(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-08
(54)【発明の名称】ピリミジン及び/またはプリン誘導体とビタミンBを含む多層医薬または栄養補助固形剤形、その調製及び使用
(51)【国際特許分類】
A61K 9/24 20060101AFI20220701BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20220701BHJP
A61K 31/7072 20060101ALI20220701BHJP
A61K 31/7076 20060101ALI20220701BHJP
A61K 31/708 20060101ALI20220701BHJP
A61K 31/51 20060101ALI20220701BHJP
A61K 31/4415 20060101ALI20220701BHJP
A61K 31/714 20060101ALI20220701BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20220701BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20220701BHJP
C07H 19/067 20060101ALN20220701BHJP
C07H 19/10 20060101ALN20220701BHJP
C07H 19/167 20060101ALN20220701BHJP
C07H 19/20 20060101ALN20220701BHJP
C07D 415/00 20060101ALN20220701BHJP
C07D 213/67 20060101ALN20220701BHJP
C07H 19/04 20060101ALN20220701BHJP
【FI】
A61K9/24
A61P25/02
A61K31/7072
A61K31/7076
A61K31/708
A61K31/51
A61K31/4415
A61K31/714
A23L33/10
A23L33/15
C07H19/067
C07H19/10
C07H19/167
C07H19/20
C07D415/00
C07D213/67
C07H19/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021564927
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2019080413
(87)【国際公開番号】W WO2020224795
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501108452
【氏名又は名称】フエルレル インターナショナル,ソシエダッド アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス モリャル、ベルタ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン サンス、パブロ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C055
4C057
4C063
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018MD18
4B018MD23
4B018ME14
4B018MF02
4B018MF08
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA06
4C055CA03
4C055CA06
4C055CA16
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4C055DA16
4C057BB02
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4C057LL10
4C057LL14
4C057LL17
4C057LL18
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4C057LL29
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4C057LL41
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4C063AA01
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4C063CC62
4C063DD29
4C063EE01
4C063EE10
4C076AA40
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC40
4C076FF01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC18
4C086BC83
4C086DA39
4C086EA17
4C086EA18
4C086GA07
4C086GA10
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA05
4C086ZA20
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、少なくとも1つのビタミンB群のビタミンとを含む多層医薬または栄養補助固形剤形に関する。本発明は、前記多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための3つの方法も提供する。さらに、本発明は、特に末梢神経障害の治療及び/または予防のための、前記多層医薬または栄養補助固形剤形の治療的使用にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層とを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項2】
前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される、請求項1に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項3】
前記第1の層が、ウリジンリン酸、シチジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択される少なくとも2つのピリミジン誘導体を含む、請求項1または2に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項4】
前記2つのピリミジン誘導体が、ウリジン一リン酸及びシチジン一リン酸であり、これらのそれぞれが塩形態または酸形態のいずれかである、請求項3に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項5】
前記2つのピリミジン誘導体が、塩形態のウリジン一リン酸及び塩または酸形態のシチジン一リン酸である、請求項3または4に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項6】
前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB
1、B
6及びB
12からなる群から選択される、先行請求項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項7】
前記第2の層が、ビタミンB
1及びB
12を含む、請求項6に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項8】
少なくとも200mgの総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、先行請求項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項9】
前記固形剤形が、40℃及び相対湿度75%で少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である、先行請求項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項10】
先行請求項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、前記第2の層の組成物を水の存在下で造粒に供することと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載のプロセスによって得ることができる多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項13】
末梢神経障害を治療及び/または予防するための医薬品または栄養補助食品をそれぞれ製造するために使用される、請求項1~9または請求項12のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項14】
末梢神経障害の治療及び/または予防に使用するための請求項1~9または請求項12のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項15】
末梢神経障害の治療及び/または予防における請求項1~9または請求項12のいずれかに記載の多層栄養補助固形剤形の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年5月6日出願の欧州特許出願EP19382340.8号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、高いピリミジン及び/またはプリン誘導体量を効果的に与えると同時に湿度及び/または酸性条件に対して固形剤形の改善された化学的安定性を保証する、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、少なくとも1つのビタミンB群のビタミンとを含む多層医薬または栄養補助固形剤形に関する。本発明はまた、前記多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法を提供する。
【0003】
さらに、本発明は、特に末梢神経障害の治療及び/または予防のための、前記多層医薬または栄養補助固形剤形の治療的使用にも関する。
【背景技術】
【0004】
神経因性疼痛は、中枢神経系または末梢神経系の原発性病変または損傷によって引き起こされる。具体的には、末梢神経系(PNS)の損傷は軸索の損傷を伴うため、完全な回復のためには損傷を取り除く必要があるだけでなく、構造と機能の回復も必要である。しかしながら、中枢神経系(CNS)軸索と対照的に、PNSの軸索は自発的に再生することはできない(Huebner,E.A.;Strittmatter,S.M.Cell Biology of the Axon 2009;Springer Berlin Heidelberg;305-60)。
【0005】
後者に関しては、人体の他の領域の細胞修復とは異なり、末梢神経の損傷は有糸分裂及び細胞増殖を伴わないことが知られている(Burnett,M.G.;Zager,E.L.Neurosurg.Focus 2004;16(5):E1)。さらに、分子生物学の進歩により、損傷に対する末梢神経の反応は損傷部位を超えて広がり、実際には脊髄及び神経節の神経細胞に影響していることの証左が示されている。したがって、損傷した末梢神経は、損傷していない経路を強化及び再プログラミングすることによって、失われた機能を補おうとする(Burnett,M.G.;Zager,E.L.Neurosurg.Focus 2004;16(5):E1)が、実際の完全な回復機序は未だに不明である。
【0006】
ピリミジン及び/またはプリン誘導体、特にピリミジン及び/またはプリンヌクレオシド及びヌクレオチドは、膜受容体と相互作用して多くの細胞内シグナル経路を活性化する核酸の既知の前駆体である。より具体的には、ピリミジンヌクレオチドは、DNAの構成成分であり、ゲノムの転写及び翻訳に関与することに加えて、化学結合のためのエネルギー転移、神経伝達、及び中間代謝からの生化学的ラジカルの移動を含む、細胞代謝におけるいくつかの基本的な役割を果たしていることが当該技術分野で知られている。
【0007】
詳細には、シチジン及びウリジンは、神経膜の既知の構成成分である糖脂質、リン脂質、及び糖タンパク質の合成に必要である。シチジン及びウリジンは、膜合成、転写、翻訳、細胞分裂、末梢神経の再生などのいくつかのプロセスにおいて重要な役割を果たしていることが示されている。
【0008】
ウリジン誘導体、特にウリジンヌクレオチドは、創傷の治癒プロセス、ならびに増殖因子の活性化及び調節において不可欠な共刺激的な役割を果たしていることが示されており、組織再生プロセスにおけるヌクレオチドの高い重要性を裏付けるものである。
【0009】
シチジン誘導体、特にシチジンヌクレオチドもまた、神経変性疾患だけでなく、さまざまな中枢神経系の病態の治療に有益であることが証明されている。
【0010】
しかしながら、末梢神経系の軸索は、損傷を修復するために必要なヌクレオチド、特にピリミジンヌクレオチドを合成することができないことが知られている。このため、PNS損傷後の外因性ヌクレオチドの投与は、構造的及び機能的回復にとって重要となっている。
【0011】
アデノシン5’-三リン酸(ATP)が非アドレナリン作動性非コリン作動性抑制神経における伝達物質としてモルモットの結腸紐で同定された後、1972年にプリン作動性神経伝達が提唱されて以来、末梢神経系及び中枢神経系の両方におけるプリンヌクレオチドの重要な役割も益々注目を集めている(Burnstock G.Pharmacol Rev.1972,24,509-581)。アデノシンとそのリン酸化ヌクレオチドは、神経系の神経伝達物質または栄養物質として機能し、グアノシンとそのヌクレオチドにも同様の役割がある。
【0012】
一方、ビタミンB群、特にビタミンB1、ビタミンB6、及びビタミンB12は、正常な神経機能を維持するために多くの生物学的経路で重要な役割を有することが示されている(Corinne,G.;Mizisin,L.M.;Austin,N.B.Eur.J.Pharmacol.2009;612;41-47)。実際、特定のビタミンBの欠乏は、多くの神経障害と密接に関連しており、これらの状態が診断された患者におけるこれらのビタミンの補充は益々重要となっている。
【0013】
例として、生化学的エビデンスにより、高用量のメチルコバラミンの補充が遺伝子の転写及びそれによるタンパク質合成を増加させ、それにより末梢神経の再生に寄与することが示唆されている(Watanabe;T.E.J Neurol Sci.1994;12;140-143)。
【0014】
また、いくつかのB6ビタミン関連神経障害の重症度のため、ビタミンB6は、吸収後に多くの代謝反応における重要な補因子であるピリドキサールリン酸(ピリドキシンの活性型)に変換され、また、ヒトはこれを合成できないことから、このビタミンの食事摂取は重要となる。このビタミンの欠乏は、感覚神経活動電位(SNAP)の大幅な低下を明らかにし、大小の有髄線維の軸索変性を引き起こすおそれがある。
