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特表2022-532037眼内に物体をエレクトロポレーションする為の針挿入デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】眼内に物体をエレクトロポレーションする為の針挿入デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
A61F9/007 130J
A61F9/007 200B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563227
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(85)【翻訳文提出日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2020061481
(87)【国際公開番号】W WO2020216915
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】19171399.9
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521463311
【氏名又は名称】アイヴェンシス
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(72)【発明者】
【氏名】ラフィット,ジャン-ドニ
(72)【発明者】
【氏名】ベーハー-コーエン,フランシーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ムホー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】カボー,フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,ジェローム ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】クラフト,トラヴィス マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コ,ベンジャミン リー
(72)【発明者】
【氏名】シューベルト,ジェイコブ ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】オールド,マイケル ディー
(57)【要約】
本発明は、デバイスであって、
支持体基部(10)を備えている支持体(4)と、ここで、該支持体基部(10)が、
仮想球(S)に沿って延在する球状の基部接触表面(18)、並びに
リム平面(P20)内に延在する円形リム(20)、
を画定する、
第1及び第2の針がそれぞれ上記仮想球の外側にある第1及び第2の抜き取り位置と、該第1及び第2の針がそれぞれ該仮想球内に最大に挿入される第1及び第2の挿入位置との間で該支持体上で可動である第1の針及び第2の針(8a;8b)と、
該第1及び第2の中間穿刺位置において、該第1及び第2の針は、それぞれ第1及び第2の挿入軸(Δ8a;Δ8b)に沿って延在し、該第1及び第2の先端は、該仮想球の第1及び第2の半球にそれぞれ属する第1及び第2の挿入点(M8a;M8b)に位置し、該第1及び第2の半球同士は、該軸Xを含み且つ該リムの中間の長さにある中心点を含む平面、すなわち該リムの正中ラジアル平面(Pm20)、によって分離されており、
該正中ラジアル平面と、該第1及び第2の挿入軸のいずれかとの間の角度(θ)が、70°超、且つ110°未満である、
を備えている、上記デバイスに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
支持体基部(10)を備えている支持体(4)と、ここで、該支持体基部(10)が、
眼の外側表面に合うように、10~15mmの半径(R)を有する仮想球(S)に沿って延在する球状の基部接触表面(18)、並びに
該眼の辺縁に合うように、軸X及び5mm超、且つ8mm未満の半径を有し、リム平面(P20)内に延在する円形リム(20)、
を画定する、
第1の先端及び第2の先端(36a;36b)をそれぞれ有する第1の針及び第2の針(8a;8b)と、ここで、該第1の針及び第2の針(8a;8b)が、該支持体上で、第1及び第2の中間穿刺位置を経由して、
該第1及び第2の針がそれぞれ上記仮想球の外側にある第1及び第2の抜き取り位置と、
該第1及び第2の針がそれぞれ該仮想球内に最大に挿入される第1及び第2の挿入位置と
の間で可動であり、
該第1及び第2の中間穿刺位置において、該第1及び第2の針は、それぞれ第1及び第2の挿入軸(Δ8a;Δ8b)に沿って延在し、該第1及び第2の先端は、該仮想球の第1及び第2の半球にそれぞれ属する第1及び第2の挿入点(M8a;M8b)に位置し、該第1及び第2の半球同士は、該軸Xを含み且つ該リムの中間の長さにある中心点を含む平面、すなわち該リムの正中ラジアル平面(Pm20)、によって分離されており、
該リムの該正中ラジアル平面と、該第1及び第2の挿入軸のいずれかとの間の角度(θ)が、70°超、且つ110°未満である、
を備えている、前記デバイス。
【請求項2】
上記角度が80°超、且つ100°未満である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
該第1の針と該第2の針とが一列に整列されている、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
該リム平面と、
該第1の針及び/又は該第2の針と
の間の角度が、20°未満、好ましくは10°未満、好ましくは5°未満、である、請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
該第1及び/又は第2の針をそれぞれ該第1及び/又は第2の抜き取り位置の方へ動かす為に、それぞれ該第1及び/又は第2の針に作用するように配置された第1及び/又は第2の弾力性部材(34;34)を備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
該第1及び第2の弾力性部材が、それぞれ該第1及び第2の針に対して実質的に同じ力を加えるように構成されており、上記力は好ましくは、1ニュートン超、且つ10ニュートン未満である、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
該第1及び第2の針がそれぞれ該第1及び第2の挿入位置にあるとき、該第1の針は、実質的に該第2の針の全長さに沿って延在し、その逆も同様である、請求項1、2、及び4~6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
該第1及び第2の針がそれぞれ該第1及び第2の挿入位置にあるとき、該第1の針の該第1の先端と該第2の針の該第2の先端との間の距離が、1mm未満、好ましくは0.5mm未満、である、請求項1~6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
好ましくは第1の針平面内に延在する、好ましくは互いに平行に延在する、複数の第1の針、及び/又は、好ましくは第2の針平面内に延在する、好ましくは互いに平行に延在する、複数の第2の針を備えており、第1の針及び第2の針の全てが好ましくは共通の針平面(P)内に、好ましくは互いに平行に、延在している、請求項1~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
該第1の針平面及び/又は該第2の針平面及び/又は該共通の針平面が、
該リムの該正中ラジアル平面との間に、70°超、80°超、若しくは85°超、及び/又は110°未満、100°未満、若しくは95°未満、好ましくは約90°、の角度、及び/又は、
該リム平面(P20)との間に、40°超、且つ80°未満の角度
を画定する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
該第1及び第2の針がそれぞれ該第1及び第2の挿入位置にあるとき、該第1の針が該第2の針と交錯している、請求項9又は10に記載のデバイス。
【請求項12】
異なる極性を有する第1及び第2の端子(9a、9b)を備えているエレクトロポレーション発生器(2)と、
該第1の端子に電気的に接続され、且つ上記第1及び第2の針を備えているところの侵襲性の電極と、
該支持体に固定され、該第2の端子に接続され、且つ該仮想球に沿って延在する平板電極接触表面(24)を画定するところの平板電極(12)と、ここで、該平板電極接触表面の寸法が好ましくは、該平板電極接触表面が実質的に一般的な、平板電極平面内に延在するような寸法である、
を備えている、請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
該第1の針平面及び/又は該第2の針平面及び/又は該共通の針平面が、該平板電極平面に対して実質的に平行である、及び/又は
該リムと、該平板電極接触表面のいずれかの点との間の距離が、2mm超、且つ6mm未満である、
請求項9及び12を適用した場合の請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
該デバイスが注入針を備えており、該支持体基部は、該注入針の先端が該仮想球(S)の外側にある取り込み位置と、該注入針の先端が該仮想球(S)の内側にある注入位置との間で、該注入針(42)の摺動をガイドするように適合されたガイドを備えている、請求項1~13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
該注入位置において、該仮想球の内側に延在する該注入針の一部が、該共通の針平面と該平板電極平面との間で、平面、好ましくは正中面、内に延在する、請求項9及び請求項12を適用した場合の請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
該軸Xを含み、且つ該リムの該正中ラジアル平面に垂直な平面と、
