(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】イベント用家具
(51)【国際特許分類】
A47F 10/06 20060101AFI20220706BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20220706BHJP
G06F 3/0487 20130101ALI20220706BHJP
A47B 83/02 20060101ALI20220706BHJP
A47B 87/00 20060101ALI20220706BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20220706BHJP
A47B 91/06 20060101ALI20220706BHJP
A47C 3/026 20060101ALN20220706BHJP
A47C 3/18 20060101ALN20220706BHJP
A47C 3/20 20060101ALN20220706BHJP
【FI】
A47F10/06
G06F3/01 560
G06F3/0487
A47B83/02
A47B87/00
A47B13/00 Z
A47B91/06
A47C3/026
A47C3/18 Z
A47C3/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568051
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2020063554
(87)【国際公開番号】W WO2020229637
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019113011.5
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516098579
【氏名又は名称】マック ライズ ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Mack Rides GmbH & Co.KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】特許業務法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルガー ギュンター
【テーマコード(参考)】
3B053
3B069
3B091
3B260
5E555
【Fターム(参考)】
3B053NP08
3B053NQ01
3B069CA01
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3B260BC01
3B260BD03
3B260BF02
5E555AA76
5E555BA90
5E555BB40
5E555BC01
5E555CA12
5E555CA41
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5E555CC03
5E555DA23
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】
イベントにおいて新しい体験をすることができる。
【解決手段】
イベント用家具部品(100、200、250、300、350)として、少なくとも1つのテーブル及び/又は少なくとも1つの椅子を含むイベント用家具において、前記少なくとも1つのテーブル(11、250)、前記少なくとも1つのテーブル(11)のテーブル部分(120、300、350)、前記少なくとも1つの椅子(110、200)及び/又は前記イベント用家具部品の組み合わせが、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有するイベント用家具。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント用家具部品(100、200、250、300、350)として、少なくとも1つのテーブル及び/又は少なくとも1つの椅子を含むイベント用家具において、
前記少なくとも1つのテーブル(11、250)、前記少なくとも1つのテーブル(11)のテーブル部分(120、300、350)、前記少なくとも1つの椅子(110、200)及び/又は前記イベント用家具部品の組み合わせが、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有することを特徴とするイベント用家具。
【請求項2】
前記イベント用家具は、イベント用家具部品として、複数のテーブル部品(120、300、350)により構成された、又は、構成可能なテーブル(11)と、このテーブル(11)に付随する椅子(110、200)とを有することを特徴とする請求項1に記載のイベント用家具。
【請求項3】
一部のテーブル部品(120、300)またはすべてのテーブル部品(120、300)が、各々、前記テーブル(11)に付随する椅子(110)の少なくとも1つに接続され、前記テーブル部品(120、300)とそれに接続された椅子(110)がイベント用家具部品(100)としてのレストランユニットを形成し、前記レストランユニットが空間内で一緒に移動することができ、これらのレストラン用家具部品(100)が、機械的に制御された動きを実行するための手段を有し、前記テーブル部品(120、300)およびそれに接続された前記椅子(110)が複数のテーブル(11)または別に組み立てられたテーブル(11)を再構成することが可能であることを特徴とする請求項2に記載のイベント用家具。
【請求項4】
少なくとも1つのイベント用家具部品(100)には、椅子(110)が前記テーブル部分(120)に対して相対的に移動可能に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のイベント用家具。
【請求項5】
少なくとも1つのイベント用家具部品(100)における前記テーブル部分(120)に対する前記椅子(110)の移動は、駆動される成分を有し、この移動のための駆動手段が前記イベント用家具部品(100)に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のイベント用家具。
【請求項6】
イベント用家具部品(100)の少なくとも1つの椅子(110)および/または少なくとも1つのテーブル(120)が、クイックカップリング(1111、122)を介して前記イベント用家具部品(100)に接続されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項7】
テーブル部品が2つ以上存在し、これらは前記イベント用家具の少なくとも1つの構成において互いに部分的に重なり合って配置されることが可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項8】
少なくとも1つのセンサ(1124、1213)が、少なくとも1つのテーブル(120)及び/又は少なくとも1つの椅子(110)に配置され、前記センサは、客(1)又は他のイベント用家具部品(100、200、250、300、350)の存在、現在位置及び/又は動きを検出するように構成及び設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項9】
操作要素(1125、1217)及び/又は少なくとも1つのディスプレイ(1215、1216)を有する少なくとも1つのユーザインタフェイスが、少なくとも1つのテーブル(120)及び/又は少なくとも1つの椅子(110)に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項10】
前記テーブル(120)及び/又は前記椅子(110)に座っている客(1)のための少なくとも1つの感覚刺激装置(1123、1214)が、少なくとも1つのテーブル(120)及び/又は少なくとも1つの椅子(110)に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項11】
前記感覚刺激装置(1123、1214)は、機械的に制御された前記動きと同期して動作することを特徴とする請求項10に記載のイベント用家具。
【請求項12】
個別の機械的に制御された前記動きを制御するために外部制御装置(13)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項13】
前記外部制御装置(13)は、複数のイベント用家具部品、特にテーブル、少なくとも1つのテーブルの複数のテーブル部品及び/又は椅子の個別の機械的に制御された動きを調整及び/又は同期させることを特徴とする請求項12に記載のイベント用家具。
【請求項14】
前記外部制御装置(13)によって同様に制御されるグローバル感覚刺激装置(12)が設けられていることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のイベント用家具。
【請求項15】
前記外部制御(13)と信号通信を行い、前記外部制御(13)の制御過程への介入を可能にする、イベントスタッフ(99)用の操作装置(98)が設けられていることを特徴とする請求項12乃至請求項14の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項16】
前記イベント用家具が、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有する少なくとも1つのビュッフェ装置(600、700)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項17】
前記イベント用家具が、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有する少なくとも1つの壁、仕切り、またはプライバシスクリーン要素(15)をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項16の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項18】
