(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】オルガノイド培養のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
C12M 3/00 20060101AFI20220706BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20220706BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
C12M3/00 A
C12M1/00 A
C12M1/34 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565933
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(85)【翻訳文提出日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2020054357
(87)【国際公開番号】W WO2020225777
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519091306
【氏名又は名称】モレキュラー デバイシーズ (オーストリア) ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アツラー, ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ケンダ, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】スピラ, フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】シレンコ, オクサナ
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029BB11
4B029CC02
4B029CC13
4B029FA01
(57)【要約】
本開示は、オルガノイドを培養、監視、および/または分析するための方法ならびに装置を含む、システムを提供する。オルガノイド培養の例示的方法では、本方法は、開放側を有するレセプタクル内に足場を配置するステップを含み得る。シール部材が、チャンバを生成するように、レセプタクルの開放側に接着され得る。オルガノイドが、足場を使用して、チャンバ内に形成され得る。流体および/または少なくとも1つの物質が、オルガノイドとの接触のために、上を覆うリザーバからチャンバの中に導入され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノイド培養の方法であって、前記方法は、
開放側を有するレセプタクル内に足場を配置することと、
シール部材を前記レセプタクルの開放側に接着し、チャンバを生成することと、
前記足場を使用して、前記チャンバ内にオルガノイドを形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
接着することは、事前作製されたシール部材を前記レセプタクルに接着することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接着することは、少なくとも部分的に前記レセプタクル内でシール材料を凝固させることによって、前記シール部材を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記レセプタクルと一体的に形成される上を覆うリザーバから前記チャンバの中に流体および/または少なくとも1つの物質を導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
足場を配置することは、前記レセプタクル内に足場を3D印刷することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オルガノイドが前記チャンバ内に位置している間に、前記オルガノイドの少なくとも一部の画像を捕捉することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
捕捉することは、ライトシート顕微鏡検査によって画像を捕捉することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
オルガノイド培養の方法であって、前記方法は、
レセプタクルの壁上に足場を配置することと、
シール部材を前記壁の反対側に位置する前記レセプタクルの開放側に取り付け、チャンバを生成することと、
前記シール部材が前記チャンバの底部に位置している間に、前記足場を使用して、前記チャンバ内にオルガノイドを形成することと
を含む、方法。
【請求項9】
足場を配置することは、前記レセプタクル内に前記足場を3D印刷することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
3D印刷することは、幹細胞を前記足場の中に組み込むことを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
シール部材を取り付けることは、前記シール部材を前記レセプタクルの開放側に接着することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記チャンバの上壁に開口部を生成することと、
器具の端部を前記開口部から前記チャンバの中に挿入することと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記器具は、針、光源に動作可能に接続される光導体、内視鏡、電極、ATRプローブ、バルーンに結合される空気圧/油圧源、および磁石から成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
オルガノイド培養の方法であって、前記方法は、
レセプタクルの壁上に足場を配置することと、
シール部材を前記レセプタクルに取り付け、チャンバを生成することと、
前記足場を使用して、前記チャンバ内にオルガノイドを形成することと、
前記オルガノイドとの接触のために、上を覆うリザーバから前記壁を通して前記チャンバの中に流体および/または少なくとも1つの物質を導入することと
を含む、方法。
【請求項15】
導入することは、前記上を覆うリザーバおよび前記チャンバの中間に位置する壁を通して延在するチャネルを介して、前記流体および/または少なくとも1つの物質を前記チャンバの中に通過させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
導入することは、前記チャンバの上壁を通して栄養素を通過させ、前記オルガノイドに補給することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
導入することは、前記チャンバの上壁を通して1つ以上の固化剤および/または清澄剤を通過させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
導入することは、重力を用いて前記リザーバから前記チャンバの中に流体を駆動することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
導入することは、前記チャンバの入口から出口まで流体を駆動することを含み、前記入口および前記出口はそれぞれ、前記チャンバの上壁を通して延在するチャネルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
対応する複数のチャンバ内に複数のオルガノイドを形成することと、
異なる処置を前記オルガノイドのそれぞれに適用することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
異なる処置を適用することは、異なる試験化合物を前記複数のチャンバのうちの各チャンバの中に導入することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
異なる処置を適用することは、ゲノム編集によって、その個別のチャンバ内の各オルガノイドの遺伝物質を改変することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
異なる処置を適用することは、少なくとも1つのゲノム遺伝子座を生体内標識すること、または1つ以上のDNA結合剤を使用して、その個別のチャンバ内の各オルガノイドの遺伝子発現プロファイルを改変することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のオルガノイドのうちの各オルガノイドに関してデータを収集し、前記オルガノイドへの影響に関して前記異なる処置を試験することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
データを収集することは、その個別のチャンバ内の原位置で各オルガノイドを撮像することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
データを収集することは、被分析物に関して、各オルガノイドと関連付けられる個別の流体を化学分析することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
データを収集することは、そのチャンバから各オルガノイドを除去し、そのチャンバからの除去後に前記オルガノイドからのデータを収集することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
データを収集することは、そのチャンバからの除去後に、各オルガノイドを物理的に切片化することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第1のリザーバおよび第2のリザーバは、前記チャンバの上を覆い、前記チャンバと別個に流体連通し、前記方法はさらに、前記第1のリザーバにわたって可撓性膜を配置することと、圧力を前記可撓性膜の上側に印加し、前記チャンバを介して前記第1のリザーバから前記第2のリザーバまで流体を駆動することとを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年5月8日に出願された米国仮出願第16/407,026号の優先権を主張する。
【0002】
オルガノイド(「ミニ器官」)は、生体外で産生され、器官特有の組織の現実的な組織学を呈すること等の器官とのある類似点を有する、異なるタイプの3次元細胞塊である。細胞塊は、基質に少数の幹細胞を播種することによって発生されることができる。幹細胞は、次いで、基質を足場として使用しながら、基質内で増殖、分化、および自己組織化する。本アプローチを用いて、とりわけ、脳、心臓、腸、腎臓、肝臓、および胃からの組織に類似するオルガノイドが、これまで発生されてきた。これらの有望な結果は、オルガノイド培養が、器官発達および機能への新しい洞察を提供し、かつ生体外で薬物スクリーニングを可能にする疾患モデルを再現する潜在性を有することを示唆する。オルガノイドは、薬物が発見され、医学が個人化される方法を革命的に変化させ得る。
【0003】
オルガノイドを完全に活用する研究者の能力を限定する、いくつかの問題が存在する。第1に、オルガノイドがサイズを増加させるにつれて、それらは、内側および外側の両方から補給される必要があり得、課題を提起する。第2に、各異なるタイプのオルガノイドが、機能するオルガノイドの適切な成長および発達を可能にするために、最適化された3次元基質足場構造、その構造のために適切な培地交換(補給)、および可能性として、機械的抵抗または制御された力を被る能力さえも要求し得る。第3に、大型オルガノイドを異なるタイプの試薬に暴露し、スクリーニングを可能にするために最適化される容器が存在しない。第4に、撮像方法によって、原位置で大型オルガノイドを監視するために最適化される容器が存在しない。代わりに、オルガノイドは、多くの場合、物理的に固定および切片化された後に撮像される。故に、システムおよび方法が、大型オルガノイドを効率的に成長させ、監視し、分析する能力を提供すること等によって、オルガノイド培養を改良するために必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、オルガノイドまたは他の組織化された多細胞構造を培養、監視、および/または分析するための方法ならびに装置を含む、システムを提供する。オルガノイド培養の例示的方法では、本方法は、開放側を有するレセプタクル内に足場を配置するステップを含み得る。シール部材が、チャンバを生成するように、レセプタクルの開放側に接着され得る。オルガノイドが、足場を使用して、チャンバ内に形成され得る。流体および/または少なくとも1つの物質が、オルガノイドとの接触のために、上を覆うリザーバからチャンバの中に導入され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、容器が液体培養培地に沈められたオルガノイドを保持し、容器の前および後壁が可視ではない状態で得られた、オルガノイドを形成、培養、監視、および分析するための例示的容器の概略側面図である。