上記第1の針の該第1の挿入点における該第1の針の局所的方向、好ましくはいずれかの第1の針の局所的方向、及び/又は、上記第2の針の該第2の挿入点における該第2の針の局所的方向、好ましくはいずれかの第2の針の局所的方向、とが、
45°未満、好ましくは30°未満、好ましくは20°未満、好ましくは10°未満、好ましくは5°未満、好ましくは約0°、である角度を画定する、請求項1~15のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
デバイスであって、
支持体基部(10)を備えている支持体(4)と、ここで該支持体基部(10)が、
眼の外側表面に合うように、10~15mmの半径(R)を有する仮想球(S)に沿って延在する球状の基部接触表面(18)、並びに
該眼の辺縁に合うように、軸X及び5mm超、且つ8mm未満の半径を有し、リム平面(P20)内に延在する円形リム(20)、
を画定する、
第1の先端及び第2の先端(36a;36b)をそれぞれ有する第1の針及び第2の針(8a;8b)と、ここで、該第1の針及び第2の針(8a;8b)が、該支持体上で、第1及び第2の中間穿刺位置を経由して、
該第1及び第2の針がそれぞれ上記仮想球の外側にある第1及び第2の抜き取り位置と、
該第1及び第2の針がそれぞれ該仮想球内に最大に挿入される第1及び第2の挿入位置と
の間で可動であり、
該第1及び第2の中間穿刺位置において、該第1及び第2の針は、それぞれ第1及び第2の挿入軸(Δ8a;Δ8b)に沿って延在し、該第1及び第2の先端は、該仮想球の第1及び第2の半球にそれぞれ属する第1及び第2の挿入点(M8a;M8b)に位置し、該第1及び第2の半球同士は、該軸Xを含み且つ該リムの中間の長さにある中心点を含む平面、すなわち該リムの正中ラジアル平面(Pm20)、によって分離されており、
該第1及び第2の針は、該支持体上で可動であり、それにより、該第1及び第2の抜き取り位置から開始して該第1及び第2の挿入位置で終わる挿入動作の間に、該第1及び第2の針が、該第1及び第2の中間穿刺位置に達したときに該仮想球を該リムの該正中ラジアル平面に向けて押す、
を備えている、前記デバイス。
【請求項18】
該第1及び第2の針が湾曲している、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
該第1及び第2の針が、共通の円(C)に沿って延在しており、且つ該支持体上で回転するように配置されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
該第1及び第2の針が、共通の回転軸(Y)を中心に該支持体上で回転するように配置されており、上記円(C)の中心と上記回転軸との間の距離が5mm未満である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
1以上の該第1の針が湾曲しており、該平板電極が湾曲しており、それにより、該平板電極に対向する1以上の上記第1の針のいずれかの点と該平板電極との間の距離が実質的に一定である、及び/又は、
1以上の該第2の針が湾曲しており、該平板電極が湾曲しており、それにより、該平板電極に対向する1以上の上記第2の針のいずれかの点と該平板電極との間の距離が実質的に一定である、請求項18~20に記載のデバイス。
【請求項22】
該第1及び第2の針をそれぞれ支持する第1及び第2のアーム(61、61)を備えており、
該第2のアームが、軸(W)を中心に、該第1のアームに回転可能に取り付けられている、又は
該第1及び第2のアームが、異なる各自の軸(W、W)を中心に該支持体基部に回転可能に取り付けられている、又は
該第1及び第2のアームが、共通の方向に沿って該支持体基部上で並進するように取り付けられている、請求項17~21のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項23】
該第1及び第2の針をそれぞれ該第1及び第2の抜き取り位置に向けて弾性的に押すばね(62)を備えている、請求項17~22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
上記挿入動作の間に、該第1及び第2の針の動きを同期させる同期機構を備えている、請求項17~23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
該同期機構は、それぞれ該第1及び第2の針が剛直に固定されているところの第1及び第2の櫛基部と機械的に結合された第1及び第2の枝部を有するコネクタ(54)を備えている、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
該第1及び第2の枝部が、該第1及び第2の櫛基部によってそれぞれ画定される第1及び第2のガイドレール(56)内で摺動する第1及び第2のピン(58)を画定する、又は
該第1の櫛基部と該第2の櫛基部とが弾性接合部(62’)によって連結され、及び、該第1及び第2の枝部が、それぞれ該第1及び第2の櫛基部上を摺動し、それにより該弾性接合部の作用に抗して上記第1及び第2の櫛基部を押す、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
該第1及び第2の櫛基部と、該弾性接合部とが、一緒に板ばねを構成する、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
少なくとも、該第1及び第2の針が該第1及び第2の抜き取り位置にある抜き取り構成、及び/又は該第1及び第2の針が該第1及び第2の挿入位置にある挿入構成において、該同期機構をロックする作動解除可能ロック(64)を備えている、請求項24~27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
該第1及び第2の針を同時に動かすように、操作者が該同期機構に働きかける為に構成されたアクチュエータ(60)を備えている、請求項24~28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
該第1及び第2の針の為の複数の所定の位置を画定する駆動機構(66)を備えている、請求項17~29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
デバイスであって、
支持体基部(10)を備えている支持体(4)と、ここで、該支持体基部(10)が、
眼の外側表面に合うように、10~15mmの半径(R)を有する仮想球(S)に沿って延在する球状の基部接触表面(18)、並びに
該眼の辺縁に合うように、軸X及び5mm超、且つ8mm未満の半径を有し、リム平面(P20)内に延在する円形リム(20)、
を画定する、
第1の先端(36a)を有する第1の針(8a)と、ここで、該第1の針(8a)が、該支持体上で、第1の中間穿刺位置を経由して、
該第1の針が上記仮想球の外側にある第1の抜き取り位置と、
該第1の針が該仮想球内に最大に挿入される第1の挿入位置と
の間で可動であり、
該第1の中間穿刺位置において、該第1の先端は、該仮想球の第1の半球に属する第1の挿入点(M8a)に位置し、
該デバイスは、該仮想球の第2の半球に沿って延在する対向接触表面を画定する対向基部を備えており、該第1及び第2の半球同士は、該軸Xを含み且つ該リムの中間の長さにある中心点を含む平面、すなわち該リムの正中ラジアル平面(Pm20)、によって分離されており、
該第1の針は、該支持体上で可動であり、それにより、該第1の抜き取り位置から開始して該第1の挿入位置で終わる挿入動作の間に、該第1の針及び該対向接触表面は、該第1の針が該第1の中間穿刺位置に達したときに、該仮想球を該リムの該正中ラジアル平面に向けて押す、すなわち挟む、
を備えている、前記デバイス。
【請求項32】
該対向接触表面(92)が、該リムの該正中ラジアル平面(Pm20)に相対的に、該第1の針の該挿入点(M8a)と対称である点(M92)を含んでいる、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
該対向接触表面(92)が、該仮想球と、該第1の針が該第1の中間穿刺位置においてそれに沿って延在する第1の挿入軸(Δ8a)との交差点にある点(M92)を含んでいる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
該対向接触表面(92)が、上記対向接触表面から突出しており、且つ該眼上での該支持体の摺動を制限するように構成された少なくとも1つのスパイク(94)を担持し、上記スパイクが、0.1mm超、且つ0.5mm未満の高さを有する、請求項31~33のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項35】
該対向基部が、該支持体基部(10)上で可動であり、好ましくは回転可能に該支持体基部に取り付けられている、又は該支持体基部に相対的に固定されており、該対向基部が、該支持体の一部でありうる、請求項31~34のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項36】
該挿入動作の間に1以上の該第1の針及び該対向基部の動きを同期させる同期機構を備えている、請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
第2の先端(36b)を有する第2の針(8b)、ここで、該第2の針(8b)が、該支持体上で、第2の中間穿刺位置を経由して、
該第2の針が上記仮想球の外側にある第2の抜き取り位置と、
該第2の針が該仮想球内に最大に挿入される第2の挿入位置と、
の間で可動であり、
該第2の中間穿刺位置において、該第2の針は、第2の挿入軸(Δ8b)に沿って延在し、該第2の先端は、該第2の半球に属する第2の挿入点(M8b)に位置する、
を備えている、請求項31~36のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項38】
第2の先端(36b)を有する第2の針(8b)、ここで該第2の針(8b)が、該支持体上で、第2の中間穿刺位置を経由して、
該第2の針が上記仮想球の外側にある第2の抜き取り位置と、
該第2の針が該仮想球内に最大に挿入される第2の挿入位置と、
の間で可動であり、
