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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-12
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/08 20060101AFI20220705BHJP
   F16M 11/04 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
F16B2/08 Z
F16M11/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567855
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(85)【翻訳文提出日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 IB2020054197
(87)【国際公開番号】W WO2020229937
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】1906663.8
(32)【優先日】2019-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1915523.3
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2006024.0
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ギムザ、リー
【テーマコード(参考)】
3J022
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022DA13
3J022DA30
3J022EA06
3J022EB20
3J022FA05
3J022FB06
3J022GA03
3J022GA15
3J022GB58
(57)【要約】
物品(12)を支持体(14)に接続するための接続装置(10)が開示される。本接続装置(10)は、可撓性細長部材(20)と、可撓性細長部材(20)を物品(12)の周りにクランプするためのクランプ構成体(18)とを備える。クランプ構成体(18)は、本体(22)及びクランプ要素(34)を備える。クランプ要素(34)は、クランプ位置と非クランプ位置との間で移動可能である。クランプ位置では、クランプ要素(34)が、可撓性細長部材(20)を本体(22)にクランプし、それによって物品(12)をクランプ構成体(18)に取り付ける。非クランプ位置では、可撓性細長部材(20)が、本体(22)を通して移動可能である。
【選択図】図1図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を支持体に接続するための接続装置であって、
可撓性細長部材と、
前記可撓性細長部材を前記物品の周りにクランプするためのクランプ構成体と、
を備え、前記クランプ構成体は、本体及びクランプ要素を備え、前記クランプ要素は、クランプ位置と非クランプ位置との間で移動可能であり、前記クランプ位置では、前記クランプ要素が、前記可撓性細長部材を前記本体にクランプし、それによって前記物品を前記クランプ構成体に取り付け、前記非クランプ位置では、前記可撓性細長部材が、前記本体を通して移動可能である、接続装置。
【請求項2】
前記可撓性細長部材は、可鍛性材料で形成された実質的に平坦な可撓性細長部材である、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記本体は、内側主要部及び外側カバー部を備え、前記内側主要部は、対向する第1の側面及び第2の側面と、前面及び後面とを有し、前記外側カバー部は、下方に延在する側壁部分、前壁部分、及び後壁部分を更に含み、前記側壁部分は、前記内側主要部の前記第1の側面及び前記第2の側面を覆って延在し、前記前壁部分及び前記後壁部分は、前記前面及び前記後面を覆って延在する、請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記本体は、前記可撓性細長部材をクランプすることができるクランプ表面を有し、前記クランプ要素は、前記可撓性細長部材を前記クランプ表面に対してクランプするためのクランプ面を備える、請求項1、2、又は3に記載の接続装置。
【請求項5】
前記クランプ表面は、前記本体の前記内側主要部に設けられる、請求項3に従属するときの請求項4に記載の接続装置。
【請求項6】
前記本体及び前記可撓性細長部材は、前記可撓性細長部材の端部領域を前記本体に取り付けるための対応する取付け構造を含み、前記対応する取付け構造のうちの一方は、前記可撓性細長部材及び前記本体のうちの一方によって画定された穴を備え、前記取付け構造のうちの他方は、前記可撓性細長部材及び前記本体のうちの他方に突出部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項7】
前記クランプ構成体を前記支持体に締結するための締結構成体を備え、前記締結構成体は、前記本体を貫通して画定された開口部と、前記本体の前記開口部を通して挿入することができる締結具とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項8】
前記クランプ要素を担持するキャリッジを備え、前記キャリッジは付勢構成体を含み、前記キャリッジは、前記付勢構成体に反力を加えて、前記付勢構成体が前記クランプ要素を前記クランプ位置に付勢することを可能にするための反作用部材を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項9】
前記前壁部分は、前記反作用部材にわたって延在し、それによって前記キャリッジを前記本体に固定する、請求項3に従属するときの請求項8に記載の接続装置。
【請求項10】
前記キャリッジは、前記クランプ要素を保持するためのホルダを含み、前記付勢構成体は、前記反作用部材から前記ホルダまで延在する、請求項8又は9に記載の接続装置。
【請求項11】
前記キャリッジは、実質的に平坦である、請求項8、9、又は10に記載の接続装置。
【請求項12】
前記本体は、前記キャリッジを前記本体に挿入することができる第1の開口構成体を画定しており、前記本体は、前記キャリッジが前記本体内に受容されたときに前記キャリッジが通って延在する第2の開口構成体を画定している、請求項8~11のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項13】
前記第2の開口構成体は、前記第1の開口構成体の反対側にあり、前記キャリッジは、前記クランプ要素を前記クランプ位置から前記非クランプ位置に移動させるための解放部分を含み、前記解放部分は、前記キャリッジが内部空間内に受容されたときに前記第2の開口構成体を通って延在する、請求項12に記載の接続装置。
【請求項14】
前記キャリッジの第2の端部は、前記第2の開口構成体から突出する、請求項13に記載の接続装置。
【請求項15】
前記キャリッジは、前記可撓性細長部材を前記本体を通して方向付けるための傾斜構造を含み、前記傾斜構造は、前記クランプ要素と前記反作用部材との間に延在する、請求項8~14のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項16】
前記接続装置は、前記可撓性細長部材を前記物品に対して締め付けるための締付け要素を更に含み、前記締付け要素は、前記可撓性細長部材に係合し、前記可撓性細長部材を付勢して前記物品と緊密に係合させるように移動可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項17】
