(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-12
(54)【発明の名称】増感剤を使用する改善されたビタミンD3の光化学合成
(51)【国際特許分類】
C07C 401/00 20060101AFI20220705BHJP
C07D 409/14 20060101ALN20220705BHJP
C07D 409/04 20060101ALN20220705BHJP
C07D 333/10 20060101ALN20220705BHJP
【FI】
C07C401/00
C07D409/14
C07D409/04
C07D333/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558989
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 IN2020050442
(87)【国際公開番号】W WO2020230169
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201921019395
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519370625
【氏名又は名称】ファーメンタ バイオテク リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FERMENTA BIOTECH LIMITED
【住所又は居所原語表記】A-1501,Thane One,‘DIL’Complex,Ghodbunder Road,Majiwada,Thane(West),Maharashtra 400610(IN)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダトラ,アヌパーマ
(72)【発明者】
【氏名】ナグア,プラシャント
(72)【発明者】
【氏名】タモア,ジャグディシュ
(72)【発明者】
【氏名】トリヴィクラム,スリーナス
(72)【発明者】
【氏名】デガオンカール,ガジャナン
【テーマコード(参考)】
4C063
4H006
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063CC92
4C063DD12
4C063DD75
4C063EE10
4H006AA02
4H006AB20
4H006AC28
4H006BA95
4H006BB14
4H006BC10
4H006BC19
4H006FC22
4H006FC26
4H006UA13
4H006UC11
4H006UC21
(57)【要約】
本発明は、7-デヒドロコレステロール単独、又はステロール前駆体との組み合わせによる改善されたビタミンD3の光化学合成であって、式Iの光増感剤の存在下における、高収率かつ低い不純物レベルでの光化学合成を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)7-DHC単独又はステロール前駆体と組み合わせた混合物を、式(I):
【化1】
式中、
Xは、「O」又は「S」を表し、
R1は水素原子又はC1~C5アルキルを表し、
R2及びR3は、それぞれ独立して、(非)置換若しくは置換アリール、(非)置換若しくは置換ナフチル、又はN、O若しくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する(非)置換若しくは置換ヘテロアリールを表す)
の光増感剤の存在下で照射して、前記反応物質を得ること、
b)固形分を分離し、濾液を濃縮し、真空下で蒸発させて、粗ビタミンD3(樹脂)を得ること、並びに
c)工程(b)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の光化学合成。
【請求項2】
前記式Iの光増感剤が、
i.5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン;
ii.2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェン;
iii.2,5-ジフェニルチオフェン;
iv.5-(2-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン;
v.5-(4-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン;
vi.2-フェニル-5-(2-ピリジル)チオフェン;
vii.2-フェニル-5-(3-ピリジル)-チオフェン;
viii.2-フェニル-5-(4-ピリジル)-チオフェン;
ix.2,2’-5’,2’’-ターチオフェン;
x.2,5-ジ(2-チエニル)フラン、を含む、請求項1に記載の改善された光化学合成。
【請求項3】
前記光増感剤が5-(3-ピリジル)2,2´-ビチオフェンである、請求項2に記載の改善された光化学合成。
【請求項4】
前記光増感剤が2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンである、請求項2に記載の改善された光化学合成。
【請求項5】
前記光増感剤が、ステロールに対して0.5%~15%w/wの量である、請求項1から4に記載の改善された光化学合成。
【請求項6】
7-DHCが、0.1~0.5モルの範囲のモル濃度である、請求項1に記載の改善された光化学合成。
【請求項7】
前記ステロール前駆体が、0.05~0.35モルの範囲のモル濃度であるコレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の改善された光化学合成。
【請求項8】
前記照射が、光源としての低圧水銀ランプ下で、20~85℃の範囲の温度で30~300分間行われる、請求項1に記載の改善された光化学合成。
【請求項9】
触媒量の酸化防止剤としてのBHTの存在下でプロセスが行われる、請求項1に記載の改善された光化学合成。
【請求項10】
前記プロセスのための溶媒が、アルコール、エーテル、並びに反応物及び生成物に対して不活性であり、照射が行われる波長において非吸収性である同様の溶媒などの極性又は非極性、プロトン性又は非プロトン性溶媒から選択される、請求項1に記載の改善された光化学合成。
【請求項11】
前記溶媒が、エタノール、メタノール、THF、ジエチルエーテル、石油エーテル若しくはメチル-tert-ブチルエーテル又はそれらの混合物から選択される、請求項10に記載の改善された光化学合成。
【請求項12】
a)7-DHCと、BHTと、低級アルコール又はエーテルから選択される溶媒との混合物を、5-(3-ピリジル)-2,2´-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンから選択される光増感剤の存在下、20~85℃の範囲の温度で120~260分間照射して、反応物質を得ること、
b)工程(a)の前記反応物質を蒸発させて粗ビタミンD3(樹脂)を得ること、及び
c)工程(b)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、請求項1から11に記載の選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の光化学合成。
【請求項13】
a)7-DHCと、コレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物から選択されるステロール前駆体と、BHTと、
低級アルコール又はエーテルから選択される溶媒との混合物を、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンから選択される光増感剤の存在下、20~85℃の範囲の温度で30~300分間照射して、反応物質を得ること、
