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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-12
(54)【発明の名称】気固接触デバイス
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/24 20060101AFI20220705BHJP
【FI】
B01J8/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021556925
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 NL2020050178
(87)【国際公開番号】W WO2020190135
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】2022774
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521435400
【氏名又は名称】イルキンス ビー.ヴィー.
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】バーグマン、ピーター クリスティアーン アルバート
(72)【発明者】
【氏名】オルトフォールト、エヴェルト-ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ボーアス、ロバート ヨハン
【テーマコード(参考)】
4G070
【Fターム(参考)】
4G070AA01
4G070AB07
4G070BB35
4G070CB01
4G070CB15
4G070DA11
(57)【要約】
気体流との接触によって粒子材料の流れを加工するためのデバイス(10)は、加工チャンバー(18)を定めるハウジング(12)を有する。このチャンバー(18)は、開口部(32)を有する気体分配プレート(30)を有する。気体分配プレート(30)は、下方気体プレナム(18)を固気接触ゾーン(22)から分離する。接触ゾーン(22)は、内側部分(36)を隣接環状外側部分(38;40)から分離する、気体分配プレート(30)から直立する少なくとも1つの円筒形パーティション(34)を有する。少なくとも1つのパーティション(34)は、粒子材料用の移送開口部(50)を備える。ハウジング(12)はまた、内側部分(36)に粒子材料を供給するための入口(44)および環状外側部分(40)から加工済みの粒子材料を排出するための出口(42)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体流との接触によって粒子材料の流れを加工するためのデバイス(10)であって、当該デバイス(10)は、
加工チャンバー(18)を定めるハウジング(12)を有し、
前記加工チャンバー(18)は、
プレナム(20)を有し、前記プレナム(20)は、前記加工チャンバー(18)の下部に配置され、前記プレナムに気体流を導入するための気体入口(26)を有し、
接触ゾーン(22)を有し、前記接触ゾーン(22)は、前記プレナム(20)より上に配置され、前記の粒子材料の流れを前記気体流と接触させるためのものであり、
前記プレナム(29)および接触ゾーン(22)は、気体分配プレート(28)によって分離され、
前記接触ゾーン(22)は、前記の粒子材料の流れと前記気体流との間の接触のための接触経路を有し、前記接触ゾーンは少なくとも1つの円筒形パーティション(34)を有し、前記の少なくとも1つの円筒形パーティション(34)は、前記気体分配プレート(30)から直立し、前記接触経路の内側部分(36)を隣接する環状外側部分(38;40)から分け、前記の少なくとも1つのパーティション(34)は移送開口部(50)を備え、前記移送開口部(50)は前記内側部分(36)から前記の隣接する環状外側部分(38;40)への前記粒子材料の通過を可能にするように構成され、
前記気体分配プレート(30)は開口部(32)を備え、前記開口部(32)は、前記プレナム(20)から前記接触ゾーン(22)への斜め上方向の前記気体流の通過を可能にして、前記接触ゾーン(22)における前記接触経路に沿う変位方向の粒子材料の変位を確立するように構成され、
入口(44)を有し、前記入口(44)は、前記接触経路の前記内側部分(36)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに、前記の隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)の上流の供給位置において前記接触経路の前記内側部分へと粒子材料を供給するためのものであり;
出口(42)を有し、前記出口(42)は、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに、前記の隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)の下流の排出位置において前記接触経路の前記環状外側部分(40)から加工済みの粒子材料を排出するためのものである、
前記デバイス。
【請求項2】
前記気体入口(26)が、前記接触ゾーン(22)を通って前記気体プレナム(20)の中へと延びる中央ダクト(28)を有し、前記ダクト(28)は、前記接触経路の前記環状内側部分(36)の内側の範囲を定める、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記接触経路の前記内側部分(36)における前記供給位置および前記の隣接するパーティション(38)における前記移送開口部(50)が、前記接触経路の前記内側部分(36)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れている、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記供給位置が、前記接触経路の前記環状部分(36)における前記の粒子材料の変位方向とは反対側の方向に見たときに、前記の隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)に隣接する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記排出位置および前記の隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)が、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れている、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記排出位置が、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記の粒子材料の変位方向とは反対側の方向に見たとき、前記の隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)に隣接する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記接触ゾーン(22)が複数の直立円筒形パーティション(34)を有し、各パーティション(34)は移送開口部(50)を有し、前記移送開口部(50)は、前記の各々のパーティションによって分離された前記接触経路の内側部分(36;38)から隣接する外側部分(38,40)への