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特表2022-532191デジタルロッド位置指示システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】デジタルロッド位置指示システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 17/10 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
G21C17/10 710
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566598
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(85)【翻訳文提出日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 US2020032115
(87)【国際公開番号】W WO2021029926
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】62/846,002
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521219442
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WESTINGHOUSE ELECTRIC COMPANY LLC
【住所又は居所原語表記】1000 Westinghouse Drive, Suite 141, Cranberry Township, Pennsylvania 16066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー エス. メイヤーズ
(72)【発明者】
【氏名】ディルク ジャン ブームガード
【テーマコード(参考)】
2G075
【Fターム(参考)】
2G075AA05
2G075CA25
2G075DA20
2G075FA20
(57)【要約】
ロッド位置指示システムが開示される。ロッド位置指示システムは、駆動ロッド移動ハウジングの周囲に交互配置で配置された複数の第1のコイルおよび複数の第2のコイルと、複数の前記第1のコイルのそれぞれに接続され、第1の基準信号を生成するように構成された第1のデータエンコーダユニットと、複数の前記第2のコイルのそれぞれに接続され、第2の基準信号を生成するように構成された第2のデータエンコーダユニットと、前記第1および前記第2のデータエンコーダユニットと信号通信する処理回路とを含む。前記処理回路は、前記第1の基準信号と前記第2の基準信号との論理比較を生成し、第1の位置データおよび第2の位置データに基づいて論理信号を生成し、前記論理信号と前記論理比較の結果に対して論理演算を実行するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド位置指示システムであって、
駆動ロッド移動ハウジングの周囲に交互配置で配置された複数の第1のコイルおよび複数の第2のコイルと、
複数のコイルの前記第1のセットのそれぞれに接続された第1のデータエンコーダユニットであって、第1の基準信号を生成するように構成された第1のデータエンコーダユニットと、
複数のコイルの前記第2のセットのそれぞれに接続された第2のデータエンコーダユニットであって、第2の基準信号を生成するように構成された第2のデータエンコーダユニットと、
前記第1および第2のデータエンコーダユニットと信号通信する処理回路であって、
前記第1の基準信号と前記第2の基準信号との論理比較を生成し、
第1の位置データおよび第2の位置データに基づいて論理信号を生成し、
前記論理信号および前記論理比較の結果に対して論理演算を実行する、
ように構成された前記処理回路と、を備えるロッド位置指示システム。
【請求項2】
前記第1のデータエンコーダユニットは、複数の前記第1のコイルのうちのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定するようにさらに構成される、請求項1に記載のロッド位置指示システム。
【請求項3】
前記第1の基準信号は、複数の前記第1のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大差の整流である、請求項2に記載のロッド位置指示システム。
【請求項4】
前記第1のデータエンコーダユニットは、前記第1の位置データを生成するようにさらに構成される、請求項1に記載のロッド位置指示システム。
【請求項5】
前記第2のデータエンコーダユニットは、複数の前記第2のコイルのうちのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定するようにさらに構成される、請求項1に記載のロッド位置指示システム。
【請求項6】
前記第2の基準信号は、複数の前記第2のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大差の整流である、請求項5に記載のロッド位置指示システム。
【請求項7】
前記第2のデータエンコーダユニットは、前記第2の位置データを生成するようにさらに構成される、請求項1に記載のロッド位置指示システム。
【請求項8】
前記処理回路は、前記論理比較の結果を生成するようにさらに構成され、前記結果は、
前記第1の基準信号が前記第2の基準信号より大きい場合には第1の値を含み、
前記第1の基準信号が前記第2の基準信号より小さい場合には第2の値を含む、請求項1に記載のロッド位置指示システム。
【請求項9】
前記論理演算は、排他的論理和論理演算を含む、請求項1に記載のロッド位置指示システム。
【請求項10】
前記処理回路は、前記論理演算の結果を生成するようにさらに構成され、前記結果は、3ステップの精度でのロッドの位置の表示を含む、請求項1に記載のロッド位置指示システム。
【請求項11】
第1の基準信号および第2の基準信号を生成することと、
前記第1の基準信号と前記第2の基準信号との論理比較を実行することと、
位置信号を生成することと、
前記位置信号および前記論理比較の結果に基づいて論理演算を実行することと、を含み、
