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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-11
(54)【発明の名称】TDG活性を阻害する化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/44 20060101AFI20220704BHJP
   C07D 405/06 20060101ALI20220704BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20220704BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20220704BHJP
   C07D 411/06 20060101ALI20220704BHJP
   C07D 319/18 20060101ALI20220704BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/357 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/397 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/4035 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/453 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/538 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20220704BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
C07D209/44
C07D405/06 CSP
C07D405/12
C07D471/04 106H
C07D411/06
C07D319/18
C07D401/06
A61K31/357
A61K31/397
A61K31/4025
A61K31/4035
A61K31/4155
A61K31/416
A61K31/427
A61K31/437
A61K31/4433
A61K31/453
A61K31/4725
A61K31/506
A61K31/538
A61K31/55
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565772
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2020084755
(87)【国際公開番号】W WO2020224396
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】201910385851.5
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521456449
【氏名又は名称】エピタス バイオサイエンシズ(シャンハイ)カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】チュー ウェイシン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ションリエン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ クオリャン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB04
4C063CC14
4C063CC79
4C063CC82
4C063CC87
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD06
4C063DD07
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD14
4C063DD15
4C063DD19
4C063DD22
4C063DD29
4C063DD54
4C063DD62
4C063EE01
4C065AA05
4C065BB05
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ01
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP07
4C065QQ05
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BA15
4C086BC02
4C086BC07
4C086BC10
4C086BC17
4C086BC28
4C086BC30
4C086BC32
4C086BC36
4C086BC37
4C086BC42
4C086BC74
4C086BC82
4C086CB05
4C086GA02
4C086GA06
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、TDG活性を阻害する化合物のクラスを提供する。具体的には、本発明は、式Iに示されるような新規構造を有する化合物を提供する。本発明の小分子阻害剤は、TDGに対して優れた阻害効果を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1およびR2は、OH、SH、置換もしくは非置換のC1-6アルコキシ、置換もしくは非置換のC1-6アルキルチオからなる群からそれぞれ独立に選択され;またはR1およびR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換または非置換の5~7員環を形成し;および該5~7員環は、
【化1】
からなる群から選択され;ここでXおよびYは、それぞれ独立にC(Rc)2、O、S、NRa、C(=O)、C(=S)から選択され;
1およびR2において、「置換」という語は、基中の水素が、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、シアノからなる群から選択される一つまたは複数(好ましくは1~3)の置換基によって置換されていることを意味し;
3は、C(Rc)2、C=O、C=S、CRc(OH)、CRc(SH)からなる群から選択され;
nは、0、1、2、3、または4であり;
4は、置換または非置換のC2-C6アルケニレン、置換または非置換のC2-C6アルキニレン、NRa、置換または非置換の環G基(ring G group)からなる群から選択される二価基であり;ここで、該環G(ring G)は、4~18員の複素環、5~18員の芳香族複素環、C3-C14芳香環、およびC3-C18炭素環からなる群から選択され;
4において、「置換」という語は、R4基の一つまたは複数の水素は、それぞれ独立にR’および/またはR’’で置換されていることを意味し;ただし、R4が環G基である場合、該環Gは、さらに任意選択でオキソおよび/またはチオを含んでもよく;
5は、H、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換または非置換のC1-C12アルキル、置換または非置換のC1-C12アルコキシ、置換または非置換のC1-C12アルキルカルボニル、-(C(Rc2o-OCORb、-(C(Rc2o-COORb、-(C(Rc2o-NRa-COORb、-(C(Rc2o-NRa-OCORb、N(Ra2、置換または非置換の環E基(ring E group)からなる群から選択され;ここで該環E基は、4~18員の複素環基、5~18員のヘテロアリール基、C6-C14アリール、C3-C18シクロアルキルからなる群から選択され;R5において、「置換」という語は、R5基の一つまたは複数の水素は、R’および/またはR’’で置換されていることを意味し;ただし、R5が環E基である場合、該環E基は、さらに任意選択でオキソおよび/またはチオを含んでもよく;
o=0、1、または2であり;
R’は、それぞれ独立にヒドロキシル、チオール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、置換または非置換のC1-C10アルキル、N(Ra2、置換または非置換のC1-C10アルコキシ、置換または非置換のC1-C10アルキルチオ、置換または非置換のC1-C10アルキルカルボニル、-COORb、-OCORb、置換または非置換の4~12員の複素環基、置換または非置換の5~12員のヘテロアリール、置換または非置換のC6-C14アリール、置換または非置換のC3-C15炭素環基からなる群から選択され;
R’’は、それぞれ独立にH、ヒドロキシル、チオール、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルからなる群から選択され;
a、Rb、およびRcは、それぞれ独立にH、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルからなる群から選択され;
特に明記しない限り、「置換」という語は、基中の一つまたは複数の水素が、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-C6アルキル、およびC1-C6ハロアルキルからなる群から選択される置換基によって置換されていることを意味する、
式I
【化2】
で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、またはその水和物、またはその結晶形、またはその溶媒和物。
【請求項2】
【化3】
は、R5-NRa-、
【化4】
であり;ここで
【化5】
は、環Gを表し、該環Gは少なくとも一つのNヘテロ原子を含む複素環または芳香族複素環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
【化6】
は、非置換であるか、または1~3個のR’および/またはR’’で置換されているR5-NRa-、
【化7】
からなる群から選択される基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記環E基は、
【化8】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物は、式IV-A、式IV-B、式IV-C、式IV-または式IV-D
【化9】
によって表され、ここでp=0、1、または2であり;n1=1、2、または3であり;R5、R’、R’’、Y、およびXは請求項1で定義されている通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物は、
【化10-1】
【化10-2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
化合物を製造する方法であって、ここで該方法は、
【化11】
式Aの化合物を式Bの化合物と反応させて、式Iの化合物を得る工程を含み;
ここでZは脱離基であり;
nは、1、2、または3であり;
5-NRa’は、
【化12】
5-N(Ra)Hからなる群から選択され;
1、R2、R3、R5、およびRcは請求項1で定義されている通りである、方法。
【請求項8】
(i)請求項1に記載の化合物、および(ii)薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項9】
(i)TDG阻害剤の製造のための、または(ii)TDGの過剰発現に関係する疾患の治療および/または予防のための、請求項1に記載の化合物、またはその塩、またはその異性体、または請求項8に記載の医薬組成物の使用。
【請求項10】
前記TDGの過剰発現に関係する疾患は、腫瘍である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記腫瘍は、肺がん、結腸直腸がん、メラノーマ、乳がん、肝がん、神経膠腫、腎がん、膵がん、卵巣がん、胃がん、神経芽細胞腫、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
TDG活性を阻害する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、またはその水和物、またはその結晶形、またはその溶媒和物、または請求項8に記載の医薬組成物と対象を接触させることにより、TDG活性を阻害することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品化学の分野、特にTDG活性を阻害する化合物およびその製造および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトチミンDNAグリコシラーゼ(hTDG)は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)のスーパーファミリーに属する。このファミリーの酵素は、塩基フリップアウト(base-flipping)機構を使用して、二本鎖DNA(dsDNA)内の損傷した塩基を特定し、DNA塩基除去修復(BER)経路を活性化して損傷した塩基を置換することにより、DNA修復を仲介する。hTDGは、G・UおよびG・Tのペアリングでミスマッチのピリミジンウラシルおよびチミンを認識し、次にグリコシル結合の切断を行ってBER経路を活性化し、これらのミスマッチのDNAを修復すると報告されている。hTDGのもう一つの重要な機能は、5-メチルシトシン(5mC)のアクティブな脱メチル化を仲介することにより、エピジェネティックな調節経路に関与することである。真核生物では、シトシンのC5位置でのメチル化および脱メチル化が、転写調節およびゲノムの再プログラミングにおいて重要な役割を果たす。最近の研究は、哺乳類では、TETジオキシゲナーゼファミリーのメンバーが5mCを5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)に酸化し、さらに5-ホルミルシトシン(5fC)および5caCに酸化することができることを示している。hTDGは、5caCおよび5fCを認識した後、BER経路を活性化し、酸化シトシンを切除し、切除部位を非酸化シトシン(C)で修復し、最後に5mCのアクティブな脱メチル化プロセスを完了する。hTDGは、この新たに発見されたアクティブな脱メチル化プロセスを通じて、転写調節およびマウスの胚発生に関与している。さらに、hTDGは、タンパク質間相互作用を介して一連の転写調節因子(たとえば、CBP/p300、RXRa、TCF4、TTF-1等)に結合し、細胞の転写調節に関与することもできる。
【0003】
マウスの胚発生に関与することに加えて、TDG発現レベルは、様々なトランスジェニック発がんマウスモデルにおける乳腺腫瘍上皮組織、骨肉腫、およびリンパ球性がん腫(lymphocytic carcinoma)において増加する。研究によると、TDGタンパク質の発現は、結腸直腸がんおよび胃がんの臨床病理学的な切片で上方制御されており、TDG遺伝子のヌクレオシド多型は様々な腫瘍の感受性と密接に関連している。遺伝子干渉技術を使用してTDGの発現を低下させると、肺がん、結腸直腸がん、メラノーマ、乳がん、肝がん、神経膠腫、腎がん、膵がん、卵巣がん、胃がん、神経芽細胞腫等の様々な腫瘍細胞株の生存および増殖を阻害することができる。
【0004】
しかしながら、TDGを標的とする高効率の小分子阻害剤はまだ不足している。
【0005】
要約すると、TDGを標的とする効率的な小分子阻害剤を開発することが当技術分野において急務である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、TDGを標的とする効率的な小分子阻害剤を提供することである。
【0007】
本発明の第一の態様では、本発明の第1の態様では、式I
【0008】
【化1】
【0009】
で表される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、またはその水和物、またはその結晶形、またはその溶媒和物が提供され、
ここで、 R1およびR2は、OH、SH、置換もしくは非置換のC1-6アルコキシ(-O-C1-6アルキル)、置換もしくは非置換のC1-6アルキルチオ(-S-C1-6アルキル)からなる群からそれぞれ独立に選択され;またはR1およびR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換または非置換の5~7員環を形成し;および該5~7員環は、
【0010】
【化2】
【0011】
からなる群から選択され;ここでXおよびYは、C(Rc)2(好ましくはCH2)、O、S、NRa、C(=O)、C(=S)からそれぞれ独立に選択され;
1およびR2において、「置換」という語は、基中の水素が、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、シアノからなる群から選択される一つまたは複数(好ましくは1~3)の置換基によって置換されていることを意味し;
3は、C(Rc)2、C=O、C=S、CRc(OH)、CRc(SH)からなる群から選択され;
nは、0、1、2、3、または4であり;
4は、置換または非置換のC2-C6アルケニレン、置換または非置換のC2-C6アルキニレン、NRa、置換または非置換の環G基(ring G group)からなる群から選択される二価基であり;ここで、該環G(ring G)は、4~18員の複素環(好ましくは、4員~12員の複素環、より好ましくは、4員~6員の複素環)、5~18員の芳香族複素環(好ましくは、5員~12員の芳香族複素環)、C3-C14芳香環(好ましくは、C6-C10芳香環;より好ましくはベンゼン環)、およびC3-C18炭素環からなる群から選択され;
4において、「置換」という語は、R4基の一つまたは複数の水素は、それぞれ独立にR’および/またはR’’で置換されていることを意味し;ただし、R4が環G基である場合、該環Gは、さらに任意選択でオキソおよび/またはチオを含んでもよく; R5は、H、ニトロ、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、シアノ、置換または非置換のC1-C12アルキル、置換または非置換のC1-C12アルコキシ(C1-C12アルキル-O-)(好ましくは、C1-C6アルコキシ)、置換または非置換のC1-C12アルキルカルボニル(C1-C12アルキル-C(O)-)(好ましくは、C1-C6アルキルカルボニル)、-(C(Rc2o-OCORb、-(C(Rc2o-COORb、-(C(Rc2o-NRa-COORb、-(C(Rc2o-NRa-OCORb、N(Ra2、置換または非置換の環E基(ring E group)からなる群から選択され;ここで該環E基は、4~18員の複素環基(好ましくは、4員~12員の複素環基)、5~18員のヘテロアリール基(好ましくは、5~12員のヘテロアリール)、C6-C14アリール(好ましくは、C6-C10アルール;より好ましくはフェニル)、C3-C18シクロアルキルからなる群から選択され;R5において、「置換」という語は、R5基の一つまたは複数の水素は、R’および/またはR’’で置換されていることを意味し;ただし、R5が環E基である場合、該環E基は、さらに任意選択でオキソおよび/またはチオを含んでもよく;
o=0、1、または2であり;
R’は、それぞれ独立にヒドロキシル、チオール(-SH)、ニトロ、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、シアノ、置換または非置換のC1-C10アルキル(好ましくは、C1-C6アルキル、より好ましくは、C1-C4アルキル)、N(Ra2、置換または非置換のC1-C10アルコキシ(好ましくは、C1-C6アルコキシ、より好ましくは、C1-C4アルコキシ)、置換または非置換のC1-C10アルキルチオ(好ましくは、C1-C6アルキルチオ、よりこのマしくは、C1-C4アルキルチオ)、置換または非置換のC1-C10アルキルカルボニル(好ましくはC1-C6アルキルカルボニル、より好ましくは、C1-C4アルキルカルボニル)、-COORb、-OCORb、置換または非置換の4~12員の複素環基、置換または非置換の5~12員のヘテロアリール、置換または非置換のC6-C14アリール、置換または非置換のC3-C15炭素環基からなる群から選択され;
R’’は、それぞれ独立にH、ヒドロキシル、チオール、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルからなる群から選択され;
a、Rb、およびRcは、それぞれ独立にH、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキルからなる群から選択され;