b)工程(a)の前記反応物質を冷却し、濾過により固形分を分離し、濾液を濃縮して残渣を得ること、
c)工程(b)の前記残渣に溶媒を添加し、後続のバッチで使用するためにビタミンD3、7-DHC、及びステロール前駆体を含む固形分を分離し、前記濾液を蒸発させて粗ビタミンD3(樹脂)を得ること、並びに
d)工程(c)の前記粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、請求項1から11に記載の、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の光化学合成。
【請求項14】
前記光化学合成が、任意で、前記ステロールの0.5%~5%w/wの量である無機塩基の存在下で行われる、請求項1から13のいずれかに記載の改善された光化学合成。
【請求項15】
(i)カラムクロマトグラフィを使用するか、又は(ii)前記反応物質を酸性水溶液で繰り返し洗浄し、前記粗ビタミンD3をエステルに変換し、結晶化し、公知のプロセスで鹸化することによって前記粗ビタミンD3(樹脂)を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得る、請求項1から13のいずれかに記載の改善された光化学合成。
【請求項16】
前記光増感剤が、低圧水銀ランプによって放射される260~300nmの領域の波長を吸収することで、高収率で不純物が少ない、7-DHCのビタミンD3への光化学変換をもたらす、請求項1から14のいずれかに記載の改善された光化学合成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、7-デヒドロコレステロール単独、又はステロール前駆体との組み合わせによる改善されたビタミンD3の光化学合成であって、式Iの光増感剤の存在下における、高収率かつ低い夾雑物レベルでの光化学合成に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンD3として一般に知られているコレカルシフェロールは、ビタミンD欠乏症及び関連疾患(くる病を含む)を治療及び予防するために使用される。コレカルシフェロールは、健康全般を改善し、骨粗鬆症を治療するためのサプリメントとして摂取される。ビタミンD3は、そのプロビタミンである7-デヒドロコレステロール(7-DHC)のUVB光への曝露によってヒトの体内で生成される。
【0003】
ビタミンD3は脂溶性で、水分、空気及び光に対し不安定であり、強い酸化剤と激しく反応し得る。コレカルシフェロールは290nmを超える波長の光を吸収するため、太陽光による直接光分解を受けやすい可能性がある。
【0004】
7-デヒドロコレステロール(7-DHC)は、コレステロール前駆体として血清中で機能し、皮膚においてビタミンD3に変換されるため、プロビタミン-D3として機能する動物ステロールである。ヒトの皮膚内にこの化合物が存在することで、ヒトは、太陽光の紫外線によって、中間体である異性体のプレ-ビタミンD3を経由してビタミンD3(コレカルシフェロール)を生成することができる。7-デヒドロコレステロールのビタミンD3への変換は2段階で起こる。第1の段階では、照射時に7-デヒドロコレステロールからプレビタミンD3が生成され、次いで、プレビタミンD3が自然にビタミンD3(コレカルシフェロール)へと異性化する。
【0005】
特許文献1には、前駆体分子の反応混合物に波長254nmの光及び波長313nmの光を照射してプレビタミンDを生成し、続いて100℃を超えない温度で加熱してプレビタミンDをビタミンDに変換することを含む、ビタミンDを製造する光化学的方法が開示されている。
【0006】
従来のプロセスでは、エタノール中の7-デヒドロコレステロール(プロ-ビタミンD3)を、光源として水銀ランプを使用して2~4時間照射する。タキステロール(4.5~6.0%)、ルミステロール(1.0~1.5%)及びプロ-ビタミンD3(1.0~2.0%)に加えプレ-ビタミンD3(85~86%)が形成されたことが、反応物質のHPLC分析により示された。反応物質をさらに2~10時間、40~80℃に加熱して粗ビタミンD3を得る。その後、粗ビタミンD3をエステルに変換し、結晶化し、最後に鹸化し、結晶化してビタミンD3又はコレカルシフェロールを得る。
【0007】
特許文献2には、光増感剤としてのアントラセンの存在下で照射反応を行うことによる、7-DHCのプレビタミンD3への光化学変換が開示されている。反応混合物がプレビタミンD3(88~91%)、タキステロール(0.5~1%)、ルミステロール(2~3%)及びプロ-ビタミンD3(7.5~8.5%)を含有することがHPLC分析により示された。ビタミンD3を生成するのに十分な時間、反応物質をさらに50~100℃まで加熱する。光増感剤としてアントラセンを使用することの欠点は、アントラセン炭化水素をビタミンD3から除去するのが困難であり、面倒なプロセスであることである。プレビタミンD3のビタミンD3への変換では、変換させるのにより長い時間を要する。
【0008】
当技術分野における照射プロセスでは、ビタミンD3が満足のいく収率及び純度で生成されない。さらに、ヒト及び動物への投与というビタミンD3の使用目的を考慮すると、照射方法により生成されるビタミンD3は、あらゆる種類の夾雑物を含まないことが不可欠である。
【0009】
特許文献3において、タキステロールをプレビタミンD3へと光化学的に異性化させるための光増感剤として置換チオフェン誘導体が報告されている。該変換は、高圧水銀ランプを光源として使用し、臭化ナトリウム、硫酸銀及び硫酸水銀などの、他の光増感剤の存在下で行われる。
【0010】
7-デヒドロコレステロールは、290~320nmの間の波長で最も効果的にUV光を吸収し、ビタミンD3の生成は主にこれらの波長で起こる。プレビタミンD3の活性型ビタミンD3への変換は、環の破壊及びステロールとしての性質の喪失を伴う。理論的には、ステロール環の破壊により64種の異なる異性体が生じ得るが、天然に存在する、又はビタミンD3の合成中に形成されるのは異性体のごく一部である。照射によるビタミンD3の調製中に形成される異性体は、主にタキステロール、ルミステロール及びトランスビタミンD3である。
【0011】
【0012】
水銀圧力ランプを使用する従来のプロセスにおける7-DHCのビタミンD3への転化率が低い理由の1つは、生成される放射スペクトルが280~300nmの波長に最適化されず、最適な波長範囲外の照射によって大量の望ましくない副生成物が生じることである。
【0013】
したがって、現在の技術水準では、副生成物であるタキステロール、ルミステロール及び残留7-DHCのレベルを低下させることで、7-DHCのプレビタミンD3及びその後のビタミンD3への高い転化率をもたらすように、水銀圧力ランプによって放射される、望ましくない波長範囲を遮断することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第7,211,172号明細書
【特許文献2】米国特許第4,686,023号明細書
【特許文献3】米国特許第5,252,191号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の発明者らは、曝露領域の平衡状態によってビタミンD3の収率が制限され、過剰照射により、相互変換異性体の、望ましくない異性体への不可逆的な化学量論的損失がもたらされることを観察した。したがって、光化学合成中のビタミンD3の選択性及び収率は改善されると感じられた。
【0016】
光による変換における望ましくない損失に至る相互変換異性体の化学量論的損失は、動物又は植物由来のステロール前駆体を7-DHCと組み合わせて使用し、増感剤を使用して望ましくない波長を遮断することによって減少させることができる。
【0017】