前記論理演算の結果は、3ステップの精度でのロッドの位置の表示を含む、方法。
【請求項12】
前記第1および第2の基準信号を生成することは、
個々の第1のコイルの両端間の電圧を測定することと、
個々の第2のコイルの両端間の電圧を測定することと、を含み、
複数の前記第1のコイルおよび複数の前記第2のコイルは、駆動ロッド移動ハウジングの周囲に交互配置で配置されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2の基準信号を生成することは、
複数の第1のコイルのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定することと、
複数の第2のコイルのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定することと、を含み、
複数の前記第1のコイルおよび複数の前記第2のコイルは、駆動ロッド移動ハウジングの周囲に交互配置で配置される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および前記第2の基準信号を生成することは、
複数の前記第1のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大の差を整流することと、
複数の前記第2のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大の差を整流することと、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記論理比較の結果を生成することをさらに含み、前記論理比較の結果は、
前記第1の基準信号が前記第2の基準信号より大きい場合には第1の値を含み、
前記第1の基準信号が前記第2の基準信号より小さい場合には第2の値を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記位置信号を生成することは、第1の位置データおよび第2の位置データに基づいて前記位置信号を生成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記位置信号を生成することは、前記第1の位置データおよび前記第2の位置データを生成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の位置データを生成することは、第1のグレイコードを生成することを含み、
前記第2の位置データを生成することは、第2のグレイコードを生成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記論理演算を実行することは、排他的論理和論理演算を実行することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記位置信号に関連する第1の位置データが、前記位置信号に関連する第2の位置データと値が等しいかどうかを判定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月10日に出願された米国仮特許出願第62/846,002号の先の出願日の35 U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、制御ロッドの位置を特定するためのシステムおよび方法に一般的におよび様々な態様で関連する発明を開示する。
【背景技術】
【0003】
原子力プラントでは、複数の制御ロッドのそれぞれの正確な位置を知ることが重要である。制御ロッド駆動システムは、ステップの増分で制御ロッドを移動させ、各ステップは、ほとんどの制御ロッド駆動システムにおいて約0.625インチである。
【0004】
以前に開発されたデジタルロッド位置指示(DRPI)システムの例は、米国特許第3,893,090 および3,846,771号に記載されており、これらのそれぞれの全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0005】
図1は、原子炉12の従来技術のデジタルロッド位置指示(DRPI)システム10を示す。原子炉12は原子炉圧力容器14を含む。駆動ロッド16は、制御ロッド18に構造上連結されている。制御ロッド18は、圧力容器14を完全に満たす水20で囲まれている。通常の動作条件下では、水20は高温であり、沸騰が起こらないように加圧される。
【0006】
制御ロッド位置検出の目的のために圧力容器14の機械的な貫通は許容されないので、制御ロッド18の位置は圧力容器14の外部で行われた測定から特定される。複数の駆動ロッド16は、それぞれのロッド移動ハウジング22内で長手方向に移動し、このハウジングは、原子炉の上部24と一体に形成され、かつ上部24から長手方向上方に延びる密閉されたパイプである。
【0007】
所与のロッド移動ハウジング22に沿って配置された複数のコイル28のアレイ26は、所与の駆動ロッド16の先端の位置を特定するのを助けるために利用される。通常は制御ロッド18のそれぞれの駆動ロッド16への固定は信頼できると想定されるので、駆動ロッド16の先端の検出された位置は、制御ロッド18の先端の位置の正確な指示であると考えられる。
【0008】
図2は、図1のDRPIシステム10の単一コイル28の断面を示す。コイル28は、ロッド移動ハウジング22に巻き付けられた電気コイルである。コイル28は、ロッド移動ハウジング22によって部分的に充填される中央開口部を規定する。十分に低い周波数の交流電流(AC)が個々のコイル28内に確立され、結果として生じるAC磁束が、通常は非磁性ステンレス鋼で構成されるロッド移動ハウジング22を貫通することになる。十分に低い周波数では、結果として生じる磁束の表皮深さは、ロッド移動ハウジング22の厚さよりも大きくなり、AC磁束は、ロッド移動ハウジング22の厚さを通ってその内部まで貫通する。
【0009】