前記締付け要素は前記本体によって保持され、前記締付け要素は、前記締付け要素が前記可撓性細長部材に対して締め付けられる締付け位置と、前記締付け要素が前記可撓性細長部材に対して締め付けられない非締付け位置との間で回転可能である、請求項16に記載の接続装置。
【請求項18】
前記締付け要素は、前記締付け要素が回転する主軸を有し、前記締付け要素の部材は、前記主軸と位置合わせされたシャフトを含む、請求項17に記載の接続装置。
【請求項19】
前記シャフトは、近位部分及び遠位部分を備え、前記締付け要素は、前記可撓性細長部材に係合するためのカム部材を更に含み、前記カム部材は、前記主軸からずれている、請求項18に記載の接続装置。
【請求項20】
前記カム部材は、前記近位部分と前記遠位部分との間に配置される、請求項19に記載の接続装置。
【請求項21】
前記本体は、前記カム部材に係合するためのカム係合面を有する係合部分を含み、前記係合部分は、前記カム係合面から延在する停止部材を更に含み、前記停止部材は、前記カム部材が前記非締付け位置にあるときに前記カム部材に係合する、請求項19又は20に記載の接続装置。
【請求項22】
前記カム部材はノーズ部分を備え、前記カム係合面及び前記停止部材は、前記締付け要素が前記非締付け位置にあるときに、前記ノーズ部分を受容するためのカム受容凹部を前記カム係合面と前記停止部材との間に画定している、請求項21に記載の接続装置。
【請求項23】
前記カム部材は、前記ノーズ部分の反対側に停止凹部を画定しており、前記停止凹部は、前記締付け要素が前記締付け位置にあるときに前記停止部材を受容するように配置され、それによって前記締付け要素が前記締付け位置を越えて回転することを阻止する、請求項22に記載の接続装置。
【請求項24】
前記カム部材及び前記本体は、前記締付け要素を前記非締付け位置に係止するための係止構造を備え得、前記係止構造は、前記締付け要素及び前記本体のうちの一方に窪みを備え、前記締付け要素及び前記本体のうちの他方に突起を備える、請求項19~23のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項25】
前記窪みは前記カム部材によって画定されており、前記突起は前記本体にある、請求項24に記載の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置に関する。より具体的には、限定はしないが、本発明は、細長い物品を細長い支持体に接続するための接続装置に関する。本発明の実施形態は、パイプを支柱に接続するための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプ及び他の細長い物品は、屋根や天井に近い建物に設置されることが多い。パイプ又は他の物品は、一般に、接続装置によって担持支柱に固定される。そのような支柱の数が多い場合もあり、設置に非常に時間がかかる可能性がある。加えて、断熱材の有無にかかわらず、パイプの外径に適合する特定のクランプも必要である場合もある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの態様によれば、物品を支持体に接続するための接続装置が提供され、本接続装置は、可撓性細長部材と、可撓性細長部材を物品の周りにクランプするためのクランプ構成体とを備え、クランプ構成体は、本体及びクランプ要素を備え、クランプ要素は、クランプ位置と非クランプ位置との間で移動可能であり、クランプ位置では、クランプ要素が、可撓性細長部材を本体にクランプし、それによって物品をクランプ構成体に取り付け、非クランプ位置では、可撓性細長部材が、本体を通して移動可能である。
【0004】
物品は円筒形の物品であり得る。物品はパイプであり得る。支持体は、支柱などの細長い支持体であり得る。接続装置は接続アセンブリであり得る。
【0005】
可撓性細長部材は、実質的に平坦な可撓性細長部材であり得る。可撓性細長部材はストラップであり得る。可撓性細長部材は、好適な金属材料などの可鍛性材料で形成されていてよい。可撓性細長部材は、金属同士の接触を防止するために、例えばプラスチック材料で被覆されていてよい。
【0006】
第1の実施形態では、本体は、一体型構成要素であり得る。第2の実施形態では、本体は、内側主要部及び外側カバー部を備え得る。内側主要部は、亜鉛などの金属で形成されていてよい。外側カバー部は、プラスチック材料で形成されていてよい。
【0007】
クランプ要素はウェッジを備え得る。他の好適なタイプのクランプ要素、例えばローラを使用してもよいことを理解されたい。
【0008】
本体は、可撓性細長部材をクランプすることができるクランプ表面を有し得る。クランプ表面は、本体の内側主要部に設けられ得る。クランプ要素は、可撓性細長部材をクランプ表面に対してクランプするためのクランプ面を備え得る。
【0009】
本体は、物品を保持するための保持部分を有し得る。保持部分は、実質的にV字形状の表面であり得る。第2の実施形態では、外側カバー部が保持部分を有し得る。上側弾性部材が、保持部分上に配設され得る。上側弾性部材は、保持部分の形状をとるように変形可能であり得る。
【0010】
上側弾性部材は、可撓性細長部材が物品に締め付けられるときに弾性的に圧縮可能であり得、それによって可撓性細長部材の過剰な締め付けを防止する。
【0011】
上側弾性部材は、保持部分よりも大きい摩擦をもたらすことができ、それによって物品の長手方向の移動を低減する。
【0012】
本体は、可撓性細長部材が本体の内部領域にアクセスすることを可能にするためのアクセス構造を画定し得る。第2の実施形態では、内側主要部がアクセス構造を画定し得る。
【0013】
アクセス構造は、本体によって画定された開口部であり得る。第2の実施形態では、アクセス構造は、内側主要部によって画定され得る。アクセス構造は、第1のアクセス領域と連通しており、可撓性細長部材が第1のアクセス領域から延びることが可能となり得る。
【0014】
本体及び可撓性細長部材は、可撓性細長部材の端部領域を本体に取り付けるための対応する取付け構造を含み得る。対応する取付け構造のうちの一方は、可撓性細長部材及び本体のうちの一方によって画定された穴を備え得る。
【0015】
取付け構造のうちの他方は、可撓性細長部材及び本体のうちの他方に突出部を備え得る。本体の取付け構造は、本体の該内部領域内に配置され得る。第2の実施形態では、本体の内側主要部が、穴を画定し得、又は突出部を備え得る。
【0016】
穴は、可撓性細長部材によって画定され得る。突出部は、本体に設けられ得る。突出部はピンであり得る。
【0017】
代替バージョンの取付け構造では、突出部は、本体の内側主要部に設けられ得る。突出部は、可撓性細長部材の端部の穴に受容されて可撓性細長部材を本体に取り付け得る。
【0018】
取付け構造は、本体に偏向構造を備え得る。第2の実施形態では、偏向構造は、外側カバー部に設けられ得る。偏向部材は、保持部分に設けられ得、そこから延在し得る。偏向構造の各々は細長くてよい。各偏向構造は偏向リブを備え得る。偏向構造は、内側主要部のアクセス構造を通して延在し得る。
【0019】
突出部は、可撓性細長部材が本体に挿入されたときに可撓性細長部材の端部領域を突出部の上にガイドするための斜面を備え得る。偏向構造は、突出部にまたがって互いに対向して配置され得る。偏向構造は、突出部の両側に配置され得る。
【0020】
偏向構造は、可撓性細長部材が本体に挿入されたときに、可撓性細長部材の端部領域に係合し得る。各偏向構造は、可撓性細長部材のそれぞれの両縁部領域に係合して、縁部領域を突出部の周りで偏向させ得る。突出部は頂部を有し得る。各偏向構造は、可撓性細長部材の両縁部領域に係合して、端部領域を頂部の周りで変形させ得る。