該第2の中間穿刺位置において、該第2の針は、第2の挿入軸(Δ8b)に沿って延在し、該第2の先端は、該第2の半球に属する第2の挿入点(M8b)に位置する、
を備えていない、請求項30~35のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項39】
異なる極性を有する第1及び第2の端子(9a、9b)を備えているエレクトロポレーション発生器(2)と、
該第1の端子に電気的に接続され、且つ1以上の上記第1の針、及び請求項37が適用される場合に1以上の上記第2の針を備えている、侵襲性の電極と、
該支持体に固定され、該第2の端子に接続され、且つ該仮想球に沿って延在する平板電極接触表面(24)を画定するところの平板電極(12)と、ここで、該平板電極接触表面の寸法が好ましくは、該平板電極接触表面が実質的に一般的な平板電極平面内に延在するような寸法である、
を備えている、請求項31~38のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項40】
該第1の挿入位置において、該平板電極接触表面(24)に対して実質的に平行に延在するように、互いに平行に、好ましくは共通の第1の針平面(P)内に、延在する幾つかの第1の針を備えている、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
該軸Xに垂直な平面と、
該第1の挿入位置における1以上の該第1の針の全体的方向に垂直な平面と、
の間の角度が、70°超、且つ110°未満である、請求項31~40のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項42】
該軸Xを含んでおり、且つ該リムの該正中ラジアル平面に垂直な平面と、
該第1の中間穿刺位置における、1以上の上記第1の針の1以上の該第1の挿入点での1以上の該第1の針の局所的方向、及び/又は該第1の挿入位置における1以上の該第1の針の全体的方向と
の間の角度が45°未満である、請求項31~41のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項43】
該軸Xを含んでおり、且つ該リムの該正中ラジアル平面に垂直な平面と、
該第1の中間穿刺位置における、1以上の上記第1の針の1以上の該第1の挿入点での1以上の該第1の針の局所的方向、及び/又は該第1の挿入位置における1以上の該第1の針の該全体的方向と、
の間の角度が10°未満である、請求項42に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼内に針を挿入する為の挿入デバイス、特に該眼の毛様体筋に物体を注入する為にエレクトロポレーションデバイスの電極針を挿入する為の挿入デバイス、に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2016/166172号パンフレットは、眼の毛様体筋に物体を注入する為のエレクトロポレーションデバイスを開示する。このデバイスは、上記眼内への電極針の正確で且つ安定した位置決めを可能にする。
【0003】
しかしながら、各針は、該眼の表面に対して実質的に接線方向に挿入される。それ故に、該針が該表面に当たるときの該針の衝撃が該眼の回転を引き起こすことがあり、それが該針の該挿入を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
該眼を保持する為のクランプが既知である。しかしながら、それらは大きくて且つ扱いにくく、追加の操作者を必要とする。
【0005】
上記で言及された欠点を伴わずに該針の該挿入を容易にする解決法が必要とされている。
【0006】
本発明の目的は、この必要性に応えることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的の為に、本発明は、デバイス、好ましくはエレクトロポレーションデバイス、を提案し、該デバイスは、
支持体基部を備えている支持体と、ここで、該支持体基部が、
眼の外側表面に合うように、10~15mmの半径を有する仮想球に沿って延在する球状の基部接触表面、並びに
該眼の辺縁に合うように、軸X及び5mm超、且つ8mm未満の半径を有し、リム平面内に延在する円形リム、
を画定する、
第1の先端及び第2の先端をそれぞれ有する第1の針及び第2の針と、ここで、該第1の針及び第2の針が、該支持体上で、第1及び第2の中間穿刺位置を経由して、
該第1及び第2の針がそれぞれ上記仮想球の外側にある第1及び第2の抜き取り位置と、
該第1及び第2の針がそれぞれ該仮想球内に最大に挿入される第1及び第2の挿入位置と
の間で可動であり、
該第1及び第2の中間穿刺位置において、該第1及び第2の針は、それぞれ第1及び第2の挿入軸に沿って延在し、該第1及び第2の先端は、該仮想球の第1及び第2の半球にそれぞれ属する第1及び第2の挿入点に位置し、該第1及び第2の半球同士は、該軸Xを含み且つ該リムの中間の長さにある中心点を含む平面、すなわち該リムの正中ラジアル平面、によって分離されている、
を備えている。
【0008】
本発明の第1の観点において、該第1及び第2の抜き取り位置から開始して該第1及び第2の挿入位置で終わる挿入動作の間に、該第1及び第2の針が、該第1及び第2の中間穿刺位置に達したときに、該仮想球を該リムの該正中ラジアル平面に向けて押す、すなわち「挟む」、ように、該第1及び第2の針が該支持体上で可動である。
【0009】
好ましくは、該リムの該正中ラジアル平面と、該第1及び第2の挿入軸のいずれかとの間の角度θが、10°超、好ましくは20°超、好ましくは30°超、好ましくは40°超、好ましくは50°超、及び/又は170°未満、好ましくは160°未満、好ましくは150°未満、好ましくは140°未満、好ましくは130°未満、好ましくは120°未満、好ましくは110°未満、である。
【0010】
本発明の第2の観点において、該リムの該正中ラジアル平面と、該第1及び第2の挿入軸のいずれかとの間の角度が、70°超、且つ110°未満である。この実施態様は特には、図1図6に表されている通り、該第1及び第2の針が真っ直ぐである場合に有利である。
【0011】
それ故に、本発明の観点にかかわらず、該球状の接触表面が該眼の該外側表面上に延在しているときに、該第1及び第2の先端は、該眼の該外側表面上で押されているのに伴って該眼を押す。
【0012】
以下の説明で明らかになるように、この押す作用は有利なことに、該第1及び第2の針の該挿入の間に該眼が回転するリスクを制限する。また、該眼の該押すことは、該眼の内側への該先端の該挿入と同時であることがあり、従って、押す動作と挿入動作との両方が、一人だけの操作者によって達成されることができる。
【0013】
本発明の第2の観点に従うデバイスはまた、以下の任意的な特徴及び好ましい特徴の1つ又は幾つかを有しうる:
該リムの該正中ラジアル平面と、
該第1の針の、好ましくはいずれかの第1の針の、該挿入軸、及び/又は該第2の針の、好ましくはいずれかの第2の針の、該挿入軸と
の間の角度が、70°超、80°超、若しくは85°超、及び/又は110°未満、100°未満、若しくは95°未満、好ましくは約90°、である、ここで、該第1の針と該第2の針とが好ましくは、一列に整列されている;
該リム平面と、
該第1の針、好ましくはいずれかの第1の針、及び/又は該第2の針、好ましくはいずれかの第2の針、と
の間の角度が、20°未満、好ましくは10°未満、好ましくは5°未満、である;
該デバイスが、該第1及び/又は第2の針をそれぞれ該第1及び/又は第2の抜き取り位置の方へ動かす為に、それぞれ該第1及び/又は第2の針に作用するように配置された第1及び/又は第2の弾力性部材を備えている;
該デバイスが、それぞれ該第1及び第2の針に対して実質的に同じ力を加えるように構成された第1及び第2の弾力性部材を備えており、上記力は、1ニュートン超、且つ10ニュートン未満である;
該第1及び第2の針の全てが該挿入位置にあるとき、該第1の針が該第2の針と交錯している、及び/又は好ましくは該仮想球の内部で、該第1の針が実質的に該第2の針の全長さに沿って延在し、その逆も同様である、
又は代替的には、全ての該第1及び第2の針が該挿入位置にあるとき、第1の針の該第1の先端と第2の針の該第2の先端との間の距離が、1mm未満、好ましくは0.5mm未満、である;
該デバイスが、エレクトロポレーションデバイスであり、及び、発電機(electric generator)と、該発電機の第1の端子に電気的に接続され、且つ上記第1及び第2の針を備えているところの侵襲性の電極とを備えており、該支持体がまた、該発電機の第2の端子に接続され、且つ該仮想球に沿って延在する平板電極接触表面を画定するところの平板電極を備えている;
該デバイスが、好ましくは第1の針平面内に延在する、好ましくは互いに平行に延在する、複数の第1の針、及び/又は、好ましくは第2の針平面内に延在する、好ましくは互いに平行に延在する、複数の第2の針を備えており、第1の針及び第2の針の全てが好ましくは共通の針平面内に、好ましくは互いに平行に、延在している;
該第1の針平面及び/又は該第2の針平面及び/又は該共通の針平面が、
該リムの該正中ラジアル平面との間に、70°超、80°超、若しくは85°超、及び/又は110°未満、100°未満、若しくは95°未満、好ましくは約90°、の角度、及び/又は、
該リム平面との間に、40°超、且つ80°未満の角度
を画定する;
該デバイスが、
異なる極性を有する第1及び第2の端子を備えているエレクトロポレーション発生器(an electroporation generator)と、
該第1の端子に電気的に接続され、且つ上記第1及び第2の針を備えているところの侵襲性の電極と、
該支持体に固定され、該第2の端子に接続され、且つ該仮想球に沿って延在する平板電極接触表面を画定するところの平板電極と、ここで、該平板電極接触表面の寸法が好ましくは、該平板電極接触表面が実質的に一般的な、平板電極平面内に延在するような寸法である、
を備えている;
該第1の針平面及び/又は該第2の針平面及び/又は該共通の針平面が、該平板電極平面に対して実質的に平行である;
