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特表2022-531926レーザービームを誘導するための処理ヘッド、及び処理ヘッドを備えるレーザー処理装置
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  • 特表-レーザービームを誘導するための処理ヘッド、及び処理ヘッドを備えるレーザー処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-12
(54)【発明の名称】レーザービームを誘導するための処理ヘッド、及び処理ヘッドを備えるレーザー処理装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/70 20140101AFI20220705BHJP
   B23K 26/082 20140101ALI20220705BHJP
【FI】
B23K26/70
B23K26/082
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566360
(86)(22)【出願日】2020-05-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020062461
(87)【国際公開番号】W WO2020225263
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】102019112167.1
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504035571
【氏名又は名称】トルンプフ レーザー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Laser GmbH
【住所又は居所原語表記】Aichhalder Strasse 39, D-78713 Schramberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ローベルト ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ライナー ブリュストレ
(72)【発明者】
【氏名】トビアス マルテ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ノートハイス
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ティルコアン
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA00
4E168CB04
4E168CB08
4E168EA15
4E168EA17
(57)【要約】
本発明は、被加工物を加工するレーザービーム(25)を案内する加工ヘッド、およびハウジング本体部(43)を有する処理ヘッド(41)を備えたレーザー処理装置(11)に関する。ビーム誘導要素(42)は、ハウジング本体部(43)に接続することができるか、またはハウジング本体部(43)に挿入することができる少なくとも1つの機能モジュール(55)と共に配置することができる。 ハウジング本体部(43)は、互いに向けられ、ハウジング本体部(43)の自由内部容積(44)を取り囲む少なくとも2つの主表面部分(46、47、48、49、50、51)を有する。ここで、主表面部分のうちの少なくとも2つ(46、47、48、49、50、51)は、少なくとも1つの機能モジュール(55)および/または少なくとも1つの機能構成要素(66)を収容する及び/又は挿入するように互いに異なって構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を処理するためのレーザービーム(25)を誘導するための処理ヘッドであって、前記処理ヘッドは、ハウジング本体部(43)を備え、前記ハウジング本体部(43)は、少なくとも1つのビーム誘導要素(42)を前記ハウジング本体部(43)内に構成可能であり、前記ハウジング本体部(43)に接続可能な又は前記ハウジング本体部(43)の中に挿入可能な少なくとも1つの機能モジュール(55)を備え、前記ハウジング本体部(43)は、互いに整列され、前記ハウジング本体部(43)の自由内部容積(44)を少なくとも部分的に取り囲む、少なくとも2つの主表面部分(46、47、48、49、50、51)を有し、前記主表面部分(46、47、48、49、50、51)のうちの少なくとも2つが、前記少なくとも1つの機能モジュール(55)及び/又は少なくとも1つの機能構成要素(66)を収容するために及び/又は挿入するために、互いに異なって構成されている、処理ヘッド。
【請求項2】
前記主表面部分(46、47、48、49、50、51)、特に互いに整列した6つの前記主表面部分(46、47、48、49、50、51)は、X方向、Y方向、及びZ方向に硬いフレームを形成する又は矩形輪郭を形成する、請求項1に記載の処理ヘッド。
【請求項3】
