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特表2022-531665DINレールのための可変幾何形状の設置用ブラケット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-08
(54)【発明の名称】DINレールのための可変幾何形状の設置用ブラケット
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
H05K7/12 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564980
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 US2020021693
(87)【国際公開番号】W WO2020226742
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】16/406,689
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512073770
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ディベロップメント アンド マニュファクチャリング、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コレル、マイケル アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】フライ、スコット マイケル
【テーマコード(参考)】
4E353
【Fターム(参考)】
4E353AA01
4E353BB06
4E353CC02
4E353CC12
4E353DD03
4E353DD10
4E353DR02
4E353DR36
4E353GG09
4E353GG35
(57)【要約】
構成要素ハウジングを設置用レールに取り付けるための設置用ブラケットが設置用クリップ及び基部を有する。設置用クリップが構成要素ハウジングを担持し、基部が設置用クリップを設置用レールに取り付ける。設置用クリップが基部に回転可能に取り付けられ、それにより、設置用レールに対して多様な角度位置に構成要素ハウジングを位置決めすることが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素ハウジングを設置用レールに取り付けるための設置用ブラケットであって、
前記設置用ブラケットは、設置用クリップ及び基部であって、前記設置用クリップが、前記構成要素ハウジングを前記設置用クリップに取り付ける取付部分を備える、設置用クリップ及び基部を備え、
前記基部が、第1の側、反対の第2の側、及び前記第2の側にあるラッチを備え、前記ラッチが、前記基部を前記設置用レールに取り付けることができ、
前記設置用クリップが前記基部の前記第1の側で前記基部に回転可能に取り付けられ、前記設置用クリップが軸を中心として回転可能であり、さらに、軸方向において、前記基部に対して、前記軸に平行に、前記基部の前記第1の側に向かうように又は前記基部の前記第1の側から離れるように、移動可能であり、前記設置用クリップが、前記基部から離間される係合解除位置と、前記基部に隣接する係合位置との間で軸方向において移動可能であり、
前記設置用クリップが、前記係合解除位置にあるとき、前記設置用クリップを前記基部に対して選択された角度位置にするように選択的に方向付けるために、前記軸を中心として回転可能であり、前記設置用クリップが、前記係合解除位置にあるとき、前記設置用クリップを前記選択された角度位置で維持しながら、軸方向において前記係合位置まで移動可能であり、
前記設置用クリップが前記係合位置にあるとき、前記設置用クリップ及び前記基部が協働して、前記選択された角度位置で前記設置用クリップを維持するために前記設置用クリップの回転に抵抗する、設置用ブラケット。
【請求項2】
前記設置用クリップが「L」形のブラケットを備え、前記ブラケットが、前記基部の方を向く第1の壁、及び前記第1の壁から横方向に延在する第2の壁を備え、前記第2の壁が前記設置用クリップの前記取付部分を備える、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項3】
前記設置用クリップが、前記第1の壁から離間されて前記第1の壁の方を向く第3の壁を備え、前記第2の壁が前記第1の壁及び前記第3の壁を接続し、前記壁が協働して前記設置用クリップの「U」形のブラケットを画定する、請求項2に記載の設置用ブラケット。
【請求項4】
前記設置用クリップの前記第1及び第3の壁がそれらの間に隙間を画定し、前記第3の壁が前記隙間の中まで延在する接触ノーズ・プロフィールを備え、前記接触ノーズ・プロフィールのところで前記隙間が狭くなっている、請求項3に記載の設置用ブラケット。
【請求項5】
前記設置用クリップを前記基部に取り付ける締結具組立体を備え、前記締結具組立体が、前記設置用クリップ及び前記基部の一方に取り付けられるボルトであって、前記軸を画定する、ボルトと、前記設置用クリップ及び前記基部の他方に取り付けられるナットとを備え、前記ナットが前記ボルトに沿ってねじ込まれ得る、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項6】
前記ボルトが前記設置用クリップ及び前記基部の前記一方によって保持されるキャプティブ・ファスナであり、それにより、前記軸を中心とした前記ボルトの回転が前記軸に沿う前記ボルトの平行移動を引き起こさないようになる、請求項5に記載の設置用ブラケット。
【請求項7】
前記ボルトが前記基部に取り付けられ、前記ナットが前記設置用クリップに取り付けられ、前記ボルトが、前記ボルトの端部にある拡大ボルト頭と、前記ボルトの反対側の端部にあるねじ切りされたシャンクとを備え、前記ボルト頭が前記基部の前記第2の側にあり、前記シャンクが、前記基部の前記第1の側から離れる方向に、前記ボルトの前記反対側の端部まで延在する、請求項6に記載の設置用ブラケット。
【請求項8】
