(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-11
(54)【発明の名称】作業器具の位置を制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220704BHJP
E02F 3/85 20060101ALI20220704BHJP
G05D 1/00 20060101ALN20220704BHJP
【FI】
G05D1/02 Y
E02F3/85 D
G05D1/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565720
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020027886
(87)【国際公開番号】W WO2020226848
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェヴル、ジョセフ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ツオ、ティエンチアオ
(72)【発明者】
【氏名】レンツェン、ポール ディー.
(72)【発明者】
【氏名】クラウス、スティーブン アール.
【テーマコード(参考)】
2D003
5H301
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AA02
2D003AA03
2D003AB04
2D003BA02
2D003BA03
2D003BA04
2D003DB03
2D003DB04
2D003DB05
5H301AA03
5H301AA10
5H301BB02
5H301BB03
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG12
5H301GG17
(57)【要約】
【解決手段】 地表係合作業器具を制御するためのシステムは、機械位置センサ、作業面位置センサ、作業器具位置センサ、およびコントローラを含む。コントローラは、機械の位置を決定し、作業面の地形を決定し、タスク開始位置に隣接したタスク前トリガー位置の位置を決定し、地表係合作業器具の最下面の位置を決定する。コントローラは、横行信号を生成して、機械をタスク終了位置からタスク開始位置に向けて推進し、作業器具高さ信号を生成して、機械がタスク終了位置からタスク開始位置に向けて移動する際に、地表係合作業器具の最下面を横行閾値高さ以上に維持し、作業器具下降信号を生成して、機械がタスク前トリガー位置を通過した後で、作業器具をタスク前閾値高さまで下降させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(10)の地表係合作業器具(16)を制御し、その間に前記機械を作業面(104)に沿ってタスク終了位置からタスク開始位置(107)に移動させるシステム(38)であって、
前記機械の位置を示す機械位置データを生成するように構成された機械位置センサ(28)と、
前記作業面の地形を示す標高データを生成するように構成された作業面位置センサと、
前記地表係合作業器具(16)の最下面(23)の位置を示す作業器具位置データを生成するように構成された作業器具位置センサ(32)と、
コントローラ(36)であって、
横行閾値高さにアクセスし、
タスク前閾値高さにアクセスし、
前記機械位置データに基づき、前記機械の前記位置(10)を決定し、
前記標高データに基づき、前記作業面(104)の前記地形を決定し、
前記タスク開始位置(107)に隣接するタスク前トリガー位置(119)の位置を決定し、
前記作業器具位置データに基づき、前記地表係合作業器具(16)の前記最下面(23)の位置を決定し、
前記機械(10)を前記タスク終了位置(108)から前記タスク開始位置(107)に向けて推進するための横行信号を生成し、
前記機械(10)が前記タスク終了位置(108)から前記タスク開始位置(107)に向けて移動する際に、前記地表係合作業器具(16)の前記最下面(23)を前記横行閾値高さ以上に維持するために作業器具高さ信号を生成し、
前記機械(10)が前記タスク前トリガー位置(119)を通過した後、前記作業器具(16)を前記タスク前閾値高さまで下降させるための作業器具下降信号を生成するように構成されたコントローラを含む、システム。
【請求項2】
前記横行閾値高さが、前記作業(104)表面に対するものである、請求項1に記載のシステム(38)。
【請求項3】
前記横行閾値高さが、前記機械10に対するものである、請求項1に記載のシステム(38)。
【請求項4】
前記横行信号が、前記機械(10)を、前記経路(117)の位置に沿って、経路端部(108)の位置から、切取り位置(115)を通過し、逆進から前進へのシフト位置(118)に推進させる働きをし、前記コントローラ(36)がさらに、前記機械を前記逆進から前進へのシフト位置から前記切取り位置に推進させるための切取り前前進コマンドを生成するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(38)。
【請求項5】
前記作業器具下降信号が、前記横行閾値高さと前記タスク前閾値高さとの間で、前記地表係合作業器具(16)を直線的に下降させる働きをする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム(38)。
【請求項6】
前記タスク前トリガー位置が、前記作業位置に隣接している、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム(38)。