【0021】
可撓性細長部材の縁部領域は、突出部が可撓性細長部材の端部領域の穴によって受容されるまで、偏向構造によってそのように偏向される。
【0022】
偏向構造は、可撓性細長部材を突出部に留めるための留め構造を構成し得る。突出部が可撓性細長部材の端部領域の穴によって受容されると、偏向構造は、可撓性細長部材を突出部に留め得る。
【0023】
接続装置は、クランプ構成体を支持体に締結するための締結構成体を備え得る。締結構成体は、本体を貫通して画定された開口部を含み得る。第2の実施形態では、開口部は、本体の内側主要部を貫通して画定され得る。
【0024】
締結構成体は、クランプ構成体を支持体に締結するために、本体の開口部又は内側主要部の開口部を通して挿入することができる締結具を含み得る。締結具は、ねじ又はボルトであり得る。締結構成体は更に、締結具が取り付けられるナットを含み得る。ナットは、支持体に係合してクランプ構成体を支持体に締結するように構成され得る。
【0025】
接続装置は、クランプ要素をクランプ位置に付勢するための付勢構成体を備え得る。
【0026】
接続装置は、クランプ要素を担持するキャリッジを備え得る。キャリッジは、クランプ要素を保持するホルダを備え得る。ホルダはフレームであり得る。クランプ要素は、ホルダに係留されていてよい。
【0027】
キャリッジは、付勢構成体を含み得る。キャリッジは、付勢構成体に反力を加えるための反作用部材を含み、付勢構成体がクランプ要素をクランプ位置に付勢することを可能にし得る。
【0028】
付勢構成体は、ばね部材を備え得る。付勢構成体は、1つ又は複数のばね部材を備え得る。ばね部材又は各ばね部材はジグザグばねであり得る。
【0029】
1つのバージョンのキャリッジは、2つのばね部材を備える付勢構成体を備え得る。付勢構成体が任意の好適な数のばね部材を備えてもよいことを理解されたい。
【0030】
ばね部材は、互いに対向して配置され得、クランプ要素は、ばね部材間に配設されている。
【0031】
別のバージョンのキャリッジは、反作用部材の実質的に中心に配置され得る単一のばね部材を備える付勢構成体を備え得る。
【0032】
付勢構成体は、反作用部材からクランプ要素まで延在し得る。付勢構成体は、反作用部材からホルダまで延在し得る。ばね部材は、反作用部材からクランプ要素まで延在し得る。ばね部材は、反作用部材からホルダまで延在し得る。
【0033】
本体は、キャリッジを受容するための内部空間を画定し得る。第2の実施形態では、内部空間が、本体の内側主要部によって画定され得る。クランプ表面は、内部空間を画定する面であり得る。
【0034】
キャリッジは、実質的に平坦であり得る。キャリッジは、本体又は内側主要部に挿入可能であり得る。
【0035】
キャリッジは、本体又は内側主要部の内部空間内に摺動可能であり得る。接続装置は、キャリッジを本体又は内側主要部に固定するための固定構成体を含み得る。
【0036】
固定構成体は、戻り止め構造を備え得る。戻り止め構造は、フック構造を備え得る。戻り止め構造は、キャリッジ及び本体のうちの一方に設けられ得る。
【0037】
固定構成体は、戻り止め構造と協働可能な協働構造を備え得る。協働構造は、戻り止め構造を受容する凹部であり得る。協働構造は、キャリッジ及び本体のうちの他方に設けられ得る。
【0038】
1つのバージョンの固定構成体では、固定構成体は、キャリッジに第1の固定構造を備え得る。固定構成体は、本体に第2の固定構造を備え得る。
【0039】
第1の固定構造は、戻り止め構造を備え得る。第2の固定構造は、戻り止め構造と協働する協働構造を備え得る。第2の固定構造は、本体によって画定された凹部であり得る。
【0040】
キャリッジ及び本体のうちの一方は、キャリッジ又は本体の両側に2つの戻り止め構造を備え得る。キャリッジ及び本体のうちの他方は、本体又はキャリッジの両側に2つの協働構造を備え得る。キャリッジは、キャリッジの両側に2つの戻り止め構造を備え得る。本体は、本体の両側に2つの協働構造を備え得る。各協働構造が1つの凹部を備え得る。
【0041】
本体は、キャリッジを本体内にそれを通して挿入することができる第1の開口構成体を画定し得る。本体は、キャリッジが本体内に受容されるときにキャリッジがそれを通って延在する第2の開口構成体を画定し得る。
【0042】
キャリッジは、第1の開口構成体から内部空間内に挿入され得る。第2の実施形態では、内側主要部が第1の開口構成体を画定し得る。第1の開口構成体は、第1のキャリッジ受容領域を有し、そこを通してキャリッジの一部分を受容し得る。第2の固定構造は、キャリッジ受容領域に隣接して設けられ得る。
【0043】
キャリッジは、キャリッジが内部空間内に受容されたときに、第2の開口構成体を通って延在し得る。第2の実施形態では、内側主要部が第2の開口構成体を画定し得る。第2の開口構成体は、第2のキャリッジ受容領域を有し、そこを通してキャリッジの一部分を受容し得る。
【0044】
第1及び第2の開口構成体は、本体の外部の領域と内部空間との間の連通をもたらし得る。第1の開口構成体は、本体の一端に画定され得る。第2の開口構成体は、本体の反対側の端部に画定され得る。
【0045】
内側主要部は、対向する第1及び第2の側面と、前面及び後面とを有し得る。内側主要部は、内部空間を画定し得る。内側主要部は、対向する第1及び第2の開口構成体を画定し得る。内側主要部は、第1及び第2のキャリッジ受容領域と、第1及び第2のアクセス領域とを画定し得る。
【0046】
外側カバー部は、下方に延在する側壁部分と、前壁部分及び後壁部分とを更に含み得る。側壁部分は、内側主要部の第1及び第2の側面を覆って延在し得る。前壁部分及び後壁部分は、前面及び後面を覆って延在し得る。
【0047】
前壁部分は、別のバージョンの固定構成体では第2の固定構造を構成し得る。前壁部分は、該第1のキャリッジ受容領域にわたって延在し得る。前壁部分は、該反作用部材にわたって延在し得、それによってキャリッジを本体に固定する。こうして、前壁部分は、反作用部材が付勢構成体に反力を加えることを可能にするための当接部をもたらし得る。
【0048】
キャリッジは、クランプ要素をクランプ位置から非クランプ位置に移動させるための解放部分を含み得る。解放部分は、キャリッジが内部空間内に受容されているとき第2の開口構成体を通って延在し得る。第2の開口構成体は、第1の開口構成体の反対側にあり得る。
【0049】
クランプ要素は、解放部分上に設けられ得る。解放部分は、第1の固定構造に対して移動可能であり得る。
【0050】
第1の開口構成体は、可撓性細長部材が内部空間にアクセスできるように第1のアクセス領域を有し得る。第1の開口構成体は、本体の第1の端部に画定され得る。
【0051】
第2の実施形態では、内側主要部が、第1のアクセス領域を画定し得る。第1のアクセス領域は、第1のキャリッジ受容領域と連通するように開放していてよい。代替的に、第1のアクセス領域及び第1のキャリッジ受容領域は、互いに離れていてもよい。
【0052】
第2の開口構成体は、可撓性細長部材が内部空間にアクセスできるように第2のアクセス領域を有し得る。第2の開口構成体は、本体の反対側の第2の端部に画定され得る。
【0053】
第2の実施形態では、内側主要部は、第2のアクセス領域を画定し得る。第2のアクセス領域は、第2のキャリッジ受容領域と連通するように開放していてよい。代替的に、第2のアクセス領域及び第2のキャリッジ受容領域は、互いに離れていてもよい。
【0054】
前壁部分は、第1の開口構成体の第1のアクセス領域と位置が合うことができる前方開口を画定し得る。