特に明記しない限り、「置換」という語は、基中の一つまたは複数の(好ましくは1~3個の)水素が、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1-C6アルキル、およびC1-C6ハロアルキルからなる群から選択される置換基によって置換されていることを意味する。
【0012】
別の好ましい実施形態では、R’は、それぞれ独立にニトロ、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、シアノ、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、N(Ra2(好ましくは、NH2)、C1-C6アルコキシ、ハロゲン化C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、ハロゲン化C1-C6アルキルチオ、C1-C6アルキルカルボニル、ハロゲン化C1-C6アルキルカルボニルからなる群から選択される。
【0013】
別の好ましい実施形態では、R’は、それぞれ独立にニトロ、NH2、Br、Cl、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、シアノからなる群から選択される。
【0014】
別の好ましい実施形態では、R4は、C2-C6アルケニレン、NRa、置換または非置換の環Gからなる群から選択される。
【0015】
別の好ましい実施形態では、環Gは、少なくとも一つのNヘテロ原子を含む複素環または芳香族複素環である;好ましくは、環GのNヘテロ原子は、
【0016】
【化3】
【0017】
と結合している。
【0018】
別の好ましい実施形態では、
【0019】
【化4】
【0020】
は、R5-NRa-、
【0021】
【化5】
【0022】
であり、ここで
【0023】
【化6】
【0024】
は、置換または非置換の環G基を表す。
【0025】
別の好ましい実施形態では、環G基は、
【0026】
【化7】
【0027】
からなる群から選択される。
【0028】
別の好ましい実施形態では、
【0029】
【化8】
【0030】
は、非置換であるか、または1~3個のR’および/またはR’’で置換されているR5-NRa-、
【0031】
【化9】
【0032】
からなる群から選択される基である。
【0033】
別の好ましい実施形態では、R5は、H、ニトロ、ハロゲン(好ましくは、F、Cl、Br)、シアノ、C1-C12アルキルオキシ(好ましくは、C1-C6アルキルオキシ)、C1-C12アルキルカルボニル(好ましくは、C1-C6アルキルカルボニル)、C1-C12アルキルエステル基(好ましくは、C1-C6アルキルエステル基)、-(C(Rc)2)o-NRa-COORb、NRa、非置換のもしくは1~3個のR’で置換された環E基からなる群から選択される。
【0034】
別の好ましい実施形態では、環E基は、C6-C14アリール(好ましくは、フェニル)、5員~10員のヘテロアリール(好ましくは、1~3個の窒素ヘテロ原子を含む5~10員の芳香族複素環)から選択される。
【0035】
別の好ましい実施形態では、環E基は、
【0036】
【化10】
【0037】
から選択される。
【0038】
別の好ましい実施形態では、環E基は、
【0039】
【化11】
【0040】
から選択される。
【0041】
別の好ましい実施形態では、R3は存在しないか、またはC=Oである。
【0042】
別の好ましい実施形態では、5~7員環は、
【0043】
【化12】
【0044】
である。
【0045】
別の好ましい実施形態では、XおよびYの少なくとも一つは、OまたはSである。
【0046】
別の好ましい実施形態では、XはOであり、YはO、C=Oから選択される。
【0047】
別の好ましい実施形態では、化合物は、式II
【0048】
【化13】
【0049】
で表され、
ここでR1、R2、R3、R5、Rc、環G、およびnは、上記に定義した通りである。
【0050】
別の好ましい実施形態では、化合物は、式III
【0051】
【化14】
【0052】
で表され、
ここでR3、R4、R5、Rc、Y、X、およびnは、上記に定義した通りである。
【0053】
別の好ましい実施形態では、化合物は、式IV
【0054】
【化15】
【0055】
で表され、
ここでn1=0、1、または2であり;環G、R5、Y、およびXは、上記に定義した通りである。
【0056】
別の好ましい実施形態では、化合物は、式IV-A、式IV-B、式IV-C、または式IV-D
【0057】
【化16】
【0058】
で表され、
ここでp=0、1、または2であり;n1=0、1、またはであり;
R5、R’、R’’、Y、およびXは、請求項1で定義されているとおりである。
【0059】
別の好ましい実施形態では、化合物は、式V-Aまたは式V-B
【0060】
【化17】
【0061】
で表され、
ここでn1、R’、R’’、Y、およびXは、上記に定義した通りである。
【0062】
別の好ましい実施形態では、化合物は、表Aの化合物1~54から選択される。
【0063】
本発明の第二の態様は、第一の態様による化合物を調製する方法を提供し、該方法は、
【0064】
【化18】
式Aの化合物を式Bの化合物と反応させて、式Iの化合物を得る工程を含み;
ここでZは脱離基であり;
nは、1、2、または3であり;
5-NRa’は、
【0065】
【化19】
【0066】
5-N(Ra)Hからなる群から選択され;
1、R2、R3、R5、およびRcは第一の態様で定義されている通りである。
【0067】
別の好ましい実施形態では、Zは、Cl、Br、Iからなる群から選択される。
【0068】
本発明の第三の態様は、(i)第一の態様に記載の化合物、および(ii)薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0069】
本発明の第四の態様は、(i)TDG阻害剤の製造のための、または(ii)TDGの過剰発現に関係する疾患の治療および/または予防のための、第一の態様に記載の化合物、またはその塩、またはその異性体、または第三の態様に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0070】
別の好ましい実施形態では、TDGの過剰発現に関係する疾患は、腫瘍である。
【0071】
別の好ましい実施形態では、腫瘍は、肺がん、結腸直腸がん、メラノーマ、乳がん、肝がん、神経膠腫、腎がん、膵がん、卵巣がん、胃がん、神経芽細胞腫、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0072】
本発明の第五の態様は、TDG活性を阻害する方法であって、有効量の第一の態様に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、またはその水和物、またはその結晶形、またはその溶媒和物、または第三の態様に記載の医薬組成物と対象を接触させることにより、TDG活性を阻害することを含む方法を提供する。
【0073】
別の好ましい実施形態では、方法は、in vitroで非治療的および非診断的である。
【0074】
本発明の第六の態様は、TDGの過剰発現に関係する疾患の治療および/または予防のための方法を提供し、該方法は、有効量の第一の態様に記載の化合物、またはその塩、またはその異性体、または第三の態様に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0075】
別の好ましい実施形態では、対象は、哺乳類;好ましくは、ヒトである。
【0076】
本発明の範囲内で、本発明の上記の技術的特徴および以下に具体的に記載される技術的特徴(実施例等)を互いに組み合わせて、スペースの制限のために本明細書で繰り返し説明されない、新規のまたは好ましい技術的解決策を形成することができることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0077】
実施形態の詳細な説明
本発明者らは、広範かつ詳細な研究を経てきた。式Iに示されるような新規構造を有する化合物、特に式Iに示される一連のベンゾジオキサン化合物は、TDGに対して優れた阻害活性を有することを見出した。これにより、本発明が完成した。
【0078】
定義
本明細書で使用される場合、「環G基」という用語は、環Gが環上で2つの水素を失うことによって形成される(二価)基を指す。同様に、「環E基」は、環Eが環上で1つの水素を失うことによって形成される基を指す。
【0079】
特に明記しない限り、「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、指定された数の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を指す(すなわち、C1-C8は1~8個の炭素を表す)。好ましい例において、アルキルは、一般に、C1-C6アルキル、好ましくは、C1-C4アルキルを指す。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等を含むが、これらに限定されない。
【0080】
特に明記しない限り、「アルケニル」または「アルケニレン」という用語は、一つまたは複数の二重結合を有する不飽和アルキルまたはアルキレン基を指す。同様に、「アルキニル」または「アルキニレン」という用語は、一つまたは複数の三重結合を有する不飽和アルキルまたはアルキレン基を指す。そのような不飽和アルキル基の例は、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル以上の同族体および高級同族体(higher homolog)および異性体を含む。
【0081】
特に明記しない限り、「シクロアルキル」または「炭素環」という用語は、指定された数の環原子(たとえば、C3-C18シクロアルキルまたはC3-C18炭素環)を有し、完全に飽和されているまたは不飽和(たとえば、環頂点(ring vertex)間に一つだけの二重結合がある)である。たとえば、シクロプロピル(アルキル)、シクロブチル(アルキル)、シクロペンチル(アルキル)等である。「シクロアルキル」または「炭素環式環」は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン等の二環式および多環式炭化水素環も含む。
【0082】
特に明記しない限り、「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、窒素および硫黄原子が任意選択で酸化され、窒素原子が任意選択で四級化される、N、O、およびSから選択される1~5個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和シクロアルキル基を指す。複素環基は、単環式、二環式または多環式環系であってもよい。複素環基の非限定的な例は、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジン等を含む。ヘテロシクロアルキル基は、環炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合することができる。シクロアルキルおよびヘテロシクリルアルキル等の用語については、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルが、アルキルまたはアルキレンリンカーを介して分子の残りの部分に結合していることを意味する。
【0083】
特に明記しない限り、「アルキレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、-CH2CH2CH2CH2-等のアルカンに由来する二価基を指す。アルキル基(またはアルキレン基)は、一般に1~24個の炭素原子を有し、本発明では10個以下の炭素原子を有するものが好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、通常4個以下の炭素原子を有する、より短い鎖のアルキルまたはアルキレン基である。同様に、「アルケニレン」または「アルキニレン」は、それぞれ二重結合または三重結合を有する「アルキレン」の不飽和形態を指す。
【0084】
同様に、特に明記しない限り、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」という用語は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、それぞれ、指定された数の炭素およびそれぞれO、N、Si、およびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含むアルケニルまたはアルキニルを指す。ここで、窒素原子および硫黄原子は任意選択で酸化され、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、N、およびSは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置することができる。
【0085】
特に明記しない限り、「アルコキシ」または「アルキルオキシ」、「アルカミノ」または「アルキルアミノ」および「アルクチオ」または「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)という用語は、それらの従来の意味で使用され、それぞれ、酸素原子、アミノ基、または硫黄原子を介して分子の残りの部分に結合したアルキル基を指す。さらに、ジアルキルアミノ基の場合、アルキル基は同じでも異なっていてもよく、それぞれのアルキル基に結合した窒素原子と結合して3~7員環を形成することもできる。したがって、-NRabで表される基は、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニル等を含む。
【0086】
特に明記しない限り、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を指す。さらに、「ハロアルキル」等の用語は、モノハロアルキルまたはポリハロアルキルを含むことを意味する。たとえば、「C1-4ハロアルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピル等を含むことを意味する。
【0087】
特に明記しない限り、「アリール」または「芳香族環」という用語は、多価不飽和(通常は芳香族)炭化水素基を指し、単一の環または複数の環(最大3つの環)が融合または共有結合していてもよい。「ヘテロアリール」または「芳香族複素環」という用語は、窒素および硫黄原子が任意選択で酸化され、窒素原子が任意選択で四級化される、N、O、およびSから選択される1~5個のヘテロ原子を含むアリール基(または環)を指す。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合することができる。アリール基の非限定的な例は、フェニル、ナフチル、およびビフェニルを含み、ヘテロアリール基の非限定的な例は、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリン、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニル等を含む。上記のアリールおよびヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、以下に記載される許容される置換基の群から選択される。
【0088】
簡潔にするために、「アリール」という用語が他の用語と組み合わせて使用される場合(たとえば、アリールオキシ、アリールチオ、アラルキル)、それは、上記で定義されたアリールおよびヘテロアリール環を含む。したがって、「アラルキル」という用語は、アリール基が分子の残りの部分に結合したアルキル基に結合している基(たとえば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等)を含むことを意味する。
【0089】
一部の実施形態では、前述の用語(「アルキル」、「アリール」および「ヘテロアリール」等)は、特定の基の置換形態および非置換形態の両方を含む。各タイプの基に好ましい置換基を以下に示す。簡潔にするために、アリールおよびヘテロアリールという用語は、以下に提供される置換または非置換形態を指し、一方、「アルキル」および関連する脂肪族基という用語は、置換されていると示されない限り、非置換形態を指す。
【0090】
アルキル基の置換基(一般にアルキレン、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルと呼ばれるものを含む)は、以下の基から選択される様々な基であってもよい:-ハロゲン、-OR’、NR’R’’、SR’、-SiR’R’’R’’’、OC(O)R’、-C(O)R’、-CO2R’,-CONR’R’’、-OC(O)NR’R’’、-NR’’C(O)R’、-NR’-C(O)NR’’R’’’、-NR’’C(O)2R’、-NH-C(NH2)=NH、-NR’C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR’、-S(O)R’、-S(O)2R’、-S(O)2NR’R’’、NR’S(O)2R”、-CN、および-NO2。ゼロから(2m’+1)までの範囲の数値であり、ここで、m’は、この基の炭素原子の総数である。R’、R’’およびR’’’はそれぞれ独立して水素、非置換C1-8アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換アリール、1~3個のハロゲンで置換されたアリール、非置換C1-8アルキル、C1-8アルコキシまたはC1-8チオアルコキシ、または非置換のアリール-C1-4アルキルを表す。R’およびR’’が同じ窒素原子に結合している場合、それらは窒素原子と結合して3、4、5、6、または7員環を形成することができる。たとえば、-NR’R’’1-ピロリジニルおよび4-モルホリニルを含む。単独でまたは別の基の一部として使用される「アシル」という用語は、基の結合点に最も近い炭素上の2つの置換基が置換基=O(たとえば、-C(O)CH3、-C(O)CH2CH2OR’等)で置換されているものを指す。
【0091】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、およびケイ素(Si)を含むことを意図している。
【0092】
本明細書で提供される化合物の場合、置換基(通常はR基)から環の中心(たとえば、環G、環E等)への結合は、利用可能な環頂点(または環から派生した基)での接続を提供する結合を意味すると理解される。
【0093】
特に明記しない限り、本発明において、出現するすべての化合物は、単一のキラル化合物、または様々な異なるキラル化合物(すなわち、ラセミ体)の混合物等のすべての可能な光学異性体を含むことを意図している。本発明のすべての化合物において、各キラル炭素原子は、任意選択で、R配置もしくはS配置、またはR配置およびS配置の混合物であってもよい。
【0094】
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有する;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体、および個々の異性体(たとえば、分離されたエナンチオマー)は、本発明の範囲に含まれるべきである。本明細書で提供される化合物が定義された立体化学を有する場合(RまたはSで表されるか、または破線またはくさび形の結合で示される)、当業者は、それらの化合物が他の異性体を実質的に含まない(たとえば、少なくとも80%、90%、95%、98%、99%、および最大100%他の異性体を含まない)ことを理解するであろう。
【0095】
本明細書において、特に明記しない限り、「置換された」という用語は、基上の一つまたは複数水素原子が、以下の基から選択される置換基によって置換されることを意味する:シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル。
【0096】
本明細書で使用される場合、「1から3」または「1~3」は、1、2、または3を指す。
【0097】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、または「含む(comprising)」という用語は、様々な成分を本発明の混合物または組成物において一緒に使用することができることを意味する。したがって、「実質的に構成される」および「からなる」という用語は、「含む(comprising)」という用語に含まれる。