前記粒子材料の通過を可能にするように構成され、内方パーティション(34)の前記移送開口部(50)が、前記の隣接するパーティション(50)間の前記接触経路の前記環状部分(36;38)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに前記の隣接する外方パーティション(34)における前記移送開口部(50)の上流にあり、好ましくは、内方パーティション(34)の前記移送開口部(50)および前記の隣接する外方パーティション(34)における前記移送開口部(50)が、前記の隣接するパーティション(34)間の前記接触経路の前記環状部分(36,38)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れており、いっそう好ましくは、外方パーティション(34)における前記移送開口部(50)が、前記の隣接するパーティション(50)間の前記接触経路の前記環状部分(36,38)における前記の粒子材料の変位方向とは反対側の方向に見たときに前記の隣接する内方パーティション(34)における前記移送開口部(50)に隣接する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状の開口部(32)を有し、好ましくは、各環状部分において、前記開口部(32)は、前記気体分配プレート(30)の半径に対して半径方向角度にて配置される、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状の開口部(32)を有し、前記開口部(32)は、前記の粒子材料の流れの前記方向に前記接触ゾーンの軸に対して軸方向角度を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置されたスリット状の開口部(32)を有し、スリット状の開口部(32)の幅は、その内側端部からその外側端部へと増大する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記プレナム(20)がマニホールド(66)を有し、前記マニホールド(66)は、前記気体分配プレート(30)より下に配置され、サイズが調整可能なマニホールド開口部(78;80)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記マニホールド(66)が、下方マニホールド開口部(80)を有する下方環状プレート部分(76)および上方マニホールド開口部(78)を有する上方環状プレート部分(72)を有し、協働する下方および上方環状プレート部分(72,76)は互いに対して同心円状に変位可能である、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記マニホールド開口部(78,80)が、円弧上に区切られたスロット構成を有する、先行する請求項11~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記接触経路の前記外側環状部分(40)が、前記排出出口(42)へと加工済みの粒子材料を方向付けるための偏向器(52)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
パーティション(34)における移送開口部(50)の下方縁部(98)が、前記気体分配プレート(30)より上の調整可能な高さを有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記移送開口部(50)の下流直立縁部が、前記開口部に隣接する前記の粒子材料の流れの前記方向に斜めである部分(94)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
パーティションの上部がリテーナー(64)を備え、前記リテーナー(64)は、粒子材料が内側部分から隣接する外側部分へと上部縁部を通り過ぎることを防止するためのものである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
粒子バイオマス材料の冷却、乾燥、焙炒、熱分解、燃焼および/または気化を有する前記の粒子バイオマス材料の加工のための、飼料もしくは食品の触媒加工、冷却または乾燥を含む化学加工のための、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス(10)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体流との接触によって粒子材料の流れを加工(prоcessing;処理)するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2006/027009号パンフレットには、粒状製品を処理(treating)するためのデバイスが開示されている。この既知のデバイスは、製品を受け取り、かつ、処理するための加工チャンバーを有する。その底部は複数の重畳的に重なり合ったガイド板からなり、該複数の重畳的に重なり合ったガイド板の間には、本質的に水平で外側の変位コンポーネントとともに加工空気の通過のために環状スリットが形成される。底部は、その中心に環状隙間ノズルを備える。ノズル口は、底部の高さと実質的に平行である平らなスプレーケーキが噴霧され得るような形状である。
【0003】
トロイダル床反応器または旋回流動床反応器は、化学反応、物理的加工、ならびに、用いられる固体および/または気体の乾燥と冷却のような熱交換作用といった固気接触加工のための周知のデバイスである。概して、かかる気固接触デバイスは加工ゾーンを有し、該加工ゾーンにおいて、気体誘発性の、円周方向であって、かつ、トロイダル形の流れのパターンで固体粒子が循環する。気体流は、気体開口部を有するブレード(blade;羽根)(ベーン(vane;翼)としても知られる)のシステムを通して加工ゾーンへと詰められ、該気体開口部は、角度の付けられた構成を有し、加工ゾーンの中への気体の噴射を作り出し、粒子材料の循環するトロイダル形の移動を引き起こす。
【0004】
米国特許第6564472号明細書には、かかるデバイス、ならびに、その設計および適切な動作の原理が開示されている。今日Tоrftech(Моrtimer Technology)から知られているトロイダル床反応器(http://www.tоrftech.cоm/tоrbed_technоlоgy.html; 米国特許公開第2013/220790号公報も参照)は、この開示にまだ基づいている。
【0005】
米国特許公開第2013/220790号公報には、粒子材料を加工するためのトロイダル床反応器が開示されており、該トロイダル床反応器は、材料が加工されているにも関わらずそれが連続して動作することを可能にする手段を有する。この既知の反応器は、粒子材料用の少なくとも1つの入口および加工済みの粒子材料用の1つ以上の出口を有する加工チャンバー(典型的には、従来のトロイダル床反応器(反応器であって、その中に処理される材料が埋め込まれ、かつ、加工チャンバーの軸の周りを循環する、粒子および加工流体のコンパクトで、乱れた、トロイダル形で循環する床内において遠心分離で保持される前記反応器として定義される))を有する。加工チャンバーは、環状処理ゾーンをおよび複数の加工流体入口を有し、該複数の加工流体入口は、環状処理ゾーンの基部に配置され、かつ、用時、加工流体の噴射が複数の加工流体入口を通って環状処理ゾーンに入り、環状処理ゾーンにおいて粒子材料の渦巻状の流れを確立するように構成されている。加工済みの粒子材料の1つ以上の出口は基部に配置され、かつ、複数の加工流体入口によって囲まれ、粒子材料の渦巻状の流れが1つ以上の出口の周りを循環するようになっている。粒子材料が加工済みの粒子材料用の1つ以上の出口を通って加工チャンバーを後にするように、環状加工ゾーンにおける粒子材料の渦巻状の流れの一部を渦巻状の流れから半径方向内側に偏向させる手段が加工チャンバーに配置される。