【0015】
ビタミンB1も、神経伝達物質であるアセチルコリンの合成に関与しており、PNSの健康にとって重要な寄与因子であることが知られている。チアミンも、末梢神経を介した神経インパルスの伝導を促進し、ミエリン産生を助けることが認められている。
【0016】
いずれもヌクレオチドとビタミンの直接的な混合物を含む、神経痛の治療を目的としたヌクレオチドとビタミンの混合物を含む多くの製剤が現在入手可能である。しかしながら、本発明者らは、ピリミジン及び/またはプリン誘導体、特に、通常、相当量の水を含むヌクレオチド及びヌクレオシド成分は、ビタミンB1、B6、B12と密接な接触状態にあることからこれらのビタミンの分解を引き起こすことを見出した。酸性条件も、ビタミンの安定性に悪影響を与えることが分かっている。これに関して、ピリミジン及び/もしくはプリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物、特にヌクレオチドもしくはヌクレオシド、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、ビタミンB群とを含む組成物の安定性が、本発明によって向上することが期せずして見出された。
【0017】
現在市販されている製剤は多くの防腐剤を含んでおり、それらの場合であっても25℃以下の厳密な保管条件を必要とし、その包装内の乾燥材料の使用も伴う(例えば、シリカゲル乾燥剤の入ったHDPEボトル)。
【0018】
本発明者らは、ピリミジン及び/またはプリン誘導体、特にピリミジン及び/またはプリンヌクレオチドもしくはヌクレオシドの量が増えた場合に安定性の問題が特に制約となることを認識した。実際、既存の製剤は少ない量のヌクレオチドしか含んでおらず、このことは、より高量のピリミジン及び/またはプリン誘導体、より具体的には、ピリミジン及び/またはプリンヌクレオチドもしくはヌクレオシドが必要とされることから、神経損傷の回復に関して最大の結果を実現するうえで重要な制約となっている。
【0019】
したがって、湿度及び/または酸性条件に伴う上記に述べた安定性の問題を解決することが可能な新規な技術的解決策をみつけるとともに、末梢神経障害をより効率的に治療することが可能な、ビタミンB群も併せて含むピリミジン及び/もしくはプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物の新規な高用量剤形、特に新規な高用量のヌクレオチドとビタミンB群の剤形を提供する必要性が当該技術分野において高まっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
第1の態様において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0021】
第2、第3及び第4の態様において、本発明は、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形、特に本発明の第1の態様による二層または三層の多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための3つの方法を提供する。
【0022】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第2の態様によるプロセスによって得られる、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形が提供される。
【0023】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第3の態様によるプロセスによって得られる、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形が提供される。
【0024】
本発明の第7の態様によれば、本発明の第4の態様によるプロセスによって得られる、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形が提供される。
【0025】
本発明の第8の態様では、末梢神経障害を治療及び/または予防するための医薬品または栄養補助食品をそれぞれ製造するための、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形が提供される。
【0026】
第9の態様によれば、末梢神経障害の治療及び/または予防に使用するための多層医薬または栄養補助固形剤形が提供される。
【0027】
本発明の第10の態様では、末梢神経障害の治療及び/または予防における、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、湿度及び/または酸性条件に対する改善された化学的安定性、特に湿度及び/または酸性条件に対する改善されたビタミンBの化学的安定性を効果的に与える、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と少なくとも1つのビタミンB群のビタミン、特に少なくとも1つのピリミジン誘導体と少なくとも1つのビタミンB群のビタミンとを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形に関する。その結果、本明細書で提供される固形剤形は、保存剤をほとんどまたはまったく必要としない一方で、同時に、温度、相対湿度及び包装条件に関して既存の製剤と比較して必要とされる保存条件の制約が小さい。
【0029】
本明細書で使用される「酸性条件」という表現は、酸形態のピリミジンまたはプリン誘導体(例えば、酸形態のUMPまたはCMP)などの一定量の酸形態の化合物の存在を指し得る。
【0030】
本明細書で使用される場合、「栄養補助固形剤形」という表現は、製剤が全体的な健康上の利益を提供するか、または生理学的反応を誘発することを意味するものと理解される。このような製剤は、健康補助食品と呼ばれる場合もあり、食品補助食品または栄養補助食品としても知られ、通常、食事をさらに補い、人の食事中で不足している可能性があるか、または十分な量が摂取されない可能性がある栄養素を提供することを目的としている。
【0031】
第1の態様において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0032】
本発明のピリミジン誘導体としては、これらに限定されるものではないが、ウリジン、ウリジンエステル、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンエステル、シチジンリン酸、チミジン、チミジンエステル及びチミジンリン酸が挙げられる。本発明のプリン誘導体としては、これらに限定されるものではないが、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン(ヒポキサンチンヌクレオシド)、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル及びキサントシンリン酸が挙げられる。
【0033】
ピリミジンリン酸誘導体(例えば、ウリジンリン酸、シチジンリン酸、チミジンリン酸)及びプリンリン酸誘導体(例えば、アデノシンリン酸、グアノシンリン酸、イノシンリン酸及びキサントシンリン酸)は、当該技術分野ではヌクレオチドとしても知られ、少なくとも3つのサブユニット、すなわち、通常はリボースである5炭糖部分、通常はプリンまたはピリミジンである窒素塩基、及び少なくとも1つのリン酸基で構成される。後者に関し、ヌクレオチドは、分子中に存在するリン酸基の数に応じて、一リン酸ヌクレオチド、二リン酸ヌクレオチド、または三リン酸ヌクレオチドであり得る。
【0034】
ウリジンリン酸の具体的な例としては、これらに限定されるものではないが、ウリジン一リン酸、特にウリジン5’-一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)及びウリジン三リン酸(UTP)が挙げられる。シチジンリン酸の具体的な例としては、これらに限定されるものではないが、シチジン一リン酸、特にシチジン5’-一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)及びシチジン三リン酸(CTP)が挙げられる。チミジンリン酸の具体的な例としては、これらに限定されるものではないが、チミジン一リン酸、特にチミジン5’-一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)及びチミジン三リン酸(TTP)が挙げられる。本発明のプリンリン酸誘導体の例としては、これらに限定されるものではないが、アデノシン5’-一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン5’-一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、イノシン5’-一リン酸(IMP)、イノシン二リン酸(IDP)、イノシン三リン酸(ITP)、キサントシン5’-一リン酸(XMP)、キサントシン二リン酸(XDP)及びキサントシン三リン酸(XTP)が挙げられる。
【0035】
これに対して、ピリミジン及びプリン誘導体であるウリジン、シチジン、チミジン、アデノシン、グアノシン、イノシン及びキサントシンは、当該技術分野ではヌクレオシドとして知られ、少なくとも2つのサブユニット、すなわち、通常はリボースである5炭糖部分と、通常はプリンまたはピリミジンである窒素塩基とで構成される。
【0036】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物は、ウリジン、ウリジンエステル、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンエステル、シチジンリン酸、チミジン、チミジンエステル、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル、キサントシンリン酸、及びそれらの任意の塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される。より好ましくは、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物は、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物は、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される。いっそうさらにより好ましくは、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物は、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される。
【0037】
適当なピリミジン誘導体塩またはプリン誘導体塩の例としては、これらに限定されるものではないが、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩またはバリウム塩)、塩基性アミノ酸塩(例えば、アルギニン塩またはリシン塩)、アンモニウム塩(例えば、アンモニウム塩またはトリシクロヘキシルアンモニウム塩)、アルカノールアミン塩(例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩またはトリイソプロパノールアミン塩)またはそれらの任意の混合物が挙げられる。
【0038】
別の好ましい実施形態において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-少なくとも1つのピリミジン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0039】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのピリミジン誘導体は、ウリジン、ウリジンエステル、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンエステル及びシチジンリン酸からなる群から選択される。より好ましくは、少なくとも1つのピリミジン誘導体は、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン及びシチジンリン酸からなる群から選択される。
【0040】
好ましい実施形態では、本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形の第2の層中に存在する少なくとも1つのビタミンは、ビタミンB1、B6及びB12からなる群から選択される。好ましくは、本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形の第2の層はビタミンB12を含み、より好ましくは、本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形の第2の層は、ビタミンB1、B6及びB12からなる群から選択される少なくとも2つのビタミンを含む。別の好ましい実施形態では、本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形の第2の層は、ビタミンB1及びビタミンB12を含む。さらにより好ましくは、本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形の第2の層は、ビタミンB1、B6及びB12を含む。
【0041】
チアミンとしても知られるビタミンB1は、例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミン、チアミンピロリン酸またはチアミン一リン酸クロリド二水和物などの任意の適当な形態で本発明の製剤中に含まれ得る。好ましくは、ビタミンB1は、硝酸チアミンまたは塩酸チアミンとして存在する。より好ましくは、ビタミンB1は、塩酸チアミンとして存在する。
【0042】
同様に、ビタミンB6は、塩酸ピリドキシンまたはピリドキシンの活性型、すなわち、ピリドキサールリン酸などの任意の適当な形態で本発明の固形剤形に含まれ得る。
【0043】
ビタミンB12に関しては、ビタミンB12も、シアノコバラミン、ヒドロキシコバラミン、またはメチルコバラミンなどの当該技術分野では周知の任意の適当な形態で本発明の固形剤形中に含まれ得る。好ましくは、ビタミンB12は、シアノコバラミンまたはヒドロキソコバラミンであり、より好ましくは、ビタミンB12は、シアノコバラミンである。
【0044】
本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形の好ましい実施形態では、第2の層は、ビタミンB12をシアノコバラミンとして含む。より好ましくは、第2の層は、ビタミンB12をシアノコバラミンとして、ビタミンB6を塩酸ピリドキシンとして含む。代替的な実施形態では、第2の層は、ビタミンB12をシアノコバラミンとして、ビタミンB1を塩酸チアミンまたは硝酸チアミンとして含み、より好ましくは、第2の層は、ビタミンB12をシアノコバラミンとして、ビタミンB1を硝酸チアミンとして含むことができる。好ましい実施形態において、本発明の固形剤形の第2の層は、ビタミンB12をシアノコバラミンとして、ビタミンB6を塩酸ピリドキシンとして、及びビタミンB1を塩酸チアミンまたは硝酸チアミンとして含むことができる。好ましくは、本発明の固形剤形の第2の層は、ビタミンB12をシアノコバラミンとして、ビタミンB6を塩酸ピリドキシンとして、及びビタミンB1を硝酸チアミンとして含むことができる。