したがって、本発明の目的は、光増感剤の存在下での、7-DHC単独、又は動物若しくは植物由来のステロール前駆体との組み合わせによるビタミンD3の光化学合成であって、選択性が高く、不純物が少なく、効力の高いビタミンD3の光化学合成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
目的を達成するため、本発明は、7-デヒドロコレステロール単独、又はステロール前駆体との組み合わせによる改善されたビタミンD3への光化学変換であって、式Iの光増感剤を使用し、高収率で不純物が少ない、光化学変換を提供する。
【0019】
本発明の照射プロセスで使用される式Iの光増感剤は、
【化2】
(式中、
Xは、「O」又は「S」を表し、
R1は水素原子又はC1~C5アルキルを表し、
R2及びR3は、それぞれ独立して、(非)置換若しくは置換アリール基、(非)置換若しくは置換ナフチル基、又はN、O若しくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する(非)置換若しくは置換ヘテロアリール基を表す)を含む。
【0020】
本発明で使用される光増感剤は、放射線の多くの部分を吸収して、高収率で不純物が少ない、7-DHCのビタミンD3への光化学変換をもたらす。
【0021】
一態様において、本発明は、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の光化学合成であって、
a)7-DHC単独又はステロール前駆体との組み合わせと、酸化防止剤と、溶媒との混合物を、式(I):
【化3】
(式中、
Xは、「O」又は「S」を表し、
R1は水素原子又はC1~C5アルキルを表し、
R2及びR3は、それぞれ独立して、(非)置換若しくは置換アリール基、(非)置換若しくは置換ナフチル基、又はN、O若しくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する(非)置換若しくは置換ヘテロアリール基を表す)
の光増感剤の存在下で照射して、反応物質を得ること、
b)固形分を分離し、濾液を濃縮し、真空下で蒸発させて、粗ビタミンD3を得ること、並びに
c)工程(b)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、光化学合成を提供する。
【0022】
ステロール前駆体は、コレステロール、β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール、ラノステロール単独、又はそれらの混合物から選択される。
【0023】
さらに別の態様では、本発明は、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の合成プロセスであって、
a)溶媒に懸濁した、7-デヒドロコレステロールと、式Iの光増感剤と、酸化防止剤との混合物を照射して、反応物質を得ること、
b)工程(a)の反応物質を蒸発させて粗ビタミンD3を得ること、及び
c)工程(b)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、プロセスを提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の合成プロセスであって、
a)溶媒に懸濁した、7-DHCと、コレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物から選択されるステロール前駆体と、式Iの光増感剤と、酸化防止剤との混合物を照射して、反応物質を得ること、
b)工程(a)の反応物質を冷却し、濾過し、濃縮して残渣を得ること、
c)工程(b)の残渣に溶媒を添加し、後続のバッチで使用するためにビタミンD3、7-DHC、及びステロール前駆体を含む固形分を分離し、濾液を蒸発させて粗ビタミンD3を得ること、並びに
d)工程(c)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、プロセスを提供する。
【0025】
照射は、光源としての低圧水銀ランプ下で、20~85℃、好ましくは40~85℃、より好ましくは60~85℃の範囲の温度で約30~300分間、好ましくは50~280分間行われる。
【0026】
本発明における式Iの光増感剤は、使用されるステロールに対して0.5%~15%w/wの量で使用される。
【0027】
(i)カラムクロマトグラフィを使用するか、又は(ii)反応物質を酸性水溶液で繰り返し洗浄し、粗ビタミンD3をエステルに変換し、結晶化し、当技術分野で公知のプロセスによって鹸化することによって得られた粗ビタミンD3をさらに精製し、純粋なビタミンD3の結晶を得る。
【0028】
一態様では、本発明の、7-DHC単独又は前駆体との組み合わせの光化学変換は、任意で、使用されるステロールの0.5%~5%w/wの量である無機塩基の存在下で行われてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、式I:
【化4】
(式中、
Xは、「O」又は「S」を表し、
R1は水素原子又はC1~C5アルキルを表し、
R2及びR3は、それぞれ独立して、(非)置換若しくは置換アリール基、(非)置換若しくは置換ナフチル基、又はN、O若しくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する(非)置換若しくは置換ヘテロアリール基を表す)
の光増感剤の存在下で、7-デヒドロコレステロールを単独で又はステロール前駆体と組み合わせてビタミンD3に光化学的に変換するための改善されたプロセスであって、光増感剤が放射線の多くの部分を吸収して、高収率で不純物が少ない、7-DHCのビタミンD3への光化学変換をもたらす、プロセスを開示する。
【0030】
本発明で使用される出発材料である7-DHCのサンプルは、それぞれニュージーランド、チリ及びヨーロッパから供給される羊毛脂、魚油又は乳脂のいずれかから単離されるコレステロールから合成される。フィトステロールは、米国、ドイツ及びバングラデシュから供給される。他方のステロールであるラノステロールは、羊毛脂から単離される。
【0031】
一実施形態において、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の光化学合成であって、
a)7-DHC単独又はステロール前駆体と組み合わせた混合物を、式(I):
【化5】
(式中、
Xは、「O」又は「S」を表し、
R1は水素原子又は低級C1~C5アルキルを表し、
R2及びR3は、それぞれ独立して、(非)置換若しくは置換アリール基、(非)置換若しくは置換ナフチル基、又はN、O若しくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する(非)置換若しくは置換ヘテロアリール基を表す)
の光増感剤の存在下で照射して、反応物質を得ること、
b)固形分を分離し、濾液を濃縮し、真空下で蒸発させて、粗ビタミンD3(樹脂)を得ること、並びに
c)工程(b)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、光化学合成。
【0032】
ステロール前駆体は、0.05~0.35モルの範囲のモル濃度であるコレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物から選択される。
【0033】
別の実施形態において、本発明のプロセスにおいて使用される式Iの光増感剤は、
i.5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン;
ii.2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェン;
iii.2,5-ジフェニルチオフェン;
iv.5-(2-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン;