【0098】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」成分という用語は、過度の有害な副作用(毒性、刺激、およびアレルギー反応等)なしに、ヒトおよび/または動物での使用に適した物質、すなわち、合理的な利益/リスク比を有する物質を指す。
【0099】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」または「有効量」という用語は、単独でまたは別の治療薬と組み合わせて使用される場合、疾患の退縮を促進することができる、以下に記載される任意の量の薬物を指す。退縮は、疾患症状の重症度の低下、無症候性期間の頻度および期間の増加、または疾患によって引き起こされる障害(disorder)または障害(disability)の予防として顕在化する。本発明の薬物または薬剤の「治療有効量」または「有効量」は、「予防的有効量」も含む。「予防的有効量」とは、以下に記載する任意の量の薬剤であり、この量の薬剤を単独で、または他の治療薬と組み合わせて投与する場合、疾患を発症するリスクまたは疾患に罹患するリスクのある対象に投与する場合、疾患の再発、疾患の発症または再発を抑えることができる。
【0100】
本発明の化合物
本発明は、TDGを効果的に阻害する化合物を提供する。
【0101】
本明細書で使用される場合、「本発明の化合物」または「活性化合物」という用語は、式I
【0102】
【化20】
【0103】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグ、またはその光学異性体、またはそのラセミ体、またはその溶媒和物、またはその多量体を指し、
ここで、各基は第一の態様に記載したように定義されている。
【0104】
特定の実施形態では、本発明の化合物は、表1の化合物(すなわち、化合物1~化合物54)である。
【0105】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物と、医薬品としての使用に適した酸または塩基とによって形成される塩を指す。薬学的に許容される塩は、無機塩および有機塩を含む。好ましいクラスの塩は、本発明の化合物と酸とによって形成される塩である。塩形成に適した酸は、以下を含むが、これらに限定されない: 塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、およびベンゼンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸。
【0106】
塩形態に加えて、本発明はまた、プロドラッグの形態の化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で化学変化を容易に受けて本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的方法によって本発明の化合物に変換することができる。たとえば、適切な酵素または化学試薬を含む経皮パッチリザーバーに入れると、プロドラッグをゆっくりと本発明の化合物に変換することができる。
【0107】
本発明の特定の化合物は、溶媒和されていない形態および、水和形態を含む、溶媒和形態で存在することができる。溶媒和形態は、一般に、溶媒和されていない形態と同等であり、本発明の範囲に含まれるべきである。本発明の特定の化合物は、多形または非晶形の形態で存在し得る。一般に、本発明で検討される用途に関する限り、すべての物理的形態は同等であり、本発明の範囲に含まれるべきである。
【0108】
本発明の化合物はまた、化合物を構成する一つまたは複数の同位体原子に不自然な割合の原子同位体を含み得る。特定の同位体の不自然な割合は、関係する原子の自然に見つかった量からその原子の100%までと定義することができる。たとえば、化合物は、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、または炭素-14(14C)等の放射性同位体、または重水素(2H)、または炭素-13(13C)等の非放射性同位体と組み込まれ得る。本出願に記載されるそれらの使用に加えて、そのような同位体変異体は、追加の使用を提供し得る。たとえば、本発明の化合物の同位体変異体は、診断および/または画像化試薬として、または細胞毒性/放射線毒性治療薬としてを含むがこれらに限定されない、追加の用途を有し得る。さらに、本発明の化合物の同位体変異体は、薬物動態学的および薬力学的特性を変化させ、それにより、治療中の安全性、忍容性または有効性を高めるのに役立つ可能性がある。それが放射性であるかどうかに関係なく、本発明の化合物のすべての同位体変異体は、本発明の範囲内に含まれるべきである。
【0109】
本発明の「医薬組成物」は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、トローチ、坐剤、経口液剤または無菌非経口懸濁剤等の液体製剤形態、ならびに大量または少量の注射等の注射可能な形態、凍結乾燥粉末等に作製することができる。上記の投薬形態の薬物または薬剤は、薬学の分野における従来法に従って調製することができる。
【0110】
本発明に記載の「薬学的に許容される担体」は、製薬分野における従来の希釈剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、吸収促進剤、界面活性剤、吸着担体、滑沢剤等を含む。
【0111】
当業者には明らかであるように、有効なin vivo投与量および特定の投与様式は、治療される哺乳動物の種類、体重および年齢、使用される特定の化合物、およびこれらの化合物の使用の特定の目的に応じて変化する。当業者は、従来の薬理学的方法に従って、有効用量レベル(すなわち、所望の効果を達成するために必要な用量レベル)を決定することができる。一般に、製品のヒトの臨床応用は、より低い投与量レベルから始まり、その後、所望の効果が達成されるまで、投与量レベルが継続的に増加される。あるいは、本方法によって同定された組成物の有用な用量および投与経路は、許容されるin vitro研究を使用する既存の薬理学的方法によって確立することができる。
【0112】
本発明の化合物、その異性体、その薬学的に許容される塩、または化合物を含む医薬組成物の投与様式は、特に限定されない。代表的な投与方法は、経口、腫瘍内、直腸、非経口(静脈内、筋肉内、または皮下)等を含む(ただしこれらに限定されない)。本発明の化合物は、単独で、または他の薬学的に許容される化合物と組み合わせて投与することができる。本発明の化合物は、他の小分子阻害剤の投与または投与方法を指してもよい。たとえば、任意の投与方法は、経口、経皮、静脈内、筋肉内、局所等を含む(ただしこれらに限定されない)。
【0113】
調製の方法
本発明の化合物は、当技術分野における一般的な方法によって、および/または特定の実施例における方法を参照することによって調製することができる。
【0114】
特定の実施形態では、本発明は、
【0115】
【化21】
【0116】
式Aの化合物を式Bの化合物と反応させて、式Iの化合物を得る工程を含む、式Iの化合物を調製するための方法を提供し;
ここでZは脱離基であり、R4’は、求核置換反応を起こすことができるアミン基を含み、nは1、2、または3であり、式の他の基は上記で定義されたとおりである。
【0117】
好ましくは、R5-R4’は、
【0118】
【化22】
【0119】
5-N(Ra)Hからなる群から選択される;
【0120】
好ましくは、Zは、Cl、Br、Iを含む。
【0121】
医薬組成物および投与方法
本発明の化合物は優れたTDG阻害活性を有するため、本発明の化合物およびその様々な結晶形態、薬学的に許容される無機または有機塩、水和物、溶媒和物、ポリマー、および主な有効成分として本発明の化合物を含む医薬組成物は、変異型TDGによって媒介される疾患を治療、予防および緩和するために使用することができる。
【0122】
好ましくは、本発明の化合物は、腫瘍細胞株に関連する疾患を治療するために使用することができる。腫瘍細胞株に関連する代表的な疾患は、肺がん、結腸直腸がん、メラノーマ、乳がん、肝がん、神経膠腫、腎がん、膵がん、卵巣がん、胃がん、神経芽細胞腫、またはそれらの組み合わせを含む(ただしこれらに限定されない)。
【0123】
本発明の医薬組成物は、安全かつ有効な量の本発明の化合物またはその薬理学的に許容される塩、ならびに薬理学的に許容される賦形剤または担体を含む。「安全で有効な量」とは、化合物の量が、深刻な副作用を引き起こすことなく状態を大幅に改善するのに十分であることを指す。一般に、医薬組成物は、用量あたり1~2000mgの本発明の化合物を含み、より好ましくは、用量あたり10~500mgの本発明の化合物を含む。 好ましくは、「1回量」は1つのカプセル剤または錠剤である。
【0124】
「薬学的に許容される担体」は、ヒトでの使用に適しており、十分な純度および十分に低い毒性を持たなければならない、一つまたは複数の適合性のある固体または液体の充填剤またはゲル物質を指す。ここでの「適合性」とは、組成物中の成分が、化合物の効力を著しく低下させることなく、本発明の化合物と、および互いに混合できることを意味する。薬学的に許容される担体の例は、セルロースおよびその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース等)、ゼラチン、タルク、固体滑沢剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等)、硫酸カルシウム、植物油(大豆油、ゴマ油、ピーナッツ油、オリーブ油等)、ポリオール(プロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール等)、乳化剤(Tween(登録商標)等)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)、着色剤、香料、安定剤、抗酸化剤、防腐剤、パイロジェンフリー水等を含む。
【0125】
本発明の化合物または医薬組成物の投与方法は特に限定されず、代表的な投与方法は、経口、腫瘍内、直腸、非経口(静脈内、筋肉内、または皮下)、および局所投与を含む(ただしこれらに限定されない)。
【0126】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を含む。これらの固形剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも一つの従来の不活性賦形剤(または担体)と混合されるか、または以下の成分と混合される: (a)充填剤または相溶化剤、たとえばデンプン、乳糖、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸;(b)結合剤、たとえばヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴム;(c)保湿剤、たとえばグリセリン;(d)崩壊剤、たとえばアガー、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;(e)徐放剤、たとえばパラフィン;(f)吸収促進剤、たとえば第四級アミン化合物;(g)湿潤剤、たとえばセチルアルコール、およびモノステアリン酸グリセリル;(h)吸着剤、たとえばカオリン;および(i)滑沢剤、たとえばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物。カプセル剤、錠剤、および丸剤において、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0127】
錠剤、糖衣剤(sugar pill)、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤等の固体剤形は、コーティングおよび腸溶コーティングおよび当技術分野で知られている他の材料等のシェル材料を用いて調製することができる。それらは乳白剤を含んでもよく、そして組成物中の活性化合物または化合物は、消化管の特定の部分において遅延的に放出されてもよい。使用できる埋め込みコンポーネントの例は、高分子物質およびワックスである。必要に応じて、活性化合物は、上記の賦形剤の一つまたは複数を用いてマイクロカプセル剤に形成することもできる。
【0128】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、またはチンキを含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、たとえば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、たとえば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、および油、特に綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油、およびゴマ油、またはこれらの物質の混合物を含んでもよい。
【0129】
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、および香料等のアジュバントを含んでもよい。
【0130】
活性化合物に加えて、懸濁剤は、懸濁化剤、たとえば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメトキシド、およびアガー、またはこれらの物質の混合物等を含んでもよい。
【0131】
非経口注射用の組成物は、生理学的に許容される滅菌水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および滅菌注射可能溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含んでもよい。適切な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒、または賦形剤は、水、エタノール、ポリオール、およびそれらの適切な混合物を含む。
【0132】
局所投与のための本発明の化合物の剤形は、軟膏、散剤、パッチ、スプレー剤、および吸入剤を含む。有効成分は、無菌条件下で、生理学的に許容される担体、および必要に応じて必要となる可能性のある防腐剤、緩衝剤、または推進剤と混合される。
【0133】
本発明の化合物は、単独で、または他の薬学的に許容される化合物と組み合わせて投与することができる。
【0134】
医薬組成物を使用する場合、安全かつ有効な量の本発明の化合物が、治療を必要とする哺乳動物(ヒト等)に投与される。投与量は、薬学的に考慮された有効量である。体重が60kgのヒトの場合、日用量は通常1~2000mg、好ましくは20~500mgである。もちろん、特定の投与量は、投与経路、患者の健康状態等、熟練した医師の範囲内にある要因も考慮する必要がある。
【0135】
本発明の主な利点は、以下を含む:
(a)本発明の化合物は、TDGに対して優れた阻害効果を有する;
(b)本発明の化合物は、腫瘍および/またはがん細胞を効果的に阻害することができる。
【0136】
本発明は、特定の例と併せて以下でさらに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の例に特定の条件が示されていない実験方法は、通常、従来の条件または製造業者が推奨する条件に従う。特に明記しない限り、パーセンテージおよびパーツは重量パーセントおよび重量部(parts by weight)である。
【0137】
本明細書において、特に明記しない限り、略語は、当業者に知られている従来の意味を指す。たとえば、THFはテトラヒドロフランを指す;DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを指す;DCMはジクロロメタンを指す;NBSはN-ブロモスクシンイミドを指す;AIBNはアゾビスイソブチロニトリルを指す;EAは酢酸エチルを指す;PEは石油エーテルを指す;DMAPは4-ジメチルアミノピリジンを指す;Et3Nはトリエチルアミンを指す;CANはアセトニトリルを指す;HATUは、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェートを指す。
【実施例
【0138】
実施例1
【0139】
【化23】
【0140】
化合物1~8の一般的な調製方法。
1.1.1 3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロパン-1-オン(1i)の合成
2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン 2g(14.7mmol)および5mlのDCMを50mlのバイアル中で混合した。混合物を10℃に冷却した。3.15g(18.4mmol)の3-ブロモプロピルクロリドを添加した。次に、3.15gのAlCl3をバッチで添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。氷浴で10℃に冷却した後、反応を停止させた。4ミリリットルの塩酸をゆっくりと滴下した。次に、20mlの冷水を反応混合物に添加し、それを10分間撹拌し、有機物を収集し、そして水層をDCM 20ml×2で抽出した。複合有機物(composite organic)を飽和NaHCO3 5ml×3、ブライン10mlで洗浄し、そして真空中で濃縮して、粗生成物1iを得た。
【0141】
1.1.2 1,2-ビスブロモメチルベンゼン(1b)の合成
1,2-ジメチルベンゼン(14mmol)の溶液に、15mlのCCl4中のNBS(35mmol) AIBN(3.5mmol)を添加し、混合物を70℃で2時間撹拌した。有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA/PE勾配溶出(0~10%)を伴う80gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して1bを得た。
【0142】
1.1.3. 2-(トルエン-4-スルホニル)-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール(1c)の合成
15mlのDMF中のNaH(0.5g、20.1mmol)の溶液に、2.5mlのDMF中のTos-NH2(1.1g、6.7mmol)を添加し、混合物を60℃で30分間撹拌した。30分後、2.5mlのDMF中の1b(6.7mmol)を混合反応に滴下して添加した。その後、60℃で1時間撹拌した。10mlの氷水を氷浴に添加した。混合物を静置して層に分離した後、水層をEA 20ml×3で抽出した。次に、有機層を合わせ、10ml×2のNaHCO3飽和溶液および10mlのブラインで洗浄した。溶媒を真空で除去して粗生成物1cを得、これを、EA/PE(80~100%)の勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0143】
1.1.4. 5-置換-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール(1ii)の合成
12mlのHBr/THF中の1c(2.60mmol)の混合物を室温で撹拌するか、または一晩加熱した。溶媒を真空下で濃縮して、粗生成物1iiを得た。
【0144】
1.1. 3-(5-置換-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロパン-1-オン(1)の合成
1ii(2.6mmol)、Et3N(788mg、7.8mmol)、およびDMAP(61mg、0.5mmol)を20mlのTHFの溶液に添加し、1i(589mg、2.6mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に10mlの水を加え、10分間撹拌し、静置して層状に分離した後、水層をEA 10ml×3で抽出した。次に、有機層を合わせ、5ml×2のNaHCO3および5mlのブラインで洗浄した。溶媒を真空で除去して、粗生成物を得た。EA/PE(80~100%)の勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製を使用して、400mgの白色固体(50%収率)を得た。 LC-MS:RT=1.29分;純度97.3%;ESI m/z [M+1]+ =311.14. 1HNMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.79-7.68 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 1H) ,7.27-7.21 (m, 4H), 7.14-7.03(m, 1H), 4.50-4.43 (m, 2H), 4.15-4.10 (m, 4H), 3.33 (t, J = 4.5Hz, 4H), 3.19-3,14 (m, 2H).
