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特表2022-531679デバイス測位方法、装置、及びデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-08
(54)【発明の名称】デバイス測位方法、装置、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220701BHJP
   G06T 17/05 20110101ALI20220701BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G06T7/00 650A
G06T17/05
G09B29/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565799
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 CN2020075069
(87)【国際公開番号】W WO2020224305
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】201910377570.5
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520291939
【氏名又は名称】北京市商▲湯▼科技▲開▼▲發▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SENSETIME TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 1101-1117,11th Floor No.58 Northwest 4th Ring Road, Haidian District Beijing 100080 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】付 万▲増▼
(72)【発明者】
【氏名】王 哲
(72)【発明者】
【氏名】石 建萍
【テーマコード(参考)】
2C032
5B050
5L096
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC08
5B050AA10
5B050BA17
5B050DA04
5B050DA10
5B050EA09
5B050EA13
5B050EA27
5L096BA04
5L096CA02
5L096EA14
5L096FA69
(57)【要約】
本明細書の実施例は、デバイス測位方法、装置、及びデバイスを提供する。ここで、デバイス測位方法は、デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得ることと、前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識することと、前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定することと、前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得ることと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス測位方法であって、
デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得ることと、
前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識することと、
前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定することと、
前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得ることと、を含む
ことを特徴とするデバイス測位方法。
【請求項2】
前記地図を構築することは、
収集車両を利用して道路の地図道路画像を収集することと、
前記地図道路画像内の地図道路要素の属性情報を認識することと、
前記地図道路要素の属性情報に基づいて前記地図を構築することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス測位方法。
【請求項3】
前記地図を構築することは、
高精度地図内の地図道路要素のセマンティック情報と位置情報を取得することと、
前記地図道路要素のセマンティック情報と位置情報に基づいて前記地図を構築することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス測位方法。
【請求項4】
前記予め構築した地図は、セマンティック地図である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項5】
前記オフセット情報は、測位オフセット量を含み、
前記感知道路要素の属性情報および前記予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の前記地図道路要素との間の前記オフセット情報を確定することは、
前記感知道路要素の属性情報に基づいて、前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定することと、
ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との同じデバイスの座標系における位置情報を確定することと、
前記位置情報に基づいて、前記ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の前記測位オフセット量を確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項6】
前記感知道路要素の属性情報に基づいて前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている前記地図道路要素を確定することは、
前記地図内で、前記初期測位情報に基づいて予め設定された範囲内の地図道路要素を検索することと、
前記感知道路画像内の1つまたは複数の感知道路要素および前記予め設定された範囲内の1つまたは複数の地図道路要素に対して、属性情報に基づいてペアリングを実行して、複数のペアリングスキームを得ることと、
各前記ペアリングスキームの信頼度を確定することと、
前記複数のペアリングスキームの中の信頼度が一番高いか信頼度が所定の閾値を超えるペアリングスキーム中で、前記感知道路要素とペアになっている前記地図道路要素を確定することと、を含み、
異なるペアリングスキーム中の少なくとも1つの感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とのペアリング方法が、異なる
ことを特徴とする請求項5に記載のデバイス測位方法。
【請求項7】
前記感知道路画像内の感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とに対してペアリングを実行することは、
前記感知道路画像内の1つの感知道路要素が、前記予め設定された範囲内の地図道路要素とペアになっていると確定できないことに応答して、ペアリング待ちの地図道路要素中で空の要素または仮想要素を設定して当該感知道路要素とペアリングを実行することを含む
ことを特徴とする請求項5または6に記載のデバイス測位方法。
【請求項8】
各前記ペアリングスキームの前記信頼度を確定することは、
各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの個々の類似度をそれぞれ確定することと、
各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの全体的な類似度を確定することと、
各前記ペアリングスキームの各体類似度と全体的な類似度に基づいて、各前記ペアリングスキームの前記信頼度を確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項6または7に記載のデバイス測位方法。
【請求項9】
前記測位オフセット量は、座標オフセット量および/または方向オフセット量を含み、
前記測位情報に基づいて前記ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の前記測位オフセット量を確定することは、
前記感知道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、感知サンプリングポイントセットを得ることと、
前記地図道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、地図サンプリングポイントセットを得ることと、
前記感知サンプリングポイントセットと前記地図サンプリングポイントセットのそれぞれに含まれているサンプリング点の間の回転平行移動マトリックスを確定することと、
前記回転平行移動マトリックスに基づいて前記感知道路要素と前記地図道路要素の前記座標オフセット量および前記方向オフセット量を得ることと、を含む
ことを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項10】
前記デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得ることは、
前記デバイス上に装着された視覚センサを利用して前記デバイスが位置している路面の前記感知道路画像を収集することと、
前記デバイス上に装着された衛星測位システムおよび/または慣性測定ユニット(IMU)を利用して前記デバイスの初期測位情報を確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項11】
前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの前記測位情報を得た後に、
得られた前記測位情報と前記初期測位情報とに対して再融合を実行して補正後の前記測位情報を得ることをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項12】
デバイス測位装置であって、
デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得るための取得ユニットと、
前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識するための認識ユニットと、
前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定するための確定ユニットと、
前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得るための補正ユニットと、を備える
ことを特徴とするデバイス測位装置。
【請求項13】
地図構築ユニットをさらに備え、
前記地図構築ユニットは、
収集車両を利用して道路の地図道路画像を収集し、
前記地図道路画像内の地図道路要素の属性情報を認識し、
前記地図道路要素の属性情報に基づいて前記地図を構築する
ことを特徴とする請求項12に記載のデバイス測位装置。
【請求項14】
地図構築ユニットをさらに備え、前記地図構築ユニットは、
高精度地図内の地図道路要素のセマンティック情報と位置情報を取得し、
前記地図道路要素のセマンティック情報と位置情報に基づいて前記地図を構築する
ことを特徴とする請求項12に記載のデバイス測位装置。
【請求項15】
前記予め構築した地図は、セマンティック地図である
ことを特徴とする請求項12~14のいずれか1項に記載のデバイス測位装置。
【請求項16】
前記確定ユニットは、具体的に、
前記感知道路要素の属性情報に基づいて、前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定し、
ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との同じデバイスの座標系における測位情報を確定し、
前記測位情報に基づいて前記ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の測位オフセット量を確定する
ことを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載のデバイス測位装置。
【請求項17】