v.5-(4-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン;
vi.2-フェニル-5-(2-ピリジル)チオフェン;
vii.2-フェニル-5-(3-ピリジル)-チオフェン;
viii.2-フェニル-5-(4-ピリジル)-チオフェン;
ix.2,2’-5’,2’’-ターチオフェン;
x.2,5-ジ(2-チエニル)フラン、を含む。
【0034】
本プロセスで使用される7-デヒドロコレステロールは、0.1~0.5モルの範囲のモル濃度である。
【0035】
本発明における式Iの光増感剤は、使用されるステロールに対して0.5%~15%w/wの量で使用される。式(I)の光増感剤は、光源としての低圧水銀ランプによって放射される260~300nmの領域の波長を適切に吸収し、これによって、照射反応におけるビタミンD3への変換に対する高い選択性、及び好ましくない夾雑物形成の抑制を確実とする。
【0036】
照射は、20~85℃、好ましくは40~85℃、より好ましくは60~85℃の範囲の温度で約30~300分間、好ましくは50~280分間行われる。
【0037】
任意で、あらかじめ冷却した、適切な溶媒中の7-DHC単独又はステロール前駆体と組み合わせた混合物を、低圧水銀ランプを使用して照射する。該水銀ランプからの熱が反応物質の温度を上昇させる。照射は約250~280分間行う。
【0038】
本プロセスで好ましく使用される酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)であり、触媒量で使用される。BHTは、プレ-ビタミンD3の分解を最小限に抑えるフリーラジカルスカベンジャーとして作用する。
【0039】
本プロセスのための溶媒は、プロトン性又は非プロトン性極性溶媒、低級アルコール又はエーテルを含む非極性溶媒、並びに反応物及び生成物に対して不活性であり、照射が行われる波長において非吸収性である同様の溶媒から選択される。好ましくは、溶媒は、エタノール、メタノール、THF、石油エーテル(40~60℃)、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル又はそれらの混合物から選択される。
【0040】
一実施形態では、(i)カラムクロマトグラフィを使用するか、又は(ii)反応物質を酸性水溶液で繰り返し洗浄し、粗ビタミンD3をエステルに変換し、結晶化し、当技術分野で公知のプロセスによって鹸化することによって得られた粗ビタミンD3をさらに精製し、純粋なビタミンD3の結晶を得る。
【0041】
別の実施形態では、本発明において、高収率で、不純物が少ない、改善された7-デヒドロコレステロール(7-DHC)のビタミンD3への光化学変換であって、
a)7-DHC、酸化防止剤及び溶媒の混合物を、式I:
【化6】
(式中、
Xは、「O」又は「S」を表し、
R1は水素原子又はC1~C5アルキルを表し、
R2及びR3は、それぞれ独立して、(非)置換若しくは置換アリール基、(非)置換若しくは置換ナフチル基、又はN、O若しくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する(非)置換若しくは置換ヘテロアリール基を表す)の光増感剤の存在下で照射して、反応物質を得ること、
b)工程(a)の反応物質を蒸発させて粗ビタミンD3を得ること、並びに
c)工程(b)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、
を含む光化学変換が開示されている。
【0042】
式Iの光増感剤は、好ましくは、使用されるステロールに対して0.5%~15%w/wの量の5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンである。
【0043】
照射は、20~85℃、好ましくは40~85℃の範囲の温度で、約120~260分間行われる。
【0044】
酸化防止剤は、好ましくは、触媒量で使用されるブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。BHTは、プレ-ビタミンD3の分解を最小限に抑えるフリーラジカルスカベンジャーとして作用する。
【0045】
溶媒は、プロトン性又は非プロトン性極性溶媒、低級アルコール又はエーテルを含む非極性溶媒、並びに反応物及び生成物に対して不活性であり、照射が行われる波長において非吸収性である同様の溶媒から選択される。好ましくは、溶媒は、エタノール、メタノール、THF、石油エーテル(40~60℃)、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル又はそれらの混合物から選択される。
【0046】
好ましい実施形態において、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の光化学合成は、
a)7-DHCと、BHTと、低級アルコール又はエーテルから選択される溶媒との混合物を、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンから選択される光増感剤の存在下、20~85℃の範囲の温度で120~260分間照射すること、
b)工程(a)の反応物質を蒸発させて粗ビタミンD3(樹脂)を得ること、及び
c)工程(b)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む。
【0047】
したがって、エタノール、メタノール、THF、ジエチルエーテル、石油エーテル(40~60℃)又はメチル-tert-ブチルエーテル又はそれらの混合物から選択される溶媒に懸濁した、7-DHCと、無機塩基と、BHTと、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンから選択される光増感剤との混合物を、20~85℃、好ましくは40~85℃の範囲の温度に加熱し、120~260分間照射する。照射が行われる温度は光化学プロセスに影響しない。使用される溶媒中の7-DHCの溶解性をもたらすように温度を調整する。
【0048】
照射後、反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析し、次いでさらに精製する。
【0049】
さらに別の実施形態では、本発明において、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の合成プロセスであって、
a)7-DHCと、コレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物から選択されるステロール前駆体と、酸化防止剤と、溶媒との混合物を、式(I)
【化7】
(式中、
Xは、「O」又は「S」を表し、
R1は水素原子又は低級C1~C5アルキルを表し、
R2及びR3は、それぞれ独立して、(非)置換若しくは置換アリール基、(非)置換若しくは置換ナフチル基、又はN、O若しくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する(非)置換若しくは置換ヘテロアリール基を表す)
の光増感剤の存在下で照射して、反応物質を得ること、
b)工程(a)の反応物質を冷却し、濾過により固形分を分離し、濾液を濃縮して残渣を得ること、
c)工程(b)の残渣に溶媒を添加し、後続のバッチで使用するためにビタミンD3、7-DHC、及びステロール前駆体を含む固形分を分離し、濾液を蒸発させて粗ビタミンD3を得ること、並びに
d)工程(c)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む、プロセスが開示されている。
【0050】
