(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-07
(54)【発明の名称】反射板を有する太陽電池モジュールと反射板を調節する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/054 20140101AFI20220630BHJP
H02S 20/30 20140101ALI20220630BHJP
H02S 20/32 20140101ALI20220630BHJP
【FI】
H01L31/04 620
H02S20/30 A
H02S20/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543181
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 KR2021003627
(87)【国際公開番号】W WO2021206323
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0042094
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017223
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520149467
【氏名又は名称】ナノヴァリー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,ヨン-クォン
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151JA23
5F151KA02
5F151KA03
(57)【要約】
本発明は太陽の軌跡変化に沿って生成され得る反射板による陰影を防止して太陽電池モジュールの発電効率を上げることを目的とする。前記のような目的を達成するために、本発明の一側面は太陽電池パネルと前記太陽電池パネルの縁に連接して配置される反射板を含み、前記反射板と前記パネルの上面がなす角度は同時にまたは個別的に可変する太陽電池モジュールを提供することである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルと前記太陽電池パネルの縁に連接して配置される反射板を含み、前記反射板と前記パネルの上面がなす角度は可変することを含む、太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記反射板は前記パネルが南側に向けて配置される時に東側に位置する第1反射板および西側に位置する第2反射板を含み、前記パネルの上面と前記第1反射板の上面がなす角度と第2反射板の上面がなす角度は同時にまたは個別的に可変することを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
可変する前記角度は太陽の軌跡変化に沿って変化することを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記角度は60°~180°範囲で可変することを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記反射板の幅は前記パネルの幅よりさらに大きいことを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記反射板は、前記パネルの上縁に連接して配置される第3反射板および下縁に連接して配置される第4反仕板のうちいずれか一つまたは両方を含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記第3または第4反射板の上面と前記パネルの上面がなす角度は同時または個別的に可変することを含む、請求項6に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記太陽電池モジュールは照度センサをさらに含み、前記反射板には前記角度を変化させ得るモータが連結され、前記照度センサを利用して照度が最大となるようにモータを駆動して前記反射板を回動させることを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載された太陽電池モジュールの反射板作動方法であって、
太陽光は常に前記反射板の上面に入射するように前記角度を調節することを含む、太陽電池モジュールの反射板調節方法。
【請求項10】
午前10時以前には前記第1および第2反射板の上面は前記パネルの上面との角度がそれぞれ180°に維持されるようにし、
午前10時から午後2時までは前記第1および第2反射板の上面はいずれも前記パネルの上面との角度がそれぞれ120°に維持されるようにし、
午後2時以降には前記第1および第2反射板の上面は前記パネルの上面との角度がそれぞれ180°に維持されるようにすることを含む、請求項9に記載の太陽電池モジュールの反射板調節方法。
【請求項11】