前記確定ユニットは、前記感知道路要素の属性情報に基づいて前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている前記地図道路要素を確定するときに、具体的に、
前記地図内で、前記初期測位情報に基づいて予め設定された範囲内の地図道路要素を検索し、
前記感知道路画像内の1つまたは複数の感知道路要素および前記予め設定された範囲内の1つまたは複数の地図道路要素に対して、属性情報に基づいてペアリングを実行して、複数のペアリングスキームを得、
各前記ペアリングスキームの信頼度を確定し、
前記複数のペアリングスキームの中の信頼度が一番高いか信頼度が所定の閾値を超えるペアリングスキーム中で、前記感知道路要素とペアになっている前記地図道路要素を確定し、
ここで、異なるペアリングスキーム中の少なくとも1つの感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とのペアリング方法が、異なる
ことを特徴とする請求項16に記載のデバイス測位装置。
【請求項18】
前記確定ユニットは、前記感知道路画像内の感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とに対してペアリングを実行するときに、さらに、
前記感知道路画像内の1つの感知道路要素が、前記予め設定された範囲内の地図道路要素とペアになっていると確定できないことに応答して、ペアリング待ちの地図道路要素中で空の要素または仮想要素を設定して当該感知道路要素とペアリングを実行する
ことを特徴とする請求項16または17に記載のデバイス測位装置。
【請求項19】
前記確定ユニットは、各前記ペアリングスキームの前記信頼度を確定するときに、具体的に、
各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの個々の類似度をそれぞれ確定し、
各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの全体的な類似度を確定し、
各前記ペアリングスキームの各体類似度と全体的な類似度に基づいて、各前記ペアリングスキームの前記信頼度を確定する
ことを特徴とする請求項17または18に記載のデバイス測位装置。
【請求項20】
前記測位オフセット量は、座標オフセット量および/または方向オフセット量を含み、
前記確定ユニットは、前記測位情報に基づいて前記ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の前記測位オフセット量を確定するときに、具体的に、
前記感知道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、感知サンプリングポイントセットを得、
前記地図道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、地図サンプリングポイントセットを得、
前記感知サンプリングポイントセットと前記地図サンプリングポイントセットのそれぞれに含まれているサンプリング点の間の回転平行移動マトリックスを確定し、
前記回転平行移動マトリックスに基づいて前記感知道路要素と前記地図道路要素の前記座標オフセット量および前記方向オフセット量を得る
ことを特徴とする請求項16~19のいずれか1項に記載のデバイス測位装置。
【請求項21】
前記取得ユニットは、具体的に、
前記デバイス上に装着された視覚センサを利用して前記デバイスが位置している路面の前記感知収集画像を収集し、
前記デバイス上に装着された衛星測位システムおよび/または慣性測定ユニット(IMU)を利用して前記デバイスの初期測位情報を確定する
ことを特徴とする請求項12~20のいずれか1項に記載のデバイス測位装置。
【請求項22】
前記補正ユニットは、さらに、
得られた前記測位情報と前記初期測位情報とに対して再融合を実行して補正後の前記測位情報を得る
ことを特徴とする請求項12~21のいずれか1項に記載のデバイス測位装置。
【請求項23】
デバイスであって、
前記デバイスメモリと、プロセッサと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサで運行可能のコンピュータ命令を記憶し、
前記プロセッサは、前記コンピュータ命令が実行されるときに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法によって測位を実行する
ことを特徴とするデバイス。
【請求項24】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記録媒体であって、
前記プログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実現する
ことを特徴とするコンピュータ可読記録媒体。
【請求項25】
コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータ可読コードがプロセッサによって実行されるときに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法が実現される
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ視覚技術の分野に関し、具体的には、デバイス測位方法、装置、及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの分野において、位置は基本的かつ不可欠な情報である。長年にわたり、位置サービスの発展、および、通信とモノのインターネットの発展に伴い、測位に対する要件がますます高まっており、測位技術も一緒に発展している。現在、自動運転技術の発展およびロボットの普及に伴い、測位精度およびリアルタイム性への要件がますます高まっている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つまたは複数の実施例によると、デバイスの測位のための技術的スキームを提供する。
【0004】
第1態様によると、デバイス測位方法を提供し、前記方法は、
デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得ることと、前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識することと、前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定することと、前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得ることと、を含む。
【0005】
第2態様によると、デバイス測位装置を提供し、前記装置は、
デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得るための取得ユニットと、前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識するための認識ユニットと、前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定するための確定ユニットと、前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得るための補正ユニットと、を備える。
【0006】
第3態様によると、デバイスを提供し、前記デバイスメモリと、プロセッサと、を備え、前記メモリは、前記プロセッサで運行可能のコンピュータ命令を記憶し、前記プロセッサは、前記コンピュータ命令が実行されるときに、本発明のいずれか1項に記載の方法によって測位を実行する。
【0007】
第4態様によると、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記録媒体を提供し、前記プログラムがプロセッサによって実行されるときに、本発明のいずれか1項に記載のデバイス測位方法が実現される。
【0008】
第5態様によると、コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムを提供し、
前記コンピュータ可読コードがプロセッサによって実行されるときに、本発明のいずれか1項に記載のデバイス測位方法が実現される。
【0009】
本発明の1つまたは複数の実施例のデバイスを測位するための技術的スキームによると、測位過程において、予め構築した地図を利用してデバイスの初期測位情報を補正することによって、デバイスの測位情報を得るため、デバイス測位の実現に必要なデバイスのハードウェアのコストを削減し、デバイス測位の運算速度を向上させ、リアルタイムのデバイスの測位の要件を満たし、および/または測位精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本明細書の1つまたは複数の実施例の技術的スキームをより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は、本明細書の1つまたは複数の実施例に記載のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は創造的な作業なしにこれら図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0011】
図1】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される測位方法を示すフローチャートである。
図2A】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される地図を予め構築する方法を示すフローチャートである。
図2B】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供されるもう1つの地図を予め構築する方法を示すフローチャートである。
図3A】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される道路要素セマンティック情報を認識するための入力道路画像である。
図3B-3C】図3Aに示された入力道路画像に対して認識した道路要素およびセマンティック情報である。
図4A】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供されるカメラのピクセル座標系の模式図である。
図4B】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供されるGPSデバイスの座標系の模式図である。
図4C】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される座標系変換の模式図である。
図5A】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される座標系変換のための道路画像である。
図5B図5Aで認識した車線の効果図である。
図5C図5Bで認識した車線をGPSデバイスの座標系に変換させた効果図である。
図6】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される感知道路要素と地図道路要素との間のオフセット情報を確定する方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定する方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供されるペアリングスキームの模式図である。
図9】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供されるペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の測位オフセット量を確定する方法を示すフローチャートである。
図10】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される最近点反復法の模式図である。
図11A】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される測位装置の構成を示す模式図である。
図11B】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される測位装置の構成を示す模式図である。
図11C】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供される測位装置の構成を示す模式図である。