【0006】
この構成による実際的な実施形態は、0.25π(D2оut-0.64D2оut)によって定められる最大接触面積を有する加工チャンバーを適用し、D2оutは加工チャンバーの直径であり、反応器の直径の外側20%(のみ)が有効に用いられることを意味する。出願人/製造者によれば、反応器床のかかる幅は、トロイダル形の流れパターンにとって最適であり、かつ、熱伝達特性および質量移動特性を伝えるための必須条件である。同様の限定が、反応器における床高さに対して設定される。
【0007】
この既知のトロイダル床の質量移動特性および熱伝達特性は、デバイスの主たる特徴である。しかしながら、この構成を有する反応器は、概してその他のトロイダル(旋回)床反応器にも当てはまる実際的な限定を有する。
【0008】
(半径方向)内側方向の環状加工ゾーンにおける粒子材料の渦巻状の流れの一部の偏向は、遠心力に起因する望まれない蓄積を引き起こし、かつ、トロイダル床の不安定性をもたらすであろう。
【0009】
動作中、この構成を有するトロイダル床反応器は、加工領域として、断面のごく一部、外側環状ゾーンのみを利用する。したがって、熱伝達特性および質量移動特性の潜在性に関わらず、トロイダル床反応器は嵩張る。
【0010】
連続的な動作の際、この反応器は短い滞留時間を有し、したがって、いっそう長い加工時間が必要とされるときには、いっそう多くの直列の反応器が必要とされる。市販の連続的デバイスは、30~60秒の滞留時間を有することが期待される。
【0011】
CSTR(連続撹拌槽反応器)挙動を有する(固体と気体が理想的に混合される(、または、連続的な前後の混合パターンを少なくとも有する)ことを意味する)トロイダル床反応器では、反応器は、粒子材料および気体流の別個の給送ポイントを有さない。なぜなら、加工ゾーンにおける流れパターンが、無限(または少なくとも限定されていない)長さを有する閉じたトロイダル形であるからである。このことは、平均的には加工ゾーンにおいてどこでも同じである質量およびエネルギー消散/交換をもたらすように思われる。その利点は非常に一定である熱/質量分布であり、かつ、床における温度は非常によく制御され得る。しかしながら、CSTR挙動は、短い滞留時間で加工ゾーンの入口から出口へと近道をする粒子材料の一部、および、平均より長く加工ゾーンを循環し続ける一部によって引き起こされる広い滞留時間分布を伴う。このことは、いくつかの粒子が実際的に処理されずに反応器を出ることができ、その他の粒子が過剰反応状態で排出されることを意味する。平均値は素晴らしいが、結果は粒子材料の処理特性の広い分布である。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、上記欠点のうちの1つ以上を少なくとも幾分低減させることを目標とする。
【0013】
気固接触デバイスにおいて利用可能な反応器容量の利用を改善することが、本発明の目的である。
【0014】
本発明の別の目的は、滞留時間(したがって、粒子材料と気体の接触時間)の均一性を改善し、そのことによって個別の粒子の加工を改善することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、同様の直径を有する先行技術の構成と比較して、上記の典型的な値を超えて滞留時間を延ばし、そのことによって、いっそう長い加工時間が必要とされる場合に直列である多数の反応器の必要性を少なくとも部分的に回避することを可能にすることである。
【0016】
本発明によれば、気体流との接触によって粒子材料の流れを加工するためのデバイスが、
加工チャンバーを定めるハウジングを有し、
加工チャンバーは、
プレナムを有し、該プレナムは、加工チャンバーの下部に配置され、かつ、プレナムに気体流を導入するための気体入口を有し、
粒子材料の流れを気体流と接触させるための、プレナムより上に配置された接触ゾーンを有し、
プレナムおよび接触ゾーンは、気体分配プレートによって分離され、
接触ゾーンは、粒子材料の流れおよび気体流の接触のための接触経路を有し、接触ゾーンは、接触経路の内側部分を隣接する環状外側部分から分ける気体分配プレートから直立する少なくとも1つの円筒形のパーティションを有し、少なくとも1つのパーティションは、粒子材料が内側部分から隣接する環状外側部分へと進むことを可能にするように構成された移送開口部を備え、
気体分配プレートは、気体流がプレナムから接触ゾーンへと斜め上方に方向付けられた方向に進み、接触ゾーンにおける接触経路に沿う変位方向に粒子材料の変位を確立することを可能にするように構成された開口部を備え、
接触経路の内側部分における粒子材料変位方向に見たときに隣接するパーティションにおける移送開口部の上流の供給位置において接触経路の内側部分へと粒子材料を供給するための入口を有し、
接触経路の環状外側部分における粒子材料変位方向に見たときに隣接するパーティションにおける移送開口部の下流の排出位置において接触経路の環状外側部分から加工済みの粒子材料を排出するための出口を有する。
【0017】
本発明によるデバイスは、概してハウジングの立ち上り壁によって範囲が定められた円形の断面を有する、加工チャンバーを有する。加工チャンバーの下部には、気体を給送するための気体入口を有するプレナム(以下、下方プレナムとしても示される;本技術分野では、風箱としても知られる)が配置され、該下方プレナムは、気体分配プレート(本技術分野では、ブレードまたはベーンとしても知られる)によって上記接触ゾーンから分離され、複数の開口部(以下、旋回開口部ともいう)が提供される。旋回開口部は、斜めに回転するコンポーネントをプレナムから接触ゾーンの中に入る気体噴射へと誘導して、供給位置から接触経路に沿って排出位置へと向かう変位方向の粒子材料の変位を引き起こす。接触ゾーンにおいて気体分配プレートから直立し、少なくとも1つのパーティションが配置される。典型的には、例えば加工チャンバーの内径の(0.2倍、以下を参照)、0.4倍、0.6倍および0.8倍の異なる直径を有する、例えば2~10個(例えば、3~5個)の範囲の多数のパーティションが存在する。パーティションは、粒子材料の供給位置から排出位置への接触経路の範囲を定め、気体流は、気体分配プレートを横切る移動(滑り)層または床として粒子材料に接触し、かつ、粒子材料を取り込む。パーティションは、接触経路を内側接触経路部分(典型的には、内側環状接触経路部分)と隣接する外側環状接触経路部分に分ける。多数のパーティションの場合、内側(環状)接触経路部分は最も内側の(環状)接触経路部分ともいわれ、かつ、外側環状接触経路部分は、最も外側の環状接触経路部分ともいわれる一方で、最も内側の(環状)接触経路部分と最も外側の環状接触経路部分との間に配置されるあらゆる環状接触経路部分は中間環状接触経路部分として示される。粒子材料は、供給位置において入口を通して内側(環状)接触経路部分へと給送され、かつ、加工済みの粒子材料は、-気体流、または、その一部とともに-排出位置において出口を通して外側環状部分から排出される。各パーティションは、気体流によって引き起こされる遠心力によって接触経路の内側部分から隣接する外側部分への加工されている粒子材料の移送を可能にする、移送開口部(ポートともいう)を有する。