【0045】
場合により、ビタミンB1及びB6は、分解に対するさらなる耐性を保証するためにマイクロカプセル化された形態で提供することができる。本発明との関連で、市販されている任意の適当なマイクロカプセル化されたビタミンB1またはB6を、本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形に容易に採り入れることができることは当業者には明らかであろう。例として、ビタミンB1及びB6は、例えば、一硝酸チアミンまたは塩酸ピリドキシンと、コーティング剤としてマルトデキストリン及びパーム油由来のモノ及び/またはジグリセリドをそれぞれ含む、市販のカプセル化された商品「CapsuDar(登録商標)B1-33LP硝酸塩」または「CapsuDar(登録商標)B6-33LP硝酸塩」などの、カプセルがマルトデキストリン及びパーム油のモノ及び/またはジグリセリドを含む、カプセル化された形態で提供することができる。
【0046】
好ましい実施形態において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-第1のピリミジン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物、及び第2のピリミジン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0047】
より好ましい実施形態において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択される少なくとも2つのピリミジン誘導体を含む第1の層と、
-ビタミンB1、B6及びB12からなる群から選択される少なくとも1つのビタミンB群のビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0048】
別の好ましい実施形態において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択される少なくとも2つのピリミジン誘導体を含む第1の層と、
-ビタミンB1、B6及びB12からなる群から選択される少なくとも1つのビタミンB群のビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0049】
さらにより好ましい実施形態において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-ウリジンリン酸、シチジンリン酸、チミジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択される少なくとも2つのピリミジン誘導体を含む第1の層と、
-ビタミンB1、B6及びB12からなる群から選択される少なくとも1つのビタミンB群のビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0050】
いっそうさらにより好ましい実施形態において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-ウリジンリン酸、シチジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択される少なくとも2つのピリミジン誘導体を含む第1の層と、
-ビタミンB1、B6及びB12からなる群から選択される少なくとも1つのビタミンB群のビタミンを含む第2の層とを含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0051】
さらにより好ましい実施形態において、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形の第1の層は、例えば、ウリジンリン酸とシチジン塩、ウリジンリン酸とシチジンリン酸塩、ウリジン塩とシチジンリン酸、ウリジンリン酸塩とシチジンリン酸、ウリジンリン酸とシチジンリン酸、またはウリジン塩とシチジン塩、ウリジンリン酸塩とシチジンリン酸塩であってよい少なくとも2つのピリミジン誘導体を含むことができる。より好ましくは、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形の第1の層は、ウリジン一リン酸及びシチジン一リン酸を含むことができ、それらのそれぞれは、塩(例えば、UMP・2NaまたはCMP・2Na)または酸形態のいずれかである。
【0052】
別の好ましい実施形態において、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-ウリジンリン酸、シチジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択される少なくとも2つのピリミジン誘導体を含む第1の層と、
-ビタミンB12を含む第2の層と、を含む多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0053】
この好ましい固形剤形は、好ましくは、第2の層にビタミンB1及び/またはビタミンB6を含んでもよい。別の好ましい実施形態では、この固形剤形は、ビタミンB1及びビタミンB12を含んでもよい。
【0054】
本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形は、積層多層錠剤(二層または三層錠剤など)または同心状多層錠剤(錠剤内錠剤としても知られる)または圧縮コーティング錠、同心状層化ビーズ、またはフィルムコーティングされた錠剤、ビーズ、顆粒もしくはペレットであってよい多層錠剤のようないくつかの異なる形態で提供することができる。好ましくは、本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形は、積層多層錠剤の形態で提供される。
【0055】
これに対して、多層医薬または栄養補助固形剤形は、二層のみ(すなわち、二層医薬または栄養補助固形剤形)に限定されず、当然のことながら2層より多い数の層を含むように適合され得る点も当業者には明らかであろう。
【0056】
例として、別の好ましい実施形態によれば、本発明は、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-少なくとも1つのピリミジン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層と、
-少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む第3の層と、をそれぞれ含む、多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0057】
本発明のこの例示的な実施形態では、第3の層は、第1の層または第2の層のいずれかに隣接する位置に配置するか、あるいは両方に隣接して配置することができる。
【0058】
本明細書で使用される「医薬または栄養補助賦形剤」とは、それぞれ医薬または栄養補助組成物用の希釈剤、結合剤、着色剤、香味剤、界面活性剤、潤滑剤/流動促進剤または可塑剤などの当該技術分野では周知の任意の物質と理解される。
【0059】
本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形に存在する層のいずれもが、必要に応じて上記で定義したような少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤をそれぞれ含んでもよい点も当業者にとって明らかであろう。
【0060】
適当な賦形剤の例としては、これらに限定されるものではないが、適当な結合剤が挙げられ、そのうちで乾燥結合剤が好ましく、セルロース粉末及び微結晶性セルロースを含み得る。適当な崩壊剤は、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び乾燥コーンスターチである。ラクトース(例えば、無水ラクトース)も適当な充填剤として使用することができる。
【0061】
適当な結合剤及び担体としては、とりわけ、セルロース粉末、微結晶性セルロース;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプン及びポリビニルピロリドン(ポビドン)も挙げることができる。ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム及びトリベヘン酸グリセロールなどの潤滑剤も効果的に使用することができる。
【0062】
本発明の固形剤形に使用することができる他の適当な賦形剤としては、非限定的に、コロイド状二酸化ケイ素(コロイド状シリカとしても知られる、例えば、AEROSIL(登録商標))またはタルクなどの流動制御剤;酸化鉄赤または黄色または二酸化チタンなどの染料及び顔料を含む着色剤;クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウムなどのpH調整剤が挙げられる。
【0063】
別の実施形態において、本発明は、第1の層が、少なくとも1つのピリミジン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物と、少なくとも1つのプリン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。好ましくは、本発明は、第1の層が、ウリジン、ウリジンエステル、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンエステル、シチジンリン酸、チミジン、チミジンエステル、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。より好ましくは、本発明は、第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。さらにより好ましくは、本発明は、第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。いっそうさらにより好ましくは、本発明は、第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。いっそうさらにより大幅に好ましくは、本発明は、第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0064】
別の実施形態によれば、本発明は、第1の層が、少なくとも1つのプリン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。好ましくは、本発明は、第1の層が、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。より好ましくは、本発明は、第1の層が、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。いっそうより好ましくは、本発明は、第1の層が、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。さらにいっそうより好ましくは、本発明は、第1の層が、アデノシン、アデノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形を提供する。
【0065】
本明細書で提供される多層医薬または栄養補助固形剤形は、高量のピリミジン誘導体及び/またはプリン誘導体、特にピリミジン及び/またはプリンヌクレオチドもしくはヌクレオシドを効果的に提供し、これにより、末梢神経損傷の修復に最適なアプローチを実現することができる。このことにより、本発明の固形剤形はまた、状態の重症度のために大量のヌクレオチドまたはヌクレオシド及びビタミンB群が必要とされ、通常、1日当たり異なる数の錠剤が処方されるような場合に、患者が服薬遵守できないことを減らすこともできる。
【0066】
好ましい実施形態では、上記に述べた本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形は、少なくとも200mgの総量、より好ましくは200mg~450mgの範囲、より好ましくは200mg~450mgの範囲、より好ましくは250mg~430mgの範囲、さらにより好ましくは300mg~420mgの範囲、いっそうより好ましくは350mg~410mgの範囲の総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含み、総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される。
【0067】
特定の実施形態では、上記に述べた本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形は、少なくとも200mgの総量、より好ましくは200mg~450mgの範囲、さらにより好ましくは250mg~450mgの範囲、いっそうさらにより好ましくは250mg~430mgの範囲、より大幅に好ましくは300mg~420mgの範囲、さらにより好ましくは350mg~410mgの範囲の総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含むことができ、総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される。
【0068】
また、別の実施形態によれば、上記に述べた本発明の多層医薬または栄養補助固形剤形は、少なくとも200mgの総量、より好ましくは200mg~450mgの範囲、さらにより好ましくは250mg~450mgの範囲、さらにいっそうより好ましくは250mg~430mgの範囲、より大幅に好ましくは300mg~420mgの範囲、さらにより大幅に好ましくは350mg~410mgの範囲の総量の前記プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含むことができ、総量は、前記プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される。
【0069】
本発明の第1の態様による好ましい実施形態では、多層医薬または栄養補助固形剤形は、25℃及び相対湿度60%で少なくとも3ヶ月間、好ましくは少なくとも6ヶ月間、より好ましくは少なくとも12ヶ月間にわたって保存された後に安定である。
【0070】
別の好ましい実施形態では、本発明の第1の態様によって提供される多層医薬または栄養補助固形剤形は、40℃及び相対湿度75%で少なくとも3ヶ月間、好ましくは少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である。
【0071】