図12】本発明の少なくとも1つの実施例によって提供されるデバイスを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、当業者が本明細書の1つまたは複数の実施例における技術的スキームをよりよく理解できるようにするために、本明細書の1つまたは複数の実施例における図面と併せて、本明細書の1つまたは複数の実施例における技術的スキームを明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、すべての実施例ではなく、本明細書の一部の実施例に過ぎない。本明細書の1つまたは複数の実施例に基づいて、当業者が創造的な作業なしに得た他のすべての実施形態は、本開示の保護範囲内に入るはずである。
【0013】
本発明の少なくとも1つの実施例は、測位方法を提供する。図1に示すように、図1は当該測位方法のフローを示し、当該方法は、ステップ101~104を含み得る。
【0014】
ステップ101において、デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得る。
【0015】
本ステップにおいて、デバイスは、測位を実行する目標自体であり得、前記デバイスには、感知道路画像を収集するための視覚センサが配置され得、さらに、初期測位情報をえるための位置センサが配置され得る。デバイスは、車両、ロボット、ブラインドガイドデバイス、スマートトイ、スイープロボットなどのスマートホームデバイスのようなスタイプのデバイスを含み得るがこれらに限定されない。ここで、前記車両は、任意のタイプの車両であり得、人または荷物を運ぶための任意の車両または他の目的のための車両であり得る。前記ロボットは、任意のタイプのロボットであり得、産業用ロボット、サービスロボット、おもちゃロボット、教育ロボットなどであり得、本発明は限定しない。
【0016】
区別を容易にするために、デバイスに装着された画像センサを利用して収集した当該デバイスが位置している道路のリアルタイムの道路画像が、感知道路画像と呼ばれ得る。当該感知道路画像に基づいて認識された道路要素が、感知道路要素と呼ばれ得る。後述する、地図を構築するために使用される道路画像または地図構築過程で使用される道路画像が、地図道路画像と呼ばれ得る。当該地図道路画像に基づいて認識された道路要素が、地図道路要素と呼ばれ得る。
【0017】
上述した位置センサは、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)、北斗衛星航法システム、全地球衛星航法システム(Global Navigation Satellite System、 GLONASS)、ガリレオ衛星航法システム、慣性測定ユニット(Inertial Measurement Unit、IMU)などの中の少なくとも1つを含み得る。上述した視覚センサは、カメラ、ビデオカメラ、Webカメラなどの中の少なくとも1つを含み得る。当業者は、視覚センサと位置センサは上記に限定されないことを理解すべきである。
【0018】
デバイスの初期測位情報は、各フレームの感知道路画像に対して取得した1つの同期化された測位情報であり得る。当該デバイスの初期測位情報は、衛星測位情報、IMU測位情報、または、当該衛星測位情報とIMU測位情報の融合情報であり得る。
【0019】
様々な衛星測位システムの位置センサによって得られた測位情報の場合、その動作原理が基本的に同じであるため、簡単にするために、本明細書は後続でGPS測位情報と省略する。当業者は、本明細書のGPS測位情報が、北斗衛星航法システム測位情報、GLONASS測位情報、および/または、ガリレオ衛星航法システム測位情報であってもよいことを理解すべきである。
【0020】
融合情報は、GPS測位情報とIMU測位情報に基づいて得たより信頼性の高い測位結果である。当該融合情報は、GPS測位情報とIMU測位情報に対してカルマンフィルター処理を実行して得ることができ、または、GPS測位情報とIMU測位情報に対して平均または加重平均計算を実行して得ることができる。
【0021】
ステップ102において、前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識する。
【0022】
本ステップにおいて、感知道路要素は、リアルタイムで収集された画像内の道路要素であり得る。道路要素は、道路に関連する識別子を含み得、道路上の様々なタイプの車線、停止ライン、転向ライン、道路境界ライン、および、道路の傍または道路上に設置された様々な各タイプの交通標識、信号灯、街灯などの中の1つまたは複数を含み得る。様々なタイプの車線は、白い実線の車線、黄色の破線車線、左側境界車線、右側境界車線などを含み得るがこれらに限定されない。各タイプの交通標識は、低速交通標識、ノンストップ交通標識、制限速度交通標識などを含み得るがこれらに限定されない。当業者は、道路要素は上記に限定されないことを理解すべきである。
【0023】
前記感知道路要素の属性情報は、道路要素のセマンティック情報、位置情報、形状情報などの、前記感知道路要素に関連する1つまたは複数の情報を含み得る。
【0024】
道路要素のセマンティック情報は、当該道路要素によって表される意味およびそれが表現したい情報であり得る。たとえば、収集した道路画像内で道路上のラインが検出された場合、当該ラインの道路上の位置、道路に対する幅、長さなどに基づいて、当該ラインが停止ライン、車線などであると確定することができる。車線は多くのタイプに細かく分類できるため、車線は基本的なセマンティック情報であり、線の位置および線の形状に基づいて、左側境界車線、白い実線の車線などの、具体的なセマンティック情報をさらに確定することができる。交通標識のタイプの道路要素の場合、低速交通標識、ノンストップ交通標識が当該道路要素の具体的なセマンティック情報であり得る。当業者は、道路要素のセマンティック情報の具体的な表現形態が本発明の方法の実現に影響を及ぼさないことを理解すべきである。
【0025】
ステップ103において、前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定する。
【0026】
当該予め構築した地図は、セマンティック地図、高精度地図などであり得るが、これらに限定されなく、さらに、他のタイプの地図であってもよい。
【0027】
上述した地図内に表示されている道路要素は、地図道路要素と呼ばれる。感知道路要素と同様に、当該地図道路要素は、道路に関連する識別子を含み得、道路上の車線、停止ライン、転向ライン、および、道路の傍または道路の前に設置された交通標識、信号灯、街灯などの中の少なくとも1つを含み得る。感知道路要素は、地図道路要素のタイプとすべて同じであってもよいし、一部が同じであってもよい。
【0028】
1つの道路に対して予め構築した地図は、当該道路の全部またはほとんどの道路要素を含み得る。測位過程で取得した感知道路画像は、当該道路の部分領域画像であるため、感知道路画像内で認識された道路要素は、前記地図においては前記地図内の一部の道路要素に相当する。
【0029】
理想的には、感知道路要素は、地図内の地図道路要素と重なる必要がある。このような重なりは、指感知道路要素と地図道路要素の同じ座標系における重なりを指すことができる。しかしながら、測位を実行するときに得られた初期測位情報の測位偏差または測位精度の不足により、特に測位機能を備えたハードウェアデバイスの精度が高くないまたはより低い場合、初期測位情報の偏差がより大きい可能性があり、感知道路要素が不正確になる。したがって、感知道路要素の属性情報および地図道路要素の属性情報に基づいて、感知道路要素と地図道路要素とのオフセット情報を確定することによって、初期測位情報を補正することができる。
【0030】
ステップ104において、前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得る。
【0031】
感知道路要素と地図道路要素との間のオフセットは、初期測位情報と実際の測位情報との間のオフセットによって起こされるため、感知道路要素と地図道路要素との間のオフセット情報に基づいて、初期測位情報を補正して最終のデバイス測位情報を得ることができる。
【0032】
本実施例においては、感知道路画像内の感知道路要素の属性情報、および、予め構築した地図に基づいて、感知道路要素と地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定して、デバイスの初期測位情報を補正する。
【0033】
本実施例によって提供されるデバイス測位のスキームによれば、視覚によって、また予め構築した地図と連携して、実現するため、低コスト、低運算の複雑さ、良好なリアルタイム性能、および/または、高い測位精度の特性を有し、デバイスのインテリジェント運転などの分野で幅広く適用できる。
【0034】
言い換えれば、本実施例においては、道路要素の属性情報と予め構築した地図に基づいて初期測位情報を補正し、すなわち、デバイスの初期測位情報の精度要件がより低く、したがって、デバイス測位に必要なハードウェアコストを削減することができる。初期情報の補正により、デバイスの測位精度も向上させた。さらに、予め構築した地図を呼び出すことにより、測位過程のリアルタイムで地図を構築することと比較すると、デバイスのコンピューティングリソースを節約し、さらにハードウェアリソースに対する要件を削減し、アルゴリズムの複雑さを軽減し、リアルタイム性能がよく、測位のリアルタイム性を向上させた。
【0035】
以下の説明では、当該測位方法をより詳細に説明する。ここで、以下は、当該測位方法を自動運転車両に適用する例を挙げて説明する。自動運転車両には道路画像をリアルタイムで収集するための視覚センサが設置されており、されに、初期測位情報を得るための位置センサが設置されており、またプロセッサとメモリが設置されている。当該メモリは、予め構築した地図を記憶する。自動運転過程において、プロセッサは、収集した感知道路画像と地図から取得したデータに対して処理を実行することによって、感知道路要素と地図道路要素との間のオフセット情報をリアルタイムで取得し、当該オフセット情報に基づいて初期測位情報を補正して、リアルタイムでよりより正確な測位情報を利用して自動運転を実現する。
【0036】
1つの例において、これらセンサ、プロセッサ、および、メモリは、自動運転車両に統合されている。もう1例において、これらセンサ、プロセッサ、および、メモリは、1つの単一のデバイスに統合されており、当該デバイスは車両に装着されて自動運転を支援する。
【0037】
他の場面においても当該測位方法を適用することができることを理解できる。たとえば、地図生成システムに当該測位方法を適用することができ、当該方法を地図収集データ車両に適用することによって、より正確な測位結果を利用して高精度の地図を生成することができる。また、たとえば、移動ロボットシステムに当該測位方法を適用することができ、当該方法を移動ロボットシステムに適用することによって、ロボットが高精度の自己測位機能を実現するようにすることができる。
【0038】
以下、車両の自動運転過程での測位過程を詳細に説明する。
【0039】
リアルタイムの測位を実現するために、予め構築した地図を取得することができる。当該予め構築した地図は、セマンティック地図(Semantic Map)であり得る。セマンティック地図は、コンピュータ読み取り可能な形式(XML形式)のデバイス指向の地図である。セマンティック地図は、デバイスのインテリジェント運転に一般的に使用される高精度の地図と比較すると、単純で、データ量が少なく、呼び出し速度が速いという利点がある。本発明では、セマンティック地図を使用して初期測位情報を補正するため、アルゴリズムの複雑さが低く、運算速度が速く、ハードウェアデバイスに対する要件が低い。
【0040】
当該地図の構築方法は、図2Aに示すように、以下のステップ201~203を含み得る。
【0041】
ステップ201において、収集車両を利用して道路の地図道路画像を収集する。
【0042】
収集車両には、地図道路画像を収集するための視覚センサが設置されている。当該視覚センサは、カメラ、ビデオカメラ、Webカメラなどの少なくとも1つを含み得る。構築された地図がより高い精度を達成するために、収集車両に配置された視覚センサは高精度の視覚センサであり得る。したがって、高解像度および高精度の地図道路画像を収集することができる。測位過程において、感知道路画像を収集するための視覚センサは、精度が相対的に低いセンサを採用することができる。
【0043】