したがって、加工されている粒子材料は、渦巻状の経路に追従して内側部分から外側部分における排出出口へと移動し、該移動は、気体分配プレートにおける旋回開口部を通る気体流によって強制される。内側(環状)部分における粒子材料の供給位置は、隣接するパーティションにおける移送開口部の上流にあり、有利なことに、供給された粒子材料が、(環状)内側接触経路部分に沿って、実質的にその全長(円形の)にわたって移送開口部へと移されるようになっている。その時には、供給位置から移送開口部への近道が妨げられる。有利なことに、接触経路の内側(環状)部分における供給位置と、隣接するパーティションにおける移送開口部は、接触経路の内側部分における粒子材料変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れている。好ましくは、供給位置はまた、接触経路の内側部分における粒子材料変位方向とは反対側の方向に見たときに隣接するパーティションにおける移送開口部に隣接する。速度の回転成分が、供給位置から移送開口部への、または、移送開口部から排出位置への粒子材料の近道を妨げる程十分大きいという条件では、重なりが可能である。供給された粒子材料は、環状接触経路部分に沿って、実質的にその円形の全長にわたって供給位置から移送開口部へと移される。同じ理論が、移送開口部に対する排出出口の位置に当てはまる。有利なことに、接触経路の環状外側部分における排出位置と、隣接する内側に配置されたパーティションにおける移送開口部は、接触経路の環状外側部分における粒子材料変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れており、好ましくは、排出位置は、接触経路の環状外側部分における粒子材料変位方向とは反対側の方向に見たときに隣接するパーティションにおける移送開口部に隣接する。
【0018】
典型的には、粒子材料は、回転誘導気体流と並んで(好ましくは、回転誘導気体流に対して接線方向に)内側接触経路部へと給送される。内側接触経路部分における1つより多い供給位置が、実現可能である。
【0019】
任意選択的には、加工チャンバーはまた、加工チャンバーから気体流(または、その残り)、ならびに、取り込まれている粒子材料のあらゆる塵および軽量粒子を除去するための出口に接続された上方排出部分を有する。塵および軽量粒子は、気体流から濾され、かつ、粒子流へと戻されてもよく、そうでなければ、例えば気体流に対して既に誘導された回転運動を利用して上方排出部分に配置されたサイクロンを用いて収集されてもよい。気体は、任意選択的には温度、圧力、組成および/または含水量のような特定の特性を調節した後で、プレナムへと再循環され得る。
【0020】
本発明によるデバイスは、加工チャンバーの大きい断面積をカバーする接触ゾーンを有する(その外側(約20%)の周辺部のみを使用する先行技術のデバイスと比べて)。したがって、デバイスの動作は、気体と固体の接触のために加工チャンバーの大きい断面積を利用する。追加的には、粒子材料の流れはプラグ流特性を有するので、滞留時間は正確な様式で制御され、個別の粒子が実質的に同じ加工処理に曝されることを保証し得る。さらに、パーティションによって範囲が定められた、はっきりとした渦巻状の接触経路を提供することによって、滞留時間が先行技術のトロイダル床反応器構成と比べて延ばされ得る一方で、密接な接触を通して好ましい質量移動特性およびエネルギー移動特性が維持される。
【0021】
好ましい実施形態では、接触ゾーンは複数の直立した円筒形のパーティションを有し、各パーティションは粒子材料が接触経路の内側部分から隣接する外側部分へと進むことを可能にするように構成された移送開口部を有し、内方パーティションの移送開口部は、隣接するパーティション間の接触経路の環状部分における粒子材料変位方向に見たときに、隣接する外方パーティションにおける移送開口部の上流にあり、好ましくは、内方パーティションの移送開口部と、隣接する外方パーティションにおける移送開口部は、隣接するパーティション間の接触経路の環状部分における粒子材料変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れており、いっそう好ましくは、外方パーティションにおける移送開口部は、隣接するパーティション間の接触経路の環状部分における粒子材料変位方向とは反対側の方向に見たときに隣接する内方パーティションにおける移送開口部に隣接する。これらの配置構成では、粒子材料は、それが入ってから出るまで、それぞれの環状の流れ部経路部の円形状の全長を流れることを強制され、隣接するパーティション間の中間環状接触経路部分を迂回することによりパーティションにおける1つの移送開口部から隣接する外方パーティションにおける移送開口部へと直接的に繋がる直線状の照準線を介した近道が妨げられる。
【0022】
さらなる有利な実施形態では、気体入口は、接触ゾーンを通って気体プレナムの中へと鉛直方向に延びる中央ダクトを有し、該ダクトは、内側環状接触経路部分の内側の範囲を定める。この実施形態では、例えば加工チャンバーの直径の0.2倍の直径を有する中央ダクトは、内側環状接触経路部分の内方境界線として作用し、そのことによって粒子材料および気体流の初期の回転運動に貢献する。さらに、旋回開口部を通る上向きの気体流とは反対側の鉛直方向にプレナムへと気体流を給送することは、プレナムにおける気体分布を向上させる。典型的には、中央ダクトは、加工チャンバーの上部から下方プレナムへと下向きに延びる。好ましくは、気体流は、加工チャンバーの上部において同心円状に中央ダクトを囲む気体出口を介して加工チャンバーから少なくとも部分的に除去される。
【0023】
有利なことに、角度のついた構成を有する旋回開口部は、それらが給送する環状接触経路部分に適合する。好ましい実施形態では、気体分配プレートは、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状開口部を有し、各環状部分において、該開口部は、気体分配プレートの半径に対して半径方向角度にて配置される。旋回開口部のスリット形状は、環状接触経路部分の実質的に全幅をカバーし、気体流防止デッドゾーンによる粒子材料の変位を保証する。典型的には15~30°の範囲である半径方向角度は、遠心力に起因して粒子材料がパーティション、または、ハウジング壁に蓄積する傾向にあることを考慮し、かつ、粒子材料が前進することを強制する。環状部分では、半径方向角度は概して一定である。部分毎に半径方向角度は異なっていてもよく、とりわけ、スリット状旋回開口部の半径方向角度は、最も内側の環状部から最も外側の部分へと段階的に減少する。
【0024】
好ましい実施形態では、気体分配プレートは、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状開口部を有し、該開口部は、粒子材料の流れの方向に接触ゾーンの軸に対して軸方向角度を有し、斜め上の方向を有する気体流を提供して、接触ゾーンにおける接触経路に沿う粒子材料の変位を確立する。典型的には、軸方向角度は45~60°の範囲である。
【0025】
好ましい実施形態では、気体分配プレートは、環状部分に配置されたスリット状開口部を有し、スリット状開口部の幅は、その内側端部からその外側端部へと増大する。この実施形態では、旋回開口部の貫流領域は外側に向かって増大し、環状部分の外側部分における粒子材料のいっそう大きい流れを補償する。
【0026】
最も好ましくは、旋回開口部は、上記で説明されたように、半径方向角度、軸方向角度にて配置され、かつ、その内側端部において小さい基部を有し、かつ、その外側端部において大きい基部を有する台形の形状を有する。