駆動ロッド16がロッド移動ハウジング22を長手方向に移動し、所与のコイル28の中央開口部を通過すると、コイル28のインピーダンスが変化する。駆動ロッド16は、通常は磁性ステンレス鋼のような強磁性材料から構成されており、その結果、駆動ロッド16がコイル28の中央開口部を通ってその移動軸に沿って進むと、コイル28のインピーダンスが増大する。コイル28のインピーダンスの変化は、コイル28が定電圧源から駆動される場合にはコイル28を流れる電流をモニタリングすることによって、または、コイル28が定電流源から駆動される場合にはコイル28の両端間の電圧をモニタリングすることによって測定することができる。コイル28の両端間の電圧は、例えば、コイル28と直列に接続された検出抵抗器の両端間の電圧を測定することによって測定することができる。所与の駆動ロッド16の移動/位置によって生じるインピーダンスの変化は、関連する制御ロッド18の位置を特定することを助けるために利用することができる。以下の説明を容易にするために、インピーダンスは、測定された電圧に関連して説明される。しかしながら、電流、インピーダンスまたは他のパラメータは、関連する制御ロッド18の位置を特定することを助けるために利用することもできることが理解できる。
【0010】
図1に戻って参照すると、コイル28は、ロッド移動ハウジング22に沿って6ステップの増分で設けられ、各ステップは約0.625インチである。コイル28は、複数のAコイルと複数のBコイルとの間で交互になっている。複数のAコイルは第1のデータエンコーダ(図示せず)に電気的に接続され、複数のBコイルは第2のデータエンコーダ(図示せず)に電気的に接続される。第1のデータエンコーダは、隣接する一対のAコイルの電圧の差を特定するように構成され、電圧の最大差を特定する。第2のデータエンコーダは、隣接する一対のBコイルの電圧の差を特定し、電圧の最大差を特定するように構成される。例えば、駆動ロッド16の先端が複数のAコイルの1つの中央開口部に位置する場合、そのAコイルの両端間の電圧は、駆動ロッド16がその中央開口部に位置しない、隣接するAコイルの両端間の電圧とは異なることになる。複数のAコイルは12ステップに分けて配置されているので、電圧の差は、12ステップ以内で駆動ロッド16の先端の位置(例えば、2つのAコイルの間のロッド移動ハウジング22内のどこか)を示す。Bコイルでも同様の処理が実行される。複数のAコイルと複数のBコイルの両方からの位置情報を利用することによって、駆動ロッド16の先端の位置の精度を6ステップに改善することができる。換言すれば、従来技術の制御駆動ロッドシステムは、6ステップに分けて配置された複数のAコイルと複数のBコイルとの間のロッド移動ハウジング22内のどこかで駆動ロッド16の先端の位置を特定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
デジタルロッド位置指示システムには改善の余地がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に記載された態様の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。しかしながら、構成および動作方法の両方に関する態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より良く理解され得る。
【0013】
図1】原子炉の従来技術の制御駆動ロッドシステムを示す。
【0014】
図2図1の制御駆動ロッドシステムの単一コイルの断面図である。
【0015】
図3A】本開示の少なくとも1つの態様による、デジタルロッド位置指示システムを全体として示す。
図3B】本開示の少なくとも1つの態様による、デジタルロッド位置指示システムを全体として示す。
【0016】
図4A】本開示の少なくとも1つの態様による、ロッドが移動するときの基準信号Aの大きさおよび基準信号Bの大きさを示すグラフを示す。
【0017】
図4B】本開示の少なくとも1つの態様による、ロッドが移動するときの基準信号Aと基準信号Bとの論理比較のグラフを示す。
【0018】
図4C】本開示の少なくとも1つの態様による、ロッドが移動するときのロッド位置データAおよびロッド位置データBに関連する論理信号のグラフを示す。
【0019】
図4D】本開示の少なくとも1つの態様による、排他的論理和(XOR)論理演算を実行した結果のグラフを示す。
【0020】
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、ロッド位置データAとロッド位置データBとが等しいときを特定するための例示的な回路を示す。
【0021】
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、図4Bの論理比較および図4Cの論理信号に対して排他的論理和(XOR)論理演算を実行するための例示的な回路を示す。
【0022】
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、3ステップの精度で駆動ロッドの先端の位置を特定する方法200を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の図および説明の少なくともいくつかは、本発明の明確な理解に関連する要素を示すために簡略化されていることが理解される。明確性の目的のために、本発明の一部を含み得ると当業者が認識する他の要素を排除することを理解されたい。しかし、そのような要素は当該技術分野で周知であり、本発明のよりよい理解を促進しないので、そのような要素の説明は本明細書では提供しない。
【0024】
以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面を参照する。図面において、同様の記号および参照符号は、文脈が別段の指示をしない限り、典型的には、いくつかの図を通して同様の構成要素であるとする。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的な態様は、限定することを意味しない。本明細書で説明される技術の範囲から逸脱することなく、他の態様を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0025】
本技術の特定の例の以下の説明は、その範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の例、特徴、態様、実施形態、および利点は、本技術を実施するために意図される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかになるであろう。理解されるように、本明細書で説明される技術は、全てが技術から逸脱することなく、他の異なる明白な様態が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0026】