【0145】
1.2. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b] [1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(5-ニトロイソインドール-2-イル)プロパン-1-オン(2)の合成
150mg(0.91mmol)の5-ニトロイソインドリン、276mg(2.73mmol)のEt3N、22mg(0.18mmol)のDMAP、および10mLのテトラヒドロフランを20mLのボトルで混合し、15分間撹拌した。247mg(0.91mmol)の3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロパン-1-オンを添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。反応物を20mlのEAで希釈し、水(2×10ml)で洗浄し、次にブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾液を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA(酢酸エチル)/PE(石油)(0-80%)勾配溶出を伴う80gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーに供して、20mgの褐色固体(6.1%の収率)を得た。LC-MS:RT=1.19分;純度92.0%;ESI m/z [M+1]+= 355.40.
【0146】
1.3. 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン(3)の合成
15mlのTHF中の5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール(100mg、0.5mmol)、Et3N(150mg、1.5mmol)、DMAP(12mg、0.1mmol)の溶液に3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジフェニル)-プロピル-1-オン(114 mg、0.5 mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物に10mlの水を添加し、10分間撹拌し、静置して層状に分離した後、水層を10mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA/PE(50~80%)の勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製を使用して、精製した。最終的に、85mgのパーム油が得られた。収率49.7%;LC-MS:RT=1.31分;純度95.1%;ESI m/z [M+H]+ = 388 FA mobile system. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ7.54-7.52 (m, 2H), 7.33(d, J = 8.0 Hz,2H), 7.07(d, J = 8.0 Hz,1H), 6.92(d, J = 9.0 Hz,1H),4.34-4.28 (m, 4H), 4.00(d, J = 17.0 Hz, 2H), 3.23 (t, J = 3.5 Hz, 1H).
【0147】
1.4. 3-(5-クロロ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロパン-1-オン(4)の合成
20mlのTHF中の5-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール(400mg、2.6mmol)、Et3N(788mg、7.8mmol)、およびDMAP(61mg、0.5mmol)に、3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(589mg、2.6mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に10mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌し、静置して層状に分離した後、水層を10mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄した。 有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA/PE勾配溶出(80~100%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、120mgのパーム油が得られた。 分析結果:収率49.7%。LC-MS:RT=1.25分;純度95.1%、ESI m/z [M+H]+ = 344 FA mobile system. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ7.55-7.53 (m, 2H), 7.19-7.14 (m, 2H), 7.08 (d, J = 6.0 Hz,1H), 6.93-6.92 (m, 1H), 4.34-4.28 (m, 4H),4.12 (d, J = 7.0 Hz,4H), 3.26 (t, J = 4.5 Hz, 1H).
【0148】
1.5. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(5-メトキシイソインドール-2-イル)プロパン-1-オン(5)の合成
100mg(0.67mmol)の5-メトキシイソインドリン、203mg(2.01mmol)のEt3N、16mg(0.134mmol)のDMAP、および2mlのTHFを20mlのバイアル中で混合し、混合物を15分間撹拌した。3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]キシレン-6-アシル)-プロピル-1-オン152 mg(0.67mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応を停止し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。MeOH(メタノール)/DCM(ジクロロメタン)(0~5%)勾配溶出を伴う25gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、60mgのバターを得た。分析結果:収率26.4%。LC-MS:RT=1.22分;純度99.0%;ESI m/z [M+1]+= 340.26.
【0149】
1.6. 3-(5-フルオロ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオックス-6-イル)-プロパン-1-オン(6)の合成
20mlのTHF中の5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール(540mg、4.0mmol)、Et3N(1200mg、12.0mmol)、DMAP(96mg、0.4mmol)の溶液に、3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン(891mg、4.0mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に20mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌し、静置して層に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 10ml×2およびブライン10mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをDCM/MeOHを用いた勾配溶出(0~10%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、350mgのパーム油が得られた。分析結果:収率27.2%。LC-MS:RT=1.21分;>95%の純度 ESI m/z [M+H]+ = 328 FA mobile system. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ7.55-7.53 (m, 2H), 7.16-7.14 (m, 1H), 6.93-6.91 (m, 3H), 4.34-4.28 (m, 4H), 4.10(d, J = 13.0 Hz,4H), 3.31 (t, J = 4.5 Hz,4H).
【0150】
1.7. 3-(5-アセチルイソインドリン-2-イル)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキサン-6-イル)プロパン-1-オン(7)の合成
2-イソインドリン-5-イル2-オキソエチル-1-イル 50mg(0.32mmol)、Et3N 98mg(0.96mmol)、DMAP 8mg(0.066mmol)および10mlのテトラヒドロフランを20mlのボトルで混合し、30分間撹拌した。3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロパン-1-オン 86mg(0.32mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。反応を停止し、真空下で濃縮して粗生成物を得、メタノール/ジクロロメタン(0~5%)勾配溶出を伴う80gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、20mgのバターを得た。分析結果:収率18.4%。LC-MS:RT=1.17分;純度99.0%;ESI m/z [M+1]+= 352.22.
【0151】
1.8. 2-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)イソロイシン-5-カルボニトリル(8)の合成
イソインドール-5-カルボニトリル(320mg、2.22mmol)、Et3N(673mg、6.66mmol)、溶媒としてのDMAP(54mg、0.44mmol)、3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(503mg、2.22mmol)を15mlのTHFに添加した。次にそれを室温で4時間撹拌した。反応混合物に20mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌し、静置して層に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 10ml×2およびブライン10mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをDCM/MeOH勾配溶出(0~10%)を用いた40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、230mgのバターが得られた。分析結果:収率31.4%。LC-MS:RT=1.15分;>95%の純度; ESI m/z [M+H]+ = 335 FA mobile system. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ7.70 (s, 1H), 7.66 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.44 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.34-4.28 (m, 4H), 3.92 (d, J = 15.5 Hz, 4H), 3.18 (t, J = 14.5 Hz,2H), 3.02 (t, J = 7.0 Hz, 2H).
【0152】
実施例2
2. 3-(5-アミノイソインドリン-2-イル)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロパン-1-オン(9)の合成
【0153】
【化24】
【0154】
1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(5-ニトロイソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン 1.8g(5.1mmol)および20mlのメタノールを100mlのボトルで混合し、5分間撹拌した。1.6g(30.6mmol)のNH4Clおよび0.85g(15.2mmol)の鉄を添加し、混合物を4時間加熱還流し、反応溶液を室温に冷却し、メタノールで洗浄し、濾液を減圧下で蒸発させた、粗生成物を得た。粗生成物を、ACN(アセトニトリル)/H2O勾配溶出(5~60%)を伴うC18カラムフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、15mgの黄色固体を得た。LC-MS:RT=1.18分;純度91.0%;ESI m/z [M+1]+= 325.29.
【0155】
実施例3
3. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オール(10)の合成
【0156】
【化25】
【0157】
1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-3-(イソインドリン-2-アシル)プロパン-1(1) 50mg(0.162mmol)および5ml MeOHを20mlのバイアル中で混合し、5分間撹拌し、12mg(0.324mmol)のNaBH4を添加し、混合物を室温で4時間撹拌し、反応を停止し、真空中での濃縮により粗生成物を得た。粗生成物を、メタノール/ジクロロメタン(0~5%)勾配溶出を伴う25gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、20mgの褐色固体を得た。分析結果:収率39.8%。LC-MS:RT=1.12分;純度99.0%;ESI m/z [M+1]+= 312.21.
【0158】
実施例4
4. 化合物11~28の一般的な調製方法
【0159】
【化26】
【0160】
4.1. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(インドリン-1-イル)プロパン-1-オン(11)
10mlのTHF中の11ii(1mmol)、Et3N(3mmol)、DMAP(24mg、0.2mmol)の溶液に、1i(1mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に5mlの水を添加し、10分間撹拌した。混合物を静置して層に分離した後、水層をEA 10ml×3で抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄した。有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA/PE勾配溶出(80~100%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0161】
4.2. 2-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)イソインドリン-1,3-ジオン(12)の合成
10mlのTHF中の12ii(1mmol)、Et3N(3mmol)、DMAP(24mg、0.2mmol)の溶液に、1i(1mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に5mlの水を添加し、10分間撹拌した。混合物を静置して層状に分離した後、水層をEA 10ml×3で抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これを、EA/PE勾配溶出(80~100%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0162】
4.3. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン-1-オン(13)の合成
10mlのTHF中の13ii(1mmol)、Et3N(3mmol)、DMAP(24mg、0.2mmol)の溶液に、1i(1mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に5mlの水を添加し、10分間撹拌した。混合物を静置して層状に分離した後、水層をEA 10ml×3で抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これを、EA/PE勾配溶出(80~100%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0163】
4.4. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)プロパン-1-オン(14)の合成
1,2,3,4-テトラヒドロキノリン 98mg(0.738mmol)、Et3N 120mg(1.18mmol)、DMAP 18mg(0.148mmol)、およびTHF 8mlを20mlのバイアル中で混合した。3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン 200mg(0.738mmol)を添加し、室温で3時間撹拌し、反応を停止し、前の反応バッチに進んだ。反応混合物を真空下で濃縮して粗生成物を得、これを、EA(酢酸エチル)/PE(石油)(0~30%)勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーに供して、180mgの白色固体を得た。分析結果:収率75.5%。LC-MS:RT=1.84分;純度97%;ESI m/z [M+1]+=324.39.
【0164】
4.5. 3-(2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル))プロパン-1-オン(15)の合成
15ii(1mmol)、Et3N(3mmol)、DMAP(24mg、0.2mmol)を10mlのTHFの溶液に添加し、1i(1mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に5mlの水を添加し、10分間撹拌した。混合物を静置して層に分離した後、水層をEA 10ml×3で抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄した。有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA/PE勾配溶出(80~100%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0165】
4.6. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン(16)の合成
ピロリドン31.4mg(0.442mmol)、Et3N 134.1mg(1.326mmol)、DMAP 11mg(0.084mmol)、およびTHF 4mlを20mlのバイアル中で混合した。3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン 100mg(0.442mmol)を添加した。次に、混合物を室温で2時間撹拌した。反応を停止し、濃縮により粗生成物を得た。粗生成物を、MeOH(メタノール)/DCM(ジクロロメタン)勾配溶出(0~3%)を伴う25gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。40mgの黄色固体が得られた。分析結果:収率34.7%。LC-MS:RT=1.26分;純度:99.5%;ESI m/z [M+1]+=262.32.
【0166】
4.7. 1-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)ピロリジン-3-オン(17)の合成
ピロリジン-3-オン塩酸塩 116mg(0.738mmol)、Et3N 224mg(2.214mmol)、DMAP 18mg(0.148mmol)、および8mlのテトラヒドロフランを20mlのボトルで混合し、15分間撹拌した。3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロピル-1-オン 200mg(0.738mmol)を添加し、室温で4時間撹拌した。反応を停止し、濃縮して粗生成物を得、これを、MeOH(メタノール)/DCM(ジクロロメタン)(0~10%)勾配溶出を伴う120gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、60mgの白色固体を得た。分析結果:収率29.6%。LC-MS:RT=0.95分;90.0%の純度;ESI m/z [M+1]+=276.30.
【0167】
4.8. 1-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)-5-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2(1H)-オン(18)の合成
5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピリジン-2-1(163mg、0.9mmol)、Et3N(270mg、2.7mmol)、DMAP(24mg、0.2mmol)-クロロ-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン(204mg、0.9mmol)を10mlのTHF溶液に添加した。次にそれを室温で4時間撹拌した。反応混合物に20mlの水を添加し、10分間撹拌し、静置して層状に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を合わせ、10ml×2のNaHCO3および10mlのブラインで洗浄した。溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これを、メタノール/DCM(0~10%)勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、60mgの無色油が得られた。分析結果:収率18.4%。LC-MS:RT=1.59分;>95%の純度;ESI m/z [M+Na]+ = 402 FA mobile system. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ7.79 (d, J = 2.4 Hz,1H), 7.56-7.53 (m, 1H), 7.49-7.45 (m, 2H), 7.37-7.36 (m, 2H), 7.11-7.07 (m, 2H), 6.86(d, J = 8.4 Hz,1H), 6.62(d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.38 (t, J = 5.6Hz, 4H), 4.37-4.27 (m, 2H), 4.25-4.23 (m, 2H), 3.50-3.43 (m, 2H).
【0168】
4.9. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-イル)ピロリジン-1-オン(19)の合成
2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン(180mg、1.10mmol)、Et3N(333mg、3.30mmol)、DMAP(27mg、0.22mmol)を15mlのTHFの溶液に加え、そして3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン(249mg、1.10mmol)を添加した。次にそれを室温で4時間撹拌した。反応混合物に20mlの水を添加し、10分間撹拌し、静置して層状に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 10ml×2およびブライン10mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをDCM/MeOH勾配溶出(0~10%)を用いた40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、240mgの黄色油が得られた。分析結果:収率61.9%。LC-MS:RT=1.01分; > 95%の純度;ESI m/z [M+H]+=355 FA mobile system. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 7.52-7.51 (m, 2H), 6.92-6.91 (m, 1H), 6.49 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 4.33-4.28 (m, 4H), 3.87 (s, 4H), 3.19 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.91 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.62 (t, J = 4.5 Hz, 4H).
【0169】
4.10. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(イソキノリン-6-イルアミノ)プロパン-1-オン(20)の合成
3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン 281mg(1.04mmol)、イソキノリン-6-アミン、100mg(0.69mmol)、NaI 104mg(0.69mmol) K2CO3 200mg(1.38mmol)、DMF/H2Oを20mlバイアルで混合した。室温で2時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーでは反応は検出されず、反応混合物を70℃に加熱し、一晩撹拌した。反応を停止し、濃縮して粗生成物を得、これを、MeOH(メタノール)/DCM(ジクロロメタン)(0~3%)勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、20mgの黄色固体を得た。LC-MS:RT=1.22分;純度:95.0%;ESI m/z [M+1]+=335.22. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 8.86 (s, 1H), 8.17 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.53-7.45 (m, 3H), 7.07-7.05 (m, 1H), 6.98 (d, J = 8.0 Hz, 1H) ,6.69-6.62 (m, 2H), 4.33-4.28 (m, 5H), 3.51-3.48 (m, 3H).