【0055】
後壁部分は、第2のキャリッジ受容領域と位置が合うことができる後方凹部を画定し得る。後壁部分は、第2の開口構成体の第2のアクセス領域と位置が合うことができる後方開口を画定し得る。
【0056】
キャリッジは、第1及び第2の対向する端部を有し得る。第1の固定構造は、キャリッジの第1の端部に設けられ得る。解放部分は、キャリッジの反対側の第2の端部まで延在し得る。
【0057】
キャリッジの第2の端部は、第2の開口構成体から突出し得る。キャリッジの第2の端部は、第2の開口構成体の第2のキャリッジ受容領域から突出し得る。したがって、使用者は、キャリッジの第2の端部を本体又は内側主要部内に押圧して、クランプ要素を非クランプ位置に移動させることができる。使用者は、キャリッジの第2の端部を押圧して、解放部分を本体又は内側主要部の内方に移動させて、クランプ要素を解放し得る。
【0058】
キャリッジは、本体を通して可撓性細長部材を方向付けるための傾斜構造を含み得る。傾斜構造は、第1のアクセス領域を通して可撓性細長部材を方向付け得る。傾斜構造は、クランプ要素とキャリッジの第1の端部との間に延在し得る。傾斜構造は、クランプ要素と反作用部材との間に延在し得る。
【0059】
傾斜構造は、2つの隣接する傾斜部を備え得る。傾斜部は、クランプ要素の両側に設けられ得る。
【0060】
本明細書に記載の実施形態では、傾斜部は、細長部材を可能な限り平坦に配置するのを助けるという利点をもたらす。細長部材は、自然に曲がる/丸まる場合がある。その結果、クランプ要素がストラップを把持するのに問題が生じる場合がある。傾斜部によって細長部材を平坦にすると、クランプ要素が細長部材を把持することが容易になる。
【0061】
傾斜構造は傾斜面を備え得る。傾斜部の各々は、それぞれの傾斜面を備え得る。クランプ要素がクランプ位置にあるとき、傾斜構造の傾斜面又は各傾斜面のほうが、クランプ要素のクランプ面よりも、本体又は内側主要部のクランプ表面から遠くに配設され得る。
【0062】
クランプ要素が非クランプ位置にあるとき、クランプ要素のクランプ面のほうが、傾斜構造の傾斜面又は各傾斜面よりも、本体又は内側主要部のクランプ表面から遠くに配設され得る。これにより、クランプ要素が非クランプ位置にあるときに、クランプ面を可撓性細長部材から完全に係脱することが可能となる。
【0063】
キャリッジは、本体の開口部又は内側主要部の開口部と位置が合うように配置された開口部を画定し得、それによって、締結具をキャリッジの開口部を通して挿入することができる。キャリッジの開口部は、解放部分を貫通して画定され得る。
【0064】
接続装置は、可撓性細長部材を物品に対して締め付けるための締付け要素を更に含み得る。締付け要素は、可撓性細長部材に係合し、物品と緊密に係合するように可撓性細長部材を付勢するように移動可能であり得る。
【0065】
締付け要素は、本体又は内側主要部によって保持され得る。締付け要素は、締付け要素が可撓性細長部材に対して締め付けられる締付け位置に回転可能であり得る。締付け位置では、可撓性細長部材は、締付け要素によって物品に緊密に引き寄せられる。締付け要素は、締付け要素が可撓性細長部材に対して締め付けられない非締付け位置に回転可能であり得る。非締付け位置では、可撓性細長部材は、締付け要素によって物品に対して締め付けられない。
【0066】
締付け要素は、締付け要素が回転する主軸を有し得る。締付け要素は、主軸と位置合わせされたシャフトを備え得る。
【0067】
シャフトは、近位部分及び遠位部分を備え得る。締付け要素は更に、可撓性細長部材に係合するためのカム部材を含み得る。該カム部材は、主軸からずれていてよい。カム部材は中央部分であり得る。カム部材は、近位部分と遠位部分との間に配置され得る。
【0068】
本体又は内側主要部は、カム部材に係合するための係合部分を含み得る。
【0069】
係合部分は、カム部材に係合するためのカム係合面を有し得る。係合部分は、カム係合面から延在し得る停止部材を含み得る。停止部材は、カム部材が非締付け位置にあるときにカム部材に係合し得る。
【0070】
カム部材は、ノーズ部分を備え得る。カム係合面及び停止部材は、ノーズ部分を受容するためのカム受容凹部をそれらの間に画定し得る。カム受容凹部は、締付け要素が非締付け位置にあるときにノーズ部分を受容し得る。
【0071】
カム部材は、停止凹部を画定し得る。停止凹部は、ノーズ部分の反対側にあり得る。停止凹部は、締付け要素が締付け位置にあるときに停止部材を受容し得、それによって締付け要素が締付け位置を越えて回転するのを阻止する。
【0072】
カム部材及び本体は、締付け要素を非締付け位置に係止するための係止構造を備え得る。係止構造は、締付け要素及び本体のうちの一方に窪みを備え、締付け要素及び本体のうちの他方に突起を備え得る。第2の実施形態では、本体の係止構造は、内側主要部にあり得る。
【0073】
窪みが締付け要素にあり得る。窪みは、カム部材によって画定され得る。窪みは、カム部材によって画定された停止凹部の一端に画定され得る。
【0074】
係止構造は、2つの窪みを備え得る。窪みは、締付け要素の両側にあり得る。窪みは、停止凹部にわたって互いに対向して画定され得る。窪みは、停止凹部の両端部に画定され得る。
【0075】
突起は、本体にあり得る。係止構造は、2つの突起を備え得る。突起は、本体の両側に配置され得る。第2の実施形態において、突起又は各突起は、内側主要部にあり得る。各突起が、内側主要部の第1及び第2の側面のそれぞれ1つに配置され得る。
【0076】
接続装置は、外側カバー部を内側主要部に添着するための協働添着構造(cooperating affixing formations)を備え得る。協働添着構造は、外側カバー部及び内側主要部のうちの一方に複数のフィンを備え得る。
【0077】
協働添着部材は更に、外側カバー部及び内側主要部のうちの他方によって画定された複数の陥凹部を含み得る。複数のフィンは、内側主要部に設けられ得る。複数の陥凹部は、外側カバー部によって画定され得る。
【0078】
複数の陥凹部は、外側カバー部の第1及び第2の側壁部分によって画定され得る。複数の陥凹部は、前述の第1及び第2の側壁部分の下縁部に画定され得る。
【0079】
複数の陥凹部は、複数のフィンを受容して外側カバー部を内側主要部に添着し得る。協働添着構造は、互いに摩擦係合して、外側カバー部を内側主要部に添着し得る。使用中、物品の重量及び/又は可撓性細長部材によって加えられる力により、外側カバー部と内側主要部が互いにしっかりと添着されることが確実になり得る。
【0080】
複数のフィンは、内側主要部の第1及び第2の側面に設けられ得る。複数のフィンは、内側主要部の第1及び第2の側面の下部領域に設けられ得る。
【0081】
次に、本発明の少なくとも1つの実施形態について、添付図面を参照して、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】支持体に装着された接続装置の斜視図である。
図2】上に物品がある状態の図1の接続装置を示す。
図3】接続装置が物品に取り付けられている図1及び図2の接続装置を示す。
図4】接続装置の一部であるクランプ構成体の一方側から見た斜視図である。
図5図4に示すものと同じ側から見たクランプ構成体の更なる斜視図である。
図6図4に示すものと同じ側から見たクランプ構成体の断面図である。
図7図4に示すものと同じ側から見たクランプ構成体の更なる断面図である。
図8】クランプ位置にあるクランプ要素と、非締付け位置にある締付け要素とを示す、クランプ構成体の断面図である。
図9】非締付け位置にある締付け要素を示す、図8に示すものとは反対側から見たクランプ構成体の図である。
