(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】迅速滑り出し型屋外用具ポーチ
(51)【国際特許分類】
A45F 3/00 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
A45F3/00 500
A45F3/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536754
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2021-06-22
(86)【国際出願番号】 IB2020054562
(87)【国際公開番号】W WO2020234700
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521273248
【氏名又は名称】イースト ギア(インターナショナル) コープ. リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】フン, クウォク ピン
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045CE08
3B045EA06
3B045GA04
3B045LA10
3B045LB02
3B045LB04
(57)【要約】
内容物を収容するためのポーチ本体を含む、迅速滑り出し型屋外用具ポーチであって、内容物を取り出すための開口部はポーチ本体の最上部に配置され、ポーチカバー2の後端は、ポーチ本体に接続され、かつ開口部を覆うために回転可能であり、スライド式バンド1が設けられ、スライド式バンド1の端部は接続箇所6を介してポーチ本体の内側に接続され、接続箇所6は、ポーチカバー2への接続側のポーチ本体の内側に位置し、スライド式バンド1の通過用貫通口5は、接続箇所6の反対側のポーチ本体側に設けられる。スライド式バンド1の前端は、折り畳まれた後、保持部分3に挿入可能である。本発明により、用具の取り出しが早くなり、かつ緊急の状況時に用具を取り出す適時性を改善可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容するためのポーチ本体を含む、迅速滑り出し型屋外用具ポーチであって、
前記内容物を取り出すための開口部は前記ポーチ本体の最上部に配置され、ポーチカバーの後端は、前記ポーチ本体に接続され、かつ前記開口部を覆うために回転可能であり、
スライド式バンドが設けられ、前記スライド式バンドの端部は接続箇所を介して前記ポーチ本体の内側に接続され、前記接続箇所は、前記ポーチカバーへの接続側の前記ポーチ本体の前記内側に位置し、前記スライド式バンドの通過用貫通口は、前記接続箇所の反対側の前記ポーチ本体側で開放され、保持部分は、前記ポーチカバーの前端の外側に設けられ、かつ少なくとも上部入口を有し、前記スライド式バンドの前端は折り畳まれた後前記保持部分に挿入可能である、迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【請求項2】
ポーチ本体締め紐は前記ポーチ本体の外側で前記貫通口より上に設けられ、前記スライド式バンドは前記ポーチ本体締め紐と前記ポーチ本体との間を通ることができる、請求項1に記載の迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【請求項3】
第1の固定構造部は前記ポーチカバーの前記保持部分の外側に設けられ、前記スライド式バンドは前記第1の固定構造部に対応する位置に第2の固定構造部を備え、前記第1の固定構造部および前記第2の固定構造部は、係止構造部を形成するために整合する、請求項1に記載の迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【請求項4】
前記第1の固定構造部はベルクロテープ雄部であり、前記第2の固定構造部はベルクロテープ雌部である、または前記第1の固定構造部はベルクロテープ雌部であり、前記第2の固定構造部はベルクロテープ雄部である、請求項3に記載の迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【請求項5】
前記第2の固定構造部は、折り畳み可能でありかつ前記第2の固定構造部を妨げることができる折り畳み式遮蔽部に接続される、請求項3に記載の迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【請求項6】
前記第1の固定構造部は、折り畳み可能でありかつ前記第1の固定構造部を妨げることができる折り畳み式遮蔽部に接続される、請求項3に記載の迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【請求項7】