【
図2】
図2は、容器が空である間に得られた、
図1の容器の分解側面図である。
【
図3】
図3は、単独で得られ、
図4-10に図示されるように、容器内のオルガノイドを培養、監視、および/または分析する方法の実施の前に
図2に対して反転された、
図2の容器の本体の側面図である。
【
図4】
図4および5は、それぞれ、3D印刷またはピペット操作による容器のレセプタクル内の足場の生成の間および後に得られた、
図3の容器本体の側面図である。
【
図5】
図4および5は、それぞれ、3D印刷またはピペット操作による容器のレセプタクル内の足場の生成の間および後に得られた、
図3の容器本体の側面図である。
【
図6】
図6は、事前作製されたシール部材が、レセプタクルの開放側をシールし、足場を含有するチャンバを生産するように容器本体に接着された後に得られた、
図5の容器本体の側面図である。
【
図7】
図7は、容器本体が、オルガノイド培養配向に反転され、少なくとも1つの液体培地が、足場を含有するチャンバの中およびチャンバと流体連通する上を覆うリザーバの中に導入され、容器の蓋が、リザーバの開放上部を被覆した後に得られた、
図6の容器本体およびシール部材の側面図である。
【
図8】
図8は、オルガノイドを発生させるための足場内の幹細胞の増殖および分化後に得られた、
図7の容器の側面図である。
【
図9】
図9は、発達中のオルガノイドによる足場の再形成/置換後に得られた、
図8の容器の側面図である。
【
図10】
図10は、オルガノイドがライトシート顕微鏡検査によって撮像されるにつれて得られた、
図9の容器の側面図である。
【
図11】
図11-13は、レセプタクル内の原位置でシール部材を形成することによって、容器本体のレセプタクルの開放側をシールし、チャンバを生産することへの代替アプローチを図示する、
図5の容器本体および足場の側面図である。
【
図12】
図11-13は、レセプタクル内の原位置でシール部材を形成することによって、容器本体のレセプタクルの開放側をシールし、チャンバを生産することへの代替アプローチを図示する、
図5の容器本体および足場の側面図である。
【
図13】
図11-13は、レセプタクル内の原位置でシール部材を形成することによって、容器本体のレセプタクルの開放側をシールし、チャンバを生産することへの代替アプローチを図示する、
図5の容器本体および足場の側面図である。
【
図14】
図14は、撮像対物レンズの存在下で、容器本体が、オルガノイド培養配向に反転され、少なくとも1つの液体培地が、足場を含有するチャンバの中およびチャンバと流体連通する上を覆うリザーバの中に導入され、容器の蓋が、リザーバの開放上部を被覆した後に得られた、
図13の容器本体、シール部材、および足場の側面図である。
【
図15】
図15は、レセプタクル内の原位置でシール部材を形成することによって、容器本体のレセプタクルの開放側をシールし、チャンバを生産することへの修正されたアプローチを
図13に対して図示する、
図12の容器本体および足場の側面図である。
【
図16】
図16は、容器ストリップが相互に直接接続された容器のセットを有する、オルガノイドのアレイを形成、培養、監視、および/または分析するための例示的容器ストリップの概略側面図である。
【
図17】
図17は、オルガノイドの培養の間に得られ、容器ストリップの各容器内のリザーバの間に液体培地を移送するための例示的ポンプ構成を図示する、
図16の容器ストリップの概略側面図である。
【
図17A】
図17Aおよび17Bは、オルガノイドの培養の間に得られ、反対回転方向に容器ストリップを傾転させることが、各チャンバ内で個別の反対方向に流動を駆動し得る様子を図示する、
図16の容器ストリップの概略側面図。
【
図17B】
図17Aおよび17Bは、オルガノイドの培養の間に得られ、反対回転方向に容器ストリップを傾転させることが、各チャンバ内で個別の反対方向に流動を駆動し得る様子を図示する、
図16の容器ストリップの概略側面図。
【
図18】
図18は、オルガノイドの培養の間に得られ、容器ストリップの異なる容器のリザーバの間で液体培地を移送するための例示的ポンプ構成を図示する、容器のアレイを有する例示的容器ストリップの別の実施形態の概略側面図である。
【
図21】
図21は、容器本体が反転され、事前作製されたシール部材が容器本体のレセプタクルから分解された状態で得られた、
図19の容器本体の図である。
【
図26】
図26は、
図25のものと異なる容器本体の下側部分のみことを除いて、概して、
図25のように得られた、容器本体の別の実施形態の部分断面図である。
【
図27】
図27は、多孔質管が容器本体のチャネルの間に3D印刷によって形成された後に得られた、
図26の容器本体の部分断面図である。
【
図28】
図28は、容器本体が容器本体のレセプタクルと動作可能に関連付けられる電磁石を含む状態で、
図25のように得られた、容器本体のさらに別の実施形態の断面図である。
【
図29】
図29は、足場がチャンバの天井に接続され、細胞がチャンバの床上に位置し、細胞が強磁性であり、電磁石がオフにされた状態で、チャンバを生成するようにシール部材に接着された
図28の容器本体の部分図である。
【
図30】
図30は、強磁性標識細胞が磁力によって足場の中に引動されているように、電磁石がオンにされた状態で得られた、
図29の容器本体、シール部材、足場、および細胞の別の部分図である。
【
図31】
図31は、各容器が
図19の実施形態に対応する容器本体を含む、足場生成およびオルガノイド形成ならびに培養の間にストリップとして容器の直線的に配列されたセットを保持するための例示的ラックの上面図である。
【
図32】
図32は、ストリップを生成するように
図19の実施形態に対応する容器本体のセットと組み立てられた、
図31のラックの上面図である。
【
図34】
図34は、
図19の実施形態に対応する容器本体の2次元アレイを保持し、ストリップを生成するための別の例示的ラックの上面図である。
【
図35】
図35は、容器本体の開放底端が、チャンバを形成するようにシール部材を用いてシールされ、容器本体が、突破可能な障壁によってその底端において閉鎖されるアクセス管を画定し、磁石が、突破可能な障壁に隣接して(かつその上方に)磁石の作業端を設置するようにアクセス管の中に挿入された状態で、概して、(関連実施形態に関して)
図25のように得られた、
図1および2の容器のための容器本体のなおもさらに別の実施形態の断面図である。
【
図36】
図36は、オルガノイドが、チャンバ内に存在し、磁石が、突破可能な障壁を穿刺し、オルガノイドに進入した先端を有する針によって置換された状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図37】
図37は、オルガノイドが、チャンバ内に存在し、磁石が、突破可能な障壁を穿刺し、オルガノイドに進入した感知/刺激端領域を有するセンサ/電極によって置換された状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図38】
図38-40は、突破器具の先端がアクセス管から障壁を通してチャンバの中に通過する前、間、および後の突破可能な障壁の周囲で得られた、
図35の容器本体の部分断面図である。
【
図39】
図38-40は、突破器具の先端がアクセス管から障壁を通してチャンバの中に通過する前、間、および後の突破可能な障壁の周囲で得られた、
図35の容器本体の部分断面図である。
【
図40】
図38-40は、突破器具の先端がアクセス管から障壁を通してチャンバの中に通過する前、間、および後の突破可能な障壁の周囲で得られた、
図35の容器本体の部分断面図である。
【
図41】
図41は、突破器具が、3つのアクセス管内に配置され、突破器具のうちの1つのみが、アクセス管の下方のチャンバの中に延在する状態で、3つのアクセス管が可視であるように、概して、(関連実施形態に関して)
図24のように得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図42】
図42-44は、突破器具の先端がアクセス管から突破可能な障壁を通して通過する前、間、および後に、図が突破可能な障壁の周囲で得られた、突破可能な障壁が易壊性ウェブにおいて裂けるように構成される、
図35の容器本体の修正された実施形態の部分断面図である。
【
図43】
図42-44は、突破器具の先端がアクセス管から突破可能な障壁を通して通過する前、間、および後に、図が突破可能な障壁の周囲で得られた、突破可能な障壁が易壊性ウェブにおいて裂けるように構成される、
図35の容器本体の修正された実施形態の部分断面図である。
【
図44】
図42-44は、突破器具の先端がアクセス管から突破可能な障壁を通して通過する前、間、および後に、図が突破可能な障壁の周囲で得られた、突破可能な障壁が易壊性ウェブにおいて裂けるように構成される、
図35の容器本体の修正された実施形態の部分断面図である。
【
図45】
図45は、オルガノイドが、チャンバ内に存在し、磁石が、突破可能な障壁を穿刺し、オルガノイドに進入した先端を有する減衰全反射(ATR)光ファイバプローブによって置換された状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図46】
図46は、オルガノイドが、チャンバ内に存在し、磁石が、突破可能な障壁を通して通過し、オルガノイドに進入した前部レンズを有する撮像光ファイバプローブによって置換された状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図47】
図47は、オルガノイドが、チャンバ内に存在し、磁石が、オルガノイドに進入した遠位端を有する照明プローブによって置換された状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図48】
図48は、オルガノイドが、チャンバ内に存在し、磁石が、内部機械的歪みを生成するようにオルガノイドの内側に位置する拡張可能バルーンを有する空気圧デバイスによって置換された状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図49】
図49は、オルガノイドが、チャンバ内に存在し、磁石が、外部機械的歪みを生成するようにオルガノイドの外側に位置する拡張可能バルーンを有する一対の空気圧デバイスによって置換された状態で得られた、(関連実施形態に関して)
図24のように得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図50】
図50および51は、一対の磁石が、対応するアクセス管を介してチャンバの中に延在し、磁力を介して事前製造された足場構造またはバイオチップを磁石に搭載する状態で、概して、(類似実施形態に関して)それぞれ、
図25および24のように得られた、
図35の容器本体およびシール部材の図である。
【
図51】
図50および51は、一対の磁石が、対応するアクセス管を介してチャンバの中に延在し、磁力を介して事前製造された足場構造またはバイオチップを磁石に搭載する状態で、概して、(類似実施形態に関して)それぞれ、
図25および24のように得られた、
図35の容器本体およびシール部材の図である。
【
図52】
図52および53は、キャップが容器本体の上部に搭載され、それを密閉してシールし、交互に反対方向にチャンバを通して液体を駆動するように、一対のリザーバにわたって交互に印加される外部圧力によって変形されている、可撓性部材を提供する状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【
図53】
図52および53は、キャップが容器本体の上部に搭載され、それを密閉してシールし、交互に反対方向にチャンバを通して液体を駆動するように、一対のリザーバにわたって交互に印加される外部圧力によって変形されている、可撓性部材を提供する状態で得られた、
図35の容器本体およびシール部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、とりわけ、オルガノイドまたは発達中もしくは完全に発達した多細胞生物、組織生検、および/または一次患者物質等の他の組織化された多細胞構造を培養、監視、ならびに/もしくは分析するための方法および装置を含む、システムを提供する。オルガノイド培養の例示的方法では、本方法は、開放側を有するレセプタクル内に足場を配置するステップを含み得る。シール部材が、チャンバを生成するように、レセプタクルの開放側に接着され得る。オルガノイドが、足場を使用して、チャンバ内に形成され得る。流体および/または少なくとも1つの物質が、オルガノイドとの接触のために、上を覆うリザーバからチャンバの中に導入され得る。