収集車両には、さらに、車両の測位情報をより正確に収集するために、高精度の位置センサが配置されてもよい。測位過程において、初期測位情報を取得するための位置センサは、測位の制度がより低いセンサでも、デバイスの既存の位置センサを利用することもできる。
【0044】
つまり、収集車両と自動運転車両とは、一般的に、同じ車両ではない。収集車両は、地図を構築するために要件がより高いセンサを配置した車両である。本発明によって提供されるデバイス測位方法を使用すると、自動運転を実行する車両またはデバイスにレベルがより低いセンサを配置した。
【0045】
ステップ202において、前記地図道路画像内の地図道路要素の属性情報を認識する。
【0046】
前記地図道路要素の属性情報は、セマンティック情報、位置情報、形状情報などを含み得る。上述した属性情報は、道路要素検出を実行するためのトレーニングされたニューラルネットワークモデルを利用して認識して得ることができる。
【0047】
上述したニューラルネットワークモデルは、ラベリング情報付きの道路画像(サンプル道路画像と呼ばれ得る)を利用してトレーニングを実行することができる。当該サンプル道路画像内の道路要素には、ラベリング情報が付けており、当該ラベリング情報は、サンプル道路要素の属性情報であり得、たとえば、セマンティック情報、形状情報、位置情報などの中の1つまたは複数を含み得るがこれらに限定されない。
【0048】
サンプル道路画像を利用してニューラルネットワークモデルをトレーニングすることによって、当該モデルが入力された道路画像内で道路要素の属性情報を認識する能力を有するようにする。当該ニューラルネットワークモデルに入力された地図道路画像に対して、当該画像内の地図道路要素の属性情報を出力することができる。
【0049】
ニューラルネットワークモデルによって認識できる道路要素の類別は、トレーニングする過程で使用したサンプル道路要素のタイプに依存する。より多いタイプのサンプル道路要素を利用してモデルをトレーニングすることによって、より高い認識能力を有するようにすることができる。
【0050】
図3A図3Cは、認識道路要素のセマンティック情報の効果図である。図3Aは、ニューラルネットワークモデルに入力する道路画像であり、当該道路画像は、感知道路画像であってもよいし、地図道路画像または他の道路画像であってもよい。図3Bは、図面において白い横方向の太い実線で示したように、ニューラルネットワークモデルによって認識された道路要素であり、また、図面の左上にマークされた、そのセマンティック情報である「停止ライン」(stop line)310を得た。図3Cは、図面において白い縦方向の太い実線に示すように、ニューラルネットワークモデルによって認識された道路要素であり、また、各ラインの基本的なセマンティック情報および具体的なセマンティック情報を得た。その基本的なセマンティック情報は、「車線」(lane line)320であり、具体的なセマンティック情報は、左から右にそれぞれ「左側境界車線」(left edge)321、「白い実線の車線」(white solid line)322、「白い実線の車線」(white solid line)323、「白い実線の車線」(white solid line)324、「右側境界車線」(right edge)325であり、いずれも図面の左上にマークされている。
【0051】
当業者は、地図道路要素属性情報の認識方法は、上記に限定されず、さらに他の認識方法によって得ることができることを理解すべきである。
【0052】
ステップ203において、前記地図道路要素の属性情報に基づいて前記地図を構築する。
【0053】
1つの例において、地図道路要素のセマンティック情報、位置情報、および、形状情報に基づいて、地図を構築する。当該地図をセマンティック地図と呼ばれ得る。
【0054】
車両測位過程において、当該地図を呼び出すことによって、地図道路要素の上述した属性情報を得ることができる。
【0055】
本実施例において、収集車両に装着されている高精度の視覚センサを利用して道路画像を収集し、画像内の道路要素の属性情報を認識し、高精度の位置センサを利用して収集車両の測位情報を得して、地図を構築する。したがって、構築した地図は、精度が高く、データ量が少ないため、デバイスの記憶スペースを節約することができる。
【0056】
1つの例において、認識された地図道路要素の位置情報が視覚センサ(たとえばカメラ)のピクセルの座標系における位置情報である場合、地図は普遍的である必要があるため、以下の方法で当該位置情報を緯度と経度の座標系に変換することができる。
【0057】
以下、視覚センサがカメラであり、位置センサがGPSである例を挙げて、説明する。当業者は、当該変換方法は他の視覚センサと位置センサにも適用されることを理解すべきである。
【0058】
地図道路要素のカメラのピクセルの座標系における位置情報は、第1地図位置情報と呼ばれ得る。まず、第1地図位置情報をGPSデバイスの座標系に変換して、第2地図位置情報を得る。前記カメラと前記GPSとの間の同形異義語マトリックス(Homograph)を利用して当該座標変換を実現することができ、当該同形異義語マトリックスは、キャリブレーションされたカメラとGPSとの間の外部パラメータに基づいて得ることができる。
【0059】
カメラのピクセル座標系は、図4Aに示すようであり、O’-x’-y’は図面内のカメラのピクセル座標系である。
【0060】
GPSデバイスの座標系とは、当該GPS受信機を中心とし、地平面に平行な座標系を指す。収集車両に装着されたGPSの例を挙げると、当該GPSデバイスの座標系は、図4Bに示すように、車両の頭部の方向をx軸の正の方向とする右側のデカルト座標系である。測位に利用する地平面の座標情報は、高さ情報を利用する必要がないため、地図道路要素の第1地図位置情報をGPSデバイスの座標系に変換するときに、z軸の高さ情報は含まれない。
【0061】
1つの例において、当該GPSは、RTK(Real~Time Kinematic、リアルタイム差分)モードで作業して、より良い測位効果を取得する。
【0062】
図5A図5Cは、道路要素をカメラのピクセル座標系からGPSデバイスの座標系に変換する効果図である。当該道路要素は、地図道路要素であってもよいし、感知道路要素であってもよい。図5Aは、道路画像の元の画像である。図5Bは、道路画像内で車線を認識した効果図である。ここで、縦方向の3つの白い太い実線は、車線であり、画像の左上で認識された3つの車線の基本的なセマンティック「車線」(lane line)510、および、左から右に3つの車線の具体的なセマンティック「左側境界車線」(left edge)511、「白い破線車線」(white dot line)512、および、「右側境界車線」(right edge)513をマークした。図5Cは、車線をGPSデバイスの座標系に変換した効果図である。ここで、縦方向の3つの白い実線520は、GPSデバイスの座標系における車線である。
【0063】
次に、GPSの現在の測位情報を利用して、当該第2地図位置情報を緯度と経度の座標系に変換して、第3地図位置情報を得ることができる。
【0064】
GPS測位情報は、カメラによって収集された地図道路画像と同期される。ここでの同期とは、各フレーム地図道路画像に対して、いずれもGPS受信機から1つの同期された測位情報を得ることができることを意味する。
【0065】
GPS測位情報は、地球上のGPSの固有の位置と方向を記述する。当該位置と方向は、それぞれ測地座標系におけるGPSデバイスの座標系の原点の位置(x,y)と、GPSデバイスの座標系のx軸と地理的な真東方向との間の角度θと、に対応され、(x,y,θ)として表すことができる。
【0066】
地図道路要素のGPSデバイスの座標系における第2地図位置情報が既知である場合、地図道路要素のその1フレームの道路画像と同期されたGPS測位情報を取得することによって、地図道路要素をGPSデバイスの座標系からWGS~84(World Geodetic System 1984)などの緯度と経度の座標系に変換することができる。変換した後に、第3地図位置情報を得る。
【0067】
GPSデバイスの座標系もGPS情報を使用したが、ローカル座標系は緯度と経度の座標系のようなグローバル座標系とは異なることに注意する必要がある。GPSデバイスの座標系は、デカルト座標系に属し、緯度と経度の座標系は、ラジアン測地座標系である。したがって、GPSデバイスの座標系から緯度と経度の座標系に直接変換することができず、中間の座標系を使用して変換する必要がある。
【0068】
1つの例において、まず地図道路要素をGPSデバイスの座標系からグローバル投影水平軸メルカトル座標系(Universal Transverse Mercator、UTM座標系)に変換することができる。この2つの座標系がいずれも2次元の右側のデカルト座標系であるため、回転と平行移動の操作だけで、座標系間の変換を実現することができる。回転角度が真東方向を向いた車両の頭部の角度θであり、平行移動量が緯度と経度の測位情報(x,y)である。なお、UTM座標系と緯度と経度の座標系がいずれもグローバル座標系であるため、両者の間を直接変換することができる。
【0069】
図4Cは、座標系変換の模式図であり、ここで、左から右に順にカメラのピクセル座標系、GPSデバイスの座標系、および、UTM座標系である。
【0070】
UTM座標系に変換してから、地図道路要素をUTM座標系から緯度と経度の座標系に変換して、第3地図位置情報を得る。
【0071】
もう1つの例において、地図道路要素をGPSデバイスの座標系からグローバル投影水平軸メルカトル座標系(Universal Transverse Mercator、UTM座標系)に変換してから、UTM座標系と緯度と経度の座標系への変換を実行しないでもよいし、第3地図位置情報はUTMの座標系における位置情報である。しかしながら、UTM座標系を使用するときに領域を分割する必要があり、緯度と経度の座標系と比較すると、複雑であり、実際のメモリの制限に応じて、第3地図位置情報の座標系として、UTM座標系を使用するか緯度と経度の座標系を使用するかを決定することができる。
【0072】
本実施例において、地図道路要素のグローバル測位情報に基づいて地図を構築する。グローバル測位情報の一意性のために、構築された地図は普遍的である。当該地図を使用する対象が使用する位置センサに対しては特に限定しなく、当該測位方法が広く適用できるようにする。
【0073】
さらに、図2Bに示された方法によって地図を構築してもよく、図2Bに示すように、当該方法は、ステップ211と212を含む。
【0074】
ステップ211において、高精度地図内の地図道路要素のセマンティック情報と位置情報を取得する。
【0075】
高精度地図は、セマンティック地図と比較すると、セマンティック地図に含まれている属性情報に加えて、地図道路要素の道路曲率、方位、傾斜などの、道路要素に関するより多くてより細かい情報を含むことができ、さらに、道路要素間の関連情報などの、道路要素に関するより多くてより細かい情報を含むことができる。
【0076】
従来の高精度地図を利用して、その中から必要な地図道路要素のセマンティック情報と位置情報、または他の情報を抽出することができる。
【0077】
ステップ212において、前記地図道路要素のセマンティック情報と位置情報に基づいて前記地図を構築する。
【0078】
本ステップにおいて構築した地図は、セマンティック地図とも呼ばれ得る。
【0079】
本実施例において、従来の高精度地図を利用してセマンティック地図を構築するため、コストを節約した。また、高精度地図の高い記憶スペース要件と比較すると、本実施例において構築したセマンティック地図は、データ量が小さく、デバイスの記憶スペースを節約することができる。
【0080】
上記に説明したのは、自動運転車両がリアルタイム測位で使用する地図の構築過程である。以下、自動運転車両のリアルタイムの測位過程を説明する。
【0081】
まず、視覚センサを利用してリアルタイムで収集した感知道路画像を得、また、GPS、IMUなどの、車両に装着された位置センサの初期測位情報を得る。当該初期測位情報は、各フレーム感知道路画像について得た同期測位情報であり得る。
【0082】
次に、感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識する。当該ステップは、ステップ202の説明に類似しており、前記感知道路画像を事前にトレーニングしたニューラルネットワークモデルに入力して、前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を得ることを含み得る。当該属性情報は、セマンティック情報と位置情報を含み得、または、セマンティック情報、位置情報、形状情報などを含み得る。