本発明における7-デヒドロコレステロール(7-DHC)は、0.1~0.5モルの範囲のモル濃度で使用され、コレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物から選択されるステロール前駆体は、0.05~0.35モルの範囲のモル濃度で使用される。
【0051】
式Iの光増感剤は、好ましくは、7-DHC(すなわち、プロ-ビタミンD3)及びステロール前駆体に対して0.5%~15%w/wの量の5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンを含む。
【0052】
照射は、20~85℃、好ましくは50~85℃の範囲の温度で約30~300分間行われる。
【0053】
酸化防止剤は、好ましくは、触媒量で使用されるブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。BHTは、プレ-ビタミンD3の分解を最小限に抑えるフリーラジカルスカベンジャーとして作用する。
【0054】
溶媒は、プロトン性又は非プロトン性極性溶媒、低級アルコール又はエーテルを含む非極性溶媒、並びに反応物及び生成物に対して不活性であり、照射が行われる波長において非吸収性である同様の溶媒から選択される。好ましくは、溶媒は、エタノール、メタノール、THF、石油エーテル(40~60℃)、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル又はそれらの混合物から選択される。
【0055】
別の好ましい実施形態において、選択性が高く、不純物が少ない、改善されたビタミンD3の光化学合成は、
a)7-DHCと、コレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物から選択されるステロール前駆体と、BHTと、低級アルコール又はエーテルから選択される溶媒との混合物を、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンから選択される光増感剤の存在下、20~85℃の範囲の温度で30~300分間照射して、反応物質を得ること、
b)工程(a)の反応物質を冷却し、濾過により固形分を分離し、濾液を濃縮して残渣を得ること、
c)工程(b)の残渣に溶媒を添加し、後続のバッチで使用するためにビタミンD3、7-DHC、及びステロール前駆体を含む固形分を分離し、濾液を蒸発させて粗ビタミンD3(樹脂)を得ること、並びに
d)工程(c)の粗ビタミンD3を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得ること、を含む。
【0056】
このプロセスによれば、7-DHCを、コレステロール;β-シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールを含むフィトステロール;ラノステロール単独;又はそれらの混合物などのステロール前駆体と、BHTと、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェンから選択される光増感剤と共に低級アルコールに溶解し、低圧水銀ランプによって50~85℃で30~300分間照射して、反応物質を得る。次いで、反応物質を25~30℃に冷却する。分離した固形分を濾過し、7-DHC(使用した元の7-DHCの40~50%)及び使用したステロール前駆体を含有する第1の収穫物を得る。濾液を元の体積の20%に濃縮し、冷却し、分離した固形分を濾過して、使用したステロール前駆体と共に7-DHC(5~10%)を含有する第2の収穫物を得る。濾液を真空下でさらに濃縮する。エーテルから選択される溶媒を濃縮物に添加し、0.1N~5N HClで3回洗浄した後、1:1アルコール水溶液で2回洗浄する。溶媒を真空下で蒸留し、残渣にケトンから選択される溶媒を添加する。混合物を約10℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、ビタミンD3、7-DHC(20%)及びステロール前駆体(20%)を含有する第3の収穫物を得る。3つの収穫物をすべて混合し、後続のバッチに再使用する。濾液を真空下で蒸発させて粗ビタミンD3(樹脂)を得、さらに精製する。
【0057】
一実施形態では、(i)カラムクロマトグラフィを使用するか、又は(ii)反応物質を酸性水溶液で繰り返し洗浄し、粗ビタミンD3をエステルに変換し、結晶化し、当技術分野で公知のプロセスで鹸化することによって粗ビタミンD3(樹脂)を精製して、純粋なビタミンD3の結晶を得る。
【0058】
クロマトグラフィは、シリカゲル又はアルミナ若しくは1~10%水和アルミナに対する溶離液として、溶媒混合物、好ましくは、トルエンとメチルエチルケトンとの混合物又は二塩化メチレンとn-ヘプタンとの混合物を使用して行う。あるいは、照射後の粗反応物質を0.1~1N硫酸、0.1N~5N塩酸、0.5N~2N硫酸水素カリウム溶液、1~10%メタンスルホン酸水溶液又は5~10%p-トルエンスルホン酸水溶液から選択される酸性水溶液で洗浄することによって精製を行う。
【0059】
したがって、粗ビタミンD3の溶液は酸性水溶液で洗浄され、塩基が取り除かれる。次いで、酸性水溶液の層を塩基性(pH>8)にし、有機溶媒で抽出して光増感剤を回収した。有機層を蒸発させ、アセテート、プロピオネート、ブチレート、又はニトロベンゾエートに変換し、結晶化し、鹸化し、再結晶化させて、純粋なビタミンD3(コレカルシフェロール)を得る。あるいは、有機層を蒸発させた後、残渣をカラムクロマトグラフィによってさらに精製して、純粋なビタミンD3(コレカルシフェロール)を得る。
【0060】
有機溶媒は、脂肪族若しくは芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトンなど単独、又はそれらの混合物から選択される。クロマトグラフィ又は粗ビタミンD3を酸で洗浄することによる精製工程により、光増感剤(5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン又は2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェン)が容易に除去されるが、これは本発明の付加的な利点である。
【0061】
別の実施形態において、本発明の、7-DHC単独又はステロール前駆体との組み合わせの光化学変換は、任意で、使用されるステロールの0.5%~5%w/wの量のアルカリ金属水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩などの無機塩基の存在下で行われてもよい。
【0062】
一実施形態では、本発明のプロセスを使用して、7-デヒドロコレステロール単独又は適切なステロール前駆体との組み合わせを、低い不純物レベルで91~96%までもビタミンD3へと変換させることができる。
【0063】
ここで、本発明を以下の具体的な実施例で説明するが、示されている詳細は、単に本発明の好ましい実施形態の例示的な説明のためのものであることが理解される。
【実施例】
【0064】
実施例1
7-デヒドロコレステロール(0.260M)100グラムをエタノール2.5Lに28~30℃で懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.3グラムを室温で添加した。その後、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン8.15グラムを反応物質に添加した。上記反応物質を80~85℃に加熱し、低圧水銀ランプ下、80~85℃で220分間照射した。反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0065】
【0066】