さらに、本明細書で説明される教示、表現、態様、実施形態、例などのうちの任意の1つまたは複数は、本明細書で説明される他の教示、表現、態様、実施形態、例などのうちの任意の1つまたは複数と組み合わされ得ることを理解されたい。したがって、以下に記載される教示、表現、態様、実施形態、例などは、互いに対して分離して見られるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には容易に明らかになるであろう。そのような変更および変形は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0027】
ロッド位置指示システムの様々な態様を詳細に説明する前に、本明細書で開示される様々な態様は、それらの用途または使用において、添付の図面および説明に示される部品の構造および配置の詳細に限定されないことに留意されたい。むしろ、開示された態様は、その他の態様、実施形態、変形、および変更に配置または組み込まれてもよく、さまざまな方法で実施または実行されてもよい。したがって、本明細書に開示されるロッド位置指示システムの態様は、本質的に例示的なものであり、その範囲または用途を限定することを意味しない。さらに、別段の指示がない限り、本明細書で使用される用語および表現は、読者の便宜のために態様を説明する目的で選択されたものであり、その範囲を限定することを意味するものではない。さらに、開示された態様、態様の表現、および/またはそれらの例のうちの任意の1つまたは複数は、限定することなく、他の開示された態様、態様の表現、および/またはそれらの例のうちの任意の1つまたは複数と組み合わせることができることを理解されたい。
【0028】
また、以下の説明において、内方、外方、上方、下方、上へ、頂部、下へ、底部、左、右、側、内側、外側などの用語は便宜上の用語であり、限定的な用語として解釈されるべきではないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、本明細書で説明される装置、またはその一部が他の向きで取り付けられ、または利用され得る限り、限定することを意味しない。様々な態様が、図面を参照してより詳細に説明される。
【0029】
図3Aおよび図3Bは、本開示の少なくとも1つの態様による、デジタルロッド位置指示(DRPI)システム100を全体として示す。DRPIシステム100は、DRPIシステム10と同様であるが、DRPIシステム100が、駆動ロッドの先端の位置の特定精度を、6ステップの精度から3ステップの精度に改善する点で異なる。DRPIシステムは、複数のコイル102と、第1のエンコーダユニット104(データAエンコーダユニット)と、第2のエンコーダユニット106(データBエンコーダユニット)と、処理回路108とを含む。
【0030】
複数のコイル102は、交互の複数のAコイルおよび複数のBコイルとして配置され、DPRI10の複数のコイル28と同様の方法で駆動ロッド移動ハウジングの周囲に配置される。各コイルは、駆動ロッド移動ハウジングの長さに沿って、その隣接するコイルから同じ距離だけ離間して配置される。複数のAコイルのそれぞれは、格納容器内に配置されたデータAキャビネット(図示せず)内に配置することができる第1のAC電源110に並列に接続されている。複数のAコイルのそれぞれの出力は、データAエンコーダユニット104に接続される。複数のBコイルのそれぞれは、格納容器内に配置されたデータBキャビネット(図示せず)内に配置することができる第2のAC電源120に並列に接続されている。複数のBコイルのそれぞれの出力は、データBエンコーダユニット104に接続されている。
【0031】
データAエンコーダユニット104は、各隣接する一対のAコイルの電圧の差を特定し、その電圧の最大差を特定するように構成される。例えば、様々な態様によれば、データAエンコーダユニット104は、個々のAコイルの両端間の電圧を測定するために検出抵抗器を利用してもよく、また、各隣接する一対のAコイルの電圧の差および各隣接する一対のAコイルの電圧の最大差を特定するために差動増幅器または他の装置、論理または回路を利用してもよい。上述のように、単独で取得される場合、隣接するAコイルの電圧のこの最大差は、駆動ロッドの先端の位置(例えば、2つのAコイルの間のロッド移動ハウジング内のどこか)を12ステップ以内で示す。
【0032】
2つの隣接するAコイル間のスペースのそれぞれは、固有の5ビットグレイコードによって表すことができる。例えば、第1のAコイルと第2のAコイルとの間のスペースは、00001によってグレイコードで表すことができ、第2のAコイルと第3のAコイルとの間のスペースは、00011によってグレイコードで表すことができ、第3のAコイルと第4のAコイルとの間の空間は、00111によってグレイコードで表すことができる。また、データAエンコーダユニット104は、電圧の最大差を有すると判定された隣接する2つのAコイル間のスペースを表す5ビットグレイコードを生成するように構成される。換言すれば、スペースが駆動ロッドの先端の位置を(12ステップ以内)表し、データAエンコーダユニット104によって生成される5ビットグレイコードは、駆動ロッドの先端の位置を表し、論理拡張により、制御ロッドの位置を表す。データAエンコーダユニット104によって生成される5ビットグレイコードは、ロッド位置データAとしても知られている。
【0033】
データAエンコーダユニット104は、隣接するAコイルの電圧における特定された最大差に基づいて、基準信号(基準信号A)を生成するようにさらに構成される。基準信号Aは、隣接するAコイルの電圧における整流された最大差であり、その差の大きさを表す。整流された最大差を利用することにより、基準信号Aは常に正の値を有する。データAエンコーダユニット104によって生成された5ビットグレイコードおよびデータAエンコーダユニット104によって生成された基準信号Aは、周期的または連続的に処理回路108に転送される。様々な態様によれば、データAエンコーダユニット104の機能は、集積されたおよび/または個別のハードウェア要素、ソフトウェア要素、および/または両方の組合せを含むことができる1つまたは複数のカードまたはプリント回路基板によって実現され得る。