午前10時以前には前記第1反射板は前記パネルの上面との角度が180°に維持されるようにし、前記第2反射板は前記パネルの上面との角度が120°に維持されるようにし、
午前10時から午後2時までは前記第1および第2反射板はいずれも前記パネルの上面との角度がそれぞれ120°に維持されるようにし、
午後2時以降には前記第1反射板の上面は前記パネルの上面との角度が120°に維持されるようにし、前記第2反射板の上面は前記パネルの上面との角度が180°に維持されるようにすることを含む、請求項9に記載の太陽電池モジュールの反射板調節方法。
【請求項12】
前記第1反射板と第2反射板がなす内角は常に60°となるようにし、太陽光は常に前記反射板の上面に入射するように前記角度を調節することを含む、請求項9に記載の太陽電池モジュールの反射板調節方法。
【請求項13】
前記太陽電池パネルは2つ以上からなり、
前記反射板は前記2つ以上の太陽電池パネル間の仮想の中心ラインに交差する方向に前記太陽電池の一側または両側に配置されることを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項14】
前記太陽電池パネルは2つ以上からなり、
前記2つ以上の太陽電池パネルは、一つの太陽電池パネルの太陽光の入射面が隣接する他の一つの太陽電池パネルの太陽光の入射面と所定角度で傾いて対向するように配置され、
前記反射板は前記互いに対向する太陽電池パネル間の仮想の中心ラインに交差する方向に互いに対向する前記太陽電池の一側または両側に配置されることを含む、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項15】
連続して配置された前記2つ以上の太陽電池パネルの両縁のうち一つまたは両方に、前記仮想の中心ラインに平行な方向に沿って配置される反射板をさらに含む、請求項13または請求項14に記載の太陽電池モジュール。
【請求項16】
前記所定角度が0°超過180°未満であることを含む、請求項14に記載の太陽電池モジュール。
【請求項17】
前記2つ以上の太陽電池パネルにおいて、隣接する2つの太陽電池パネルの一端部が連結軸を通じて連結され、前記仮想の中心ラインに交差する方向に配置される反射板は前記連結軸に接触するか、所定距離離隔して配置されることを含む、請求項14に記載の太陽電池モジュール。
【請求項18】
前記2つ以上の太陽電池パネル、反射板を支持する支持台を含む、請求項13または請求項14に記載の太陽電池モジュール。
【請求項19】
前記2つ以上の太陽電池は∧形または∨形に連結され、
∧形または∨形に連結された太陽電池パネルのうちいずれか一つの形状が連続するように配置されたり、これらが混合されるように配置されて太陽光の入射面が互いに対向するように配置されることを含む、請求項13、請求項14、請求項16および請求項17のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項20】
前記∧形または∨形に連結される連結部位に追加で反射板が配置されることを含む、請求項19に記載の太陽電池モジュール。
【請求項21】
前記反射板は、平面、曲面、または折り曲げ面のうち一つ、またはこれらが組み合わせられた形態で形成されることを含む、請求項13、請求項14、請求項16および請求項17のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項22】
前記反射板の傾きを調節する角度調節手段をさらに含む、請求項13、請求項14、請求項16および請求項17のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池パネルと反射板を含む太陽電池モジュールと前記反射板の調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に太陽電池モジュールは、セルとセルの電極配線を銅リボンで連結し、バックシート、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)、太陽電池セル、EVA、カバーガラス(cover glass)の順序で積層して圧着させる段階と、圧着された積層体の縁をアルミニウムフレームで仕上げる段階と、裏面に前記銅リボンを出力ケーブルに結線するための接続箱(junction box)を設置する段階を通じて完成される。
【0003】
従来には、太陽電池モジュールは反射板なしに設置されるか、反射板があっても太陽電池パネルと一定の角度をなしながら配置された。このように配置される反射板は固定されている反面、太陽光の入射角は時間によって持続的に変わるため、反射板による反射効果が時間によって変わって反射板の効果は一部に時間に限定され得、反射板によって太陽電池パネルに陰影を形成して発電効率をかえって低下させることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第0090752号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの目的は、太陽の軌跡変化に沿って生成され得る反射板による陰影を防止して、発電効率が向上した太陽電池モジュールと太陽電池モジュールの反射板調節方法を提供するところにある。