少なくとも1つの第1の主表面部分(46)が、前記機能モジュール(55)又は前記機能構成要素(66)を接続するためのインタフェース(54)を形成する、及び/又は少なくとも1つの第2の主表面部分(47)がハンドリングデバイス(14)のための接続場所(61)を形成する、及び/又は少なくとも1つの第3の主表面部分(48)が前記ハウジング本体部(43)の前記内部容積(44)の中に前記少なくとも1つの機能構成要素(66)を挿入するための切取り部(65)を備える、請求項1又は2に記載の処理ヘッド。
【請求項4】
前記インタフェース(54)、前記接続場所(61)、及び/又は前記切取り部(65)は、ハウジングカバー(64)、及び/又は前記機能モジュール(55)、及び/又は前記機能構成要素(66)、及び/又は前記ハンドリングデバイス(14)を接続するための少なくとも1つの支持面(56)を有する、請求項3に記載の処理ヘッド。
【請求項5】
シールを収容するための又は封止溝を形成するための周辺溝(58)が、前記主表面部分(46、47、48、49、50、51)の前記支持面(56)に、及び/又は前記ハウジングカバー(64)、前記機能構成要素(66)、前記機能モジュール(55)、及び/又は前記ハンドリングデバイス(14)の支持面上に設けられる、請求項4に記載の処理ヘッド。
【請求項6】
前記機能モジュール(55)、及び/又は前記機能構成要素(66)、及び/又は前記ハウジングカバー(64)、及び/又は前記ハンドリングデバイス(14)は、係脱可能な固定要素によって、前記ハウジング本体部(43)に接続可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理ヘッド。
【請求項7】
互いに隣接する2つ又は3つの主表面部分(46、47、48、49、50、51)のそれぞれの前記切取り部(65)が共通の切取り部を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理ヘッド。
【請求項8】
前記ハウジング本体部(43)は、固体材料から材料除去工程により製造される、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理ヘッド。
【請求項9】
前記ハウジング本体部(43)は、ストランド形状の矩形輪郭から製造される、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理ヘッド。
【請求項10】
前記ハウジング本体部(43)は、軽金属から、特にアルミニウム又はアルミニウム合金から製造される、請求項1~9のいずれか一項に記載の処理ヘッド。
【請求項11】
ハンドリングデバイス(14)を備えるレーザー処理装置であって、前記ハンドリングデバイス(14)上には処理ヘッド(41)が構成され、前記レーザー処理装置は、ビーム源(15)を備え、前記ビーム源(15)と前記処理ヘッド(41)との間に延びるビームガイド(16)を備え、前記処理ヘッドは、少なくとも1つのビーム誘導要素(42)を備え、前記ビーム誘導要素により、前記ビーム源(15)のレーザービーム(25)が偏向され、処理される被加工物(12)へと誘導され、前記処理ヘッド(41)は、請求項1~10のいずれか一項に記載されるように構成されている、レーザー処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を処理するためのレーザービームを誘導するための処理ヘッドであって、少なくとも1つの偏向ミラーが構成可能なハウジング本体部を備え、ハウジング本体部に接続可能な又はハウジング本体部の中に挿入可能な少なくとも1つの機能モジュールを備える、処理ヘッドと、レーザービームを誘導するための処理ヘッドを備えるレーザー処理装置、に関する。
【背景技術】
【0002】
(特許文献1)は、レーザービームを用いて被加工物を処理するための接続ヘッドについて開示しており、接続ヘッドは、ハウジングと、レーザービームを集束するための集束光学ユニットを有するインサートと、を備え、前記インサートは、ハウジングの中に側面から導入されることが可能になっている。前記集束光学ユニットは、外側から接近できる調整手段により、インサートに対して移動可能である。前記インサートは、他の光学特性が要求される場合に、集束光学ユニットの単純な挿入及び交換を可能にする。
【0003】
(特許文献2)は、レーザービームを用いて被加工物を処理するための接続ヘッドについて更に開示している。この実施形態は、カセットを有するキャリアユニットを備え、キャリアユニットは、集束光学ユニットの軸方向に移動可能である。集束光学ユニットと接続ヘッドのビーム出口との間に圧力空間が位置し、前記圧力空間の中に過剰な圧力下にある処理ガスを導入することが可能である。ビーム出口から離れる方向に向いた、キャリアユニットの端部が、圧力チャンバ内へと突出し、キャリアユニットは、圧力チャンバ内の処理圧力により平衡に保たれている。
【0004】
(特許文献3)は、複数の機能モジュールから構築された、レーザー処理システムのための処理ヘッドについて開示している。前記機能モジュールは、コリメータレンズが異なる焦点距離を有する場合に、レーザー処理システムに適応させることを可能にする。前記機能モジュールは、処理レーザービーム経路に沿って、連続的に一緒につなぎ合わされ、互いに接続されることができ、一緒につなぎ合わせる際に個々のコリメータレンズを互いに連係させている。