前記イベント用家具が、さらに、前記イベント用家具の部品の供給を行うための少なくとも1つのドッキングステーション(16)をエネルギおよび/または運転資源とともに有し、前記ドッキングステーション(16)は、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項17の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項19】
機械的に制御された動きを実行するための前記手段が、少なくとも1つのエアクッション(140)を含んでいることを特徴とする請求項1乃至18の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項20】
前記エアクッション(140)は、シール要素(150)を有し、前記シール要素(150)は、ベース体(155)と、前記エアクッション(140)が作動したときに床(152)に押し付けられるように前記ベース体(155)上を移動可能に配置されるシールリップ(151)とを備えるすることを特徴とする請求項19に記載のイベント用家具。
【請求項21】
前記エアクッション(140)は、好ましくは摺動ライニングを有する、別々に膨張可能な支持リング(153)と、オプションとして1つ以上の追加のシール櫛(154)とを備えたシーリング要素(150)を有することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載のイベント用家具。
【請求項22】
機械的に制御された動きを実行するための前記手段は、磁石システムを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項21の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項23】
機械的に制御された動きを実行するための前記手段は、レールシステムを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項22の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項24】
機械的に制御された動きを実行するための前記手段が、少なくとも1つの摩擦ホイール(132)又はメカナムホイールを有することを特徴とする請求項1乃至請求項23の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項25】
前記摩擦ホイール(132)又は前記メカナムホイールが複数存在し、前記機械的に制御された前記動きの制御において、前記摩擦ホイール(132)又は前記メカナムホイールがソフトウェア側で結合され、任意に制御可能であることを特徴とする請求項24に記載のベント用家具。
【請求項26】
前記摩擦ホイール(132)又はメカナムホイールは、高さの調整が可能であることを特徴とする請求項24又は請求項25に記載のベント用家具。
【請求項27】
駆動装置、又は、特にエネルギ供給を確保できる運転資源貯蔵器(134)、又はローカル制御手段(135)、又は通信モジュール(136)、又はこれらの構成グループの組み合わせが、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を備えた少なくとも1つのイベント用家具部品(100)に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項28】
前記イベント用家具が、少なくとも1つのロボットアームまたはロボット(400、800、1000)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項27の何れか一項に記載のイベント用家具。
【請求項29】
個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有する前記イベント用家具の少なくとも1つの部品が、ロボットアームまたはロボット(400、800、1000)との相互作用のためのインタフェイスを有することを特徴とする請求項28に記載のイベント用家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴を有するイベント用家具に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、社会的なライフイベントへの参加は、より大きな期待と、イベントそのものを超えた体験の探求を伴うものとなっている。例えば、レストランを訪れることは、単に食事したり、場合によっては懇親を深めたりする活動としてだけ捉えられつつあるだけでなく、同時に楽しい経験を演出するものである。そのため、体験型レストランの分野では、そうした体験と食をセットにした提案が多くなっている。一番簡単な場合には、テーマレストランという枠組みで、調度品やメニュー、ウェイターの服装までが、あるテーマに沿ったものにされている。
【0003】
さらに、クリミディナ(Krimidinner)、ビツッヒマンズ・パラッツォ(Witzigmans Palazzo)、シューベックス・テアトロ(Schuhbecks Teatro)など、食事が劇やショーイベントの一部として構成される、非常に人気の高い形式も開発されている。
【0004】
また、レストランで通常行われる手順の一部を、いつもと違う非日常的な方法で行うという手法も人気である。その一歩が、客の目の前で調理をするショークッキングである。給仕人が幕間の出し物を提示することも知られている。このカテゴリーに属する別の変形例としては、特許文献1(EP 1 833 331 B1)または特許文献2(DE 10 2015 011 538)にも記載されている、よく知られたジェットコースターレストランがある。これらのレストランでは、従来の配膳作業に代わって、注文された料理や飲み物をジェットコースタのようなレールシステムで客の目の前のテーブルに供給し、このレールシステムによる提供は、ロボットやロボットアームによって客から一部見えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP 1 833 331 B1
【特許文献2】DE 10 2015 011 538
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のコンセプトに共通しているのは、イベントの間、客は基本的に静的に部屋に配置され、せいぜい一部の例外的なケースでは、例えば遊覧船や列車の食堂車の場合には部屋そのものが移動する。レストランやカフェ、バーなどの飲食店はもちろん、会議や文化的な催しなどのイベントで新しい体験ができる家具が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、このようなイベント用家具を提供することを課題とする。この課題は、請求項1の特徴を有するイベント用家具によって解決される。本発明の有利なさらなる開発は、従属請求項の主題である。
【0008】
一般的に、本発明によるイベント用家具は、イベント家具部品として少なくとも1つのテーブル及び/又は少なくとも1つの椅子を有する。ここで強調しておきたいのは、必ずしもテーブルとチェアがある必要はなく、スタンディングレストランや収納一体型のチェアも考えられる。
【0009】
本発明の本質的として、少なくとも1つのテーブル、少なくとも1つのテーブルのテーブル部分、少なくとも1つの椅子、及び/又は、イベント家具部品の組み合わせが、個別に機械的に制御された動きを実行するための手段を有することである。
【0010】
この際、機械的に制御された動きは、必要であればユーザによって影響を与えられるとしても、例えば緊急停止、又は、ユーザからの直接的な制御を受けないで接近する所望の目的地の指示によるものなど、少なくともイベント用家具部品のユーザによって直接的に制御されない駆動動作であると理解される。例えば、機械的に制御された動きは、無人搬送システムで使われている技術により実現することができる。
【0011】
特に、機械的に制御された個別の動作を行うための手段の存在は、客自身によって制御される動作を行うための追加の手段の存在を排除するものではなく、これらの手段の一部は、両方の目的のために使用することも可能であることに留意すべきである。実際、特に本発明の好ましい更なる展開によれば、イベント用家具がさらに、例えばペダル、駆動シーソー、垂直オールのように機能するハンドレバーなど、客が動きに影響を与えるための操作要素も有し得る。
【0012】
本開示において「個別」とは、機械的に制御された動きが、異なるイベント用家具部品の機械的に制御された動きが同時に異なる結果となる得ることを示している。逆に、イベント用家具部品の相対位置が変化しない機械的に制御された動きは、「個別」の機械制御の動作ではない。
【0013】
個別の機械的に制御された動き実行するための手段の特別な構成が以下でより詳細に示されるとしても、この時点で以下の点が指摘される。すなわち、動きを実行するために対応するイベント用家具部品以外の他の物との相互作用が必要な場合、この開示の意味においてそのような手段は存在する、ということである。
【0014】
例えば、磁気搬送システムにおける磁気結合やコンベアチェーンにおける機械的結合など、イベント用家具部品の外部に設けられた駆動装置に結合するための結合要素が1つ設けられていれば十分である。したがって、個別に機械的に制御された動きを実行する手段を有するのに、駆動装置は必ずしもイベント用家具部品に完全に統合されている必要はない。
【0015】
同様に、例えば、イベント用家具部品に統合された駆動装置に無線で送信される制御信号のように、外部から提供される制御システムとの結合で十分であり、ローカル制御が可能であり、多くの用途に有用であるが、個別に機械的に制御された動きを実行するための手段を有するという特徴は、必要ない。
【0016】
本発明によるイベント用家具では、これらの特徴により、イベント用家具部材を使用する客にとって、驚きと予測不可能な方法で環境が変化することを可能にする。例えば、イベント用家具部品を適切に設定することで、食事の異なる部分をレストラン内の別の場所で取ることができたり、客を厨房に送り料理を受け取らせることで配膳作業を逆に行ったり、テーブルの座席配置を変化させたりすることができる。
【0017】
レストランに設備があれば、今までにない方法で、食事中にこのようなストーリや旅の演出をすることも可能である。同時に、適切に置き換えれば、独身者同士の交流会など、パーティー中の客の混ぜることにも利用できる。