前記保持部分に挿入される前記スライド式バンドの一部は剛性板を備える、請求項1に記載の迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【請求項8】
前記スライド式バンドの前記前端は、前記保持部分から突出する取っ手に接続される、請求項1に記載の迅速滑り出し型屋外用具ポーチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は用具ポーチに関し、とりわけ、内容物が迅速に取り出し可能である迅速滑り出し型屋外用具ポーチに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外用具ポーチは、軍事用ディスプレイに、または野外活動愛好家による小さい用具の運搬に適した吊り下げ袋であり、一般的に使用者の腰回りに吊り下げられる。構造的に、屋外用具ポーチは、少なくとも、内容物を収容するためのポーチ本体、および内容物が誤って落下しないようにするためのポーチカバーを含む。
【0003】
このような既存の屋外用具ポーチについて、内容物が落下しないようにするために、ポーチカバーは一般的に、ポーチカバーおよびポーチ本体が係合状態にあるような特定の係止構造部を有する必要がある。係止機能が満たされる時、内容物を迅速に取り出す利便性が犠牲になる。内容物を取り出す動きは簡易ではない。使用者は、最初にポーチカバーの係止機能を解除して開放した後、内容物を取り出す必要がある。この動きは統一性のあるものではない。特に、使用者が、戦闘中にまたは厳しい屋外の条件下で片手で操作する必要がある時、既存の製品の弱点がより明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって解決される主な技術的問題は、迅速滑り出し型屋外用具ポーチを提供することであり、このポーチは、先行技術のものよりも用具の取り出しが早く、かつ緊急の状況時に用具を取り出す適時性を著しく改善可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によって採用される技術的手段は以下のようになる。内容物を収容するためのポーチ本体を含む、迅速滑り出し型屋外用具ポーチが提供される。内容物を取り出すための開口部はポーチ本体の最上部に配置される。ポーチカバーの後端は、ポーチ本体に接続され、かつ開口部を覆うために回転可能である。スライド式バンドが設けられ、スライド式バンドの端部は接続箇所を介してポーチ本体の内側に接続され、接続箇所は、ポーチカバーへの接続側のポーチ本体の内側に位置する。スライド式バンドの通過用貫通口は、接続箇所の反対側のポーチ本体側で開放される。保持部分は、ポーチカバーの前端の外側に設けられ、かつ少なくとも上部入口を有し、スライド式バンドの前端は折り畳まれた後保持部分に挿入可能である。
【0006】
ポーチ本体締め紐はポーチ本体の外側で貫通口より上に設けられ、スライド式バンドはポーチ本体締め紐とポーチ本体との間を通ることができる。
【0007】
第1の固定構造部はポーチカバーの保持部分の外側に設けられ、スライド式バンドは第1の固定構造部に対応する位置に第2の固定構造部を備え、第1の固定構造部および第2の固定構造部は、係止構造部を形成するために整合する。
【0008】
第1の固定構造部はベルクロテープ雄部であり、第2の固定構造部はベルクロテープ雌部である、または第1の固定構造部はベルクロテープ雌部であり、第2の固定構造部はベルクロテープ雄部である。
【0009】
第2の固定構造部は、折り畳み可能であり、かつ第2の固定構造部を妨げることができる折り畳み式遮蔽部に接続される。
【0010】
第1の固定構造部は、折り畳み可能であり、かつ第1の固定構造部を妨げることができる折り畳み式遮蔽部に接続される。
【0011】
保持部分に挿入されるスライド式バンドの一部は剛性板を備える。
【0012】
スライド式バンドの前端は、保持部分から突出する取っ手に接続される。
【0013】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0014】
1.本発明によって提供される迅速滑り出し型屋外用具ポーチは片手で便利に操作可能である。全工程は上方に引っ張る動きを必要とするだけである。用具を取り出すために両手による操作は必要ではない。手の簡易な上方への動きによって、ポーチカバーを開放することができ、内容物を容易に取り出せる位置まで持ち上げることができる。柔軟な指の操作もまた必要ではない。
【0015】