【0005】
このようなレーザー処理システムでは、レーザー材料処理中に、拡張されたプロセス診断を使用することが増えており、したがって、その結果、使用される光学ユニットの柔軟性及びモジュール性に関する要件が増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国実用新案第29507189U1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19628857A1号明細書
【特許文献3】独国特許発明第102008048323B3号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レーザー材料処理のための光学構成要素を収容するための安定したモジュール構造を可能にする、処理ヘッドと、処理ヘッドを備えるレーザー加工装置とを提供する目的に基づいている。
【0008】
この目的は、ハウジング本体部を備える処理ヘッドを用いて実現され、ハウジング本体部は、互いに整列され、ハウジング本体部の自由内部容積を少なくとも部分的に取り囲む、少なくとも2つの主表面部分を有し、主表面部分のうちの少なくとも2つが、少なくとも1つの機能モジュール及び/又は少なくとも1つの機能構成要素を収容するために及び/又は挿入するために、互いに異なって構成されている。主表面部分のこのような構成により、インタフェース柔軟性に関する要件と、機能モジュール及び/又は機能構成要素を収容及び/又は挿入するためのモジュール性に関する要件とを満足させることが可能になる。その結果、このような処理ヘッドは、レーザー材料処理中の様々な要件を満足させることができる。
【0009】
そのような機能モジュールの1つは、例えば、レーザービームを処理ヘッドにインカップリング又はアウトカップリングするために用いる偏向ミラーを有するハウジングであり得る。そのような機能モジュールはまた、例えば、その角度位置を電子的に制御可能であるスキャナミラーを有するスキャナブロックであり得る。例えば、機能構成要素は、ハウジング本体部の中に挿入される若しくは押し込まれる、又はハウジング本体部に固定される、電気コントローラ又は電子構成要素であり得る。対物レンズ又はコリメータレンズは、例えば、更なる機能構成要素として提供され得る。
【0010】
処理ヘッドのハウジング本体部は、機能モジュールを接続するためのインタフェースを有する少なくとも1つの第1のハウジング主表面部分、及び/又は、ハンドリングデバイスのための若しくはレーザー処理機械のハウジングのための接続場所を有する少なくとも1つの第2のハウジング主表面部分、及び/又は、少なくとも1つの機能構成要素をハウジング本体部の内部容積の中に挿入するための切取り部を有する少なくとも1つの第3のハウジング主表面部分、を有する。このような構成を用いることにより、モジュール性及び柔軟性を増加させることが可能である。まだ未処理のハウジング本体部から始めて、特に、主表面部分を導入して、対応する用途に対して適合させ構成させることができる。この場合、ハウジング主表面部分は、それに隣接する隣り合う主表面部分の厚さにより決定される外側周辺フレームによってだけ形成され得る。その上、主表面部分は、領域全部にわたって具現化されることができ、穴又は接続要素を設けることができる。その上、主表面部分は切取り部を有し得る。
【0011】
主表面部分、特に6つの主表面部分が、X方向、Y方向、及びZ方向に、硬いフレーム又は矩形輪郭を形成することが好ましい。これにより、処理ヘッド内に光学構成要素を収容し整列させる場合に、個々の構成要素に対する確実な収容構成が可能になるだけでなく、高い精度も可能になる。
【0012】
更には、インタフェース、接続場所及び/又は主表面部分の切取り部が、支持面を有することが好ましい。前記支持面は、機能モジュール、ハンドリングデバイス、及び/又は更なる機能構成要素を接続するために、更には、ハウジングカバーを収容するために役立つ。少なくとも1つの機能構成要素の挿入後に、及び/又は、機能モジュール及び/又は機能構成要素及び/又はハウジングカバー及び/又はハンドリングデバイスの接続後に、ハウジングを完全に閉じることができる。それにより、処理ヘッドのハウジング本体部内に構成される機能モジュール、機能構成要素などは、外的影響に対して完全に保護される。
【0013】
更には、好ましくは、シールを収容するための周辺溝、又は封止溝が、主表面部分の支持面上に、及び/又は機能構成要素及び/又は機能モジュールのハウジングカバーの支持面上に設けられる。その結果、少なくとも1つの光学構成要素を汚染から保護するために、ハウジングカバー、機能構成要素、及び/又は機能モジュールをハウジングに固定した後に封止構成を提供することが可能である。
【0014】
処理ヘッドの更に有利な構成では、互いに隣接する2つ又は3つの主表面部分のそれぞれの切取り部が共通の切取り部を形成する。その結果、切取り部は、互いに隣接する2つの主表面の側縁部にわたって、又は更に、互いに隣接する3つの主表面部分の領域にわたって延びることができる。この結果、ハウジングの自由内部容積へのアクセスが改善され得る。
【0015】