【請求項7】
前記横行閾値高さが、前記経路に沿った前記作業面の前記地形に基づく、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム(38)。
【請求項8】
コントローラ(36)がさらに、第一の横行閾値高さおよび第二の横行閾値高さを記憶し、第一の高さ閾値によって変化する際に前記作業面(104)の前記地形上の前記第一の横行閾値高さにアクセスし、第二の高さ閾値によって変化する際に前記作業面の前記地形上の前記第二の横行閾値高さにアクセスし、前記第二の高さ閾値が前記第一の高さ閾値よりも大きいように構成される、請求項7に記載のシステム(38)。
【請求項9】
機械(10)の地表係合作業器具(16)を制御し、その間に、前記機械を作業面(104)に沿って、タスク終了位置(108)からタスク開始位置(107)まで移動させる方法であって、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム(38)によって実行される工程を含む、方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム(38)を備える、機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、機械の制御に関し、より具体的には、機械の作業器具を制御しながら、その間に、第一のタスクの終了位置と次のタスクの開始位置との間で運転するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーザ、モータグレーダ、ホイールローダなどの機械は、様々なタスクを行うために使用される。例えば、これらの機械は、作業現場で材料を移動するために使用されうる。機械は、自律的、半自律的、または手動で運転して、機械の作業計画の一部として生成されたコマンドに応答して、これらのタスクを実行しうる。機械は、採掘、土工、その他の産業活動に関連するものなど、作業現場における異なる材料の掘削、緩め、運搬などを含む作業を実施するための作業計画に従って命令を受けることができる。
【0003】
自律的に運転される機械は、人間のオペレータまたは環境条件に関係なく、一貫して生産性を維持しうる。さらに、自律システムは、人間のオペレータにとって不適切または不快な環境での運転を可能にしうる。自律システムまたは半自律システムはまた、経験不足の人間のオペレータだけでなく、反復的なタスクに関連する非効率を補償しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律的または半自律的な方法で運転する場合、オペレータの介入の必要性を最小限に抑えることが望ましい。作業運転の合間に、ある位置から別の位置へ機械を移動させる間、作業器具が作業面と不注意に係合する可能性を低減することが望ましい。さらに、後続の作業運転のために機械を準備するために必要なサイクル時間を短縮することが望ましい。
【0005】
米国特許公開第2018/0119387号は、所望のグレード制御深度に基づき、作業車両のリッパーを自動的に制御するためのシステムを開示している。制御システムは、実際のグレード制御深度を示すフィードバック信号を提供する少なくとも一つのフィードバック装置を含み、フィードバック信号が、実際のグレード制御深度が所望のグレード制御深度と等しいことを示す時に、リッパーを上昇させる。
【0006】
一態様では、機械の地表係合作業器具を制御しながら、その間に、機械を作業面に沿ってタスク終了位置からタスク開始位置へ移動させるためのシステムは、機械位置センサ、作業面位置センサ、作業器具位置センサ、およびコントローラを含む。機械位置センサは、機械の位置を示す機械位置データを生成するように構成される。作業面位置センサは、作業面の地形を示す標高データを生成するように構成される。作業器具位置センサは、地表係合作業器具の最下面の位置を示す、作業器具位置データを生成するように構成される。コントローラは、逆進閾値高さにアクセスし、タスク前閾値高さにアクセスし、機械位置データに基づき機械の位置を決定し、標高データに基づき作業面の地形を決定し、タスク開始位置に隣接したタスク前トリガー位置の位置を決定し、作業器具位置データに基づき地表係合作業器具の最下面の位置を決定するように構成される。コントローラはさらに、横行信号を生成して、機械をタスク終了位置からタスク開始位置に向けて推進し、作業器具高さ信号を生成して、機械がタスク終了位置からタスク開始位置に向けて移動する際に、地表係合作業器具の最下面を横行閾値高さ以上に維持し、および作業器具下降信号を生成して、機械がタスク前トリガー位置を通過した後で、作業器具をタスク前閾値高さまで下降させるように構成される。
【0007】
別の態様では、機械の地表係合作業器具を制御し、その間に、機械を作業面に沿ってタスク終了位置からタスク開始位置へ移動させる方法は、横行閾値高さにアクセスすることと、タスク前閾値高さにアクセスすることと、機械に関連付けられた機械位置センサからの機械位置データに基づき機械の位置を決定することと、作業面位置センサからの位置データに基づき作業面の地形を決定することと、作業位置に隣接したタスク前トリガー位置の位置を決定することと、機械に関連付けられた作業器具位置センサからの作業器具位置データに基づき地表係合作業器具の最下面の位置を決定することと、を含む。方法はさらに、機械をタスク終了位置から作業位置に向けて推進するための横行信号を生成することと、機械がタスク終了位置から作業位置に向けて移動する際に、地表係合作業器具の最下面を横行閾値高さ以上に維持するための作業器具高さ信号を生成することと、機械がタスク前トリガー位置を通過した後で、地表係合作業器具をタスク前閾値高さまで下降させるために作業器具下降信号を生成すること、とを含む。