【0018】
本発明の有利なさらなる展開において、イベント用家具が、複数のテーブル部品で構成された又は構成できるテーブルと、このテーブルに付随する椅子とを有し、イベント用家具部品は、好ましくは、各々、そのすべての部品に又はイベント用家具部品を形成する部品の組み合わせグループに、個別の機械的に制御された動きを実行する手段を有する。これにより、テーブルの大きさだけでなく、レストラン訪問時にテーブルの隣席を変えることが可能になる。そのため、例えば、大きな共通テーブルが突然分解して、複数の小さなテーブルに再構成され得る。
【0019】
大勢でテーブルを囲んでコース料理を食べるときの定番の悩みの一つは、これまでは同じ人たちとずっと世間話をしなければならないことだったが、自動的な席替えによって客のシャッフルができるようになったことである。
【0020】
しかし、特にレストラン訪問の実務では、通常、客への飲食物の明確な割り当てが維持され続けることが望まれる。したがって、いくつかのテーブル部品またはすべてのテーブル部品が、テーブル部品とそれに接続された椅子が室内で一緒に移動できるユニットを形成し、次にそのユニットがイベント家具部品として理解され得るように、テーブルに付随する椅子の少なくとも1つにそれぞれ接続されることが好ましい。したがって、これらのユニットやイベント用家具部品は、機械的に制御された動きを実行する手段を有している。そのため、テーブル部品とそれに接続された椅子は、複数のテーブル、又は、別のテーブルに再構成することができる。
【0021】
特に、これは、より多くの部品を、機械的に制御された動きを実行する手段を有する共通のベースプレートに配置することで実現できる。
【0022】
テーブル部に対する椅子の配置を可変にすることで、一方では座り心地を、他方では着座を、最後に、見ているものに対する最適な視点を確保するために食事にアニメーションが伴うイベント用家具部材を使用する場合に、少なくとも1つのイベント用家具部品において、例えば、椅子とテーブル部品が、椅子を移動、特に変位、回転及び/又は高さ調節することができるガイド又は軸受を有する共通のベースプレート上に配置されていることにより椅子がテーブル部品に対して移動可能に配置されることが好ましい。特にここでは、イベント用家具のユーザ自身が人間工学的に快適なポジションを設定できるような調整オプションを提供することができる。
【0023】
テーブル部分に対する椅子の移動のために、代替的または付加的に、少なくとも1つのイベント用家具部品に駆動部品が含まれ、この移動のための駆動手段がイベント用家具部品に配置されていることが特に好ましい。一方では、より快適な、例えば電気駆動の調整を可能にすることができる。一方、これらの駆動手段を制御部で制御される機械的な駆動手段として実行すれば、例えば、食事を縁取るアニメーションの中で何かが起こっているある方向に当該客の椅子を持ち上げて回転させたり、アニメーションや体験談のイベントに付随する振動を生成したりして、再び状況に影響を与えることもできる。例えば、地震や、家屋の倒壊や、巨大な恐竜が地面を踏みつける振動などをよりリアルに表現することができる。
【0024】
イベント用家具部品の少なくとも1つの椅子及び/又は少なくとも1つのテーブルがクイックカップリングを介してイベント用家具部品に接続されている場合、これらのイベント用家具部品を同じタイプ又は異なるタイプの他のイベント用家具部品に迅速に交換することができる。例えば、宇宙旅行から西部劇の冒険へとレストランのテーマが変わっても、また、午後は子供の誕生日会、夜は独身者のパーティーといった年齢層別のイベントにアニメーションのレストランをすぐに適合させることができる。
【0025】
また、イベント用家具の少なくとも1つの構成において、部分的に重なり合うように配置できる2つ以上のテーブル部分があれば、別の非日常的な体験を演出することができる。これにより、例えば、客が座っているテーブルが、最初はほとんど気づかないうちにスライドして離れ、テーブルの中央に空間ができ、その中央部分に上や下から別の効果を驚くように発生させることができる。
【0026】
本発明の有利なさらなる発展は、少なくとも1つのテーブル及び/又は少なくとも1つの椅子に少なくとも1つのセンサが配置され、このセンサは、客の存在、現在位置及び/又は動きを検出するため、又は他のイベント用家具部品の存在、現在位置及び/又は動きを検出するために構成及び設定されていることである。このセンサは、特に安全性の面で有利に働き得る。例えば、アニメーションレストランの客が席を立ったことを認識し、対応するイベント用家具部材の動きを適切に調整し、例えば、静かに停止させることが可能である。
【0027】
また、センサを使用して、異なるテーブル部品同士のドッキングプロセスを監視し、必要に応じて機械の動きに介入したり、特別な(ショー)効果を発動させたりすることも非常に有効である。例えば、往来と連結プロセスを安全かつ効率的に規制するために、異なる安全ゾーンを持つ事実上の保護被覆をイベント用家具部品の周りに配置することができ、それによって、例えば、別のイベント用家具部品または他の物体が安全ゾーンに位置する場合、速度および駆動力が予防的に低減されることになる。しかし、重要な最終連結プロセスでの追加効果として、赤色の、または赤色に点灯した霧を放出したり、効果音を鳴らしたり、触れた部分を振動させたりすることができる。その際、対応するゾーンは自由にプログラム可能であることが望ましい。
【0028】
このようなセンサシステムの具体的な実現には、さまざまな可能性がある。
例えば、インタフェイススキャナ、圧力センサ、赤外線センサ、光学センサなどを使ってシステムを実現することができる。
【0029】
また、客による機械の動作に影響を与えるため、および/または注文処理を実行する少なくとも1つのユーザインタフェイスが、少なくとも1つのテーブルおよび/または少なくとも1つの椅子の上に配置されていると有利である。また、情報を表示するためのディスプレイを追加的または代替的に提供することも有利である。このようなユーザインタフェイスは、例えば、タッチパネルとして、あるいは、当該イベント用家具部品に組み込まれた特別なタブレットPCとして構成することができ、このタブレットPCは、ユーザの希望をさらに処理する外部制御部と信号通信を行う。
【0030】
ここでは、飲食物の提供や注文のほか、レストランを利用する際の判断材料として情報を提示したり、レストランを利用する際の客の好みを聞いたりすることができる。
【0031】
例えば、食事がアニメーションの冒険物語に組み込まれている場合、いくつかの続きの可能性を投票にかけることで、それぞれの投票結果に応じて、テーマ的には同じ冒険物語であるにもかかわらず、それぞれのケースでレストランへの繰り返し訪問が体験できるようにすることができる。しかし、例えば独身者の交流という文脈では、次回に隣に座りたい参加者の好みを入力する。この入力は、必要に応じてその情報に関する、簡単で、ディスプレイを介して呼び出すことも可能な情報によりサポートされる。このシナリオでは、すべての客の好みを中央制御システムで評価し、それに基づいて最適な座席配置を計算し、客がイベント用家具でそこに移動することができる。同じような考え方は、家族のお祝いをするときにも当てはまり、家族それぞれが最も良い経験をすることができるようになる。
【0032】
テーブルや椅子が独立したイベント用家具を構成しているか、独立したイベント用家具を構成するユニットの一部であるかにかかわらず、テーブルや椅子に座るゲストの感覚を刺激するための少なくとも1つの装置が、少なくとも1つのテーブルや少なくとも1つの椅子上に配置されていると特に有利である。客の感覚を刺激するこの装置は、さまざまな方法で実現することができる。
【0033】
第1に、視覚的な刺激が可能であり、最も単純なケースでは、スクリーン上にコンテンツを提供することで可能となる。また、視覚刺激として、テーブルの表面などに投影する方法もある。現代の投影技術を用いれば、このような表面に仮想の物体を作り出し、あたかも本物のように見せることができる。こうすることで、例えば「アフリカ探検」のテーマにレストラン訪問を埋め込む場合、巨大なアリがテーブルの上を走っているように見える流れができる。このような投影は、例えば、ある物体が実際にテーブルから消えてしまった場合に、その物体をその投影に置き換えることで目立たなくすることもできる。さらに、照明の調整、煙幕、紙吹雪の投射などで、さまざまな視覚効果を実現することができる。
【0034】
第2に、音響的な刺激が可能である。ローカルに配置されたラウドスピーカによる純粋なコンテンツ再生のほか、上位コントローラからの入力や読み出したセンサからの入力に応じて特定の音響効果を生成する、より複雑なサウンドシステムも可能である。例えば、客が座っている椅子の座面位置を監視し、動くたびにきしむ音を流したり、カメラによる監視でお酒を飲んでいる様子を把握し、大きな飲み物の音を付随させたりすることができる。
【0035】
また、基本ストーリに組み込むことで、ローカルの様々な情報をそれぞれのスピーカから出力するのも非常に興味深い代替案である。例えば、部屋のある位置では可能で、他の位置では不可能な、会話の盗み聞きなどの情報である。このように、例えばミステリディナをより面白くし、違う視点からストーリを再体験することで同じイベントに何度も足を運んでもらう気にさせることも可能である。
【0036】
第3に、臭気物質を局所的に選択的に放出することで、嗅覚刺激が可能である。例えば、レストラン訪問を促進する冒険物語の中で、火の匂いは、火事の体験を実質的に高め、海を舞台にした物語であれば、海の塩辛い匂いは、嗅覚を用いて再現される。また、アニメーションのスタッフや俳優が登場する場合は、海賊の船長がテーブルを通るときに強烈なラム酒の香りを漂わせることにより、嗅覚を添えることも可能である。
【0037】
第4に、刺激には触覚もあり、その実現にはさまざまな可能性がある。出来事に振動が添えられることは前述したとおりである。さらに、アニメーションで描かれた火の方向や、投影された動物の口などから扇風機で熱風を送ると、非常に印象的な効果を得ることができる。また、液体を噴霧装置などでうまく利用することもできる。
【0038】