【0007】
本開示は、とりわけ、オルガノイドまたは発達中もしくは完全に発達した多細胞生物、組織生検、および/または一次患者物質等の他の組織化された多細胞構造の形成、培養、監視、ならびに/もしくは分析のための容器を説明する。容器は、消費可能(すなわち、単回使用後に使い捨て)であり得る、および/または標準形状を有してもよい。容器は、開放側を有するレセプタクルを画定する容器本体を含んでもよい。シール部材が、レセプタクルからチャンバを形成するように、容器本体に取り付けられ(例えば、接着され)てもよい。シール部材は、とりわけ、レセプタクルに事前形成または形成されてもよい。
【0008】
3次元(3D)構造(すなわち、足場であり得る、少なくとも1つの基質)が、その開放側がシールされる前に、レセプタクル内に配置されてもよい。3D構造は、3Dプリンタによってレセプタクルに形成されてもよい。3Dプリンタは、インクが3D構造を発生させるように堆積される前に、または堆積されるにつれて、細胞と混合され得る、1つ以上の凝固可能なバイオインクを分注してもよい。代替として、細胞は、3D構造と別個にレセプタクルまたはチャンバの中に導入されてもよい。他の実施形態では、3D構造は、少なくとも部分的または完全にレセプタクルの外側に形成され、次いで、その中に配置されてもよい。
【0009】
生成されるにつれて、または生成された後に基質足場の中に導入され得る、好適な細胞は、分化していない幹細胞、すでに分化しており、分化し続けるであろう幹細胞、細胞集合体、小型オルガノイド、および/または同等物を含んでもよい。
【0010】
3Dプリンタはまた、接着剤および/またはシール流体を容器本体に適用し、印刷プロセスの終わりに透明なシール部材を用いたレセプタクルの開放側のシールを可能にするために利用されてもよい。基質成分を分注するために好適であり得る、例示的印刷技法は、バイオインクを使用する液滴ベースのバイオプリンティングまたはレーザベースのバイオプリンティング(例えば、パルスレーザを用いたレーザ誘起前方転写(LIFT)による、細胞、酵素等を印刷するためのレーザベースの直接書込)を含む。
【0011】
足場および/または他の基質は、1つ以上のヒドロゲルによって提供されてもよい。各ヒドロゲルは、温度依存性様式で基質を協調的に形成する、とりわけ、マトリゲル、アルギン酸塩、ナノ線維状セルロース、コラーゲン、フィブリン、および/またはポリエチエレングリコール等の1つ以上の熱可塑性構造成分を含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、2つ以上の異なるヒドロゲル/基質が、レセプタクル内に配置されてもよい。ヒドロゲル/基質は、溶融温度、酵素分解に対する抵抗、溶解度、細胞誘引および/または細胞反発特性、ならびに/もしくは同等物等の任意の好適なパラメータと異なり得る。
【0013】
各ヒドロゲル/基質は、任意の好適な成分を含んでもよい。例示的成分は、1つ以上の多糖類(例えば、グリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等のGAG)、プロテオグリカン(例えば、アグリカン、アグリン、ブレビカン、XVIII型コラーゲン、レプレカン、ニューロカン、ペルレカン、小型ロイシン豊富プロテオグリカン、ベルシカン、または同等物を形成するように(そのセリンを介して等)コアタンパク質に結合されるGAG)、線維性タンパク質(例えば、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニン等)、および/または同等物を含む。(例えば、足場メタロプロテイナーゼ(MMP)のための)プロテアーゼ認識部位が、細胞による分解/再形成を可能にするようにヒドロゲル/基質の中に組み込まれてもよい。そのような部位の頻度は、各部位の配列とともに、好適な量の分解/再形成を許容するように選択されてもよい。
【0014】
1つ以上の成長因子が、形成されるときに基質に含まれてもよい、または形成後に液体培地内に導入されてもよい。好適であり得る例示的成長因子は、アンジオポイエチン、骨形成タンパク質(BMP)、毛様体神経栄養因子、コロニー刺激因子、エフリン、上皮成長因子、エリトロポエチン、線維芽細胞成長因子、グリア由来神経栄養因子、肝細胞成長因子、インスリン、インスリン様成長因子、インターロイキン、白血病抑制因子、ケラチノサイト成長因子、ニューレグリン、ニューロトロフィン、血小板由来成長因子、形質転換成長因子、腫瘍壊死因子(アルファ)、血管内皮成長因子、および/または同等物を含む。
【0015】
任意の好適な細胞が、最初に足場に密集してもよい。これらの細胞は、幹細胞(例えば、多能性幹細胞)、支持細胞、および/または同等物を含んでもよい。細胞は、とりわけ、バイオインク液滴印刷、マイクロコンタクト印刷、フォトリソグラフィ、ディップペンナノリソグラフィ、および/またはピペット操作を含む、任意の好適な技法によって足場内に堆積されてもよい。
【0016】
容器は、リザーバとチャンバとの間の共有壁に形成され得る、チャネルを介してチャンバと流体連通する、複数のリザーバを提供してもよい。本構成は、標準補給インターフェースとして説明され得る。いくつかの実施形態では、3D印刷は、任意の好適な印刷された構造への容器の内側の標準補給インターフェースの接続を提供し、異なるタイプのオルガノイドの成長を可能にする。
【0017】
印刷された3D構造は、オルガノイドに発達するにつれて、適切なタイプの細胞のための一時的足場を提供することができる。細胞は、自己組織化し、足場の一部または全てに取って代わり得る、それらの独自の細胞外基質を産生し得る。同じことが、内部補給に当てはまり得、すなわち、容器は、随意に、3D印刷によって修正され得る、一般的インターフェースを提供してもよく、細胞は、組織化し、本修正されたインターフェースを最良に使用してもよい。
【0018】
足場(細胞の有無を問わず)は、容器本体のレセプタクル内に配置されてもよく、チャンバは、容器が上下逆である間に、レセプタクルから形成されてもよい。いったんこれらのプロセスが完了すると、容器は、右側を上に(そのオルガノイド培養配向に)向けられてもよく、チャンバの上を覆う少なくとも1つのリザーバが、補給液体で充填されてもよい。まだ足場の内側にいずれの細胞も存在しない場合、好適な細胞が、補給液体の中に設置され、上を覆うリザーバから補給液体とともに足場の中に導入されてもよい(または細胞が、アクセス管を介して導入されてもよい(例えば、実施例7参照))。
【0019】
形成するオルガノイドは、具体的補給プロトコルが開始され得る前に、初期インキュベーション時間を必要とし得る。補給プロトコルは、所定のスケジュールに従って、および/またはオルガノイドの発達段階もしくは条件に基づいて、リザーバに好適な培地を装填し、次いで、リザーバから培地を除去することを伴い得る。補給プロトコルは、足場の形状ならびに形成されることになるオルガノイドのタイプに依存し得る。
【0020】
容器は、シール部材によって提供され得る、チャンバの底部窓を介してオルガノイド監視を可能にするように構造化されてもよい。いくつかの実施形態では、オルガノイドは、インキュベータの内側に留まっている間に監視されてもよい。故に、インキュベータは、オルガノイド監視のための撮像システムを含んでもよい。
【0021】
容器は、ライトシート3D撮像を可能にし得る。容器のチャンバは、2つ、3つ、またはそれを上回る光学窓を有してもよく、光が、各窓を介してチャンバの中および/または外に伝搬してもよい。例えば、容器は、それぞれが平面的であり得る、底部窓と、1つ以上の側方窓とを有してもよい。いくつかの実施形態では、容器は、相互の反対側に配列される一対の側面窓を有してもよい。
【0022】
複数の容器本体(容器)が、ストリップとして組織化されてもよい。ストリップは、製造の間に線形または2次元アレイ内で容器本体を相互に事前に取り付けることによって(例えば、射出成型等によって、相互と一体的に容器本体を接着または形成することによって)生成されてもよい。代替として、ストリップは、好適なストリップホルダと個々の容器本体を組み立てることによって、製造の間に、またはユーザによって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、ストリップホルダは、1つだけのストリップまたは2つのストリップを保持し、撮像対物レンズのための余地を可能にするように構成されてもよい。容器本体のストリップが、プリンタが容器本体のそれぞれに足場を印刷する、および/またはそれにシール部材を追加することを可能にするように、3Dプリンタの中に装填されてもよい。
【0023】
本開示は、内側および外側でオルガノイドに異なる培地を補給することによって、大型の機能的オルガノイドの発生を可能にする。大型オルガノイドは、とりわけ、平均直径または最大直径が、約0.1、0.2、0.5、1、または2ミリメートルを上回り得る。大型オルガノイドを用いた作業は、依然として、困難であり、研究者は、2つの主要な限界に直面している。第1に、各タイプのオルガノイドは、具体的ヒドロゲル、基材としての基質、またはさらに培地流による剪断力のような機械的性質のような異なる培養条件を必要とする。第2に、大型オルガノイドの顕微鏡検査は、非常に困難である。最先端の方法は、依然として、オルガノイド材料の薄片化、染色、および共焦点走査型顕微鏡またはさらにスライドリーダを使用する固定されたサンプルの画像入手である。
【0024】
本開示は、一方または両方の障害物を克服することを促進するためのシステムおよび方法を提供する。重力流による培地交換とともに、3D印刷の組み合わせ(足場および/または細胞)を使用することによって、ユーザは、オルガノイドのタイプ毎に最適化される一意の3D環境を発生させてもよい。広範囲の異なるオルガノイドタイプが、成長されてもよい。補給および廃棄物除去は、容器のチャンバと上を覆うリザーバとの間の流体連通によって対処され得る。励起光の入射のために少なくとも1つ、放出光の出射のためにもう1つ、光学窓を各容器の中に統合することは、ライトシート顕微鏡検査によってオルガノイドの生体細胞を監視することを可能にする。代替として、または加えて、オルガノイドは、窓のうちの1つ以上のものを介して、古典的広視野顕微鏡検査によって撮像されてもよい。したがって、本明細書に開示される容器は、発達中および/または発達したオルガノイドの生体細胞顕微鏡検査の実施を可能にし得る。高コンテンツおよび/または高スループット顕微鏡検査が、オルガノイドに実施されてもよい。
【0025】
本開示のさらなる側面が、以下の節、すなわち、(I)オルガノイド形成、培養、監視、および/または分析のための容器、(II)オルガノイド形成、培養、監視、および/または分析の方法、ならびに(III)実施例に説明される。
【0026】
I.オルガノイド形成、培養、監視、および/または分析のための容器
本節は、オルガノイド52(または他の組織化された多細胞構造)の形成、培養、監視、および/または分析のための例示的容器50を説明する。
図1および2を参照されたい。容器50は、ここでは、閉鎖される(
図1)、または開放している(
図2)容器の上および底側を区別するように、前および後壁が可視ではない状態で、図式的に示される。
【0027】
図1は、オルガノイドが培地56(例えば、オルガノイド成長および発達を促すための液体または半固体培養培地)に沈められた、チャンバ54内にオルガノイド52を含有する容器50を示す。オルガノイド52は、その上壁58等のチャンバ54の上側領域に取り付けられてもよい。(上壁は、同義的に天井と呼ばれる。)チャンバの側方壁60および底壁62は、障壁を提供し、流体を通過させ、それによって、上壁58の下方のチャンバの全てを液密にし得る。
【0028】
容器50は、チャンバ54にわたって位置する複数のコンパートメント63を画定する。各コンパートメント63は、壁をチャンバ54と共有してもよく、最初にチャンバと流体連通する場合とそうではない場合がある。例示的コンパートメントは、リザーバと、アクセス管とを含む(実施例7参照)。ここで、容器50は、チャンバ54にわたって個別の液体培地66a、66bを保持するための(少なくとも)2つのリザーバ64a、64bを含む。各リザーバ64a、64bは、対応する専用チャネル68a、68bを介して、各他方のリザーバから独立してチャンバ54と流体連通してもよい。各チャネル68a、68bは、リザーバ64a、64bのうちの1つからチャンバ54まで上壁58を通して延在してもよく、上壁58の上および底側と同一平面であり得る、または環状突出部の管腔として上壁58の上側および/または底側から突出してもよい(例えば、実施例4参照)。他の実施例では、容器50は、それぞれ、上壁58を通して、および/または各他方のリザーバから独立して、チャンバ54と流体連通し得る、少なくとも、もしくは正確に、3つ、4つ、5つ、6つ、以上の上を覆うリザーバを有してもよい(例えば、実施例3参照)。