【0008】
また別の態様では、機械は、プライムムーバ、地表係合作業器具、機械位置センサ、作業面位置センサ、作業器具位置センサ、およびコントローラを含む。地表係合作業器具は、作業面を係合するための最下面を有する。機械位置センサは、機械の位置を示す機械位置データを生成するように構成される。作業面位置センサは、作業面の地形を示す標高データを生成するように構成される。作業器具位置センサは、地表係合作業器具の最下面の位置を示す、作業器具位置データを生成するように構成される。コントローラは、横行閾値高さにアクセスし、タスク前閾値高さにアクセスし、機械位置データに基づき機械の位置を決定し、標高データに基づき作業面の地形を決定し、タスク開始位置に隣接したタスク前トリガー位置の位置を決定し、作業器具位置データに基づき地表係合作業器具の最下面の位置を決定するように構成される。コントローラはさらに、横行信号を生成して、機械をタスク終了位置からタスク開始位置に向けて推進し、作業器具高さ信号を生成して、機械がタスク終了位置からタスク開始位置に向けて移動する際に、地表係合作業器具の最下面を横行閾値高さ以上に維持し、作業器具下降信号を生成して、機械がタスク前トリガー位置を通過した後で、作業器具をタスク前閾値高さまで下降させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示は例として図示されるものであり、添付された図中、同様の参照番号は類似の要素を示す。
【
図1】
図1は、本明細書に開示される原理を組み込んだ機械が使用されうる作業現場の概略図を示す。
【
図3】
図3は、材料移動計画の様々な態様を示す、作業現場の一部分を図解した断面を示す。
【
図4】
図4は、逆進運転の異なるセクションを示す、作業現場の一部分を図解した断面を示す。
【
図5】
図5は、逆進運転の開始からブレードが次の切取りレベルに来るまでの時間の関数としてのブレード高さの例示的なグラフを示す。
【
図6】
図6は、本開示による材料移動プロセスを示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一つ以上の機械10が、自律的、半自律的、または手動で運転しうる、作業現場100の図解を示す。作業現場100は、採掘現場、埋立地、採石場、建設現場、または材料の移動が望ましい任意の他の領域の一部であってもよい。移動材料に関連するタスクは、ドーズ作業、グレーディング作業、レベリング作業、バルク材料除去作業、または作業現場100における既存の地形の変化をもたらす他の任意のタイプの作業を含みうる。図示するように、作業現場100は、一端に高壁102、反対端に稜、盛土、またはその他の標高の変化などの頂部103を有する作業領域101を含む。材料は、概して、高壁102から、頂部103に向けて移動される。作業領域101の作業面104は、任意の形態をとることができ、作業領域の地勢の実際の外形または位置を意味する。
【0011】
本明細書で使用される場合、自律的な様式で動作する機械10は、人間のオペレータによる入力を必要とせずに、様々なセンサから受信した情報に基づき自律的に動作する。半自律的に動作する機械は、機械内または遠隔でのオペレータを含み、このオペレータが、一部のタスクを実行するか、または一部の入力を提供して、他のタスクは自動的に実行され、様々なセンサから受信した情報に基づくものでもよい。手動で運転される機械は、オペレータが、機械のすべてまたは実質的にすべての機能を制御する機械である。機械は、手動または半自律的な方法でオペレータによって遠隔操作(すなわち、リモートコントロール)されてもよい。
【0012】
図2は、材料を押すように構成されたブレード16などの地表係合作業器具を有する、ドーザなどの機械10の図解を示す。機械10は、フレーム12と、エンジン13などのプライムムーバとを含む。軌道15などの地表係合駆動機構は、機械10の対向面上の駆動スプロケット14によって駆動されて、機械を推進してもよい。機械10は「軌道タイプ」構成で示されているが、ホイール構成などの他の構成を使用してもよい。駆動スプロケット14および軌道15に動作可能に接続されたエンジン13およびトランスミッション(図示せず)の動作は、コントローラ36を含む制御システム35によって制御されうる。本開示のシステムおよび方法は、静圧駆動、電気駆動、または機械駆動を含む、当技術分野で適用可能な任意の機械推進および駆動機構と共に使用されうる。
【0013】
ブレード16は、機械10の各側面上のアーム18によってフレーム12に枢動可能に連結されてもよい。フレーム12に連結された第一の油圧シリンダ21は、ブレード16を垂直方向に支持し、ブレード16が、
図2の視点から上下に移動することを可能にする。機械10の各側面上に一つある一対の第二の油圧シリンダ22は、ブレード先端23のピッチ角が機械の中心線に対して変化することを可能にする。
【0014】
機械10は、オペレータが物理的に占有し、機械を制御するための入力を提供することができる運転台24を含んでもよい。運転台24は、オペレータが機械の推進システムおよびステアリングシステムを制御するコマンドを発行し、また機械に関連付けられた様々な器具を操作することができる、ジョイスティック25などの一つ以上の入力装置を含みうる。
【0015】
機械10は、機械10との関連を示す