【0034】
データBエンコーダユニット106は、各隣接する一対のBコイルの電圧の差を特定し、その電圧の最大差を特定するように構成される。例えば、様々な態様によれば、データBエンコーダユニット106は、個々のBコイルの両端間の電圧を測定するために検出抵抗器を利用してもよく、また、各隣接する一対のBコイルの電圧の差および各隣接する一対のBコイルの電圧の最大差を特定するために差動増幅器または他の装置、論理または回路を利用してもよい。上述のように、単独で取得される場合、隣接するBコイルの電圧のこの最大差は、駆動ロッドの先端の位置(例えば、2つのBコイルの間のロッド移動ハウジング内のどこか)を12ステップ以内で示す。
【0035】
2つの隣接するBコイル間のスペースのそれぞれは、固有の5ビットグレイコードによって表すことができる。例えば、第1Bコイルと第2Bコイルとの間のスペースは00001によるグレイコードで表すことができ、第2Bコイルと第3Bコイルとの間のスペースは00011によるグレイコードで表すことができ、第3Bコイルと第4Bコイルとの間のスペースは00111によるグレイコードで表すことができる。また、データBエンコーダユニット106は、電圧の最大差を有すると判定された隣接する2つのBコイル間のスペースを表す5ビットグレイコードを生成するように構成される。換言すれば、スペースが駆動ロッドの先端の位置を(12ステップ以内で)表し、データBエンコーダユニット106によって生成される5ビットグレイコードが駆動ロッドの先端の位置を表し、論理拡張により、制御ロッドの位置を表す。データBエンコーダユニット106によって生成される5ビットグレイコードは、ロッド位置データBとしても知られている。
【0036】
データBエンコーダユニット106は、さらに、隣接するBコイルの電圧における特定された最大差に基づいて基準信号(基準信号B)を生成するように構成される。基準信号Bは、隣接するBコイルの電圧の整流された最大差であり、その差の大きさを表す。整流された最大差を利用することにより、基準信号Bは常に正の値を有し、基準信号Aと基準信号Bとの間のいかなる比較も、測定された電圧の極性に影響されない。データBエンコーダユニット106によって生成された5ビットグレイコードおよびデータBエンコーダユニット106によって生成された基準信号Bは、周期的または連続的に処理回路108に転送される。様々な態様によれば、データBエンコーダユニット106の機能は、集積されたおよび/または個別のハードウェア要素、ソフトウェア要素、および/または両方の組合せを含むことができる1つまたは複数のカードまたはプリント回路基板によって実現され得る。
【0037】
駆動ロッドが上下に移動するにしたがって、様々なコイル102の両端間の電圧が増減する。例えば、所与のコイル102の両端間電圧降下は、駆動ロッドの先端がコイル102の中央開口部を通過するにしたがって増加し、駆動ロッドがコイル102の中央開口部に存在しない場合に減少する。したがって、隣接するコイル間の電圧差は、駆動ロッドの先端が複数のコイル102の1つの中央開口部を通過し、その駆動ロッドが隣接するコイル102の中央開口部にないときに最も高くなる。
【0038】
駆動ロッドが上下に移動するにしたがって隣接するコイル102の両端間の電圧の差が変化するにしたがって、基準信号Aおよび基準信号Bの値も、駆動ロッドが上下に移動するにしたがって増減する。AコイルとBコイルとの交互配置のため、基準信号Aが最も高い電圧にあるとき、基準信号Bが最も低い電圧になる。同様に、基準信号Aが最も低い電圧にあるとき、基準信号Bが最も高い電圧になる。基準信号Aが基準信号Bより大きい場合、それは、駆動ロッドの先端がBコイルに比べてAコイルに近いことを示す。基準信号Aが基準信号Bと等しいとき、それは、駆動ロッドの先端がAコイルとBコイルの間で等距離にあることを示す。基準信号Aが基準信号Bより小さい場合、それは、駆動ロッドの先端がAコイルに比べてBコイルに近いことを示す。
【0039】
処理回路108は格納容器の外側に配置され、データAエンコーダユニット104およびデータBエンコーダユニット106に電気的に接続されている(信号通信状態にある)。処理回路108は、データAエンコーダユニット104から受信したグレイコードおよび基準信号Aと、データBエンコーダユニット106から受信した基準信号Bとを利用して、駆動ロッドの先端の位置を特定し、拡張することにより、制御ロッドの位置を3ステップの精度で特定するように構成されている。また、処理回路108は、制御ロッドの特定された位置に関する情報を生成し、その情報をフォーマット化して、処理回路108に接続されたモニタ(図示せず)に情報を表示できるようにしてもよい。
【0040】
処理回路108は、集積されたおよび/または個別のハードウェア要素、ソフトウェア要素、および/または両方の組合せを使用して実施されてもよい。集積されたハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、ASIC、PLD、DSP、FPGA、論理ゲート、レジスタ、半導体装置、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、SoC、および/またはSIPを含んでもよい。個別のハードウェア要素の例は、論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、および/またはリレーなどの回路および/または回路要素を含んでもよい。特定の例では、処理回路108は、例えば、1つ以上の基板上に個別のおよび集積された回路素子または構成要素を含むハイブリッド回路を含むことができる。
【0041】
図4A図4Dは、本開示の少なくとも1つの態様に従った、3ステップの精度で制御ロッドの位置を特定するためにDRPIシステム100によって利用される様々な信号、論理比較、論理信号および論理演算の結果の表示を示す。
【0042】