【0029】
容器50の2つ以上のリザーバは、チャンバ54に供給されるべき任意の好適な物質を保持してもよい。例示的物質は、とりわけ、栄養素、作用因子、および試薬を含む。好適な栄養素は、チャンバ54の内側で、細胞の健全性および増殖、したがって、オルガノイド52の成長および発達を促進するための任意の物質を含む。例示的栄養素は、糖類(グルコース等)、アミノ酸、タンパク質、ヌクレオチド、ビタミン、鉱物、脂肪酸等を含んでもよい。作用因子は、プロセスまたは作用(分化、タンパク質合成、遊走等)を活性化、制御、もしくは不活性化する、任意の分子(誘導因子または抑制因子等)を含む。例示的作用因子は、抗癌化合物、成長因子、分化因子、オリゴヌクレオチド、mRNA、または同等物を含む。試薬は、オルガノイドの分析を促進する任意の化合物を含む。例示的試薬は、とりわけ、標識、固化剤、および清澄剤を含む。標識は、染料(例えば、可視染色剤および/または光輝性染料)を含んでもよい。光輝性染料は、励起光による照射に応答して発光する、任意の物質である。
【0030】
各リザーバ64a、64bは、側方に流体を含有するための側方壁70を有してもよい。少なくとも1つの側方壁が、
図1に描写されるように、少なくとも一対の隣接するリザーバの間で共有されてもよい。他の実施例では、同一または異なる容器の少なくとも一対のリザーバが、リザーバの間で共有される壁70に形成されるチャネルを介して等、チャンバ54から独立して、側方に相互と流体連通してもよい(例えば、実施例2参照)。
【0031】
各リザーバ64a、64bは、流体移送デバイス(例えば、ピペットまたは他のポンプ)を用いた流体の導入および除去を促進するための開放上部72を有してもよい。容器50は、容器にわたって嵌合し、インキュベータ内のインキュベーションの間に各リザーバ64a、64bの開放上部72を被覆する、単一の除去可能な蓋74を含んでもよい。代替として、容器は、相互から独立して除去可能であり、リザーバの全てを集合的に被覆する、2つ以上の蓋を含んでもよい。各蓋74は、各リザーバの上端に垂直に重複し、随意に、緊密な嵌合を生成することなく、リザーバを被覆するときに蓋の側方運動を制限するように構成される、フランジ76を有してもよい。いくつかの実施形態では、蓋は、1つ以上のリザーバの上部に液密シールを形成する、キャップであってもよい(例えば、実施例8参照)。
【0032】
図2は、容器が空である、
図1の容器50の分解図を示す。容器50は、蓋74と、容器本体78と、シール部材80とを含んでもよい。容器本体78は、リザーバ64a、64b、およびリザーバの下のレセプタクル82を画定し得る。レセプタクル82は、チャンバ54の上壁58および側方壁60を提供する。しかしながら、レセプタクル82は、オルガノイド形成を支持するための足場86がレセプタクル82内に配置された後に、チャンバ54を生成するように平坦なシール部材80を用いてシールされ得る、開放底側84を有してもよい(
図1および第II節参照)。シール部材は、チャンバ54を生成するようにレセプタクル82(および/または容器本体78)の底端に接着されることができる。他の実施形態では、シール部材は、レセプタクル82の底側84をシールするように原位置で形成されることができる(第II節参照)。
【0033】
容器50は、撮像を促進するための1つ以上の光学窓を有してもよい(
図1参照)。各光学窓は、チャンバの中に光を伝搬するために、チャンバ54の少なくとも一部を照明するために、または撮像のため等にチャンバから光を受光するために、使用されてもよい。
【0034】
例示的実施形態では、容器50は、シール部材80によって提供される底部窓88と、容器本体78によって提供される1つ以上の側方窓90とを有する。各光学窓は、透明および/または平面的であり得る。底部窓88は、各側方窓90を横断し(例えば、直交し)得、側方窓は、チャンバ54の反対の側方壁60によって形成されてもよい。(本明細書で使用されるような用語「光」は、紫外線放射、可視放射(すなわち、可視光)、および/または赤外線放射を含む、光学的放射を意味する。)
【0035】
容器50の構成要素は、任意の好適な手順によって任意の好適な材料から形成されてもよい。例示的実施形態では、容器本体78は、透明ポリマー等のポリマーから形成されてもよい。容器本体は、いずれの除去可能/可動部品も有していなくてもよい、および/または容器本体の構造(例えば、コンパートメント)の全てが相互と一体的に形成されるように、射出成型等によって単一の部品として形成されてもよい。故に、レセプタクル82(および/またはチャンバ54)ならびにリザーバ64a、64bは、相互に対して固定された位置を有してもよい、ならびに/もしくは相互と除去不可能に/堅く取り付けられてもよい。シール部材80は、とりわけ、ガラスまたはポリマーから形成されてもよく、少なくとも部分的または完全にレセプタクル82の内側で、原位置に事前形成もしくは形成されてもよい。
【0036】
チャンバ54(および/またはレセプタクル82)ならびに各リザーバ64a、64bは、任意の好適なサイズを有してもよい。チャンバ54は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、または1mLの容積を有してもよい。チャンバは、とりわけ、少なくとも約0.2、0.5、1、2、3、4、または5mmの直径を有する、オルガノイド等の任意の好適なサイズ(例えば、最大サイズ)のオルガノイドを含有するように定寸されてもよい。例示的実施形態では、容器の各上を覆うリザーバは、とりわけ、少なくとも約0.5、1、2、4、または6mL等のチャンバ54(および/またはレセプタクル82)の容積と少なくとも同程度に大きい、または約2、5、もしくは10倍である。
【0037】
容器50および/またはそのコンパートメントのうちのいずれかは、任意の好適な幾何学形状を有してもよい。例えば、レセプタクル82、チャンバ54、および/または各リザーバ(例えば、リザーバ64a、64b)はそれぞれ、独立して、断面に多角形(例えば、長方形)、楕円形(例えば、円形)、卵形、ロゼット、または他の形状を(例えば、水平面に)を有してもよい。故に、レセプタクル82、チャンバ54、および/または各リザーバは、独立して、とりわけ、円筒形、円錐台形、長方形の角柱、テーパ状の角柱、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0038】
オルガノイド形成、培養、監視、および/または分析のために好適であり得る、容器50のさらなる側面が、下記に説明される。
【0039】
II.オルガノイド形成、培養、監視、および/または分析の方法
本節は、本開示の容器内にオルガノイド(または他の組織化された多細胞構造)を形成、培養、監視、および/または分析する方法を説明する。
図3-15を参照されたい。本節に説明される方法ステップは、本明細書の他の場所に説明される容器、容器特徴、および/または手順のうちのいずれかを使用して、任意の好適な順序もしくは組み合わせで実施されてもよい。
【0040】
図3-10は、オルガノイド培養および分析の方法の実施によって生産される、容器50、オルガノイド52、および培地56、66a、66bの例示的構成を図示する。少なくとも1つの容器50の少なくとも1つの容器本体78が、使用のために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、容器本体78の線形もしくは2次元アレイが、選択されてもよい(例えば、実施例1および6参照)、またはアレイは、下記のステップの少なくともサブセットが実施された後に生成されてもよい。
【0041】
図3は、選択され、レセプタクル82が上部で開放している反転配向に設置された、容器本体78を示す。換言すると、上壁58は、開放底側84の下に位置付けられる。本配向は、側方壁60がレセプタクル82から外への側方流体流を防止している間に、重力を利用し、上壁58上への流体の送達を促す。
【0042】
オルガノイド形成のために使用されるべき足場86が、レセプタクル82の内側に配置されてもよい。足場は、
図4および5に示されるように、少なくとも部分的に原位置で生成されるヒドロゲル92に含まれてもよい。例えば、ヒドロゲル92の足場86は、3Dプリンタ94によって上壁58上に3次元で印刷されてもよい。3Dプリンタ94は、任意の好適な技術を利用し、足場の成分を送達してもよい。いくつかの実施形態では、3Dプリンタは、インクジェット技術を利用し、足場構造成分、細胞96、管、ケージ化作用因子、成長因子等を含有し得る、流体の液滴(液滴95等)を送達してもよい。代替として、または加えて、3Dプリンタ94は、とりわけ、レーザ誘起前方転写を利用し、成分(例えば、細胞96)を送達してもよい。他の実施形態では、足場86の少なくとも一部が、容器本体78と別個に生成され、レセプタクル82の中に設置され(例えば、上壁58に取り付けられ)てもよい。
【0043】
ヒドロゲル92は、熱可逆性ゲルである場合とそうではない場合がある。ヒドロゲルは、足場が印刷されるにつれて、ヒドロゲルの足場が冷却を通して形成されるように、オルガノイドのための培養温度を上回るゲル点(ゲル化温度)を有してもよい。代替として、または加えて、ヒドロゲルを形成するための重合が、とりわけ、紫外線光または可視光等の光学的放射を用いて光誘起されてもよい。
【0044】
足場86(および/またはヒドロゲル92)は、1つ以上のチャネル68a、68bの底端に水平に重複してもよい。例えば、描写される実施形態では、チャネル68bによって画定される貫通軸(例えば、垂直軸)が、ヒドロゲル92に交差し、足場86を通して延在する。他の実施形態では、足場86(および/またはヒドロゲル92)は、複数のチャネル68a、68bに重複してもよい。
【0045】
1つ以上のチャネル68a、68bが、オルガノイド形成および培養の間に、栄養素および/または作用因子をヒドロゲル92ならびにその中の細胞96に供給することを促進するように、ヒドロゲル92内の足場86の生成の間に3D印刷によって延在されてもよい。結果として生じるチャネル延在部は、ヒドロゲル92に埋め込まれる1つ以上の側方に浸透性の管であってもよく、ヒドロゲルの内側にチャネル網を形成するように分岐されてもよい。ヒドロゲル92に埋め込まれるチャネル網および/または側方に浸透性の管は、容器本体78の少なくとも一対のチャネル68a、68bの間に延在してもよい。作用因子(分化因子等)が、より制御された幹細胞分化およびオルガノイド形成のためにヒドロゲルの内側で濃度勾配を確立するように、チャネル網を介して供給されてもよい。管は、とりわけ、光誘起または熱重合によって生成されてもよい。事前形成された管はまた、または代替として、ヒドロゲル/足場内の液体流の付加的促進のために、ヒドロゲルもしくは足場の中に組み込まれてもよい。
【0046】
レセプタクル82の開放側が、その中にヒドロゲル92および足場86を含有するチャンバ54を生産するように、密閉してシールされてもよい。シール部材80が、
図6に示されるように、レセプタクル82の端部に接着されてもよい。代替として、下記に説明されるように、シール部材80は、少なくとも部分的にレセプタクル82の内側で、シール流体の重合および/または凝固によって原位置で生成されてもよい。レセプタクル82は、細胞96がレセプタクルの中に設置される前もしくは後に、および/または培地56がヒドロゲル92の周囲のレセプタクル82(ならびに/もしくはチャンバ54)の中に入れられる前もしくは後に、シールされてもよい。
【0047】
培地56、66a、66bは、容器50のチャンバ54および各リザーバ64a、64b内に配置されてもよい。
図7を参照されたい。同一の培地が、各チャンバおよびリザーバの中に導入されてもよい、または異なる培地が、導入されてもよく、これは、1つ以上の栄養素および/または作用因子の濃度勾配を生成し得る。上記に解説されるように、培地56は、レセプタクルがチャンバ54を生成するようにシールされる前に、最初にレセプタクル82の開放側を介して導入されてもよい。チャンバ54が生成される前に、1つ以上のチャネル68a、68bを介したレセプタクル82からの培地56の漏出を防止するために、各チャネルの端部が、ヒドロゲル92(または異なるヒドロゲル)で被覆されてもよい。異なるヒドロゲルは、オルガノイド形成および培養のためにインキュベーション温度(37℃等)を下回って溶融するように構成されてもよい。代替として、培地56は、少なくとも1つのチャネル68a、68bを介して少なくとも1つのリザーバ64a、64bから(チャンバが形成された後に)チャンバ54の中に導入されてもよい。