この実施形態の好ましいさらなる発展形として、感覚刺激装置は、機械的に制御された動きと同期して動作し、調和のとれた全体的な体験を作り上げることができる。これは、テーブル上の装置のローカル制御および/またはテーブルを移動させる制御(装置の制御と同じテーブル上のローカル制御でもよい)が、より上位の制御および/またはナビゲーションシステムと相互作用する場合に特に可能となる。しかしながら、このような相互作用は、本発明のさらなる発展またはさらなる実施形態の実施形態以外でも独立して有利であると明確に考えられている。
【0039】
さらに、機械的に制御された個別の動きを制御するための外部制御部があれば、有利である。好ましくは、これは、上位の制御部であって、駆動装置に適切な制御コマンドを送信することによってイベント家具部品の機械的に制御された動きを制御するだけでなく、外部制御が、いくつかのイベント家具部品、例えば、いくつかのテーブル、少なくとも1つのテーブルのいくつかのテーブル部品、及び/又は椅子の個々の機械的に制御された動きを調整及び/又は同期させる。したがって、好ましくは、イベント家具部品は、イベント家具部品の目標位置、及び、好ましくは実際の位置をいつでも決定できるナビゲーションモジュールを備え、または、そのようなナビゲーションモジュールと通信する。
【0040】
特に、グローバルな感覚刺激装置が存在する場合、これも外部制御で制御されると有利である。
【0041】
安全上のため、及び秩序ある運営を確保するために、外部制御システムと信号通信を行い、外部制御システムの処理に介入できるイベントスタッフ用の操作装置を用意することが有利である。技術的には、例えば無線接続でも、有線接続でも実現可能である。有利には、これらの操作装置は、プログラムシーケンスを開始、停止、予め定義された方法で変更、または中断することができる賛成キーおよび/または操作キーを有しており、単一のキーストロークまたは少数のキーストロークのみで、複雑なプロセスを制御および/または影響を与えるのに十分である。
【0042】
このような技術的な安全機能に加え、視覚的な制御を行うこともできる。例えば、客に危険が迫っていることをスタッフが認識した場合、キー操作で緩やかな停止や緊急停止をさせることができる。例えば、前述の巨大アリの投影によって、アリ恐怖症のゲストがパニックになった場合、このテーブルで投影を解除することができる。こうすることで、イベントのスムーズで調和のとれた進行が保証される。
【0043】
上述の機能を提供するための別の技術的可能性は、音声制御であり、必要に応じて、偶発的なトリガーを避けるために特別な音声コードによって、セキュリティ機能および/またはショーコマンドをトリガーまたは起動することができる。しかし、このような音声制御は、客が参加できるインタラクティブな形式でも使用することができる。
【0044】
本発明のさらに有利なさらなる発展は、イベント家具が、既に説明した個別の機械的に制御された動きと同様に実行可能な個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有する少なくとも1つのビュッフェ装置をさらに備えている。
【0045】
ビュッフェ装置とは、特に、盛り付けられた料理を食べることができる装置を意味すると理解され、例えば、回転寿司であってもよい。このように構成できるアニメーションのシーンの例として、実際の配膳作業の置き換えがある。すなわち、客がテーブルに座って料理を待っていると、突然対応するビュッフェ装置がキッチンから移動してきて、テーブル部品が、分割され、ビュッフェ装置にドッキングする前に、テーブルの中央に位置する。もう1つのあり得る変形は、食べ物が事実上「逃げる」、すなわちビュッフェ装置とともに移動し、最初にそれぞれの椅子・テーブル部分ユニットで「追いつく」または追いかける必要があることである。
【0046】
別の有利に適用可能なイベント用家具部品は、既に説明した個別の機械的に制御された動きと同様に実行可能な個別の機械的に制御された動きを行うための手段を有する壁、仕切り又はプライバシスクリーン要素である。また、このイベント用家具は、さまざまな機能を備えている。このイベント用家具は、一方では、特に大きなテーブルを分割して使うようなシナリオでは、従来のようにプライバシを確保する役割もあるし、独身者交流の場として使われる際に、夢のような相手を見つけて、いわば独身市場から身を引くときに使用される。このイベント用家具は、他方で、追加の投影面として、あるいは部屋の中で感覚的な刺激を与える移動可能なソースとして機能する。このイベント用家具は、また、衝突が避けられないと思われるギリギリのところで消える障害物という形で、緊張感を高める要素としても使うことができる。
【0047】
イベント用家具部品のさらに別の有利な実施形態は、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有する他のイベント用家具部品に、エネルギ及び/又は運転資源、例えば圧縮空気又は液体、紙吹雪等の特殊効果の構成要素を供給するためのドッキングステーションである。
【0048】
個別の機械的に制御された動きを実行するための手段の有利な構成は、少なくとも1つのエアクッションを有する。これにより床面上での摩擦が特に少ない移動が可能になる。有利には、エアクッションは、ベース体と、エアクッションが作動したときに地面に押し付けられるようにベース体上に移動可能に配置されるシールリップを有するシール要素を有する。代替的または追加的に、エアクッションは、摺動ライニングと、任意で1つ以上の追加のシール櫛を備えた、別途膨張可能な支持リングを有することができる。
【0049】
代替的に、機械的に制御された動きを実行するための手段としては、レストランの床面を移動できるマグネットシステム、レールシステム、コンベアチェーンシステムなどが考えられる。
【0050】
さらに、駆動力を与えるために、機械的に制御された動きを実行するための手段が、少なくとも1つの摩擦ホイールまたはメカナムホイールを有することが特に好ましく、複数の摩擦ホイールが存在し、機械的に制御された動きを制御する際に摩擦ホイールまたはメカナムホイールがソフトウェア側で結合されて、任意に制御できる場合には、特に有利となる。これにより、狭い場所でも最大限の機動性と操作性を発揮することができる。様々な床材に対応するため、摩擦ホイールやメカナムホイールは高さ調節が可能であると有利である。
【0051】
好ましくは、駆動装置または電源装置またはローカル制御装置またはこれらのユニットの組み合わせが、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有するイベント家具の少なくとも1つの構成要素に設けられている。
【0052】
また、任意の構成ではあるが、有益なイベント用家具部品として、ロボットアームやロボットがあり、これは例えばレストランの天井に取り付けられたトラックシステムに取り付けることができる。これらは、給仕のプロセスを実行したり、客と対話したり、注文を受けたりすることができる。
【0053】
特に、ロボットやロボットアームに顔を映すことができる胸像を搭載すれば、そのようなインタラクションを実現することができる。有名人の顔だけでなく、親族や友人が事前に撮影した写真やビデオなど、さまざまなビジュアル素材を使用することができる。好ましくは、ロボットまたはロボットアームの音声もそれに応じて調整される。例えば、そのような場合、ロボットアームが客に近づき、客は母親らしき顔から「何が食べたいか?」「またどこをぶらぶらしていたのか?」と母親の声で聞かれる。
【0054】
このようなロボットアームまたはロボットは、代替的または追加的に、駆動装置を設定する、または駆動装置の制御を引き継ぐことによって、イベント用家具部品の移動に関与することもできる。この目的のために、好ましくは、個別の機械的に制御された動きを実行するための手段を有するイベント用家具の少なくとも1つの部品は、ロボットアームまたはロボットとの相互作用のためのインタフェイスを有する。
【0055】
具体的には、例えば、ロボットアームが保護部分に形状結合又は力結合によりに係合することで、移動のための駆動又はナビゲーションのための力で誘導したりする。もちろん、ロボットやロボットアームが、例えばジョイスティックの操作や、近距離無線通信などによる非接触の信号伝送によって、制御インパルスを与えることも可能である。特に、近距離無線通信などによる非接触の信号伝送は、まるで魔法で動いているかのような印象を与えることがある。
【0056】
特に、例えば天井から来たロボットがテーブルを引いて移動するムーンウォークのシーンでは、わずかな速度変化(アクセルとブレーキ)も体感することが可能である。
【0057】
大型のロボットは、例えば、ビュッフェモジュール一式、客、または客が置かれたイベント用家具と一緒に客を移動させることができるイベント用家具として使用することもできる。
【0058】
また、ロボット型のイベント用家具部品が複数ある場合は、それに沿ってイベント用家具部品や料理を渡すチェーンを形成たり、大きなロボットが小さなロボットを運んで、小さなロボットが給仕したり、その逆をしたりするロボットオンロボット構成にすることで、ロボットを連携させることも可能である。
【0059】
また、このようなロボットやドローンの形をしたイベント用家具部品を介して、他の客と交流する可能性を提供することも考えられる。例えば、独身者のイベントで、意中の女性にバラを運んでもらうようなことが考えられる。
【0060】
特に、これを可能にするために、イベント用家具部品に番号コードなどの識別機能を設けると有利になり得る。トリガーとなったイベント用家具部品に注意を向けるため、例えば、回転運動を伴う椅子の振動など、ある種の接触による入力、別のイベント家具コンポーネントのディスプレイへの短いテキストメッセージの送信、または、場合によっては、別のイベント用家具部品から拡張または移動できるポインタなど、そのイベント用家具部品に配置された入力ユニットへの適切な入力が引き起こされる。
【0061】
識別機能を有し、同時に、情報の提供と送信を行うためにも使用できる別の有利な可能性は、イベント用家具部品にRFIDモジュールを設けることである。
【発明の効果】
【0062】
本発明のイベント用家具によれば、レストランやカフェ、バーなどの飲食店はもちろん、会議や文化的な催しなどのイベントで新しい体験ができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】イベントシステムの一例を上方から見た平面図である。
【
図2】テーブルとイスを組み合わせた形で室内を移動できるイベント用家具の一例を示す図である。
【
図3】