設置用クリップが、前記基部の方を向く第1の壁及び前記取付部分を備える第2の壁を備える「L」形のブラケットを備え、前記第1の壁が前記基部の方に延在する凹形部分を備え、前記ナットが前記凹形部分の中に配置される、請求項7に記載の設置用ブラケット。
【請求項9】
前記設置用ブラケットが設置用レールに取り付けられない場合、前記ラッチが非掛合状態にあり、前記ラッチが前記非掛合状態にある場合、前記ボルト頭が、前記ボルト頭にトルクを加えるように構成される工具によってアクセス可能となる、請求項7に記載の設置用ブラケット。
【請求項10】
前記基部及び前記設置用クリップが協働して、前記設置用クリップが前記係合位置にある場合に、それらの間に回転不可の接続部を形成する、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項11】
前記設置用クリップ及び前記基部の一方がスロットを備え、前記設置用クリップ及び前記基部の他方がタブを備え、前記設置用クリップが前記係合位置にある場合、前記タブが前記スロットの中で受けられ、それにより前記回転不可の接続部を形成する、請求項10に記載の設置用ブラケット。
【請求項12】
前記設置用クリップが前記係合位置にある場合、前記基部が前記設置用クリップに当接され、前記基部の方に向かう前記設置用クリップのさらなる軸方向の移動を妨害する、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項13】
前記設置用クリップが前記係合位置にある場合、前記設置用クリップと前記基部との間の摩擦が前記設置用クリップの回転に抵抗する、請求項12に記載の設置用ブラケット。
【請求項14】
前記ラッチが標準のDINレールの上に前記基部を掛合するように動作可能であり、前記取付部分が前記構成要素ハウジングのDINレール保持用ラッチの中で受けられて前記DINレール保持用ラッチによって保持されるように配置される、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項15】
構成要素ハウジングを設置用レールに取り付けるための設置用ブラケットであって、
前記設置用ブラケットは、設置用クリップ及び基部であって、前記設置用クリップが、前記構成要素ハウジングを前記設置用クリップに取り付ける取付部分を備える、設置用クリップ及び基部を備え、
前記基部が、第1の側、反対の第2の側、及び前記第2の側にあるラッチを備え、前記ラッチが、前記基部を前記設置用レールに取り付けることができ、
前記設置用クリップが前記基部の前記第1の側にあり、軸方向において、前記基部に対して、軸に沿って、前記基部の前記第1の側に向かうように及び前記基部の前記第1の側から離れるように、移動可能であり、前記設置用クリップが、前記基部の前記第1の側から離間される係合解除位置と、前記基部の前記第1の側により接近する係合位置との間で、軸方向において移動可能であり、
前記設置用クリップが、前記係合解除位置にあるとき、前記基部に対して2つ以上の選択可能な角度位置まで前記軸を中心として選択的に位置決め可能であり、前記選択可能な角度位置が互いに角度的に離間され、
前記設置用クリップが前記係合解除位置にあり、前記設置用クリップが前記選択可能な角度位置のうちの任意の1つの角度位置にあると、前記設置用クリップが、前記1つの選択可能な角度位置で前記設置用クリップを維持しながら前記係合位置まで移動可能であり、
前記設置用クリップが、前記係合位置にあるとき、前記選択可能な角度位置のうちの任意の1つの角度位置において、前記基部と協働して、前記設置用クリップと前記基部との間に回転不可の接続部を形成し、それにより前記軸を中心とした前記設置用クリップの回転に抵抗する、設置用ブラケット。
【請求項16】
前記設置用クリップ及び前記基部の一方が軸方向に延在するタブを備え、前記タブが前記設置用クリップ及び前記基部の他方に係合され、それにより協働して前記設置用クリップと前記基部との間に前記回転不可の接続部を形成する、請求項15に記載の設置用ブラケット。
【請求項17】
前記設置用クリップ及び前記基部の前記他方がスロットを備え、前記タブが前記スロットの中で受けられ、それにより前記スロットと協働的に前記設置用クリップと前記基部との間に前記回転不可の接続部を形成する、請求項16に記載の設置用ブラケット。
【請求項18】
前記設置用クリップ及び前記基部の前記他方が1つ又は複数の追加のスロットを備え、前記設置用クリップ及び前記基部の前記他方の各スロットが前記設置用クリップのそれぞれの選択可能な角度位置に関連付けられ、前記設置用クリップ及び前記基部が協働して回転不可の接続部を形成する場合、前記タブが前記スロットのそれぞれのスロットの中で受けられる、請求項17に記載の設置用ブラケット。
【請求項19】
前記設置用クリップ及び前記基部の前記一方が少なくとも1つの追加のタブを備え、前記設置用クリップ及び前記基部が協働して回転不可の接続部を形成する場合、前記設置用クリップ及び前記基部の前記一方の少なくとも2つのタブが、前記設置用クリップ及び前記基部の前記他方のそれぞれのスロットの中で受けられる、請求項18に記載の設置用ブラケット。
【請求項20】
前記設置用クリップが前記スロットを備え、前記基部が前記タブを備え、前記設置用クリップが4つのスロットを備え、前記基部が2つのタブを備え、前記スロットが前記軸を中心として互いに90度で角度的に離間され、前記タブが前記軸を中心として互いから180度で角度的に離間される、請求項19に記載の設置用ブラケット。
【請求項21】
前記基部によって捕捉的に保持されるボルトと、前記設置用クリップに固定的に取り付けられるナットとを備え、前記ナットが前記ボルトの上にねじ込まれ得、前記ボルトの上にねじ込まれるときの前記ナットの回転が、係合解除位置と係合位置との間での前記設置用クリップの軸方向の移動を引き起こすことができる、請求項15に記載の設置用ブラケット。
【請求項22】
前記設置用クリップが、前記基部の方を向く第1の壁及び前記取付部分を備える第2の壁を備える「L」形のブラケットを備え、前記第1の壁が前記基部の方に延在する凹形部分を備え、前記ナットが前記凹形部分の中に配置される、請求項21に記載の設置用ブラケット。
【請求項23】
