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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-07
(54)【発明の名称】改良型傷治療用部材
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20060101AFI20220630BHJP
【FI】
A61F13/02 380
A61F13/02 345
A61F13/02 310M
A61F13/02 310Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564506
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2019017752
(87)【国際公開番号】W WO2020226254
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】10-2019-0054476
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521030249
【氏名又は名称】リ,クン チョル
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リ,クン チョル
(57)【要約】
本発明は、蓋により開閉可能な開口部が中央部に形成された本体と、前記本体層の上部に積層される蓋カバーと、前記本体層の下部に積層される離型紙と、前記開口部の形状に対応する形状をもって嵌め込み結合により開口部の開閉が可能な蓋と、からなる積層体であることを特徴とする改良型傷治療用部材に関する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋(40)により開閉可能な開口部(50)が中央部に形成された本体(10)と、
前記本体(10)層の上部に積層される蓋カバー(20)と、
前記本体(10)層の下部に積層される離型紙(30)と、および、
前記開口部(50)の形状に対応する形状をもって嵌め込み結合により開口部(50)の開閉が可能な蓋(40)と、からなる積層体であることを特徴とする、改良型傷治療用部材。
【請求項2】
前記蓋カバー(20)は、上部からカバー層(21)、離型素材層(22)、および、粘着層(23)の順に積層された構造であり、前記蓋(40)の面積よりも広い面積を有することを特徴とする請求項1に記載の改良型傷治療用部材。
【請求項3】
前記蓋カバー(20)は、前記粘着層(23)により、前記本体(10)の上部層である保護層(11)に離型素材層(22)が粘着される構造であることを特徴とする請求項1に記載の改良型傷治療用部材。
【請求項4】
前記蓋(40)は、保護層(41)およびパッド層(42)からなる積層体であることを特徴とする請求項1に記載の改良型傷治療用部材。
【請求項5】
前記本体(10)は、保護層(11)およびパッド層(12)からなる積層体であることを特徴とする請求項1に記載の改良型傷治療用部材。
【請求項6】
前記本体(10)は、保護層(11)、パッド層(12)およびシリコーン粘着層(60)からなる積層体であることを特徴とする請求項1に記載の改良型傷治療用部材。
【請求項7】
前記パッド層(12)は、合成樹脂フォームにハイドロコロイドまたはハイドロゲルを含浸させたことを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載の改良型傷治療用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良型傷治療用部材に関し、より具体的には、患者の体にできた傷部位に簡単に付着可能であり、傷部位のモニタリングとともに迅速な治癒のための治療用外用軟膏または治療薬剤や薬物などをいつでも簡便に投与可能であり、また、従来の一般テープとは異なり、患部からの除去時に発生する痛みをシリコーン粘着剤の柔らかさによって減らすことができ、テープや絆創膏などを使用しないので二次ドレッシング処置が必要ないため、患者の使用満足度および医療スタッフの便利性を向上させることができることを特徴とする、改良型傷治療用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
身体皮膚の傷(「創傷」とも称される)は外部から加えられた力により身体組織の正常構造の連続性が破壊された状態であるため、若干湿った状態または閉塞された状態を維持してこそ創傷の治癒を促進することが知られており、過剰の滲出物が傷に残っている場合には、傷治療用部材の下側部が滲出物により膨張して傷が見えなくなり、また、滲出物を全て吸収して除去する場合には、傷部位が乾燥されるため治癒の進行が遅れるという問題がある。