処理ヘッドの更なる好ましい構成では、ハウジング本体部は、固体材料から材料除去工程により製造される。このようなハウジングの費用効果が高い製造が、特に高速の材料処理によって可能になり得る。ハウジング本体部の安定な、特に一体化された、構成が同時に提供される。
【0016】
代替として、ハウジング本体部を、ストランド形状(strand-shaped)の矩形輪郭から製造することが提供され得る。この結果、製造時間が更に短縮され得る。
【0017】
有利には、ハウジング本体部及び/又はハウジングカバーは軽金属から作製される。この場合、好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金が使用される。
【0018】
本発明の元になる目的は、その上に処理ヘッドが設けられたハンドリングデバイスと、ビーム源であって、ビーム源と処理ヘッドとの間に延びるビームガイドを有する、ビーム源とを備えるレーザー処理装置によって更に実現される。処理ヘッドは、少なくとも1つのビーム誘導要素を備え、ビーム誘導要素により、レーザービームが偏向され、処理される被加工物へと誘導される。処理ヘッドは、上述した実施形態のいずれかに従って構成される。その結果、レーザー処理装置のそれぞれの構成に柔軟に適応でき、それにより、高いモジュール性及びインタフェース柔軟性がもたらされる。
【0019】
本発明、並びに更なる有利な実施形態及びその発展形態が、図面に示される実施例に基づき、以下に更に詳細に記載及び説明される。記載及び図面から収集できる特徴が、それ自体で個別に、又は本発明よる任意の組合せによる複数として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】例えば3次元構成要素を処理するための、レーザー処理装置の斜視図を示す。
図2図1による、例えば3次元構成要素を処理するための、レーザー処理装置の処理ヘッドの拡大斜視図を示す。
図3図2に対する、処理ヘッドの代替的な実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、被加工物12を処理するためのレーザー処理装置11の概略側面図を示す。前記レーザー処理装置11は、特にレーザー溶接のために提供される。レーザー処理装置11はハンドリングデバイス14を備え、ハンドリングデバイス14には、処理ヘッド41、特に溶接ヘッド、が設けられている。
【0022】
ハンドリングデバイス14は多軸マニピュレータ17として構成され、静止ベース18、カルーセル19、ロッカ20、アーム21、及びハンド22を有する。マニピュレータ17の運動可能性を、図1の両方向矢印で示す。したがって、マニピュレータ17は6本の運動軸を有する。
【0023】
処理ヘッド41は、マニピュレータ17のハンド22に取り付けられている。ビーム源15によって生成されたレーザービーム25が、ビームガイド16によって処理ヘッド41に供給される。ビームガイド16として、好ましくはレーザー光用の光ファイバーケーブルが提供される。処理ヘッド41は、少なくとも1つのビーム誘導要素42を備える。ビーム誘導要素は、機能構成要素66又は機能モジュール55の一部であり得る。好ましくは、ビーム誘導要素42を集束光学ユニットとして構成でき、集束光学ユニットは、レーザー処理装置11の動作中にレーザービーム25を焦束し、それを、処理される被加工物12の処理場所26、特に溶接位置へと誘導する。
【0024】
レーザー処理装置11は、代替として、1層ずつ適用された製造材料を選択的に固化させることにより、被加工物を作製するための装置でもあり得る。これらのレーザー処理装置11は、3D印刷システム、選択的レーザー焼結機械、選択的レーザー溶融機械などとも称される。処理ヘッド41は、前記レーザー処理装置11のハウジングに固定され得る。代替として、処理ヘッド41はまた、ハウジングの線形軸システムに固定され得る。
【0025】
図2は、処理ヘッド41の斜視図を示す。前記処理ヘッド41は、自由内部容積44を取り囲むハウジング本体部43を備える。前記ハウジング本体部43は、好ましくは、互いに整列された6つの主表面部分46、47、48、49、50、51を備える。好ましくは、前記主表面部分46、47、48、49、50、51はそれぞれ、互いに対して直角をなして整列される。その結果、矩形又は立方体のハウジング本体部43が形成される。少なくとも2つ、好ましくは3つの主表面部分46、47、48、49、50、51は、互いに異なる。その結果、ハウジング本体部43のモジュール度を増加させることができる。第1の主表面部分46は、例えば、機能モジュール55用のインタフェース54として構成される。前記機能モジュール55は、例えば、ビーム源15からハウジング本体部43の内部へとレーザービーム25を誘導するために、例えば、レーザービーム25を空間方向に偏向させるための偏向デバイスであり得る。そのようなインタフェース54は、ストリップ形状の又はフランジ形状の主表面部分46を有し得る。主表面部分46の支持面56は、例えば、それに隣接する更なる主表面部分47、48、49、及び50の壁厚によって構成され得る。この結果、ハウジングの内部にアクセスするための広い領域が提供される。例示的実施形態では、主表面部分51は、機能モジュール55を有する主表面部分46と同一に構成されている。
【0026】