前記設置用クリップが前記係合位置にある場合、前記ボルトが前記設置用クリップの前記凹形部分からはずれるようには延在しない、請求項22に記載の設置用ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電子部品ハウジングを設置用レールに取り付けるための設置用ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス制御装置などの電子部品のための構成要素ハウジングは、しばしば、装置キャビネットなどの内部に位置する金属の設置用レールの上に設置される。
【0003】
DINレールは、プロセス制御産業で広く使用される規格化された設置用レールである。DINレールは多数の規格化された形状で供給される。トップ・ハットDINレールは、互いに同一平面内にある、レールの長さだけ延びている外側に延在するフランジを有する。C断面のDINレールは、互いに同一平面内にある、レールの長さだけ延びている内側に延在するフランジを有する。G断面のDINレールは、互いに平行であるが同一平面内にない、レールの長さだけ延びている内側に延在するフランジを有する。
【0004】
DINレール上に設置されるための構成要素ハウジングは、通常、構成要素ハウジングをDINレールに設置する、ハウジングの底部に位置するDINレール保持用ラッチ(DIN rail retention latch)を有する。DINレールに取り付けられるとき、構成要素ハウジングは、DINレール・フランジによって画定される平面に対して垂直である方向において、DINレールから離れるように高さ方向に延在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
構成要素ハウジングをレールに設置するための、標準のDINレールなどの設置用レールに取り付けられ得る設置用ブラケットが開示される。開示される設置用ブラケットは、DINレールに取り付けられるように構成される場合、ハウジングの高さ寸法を、DINレール・フランジによって画定される平面に平行な平面内で方向付ける。これにより、電子部品をDINレールに単に直接に取り付ける場合と比較して、電子部品を装置キャビネット内で位置決めすることにおいて使用者がより高い自由度を得ることが可能となる。
【0006】
開示される設置用ブラケットがさらに、DINレール・フランジの平面に対して垂直である回転軸に対して構成要素ハウジングの角度方向を多様な位置にするように選択的に位置決めすることが可能となり、それにより、キャビネット内でレールが水平に設置されるか又は垂直に設置されるかにかかわらず、電子部品をキャビネット内で位置決めすることにおける自由度が向上する。
【0007】
本開示による設置用ブラケットが設置用クリップ及び基部を有する。設置用クリップは、構成要素ハウジングを設置用クリップに取り付ける取付部分を有する。基部は、第1の側、反対の第2の側、及び第2の側上にあるラッチを有する。ラッチが基部を設置用レールに取り付けることができる。
【0008】
設置用クリップが基部に回転可能に取り付けられ、軸を中心として回転可能であり、同時に、軸方向において、基部に対して、軸に平行に、基部に向かうように及び基部から離れるように、移動可能である。設置用クリップは、基部から離間される係合解除位置と、基部に隣接する係合位置との間で軸方向において移動可能である。
【0009】
設置用クリップは、係合解除位置にあるとき、設置用クリップを基部に対して選択された角度位置にするように選択的に方向付けるために、軸を中心として回転可能である。設置用クリップがさらに、係合解除位置にあるとき、設置用クリップを選択された角度位置で維持しながら、軸方向において係合位置まで移動可能である。設置用クリップが係合位置にあるが設置用クリップが選択された角度位置にあるとき、設置用クリップ及び基部が協働して、選択された角度位置から離れようとする設置用クリップの有意な回転に抵抗する。
【0010】
設置用ブラケットの可能な実施例では、設置用クリップ及び基部がナット・ボルトによって取り付けられる。ボルトは、係合解除位置と係合位置との間で設置用クリップを移動させるために回転させられ得る。
【0011】
設置用ブラケットの他の可能な実施例では、設置用クリップが係合位置にあり同時に設置用クリップが選択された角度位置にあるとき、設置用クリップ及び基部が協働してそれらの間に回転不可の接続部を形成する。回転不可の接続部は、選択された角度位置から離れようとする設置用クリップの回転(公差などによって生じるわずかな遊びは一切含まない)に抵抗する。
【0012】
設置用ブラケットの他の可能な実施例では、設置用クリップは、基部を使用することなく構成要素ハウジングを平坦なパネルに設置するように設計される。
【0013】
特には1つ又は複数の例示の実施例を示す添付図面と併せて、本記述が進むにつれて、本開示の他の目的及び特徴が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】設置用クリップが基部に対してゼロ度の位置にある状態の、本開示による第1の実施例の設置用ブラケットを示す斜視図である。
図2図1と同様であるが、設置用クリップが90度の位置にある状態を示す図である。
図3図1と同様であるが、設置用クリップが180度の位置にある状態を示す図である。
図4図1と同様であるが、設置用クリップが270度の位置にある状態を示す図である。
図5図1に示される設置用ブラケットを示す左側正面の分解斜視図である。
図6図1に示される設置用ブラケットを示す右側背面の分解斜視図である。
図7図1に示される基部の基部プレートの正面を示す斜視図である。
図8図7に示される基部プレートを示す背面斜視図である。
図9図1に示される設置用クリップを示す側面図である。
図10図9に示される設置用クリップを示す背面図である。
図11図1で見られる形の、図1に示される設置用ブラケットを示す分解図である。
図12】設置用クリップが係合解除位置にある状態の、図11に示される設置用ブラケットを示す正面図である。
図13図12の線13-13に沿う断面図である。
図14図13と同様の、設置用クリップが係合位置にある状態を示す断面図である。
図15】順番に、図15に示されるゼロ度の位置から図18に示される270度の位置までの、図1に示される設置用ブラケットの設置用クリップの位置の変化を示す図である。
