(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-07
(54)【発明の名称】レゾルバステータの位置決め押え片及び位置決め構造
(51)【国際特許分類】
H02K 1/18 20060101AFI20220630BHJP
H02K 24/00 20060101ALI20220630BHJP
【FI】
H02K1/18 Z
H02K24/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525241
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(85)【翻訳文提出日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2021072784
(87)【国際公開番号】W WO2021203793
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】202020491701.0
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヂァォ,ホンイァン
(72)【発明者】
【氏名】ペェィ,ヂァンチィァン
【テーマコード(参考)】
5H601
【Fターム(参考)】
5H601AA09
5H601CC04
5H601EE12
5H601JJ04
5H601KK19
(57)【要約】
【解決手段】本発明には、レゾルバステータの位置決め押え片及び位置決め構造が開示されており、前記位置決め押え片は、その全体が円環状であり、前記位置決め押え片の本体には、ステータ締付長穴及び/又は押え片取付長穴が設けられており、前記位置決め押え片の内側には、レゾルバステータにおける凹溝又は突起に適合され、レゾルバステータを位置決めするための位置決め突起又は凹溝が設けられている。本発明におけるレゾルバステータの位置決め押え片は、レゾルバステータの組立難易度を効果的に低減することができ、組立効率が向上され、不良品率が低減される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゾルバステータの位置決め押え片であって、
全体が円環状であり、押え片本体には、ステータ締付長穴及び/又は押え片取付長穴が設けられており、前記押え片本体の内側には、レゾルバステータにおける凹溝又は突起に適合され、レゾルバステータを位置決めするための位置決め突起又は凹溝が設けられている、
ことを特徴とするレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項2】
前記ステータ締付長穴が複数個設けられ、前記押え片取付長穴が若干個設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項3】
複数個の前記ステータ締付長穴の中心線が同じ円周線上にあり、若干個の前記押え片取付長穴の中心線が同じ円周線上にあり、前記ステータ締付長穴の円周線の直径が、前記押え片取付長穴の円周線の直径よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項4】
前記ステータ締付長穴には、レゾルバステータの締付ボルト又はネジが設けられ、前記押え片取付長穴には、位置決め押え片の取付ボルト又はネジが設けられており、前記レゾルバステータの締付ボルト又はネジのナットの直径又は内接円が、前記位置決め押え片の取付ボルト又はネジのナットの直径又は内接円よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項5】
前記位置決め突起又は凹溝の断面が、矩形、三角形、半円形のうちのいずれか1つである、
ことを特徴とする請求項1に記載のレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項6】
前記位置決め押え片が、プレス成形されたものである、
ことを特徴とする請求項2に記載のレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項7】
前記位置決め押え片の材料が、可塑性を有する炭素鋼である、
ことを特徴とする請求項1に記載のレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項8】
前記位置決め押え片には、ケーブルを収容するためのノッチが設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレゾルバステータの位置決め押え片。
【請求項9】
レゾルバステータの位置決め構造であって、
レゾルバステータ及びモータエンドカバーを含み、請求項1~8のいずれか一項に記載のレゾルバステータの位置決め押え片をさらに含み、前記レゾルバステータの位置決め押え片における位置決め突起又は凹溝によって、前記レゾルバステータが前記モータエンドカバーに調整可能に固定されており、前記レゾルバステータに凹溝又は突起が設けられている、
ことを特徴とするレゾルバステータの位置決め構造。
【請求項10】
ステータ締付長穴には、レゾルバステータの締付ボルト又はネジが設けられ、押え片取付長穴には、位置決め押え片の取付ボルト又はネジが設けられており、前記レゾルバステータの締付ボルト又はネジが、前記レゾルバステータを前記モータエンドカバーに締め付けるために用いられ、前記位置決め押え片の取付ボルト又はネジが、前記位置決め押え片を前記モータエンドカバーに取付固定するために用いられる、