【0027】
気体分配プレートへのプレナムにおける気体分布を向上させ、かつ/あるいは、制御するために、好ましくは、プレナムはマニホールドを有し、該マニホールドは、気体分配プレートより下に配置され、サイズが調整可能なマニホールド開口部を有する。調整可能なマニホールド開口部は、気体流を特定の接触経路部分において必要とされる割合に適合させることが可能である。例えば(加熱された)空気で粒子材料を乾燥させる際、湿った粒子材料は、粒子材料が一部乾いた状態で入る中間部分(存在すれば)および最も外側の環状接触経路部より粒子材料を乾燥させるために多くの熱が必要とされる最も内側の環状接触経路部へと給送される。
【0028】
ある実施例では、マニホールドは、部分毎に開口部のサイズを制御することを可能にするダイアフラムタイプのものである。例えば、マニホールドは、下方マニホールド開口部を有する下方環状プレート部分、および、上方マニホールド開口部を有する上方環状プレート部分を有し、協働する下方環状プレート部分および上方環状プレート部分は、互いに対して同心円状に変位可能である。
【0029】
さらに別の実施形態では、各環状接触経路部分または部分の総数のうちのそのいくつかは、例えば環状流路(それぞれが、それ自体の気体入口を有する)の気体マニホールドを用いて、温度、湿度、圧力および/または組成に関して専用の気体流(適切な源からの専用の気体とともに提供され得る)によって給送される。かかる実施形態は、接触ゾーンの内側から外側へと環状接触経路部分において粒子材料に対して異なる加工動作を連続的に実行することを可能にする。
【0030】
マニホールド開口部は、半径方向にスロットの付いた構成を有していてもよい。有利な実施形態では、マニホールド開口部は、円弧状に区切られたスロット付きの構成を有する。
【0031】
粒子材料が外側環状接触経路部分において排出出口を通ることを強制するために、環状外側接触経路部分は偏向器を有し得、該偏向器は、加工済みの粒子材料を排出出口へと方向付けるためのものであり、有利なことに、内側に隣接するパーティションを出口の排出位置から分離するためのものである。
【0032】
パーティションにおける移送開口部(それを通して、粒子材料が環状接触経路部分から、それから外側に配置された隣接する環状接触経路部分へと移される)は、有利なことに調整可能なサイズを有する。ある実施形態では、気体分配プレートより上のその高さは、例えば滑動部を用いて調整可能である。環状接触経路部分における粒子材料の特定のホールドアップを可能にするために、移送開口部は、気体分配プレートの平面より上の特定の高さに位置決めされてもよい。その時、粒子材料の変位パターン、そのホールドアップおよび気体流量が結び付けられる。粒子材料の移動床層の失速を回避するために、好ましくは自動的に開口部高さ(とりわけ、移送開口部の下方縁部)の調整を可能にすることが有利である。下方縁部の最も低い高さは、気体分配プレートの高さである。その時、ホールドアップは発生しない。
【0033】
さらに別の好ましい実施形態では、パーティションにおける移送開口部の範囲を定める壁の下流部は、上方斜めに配置される。ワイヤー様粒子(例えば、繊維)のような長い寸法を有する粒子が移送開口部の範囲を定めるパーティション壁の鉛直方向縁部にぶつかるとき、それらは、この縁部に巻き付き、かつ、くっつく傾向にある。そのうち、くっついた粒子の数は上昇し、かつ、クラスターへと蓄積するであろうし、該クラスターは、パーティション開口部を通るその他の粒子の移送の障害となり得る。したがって、出口環状接触経路部分は、失速し始め得る。この問題は、上側を向いた斜め部(例えば、45°)を提供することによって回避される。ぶつかるポイントにくっつく代わりに、崩壊粒子は、移送開口部を塞がないように、粒子材料の移動床層より上のいっそう高い位置へとスライドするであろう。特定の成長後、クラスターは大きくなり過ぎ、下に落ち、かつ、分解し得る。さらなる実施形態では、上側を向いた斜め部に隣接して、下側を向いた傾斜部が存在する。この実施形態では、上側を向いた斜め部の上をスライドするあらゆる粒子が、支持が突然なくなることに起因して、その上部でゆるむ(「ジャンプする」)であろう。
【0034】
1つの環状接触経路からパーティションの隣接する外側の度を超えた縁部への粒子材料の流出を防止するために、有利なことに、パーティションの上部は、リテーナー(例えば、隣接する内側接触経路部分を部分的にカバーする、内側に方向付けられたストリップ)を備える。
【0035】
本発明によるデバイスは、熱加工バイオマス材料のような粒子材料または関連する気体の多くの処理(その冷却、乾燥、焙炒、熱分解、燃焼および/または気化、触媒加工を含む化学加工、ならびに、飼料もしくは食品の冷却または乾燥を有する)のために用いられ得る。その他の応用例としては、スクリーニングのような、形状、質量、サイズおよび/または密度に基づいて粒子材料を小部分に区切ることが挙げられ、本発明によるデバイスは、風シフト装置として用いられる。概して、粒子材料は、バイオマスのような生物学的材料、食品および飼料といったバルク商品である。プラスチック材料もまた、本発明によるデバイスにおいて加工され得る。パーティションに(一時的に)付着する傾向が高い湿った材料の場合、パーティションは、非粘着性コーティングを備え得る(とりわけ、内側接触経路部分におけるパーティション壁部)。研磨粒子材料を加工する場合、耐摩耗コーティングが適用され得る。かかるコーティングは、容易に交換および/または置換され得る別個の挿入物(例えば、シート等)として提供されてもよい。パーティションのうちの1つ以上が、それら自体加熱されてもよく、かつ/あるいは、冷却されてもよい(例えば、二重壁のパーティション)。パーティション(とりわけ、最も内側のパーティション)の加熱は、望まれない凝縮物堆積、および、各々のパーティションにおいてくっつくことのリスクを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明は、添付の図面によってさらに説明される。
【0037】
図1図1は、本発明による気固接触デバイスのある実施形態の図を示している。
図2図2は、図1の実施形態の接触ゾーンの断面を示している。
図3図3は、気体分配プレートにおける旋回開口部の平面図である。
図4図4は、図3の断面A-Aを示している。
図5図5は、図3の断面B-Bを示している。
図6図6は、マニホールドのある実施形態を示している。
図7図7は、マニホールド開口部の詳細を示している。
図8図8は、パーティションにおける移送開口部のある実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1には、気固接触デバイスのある実施形態が図で示されており、かつ、その全体が参照数字10によって示されている。図2は、その気体分配プレートのすぐ上の高さにおける断面を示している。
【0039】