2.本発明によって提供されるポーチカバーは、ベルクロテープまたはマグネットなどのバックル(例えば、ボタン)なしの仕組みの設計を採用することができる。ポーチにある物品を迅速にかつ静かに取り出すことができる。ポーチ全体は、可搬性かつ静音の効果を達成するために織物から作られてもよい。
【0016】
3.ポーチの内部空洞は、補助部品を使用せず、かつ主にスライド式バンドを引っ張ることによって用具をポーチ開口部から持ち出すことで、ポーチの内部空洞のための最大格納空間が保たれる。
【0017】
4.安全な係止の機能と協働して、取り出す動きは一方向に限定されない。本発明によって提供される迅速滑り出し型屋外用具ポーチは、複数の角度で使用可能であり、かつ非常に利便性がある。
【0018】
5.用具ポーチの外観はこざっぱりとしており、スライド式バンドの部位全ては、異なる構成部品で締められ、用具ポーチは、異物が引っ掛かる場合に誤って開放されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明によって提供される迅速滑り出し型屋外用具ポーチの、ポーチカバーが閉じられた状態である三次元構造の模式図である。
【
図2】本発明によって提供される迅速滑り出し型屋外用具ポーチの、ポーチカバーが閉じられた状態である立体構造の模式図である。
【
図3a】本発明によるスライド式バンドによってポーチカバーを開放する工程を示す立体構造の模式図である。
【
図3b】本発明によるスライド式バンドによってポーチカバーを開放する工程を示す立体構造の模式図である。
【
図3c】本発明によるスライド式バンドによってポーチカバーを開放する工程を示す立体構造の模式図である。
【
図3d】本発明によるスライド式バンドによってポーチカバーを開放する工程を示す立体構造の模式図である。
【
図4a】本発明による保持部分3内のスライド式バンドの立体構造の模式図である。
【
図4b】本発明の代替的な実施形態による遮蔽部を使用する工程を示す立体構造の模式図である。
【
図4c】本発明の代替的な実施形態による遮蔽部を使用する工程を示す立体構造の模式図である。
【
図4d】本発明の代替的な実施形態による遮蔽部を使用する工程を示す立体構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1および
図2に示されるように、本発明は、内容物を収容するためのポーチ本体Aを含む迅速滑り出し型屋外用具ポーチを提供し、内容物を取り出すための開口部はポーチ本体Aの最上部に配置され、ポーチカバー2がさらに提供され、ポーチカバー2の後端はポーチ本体Aに接続され、かつ開口部を覆うために回転可能である。要点はスライド式バンド1が設けられることであり、スライド式バンド1の端部は接続箇所6を介してポーチ本体Aの内側に接続され、接続箇所は典型的には、縫製方法を採用する。当然ながら、接合およびバックル締めなどの他の一般的な接続方法も採用可能である。接続箇所6は、ポーチカバー2への接続側のポーチ本体の内側に位置する。接続箇所は、一般的に、図に示されるように、ポーチ本体の中間よりわずかに高い位置に配置され、かつ必要に応じて調節可能である。
【0021】
スライド式バンド1の通過用貫通口5は、接続箇所6の反対側のポーチ本体側で開放される。スライド式バンド1は貫通口を通過する。
【0022】
保持部分3は、ポーチカバー2の前端の外側に設けられ、かつ少なくとも上部入口31を有し、スライド式バンド1の前端は、折り畳まれた後保持部分3に挿入可能である。保持部分3は、3つの側部で閉鎖されかつ最上部に入口を有する構造、または左側および右側で閉鎖され、かつスライド式バンドが折り畳み後保持部分3で受けられ得る限り上から下まで貫通している構造であってよい。
【0023】
さらに、ポーチ本体締め紐4は、ポーチ本体Aの外側で貫通口5より上に設けられてよく、スライド式バンドは、ポーチ本体締め紐4とポーチ本体Aとの間を通ることができ、ポーチ本体締め紐4は、スライド式バンドを固定しかつ案内する役割を果たし得る。
【0024】
図2および
図4aに示されるように、ポーチカバーを安全に係止する機能を達成するために、第1の固定構造部21がポーチカバー2の保持部分3の外側に設けられ、スライド式バンド1は第1の固定構造部21に対応する位置に第2の固定構造部10を備え、第1の固定構造部21および第2の固定構造部10は、係止構造部を形成するために整合する。添付の図面の一実施形態では、第1の固定構造部21はベルクロテープ雄部であり、第2の固定構造部10はベルクロテープ雌部である、または第1の固定構造部21はベルクロテープ雌部であり、第2の固定構造部10はベルクロテープ雄部である。第1の固定構造部21および第2の固定構造部10は固定され、かつ互いに接続されるため、スライド式バンド1が保持部分に挿入される時、第1の固定構造部および第2の固定構造部は(