【0170】
4.11. 1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオックス-6-イル)-3-(3-フェニル-ピペリジン-1-イル)-プロパン-1-オン(21)の合成
15mlのTHF中の3-フェニルピペリジン(400mg、2.5mmol)、Et3N(750mg、7.5mmol)、DMAP(61mg、0.5mmol)の溶液に、3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(561mg、2.5mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に20mlの水を添加し、10分間撹拌し、静置して層状に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 10ml×2およびブライン10mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをMeOH/DCM勾配溶出(0~10%)を用いた40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、280mgのパーム油が得られた。分析結果:収率34.7%。LC-MS:RT=1.31分;>95%の純度;ESI m/z [M+H]+ = 352 FA mobile system. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ7.51-7.49 (m, 2H), 7.32-7.29 (m, 2H), 7.24-7.22 (m, 3H), 6.91-6.89 (m, 1H), 4.32-4.26 (m, 4H), 3.23 (s, 2H),3.11 (t, J = 14.5 Hz,2H), 2.94 (s, 3H),2.20 (s, 2H), 1.96(d, J = 13.0 Hz,1H), 1.84 (s, 2H), 1.19-1.17 (m, 1H).
【0171】
4.12. 3-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)-2-チオチアゾリジン-4-オン(22)の合成
2-チオフェンチアゾリジノン-4- 1,61mg(0.42mmol)および1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロプ-2-エン-1-オン 80mg(0.42mmol)を20mlバイアルで混合し、110℃で1時間撹拌した。反応が停止した後、表題化合物を、ACN(アセトニトリル)/H2O(5~95%)勾配溶出を伴う60gのC18カラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、20mgの黄色固体が得られた。分析結果:収率12.4%。LC-MS:RT=1.57分;純度91.0%;ESI m/z [M-1]+= 321.93.
【0172】
4.13. tert-ブチル((1-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)-3-ヒドロキシアゼチジン-3-イル)メチル)カルバメート(23)の合成
10mlのTHF中のtert-ブチル((3-ヒドロキシアゼチジン-3-アシル)メチル)カルバメート(202mg、1.0mmol)、Et3N(303mg、3.0mmol)、DMAP(25mg、0.2mmol)の溶液に、3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(271mg、1.0mmol)を添加した。その後、室温で2時間撹拌した。反応混合物に10mlの水を添加し、10分間撹拌し、静置して層状に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を合わせ、10ml×2のNaHCO3および10mlのブラインで洗浄した。溶媒を真空下で除去して粗生成物を得、これを、メタノール/DCM(0~10%)勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、260mgの白色固体が得られた。分析結果:収率66.3%。LC-MS:RT=1.22分;>95%の純度 ESI m/z [M+H]+ = 393 FA mobile system.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ7.50-7.48 (m, 2H), 6.91(d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.33-4.29 (m, 6H), 3.87-3.82 (m, 4H), 3.65-3.55 (m, 2H), 3.50-3.47 (m, 2H).
【0173】
4.14. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(6-メトキシ-2H-インダゾール-2-イル)プロパン-1-オン(24)の合成
((2h-インドール-5-アシル)オキシ)メチル 127mg(0.67mmol)、および1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロプ-2-エン-1-オン 127mg(0.67mmol)を20mlバイアルで混合し、110℃で1時間撹拌した。化合物を、ACN(アセトニトリル)/H2O(5~95%)勾配溶出を伴う60gのC18カラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、30mgの黄色固体が得られた。分析結果:収率19.6%。LC-MS:RT=1.54分;純度99.0%;ESI m/z [M+1]+= 339.26.
【0174】
4.15. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-1-イル)プロパン-1-オン(25)の合成
1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)プロプ-2-エン-1- 1 160mg(0.84mmol)、1h-ピラゾリン[3,4-c]ピリジン100mg(0.84mmol)を20mlバイアルで混合した。次にそれを110℃で2時間撹拌した。反応混合物を、DCM/MeOH(0~5%)勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、20mgの白色固体を得た。分析結果:収率7.69%。LC-MS:RT=1.11分;純度:97.0%;ESI m/z [M+1]+=310.25.1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.43(s, 1H), 7.28 (d, J = 6.0Hz, 1H), 6.80 (d, J = 5.6Hz, 1H), 6.62-6.60 (m, 2H), 6.40 (s, 1H), 6.03 (d, J = 9.2Hz, 1H), 4.13(t,J=6Hz, 2H), 2.86(t,J=6Hz, 2H), 0.469-0.389(m, 4H).
【0175】
4.16. 3-((1H-イソインドール-3-イル)アミノ)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキサン-6-イル)プロパン-1-オン(26)の合成
1H-イソインドール-3-mol)、DMAP 21mg(0.177mmol)および2mlのテトラヒドロフランを20mlのボトルで混合し、30分間撹拌した。3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキセン-6-イル)プロパン-1-オン 240 mg(0.885mmol)を添加し、室温で4時間撹拌した。濃縮して粗生成物を得、これをACN(アセトニトリル)/H2O(0~40%)勾配溶出を伴う40gのC18カラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、100mgの褐色固体を得た。分析結果:収率26.2%。
LC-MS:RT=1.23分;純度90.0%; ESI m/z [M+1]+ =323.25.
【0176】
4.17. 1-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)-2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン(27)の合成
2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン100mg(0.68mmol)、および1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロプ-2-エン-1-オン 129mg(0.68mmol)を20mlバイアルで混合し、110℃で1時間撹拌した。反応が停止した後、ACN(アセトニトリル)/H2O勾配溶出(5~95%)を伴う60gのC18カラムを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、最終的に40mgの黄色固体を得た。分析結果:収率26.0%。
LC-MS:RT=1.59分;純度95.0%; ESI m/z [M+1]+= 338.34.
【0177】
4.18. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(4-フェニル-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オン(28)の合成
4-フェニル-1H-ピラゾール61mg(0.42mmol)、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロプ-2-エン-1-オン 80mg(0.42mmol)を20mlのボトルで混合し、140℃で30分間撹拌した。反応を停止し、ACN(アセトニトリル)/H2O(0~5%)勾配溶出を伴う60gのC18カラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーに送って、表題化合物を精製した。最終的に、30mgの白色粉末が得られた。分析結果:収率21.2%。LC-MS:EPN18027-081-A RT=1.65分;純度95.0%;ESI m/z [M+1]+= 335.22.
【0178】
実施例5
5. 2-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロピル)イソインドリン(29)
【0179】
【化27】
【0180】
100mg(0.323mmol)の化合物1および1mlのTFAを10mlのバイアル中で混合した。混合物を10℃に冷却した。150mg(1.3mmol)のトリエチルシランを滴下して添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応が停止した。混合物を真空下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、ACN(アセトニトリル)/H2O(0~40%)勾配溶出法を用いた40gのC18カラムフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して精製した。最終的に、20mgのバターが得られた。分析結果:収率21.0% LC-MS:RT=1.87分;純度95.0%;ESI m/z [M+1]+=296.20.
【0181】
実施例6
6. 化合物30~38の一般的な調製方法
【0182】
【化28】
【0183】
6.1. 3-(イソインドリン-2-イル)-1-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-7-イル)プロパン-1-オン(30)の合成
700mg(4.5mmol)の塩酸イソインドリン、400mg(13.5mmol)のCs2CO3、およびACN(10ml)+H2O(0.5ML)を混合し、50mlバイアル中で撹拌した。15分後、30i(4.5mmol)を添加し、混合物を50℃で一晩撹拌した。反応を停止し、水に注ぎ、CH2Cl2 25ml×3に抽出し、25ml×2の水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させた。濾過後、溶媒を除去して黄色固体を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、MeOH/DCM=0~5%で溶出して、700mgの3-(イソインドリン-2-イル)-1-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-7-イル)-プロパン-1-オンを得た。LC-MS:RT=1.22分;ESI m/z [M+1]+=307.25.
【0184】
6.2. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-4-(イソインドリン-2-イル)ブタン-1-オン(31)
97.3mg(0.625mmol)の塩酸イソインドリン、611mg(1.875mmol)のCs2CO3、93.75mg(0.625mmol)のNaI、およびACN(6ml)を混合し、20mlのバイアル中で撹拌した。15分後、4-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)ブタン-1-オン、178mg(0.625mmol)を添加し、混合物を80℃で一晩撹拌した。反応を停止し、水に注ぎ、CH2Cl2 25ml×3で抽出し、25ml×2の水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。濾過後、溶媒を濃縮して白色固体にし、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、MeOH/DCM=0~5%で溶出して、120mgの白色固体を得た。LC-MS:RT=1.23分; 96.1%の純度;ESI m/z [M+1]+=324.25. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.53-7.51 (m ,4H), 6.92-6.90 (m, 2H), 4.33-4.27 (m, 5H), 3.74-3.72 (m, 4H), 3.07-3.04 (m, 4H), 2.02-1.97 (m, 4H).
【0185】
6.3. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-2-(イソインドリン-2-イル)エタン-1-オン(32)の合成
78mg(0.5mmol)のイソインドリン塩酸塩、151mg(1.5mmol)のEt3N、12mg(0.1mmol)のDMAP、および10mlのTHFを20mlのバイアル中で混合し、そして15分間撹拌した。3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン 128mg(0.5mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応を停止し、真空濃縮により粗生成物を得た。粗生成物を、EA(酢酸エチル)/PE(石油)勾配溶出(0~30%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、20mgの褐色の半固体が得られた。分析結果:収率13.6%。LC-MS:RT=1.18分;純度91.0%;ESI m/z [M+1]+= 296.38.
【0186】
6.4. (2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)(イソインドリン-2-イル)メタノン(33)の合成
2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-カルボン酸(200mg、1.11mmol)およびトリエチルアミン(336.3mg 3.33mmol)をCH2Cl2(3ml)に溶解し、混合物を30分間撹拌し、HATU(505.4mg 1.33mmol)を加えた。 次に、イソインドリン塩酸塩(206mg、1.33mmol)を添加した。2時間後、10mlの飽和NaCl水溶液を添加し、生成物をCH2Cl2 10ml×3で抽出した。有機層を混合し、5%NaHCO3、飽和NaCl水溶液10mlで洗浄し、有機層を濃縮して粗生成物を得、溶出を伴うシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って粗生成物を得た。LCMS:RT=1.53分;純度:97.3%;ESI m/z [M+1]+=282.20.1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 7.39-7.38 (m, 1H), 7.30-7.28 (m, 3H), 7.14-7.11 (m, 2H), 6.94-6.93 (m, 1H), 4.82 (d, J = 13.0Hz, 4H), 4.31-4.28 (m, 4H).
【0187】
6.5. 1-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-3-(イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン(34)の合成
700mg(4.5mmol)のイソインドリン塩酸塩、400mg(13.5mmol)のCs2CO3、およびACN(10ml)+H2O(0.5mL)を混合し、50mlバイアル中で撹拌した。15分後、34i(4.5mmol)を添加し、混合物を50℃で一晩撹拌した。反応を停止し、水に注ぎ、CH2Cl2 25ml×3に抽出し、25ml×2の水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させた。濾過後、溶媒を除去して黄色固体を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、MeOH/DCM=0~5%で溶出して、700mgの3-(イソインドリン-2-イル)-1-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-7-イル)プロピル-1-オンを得た。
【0188】
6.6. 1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-3-(イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン(35)の合成
イソインドール塩酸(146mg、0.94mmol)、Et3N(285mg、2.82mmol)、DMAP(23mg、0.19mmol )1-(ベンゾ[d][1,3]ジオキサピリミジン-5-アシル-3-クロロプロピル-1-オン(200mg、0.94mmol)を10mlのTHFに添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物は褐色溶液であった。LCMS検出の結果は以下の通りであった:反応混合物に水5mlを添加し、混合物を10分間撹拌した。混合物を静置して層状に分離した後、水層をEA 10mlで1回抽出した。その後、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA/PE勾配溶出(50~80%)を伴う25gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、130mgの暗色固体が得られた。分析結果:収率46.7%。LC-MS:RT=1.73分、純度99%。
【0189】
6.7. 6-(3-(イソインドリン-2-イル)プロピオニル)クロマン-4-オン(36)の合成
イソインドリン塩酸塩260.5mg(1.68mmol)、Et3N 510mg(5.04mmol)、DMAP 41mg(0.34mmol)、およびTHF(6ml)を20mlのバイアル中で混合した。15分間撹拌した後、400mg(1.68mmol)の3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オンを添加した。その後、室温で2時間撹拌し、反応を停止させた。反応混合物を真空下で濃縮して、粗生成物を得た。残留物を、dcm/MeOH=0~5%で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、155mgの6-(3-(イソインドリン-2-イル)プロピオニル)クロマン-4-オンを得た。 LCMS:RT=1.16分;純度98.0%;ESI m/z [M+1]+=322.17. 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.53 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.17-8,15 (m, 1H), 7.20 (s, 4H), 7.06 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.62 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 4.05 (s, 4H), 3.32-3.22 (m, 4H), 2.88 (t, J = 6.5 Hz, 2H).
【0190】
6.8. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサチオール-6-イル)-3-(イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン(37)の合成
イソインドリン塩酸塩 77.17mg(0.50mmol)、Et3N 125mg(1.24mmol)、KI 82mg(0.5mmol)、およびアセトン(6ml)を20mlのバイアル中で混合し、15分間撹拌し、3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキシフロキサシン-6-アシル)-プロピル-1-オン 100mg(0.41mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩連続して撹拌した。反応が停止した。反応混合物を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをDCM/MeOH=0~5%で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、40mgのピンク色固体を得た。LC-MS:RT=1.27分;純度95.0%;ESI m/z [M+1]+ =326.25. 1HNMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.75-7.65 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 1H) ,7.23-7.20 (m, 4H), 7.14-7.13(m, 0.5H), 6.89-6.87 (m, 0.5H), 4.50-4.43 (m, 2H), 4.15 (d, J = 9.0 Hz, 4H), 3.33 (t, J = 4.5Hz, 4H), 3.19-3,14 (m, 2H).