図10】クランプ位置にあるクランプ要素と、締付け位置にある締付け要素とを示すクランプ構成体の断面図である。
図11】締付け位置にある締付け要素を示す、図10に示すものとは反対側から見たクランプ構成体の図である。
図12】締付け要素の斜視図である。
図13】非クランプ位置にあるクランプ要素を示す側断面図である。
図14】クランプ要素を組み込んだキャリッジの斜視図である。
図15】更なるクランプ構成体の一方向から見た側面斜視図である。
図16】更なるクランプ構成体の別の方向から見た側面斜視図である。
図17】更なるクランプ構成体の分解図である。
図18】更なるクランプ構成体の第1の方向から見た側断面斜視図である。
図19】更なるクランプ構成体の第2の方向から見た側断面斜視図である。
図20】更なるクランプ構成体の構成要素である内側主要部の第1の方向から見た側断面斜視図である。
図21図20に示す内側主要部の上面図である。
図22】クランプ位置にあるクランプ要素と、非締付け位置にある締付け要素とを示す、クランプ構成体の断面図である。
図23】クランプ位置にあるクランプ要素と、締付け位置にある締付け要素とを示すクランプ構成体の側断面図である。
図24(i)】更なる締付け要素の一方向から見た斜視図である。
図24(ii)】更なる締付け要素の反対方向から見た斜視図である。
図24(iii)】更なる締付け要素の一方側から見た平面図である。
図25】非クランプ位置にあるクランプ要素を示す更なるクランプ構成体の側断面図である。
図26】クランプ要素を組み込んだ更なるキャリッジの斜視図である。
図27(i)】可撓性細長部材をクランプ構成体に据えるための手順を示す。
図27(ii)】可撓性細長部材をクランプ構成体に据えるための手順を示す。
図27(iii)】可撓性細長部材をクランプ構成体に据えるための手順を示す。
図27(iv)】可撓性細長部材をクランプ構成体に据えるための手順を示す。
図27(v)】可撓性細長部材をクランプ構成体に据えるための手順を示す。
図27(vi)】可撓性細長部材をクランプ構成体に据えるための手順を示す。
図28図27(v)と同じ位置にある可撓性細長部材を示す、更なるクランプ構成体の一方向から見た側断面斜視図である。
図29図27(v)に示す状態にある細長部材の側面斜視図である。
図30図27(v)に示す状態にある細長部材の端面図である。
図31図27(v)に示す状態にある可撓性細長部材の端部領域の側面図である。
図32図22の線XXX-XXXに沿った図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図面の図1図14は、パイプの形態の物品12を、支柱の形態の支持体14に接続するための接続装置10を示す。支持体14は、その内側に延在する戻り構造16を有する。
【0084】
接続装置10は、クランプ構成体18及び可撓性細長部材20を備える。図面において、可撓性細長部材20は、金属材料で形成されたストラップの形態である。
【0085】
図1図3を参照すると、クランプ構成体18が、支持体14上に配設されており、以下で説明する様式で支持体14に締結される。
【0086】
また以下でより詳細に説明するように、次いで物品12が、クランプ構成体18上に配設され、可撓性細長部材20によってクランプ構成体18に取り付けられる。可撓性細長部材20は、クランプ構成体18の一端から延び、物品12に巻き付けられる。可撓性細長部材20は、クランプ構成体18の反対側の端部内に挿入されて戻ってきて、クランプ構成体18内でクランプされる。次いで、締付け要素24(図4参照)を締付け位置に移動させて、可撓性細長部材20を物品12に対して締め付けることができる。
【0087】
図4図7を参照すると、クランプ構成体18は、対向する第1の側面22A及び第2の側面22Bを有する本体22を備える。本体22は、本体22を通して延在する内部空間26を画定している。本体22は、本体22の外部の領域と内部空間26との間の連通をもたらすために、対向する第1の開口構成体28及び第2の開口構成体30を画定している。第1の開口構成体28は、本体22の第1の端部に画定されている。第2の開口構成体30は、本体22の反対側の第2の端部に画定されている。
【0088】
接続装置10は更に、内部空間26内に受容可能なキャリッジ32(図6及び図7参照)を含む。第1の開口構成体28及び第2の開口構成体30は、それぞれ、第1のキャリッジ受容領域29及び第2のキャリッジ受容領域31を有する。
【0089】
キャリッジ32は、図14に具体的に示されており、フレーム35内に係留されたウェッジの形態のクランプ要素34を担持している。クランプ要素34は、クランプ位置(図8及び図10に示す)と非クランプ位置(図13に示す)との間で移動可能である。クランプ要素34のクランプ位置及び非クランプ位置については、以下でより詳細に説明する。
【0090】
接続装置10は、キャリッジ32を本体22に固定するための固定構成体を含む。固定構成体は、キャリッジ32の2つの戻り止め構造36と、本体22の2つの協働構造38とを備え(図4参照)、協働構造38は、戻り止め構造36と協働してキャリッジ32を本体22に固定するように構成されている。
【0091】
キャリッジ32は更に、キャリッジ32の第1の端部37にある戻り止め構造36間に延在する反作用部材40を含む。
【0092】
戻り止め構造36は、キャリッジ32の両側に配置された外側に延在するフック構造の形態である。協働構造38は、本体22の外側に画定された凹部の形態である。凹部は、第1のキャリッジ受容領域29に隣接する本体22の両側に画定されている。
【0093】
キャリッジ32は更に、2つのジグザグばね44の形態の付勢構成体によって反作用部材40に取り付けられた実質的に平面の解放部分42を含む。
【0094】
キャリッジ32が戻り止め構造36によって本体22に固定されると、反作用部材40は、ばね44に反力を加えることができ、それにより、ばね44は、解放部分42を反作用部材40から離れるほうに付勢する。以下で説明するように、このように解放部分を反作用部材40から離れるほうに移動させると、クランプ要素34がそのクランプ位置に付勢される。
【0095】
クランプ要素34は、解放部分42上に設けられている。クランプ要素34は、解放部分42に対して勾配がついたクランプ面46を有する。クランプ面46には、クランプ要素34の可撓性細長部材20の把持を向上させるために歯が設けられている。ばね44は、クランプ要素34の両側に設けられており、解放部分42と反作用部材40との間に延在する。ばね44のジグザグは、解放部分42の平面内に配向される。
【0096】
解放部分42は、キャリッジ32の第2の端部48まで延在し、該第2の端部48に縁部領域49を含む。縁部領域49は、第2の開口構成体30の第2のキャリッジ受容領域31を通って本体22から突出する。
【0097】
縁部領域49は、図8図10、及び図14の矢印Aによって示されるように、解放部分42を反作用部材40のほうに向かって移動させるように使用者によって押圧され得る。以下で説明するように、これは、クランプ要素34を可撓性細長部材20とのクランプ係合から解放することによって、クランプ要素を非クランプ位置(図13に示す)に移動させる効果がある。
【0098】
解放部分42は貫通開口部50を画定しており、その目的については以下で説明する。
【0099】
本体22はまた、第1の開口構成体28の第1のアクセス領域78(図4参照)と、第2の開口構成体30の第2のアクセス領域80(図5参照)とを画定している。第1のアクセス領域78及び第2のアクセス領域80は、可撓性細長部材20の内部空間26へのアクセスを可能にするために設けられている。第1のアクセス領域78は、第1のキャリッジ受容領域29と連通している。第2のアクセス領域80は、第2のキャリッジ受容領域31と連通している。