図16】順番に、図15に示されるゼロ度の位置から図18に示される270度の位置までの、図1に示される設置用ブラケットの設置用クリップの位置の変化を示す図である。
図17】順番に、図15に示されるゼロ度の位置から図18に示される270度の位置までの、図1に示される設置用ブラケットの設置用クリップの位置の変化を示す図である。
図18】順番に、図15に示されるゼロ度の位置から図18に示される270度の位置までの、図1に示される設置用ブラケットの設置用クリップの位置の変化を示す図である。
図19図9と同様であるが、構成要素ハウジングを保持する設置用クリップを示す図である。
図20図19に示される設置用クリップを示す正面図である。
図21図20と同様であるが180度反転した構成要素ハウジングを示す図である。
図22図21と同様であるが、設置用クリップがゼロ度の位置にある状態の、DINレールに取り付けられた設置用ブラケットを示す図である。
図23図20と同様であるが、設置用クリップがゼロ度の位置にある状態の、DINレールに取り付けられた設置用ブラケットを示す図である。
図24図22と同様であるが、90度の位置にある設置用クリップを示す図である。
図25】ねじにより平坦なパネルに直接に取り付けられ得る第2の実施例の設置用クリップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1~4は、本開示による可変幾何形状の設置用ブラケット10の実施例を示す。設置用ブラケット10は、基部12、設置用クリップ14、及び設置用クリップを基部に取り外し可能に取り付ける締結具組立体16を有する。
【0016】
後でより詳細に説明するように、示される設置用ブラケット10は、基部12に対して、互いに90度離れた4つの異なる角度位置のうちの任意の1つの角度位置まで、設置用クリップ14を回転させることを可能にする。図1は、基部に対してゼロ度の位置にある設置用クリップを示す。図2は、基部に対して90度の位置にある設置用クリップを示す。図3は、基部に対して180度の位置にある設置用クリップを示す。図4は、基部に対して270度の位置にある設置用クリップを示す。
【0017】
図5及び6が設置用ブラケット10の分解図である。設置用ブラケット10は、構成要素ハウジング(図示せず)をDINレール(図示せず)に設置する。基部12は、設置用ブラケットをDINレールに設置する。基部は、概略U形の基部プレート18、及び基部プレートに取り付けられるDINレール保持用ラッチ20を有する。ラッチが基部プレートをDINレールに取り付ける。
【0018】
基部プレート18が図7及び8に示される。基部プレートは、概略平坦な第1の側又は表面24及び反対側の平坦な側26を有するプレート部分22を有する。基部プレートは第1のプレート端部28と反対側の第2のプレート端部30との間を横方向に延在する。第1の側壁32は、プレート部分の一方の側面に沿って第1の表面24から離れるように高さ方向で延在し、同様の第2の側壁34は、プレート部分の他方の側面に沿ってように高さ方向で延在する。各側壁は、最初第1のプレート端部から第2のプレート端部の方に側壁が延在する段階において、一定の壁高さを有し、さらに、第2のプレート端部まで延在する段階において減少した壁高さを有する。DINレール保持用ラッチ20が基部プレート18に取り付けられ、基部プレートの第2の側26に位置する(図5及び6も参照されたい)。示されるラッチは、基部プレート18を35mmのトップ・ハットDINレールに取り付けるように構成される。
【0019】
ラッチ20は、固定されるラッチ部材36、及び相対的に移動可能であるラッチ部材38を有する。移動可能であるラッチ部材は、基部プレートの第2の側にあるチャンネル部材40により基部プレートの第2の側に取り付けられる。固定されるラッチ部材及び移動可能であるラッチ部材は、DINレールのフランジを受ける調整可能幅のチャンネルをそれらの間に画定する。ラッチは、基部プレートの第2の側に配置される固定されるばね止め部44と、移動可能であるラッチ部材上で担持される移動可能であるばね止め部46との間で捕捉される圧縮ばね42を有する。圧縮ばねは、移動可能であるラッチ部材を固定されるラッチ部材の方に付勢し、それにより基部プレートをDINレールに堅固に掛合することが保証される。ラッチ止め部材47は、基部プレートの第2の側からラッチばね止め部44の移動経路内を延在し、それにより移動可能であるラッチ部材の閉位置を画定する。
【0020】
部材をDINレールの取り付けるための他のラッチ構成も知られており、ラッチ20として使用されるように適合され得る。ラッチは、基部プレートをより大きい又はより小さいトップ・ハットDINレールに取り付けるように、或いは基部プレート18を、C断面のDINレール、G断面のDINレール、又は他の設置用レールに取り付けるように、構成され得る。
【0021】
示される基部12が35mmのトップ・ハットDINレールに取り付けられることを理由として、基部プレートの両側の側面上の一対のレール支持タブ49が第2の側26から離れるように下方に延在する。タブがDINレールを密接に受け、DINレール上で設置用ブラケット10を支持することにおいてDINレール保持用ラッチ20を支援する。
【0022】
固定されるラッチ部材36、チャンネル部材40、固定されるばね止め部44、ラッチ止め部材47、及びレール支持タブ49は、各々、基部プレート18を形成する一体の板金プレートから打ち抜かれる。
【0023】
設置用クリップ14が図9及び10に示される。設置用ブラケット10によりDINレールに取り付けられることになる構成要素ハウジングが設置用クリップに取り付けられて設置用クリップによって担持される。設置用クリップは、第1の平坦なプレート又は壁部分48、及び第2の平坦なプレート又は壁部分50を有し、各壁部分の形状が概略長方形である。第1及び第2の壁部分が設置用クリップの「L」形のブラケット52を画定し、第2の壁部分が第1の壁部分に対して垂直である。示される設置用クリップは、第1及び第2の壁部分と協働して設置用クリップの「U」形のブラケット56を画定する第3の平坦なプレート又は壁部分54をさらに有する。第3の壁部分が第1の壁部分の方を向き、第1の壁部分と平行であり、第2の壁部分に対して垂直である。さらに図5及び6を参照されたい。