さらに別の好ましい実施形態では、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形は、アルミ箔内のPVC/PVDC(すなわちポリ塩化ビニル/ポリ二塩化ビニル)ブリスター内に包装して25℃及び相対湿度60%で少なくとも3ヶ月間、より好ましくは25℃及び相対湿度60%で少なくとも6ヶ月間、さらにより好ましくは25℃及び相対湿度60%で少なくとも12か月間にわたって保存された後に安定である。
【0072】
本発明は、水分及び/または酸性条件に対する耐性が改善された多層医薬または栄養補助固形剤形を提供するものであり、必要とされる保存条件の制約が効果的に低くなるため、現在市販されている製剤よりも高い温度及び相対湿度での製品の保管が可能となる。この点に関し、本発明の技術的解決策は、部分的に湿気を透過することが当該技術分野で知られているアルミ箔内のPVC/PVDCブリスターが使用される場合であっても優れた安定性の結果を与えるものである。
【0073】
本明細書で使用される場合、「安定」という用語は、組成物中に存在する各ビタミンBに関して、上記に述べた安定性アッセイ条件下で15%以下の相対ビタミンB損失率、好ましくは、組成物中に存在する各ビタミンBに関して、安定性アッセイ条件下で10%以下の相対ビタミンB損失率を指す。前記Bビタミン損失率は、HPLC分析によって測定することができる。好ましい実施形態において、安定性アッセイ条件は、25℃及び60HRで少なくとも3ヶ月間、より好ましくは、25℃及び60HRで少なくとも6ヶ月間である。別の好ましい実施形態において、安定性アッセイ条件は、40℃及び75HRで少なくとも3ヶ月間、より好ましくは、40℃及び75HRで少なくとも6ヶ月間である。さらに別の好ましい実施形態によれば、安定性アッセイ条件は、本発明の医薬または栄養補助固形剤形が、アルミ箔内のAlu-AluブリスターまたはPVC/PVDCブリスター内に包装されることをさらに含み、より好ましくは、安定性アッセイ条件は、本発明の医薬または栄養補助食品の固形剤形が、アルミ箔内のPVC/PVDCブリスター内に包装されることをさらに含む。
【0074】
第2の態様では、本発明は、本発明の第1の態様による、多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法を提供する。
【0075】
この第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、方法を提供する。
【0076】
特定の態様では、本発明は、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと場合により少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、方法を提供する。
【0077】
工程(iii)における圧縮は、例えば、高速ロータリープレスまたは多層打錠機を使用するなど、当該技術分野では周知の任意の通常の方法で実施することができ、また、上記のプロセスは本発明の異なる実施形態に容易に適合させることができるため、多層剤形を製造するためにさらなる層を追加する可能性も含まれる点は、当業者には明らかであろう。
【0078】
層ごとに複数の適当な医薬または栄養補助賦形剤が使用され得る任意選択的な実施形態では、プロセスの各工程で得られる混合物のふるいかけ及びブレンドは、個々の賦形剤または賦形剤群の添加後に順次行うことができる。
【0079】
本発明の第1の態様による三層の医薬または栄養補助固形剤形が提供される別の好ましい実施形態では、本発明の第2の態様による方法は、不活性賦形剤である少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む第3の層が提供されるさらなる工程を含む。すなわち、この特定の実施形態によれば、本発明の第2の態様による方法は、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドする工程と、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドする工程と、
(iii)少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む第3の層の組成物を得る工程と、
(iv)第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで第3の層の組成物を、前の層を覆って、またはその周りに圧縮した後、第1または第2の層の組成物のもう一方を、第3の層の組成物を覆って、またはその周りに圧縮する工程と、を含む。
【0080】
第3の態様では、本発明は、本発明の第1の態様による、多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための別の方法を提供する。
【0081】
具体的には、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、第2の層の組成物を水の存在下で造粒に供することと、
(iii)第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、方法が提供される。
【0082】
プロセスの工程(ii)は、必要に応じて、得られた顆粒を少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤と均一になるまでブレンドすることをさらに含み得る。
【0083】
工程(iii)における圧縮は、例えば、高速ロータリープレスまたは多層打錠機を使用するなど、当該技術分野では周知の任意の通常の方法で実施することができ、また、上記のプロセスは本発明の異なる実施形態に容易に適合させることができるため、多層剤形を製造するためにさらなる層を追加する可能性も含まれる点は、当業者には明らかであろう。
【0084】
層ごとに複数の適当な医薬または栄養補助賦形剤が使用され得る任意選択的な実施形態では、各工程で得られる混合物のふるいかけ及びブレンドは、個々の賦形剤または賦形剤群の添加後に順次行うことができる。
【0085】
本発明の第1の態様による三層の医薬または栄養補助固形剤形が提供される別の好ましい実施形態によれば、本発明の第3の態様による方法は、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドする工程と、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、第2の層の組成物を水の存在下で造粒に供することと、
(iii)少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む第3の層の組成物を得る工程と、
(iii)第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで第3の層の組成物を、前の層を覆って、またはその周りに圧縮した後、第1または第2の層の組成物のもう一方を、第3の層の組成物を覆って、またはその周りに圧縮する工程と、を含む。
【0086】
第4の態様では、本発明は、第2及びその後の層がコーティング方法によって第1の層上に塗布される、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための別の方法を提供する。
【0087】
第4の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドし、その後、得られた混合物を圧縮してコアを形成することと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とを含む第2の層の組成物を得ることであって、各成分を水または有機溶媒中に分散または溶解して水性または有機分散液または溶液をそれぞれ形成する、ことと、
(iii)工程(ii)で得られた分散液または溶液を、コーティング手段を用いて工程(i)で得られたコア上に塗布することと、を含む、方法を提供する。
【0088】
工程(i)における圧縮は、例えば回転式打錠機を使用するなど、当該技術分野では周知のいずれの通常の方法でも実施できる点は当業者には明らかであろう。コーティング工程(iii)もまた、コーティングパンなどの当該技術分野では周知の標準的なコーティング手段を使用して実施することができる。
【0089】
上記のコーティングプロセスは本発明の異なる実施形態に容易に適合することができるため、多層剤形を製造するためにさらなる層を追加する可能性も含まれる点は当業者には明らかであろう。
【0090】
具体的には、第4の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による3層の医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドし、その後、得られた混合物を圧縮してコアを形成することと、
(ii)少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含み、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及び部分加水分解ポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つのフィルム形成剤を好ましくは含む第3の層の組成物を得ることであって、第3の層の組成物をコーティング手段を用いて工程(i)で得られたコア上に塗布する、ことと、
(iii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とを含む第2の層の組成物を得ることであって、各成分を水または有機溶媒中に分散または溶解して水性または有機分散液または溶液をそれぞれ形成する、ことと、
(iv)工程(iii)で得られた分散液または溶液を、コーティング手段を用いて工程(ii)で得られた第3の層上に塗布することと、を含む、方法を提供する。
【0091】
本発明の第5の態様では、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第2の態様によるプロセスによって得ることができる。特定の実施形態では、本発明の第1の態様による2層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第2の態様によるプロセスによって得ることができる。別の実施形態では、本発明の第1の態様による3層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第2の態様によるプロセスによって得ることができる。
【0092】
好ましい実施形態では、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第2の態様によるプロセスによって得られる。特定の実施形態では、本発明の第1の態様による2層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第2の態様によるプロセスによって得られる。別の実施形態では、本発明の第1の態様による3層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第2の態様によるプロセスによって得られる。
【0093】
本発明の第6の態様では、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第3の態様によるプロセスによって得ることができる。特定の実施形態では、本発明の第1の態様による2層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第3の態様によるプロセスによって得ることができる。別の実施形態では、本発明の第1の態様による3層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第3の態様によるプロセスによって得ることができる。
【0094】
好ましい実施形態では、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第3の態様によるプロセスによって得られる。特定の実施形態では、本発明の第1の態様による2層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第3の態様によるプロセスによって得られる。別の実施形態では、本発明の第1の態様による3層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第3の態様によるプロセスによって得られる。
【0095】
本発明の第7の態様では、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第4の態様によるプロセスによって得ることができる。特定の実施形態では、本発明の第1の態様による2層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第4の態様によるプロセスによって得ることができる。別の実施形態では、本発明の第1の態様による3層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第4の態様によるプロセスによって得ることができる。
【0096】
好ましい実施形態では、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第4の態様によるプロセスによって得られる。特定の実施形態では、本発明の第1の態様による2層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第4の態様によるプロセスによって得られる。別の実施形態では、本発明の第1の態様による3層の医薬または栄養補助固形剤形は、本発明の第4の態様によるプロセスによって得られる。
【0097】
本発明の第8の態様では、末梢神経障害を予防及び/または治療するための医薬品または栄養補助食品をそれぞれ製造するための、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形が提供される。
【0098】
「末梢神経障害」とは、末梢多発神経障害、末梢神経根障害、カウザルギー及び反射性交感神経性ジストロフィー、乳房切除後神経痛、術後神経痛及び疼痛、外陰部前庭炎、幻肢痛、視床症候群(脳卒中後中枢痛)、側頭下顎関節症候群、中足骨痛(モートン神経痛)、ならびに、例えば、脱出した椎間板または手根管症候群及び足根管症候群によって引き起こされる神経圧迫による神経性疼痛などの、末梢神経系が損傷される任意の状態と理解される。
【0099】
本発明の第9の態様では、末梢神経障害を治療及び/または予防するために使用される本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形が提供される。
【0100】
本発明の第10の態様では、末梢神経障害の治療及び/または予防における、本発明の第1の態様による多層医薬または栄養補助固形剤形の使用が提供される。
【0101】
本発明のさらなる態様及び実施形態を以下の条項に記載する。
【0102】
1.経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形であって、
-少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層とを含む、前記多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0103】