好ましくは、固定要素のための穴のパターンが支持面56に設けられる。前記固定要素は好ましくは、例えばねじなどの、係脱可能な固定要素である。支持面に接続可能である機能モジュール55は、相補的な穴のパターンを備える。機能モジュール55を前記インタフェース54に接続させることが必要でない場合、図3で例として示すように、前記主表面部分46をプレート形状のハウジングカバー64で閉じることができる。ハウジングカバー64は、支持面56と類似した穴のパターンを有する。
【0027】
第1の主表面部分46の支持面56は、好ましくは溝の形の窪み58を備える。支持面上に封止インタフェース54を形成するために、前記窪み58の中に周縁部シールが挿入され得る。代替として、インタフェース54を、封止溝によって閉じることができる。すなわち、例えば、支持面56上に、溝の形状の窪み58が存在し、支持面に取り付けられるハウジングカバー64上に又は機能モジュール55上に、突出ウェブが設けられて、これが窪み58の中で係合する。
【0028】
図2によるハウジング本体部43の第2の主表面部分47は、例えば、ハンドリングデバイス14、特にハンドリングデバイス14のハンド22のための接続場所61を備える。
【0029】
第3の主表面部分48は、例えば、切取り部65を備える。このような切取り部65は、機能構成要素66をハウジング本体部43の内部へと挿入するための役割を担い得る。例示的実施形態では、前記機能構成要素66は、少なくとも1つのビーム誘導要素42又は偏向ミラーを有するスキャナ光学ユニットであり得る。このような機能構成要素66はまた、印刷回路基板又は電子モジュールなどであり得る。更には、このような機能構成要素66は、これを通ってレーザービームが入る及び/又は出る光学ユニット又はレンズ、特に集束光学ユニットであり得る。
【0030】
第3の主表面部分48の反対側に前記第4の主表面部分49が設けられる。第4の主表面部分は、例えば、領域全体にわたって構成され得る。第3の主表面部分48と第4の主表面部分49との間に第5の主表面部分50が延びている。前記第5の主表面部分は、上述した実施形態のいずれかを有することができる。
【0031】
例示的実施形態では、第6の主表面部分51は、第1の主表面部分46と同一に構成されている。その上、第6の主表面部分は、収容される機能モジュール55、及び/又はそれに挿入される機能構成要素66若しくはそれに取り付けられる機能構成要素66に応じて異なって構成され得る。
【0032】
処理ヘッド41のハウジング本体部43の実施形態では、主表面部分46及び51は、好ましくはX方向において同一に構成され、その結果、管状のハウジング本体部43が形成される。
【0033】
処理ヘッド41の前記ハウジング本体部43は、一体的に構成され、安定な硬いフレーム構造を有する。好ましくは、前記ハウジング本体部43は、固体材料からミリング加工されるか、又は事前に製造された、ストランド形状の、特に押出成形された、矩形輪郭から製造される。好ましくは、軽金属、特にアルミニウム又はアルミニウム合金が使用される。
【0034】
図3は、図2に対する、処理ヘッド41の代替的な構成を示す。自由内部容積44を有するハウジング本体部43の構造は、図2に類似している。本実施形態では、例えば、切取り部65は、第4の主表面部分49から第1の主表面部分46へと延びるように設けられる。これにより、ハウジング本体部43の側縁部に沿って、機能構成要素66をハウジング本体部の中に挿入するための自由領域が形成される。更には、例として、第4の主表面部分49は更なるハウジングカバー64を有し、ハウジングカバーには、接続要素、特に電子構成要素、が固定されている。前記ハウジングカバー64は、主表面部分49に固定できる。
【0035】
取付けプレート74が機能構成要素66として第3の主表面部分48の下面に設けられ、前記取付けプレートが、例えば対物レンズ又はレンズなどの更なる機能構成要素66を収容して、ハウジング本体部43に固定する。追加で、本実施形態では、主表面部分51上に、処理ヘッド41とビーム源15との間のビームガイド16用の更なる機能構成要素66としてフランジ接続部75が設けられる。したがって、前記主表面部分51は、フランジ接続部75のための接続場所61を有する。
【0036】
図2の実施形態に類似して、図3によるハウジング本体部43は同様に、硬く安定なフレームを備える。ハウジング本体部43の製造及び材料の使用は、図2のハウジング本体部43に従って遂行される。
【符号の説明】
【0037】
11 レーザー処理装置
12 被加工物
14 ハンドリングデバイス
15 ビーム源
16 ビームガイド
17 マニピュレータ
18 静止ベース
19 カルーセル
20 ロッカ
21 アーム
22 ハンド
25 レーザービーム
26 処理場所
41 処理ヘッド
42 ビーム誘導要素
43 ハウジング本体部
44 自由内部容積
46 第1の主表面部分
47 第2の主表面部分
48 第3の主表面部分
49 第4の主表面部分
50 第5の主表面部分
51 第6の主表面部分
54 インタフェース
55 機能モジュール
56 支持面
58 窪み
61 接続場所
64 ハウジングカバー
65 切取り部
66 機能構成要素
74 取付けプレート
75 フランジ接続部
図1
図2
図3
【国際調査報告】