【0083】
当該ニューラルネットワークモデルは、前述した認識地図道路要に使用したニューラルネットワークモデルと同じであることができ、ここでの同じとは、モデルのネットワーク構成とパラメータが同じであること、または同じサンプル道路画像を介してトレーニングされたことを指すことができる。当該ニューラルネットワークモデルは、前述した認識地図道路要素に使用したニューラルネットワークモデルと異なることができ、たとえばネットワーク構成とパラメータが異なること、または異なるサンプル道路画像を介してトレーニングされたことを指すことができる。しかしながら、2つのモデルが認識できる道路要素は、共通集合があり、共通集合が大きいほど、当該測位方法を適用して取得された効果が良い。
【0084】
感知道路要素の属性情報を認識した後に、当該属性情報に基づいて、上述した予め構築した地図から、感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定することができる。いくつかの例において、当該予め構築した地図は、図2Aまたは図2Bに示された方法によって構築したセマンティック地図であり得る。
【0085】
図6は、感知道路要素と地図道路要素との間のオフセット情報を確定する方法であり、図6に示すように、当該方法は、ステップ601~604を含み得る。
【0086】
ステップ601において、感知道路要素と地図道路要素を同じデバイスの座標系に変換する。
【0087】
位置の比較を同じ座標系で実行する必要があるため、得た感知道路要素の位置情報と地図道路要素の位置情報が同じ座標系にいないと、まず両者を同じ座標系に変換する必要がある。
【0088】
1つの例において、地図道路要素の位置情報が緯度と経度の座標系における第3地図位置情報の場合、当該第3地図位置情報をデバイスの座標系に変換する必要がある。以下、GPSデバイスの座標系の例を挙げて説明する。
【0089】
第3地図位置情報を緯度と経度の座標系からGPSデバイスの座標系に変換し、当該過程は前述した第2地図位置情報をGPSデバイスの座標系から緯度と経度の座標系に変換する逆の過程である。
【0090】
当該過程は、2つのステップに分けることができる。まず、第3地図位置情報を緯度と経度の座標系(たとえば、WGS~84座標系)からUTM座標系に変換し、続いて、GPSの初期測位情報を利用して、地図道路要素をUTM座標系からGPSデバイスの座標系に変換する。ここで、GPSの初期測位情報は、リアルタイムで収集される。自動運転車両の場合、このステップは、まず、真東方向を向いた車両の頭部の角度θを回転させてから、GPSの緯度と経度の測位情報(x,y)を平行移動することによって得ることができる。
【0091】
もう1例において、地図道路要素の位置情報がUTMの座標系における第3地図位置情報である場合、当該第3地図位置情報をデバイスの座標系に変換する必要があり、GPSのリアルタイム測位情報を利用して、地図道路要素をUTM座標系からGPSデバイスの座標系に変換することができる。自動運転車両の場合、このステップは、まず、真東方向を向いた車両の頭部の角度θを回転させてから、GPSの緯度と経度の測位情報(x,y)を平行移動することによって得ることができる。
【0092】
当業者は、他の位置センサの場合、その具体的な変換規則に応じて緯度と経度の座標系からデバイスの座標系への変換を実行すればよいことを理解すべきである。
【0093】
ステップ602において、前記感知道路要素の属性情報に基づいて、前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定する。
【0094】
リアルタイムで収集した感知道路画像の場合、当該道路に対してすでに地図を構築した場合、当該感知道路画像内の感知道路要素に対して、地図でそれとペアになっている地図道路要素を得ることができる。すなわち、1つの感知道路要素の場合、誤認識されていない場合、または地図を構築した後または新しく更新した後に新しく出現されていない場合、通常、地図で対応する1つの地図道路要素を検索することができる。
【0095】
ステップ603において、ペアになっている感知道路要素と地図道路要素の前記同じデバイスの座標系における位置情報を確定する。
【0096】
感知道路要素と地図道路要素のオフセット情報の取得は、初期測位情報を補正するために使用され、当該初期測位情報はデバイスの座標系における測位情報であるため、デバイスの座標系において、ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との位置情報を確定することによって、初期測位情報のリアルタイム補正を実行することができる。
【0097】
ステップ604において、前記位置情報に基づいてペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の測位オフセット量を前記オフセット情報として確定する。
【0098】
同じデバイスの座標系における感知道路要素およびペアになっている地図道路要素の位置情報を得た後に、両者の位置に基づいて、両者の間の測位オフセット量を確定することができる。当該測位オフセット量が感知道路要素と地図道路要素との間のオフセット情報である。
【0099】
本実施例において、ペアになっている感知道路要素と地図道路要素を同じデバイスの座標系に変換してから、両者の位置情報を利用して両者の間の測位オフセット量を確定する。当該測位オフセット量は、デバイスの座標系における初期測位情報も直接補正することができるため、リアルタイム測位に役立つ。
【0100】
本発明のいくつかの可能な実施形態において、一方で、カメラは、全部の道路要素を収集することができないかもしれない。この場合、感知道路画像内の感知道路要素は、地図道路要素の数より少ない可能性がある。もう一方で、道路要素のニューラルネットワークの検出正確率は90%以上に達する可能性があるが、車両自動運転に適用される測位方法では、ニューラルネットワークモデルが欠落または誤検出された場合でも、正確な属性情報を出力する必要がある。本発明は、上述した2つの考慮事項に鑑みて、感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定する方法をさらに提案する。
【0101】
図7は、感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定する方法であり、図7に示すように、当該方法は、以下のステップを含み得る。
【0102】
ステップ701において、前記地図内で、前記初期測位情報に基づいて予め設定された範囲内の地図道路要素を検索する。
【0103】
初期測位情報は、デバイス自身の位置情報であり、たとえば、自動運転車両の場合、それは車両の位置情報である。当該初期測位情報に基づいて、車両の地図における位置を確定することができるため、地図内で所定の範囲内の地図道路要素を検索することができ、すなわち車両近くの地図道路要素を検索することができる。
【0104】
感知道路画像は、車両に装着された視覚センサによって得られるため、感知道路画像の感知道路要素は、車両が測位するときに車両近くの道路要素である。したがって、地図で車両近くの地図道路要素を検索することによって、感知道路要素とペアになっている地図道路要素を迅速に検索することができる。
【0105】
当該予め設定された範囲は、必要に応じて具体的に設定することができる。たとえば、より高いマッチング精度が必要であると、当該範囲を相対的に大きく設定して、より多い地図道路要素を得ることによって、後続の過程で感知道路要素とペアにすることができ、より高いリアルタイム性が必要であり、速いマッチング速度が必要であると、当該範囲を相対的に小さく設定することができる。たとえば、予め設定された範囲は、地図での初期測位情報を中心点とする上述した視覚センサの視認範囲と初期測位誤差の合計の2から5倍の範囲であり得、このようにしてマッチング速度と正確度のバランスを取る。
【0106】
例を挙げて説明すると、視覚センサの視認範囲が60mであり、初期測位誤差が10mであると、予め設定された範囲を(60+10)*2に設定することができる。つまり、このような場合、予め設定された範囲は、初期測位を中心とする140m*140mの長方形フレームであり得る。
【0107】
ステップ702において、前記感知道路画像内の1つまたは複数の感知道路要素および前記予め設定された範囲内の1つまたは複数の地図道路要素に対して、属性情報に基づいてペアリングを実行して、複数のペアリングスキームを得る。
【0108】
列挙により、感知道路画像内の各感知道路画像と予め設定された範囲内の各地図道路要素を、それぞれ2つにペアリングして、複数の異なるペアリングスキームを得ることができる。
【0109】
上述した異なるペアリングスキームは、少なくとも1つの感知道路要素が、前記予め設定された範囲内の地図道路要素との異なるペアリング方法を有することであり得る。
【0110】
たとえば、感知道路画像内の感知道路要素は、a,a,…,aを含み、上述した予め設定された範囲内の地図道路要素は、b,b,…,bを含み、ここで、MおよびNは、いずれも正の整数である。
【0111】
感知道路要素(a,a,…,a)と地図道路要素(b,b,…,b)に対してペアリングを実行して得られた各ペアリングスキームは、1組の2タプルのセットであり、各2タプル(a,b)が道路要素の1つのペアリング方法である。2タプル(a,b)で、i≦Mであり、iは、[1,M]範囲内の任意の整数であり得、j≦Nであり、jは、[1,N]範囲内の任意の整数であり得る。また、ペアリングスキームで、感知道路要素(a,a,…,a)は、すべてペアになる必要があり、地図道路要素(b,b,…,b)にはペアになってない目標の要素が含まれ得る。
【0112】
異なるペアリングスキームにおいて、少なくとも1組の2タプル(ai,bj)が異なっている。
【0113】
1つの例において、二部グラフモデルを通じて感知道路要素と地図道路要素のペアワイズペアリングを実現することができる。
【0114】
まず、感知道路要素と地図道路要素に基づいて二部グラフモデルを構築する。感知道路画像の中の各々の感知道路要素を1つのポイントとして抽象化し、ここで、すべての感知道路要素が1つの感知ポイントセットを形成する。地図内の各々の地図道路要素も1つのポイントとして抽象化し、ここで、すべての地図道路要素が1つの地図ポイントセットを形成する。
【0115】
感知道路画像内には複数の同じセマンティックを持つ道路要素が存在する可能性があるため、たとえば、複数の車線が存在するため、車両の視点に従って、左から右に同じセマンティックを持つ感知道路要素をソートし、地図内の同じセマンティックを持つ地図道路要素も類似な方法でソートする。このようにして形成された感知ポイントセットと地図ポイントセットの中のポイントは、道路要素のソート順序に従って配列される。
【0116】
感知ポイントセットと地図ポイントセットの間をエッジで接続し、各エッジは1つの感知道路要素と1つの地図道路要素との間のペアリング関係を示す。異なる接続方法は、異なるペアリングスキームを生成し、得られた各々のペアリングスキームは1つのエッジセットを含む。
【0117】
1つの例において、さらに、上述した二部グラフモデルによって、二部グラフマッチング方法を利用して、すべてのペアリングスキームの中で合理的なペアリングスキームを迅速に取得することができる。
【0118】
当該方法は、すべてのエッジセットで、選択できるだけ多いエッジが交差しないエッジセットを選択する。ここで言及されている交差しないとは、2つのエッジに共通点がないし、かつ、その中の1つのエッジ2つの頂点のポイントセットにおけるシーケンス番号がいずれももう1つのエッジ2つの頂点のポイントセットにおけるシーケンス番号よりも大きいことを意味し、したがって、物理的な意味での「交差しない」と理解され得る。
【0119】
交差しないエッジの数が所定の比例または所定の閾値よりも大きいエッジセットを、合理的なエッジセットと呼ぶことができる。つまり、図8に示すように、合理的なペアリングスキームを得た。
【0120】
合理的なペアリングスキームを選別してから、信頼度計算を実行することによって、後続の過程の計算量を削減した。
【0121】
ステップ703において、各前記ペアリングスキームの信頼度を確定する。
【0122】
信頼度は、ペアリングスキームにおける感知道路要素と地図道路要素との間のペアリングの評価指標である。ペアリングスキームにおいて、各々の感知道路要素と地図道路要素のペアリングは、その両者のセマンティック情報の一貫性が高いほど、マッチングされるペアの数が多いし、ペアリングスキームの信頼度が高い。