図2のイベント用家具部品を使用して実現される、室内で移動可能なテーブル編成の概略例を示す図である。
【
図4】ロボットアームとのインタラクションの一例を示す図である。
【
図5a】料理の提供が可能な第1段階の状態の
図3の4人用テーブルの1つの断面図である。
【
図5b】料理の提供が可能な第2段階の状態の
図3の4人用テーブルの1つの断面図である。
【
図6】
図2の室内で移動可能なイベント用家具部品をビュッフェモジュールにドッキングさせた第1のテーブル編成の例を示す模式図である。
【
図7】
図2の室内で移動可能なイベント用家具部品をビュッフェモジュールにドッキングさせた第2のテーブル編成の例を示す模式図である。
【
図8】室内で移動可能なイベント用家具部品又は、それらを組み合わせたテーブルのフォーメーションの移動にロボットアームを使用した例を示す図である。
【
図9】室内で移動可能な、
図2のイベント家具部品を料理ショーモジュールにドッキングさせたテーブル編成の例を示す模式図である。
【
図10】ロボットアームを使用して、テーブル編成に料理を供給する例を示す図である。
【
図11】制御システムの構成スキームを示す図である。
【
図12】エアクッションパッドシール要素の実施形態を示す図である。
【
図13】
図2のイベント家具部品の第1の変形例を示す図である。
【
図14】
図2のイベント家具システムの第2の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明を実施形態の例を示す図を参照しながら、より詳細に説明する。
【0065】
特に断りがない限り、すべての図において同一のものには同一の参照符号を付している。ただし、図の見やすさを重視するため、各図には必ずしもすべての参照符号が記入されているわけではない。
【0066】
図1は、アニメーションレストランのイベントシステム10の一例として例示したレストランシステムであり、バーエリア9、体験エリア2、前菜エリア3、メインコース用の2つのエリア4、5、デザートエリア6の他、サニタリーエリア7、キッチンエリア8を備えたレストランで運用され、例えば「宇宙旅行」をテーマに運用可能なシステムである。
【0067】
イベントシステム10には、さまざまな特徴がある。
【0068】
第1の特徴は、特に、
図1において長方形として象徴され、その現在の配置数がそれぞれの場合において長方形に記入されている、関連する椅子を有するテーブル11が、部屋における機械的移動のための移動手段を有するイベント家具部品のグループによって形成されており、このグループは、例示的に、それぞれ椅子およびテーブルを有し、テーブルは、組立テーブル11に関して、その一時的な部品は、イベント家具部品であり得るという点である。次に、このようなイベント家具部品の一例について、
図2を用いてより詳細に説明する。
【0069】
図2は、機械により空間移動可能なイベント用家具部材100の一例を示すもので、この場合、ベースプレート130上にテーブルまたはテーブル部分120とともに配置される椅子110として構成されている。テーブルまたはテーブル部分120に対する椅子110の位置は、肘掛け1121と可動背もたれ1122を有する座面112がクイックカップリング1111を介して接続された支持フレーム111によって変更可能であり、例えばイベントシステムのテーマが変わったときやターゲットグループが変わったとき、例えば午後には子供の誕生日パーティーが行われ、夜にはスピードデートイベントが行われるというとき、それに配した付属物を有する座面112を容易にかつ迅速に交換することができるようにされている。
【0070】
支持フレーム111は、椅子110をテーブル又はテーブル部分120に向う方向及び遠ざかる方向に変位させる変位機構1112と、ベースプレート130に対する座面高さを変更する昇降機構1113と、ベースプレート130に垂直な軸を中心に回転する回転機構1114と、回転中心を平均体重心位置に移動するために、好ましくは、リンクに沿って傾斜動作を実現する傾斜機構1115とを有する。オプションとして、これらの機構は、例えば電気モーターによって駆動され、無線通信手段を介してコントローラによって制御されることも可能である。
【0071】
本実施形態では、座面112自体にも、アニメーションレストランの客1の感覚をシミュレートする装置1123が組み込まれており、この例では振動素子である。この感覚をシミュレートする装置1123は、例えば無線接続を介して、第1の制御部によって制御される。特に、イベント用家具部材100の機械的な動きと同期した制御が行われる。これは様々な方法で使用することができる。例えば、機械の動きに合わせて、走行動作中にでこぼこした道を印象付けたり、客1が準備すべき動作が行われようとしていることを知らせる信号としたりできる。
【0072】
さらに、座席占有を検出するためのセンサ1124も座面112に統合されており、そのデータは、例えば、機械動作が開始される前の安全チェックの一部として、または空席での効果を節約するために、第1の制御部によってアクセスされることもできる。操作要素1125は、センサとしても構成することもでき、その状態が制御部によって読み取られ、肘掛け1122上に配置されており、例えば、動きを確認したり、客1が間近に迫る動きに対して準備ができたことを通知したりするために使用することができる。
【0073】
アームレスト1122は、好ましくは、高く移動させたり、完全に下げたりすることもでき、一方では、コンテンツに応じた要求を満たし、他方では、サプライズ効果を生み出すために使用することができる。さらに、背もたれには、駆動部付きセンターガイドを組み込むことができる。
【0074】
テーブルまたはテーブル部分120は、テーブルプレート121を有し、このテーブルプレートは、ベースプレート130に取り付けられた、好ましくは高さ調節可能なフレーム123にクイックカップリング122を介して接続されている。本実施形態では、テーブルプレート121は複数の構成要素を有するが、これらは単独またはグループで使用することも可能であり、互いにほぼ独立している。
【0075】
例えば、送信機及び/又は受信機1211は、テーブルプレート121の縁に配置することができ、これにより、部屋内のイベント用家具部品100の位置及び場所を決定することができる。特に、送信機及び/又は受信機1211は、すべてのイベント用家具部品の位置を特定するナビゲーションシステムに統合されることが好ましい。
【0076】
このようなナビゲーションシステムがあれる場合には、地中を走る接点ループの信号でこの位置測定をサポートすることも可能である。
【0077】
テーブルプレート121の縁部は、異なるイベント用家具部品100間の結合プロセスを監視する手段としての距離センサ1212を有し得る。テーブルプレート121の縁部は、また、例えば圧力センサ又は光センサの形態の安全センサとしてのセンサ1213を有することができる。センサ1213は、現在テーブルプレート121の縁部領域にある客の身体の一部が機械の移動の過程で引っかかることを確実に防止し、または客が次の行動の準備ができていることを示すか、又は、これが、すでにナビゲーションシステムとの相互作用において、送信機および/または受信機1211によって確保され、または、これに加えて冗長な安全確保であると判断されない限り、別のイベント用家具部品が近づいたときに移動速度が適切な方法で適合されることを確保する。
【0078】
さらに、手段1214、すなわち感覚刺激のためのさらなる装置を、テーブルプレート121上に間接的または直接的に配置しても良い。感覚刺激のためのさらなる装置としては、例えばLED、ミスト、湿度を放出するためのノズル、振動素子などが挙げられる。
【0079】
また、ディスプレイ1215、1216を、テーブルプレート121上に配置しても良い。ディスプレイ1215、1216は、テーブルプレート121に接続されるか、テーブルプレート121と一体化されていることが好ましい。また、ディスプレイ1215、1216は、感覚を刺激する装置でもあり、客1に対して情報を提供したり、楽しませたりしても良い。ディスプレイ1215、1216がタッチディスプレイとして構成されている場合、これらは客1の入力手段及び操作要素を兼ねることができるが、この目的のために、この場合の引き出し式操作パネルなどの操作要素1217を別途設けることも可能である。
【0080】
割り当てられた場所の、このようなディスプレイ1215、1216は、特に、客が申請時に自発的に開示した個人的なコンテンツを取り出すことが可能であり得る。これは、同期させることが可能である。
【0081】
さらに、テーブルの上にあるディスプレイの領域に一種のジュークボックスを組み込むことも可能で、そこには、例えばフィルム、画像、音声、光のコンテンツなどの形で、コンテンツに合った特定のバリエーションが保存され、その中から、場合によっては、客全員の多数決で、選択を行うことができるようになっている。
【0082】
また、特にそれぞれのコンテンツに関連して、遊び心のあるインタラクティブな可能性を提供することができ、それによって客は、例えば、報酬を得ることができる。例えば、イベント中にコンテンツに隠されたある特徴を発見し、それを報告するという課題を与え、その課題が正しく書けていればボーナスアカウントにポイントを加算し、その後の訪問時にこれらに対する追加サービス、例えば追加コースやスペシャルドリンクを提供することも可能である。
【0083】
フレーム123の周囲にはハウジング127が配置され、その内部に収容され、イベント用家具部分の動作に必要な部品、特に、機械的動作に必要な部品の一部のための保護された機械室を形成している。
【0084】
機械的な移動のための移動手段は、以下のように分類される。
【0085】
物体、特に機械的に移動可能なイベント用家具部品を機械的に移動させるためのこのような手段は、一般に以下のように分類することができる。
【0086】
第1に、移動させる対象物を大きな摩擦なく移動できる位置に持ってくる、または保持する搬送手段がある。このような搬送手段の例としては、車輪や(ボール)ローラ、エアクッションなどがあり、また、適切な磁気システムによって実現することも可能である。周知のように、機械の動きにはこのような移動手段は、必須である。
【0087】