【0100】
キャリッジ32は更に、クランプ要素34と反作用部材40との間に配置された傾斜構造52を含む。傾斜構造52は、クランプ要素34に隣接してその両側に延在する2つの傾斜部54を備える。
【0101】
本体22は、物品12を保持するためのV字形状の上側保持部分56(図8図11参照)を有する。上側弾性部材58が、保持部分56に接着されている。上側弾性部材58は、保持部分56の形状をとるように変形可能である。
【0102】
上側弾性部材58は、可撓性細長部材20が上側弾性部材58上の物品12に締め付けられるときに、弾性的に圧縮可能である。これは、可撓性細長部材20を物品12に過剰に締め付けることを防止する効果がある。更に、上側弾性部材58は、保持部分56よりも大きい摩擦をもたらし、それによって物品12の長手方向の移動を低減する。
【0103】
本体22は、可撓性細長部材20をクランプ要素34によってクランプすることができるクランプ表面60を含む。可撓性細長部材20は、そのようにクランプされると、クランプ要素34のクランプ面46と本体22のクランプ表面60との間に保持される。本体22はまた、クランプ要素34が可撓性細長部材20をクランプするときにクランプ要素34にクランプ力を与えるためにクランプ要素34に係合するための係合面62を含む。
【0104】
傾斜部54の各々は、可撓性細長部材20をクランプ要素34から出口領域78にガイドするための傾斜面55を有する。図8及び図10に示すように、クランプ要素34がクランプ位置にあるとき、傾斜部54の傾斜面55の各々のほうが、クランプ要素34のクランプ面46よりも、本体22のクランプ表面60から遠くに配設される。
【0105】
反対に、図13に示すように、クランプ要素34を非クランプ位置に移動させると、クランプ要素34のクランプ面46のほうが、傾斜部54の傾斜面55の各々よりも、本体22のクランプ表面60から遠くに配設される。これにより、クランプ要素34が非クランプ位置にあるときに、クランプ面46を可撓性細長部材20から完全に係脱することが可能となる。
【0106】
クランプ表面60は、内部空間26の一部を画定する面である。図8から分かるように、クランプ表面60は、キャリッジ32の解放部分42に対して勾配がつけらている。クランプ表面60は、クランプ要素34のクランプ面46と実質的に同じ角度で延在する。使用中、可撓性細長部材20は、クランプ面46とクランプ表面60との間にクランプ要素34によってクランプされる。
【0107】
締付け要素24が、図12により詳細に示されており、キャリッジ32の解放部分42の上の領域に本体22内に挿入可能なボルトを備える。締付け要素24は、六角形の端部輪郭を有するキー、例えばアレンキーを受容するための六角形凹部66の形態の受容構造を画定するヘッド64を備える。これにより、締付け要素24を、図8及び図9に示す非締付け位置と図10及び図11に示す締付け位置との間で回転させることが可能となる。
【0108】
締付け要素24のヘッド64には、異なる受容構造、例えば、マイナスドライバの端部を受容するスロット、又はフィリップスドライバなどのプラスドライバの端部を受容する十字凹部が設けられてもよい。
【0109】
図8図10、及び図13では、細長部材20が破線で示されている。明確にするために、これらの図では、細長要素20の、本体22に入り出る領域のみが示されている。
【0110】
図12を参照すると、締付け要素24は、位置合わせされた近位部分70及び遠位部分72を有するシャフト68を備え、近位部分70は、シャフト68の近位端に、ヘッド64に隣接して設けられている。遠位部分72は、カム部材74によって近位部分70から離隔されている。カム部材74は、位置合わせされた近位部分70及び遠位部分72からずれている。
【0111】
遠位部分72は、カム部材74からシャフト68の遠位端まで延在する。半径方向に突出するラグ75が、シャフト68の遠位端において遠位部分72に設けられている。
【0112】
図9及び図11は、本体22の第2の側面22Bから見たクランプ構成体18を示す。本体22は、締付け要素24を受容するための貫通ボア69を画定している。貫通ボア69と第2の側面22Bとの間に肩部分77が設けられている。肩部分77は、貫通ボア69の周りに半円状に延在する。
【0113】
細長い凹部79が、肩部分77から第1の側面22Aまで延在する。肩部分77の各端部において、第2の側面にはノッチ領域77A、77Bが設けられており、ラグ75を保持し、それによって締付け要素24を非締付け位置又は締付け位置に保持する。
【0114】
締付け要素24は、ヘッド64が第1の側面22Aと同一平面になる位置まで本体22を通して挿入される。挿入時に、締付け要素は、細長い凹部79がラグ75を受容するように配向され、それによって締付け要素24を貫通ボア69内に受容することが可能となる。締付け要素24は、そのように受容されると、図8及び図9に示す非締付け位置までその主軸を中心として回転される。非締付け位置では、ラグ75は、ノッチ領域77A内に受容される。
【0115】
細長部材20を物品12に締め付けることを望むとき、使用者は、好適なドライバを六角形凹部66に挿入し、締付け要素24をその主軸を中心として非締付け位置から図10及び図11に示す締付け位置に回転させる。締付け位置では、ラグ75は、ノッチ領域77B内に受容される。
【0116】
可撓性細長部材20が物品12に巻き付けられてクランプ要素34によってクランプされたときに、締付け要素24を締付け位置に回転させると、カム部材74が回転して可撓性細長部材20と緊密に係合するようになる。これにより、カム部材74の領域において、可撓性細長部材20を解放部分42に向かって押しやる。この効果は、可撓性細長部材20を物品12の周りに緊密に引き寄せることである。
【0117】
締付け要素24を非締付け位置に回転させると、カム部材74が回転して可撓性細長部材20との係合から外れ、その結果、締付け要素24は、可撓性細長部材20を放し、可撓性細長部材20は、もはや物品12と緊密に係合しなくなる。
【0118】
本体22及び可撓性細長部材20は、可撓性細長部材20の端部領域20A(図27(i)~図29参照)を本体22に取り付けるための対応する取付け構造を含む。可撓性細長部材20の取付け構造は、その端部領域20Aに画定された穴21である。本体22の取付け構造は、本体22内の突出部81である。突出部81は、頂部81Aを有する(図6参照)。
【0119】
本体22は、可撓性細長部材20の端部領域20Aへのアクセスを可能にするために、V字形状の保持部分56に画定されたアクセス開口部83を画定している。対応する開口部83Aが上側弾性部材58に画定されている。対応する開口部83Aは、開口部83と位置合わせされている。
【0120】
アクセス開口部83により、使用者が可撓性細長部材20の端部領域20Aを突出部81上に据えることが可能となる。アクセス開口部83は、第1のアクセス領域78と連通しており、可撓性細長部材20が突出部81から第1のアクセス領域78を通って延びることが可能となる。
【0121】
代替的に、可撓性細長部材20の端部領域20Aは、製造業者によって突出部81上に据えられていてもよい。他の形態の取付け構造を使用してもよいことを理解されたい。
【0122】
使用に際し、可撓性細長部材20の前述の端部領域20Aは、第1のアクセス領域78を通って突出部81の上に送られる。突出部81は、可撓性細長部材20の端部領域20Aに係合する斜面85を有し、該端部領域20Aが突出部81にわたって摺動することが可能となる。次いで、使用者は、アクセス開口部83を介して、可撓性細長部材20の端部領域20Aを操作して端部領域20Aを突出部81の上に配置することができ、その結果、突出部81は、端部領域20Aの穴21を通って受容される。こうして、可撓性細長部材20は、第1のアクセス領域78を介して本体22から出て、本体22から延びる。