【0123】
1つの例において、以下の方法で各ペアリングスキームの信頼度を確定することができる。
【0124】
まず、各ペアリングスキームにおいて、各々の感知道路要素と地図道路要素のペアの個々の類似度をそれぞれ確定する。
【0125】
個々の類似度は、ペアリングスキームの各2タプル内の2つの要素の属性情報の類似程度を指すことができる。たとえば、セマンティック情報の類似度、位置情報の類似度、形状情報の類似度などを含み得る。
【0126】
車線の例を挙げると、感知車線と地図車線との間の個々の類似度は、式(1)によって計算できる。ここで、感知車線は、感知道路画像内の車線を指し、地図車線は、地図内の車線を指すことができる。
Weight(i,j)=-Distance(i,j)+Otype(i,j)*LaneWidth+Oedgetype(i,j)*LaneWidth (1)
【0127】
ここで、Weight(i,j)は、i番目(左から右に数え、以下も同じ)の感知車線とj番目の地図車線との間エッジの個々の類似度を表し、重みとも読まれる。Distance(i,j)は、i番目の感知車線とj番目の地図車線との間の距離を表し、ここでは車線を線分に抽象化する。距離の計算方法は、線分から線分までのユークリッド距離として計算することができ、つまり、線分上の2つの端点ともう1つの線分の間の距離の中央値であり、すなわち平均値である。LaneWidthは、車線の幅を表し、すなわち2つの車線間の幅である。Otype(i,j)は、車線属性係数を表し、i番目の感知車線とj番目の地図車線の車線属性が同じである場合、当該係数は1であり、そうではない場合では0である。ここで、車線属性は、黄色の実線や白い破線などの車線の色や線種などを含み得る。Oedgetype(i,j)は、エッジ車線属性係数を表し、i番目の感知車線とj番目の地図車線のエッジ車線属性が同じである場合、当該係数は1であり、そうではないと0である。ここで、エッジ車線属性は、当該車線が道路のエッジに属するか否かを表す。
【0128】
式(1)において、Distance(i,j)は、感知車線と地図車線との間の位置情報類似度を計算するために使用され、LaneWidthは、それらの間の形状情報類似度を計算するために使用される。Otype(i,j)とOedgetype(i,j)は、それらの間のセマンティック情報類似度を計算するために使用される。
【0129】
当業者は、他の道路要素間の個々の類似度を計算するために他の合理的な式を設定できることを理解すべきである。
【0130】
個々の類似度を確定した後に、続いて、各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの全体的な類似度を確定する。
【0131】
全体的な類似度は、ペアリングスキーム内のすべての2タプルの属性情報の類似程度の全体的な評価であり得る。ここで、属性情報はm、位置情報およびセマンティック情報を含み得る。
【0132】
まず各2タプル2つの要素間の距離を計算してから、すべての2タプル内の各距離の分散を統計して、位置情報の全体的な類似度を表すことができる。分散が小さいほど、すべての2タプルの2つの要素間の距離が近くなり、位置情報の全体的な類似度が高くなる。
【0133】
セマンティック情報の全体的な類似度については、2タプルのすべての2つの要素のセマンティック情報の類似度を平均するか、加重平均を計算することによって得ることができる。
【0134】
最後に、各前記ペアリングスキームの各体類似度と全体的な類似度に基づいて、各前記ペアリングスキームの信頼度を確定する。
【0135】
たとえば、各ペアリングスキームにおいて、各2タプルの個々の類似度の合計を全体的な類似度または加重平均と平均して、当該ペアリングスキームの信頼度を得ることができる。
【0136】
本実施例において、ペアリングスキームにおける各2タプルの個々の類似度と全体的な類似度に基づいて当該ペアリングスキームの信頼度を総合的に評価することによって、個々のペアリングの極端な影響(非常に良いまたは非常に悪い)を回避する。ペアリングスキーム全体の信頼度への影響により、信頼度の計算結果の信頼性が高まる。
【0137】
以下の式(2)は、ペアリングスキームの信頼度のスコアを計算するために使用される関数の例である。これは、個々の類似度の合計、距離情報の全体的な類似度、および、セマンティック情報の全体的な類似度のような3つの部分でスコアが計算される。
match_weight_sum=sum(match_items_[pr_idx][hdm_idx].weight)+CalculateVarianceOfMatchResult(match_result)+CalculateMMConfidence(match_result) (2)
【0138】
ここで、match_weight_sumは、ペアリングスキームの信頼度のスコアを表す。sum(match_items_[pr_idx][hdm_idx].weight)は、当該ペアリングスキームの各2タプルの個々の類似度の合計を表す。当該ペアリングスキームで選択されたエッジの重みの合計を計算し、つまり各ペアのポイントセットに対応するエッジ重みの合計を計算する。言い換えれば、match_items_[pr_idx][hdm_idx].weightは、式(1)で得られたWeight(i,j)である。ここで、pr_idxはiを運び、hdm_idxはjを運ぶ。CalculateVarianceOfMatchResult(match_result)は、当該ペアリングスキームの各2タプルの距離情報の全体的な類似度を表す。ペアリングスキームの各2タプルの2つの要素間の距離の分散によって計算される。車線の例にとると、ペアになっている各車線間に対して、距離を計算することができ、当該分散がすべてのこれら距離の分散である。理論的には、すべてのペアになっている感知車線と地図車線との間の距離は等しいはずである。つまり、分散はゼロであるが、実際には、誤差の発生が避けられないため、当該分散はゼロにならない場合がある。CalculateMMConfidence(match_result)は、当該ペアリングスキーム内の各2タプルセマンティック情報の全体的な類似度を表す。各2タプルの2つの要素間のセマンティック類似度を比較することによって計算する。車線を例にとると、すべてのペアになっている車線の属性が一致するか否か、数が一致するか否かを判断することができる。たとえば、属性のすべて一致する全体的な類似度が100%であり、各ペアの車線の属性が一致しないと、全体的な類似度が低くなる。たとえば、全体的な類似度を10%低く設定することができ、数がマッチングされないと、全体的な類似度が30%低くなる。
【0139】
上記の3つの部分の結果を計算し、その結果を加算することによって、ペアリングスキームの信頼度スコアを得ることができる。
【0140】
ステップ704において、前記複数のペアリングスキームの中の信頼度が一番高いか信頼度が所定の閾値を超えるペアリングスキーム中で、前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定する。
【0141】
本ステップにおいて、その中の信頼度が最も高いスキームを最終的に選択されたペアリングスキームとして使用することができ、その中の所定の閾値を超えるペアリングスキームを最終的に選択されたペアリングスキームとして使用することができるため、感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定することができる。
【0142】
この例において、初期測位情報を利用して地図でデバイス近くの地図道路要素を得て、感知道路要素とのペアリングを実行するために使用し、グローバル地図で感知道路要素とペアになっている地図道路要素を検索することと比較すると、計算量が減り、マッチング速度が向上し、リアルタイムの測位に役立つ。
【0143】
1つの例において、前記感知道路画像内の感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とに対してペアリングを実行するときに、感知道路画像内の1つの感知道路要素の前記予め設定された範囲内の地図道路要素に対してペアになっている道路要素が確定されないことに応答して、ペアリング待ちの地図道路要素中で空の要素または仮想要素を設定して当該感知道路要素とペアリングを実行することができる。
【0144】
理想的には、感知道路画像内の感知道路要素は、地図内の地図道路要素と1対1で対応されるが、感知道路要素が誤認識の結果である場合、または感知道路要素が地図を構築した後に出現されたものである場合、当該感知道路要素に対応する地図道路要素が検索されない。ヌル(null)または仮想要素を設定することによって、すべての感知道路要素がペアリングスキームを確定する過程ですべてペアになっている対象を持つようにすることによって、ペアリングスキームをより豊かにし、最適なペアリングスキームを総合的に評価するのに役立つ。
【0145】
図9は、ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の測位オフセット量を確定する方法を示し、図9に示すように、当該方法は、以下のステップ901~904を含む。
【0146】
ステップ901において、前記感知道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、感知サンプリングポイントセットを得る。
【0147】
本ステップにおいて、感知道路要素のピクセル点に対して一定の間隔(たとえば0.1m)でサンプリングを実行して、感知サンプリングポイントセットを得ることができる。
【0148】
道路上の車線を例にとると、車線をサンプリングすることによって、感知車線を1つのポイントセットに抽象化することができる。複数の車線が平行に並んでいる場合、車両の視点に応じて、左のエッジから右エッジに車線を配列することができ、対応するポイントセットは車線の順序に応じて上から下に配列される。
【0149】
ステップ902において、前記地図道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、地図サンプリングポイントセットを得る。
【0150】
本ステップにおいて、ステップ901と類似な方式を適用して、地図道路要素をサンプリングして、地図サンプリングポイントセットを得ることができる。
【0151】
ステップ903において、前記感知サンプリングポイントセットと前記地図サンプリングポイントセットのそれぞれに含まれているサンプリング点の間の回転平行移動マトリックスを確定する。
【0152】
ペアになっている感知サンプリングポイントセットと地図サンプリングポイントセットの場合、最も近いポイント反復法を使用して2つのポイントセット間の回転平行移動マトリックスを計算することができる。図10は、最も近いポイント反復法の模式図である。矢印の左側は、当該アルゴリズムモデルに入力された2つの関連するポイントセット(ペアになっているポイントセット)を表す。当該アルゴリズムモデルを適用して、たとえば最小二乘アルゴリズムモデルを適用して、回転平行移動マトリックスを得ることができる。入力されたポイントセットに対して当該回転平行移動マトリックスを適用すると、2つのポイントセットの重なりを実現することができる。図10に示すように、矢印の右側は、重なる2つのポイントセットを表す。
【0153】
ステップ904において、前記回転平行移動マトリックスに基づいて前記感知道路要素と前記地図道路要素の座標オフセット量と方向オフセット量を得る。
【0154】
ステップ903で得た回転平均移マトリックスは、確定する必要がある測位オフセット量であり、当該回転平行移動マトリックス中の平行移動係数は座標のオフセット量に対応され、回転係数は方向オフセット量に対応される。
【0155】
初期測位情報は、(x,y,θ)で表すことができ、測位オフセット量は、(dx,dy,dθ)で表すことができる。これに対応して、初期測位情報を補正して得られた測位情報は、(x=x0+dx,y=y+dy, θ=θ+dθ)で表すことができる。
【0156】
1つの例において、前記オフセット情報に基づいて初期測位情報を補正して、デバイスの測位情報を得た後に、さらに、得られた測位情報と初期測位情報を再度融合することができる。たとえば、カルマンフィルター、均値計算、加重平均計算などの方法を使用して、得られた測位情報と初期測位情報を融合することによって、地図情報による測位情報の過度の補正を回避し、測位結果の信頼性を高めることができる。
【0157】
図11Aは、デバイス測位装置の構成の模式図であり、図11Aに示すように、当該装置は、以下のユニットを備え得る。
