(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】フリップフロースクリーン機械
(51)【国際特許分類】
B07B 1/28 20060101AFI20220706BHJP
B07B 1/42 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
B07B1/28 Z
B07B1/42 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021504170
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(85)【翻訳文提出日】2021-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2020062023
(87)【国際公開番号】W WO2020225091
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】102019003163.6
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521029818
【氏名又は名称】ハイン、レーマン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】シュトックホ-ヴェ アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ヘッフェ マンフレート
【テーマコード(参考)】
4D021
【Fターム(参考)】
4D021AA01
4D021CA04
4D021CA07
4D021CB12
(57)【要約】
本発明は、スクリーンパネルを担持する横支持体を有するフリップフロースクリーン機械に関する。横支持体は、ふるい分けされる材料が搬送される方向の横方向で、スクリーン機械側壁の間に配置され、少なくとも全ての第2横支持体は、スクリーンパネルを交互に圧縮及び延伸するために、横支持体の長手方向軸に対し横方向の動きで揺動及び/又は振動を行う動力付き横支持体であり、各動力付き横支持体は、その長さの大部分にわたって、又はその全長にわたって、機械側壁の間に別個の揺動駆動部又は振動駆動部を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンパネルを担持する横支持体(4a、4b)を有するフリップフロースクリーン機械(1)であって、
前記横支持体は、ふるい分けされる材料が搬送される方向(F)に対し横方向で、スクリーン機械側壁(2、3)の間に配置され、
少なくとも全ての第2横支持体(4a)は、前記スクリーンパネルを交互に圧縮及び延伸するために、前記横支持体の長手方向軸に対し横方向の動きで揺動及び/又は振動を行う動力付き横支持体であり、
前記動力付き横支持体の各々は、その長さの大部分にわたって、又は全長にわたって、別個の揺動駆動部又は振動駆動部を前記機械側壁の間に有することを特徴とするフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項2】
前記動力付き横支持体(4a)は、前記スクリーン機械側壁(2、3)と弾力性カップリングによって接続され、追加の円/楕円揺動及び/又は直線揺動が、前記スクリーンパネルに伝達されるか、又は前記スクリーンパネル及び前記機械側壁に伝達されることを特徴とする請求項1に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項3】
前記動力付き横支持体(4a)の各々は、前記横支持体の長手方向に延びる外側管状ケーシング(5)を有し、前記ケーシングの内部空間には、揺動及び/又は振動を発生させる駆動部、特に電気アンバランスモータ(6)が収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項4】
前記管状ケーシング(5)は、前記スクリーン機械における前記2つの側壁(2、3)の間に延びていることを特徴とする請求項3に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項5】
前記動力付き横支持体(4a)の各々は、その内部にアンバランス管状モータ又は振動管状モータを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項6】
前記アンバランス管状モータは、前記横支持体の長手方向軸に平行なモータシャフト(7)を示し、前記シャフトに前記横支持体の長さの大部分にわたって延びるアンバランス体(8)が配置されていることを特徴とする請求項5に記載のフリップフロースクリーン機械。
【請求項7】
前記モータシャフトの形状は、前記アンバランス質量(8)が前記モータシャフト(7)と一体化され、動作中に不釣合い力/遠心力を生成するように設計されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項8】
前記横支持体(4a)の各々は、その両端に揺動又は振動を発生させる電動モータ(6)をそれぞれ示し、前記アンバランス体(8)が前記モータ間の単一モータシャフト上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項9】