図4Aは、本開示の少なくとも1つの態様に従って、駆動ロッドがステップを経て移動するときの基準信号Aの大きさおよび基準信号Bの大きさを示すグラフを示す。様々な態様によれば、それぞれの大きさは、データAエンコーダユニット104およびデータBエンコーダユニット106によって特定される。図4Aに示されるように、駆動ロッドの先端がステップ6に到達するとき、基準信号Bの大きさは減少し、基準信号Aの大きさは増加し、その後すぐに、基準信号Aの大きさは、基準信号Bの大きさよりも大きくなる。駆動ロッドが移動し続け、駆動ロッドの先端がステップ12に到達すると、基準信号Aの大きさは減少し、基準信号Bの大きさは増加し、その後すぐに、基準信号Bの大きさは、基準信号Aの大きさよりも大きくなる。図4Aに示されるパターンは、駆動ロッドが移動し続けると繰り返される。
【0043】
図4Bは、本開示の少なくとも1つの態様に従って、駆動ロッドが複数のステップを経て移動するときの基準信号Aと基準信号Bとの論理比較のグラフを示す。様々な態様によれば、論理比較は、処理回路108によって行われる。図4Bの論理比較のために、処理回路108は、基準信号Aが基準信号Bよりも大きい場合にハイ信号を生成する。例えば、処理回路108は、基準信号Aの大きさが基準信号Bの大きさよりも高い間(すなわち、ステップ6からステップ12、およびステップ18からステップ24)、ハイ信号を生成する。処理回路108は、基準信号Aの大きさが基準信号Bの大きさよりも低い間(すなわち、ステップ12からステップ18)、ロー信号を生成する。駆動ロッドが移動し続けると、図4Bに示されるパターンが繰り返される。他の態様によれば、処理回路108は、基準信号Bが基準信号Aよりも大きいときにハイ信号を生成してもよい。図4Bに示される基準信号Aと基準信号Bとの論理比較は、駆動ロッドの先端が、ステップ6からステップ12ではAコイルにより近く、ステップ12からステップ18ではBコイルにより近く、ステップ18からステップ24では他のAコイルにより近いことを示し、これは6ステップの精度のみである。
【0044】
図4Cは、本開示の少なくとも1つの態様に従った、駆動ロッドがステップを経て移動するときの、ロッド位置データAおよびロッド位置データBに関連する論理信号のグラフを示す。論理信号は、AコイルおよびBコイルに関する駆動ロッドの先端の位置を表すので、論理信号は、位置信号とみなされてもよい。様々な態様によれば、論理信号は、処理回路108によって生成される。図4Cの論理信号について、処理回路108は、データAエンコーダユニット104に関連するグレイコードの値が変化するときにハイ信号を生成し、データBエンコーダユニット106に関連するグレイコードの値が変化するまでハイ信号を維持する。換言すれば、処理回路108は、データBエンコーダユニット106に関連するグレイコードの値が変化するときにロー信号を生成し、データAエンコーダユニット104に関連するグレイコードの値が変化するまでロー信号を維持する。図4Cに示す例では、論理信号は、ステップ3からステップ9までハイであり、ステップ9からステップ15までローであり、ステップ15からステップ21まで再びハイであり、以下同様である。図4Cに示されるパターンは、駆動ロッドが移動し続けると繰り返される。図4Cの論理信号は、例えばDRPIシステム10のような従来のDRPIシステムの出力を示し、6ステップの精度しか提供しない。しかしながら、図4Bの論理比較と図4Cの論理信号との排他的論理和(XOR)演算を実行することによって、結果は3ステップの精度(例えば、駆動ロッドの先端はAコイルとBコイルとの間にあるが、Aコイルに近い)となる。
【0045】
図4Dは、本開示の少なくとも1つの態様による、図4Bの論理比較および図4Cの論理信号に対して排他的論理和(XOR)論理演算を実行した結果のグラフを示す。様々な態様によれば、XOR論理演算は、処理回路108によって実行される。XOR論理演算の結果は、駆動ロッドの先端がどこにあるか、および拡張により、制御ロッドの位置の指標を3ステップの精度で提供する。例えば、駆動ロッドがステップを経て移動すると、XOR論理演算の結果は、ステップ3からステップ6でハイ信号であり、これは、駆動ロッドの先端がAコイルとBコイルとの間にあるが、Bコイルにより近いことを示し、したがって、3ステップの精度を提供する。駆動ロッドがステップを経て移動し続けると、XOR論理演算の結果は、ステップ6からステップ9でロー信号であり、これは、駆動ロッドの先端がAコイルとBコイルとの間にあるが、Aコイルにより近いことを示す。駆動ロッドが移動し続けると、3ステップごとにハイとローが交互に並ぶパターンが繰り返される。
【0046】
上記に鑑みて、DRPIシステム100は、DRPIシステム10のような従来技術のシステムの構成要素の多くを利用することができることが理解されるであろう。既設原子炉に既に存在する多くの構成要素を再利用することは、DRPIシステム100およびそれが提供する3ステップの精度を、既設原子炉での最小限の設置工数で実施することを可能にする。もちろん、DRPIシステム100は、新しい原子炉にも利用することができる。
【0047】
図5は、本開示の少なくとも1つの態様に従った、ロッド位置データAおよびロッド位置データBに関連するそれぞれの5ビットグレイコードが等しいときを特定するための例示的な回路を示す。図5の例示的な回路では、ロッド位置データAのすべてのビットは、チェックサムを得るために一緒に加算され、ロッド位置データBのすべてのビットは、チェックサムを得るために一緒に加算される。次に、それぞれのチェックサムを比較して、ロッド位置データAおよびロッド位置データBに関連するそれぞれの5ビットグレイコードが等しいときを特定することができる。図5の回路は単に例示的なものであり、同じ機能を提供するために他の構成要素、装置、および/または回路が利用されてもよいことが理解されるであろう。
【0048】
図6は、本開示の少なくとも1つの態様による、図4Bの論理比較および図4Cの論理信号に対して排他的論理和(XOR)論理演算を実行するための例示的な回路を示す。図6の例示的な回路では、比較器Uは、基準信号Aを基準信号Bと比較し、基準信号Aが基準信号Bよりも大きい場合には、ハイ信号を出力する。基準信号Aが基準信号Bよりも小さい場合には、比較器Uはロー信号を出力する。どちらの場合も、出力された信号はXORゲートUに入力される。また、ロッド位置データA=ロッド位置データB(A=B)もXORゲートUに入力される。この信号は、例えば、図5の例示的な回路によって供給することができる。ロッド位置データA=ロッド位置データB信号がハイの場合、駆動ロッドがAコイルとBコイルから等距離にあることを意味する。ロッド位置データA=ロッド位置データB信号がロー(AはBに等しくない)の場合、駆動ロッドがAコイルとBコイルの間のどこかにあることを意味する。XORゲートUのアウトプットは、その一例が図4Dに示されているが、3ステップの精度を提供する(例えば、駆動ロッドはAコイルとBコイルとの間にあるが、Aコイルにより近い)。