図2に示されるように)係止を実現するために互いに接合されることで、ポーチカバーを安全に係止し、およびポーチカバーが誤って解放されないように、かつ内容物が落下しないようにする機能が達成される。この実施形態におけるベルクロテープに加えて、第1の固定構造部および第2の固定構造部はまた、マグネット、スナップファスナー、フック、および留め金などの他の既存の接続方法を採用してよい。
【0025】
図4c~
図4dに示されるように、本発明によって提供される第2の固定構造部10は、折り畳み可能であり、かつ第2の固定構造部10を妨げることができる折り畳み式遮蔽部101にさらに接続されてよい。例えば、第2の固定構造部をベルクロテープとすると、遮蔽部は、折り畳み可能であり、かつ第2の固定構造部を妨げることができ、この場合、第1の固定構造部および第2の固定構造部の係止機能は作用しない。係止機能は作用しないが、スライド式バンドは確実に、より静かにかつ滑らかに引っ張られ、種々の機会に適しており、かつ使用者により独立したオプションを与える。
図4bでは、
図4aにおける第2の固定構造部10はベルクロテープに変更され、ベルクロテープの半分は閉塞ベルクロテープ表面であり、もう半分は遮蔽部である。遮蔽部は、折り畳まれない時、
図4bに示されるように、安全な係止の機能を実現するためにポーチカバーの第1の固定構造部で依然封鎖可能である。
図4cおよび
図4dに示されるようなもう半分である遮蔽部が折り畳まれかつベルクロテープを妨げる時、スライド式バンドはポーチカバーでふさがれることはなく、換言すれば、より早くかつより静かに用具を取り出す方法がもたらされる。この実施形態および添付の図面における遮蔽部は、第2の固定構造部を妨げる。当然ながら、遮蔽部はまた、第1の固定構造部を妨げるために第1の固定構造部に配置されてよく、このことはここでは詳述しない。
【0026】
保持部分3に挿入されるスライド式バンド1の一部分は剛性板7を備える。剛性板は、厚紙、軟質ゴムシート、またはPP板であってよく、かつ、スライド式バンドの内部に、または、図に示されるように、この一部を堅固にし、かつスライド式バンドが保持部分内に容易に挿入されるようにスライド式バンドの外部に縫製されてよい。さらに、剛性板が一定の厚さを有するため、スライド式バンドは保持部分の内側に押し付けられてよい。
【0027】
スライド式バンド1を容易に引っ張るために、スライド式バンド1の前端は、保持部分3から突出する取っ手8に接続されてよい。
【0028】
本発明によって提供される用具ポーチ全体のみならず、対応するスライド式バンドおよび他の構成部品は、特殊な材料構造によって、本発明によって提供される用具ポーチが高耐摩耗性および高耐引裂性を持つことができる、CORDURA(登録商標)ナイロン織物から作られ得る。さらに、該材料は、軽量で軟質であり、耐水性、可搬性があり、洗浄が簡単で、色は容易に変化せず、耐用年数を大幅に増大させる。該用具ポーチによって、戦場または事故での緊急救助の適時性が著しく改善され、かつ用具の取り出しおよび受け入れがかなり容易になる。
【0029】
本発明の特定の操作モードは
図3a~
図3dに示されるようなものになる。
【0030】
図3aに示されるように、最初にスライド式バンド1はポーチカバー2をわずかに開放するために持ち上げられる。
【0031】
図3bに示されるように、スライド式バンド1は、保持部分3より上から部分的に外され、スライド式バンドを持ち上げる動きによってポーチカバーは開放され続ける。その間に、スライド式バンドは内容物を持ち上げるためにポーチ内では短くなる。内容物が持ち上げられることは同時に、開放されたポーチカバーを押し付けるのに役立ち得る。
【0032】
図3cに示されるように、スライド式バンドは持ち上げられ続け、かつ保持部分3より上から完全に外されることで、スライド式バンド内のベルクロテープは、ポーチカバーの前部でベルクロテープから分離されてポーチカバーの係止機能を解除する。その間に、ポーチの内部空洞における内容物は、ポーチにおけるスライド式バンドが最小限に短くなるまで持ち上げられ続ける。
【0033】
図3dに示されるように、内容物は所定の位置まで持ち上げられ、内容物の最上部はポーチカバーを押し開け、かつポーチの内部空洞から露出する。ここで使用者はもう片方の手で物体を取り出すことができる。代替的には、軽量の物体が取り出される時、スライド式バンド1、開口部5、およびポーチ本体締め紐4の間の摩擦抵抗によって内容物を支えることができる。この場合、スライド式バンドをおろすことができ、内容物は、所定の高さで維持されることになり、片手で取り出されて、ポーチを開放しかつ内容物を片手で取り出す動きを完了することができる。
【国際調査報告】