【0003】
したがって、上記のような問題を解決するための方法として、傷治療用部材に傷部位の湿気を維持するためにハイドロゲル(hydrogel)を塗布した部材を用いるか、または滲出液を適切に吸収可能な部材を用いるなどの多様な技術が開発され、特許出願されている。
【0004】
韓国公開特許第10-2017-0005574号公報(2017.01.16.公開)に公開された発明は、傷治療用バンドに関し、図1に示されたように、ハイドロゲル1を傷部位に固定するための透明粘着フィルム層2、およびハイドロゲル1の一部にアテロコラーゲンスポンジ(図面には図示せず)を付着した構造であり、韓国公開実用新案第20-2012-0003231号公報(2012.05.09.公開)に開示された発明は、カルボキシメチルセルロース繊維を用いた創傷被覆材に関し、図2に示されたように、傷で発生した滲出物を通過させるように液体透過性シートを有する傷接触層10と、カルボキシメチルセルロース繊維を含む吸収層20と、傷接触層10を皮膚に密着させるように一面に粘着剤が塗布された合成高分子フィルムを含む支持層30とを含む構造であり、韓国公開特許第10-2003-0072418号公報(2003.09.15.公開)に公開された発明は、軟膏形態のドレッシング剤が塗布された傷治療用ドレッシングに関し、図3に示されたように、基材として用いられる高分子物質からなるフィルム形態のベース11上に傷部位周辺の皮膚に付着するための粘着剤層13と、この粘着剤層13にドレッシング基材15が粘着された構造の傷治療用部材が知られている。
【0005】
しかしながら、上記のような傷治療用部材の場合には、患者の傷部位を湿潤状で態維持しつつ傷の治療が可能な薬剤を使用するという点で共通点があるが、医療スタッフが患者の傷部位を観察しようとする際、傷部位から傷治療用部材を除去してから観察しなければならない煩わしさがあるだけでなく、除去時に患者の傷部位に痛みを与える恐れがあり、また、傷治療用部材を再使用しようとする際、外部の細菌から患者の患部が汚染される恐れがあるという問題がある。
【0006】
一方、本出願人は、図4に示されたような構造の褥瘡防止用部材を開発し、韓国登録特許第10-1923986号公報(2019.02.22.公告)に公開された褥瘡防止用部材として特許登録を受けており、本出願人が特許登録を受けた韓国登録特許第10-1923986号公報(2019.02.22.公告)に公開された褥瘡防止用部材を改良し、前記韓国公開特許第10-2017-0005574号公報の傷治療用バンドと、韓国公開実用新案第20-2012-0003231号公報のカルボキシメチルセルロース繊維を用いた創傷被覆材 と、韓国公開特許第10-2003-0072418号公報の軟膏形態のドレッシング剤が塗布された傷治療用ドレッシングにおけるような問題を解決することができる傷治療用部材を開発することで、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2017-0005574号公報
【特許文献2】韓国公開実用新案第20-2012-0003231号公報
【特許文献3】韓国公開特許第10-2003-0072418号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10-1923986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、このような従来の問題を改善するために提案されたものであり、傷治療用部材の上部外面に蓋の面積よりも広い面積を有する蓋カバーを備え、蓋カバーの不織布が粘着層により本体の上部層である合成樹脂フィルム素材の保護層に粘着されるようにすることで、合成樹脂フィルムと不織布との間の異形素材による着脱が容易であるため、蓋の開閉が容易であることを特徴とする、改良型傷治療用部材を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、本体の下部面に、傷部位の位置に対応する開口部を除いた残りの部位にシリコーン粘着層を形成させることで、体に傷ができた場合に容易に傷部位に付着可能であり、脱着時にはシリコーン粘着剤の柔らかさにより傷治療用部材の除去時の痛みを減らすことができ、且つ絆創膏アレルギーを予防することができることを特徴とする、改良型傷治療用部材を提供することを他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、皮膚または傷などで発生する滲出物や出血などにより蓋のパッド層が汚染される場合に容易に蓋の取り替えが可能であり、また、いつでも容易に蓋の開閉が可能であって傷の治療状態を目視で確認可能であり、治療用外用軟膏または治療薬剤や薬物などを簡便に投与可能であるため傷の治癒が促進され、患者の病床生活期間を減らして医療費の支出を節減することができることを特徴とする、改良型傷治療用部材を提供することをまた他の目的とする。