【0191】
6.9. 1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン(38)の合成
塩酸塩(135mg、0.87mmol)、Et3N(264mg、2.61mmol)、DMAP(21mg、0.17mmol) 3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(200mg、0.5mmol)を10mlのTHFに添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物は褐色溶液であり、LC-MSによる検出は以下の通りであった。反応混合物に5mlの水を加え、混合物を10分間撹拌した。混合物を静置して層に分離した後、水層を10mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをEA/PE勾配溶出(50~80%)を伴うシリカゲルカラム25gを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、135mgの褐色の固体が得られた。分析結果:収率47.8%。 LC-MS:RT=1.44分;純度99%;ESI m/z [M+H]+ = 312 BASE mobile system. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ7.63 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.18 (s, 4H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.01 (s, 4H), 3.93 (d, J = 10.2 Hz,5.6H), 3.26-3.20 (m, 4H).
【0192】
実施例7
7. 化合物39の合成
【0193】
【化29】
【0194】
1-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-(イソインドール-2-イル)-プロピル-1-オン(80mg、0.14mmol)を10mlのDCMに添加し、BBr3(195mg、0.78mmol)を滴下して添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物は褐色溶液であり、LC-MSによる検出は以下の通りであった。反応はEPN18034-008-1と組み合わせて処理された。メタノールを滴下して添加することで混合物をクエンチした。有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これを、EA/PE勾配溶出(50~80%)を伴う25gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、40mgの暗色固体が得られた。分析結果:収率35.4%。 LC-MS:RT=1.93分;95%の純度;ESI m/z [M+H]+=284 BASE mobile system. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ7.53 (dd, J = 2.0, 8.5Hz, 1H), 7.49 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 2.0 Hz, 4H), 6.88 (d, J = 8.5 Hz, 1H),4.96 (d, J = 13.5 Hz, 2H),4.67 (d, J = 13.5 Hz, 2H),3.85 (t,J = 6.5 Hz,2H), 3.61 (t,J = 6.5 Hz,2H).
【0195】
実施例8
8. 化合物40および41を調製する方法
【0196】
【化30】
【0197】
8.1.1. 5-ブロモイソインドリン-1,3-ジオン(40a)の合成
尿素(53mg、0.88mmol)を、2mlのDMF中の5-ブロモイソベンゾフラン-1,3-ジオンの溶液に添加した。次にそれを130℃で3時間撹拌した。反応混合物は無色溶液であり、10mlの水を添加して反応を停止させた。混合物を静置して層に分離した後、水層をEA 6ml×2で抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 5ml×2およびブライン5mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮した。粗生成物100mgは、さらなる精製を必要とせずに淡黄色固体であった。 LC-MS:RT=1.35分;純度90%;ESI m/z [M-H]+ =224 FA mobile system.
【0198】
8.1.2. 5-ブロモイソインドリン(40b)の合成
5-ブロモイソインドール-1,3-ジオン(4g、17.7mmol)を120mlのBH3/THFに70℃で一晩添加し、そして10mlのMeOHを滴下することによって反応を停止させた。混合溶液を真空下で濃縮し、混合物を添加した。塩酸塩40mlを添加し、混合物を70℃で4時間撹拌した。次に、1M NaOH水溶液を添加し、pHを14に調整した。層を静的に分離した後、水層をDCM 100ml×3で抽出した。次に、有機層を混合し、ブライン50ml×2、水50mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して、2.0gの粗生成物を得た。 LC-MS:RT=0.95分;ESI m/z [M+H]+=198 FA mobile system.
【0199】
8.1.3. 5-ブロモイソインドリン(40c)の合成
5-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール(1.8g、9.0mmol)の溶液に、THF 40ml中のBoc2O(4.0mg、18.0mmol) Na2CO3水溶液10mlを添加した。次にそれを室温で4時間撹拌した。次に、30mlの水を反応混合物に加え、混合物を10分間撹拌した。混合物を静置して層に分離した後、水層をEA 30ml×3で抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 20ml×2およびブライン20mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをPE/EA勾配溶出(10~30%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に黄色固体(1.6g、収率59.2%)が得られた。
LC-MS:RT=1.87分;ESI m/z [M+H]+=299 FA mobile system.
【0200】
8.1.4. tert-ブチル5-(4-フルオロフェニル)イソインドリン-2-カルボキシレート(40e)の合成
tert-ブチル5-ブロモイソインドール-2-カルボキシレート(300mg、1.00mmol)、K3PO4(535mg、2.52mmol)、Pd(dppf)Cl2(146mg、0.20mmol)および2-(4-フルオロフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオックスボラン(444mg、2.00mmol)を1,4-ジオックスボラン/H2O 9.6ml中で2時間撹拌した。反応を停止し、真空下で濃縮して粗生成物を得、得られた粗生成物を、MeOH/DCM勾配溶出(0~10%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。 最終的に白色固体(275mg、収率68.2%)が得られた。 LC-MS:RT=1.95分;ESI m/z [M+H]+ =314 FA mobile system.
【0201】
8.1. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(5-(4-フルオロフェニル)イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン(40)の合成
15mlのTHF中の5-(4-フルオロフェニル)イソインドリン(187mg、0.88mmol)、Et3N(267mg、2.64mmol)、DMAP(22mg、0.18mmol)の溶液に、3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン(200mg、0.88mmol)を添加した。次にそれを室温で4時間撹拌した。反応混合物に20mlの水を加え、混合物を10分間撹拌し、静置して層に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 10ml×2およびブライン10mlで洗浄した。有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これを、MeOH/DCM勾配溶出(0~10%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、230mgの赤色固体が得られた。分析結果:収率69.3%。 LC-MS:RT=1.43分;>95%の純度;ESI m/z [M+H]+ = 404 FA mobile system. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 7.55-7.52 (m, 2H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.38-7.35 (m, 2H), 7.26-7.24 (m, 1H), 7.11-7.07 (m, 2H), 6.90(d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.32-4.26 (m, 4H), 4.13 (d, J = 4.0 Hz,4H), 3.30 (s, 4H).
【0202】
8.2.1. tert-ブチル5-(ピリジン-4-イル)イソインドリン-2-カルボキシレート(41e)の合成
tert-ブチル5-ブロモイソインドール-2-カルボキシレート(250mg、0.84mmol)、K3PO4(535mg、2.52mmol)、Pd(dppf)Cl2(146mg、0.20mmol)、および4-(4,4,5,5-四酢酸-1,3,2-ジオキソボラン-2-アシル)ピリジン(345mg、1.68mmol)を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して粗生成物を得、これを、MeOH/DCM(0~10%)勾配溶出を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。最終的に、270mgの白色固体が得られた。分析結果:鈴木カップリングは成功した。 LC-MS:RT=1.30分;ESI m/z [M+H]+ = 297 FA mobile system.
【0203】
8.2. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(5-(ピリジン-4-イル)イソインドリン-2-イル)プロパン-1-オン(41)の合成
15mlのTHF中の5-(ピリジン-4-アシル)イソインドリン(270mg、1.37mmol)、Et3N(418mg、4.14mmol)、DMAP(34mg、0.28mmol)の溶液に3-クロロ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(313mg、1.38mmol)を添加した。次にそれを室温で4時間撹拌した。反応混合物に20mlの水を添加し、混合物を10分間撹拌し、静置して層に分離し、水層を20mlのEAで1回抽出した。次に、有機層を混合し、飽和NaHCO3 10ml×2およびブライン10mlで洗浄し、有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをDCM/MeOH勾配溶出(0~10%)を用いた40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、80mgの黄色油が得られた。分析結果:15.1%の収率。 LC-MS:RT=1.01分;>95%の純度;ESI m/z [M+H]+ = 387 FA mobile system. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ8.61(d, J = 4.0 Hz, 2H), 7.69-7.66 (m, 2H), 7.62 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.33-4.29 (s, 4H), 3.95-3.93 (m, 4H), 3.20 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.06 (t, J = 7.0 Hz, 2H).
【0204】
実施例9
1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロプ-2-エン-1-オン(42)の合成
【0205】
【化31】
【0206】
3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(100mg、0.369mmol)、DCM 5mlを、20mlバイアル中で混合した。混合物を10に冷却した。149mg、1.48mmolの茶葉を添加した。 混合物を室温で一晩撹拌した。反応を停止し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。 MeOH(メタノール)/ DCM(ジクロロメタン)(0~5%)勾配溶出を伴う25gのシリカゲルカラムを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、白色固体(80mg)を得た。分析結果:収率57.1%。 LC-MS:EPN18027-060-A Rt=1.45分;純度99.0%;ESI m/z [M+1]+= 191.20.
【0207】
実施例10 化合物43、44の調製方法
【0208】
【化32】
【0209】
10.1. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(4-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン(43)の合成
化合物43aの1.3ml(1.3mmol)の溶液を、3mlのTHF中の17(297mg、1.08mmol)の溶液に滴下して添加し、混合物を50mlフラスコに入れ、 0℃で1時間加熱した。反応混合物を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、EA 10ml×3で抽出した。有機層を合わせ、5mlのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで4時間乾燥させた。溶媒を除去した後、MeOH(メタノール)/DCM(ジクロロメタン)(0~5%)勾配溶出を伴う25gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、白色固体(20mg)を得た。
【0210】
10.2. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-ヒドロキシ-3-フェニルピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン(44)の合成
1-(3-(2,3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-3-オキソプロピル)ピロリドン-3- 1,200mg(0.728mmol)、5mlのTHFを20mlのバイアル中で混合し、ドライアイスと共にアセトンに入れて-40℃に冷却した。0.728ml(0.728mmol)のベンゼン臭化マグネシウムを混合物に滴下して加え、混合物を-40℃で1時間撹拌した。2mlの飽和NH4Clを滴下して添加し、反応を停止させた。反応混合物に冷水5mlを加え、10分間撹拌し、静置して層状に分離し、次に水層をEA 20ml×2で抽出した。次に有機層を混合し、sat5mlブラインで洗浄した。有機溶媒を真空下で濃縮して粗生成物を得、これをMeOH(メタノール)/DCM(ジクロロメタン)(0~5%)勾配溶出を伴う80gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。最終的に、20mgの白色固体が得られた。分析結果:収率7.8%。LC-MS:EPN18027-031- RT=1.21分;90.5%の純度;ESI m/z [M+1]+=354.42.
【0211】
実施例11
11. 化合物45~50の一般的な調製方法
【0212】
【化33】
【0213】
11.1.1. tert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-1-カルボキシレート(45b)の合成
45a(6.67mmol)の溶液をTHF(30mL)に添加し、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、3.5mL、8.67mmol)を-78℃で滴下して添加した。添加後、-78℃で1時間撹拌した。THF(5mL)中のtert-ブチル3-オキソピロリドン-1-カルボキシレート(1.85g、9.99mmol)の溶液を滴下して添加した。添加した混合物を-78℃で3時間撹拌した。次に、混合物をNH4Cl(飽和、50ml)でクエンチし、EtOAc(50ml 2)で抽出し、混合した有機溶液をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=4:1)によって精製して、所望の生成物45b(1.0g、収率45%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.66-7.60 (m, 4H), 3.78-3.57 (m, 4H), 2.38-2.14 (m, 2H), 2.13-2.04 (m, 1H), 1.48 (s, 9H).
【0214】
11.1.2. 3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール2,2,2-トリフルオロアセテート(45c)の合成
TFA(5ml)中のtert-ブチル3-ヒドロキシ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリドン-1-カルボキシレート(45b)(700mg、2.10mmol)の溶液に、トリエチルシラン(2ml)を添加した。混合物を105℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮して、生成物45c(1.0gの粗生成物)を黄色の粗生成物として得、これを次の工程LCMS[移動相:95%水(0.02% NH4OAc)および5%CH3CNから5%水(0.02% NH4OAc)および95%CH3CNまで、3分以内]で直接使用した。Rt=1.355分;MS calculated value: 213; MS measured value: 214 [M+H]+.
【0215】
11.1.3. 3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(45d)の合成
3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール2,2,2-トリフルオロアセテート(45c)(1.0gの粗生成物、2.10mmol)をMeOH(20ml)、Pd/C(100mg)に添加した。混合物をH2(50psi)下で40℃で一晩撹拌した。次に、混合物を濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物45d(691粗生成物)を黄色固体として得、これを次の工程で直接使用した。
LCMS [移動相:95%水(0.02%NH40Ac)および5%CH3CNから5%水(0.02%NH40Ac)および95%CH3CNまで3分で]、Rt=1.363分;MS calculated value: 215; MS measured value: 216 [M+H]+.
【0216】
11.1. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン(45)の合成
3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン2,2,2-トリフルオロアセテート(45d)(400mg、1.22mmol)、およびDIPEA(315mg、2.44mmol)をDCM(15ml)中で混合し、3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン(i、397mg、1.46mmol)を添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、残留物をC18カラム(CH3CN/水、40%~70%、40分)で精製して、表題化合物45(50mg、収率10%)を白色固体として得た。 LC-MS[移動相:60%水(0.02%NH4OAc)および40%CH3CNから30%水(0.02%NH4OAc)および70%CH3CNまで、6.5分以内]、純度:98.89%(214nm)、96.25%(254nm); Rt=3.273分;MS calculated value: 405; MS measured value: 406 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.61 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.53-7.47 (m, 4H), 6.96 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.33-4.27 (m, 4H), 3.42-3.35 (m, 1H), 3.17-3.07 (m, 2H), 2.91-2.70 (m, 4H), 2.67-2.61 (m, 1H), 2.58-2.51 (m, 1H), 2.32-2.19 (m, 1H), 1.75-1.64 (m, 1H).
【0217】
11.2. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン塩酸塩(46)の合成
DCM(2mL)中に、3-(4-ニトロフェニル)ピロリドン塩酸塩(40mg、0.17mmol)、およびDIEA(88mg、0.68mmol)の混合物を添加した。5分間撹拌した後、混合物を5℃に冷却した。次に、DCM(1ml)に、3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(55mg、0.20mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を5~15℃で2時間撹拌した。反応溶液を水(10ml)に注ぎ、DCM(10ml 3)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮した後、残留物をC18カラムクロマトグラフィー(20~50%MeCN水溶液、15分)によって精製して、黄色固体として粗生成物(45mg)を得た。次に、それをC18[水中10~50%MeCN(0.1%塩酸塩)、10分]カラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、所望の生成物46(35mg、収率48%)を黄色固体として得た。
LC-MS[移動相:95%水(0.02%NH4OAc)、および5%CH3CNから5%水(0.02%NH40Ac)、および95%CH3CNまで、6.5分以内に]、純度:95.82%(214nm)、95.00%(254nm); Rt=3.870分;MS calculated value: 382; MS measured value: 383 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.43-11.25 (m, 1H), 8.30-8.16 (m, 2H), 7.75-7.68 (m, 2H), 7.56-7.51 (m, 2H), 7.02 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.36-4.29 (m, 4H), 4.02-3.88 (m, 1H), 3.84-3.74 (m, 6H), 3.42-3.37 (m, 1H), 3.30-3.19 (m, 1H), 2.48-2.42 (m, 1H), 2.20-1.98 (m, 1H).