2.条項1に記載の多層医薬または栄養補助食品の固形剤形であって、
-前記第1の層が、少なくとも1つのピリミジン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含み、
-前記第2の層が、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む、前記多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0104】
3.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体が、ウリジン、ウリジンエステル、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンエステル、シチジンリン酸、チミジン、チミジンエステル、及びチミジンリン酸からなる群から選択される、条項1または2に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0105】
4.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、及びチミジンリン酸からなる群から選択される、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0106】
5.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸、シチジンリン酸、及びチミジンリン酸からなる群から選択される、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0107】
6.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体が、ウリジン一リン酸、ウリジン二リン酸及びウリジン三リン酸からなる群から選択されるウリジンリン酸であるか、または前記少なくとも1つのピリミジン誘導体が、シチジン一リン酸、シチジン二リン酸及びシチジン三リン酸からなる群から選択されるシチジンリン酸であるか、または前記少なくとも1つのピリミジン誘導体が、チミジン一リン酸、チミジン二リン酸及びチミジン三リン酸からなる群から選択されるチミジンリン酸である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0108】
7.前記少なくとも1つのプリン誘導体が、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル及びキサントシンリン酸からなる群から選択される、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0109】
8.前記少なくとも1つのプリン誘導体が、アデノシンリン酸、グアノシンリン酸、イノシンリン酸及びキサントシンリン酸からなる群から選択される、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0110】
9.前記少なくとも1つのプリン誘導体が、アデノシン一リン酸、アデノシン二リン酸及びアデノシン三リン酸からなる群から選択されるアデノシンリン酸であるか、または前記少なくとも1つのプリン誘導体が、グアノシン一リン酸、グアノシン二リン酸及びグアノシン三リン酸からなる群から選択されるグアノシンリン酸であるか、または前記少なくとも1つのプリン誘導体が、イノシン一リン酸、イノシン二リン酸及びイノシン三リン酸からなる群から選択されるイノシンリン酸であるか、または前記少なくとも1つのプリン誘導体が、キサントシン一リン酸、キサントシン二リン酸及びキサントシン三リン酸からなる群から選択されるキサントシンリン酸である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0111】
10.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物が、ウリジン、ウリジンエステル、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンエステル、シチジンリン酸、チミジン、チミジンエステル、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル、キサントシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される、条項1に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0112】
11.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される、条項10に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0113】
12.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される、条項10または11に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0114】
13.前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、アデノシン、アデノシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される、条項10~12のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0115】
14.前記第1の層が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、塩基性アミノ酸塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩またはそれらの任意の混合物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体塩及び/または少なくとも1つのプリン誘導体塩を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0116】
15.前記第1の層が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、塩基性アミノ酸塩、アンモニウム塩またはそれらの任意の混合物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体塩及び/または少なくとも1つのプリン誘導体塩を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0117】
16.前記第1の層が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはそれらの任意の混合物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体塩及び/または少なくとも1つのプリン誘導体塩を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0118】
17.前記第1の層が、アルカリ金属塩である少なくとも1つのピリミジン誘導体塩及び/または少なくとも1つのプリン誘導体塩を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0119】
18.前記第1の層が、シチジン一リン酸一ナトリウム、シチジン二リン酸二ナトリウム、シチジン三リン酸三ナトリウム、ウリジン一リン酸一ナトリウム、ウリジン二リン酸二ナトリウム、ウリジン三リン酸三ナトリウム、チミジン一リン酸一ナトリウム、チミジン二リン酸二ナトリウム及びチミジン三リン酸三ナトリウムからなる群から選択されるアルカリ金属塩である少なくとも1つのピリミジン誘導体塩を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0120】
19.前記第1の層が、アデノシン一リン酸一ナトリウム、アデノシン二リン酸二ナトリウム、アデノシン三リン酸三ナトリウム、グアノシン一リン酸一ナトリウム、グアノシン二リン酸二ナトリウム、グアノシン三リン酸三ナトリウム、イノシン一リン酸一ナトリウム、イノシン二リン酸二ナトリウム、イノシン三リン酸三ナトリウム、キサントシン一リン酸一ナトリウム、キサントシン二リン酸二ナトリウム及びキサントシン三リン酸三ナトリウムからなる群から選択されるアルカリ金属塩である少なくとも1つのプリン誘導体塩を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0121】
20.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB1、B6またはB12である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0122】
21.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB12である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0123】
22.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミン、ヒドロキシコバラミンまたはメチルコバラミンの形態のビタミンB12である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0124】
23.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミンまたはヒドロキシコバラミンの形態のビタミンB12である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0125】
24.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミンの形態のビタミンB12である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0126】
25.前記第2の層が、ビタミンB1をさらに含む、条項21~24のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0127】
26.ビタミンB1が、塩酸チアミン、硝酸チアミン、チアミンピロリン酸またはチアミン一リン酸クロリド二水和物の形態である、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0128】
27.ビタミンB1が、硝酸チアミンである、条項25または26に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0129】
28.前記第2の層が、ビタミンB6をさらに含む、条項21~27のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0130】
29.ビタミンB6が、塩酸ピリドキシンまたはピリドキサールリン酸の形態である、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0131】
30.前記第2の層が、ビタミンB1、B6及びB12を含む、条項20に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0132】
31.前記第2の層が、シアノコバラミンの形態のビタミンB12、塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6、及び塩酸チアミンまたは硝酸チアミンの形態のビタミンB1を含む、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0133】
32.前記第2の層が、シアノコバラミンの形態のビタミンB12、塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6、及び硝酸チアミンの形態のビタミンB1を含む、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0134】
33.第1の層が、第1のピリミジン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物、及び第2のピリミジン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含む、条項1~3のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0135】
34.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物からなる群から独立して選択される、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0136】
35.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物からなる群から独立して選択される、条項33または34に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0137】
36.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸、シチジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物からなる群から独立して選択される、条項33~35のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0138】
37.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸及びシチジンリン酸塩である、条項33~36のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0139】
38.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸塩及びシチジンリン酸である、条項33~36のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0140】
39.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸塩及びシチジンリン酸塩である、条項33~36のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0141】
40.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸及びシチジンリン酸である、条項33~36のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0142】