ことを特徴とする請求項9に記載のレゾルバステータの位置決め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ検出の技術分野に関し、具体的には、レゾルバステータの位置決め押え片及び位置決め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
レゾルバは、同期分解器とも呼ばれる電磁センサであり、角度を測定するための小型の交流モータである。レゾルバは、ステータとロータで構成されており、通常、ステータがモータのエンドカバーに固定され、ロータがモータの回転軸に固定されており、モータの回転軸と同期回転する。
【0003】
現在、レゾルバは、ロータの磁極とステータの各相巻線との相対位置を位置決めするために、新エネルギー自動車の永久磁石同期モータ内で使用されている。しかし、レゾルバのステータが効果的に固定できていないか、又は走行中の振動によってずれてしまうと、誤ったロータ位置がフィードバックされ、車両が制御不能になるなど潜在的な安全リスクが発生してしまう可能性がある。そして、レゾルバステータの従来の固定方法では、各モータのレゾルバステータが何れも同じ位置にあることを保証できず、各モータのゼロ位相差が大きくなり、調整過程が面倒になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術における上記課題に鑑みて、本発明は、上記課題が解決されるか、又は少なくとも部分的に解決されるレゾルバステータの位置決め押え片及び位置決め構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達するように、本発明の技術案は、以下のように実現される。
本発明の一つの局面では、レゾルバステータの位置決め押え片が提供されており、前記位置決め押え片は、その全体が円環状であり、前記位置決め押え片の本体には、ステータ締付長穴及び/又は押え片取付長穴が設けられており、前記位置決め押え片の内側には、レゾルバステータにおける凹溝又は突起に適合され、レゾルバステータを位置決めするための位置決め突起又は凹溝が設けられている。
【0006】
また、前記ステータ締付長穴が複数個であり、前記押え片取付長穴が若干個であってもよい。
【0007】
また、複数個の前記ステータ締付長穴の中心線が同じ円周線上にあり、若干個の前記押え片取付長穴の中心線が同じ円周線上にあり、前記ステータ締付長穴の円周線の直径が、前記押え片取付長穴の円周線の直径よりも小さくてもよい。
【0008】
また、前記ステータ締付長穴には、レゾルバステータの締付ボルト又はネジが設けられ、前記押え片取付長穴には、位置決め押え片の取付ボルト又はネジが設けられており、前記レゾルバステータの締付ボルト又はネジのナットの直径又は内接円が、前記位置決め押え片の取付ボルト又はネジのナットの直径又は内接円よりも大きくてもよい。
【0009】
また、前記位置決め突起又は凹溝の断面が、矩形、三角形、半円形のうちのいずれか1つであってもよい。
【0010】
また、前記位置決め押え片が、プレス成形されたものであってもよい。
【0011】
また、前記位置決め押え片の材料が、可塑性を有する炭素鋼であってもよい。
【0012】
また、前記位置決め押え片には、ケーブルを収容するためのノッチが設けられていてもよい。
【0013】
本発明のもう一つの局面では、レゾルバステータの位置決め構造が提供されており、前記位置決め構造が、レゾルバステータ及びモータエンドカバーを含み、前記位置決め構造が、上記手段のいずれかに記載のレゾルバステータの位置決め押え片をさらに含み、前記レゾルバステータの位置決め押え片における位置決め突起又は凹溝によって、前記レゾルバステータが前記モータエンドカバーに調整可能に固定されており、前記レゾルバステータに凹溝又は突起が設けられていてもよい。
【0014】
また、前記ステータ締付長穴には、レゾルバステータの締付ボルト又はネジが設けられ、押え片取付長穴には、位置決め押え片の取付ボルト又はネジが設けられており、前記レゾルバステータの締付ボルト又はネジが、前記レゾルバステータを前記モータエンドカバーに締め付けるために用いられ、前記位置決め押え片の取付ボルト又はネジが、前記位置決め押え片を前記モータエンドカバーに取付固定するために用いられてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記技術案によれば、以下の有益な効果を奏することができる。
組立難易度を効果的に低減し、組立効率を高め、不良品率の低減に役立つことができ、モータを量産する際に、各モータの電気角のゼロ点を一定に保ち、同じ型番のモータの組立品質の均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施例によるレゾルバステータの位置決め構造の模式図である。
【
図2】本発明の一実施例によるレゾルバステータの位置決め押え片の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術案及び利点が更に明白になるように、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面と併せて、本発明の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなことに、記載された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内に含まれる。
【0018】
[実施例1]