【0218】
11.3. 3-(3-(4-ブロモフェニル)ピロリジン-1-イル)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロパン-1-オン(47)の合成
3-(4-ブロモフェニル)ピロリジン2,2,2-トリフルオロアセテート(49mg、0.14mmol)、および3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン(45mg、0.18mmol)、DIEA(54mg、0.42mmol)をDCM(5mL)に添加した。 得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をC18カラム(CH3CN/水、45%~75%、40分)で精製して、表題化合物47(20mg、収率34%)を黄色固体として得た。
LC-MS[移動相:95%水(0.02%NH4OAc)、および5%CH3CNから5%水(0.02%NH40Ac)、および95%CH3CNまで、6.5分以内に]、純度:96.48%(214nm)、91.25%(254nm); Rt=4.081分;MS calculated value: 415; MS measured value: 416 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.52-7.50 (m, 2H), 7.40-7.38 (m, 2H), 7.13 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.92-6.90 (m, 1H), 4.35-4.26 (m, 4H), 3.38-3.26 (m, 1H), 3.17-3.14 (m, 2H), 3.09-3.06 (m, 2H), 2.97-2.89 (m, 1H), 2.87-2.73 (m, 2H), 2.62-2.53 (m, 1H), 2.38-2.27 (m, 1H), 1.88-1.76 (m, 1H).
【0219】
11.4. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(p-トリル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン塩酸塩(48)の合成
DCM(2ml)中の3-(p-トリル)ピロリジン(30mg、0.19mmol)、およびDIEA(48mg、0.37mmol)の混合物に、3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ)[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(56mg、0.20mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応溶液を10mlの水に注ぎ、DCM(20ml2)で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残留物をDMSO(1ml)および濃縮物に溶解した。 塩酸(1)を添加した。C18[水中10~40%MeCN(0.1%塩酸塩)、10分]カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物48(30mg、収率41%)を黄色固体として得た。 LC-MS[移動相:水80%(0.1%TFA)および20%CH3CNから水30%(0.1%TFA)および70%CH3CNまで、6.5分以内]、純度:99.36%(214nm)、98.43%(254nm); Rt=3.011分;MS calculated value: 351; MS measured value: 352[M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.47-11.28 (m, 1H), 7.55-7.51 (m, 2H), 7.30-7.24 (m, 2H), 7.18-7.15 (m, 2H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.35-4.30 (m, 4H), 3.91-3.74 (m, 1H), 3.70-3.52 (m, 6H), 3.39-3.32 (m, 1H), 3.21-3.08 (m, 1H), 2.41-2.35 (m, 1H), 2.28 (m, 3H), 2.13-1.94 (m, 1H).
【0220】
11.5. 3-(3-(4-クロロフェニル)ピロリジン-1-イル)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロパン-1-オン塩酸塩(49)の合成
3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(107mg、0.396mmol)を、ジクロロメタン(2mL)中の3-(4-クロロフェニル)ピロリジン(50mg、0.330mmol)およびDIEA(85mg、0.660mmol)の混合物に添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応液を10mlの水に注ぎ、ジクロロメタン(20ml 2)で抽出し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。それをN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)および濃縮物で溶解した。塩酸塩(1滴)を添加した。C18[水中10~40%MeCN(0.1%塩酸塩)]カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物49(30mg、収率41%)を黄色固体として得た。 LC-MS[移動相:95%水(0.1%TFA)および5%CH3CNから5%水(0.1%TFA)および95%CH3CNまで、6.5分以内]、Rt=3.325分。純度:98.12%(214nm)、97.14%(254nm);MS calculated value: 371.1; MS measured value: 371.9 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 13.10 (s, 0.4H), 12.92 (s, 0.6H), 7.54-7.52 (m, 2H), 7.40-7.38 (m, 1H), 7.33-7.31 (m, 2H), 7.18-7.16 (m, 1H), 6.92-6.90 (m, 1H), 4.32-4.31 (m, 2H), 4.28-3.26 (m, 2H), 3.94-3.61 (m, 7H), 3.40-3.89 (m, 0.4H), 3.19-3.16 (m, 0.6H), 3.00-2.88 (m, 0.4H), 2.86-2.81 (m, 0.6H), 2.63-2.61 (m, 0.4 H), 2.47-2.38 (m, 1H), 2.18-2.11 (m, 0.6H).
【0221】
11.6. 4-(1-(3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-オキソプロピル)ピロリジン-3-イル)ベンゾニトリル(50)の合成
DCM(8mL)中の4-(ピロリドン-3-イル)ベンゾニトリル2,2,2-トリフルオロアセテート(75mg、0.26mmol)、および3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-プロピル-1-オン(85mg、0.31mmol)にDIPEA(101mg、0.78mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、残留物をC18カラム(CH3CN/水、45%~78%、40分)で精製して、表題化合物50(20mg、収率21%)を黄色固体として得た。 LC-MS[移動相:90%水(0.1%TFA)および10%CH3CNから30%水(0.1%TFA)および70%CH3CNまで、6.5分以内]、純度:99.20%(214nm)、85.27%(254nm);Rt=3.162分;MS calculated value: 362; MS measured value: 363 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.57-7.50 (m, 4H), 7.36 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.91 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.33-4.28 (m, 4H), 3.45-3.31 (m, 1H), 3.21-3.09 (m, 2H), 3.04-2.91 (m, 3H), 2.89-2.73 (m, 2H), 2.69-2.59 (m, 1H), 2.41-2.28 (m, 1H), 1.89-1.75 (m, 1H).
【0222】
実施例12
12. 化合物51、52の一般的な調製方法
【0223】
【化34】
【0224】
12.1.1. 1-ブロモ-4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(51a)の合成
DCM(50mL)中の2-ブロモ-5-フルオロフェノール(1)(4.50g、23.6mmol)の溶液に、DIEA(6.90g、47.2mmol)を添加した。次に、ブロモ(メトキシ)メタン(3.25g、26.0mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、混合物を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そして濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=50:1)により精製して、表題化合物(5.0g、収率90%)を無色油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.47 (dd, J = 8.4, 6.4 Hz, 1H), 6.93 (dd, J = 10.4, 2.8 Hz, 1H), 6.66-6.62 (m, 1H), 5.23 (s, 2H), 3.52 (s, 3H).
【0225】
12.1.2. 3-(4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸ベンジルエステル(51b)の合成
THF(30ml)中に、1-ブロモ-4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(5.0g、21.3mmol)およびN1,N1,N2,N2-テトラメチルエタン-1,2-ジアミン(3.71g、32.0mmol)の溶液を添加した。n-BuLi(ヘキサン中2.5M、12.8mL、32.0mmol)を-70℃で滴下して添加した。添加後、-70℃で1時間撹拌した。次に、3-オキソピロリドン-1-カルボン酸ベンジルエステル(4.66g、21.3mmol)の溶液を-70℃で滴下して添加した。添加後、-70℃で1時間撹拌した。水(20mL)を添加して反応を冷却した。次に、混合物を室温に温め、EtOAc(30mL 2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc、10:1~5:1)で精製して、表題化合物51b(2.4g、収率30%)を黄色油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.31 (m, 5H), 7.23-7.19 (m, 1H), 6.95 (dd, J = 17.6, 8.4 Hz, 1H), 6.77-6.72 (m, 1H), 5.30-5.25 (m, 2H), 5.17-5.16 (m, 2H), 4.31-4.18 (m, 1H), 3.74-3.65 (m, 3H), 3.51-3.43 (m, 3H), 2.58-2.37 (m, 2H).
【0226】
12.1.3. 3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボン酸ベンジルエステル(51c)の合成
ベンジル3-(4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-3-ヒドロキシピロリドン-1-カルボキシレート(51b)(1.40g、3.73mmol)、TsOH(64mg、0.37mmol)をトルエン(20ml)に添加した。混合物を100℃に加熱し、30分間撹拌し、そして反応溶液を冷却し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc、10:1~2:1)で精製して、所望の生成物5(700mg、収率60%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.25-10.23 (m, 1H), 7.40-7.32 (m, 5H), 7.16-7.10 (m, 1H), 6.74-6.72 (m, 1H), 6.68-6.63 (m, 1H), 6.26-6.24 (m, 1H), 5.13 (s, 2H), 4.52-4.48 (m, 2H), 4.30-4.25 (m, 2H).
【0227】
12.1.4. 3-(4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボン酸ベンジルエステル(51d)の合成
ベンジル3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(51c)(700mg、2.24mmol)、DIEA(578mg、4.48mmol)をDCM(20ml)に添加した。次に、ブロモメトキシメタン(280mg、2.24mmol)を0℃で添加した。添加後、0℃で20分間撹拌し、次に水(15mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=10:1)で精製して、表題化合物51d(340mg、収率43%)を無色油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.42-7.30 (m, 5H), 7.21-7.15 (m, 1H), 6.93 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.79-6.73 (m, 1H), 6.10 (d, J = 21.2 Hz, 1H), 5.20-5.18 (m, 4H), 4.60-4.56 (m, 2H), 4.40-4.38 (m, 2H), 3.47-3.45 (m, 3H).
【0228】
12.1.5. 3-(4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピロリジン(51e)の合成
CH3OH(5ml)に、ベンジル3-(4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(51d)(240mg)、0.672mmol))の溶液、Pd/C(10%、50mg)およびCH3COOH(4滴)を添加した。混合物を、H2雰囲気(1気圧)下、室温で1時間撹拌した。次に、混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をEtOAc(10mL)に溶解した。混合物をNaHCO3溶液(飽和、10ml)およびブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そして濃縮した。残留物をC18カラムクロマトグラフィー(水中の5~70%MeCN、30分)によって精製して、所望の生成物51e(50mg、収率33%)を黄色油として得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.12-7.06 (m, 1H), 6.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.73-6.69 (m, 1H), 5.19 (s, 2H), 3.74-3.68 (m, 1H), 3.48 (s, 3H), 3.24-3.15 (m, 2H), 3.08-2.96 (m, 2H), 2.11-2.04 (m, 1H), 2.00-1.93 (m, 1H).
【0229】
12.1.6. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(4-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1- オン(51f)の合成
DCM(3ml)中に、3-(4-フルオロ-2-(メトキシメトキシフェニル)ピロリジン(51e)(50mg、0.22mmol)、および3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)プロパン-1-オン(1ii)(70mg、0.26mmol)の溶液を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。その後、混合物を濃縮し、残留物をC18[水中の5~70%MeCN、40分]カラムクロマトグラフィーにより、精製し、所望の生成物51f(60mg、収率66%)を黄色油として得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.53-7.50 (m, 2H), 7.12-7.07 (m, 1H), 6.91 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.73-6.68 (m, 1H), 5.18 (s, 2H), 4.33-4.27 (m, 4H), 4.02-3.93 (m, 1H), 3.48 (s, 3H), 3.18-3.15 (m, 2H), 3.13-3.09 (m, 2H), 3.03-2.93 (m, 2H), 2.66-2.56 (m, 2H), 2.25-2.16 (m, 1H), 2.11-2.06 (m, 1H).
【0230】
12.1. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン塩酸塩(51)の合成
EtOAc(1ml)の溶液中に、1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(4-フルオロ-2-(メトキシル)フェニル)ピロリドン-1-1(51f)(50mg、0.12mmol)塩酸塩/EtOAc(4m、2ml)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物を3回EtOAc(2mL)と蒸留し、粗生成物(30mg)を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーC18[水中10~40%MeCN(0.1%塩酸塩)、15分]により精製して、所望の生成物51(14mg、収率)31%)白色固体として得た。 LC-MS[移動相:90%水(0.1%TFA)および10%CH3CNから30%水(0.1%TFA)および70%CH3CNまで、6.5分以内]、純度:99.05%(214nm)、97.52%(254nm);Rt=3.253分; MS calculated value: 371; MS measured value: 372 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.96 (s, 1H), 10.46-10.40 (m, 1H), 7.55-7.52 (m, 2H), 7.15-7.09 (m, 1H), 7.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.77-6.75 (m, 1H), 6.65 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 4.35-4.30 (m, 4H), 4.04-3.86 (m, 1H), 3.79-3.71 (m, 2H), 3.60-3.48 (m, 4H), 3.28-3.25 (m, 2H), 2.33-2.24 (m, 2H).
【0231】
12.2. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(3-(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オン(52)の合成
DCM(3ml)中に、3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(1ii)(81)mg、0.30mmol)およびDIPEA(52mg、0.40mmol)の溶液中に、3-(4-フルオロ-3-(メトキシ)フェニル)ピロリドン(52f)(45mg、0.20mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をEtOAc(15ml)に溶解した。溶液を水(10ml)およびブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をEtOAc(1ml)に溶解し、塩酸塩/EtOAc(4m、2ml)を添加した。室温で30分間撹拌した。濃縮後、残留物をEtOAc(3ml)で摩砕した。混合物を濾過した。固体を収集し、C18[10~40%MeCN、水中の0.1%塩酸塩、15分]カラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、所望の生成物52(16mg、収率20%)を白色固体として得た。 LC-MS[移動相:水80%(0.1%TFA)およびCH3CN 20%から水30%(TFA 0.1%)およびCH3CN 70%まで、6.5分以内]、純度:92.79%(214nm)、93.01%(254nm);Rt=2.522分; MS calculated value: 371; MS measured value: 372 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.96-10.81 (m, 1H), 9.92 (s, 1H), 7.55-7.51 (m, 2H), 7.15-7.09 (m, 1H), 7.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.95-6.92 (m, 1H), 6.82-6.77 (m, 1H), 4.35-4.29 (m, 4H), 3.91-3.73 (m, 1H), 3.67-3.51 (m, 6H), 3.39-3.33 (m, 1H), 3.20-3.05 (m, 1H), 2.41-2.31 (m, 1H), 2.10-1.88 (m, 1H).
【0232】
実施例13
13. 化合物53、54の一般的な調製方法
【0233】
【化35】
【0234】
13.1.1. 2-(2-ヨードフェニル)エチルアミン塩酸塩(53a)の合成
2-(2-ヨードフェニル)アセトニトリル(4.00g、16.5mmol)の溶液をTHF(12ml)に添加し、ボラン/THF(1m、40ml、40mmol)を室温で滴下して添加した。次に、混合物を10時間還流した。混合物を0℃に冷却し、10mlのエタノールおよび塩酸塩/エタノール(1m、20ml、20mmol)を添加した。得られた懸濁液を濃縮して粗生成物にし、アセトン(20mL)に分散させた。次に、混合物を濾過し、固体を収集して、表題化合物53a(3.1gの粗生成物)を白色固体として得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。 LCMS[移動相:95%水(0.02%NH4OAc)および5%CH3CNから5%水(0.02%NH4OAc)および95%CH3CNまで2.5分以内]、Rt=1.25分; MS calculated value: 247; MS measured value: 248 [M+H]+.