【0006】
本発明の他の目的は、設置面積当たりおよび/または太陽電池パネル当たり発電量をより増加させることができるため、効率的かつ経済的な太陽電池発電が可能な太陽電池モジュールを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの目的を達成するための本発明の第1側面は、太陽電池パネルと前記太陽電池パネルの縁に連接して配置される反射板を含み、前記反射板と前記パネルの上面がなす角度は可変する太陽電池モジュールを提供することである。
【0008】
このように太陽電池パネルに連接して配置される反射板と太陽電池パネルがなす角度が太陽の軌跡変化に沿って変化され得るようにすることによって、太陽光発電効率を上げることができる。
【0009】
本発明の第1側面において、前記反射板は前記太陽電池パネルが南側に向けて配置される時に東側に位置する第1反射板および西側に位置する第2反射板を含み、前記太陽電池パネルの上面と前記第1反射板の上面がなす角度と第2反射板の上面がなす角度は同時にまたは個別的に可変し得る。
【0010】
本発明の第1側面において、前記反射板と前記パネルの上面がなす角度は太陽の軌跡変化に沿って変化され得る。
【0011】
本発明の第1側面において、前記反射板と前記パネルの上面がなす角度は60°~180°範囲で可変し得る。
【0012】
本発明の太陽電池パネルは、好ましくは南側に向けて配置されるが、例えば太陽が昇る時には東側にある第1反射板がパネルと平行になって完全に広げられると180°をなし、反対側である西側にある第2反射板は太陽光を集中させるために60°でパネルに傾いていることができる。角度が60°より低いと太陽光を受け入れる面積が過度に小さくなるため好ましくない。
【0013】
本発明の第1側面において、前記反射板の幅は前記太陽電池パネルの幅よりさらに大きくてもよい。このように反射板の幅を太陽電池パネルの幅に比べて大きく形成することによって反射量を増加させて発電効率を上げることができる。
【0014】
本発明の第1側面において、前記反射板は前記太陽電池パネルの上縁に連接して配置される第3反射板および下縁に連接して配置される第4反仕板のうちいずれか一つまたは両方を含むことができる。
【0015】
反射板は太陽電池モジュールの両側にのみ配置されるのではなく、上縁および/または下縁に連接して配置されることによって、反射率を高めて太陽光発電効率を上げることができる。
【0016】
本発明の第1側面において、前記第3反射板または第4反射板の上面と前記太陽電池パネルの上面がなす角度は同時または個別的に可変し得る。
【0017】
本発明の第1側面において、前記太陽電池モジュールは照度センサをさらに含み、前記反射板には前記角度を変化させ得るモータが連結されて、前記照度センサを利用して照度が最大となるようにモータを駆動して前記反射板を回動させることができる。
【0018】
特に、第1反射板と第2反射板がなす内角α5が60°を維持しながら照度センサによって最大照度を維持しつつ、自動で第1反射板と第2反射板の角度を調節することができる。第1反射板と第2反射板の内角を一定に維持しながら太陽軌跡変化に沿ってパネルとなす角度α1、α2を変化させることによって、発電量を最大化することができる。このように内角を一定に維持することによって、太陽の軌跡が変化する時に第1および第2反射板が入射光に対して対称となるようにし、パネルの上面に入射する太陽光の入射角と入射量を均一に調節しながら最適化できるようになって発電量が増大する。
【0019】
本発明の一目的を達成するための本発明の第2側面は、第1側面に係る太陽電池モジュールに備えられた反射板を調節する方法で、太陽光が常に前記反射板の上面に入射するように前記反射板と前記パネルの上面がなす角度を調節する太陽電池モジュールの反射板調節方法を提供することである。
【0020】
太陽の軌跡変化により反射板によってパネルに陰影が発生すると太陽電池の効率が低下するため、反射板の角度を調節することによってこれを防止することができる。
【0021】
本発明の第2側面において、午前10時以前には前記第1反射板および第2反射板の上面は前記パネルの上面との角度がそれぞれ180°に維持されるようにし、午前10時から午後2時までは前記第1反射板および第2反射板の上面はいずれも前記太陽電池パネルの上面との角度がそれぞれ120°に維持されるようにし、午後2時以降には前記第1反射板および第2反射板の上面は前記太陽電池パネルの上面との角度がそれぞれ180°に維持されるようにすることができる。
【0022】
本発明の第2側面において、午前10時以前には前記第1反射板は前記太陽電池パネルの上面との角度が180°に維持されるようにし、前記第2反射板は前記太陽電池パネルの上面との角度が120°に維持されるようにし、午前10時から午後2時までは前記第1反射板および第2反射板はいずれも前記太陽電池パネルの上面との角度がそれぞれ120°に維持されるようにし、午後2時以降には前記第1反射板の上面は前記太陽電池パネルの上面との角度が120°に維持されるようにし、前記第2反射板の上面は前記太陽電池パネルの上面との角度が180°に維持されるようにすることができる。