【0123】
次いで、物品12が、V字形状の保持部分56に接着された上側弾性部材58上に配置される。次いで、可撓性細長部材20を物品12に巻き付け、第2のアクセス領域80を介して本体22の中に送り戻す。次いで、可撓性細長部材20を、クランプ要素34と本体22のクランプ表面60との間に送る。ばね44は、矢印Aと反対の方向にクランプ要素34を引っ張り、それによって可撓性細長部材20をクランプ要素34とクランプ表面60との間にクランプする。
【0124】
次いで、締付け要素24を、図8に示す非締付け位置から図9に示す締付け位置に回転させる。この回転は、カム部材を可撓性細長部材20に係合させ、可撓性細長部材20を物品12に対して締め付ける。
【0125】
接続装置10は更に、接続装置10を支持体14に締結するための皿ボルト82を備える締結具を含む。ボルト82は、本体22を貫通する開口部84を介して本体22を貫通して延在する。ボルト82にはナット86が設けられ、ボルト82がナット86にねじ込まれると、ナット86は打ち込まれて支持体14の戻り構造16と係合するようになり、それによってクランプ構成体18を支持体14に締結する。
【0126】
ボルト82のヘッドは、六角形の端部輪郭を有するキー、例えばアレンキーの形態の好適なドライバを受容する六角形凹部の形態の受容構造を有する。キャリッジ32の解放部分42を貫通する開口部50により、ドライバがボルト82のヘッドにアクセスでき、ボルト82をナット86にねじ込むことを可能にする。ボルト82には、ナット86と本体22との間に延在する圧縮ばね88が設けられており、ボルト82自体が緩むのを防止する。
【0127】
ボルト82のヘッドには、異なる受容構造が設けられてもよく、例えば、マイナスドライバの端部を受容するスロット、又はフィリップスドライバなどのプラスドライバの端部を受容する十字凹部が設けられてもよい。
【0128】
このように、パイプの形態の物品12を、支柱の形態の支持体14に取り付けることができる接続装置10が説明される。接続装置10は、様々な異なるサイズのパイプを1つの製品に収容することができるので、使用者は、いくつかの異なるサイズの装置をストックする必要がない。接続装置10により、物品をクランプするために使用されるナット及びボルトの数が最小限になる。接続装置10では、2つのねじ/ボルトのみが使用され、すなわち、クランプ装置10を支持体14に締結するためのボルト82と、細長部材20を物品12に締め付けるための締付け要素24とが使用される。加えて、解放部分42の突出している縁部領域を押圧して、クランプ要素34を移動させて細長部材20との係合から外し、それによって細長部材20を解放することができる。
【0129】
本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができる。
【0130】
接続装置10の第2の実施形態が図15図29に示されており、クランプ構成体118を備える。図15図17は、クランプ構成体118を示す。図17は、クランプ構成体118の分解図であり、このクランプ構成体118は、外側カバー部126によって受容される内側主要部124から形成される本体122を備える。外側カバー部126は、外側カバー部126が内側主要部124を受容しているとき、内側主要部124の周りに延在する。
【0131】
クランプ構成体118は、クランプ構成体18の特徴を備える。これらの特徴は、図1図14に示す対応する特徴と同じ参照番号で示される。
【0132】
内側主要部124は、対向する第1の側面124A及び第2の側面124Bと、前面124C及び後面124Dとを有する。内側主要部124は、内部空間26と、対向する第1の開口構成体28及び第2の開口構成体30とを画定している。内側主要部124はまた、第1のキャリッジ受容領域29及び第2のキャリッジ受容領域31と、第1のアクセス領域78及び第2のアクセス領域80とを画定している。
【0133】
外側カバー部126は、V字形状の上側保持部分156上に上側弾性部材158を備える。外側カバー部126は、下方に延在する側壁部分126A、126Bと、前壁部分126C及び後壁部分126Dとを更に含む。
【0134】
内側主要部124が外側カバー部126内に受容されているとき、側壁部分126A、126Bは、内側主要部124の第1の側面124A及び第2の側面124Bを覆って延在する。前壁部分126C及び後壁部分126Dは、前面124C及び後面124Dを覆って延在する。
【0135】
前壁部分126Cは、内側主要部124が外側カバー部126内に受容されたときに第1の開口構成体28の第1のアクセス領域78と位置が合う前方開口178を画定している。
【0136】
後壁部分126Dは、後方凹部131及び後方開口180を画定している。内側主要部124が外側カバー部126内に受容されたとき、後方凹部131は第2のキャリッジ受容領域31と位置が合い、後方開口180は第2の開口構成体30の第2のアクセス領域80と位置が合う。
【0137】
前壁部分126Cには、第1の開口構成体28の第1のキャリッジ受容領域29と位置が合う開口又は凹部がない。このような開口又は凹部がないことの目的については、以下で説明する。
【0138】
第2の実施形態では、ボルト82は内側主要部124を貫通して延在して、クランプ構成体118を支持体14に固定する。内側主要部124は、六角形の端部輪郭を有するキーなどの好適な工具を用いて使用者がボルト82に届くことができるように開口部84を画定している。外側カバー部126は、貫通ボア184Aを画定する中央ボア部分184を含む。中央ボア部分184は、図18図23及び図25に示すように、開口部84を通して延在する。こうして、使用者は、貫通ボア184Aを介して工具を用いてボルト82に届くことができる。
【0139】
図24(i)及び図24(ii)を参照すると、全体が160で示される別バージョンの締付け要素が示されている。締付け要素160は、図12に示す締付け要素24と概ね同じである。
【0140】
図12の締付け要素24の特徴と同じである締付け要素160の特徴は、図24(i)及び図24(ii)において図12と同じ参照番号で示されている。
【0141】
締付け要素160は、半径方向に突出するラグ75が省略されている点で、締付け要素24とは異なる。締付け要素160は、ノーズ部分164を有するカム部材162を備える。締付け要素160は、遠位部分72に位置決め部材172を更に含む。位置決め部材172は、側壁124Bの開口部内に支持されるジャーナルを構成する。
【0142】
内側主要部124は、カム係合面168及び停止部材170を有する係合部分166を含む。停止部材170は、カム係合面168の下縁部から延在する。
【0143】
カム係合面168及び停止部材170は、締付け要素160が、図22及び図25に示す非締付け位置にあるときにノーズ部分164を受容するためのカム受容凹部173をカム係合面168と停止部材170との間に画定している。
【0144】
カム部材162は、ノーズ部分164の反対側に細長い停止凹部174を画定している。締付け要素160が締付け位置にあるとき、停止凹部174は停止部材170を受容し、それによって締付け要素160が、図23に示す締付け位置を越えて回転することを阻止する。
【0145】