【0048】
重力が、リザーバ内の流体レベルが異なる場合、リザーバのうちの1つからチャンバ54の中に、および/またはチャンバを介してリザーバの間で、流体を駆動してもよい。例えば、
図7では、リザーバ64a内の培地66aの上部は、リザーバ64b内の培地66bの上部よりも高い。故に、重力は、チャネル68a(入口として機能する)を介してチャンバ54の中に、かつチャネル68b(出口として機能する)を介してチャンバ54から外に、培地66aの流動を駆動する。経時的に、培地66a、66bのレベルは、均等化する傾向があろう。故に、流体が、同一または逆方向にさらなる流体流を駆動するように、リザーバのうちの1つ以上のものに追加される、および/またはそこから除去されてもよい、もしくは容器50の垂直線が、周期的に変化されてもよい(例えば、実施例2参照)。
【0049】
図8および9は、オルガノイド52を含有する容器50を示す。オルガノイドは、ヒドロゲル92内の細胞96の増殖および分化によって形成される。
図9では、オルガノイド52のサイズおよび形状は、足場86がオルガノイドの細胞によって再形成されるにつれて、
図8に対して変化している。他の実施形態では、オルガノイド52の最終サイズおよび形状は、形成されたときの足場86のサイズおよび形状によって実質的に画定され得る。
【0050】
図10は、ライトシート顕微鏡検査によってオルガノイド52の画像102を捕捉するための例示的撮像システム100を示す。撮像システムは、ライトシート108のための光を発生させるための光源106を含む、照明アセンブリ104を含んでもよい。ライトシートは、
図10に描写されるように、水平に配向されてもよく、側方窓90のうちの1つからオルガノイド52を通して伝搬してもよい。代替として、ライトシート108は、垂直に配向されてもよく、底部窓88から垂直にオルガノイドを通して伝搬してもよい。光が、画像センサ112による捕捉のために対物レンズ110を用いてオルガノイド52から集光されてもよい。底部窓88を通して伝搬する光は、描写される実施形態のように集光されてもよい、または光は、側方窓90のうちの1つから集光されてもよい。ライトシート108は、画像のスタックの捕捉を許容し、それによって、オルガノイドに関して3次元画像データを提供するように、照明アセンブリ104(または容器50)の対応する運動によって移動されてもよい。オルガノイド52が、もはや存続可能である必要がなくなる場合、オルガノイドは、チャンバ54の上壁58を通してリザーバ64a、64bのうちの1つ以上のものから固定および清澄試薬を供給することによって、撮像の前に固定および清澄されてもよい。
【0051】
図11-13は、レセプタクル82の開放側84をシールし、チャンバ54を生産することへの代替的な原位置アプローチを図示する。
図11は、足場86を含むヒドロゲル92の形成後に反転された容器本体78を示す。充填材ヒドロゲル113もまた、開放側84を介して開放レセプタクル82の中に分注されており、これは、チャネル68aを通したレセプタクル82からの漏出を防止し得る。充填材ヒドロゲルは、いったんオルガノイド培養が開始すると、溶融または溶解するように構成されてもよい。
図12は、レセプタクル82の中にシール液体114を分注する、3Dプリンタ94を示す。
図13は、凝固し、レセプタクル82の開放側を密閉してシールし、チャンバ54を生成する、シール液体114を示す。
【0052】
シール液体は、凝固され、とりわけ、熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーを産生するように構成されてもよい。例示的熱可塑性ポリマーは、好ましくは、100℃未満の融点を有する、熱可塑性エラストマまたはワックスを含む。より低い融点が、望ましいが、少なくとも約50℃であり得る。熱可塑性ポリマーは、層が冷却してシール部材80を生成するにつれて硬化する、シール層116を形成するように、ポリマーの溶融温度を上回る温度において充填材ヒドロゲル113の表面上に液体形態で分注されてもよい。
【0053】
他の実施例では、層は、熱硬化性ポリマーを生成するように凝固可能であり得る。
【0054】
図13は、シール層116が、照明アセンブリ104からの光学的放射(例えば、紫外線光)による照射によって熱硬化性ポリマーに凝固される、実施例を示す。照明アセンブリは、紫外線光でシール層116を優先的に照射し、それによって、すでにレセプタクル82に存在している足場86および/または細胞96への光損傷を最小限にする、ライトシート108を形成する。
【0055】
図14は、シール層116が、チャンバ54およびリザーバ64a、64b内にシール部材80および培地56、66a、66bを形成するように凝固された状態で、そのオルガノイド培養配向に反転された容器本体78を示す。撮像システムの対物レンズ110は、チャンバ54から光を集光し、画像を形成している。培地56およびシール層116は、画質を改良するように、実質的に同一の屈折率を有してもよい。
【0056】
図15は、(
図13と比較して)容器本体78のレセプタクル82の開放側をシールするための修正された原位置アプローチを図示する。放射線遮断層118が、熱硬化性シール液体の層116がレセプタクル82に追加される前に、充填材ヒドロゲル113の表面上に形成されてもよい。層116は、層116の凝固を促し、シール部材80を形成するように、容器本体78の上方に位置付けられる光源120からの光学的放射で照射されてもよい。放射線遮断層118は、光損傷からヒドロゲル92を遮蔽する。
【実施例】
【0057】
III.実施例
本節は、オルガノイド形成、培養、監視、および/または分析のためのシステムならびに方法のさらなる実施形態を説明する。これらの実施形態は、例証のためのみに意図され、本開示の範囲全体を限定するべきではない。
【0058】
(実施例1)オルガノイド培養のためのストリップ
本実施例は、オルガノイドのアレイを形成、培養、監視、および/または分析するための例示的ストリップ130を説明する。
図16を参照されたい。
【0059】
ストリップ130は、相互に接続される容器本体78のアレイを含んでもよい。容器本体は、相互と一体的に形成される、または別個に形成され、次いで、形成後に(および/またはレセプタクル82がチャンバ54を形成するようにシールされた後に)相互に接続されてもよい(
図1も参照)。別個に形成された容器本体78が、とりわけ、接着、締まり嵌め、締結具、またはホルダによって、相互に接続されてもよい(例えば、実施例6参照)。容器本体は、レセプタクル82の線形または少なくとも2次元アレイを生成するように、相互に接続されてもよい。
【0060】
(実施例2)容器リザーバとの間の流体移送
本実施例は、同一または異なる容器50のリザーバ64a、64bの間で流体を移送するための例示的構成を説明する。
図17、17A、17B、および18を参照されたい。
【0061】
図17は、チャンバ54内のオルガノイド52の培養の間のストリップ130を示す。各容器50は、矢印132、134によって示される別個の流動サイクルを有する。チャネル68bと68aとの間の各チャンバ54を通した流動132は、個別のリザーバ64a、64b内の培地66a、66bのレベルの差異の結果として、重力によって駆動される。リザーバ64aからリザーバ64bへの補充流134は、ポンプ136によって駆動される。ポンプ136の流率は、流体が実質的に一定の率でチャンバ54を通して通過するように、培地66a、66bの個別のレベルを実質的に一定に保つように調節されることができる。本流動は、オルガノイド52に圧力を印加し得、その成長および発達を助長し得る。他の実施例では、ポンプ136の流率は、オルガノイド52に種々の圧力を印加するように変動されることができる。
【0062】
他の実施形態では、ポンプ136は、
図17Aおよび17Bで容器ストリップ130に関して示されるように、排除されることができる。ストリップ130は、重力駆動流132の方向を周期的に逆転させるために、好適な率で垂直からホルダを傾転させるように揺動されてもよい。換言すると、ホルダは、各容器50内でリザーバ64aから64bまで流体を駆動するように1つの方向に傾転され、次いで、チャネル68a、68bを介して、各容器50内でリザーバ64bから64aまで駆動するように反対回転方向に傾転されてもよい。
【0063】
図18は、チャンバ54内のオルガノイド52の培養の間の別のストリップ140を示す。ストリップ140は、流動132が各容器50のチャネル68a、68bの間で駆動された、
図16および17のストリップ130に類似する。しかしながら、個別のチャネル142が、隣接する各対の容器50の間に流体連通を提供する。より具体的には、各チャネル142は、流体が、流動矢印144によって示されるように、1つの容器50のリザーバ64aから隣接する容器50のリザーバ64bまで直接、またはその逆も同様に流動することを可能にする。流体循環を維持するために、ストリップ140は、ホルダの一端に向かって左から右に流体を駆動するように(
図18のように)周期的に傾転され、次いで、ホルダの反対端に向かって右から左に流体を駆動するように反対回転方向に傾転されることができる。ポンプ146は、148における流動矢印によって示される、ストリップ140の反対端に位置するリザーバ64a、64bの間に培地を移送してもよい。ポンプは、ストリップ140を周期的に傾転させる代わりに、またはそれに加えて、使用されることができる。
【0064】
(実施例3)容器実施形態
本実施例は、4つのリザーバ64a-64dを射出成型および画定することによって形成される容器本体78を有する、第I節の容器50の例示的実施形態150を説明する。
図19-25を参照されたい。
【0065】
各リザーバ64a-64dは、レセプタクル82(および/またはチャンバ54)の上壁58を通して延在する対応するチャネル68a-68dを介して、レセプタクル82(および/またはチャンバ54)と流体連通してもよい(
図23および25参照)。各チャネルの上端は、上壁58と同一平面であり得る(
図25参照)。
【0066】
種々の光学窓が、容器150の中に組み込まれてもよい。平面的シール部材80(例えば、顕微鏡カバースリップに類似する)が、シール部材が容器本体78の底端表面152に接着された後にチャンバ54の底部窓88を提供してもよい(
図21参照)。容器本体は、射出成型による製造を促進するように垂直から若干傾斜され得る(
図24参照)、一対の側方窓90(
図19-21参照)を含んでもよい。
【0067】
(実施例4)管を伴う容器
本実施例は、原位置で事前形成および/または形成される管を有する、例示的容器を説明する。
図26および27を参照されたい。
【0068】
図26は、
図25の容器150との比較のために、容器50の別の実施形態160を示す。容器160のチャネル68a-68dは、容器150のものと異なる。より具体的には、チャネル68bおよび68cは、レセプタクル82(および/またはチャンバ54)の上壁58の底側から突出する、環状突出部162によって部分的に画定される。チャネルのうちのいずれかまたは全ての管腔は、環状突出部によって少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0069】
図27は、3D印刷によって1つ以上の環状突出部162上に原位置で形成され得る、側方に多孔質の管状延在部164を示す。各管状延在部は、分岐される場合とそうではない場合がある。描写される実施形態では、管状延在部164は、チャネル68bおよび68cを相互に接続する。他の実施形態では、チャネルの任意の好適なサブセットまたは全てを相互に接続し得る、多孔質管状網が、形成されてもよい。各管状延在部164は、ヒドロゲル92によって支持される、および/またはそれに埋め込まれてもよい(第II節参照)。管状延在部は、ヒドロゲルと同一の組成を有してもよい、もしくは、例えば、とりわけ、細胞付着および/または再形成を最小限にする/助長するための異なる組成を有してもよい。
【0070】
(実施例5)電磁石を伴う容器
本実施例は、電磁石が通電される(すなわち、オンにされる)ときに強磁性標識細胞174を引き付けるように位置付けられる電磁石172を有する、容器50の例示的実施形態170を説明する。
図28-30を参照されたい。
【0071】
容器170は、容器150と同様に構築されてもよく、本明細書に開示される容器特徴の任意の好適な組み合わせを有してもよい(
図28参照)。電磁石172は、チャネル64a-64dのうちの少なくとも1つに近いレセプタクル82および/またはチャンバ54の非常に近傍に、もしくはその中に位置する、作業端176を有してもよい。描写される実施形態では、作業端176は、チャネル64bと64cとの間に心合される。電磁石は、その上端178を介して通電されてもよい。
【0072】