【0023】
本発明の第2側面において、前記第1反射板と第2反射板がなす内角は常に60°になるようにし、太陽光は常に前記反射板の上面に入射するように前記反射板と前記パネルの上面がなす角度を調節することができる。
【0024】
前記他の目的を達成するための本発明の第3側面は、2つ以上の太陽電池パネルと反射板を含む太陽電池モジュールにおいて、前記反射板は前記太陽電池パネル間の仮想の中心ラインに交差する方向に前記太陽電池の一側または両側に配置される、太陽電池モジュールを提供することである。
【0025】
前記他の目的を達成するための本発明の第4側面は、2つ以上の太陽電池パネルと反射板を含む太陽電池モジュールにおいて、前記2つ以上の太陽電池パネルは、一つの太陽電池パネルの太陽光の入射面が隣接する他の一つの太陽電池パネルの太陽光の入射面と所定角度で傾いて対向するように配置され、前記反射板は前記互いに対向する太陽電池パネル間の仮想の中心ラインに交差する方向に互いに対向する前記太陽電池の一側または両側に配置される、太陽電池モジュールを提供する。
【0026】
本発明の第3側面または第4側面において、連続して配置された前記2つ以上の太陽電池パネルの両縁のうち一つまたは両方に、前記仮想の中心ラインに平行な方向に沿って配置される反射板をさらに含むことができる。
【0027】
本発明の第4側面において、前記所定角度が0°超過180°未満であり得る。
【0028】
本発明の第4側面において、前記2つ以上の太陽電池パネルにおいて、隣接する2つの太陽電池パネルの一端部が連結軸を通じて連結され、前記仮想の中心ラインに交差する方向に配置される反射板は前記連結軸に接触したり所定距離離隔して配置され得る。
【0029】
本発明の第3側面または第4側面において、前記2つ以上の太陽電池パネル、反射板を支持する支持台を含むことができる。
【0030】
本発明の第3側面または第4側面において、前記2つ以上の太陽電池は∧形または∨形に連結され、∧形または∨形に連結された太陽電池パネルのうちいずれか一つの形状が連続するように配置されたり、これらが混合されるように配置されて太陽光の入射面が互いに対向するように配置され得る。
【0031】
本発明の第3側面または第4側面において、前記∧形または∨形に連結される連結部位にさらに反射板が配置され得る。
【0032】
本発明の第3側面または第4側面において、前記反射板は、平面、曲面、または折り曲げ面のうち一つまたはこれらが組み合わせられた形態で形成され得る。
【0033】
本発明の第3側面または第4側面において、前記反射板の傾きを調節する角度調節手段をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態に係る反射板を具備した太陽電池モジュールと反射板の調節方法によると、太陽の軌跡変化に沿って生成され得る反射板による陰影を防止して太陽電池モジュールの発電効率を上げることができる。
【0035】
また、本発明の他の実施形態に係る太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと多様な反射板の配置を通じて、単にパネルに直接入射する太陽光以外に隣接する太陽電池パネルまたは反射板で反射する太陽光を再吸収できるようになるため、効率的かつ経済的な太陽電池発電が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュールの概略図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュールで反射板の角度の変化を説明する図面である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る太陽電池モジュールの概略図である。
【
図4】本発明の第5実施形態に係る太陽電池モジュールで太陽の軌跡変化による反射板の角度の変化を説明する図面である。
【
図5】本発明の第6実施形態に係る太陽電池モジュールで太陽の軌跡変化による反射板の角度の変化を説明する図面である。
【
図6】本発明の第7実施形態に係る太陽電池モジュールで太陽の軌跡変化による反射板の角度の変化を説明する図面である。
【
図7】本発明の第8実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図である。
【
図8】本発明の第8実施形態に係る太陽電池モジュールの斜視図である。
【
図9】太陽電池モジュールに付着する反射板の形態を例示的に示したものである。
【
図10】本発明の第9実施形態に係る太陽電池モジュールをフェンスのような構造物に設置した状態を示したものである。
【
図11】本発明の第9実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図である。
【
図12】本発明の第10実施形態に係る太陽電池モジュールの斜視図である。
【