カム部材162及び内側主要部124は、締付け要素160を非締付け位置に係止するための係止構造を備える。係止構造は、カム部材162によって画定された2つの窪み175を備える。窪み175は、カム部材162によって画定された細長い停止凹部174の両端部に画定されている。
【0146】
係止構造は更に、内側主要部124に2つの突起176を含み得る(図20及び図21参照)。突起176は、内側主要部124の両側124A、124Bに配置されている。
【0147】
突起176は、締付け要素160がその非締付け位置にあるときに窪み175内に受容され、それによって締付け要素160を非締付け位置に係止する。
【0148】
更なる修正例は、キャリッジ132を備える(図26参照)。キャリッジ132は、クランプ構成体18又は118のいずれかと共に使用することができるが、クランプ構成体118と共に使用した状態で示されている。キャリッジ132は、キャリッジ32と同様であり、クランプ要素34を担持している。
【0149】
キャリッジ132は、以下で説明するように、外側カバー部126によって本体122の内側主要部124に固定される。
【0150】
ジグザグばね144の形態の付勢構成体が設けられている。キャリッジ132は、傾斜部54にわたって延在する反作用部材140を含む。
【0151】
キャリッジ132は、外側カバー部126の前壁部分126Cによって内側主要部124内に保持される。前壁部分126Cは、第1の開口構成体28の第1のキャリッジ受容領域29において反作用部材140を覆って延在する。該第1のキャリッジ受容領域29と位置合わせされた開口部又は凹部が前壁部分126Cにないことにより、キャリッジ132が内側主要部124から取り外されることが防止される。
【0152】
前壁部分126Cはまた、反作用部材140のための当接部をもたらし、それによって反作用部材140がばね144に対して反力を加えることが可能となる。
【0153】
キャリッジ132は更に、クランプ要素34が取り付けられた解放部分142を含む。クランプ要素34は、フレーム135内に係留されている。
【0154】
解放部分142は、ばね144によって反作用部材140に接続されている。ばね144は、クランプ要素34と位置合わせされており、解放部分142の平面外に配向されている。解放部分42は貫通開口部50を画定している。
【0155】
内側主要部124は、可撓性細長部材20をクランプするためのクランプ表面60及び係合面62を含む。突出部81は、内側主要部124内に設けられている。突出部は、可撓性細長部材20の端部領域20Aがそれに沿って摺動することができる傾斜面85を有する。
【0156】
図17を参照すると、内側主要部124は、可撓性細長部材20が突出部81上に据えられたときに可撓性細長部材20の端部領域20Aへのアクセスを可能にするためのアクセス開口部83を画定している。対応する内側開口部83Bが、外側カバー部126に、上側弾性部材158を貫通して画定されている。内側開口部83Bは、開口部83と位置が合わせされている。
【0157】
外側カバー部126はまた、開口部83と位置合わせされた2つの外側開口部83Cを画定している。外側カバー部126はまた、2つの細長い偏向構造を有し、各偏向構造は、内側開口部83Bと外側開口部83Cとの間にある偏向リブ190の形態である。
【0158】
各リブ190は、下縁部190Aを有する(図30参照)。リブ190は、突出部81の両側に開口部83を通して保持部分156から下方に延在する。リブ190は、各リブ190の下縁部190Aが突出部81の頂部と実質的に同じ高さであるように配置されている。
【0159】
図27(i)~図27(vi)は、可撓性細長部材20の端部領域20Aを内側主要部124内に送り込み、可撓性細長部材20の端部領域20Aの穴21に突出部81を受容するための手順を示す。
【0160】
図27(i)では、可撓性細長部材20は、第1の開口構成体28の第1のアクセス領域78と整列している。図27(ii)では、可撓性細長部材20は、第1のアクセス領域78を介して内側主要部124内に送り込まれている。端部領域20Aにおける可撓性細長部材20の端縁部は、突出部81の斜面85に係合している。
【0161】
図27(iii)は、内側主要部内124に更に送り込まれた可撓性細長部材20を示す。これにより、端部領域20Aを斜面85に沿って上方に変形させる。可撓性細長部材20を内側主要部124内に更に移動させると、可撓性細長部材20の端縁部20Bが移動して各リブ190の下縁部190Aと係合するようになる(図27(iv))。
【0162】
可撓性細長部材20を斜面85に沿って更に押していくと、端部領域20Aにおける縁部領域20Cは、リブ190によって突出部81の周りで下方に変形する。これについて図27(v)に示す。図28は、図27(v)に示す図の側面斜視図である。
【0163】
図27図29は、可撓性細長部材20の端部領域20Aの変形を示す。図30は、突出部81及びリブ190を破線で概略的に示す。
【0164】
図27図29は、端部領域20Aが斜面85に沿って移動することによって生じる端部領域20Aの上方への変形を示す。それら図はまた、リブ190によって引き起こされる、突出部81の周りでの縁部領域20Cの下方への変形を示す。
【0165】
細長部材20を内側主要部124内に更に送り込むと、穴21が突出部81の頂部81Aの上に押し進められる。端部領域20Aは、突出部81が穴21によって受容されると、突出部81を下方に移動する。こうして、細長部材20が内側主要部124に取り付けられる。
【0166】
上述のように、リブ190の下縁部190Aは、突出部81の頂部と実質的に同じ高さである。このため、突出部81を穴21に受容して端部領域20Aを突出部81の上に装着すると、端部領域20Aは、リブ190によって突出部81から外れることが防止される。
【0167】
内側主要部124及び外側カバー部126は、第1の側面124A及び第2の側面124Bの下縁部にある複数のフィン192と、側壁部分126A、126Bの下縁部に画定された複数の対応する陥凹部194とを備える、協働添着構造を備える。添着構造は、側壁部分126Aの下縁部にスナップフィット部材194を更に含む。スナップフィット部材194は、フィン192間で第1の側面124A及び第2の側面124Bの下縁部に係合するように配置される。内側主要部124が外側カバー部126内に受容されると、フィン192は陥凹部194内に受容され、スナップフィット部材が第1の側面124A及び第2の側面124Bの縁部の下に係合し、それによって外側カバー部126を内側主要部124に添着する。
【0168】
使用中、クランプされた物品12の重量及び/又は可撓性細長部材20によって加えられるクランプ力により、外側カバー部126と内側主要部124が互いにしっかりと添着されることが確実になる。
【0169】
図15図29に示す実施形態の特徴の多くは、図1図14に示す実施形態で使用することができ、逆もまた同様である。例えば、キャリッジ32は、内側主要部124に適切な変更を加えてクランプ構成体118と共に使用してもよいし、又はキャリッジ132は、本体22に適切な変更を加えてクランプ構成体18と共に使用してもよい。別の例として、締付け要素24は、内側主要部124に適切な変更を加えてクランプ構成体118と共に使用してもよいし、又は締付け要素160は、本体22に適切な変更を加えてクランプ構成体18と共に使用してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24(i)】
図24(ii)】
図24(iii)】
図25
図26
図27(i)】
図27(ii)】
図27(iii)】
図27(iv)】
図27(v)】
図27(vi)】
図28
図29
図30
図31
図32
【国際調査報告】