【0024】
後でより詳細に説明するように、構成要素ハウジングは、設置用クリップによって画定されるブラケットに取り付けられる。示される設置用クリップでは、構成要素ハウジングが第1の壁部分48と第3の壁部分54との間で密接に受けられ、ブラケット56の第2の壁部分50上で支持される。設置用クリップ14は、第1の壁部分と第3の壁部分との間の一様な幅の隙間を、所与のハウジング厚さの構成要素ハウジングを密接に受けるようにサイズ決定することになるように、設計され得る。
【0025】
構成要素ハウジングを設置用クリップ14内で保持して固定するのをさらに支援するために、第3の壁部分54の上側自由端部分58が円形のビード・プロフィール又は接触ノーズ・プロフィール60を有する。ビード・プロフィールが第3の壁部分と第1の壁部分48との間の一様な幅の隙間の中まで延在し、第1の壁部分と第3の壁部分との間に空隙のより狭い部分を画定する。構成要素ハウジングが第1の壁部分と第3の壁部分と間で密接に受けられるとき、ビード・プロフィールが構成要素ハウジングにより第1の壁部分48から離れる方向に弾性的に歪み、それにより第1の壁部分とビード・プロフィールとの間で構成要素ハウジングの締まり嵌めを確立し、それにより設置用クリップによって担持されるときの構成要素ハウジングの変位に抵抗する。
【0026】
設置用クリップ14を基部12に取り外し可能に取り付けることに加えて、締結具組立体16は、基部に対して取り付けられた設置用クリップの角度方向を選択的に変化させることを可能にする。後でより詳細に説明するように、締結具組立体16は、基部に対して所定の角度方向で設置用クリップを基部に取り付けるときに設置用クリップと基部との間に回転不可の接続部をさらに形成する。
【0027】
締結具システム16は、ナット64にねじ係合されるボルト62を有する。図5~10を参照されたい。示される実施例では、ボルトが基部12に取り付けられ、ナットが設置用クリップ14に取り付けられる。
【0028】
ボルト62は、拡大ボルト頭66及びねじ切りされたシャンク68を有する。ボルトは、固定されるラッチ部材36とラッチ止め部材47との間に位置する、基部プレート18内の孔70を通って延在する。ボルト頭が基部プレートの第2の側26にあり、ボルト・シャンクがボルト頭から離れるように孔70を通って延在し、シャンクのねじ切りされた部分は、基部の第1の側24から離れるように、基部12から離間される自由端まで、外側に延在する。シャンクは、基部の第1の表面24に対して垂直である長手方向軸71を画定する。ボルトがキャプティブ・ファスナとして基部プレート18によって回転可能に保持され、それにより、ボルトの回転が基部に対してボルト軸に沿うボルトの平行移動を引き起こさないようになる。ボルト頭は、ドライバ又は同様の工具によりボルト頭にトルクを加えることを可能にする溝付きの丸平頭である。ボルト頭が固定されるラッチ部材36と移動可能であるラッチ部材38との間に配置され、移動可能であるラッチ部材がラッチ止め部材47に接触する状態でその閉位置にあり且つ基部12がDINレールに取り付けられていない場合、ドライバによりアクセス可能となる。
【0029】
ナット64は、設置用クリップ14の第1の壁部分48内に形成される概略錐台形状の凹部72の中に設置される。この凹部は、第3の壁部分54から離れる方向に、平坦な平面的凹形壁部分74まで、延在する。孔76が凹形壁部分を通って延在する。ナットは、第3の壁部分の方を向く側で凹形壁部分に固定的に取り付けられる。ナットが孔76に位置合わせされ、それによりボルトが孔76を通って延在してナットにねじ係合されることが可能となる。
【0030】
ナット64をボルト62の上にねじ込むことにより設置用クリップ14及び基部12が接続される。ボルトの回転は、ボルトの長手方向軸に沿わせて、基部の方に又は基部から離れる方向に設置用クリップを平行移動させることを可能にする。設置用クリップは、ボルトの回転中に基部に対して固定された角度方向で手で保持し、設置用クリップをボルトに沿って平行移動させ、一方平行移動中に固定された角度方向が維持することができる。
【0031】
設置用クリップの錐台形状の凹部72は、設置用クリップが基部に接近するとき、設置用クリップの角度方向に関係なく、基部プレート18の第1の側壁32と第2の側壁34との間で受けられるようにサイズ決定される。基部の方に向かう設置用クリップの平行移動は、基部プレートの平坦な第1の表面24に係合される設置用クリップ凹部の平坦な凹形壁部分74によって制限される。凹形壁部分が基部プレートに係合されるとき、設置用クリップの第1の壁部分48の非凹形部分が基部プレートの第1の側壁32及び第2の側壁34の上に重なる。
【0032】
上述したように、締結具組立体16が設置用クリップ14を基部12に対して押圧することができ、それにより、基部に対して設置用クリップの任意の所望の角度方向で、基部に対して設置用クリップを固定する。ナット64とボルト62との間の摩擦及び設置用クリップの凹形壁部分74と基部プレートの第1の表面24との間の摩擦は、設置用クリップと基部との間の相対回転に抵抗する。ナットとボルトとの間のねじ接続は、基部から離れる方向の設置用クリップの平行移動に抵抗する。
【0033】
しかし、示される実施例の締結具組立体16は、基部に対して所定の角度方向となるように設置用クリップを方向付けた場合に上述したように締結具組立体により基部に接触させた状態で設置用クリップを保持するときに、設置用クリップ14と基部12との間に回転不可の接続部を画定する構造をさらに有する。示される締結具組立体は、図1~4に示される、基部に対して4つの角度方向のうちの任意の1つの角度方向に配置される設置用クリップとの回転不可の接続部を形成する。示される設置用ブラケットが4つの角度方向を互いに90度離すことを可能にする。締結具組立体の他の可能な実施例は、3つ以下の又は5つ以上の角度位置で回転不可の接続部を形成することもできるか、或いは一様に90度離間されるのではなく異なる形で離間される角度位置を有する形で回転不可の接続部を形成することもできる。
【0034】