残渣をトルエンに溶解し、0.1N塩酸210ml(3×70ml)、水210ml(3×70ml)で洗浄し、溶媒を真空下で蒸発させ、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲルに対する溶離液として使用して残渣をカラムクロマトグラフィで精製し、純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0067】
収量:62グラム
収率%:62%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:110.2(c=0.5、エタノール)。
【0068】
実施例2
7-デヒドロコレステロール100グラム(0.2604モル)、コレステロール100グラム(0.2590モル)、ブチル化ヒドロキシトルエン1.5グラム及び5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン1.7グラムをエタノール2000mlに75~85℃で溶解させた。次いで、低圧水銀ランプを80~85℃で200分間照射した。反応物質を25~30℃に冷却した。分離した固形分を濾過し、7-デヒドロコレステロール(40~50%)及びコレステロールを含有する第1の収穫物を得た。濾液を元の体積の20%に濃縮し、20~25℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、7-デヒドロコレステロール(5~10%)及びコレステロールを含有する第2の収穫物を得た。濾液を再び真空下で濃縮した。濃縮物にメチルtertブチルエーテル1000mlを添加し、溶液を0.1N塩酸3×75mlで洗浄した後、1:1エタノール-水2×125mlで洗浄し、真空下で蒸留した。2-ブタノン(メチルエチルケトン)3500mlを残渣に添加し、10℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、ビタミンD3(2~5MIU)、7-デヒドロコレステロール(20%)及びコレステロール(20%)を含有する第3の収穫物を得た。これらの第1、第2及び第3の収穫物をすべて混合し、後続のバッチで再使用した。
【0069】
次いで、濾液を真空下、40~45℃で蒸発させ、以下の表に示すように、粗ビタミンD3(樹脂)を分析した。
【0070】
【0071】
このようにして得られた粗樹脂を、以下のいずれかによってさらに精製した。
【0072】
1.樹脂をアセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート、2-ニトロベンゾエート又は4-ニトロベンゾエートなどのエステル、より好ましくはブチレートに変換し、結晶化し、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド若しくはナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド又は水素化リチウムアルミニウムのような塩基によって最後に鹸化し、最終的にアセトン又はギ酸メチルから結晶化する。
【0073】
シリカゲル又はアルミナ若しくは2~10%の水を含むアルミナを使用し、トルエン:2-ブタノンを溶離液として使用するカラムクロマトグラフィによって粗樹脂を精製する。
【0074】
実施例1及び実施例2の上記照射プロセスは、テトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、メタノール、石油エーテル(40~60℃)又はジエチルエーテル中で実施することができる。照射後、粗残渣を0.1~1N硫酸若しくは0.5~2N硫酸水素カリウム溶液、又は5~10%p-トルエンスルホン酸水溶液で洗浄してもよい。
【0075】
実施例3
7-デヒドロコレステロール163グラム(0.424モル)をエタノール4Lに28~30℃で懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.3グラムを室温で添加した。その後、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン1.5グラムを添加した。上記反応物質を80~85℃に加熱し、低圧水銀ランプ下で210分間照射した。照射後、反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0076】
【0077】
反応物質をカラムクロマトグラフィで精製し、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲル又はアルミナに対する溶離液として使用して純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0078】
収量:115グラム
収率%:70%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:111.6(c=0.5、エタノール)
【0079】
実施例4
7-デヒドロコレステロール82グラム(0.2135モル)を28~30℃でメタノール2Lに懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.3グラムを室温で添加した。その後、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン8グラムを室温で添加した。混合物を65~70℃に加熱し、低圧水銀ランプ下で240分間照射した。照射後、反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0080】
【0081】
反応物質をカラムクロマトグラフィで精製し、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲル又はアルミナに対する溶離液として使用して純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0082】
収量:55グラム
収率%:67%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:110.8(c=0.5、エタノール)
【0083】
実施例5
7-デヒドロコレステロール82グラム(0.2135モル)を20~25℃でジエチルエーテル2Lに懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン1.64グラムを20~25℃で添加した。その後、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン1.3gを室温で添加した。反応混合物を10~15℃に冷却し、低圧水銀ランプ下で280分間照射した。反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0084】
【0085】
次いで、反応物質をカラムクロマトグラフィで精製し、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲル又はアルミナに対する溶離液として使用して純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0086】
収量:52グラム
収率%:63%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:112.3(c=0.5、エタノール)
【0087】
実施例6
7-デヒドロコレステロール85グラム(0.221モル)を28~30℃でメチルtert-ブチルエーテル2Lに懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.6グラムを室温で添加した。その後、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン2.3グラムを室温で添加した。上記反応物質を55~58℃に加熱し、低圧水銀ランプ下で210分間照射した。照射後、反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0088】