気固接触デバイス10は円筒形ハウジング12を有し、円筒形ハウジング12は底壁14および上壁16を有し、底壁14および上壁16は加工チャンバー18の範囲を定める。加工チャンバー18は、下方プレナム20、接触ゾーン22および気体ヘッダー部分24の範囲を定める。ハウジング12は気体入口26を備え、気体入口26は鉛直方向中央ダクト28に接続され、鉛直方向中央ダクト28は気体分配プレート30を通って下方プレナム20の中へと延びる。気体分配プレート28は複数の旋回開口部32を備え、旋回開口部32は、気体プレナム20から接触ゾーン22の中へと方向付けられた気体噴射を注入するように構成されている。旋回開口部32は、粒子材料31(図1では2本の破線として示されている)が接触ゾーン22からプレナム20に入ることを防止するサイズを有する。接触ゾーン22において気体分配プレート30の上部には円筒形パーティション34が配置され、そのことによって接触経路が形成され、該接触経路は、内側(最も内側の)環状接触経路部分36を有し、隣接する中間環状接触経路部分38’および38’’を各々伴い、かつ、外側(最も外側の)接触経路部分40を有し、外側(最も外側の)接触経路部分40は、排出位置に加工済みの粒子材料を排出するための接線方向出口42を有する。粒子材料は給送インジェクター44(図2も参照)によって給送され、供給位置における給送インジェクター44の出口46は、中央ダクト28と最も内側のパーティション34との間の最も内側の部分36において位置決めされ、かつ、給送インジェクター44は、粒子材料を層として旋回開口部32を通る気体流と並んで流れる方向に送達する。粒子材料は、最も内側の部分36に沿って出口46から、最も内側のパーティション34における移送開口部50を通って、中間部分38’に沿って、中間パーティション34’における移送開口部50’を通って、中間部分38’’に沿って、最も外側のパーティション34’’における移送開口部50’’を通って、かつ、最も外側の部分40に沿って出口42を通るように渦巻状の接触経路における気体流(図2を参照すると、太い矢印によって示されている)によって強制される。図示されているように、最も内側のパーティション34における移送開口部50は、最も内側の環状接触経路部分34における給送インジェクター44の出口46にほぼ隣接し、移送開口部50を通って移動した粒子材料の一部が最も内側の環状接触経路部分34において粒子材料の流れに隙間を作り出すようになっており、該隙間はその後、給送インジェクター44によって供給される新しい粒子材料によって充填される。この種の移送および後に続く再充填は、中間部分において、かつ、排出出口42に対して最も外側の部分において繰り返される。中間パーティション34’における移送開口部50’は、最も内側のパーティション34における移送開口部50に隣接するが下流に配置される。供給位置、移送開口部および排出位置の互いに対して互い違いの構成は、粒子材料が、外側に位置する隣接する部分へと移される前に環状接触経路部のほぼ全部(円弧>270°)を全うすることを強制する。任意選択的には、最も外側の環状接触経路部分40に偏向壁54が位置決めされ、偏向壁54は、加工済みの粒子材料、または、その一部を、出口位置において出口42を通るように方向付ける。この実施形態では、加工チャンバー18の上部において、気体ヘッダー部分22が、サイクロンのような1つ以上のセパレーター60を収容し、塵および軽量粒子が気体流から分離される。気体流は、気体出口62を通ってハウジング12を後にする。図1はまた、内側パーティション34が最も内側の環状接触経路部分36から隣接する中間環状接触経路部分38’への粒子材料の流れを妨げるためのリテーナー64を備えることを示している。図示されている実施形態では、プレナム20は、気体マニホールド66を備える。
【0040】
図2は、旋回開口部32がスリット形状を有することを概略的に示している。スリットの長さは、各々の環状接触経路部分の幅に近い。スリットは半径方向角度αにて配置され、スリットの半径方向角度αは、最も内側の部分36から最も外側の部分40へと段階的に減少する。
【0041】
図3は、スリット状旋回開口部32のある実施形態をいっそう詳細に示している。図4および図5に示されている断面A-AおよびB-Bから明らかなように、スリット状旋回開口部はまた、軸方向角度γを有し、一方でスリットの幅は、内側端部68から外側端部70に向かって徐々に増大する。
【0042】
図6は、ダイアフラムタイプのマニホールド66のある実施形態を部分的に示している。マニホールド66は、プロファイリングされたビーム74内の所定の位置に保持された多数の上方マニホールド部分72を有する上方マニホールドプレートを有し、その下部には、同様の環状下方マニホールド部分76がスライド様式で配置される。上方マニホールド部分72および下方マニホールド部分76は各々、上方マニホールド開口部および下方マニホールド開口部(典型的には、扇形様開口部)を備える。図7に示されているように、下方マニホールド部分76を回転させることによって(矢印によって示されている)、気体のための貫流領域が調整され得、下方マニホールド開口部80は、上方マニホールド開口部分78と完全には位置合わせされない。
【0043】
図8は、パーティション34における移送開口部50のある実施形態をいっそう詳細に示している。移送開口部50は、直立上流縁部90、上方縁部92、直立上流縁部に隣接する気体分配プレート30の上面の一部、パーティション34の上側を向いた斜め下流縁部94および隣接する下側を向いた傾斜部96によって範囲が定められる。角度のついた部分94は、粒子(とりわけ、繊維のような長い粒子)のためのスライド面として役立ち、かつ、移送開口部50の閉塞を防止する。底には、移送可能な(例えば、スライドする)下方縁部98が配置され、そのことによって開口部50の移送断面が調整され得る。下方縁部98を位置決めするためのアクチュエーターは、図示されていない。同じ構成は、加工済みの粒子材料のための排出出口に適用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体流との接触によって粒子材料の流れを加工するためのデバイス(10)であって、当該デバイス(10)は
ウジング(12)を有し、前記ハウジング(12)は、加工チャンバー(18)を定め、かつ、気体入口(26)を有し、前記気体入口(26)は、前記加工チャンバー(18)のプレナム(20)に気体流を導入するためのものであり;
前記加工チャンバー(18)は、
前記加工チャンバー(18)の下部に配置された前記プレナム(20)を有し、
接触ゾーン(22)を有し、前記接触ゾーン(22)は、前記プレナム(20)より上に配置され、前記の粒子材料の流れを前記プレナム(20)からの前記気体流と接触させるためのものであり、
前記プレナム(20)および接触ゾーン(22)は、気体分配プレート(28)によって分離され、
前記接触ゾーン(22)は、前記の粒子材料の流れと前記気体流との間の接触のための接触経路を有し、前記接触ゾーンは多数の円筒形パーティション(34)を有し、前記の多数の円筒形パーティション(34)は、前記気体分配プレート(30)から直立し、前記接触経路の内側部分(36)を隣接する環状外側部分(38;40)から分け、パーティション(34)は移送開口部(50)を有し、前記移送開口部(50)は前記の各々のパーティションによって分離された前記接触経路の内側部分(36;38)から隣接する外側部分(3840)への前記粒子材料の通過を可能にするように構成され、
前記気体分配プレート(30)は開口部(32)を備え、前記開口部(32)は、前記プレナム(20)から前記接触ゾーン(22)への斜め上方向の前記気体流の通過を可能にして、前記接触ゾーン(22)における前記接触経路に沿う変位方向の粒子材料の変位を確立するように構成され、