【0011】
また、本発明は、合成樹脂フォームおよび、ハイドロコロイドまたはハイドロゲルを用いてシートタイプとした合成樹脂フィルムのパッド層を無菌処理したものをそのまま使用するか、または合成樹脂フォームにハイドロコロイドまたはハイドロゲルを含浸させて使用することで、傷部位が乾燥するのを防止し、湿潤状態を維持するようにして傷治療を促進させることを特徴とする、改良型傷治療用部材を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するための本発明は、蓋40により開閉可能な開口部50が中央部に形成された本体10と、前記本体10層の上部に積層される蓋カバー20と、前記本体10層の下部に積層される離型紙30と、前記開口部50の形状に対応する形状をもって嵌め込み結合により開口部50の開閉が可能な蓋40と、からなる積層体であることを特徴とする改良型傷治療用部材を課題の解決手段とする。
【0013】
そして、前記蓋カバー20は、上部からカバー層21、離型素材層22、および粘着層23の順に積層された構造であり、蓋40の面積よりも広い面積を有することを特徴としており、前記蓋カバー20は、前記粘着層23により、本体10の上部層である保護層11に離型素材層22が粘着される構造であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、傷治療用部材の上部外面に蓋の面積よりも広い面積を有する蓋カバーを備え、蓋カバーの不織布が粘着層により本体の上部層である合成樹脂フィルム素材の保護層に粘着されるようにすることで、合成樹脂フィルムと不織布との間の異形素材による着脱が容易であるため、蓋の開閉が容易である効果がある。
【0015】
また、本発明は、本体の下部面に、傷部位の位置に対応する開口部を除いた残りの部位にシリコーン粘着層を形成させることで、体に傷ができた場合に容易に傷部位に付着可能であり、脱着時にはシリコーン粘着剤の柔らかさにより 且つ絆創膏アレルギーを予防することができ、 傷治療用部材の除去時の痛みを減らすことができる効果がある。
【0016】
また、本発明は、皮膚または傷などで発生する滲出物や出血などにより蓋のパッド層が汚染される場合に容易に蓋の取り替えが可能であり、また、いつでも容易に蓋の開閉が可能であって患者の傷治療状態を目視で確認可能であり、治療用外用軟膏または治療薬剤や薬物などを簡便に投与可能であるため傷の治癒が促進され、患者の病床生活期間を減らして医療費の支出を節減することができる効果がある。
【0017】
また、本発明は、合成樹脂フォームおよび、ハイドロコロイドまたはハイドロゲルを用いてシートタイプとした合成樹脂フィルムのパッド層を無菌処理したものをそのまま使用するか、または合成樹脂フォームにハイドロコロイドまたはハイドロゲルを含浸させて使用することで、傷部位が乾燥するのを防止し、湿潤状態を維持するようにして傷治療を促進させる効果がある。
【0018】
したがって、従来の傷治療用部材の使用時には、傷治療用部材を患部に固定するための二次的なドレッシングが必要であるのに対し、本発明は、かかる二次的なドレッシングが必要ないため、患者の満足度および医療スタッフの便利性を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来の傷治療用部材を説明するための図である。
図2】従来の傷治療用部材を説明するための図である。
図3】従来の傷治療用部材を説明するための図である。
図4】本出願人が登録を受けた韓国登録特許第10-1923986号公報(2019.02.22.公告)公報の褥瘡防止用部材の分離斜視図である。
図5】本発明の好ましい実施形態に係る改良型傷治療用部材の分離斜視図である。
図6】(a)および(b)は本発明の好ましい実施形態に係る改良型傷治療用部材の本体層の側面を示した図である。
図7】本発明の好ましい実施形態に係る改良型傷治療用部材の蓋カバー層の側面を示した図である。
図8】(a)および(b)は本発明の好ましい実施形態に係る改良型傷治療用部材の蓋による開口部の開閉状態の側面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態に係る改良型褥瘡防止用部材について詳細に説明する。図面図5から図8において、同じ機能を行う同じ構成要素に対しては、同じ参照符号を附している。一方、図面の図示及び詳細な説明において本発明の技術的特徴と直接的に関連しない要素の具体的な技術的構成及び作用についての詳細な説明及び図示は省略し、本発明と関連する技術的構成のみを簡略に図示及び説明した。