第2は、移動させる対象物に固有の動きを発生させる駆動手段である。構成によっては、駆動ホイール、特に摩擦ホイールやメカナムホイール、車軸のように、搬送手段としての機能を果たすか、搬送手段と一体化させることもできる。しかしながら、そのような駆動手段は、必ずしも移動すべき対象物に完全に配置される必要はなく、少なくとも、移動すべき対象物に配置されていない駆動手段の一部が、例えば磁気システムの場合には磁気相互作用を介して、又は例えば搬送チェーンを有するシステムの場合には機械的係合を介して結合される部分構成要素であればよい。
【0088】
第3に、実行すべき動作を駆動手段に指定する制御手段がある。これらは、移動する物体に局所的に設けられるものであっても、移動する物体に局所的に設けられないものであっても良い。前者の場合では、フロア搬送システムや自動車の自律走行コンセプトのように、半自動的に行動するように構成することができる。後者の場合には、駆動手段は外部制御部から制御コマンドを受信する。また、移動すべき対象物のローカルに存在する下位制御部と、移動すべき対象物には存在しない上位制御部からの制御コマンドを受信して実行する混在ケースもあり得る。
【0089】
第4に、本発明による同期を実現するためのすべての場合において、通常、移動すべき対象物に少なくとも1つの通信モジュールがあり、この通信モジュールを用いて制御コマンドとデータを他の制御部との間で交換することができる。
【0090】
第5に、運転資源貯蔵手段及び/又は運転資源発生手段は、機械運動手段の本質的な部分を形成することもできる。例えば、エアクッションを有するシステムでは、運転資源貯蔵手段としての圧縮空気貯蔵器と、及び運転資源発生手段としての圧縮機とを有する。または、例えば、ローカルで電気駆動の駆動手段、ローカルで制御及び/又は通信モジュールの要求に対する運転資源貯蔵手段としての貯蔵コンデンサ(CAP)、超コンデンサスーパーCAP、電池または蓄電器、あるいは運転資源発生手段としての誘導電流伝達手段などが挙げられる。
【0091】
図2に示す機械的に移動可能なイベント用家具部品100の実施形態例では、搬送手段131はベースプレート130の下面に設けられており、例えば、エアクッションパッド、マグネット、ボールローラ等での構成が可能である。
【0092】
駆動手段として、
図2に示すイベント用家具の機械的に可動である部分の実施形態例において、少なくとも1つの電気的に駆動する摩擦ホイール132、好ましくは一対の電気的に駆動する摩擦ホイール132が、好ましくは垂直に延びる軸を中心に回転可能に配置されており、それによってこの回転運動も駆動される。好ましくは、この回転可能性は、摩擦ホイール132の象限点で実現される。しかしそれとは別に、回転はできるだけ高い分解能で実現することが望ましい。
【0093】
さらに、電動的に駆動する1つ又は1対の摩擦ホイール132には、荷重分布や接触圧を微調整できるように、動力式の高さ調整機構133が設けられている。なお、ベースプレート130には、摩擦ホイール132が地面と接触して置かれるための開口部が設けられている。もちろん、メカナムホイールでもこのような配置は可能である。
【0094】
その電気的駆動部を含む摩擦ホイール132と高さ調節機構133は、運転資源貯蔵器134、この場合、具体的には電気部品の電力供給用のバッテリと、エアクッションまたはエアクッションパッドを使用する場合には圧縮空気貯蔵器、さらにローカル制御手段135と通信モジュール136とともにハウジング127に収容され、この通信モジュールは好ましくは無線で作動して制御部13との信号通信を成立させる。
【0095】
搬送手段131がエアクッションの形態である場合は特に好ましく、少なくとも1つの摩擦ホイール132又はメカナムホイールの形態の駆動手段と接続して、高さ調節機構133によってその高さを調節することができる。この場合、好ましくは交換可能な圧縮空気カートリッジの形態の圧縮空気リザーバを有する運転資源貯蔵器134からの空気は、図示しない対応するパイプシステムを介してベースプレート130の開口部に導かれる。開口部はそれぞれ、床に面する側で個別に、またはグループで、例えば長方形、正方形、円などの幾何学的形状の円周に対応する形状のエアクッションパッドシール要素によって囲まれている。エアクッションパッドシール要素150は、
図12に半断面で示すように、構成されると特に好ましい。
【0096】
図12に示すシール要素150を有するエアクッション140は、ベース体155を有する。ベース体155の外縁領域にはシーリングリップ151が配置され、これはエアクッション140の作動時に圧縮空気の供給によって床152に押し付けられるが、床152上でのシーリングリップ151の最良の滑り特性が得られるように、それぞれの床被覆、好ましくは寄木張り床のような凹部目地のない硬質被覆に適応され、それは実験的に決定できる摩擦係数に基づいて検証されうる。
【0097】
さらに、シールリップ151とは別の、好ましくはシール要素150の次の外縁の方向にさらに配置される、摺動ライニングを有する支持リング153がベース体155上に存在する。支持リング153の内圧は、供給される圧縮空気で別途膨らませるか、図示しないバルブを介して圧縮空気を細かく調整して放出することによって調節することが可能である。支持リング153の下面には、二次シールとして追加のシール櫛154を配置することができる。
【0098】
このようにシール要素150は、エアクッションと支持リング153の圧力を可変制御できるため、空気要求性と摺動特性の関係を具体的に制御することが可能である。調整に用いることができる別のパラメータは、高さ調整可能な駆動手段、特に摩擦ホイール132またはメカナムホイールの高さ位置である。
【0099】
しかし、
図13および
図14が示すように、座席が無いかテーブル部品が無い、機械的移動のための手段を有する他のイベント用家具部品200、250、300、350も考えられる。
図13は、イベント用家具部品200を備えた変形例を具体的に示しており、イベント用家具部品100と異なる点は、テーブルプレートがないことであり、それに伴い、イベント用家具部品100のテーブルプレート121上に配置された部品も除かれている。この目的のために、テーブル(任意にビュッフェの装置の付加部分とすることもできる)は、
図2の実施形態と同様に、機械的移動のための手段を備えた別のイベント用家具部品250として設計されており、イベント用家具部品200を形成する分離した椅子は、任意の結合装置201によって結合されることが可能である。
【0100】
図14に示す変形例は、例えば、スピードデートのようなイベントをアニメーションレストランのテーマとする場合など、バーのような雰囲気が望まれる場合に特に好適である。イベント用家具部品300は、基本的にイベント用家具部品100と同一であり、主にテーブルの高さと椅子の高さに関して後者と相違する。イベント用家具部品350には、座席は全くなく、(立ち)テーブルのみであり、客は移動中、ここで床板350の上に立っている。しかしながら、機械的な移動のための手段及びセンサシステムは、イベント用家具部品300及びイベント用家具部品350の両方について、イベント用家具部品100について上述したのと同様の方法で実装することができる。
【0101】
イベント用家具部品100、200、250、300、350が空間における機械的移動のための移動手段を備えてり、第1の制御部は、空間におけるこれらのイベント用家具部品の特に移動を制御することができる。例えば、いくつかのテーブルがレストラン内を一緒に移動し、その後、テーブルと関連する椅子11の別々のグループに分かれたり、再構成されたりされ得る。
【0102】
イベントシステム10の第2の特徴は、アニメーションレストランの客の感覚刺激のための装置12-ここでは模式的にのみ示す-を備えていることであり、これらはここでは異なる領域に分割されている。特にここでは、投影装置による視覚的刺激と、その視覚的効果を補助する音響効果として実現されているが、以下で明らかになるように、嗅覚効果は、芳香物質の放出や触覚効果、例えば振動、スプレーミスト、気流などによっても実現することが可能である。感覚刺激の出力は、適切なプログラミングにより、テーマに応じて簡単に調整することができ、コンテンツの個別化も可能である。
【0103】
イベントシステム10の第3の特徴は、イベント用家具部品の動きと、そこに配置された客1への感覚的な刺激が、制御部13の構成要素によって互いに同期されることであり、これは
図1では概略的にのみ示されているが、
図11の基づいて詳細に説明する。
【0104】
図12に示す実施形態において、制御部13は、本発明によれば、機械的な動きと、アニメーションレストランの客の感覚刺激のための装置の出力とを互いに同期して制御する第1の制御部1901が、マスタ又はメイン制御によって形成されているように構成されている。第1の制御部1901は、次に示すように、多数の下位の制御部と信号通信を行い、そこからデータを受け取り、制御コマンドを与える。
【0105】
・椅子制御部1902は、イベント用家具部品100の椅子110の動きの自由度や振動などの特殊効果を制御し、椅子110に配置されたセンサからのセンサデータを第1の制御部901に中継する。
【0106】
・テーブル制御部1903は、イベント用家具部品100のテーブル又はテーブル部分120の動きの自由度や特殊効果を制御し、テーブル又はテーブル部分120に配置されたセンサからのセンサデータを第1の制御部1901に送信する。
【0107】
・照明制御部1904アニメーションのレストラン内の各エリアの照明や照明効果を制御する。
【0108】
・送風機制御部1905は、局所的および全体的に設けられた送風機を制御して、空気を循環させ、空気の流れによって触覚効果を生み出す。
【0109】
・ビュッフェ制御部1906は、特に機械的に動かされるビュッフェの形態のイベント用家具部品の空間内の動きを制御し、ナビゲーションのためにそれらの座標を第1の制御部1901に送信する。
【0110】
・ロボット制御部1907は、特に、機械的に動かされるロボットの形態のイベント用家具部品の空間内の動きを制御するとともに、客及び環境との相互作用を制御し、ナビゲーションのためにそれらの座標を第1の制御部1901に送信する。
【0111】
・サウンド制御部1908は、アニメーションレストランの動作中に効果音を生成し、調整する。
【0112】
・プロジェクション制御部1909は、視覚効果、特にプロジェクションを、アニメーションレストランの運営中に生成し、調整する。
【0113】
・ナビゲーション制御1910は、特に機械的に動かされるイベント用家具部品100の動きを制御・監視する。