図2の矢印によって一般的に示されるように、制御システム35によって制御されうる。制御システム35は、電子制御モジュールまたはコントローラ36および複数のセンサを含みうる。コントローラ36は、無線通信システム30を介して、運転台24内または機外から機械10を運転するオペレータからの入力信号を受信してもよい。コントローラ36は、駆動システムおよび油圧システムを含む機械10の様々な態様の動作を制御しうる。
【0016】
コントローラ36は、演算を実行し、制御アルゴリズムを実行し、データおよびその他の所望の演算を保存・取得するために、論理的な様式で動作する電子コントローラであってもよい。コントローラ36は、メモリ、二次記憶装置、プロセッサ、およびアプリケーションを実行するための他の任意の構成要素を含みうるか、またはそれらにアクセスしうる。メモリおよび二次記憶装置は、コントローラによってアクセス可能な、読み出し専用メモリ(ROM)またはランダムアクセスメモリ(RAM)または集積回路の形態としうる。電源回路、信号調整回路、ドライバ回路、および他のタイプの回路など様々な他の回路が、コントローラ36と関連付けられてもよい。
【0017】
コントローラ36は、機械10の様々な機能および/または特性を制御するように配置された、単一のコントローラであってもよく、または二つ以上のコントローラを含んでもよい。「コントローラ」という用語は、機械10に関連付けられてもよく、機械の様々な機能および動作を制御するために連動しうる、一つ以上のコントローラおよび/またはマイクロプロセッサを含むように、その最も広い意味で使用されることが意図される。コントローラ36の機能は、機能に関係なく、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに実装されてもよい。コントローラ36は、コントローラのメモリに記憶されうる、機械10および作業現場100の動作条件および動作環境に関する一つ以上のデータマップに依存してもよい。これらのデータマップの各々は、表、グラフ、および/または方程式の形態でのデータ集合体を含みうる。
【0018】
制御システム35およびコントローラ36は、機械10上に位置してもよく、コマンドセンター129(
図1)など、機械から遠隔して位置する構成要素を含んでもよい。制御システム35の機能は、特定の機能が機械10で実行され、他の機能が遠隔で実行されるように、分散されてもよい。このような場合、制御システム35は、機械10と機械から遠隔して位置するシステムとの間で信号を送信するための無線通信システム130などの通信システムを含んでもよい。
【0019】
機械10は、自律的に、半自律的に、または手動で運転されるよう構成されてもよい。半自律的または手動で運転する場合、機械10は、遠隔制御によって、および/または運転台24内に物理的に位置しているオペレータによって運転されてもよい。
【0020】
機械10は、機械10との関連を示す
図2の矢印によって一般的に示されるように、機械の様々な運転パラメータおよび/または機械が運転されている動作環境を示す(直接的または間接的に)データを提供する、複数の機械センサ26を備えてもよい。「センサ」という用語は、機械10に関連付けられることができ、機械の様々な機能、動作、および動作特性、および機械が運転されている環境および/または状況を感知するために連動しうる、一つ以上のセンサおよび関連構成要素を含めて、その最も広い意味で使用されることが意図される。
【0021】
機械位置感知システム27は、機械10との関連を示す
図2の矢印によって一般的に示されるように、作業現場100に対する機械の位置および配向(すなわち、進行方向、ピッチ、ロールまたは傾斜、およびヨー)を感知するために、機械位置センサ28を含みうる。機械10の位置および配向は、時には集合的に機械の位置と呼ばれる。機械位置センサ28は、機械10の位置および配向を示す機械位置データまたは信号を生成して、コントローラ36に提供するように構成される、複数の個々のセンサを含みうる。
【0022】
一つの例では、機械位置センサ28は、位置センサとして動作するために、全地球航法衛星システムまたは全地球測位システムなどの測位システムと相互作用する一つ以上のセンサを含みうる。別の実施例では、機械位置センサ28は、さらにまたは代替的に、地表または地面の基準に対する機械10の勾配または傾斜を測定するための慣性計測装置および/または勾配センサまたは傾斜センサ(例えば、ピッチ角センサ)を含みうる。コントローラ36は、機械位置センサ28からの機械位置信号を使用して、作業現場100内の機械10の位置を決定してもよい。他の実施例では、機械位置センサ28は、オドメーターもしくは別のホイール回転感知センサ、知覚ベースのシステムを含んでもよく、またはレーザー、ソナー、もしくはレーダーなどの他のシステムを使用して、機械10の位置のすべてまたは一部の側面を決定してもよい。
【0023】
さらに、機械位置感知システム27は、機械10が移動している作業面104の標高または地形を決定するためにも使用されうる。より具体的には、機械10の既知の寸法および作業現場100での機械の標高に基づき、作業面104の標高または地形も決定されうる。結果として、機械位置感知システム27は、機械位置感知システムおよび作業面位置感知システムのいずれかまたは両方として動作しうる。同様に、機械位置センサ28は、機械位置センサおよび作業面位置センサのいずれかまたは両方として動作しうる。したがって、機械位置センサ28はまた、作業面104の関連する標高または地形を決定するために、コントローラ36によって解釈される標高データまたは信号を生成する作業位置センサとして動作してもよい。別の地上機械(図示せず)またはドローン(図示せず)上などの、他のセンサまたは専用の作業面位置センサが、作業面104の標高または地形を示す標高データを生成するために、代替的に使用されてもよい。作業面104の標高または地形を示すデータは、(例えば、地球、作業現場100、機械10などに対して)多数ある参照フレームまたは視点のどれかで表現または取得されうる。