図13】本発明の第10実施形態に係る太陽電池モジュールをフェンスのような構造物に設置した状態を示したものである。
【
図14】本発明の第11実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図である。
【
図15】本発明の第12実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図である。
【
図16】本発明の第13実施形態に係る太陽電池モジュールの側面図である。
【
図17】本発明の第14実施形態に係る太陽電池モジュールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について、添付された図面を参照してその構成および作用を説明することにする。
【0038】
本発明の説明において、関連した公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略するであろう。また、ある部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0039】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュールの概略図であり、
図2は本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュールで反射板の角度の変化を説明する図面である。
【0040】
図1および
図2を参照して説明すると、本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュールは、四角形で形成された太陽電池パネル100と前記太陽電池パネル100の両側縁に配置される第1反射板210および第2反射板220と、前記太陽電池パネル100に対して第1反射板210および第2反射板220の角度を調節して固定できるようにする角度調節装置300を含んで構成される。
【0041】
前記太陽電池パネル100と第1反射板210と第2反射板220の間に形成される角度α1、α2は変わり得、可変する角度は60°~180°範囲で変わり得る。
【0042】
前記角度調節装置300は手動または自動で動くことができ、回動できるようにヒンジ構造で形成され得る。また、望む角度で固定することはヒンジ構造に摩擦力を付与して固定されるようにすることができる。
図1ではヒンジ構造のみで角度調節と固定がなされるようになっているが、ヒンジ構造以外に別途の固定構造を具備してもよい。
【0043】
図2に図示されたように、前記第1反射板210および第2反射板220と太陽電池パネル100が接する辺において第1反射板210および第2反射板220の幅d2は太陽電池パネル100の幅d1より大きくして太陽光の入射量を高めることができる。
【0044】
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態に係る太陽電池モジュールの概略図である。
【0045】
図3を参照して説明すると、本発明の第2実施形態に係る太陽電池モジュールは、太陽電池パネル100の両側部に配置された第1反射板210と第2反射板220に加えて、追加で太陽電池パネル100の上部に第3反射板230と下部に第4反射板240がそれぞれ設置されており、これらも太陽電池パネル100に対して可変され得るように設置される。一方、
図3では上部と下部の両方に反射板が設置されたが、上部または下部のいずれか一方にのみ設置されてもよい。
【0046】
一方、第3反射板230と第4反射板240の太陽電池パネル100に対する角度は、太陽光発電中に継続して120°を維持した状態に維持されてもよい。これは、第3反射板230と第4反射板240の角度α3、α4は鋭角にならなければ太陽光による陰影は発生しないが、太陽光の入射面積を増やし、反射を通じて太陽電池パネル100への太陽光入射を高めるために120°を維持することが好ましいためである。
【0047】
[第3実施形態]
前記太陽電池モジュールにさらに光感度を測定する照度センサを具備し、前記照度センサの信号を反映して前記反射板210、220が電気的信号によって回動できるように、反射板210、220を太陽電池パネル100に対して回動させることができるように回動モータ(図示されず)と連結した太陽電池モジュールである。この時、回動モータはその駆動軸が前記反射板210、220に機械的に連結される方式で調節され得、例えば以下の第12実施形態または第13実施形態に係る構成が適用されてもよい。
【0048】
[第4実施形態]
本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュールを使って次のような方式で作動して太陽光発電をした後、その発電効率を評価した。
【0049】
太陽電池パネル100が南側を向くように配置し、10時以前には第1反射板210と第2反射板220の上面と太陽電池パネル100の上面との角度α1、α2が180°に維持されるようにし、10時から14時までは第1反射板210と第2反射板220の上面がいずれも前記太陽電池パネル100の上面となす角度が120°に維持されるようにし、14時以降には前記東側と西側に位置する反射板の上面は前記パネルの上面との角度が180°に維持されるようにした。