基部プレート18の第1の側壁32及び第2の側壁34は、各々、対応する側壁に沿って制限される距離で延在する、高さの増大する同様の平行なボス又はタブ78を各々有する。設置用クリップ14は、第1の壁部分48の両側部において又は両側部に隣接するところにおいて、互いに反対側に配置されて横方向に延在し、それぞれの側方縁部から内側に延在する、一対の同様の第1の貫通スロット80を有する。設置用クリップ14は、壁表面によって囲まれて壁部分の厚さ方向に延在する、第1の壁部分48の側方縁部の間の中央に配置される一対の同様の第2の貫通スロット82をさらに有する。第2のスロット82が互いに反対側に配置され、第1のスロット80と共に正方形を画定するように構成され、各スロットが正方向のそれぞれの辺の中央に配置される。
【0035】
スロット80及びスロット82の各々は、ボス78を密接に受けるようにサイズ決定され、それにより、基部に接して設置用クリップが固定されるときに設置用クリップ14と基部12との間に回転不可の接続部を形成する。
【0036】
図1~4に示されるように、設置用クリップは、基部に接して設置用クリップが固定されるときに設置用クリップと基部との間に回転不可の接続部を形成するように、互いから90度離れる4つの異なる角度位置の1つの角度位置に配置され得る。図1に示される設置用クリップのゼロ度の位置及び図3に示される設置用クリップの180度の位置では、基部のボスが設置用クリップのそれぞれの第1のスロット80の中で受けられる。
【0037】
図11が基部プレート18に対してゼロ度の位置にある設置用クリップ14を示すが、設置用クリップが基部プレートから離間されて基部プレートから係合解除されている。第1のスロット80が軸方向においてそれぞれのボス78に位置合わせされてそれぞれのボス78の上に重なる。ボスが設置用クリップの幅から実質的に離間されることを理由として、第1のスロット80が設置用クリップの第1の壁部分48の側に沿ってその中まで延在するノッチとして形成される。
【0038】
図12及び13は、図11と同様に基部プレート18に対してゼロ度の位置にある設置用クリップ14を示すが、ボルト62がナット64の中にねじ込まれ始めている状態である。設置用クリップ14が基部プレート18から離間され、基部プレートに対して任意の所望の角度方向に配置され得る。
【0039】
設置用クリップ14及び基部12の相対的な角度方向を維持しながらボルト62を回すことにより、設置用クリップがボルト軸71に沿って基部プレートの方に平行移動し、基部プレートに係合される。
【0040】
図14は、基部プレート18に係合された設置用クリップ14を示す。平坦な凹形壁74が基部プレートの平坦な第1の表面24に接触している。ボス78がそれぞれのノッチ80の中で密接に受けられる。ノッチの方を向く設置用クリップの表面がボスと協働して設置用クリップと基部との間に回転不可の接続部を形成する。設置用クリップの凹形壁部分74の深さは、ナット64を通過させるが、構成要素ハウジングを受ける一様な幅の隙間の中までは延在しないように、ボルト62を延在させることを可能にする。
【0041】
設置用クリップ14が基部12に対して180度の位置に配置されるとき、第1のスロット80がそれぞれの反対側のボス78に軸方向において位置合わせされてそれぞれの反対側のボス78の上に重なり、それにより基部に対して設置用クリップが係合されるときに設置用クリップと基部との間に回転不可の接続部を形成する。
【0042】
図2に示される設置用クリップ14の90度の位置及び図4に示される設置用クリップの270度の位置では、設置用クリップの第2のスロット82が最初にそれぞれのボス78に軸方向において位置合わせされてそれぞれのボス78の上に重なり、ボルトの上に設置用クリップがねじ込まれて基部に対して設置用クリップが係合されるときにボス78が第2のスロットの中で密接に受けられる。設置用クリップの第1の壁部分48の横方向の長さがボスの間の幅より大きいことから、第2のスロット82の各々が設置用クリップの環状壁によって完全に囲まれる。第2のスロットの境界を画定する設置用クリップの表面は、ボスと協働して、設置用クリップと基部との間に回転不可の接続部を形成する。
【0043】
設置用ブラケット10がDINレールに取り付けられる前に、設置用クリップ14が所望の角度方向で基部12に固定される。これにより、基部に対して設置用クリップを締め付けるためにボルト頭66にアクセスすることが可能となる。ボルト頭に再びアクセスすることを可能にするために設置用ブラケットをDINレールから取り外すことにより、設置用クリップが基部に対して再配置され得る。
【0044】
図15~18は、図1に示されるゼロ度の位置から図3に示される270度の位置まで設置用クリップ14を再方向付けするステップを示す。ボルトが緩み方向に回され、それにより図16の矢印によって示されるように基部プレート18から離れるように設置用クリップを平行移動させ、それにより設置用クリップと基部との間の回転不可の接続部を解除する。この時点で、設置用クリップがボルト軸を中心として回転することができる。設置用クリップが図16に示されるゼロ度の位置から図17に示される270度の位置まで回転させられる。次いで、ボルトが締め方向に回され、それにより図18の矢印によって示されるように設置用クリップを基部プレートの方に平行移動させる。設置用クリップ及び基部プレートは、図18に示されるように基部プレートに対して方向付けられる設置用クリップとの別の回転不可の接続部を形成する。
【0045】
図19は、構成要素ハウジングを担持する設置用クリップ14を示す(この図では構成要素ハウジングが破線で示される)。構成要素ハウジングが第1の壁部分48と第3の壁部分54との間の隙間の中で密接に受けられる。
【0046】
示される設置用クリップ14は、構成要素ハウジングを35mmのトップ・ハットDINレールに取り付けることができるDINレール保持用ラッチを有する構成要素ハウジングを担持することを意図される(簡潔にするために、構成要素ハウジング・ラッチが図面に示されない)。設置用クリップの第2の壁部分50が平坦であり、DINレールのフランジを横断する幅と等しい、その側方縁部の間の幅を有する。第2の壁部分が構成要素ハウジング・ラッチによって受けられ得、それにより構成要素ハウジングが設置用クリップに取り付けられる。