該平板電極が平面内に延在しており、該第1の針平面及び/又は該第2の針平面及び/又は該共通の針平面が、該平板電極の該平面に対して実質的に平行である;
第1及び第2の針の全てがそれらの挿入位置にあるとき、すなわち上記針の完全挿入の構成において、該針と該平板電極平面との間の距離が、2.0~1.3mm、好ましくは1.8~1.5mm、好ましくは1.7~1.6mmであり、及び好ましくは、該平板電極のどの点が考慮されても実質的に一定である;
該リムと、該平板電極接触表面のいずれかの点との間の距離が、2mm超、且つ6mm未満である;
該デバイスが注入針を備えており、該支持体基部は、該注入針の先端が該仮想球の外側にある取り込み位置と、該注入針の先端が該仮想球の内側にある注入位置との間で、該注入針の摺動をガイドするように適合されたガイドを備えている;
好ましくは、該注入位置において、該仮想球の内側に延在する該注入針の一部が、該共通の針平面と該平板電極平面との間で、平面、好ましくは正中面、内に、好ましくは該第1及び第2の針に対して平行に、延在する;
該平板電極が該眼の該外側表面と接触して延在しており、該リムが該眼の該辺縁上に延在しており、該注入針が完全に挿入されたときに(注入位置)、該注入針の放出オリフィスが該眼の毛様体筋の中で開く;
該第1及び第2の針が、それぞれ第1及び第2の櫛基部(comb bases)に固定され、該第1及び第2の櫛基部は、該第1及び第2の針の該挿入位置において、該リムの正中ラジアル平面に対して実質的に対称である;
該第1及び第2の針の該挿入された位置(すなわち、完全挿入の構成、すなわち「挿入位置」)において、上記デバイスを該平板電極平面に垂直の観察方向に沿って観察したときに、各針は、該平板電極接触表面の全体を横切るように見える。
【0014】
本発明の異なる観点の特徴は組み合わせられうる。特に、本発明の該第2の観点に従うデバイスの任意的な特徴が、本発明の該第1の観点に従うデバイスに適用されうる。
【0015】
本発明の該第1の観点又は第2の観点に従うデバイスはまた、以下の任意的な特徴及び好ましい特徴の1つ又は幾つかを有しうる:
該デバイスが、それぞれ該第1及び第2の針が剛直に固定されているところの第1及び第2の櫛基部を備えている;
該デバイスが、該第1及び第2の針(又は該第1及び第2の櫛基部)をそれぞれ支持する第1及び第2のアームを備えており、該第2のアームが、軸を中心に、該第1のアームに回転可能に取り付けられている、又は該第1及び第2のアームが、異なる各自の軸を中心に該支持体基部に回転可能に取り付けられている、又は該第1及び第2のアームが、好ましくは共通の方向に沿って、該支持体基部上で並進するように取り付けられている;
該デバイスが、弾性的に針をそれぞれ該第1及び第2の抜き取り位置に向けるばねを備えており、該ばねが、例えば該第1及び第2の櫛基部に作用する;
該デバイスが、上記挿入動作の間に、該第1及び第2の針の動きを同期させる同期機構、特にそれぞれ該第1及び第2の針が剛直に固定されている該第1及び第2の櫛基部の動きを同期させる為の同期機構、を備えている;
該同期機構が、それぞれ該第1及び第2の針が剛直に固定されているところの該第1及び第2の櫛基部と機械的に結合された第1及び第2の枝部を有するコネクタを備えている;
該第1及び第2の枝部が、該第1及び第2の櫛基部によってそれぞれ画定される第1及び第2のガイドレール内で摺動するように取り付けられた第1及び第2のピンを画定する、又は
該第1の櫛基部と該第2の櫛基部とが弾性接合部によって連結され、及び、該第1及び第2の枝部が、それぞれ該第1及び第2の櫛基部上を摺動するように取り付けられ、それにより該弾性接合部の作用に抗して上記第1及び第2の櫛基部を押す;
該第1及び第2の櫛基部と、該弾性接合部とが、一緒に板ばねを構成する;
該デバイスが、少なくとも、該第1及び第2の針が該第1及び第2の抜き取り位置にある抜き取り構成、及び/又は該第1及び第2の針が該第1及び第2の挿入位置にある挿入構成において、該同期機構をロックする作動解除可能ロックを備えている;
該デバイスが、該第1及び第2の針を同時に動かすように、操作者が該同期機構に働きかける為に構成されたアクチュエータを備えている;
該デバイスが、該挿入動作の間に該第1及び第2の針が不動にされることができる複数の所定の位置を画定する駆動機構を備えている。
【0016】
一つの実施態様において、該第1の針及び/又は該第2の針は、好ましくは共通の円に沿って延在するように、湾曲しており、これは、該第1及び第2の針が、上記挿入動作の間に、好ましくは上記円の中心に近い又は該中心を含む共通の回転軸を中心として、該支持体上で回転するように配置されるときに、特に有利である。好ましくは、上記共通の回転軸と、上記円の該中心との間の距離は、5mm未満、好ましくは3mm未満、好ましくは2mm未満、好ましくは1mm未満、である。
【0017】
好ましくは、湾曲した第1の針の該挿入位置において、該平板電極に対向する上記第1の針のいずれかの点と該平板電極との間の距離が、0.8mm超、好ましくは0.9mm超、好ましくは1.0mm超、及び/又は2.0mm未満、好ましくは1.9mm未満、好ましくは1.8mm未満、好ましくは1.7mm未満、である。
【0018】
好ましくは、いずれかの湾曲した第1の針の該挿入位置において、該平板電極に対向する上記第1の針のいずれかの点と該平板電極との間の該距離が、0.8mm超、好ましくは0.9mm超、好ましくは1.0mm超、及び/又は2.0mm未満、好ましくは1.9mm未満、好ましくは1.8mm未満、好ましくは1.7mm未満、である。
【0019】
好ましくは、いずれかの湾曲した第2の針の該挿入位置において、該平板電極に対向する上記第2の針のいずれかの点と該平板電極との間の距離が、0.8mm超、好ましくは0.9mm超、好ましくは1.0mm超、及び/又は2.0mm未満、好ましくは1.9mm未満、好ましくは1.8mm未満、好ましくは1.7mm未満、である。
【0020】
好ましくは、1以上の第1の針の該挿入位置において、該平板電極に対向する1以上の上記第1の針のいずれかの点と該平板電極との間の距離が、実質的に一定である。特に、一つの実施態様において、1以上の該第1の針は湾曲しており、該平板電極は湾曲しており、それにより、該平板電極に対向する1以上の上記第1の針のいずれかの点と該平板電極との間の該距離が実質的に一定である。特に、該平板電極は、凸状でありうる、すなわち、該仮想球の外側にある曲率中心を有しうる。
【0021】
定義
「押す力」は、上記針が該抜き取り位置から該挿入位置に動いて、眼の表面を穿刺する前にそれを押すときに、上記表面に該針によって加えられる力に相当する。
【0022】
針の「挿入点」は、該穿刺位置において、上記針がそれに沿って延在する該挿入軸が、該接触表面を担持している該仮想球と交差する点である。
【0023】
2つの針は、同じ軸上に延在しているときに「一列に整列されている」(aligned)いる。
【0024】
「半球の四分円」は、該半球の主軸に沿って交差する2つの垂直面での切断によって得られる、この半球の表面の4分の1を指す。
【0025】
該第1及び第2の針の該第1及び第2の挿入位置において、該デバイスは、「挿入構成」又は「完全挿入の構成」にある。該第1及び第2の針の該第1及び第2の抜き取り位置において、該デバイスは「抜き取り構成」にある。
【0026】
「第1の」及び「第2の」、又は「上の」及び「下の」、又は「右側の」及び「左側の」は、対応する要素同士を区別する為に使用され、本発明を制限することはない。
【0027】
本記載において、特に断られない限り、「~を備えている/含む」は排他性を伴わない。
【0028】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の非制限的な詳細な説明を読み、非制限的な添付図面を考察することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明に従うデバイスを概略的に示す。
図2図2は、眼に接触している本発明に従うデバイスの一つの例を斜視で示す。
図3図3は、本発明に従うデバイスの一つの例を正面図で示す。
図4図4は、該抜き取り位置におけるこのデバイスの2つの櫛を表す。
図5a図5aは、挿入位置の一つの例における該デバイスの該2つの櫛を表す。
図5b図5bは、挿入位置の一つの例における該デバイスの該2つの櫛を表す。
図6図6は、本発明に従う2つの電極及び発生器を表す。
図7図7は、本発明に従うデバイスが穿刺位置にある眼を正面図で概略的に示す。
図8図8は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図9図9は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図10図10は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図11図11は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図12図12は、駆動機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図13図13は、駆動機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図14図14は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図15図15は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図16図16は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図17図17は、同期機構を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図18図18は、対向基部を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図19図19は、対向基部を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図20図20は、対向基部を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図21図21は、対向基部を備えている本発明に従う、例示的なデバイスを概略的に示す。
