更のいずれかを行うことができる。例えば、記載された様々な方法ステップが実行される順序は、代替的な実施例では多くの場合、変更されてもよく、他の代替的な実施例では、1つ以上の方法ステップが完全にスキップされてもよい。様々なデバイスおよびシステムの実施例のオプションとしての特徴は、いくつかの実施例には含まれ、他の実施例には含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示の目的で提供されており、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0100】
本明細書に記載された対象の1つ以上の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組合せにおいて実現することができる。これらの様々な態様または特徴は、特別または汎用的であり得る少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムへの実装を含むことができ、当該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信および送信するように連結される。プログラマブルシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは概して互いにリモートの状態にあり、通常、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、個々のコンピュータ上で実行され、クライアント-サーバ関係を相互に有するコンピュータプログラムによって発生する。
【0101】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも呼ぶことができるこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械語で実施することができる。本明細書で使用されるときに、「機械可読媒体」という用語は、機械可読信号としての機械命令を受け取る機械可読媒体を含め、プログラム可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブルロジックデバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに供給するために使用される任意の信号のことを指す。この機械可読媒体は、そのような機械命令を、例えば非一時的なソリッドステートメモリもしくは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体などのように非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または付加的に、そのような機械命令を、例えばプロセッサキャッシュかまたは1つ以上の物理プロセッサコアに関連付けられた他のランダムアクセスメモリなどのように一時的に記憶することができる。
【0102】
本明細書に含まれる実施例および図面は、限定としてではなく例示として、本対象を実施することができる特定の実施例を示している。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置き換えおよび変更を行うことができるように、他の実施形態を利用することができ、そこから導き出すことができる。本発明の対象のこうした実施例は、2つ以上が実際に開示されているならば、単に便宜上「発明」という用語によって本明細書では個別にもしくは集約的に言及することができ、この出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図するものではない。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示および説明してきたが、同じ目的を達成するために計算されたあらゆる配置を、図示された特定の実施形態に置き換えることができる。本開示は、様々な実施例の任意のおよびすべての適応形態または変形形態をカバーすることを意図している。上述の実施例と、本明細書に具体的に記載されていない他の実施例との組合せは、上述の説明を精査すれば、当業者には明らかになるであろう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図9I
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
【国際調査報告】