図29および30は、電磁石172が強磁性標識細胞174をチャンバ54内のヒドロゲル92および/または足場86に引き付けるために利用され得る様子を図示する。足場86およびヒドロゲル92は、上記に説明されるように形成されてもよい。強磁性標識細胞174は、レセプタクルがチャンバ54を形成するようにシールされる前に、もしくは1つ以上のチャネル68a-68dを介して1つ以上の上を覆うリザーバからシールした後に、培地56を伴うレセプタクルの中に導入されてもよい。いずれの場合も、強磁性標識細胞174は、最初に、ヒドロゲル92の外側にあり、電磁石がオンにされる前に、
図29のように、底部チャンバ54に沈殿してもよい。
図30は、電磁石を通電させることが強磁性標識細胞174を足場86に、および/またはその中に引き付ける様子を示す。強磁性標識細胞は、細胞がレセプタクル/チャンバの中に導入される前に、強磁性材料(例えば、とりわけ、鉄、コバルト、および/またはニッケルを含有する化合物)と関連付けられてもよい。例えば、細胞は、細胞を強磁性にするように強磁性粒子(酸化鉄粒子等)を補給されてもよい、または、とりわけ、強磁性プローブでコーティングされてもよい。
【0073】
(実施例6)容器モジュールのためのラック
本実施例は、それぞれ、線形アレイまたは2次元アレイ内で容器150を保持し、ストリップ130を形成するための例示的ラック180、182を説明する。
図31-34を参照されたい。
【0074】
各ラック180、182(同義的にホルダと呼ばれる)は、容器150の容器本体78を受容するための一連の開口部184を有する。開口部184は、とりわけ、同一の線に沿って(ラック180)、または長方形グリッドパターン(ラック182)で配列されてもよい。各容器本体78は、開口部184の中に除去可能に設置されてもよい。開口部は、容器本体が完全に開口部を通して通過しないように防止するように、定寸および成形されてもよい。容器本体は、とりわけ、スナップ嵌合または別個の保定装置を含む、任意の好適な機構によって開口部184に結合されてもよい。
【0075】
(実施例7)アクセス管を伴う容器
本実施例は、アクセス管を含む例示的容器、および種々の器具を受容するためのアクセス管の使用を説明する。
図35-51を参照されたい。
【0076】
図35は、チャンバ54を形成するようにシール部材80を用いてその底端においてシールされる容器本体78を含む、容器50の実施形態190を示す。容器本体78は、容器本体が少なくとも1つのアクセス管192を画定することを除いて、容器160に関して上記に説明されるもの(
図26参照)に類似する。アクセス管は、その上端194において開放しているが、障壁196によって閉鎖される底端を有してもよい。障壁は、アクセス管192とチャンバ54との間で共有され、障壁が無傷である間に、アクセス管とチャンバとの間の流体連通を防止する、チャンバの上壁58の壁領域であってもよい。チャンバ54およびリザーバ64a、64bは、図面を単純化するように、実施例7の図のうちのいずれにも流体(例えば、培地または他の液体)を含有するものとして示されていない。
【0077】
障壁196は、下記にさらに説明されるように、鋭的または鈍的器具によって突破され、チャンバ54にアクセスするように構成されてもよい。故に、障壁は、
図35に示されるように、上壁58の隣接する領域よりも薄くあり得る、および/または障壁が好適な器具を用いて優先的に引裂もしくは別様に突破され得る、所定の構造(例えば、より少ない厚さの所定の易壊性領域)を含んでもよい。
【0078】
図35は、アクセス管192の中に挿入される例示的器具198を示す。ここで、器具198は、磁石の極202が障壁196に隣接している、永久磁石200である。他の実施形態では、磁石は、電磁石または本明細書に開示される他の器具のうちのいずれかであり得る。磁石200は、障壁196が無傷である間に、チャンバ54の中に延在する磁場を形成するために十分に強力であり得る。他の場合では、磁石200の底端は、障壁196が突破された後にチャンバ54の中に挿入されてもよい(かつ障壁を突破さえしてもよい)。磁石がチャンバ54に進入するかどうかにかかわらず、磁石は、引力をチャンバ54の内側の強磁性アイテム(例えば、強磁性標識細胞)に印加することができる。磁石は、格納式/除去可能であり得る、および/またはアクセス管192に堅く取り付けられてもよい。
【0079】
図36は、オルガノイド52が、チャンバ54内に存在し、磁石200が、(
図35と比較して)針204として構造化された器具198によって置換された状態で得られた、容器190を示す。針204の鋭い先端206が、障壁196(ここでは突破された障壁196’と称される)を穿刺し、オルガノイド52に進入している。針は、中空または中実であり得る。いずれの場合も、針は、オルガノイドの生検のために、オルガノイド52のサンプルが収集され、アクセス管192を介してチャンバ54から除去されることを可能にし得る。代替として、または加えて、針は、とりわけ、流体、細胞、および/または作用因子をオルガノイド52ならびにチャンバ54の中に導入するために使用されてもよい。例えば、針は、組織または細胞がオルガノイドに移植されることを可能にし、異種移植、自家移植、または同種移植を達成し得る。
【0080】
図37は、
図36のような容器190を示すが、器具198は、電気コネクタ210(例えば、1つ以上の導電性ワイヤ)を含む、センサ/電極208である。センサ/電極208の感知/刺激端領域212が、障壁196(ここでは突破された障壁196’と称される)を穿刺し、オルガノイド52に進入している。他の実施形態では、障壁196は、最初に、専用突破器具等の異なる器具198によって突破され、次いで、センサ/電極208(または、とりわけ、本明細書に開示される他の器具のうちのいずれか)によって置換されてもよい。センサ/電極208は、オルガノイド52の電気刺激のために少なくとも1つの電極または電極のアレイを含んでもよい。代替として、または加えて、センサ/電極208は、電気センサ(例えば、静電容量センサ)、pHを測定するためのpHセンサ、電気化学センサ、酸素センサ、CO
2センサ、および/または同等物等の任意の好適なセンサを含んでもよい。
【0081】
図38-40は、アクセス管192の底端における障壁196が穿刺される前、間、および後の突破器具214として構造化された器具198を示す。
図38では、突破器具214の尖端216は、218における運動矢印によって示される、下向きに進行しており、障壁196にほぼ到達している。
図39では、先端216は、障壁196と接触し、変形力を障壁に印加している。
図40では、先端216は、完全に障壁を通して通過し、チャンバ54に進入している。障壁196を形成する壁領域は、障壁が穿刺された後に、突破器具214との半径方向接触を維持するために十分に弾性であり得る。本半径方向接触は、(突破された障壁216’における)容器本体78と突破器具214との間に液密シール220を形成してもよく、これは、チャンバ54内の流体がアクセス管192の中に上向きに進行しないように実質的に防止し得る。
【0082】
容器190は、1つのみまたは複数のアクセス管192を有してもよい。例えば、
図41は、3つのアクセス管192が可視であるように、概して、
図24のように区分化された容器190を示す。各アクセス管192は、上記に説明されるように、個別の障壁196において終端してもよい。さらに、各障壁196は、対応するアクセス管192およびチャンバ54の中間に位置する、および/またはその間で共有される、上壁58の壁領域であってもよい。故に、壁領域は、共通壁領域である場合とそうではない場合がある。描写される実施形態では、個別の突破器具214が、3つのアクセス管192のそれぞれの中に配置され、突破器具のうちの1つのみが、チャンバ54の中に延在する。(突破された障壁が196’で示される。)他の実施形態では、任意の好適な数の障壁196が、器具198の任意の好適な組み合わせを用いてチャンバ54へのアクセスを提供するように突破されてもよい。
【0083】
図42-44は、障壁196が突破器具214を用いて突破される前、間、および後に、
図38-40のように得られた、容器50の異なる実施形態230の部分断面図を示す。容器230の障壁196は、障壁が、突破器具214によって印加される圧力に応答して優先的に引裂される、易壊性ウェブ232を有する。
図44では、突破器具214の端部は、チャンバ54に進入している。流体は、チャンバ54から上向きにアクセス管192の中に進行してもよい、もしくは本流体は、とりわけ、アクセス管192との突破器具214の密接な半径方向嵌合および/またはアクセス管192の上部における突破器具の周囲の密閉シールによって制限され得る。
【0084】
図45は、アクセス管192内に配置され、チャンバ54内のオルガノイド52の中に延在する、減衰全反射(ATR)光ファイバプローブ234を伴う容器190を示す。ATRプローブ234は、238において示される、光を光源からプローブ234の底端に指向するための照明ファイバ236と、242において示される、光を底端から光学センサ(例えば、分光計、光度計、または同等物)に指向するためのセンサファイバ240とを有する。プローブ234は、(例えば、オルガノイドの化学分析のための)IR分光法、ラマン分光法(表面増強ラマン分光法等)、または同等物を許容し得る。
【0085】
図46は、アクセス管192内に配置され、チャンバ54内のオルガノイド52の中に延在する、光ファイバ撮像プローブ244を伴う容器190を示す。撮像プローブ244は、内視鏡前部レンズ246と、前部レンズ246から画像センサへの光の伝搬のためのファイバ束248とを有してもよい。撮像プローブは、とりわけ、内視鏡撮像、共焦点撮像、および/または(例えば、ファイバ束248に結合されていない画像センサを用いた撮像、光遺伝学等のための)照明のみを許容し得る。
【0086】
図47は、アクセス管192内に配置され、チャンバ54内のオルガノイド52の中に延在する、照明デバイス250を伴う容器190を示す。照明デバイス250は、光を光源254から光ファイバ252の遠位端における出口開口256に指向するための光ファイバ252を含んでもよい。照明デバイス250のための例示的を使用は、光ファイバ252に結合されていない画像センサによる撮像のため、波面感知(適応光学系)のための光源として、光遺伝学のための光源として等、オルガノイド52を照明することを含む。
【0087】
図48は、アクセス管192内に位置する空気圧デバイス258を伴う容器190を示す。空気圧デバイス258は、オルガノイド52の内側に位置する拡張可能バルーン260を有する。バルーンは、バルーン260を膨張させ、264において示される、オルガノイド52に内部機械的歪みを生成し得る、ポンプ262等の圧力変調デバイスに動作可能に接続される。空気圧デバイス258は、バルーン260を膨張および収縮させ、必要に応じて、それを拡張および縮小することができる。バルーン260は、足場86とともに印刷され、後に、空気圧デバイス258の管266に接続されてもよい。他の実施形態では、バルーン260は、針または他の鋭い物体を介してオルガノイド52の中に導入されてもよい。
【0088】
図49は、
図41のような容器190を示すが、一対の空気圧デバイス258a、258bが個別のアクセス管192内に配置される。空気圧デバイスはそれぞれ、オルガノイド52の反対側に外部機械的歪みを生成するようにオルガノイドの外側に位置する拡張可能バルーン260を有することを除いて、
図48のものに類似する。
【0089】
図50および51は、それぞれ、
図35および36のように視認される容器190を示すが、一対の搭載磁石270a、270bが、対応するアクセス管192を介してチャンバ54の中に延在する。磁石270a、270bは、磁力を介して事前製造された足場構造274またはバイオチップにすでに取り付けられている、個別の磁石272a、272bを磁気的に引き付ける。
【0090】
(実施例8)可撓性膜を伴う容器
本実施例は、1つ以上の可撓性膜(同義的にダイヤフラムと呼ばれる)を利用し、容器内に流体流を駆動する、例示的容器190を説明する。
図52および53を参照されたい。
【0091】
容器190は、容器本体78の上部の上に搭載されるキャップ282を含む。キャップ282は、容器本体78と密閉シールを形成する。キャップは、容器本体78の上縁の上に緊密に嵌合する、フレーム284を含む。少なくとも1つの可撓性膜286が、フレーム284に搭載され、少なくとも2つのリザーバ(例えば、64a、64b)を被覆する。可撓性膜の変形されていない構成が、288において鎖線で示される。圧力290が、292において示される、膜を押し下げるように、リザーバ64aまたは64bにわたって可撓性膜286に印加されることができる。本圧力は、矢印294、296によって示される、チャンバ54を介して一方のリザーバから他方のリザーバに流体を駆動する。可撓性膜286は、応答して、298によって示される、上向きに偏向してもよい。圧力は、リザーバの間で反対方向に流体を駆動するように、