図22図22は、凸状の平板電極を備えている本発明に従う一つの例示的デバイスを概略的に示す。
図23図23は、電極の異なる実施態様(A~D)を、サービス位置(上の図面)、側面図(真ん中の図面)及び斜視図(下の図面)で概略的に示す。該注入針は、上の図面にのみ表されている。
【発明を実施するための形態】
【0030】
上記図において、同一又は同様の要素を指す為に同一の参照符号が使用されている。
【0031】
本発明に従うデバイスは特には、エレクトロポレーションによく適合される。本出願において、それは好ましくは、医薬組成物のエレクトロポレーションの為に構成された発電機(electric generator)2と、支持体4と、摺動方向Δに沿って可動である第1及び第2の櫛6a及び6bとを備えている。
【0032】
該第1及び第2の櫛6a及び6bはそれぞれ、第1及び第2の電極針8a及び8bを備えている。全ての該電極針は、該発電機2の第1の端子9aに電気的に接続されている。それらは一緒になって、侵襲性の電極を画定する。
【0033】
該支持体4は、支持体基部10と、該支持体基部に固定され、且つ該発電機の第2の端子9bに電気的に接続された平板電極12とを備えており、該第2の端子は、該第1の端子の極性と反対の極性を有する。
【0034】
それ故に、該発電機(electrical generator)は、エレクトロポレーションを可能にする電界を生成する為に、該平板電極と該侵襲性の電極とを異なって分極させるように適合されている。
【0035】
支持体
支持体基部
該支持体基部10は好ましくは、ポリマー材料のものである。それは好ましくは、導電性でない材料のものである。それは好ましくは、ユーザによるより良好な観察の為に透明な材料で作られている。
【0036】
該支持体基部は、球状の基部接触表面18を画定し、該球状の基部接触表面18は、10mm~15mm、好ましくは11mm~14mm、好ましくは12mm~13mm、好ましくは約12.5mmである、曲率半径Rを有する仮想球Sに沿って延在する。該仮想球Sは、サービス構成において、該基部接触表面がこの外側表面に載ることができるように眼Oの外側表面に対応する。
【0037】
それ故に、該眼の上での該支持体の安定性が大幅に向上される。
【0038】
該眼の上での該支持体の該安定性をさらに向上させる為に、該球状基部接触表面18は好ましくは、上記表面から突出しており、且つ該眼上での該支持体の摺動を制限するように設計された、1つの、好ましくは幾つかの、スパイクを担持する。該支持体は好ましくは、2個超、5個超、10個超、20個超のスパイクを備えている。上記スパイクの高さは好ましくは、0.1mm超、及び/又は0.5mm未満、若しくは0.3mm未満である。
【0039】
好ましくは、該基部接触表面18は、50mm超、好ましくは100mm超、好ましくは120mm超、好ましくは140mm超、好ましくは150mm超、好ましくは160mm超、及び/又は200mm未満、好ましくは180mm未満の、表面積を有する。好ましくは、該基部接触表面18は、半球の1つの四分円を超えて延在しない。
【0040】
前から見られたときに、該接触表面18は、実質的に平行六面体の輪郭、例えば矩形の輪郭、又は実質的に台形の輪郭、を有することができる。
【0041】
好ましくは、該支持体基部10は、該接触表面18の境界を部分的に画定すると共にリム平面P20内に延在する、円形のリム20を画定する。
【0042】
該リム20は、軸Xと、半径R20とを有する円C20の弧の形状を有し、該半径R20は、5mm超、好ましくは5.5mm超、好ましくは5.8mm超、且つ8.0mm未満、好ましくは7.0mm未満、好ましくは7.5mm未満、好ましくは6.0mm未満、である。そのようなリムは、該眼の辺縁に実質的に対応する形状を有する。それは、上記辺縁を部分的に囲むようにこの辺縁と接触して置かれうる。
【0043】
該支持体の該安定性は、該リム20が該眼の該辺縁上に載るように設計されるときに大幅に向上される。
【0044】
好ましくは、該リムは、45°超、好ましくは60°超、好ましくは80°超、好ましくは100°超、好ましくは120°超、好ましくは130°超、好ましくは135°超、及び/又は180°未満、好ましくは170°未満、好ましくは160°未満、好ましくは150°未満、好ましくは140°未満の、角度セクターα20にわたって横方向に延在する(図2を参照)。
【0045】
該支持体基部は好ましくは、例えば一方の手の親指と人差し指の間に、把持される支持体ハンドルを備えうる。しかしながら、好ましくは、支持体ハンドルは代替的には、該櫛上に設けられる。
【0046】
平板電極
該平板電極12は、該支持体基部10に固定される。それは、該サービス位置において該眼の該外側表面上に載ることが意図される平板電極接触表面24を画定する。それ故に、それは好ましくは、例えば図8に表されている通り、該仮想球Sに沿って延在する。
【0047】
該平板電極接触表面の表面積は好ましくは、3mm超、4mm超、5mm超、6mm超、8mm超、10mm超、11mm超、12mm超、15mm超、17mm超、及び/又は90mm未満、60mm未満、30mm未満、20mm未満である。
【0048】
好ましくは、該平板電極接触表面24は、半球の1つの四分円を超えて延在しない。好ましくは、それは、90°未満、好ましくは60°未満、好ましくは50°未満、好ましくは45°未満、好ましくは35°未満、好ましくは30°未満、及び/又は好ましくは10°より大きい、好ましくは15°より大きい、好ましくは20°より大きい、該リムの該軸Xを中心とした角度セクターα24内に延在する(図1を参照)。
【0049】
正面視において、該平板電極接触表面は好ましくは、実質的に矩形の形状を有する。
【0050】
該曲率半径Rは、該平板電極接触表面の該表面積に対して大きく、従って、該平板電極接触表面は実質的に、一般的な平板電極平面P24内に延在する。
【0051】
好ましくは、該リム20と該平板電極接触表面24のいずれかの点との間の距離は、2mm超、好ましくは2.5mm超、好ましくは3mm超、好ましくは3.5mm超、好ましくは4.0mm超、及び/又は6mm未満、好ましくは5mm未満、好ましくは4.5mm未満、である。
【0052】
該平板電極12は、該支持体基部を部分的に覆う導電性の層でありうる。好ましくは、それは、該支持体基部と一体でない、すなわち、最初は該支持体基部とは別個であり、次に、該支持体基部に取り付けられるところの部分である。
【0053】

該第1の櫛6aと該第2の櫛6bとは、非常に類似しているか又は同一であり、且つ同じやり方又は非常に似たやり方で該支持体上に組み付けられており、従って、該第1の櫛及びその構成のみが、本明細書の以降において詳細に説明されている。
【0054】
該第2の櫛の参照符号は該第1の櫛の参照符号と同じであるが、「a」の代わりに「b」の添え字が付される。
【0055】
該第1の櫛6aは、
第1の櫛基部30aと、
該第1の櫛基部30aに固定された直線状の第1の電極針8aと、
好ましくは、該第1の櫛基部30aに固定された第1のガイドロッド32aと、
好ましくは、該第1の電極針をその抜き取り位置に向けて強制的に動かすように構成された第1の弾力性部材、例えば螺旋ばね34a又は平ばね、と
を備えている。
【0056】
好ましくは、該第1の電極針の全てが同じ構造を有する。
【0057】
好ましくは、第1の電極針、好ましくはいずれかの第1の電極針、の直径は、0.5mm未満、好ましくは0.4mm未満、好ましくは0.35mm未満、である。この特性は、好ましい実施態様における通り、該電極針が、該眼の表面に対して実質的に接線方向に該眼に挿入されるときに特に有利である。同じ理由の為に、第1の電極針、好ましくはいずれかの第1の電極針、の第1の先端36aが好ましくは斜角を付けられている。
【0058】
該第1の櫛は、1つ又は数個、好ましくは3個、4個又は5個の、好ましくは4個の、好ましくは平行な、好ましくは同一平面内の、好ましくは直線状の、第1の電極針8aを備えうる。2つの隣接する平行な第1の電極針8aの軸間の距離は、好ましくは0.5mm超、好ましくは0.6mm超、好ましくは0.7mm超、好ましくは0.8mm超、及び/又は5mm未満、好ましくは3mm未満、好ましくは1.5mm未満、好ましくは1.2mm未満、好ましくは1.0mm未満、好ましくは0.9mm未満、である。
【0059】
好ましくは、該第1の電極針8aは、第1の針平面P内に延在し、該第1の針平面Pは、該リム20の該リム平面P20との間に、40°超、45°超、好ましくは50°超、及び/又は80°未満、好ましくは70°未満、好ましくは60°未満、好ましくは55°未満の、角度を画定する。
【0060】
該第1の針平面Pは好ましくは、該リムの正中ラジアル平面Pm20、すなわち、該軸Xを含み、且つ該リムの中間の長さにある点を含む平面、に対して実質的に垂直である(図1における、90°の角度θ)。別の言い方をすれば、該第1の電極針は互いと同一平面内にあり、及び好ましくは、各々が、該リムの該平面P20に対して実質的に平行に延在する。
【0061】
該第1の電極針は好ましくは、各々、該平板電極12に対して実質的に平行に延在する。該第1の針平面Pと該平板電極平面P24の間の角度は、好ましくは20°未満、好ましくは15°未満、好ましくは10°未満又は5°未満である。該第1の針平面Pは好ましくは、該平板電極平面P24に対して実質的に平行である。
【0062】
これら2つの平面間の距離δは好ましくは、2.0~1.3mm、好ましくは1.8~1.5mm、好ましくは1.7~1.mm、好ましくは約1.65mm、である。
【0063】
各第1の電極針8aは、可動であり、且つ該仮想球Sの内部に該電極針が突出している極限の(すなわち当接によって制限される)第1の挿入位置と、該電極針が突出していない第1の抜き取り位置との間で、該支持体基部10のガイド内を第1のガイドロッド32aが摺動することによりガイドされる。
【0064】
好ましくは、該第1の挿入位置において、いずれかの第1の電極針が、該眼の該外側表面との間に、40°未満、好ましくは25°未満、好ましくは10°未満である、角度ωを画定する。それ故に、該第1の電極針は、実質的に接線方向に該眼内に進入する。