【0114】
・キャリブレーション制御部1911は、何か(?)をする。
【0115】
・操作制御部1912は、イベントスタッフが、一方では操作装置を介してアニメーションレストランのコースに積極的に介入し、他方では特定の運転資源が不足している場合にイベントスタッフに情報を提供するように制御する。
【0116】
・ドッキングステーション制御部1913は、ドッキングステーションによるイベント用家具部品100の充電、圧縮空気及び/又は他の消耗品の提供を制御する。
【0117】
ここで、イベントシステム10の動作原理をより理解しやすくするために、「宇宙旅行」をテーマとした例示的な動作について説明する。
【0118】
客はまず、例えば宇宙港の格納庫のように構成され得るバーエリア1に入り、全員が揃い、特定のメニューが決まり、イベント用家具が使えるようになるまで、そこで食前酒を飲みながら待つ。
【0119】
そして、体験エリア2への扉が開き、例えばバーエリア1の感覚刺激装置12による投影によって、今入っているのが宇宙船の扉であることを客に示唆することができる。
【0120】
入場した体験エリア2のセクションでは、客は、まず、12席のテーブル11を見つけるが、これは必ずしも最初に認識できる必要はなく、特に適切な投影による感覚刺激装置12によって、驚き効果を得るために隠すこともできる。12席のテーブル11は、実際には12の個別のイベント家具部品、例えば
図2に関連して上で詳細に述べた椅子とテーブルの組立品100を有し、各々は個別に機械的に動かすことができる。
【0121】
特に、このエリアには、イベント用家具部品が蓄電池を充電するための電気、圧縮空気、特殊効果用資源などが供給されるドッキングステーション16を設けるのにも適していることに留意すべきである。これは、第1に、これによりイベントの開始時にイベントの過程で必要な運転資源を確実に入手できるため、第2に、このエリアで、イベント用家具部品が通常かなりの時間一箇所に留まっているためである。
【0122】
客が全員着席し、確認信号が発せられた後、カウントダウン14が開始され、カウントダウン14は、最後は体験エリア2の感覚刺激装置12でロケット打ち上げをシミュレートした演出で終わる。
【0123】
ロケットが発射されると、体験エリア2内にある感覚刺激装置12による適切な音響背景に合わせて12席のテーブル11は移動する。そのために、制御装置13によって、12個の個々のイベント用家具部品が一緒に、体験エリア2内を同期して動かされる。この動きに同期して、制御部13は、体験エリア2の感覚刺激装置12に、体験エリア2の壁面に動画像を投影させ、ロケットが動いているような印象を与える。さらに、さらに、背景に効果音をつけることも可能である。
【0124】
機械的に動く壁、仕切り、または窓付きのプライバシスクリーン要素15を、制御部によって座席12のあるテーブル11と同期して動かすと、体験エリア2の壁への移動投影が窓を通して追従し、宇宙船の中で静止している印象がこの方法でさらに強化されるので、特に説得力のある知覚を作り出すことができる。
【0125】
さらに、宇宙旅行の体験を高めるために、同じまたは別の感覚刺激装置12によって、他の効果を生じさせてもよい。例えば、イベント用部品の椅子に配置された振動手段は、スタートシーケンス中に制御部によって振動させることができる。
【0126】
たくみに信じ込まされた「宇宙飛行」の最後には、例えば宇宙ステーションへの到着を投影することができる。機械的に移動する壁要素15が床に下がり、別の格納庫として構成されたオードブエリア3が客の視界に入るように開放される。客を驚かせるため、それまで一緒に座っていた12人用のテーブル11が今度は分裂し始め、個々のイベント用家具部品100が制御部13の制御下で独立して機械的な移動を行い、最終的に、例えば、
図2に示すように、それぞれの場合に4つのイベント用家具部品100から空間の所定の位置での機械的な移動によって構成した4人用のテーブル11、すなわち
図3に例示した構成に変化させるのである。もちろん、これ以外のグループ分けも可能である。
【0127】
この構成の生成方法は、さまざまな方法で決定することができる。例えば、例えばバーエリア1において、予めされた注文に基づいて、同じ前菜を食べたい人がより多く同じテーブルに着くように、あるいは各テーブルに存在する異なる前菜の数を最大化することができる。
【0128】
経験の観点から非常に魅力的な変形例は、イベント用家具部品のグループ化が、これから
図4を参照してより詳細に説明するように、ロボットまたはロボットアーム400の形態のさらなる機械的に移動するイベント用家具部品とのインタラクションに先行されることであり得る。
【0129】
図4は、
図2の文脈で上述した機械的に移動するイベント用家具部品100の2つの例を、相互に接続された状態および客1がその上に配置された状態で示している。さらに、ガイドレール401から吊り下げられたロボットまたはロボットアーム400の形態で、移動手段402としての、その駆動の自動駆動装置により機械的な動きを実行するイベント用家具部品が認識される。
【0130】
原理的には、このようなロボットまたはロボットアーム400は、床上を移動することもできるが、レールシステムの一部であるガイドレール401から吊り下げられた実施形態は、機械可動イベント家具コンポーネント100の既に複雑な制御が、必ずしもそこに存在する必要はない床上を移動する追加のイベント用家具部品によってさらに単純化されないという利点を有する。
【0131】
ロボットまたはロボットアームは、第1の制御部901からのコマンドに対する応答として到着し、客1との対話を開始する。特に、SiriやAlexaなどのコンピュータ支援システムで知られているような音声インタフェイスを使用して、対話の結果を評価し、必要に応じて、例えば、注文プロセスの場合などは実行に移すことができる。
【0132】
これは、例えば、ロボットまたはロボットアーム400が行う宇宙ステーションに入るためのアクセス制御の一種として進行してもよく、ロボットまたはロボットアーム400が特定の好みを問い合わせ、制御部901がこの問い合わせに基づいて機械的に移動可能なイベント用部品100の構成を決定または計算し、例えば、最初は互いに知らないが同様の趣味や職業的背景を持つ人が所定のテーブル構成で一緒にされるようにすることができる。この時点で初めてロボットやロボットアームとの対話による注文を行うことも可能である。
【0133】
この時点で、このことが常に明示的に言及されていなくても、例えば画像、効果音、振動などの触覚体験を投影したり、匂いを発生させたりすることによって、体験の感覚的なバックグラウンド化および/またはレストラン訪問のストーリやテーマへの埋め込みが、それぞれの感覚刺激装置12によって継続できることを述べておく必要がある。
【0134】
所定のテーブル構成がなされた後、次に、オードブルをオードブルエリア3に提供することができる。
原則として、これはイベントスタッフによって、あるいはロボットアームによっても行うことができるが、もう一つの非常に驚くべき変形例は、これから
図5aおよび
図5bの例を用いて詳細に説明するように、料理を、上から、又は、下から、いわばテーブルからテーブルへ出現させるというものである。
【0135】
図5aは、
図2の文脈で上述したような機械的に移動可能なイベント用家具部品100の2つの例を、相互に接続された状態および客1がその上に配置された状態で示している。さらに、ハウジング127によって形成された内部空間において、床の開口部から移動可能なプランジャーとして実現された、食品を自動提供するための手段501を既に認識することができ、その上に、それぞれの場合において客1の選択したオードブルを含むビュッフェ容器502が配置されている。
【0136】
実際にオードブルをテーブル又はテーブル部分120の上に持ってくるために、
図5bに示すように、機械的に移動可能なイベント用家具部品100はわずかにスライドして離れ、移動可能なプランジャーと、その上に設けられたビュッフェ容器502がテーブルプレート121の位置まで外方向に移動し、ビュッフェ容器502内の食品が客1にとってアクセス可能になるようにすることができる。
【0137】
しかし、最初からイベント用家具部品にビュッフェ容器を配置し、イベント用家具部品が持つ昇降機構でテーブルプレート上に現れるようにすることも可能である。
【0138】
この方法は、感覚刺激装置12が注意をそらしている間に、食品の提供が行われる場合に特に有効である。
【0139】
例えば、オードブルエリアの壁面に宇宙ステーションの一部から宇宙へ向かう景色を投影することができる。突然、この映像の中で点が動き出し、これを、客1に、「侵入者 警報!侵入者 警報!」という音響メッセージによって知らせる。さらに、第1の制御部901は、客が正面で見たときに、移動する点を認識するように椅子110を自動的に回転させる。その点はどんどん大きくなり、見知らぬ宇宙船であることが判明する。レーザ砲でその宇宙船を攻撃し、その宇宙船は反撃し、宇宙ステーションに向かって進む。被弾して制御不能になる。音響警告「衝突! 衝突!」が鳴り、宇宙船が宇宙ステーションの投影部分に衝突すると同時に、椅子の振動モジュールによって振動がシミュレートされ、この瞬間を利用して機械的に移動可能なイベント用家具部品100を離し、オードブルを提供することができる。椅子110は、第1の制御部1901の指示に基づいて椅子制御部1902へにより、視覚的、音響的で、振動がバックグラウンドに加えられた大爆発の後、基本位置に戻され、客はテーブル上のオードブルに驚く。
【0140】
とりわけ、アニメーションレストランへの訪問全体が長引く可能性があるという事実のために、トイレ訪問の必要性も考慮されなければならず、そのために衛生エリア7が提供されることに留意されたい。イベント用家具部品は機械的な移動を行うので、客1がイベント用家具部品に配置されている間に、衛生エリア7への移動も行われることが好ましい。客1は、例えば、操作タブレットに対応する必要性を入力することで、トイレ訪問を開始することができる。次に、制御システムは、適切な時間および経路を計算し、対応するイベント用家具部品の機械的な移動を制御し、その際に、トイレの前の行列の待ち時間を最小化できるように、衛生エリア7の現在の占有レベルも考慮に入れることができる。ただし、エリア3、4、5又は6での飲食時に衛生エリア7を訪問し、これらのエリアでの滞在の間の過渡時には訪問しないことが好ましい。