【0158】
取得ユニット1101は、デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得る。
【0159】
認識ユニット1102は、前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識する。
【0160】
確定ユニット1103は、前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定する。
【0161】
補正ユニット1104は、前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得る。
【0162】
1つの実施例において、図11Bに示すように、当該装置は、地図構築ユニット1105をさらに備え、当該地図構築ユニット1105は、収集車両を利用して道路の地図道路画像を収集し、前記地図道路画像内の地図道路要素の属性情報を認識し、前記地図道路要素の属性情報に基づいて前記地図を構築する。
【0163】
1つの実施例において、図11Cに示すように、当該装置は、地図構築ユニット1106をさらに備え、当該地図構築ユニット1106は、高精度地図内の地図道路要素のセマンティック情報と位置情報を取得し、前記地図道路要素のセマンティック情報と位置情報に基づいて前記地図を構築する。
【0164】
1つの実施例において、前記予め構築した地図は、セマンティック地図である。
【0165】
1つの実施例において、確定ユニット1103は、具体的に、前記感知道路要素と前記地図道路要素を同じデバイスの座標系に変換し、前記感知道路要素の属性情報に基づいて、前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定し、ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との同じデバイスの座標系における測位情報を確定し、前記測位情報に基づいてペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の測位オフセット量を確定し、前記測位オフセット量を前記オフセット情報として確定する。
【0166】
1つの実施例において、確定ユニット1103は、前記感知道路要素の属性情報に基づいて、前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定するときに、具体的に、前記地図内で、前記初期測位情報に基づいて予め設定された範囲内の地図道路要素を検索し、前記感知道路画像内の1つまたは複数の感知道路要素および前記予め設定された範囲内の1つまたは複数の地図道路要素に対して、属性情報に基づいてペアリングを実行して、複数のペアリングスキームを得、ここで、異なるペアリングスキーム中の少なくとも1つの感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とのペアリング方法が、異なっており、また、各前記ペアリングスキームの信頼度を確定し、前記複数のペアリングスキームの中の信頼度が一番高いか信頼度が所定の閾値を超えるペアリングスキーム中で、前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定する。
【0167】
1つの実施例において、確定ユニット1103は、前記感知道路画像内の感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とに対してペアリングを実行するときに、さらに、前記感知道路画像内の1つの感知道路要素が、前記予め設定された範囲内の地図道路要素とペアになっていると確定できないことに応答して、ペアリング待ちの地図道路要素中で空の要素または仮想要素を設定して当該感知道路要素とペアリングを実行する。
【0168】
1つの実施例において、確定ユニット1103は、各前記ペアリングスキームの信頼度を確定するときに、具体的に、各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの個々の類似度をそれぞれ確定し、各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの全体的な類似度を確定し、各前記ペアリングスキームの各体類似度と全体的な類似度に基づいて、各前記ペアリングスキームの信頼度を確定する。
【0169】
1つの実施例において、測位オフセット量は、座標オフセット量および/または方向オフセット量を含み、確定ユニット1103は、前記測位情報に基づいてペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の測位オフセット量を確定するときに、具体的に、前記感知道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、感知サンプリングポイントセットを得、前記地図道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、地図サンプリングポイントセットを得、前記感知サンプリングポイントセットと前記地図サンプリングポイントセットのそれぞれに含まれているサンプリング点の間の回転平行移動マトリックスを確定し、前記回転平行移動マトリックスに基づいて前記感知道路要素と前記地図道路要素の座標オフセット量と方向オフセット量を得る。
【0170】
1つの実施例において、取得ユニット1101は、具体的に、前記デバイス上に装着された視覚センサを利用して前記デバイスが位置している路面の前記感知収集画像を収集し、前記デバイス上に装着された衛星測位システムまたは衛星測位システムと慣性測定ユニット(IMU)を利用して、前記デバイスの初期測位情報を確定する。
【0171】
1つの実施例において、補正ユニット1104は、さらに、得られた前記測位情報と前記初期測位情報とに対して再融合を実行して補正後の前記測位情報を得る。
【0172】
図12は、本発明の少なくとも1つの実施例によって提供されるデバイス1200の模式図であり、図12に示すように、当該デバイス1200は、メモリ1201と、プロセッサ1202と、を備える。他の可能の例において、前記デバイスは、センサによって伝送されるデータを受信するためのインターフェース1204と、内部バス1203と、をさらに備え得る。メモリ1201、プロセッサ1202、および、インターフェース1204は、内部バス1203を介して互いに通信する。前記メモリ1201は、プロセッサ上で運行可能なコンピュータ命令を記憶し、前記プロセッサ1202は、前記コンピュータ命令が実行されるときに、本明細書の任意の実施例に記載の方法によって測位が実行される。
【0173】
本明細書の少なくとも1つの実施例は、コンピュータプログラムが記録されている揮発性または不揮発性コンピュータ可読記録媒体をさらに提供し、前記プログラムがプロセッサによって実行されるときに、本明細書のいずれか1項に記載の測位方法が実現される。
【0174】
本明細書の少なくとも1つの実施例は、コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムをさらに提供し、当該コンピュータ可読コードがプロセッサによって実行されるときに、本明細書のいずれか1項に記載の測位方法が実現される。
【0175】
当業者は、本明細書の1つまたは複数の実施例は、方法、システム、または、コンピュータプログラム製品として提供することができることを了解すべきである。したがって、本明細書の1つまたは複数の実施例は、完全なハードウェアの実施例、完全なソフトウェアの実施例、または、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせる実施例の形式を使用することができる。また、本明細書の1つまたは複数の実施例は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリ、CD―ROM、光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形式を使用することができる。
【0176】
本明細書に記載の「および/または」は、少なくとも両者の中の1つを有することを示し、たとえば、「Aおよび/またはB」は、A、B、および、「AおよびB」のような3つのスキームを含む。
【0177】
本明細書における各実施例は、いずれも、漸進的な方式を使用して叙述され、各実施例同士の間の同じまたは類似な部分は互いに参照することができ、各々の実施例では他の実施例との異なるところに焦点を合わせて説明した。特に、データ処理デバイスの実施例の場合、基本的に方法の実施例と類似であるため、比較的に的に簡単に叙述したが、関連するところは方法の実施例の部分の説明を参照すればよい。
【0178】
上記で本明細書の特定の実施例を叙述した。他の実施例は、添付する「特許請求の範囲」の範囲内にいる。いくつかの場合、特許請求の範囲に記載の行為またはステップは、実施例と異なる順序に従って実行されることができ、このときにも依然として期待する結果が実現されることができる。また、図面で描かれた過程は、期待する結果を得るために、必ずとしても、示された特定の順序または連続的な順序を必要としない。いくつかの実施形態において、マルチタスク処理および並列処理も可能であるか、または、有益であり得る。
【0179】
本明細書における主題および機能操作の実施例は、デジタル電子回路、有形コンピュータソフトウェアまたはファームウェア、本明細書に開示される構成およびその構造的同等物を含むコンピュータハードウェア、または、それらの1つまたは複数の組み合わせで、実現されることができる。本明細書における主題の実施例は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして実現されることができ、すなわち、有形の非一時的プログラムキャリア上に符号化されて、データ処理装置によって実行されるか、または、データ処理装置の操作を制御するための、コンピュータプログラム命令中の1つまたは複数のモジュールとして実現されることができる。代替的または追加的に、プログラム命令は、手動で生成する伝播信号上に符号化されることができ、例えば、機械が生成する電気信号、光信号、または、電磁信号に符号化されることができる。当該信号は、情報を符号化して適切な受信機装置に伝送して、データ処理装置によって実行されるようにするために、生成される。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、ランダムにまたはシリアルアクセスメモリデバイス、または、それらの1つまたは複数の組み合わせであり得る。
【0180】
本明細書における処理と論理フローは、1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能なコンピュータによって実行されることができ、入力データに基づいて操作を実行して出力を生成することによって該当する機能を実行する。前記処理と論理フローは、さらに、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(専用集積回路)などの専用論理回路によって実行されることができ、また、装置も専用論理回路として実現されることができる。
【0181】
コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータは、例えば、汎用、および/または、専用マイクロプロセッサ、または、いかなる他の種類の中央処理ユニットを含む。一般的に、中央処理ユニットは、読み取り専用メモリ、および/または、ランダムアクセスメモリから、命令とデータを受信することになる。コンピュータの基本コンポーネントは、命令を実施または実行するための中央処理ユニット、および、命令とデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスを含む。一般的に、コンピュータは、磁気ディスク、磁気光学ディスク、または、光学ディスクなどの、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶デバイスをさらに含むか、または、操作可能に当該大容量記憶デバイスと結合されてデータを受信するかまたはデータを伝送するか、または、その両方を兼有する。しかしながら、コンピュータは、必ずとして、このようなデバイスを有するわけではない。なお、コンピュータは、もう1デバイスに埋め込まれることができ、例えば、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイルオーディオまたはビデオおプレイヤー、ゲームコンソール、グローバルポジショニングシステム(GPS)レジーバー、または、汎用シリアルバス(USB)フラッシュドライブなどのポータブル記憶デバイスに埋め込まれることができ、これらデバイスはいくつかの例に過ぎない。