【0049】
図6の例示的な回路に示されるように、A側(AコイルまたはデータAエンコーダユニット104のいずれか)またはB側(BコイルまたはデータBエンコーダユニット106のいずれか)のいずれかに故障がある場合、DRPIシステム100は依然として6ステップの精度で動作することができる。図6の回路は単に例示的なものであり、同じ機能を提供するために他の構成要素、装置、および/または回路が利用されてもよいことが理解されるであろう。
【0050】
様々な態様によれば、説明された機能のうちのいくつかは、上述されたもの以外の構成要素によって実行されてもよい。例えば、いくつかの態様において、データAエンコーダユニット104およびデータBエンコーダユニット106は、XOR演算を実行し、駆動ロッドの先端の位置を示す図4Dに示される信号を3ステップの精度で出力してもよい。そのような態様は、データAエンコーダユニット104内のカードのうちの1つまたは複数、およびデータBエンコーダユニット106内のカードのうちの1つまたは複数を変更することによって、またはデータAエンコーダユニット104内のカードのうちの1つまたは複数、およびデータBエンコーダユニット106内のカードのうちの1つまたは複数を新しいカードに置き換えることによって実現することができる。他の態様によれば、データAエンコーダユニット104およびデータBエンコーダユニット106を省略し、コイル102の出力を処理回路108に提供してもよく、この処理回路は、次いで、各隣接する一対のAコイルの電圧の間の最大差と、各隣接する一対のBコイルの電圧の間の最大差とを特定し、基準信号Aおよび基準信号Bを生成し、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせでXOR演算を実行してもよい。
【0051】
図7は、本開示の少なくとも1つの態様による、3ステップの精度で駆動ロッドの先端の位置を特定する方法200を示す。方法200は、駆動ロッドの先端の位置を3ステップの精度で特定するという文脈で説明されているが、この方法200は、任意の数の異なる「ステップ」システムを較正するために利用されてもよいことが理解されよう。方法200は、DRPIシステム100または他の同様のシステムを使用して実施することができる。簡単にするために、方法200の実施は、DRPIシステム100の文脈で説明される。
【0052】
方法200では、基準A信号および基準B信号が、データAエンコーダユニット104およびデータBエンコーダユニット106によってそれぞれ生成される(202)。基準A信号および基準B信号の生成は、コイル102の両端間の電圧を測定すること、隣接するAコイルの各一対および隣接するBコイルの各一対の最大の電圧差を特定すること、および基準A信号および基準B信号を生成するために最大の電圧差を整流することを含んでもよい。基準A信号および基準B信号の例を図4Aに示す。
【0053】
処理回路108は、基準信号Aと基準信号Bとの論理比較を実行する(204)。その論理比較の結果の一例を図4Bにグラフで示す。ここで、基準信号Aが基準信号Bよりも大きい場合、結果はハイ信号となる。
【0054】
処理回路108は、データAエンコーダユニット104およびデータBエンコーダユニット106によってそれぞれ生成されたロッド位置データAおよびロッド位置データBに基づいて、論理/位置信号を生成する(206)。論理/位置信号の生成(206)は、データAエンコーダユニット104およびデータBエンコーダユニット106によるロッド位置データAおよびロッド位置データBの生成、並びに、処理回路108によるロッド位置データAおよびロッド位置データBに関連するグレイコードの処理を含んでもよい。論理/位置信号の一例を図4Cに示す。
【0055】
処理回路108は、(1)基準信号Aと基準信号Bとの論理比較の結果と、(2)論理/位置信号とに対して排他的論理和(XOR)演算を実行する(208)。XOR演算の結果の一例を図4Dに示す。前述のように、XOR演算の結果は、駆動ロッドの先端の位置の指標を提供し、拡張することによって、制御ロッドの位置を3ステップの精度で提供する。
【実施例
【0056】
例1-ロッド位置指示システムが提供されている。前記ロッド位置指示システムは、駆動ロッド移動ハウジングの周囲に交互配置で配置された複数の第1のコイルおよび複数の第2のコイルと、複数の前記第1のコイルのそれぞれに接続され、第1の基準信号を生成するように構成された第1のデータエンコーダユニットと、複数の前記第2のコイルのそれぞれに接続され、第2の基準信号を生成するように構成された第2のデータエンコーダユニットと、前記第1および第2のデータエンコーダユニットと信号通信する処理回路とを備える。前記処理回路は、前記第1の基準信号と前記第2の基準信号との論理比較を生成し、第1の位置データおよび第2の位置データに基づいて論理信号を生成し、前記論理信号および前記論理比較の結果に対して論理演算を実行するように構成される。
【0057】
例2-前記第1のデータエンコーダユニットが、複数の前記第1のコイルのうちのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定するようにさらに構成される、例1のロッド位置指示システム。
【0058】
例3-第1の基準信号は、複数の前記第1のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大差の整流である、例2のロッド位置指示システム。
【0059】
例4-前記第1のデータエンコーダユニットは、前記第1の位置データを生成するようにさらに構成される、例1、2または3のロッド位置指示システム。
【0060】
例5-前記第2のデータエンコーダユニットが、複数の前記第2のコイルのうちのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定するようにさらに構成される、例1、2、3または4のロッド位置指示システム。