【0065】
好ましくは、該第1の電極針の長さは、該挿入位置において、正面視で、すなわち該第1の針平面Pに対して垂直に観察されたときに、該第1の電極針8aが、実質的に完全に該平板電極接触表面を横切るように見える(すなわち、実質的に該平板電極接触表面の一方の側から反対側まで延在する)ように決定される。
【0066】
好ましくは、第1の電極針の長さは、4mm超、好ましくは6mm超、好ましくは8mm超、好ましくは10mm超、好ましくは11mm超、及び/又は15mm未満、好ましくは14mm未満、好ましくは13mm未満、である。
【0067】
好ましくは、該第1の櫛6aは、該リムの該正中ラジアル平面に対して実質的に平行に、且つ好ましくは該第1の針平面Pに対して実質的に垂直に、延在する第1の櫛ハンドル38aを備えており、従って、該操作者は、患者の鼻によって邪魔されること無しに、該第1の櫛6aを該支持体の方に向けて押しうる。
【0068】
好ましくは、該ばね34aに対抗して該第1の櫛を動かすのに必要とされる力は、1ニュートン超、好ましくは4ニュートン超、及び/又は20ニュートン未満、好ましくは10ニュートン未満である。有利なことに、該ばね34aは、該操作者が該デバイスを操作する際の怪我のリスクを制限する。
【0069】
該第2の櫛は、該第1の櫛と同様であり、好ましくは実質的に同一である。好ましくは、該第2の櫛基部は、該第1及び第2の針の該挿入位置において、該リムの正中ラジアル平面に対して該第1の櫛基部と実質的に対称となるように構成される。
【0070】
該第2の電極針は、該第1の針平面に対して平行な、好ましくは該第1の針平面と同一の、第2の針平面内に延在する。第1の電極針と第2の電極針との衝突を回避する為に、各自の軸がオフセットされなければならない。好ましくは、それらは、互いと交錯している、すなわち、図5aに表されている通り、該針平面において、第1の電極針が第2の針と交互になっている。
【0071】
好ましくは、図1に表されている通り、該第2の櫛6bは、第2の櫛ハンドル38bを、好ましくは該第1の櫛ハンドル38aに平行である第2の櫛ハンドル38bを、備えている。該支持体に向かう該2つの櫛の収束、すなわち該櫛が該支持体の方へ押される際の動き、がより容易にされ、且つ片手で可能である。
【0072】
本発明に従うと、該平板電極接触表面24が該眼の該外側表面に載っており、且つ該リム20が該眼の該辺縁に載っており、且つ該第1及び第2の電極針の先端が該眼の該外側表面に載っている穿刺位置において、上記第1及び第2の先端が、該第1及び第2の櫛が該支持体4の方に向けて同時に押されたときに該眼を押すことができるように、該2つの櫛は、該支持体に相対的に摺動することが可能である。
【0073】
該穿刺位置において、該第1及び第2の電極針は、第1及び第2の挿入軸Δ8a及びΔ8bに沿って延在し、且つ第1及び第2の挿入点M8a及びM8bのところで該仮想球S上に載っている。
【0074】
該第1の電極針の該第1の先端36aの全てが、一緒になって、第1の押す軸Δ36aに沿って、第1の押す点M36aに作用する第1の押す力F36aを発揮する。
【0075】
該第2の電極針の第2の先端36bの全てが、一緒になって、第2の押す軸Δ36bに沿って、第2の押す点M36bに作用する第2の押す力F36bを発揮する。
【0076】
該第1及び第2の押す軸Δ36a及びΔ36bは、該第1及び第2の挿入軸に対して実質的に平行である。
【0077】
該第1及び第2の押す軸に対して垂直な平面同士の間の角度は、好ましくは40°未満、好ましくは20°未満、好ましくは10°未満、好ましくは5°未満、である。該第1の押す軸と該第2の押す軸は好ましくは、平行である。好ましくは、該第1の押す軸と該第2の押す軸との間の距離は、5mm未満、好ましくは3mm未満、好ましくは1mm未満、である。好ましくは、該第1の押す軸と該第2の押す軸とは一列に整列されている。
【0078】
それによって、該電極針の該挿入の間に該眼の回転するリスクが、大幅に低減される。
【0079】
注入針
好ましくは、該デバイスは、注入針42を備えている。該注入針は特に、参照により本明細書中に取り込まれる国際出願第PCT/EP2016/058138号、国際公開第2009/122030号パンフレット、又は米国特許出願第12/921,979号明細書に開示されている注入針の1つ又は幾つかの特徴を有しうる。それは好ましくは、慣用的に、放出オリフィスを有する注入チャネルを備えている。
【0080】
該注入針は好ましくは、第1の電極針でも第2の電極針でもない。
【0081】
それは、該支持体基部10により、取り込み位置と注入位置との間でガイドされる。該注入位置は好ましくは、該放出オリフィスが、該第1の針平面Pと該平板電極平面P24との間、好ましくはそれら平面間の中間の長さ、に来るように、好ましくは実質的に該平板電極接触表面の中心に対向するように、定められた当接位置である。該注入針の該注入位置において、該注入針は好ましくは、該電極針に対して平行に延在する。
【0082】
好ましくは、該注入針は、該平板電極が該眼の該外側表面と接触して延在しており、及び、該リムが該眼の該辺縁上に延在しており、且つ該注入針が完全に挿入されたときに、該注入針の該放出オリフィスが該眼の毛様体筋の中で開くように構成される。
【0083】
医薬組成物
注入される物体は特に、参照により本明細書中に取り込まれる国際公開第2006/123248号パンフレットに記載されている医薬組成物のいずれか、特に、関心対象の治療用核酸、好ましくは、デオキシリボ核酸(DNA)分子(cDNA、gDNA、合成DNA、人工DNA、組み換えDNA等)、又はリボ核酸(RNA)分子(mRNA、tRNA、RNAi、RNAsi、触媒RNA、アンチセンスRNA、ウィルスRNA等)、でありうる。一つの実施態様において、該組成物は、環状DNA片を含む。
【0084】
特に好ましい実施態様において、ポリヌクレオチドは、物体に生物活性をコードする、二本鎖の環状DNA、例えばプラスミド、である。好ましい生物活性物質は、国際公開第2006/123248号パンフレットに開示されている生物活性ポリペプチド又はタンパク質を包含するが、これに限定されない。
【0085】
別の特定の実施態様において、本発明の該エレクトロポレーションデバイスは、特には遺伝子置換を行うのに好適である。その為、核酸は、ターゲット組織中に自然に発現される欠陥タンパク質を置換するように生存タンパク質をコードしうる。典型的に、置換されうる欠陥遺伝子は、国際公開第2006/123248号パンフレットに開示されている病気の原因となる遺伝子を包含するが、これに限定されない。
【0086】
キット
本発明に従うと、キットが想定される。そのようなキットは、本発明に従うデバイス及び医薬組成物を備えており、任意的に使用説明書を備えている。
【0087】
該医薬組成物は好ましくは、上記に記載されている医薬組成物の中から選択される。
【0088】
該キット内で、構成要素は、別々にパッケージ化又は収容されうる。
【0089】
説明書は、書面、ビデオ、又はオーディオの形態であることができ、紙、電子媒体、又はさらには別のソース、例えばウェブサイト又はリファレンスマニュアル、への参照として含まれることができる。
【0090】
同様に、他の構成成分、例えば賦形剤、担体、他の薬物又はアジュバント、活性物質又は組成物の投与についての説明書、及び投与又は注入デバイスが、該キット内に供給されることができる。
【0091】
方法
本発明の方法は、対象者における眼疾患を処置する為に使用され得、ここで、該医薬組成物は好ましくは、本明細書の上記に記載されている医薬組成物の中から選択される。
【0092】
本発明に従う該エレクトロポレーションデバイスを使用する為には、操作者は、下記工程を進めうる。
【0093】
はじめに、該操作者は、該医薬組成物で満たされた貯蔵器(reservoir)を該注入針に接続し、該第1の電極(該電極針8a及び8bの全て)及び該第2の電極(平板電極12)を、該発電機2の該第1の端子及び第2の端子に電気的に接続する。
【0094】
最初、該第1及び第2の電極針は、該第1及び第2の抜き取り位置にあり、好ましくは部分的に該支持体基部10内にある。該ばね34a及び34bの剛性は、特に該操作者が該ハンドル38a及び38bによって該デバイスを操作するときに、第1及び第2の電極針の両方が該抜き取り位置に維持されるように決定される。
【0095】
該デバイスを位置決めする為に、該操作者は、該リム20を該眼Oの該辺縁に配置する。該リム20を角膜の縁に配置し、且つ該球状の平板電極接触表面24を強膜に載せることは、該デバイスの良好な安定性及び非常に正確な位置決めを保証する。一方における該電極針8a及び8b及び/又は注入針42と、他方における該球状の平板電極接触表面との間の角度が、該挿入点において非常に小さい故に、すなわち、該針がこの表面に対してほぼ接線方向に挿入され、そのことが該挿入を困難にする故に、安定化が、特定の本用途において非常に重要である。
【0096】
次に、該操作者は、該第1及び第2のばね34a及び34bのそれぞれの作用に抗して、穿刺構成になるまで、該第1及び第2の櫛6a及び6bを互いの方に向けて押し、ここで、該穿刺構成では、該電極針がそれらの個々の穿刺位置にあり、それらの個々の先端が該眼の該外側表面に接触している。
【0097】
該穿刺構成において、該操作者が、該第1及び第2の櫛6a及び6bを互いの方に向けて押し続ける場合に、該操作者は該眼に押しを施与する。この押すことは、該第1の電極針の作用の結果生じるものであり、それは、該第2の電極針の反作用を伴って、第1の押す軸Δ36aに沿って該第1の押す点M36aに作用する第1の押す力であり、該反作用は、第2の押す軸Δ36bに沿って第2の押す点M36bに作用する第2の押す力である。
【0098】
ばね剛性は、該第1及び第2の電極針両方の先端が、それらのいずれかが該眼の該外側表面を穿刺する前に、該外側表面と接触するように決定される。好ましくは、該第1のばね34aによって該第1の櫛6aに加えられる力は、該第2のばね34bによって該第2の櫛6bに加えられる力と同じであり、従って、該第1及び第2の電極針両方の該先端が、実質的に同時に該眼の該外側表面と接触する。それ故に、該穿刺位置において、それらは、上記表面を押し、そのことが該支持体基部10に対する該眼の回転を効率的に防止する。