【0047】
設置用クリップ14の他の実施例は、DINレール保持用ラッチによる取り付けの代わり又は代替形態として、構成要素ハウジングを設置用クリップ14に取り付けるための、孔、スロット、或いは他の取付構造又は締結具を有することができる。
【0048】
構成要素ハウジングが接触ノーズ・プロフィール60を押圧し、第3の壁部分54を弾性的に歪め、接触ノーズ・プロフィールにより、構成要素ハウジングを第1の壁部分48の方に付勢するばね力を加えることが可能となる。
【0049】
図20及び21は、DIN保持用ラッチにより設置用クリップの第2の壁部分50に設置される構成要素ハウジングを示す。ラッチが設置用ブラケット・ラッチ20に類似する。図20が設置用クリップ14に取り付けられた構成要素ハウジングを示し、図に見られるように、その固定されるラッチ部材が設置用クリップの左側にある。図22が設置用クリップに取り付けられた構成要素ハウジングを示しているが、図に見られるように、その固定されるラッチ部材が設置用クリップの右側にある。つまり、構成要素ハウジングが180度離される2つの方向のうちの1つの方向において設置用クリップに取り付けられ得、それにより装置キャビネットの中で所望の方向で構成要素ハウジングを設置することにおける柔軟性が向上する。
【0050】
図22及び23は、35mmのトップ・ハットDINレールに対してこの柔軟性を示す。各図は、DINレールに取り付けられて構成要素ハウジングを担持する設置用ブラケット10の一部分を形成する設置用クリップを示す。設置用クリップが図1に示されるゼロ度の位置で方向付けられる。図22及び23は、それぞれ、図21及び20に示される方向で設置用クリップに取り付けられた構成要素ハウジングを示す。
【0051】
図22及び23で見ることができるように、構成要素ハウジングは、DINレール・フランジによって画定される平面と平行な平面(図面の紙の平面に平行)内で、ラッチから離れるように高さ方向に延在する。図23及び24で見ることができるように、構成要素ハウジングの設置用ブラケットの角度位置は、構成要素ハウジングの長さ寸法をDINレールの長手方向軸に対して多様な角度方向に方向付けるように選択され得る。したがって、構成要素ハウジングは、DINレール図24に示されるように水平であるか又は垂直であるかにかかわらず、図24に示されるように装置キャビネット内で方向付けられ得る。
【0052】
示される設置用クリップ14及び図25に示される類似の第2の実施例の設置用クリップ114は、各々、基部12とは無関係に、ナット64を使用することなく、設置用クリップを使用することを可能にする同様の追加の設置構造を有する。第1の設置用クリップ14及び第2の設置用クリップ114の対応する構成要素を示すのに同じ参照符号が使用される。第1の設置用クリップ14及び第2の設置用クリップ114の各々は、第1の壁部分48の自由部分に配置される追加の取付部分84を有する(図9で最も良好に見ることができる)。追加の取付部分は、平坦な凹形壁部分74から離間されて平坦な凹形壁部分74と同一平面内にある第2の平坦な平面壁部分86を有する。貫通孔88が平坦な壁部分86を通って延在する。設置用クリップの第3の壁部分54は、締結具組立体の設置用クリップ貫通孔76と同軸である拡大された貫通孔90を有する。第1の実施例の設置用クリップ14の拡大された貫通孔90が正方形の孔である(図5を参照)。第2の実施例の設置用クリップ114の拡大された貫通孔90が円形の貫通孔である(第1の設置用クリップ14と第2の設置用クリップ114との間の唯一の違いである)。
【0053】
設置用クリップ14又は設置用クリップ114のみを使用するために、設置用クリップの平坦な壁部分74及び第2の平坦な壁部分が平坦なパネル又は同様の設置構造に接触するように配置される。図25に示されるように設置用クリップをパネルに設置するために、ねじが締結具孔76及び取付用貫通孔88の中へ前進させられ得る。
【0054】
35mmのトップ・ハットDINレールより広いか、より狭いか、或いは35mmのトップ・ハットDINレールとは異なるDINレールの幾何形状に構成要素を取り付けるためにDINレール保持用ラッチを有する構成要素ハウジングを担持することに対処するために多様な全幅を有するか又は多様な第2の壁部分構成/幅を有する設置用クリップを、同じ基部12と共に使用されるように設計することができ、35mmのトップ・ハットDINレールに対してこの構成要素ハウジングを取り付けることを可能にする。より広い設置用クリップの中に形成される第1のスロット80は、各々、設置用クリップの環状壁によって完全に囲まれ得る。より狭い設置用クリップは、設置用クリップ14と共に使用されるために第1の壁部分48と同じ幅を維持することができるが、構成要素ハウジング・ラッチに対応するために狭い第2の壁部分50を有することができる。
【0055】
設置用クリップが追加の取付部分84を有さない場合、第2のスロット82のうちの1つの第2のスロットは、設置用の第1の壁部分48の上側縁部に沿うように配置されるノッチとして形成され得る。他の実施例のデザインは、所与の基部と共に使用されるために多様な形で設置用クリップを設計することができる(例えば、設置用クリップがボスの間の距離より狭い場合、より狭い幅を有する設置用クリップは、90度の方向と270度の方向のみにおいて基部と回転不可の接続部を形成することができる)。
【0056】
設置用ブラケットの設置用クリップと基部との間に回転不可の接続部を形成するための他の構造も可能である。例えば、基部プレートは、基部プレートの第1の表面から離れる方向に延在して、設置用クリップの凹形壁部分内に形成される対応するスロット又は窪みの中で受けられるタブを有することができる。
【0057】
本開示は詳細に説明される1つ又は複数の例示の実施例を含むが、これらの1つ又は複数の実施例の各々が修正され得ることと、本開示の範囲は、本明細書に記載される正確な細部のみに限定されず、材料選択、サイズ、動作範囲、設置用クリップと基部との間に回転不可の接続部を形成する、基部に対して設置用クリップの角度位置の数及びロケーション、使用環境、構成要素ハウジングの設置構造など、締結具、の変化を含めた、並びに以下の特許請求の範囲に含まれるような変化及び代替形態を含めた(しかし、これらのみに限定されない)、当業者には明らかであるような修正形態も含むことと、を理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【手続補正書】