41.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジン一リン酸及びシチジン一リン酸であり、これらのそれぞれが塩形態または酸形態のいずれかである、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0143】
42.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジン一リン酸二ナトリウム及び酸形態のシチジン一リン酸である、条項40または41に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0144】
43.前記第1及び前記第2のピリミジン誘導体が、ウリジン一リン酸二ナトリウム及びシチジン一リン酸二ナトリウムである、条項40または41に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0145】
44.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB1、B6またはB12である、条項33~43のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0146】
45.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB12である、条項33~44のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0147】
46.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミン、ヒドロキシコバラミンまたはメチルコバラミンの形態のビタミンB12である、条項33~45のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0148】
47.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミンまたはヒドロキシコバラミンの形態のビタミンB12である、条項33~46のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0149】
48.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミンの形態のビタミンB12である、条項33~47のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0150】
49.前記第2の層が、ビタミンB1をさらに含む、条項45~48のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0151】
50.ビタミンB1が、塩酸チアミン、硝酸チアミン、チアミンピロリン酸またはチアミン一リン酸クロリド二水和物の形態である、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0152】
51.ビタミンB1が、硝酸チアミンである、条項49または50に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0153】
52.前記第2の層が、ビタミンB6をさらに含む、条項45~51のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0154】
53.ビタミンB6が、塩酸ピリドキシンまたはピリドキサールリン酸の形態である、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0155】
54.前記第2の層が、ビタミンB1、B6及びB12を含む、条項44に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0156】
55.前記第2の層が、シアノコバラミンの形態のビタミンB12、塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6、及び塩酸チアミンまたは硝酸チアミンの形態のビタミンB1を含む、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0157】
56.前記第2の層が、シアノコバラミンの形態のビタミンB12、塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6、及び硝酸チアミンの形態のビタミンB1を含む、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0158】
57.前記第1の層が、少なくとも1つのピリミジン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物、及び少なくとも1つのプリン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含む、条項1または2に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0159】
58.前記第1の層が、ウリジン、ウリジンエステル、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンエステル、シチジンリン酸、チミジン、チミジンエステル、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、条項57に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0160】
59.前記第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、条項57または58に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0161】
60.前記第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、条項57~59のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0162】
61.前記第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、条項57~60のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0163】
62.前記第1の層が、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、アデノシン、アデノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物とを含む、条項57~61のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0164】
63.前記第1の層が、少なくとも1つのプリン誘導体またはその任意の塩もしくは溶媒和物を含む、条項1に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0165】
64.前記第1の層が、アデノシン、アデノシンエステル、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンエステル、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンエステル、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンエステル、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、条項63に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0166】
65.前記第1の層が、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、キサントシン、キサントシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、条項63または64に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0167】
66.前記第1の層が、アデノシン、アデノシンリン酸、グアノシン、グアノシンリン酸及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、条項63~65のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0168】
67.前記第1の層が、アデノシン、アデノシンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つのプリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む、条項63~66のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0169】
68.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB1、B6及びB12である、条項57~67のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0170】
69.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB12である、条項57~68のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0171】
70.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミン、ヒドロキシコバラミンまたはメチルコバラミンの形態のビタミンB12である、条項57~69のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0172】
71.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミンまたはヒドロキシコバラミンの形態のビタミンB12である、条項57~70のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0173】
72.前記第2の層のビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンが、シアノコバラミンの形態のビタミンB12である、条項59~71のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0174】
73.前記第2の層が、ビタミンB1をさらに含む、条項69~72のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0175】
74.ビタミンB1が、塩酸チアミン、硝酸チアミン、チアミンピロリン酸またはチアミン一リン酸クロリド二水和物の形態である、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0176】
75.ビタミンB1が、硝酸チアミンである、条項73または74に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0177】
76.前記第2の層が、ビタミンB6をさらに含む、条項69~75のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0178】
77.ビタミンB6が、塩酸ピリドキシンまたはピリドキサールリン酸の形態である、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0179】
78.前記第2の層が、ビタミンB1、B6及びB12を含む、条項68~77のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0180】
79.前記第2の層が、シアノコバラミンの形態のビタミンB12、塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6、及び塩酸チアミンまたは硝酸チアミンの形態のビタミンB1を含む、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0181】
80.前記第2の層が、シアノコバラミンの形態のビタミンB12、塩酸ピリドキシンの形態のビタミンB6、及び硝酸チアミンの形態のビタミンB1を含む、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0182】
81.前記固形剤形が多層錠剤である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0183】
82.前記固形剤形が積層多層錠剤または同心状多層錠剤である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0184】
83.前記固形剤形が同心状層化ビーズである、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0185】
84.少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む第3の層をさらに含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0186】
85.前記第3の層が、前記第1の層または前記第2の層のいずれかに隣接する位置に配置されるか、あるいは両方に隣接して配置される、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0187】
86.前記第1の層が、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0188】
87.前記第2の層が、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0189】
88.少なくとも200mgの総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)及びそれらの塩、溶媒和物及び塩溶媒和物を含み、前記総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0190】
89.200mg~450mgの範囲、さらにより好ましくは250mg~450mgの範囲、いっそうさらにより好ましくは250mg~430mgの範囲、より大幅に好ましくは300mg~420mgの範囲、さらにより好ましくは350mg~410mgの範囲の総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0191】
90.少なくとも200mgの総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、条項1~87のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0192】