【0024】
機械10との関連を示す
図2の矢印によって一般的に示されるように、作業器具位置感知システム31は、ブレード16などの作業器具の位置を感知するために、作業器具位置センサ32を含みうる。ブレード16の既知の寸法に基づき、先端23などの最下面の位置または高さは、作業器具位置データから決定されうる。実施形態では、作業器具位置センサ32は、作業器具位置データまたはブレード16の位置を示す信号を生成し、コントローラ36に提供するように構成された第一の油圧シリンダ21上に位置するシリンダ位置センサを備えてもよい。
【0025】
図3を参照すると、機械10は、作業現場100で、一つ以上の材料移動計画に従って、経路117に沿って、第一の位置107から、ダンプ位置108などの経路またはタスク終了位置に、材料を移動させるように構成されうる。ダンプ位置108は一般に、第一の位置から坂を下ったところに位置するが、必ずしもそうとは限らない。ダンプ位置108は、頂部103または任意の他の位置であってもよい。材料移動計画は、とりわけ、作業現場100の経路に沿って第一の位置107からダンプ位置108まで、作業面104に間隔を置いて切り込まれた複数のチャネルまたはスロット110を形成することを含みうる。そうすることで、各機械10は、第一の位置107とダンプ位置108との間を経路117に沿って前後に移動しうる。
【0026】
図3に示すように、一実施形態では、各スロット110は、最終作業面または最終設計平面112に到達するまで、一つ以上の層113の作業面104から材料105を除去することによって形成されうる。機械10のブレード16は、スロット110に沿って縦方向に間隔をおいた一連の切込み114のある作業面104と係合してもよい。それぞれの切込み114は、作業面104に沿った切取り位置115などのタスク開始位置で始まり、そこでブレード16は作業面104と係合し、材料105内まで延び、特定の層の標的表面116に向けて移動する。多くの作業では、切取り位置115は、ダンプ位置108に最も近い位置から始まり、第一の位置107に向けて漸進的に後方または坂を上って移動する。したがって、
図3に図示するように、材料は、標的表面116全体が露出されるまで、特定の層113に対して、連続的な切取り位置115で、右から左へ複数の切取り作業を実行することによって移動される。次いで、このプロセスが、後続のそれぞれの層113に対して繰り返される。
【0027】
本明細書で使用される「上り坂」という用語は、頂部103またはダンプ位置108に対して、高壁102に向かう方向を指す。同様に、「下り坂」という用語は、高壁102に対して、頂部103またはダンプ位置108に向かう方向を指す。
【0028】
材料の展延またはダンピングは、任意の所望の様式で達成されうる。一つの実施形態では、材料または表土は、下向きの勾配または頂部に到達し、落下するまで、作業面に沿って押しやられる。第二の実施形態では、材料または表土は、所望の移動位置の端部に到達するまで、作業面に沿って押しやられる。所望の移動位置の端部に到達すると、機械10は逆方向に運転され、機械が運転されている作業面上に材料の山が残る。いずれの実施形態でも、経路端部または移動位置の端部に到達した後、機械が、ブレード16の先端23が次の切取り位置と整列し、次の連続的な材料移動作業が実行される作業面104上の位置に到達するまで、機械10を、経路端部または移動位置の端部から離れるように後方に推進することによって、逆進運転が実行される。
【0029】
一部の実施形態では、機械10は、次の切取り位置から上り坂に位置する逆進から前進へのシフト位置118に到達するまで、次の切取り位置115を通過して作業面104を推進させてもよい。言い換えれば、
図4を参照すると、逆進運転は、ダンプ位置108と切取り位置115との間に延在する矢印122によって示される第一のセクションと、切取り位置115と逆進から前進へのシフト位置118との間に延在する矢印123によって示される第二のセクションとを含む。逆進から前進へのシフト位置118に到達すると、前進推進信号を生成して、ブレード16が作業面104の上方にある状態で、切取り位置115に向けて機械10を推進することができる。ブレード16が切取り位置115に到達した後、ブレード16が切取り位置で作業面104に切り込み、材料をダンプ位置108に移動されることで、材料移動プロセスが繰り返される。
【0030】
制御システム35は、採掘計画の様々な態様の決定または計画をするためのモジュールまたは計画システム37を含みうる。計画システム37は、作業面104の構成、最終設計平面112、望ましい標的の形状、および移動される材料の特性などの様々なタイプの入力を受信・記憶しうる。計画システム37は、複数の切取り位置で作業面104を切り取った結果をシミュレートし、その後、一つ以上の基準に基づき、最も望ましい結果を生む次の切取り位置を選択しうる。計画システム37はまた、材料移動計画の他の態様を計画する働きをさせてもよい。
【0031】
実施形態では、計画機能は、機械10を運転する間に行われてもよい。他の実施形態では、計画機能の一部またはすべての態様は、前もって実行されてもよく、計画システム37への様々な入力や結果および関連データが、コントローラ36のデータマップの一部として記憶されてもよい。
【0032】