【0089】
反応物質をカラムクロマトグラフィで精製し、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲル又はアルミナに対する溶離液として使用して純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0090】
収量:55グラム
収率%:67%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:111.1(c=0.5、エタノール)
【0091】
実施例7
7-デヒドロコレステロール85グラム(0.221モル)を28~30℃でTHF2Lに懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.6グラムを室温で添加した。その後、水酸化ナトリウム1.3グラムを室温で添加し、続いて5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン0.84グラムを添加した。上記反応物質を62~68℃に加熱し、低圧水銀ランプ下で150分間照射した。照射後、反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0092】
【0093】
反応物質をカラムクロマトグラフィで精製し、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲルに対する溶離液として使用して純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0094】
収量:51グラム。
収率%:62%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:111.9(c=0.5、エタノール)
【0095】
実施例8
7-デヒドロコレステロール163グラム(0.424)をエタノール4Lに28~30℃で懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.5グラムを室温で添加した。その後、水酸化ナトリウム1.6グラムを室温で添加し、続いて5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン15グラムを添加した。上記反応物質を80~85℃に加熱し、低圧水銀ランプ下で210分間照射した。反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0096】
【0097】
残渣をトルエンに溶解し、0.1N塩酸300ml(3×100ml)、水300ml(3×100ml)で洗浄した。溶媒を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、当技術分野で公知のプロセスによってアセテート、ブチレート、プロピオネート、バレレート又は4-ニトロベンゾエート誘導体などのエステルに変換させた。次いで、生成物を結晶化し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのいずれかを添加して公知の方法/従来技術によって鹸化し、ギ酸メチル中でさらに結晶化させて純粋なビタミンD3の結晶を得た。
【0098】
収量:122グラム。
収率%:74%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:110.3(c=0.5、エタノール)
【0099】
実施例9
7-デヒドロコレステロール163グラム(0.424)をエタノール4Lに28~30℃で懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.5グラムを室温で添加した。その後、水酸化ナトリウム4グラムを室温で添加し、続いて5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン8.15グラムを添加した。上記反応物質を80~85℃に加熱し、低圧水銀ランプ下、80~85℃で220分間照射した。反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0100】
【0101】
残渣をトルエンに溶解し、0.1N塩酸300ml(3×100ml)、水300ml(3×100ml)で洗浄し、溶媒を真空下で蒸発させ、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲルに対する溶離液として使用して残渣をカラムクロマトグラフィで精製し、純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0102】
収量:104グラム。
収率%:64%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:109(c=0.5、エタノール)
【0103】
実施例10
7-デヒドロコレステロール163グラム(0.424)をエタノール4Lに28~30℃で懸濁させた。ブチル化ヒドロキシトルエン0.6グラムを室温で添加した。その後、2,5-ジ(ピリジン-3-イル)チオフェン25グラムを室温で添加した。上記反応物質を80~85℃に加熱し、低圧水銀ランプ下、80~85℃で200分間照射した。反応物質を真空下で蒸発させ、残渣をHPLCで分析した。
【0104】
【0105】
反応物質をカラムクロマトグラフィで精製し、トルエン:メチルエチルケトン1:99、2:98、3:97、4:96及び5:95をそれぞれシリカゲル又はアルミナに対する溶離液として使用して純粋なビタミンD3の結晶を単離した。
【0106】
収量:101グラム
収率%:62%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:111.9(c=0.5、エタノール)
【0107】
実施例3~10に示す照射プロセスは、テトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、メタノール、ジエチルエーテル、石油エーテル(40~60℃)を溶媒として実施することができる。照射後、粗残渣を0.1~1N硫酸若しくは0.5~2N硫酸水素カリウム溶液、1~10%メタンスルホン酸水溶液又は5~10%p-トルエンスルホン酸水溶液で洗浄してもよい。
【0108】
実施例10の粗ビタミンD3の精製は、実施例8及び実施例9に示す精製プロセスによって実施してもよい。
【0109】
実施例11
7-デヒドロコレステロール144グラム(0.375モル)、コレステロール50グラム(0.129モル)、ブチル化ヒドロキシトルエン1.5グラム及び2%水酸化ナトリウム水溶液40ml、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン1.7グラムを75~85℃でエタノール2000mlに溶解させた。次いで、80~85℃で200分間、低圧水銀ランプによって照射した。反応物質を25~30℃に冷却した。分離した固形分を濾過し、7-デヒドロコレステロール(40~50%)及びコレステロールを含有する第1の収穫物を得た。濾液を元の体積の20%に濃縮し、20~25℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、7-デヒドロコレステロール(5~10%)及びコレステロールを含有する第2の収穫物を得た。濾液を再び真空下で濃縮した。濃縮物にメチルtertブチルエーテル2000mlを添加し、溶液を0.1N塩酸3×100mlで洗浄した後、1:1エタノール-水2×200mlで洗浄し、真空下で蒸留した。2-ブタノン(メチルエチルケトン)4500mlを残渣に添加し、10℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、ビタミンD3(2~5MIU)、7-デヒドロコレステロール(20%)及びコレステロール(20%)を含有する第3の収穫物を得た。これらの第1、第2及び第3の収穫物をすべて混合し、後続のバッチで再使用した。