図52および53に示されるように、代替として、リザーバ64a、64bにわたって可撓性膜286に印加されてもよい。
【0092】
(実施例9)選択された実施形態
本実施例は、一連のインデックス付きの段落として、本開示の選択された実施形態を説明する。
【0093】
段落A1.オルガノイド培養の方法および/または分析の方法であって、(a)レセプタクルの開放側をシールし、チャンバを生成するステップと、(b)チャンバ内にオルガノイドを形成するステップとを含む、方法。
【0094】
段落A2.シールするステップは、シール部材をレセプタクルの開放側に取り付けるステップを含む、段落A1に記載の方法。
【0095】
段落A3.シール部材を取り付けるステップは、シール部材をレセプタクルに接着するステップを含む、段落A2に記載の方法。
【0096】
段落A4.接着するステップは、事前作製されたシール部材をレセプタクルに接着するステップを含む、段落A3に記載の方法。
【0097】
段落A5.シールするステップは、少なくとも部分的にレセプタクル内でシール材料を硬化/凝固させ、シール部材を形成するステップを含む、段落A2またはA3に記載の方法。
【0098】
段落A6.シール材料は、熱硬化性樹脂を含む、段落A5に記載の方法。
【0099】
段落A7.シールするステップは、レセプタクル内に熱硬化性樹脂の層を形成し、熱硬化性樹脂の層を紫外線光等の電磁放射で照射するステップと、熱硬化性樹脂を硬化させるステップとを含む、段落A6に記載の方法。
【0100】
段落A8.レセプタクルは、オルガノイド形成を助長するための足場を含有し、照射するステップは、足場に対して熱硬化性樹脂の層を優先的に照射するように位置付けられ、配向される、ライトのシートを用いて実施される、段落A7に記載の方法。
【0101】
段落A9.レセプタクルは、オルガノイド形成を助長するための足場を含有し、また、熱硬化性樹脂の層および足場の中間に一致する光遮断層を含有し、照射するステップは、光が、熱硬化性樹脂の層を通して、光から足場を実質的に遮蔽する光遮断層まで伝搬するように実施される、段落A7に記載の方法。
【0102】
段落A10.熱硬化性樹脂の層を形成するステップは、レセプタクル内に位置するヒドロゲル上に、3Dプリンタを用いて熱硬化性樹脂を堆積させるステップを含む、段落A7-A9のいずれかに記載の方法。
【0103】
段落A11.ヒドロゲルは、オルガノイド形成を支持するための足場を含む、段落A10に記載の方法。
【0104】
段落A12.ヒドロゲルは、オルガノイド形成を助長するための第1のヒドロゲルと、熱硬化性樹脂の層を一時的に支持するための第2のヒドロゲルとを含み、第2のヒドロゲルは、チャンバがオルガノイド培養のために使用されるときに、実質的に溶融または溶解するように構成される、段落A11に記載の方法。
【0105】
段落A13.レセプタクルは、オルガノイド形成を助長するための足場を含有し、シールするステップは、足場を含有するヒドロゲルにわたって熱可塑性材料の層を形成するステップと、冷却し、レセプタクルの開放側を密閉してシールすることによって、熱可塑性材料の層を硬化させるステップとを含む、段落A1-A3およびA5のいずれかに記載の方法。
【0106】
段落A14.レセプタクルは、容器本体によって画定され、シールするステップは、シール部材を容器本体の底端に取り付けるステップを含む、段落A1-A13のいずれかに記載の方法。
【0107】
段落A15.本方法はさらに、(オルガノイドとの接触のために)上を覆うリザーバからチャンバの中に流体および/または少なくとも1つの物質を導入するステップを含み、随意に、チャンバおよび上を覆うリザーバは、相互と一体的に形成される、段落A1-A14のいずれかに記載の方法。
【0108】
段落A16.導入するステップは、上を覆うリザーバからチャンバまで延在するチャネルを介して、流体および/または少なくとも1つの物質をチャンバの中に通過させるステップを含み、随意に、チャネルは、上を覆うリザーバおよびチャンバと一体的に形成される、段落A15に記載の方法。
【0109】
段落A17.導入するステップは、チャンバの上壁を通して栄養素を通過させ、オルガノイドに補給するステップを含む、段落A15またはA16に記載の方法。
【0110】
段落A18.導入するステップは、チャンバの上壁を通して標識を通過させ、オルガノイドの少なくとも一部を標識するステップを含む、段落A15-A17のいずれかに記載の方法。
【0111】
段落A19.導入するステップは、
(i)チャンバの上壁を通して1つ以上の作用因子を通過させるステップであって、1つ以上の作用因子は、分化因子、成長因子、抗癌化合物、発現ベクター、ウイルス、オリゴヌクレオチド、メッセンジャーRNA、および低分子干渉RNAから成る群から選択される、ステップ、および/または
(ii)チャンバの上壁を通して分子を通過させるステップであって、分子は、CRISPR-Casシステム、TALENシステム、または同等物を使用するゲノム編集等のオルガノイドのゲノム編集(例えば、オルガノイドの細胞内の標的配列の1つ以上のヌクレオチドの削除、挿入、もしくは代用)のために構成される、ステップ、ならびに/もしくは
(iii)チャンバの上壁を通して分子を通過させ、生体内でオルガノイドの1つ以上のゲノム遺伝子座を標識する、および/またはそれらの遺伝子に結合することによって、1つ以上の遺伝子の発現を改変するステップであって、分子は、CRISPR-Casシステム、TALENシステム、または同等物に基づく、ステップ、
を含む、段落A15-A18のいずれかに記載の方法。
【0112】
上記の(ii)または(iii)の分子は、ガイドRNA、CRISPR-Cas発現のためのエフェクタ分子、ガイドRNAおよび/またはCRISPR-Casシステムタンパク質のための発現ベクターを含有するウイルス、もしくはCRISPR-Casタンパク質の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0113】
段落A20.導入するステップは、チャンバの上壁を通して1つ以上の固化剤および/または清澄剤を通過させるステップを含む、段落A15またはA19のいずれかに記載の方法。
【0114】
段落A21.導入するステップは、重力を用いてリザーバからチャンバの中に流体を駆動するステップを含む、段落A15-A20のいずれかに記載の方法。
【0115】
段落A22.導入するステップは、チャンバの入口から出口まで流体を駆動するステップを含み、入口および出口はそれぞれ、チャンバの上壁を通して延在する個別のチャネルを含む、段落A15-A21のいずれかに記載の方法。
【0116】
段落A23.チャンバは、第1および第2の上を覆うリザーバと別個に流体連通し、導入するステップは、第1および第2の上を覆うリザーバのそれぞれからチャンバの中に流体および/または少なくとも1つの物質を導入するステップを含む、段落A15-A22のいずれかに記載の方法。
【0117】
段落A24.オルガノイドは、チャンバ内でオルガノイドの内側に位置する内部空間およびオルガノイドの外側に位置する外部空間を画定し、第1の上を覆うリザーバによって保持される流体は、内部空間に供給され、第2の上を覆うリザーバによって保持される流体は、外部空間に供給される、段落A23に記載の方法。
【0118】
段落A25.チャンバは、第1および第2の上を覆うリザーバと別個に流体連通し、本方法はさらに、ポンプを用いて第2のリザーバから第1のリザーバに流体を移送し、チャンバを介して第1のリザーバから第2のリザーバまでの重力駆動流を助長するステップを含む、段落A15-A24のいずれかに記載の方法。
【0119】
段落A26.ポンプは、重力駆動流の率に実質的に合致する率において第2のリザーバから第1のリザーバに流体を移送する、段落A25に記載の方法。
【0120】
段落A27.チャンバは、容器本体によって画定される第1および第2の上を覆うリザーバと別個に流体連通し、本方法はさらに、容器本体を前後に傾転させ、第1のリザーバから第2のリザーバに、および第2のリザーバから第1のリザーバに、交互に重力駆動流を産生するステップを含む、段落A26に記載の方法。
【0121】
段落A28.第1および第2のリザーバは、個別の第1および第2のチャネルを介してチャンバと流体連通し、第1および第2のリザーバは、チャンバの上壁の上方にあり、それから離間される第3のチャネルを介して、相互と直接流体連通する、段落A15-A27のいずれかに記載の方法。
【0122】
段落A29.第1のリザーバおよび第2のリザーバは、チャンバの上を覆い、チャンバと別個に流体連通し、本方法はさらに、第1のリザーバにわたって可撓性膜を配置するステップと、圧力を可撓性膜の上側に印加し、チャンバを介して第1のリザーバから第2のリザーバまで流体を駆動するステップとを含む、段落A15-A28のいずれかに記載の方法。
【0123】
段落A30.可撓性膜を配置するステップは、第1および第2のリザーバのそれぞれにわたって可撓性膜を配置するステップを含み、圧力を印加するステップは、圧力を、第1のリザーバにわたって可撓性膜の上側に、および第2のリザーバにわたって可撓性膜の上側に交互に印加し、代替として、反対方向に第1のリザーバと第2のリザーバとの間で流体を駆動するステップを含む、段落A29に記載の方法。
【0124】
段落A31.レセプタクルの開放側がシールされる前に、レセプタクルの内側に足場を配置するステップをさらに含み、足場は、オルガノイド形成を助長するように構成される、段落A1-A30のいずれかに記載の方法。
【0125】
段落A32.足場を配置するステップは、レセプタクルの内側に足場を生成するステップを含む、段落A31に記載の方法。
【0126】
段落A33.足場を配置するステップは、レセプタクルの中に事前作製された足場を設置するステップを含む、段落A31に記載の方法。
【0127】
段落A34.レセプタクルの開放側がシールされる前に、生物学的細胞をレセプタクルの中に導入するステップをさらに含む、段落A31-A33のいずれかに記載の方法。
【0128】
段落A35.生物学的細胞は、幹細胞を含む、段落A34に記載の方法。
【0129】
段落A36.生物学的細胞は、足場が生成されるにつれて足場の中に導入される、段落A34またはA35に記載の方法。
【0130】
段落A37.足場を生成するステップは、3D印刷によって実施される、段落A32およびA34-A36のいずれかに記載の方法。
【0131】
段落A38.足場を生成するステップは、レセプタクル内に少なくとも2つの異なるヒドロゲルを3D印刷するステップを含む、段落A37に記載の方法。
【0132】
段落A39.ヒドロゲルのうちの少なくとも1つは、いったん3D印刷されると、具体的オルガノイドの形成を助長する恣意的に成形された3D足場を実現するための細胞を含有する、段落A38に記載の方法。
【0133】
段落A40.レセプタクルは、開放側の反対側に壁を有し、足場は、壁に取り付けられる、段落A31-A39のいずれかに記載の方法。
【0134】
段落A41.レセプタクルの開放側がチャンバを生成するようにシールされた後に、オルガノイドを形成するための生物学的細胞をチャンバの中に導入するステップをさらに含む、段落A31-A40のいずれかに記載の方法。
【0135】
段落A42.チャンバは、上壁を有し、オルガノイドは、形成されたときに上壁によって支持される、段落A31-A41のいずれかに記載の方法。
【0136】
段落A43.チャンバは、チャネルを介して複数の上を覆うリザーバと流体連通し、本方法はさらに、3D印刷によって、チャネルのうちの1つ以上のものの延在部を生成するステップと、随意に、ヒドロゲルに延在部を埋め込むステップとを含む、段落A31-A42のいずれかに記載の方法。
【0137】
段落A44.3D印刷によって各延在部を伸長および分岐させ、物質をヒドロゲルの内側の細胞に供給するための1つ以上の側方に浸透性の管を生成するステップをさらに含む、段落A43に記載の方法。
【0138】
段落A45.1つ以上の側方に浸透性の管を介して、1つ以上の作用因子を供給し、より制御された幹細胞分化およびオルガノイド形成のために、チャンバの内側の作用因子の1つ以上の濃度勾配を確立するステップをさらに含む、段落A44に記載の方法。
【0139】
段落A46.ポリマーまたは金属微細管をヒドロゲルの中に組み込み、流体流を促進するステップをさらに含む、段落A43-A45のいずれかに記載の方法。
【0140】
段落A47.本方法はさらに、オルガノイドがチャンバ内に留まっている間に、オルガノイドに関連するデータを収集するステップを含む、段落A1-A46のいずれかに記載の方法。
【0141】