【0050】
[第5実施形態]
太陽電池パネル100が南側を向くように配置し、10時以前には前記反仕板のうち東側に位置した第1反射板210は前記太陽電池パネル100の上面との角度を180°に維持されるようにし、前記反仕板のうち西側に位置した第2反射板220は前記太陽電池パネル100の上面との角度が120°に維持されるようにし、10時から14時までは前記第1反射板210と第2反射板220はいずれも前記太陽電池パネル100の上面との角度を120°に維持されるようにし、14時以降には前記反仕板のうち第1反射板210は前記太陽電池パネル100の上面との角度を120°に維持されるようにし、前記反仕板のうち第2反射板220は前記太陽電池パネルの上面との角度を180°に維持されるようにした。このような反射板の角度変形方法は
図4で説明したが、
図4(a)でのように、10時以前には第1反射板210が完全に広げられた状態であるため角度α1は180°を維持し、第2反射板は角度α2は120°を維持して太陽光発電を遂行する。その後、10時~14時に太陽が南中する時には、
図4(b)でのように角度α1、α2がいずれも120°を維持し、14時以降には
図4(c)のように第1反射板210は角度α1を120°を維持するものの、第2反射板220は完全に広げられて角度α2が180°を示すようにして太陽光発電を遂行できる。
【0051】
[第6実施形態]
9時30分以前、9時30分、11時30分、13時30分、13時30分以降の時間別に第1反射板210と第2反射板220の角度α1、α2を調節した。第1反射板210と太陽電池パネル100の上面がなす角度α1は、9時30分以前には180°を維持し、9時30分から11時30分間には140°、11時30分から13時30分までは100°、13時30分以降には100°を維持した。また、第2反射板220と太陽電池パネル100の上面がなす角度α2は、9時30分以前には100°を維持し、9時30分から11時30分間には100°、11時30分から13時30分までは140°、13時30分以降には180°となるようにした。
【0052】
このような反射板の角度変形方法は段階別に
図5で示した。
図5(a)は9時30分以前、
図5(b)は9時30分から11時30分の間、
図5(c)は11時30分から13時30分の間、
図5(d)は13時30分以降の第1反射板と第2反射板の角度を示す。
【0053】
[第7実施形態]
第3実施形態に係る太陽電池モジュールを使って、第1反射板210と第2反射板220の内角α5が60°となるように維持した状態で、太陽軌跡の移動により照度が最大となるようにして第1反射板210と第2反射板220を回動させた。これは
図6で示したが、
図6(a)~
図6(d)のように、太陽の軌跡変化に沿って第1反射板210と太陽電池パネル(110)との角度α1および第2反射板220と太陽電池パネル100との角度α2が互いに異なって変化するようにしつつ、第1反射板と第2反射板がなす内角α5は一定に60°を維持するようにした。
【0054】
[第1比較例]
本発明の実施形態4~7との比較のために、太陽電池パネルに反射板を設置していない状態で本発明と同一の環境で太陽光発電をした。
【0055】
[第2比較例]
第2比較例は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールを使って、太陽軌跡にかかわらず、第1反射板210および第2反射板220の上面がいずれも前記太陽電池パネル100の上面と角度を120°で固定した状態で発電をした。
【0056】
以上のような実施形態4~7と比較例1~2に係る太陽光発電をした後の結果を下記の表1に示した。下記の表1で増加率(%)は、太陽電池パネルに反射板を設置していない比較例1と比較して増加した発電量を示す。
【0057】
【0058】
前記表1で確認できるように、反射板がないか、反射板があっても角度が固定された比較例2に比べて、太陽の軌道の変化に沿って反射板の角度を変化させた実施形態3~7は発電量が増加し、特に太陽光の光の照度が最も強い状態で反射板の角度の変化を多数遂行した実施形態7の発電量が顕著に増加したことが分かる。
【0059】
[第8実施形態]
図7は本発明の第8実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図であり、
図8は本発明の第8実施形態に係る太陽電池モジュールの斜視図であり、
図9は太陽電池モジュールに付着する反射板の形態を例示的に示したものであり、
図10は本発明の第8実施形態に係る太陽電池モジュールをフェンスのような構造物に設置した状態を示したものである。
【0060】
図7~
図10に図示されたように、本発明の第8実施形態に係る太陽電池モジュール10は、多数の太陽電池パネル11と、反射板12と、前記太陽電池パネル11と反射板12を支持する支持台13を含んで構成される。
【0061】