制御システム35はまた、機械10が、ダンプ位置108など、そのタスク終了または移動位置の終了から、次のタスク開始または切取り位置115に移動する際に、ブレード16の位置を制御する働きをする、横行器具位置システム38を含んでもよい。より具体的には、機械10が材料を前の切取り位置からダンプ位置108に移動させた後、機械は、作業面104に沿って後方に次の切取り位置115まで移動される。多くの場合、作業面104は平坦ではなく、したがって、機械10は、経路117に沿って機械が推進される際に前方および後方に傾くこともある。例えば、
図4を参照すると、機械10が後方に移動すると、隆起120に遭遇することがあり、これによって、機械が隆起を越えて移動する際に、機械の前面が下に移動した後、上に移動する。同様に、機械10が作業面104にある穴や凹部121に遭遇することがあり、これによって、機械が凹部を通って移動する際に、機械10の前面が上に移動した後、下に移動する。
【0033】
いずれの場合においても、機械10の前面が下向きに移動すると、ブレード16の先端23などの最下面が作業面104と接触し、機械が経路117に沿って推進される際に、材料を引きずることになる。したがって、横行器具位置システム38は、ブレード16の先端23などの最下面を指定された高さ以上に維持することによって運転してもよく、一方、機械は作業現場100を横行して、作業器具を次のタスク開始位置に位置付けるように作動する。ブレード16の最下面(例えば、先端23)を、
図5の150で描写されるこうした「横行閾値高さ」以上に維持することは、機械10が逆進して次の切取り位置に推進される際に、ブレードが作業面104に接触する可能性を最小化する働きをする。
【0034】
一部の実施形態では、横行器具位置システム38は、作業器具(例えば、ブレード16)の最下面(例えば、先端23)を、機械10に対して指定された高さ(すなわち、横行閾値高さ150)に維持するように構成されてもよい。例えば、横行器具位置システム38は、最下面(例えば、先端23)が、機械10が作業面104上を移動する際に、機械の底部から指定された距離(例えば、1m)だけ上方に留まるように、ブレード16を上方に移動させてもよい。しかし、機械10が隆起120および凹部121上を移動する際に、作業器具の最下面と作業面104との間の実際の距離は、機械の前面が上下に移動する結果として変化しうる。
【0035】
他の実施形態では、横行器具位置システム38は、例えば、機械10に対するブレードの位置を連続的に調整することにより、作業面104の地形が変化しても、作業器具(例えば、ブレード16)の最下面(例えば、先端23)を、作業面104の上方の指定された高さまたは距離(すなわち、横行閾値高さ150)に維持するように構成されてもよい。こうした場合、横行器具位置システム38は、機械が経路117に沿って移動する際の作業面の地形に基づき、機械10に対するブレード16の位置を調整する高さ信号を生成しうる。こうした構成を通して、横行器具位置システム38は、機械10が後方に推進される際に、少なくとも横行閾値高さ150と等しい作業面104より上の距離に、作業器具の最下面を維持する。
【0036】
さらに、機械10が可能な限り効率的に動作するためには、機械が次のタスク開始位置に近づくにつれて、ブレード16を作業面104に向けて下降させることが望ましい場合がある。言い換えれば、逆進運転の全期間中、ブレード16の最下面を(例えば、先端23)を横行閾値高さ150より上に維持するのではなく、横行器具位置システム38は、逆進運転のほとんどの期間中に、作業器具の最下面を横行閾値高さ以上に位置付けるように作動し、その後、機械10が次のタスク開始位置(例えば、切取り位置115)に近づくにつれて、作業器具の最下面を作業面104に向けて下降させるように作動させてもよい。
【0037】
例えば、横行器具位置システム38は、タスク前トリガー位置119(
図4)でブレード16を下降させ始め、最終的に切取り位置115と整列した位置でタスク前閾値高さ(
図5の151で表される)に最終的に達するように、ブレードを徐々に下降させてもよい。実施形態では、タスク前閾値高さ151は、作業面104のわずかに上方でもよい。第一の実施形態では、下降プロセスは、
図5に示すように、時間に関して直線的であってもよく、第二の実施形態では、機械が移動する距離に関して直線的であってもよい。
【0038】
ブレード16が横行閾値高さ150で維持される逆進運転中に移動した距離は、
図4に124で示され、対応する経過時間は、
図5の125で示されている。ブレード16がタスク前閾値高さ151に向けて移動している逆進運転中に移動した距離は、
図4に126で示され、ブレード16がタスク前閾値高さ151に向けて移動している逆進から前進へのシフト位置118から切取り位置115まで移動した距離は、127で示されている。ブレードがタスク前閾値高さ151に移動している間の機械10の移動に対応する経過時間は、
図5に128で示されている。
【0039】
コントローラ36は、機械10がタスク前トリガー位置119を通過した後、作業器具下降信号を生成して、ブレード16をタスク前閾値高さ151まで下降させることによって動作してもよい。一例として、一実施形態では、機械10は、逆進運転中に50~100ヤードを、およびタスク前閾値動作中に約10~15ヤード(すなわち、タスク前トリガー位置119と切取り位置115との間の機械移動距離)を移動しうる。逆進から前進へのシフト位置118は、切取り位置115から5ヤードだけ坂の上であってもよく、そのため、タスク前閾値距離が12ヤードである場合、切取り前トリガー位置119は、切取り位置115から2ヤードだけ坂の下である。こうした実施例では、タスク前トリガー位置119は、それが切取り位置から5~7.5ヤード以内である場合、切取り位置115に隣接しているとみなされうる。タスク前閾値距離の長さは、機械10のサイズに依存することがあり、より大きな機械ほど、大きなタスク前閾値距離を必要とする。タスク前トリガー位置119は、逆進から前進へのシフト位置118の位置およびブレード16が下降される速度に応じて、切取り位置から下り坂または上り坂であってもよい。こうした運転を通して、ブレード16が切取り位置115に隣接して、横行閾値高さ150からタスク前閾値高さ151まで下降している間、切取り位置115に隣接している時間は無駄にならない。