段落A48.データを収集するステップは、オルガノイドの少なくとも一部の画像を捕捉するステップを含む、段落A47に記載の方法。
【0142】
段落A49.捕捉するステップは、ライトシート顕微鏡検査によって画像を捕捉するステップを含む、段落A48に記載の方法。
【0143】
段落A50.捕捉するステップは、オルガノイドからフォトルミネセンスを検出するステップを含む、段落A48またはA49に記載の方法。
【0144】
段落A51.捕捉するステップは、オルガノイドの少なくとも一部の3D構造を表す、画像のスタックを捕捉するステップを含む、段落A48-A50のいずれかに記載の方法。
【0145】
段落A52.捕捉するステップは、チャンバの側方窓を介してオルガノイドの少なくとも一部を照明するステップと、チャンバの底部窓を介してチャンバから外に、または逆も同様に伝搬した光学的放射を検出するステップとを含む、段落A51に記載の方法。
【0146】
段落A53.データを収集するステップは、被分析物に関して、チャンバまたは上を覆うコンパートメントからの流体を化学分析するステップを含む、段落A47-A52のいずれかに記載の方法。
【0147】
段落A54.データを収集するステップは、少なくとも部分的にチャンバの内側に位置するセンサを用いて実施される、段落A47-A53のいずれかに記載の方法。
【0148】
段落A55.データを収集するステップは、その底部がシールされたままである間に、チャンバから除去される細胞および/または流体からデータを収集するステップを含む、段落A47-A54のいずれかに記載の方法。
【0149】
段落A56.データを収集するステップは、チャンバの上壁に開口部を形成するステップと、開口部を介してチャンバから細胞および/または流体を除去するステップとを含む、段落A55に記載の方法。
【0150】
段落A57.本方法はさらに、チャンバの壁に開口部を生成するステップと、開口部からチャンバの中に器具の端部を挿入するステップと含む、段落A1-A56のいずれかに記載の方法。
【0151】
段落A58.複数の上を覆うコンパートメントは、共通壁をチャンバと共有し、開口部は、上を覆うコンパートメントのうちの1つの底端における共通壁に生成される、段落A57に記載の方法。
【0152】
段落A59.複数の上を覆うコンパートメントは、複数のリザーバと、1つ以上のアクセス管とを含み、開口部は、アクセス管のうちの1つの底端に生成される、段落A58に記載の方法。
【0153】
段落A60.開口部は、器具を用いて生成され、開口部を生成するステップは、器具の端部を用いて共通壁を突破するステップを含む、段落A58またはA59に記載の方法。
【0154】
段落A61.器具の端部は、鋭い端部である、段落A57-A60のいずれかに記載の方法。
【0155】
段落A62.開口部を生成するステップは、器具と開口部における共通壁との間に液密シールを形成するステップを含む、段落A60またはA61に記載の方法。
【0156】
段落A63.共通壁は、共通壁が、器具を介して共通壁に及ぼされる機械的圧力によって引裂されるように構成される、特徴を画定する、段落A60-A62のいずれかに記載の方法。
【0157】
段落A64.器具は、針、光源に動作可能に接続される光導体、内視鏡、電極、ATRプローブ、随意にバルーンに結合される空気圧/油圧源、および磁石から成る群から選択される、段落A57-A63のいずれかに記載の方法。
【0158】
段落A65.器具は、その端部に位置するセンサを含む、段落A57-A64のいずれかに記載の方法。
【0159】
段落A66.センサを使用して、チャンバおよび/またはオルガノイドのパラメータを感知するステップをさらに含む、段落A65に記載の方法。
【0160】
段落A67.器具は、オルガノイドを電気的に刺激するように構成される、電極を含む、段落A57-A66のいずれかに記載の方法。
【0161】
段落A68.本方法はさらに、電極を使用して、オルガノイドを電気的に刺激するステップを含む、段落A67に記載の方法。
【0162】
段落A69.器具は、光源に光学的に結合され、チャンバの中に導入される端部に開口を有する、光導体を含む、段落A57-A68のいずれかに記載の方法。
【0163】
段落A70.器具は、チャンバの中に導入される端部に位置する磁石を含む、段落A57-A69のいずれかに記載の方法。
【0164】
段落A71.器具は、減衰全反射(ATR)プローブを含む、段落A57-A70のいずれかに記載の方法。
【0165】
段落A72.器具は、内視鏡を含む、段落A57-A71のいずれかに記載の方法。
【0166】
段落A73.器具は、空気圧または油圧源に結合される、段落A57-A72のいずれかに記載の方法。
【0167】
段落A74.試験化合物をチャンバの中に導入するステップをさらに含む、段落A1-A73のいずれかに記載の方法。
【0168】
段落A75.本方法は、対応する複数のチャンバ内に複数のオルガノイドを形成するステップを含む、段落A1-A74のいずれかに記載の方法。
【0169】
段落A76.異なる処置をオルガノイドのそれぞれに適用するステップをさらに含む、段落A75に記載の方法。
【0170】
段落A77.異なる処置を適用するステップは、異なる試験化合物を複数のチャンバのうちの各チャンバの中に導入するステップを含む、段落A76に記載の方法。
【0171】
段落A78.各異なる試験化合物は、潜在的抗癌剤である、段落A77に記載の方法。
【0172】
段落A79.1つ以上の細胞、随意に、癌細胞を、チャンバのそれぞれの中に導入するステップをさらに含む、段落A76-A78のいずれかに記載の方法。
【0173】
段落A80.1つ以上の細胞は、随意に、針を介して、チャンバ内のオルガノイドの中に導入され、随意に、針は、チャンバの上壁を穿刺する、段落A79に記載の方法。
【0174】
段落A81.複数のオルガノイドのうちのオルガノイド毎にデータを収集し、オルガノイドへの影響に関して異なる処置を試験するステップをさらに含む、段落A76-A80のいずれかに記載の方法。
【0175】
段落A82.データを収集するステップは、その個別のチャンバ内の原位置で各オルガノイドを撮像するステップを含む、段落A81に記載の方法。
【0176】
段落A83.データを収集するステップは、被分析物に関して、各オルガノイドと関連付けられる個別の流体を化学分析するステップを含む、段落A81またはA82に記載の方法。
【0177】
段落A84.データを収集するステップは、随意に、シール部材を除去した後に、そのチャンバから各オルガノイドを除去するステップを含む、段落A81-A83のいずれかに記載の方法。
【0178】
段落A85.データを収集するステップは、そのチャンバからの除去後に各オルガノイドを撮像するステップを含む、段落A84に記載の方法。
【0179】
段落A86.データを収集するステップは、そのチャンバからの除去後に、各オルガノイドを物理的に切片化するステップと、随意に、物理的に切片化することによって産生される複数の切片の撮像とを含む、段落A85に記載の方法。
【0180】
段落B1.オルガノイド培養および/または分析の方法であって、(a)チャンバの内側にオルガノイドを形成するステップであって、アクセス管が、チャンバの上を覆い、アクセス管の底端が、チャンバの上壁領域によって閉鎖される、ステップと、(b)栄養素をチャンバに供給し、オルガノイドに補給するステップと、(c)上壁領域を通して開口部を形成するステップと、(d)アクセス管からチャンバの中に器具の端部を挿入するステップとを含む、方法。
【0181】
段落C1.オルガノイド培養および/または分析の方法であって、(a)レセプタクルの開放側をシールし、チャンバを生成するステップと、(b)チャンバの内側にオルガノイドを形成するステップと、(c)物質/流体をチャンバに供給するステップと、(d)オルガノイドがチャンバの壁によって封入されたままである間に、オルガノイドの少なくとも一部の画像を捕捉するステップとを含む、方法。
【0182】
段落D1.組織化された多細胞構造(例えば、オルガノイド)の培養および/または分析のためのデバイスであって、(a)レセプタクルおよび少なくとも2つのリザーバを画定する、本体であって、少なくとも2つのリザーバは、レセプタクルの上を覆い、個別のチャネルを介してレセプタクルと別個に流体連通する、本体と、(b)多細胞構造のためのチャンバを生成するように、レセプタクルの開放側において本体に接着される、または接着可能である、シール部材とを備える、デバイス。
【0183】
段落D2.レセプタクルの壁に付着した生物学的細胞のための足場をさらに備える、段落D1に記載のデバイス。
【0184】
段落D3.足場は、ヒドロゲルに含まれる、段落D2に記載のデバイス。
【0185】
段落D4.ヒドロゲルは、生物学的細胞を含有する、段落D3に記載のデバイス。
【0186】
段落D5.生物学的細胞は、幹細胞を含む、段落D4に記載のデバイス。
【0187】
段落D6.ヒドロゲルは、薬物の堆積物を含有する、段落D3-D5のいずれかに記載のデバイス。
【0188】
段落D7.堆積物は、堆積物から薬物を解放するように光誘起放出によって開放されることができる、段落D6に記載のデバイス。
【0189】
段落D8.レセプタクルおよび少なくとも2つのリザーバは、相互と一体的に形成される、段落D1-D7のいずれかに記載のデバイス。
【0190】
段落D9.本体は、単一の部品として射出成型される、段落D1-D8のいずれかに記載のデバイス。
【0191】
段落D10.少なくとも2つのリザーバのうちの各リザーバは、壁をレセプタクルと共有する、段落D1-D9のいずれかに記載のデバイス。
【0192】
段落D11.各チャネルは、対応するリザーバおよびレセプタクルの中間に位置し、随意に、その間で共有される、壁を通して延在する、段落D1-D10のいずれかに記載のデバイス。
【0193】
段落D12.少なくとも2つのリザーバのうちの各リザーバの開放上部を被覆するように構成される、除去可能な蓋をさらに備える、段落D1-D11のいずれかに記載のデバイス。
【0194】
段落D13.本デバイスは、滅菌状態である、段落D1-D12のいずれかに記載のデバイス。
【0195】
段落D14.シール部材は、本体に接着される、段落D1-D13のいずれかに記載のデバイス。
【0196】
段落D15.オルガノイドが、チャンバに含有される、段落D14に記載のデバイス。
【0197】
段落D16.本体は、それぞれレセプタクルと流体連通して配置される、少なくとも4つのリザーバを画定する、段落D1-D15のいずれかに記載のデバイス。
【0198】
段落D17.シール部材は、チャンバに含有されるオルガノイドの少なくとも一部を撮像するための底部窓を提供するように構成される、段落D1-D16のいずれかに記載のデバイス。
【0199】
段落D18.本体は、一対の側方窓を提供し、側方窓のいずれか一方を介してチャンバに含有されるオルガノイドの少なくとも一部の照明を許容する、段落D1-D17のいずれかに記載のデバイス。
【0200】
段落D19.本体は、開放上端と、閉鎖底端とを有する、アクセス管を画定し、共有壁は、管の底端からチャンバを分離する、段落D1-D18のいずれかに記載のデバイス。
【0201】
段落D20.相互に接続される実質的に同じユニットの線形アレイをさらに備え、ユニットのうちの1つは、レセプタクルと、少なくとも2つのリザーバとを含む、段落D1-D19のいずれかに記載のデバイス。
【0202】
本開示で使用されるような用語「例示的」は、「例証的」または「実施例としての役割を果たす」を意味する。同様に、用語「例示する」は、「実施例を挙げることによって図示する」を意味する。いずれの用語も、望ましさも優位性も含意しない。
【0203】
上記に記載される開示は、独立有用性を伴う複数の明確に異なる発明を包含し得る。これらの発明はそれぞれ、その好ましい形態で開示されているが、本明細書に開示および図示されるようなその具体的実施形態は、多数の変形例が可能性として考えられるため、限定的な意味で考慮されるものではない。本発明の主題は、本明細書に開示される種々の要素、特徴、機能、および/または性質の全ての新規かつ非自明の組み合わせならびに副次的組み合わせを含む。以下の請求項は、特に、新規かつ非自明と見なされる、ある組み合わせおよび副次的組み合わせを指摘する。特徴、機能、要素、および/または性質の他の組み合わせならびに副次的組み合わせで具現化される発明が、本願もしくは関連出願から優先権を主張する出願において請求され得る。そのような請求項は、異なる発明または同一の発明を対象とするかどうかにかかわらず、元の請求項に対して範囲がより広い、より狭い、等しい、または異なるかどうかにかかわらず、本開示の発明の主題内にも含まれると見なされる。さらに、識別される要素に関する第1、第2、または第3等の序数インジケータが、要素の間で区別するために使用され、別様に具体的に記述されない限り、そのような要素の特定の位置または順序を示さない。
【国際調査報告】