多数の太陽電池パネル11は、一つのパネルの太陽光入射面が隣接した他の一つのパネルの太陽光入射面との内角が所定角度(図面では約90°)をなして互いに対向するように配置されている。
【0062】
そして、個々の太陽電池パネル11は
図8に図示されたように、所定角度をなしながら長さ方向に延びる連結部材14を通じて支持台13にボルトで締結されるか溶接のような方法を通じて固定される。
【0063】
本発明の第8実施形態では、太陽電池パネル11間の角度を約90°に設定したが、隣接する太陽電池パネル11間の角度θ1は0°超過180°未満の範囲で調節され得る。
【0064】
また、連結部材14は太陽電池パネル11を物理的に連結するとともに屈曲可能にしてもよい。一例として、機械的に屈曲可能な状態で連結する蝶番のような機械的回動手段を使うことができる。さらに他の例として、プラスチック、繊維のような可撓性のある部材を隣接する太陽電池パネル11間に配置した後、その端部を接着剤、ボルトとナット、ベルクロ(登録商標)のような手段を使って互いに付着することによって、太陽電池パネル11間を屈曲できる形態で連結する方式を使ってもよい。また、連結部材14には太陽電池パネル11で発電した電気を連結するための電線が配置されてもよい。
【0065】
また、前記連結部材14で軸とこの軸に回動可能に太陽電池パネル11を固定した後、モータのような駆動手段を通じて回動可能に連結された太陽電池パネル11の角度を調節する方式を通じて、太陽電池パネル11間の角度を電気的信号を通じて制御するようにしてもよい。
【0066】
前記反射板12は互いに対向する太陽電池パネル11間の中心線(仮想の中心線)に交差するように、太陽電池パネル11の一端部と接するか、所定距離離隔した状態で支持台13に所定角度に傾いた形態で固定される。このように傾いた反射板12は、入射する太陽光を太陽電池パネル11側に反射させて太陽電池パネル11の発電効率を上げる。
【0067】
反射板12の表面である反射面は、太陽光の反射が容易に起きるように金属鏡面(mirror surface)、ガラス鏡面、またはプラスチック鏡面などを含むことが好ましい。また、反射板12の反射面はアクリルやガラスのような透明な平板であり、その上に反射物質が一定のパターンで形成されてもよい。
【0068】
前記反射物質のパターンは真空蒸着を利用した蒸着またはスクリーンプリンティングを利用した塗布方法を通じて透明薄板上に形成され得る。その他にも金属ホイル(foil)を透明な基板の上に付着する方法を適用することができる。
【0069】
一方、反射板12の基板として熱抵抗を有するため、温度の上昇を抑制できる絶縁性材料を適用することができる。
【0070】
また、反射板12には多様な形状の複数の孔が形成され得るが、このような孔は、風が流れるようにすることによって風がパネルと反射板に加える圧力を下げるため、強風による太陽電池モジュールの破損危険性を減らすことになる
前記反射板12の形状は、
図9a~
図9cに図示されたように、平板からなるか、一定の曲率を有する曲面で形成されるか、多数の折り曲げ面を有するか、これらが組み合わせられた形態からなり得る。
【0071】
本発明の第8実施形態に係る太陽電池モジュール10は、別途の載置台に設置されて使われてもよいが、
図10に図示されたように、アパートや建物の鉄製構造物に載置台なく直接設置されて使われてもよい。
【0072】
[第9実施形態]
図11は本発明の第9実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図であり、
図12は本発明の第9実施形態に係る太陽電池モジュールをフェンスのような構造物に設置した状態を示したものである。
【0073】
図11および
図12に図示されたように、本発明の第9実施形態に係る太陽電池モジュール20は第8実施形態に係る太陽電池モジュールに、配列された太陽電池パネル21の両端部に仮想の中心線に平行な方向に沿って反射板22’を追加で配置したことに特徴がある。
【0074】
この反射板22’の一側は太陽電池パネル21の両端部の背面から長く延びる方式で固定されて太陽電池パネル21の傾斜角と実質的に同一の傾斜角を有し、前記反射板22’の他側は支持台23に締結手段(図示されず)を使って固定される。
【0075】
このように、4方向ですべて太陽光を反射すると、太陽電池パネル21の発電効率をより向上させることができる。
【0076】
本発明の第9実施形態に係る太陽電池モジュール20も、別途の載置台に設置されて使われてもよいが、
図13に図示されたように、アパートや建物の鉄製構造物に載置台なく直接設置されて使われてもよい。
【0077】
[第10実施形態]
図14は、本発明の第10実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図である。
【0078】