【0235】
13.1.2. N-ベンジル-2-(2-ヨードフェニル)エチルアミン(53b)の合成
2-(2-ヨードフェニル)エチルアミン塩酸塩(1.00g、3.53mmol)およびベンズアルデヒド(374mg、3.53mmol)をエタノール(18mL)中で室温で1時間撹拌した。次に、シアン化ナトリウム(556mg、8.83mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。水(30ml)と混合してクエンチし、酢酸エチル(2) 30mlで抽出した。合わせた有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル:水(0.1%重炭酸アンモニウム)65%から70%)で精製して、表題化合物53b(560mg、収率51%)を白色油として得た。
LC-MS[移動相:2.5分以内に95%水(0.02%NH40Ac)および5%CH3CNから5%水(0.02%NH40Ac)および95%CH3CNまで]、Rt=1.78分; MS calculated value: 337; MS measured value: 338 [M+H]+.
【0236】
13.1.3. 2-(ベンジル(2-ヨードフェニルエチル)アミノ)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(53c)の合成
N-ベンジル-2-(2-ヨードフェニル)エタノールアミン(53b)(460mg、1.37mmol)およびトリエチルアミン(145mg、1.43mmol)の溶液を、DMF(7ml)、および2-ブロモ-1-(4-フルオロベンゼン)エタノール(309mg、1.43mmol)に0℃で添加した。混合物を室温で5時間撹拌した。次に、水(30mL)および酢酸エチル(30mL×2)を添加して、所望の化合物を抽出した。有機層を濃縮し、C18(アセトニトリル:95%~100%水)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物53c(542mg、収率84%)を白色油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.95-7.90 (m, 2H), 7.75 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.33-7.26 (m, 4.5H), 7.25-7.18 (m, 1.5H), 7.14-7.11 (m, 1H), 7.07-7.02 (m, 2H), 6.87-6.83 (m, 1H), 3.90 (s, 2H), 3.84 (s, 2H), 2.98-2.93 (m, 2H), 2.89-2.84 (m, 2H).
【0237】
13.1.4. 3-ベンジル-1-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[d]アゼチジン-1-オール(53d)の合成
N1,N1,N2,N2-テトラメチル-1,2-ジアミン(240mg、2.07mmol)およびn-ブチルリチウム(2.5Mトルエン、0.83mL、2.07mmol)の溶液をテトラヒドロフラン(10ml)、および2-(ベンジル(2-ヨードフェネチル)-1-(4-フルオロフェネチル)エタノール(53c)(560mg、1.18mmol)の溶液に添加した。THF(13mL)を窒素雰囲気下、-78℃で滴下して添加した。添加した混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を水(10ml)でクエンチし、酢酸エチル(15ml 2)で抽出し、C18(アセトニトリル:60%~65%水)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物53d(100mg、収率24%)を黄色油として得た。 LCMS[移動相:95%水(0.02%NH4OAc)および5%CH3CNから5%水(0.02%NH4OAc)および95%CH3CN、2.5分以内]、Rt=1.93分; MS calculated value: 347; MS measured value: 348 [M+H]+.
【0238】
13.1.5. 1-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[d]アザ-1-オール(53e)の合成
3-ベンジル-1-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ(d)アゾピン-1-オール(53d)(100mg、0.288mmol)を室温でエタノール(15ml)Pd/C(10%、50mg)に添加した。次に、混合物を水素雰囲気(50psi)下、50℃で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物53e(65mg、収率88%)を白色固体として得た。 LCMS[移動相:95%水(0.02%NH4OAc)、および5%CH3CNから5%水(0.02%NH4OAc)および95%CH3CNまで2.5分以内]、Rt=1.47分; MS calculated value: 257; MS measured value: 258 [M+H]+
【0239】
13.1. 1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-イル)-3-(1-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[]d]aza-3(2H)-イル)プロパン-1-オン(53)の合成
3-ブロモ-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-6-アシル)-プロピル-1-オン(1i、102mg、0.379mmol)をジクロロメタン(3ml)中の1-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[d]アゾピン-1-オール(53e)(65mg、0.25mmol)およびDIPEA(65mg、0.51mmol)の溶液に室温で添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次に、水(10ml)およびジクロロメタン(10ml)を添加して、所望の化合物を抽出した。有機層を濃縮し、C18(アセトニトリル:30%~65%水)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物53(20.7mg、収率18%)を白色固体として得た。 LC-MS[移動相:98%水(0.1%TFA)および2%CH3CNから40%水(0.1%TFA)および60%CH3CNまで、6.5分以内]、純度:92.27%(214nm)、93.90%(254nm);Rt=4.398分; MS calculated value: 447; MS measured value: 448 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.52-7.49 (m, 2H), 7.45 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.24-7.14 (m, 4H), 7.09-7.07 (m, 1H), 7.01-6.95 (m, 3H), 5.61 (s, 1H), 4.33-4.28 (m, 4H), 3.47-3.44 (m, 1H), 3.10 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.90-2.84 (m, 3H), 2.71-2.61 (m, 3H), 2.47-2.41 (m, 1H).
【0240】
13.2. 6-(3-(1-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-ベンゾ[d]アザゼピン-3-イル)プロピオニル)クロマン-4-オン(54)の合成
1-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ(d)アゾピン-1-オール(65mg、0.253mmol)およびN,N-シイソプロピルエチルアミン(65mg、0.506mmol)を、1-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ(102mg、0.379mmol)に室温で添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。次にそれを水(10ml)でクエンチし、ジクロロメタン(10ml)で抽出した。粗生成物を、EA/PE勾配溶出(40~60%)を伴う40gシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。白色固体12mgが得られた。分析結果:10.3%の収率。 LC-MS:RT=1.37分;純度:93.0%; ESI m/z [M+1]+ =460.37 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.45-8.44 (m, 1H), 8.09-8.06 (m, 1H),7.34-7.31 (m, 2H), 7.10-6.08 (m, 7H), 4.60 (t,J=6.4Hz, 2H), 2.84 (t,J=6.4Hz, 2H), 1.58 (s, 4H), 1.40-1.24(m, 6H).
【0241】
実施例で調製された化合物、およびそれらの構造および名称を、以下の表Aに示す。
【0242】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0243】
実施例14
14.1. TDGミスマッチ修復活性に対する化合物の阻害率の実験的決定
(1)ウラシル塩基を含む二本鎖DNAプローブT1-T2を合成した。T1鎖のヌクレオチド配列は次のとおりである: 5'-FAM- TAA UGT GAA TGG AGC TGA AAT -biotin-3' ;T2鎖のヌクレオチド配列は 5'-ATT TCA GCT CCA TTC ACG TTA-3' である。PCRアニーリングプログラムを使用して、T1鎖とT2鎖は相補的であり、二本鎖DNAプローブT1-T2を形成した。
【0244】
(2)96ウェルプレートの各ウェルの反応系および工程は以下のとおりであった: a.TDG(100nM/L)を様々な濃度の化合物と混合し、混合物を37℃で30分間インキュベートした。反応緩衝液の組成は、20mM HEPES pH7.5、100mM NaCl、0.2mM EDTA、2.5mMMgCl2であった; b.二本鎖DNAプローブT1-T2を混合物に添加して、最終容量を100μL、濃度を30nMにし、混合物を25℃で30分間インキュベートした; c.1μLのストレプトアビジン磁気ビーズを反応溶液に加え、ビオチン標識DNAを1時間完全に結合させた; d.最終濃度が200mMになるようにNaOHを反応溶液に添加し、混合物を室温で30分間インキュベートした; e.磁気スタンドの作用下で、ストレプトアビジン磁気ビーズをチューブ壁に吸着させ、上澄みを新しい96ウェルプレートに移し、蛍光測定のためにTecanマイクロプレートリーダーに入れた。パラメータ設定は次のとおりである:励起波長485nm;発光波長520nm。蛍光強度およびTDG濃度の間の線形曲線が作成され、R2=0.9968、線形範囲は0~50nM/Lであった。
【0245】
本実施例に記載の生物学的方法に従って、本発明の選択された化合物を分析し、結果を表1に示す。これらのうち、表1の「++」は、IC50≦5μMでのTDGミスマッチ修復に対する阻害活性を指す。「+」は、IC50>5μMでのTDGミスマッチ修復の阻害活性を指す。
【0246】
14.2. Calu-1細胞の増殖に対する化合物の阻害率の実験的決定
肺がん細胞株Calu-1を90%マッコイ5A培地(BI、01-075-1ACS)+10%ウシ胎児血清(Gibco、10270106)で、培養のためのCO2インキュベーター(37℃、5%CO2、95%空気)培養した。Calu-1細胞をトリプシン(Gibco、12604-021)で消化し、384ウェルプレートにウェルあたり500細胞の密度で播種した。培地は50μLで、インキュベーター内で37℃で一晩培養した。翌日、異なる濃度の試験化合物を添加し、DMSOの最終濃度は0.1%であった。72時間の培養後、細胞を試験のために取り出した。試験する384ウェルプレートから細胞培養培地を除去し、CTGと事前に混合した新鮮な培養培地を直ちに添加した: 培養培地とCellTiter-Glo(登録商標)2.0試薬(Promega、G9243)の比率は2:1であった。30ulを各ウェルに添加した。プレートを室温で20分間振とうした後、試薬の説明書の指示に従って多機能プレートリーダー(TECAN、Infinite 200 Pro)を使用して細胞の生存率を測定した。
【0247】
本実施例に記載の生物学的方法に従って、本発明の選択された化合物を分析し、結果を表1に示す。これらのうち、表1の「++」は、IC50≦5μMでのcalu-1細胞の増殖に対する阻害活性を指す;「+」は、IC50>5μMでのcalu-1細胞の増殖に対する阻害活性を指す。
【0248】
【表2】
【0249】
実施例15
細胞中の化合物のTDG阻害活性の実験的決定
本実施例の操作手順は以下のとおりである:
(1)メチル化レポータープラスミドの調製:
(a)32mMのストック溶液濃度であるSAMを超純水で1600μMに希釈した;
(b)反応系は、以下の比率に従って調製された: 30μlの超純水、5μlの10X NEバッファー2、5μlの希釈したSAM、1μgのpCpGL-CMV-ホタルプラスミド、1μlのSssIメチラーゼ(4U/μl);合計50μl、反応は37℃で2時間行った;
(c)混合物を65℃で20分間加熱した。次に、0.2% SDSを添加し、反応を80℃で10分間行った。次に、1μlのプロテイナーゼKを添加し、50℃で1時間反応を行った;
(d)メチル化されたプラスミドは、Dr.GenTLE(登録商標)沈降助剤(TAKARA)を用いて回収された。
【0250】
(2)5fC/5caC pCpGL-CMV-ホタルレポータープラスミドの調製
(a)以下の10×反応系を調製した:
【0251】
【表3】
【0252】
(b)反応系は、以下の比率に従って調製した:
【0253】
【表4】
【0254】
(c)反応を37℃で1時間行った;
(d)24μgのTet1タンパク質を2回目に添加し、反応を1時間継続した;
(e)SDSを最終濃度が0.5%、80℃で10分間添加し、次いで1μlのプロテイナーゼKを55℃で一晩添加した。
(f)処理されたcaC-cmv-ホタルプラスミドを、Dr.GenTLE(登録商標)沈降助剤(TAKARA)で回収し、定量化した。
【0255】
(3)ルシフェラーゼ活性アッセイ法を使用して、細胞内TDG酵素活性に対する小分子化合物の阻害率を検出する
96ウェルプレートにおいて、各ウェルの反応系および操作フローは以下のとおりであった:
(a)1ng caC-cmv-firefly、1ng pCpGL-CMV-Relinaおよび150ng pCDNA4-TDGまたは150ng pCDNA4-mycプラスミドを、75μlのOpti-MEMに希釈し、十分に混合し、そして5分間静置した;
(b)2μlのトランスフェクション試薬(Hieff TransTMリポソームトランスフェクション試薬(0.5μl/ウェル、YEAEEN、カタログ番号40802))を100μlのOpti-MEMで希釈し、十分に混合し、そして5分間静置した;
(c)75μlの(a)および(b)をそれぞれ混合し、そして室温で20分間静置した;
(d)HEK 293T TDG KO細胞をトリプシンで消化し、細胞を収集して計数し、懸濁細胞濃度を4×105/mlに調整した;
(e)50μlの混合物(c)を各ウェルに加え、同時に100μlの希釈細胞懸濁液を同じウェルに加え、それらをよく混合した。
(f)細胞が壁に付着した後、試験される異なる濃度の小分子化合物を各ウェルに添加した。DMSOの最終濃度は0.1%を超えなかった。
(g)インキュベーションは、37℃のCO2インキュベーター内で72時間行った。上清を除去し、細胞を-80℃で急速に凍結させた。
(h)ルシフェラーゼ活性を検出する前に、試験される細胞を-80℃から取り出し、室温で30分間静置した。Dual-Glo(登録商標)ルシフェラーゼ試薬(PROMEGA)の説明書に従い、各ウェルのホタル(firefly)蛍光値およびウミシイタケ(Renilla)蛍光値を検出しました。
(i)ホタル蛍光値を各ウェルのウミシイタケ蛍光値で割った。96ウェルプレートZ’および実験ウィンドウは、トランスフェクトされたcaC-cmv- firefly、pCpGL-CMV-Relina、pCDNA4-TDGプラスミド混合物およびDMSO実験群と、トランスフェクトされたcaC-cmv- firefly、pCpGL-CMV-Relina、pCDNA4-mycプラスミド混合物およびDMSO実験群の比率によって計算し、各化合物の相対的な酵素活性阻害率を計算した。
本実施例に記載の生物学的方法に従って、本発明の選択された化合物を分析し、その結果を表2に示す。これらのうち、表2の「+」は、10μM≦25%の濃度でのTDG阻害活性を指す;「++」は、10μM>25%の濃度でのTDG阻害活性を指す。
【0256】
【表5】
【0257】
本発明で言及されるすべての文書は、あたかも各文書が参照として個別に引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または改変を加えることができ、これらの同等の形態もまた、本出願の添付の特許請求の範囲によって定義される範囲内にあることを理解されたい。
【国際調査報告】