【0099】
次に、該操作者は、該電極針が該眼の該外側表面を穿刺するまで、該第1及び第2の櫛6a及び6bを互いの方に向けて押し続ける。
【0100】
該ガイドロッド32a及び32bは、摺動可能に該支持体基部10に取り付けられて、各自の挿入位置に達するまで電極針の動きをガイドする。
【0101】
次に、該第1及び第2の電極針は、一緒に、該平板電極接触表面24の長さ全体に沿って該平板電極接触表面24に対して実質的に平行に延在するグリッドを画定する。
【0102】
好ましくは、該第1及び第2の電極針は、図5a、図23のB、又は図23のDに表されている通り、互い違いにされる。
【0103】
代替的には、それらの個々の挿入された位置において、該第1及び第2の電極針は、互い違いにされるのでなく、図5b、図23のA、又は図23のCに表されている通り互いと隣接する。該第1の電極針の該先端、又は「第1の先端」、と、該第2の電極針の該先端、又は「第2の先端」、との間の距離は、好ましくは2mm未満、1mm、0.5mm未満、好ましくは0.2mm未満である。該第1の電極針の該第1の先端は、図5b及び図23のCのように該第2の電極針の該第2の先端に対向しうるか、又は図23のCに表されている通り対向しない。
【0104】
次に、該操作者は、該注入針を対応する挿入ガイド内の対応する注入位置まで挿入する。該電極針の事前の挿入は、該注入針の該挿入の間に該支持体の非常に安定した位置を可能にする。
【0105】
一つの実施態様において、該注入針は、該電極針の該グリッドの正面に、好ましくは該グリッドの中心の正面に、1以上の該放出オリフィスが該毛様体筋の中で開く注入位置を決定する為の針止め具を備えている。
【0106】
次に、該操作者は、該組成物を注入することができる。
【0107】
次に、該デバイスが該サービス構成にあり、及び該操作者が、該発電機を用いて、エレクトロポレーションを促進する電界を注入ゾーン内に作り出すように、好適な電気信号、例えば好適な電気インパルス、を送る。
【0108】
特定の実施態様において、国際出願第PCT/EP2016/058138号に記載されている通り、1以上の電気パルスによって構成される電界が施与される。
【0109】
該物体の該エレクトロポレーションが完了したときに、該操作者は、該電極と該発生器とを電気的に切断する。
【0110】
ここで明らかである通り、本発明に従う該デバイスは、以下を可能にする。
該針が該眼に挿入されている間の該眼のいずれかの回転の制限又はさらには抑制、
一人の操作者による介在、
該電極の正確で且つ安定した位置決め、
該眼に進入する間の該侵襲性の電極の正確なガイド、
該辺縁に相対的に該眼の中への正確な注入、
効率的で均質な大きい電界の生成。
【0111】
無論、本発明は、説明として提供されている、記載された及び図示された実施態様に限定されない。
【0112】
特に、様々な実施態様が組み合わせられることができる。
【0113】
また、国際出願第PCT/EP2016/058138号に開示されているデバイスの任意の特徴が、本発明と互換性がない場合を除き、本発明に従うデバイスに適用されうる。
【0114】
また、取り扱い手段は、本明細書の上記で説明された該櫛ハンドル38aに限定されない。
【0115】
加えて、該デバイスは好ましくは、それぞれ該第1及び第2の抜き取り位置から該第1及び第2の挿入位置への、該第1及び第2の櫛基部の動きを同期させる同期機構50を備えている。好ましくは、該同期機構50はまた、それぞれ該第1及び第2の挿入位置から該第1及び第2の抜き取り位置への、該第1及び第2の櫛基部の動きを同期させる。
【0116】
好ましくは、該第1及び第2の櫛基部は、共通の軸Yを中心に該支持体基部上に回転可能に取り付けられ、及び、該デバイスは、該第1及び第2の櫛基部の該動きを機械的に連動させる同期連動部を備えている。
【0117】
該同期連動部は好ましくは、該第1及び第2の櫛基部上を、好ましくはそれぞれ該第1及び第2の櫛基部の第1及び第2のガイドレール56上を(図8図9)、又は該第1及び第2の櫛基部の第1及び第2の表面57及び57の外側を(図10図11)、同時に摺動するように構成された、コネクタ54、好ましくは剛体コネクタ、を備えている。
【0118】
該コネクタ54は好ましくは、「Y」の形状を有する。特に、該コネクタ54の第1及び第2の枝部は、該第1及び第2の櫛の第1及び第2のガイドレール56内で摺動する第1及び第2のピン58を画定しうる(図8)。
【0119】
特に、図8の該デバイスは、支持体基部10と、摺動可能且つ弾性的に該支持体基部10に取り付けられた押しボタン60と、コネクタ54とを備えており、及び該コネクタ54は、「Y」の形状を有し、該ボタン60に剛直に固定され、該ボタン60の摺動運動がそれぞれ該第1及び第2の挿入位置と該第1及び第2の抜き取り位置との間の該第1及び第2の櫛基部の動きと結合されるように該第1及び第2の櫛基部と協働する第1及び第2のピン58を備えている。
【0120】
より正確には、該第1及び第2の櫛基部は、共通の軸Yを中心に該支持体基部上に回転可能に取り付けられ、且つ該コネクタ54の該第1及び第2の枝部の該第1及び第2のピン58の為の第1及び第2のガイドレール56を画定する、すなわち、該枝部は逆「V」字を形成する。それによって、該支持体基部10に相対的に、その軸Zに沿った該ロッド54の並進は、該第1及び第2の櫛基部の同期された回転運動に変換される。
【0121】
該デバイスは、それぞれ該第1及び第2の櫛基部を支持する第1及び第2のアーム61及び61を備え得、ここで、該第2のアームの動きは該第1のアームに相対的にガイドされる。好ましくは、該第2のアームは、図14に表されている通り、軸Wを中心として、特に一対のはさみの2つのアームのように、回転的に該第1のアームに取り付けられる。
【0122】
該第1及び第2のアームの動きは、互いに独立したものでありうる。特に、該第1及び第2のアームは、図15に表されている通り、夫々の且つ異なる軸W及びWを中心として、該支持体基部に回転可能に取り付けられうる。
【0123】
代替的には、該第1及び第2のアームは、図16及び図17に表されている通り、好ましくは共通の方向(図16及び図17における水平方向)に沿って、該支持体基部に相対的に並進して可動となるように該支持体基部に取り付けられうる。
【0124】
好ましくは、該第1及び第2の電極針は、円形形状である、すなわち円Cに沿って延在する(図11を参照)。該軸Yは好ましくは、上記円の中心と交差する。湾曲した電極針の該挿入軸は、該挿入点における該電極針の局所的方向である。それ故に、該軸Yが上記円の該中心と交差するとき、該第1及び第2の電極針の該挿入軸は、該挿入動作の間に変化せず、従って、該第1及び第2の電極針の進入は患者にとって害が少ない。
【0125】
該操作者は、図9の例のように(矢印を参照)該櫛基部に直接働きかけうる、及び/又は、該デバイスが好ましくは、該同期機構を制御する(例えば図8又は図9)、又は該第1及び第2の櫛基部に直接働きかける(図14~17)為の、アクチュエータ60を備えている。該アクチュエータ60は例えば、押しボタン又はスライダでありうる。
【0126】
好ましくは、該デバイスは、該第1及び第2の電極針をそれぞれ該第1及び第2の抜き取り位置に向けて自動的に動かせる為に、ばね62を備えている。それ故に、該ばねの作用は、該第1及び第2の電極針を挿入する為の、直接の又は該アクチュエータを介した、該櫛基部に対する該操作者の何らかの働きかけと反対である。
【0127】
該ばね62は、該同期機構と該支持体基部との間、例えば該アクチュエータ60と該支持体基部10との間(図8)、又は該第1の櫛基部と該第2の櫛基部との間、に置かれうる。
【0128】
図11の実施態様において、該ばね62は、該第1及び第2の櫛基部同士を接続する弾性接合部62’である。該第1及び第2の櫛基部及び該弾性接合部は、板ばねでありうる。
【0129】
好ましい実施態様において、該デバイスは、ある構成において、好ましくは少なくとも該抜き取り構成及び/又は該挿入構成において、該同期機構、好ましくは該アクチュエータ60若しくは該コネクタ54、又はより一般的には該第1及び第2の電極針、をロックする為の作動解除可能ロック64を備えている。
【0130】
図9の実施態様において、該ロック64は、該操作者がつまみ65を引っ張るときに作動され、従って、該コネクタ54の突起67が該基部支持体の開口69を強制的に通される。
【0131】
好ましい実施態様において、該デバイスは、該眼に挿入する間、該電極針の挿入深さを制御する駆動機構66を備えている。
【0132】
図12は、コネクタ54の歯70と協働して上記コネクタを予め決められた位置にロックするように構成されたラチェット68を備えている駆動機構66の例を示す。予め決められた位置の数、すなわち、ラチェットの歯の数、は好ましくは、2個超、5個超若しくは10個超、及び/又は1000個未満、500個未満、100個未満、若しくは50個未満である。該コネクタ58は、該支持体基部10の開口74を通じて、該操作者の手が届くボタン60への圧力によってロック解除されうる(図12の縦方向の矢印を参照)。該開口74は、該コネクタの位置を変更する為の該支持体基部10に相対的に該コネクタ58の並進を可能にする(図12の横方向の矢印を参照)。
【0133】
図13は、該コネクタ54上に形成され、且つ第1のピニオン78の歯によって並進して駆動されるところの歯板76を備えている駆動機構66の例を示す。図13の実施態様において、第2のピニオン80が、該第1のピニオン78、及び該支持体基部10の開口74を通じて、該操作者の手が届く該アクチュエータ60(すなわち、サムホイール)と機械的に接続している。該操作者が該アクチュエータ60を回し、それ故に該第2のピニオン80を回すと(図13の矢印を参照)、該コネクタ54が並進に動く。
【0134】
さらなる改良
該さらなる改良の要約
さらなる改良によれば、本発明はまた、
支持体基部を備えている支持体と、ここで、該支持体基部が、
眼の外側表面に合うように、10~15mmの半径を有する仮想球に沿って延在する球状の基部接触表面、並びに