前記横支持体の前記アンバランス体(8)は、前記横支持体における前記2つのモータ(6)の間にある中間空間に延びていることを特徴とする請求項8に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項10】
前記スクリーン機械は、それぞれ2つのスクリーン機械側壁(2、3)を有する個々のモジュールに分割され、少なくとも1つの動力付き横支持体(4a)と少なくとも1つの動力無し横支持体(4b)が、前記スクリーン機械側壁の間に延びていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項11】
前記スクリーン機械側壁(2、3)は、その長さにわたって一定の高さを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項12】
前記スクリーン機械はモジュール設計を有し、それらモジュールがダブルデッキ機械又はマルチデッキ機械に結合されることを特徴とする請求項11に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項13】
前記横支持体及び側壁の代わりに、前壁及び後壁を有する長手方向支持体が用いられ、
前記長手方向支持体が、スクリーニング及び材料の流れ方向に対し横方向に揺動を行うことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項14】
前記横支持体又は長手方向支持体は、位相の異なる動作において、異なる動き、特に反対方向の動きを行うことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項15】
前記横支持体及び/又は長手方向支持体は、異なる振幅で駆動されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【請求項16】
前記動力付き横支持体の位相が異なる動作において、前記機械上の前記ふるい分けされる材料の搬送挙動に影響を与える、選択的な揺動モードが設定されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のフリップフロースクリーン機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンパネルを担持する横支持体を有するフリップフロースクリーン機械に関するものであり、横支持体は、ふるい分けされる材料が搬送される方向に対し横方向で、スクリーン機械側壁の間に配置され、少なくとも全ての第2横支持体は、スクリーンパネルを交互に圧縮及び延伸するために、横支持体の長手方向軸に対し横方向の動きを伴う揺動及び/又は振動を行う動力付き横支持体である。
【背景技術】
【0002】
フリップフロースクリーン機械(特許文献1、2)は、2つのカテゴリ:正転駆動式フリップフロースクリーン機械と、アンバランス駆動式フリップフロースクリーン機械とに分類される。正転駆動式スクリーン機械では、その動きは通常、偏心軸により正方向に強制的に行われる。このプロセスでは、両方のスクリーン機械システムの側壁が長手方向軸に沿って反対方向に直線運動を行う。
【0003】
アンバランス駆動式フリップフロースクリーン機械では、アンバランスシャフトが機械に円振動又は直線振動を引き起こす。追加的に結合された質量スプリングシステムは、スクリーンパネルを張るために使用される張力シャフトの間で相対的な動きを引き起こすように、より高い振幅で振動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 35 21 753 C2
【特許文献2】EP 978 327 B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の種類のアンバランス駆動式フリップフロースクリーン機械を改良し、シンプルな構造とデザインを軽量で小型の外形寸法で組み合わせ、モジュール設計を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、動力付き横支持体の各々が、その長さの大部分にわたって、又はその全長にわたって、機械側壁の間に別個の揺動駆動部又は振動駆動部を有することによって達成される。
【0007】
側壁に取り付けられた横支持体は、固定支持体及び可動支持体として交互に実施される。可動な横支持体は、スクリーンマットを固定するためだけでなく、さらに振動駆動部を収容するためにも使用される。適切な駆動部としては、例えばアンバランス管状モータなどが考えられる。この設計では、横支持体は、大きなアンバランス駆動部と移動された側壁による励振無しで、直接揺動される。
【0008】
この揺動の一部は、弾力性カップリングを介して側壁に伝達され、本機械に追加の円/楕円揺動、又は直線揺動を行わせる。
【0009】
この設計には多くの利点がある。
- 複数の駆動部が本機械の長さにわたって分散されているため、力の印加が複数箇所で生じ、側壁の高さと必要な振動剛性が大幅に低減される。
- 機械の軽量化により、総駆動力が低下し、エネルギー消費量が削減される。
- 駆動部は密閉されているため、安全装置を省略することができ、また、外部から可動部にアクセスできない設計のため、事故危険性を効果的かつ完全に排除できる。
- 横方向にモータを配置する必要がないため、構造体の幅を小さくできる。