【0182】
コンピュータプログラム命令とデータの記憶に適したコンピュータ可読媒体は、すべての形式の不揮発性メモリ、媒介、および、メモリデバイスを含み、例えば、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、および、フラッシュデバイス)、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスクまたは移動可能ディスク)、磁気光学ディスク、および、CD ROM、および、DVD―ROMディスクを含む。プロセッサとメモリは、専用論理回路によって補完されるかまたは専用論理回路に組み込まれることができる。
【0183】
本明細書は、多くの具体的な実施の細部を含むが、これらを本明細書の範囲または保護しようとする範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、主に本明細書のいくつかの実施例の特徴を叙述するために使用される。本明細書の複数の実施例中の特定の特徴は、単一の実施例に組み合わせて実施されることもできる。他方、単一の実施例中の各種の特徴は、複数の実施例で別々に実施されるかまたはいかなる適切なサブ組み合わせで実施されることもできる。なお、特徴が上記のように特定の組み合わせで役割を果たし、また最初からこのように保護すると主張したが、保護すると主張した組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によって当該組み合わせから除外されることができ、また保護すると主張した組み合わせはサブ組み合わせまたはサブ組み合わせの変形に向けることができる。
【0184】
同様に、図面では操作が特定の順序で描かれているが、これは、これら操作を示されている特定の順序で実行されるか順次に実行される必要があり、または、例示したすべての操作を全部実行して期待する結果を実装する必要があると、解釈してはならない。場合によっては、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。なお、上記の実施例における様々なシステムモジュールおよびコンポーネントの分離は、すべての実施例においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般的に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合できることを理解されたい。複数のソフトウェア製品で、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されている。
【0185】
上記で本明細書の特定の実施例を叙述した。他の実施例は、添付する「特許請求の範囲」の範囲内にいる。いくつかの場合、特許請求の範囲に記載の行為またはステップは、実施例と異なる順序に従って実行されることができ、このときにも依然として期待する結果が実現されることができる。いくつかの実施形態において、マルチタスク処理および並列処理も可能であるか、または、有益であり得る。
【0186】
上記は、本明細書の1つまたは複数の実施例の好ましい実施例に過ぎず、本明細書の1つまたは複数の実施例を限定するために使用されるものではない。本明細書の1つまたは複数の実施例の精神と原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の置換、改良などは、いずれも本明細書の1つまたは複数の実施例の範囲に含まれるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-11-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス測位方法であって、
デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得ることと、
前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識することと、
前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定することと、
前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得ることと、を含む
ことを特徴とするデバイス測位方法。
【請求項2】
前記地図を構築することは、
収集車両を利用して道路の地図道路画像を収集することと、
前記地図道路画像内の地図道路要素の属性情報を認識することと、
前記地図道路要素の属性情報に基づいて前記地図を構築することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス測位方法。
【請求項3】
前記地図を構築することは、
高精度地図内の地図道路要素のセマンティック情報と位置情報を取得することと、
前記地図道路要素のセマンティック情報と位置情報に基づいて前記地図を構築することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス測位方法。
【請求項4】
前記予め構築した地図は、セマンティック地図である
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項5】
前記オフセット情報は、測位オフセット量を含み、
前記感知道路要素の属性情報および前記予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の前記地図道路要素との間の前記オフセット情報を確定することは、
前記感知道路要素の属性情報に基づいて、前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている地図道路要素を確定することと、
ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との同じデバイスの座標系における位置情報を確定することと、
前記位置情報に基づいて、前記ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の前記測位オフセット量を確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項6】
前記感知道路要素の属性情報に基づいて前記地図内から前記感知道路要素とペアになっている前記地図道路要素を確定することは、
前記地図内で、前記初期測位情報に基づいて予め設定された範囲内の地図道路要素を検索することと、
前記感知道路画像内の1つまたは複数の感知道路要素および前記予め設定された範囲内の1つまたは複数の地図道路要素に対して、属性情報に基づいてペアリングを実行して、複数のペアリングスキームを得ることと、
各前記ペアリングスキームの信頼度を確定することと、
前記複数のペアリングスキームの中の信頼度が一番高いか信頼度が所定の閾値を超えるペアリングスキーム中で、前記感知道路要素とペアになっている前記地図道路要素を確定することと、を含み、
異なるペアリングスキーム中の少なくとも1つの感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とのペアリング方法が、異なる
ことを特徴とする請求項5に記載のデバイス測位方法。
【請求項7】
前記感知道路画像内の感知道路要素と前記予め設定された範囲内の地図道路要素とに対してペアリングを実行することは、
前記感知道路画像内の1つの感知道路要素が、前記予め設定された範囲内の地図道路要素とペアになっていると確定できないことに応答して、ペアリング待ちの地図道路要素中で空の要素または仮想要素を設定して当該感知道路要素とペアリングを実行することを含む
ことを特徴とする請求項5または6に記載のデバイス測位方法。
【請求項8】
各前記ペアリングスキームの前記信頼度を確定することは、
各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの個々の類似度をそれぞれ確定することと、
各前記ペアリングスキーム中の各感知道路要素と地図道路要素とのペアの全体的な類似度を確定することと、
各前記ペアリングスキームの各体類似度と全体的な類似度に基づいて、各前記ペアリングスキームの前記信頼度を確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項6または7に記載のデバイス測位方法。
【請求項9】
前記測位オフセット量は、座標オフセット量および/または方向オフセット量を含み、
前記測位情報に基づいて前記ペアになっている感知道路要素と地図道路要素との間の前記測位オフセット量を確定することは、
前記感知道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、感知サンプリングポイントセットを得ることと、
前記地図道路要素のピクセル点に対してサンプリングを実行して、地図サンプリングポイントセットを得ることと、
前記感知サンプリングポイントセットと前記地図サンプリングポイントセットのそれぞれに含まれているサンプリング点の間の回転平行移動マトリックスを確定することと、
前記回転平行移動マトリックスに基づいて前記感知道路要素と前記地図道路要素の前記座標オフセット量および前記方向オフセット量を得ることと、を含む
ことを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項10】
前記デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得ることは、
前記デバイス上に装着された視覚センサを利用して前記デバイスが位置している路面の前記感知道路画像を収集することと、
前記デバイス上に装着された衛星測位システムおよび/または慣性測定ユニット(IMU)を利用して前記デバイスの初期測位情報を確定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項11】
前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの前記測位情報を得た後に、
得られた前記測位情報と前記初期測位情報とに対して再融合を実行して補正後の前記測位情報を得ることをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のデバイス測位方法。
【請求項12】
デバイス測位装置であって、
デバイスが位置している道路の感知道路画像および前記デバイスの初期測位情報を得るための取得ユニットと、
前記感知道路画像内の感知道路要素の属性情報を認識するための認識ユニットと、
前記感知道路要素の属性情報および予め構築した地図に基づいて、前記感知道路要素と前記地図内の地図道路要素との間のオフセット情報を確定するための確定ユニットと、
前記オフセット情報に基づいて前記初期測位情報を補正して前記デバイスの測位情報を得るための補正ユニットと、を備える
ことを特徴とするデバイス測位装置。
【請求項13】
デバイスであって、
前記デバイスメモリと、プロセッサと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサで運行可能のコンピュータ命令を記憶し、
前記プロセッサは、前記コンピュータ命令が実行されるときに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法によって測位を実行する
ことを特徴とするデバイス。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記録媒体であって、
前記プログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実現する
ことを特徴とするコンピュータ可読記録媒体。
【請求項15】
コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータ可読コードがプロセッサによって実行されるときに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法が実現される
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【国際調査報告】