前記ハウジング(12)はさらに、入口(44)を有し、前記入口(44)は、前記接触経路の前記内側部分(36)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに、隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)の上流の供給位置において前記接触経路の前記内側部分へと粒子材料を供給するためのものであり;かつ、前記ハウジング(12)はさらに、出口(42)を有し、前記出口(42)は、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに、隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)の下流の排出位置において前記接触経路の前記環状外側部分(40)から加工済みの粒子材料を排出するためのものである、
前記デバイス。
【請求項2】
前記接触経路の前記内側部分(36)が環状内側部分(36)である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記気体入口(26)が、前記接触ゾーン(22)を通って前記気体プレナム(20)の中へと延びる中央ダクト(28)を有し、前記ダクト(28)は、前記接触経路の前記環状内側部分(36)の内側の範囲を定める、請求項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記接触経路の前記内側部分(36)における前記供給位置および前記の隣接するパーティション(38)における前記移送開口部(50)が、前記接触経路の前記内側部分(36)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れている、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記排出位置および前記の隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)が、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れている、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
方パーティション(34)の前記移送開口部(50)が、前記の隣接するパーティション(50)間の前記接触経路の前記環状部分(36;38)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに前記の隣接する外方パーティション(34)における前記移送開口部(50)の上流にあり、好ましくは、内方パーティション(34)の前記移送開口部(50)および前記の隣接する外方パーティション(34)における前記移送開口部(50)が、前記の隣接するパーティション(34)間の前記接触経路の前記環状部分(36,38)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れており、好ましくは、外方パーティション(34)における前記移送開口部(50)が、前記の隣接するパーティション(34)間の前記接触経路の前記環状部分(36,38)における前記の粒子材料の変位方向とは反対側の方向に見たときに前記の隣接する内方パーティション(34)における前記移送開口部(50)に隣接する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状の開口部(32)を有る、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
各環状部分において、前記開口部(32)が前記気体分配プレート(30)の半径に対して半径方向角度にて配置され、好ましくは、前記開口部(32)の前記半径方向角度は、前記内側環状部分(36)から前記外側環状部分(40)へと段階的に減少する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状の開口部(32)を有し、前記開口部(32)は、前記の粒子材料の流れの前記方向に前記接触ゾーンの軸に対して軸方向角度を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置されたスリット状の開口部(32)を有し、スリット状の開口部(32)の幅は、その内側端部からその外側端部へと増大する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記プレナム(20)がマニホールド(66)を有し、前記マニホールド(66)は、前記気体分配プレート(30)より下に配置され、サイズが調整可能なマニホールド開口部(78;80)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記マニホールド(66)が、下方マニホールド開口部(80)を有する下方環状プレート部分(76)および上方マニホールド開口部(78)を有する上方環状プレート部分(72)を有し、協働する下方および上方環状プレート部分(72,76)は互いに対して同心円状に変位可能である、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記マニホールド開口部(78,80)が、円弧上に区切られたスロット構成を有する、先行する請求項11~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記接触経路の前記外側環状部分(40)が、前記排出出口(42)へと加工済みの粒子材料を方向付けるための偏向器(52)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
移送開口部(50)が調整可能なサイズを有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
パーティション(34)における移送開口部(50)の下方縁部(98)が、前記気体分配プレート(30)より上の調整可能な高さを有する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記移送開口部(50)の下流直立縁部が、前記開口部に隣接する前記の粒子材料の流れの前記方向に斜めである部分(94)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
パーティションの上部がリテーナー(64)を備え、前記リテーナー(64)は、粒子材料が内側部分から隣接する外側部分へと上部縁部を通り過ぎることを防止するためのものである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
粒子バイオマス材料の冷却、乾燥、焙炒、熱分解、燃焼および/または気化を有する前記の粒子バイオマス材料の加工のための、飼料もしくは食品の触媒加工、冷却または乾燥を含む化学加工のための、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス(10)の使用。
【手続補正書】
【提出日】2021-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体流との接触によって粒子材料の流れを加工するためのデバイス(10)であって、当該デバイス(10)は、
ハウジング(12)を有し、前記ハウジング(12)は、前記ハウジングの立ち上がり壁によって範囲の定められる円形断面を有する加工チャンバー(18)を定め、かつ、気体入口(26)を有し、前記気体入口(26)は、前記加工チャンバー(18)のプレナム(20)に気体流を導入するためのものであり;
前記加工チャンバー(18)は、
前記加工チャンバー(18)の下部に配置された前記プレナム(20)を有し、