該眼の辺縁に合うように、軸X及び5mm超、且つ8mm未満の半径を有し、リム平面内に延在する円形リム、
を画定する、
第1の先端を有する第1の針と、ここで、該第1の針が、該支持体上で、第1の中間穿刺位置を経由して、
該第1の針が上記仮想球の外側にある第1の抜き取り位置と、
該第1の針が該仮想球内に最大に挿入される第1の挿入位置と
の間で可動であり、
該第1の中間穿刺位置において、該第1の先端は、該仮想球の第1の半球に属する第1の挿入点に位置する、
を備えているデバイスであって、
該デバイスは、該仮想球の第2の半球に沿って延在する対向接触表面を画定する対向基部を備えており、該第1及び第2の半球同士は、該リムの正中ラジアル平面によって分離されており、
該第1の針は、該支持体上で可動であり、それにより、該第1の抜き取り位置から開始して該第1の挿入位置で終わる挿入動作の間に、該第1の針及び該対向接触表面は、該第1の針が該第1の中間穿刺位置に達したときに、該仮想球を該リムの該正中ラジアル平面に向けて押す、すなわち「挟む」、上記デバイスに関する。
【0135】
該さらなる改良によるデバイスはまた、以下の任意的な特徴及び好ましい特徴の1つ又は幾つかを有しうる:
該対向接触表面が、該リムの該正中ラジアル平面に相対的に、該第1の針の該挿入点と対称である点を含んでいる;
該対向接触表面が、該仮想球と、該第1の針が該第1の中間穿刺位置において、該第1の挿入点においてそれに沿って局所的に延在する第1の挿入軸との交差点にある点を含んでいる;
該対向接触表面が、上記対向接触表面から突出しており、且つ該眼上での該支持体の摺動を制限するように構成された少なくとも1つのスパイクを担持し、上記スパイクが、好ましくは0.1mm超、且つ0.5mm未満の高さを有する;
該対向基部が、該支持体基部上で可動であり、好ましくは回転可能に該支持体基部に取り付けられている、又は該支持体基部に相対的に固定されており、該対向基部が、該支持体基部の一部でありうる;
該デバイスが、該第1の挿入位置において、該支持体基部に固定された平板電極によって画定され、且つ該仮想球に沿って延在する平板電極接触表面に対して実質的に平行に延在するように、好ましくは共通の第1の櫛基部に固定され、互いに対して平行に、好ましくは共通の第1の針平面内に、延在する、幾つかの第1の針、好ましくは少なくとも3つの第1の針、を備えている;
該デバイスが、該挿入動作の間に1以上の該第1の針及び該対向基部の動きを同期させる同期機構を備えている。
【0136】
このデバイスはまた、本発明の他の実施態様の1つ又は幾つかの特徴を備えうる。
【0137】
該さらなる改良の詳細な説明
本発明の基本原理は、眼の上で該支持体を不動にし、安定させる為の、該電極針の挿入動作中に該眼を「押すこと」である。上記で説明された通り、本発明の好ましい実施態様に従うと、第1及び第2の櫛が該押すことに使用される。
【0138】
代替の実施態様において、該デバイスの該電極針の全てが該第1の櫛基部によって担持され、及び、該第2の櫛は、該眼に対する該第1の電極針の作用に逆らう為の、すなわちこの作用に対する反応に対抗する為の、対向基部に置き換えられる。
【0139】
該対向基部は、図18図20の実施態様における通り、少なくとも該挿入動作の間に、該支持体に相対的に固定されうる。
【0140】
そのような代替実施態様の例が図18において示されている。この実施態様は、図8の実施態様と類似しているが、該第2の櫛が対向基部90に置き換えられている。第2の電極針はない。
【0141】
該第2の針に直接又は間接的に関係しない、前に説明された全ての特徴が、この代替実施態様に適用されうる。
【0142】
該対向基部90は、該リムの該正中ラジアル平面Pm20に相対的に、少なくとも1つの第1の電極針の該挿入点M8aと対称である点M92を含んでいる対向接触表面92を画定する。
【0143】
好ましくは、該デバイスは、共通の第1の櫛基部に固定された、幾つかの平行な第1の電極針を備えている。好ましくは、第1の電極針は、例えば図19に示されている通り、該第1の挿入位置において、該平板電極12と対向する平面内を、好ましくは該平板電極に対して実質的に平行に、延在するように配置される。
【0144】
該第1の挿入位置における該第1の電極針の該一般的平面P(第1の針平面)に垂直な方向Dに沿って、該対向接触表面92は好ましくは、該挿入点M8aを越えて、好ましくは該第1の針のどの挿入点をも越えて、延在する(図19を参照)。好ましくは、上記方向Dに沿った、上記挿入点と該対向接触表面92の末端93との間の距離d93は、1mm超、好ましくは2mm超、好ましくは3mm超、及び/又は10mm未満、好ましくは5mm未満、である。
【0145】
該対向接触表面92は好ましくは、該支持体の該球状の基部接触表面18の一部であり、且つ眼の外側表面に合うように10~15mmの半径Rを有する該仮想球Sに沿って延在する。
【0146】
該対向接触表面92は、粗さが全くない、滑らかな表面を有することがあり、好ましくは、該眼の表面に対して攻撃的でない材料であり、例えば、シリコーンのポリマー、スポンジ、特に合成スポンジ、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリメタクリル酸メチル、又は任意の他の可撓性の医療グレードのポリマー、で作られた材料である。好ましくは、それは、1つの、好ましくは幾つかの、スパイク94を担持し、該スパイク94は、上記表面から突出しており、且つ該眼上での該支持体の摺動を制限するように設計されている(図19)。該対向接触表面92は好ましくは、2個超、5個超、10個超、20個超、及び/又は1000個未満、500個未満、若しくは100個未満のスパイク94を備えている。上記スパイクの高さは好ましくは、0.1mm超、及び/又は0.5mm未満若しくは0.3mm未満である。
【0147】
図20は、該眼Oの上で該サービス位置にある対向接触表面92を有するデバイスの例示的な実施態様を示す。
【0148】
該支持体基部10が該操作者の眼の上に維持され、及び該操作者が該第1の櫛6aを該リムの該正中ラジアル平面Pm20に向けて押すときに、すなわち、該第1の櫛と該支持体基部が互いの方に向けて押されるときに(図20の大きい縦の矢印を参照)、該対向接触表面92は、該第1の針によって及ぼされる力に反応して、該眼に対して少なくとも部分的に拮抗する力を与える。
【0149】
該対向基部は、図21の実施態様における通り、少なくとも挿入動作の間に、該支持体基部に相対的に可動でありうる。
【0150】
この実施態様はまた、1以上の該第1の電極針の動きと該対向基部の動きとが、該挿入動作の間に該第1及び第2の電極針の動きを同期させる為の前に説明された該機構と同様の同期機構によってどのようにして同期されうるかを説明している。
【0151】
一つの実施態様において、該デバイスは、上記対向基部を備えているが、第2の電極針をまた備えており、それらは特に、該対向基部上で該第2の抜き取り位置と該挿入位置との間で可動でありうる。
【0152】
前に説明された全ての特徴はまた、この最後の実施態様に適用されうる可能性がある。
【0153】
勿論、本発明は、説明として提供されてきた、記載された及び図示された実施態様に限定されない。
【0154】
特に、様々な実施態様が組み合わせられることができる。
【0155】
本発明の任意の実施態様について、
該軸Xに垂直な平面と、
該第1の挿入位置における1以上の該第1の針の全体的方向に垂直な平面と、
の間の角度は好ましくは、70°超、且つ110°未満、好ましくは80°超、且つ100°未満、である。
【0156】
本発明の任意の実施態様について、
該軸Xを含んでおり、且つ該リムの該正中ラジアル平面に垂直な平面と、
該第1の中間穿刺位置における、上記第1の針の該第1の挿入点における該第1の針の局所的方向、好ましくはいずれかの第1の針の局所的方向、及び/又は該第1の挿入位置における1以上の該第1の針の全体的方向と
の間の角度は、45°未満、好ましくは30°未満、好ましくは20°未満、好ましくは10°未満、好ましくは5°未満、好ましくは約0°、である。
【0157】
該平板電極12が該球状の仮想球Sに沿って延在するとき(図8)、それは該眼の該表面に合い、従って、該眼との接触が均一で且つ快適であり、怪我のリスクが制限される。
【0158】
しかし、該平板電極12は必ずしも該球状の仮想球に沿って延在しない。特に、それが、該第1の及び/又は第2の針がそれぞれ該第1及び第2の挿入位置にあるときに該第1の及び/又は第2の針に対して平行に延在すること、すなわち、該第1の及び/又は第2の針が該第1及び第2の挿入位置にあるときに、該平板電極と、該第1の及び/又は第2の針のうち該平板電極と対向している部分との間の距離が一定となるように延在すること、が有利である。該第1及び/又は第2の針が該第1及び第2の挿入位置にあるときに該平板電極に対向している領域は、図8及び図22の縦の点線の直線L12によって境界が定められる。
【0159】
有利なことに、該第1及び/又は第2の針によって作られる該侵襲性の電極と該平板電極との間の電界の均一性が向上される。
【0160】
特に、一つの実施態様において、該第1及び/又は第2の針は、該第1及び第2の挿入位置にあるとき、共通の平面内に延在し、及び、該平板電極は、該第1及び/又は第2の針の平面に対して平行である平面内に延在する。
【0161】
一つの実施態様において、該第1及び/又は第2の針が該第1及び第2の挿入位置にあるときに、該第1及び/又は第2の針は共通の球C14に沿って延在し(図22、又は図23のDを参照)、及び、該平板電極12は、共通の球C14と同じ中心を有する球C12に沿って延在する。それ故に、この実施態様において、該平板電極12は凸状である。それは、該仮想球Sの内部で、例えば0.1mm超、0.2mm超、又は0.5mm超の距離だけ、突出する。該第1及び/又は第2の針と該平板電極12との間の距離δは、一定であり、且つ該球C14及びC12の半径の差である。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
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【国際調査報告】