【提出日】2021-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素ハウジングを設置用レールに取り付けるための設置用ブラケットであって、前記構成要素ハウジングは、当該構成要素ハウジングを前記設置用レールにラッチすることができるラッチを有するタイプであり、前記設置用ブラケットは、
設置用クリップ及び基部を備え、前記設置用クリップは、前記構成要素ハウジングを運搬するためのものであり、前記設置用クリップは、L字型ブラケットを備え、当該L字型ブラケットは、前記基部に面する第1の壁と、当該第1の壁から前記基部から離れるように横方向に延びる第2の壁と、を含み、前記第2の壁は、前記構成要素ハウジングを前記設置用ブラケットに取り付けるために、前記構成要素ハウジングのラッチが前記第2の壁にラッチすることを可能にするように構成されており、
前記基部が、第1の側、反対の第2の側、及び前記第2の側にあるラッチを備え、前記ラッチが、前記基部を前記設置用レールに取り付けることができ、
前記設置用クリップが前記基部の前記第1の側にあり、軸方向において、前記基部に対して、軸に沿って、前記基部の前記第1の側に向かうように及び前記基部の前記第1の側から離れるように、移動可能であり、前記設置用クリップが、前記基部の前記第1の側から離間される係合解除位置と、前記基部の前記第1の側により接近する係合位置との間で、軸方向において移動可能であり、
前記設置用クリップが、前記係合解除位置にあるとき、前記基部に対して2つ以上の選択可能な角度位置まで前記軸を中心として選択的に位置決め可能であり、前記選択可能な角度位置が互いに角度的に離間され、
前記設置用クリップが前記係合解除位置にあり、前記設置用クリップが前記選択可能な角度位置のうちの任意の1つの角度位置にあると、前記設置用クリップが、前記選択可能な角度位置の1つで前記設置用クリップを維持しながら前記係合位置まで移動可能であり、
前記設置用クリップが、前記係合位置にあるとき、前記選択可能な角度位置のうちの任意の1つの角度位置において、前記基部と協働して、前記設置用クリップと前記基部との間に回転不可の接続部を形成し、それにより前記軸を中心とした前記設置用クリップの回転に抵抗する、設置用ブラケット。
【請求項2】
前記設置用クリップのブラケットが、前記第1の壁から離間されて前記第1の壁の方を向く第3の壁を備え、前記第2の壁が前記第1の壁及び前記第3の壁を接続し、前記第1の壁、前記第2の壁及び前記第3の壁が協働してU形のブラケットを画定し、
前記設置用クリップの前記第1及び第3の壁がそれらの間に隙間を画定し、前記第3の壁が前記隙間の中まで延在する接触ノーズ・プロフィールを備え、前記接触ノーズ・プロフィールのところで前記隙間が狭くなっている、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項3】
前記設置用クリップを前記基部に取り付ける締結具組立体を備え、前記締結具組立体が、前記設置用クリップ及び前記基部の一方に取り付けられるボルトであって、前記軸を画定する、ボルトと、前記設置用クリップ及び前記基部の他方に取り付けられるナットとを備え、前記ナットが前記ボルトに沿ってねじ込まれ、
前記ボルトが前記設置用クリップ及び前記基部の前記一方によって保持されるキャプティブ・ファスナであり、それにより、前記軸を中心とした前記ボルトの回転が前記軸に沿う前記ボルトの平行移動を引き起こさないようになる、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項4】
前記ボルトが前記基部に取り付けられ、前記ナットが前記設置用クリップに取り付けられ、前記ボルトが、前記ボルトの端部にある拡大ボルト頭と、前記ボルトの反対側の端部にあるねじ切りされたシャンクとを備え、前記ボルトの頭が前記基部の前記第2の側にあり、前記シャンクが、前記基部の前記第1の側から離れる方向に、前記ボルトの前記反対側の端部まで延在する、請求項3に記載の設置用ブラケット。
【請求項5】
前記設置用クリップの前記第1の壁が、前記基部の方に延在する凹形部分を備え、前記ナットが前記凹形部分の中に配置され、前記設置用クリップが係止位置にあるときに、前記ボルトが前記設置用クリップの凹形部分から出ないようにする。る、請求項4に記載の設置用ブラケット。
【請求項6】
前記設置用ブラケットが設置用レールに取り付けられない場合、前記ラッチが非掛合状態にあり、前記ラッチが前記非掛合状態にある場合、前記ボルトの頭が、前記ボルトの頭にトルクを加えるように構成される工具によってアクセス可能となる、請求項4に記載の設置用ブラケット。
【請求項7】
前記基部及び前記設置用クリップが協働して、前記設置用クリップが前記係合位置にある場合に、それらの間に回転不可の接続部を形成する、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項8】
前記設置用クリップ及び前記基部の一方が軸方向に延在する1つ以上のタブを備え、前記1つ以上のタブが前記設置用クリップ及び前記基部の他方に係合され、それにより協働して前記設置用クリップと前記基部との間に前記回転不可の接続部を形成する、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【請求項9】
前記設置用クリップ及び前記基部の前記他方が1つ以上のスロットを備える一方で前記1つ以上のタブを備えず、前記1つ以上のタブが前記1つ以上のスロットの中で受けられ、それにより協働的に前記設置用クリップと前記基部との間に前記回転不可の接続部を形成する、請求項8に記載の設置用ブラケット。
【請求項10】
前記設置用ブラケットの第2の壁は、前記構成要素ハウジングのDINレールリテンションラッチに受けられて、保持されるように構成されている、請求項1に記載の設置用ブラケット。
【国際調査報告】