【0021】
参考までに、本発明の特許明細書に記載の用語において、積層体の各層を説明する際に、「内面」とは、患者の皮膚に接する側の面を意味し、「外面」とは、「内面」の反対側の面を意味する。
【0022】
図5から図8を参照すると、本発明に係る改良型傷治療用部材100は、蓋40により開閉可能な開口部50が中央部に形成された本体10と、前記本体10層の上部に積層される蓋カバー20と、前記本体10層の下部に積層される離型紙30と、前記開口部50の形状に対応する形状をもって嵌め込み結合により開口部50の開閉が可能な蓋40と、からなる積層体であることを特徴とする。
【0023】
以下、本発明に係る改良型傷治療用部材100の前記各構成に対する積層構造を詳細に説明すると、以下の内容のとおりである。
【0024】
本体10は、皮膚と接する面を有する部材であって、蓋40により開閉可能な開口部50が中央部に形成された構造であり、図6(a)に示されたように、保護層11およびパッド層12からなる積層体の構造を有するか、または図6(b)に示されたように、保護層11とパッド層12およびシリコーン粘着層60からなる積層体の構造を有する。
【0025】
保護層11は、本体10の上部面に形成された層であり、保護層11の素材としては、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、またはポリプロピレン(PP)などの種々の合成樹脂素材が使用できるが、合成樹脂素材を使用できるが、保護層11の素材も同様に、上記で挙げた素材の他にも、挙げた素材と同等以上の物性を有し、且つ人体に無害な素材であれば何れも使用可能である。
【0026】
パッド層12は、保護層11の下部面に形成された層であり、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、またはポリプロピレン(PP)などの種々の合成樹脂素材を用いることが好ましい。そして、本発明で用いるパッド層12は、合成樹脂フォームにハイドロコロイドまたはハイドロゲルを含浸させたり、またハイドロコロイドまたはハイドロゲルを用いてシートタイプとした合成樹脂フィルム素材中から選択して用いることが可能である。
【0027】
本発明で用いるハイドロコロイド(hydrophilic colloid)は、その成分として、コラーゲン(collagen)、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethylcellulose)、メチルセルロース(mthylcellulose)、エチルセルロース(ethylcellulose)、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム(carboxymethylcelluse sodium)の中から選ばれる1種以上を使用でき、上記で限定したハイドロコロイドと同等以上の効果を有する素材であれば、何れも使用可能である。
【0028】
このように、本発明で用いられるハイドロコロイドまたはハイドロゲルは、傷部位を乾燥させることなく湿潤状態を維持させる作用をするため、傷治療を促進させるという効果があって、シートタイプとした合成樹脂製フィルムのパッド層を無菌処理したものをそのまま使用するか、または合成樹脂フォームにハイドロコロイドまたはハイドロゲルを含浸させて傷治療効果の機能を付与する機能を果たす。
【0029】
シリコーン粘着層60は、本体10の下部面に、傷部位の位置に対応する開口部50を除いた残りの部位にシリコーン粘着層を形成させることで、体に傷ができた場合に容易に傷部位に付着可能であり、脱着時にはシリコーン粘着剤の柔らかさにより絆創膏アレルギーを予防することができ、傷治療用部材の場合、除去時に痛みを減らすことができるという効果がある。
【0030】
本体10の中央部に形成された開口部50は、開口部50の形状に対応する形状を有する蓋40の嵌め込み結合により開口部50の開閉が可能な構造であり、前記蓋40は、図6および図8に示されたように、保護層41およびパッド層42からなる積層体であることを特徴とする。
【0031】
前記蓋40の保護層41およびパッド層42の素材としては、本体10の保護層11およびパッド層12の素材と同一の素材を用いる。
【0032】
蓋カバー20は、図7に示されたように、上部からカバー層21、離型素材層22、および粘着層23の順に積層された構造であり、蓋40の面積よりも広い面積を有することを特徴としており、前記蓋カバー20は、改良型傷治療用部材の開口部50から蓋40の開閉を容易にするために、蓋カバー20の一側もしくは両側の適切な部位に取っ手(図示せず)を形成させてもよい。
【0033】