- 機械の長さに関係なく、複数の力の印加により、側壁の片勾配(superelevation)は不要である。
- より低く一定の全高を有する側壁の均一な設計とサイズは、モジュールの使用を可能にする。複数の機械は部品を加えることによって、より大きい機械に結合できる。
- ダブルデッキ機械、又はマルチデッキ機械への結合も可能である。
- モジュール設計により、その後の機械サイズの変更も可能であり、柔軟な適応は資源の節約につながる。
【0010】
本発明の好ましいさらなる発展は、従属請求項に記載されている。
【0011】
本発明の実施形態を図に模式的に示し、以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】2つの動力付き横支持体と3つの動力無しの横支持体とを有するフリップフロースクリーン機械の透視図(スクリーンパネル/スクリーンマットは不図示)である。
【
図2】機械側壁間にあるアンバランス管状モータの軸方向断面図である。
【
図3】モジュール設計されたフリップフロースクリーン機械の側面図であり、スクリーン機械モジュールが隣り合って配置されるか、又は上下に配置されている図である。
【
図4】3つの異なるサイズのスクリーン機械モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
フリップフロースクリーン機械(フリップフローふるい分け機械)1は、2つの平行で垂直方向の機械側壁2、3を有し、その間にスクリーンパネル、特にスクリーンマットを担持する横支持体4a、4bが支えられている。それら横支持体の好ましい水平方向の長手方向軸は、側壁に対して垂直である。全ての第2横支持体4aは、円運動又は直線運動、特に揺動(oscillation)を行う一方、それらの間に配置された横支持体4bは駆動されないので、動作中、横支持体4a、4bの間の距離が交互に増減する。その結果、それら横支持体の間に固定されたスクリーンパネル、特にスクリーンマットは伸縮され、スクリーン孔を詰まらせない。
【0014】
最先端技術によれば、動力付き横支持体は、それら横支持体が一方の側壁を通って延び、そこで駆動部に接続されることで、側壁の外側で動力が供給される。本発明の教示によれば、各々の動力付き横支持体4aは、その横支持体の内部に収容された別個の駆動部を有する。したがって、全ての動力付き横支持体は、それぞれ、その長さの大部分にわたって、又はその全長にわたって、機械側壁の間に揺動又は振動駆動部を有する。この点において、各動力付き横支持体は、横支持体の長手方向に延びる外側管状ケーシング5を有し、そのケーシングの内部空間は、揺動及び/又は振動を発生させる駆動部を収容し、特に、シャフト7を有する電気アンバランスモータ6、偏心器8、シャフトベアリング9、側方ゴム要素10、及び側方フランジ板12を収容する。管状ケーシング5は、スクリーン機械の2つの側壁2、3の間に延びている。側壁との結合部は、剛体要素であるか、又は可撓性ゴムカップリングによって確立されている。
【0015】
したがって、各動力付き横支持体は、アンバランス管状モータ又は振動管状モータを内部に有する。アンバランス管状モータは、横支持体の長手方向軸に平行なモータシャフト7を有し、そのシャフト上に横支持体の長さの大部分に亘って延びる、偏心器8の形のアンバランス体が配置されている。モータシャフトの形状は、アンバランス質量がモータシャフトに組み込まれ、運転中に不釣合い力/遠心力を生成するように設計されている。
【0016】
図2に示す設計において、各動力付き横支持体は、その両端のそれぞれに揺動又は振動を発生させる電動モータを示し、アンバランス体/偏心器8が、それらモータ間の単一モータシャフトに配置されている。横支持体のアンバランス体は、横支持体の2つモータ間の中間空間に延びている。
【0017】
さらなる実施形態において、横支持体は弾力性カップリングによってスクリーン機械側壁と接続されており、追加の円/楕円揺動、及び/又は直線揺動が、スクリーンパネルに伝達されるか、又はスクリーンパネルと機械側壁に伝達される。
【0018】
好ましくは、フリップフロースクリーン機械はモジュール設計を有し、それらモジュールは、ダブルデッキ機械又はマルチデッキ機械に結合される。モジュールはそれぞれ、2つのスクリーン機械側壁を有し、少なくとも1つの動力付き横支持体と少なくとも1つの動力無し横支持体がそれらの間に延びている。この点で、スクリーン機械側壁は、その長さにわたって一定の高さを有することが有利である。
【0019】
さらなる実施形態では、横支持体及び側壁の代わりに、前壁及び後壁を有する長手方向支持体が使用され、その長手方向支持体が、スクリーニング及び材料の流れ方向の横方向に揺動を行う。横支持体、又は長手方向支持体は、位相の異なる動作において、異なる動き、特に反対方向の動きを行ってもよい。さらに、横支持体及び/又は長手方向支持体が異なる振幅で給電(駆動)されると有利である。動力付き横支持体の位相が異なる動作では、機械上のふるい分けされる材料の搬送挙動に影響を与える、選択的な揺動モードが設定される。
【符号の説明】
【0020】
1 フリップフロースクリーン機械
2、3 機械側壁
4a 動力付き横支持体(第2横支持体)
4b 横支持体
5 管状ケーシング
6 電気アンバランスモータ
7 モータシャフト
8 偏心器
9 シャフトベアリング
10 側方ゴム要素
12 側方フランジ板
【国際調査報告】