【0110】
次いで、濾液を真空下、40~45℃で蒸発させ、以下に示すように、粗ビタミンD3(樹脂)を分析した。
【0111】
【0112】
このようにして得られた粗樹脂を、以下のいずれかによってさらに精製した。
【0113】
1.樹脂をアセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート、2-ニトロベンゾエート又は4-ニトロベンゾエートなどのエステル、より好ましくはブチレートに変換し、結晶化し、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド若しくはナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド又は水素化リチウムアルミニウムのような塩基によって最後に鹸化し、最終的にアセトン又はギ酸メチルから結晶化する。
【0114】
2.シリカゲル又はアルミナ若しくは2~10%の水を含むアルミナを使用し、トルエン:2-ブタノンを溶離液として使用するカラムクロマトグラフィによって粗樹脂を精製する。
【0115】
収量:90グラム
収率%:62.5%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:110.8(c=0.5、エタノール
【0116】
実施例12
7-デヒドロコレステロール48グラム(0.124モル)、フィトステロール25グラム(0.0603モル)、ブチル化ヒドロキシトルエン0.5グラム、5-(3-ピリジル)-2,2’-ビチオフェン5グラム及び2%水酸化ナトリウム水溶液20mlをエタノール2500mlに75~85℃で溶解した。混合物に低圧水銀ランプを80~85℃で60分間照射した。照射後、反応物質を35~40℃に冷却した。分離した固形分を濾過し、7-デヒドロコレステロール(50~60%)及びフィトステロールを含有する第1の収穫物を得た。濾液を元の体積の60%に濃縮し、25~30℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、7-デヒドロコレステロール(15~20%)及びフィトステロールを含有する第2の収穫物を得た。濾液を再び真空下で濃縮した。濃縮物にメチルtertブチルエーテル2000mlを添加し、0.1N塩酸5×150mlで洗浄した後、1:1エタノール-水混合物4×50mlで洗浄し、真空下で蒸留した。2-ブタノン5000mlを残渣に添加し、-5~-8℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、ビタミンD3(2~4MIU)、7-デヒドロコレステロール(15%)及びフィトステロール(15%)を含有する第3の収穫物を得た。これらの第1、第2及び第3の収穫物をすべて混合し、後続のバッチで再使用した。次いで、濾液を真空下、40~45℃で蒸発させ、粗ビタミンD3(樹脂)を分析した。結果は以下の表に示す通りである。
【0117】
【0118】
粗樹脂を以下のいずれかによって精製した。
【0119】
1.樹脂をアセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート、2-ニトロベンゾエート又は4-ニトロベンゾエートなどのエステル、より好ましくはブチレートに変換し、結晶化し、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド若しくはナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド又は水素化リチウムアルミニウムのような塩基によって最後に鹸化し、最終的にアセトン又はギ酸メチルから結晶化する。
【0120】
2.シリカゲル又はアルミナ若しくは2~10%の水を含むアルミナを使用し、トルエン:2-ブタノンを溶離液として使用するカラムクロマトグラフィによって粗樹脂を精製する。
【0121】
収量:26グラム
収率%:59%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:109.9(c=0.5、エタノール)
【0122】
実施例13
7-デヒドロコレステロール48グラム(0.124モル)、ラノステロール100グラム(0.234モル)、ブチル化ヒドロキシトルエン1グラム、5-(3-ピリジル)-2,2-ビチオフェン6グラム及び2%水酸化ナトリウム水溶液1mlを75~85℃でエタノール6000mlに溶解した。混合物に低圧水銀ランプを80~85℃で285分間照射した。反応物質を30~35℃に冷却した。分離した固形分を濾過し、7-デヒドロコレステロール(50~60%)及びラノステロールを含有する第1の収穫物を得た。濾液を元の体積の50%に濃縮し、25~30℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、7-デヒドロコレステロール(15~20%)及びラノステロールを含有する第2の収穫物を得た。濾液を再び真空下で濃縮した。メチルtertブチルエーテル2000mlを添加し、0.1N塩酸4×150mlで洗浄した後、1:1エタノール-水混合物6×50mlで洗浄し、真空下で蒸留した。2-ブタノン(メチルエチルケトン)3000mlを残渣に添加し、15℃に冷却し、分離した固形分を濾過して、ビタミンD3(15MIU)、7-デヒドロコレステロール(20%)及びラノステロール(20%)を含有する第3の収穫物を得た。これらの第1、第2及び第3の収穫物をすべて混合し、後続のバッチで再使用した。次いで、濾液を真空下、40~45℃で蒸発させ、粗ビタミンD3(樹脂)を分析した。結果を以下の表に示す。
【0123】
【0124】
このようにして得られた粗樹脂を、以下のいずれかによってさらに精製した。
【0125】
1.樹脂をアセテート、プロピオネート、ブチレート、バレレート、2-ニトロベンゾエート又は4-ニトロベンゾエートなどのエステル、より好ましくはブチレートに変換し、結晶化し、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド若しくはナトリウムエトキシド、カリウムブトキシド又は水素化リチウムアルミニウムのような塩基によって最後に鹸化し、最終的にアセトン又はギ酸メチルから結晶化する。
【0126】
2.シリカゲル又はアルミナ若しくは2~10%の水を含むアルミナを使用し、トルエン:2-ブタノンを溶離液として使用するカラムクロマトグラフィによって粗樹脂を精製する。
【0127】
収量:28グラム
収率%:63%
アッセイ%(HPLC):98.5~99.5%
比旋光度:[α]D
20:111.3(c=0.5、エタノール)
【0128】
実施例11~13の上記照射プロセスは、テトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、メタノール、石油エーテル(40~60℃)若しくはジエチルエーテル又はそれらの混合物中で実施することができる。照射後、実施例11~13のすべてにおいて、粗残渣を0.1~1N硫酸若しく0.5~2N硫酸水素カリウム溶液、又は5~10%p-トルエンスルホン酸水溶液で洗浄してもよい。
【0129】
当業者は、本発明が目的を実行し、言及された結果及び利点、並びに本明細書に内在される目的、結果及び利点を得るのによく適合していることを容易に理解するであろう。特許請求の範囲によって定義される本発明の精神に包含される、本発明における変更及び他の用途は、当業者により想到されるであろう。
【国際調査報告】