【0040】
横行閾値150の高さは、作業面104の予想される地勢または地形に基づき設定されうる。例えば、より大きな隆起120および凹部121は、ブレード16の最下面が逆進運転中に作業面104に接触する可能性を最小化するために、より大きな横行閾値高さを有する。したがって、一部の実例では、コントローラ36は、作業面104の地形に基づき選択されるか、またはアクセスして使用される、複数の異なる横行閾値高さをその内部に記憶するか、またはそれにアクセスしうる。例えば、コントローラ36は、第一および第二の異なる横行閾値高さを記憶し、作業面の地形の変化に基づき、横行閾値高さを選択しうる。一部の実例では、ブレード16を比較的高い位置にして機械10を運転すると、機械の安定性が低下しかねないため、特定の地形に対して最も低い横行閾値高さを使用することが望ましい場合がある。これは、例えば、機械10が側壁勾配上で運転している時に発生しうる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本明細書に記述される横行器具位置システム38の産業的適用性は、先行する考察から容易に理解されるであろう。前述の考察は、一つ以上の機械10が、作業現場100で自律的に、半自律的に、または手動で運転されて材料を移動するシステムに適用される。こうしたシステムは、採掘現場、埋立地、採石場、建設現場、道路工事現場、森林、農場、または材料の移動が望ましい任意の他の領域で使用されうる。機械10は、第一のタスクが完了する位置から、次のタスクが開始される位置まで、作業面104の上方を移動される作業器具を含みうる。
【0042】
図6を参照すると、横行器具位置システム38の例示的な動作を示すフローチャートが図示されている。段階50では、機械10の特性は、コントローラ36内部に記憶されてもよく、またはそれによってアクセスされてもよい。機械の特性は、例えば、機械10の寸法を含みうる。機械10の寸法は、例えば、機械10が経路117に沿って移動する際に、作業面104の標高または地形が決定されうるように、機械位置センサ28の位置に対する軌道15の底部の位置を含みうる。これにより、機械位置センサ28は、作業面104の標高を決定する働きをする位置センサとして動作するようになる。
【0043】
横行器具位置システム38の運転パラメータは、段階51でコントローラ36内部に記憶されてもよく、またそれによってアクセスされてもよい。一つの運転パラメータは、例えば、横行器具位置システム38がどのように構成されるかに応じて、機械10の底部または作業面104に対して、先端23などブレード16の最下部の最小高さを画定する横行閾値高さ150を含みうる。別の運転パラメータは、切取り作業を開始する直前に、作業面104の上方でのブレード16の最下面の標的高さを画定する、タスク前閾値高さ151を含みうる。運転パラメータはまた、機械10がその逆進運転を停止し、切取り位置に向けて前方へ移動し始める時または場所を画定する、逆進から前進へのシフト位置118の位置を決定するために使用される切取り位置115からの距離を含みうる。さらに別の運転パラメータは、横行器具位置システム38が、横行閾値高さ150から、タスク前閾値高さ151に向けてブレードを下降させ始める時期または場所を画定する、タスク前トリガー位置119の位置を決定するために使用される切取り位置115からの距離を含みうる。
【0044】
実際の逆進から前進へのシフト位置118およびタスク前トリガー位置119は、運転パラメータとして記憶されず、むしろ各切取り位置115に対する距離が、運転パラメータとして記憶されうる。したがって、計画システム37が次の切取り位置115の位置を決定すると、横行器具位置システム38は、逆進から前進へのシフト位置およびタスク前トリガー位置を決定しうる。
【0045】
段階52で、コントローラ36は、経路117に沿って初期切取り位置115を決定しうる。段階53で、機械10は、初期切取り位置115で作業面104に切り込み、材料を経路117に沿ってダンプ位置108に移動させることによって、材料移動プロセスを実施するように運転されてもよい。コントローラは、決定段階54で、機械10がダンプ位置108に到達したかどうかを決定してもよい。機械がダンプ位置に到達していない場合、機械の運転は継続され、段階53~54が繰り返される。
【0046】
機械10がダンプ位置108に到達すると、コントローラ36は、段階55で新しい切取り位置115を決定しうる。コントローラ36は、段階56で、機械10が経路117に沿って切取り位置115に移動する際に、ブレード16の最下面が作業面104に接触する可能性を低減するために、ブレード16を横行閾値高さ150まで上昇させうる。段階56では、コントローラ36は、逆進信号を生成して、ダンプ位置108などの経路端部から切取り位置115に向けて機械を後方に推進しうる。
【0047】
決定段階58で、コントローラ36は、機械10が、切取り位置115に概ね隣接するタスク前トリガー位置119に到達したかどうかを判定しうる。機械10が、タスク前トリガー位置119に到達していない場合、機械の運転は変化せず継続し、段階56~58が繰り返されうる。