カバー層21は、蓋カバー20を保護するための層であり、本体10の保護層11と同一種類の素材を用いる。
【0034】
離型素材層22は、前記カバー層21の下部面に接着剤により一体型に接着された構造であり、離型素材層22に用いる素材としては、不織布、天然繊維織物、および合成繊維織物から選択して用いることが好ましく、上記で挙げた素材の他にも、合成樹脂フィルムとの粘着時によく分離可能な離型特性を有し、且つ人体に無害な素材であれば何れも使用可能である。
【0035】
粘着層23は、離型素材層22の下部面に粘着剤を塗布させた層であって、前記離型素材層22の不織布、天然繊維織物、または合成繊維織物などを本体10の合成樹脂フィルム素材の保護層11に粘着させるための層であり、本発明で用いられる粘着剤は、人体に無害な粘着剤としてポリウレタン系粘着剤を用いることが好ましく、必ずしもこれに限定されるものではなく、前記粘着剤と同等以上の物性を有する粘着剤であれば何れも使用可能である。
【0036】
したがって、本発明に係る傷治療用部材100は、上記のような構造により、図8(a)および図8(b)に示されたように、傷治療用部材の上部外面に蓋40の面積よりも広い面積を有する蓋カバー20を備え、蓋カバー20の離型素材層22の不織布が粘着層23により本体10の上部層である合成樹脂フィルム素材の保護層11に粘着されるようにすることで、合成樹脂フィルムと不織布との間の異形素材による着脱が容易であるため、図8(b)に示されたように、蓋40の開閉が容易であるという効果がある。
【0037】
離型紙30は、傷治療用部材を保護するための層であって、傷治療用部材と当接する面に塗布された人体に無害な粘着剤により本体10の下部面に粘着されて積層される層であり、無菌処理した合成樹脂フィルム、合成樹脂コーティング紙、シリコーンコーティング紙、天然織物、または合成樹脂織物などを用いることができる。
【0038】
また、離型紙30は、必要に応じて粘着剤を塗布することができ、粘着剤を塗布する場合には、蓋カバー20の粘着層23に用いられる粘着剤と同一種類の粘着剤を用いる。
【0039】
前述したように、本発明に係る傷治療用部材100は、皮膚または傷などで発生する滲出物や出血などにより蓋40のパッド層42が汚染される場合には、蓋カバー20を用いて、蓋カバー20の粘着層23に接着された蓋40を蓋カバー20から分離させた後、無菌処理した新しい蓋40に容易に取り替えることが可能であり、また、いつでも容易に開口部50からの蓋40の開閉が可能であって患者の傷の治療状態を目視で確認可能であり、治療用外用軟膏または治療薬剤や薬物などを簡便に投与可能であるため傷の治癒が促進され、患者の病床生活期間を減らして医療費の支出を節減できるという効果がある。
【0040】
したがって、従来の傷治療用部材の使用時には、傷治療用部材を患部に固定するための二次的なドレッシングが必要であるのに対し、本発明は、かかる二次的なドレッシングが必要ないため、患者の満足度および医療スタッフの便利性を向上できるという効果がある。
【0041】
以上、添付図面に基づき、本発明の実施形態に係る改良型傷治療用部材について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の変形及び変更が可能であるということはこの分野における通常の技術者にとって自明である。
【0042】
本発明は、蓋40により開閉可能な開口部50が中央部に形成された本体10と、前記本体10層の上部に積層される蓋カバー20と、前記本体10層の下部に積層される離型紙30と、前記開口部50の形状に対応する形状をもって嵌め込み結合により開口部50の開閉が可能な蓋40と、からなる積層体であることを特徴とする改良型傷治療用部材を発明の実施のための形態とする。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、傷部位のモニタリングとともに迅速な治癒のための治療用外用軟膏または治療薬剤や薬物などをいつでも簡便に投与可能であり、また、従来の一般テープとは異なり、患部からの除去時に発生する痛みをシリコーン粘着剤の柔らかさによって減らすことができ、テープや絆創膏などを使用しないので二次ドレッシング処置が必要ないため、患者の使用満足度および医療スタッフの便利性を向上させることができることを特徴とする、改良型傷治療用部材に関し、従来の傷治療用部材の使用時には、傷治療用部材を患部に固定するための二次的なドレッシングが必要であるのに対し、本発明は、かかる二次的なドレッシングが必要ないため、患者の満足度および医療スタッフの便利性を向上できるため、広範な産業上の利用可能性が期待される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】