図14に図示されたように、本発明の第10実施形態に係る太陽電池モジュール30は、第8実施形態に係る太陽電池モジュールで隣接する2個の太陽電池パネル31を∨形に対向するようにし、太陽電池パネル31の仮想の中心線に平行な方向に反射板32を配置し、前記太陽電池パネル31を支持する支持台33を具備する。また、前記多数の太陽電池パネル31の∨形と∨形の間を直接的に連結せず、所定距離離隔させて配置した後、∨形と∨形の間に長さ方向に長く延びる∧形の反射板32’を追加で配置したことに特徴がある。
【0079】
この反射板32’は前記太陽電池パネル31の上端部に固定され、∧形をなしているが、必ずしもこの形状に制限されるものではない。このように、追加された反射板32’により太陽電池パネル31の間に均一に太陽反射光を提供することができる。
【0080】
[第11実施形態]
図15は、本発明の第11実施形態に係る太陽電池モジュールの平面図と側面図である。
【0081】
図15に図示されたように、本発明の第11実施形態に係る太陽電池モジュール40は、第10実施形態に係る太陽電池モジュールに、仮想の中心線に交差する反射板42を追加で配置したことに特徴がある。
【0082】
[第12実施形態]
図16は、本発明の第12実施形態に係る太陽電池モジュールの側面図である。
【0083】
図16に図示されたように、本発明の第12実施形態に係る太陽電池モジュール50は、第8実施形態に係る太陽電池モジュールに反射板12の設置角度をモータを利用して調節できるようにしたものである。
【0084】
第12実施形態に係る太陽電池モジュール50は、多数の太陽電池パネル51と、反射板52と、前記太陽電池パネル51を支持する支持台53と、太陽電池パネルの連結部材54と、反射板52の角度を調節する角度調節手段55を含んで構成される。
【0085】
第12実施形態に係る太陽電池モジュール50において、前記反射板52は第1実施形態とは異なり、角度調節のために支持台53に固定されない。
【0086】
また、前記角度調節手段55は前記支持台53に一側が固定されるモータ55aと前記モータ55aに回動可能に連結される板状の第1角度調節部材55bと前記第1角度調節部材55bと所定角度をなすように固定されて反射板52の基本傾斜角を決定する第2角度調節部材55cを含む。
【0087】
図17に図示されたように、モータ55aの作動を通じて第1角度調節部材55bの間の角度を増加させたり減少させる過程を通じて、反射板52の太陽電池パネル51に対する傾きが変化し得る。
【0088】
これを通じて、反射板52を通じて太陽電池パネル51に入射する光量を調節したり、太陽の高度などを考慮した反射板52の傾きの調節が可能であるため、最適な状態を維持できるようにする。この時、演算装置と保存装置を具備したコンピュータを利用して前記モータ55aを有線または無線で制御することができる。無線制御が必要な場合には、前記モータに制御信号を無線で受信できる受信手段を具備することが好ましい。また、前記保存装置に保存された日付による太陽の高度、日の出の時間および日没時間の中で選択された一つ以上の情報に基づいて、所定時間別に前記制御信号を提供して前記モータ55aを動作させることによって、当該時間帯に最も最適な反射板52の傾き状態となり得るように調節してもよい。
【0089】
一方、本発明の第12実施形態に係る太陽電池モジュール50において、モータ55aを通じて反射板52間の角度を増減させる構造となっているが、反射板52の間の角度を調節せず、反射板を固定する2個の第1角度調節部材55bを一方向に回転させて傾きを制御する方式で調節されてもよい。
【0090】
[第13実施形態]
図17は、本発明の第13実施形態に係る太陽電池モジュールの側面図である。
【0091】
図17に図示されたように、本発明の第13実施形態に係る太陽電池モジュール60は第8実施形態に係る太陽電池モジュールに反射板12の設置角度を手動で調節できるようにしたものである。
【0092】
第13実施形態に係る太陽電池モジュール60は、多数の太陽電池パネル61と、反射板62と、前記太陽電池パネル61を支持する支持台63と、太陽電池パネルの連結部材64と、反射板62の角度を調節する角度調節手段65を含んで構成される。
【0093】
前記角度調節手段65は前記支持台3に一側が固定されるハウジング65aと前記ハウジング65aに回動可能に支持される棒状の第1角度調節部材65bと前記第1角度調節部材65bと所定角度をなすように固定されて反射板62の基本傾斜角を決定する第2角度調節部材65cを含む。
【0094】
前記反射板62は第8実施形態とは異なり、角度調節のために支持台63に固定されるのではなく、前記第2角度調節部材65cの一端にボルトのような締結手段または接着剤のような接着手段を通じて固定される。
【0095】
前記ハウジング65aの両側にはそれぞれ前記第1角度調節部材65bが回動可能に支持される回転受け台65dが配置され、第1角度調節部材65bの端部は角度調節用糸65eが連結されている。
【0096】
本発明の第13実施形態に係る太陽電池モジュール60は、前記角度調節用糸65eを伸ばすか引っ張ることによって、前記回転受け台65dに支持された第1角度調節部材65bの角度を異なるように調節することができ、これを通じてこれと連結された反射板62の傾きが調節される。
【国際調査報告】