91.200mg~450mgの範囲、より好ましくは250mg~430mgの範囲、さらにより好ましくは300mg~420mgの範囲、さらにより好ましくは350mg~410mgの範囲、さらによりいっそう好ましくは400mgの総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0193】
92.少なくとも200mgの総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記プリン誘導体(複数可)、プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、条項1~87のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0194】
93.200mg~450mgの範囲、さらにより好ましくは250mg~450mgの範囲、いっそうさらにより好ましくは250mg~430mgの範囲、より大幅に好ましくは300mg~420mgの範囲、さらにより好ましくは350mg~410mgの範囲の総量の前記プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記プリン誘導体(複数可)及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、先行条項に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0195】
94.前記固形剤形が、25℃及び相対湿度60%で少なくとも3ヶ月間、好ましくは少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0196】
95.前記固形剤形が、40℃及び相対湿度75%で少なくとも3ヶ月間、より好ましくは40℃及び相対湿度75%で少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0197】
96.前記固形剤形が、25℃及び相対湿度60%で少なくとも3ヶ月間、好ましくは25℃及び相対湿度60%で少なくとも6ヶ月間、より好ましくは40℃及び相対湿度75%で少なくとも3ヶ月間、さらにより好ましくは40℃及び相対湿度75%で少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0198】
97.前記固形剤形が、アルミ箔内のPVC/PVDCブリスター内に包装して25℃及び相対湿度60%で少なくとも3ヶ月間、好ましくは25℃及び相対湿度60%で少なくとも6ヶ月間、より好ましくは25℃及び相対湿度60%で40℃及び相対湿度75%で少なくとも3ヶ月間、さらにより好ましくは40℃及び相対湿度75%で少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である、先行条項のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0199】
98.条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンと場合により少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【0200】
99.条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンと場合により少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【0201】
100.条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)不活性成分である少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む第3の層の組成物を得ることと、
(iv)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第3の層の組成物を、前の層を覆って、またはその周りに圧縮した後、前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前記第3の層の組成物を覆って、またはその周りに圧縮することと、を含む、前記方法。
【0202】
101.条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)不活性成分である少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含む第3の層の組成物を得ることと、
(iv)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第3の層の組成物を、前の層を覆って、またはその周りに圧縮した後、前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前記第3の層の組成物を覆って、またはその周りに圧縮することと、を含む、前記方法。
【0203】
102.条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドし、その後、得られた混合物を圧縮してコアを形成することと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とを含む第2の層の組成物を得ることであって、前記各成分を水または有機溶媒中に分散または溶解して水性または有機分散液または溶液をそれぞれ形成する、ことと、
(iii)工程(ii)で得られた前記分散液または前記溶液を、コーティング手段を用いて工程(i)で得られた前記コア上に塗布することと、を含む、前記方法。
【0204】
103.条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドし、その後、得られた混合物を圧縮してコアを形成することと、
(ii)少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤を含み、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及び部分加水分解ポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つのフィルム形成剤を好ましくは含む第3の層の組成物を得ることであって、前記第3の層の組成物をコーティング手段を用いて工程(i)で得られた前記コア上に塗布する、ことと、
(iii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とを含む第2の層の組成物を得ることであって、前記各成分を水または有機溶媒中に分散または溶解して水性または有機分散液または溶液をそれぞれ形成する、ことと、
(iv)工程(iii)で得られた前記分散液または前記溶液を、コーティング手段を用いて工程(ii)で得られた前記第3の層上に塗布することと、を含む、前記方法。
【0205】
104.条項98~103のいずれかに記載のプロセスによって得ることが可能な、条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0206】
105.条項98~103のいずれかに記載のプロセスによって得られた、条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0207】
106.末梢神経障害を予防及び/または治療するための医薬品または栄養補助食品をそれぞれ製造するために使用される、条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0208】
107.前記末梢神経障害が、末梢多発神経障害、末梢神経根障害、カウザルギー及び反射性交感神経性ジストロフィー、乳房切除後神経痛、術後神経痛及び疼痛、外陰部前庭炎、幻肢痛、視床症候群(脳卒中後中枢痛)、側頭下顎関節症候群、中足骨痛(モートン神経痛)、ならびに神経圧迫による神経性疼痛からなる群から選択される、条項106に記載の使用される多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0209】
108.末梢神経障害の治療及び/または予防における条項1~97のいずれかに記載の多層栄養補助固形剤形の使用。
【0210】
109.前記末梢神経障害が、末梢多発神経障害、末梢神経根障害、カウザルギー及び反射性交感神経性ジストロフィー、乳房切除後神経痛、術後神経痛及び疼痛、外陰前庭炎、幻肢痛、視床症候群(脳卒中後中枢痛)、側頭下顎関節症候群、中足骨痛(モートン神経痛)、ならびに神経圧迫による神経性疼痛からなる群から選択される、請求項108に記載の使用。
【0211】
110.末梢神経障害の治療及び/または予防に使用するための条項1~97のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【0212】
111.前記末梢神経障害が、末梢多発神経障害、末梢神経根障害、カウザルギー及び反射性交感神経性ジストロフィー、乳房切除後神経痛、術後神経痛及び疼痛、外陰部前庭炎、幻肢痛、視床症候群(脳卒中後中枢痛)、側頭下顎関節症候群、中足骨痛(モートン神経痛)、ならびに神経圧迫による神経性疼痛からなる群から選択される、請求項110に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【実施例】
【0213】
次に、本発明を以下の実施例を参照してより詳細に説明するが、これらの実施例はいかなる意味でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0214】
実施例1-本発明の例示的な多層医薬または栄養補助固形剤形
少なくとも1つのピリミジン誘導体、プリン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、ビタミンBとを含む以下の例示的な一般的な固形剤形は、本発明のプロセスを使用して容易に調製することができる(実施例2及び7に例示されるように)。
【表1】
【表2】
【表3】
【0215】
実施例2-本発明の第2の態様による、本発明の二層医薬または栄養補助固形剤形を調製するための例示的なプロセス
層1の製造:原材料(すなわち、UMP・2Na、CMP・2Naまたは酸形態のCMP、微結晶性セルロース及びコロイド状二酸化ケイ素)を製造処方に従って秤量した後、中サイズのメッシュのふるいにかけ、その後、均一になるまでブレンダーでブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムを小サイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけ、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。
【0216】
層2の製造:原材料(すなわち、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、マンニトール、酸化鉄、微結晶性セルロース、及びコロイド状二酸化ケイ素)を製造処方に従って秤量し、中サイズのメッシュのふるいにかけた後、均一になるまでブレンダーでブレンドする。次いで、得られたブレンドを中サイズのメッシュでふるいにかけ、再度ブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムを製造処方に従って秤量し、小サイズのメッシュのふるいでふるい、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。
【0217】
打錠:以下の例示的な重量に従って、層1を最初に多層打錠機で圧縮し、次いで層2を層1上にロードしてから圧縮して、二層錠剤を形成する。
-層1:650mg
-層2:200mg
-総重量:850mg
【0218】
実施例3-本発明による多層医薬または栄養補助固形剤形(UMP・2Na、CMP・2Na/酸形態のCMP、硝酸チアミン、ピリドキシンHCl、シアノコバラミン)
例示的な二層錠剤(DG186106B1、DG186108B1及び18631N1101バッチ)を、以下の各組成物を用い、実施例2に記載のプロセスに従って調製した。
【表4】
【0219】
実施例4-本発明による多層医薬または栄養補助固形剤形(UMP・2Na、CMP・2Na/硝酸チアミン、ピリドキシンHCl、シアノコバラミン)
実施例2に従って調製し、アルミ箔内のPVC/PVDCのブリスターに入った、実施例3の二層固形剤形のうちの2つのもの(DG186106B1二層錠剤バッチ-UMP・2Na、CMP・2Na、硝酸チアミン、ピリドキシンHCl及びシアノコバラミン、DG186108B1二層錠剤バッチ-UMP・2Na、酸形態のCMP、硝酸チアミン、ピリドキシンHCl及びシアノコバラミン)の安定性試験を実施した。結果は以下のように要約できる(t=1.5ヶ月及び3.0ヶ月におけるアッセイの結果を、ここで100%とみなされる、時間t=0における実際の値に対して表す(HPLCによって計算したアッセイ(%))。
【表5】
【表6】
【0220】
実施例5-本発明の第3の態様による、本発明の二層多層医薬または栄養補助固形剤形を調製するための例示的なプロセス
層1の製造:原材料(すなわち、UMP・2Na、CMP・2Naまたは酸形態のCMP、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びコロイド状二酸化ケイ素)を製造処方に従って秤量した後、中サイズのメッシュのふるいにかけ、その後、均一になるまでブレンダーでブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムを小メッシュのふるいを使用してふるいにかけ、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。
【0221】
層2の製造:原材料(すなわち、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、マンニトール、酸化鉄、微結晶性セルロース及びヒドロキシプロピルセルロース)を製造処方に従って秤量し、中サイズのメッシュのふるいにかけ、水の存在下で造粒する。コロイド状二酸化ケイ素を、微結晶性セルロースの総量に対して2.7重量%に相当する量の微結晶性セルロースとともに、小さなサイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけた後、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムも秤量し、小サイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけた後、得られたブレンドの上に加え、均一性が得られるまでブレンドする。
【0222】
打錠:以下の例示的な重量に従って、層1を最初に多層打錠機で圧縮し、次いで層2を層1上にロードしてから圧縮して、二層錠剤を形成する。
層1:650mg 層2: 200mg 総重量: 850mg
【0223】
実施例6-本発明による多層医薬または栄養補助固形剤形(UMP・2Na、CMP・2Na/酸形態のCMP、硝酸チアミン、シアノコバラミン)