接触ゾーン(22)を有し、前記接触ゾーン(22)は、前記プレナム(20)より上に配置され、前記の粒子材料の流れを前記プレナム(20)からの前記気体流と接触させるためのものであり、
前記プレナム(20)および接触ゾーン(22)は、気体分配プレート(30)によって分離され、
前記接触ゾーン(22)は、前記の粒子材料の流れと前記気体流との間の接触のための接触経路を有し、前記接触ゾーンは多数の円筒形パーティション(34)を有し、前記の多数の円筒形パーティション(34)は、前記気体分配プレート(30)から直立し、前記接触経路の内側部分(36)を隣接する環状外側部分(38;40)から分け、各パーティション(34)は移送開口部(50)を有し、前記移送開口部(50)は前記の各々のパーティションによって分離された前記接触経路の内側部分(36;38)から隣接する外側部分(38,40)への前記粒子材料の通過を可能にするように構成され、前記接触経路の前記内側部分(36)は環状内側部分(36)であり、かつ、内方パーティション(34)の前記移送開口部(50)および隣接する外方パーティション(34)における前記移送開口部(50)は、前記の隣接するパーティション(34)間の前記接触経路の前記環状部分(36,38)における前記の粒子材料の変位方向にみたときに少なくとも270°だけ離れており、
前記気体分配プレート(30)は開口部(32)を備え、前記開口部(32)は、前記プレナム(20)から前記接触ゾーン(22)への斜め上方向の前記気体流の通過を可能にして、前記接触ゾーン(22)における前記接触経路に沿う変位方向の粒子材料の変位を確立するように構成され、
前記ハウジング(12)はさらに、入口(44)を有し、前記入口(44)は、前記接触経路の前記内側部分(36)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに、隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)の上流の供給位置において前記接触経路の前記内側部分へと粒子材料を供給するためのものであり;前記接触経路の前記内側部分(36)における前記供給位置および前記の隣接するパーティション(38)における前記移送開口部(50)は、前記接触経路の前記内側部分(36)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れており、かつ、前記ハウジング(12)はさらに、出口(42)を有し、前記出口(42)は、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに、隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)の下流の排出位置において前記接触経路の前記環状外側部分(40)から加工済みの粒子材料を排出するためのものであり、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記排出位置および前記の隣接するパーティション(34)における前記移送開口部(50)は、前記接触経路の前記環状外側部分(40)における前記の粒子材料の変位方向に見たときに少なくとも270°だけ離れている、
前記デバイス。
【請求項2】
前記気体入口(26)が、前記接触ゾーン(22)を通って前記気体プレナム(20)の中へと延びる中央ダクト(28)を有し、前記ダクト(28)は、前記接触経路の前記環状内側部分(36)の内側の範囲を定める、請求項に記載のデバイス。
【請求項3】
方パーティション(34)における前記移送開口部(50)が、前記の隣接するパーティション(34)間の前記接触経路の前記環状部分(36,38)における前記の粒子材料の変位方向とは反対側の方向に見たときに前記の隣接する内方パーティション(34)における前記移送開口部(50)に隣接する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状の開口部(32)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
各環状部分において、前記開口部(32)が前記気体分配プレート(30)の半径に対して半径方向角度にて配置され、好ましくは、前記開口部(32)の前記半径方向角度は、前記内側環状部分(36)から前記外側環状部分(40)へと段階的に減少する、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置された、外側に方向付けられたスリット状の開口部(32)を有し、前記開口部(32)は、前記の粒子材料の流れの前記方向に前記接触ゾーンの軸に対して軸方向角度を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記気体分配プレート(30)が、環状部分に配置されたスリット状の開口部(32)を有し、スリット状の開口部(32)の幅は、その内側端部からその外側端部へと増大する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記プレナム(20)がマニホールド(66)を有し、前記マニホールド(66)は、前記気体分配プレート(30)より下に配置され、サイズが調整可能なマニホールド開口部(78;80)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記マニホールド(66)が、下方マニホールド開口部(80)を有する下方環状プレート部分(76)および上方マニホールド開口部(78)を有する上方環状プレート部分(72)を有し、協働する下方および上方環状プレート部分(72,76)は互いに対して同心円状に変位可能である、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記マニホールド開口部(78,80)が、円弧上に区切られたスロット構成を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記接触経路の前記外側環状部分(40)が、前記排出出口(42)へと加工済みの粒子材料を方向付けるための偏向器(52)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
移送開口部(50)が調整可能なサイズを有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
パーティション(34)における移送開口部(50)の下方縁部(98)が、前記気体分配プレート(30)より上の調整可能な高さを有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記移送開口部(50)の下流直立縁部が、前記開口部に隣接する前記の粒子材料の流れの前記方向に斜めである部分(94)を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
パーティションの上部がリテーナー(64)を備え、前記リテーナー(64)は、粒子材料が内側部分から隣接する外側部分へと上部縁部を通り過ぎることを防止するためのものである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項16】
粒子バイオマス材料の冷却、乾燥、焙炒、熱分解、燃焼および/または気化を有する前記の粒子バイオマス材料の加工のための、飼料もしくは食品の触媒加工、冷却または乾燥を含む化学加工のための、先行する請求項のいずれか一項に記載のデバイス(10)の使用。
【国際調査報告】