【0048】
機械10が、タスク前トリガー位置119に到達した場合、コントローラ36は、段階59で、機械10を逆方向に推進し続けうる。段階60で、コントローラ36は、ブレード16をタスク前閾値高さ151に向けて下降させ始めうる。コントローラ36は、ブレードの先端23が切取り位置115と整列する時点もしくはそのいくらか前に、ブレード16の先端23がタスク前閾値高さ151に到達するような速度で、ブレード16を下降させうる。
【0049】
決定段階61で、コントローラ36は、機械10が逆進から前進へのシフト位置118に到達したかを判定しうる。機械10が逆進から前進へのシフト位置118に到達した場合、コントローラ36は、機械を停止するための制動コマンドを生成し、次いで、段階62で、機械10を逆進から前進へのシフト位置から切取り位置115に向けて推進するための切取り前前進コマンドを生成しうる。段階63では、コントローラ36は、タスク前閾値高さ150に向けてブレード16を下降させ続けうる。
【0050】
コントローラ36は、決定段階64で、機械10が切取り位置115に到達したかどうかを判定しうる。機械10が切取り位置115に到達していない場合、段階62~64が繰り返され、機械が切取り位置115に向けて移動し続け、ブレード16がタスク前閾値高さ151に向けて下向きに移動されうる。機械10が切取り位置115に到達した場合、コントローラ36は、段階65で、タスク前閾値高さ151でブレード16の下降を停止しうる。コントローラ36は次に、次の材料切取り作業を開始し、段階53~65を繰り返しうる。
【0051】
一部の実例では、ブレード16は、機械10が切取り位置115に到達する前に、タスク前閾値高さ151に到達してもよい。このような場合、横行器具位置システム38は、機械10が切取り位置115に到達していなくても、ブレードがタスク前閾値高さに到達した時点でブレード16の下降を停止するように構成されうる。
【0052】
当然のことながら、前述の説明は、開示されたシステムおよび技法の例を提供する。しかしながら、本開示の他の実施は、前述の実施例から詳細な点で異なってもよいことが企図される。例えば、横行器具位置システム38は、他のタイプの作業器具が作業面104の上の作業現場100を横行して、前のタスクのタスク終了位置からその次のタスク開始位置へ移動するときにも使用されうる。
【0053】
一例として、材料が一杯入ったバケット(図示せず)を採掘位置からダンプ位置へ移動させる場合、材料がバケットから落下し、作業現場の地形を変化させることがある。したがって、バケットが次の採掘位置に戻る間、バケットが横行閾値高さ以上を保つようにするために、横行器具位置システム38を利用することが望ましい場合がある。そうするにあたり、横行閾値高さは、機械10または作業面104に対するものであってもよい。さらになお、一部の例では、スクレーパーなどの機械を第一の位置で使用し、次いで第二の位置に輸送して、別の材料移動作業を行ってもよい。横行器具位置システム38は、機械または作業面のいずれかに対して、スクレーパーの作業器具を所望の高さまたはそれ以上の高さに維持するために使用されうる。
【0054】
本開示またはその実施例への全ての参照は、その点で考察される特定の実施例を参照することを意図しており、一般開示に関する限定を意味するものではない。特定の特徴に関する区別および名誉棄損の全ての文言は、それらの特徴に対する選好性の欠如を示すことを意図しているが、別段の指示がない限り、本開示の範囲からそのようなものを完全に除外するものではない。
【0055】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)「a」および「an」および「the」および「少なくとも一つ」という用語、ならびに類似の参照語の使用は、本明細書に別段の示唆がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を網羅するように解釈されるべきである。「少なくとも一つ」という用語に、一つ以上の項目のリスト(例えば、AおよびBの少なくとも一つ)が続いて使用される場合、本明細書に別段の示唆がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(AまたはB)から選択された一項目、または列挙された項目(AおよびB)のうち二つ以上の任意の組み合わせを意味すると解釈されるものとする。別段の記載がない限り、「含む」、「有する」、「含む」、および「含有する」という用語は、非限定的な用語として解釈されるものとする(すなわち、「含むがこれに限定されない」を意味する)。
【0056】
本明細書の値の範囲の列記は、本明細書中で特に示さない限り、該範囲内の個々の値を個別に参照する簡略な方法として機能することが単に意図されるものであり、個々の値はそれぞれあたかも本明細書に個別に記載されるかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書中に特に示される、または明らかに文脈と矛盾しない限り、本明細書に記載されるすべての方法は、任意の適切な順序で実施することができる。
【0057】
従って、本開示は、適用法により許可されている特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正および均等物を含む。さらに、本明細書に別途指示がない限り、あるいは別途に文脈によって明らかに矛盾しない限り、その可能性のあるすべての変形における上述の要素の任意の組み合わせは、本開示によって包含される。
【国際調査報告】