図2に示すように、本発明の実施例1には、レゾルバステータの位置決め押え片が開示されており、位置決め押え片3は、その全体が円環状であり、位置決め押え片3の本体には、ステータ締付長穴32及び/又は押え片取付長穴33が設けられており、ステータ締付長穴32及び/又は押え片取付長穴33によって、位置決め押え片3、レゾルバステータ4をモータエンドカバー5に固定することが実現でき、長穴の設置によって、固定時の位置調整が容易になり、上記長穴には、レゾルバステータ又は位置決め押え片の締付、又は取付及び位置決めを実現するためのボルト又はネジが設けられている。
【0019】
位置決め押え片3の内側には、レゾルバステータ4における凹溝又は突起に適合され、レゾルバステータ4を位置決めするための位置決め突起31又は凹溝が設けられており、位置決め押え片3の回転調節により、レゾルバステータの位置が変更される。
【0020】
本実施例による位置決め押え片3の組立難易度が低く、組立効率を効果的に高めることができ、また、当該位置決め押え片3の構造がシンプルで、生産が容易であり、不良品率の低減に役立つ。本実施例による位置決め押え片3を用いて位置決め及び取り付けをすることにより、各モータのレゾルバステータ4が何れも同じ位置にあることを保証し、各モータのゼロ位相差を効果的に低減することができる。
【0021】
さらに、ステータ締付長穴32が複数個であり、好ましくは5つであり、押え片取付長穴33が若干個であり、好ましくは2つである。ステータ締付長穴32及び押え片取付長穴33がそれぞれ軸対称に設けられており、これにより、位置決め押え片3及びレゾルバステータ4に均一な力がかかり、堅固な取付及び固定が容易になる。
【0022】
一つの好ましい実施例において、
図2から分かるように、複数個のステータ締付長穴32の中心線が同じ円周線上にあり、若干個の押え片取付長穴33の中心線が同じ円周線上にあり、受ける力の均一性が確保されており、ステータ締付長穴32の円周線の直径が、押え片取付長穴33の円周線の直径よりも小さい。
【0023】
一つの実施例において、ステータ締付長穴32には、レゾルバステータの締付ボルト又はネジ1が設けられ、押え片取付長穴33には、位置決め押え片の取付ボルト又はネジ2が設けられており、レゾルバステータの締付ボルト又はネジ1のナットの直径又は内接円が、位置決め押え片の取付ボルト又はネジ2のナットの直径又は内接円より大きく、レゾルバステータ4が堅固に固定され易くなる。
【0024】
一つの好ましい実施例において、位置決め突起31又は凹溝の断面が、矩形、三角形、半円形のうちのいずれか1つであるが、勿論、位置決め突起31又は凹溝の断面が、固定作用を果たす他の形状、例えば正方形又は台形であってもよい。
【0025】
一つの実施例において、位置決め押え片3が、プレス成形されたものであるが、位置決め押え片3が、切断成形されたもの、又は他の加工方式で成形されたものであってもよい。
【0026】
好ましくは、位置決め押え片3の材料が、可塑性を有する炭素鋼、又は、可塑性を有する他の金属材質である。
【0027】
一つの実施例において、位置決め押え片3には、ケーブルを収容するためのノッチが設けられており、ケーブルがこのノッチを通過可能であり、レゾルバの取り付け過程での接続が容易になる。
【0028】
要約すると、本発明には、レゾルバステータの位置決め押え片が開示されており、位置決め押え片は、その全体が円環状であり、位置決め押え片の本体には、ステータ締付長穴及び/又は押え片取付長穴が設けられており、位置決め押え片の内側には、レゾルバステータにおける凹溝又は突起に適合され、レゾルバステータを位置決めするための位置決め突起又は凹溝が設けられている。本発明による位置決め押え片は、レゾルバステータの組立難易度を効果的に低減することができ、組立効率が向上され、製品の不良品率が低減される。
【0029】
[実施例2]
本発明の実施例2には、レゾルバステータの位置決め構造が開示されており、
図1に示すように、当該位置決め構造が、レゾルバステータ4及びモータエンドカバー5を含み、位置決め構造が、上記のいずれかの位置決め押え片3をさらに含み、位置決め押え片3における位置決め突起31又は凹溝によって、レゾルバステータ4がモータエンドカバー5に調整可能に固定されており、レゾルバステータ4に凹溝又は突起が設けられており、位置決め押え片3における位置決め突起31又は凹溝が、レゾルバステータ4に設けられた凹溝又は突起に適合され、位置決め押え片3とレゾルバステータ4との間の位置決め及び固定が容易になる。
【0030】
本実施例による位置決め構造を用いれば、モータを量産する際に、各モータの電気角のゼロ点を一定に保ち、同じ型番のモータの組立品質の均一性を向上させることができる。
【0031】
一つの実施例において、ステータ締付長穴32には、レゾルバステータの締付ボルト又はネジ1が設けられ、押え片取付長穴33には、位置決め押え片の取付ボルト又はネジ2が設けられており、レゾルバステータの締付ボルト又はネジ1が、レゾルバステータ4をモータエンドカバー5に締め付けるために用いられ、位置決め押え片の取付ボルト又はネジ2が、位置決め押え片3をモータエンドカバー5に取付固定するために用いられる。
【0032】
上記は、あくまでも本発明の具体的な実施形態であり、本発明の上記開示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記の具体的な記載は、本発明の目的をより良く解釈するためのものであり、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に基づくものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0033】
1…レゾルバステータの締付ボルト又はネジ
2…位置決め押え片の取付ボルト又はネジ
3…位置決め押え片
4…レゾルバステータ
5…モータエンドカバー
31…位置決め突起
32…ステータ締付長穴
33…押え片取付長穴
【国際調査報告】