【0061】
例6-前記第2の基準信号は、複数の前記第2のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大差の整流である、例5のロッド位置指示システム。
【0062】
例7-前記第1のデータエンコーダユニットは、前記第1の位置データを生成するようにさらに構成される、例1、2、3、4、5または6のロッド位置指示システム。
【0063】
例8-前記処理回路は、前記論理比較の結果を生成するようにさらに構成され、前記結果は、(1)前記第1の基準信号が前記第2の基準信号よりも大きい場合には第1の値を、(2)前記第1の基準信号が前記第2の基準信号よりも小さい場合には第2の値を含む、例1、2、3、4、5、6または7のロッド位置指示システム。
【0064】
例9-前記論理演算が、排他的論理和論理演算を含む、例1、2、3、4、5、6、7または8のロッド位置指示システム。
【0065】
例10-前記処理回路は、前記論理演算の結果を生成するようにさらに構成され、前記結果は、3ステップの精度でのロッドの位置の表示を含む、例1、2、3、4、5、6、7、8または9のロッド位置指示システム。
【0066】
例11-方法を提供する。前記方法は、第1の基準信号および第2の基準信号を生成することと、前記第1の基準信号と第2の基準信号との論理比較を実行することと、位置信号を生成することと、前記位置信号および前記論理比較の結果に対して論理演算を実行することと、を含み、前記論理演算の結果は、3ステップの精度でのロッドの位置の表示を含む。
【0067】
例12-前記第1および前記第2の基準信号を生成することは、(1)個々の第1のコイルの両端間の電圧を測定すること、(2)個々の第2のコイルの両端間の電圧を測定することと、を含み、複数の前記第1のコイルおよび複数の前記第2のコイルは、駆動ロッド移動ハウジングの周囲に交互配置で配置される、例11の方法。
【0068】
例13-前記第1および前記第2の基準信号を生成することは、(1)複数の前記第1のコイルのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定することと、(2)複数の前記第2のコイルのどの隣接対が、それらの両端間の電圧の最大差を有するかを特定することと、を含み、複数の前記第1のコイルおよび複数の前記第2のコイルは、駆動ロッド移動ハウジングの周囲に交互配置で配置される、例11または12の方法。
【0069】
例14-前記第1および前記第2の基準信号を生成することは、(1)複数の前記第1のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大差を整流すること、(2)複数の前記第2のコイルに関連するそれぞれの電圧の最大差を整流することと、をさらに含む、例11、12または13の方法。
【0070】
例15-前記論理比較の結果を生成することをさらに含み、前記論理比較の結果は、(1)前記第1の基準信号が前記第2の基準信号よりも大きい場合には第1の値を、(2)前記第1の基準信号が前記第2の基準信号よりも小さい場合には第2の値を、含む、例11、12、13または14の方法。
【0071】
例16-前記位置信号を生成することは、第1の位置データおよび第2の位置データに基づいて前記位置信号を生成することを含む、例11、12、13、14または15の方法。
【0072】
例17-前記位置信号を生成することは、前記第1の位置データおよび前記第2の位置データを生成することをさらに含む、例16の方法。
【0073】
例18-(1)前記第1の位置データを生成することは、第1のグレイコードを生成することを含み、(2)前記第2の位置データを生成することは、第2のグレイコードを生成することを含む、例17の方法。
【0074】
例19-前記論理演算を実行することが、排他的論理和論理演算を実行することを含む、例11、12、13、14、15、16、17または18の方法。
【0075】
例20-前記位置信号に関連する第1の位置データが、前記位置信号に関連する第2の位置データと値が等しいかどうかを判定することをさらに含む、例11、12、13、14、15、16、17、18または19の方法。
【0076】
本明細書では、DRPIシステム100および方法200の様々な様態が、特定の開示された様態に関連して説明されたが、これらの様態に対する多くの変更および変形が実施されてもよい。また、特定の構成要素のための材料が開示される場合、他の材料が使用されてもよい。さらに、様々な態様によれば、所与の1つまたは複数の機能を実行するために、単一の構成要素が複数の構成要素に置き換えられてもよく、複数の構成要素が単一の構成要素に置き換えられてもよい。前述の説明および添付の特許請求の範囲は、開示された態様の範囲内に入るようなすべてのそのような変更および変形を包含することが意図されている。
【0077】
本発明は、例示的な設計を有するものとして記載されてきたが、記載された発明は、本開示の思想および範囲内でさらに変更されてもよい。したがって、本出願は、その一般的な原理を使用して、本発明の任意の変形、使用、または適応を包含することが意図される。例えば、本発明がDRPIシステム100の文脈で説明されたが、本発明の一般的な原理は、任意のタイプの「ステップ」システムに等しく適用可能である。同様に、本発明は、原子力発電所の文脈においても説明されたが、本発明の一般的な原理は、原子力発電所以外の用途にも同様に適用可能である。
【0078】
参照により本明細書に組み込まれると言われている特許、特許出願、公開、または他の開示材料は、全体的にまたは部分的に、組み込まれた材料が、本開示に記載されている既存の定義、記載、または他の開示材料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する材料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、記載、または他の開示材料と矛盾する任意の材料またはその一部は、組み込まれた材料と既存の開示材料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。

図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
【国際調査報告】