例示的な二層錠剤(DG186070A1及びDG186072A1バッチ)を、以下の各組成物を用い、実施例5に記載のプロセスに従って調製した。
【表7】
【0224】
実施例7-本発明による多層医薬または栄養補助固形剤形(UMP・2Na、CMP・2Na/硝酸チアミン、ピリドキシンHCl、シアノコバラミン)
例示的な三層錠剤(バッチDG186087A1及びDG186089A1)を、下記に記載する組成物を用いて、本発明の第3の態様のプロセスに従って調製した。すなわち、
層1の製造:原材料(すなわち、UMP・2Na、CMP・2Naまたは酸形態のCMP、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びコロイド状二酸化ケイ素Aerosil(登録商標))を製造処方に従って秤量した後、中サイズのメッシュのふるいにかけ、その後、均一になるまでブレンダーでブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムを秤量し、小サイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけ、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。
【0225】
層2の製造:原材料(すなわち、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化赤色鉄E-172、及び微結晶性セルロース)を製造処方に従って秤量し、中サイズのメッシュのふるいにかけ、水の存在下で造粒する。コロイド状二酸化ケイ素を、微結晶性セルロースの総量に対して2.7重量%に相当する量の微結晶性セルロースとともに、小さなサイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけた後、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムも秤量し、小サイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけた後、得られたブレンドの上に加え、均一性が得られるまでブレンドする。
【0226】
層3(不活性層)の製造:微結晶性セルロースの総量に対して、20重量%の量の微結晶性セルロースを、赤色酸化鉄E-172とともに製造処方に従って秤量し、次に中サイズのメッシュふるいでふるいにかけ、均一になるまでブレンドする。次いで残りの80重量%の微結晶性セルロースも同様にふるいにかけてからその前のブレンドに加え、その後、ステアリン酸マグネシウムもそれに応じてふるいにかけ、前のブレンドに加える。得られた混合物を均一になるまでブレンドする。
【0227】
打錠:層1を最初に多層打錠機で圧縮し、次いで層3を層1上にロードしてから圧縮して、二層錠剤を形成する。その後、以下の例示的な重量に従って層2を層3上にロードし、圧縮して、対応する三層錠剤を形成する。
-層1:650mg
-層2:200mg
-層3:200mg
-総重量:1050mg
【0228】
三層錠剤(すなわち、DG186087A1及びDG186089A1バッチ)の組成は以下の通りである。
【表8】
【0229】
比較例1-UMP・2Na、CMP・2Na、硝酸チアミン、HClピリドキシン及びシアノコバラミンを含む単層固形剤形
単層錠剤(DG186075A1バッチ)を比較目的で以下の要領で調製した。
【0230】
UMP・2Na、CMP・2Na、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びコロイド状二酸化ケイ素を製造処方に従って秤量した後、中サイズのメッシュのふるいにかけ、その後、均一になるまでブレンダーでブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムを小サイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけ、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。
【0231】
これと並行して、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、マンニトール、酸化鉄、微結晶性セルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを製造処方に従って秤量し、次いで中サイズのメッシュのふるいにかけ、水の存在下で造粒する。コロイド状二酸化ケイ素を、微結晶性セルロースの総量に対して2.7重量%に相当する量の微結晶性セルロースとともに、小さなサイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけた後、均一性が認められるまで前の混合物とブレンドする。その後、ステアリン酸マグネシウムも秤量し、小サイズのメッシュのふるいを使用してふるいにかけた後、得られたブレンドの上に加え、均一性が得られるまでブレンドする。次に、この2番目のブレンドをUMP・2Na及びCMP・2Naを含む最初のブレンドに加え、次いで得られたブレンドを均一になるまで混合した後、打錠機で圧縮して単層錠剤とする。
【0232】
この固形剤形の組成は、実施例6の前の固形剤形のうちの1つ、すなわち、DG186070A1二層錠剤バッチに対応するものと同じであるが、この固形剤形が二層錠剤ではなく単層錠剤の形態である点で異なる。
【表9】
【0233】
実施例8-実施例6、7及び比較例1の多層医薬または栄養補助固形剤形の安定性試験
以下の固形剤形の安定性試験を実施した。
-実施例6の二層錠剤(DG186070A1及びDG186072A1バッチ)、
-実施例7の三層錠剤(DG186087A1及びDG186089A1バッチ)、ならびに
-比較例1の単層錠剤(DG186075A1バッチ)。
【0234】
得られた結果を下記表に要約する(t=1.5ヶ月におけるアッセイの結果を、ここで100%とみなされる、時間t=0における実際の値に対して表す(HPLCによって計算したアッセイ(%))。
【表10】
【手続補正書】
【提出日】2021-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層と、を含み、
前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物は、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項2】
前記第1の層が、少なくとも2つのピリミジン誘導体を含む、請求項1に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項3】
前記2つのピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸、シチジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択される、請求項2に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項4】
前記2つのピリミジン誘導体が、ウリジン一リン酸及びシチジン一リン酸であり、これらのそれぞれが塩形態または酸形態のいずれかである、請求項3に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項5】
前記2つのピリミジン誘導体が、塩形態のウリジン一リン酸及び塩または酸形態のシチジン一リン酸である、請求項3または4に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項6】
前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB
1、B
6及びB
12からなる群から選択される、請求項1~5のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項7】
前記第2の層が、ビタミンB
1及びB
12を含む、請求項6に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項8】
少なくとも200mgの総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)、及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)、及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される、請求項1~7のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項9】
前記固形剤形が、40℃及び相対湿度75%で少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である、請求項1~8のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助添加剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または前記第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、前記第2の層の組成物を水の存在下で造粒に供することと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載のプロセスによって得ることができる多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項13】
末梢神経障害の治療及び/または予防に使用するための請求項1~9または請求項12のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1つのピリミジン誘導
体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層と、
-ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンを含む第2の層と、を含
み、
前記少なくとも1つのピリミジン誘導体、またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物は、ウリジン、ウリジンリン酸、シチジン、シチジンリン酸、チミジン、チミジンリン酸、及びそれらの任意の塩または溶媒和物からなる群から選択される、経口投与用の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項2】
前記
第1の層が、少なくとも
2つのピリミジン誘導
体を含む、請求項1に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項3】
前記
2つのピリミジン誘導体が、ウリジンリン酸、シチジンリン酸またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物から選択され
る、請求
項2に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項4】
前記2つのピリミジン誘導体が、ウリジン一リン酸及びシチジン一リン酸であり、これらのそれぞれが塩形態または酸形態のいずれかである、請求項3に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項5】
前記2つのピリミジン誘導体が、塩形態のウリジン一リン酸及び塩または酸形態のシチジン一リン酸である、請求項3または4に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項6】
前記少なくとも1つのビタミンが、ビタミンB
1、B
6及びB
12からなる群から選択される
、請求項
1~5のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項7】
前記第2の層が、ビタミンB
1及びB
12を含む、請求項6に記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項8】
少なくとも200mgの総量の前記ピリミジン誘導体(複数可)
、及びそれらの塩または溶媒和物を含み、前記総量は、前記ピリミジン誘導体(複数可)
、及びそれらの塩(複数可)または溶媒和物(複数可)のそれぞれの対応する当量の塩基形態(複数可)を考慮して計算される
、請求項
1~7のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項9】
前記固形剤形が、40℃及び相対湿度75%で少なくとも6ヶ月間にわたって保存された後に安定である
、請求項
1~8のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項10】
請求項
1~9のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導
体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助
添加剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導
体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンと、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または
前記第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助剤固形剤形を製造するための方法であって、
(i)少なくとも1つのピリミジン誘導
体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物と、場合により、少なくとも1つの適当な医薬または栄養補助賦形剤とをふるいにかけることにより、前記少なくとも1つのピリミジン誘導
体またはそれらの任意の塩もしくは溶媒和物を含む第1の層の組成物を得た後、得られた混合物を均一になるまでブレンドすることと、
(ii)ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される少なくとも1つのビタミンをふるいにかけることにより、ビタミンB群のビタミンからなる群から選択される前記少なくとも1つのビタミンを含む第2の層の組成物を得た後、前記第2の層の組成物を水の存在下で造粒に供することと、
(iii)前記第1または第2の層の組成物の一方を圧縮し、次いで前記第1または第2の層の組成物のもう一方を、前の1つの層を覆って、またはその周りに圧縮して、医薬または栄養補助固形剤形を形成することと、を含む、前記方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載のプロセスによって得ることができる多層医薬または栄養補助固形剤形。
【請求項13】
末梢神経障害の治療及び/または予防に使用するための請求項1~9または請求項12のいずれかに記載の多層医薬または栄養補助固形剤形。
【国際調査報告】