【0141】
オードブルが消費された後、テーブル11またはそれらによって構成されるイベント用家具部品は、感覚刺激装置12の出力との同期が行われるように、次のメインディッシュ用の第1のエリア4への移動において、再び独立して、すなわち、制御部13によって制御および振り付けが行われ、例えば、バックグラウンドミュージックに合わせた運動、例えば、ワルツの音に合わせて回転運動をする。
【0142】
これは、基本的には、使用済みの食器やカトラリーをスタッフ、ロボット、リフトなどの手段により取り除いた後に、行うことが可能である。また、イベント用家具部品は、まずキッチンエリア8のセクタに行き、使用済みの食器やカトラリーそのものを持ち帰るというのも楽しい選択肢である。客がイベント用家具部品とともにこのエリアに移動すると、このエリアに感覚刺激装置12によって例えば映画が投影され、知覚される現実が拡張され得る。例えば、使用済みの皿を本物のグリップアームで本物の移動コンベアに乗せ、これは、投影スクリーンの中に消える。投影スクリーンの中ではエイリアンが運営するキッチンが続いており、例えば、フードモンスタがベルトコンベアから皿を取り、残飯を口に流し、その皿を別のエイリアンに渡し、そのエイリアンが特大舌で舐めて「きれい」になった皿を移動コンベアに乗せることもできる。
【0143】
その後、イベント用家具部品100は、投影スクリーンからきれいな皿が出ているコンベヤベルトのそばを走行し、客1は、メインディッシュ用の第1のエリア4がビュッフェエリアとして運営されているときに、そのような皿、をコンベヤベルトから取るように音響的にかつ/または視覚的に促されている。なお、そのような皿は、例えば、映画内のエイリアンによって皿の「洗浄」のための話のいとぐちを作り出すために、わずかに湿ったまたはわずかにぬるぬるした表面、異常な温度および/または異臭も有するようにすることもできる。特に、個別に区別できる皿を客に渡し、コンベアベルトから取った皿が手渡された皿と全く同じに見える場合に、このイルージョンは効力を発揮する。
【0144】
そして、イベント用家具部品はビュッフェ要素に移動してドッキングする。
ビュッフェモードで運営されるメインディッシュ用の第1のエリア4に対するイベント用家具部品の考えられる構成例を
図6及び
図7に示す。
【0145】
図6に示す構成では、六角形のビュッフェテーブル600の形をした2つのイベント家具コンポーネントが見られ、それぞれの辺に機械的に移動可能なイベント用家具部品100がドッキングされている。この際、必ずしもそうしなくてもよいが、ビュッフェテーブルとして構成されたイベント用家具部品600自体がそれぞれ、機械的に制御されて移動を行うための移動手段を有しており、客1が別のエリアにいる間に、ビュッフェテーブルとして構成されたイベント用家具部品を機械的な制御下でキッチンエリア8のセクションに移動させてそこで次の客のために補充することが可能である。
【0146】
図7に示すように、寿司ベルトとして構成されたイベント用家具部品700が見られ、その両側には6つの機械的に移動可能なイベント用家具部品100がドッキングされている。この際、必ずしもそうしなくてもよいが、寿司ベルトとして構成されたイベント用家具部品700自体が、機械的に制御されて移動を行うための移動手段を有しており、客が別のエリアにいる間に、ビュッフェテーブルが機械的な制御によりキッチンエリア8に移動し、そこで次の客のために補充することが可能である。
【0147】
完全を期すために、イベント用家具部品600、700を、それにドッキングされたイベント用家具部品100と共に移動させることももちろん可能であることに留意されたい。
【0148】
このプロセスは、アクション要素によっても強化することが可能であり、例えば、感覚刺激装置12の出力に埋め込まれた場合、ビュッフェ要素自体が機械的な動きを行う手段を有し、空間内で移動し、椅子110とテーブルまたはテーブル部分120とを有する、その後徐々にドッキングするイベント用家具部品100によって「捕捉」されなければならない。また、ビュッフェテーブルや寿司バンドが到着すると、初めて、それらを中心にして大型テーブルを移動させてイベント用家具で大型テーブルを構成することもできる。
【0149】
メインディッシュ用の第1のエリア4のビュッフェで1品目を食べた後、メインディッシュ用の第2のエリア5に移動する。そこへのイベント用家具部品の機械的な動きは、例えば、これから
図8を参照してより詳細に説明するように、好ましくは天井に取り付けられたレールシステムで案内されるロボットまたはロボットアーム800の形態のイベント用家具部品によって同期的して同行または制御することができる。
【0150】
図8は、
図2の文脈において上述した機械的に移動可能なイベント用家具部品100の2つの例を、相互に接続された状態および客1がその上に配置された状態で示している。さらに、機械的な移動を実行するための移動手段802としての、自動駆動装置により駆動される、ガイドレール801から吊り下げられたロボットまたはロボットアーム800の形態のさらなるイベント用家具部品が認識される。ロボットまたはロボットアーム800は、第1の制御部1901からロボット制御部1907へのコマンドに応答して到着し、接続された機械的に移動可能なイベント用家具部品100のテーブルまたはテーブル部品120にプローブ803を近接させる。
【0151】
次に、第1の制御部1901は、ロボット制御部を介してロボットまたはロボットアーム800を、ナビゲーション制御部1910を介して機械的に移動可能なイベント用家具部品100を、客がその動きがロボットまたはロボットアーム800によって引き起こされるという印象を持つように同時かつ同期的に制御するが、もちろん、相互作用または結合が明らかではないので(そして実際には存在しない)、客はそれを説明できない。
【0152】
また、人間にとって認識可能または予測可能な危険な状況が発生した場合に直ちに介入できるように、操作制御部1912を介して第1の制御1901に影響を与えることができる操作装置98を備えたイベントスタッフ99が示されている。
【0153】
ロボットまたはロボットアーム800によって見かけ上開始される動きは、特に、
図9に例示的に示されるように、例えば、注文に応じて、いくつかの調理ショーステーションの1つがドッキングされているキッチンエリア8上でも実行できる。
【0154】
図9は、調理ショーステーション900の形態のイベント用家具部品900を示し、その中央には調理人が配置され、その、それぞれ側面には、4つの機械的に移動可能なイベント用家具部品100がドッキングされている。その上に配置された客1は、その後、料理の調理、または少なくともその最終段階を直接的に見守ることができ、テーブルまたはテーブル部120に新鮮に置かれた皿を得ることができる。イベント用家具部品100は、食事を受け取った後、機械的な制御によりメインディッシュ用の第2のエリア5へ移動し、そこで再び他のイベント用家具部品と一緒になって一定の人数分のテーブル11を形成する。
【0155】
このコース料理を食べた後、イベント用家具部品は次にデザートエリア6に移動し、そこで再び、12人用の大きなテーブル11を形成する。デザートは、
図10に示すように、自動駆動装置の形態の移動手段1002を有するレールシステムに属するガイドレール1001上に移動可能に吊り下げられたロボットまたはロボットアーム1000の形態の機械可動式イベント家具構成要素によって、ビュッフェモジュールの形態の機械的に移動可能な、ビュッフェ1003としてのイベント用家具部品1004に提供することもできるし、個別に提供することもできる。デザートの消費中または消費完了後に、感覚刺激装置12は、デザートエリア6の壁面に地球への落下を投影してもよい。その後、宇宙の旅は終わり、客はロビーエリア9に解放される。もちろん、ドリンクを飲みながら、冒険とユニークな印象の数々を消化することができる。
【符号の説明】
【0156】
1…客
2…体験エリア
3…オードブルエリア
4、5…メインディッシュエリア
6…デザートエリア
7…衛生エリア
8…キッチンエリア
9…バーエリア
10…イベントシステム
11…テーブル
12…感覚刺激装置
13…制御部
15…壁、仕切り、プライバシスクリーン要素
16…ドッキングステーション
98…操作装置
99…イベントスタッフ
100…イベント用家具
110…椅子
111…支持フレーム
112…座面
120…テーブルまたはテーブル部分
121…テーブルプレート
122…クイックカップリング
123…フレーム
127…ハウジング
130…ベースプレート
131…搬送手段
132…摩擦ホイール
133…高さ調整機構
134…運転資源貯蔵器
135…制御手段
136…通信モジュール
140…エアクッション
150…シーリング要素
151…シーリングリップ
152…床
153…支持リング
154…シール櫛
155…ベース体
200…イベント用家具部品
201…結合装置
250…イベント用家具部品
300…イベント用家具部品
350…イベント用家具部品
400…ロボットまたはロボットアーム
401…ガイドレール
402…移動手段
501…食品を自動提供するための手段
502…ビュッフェ容器
600…イベント用家具部品
700…イベント用家具部品
800…ロボットまたはロボットアーム
801…ガイドレール
802…移動手段
803…プローブ
900…イベント用家具部品
901…中心
1000…ロボットまたはロボットアーム
1001…ガイドレール
1002…移動手段
1003…ビュッフェモジュール
1111…クイックカップリング
1112…変位機構
1113…昇降機構
1114…回転機構
1115…傾斜機構
1121…肘掛け
1122…背もたれ
1123…感覚刺激装置
1124…センサ
1125…操作要素
1211…送信機及び/又は受信機
1212…距離センサ
1213…安全センサ
1214…特殊効果を生み出すための手段
1215、1216…ディスプレイ
1217…操作要素
1901…第1の制御部
1902…椅子制御部
1903…テーブル制御部
1904…照明制御部
1905…送風機制御部
1906…ビュッフェ制御部
1907…ロボット制御部
1908…サウンド制御部
1909…プロジェクション制御部
1910…ナビゲーション制御部
1911…キャリブレーション制御部
1912…操作制御部
1913…ドッキングステーション制御
【国際調査報告】