(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】密封容器内のクラックの存在を突き止める方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
G01M3/20 W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568225
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 IB2020054561
(87)【国際公開番号】W WO2020230070
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019000006922
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517110483
【氏名又は名称】エッフェティ システム ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】FT SYSTEM S.R.L.
【住所又は居所原語表記】VIA LEONARDO DA VINCI 117,I-29010 ALSENO (PC)(IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】フォレステリ,ファビオ
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA44
2G067CC04
2G067DD17
(57)【要約】
密封容器内のクラックの存在を突き止める方法であって、密封容器(CT)が配置される検出区域(13)を定めるステップと、検出区域(13)内に容器(CT)を配置するステップと、検出区域(13)内の容器によって決定される、容器(CT)内のクラックの存在を示す温度勾配の存在を突き止めるステップと、を含む方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封容器内のクラックの存在を突き止める方法であって、
- 密封容器(CT)を受け入れるように適合された検出区域(13)を定めるステップと、
- 前記検出区域(13)内に容器(CT)を配置するステップと、
- 前記検出区域(13)内の前記容器によって決定される、前記容器(CT)内のクラックの存在を示す温度勾配の存在を突き止めるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記温度勾配の存在は、少なくとも1つのサーマルカメラによって突き止められる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記温度勾配の存在は、温度センサによって突き止められる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検出区域(13)を通しての前記容器(CT)の通過中に前記検出区域(13)内で雰囲気を所定の一定の温度に維持するステップが用意されている、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出区域(13)内に配置されるとき、前記容器内に存在し得るクラックを通しての前記容器(CT)からの流体のあり得る流出を促すための絞りに前記容器(CT)をかけるステップがさらに用意されている、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記検出区域(13)を少なくとも1つのダクト(21)を介して少なくとも1つの温度センサ(19)と連通させ、前記ダクト(21)を通して前記検出区域(13)から気体を吸い込み、前記容器(CT)からの流体漏れの存在によって引き起こされる温度勾配の存在を突き止める前記センサ(19)へ前記気体を伝達するステップが用意されている、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
密封容器内のクラックの存在を突き止める装置であって、
- 密封容器(CT)を受け入れるように適合された検出区域(13)と、
- 前記検出区域(13)内で前記容器(CT)によって決定される、前記容器(CT)内のクラックの存在を示す温度勾配の存在を突き止めることができる、少なくとも1つの温度センサ(19)および/または少なくとも1つのサーマルカメラと、を備える装置。
【請求項8】
- 前記検出区域(13)および前記温度センサ(19)と連通するダクト(21)と、
- 前記ダクト(21)と連通し、前記温度センサ(19)の下流に位置する吸込ファン(25)と、
が設けられている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記検出区域(13)は、前記検出区域(13)内の雰囲気の温度を一定に維持するように適合された手段(16)を備える検出トンネル(14)内に、定められる、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記検出トンネル(14)は、流体が一定の温度で流れるダクト(18)を備え、前記ダクトは、前記検出区域を通しての試料の通過を妨げないように前記検出トンネル(14)の壁(20)にまたはその近くに位置する、請求項7、8、または9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封容器内のクラックの存在を突き止める方法および装置に関する。本発明による方法および装置は、密封容器からの流体の漏れを検出することを可能にするようになされている。より詳細には、排他的ではないが、流体は、気体または蒸気状態にあってもよく、気体または気体混合物からなり得る、または蒸気または蒸気混合物からなり得る、あるいは気体および蒸気混合物からなり得る。容器は、例えば、ガラス瓶またはボトルなどの硬質の容器と、例えば、様々な種類のプラスチックタブ、バッグ、および可撓性パッケージなどの少なくとも1つの可撓性の壁部を有する容器との両方であり得る。
【背景技術】
【0002】
今のところ、多くの飲料、および他の用途向けの食料として使用するための製品は、以下のパッケージングのやり方のうちの1つを主に用いることによって保存される。
【0003】
主に液体を保存するために使用される第1のやり方によれば、硬質または半硬質の容器は、容器に設けられた適切な開口部を通して保存される物質で充填される。続いて、開口部は、適切な閉鎖要素、例えば、キャップによって密封される。他の場合には、保存される製品は、リボンまたはフィルムによって巻かれるか、または可撓性のプラスチック材料のチューブに導入され、続いてこのようにして得られたパッケージが、1つまたは複数の接合線に沿って溶着することによって密封される。さらに他の場合には、予め形成されたプラスチック材料のタブを使用することが知られている。タブは、そこに設けられた開口部を通して充填され、続いてこの開口部は、タブ壁に溶着されたプラスチックフィルムによって密封される。
【0004】
より一般的には、食料製品は、それだけではないが、パッケージング時に製品が有する化学的物理的特性をできるだけ時間で変化させずに保存する目的で密封パッケージ内に保存される。
【0005】
したがって、前述の方法を適用する際に遭遇する主な問題の1つは、外部環境との汚染を避けるためにパッケージの最適な密封を得るやり方である。多くの用途では、最適な密封は、パッケージが維持される外部圧力で、またはいずれにせよ、通常の使用中、輸送中、および保管中にパッケージが受ける圧力で実質的に気密でなければならない閉鎖を生じる。例えば、食料製品の場合には、パッケージの内部の環境が外部環境と連通し、それにより物質および空気が一方の環境から他方へ通るのを防ぎ、したがって包装された製品を汚染するリスクおよびその官能的特性の衰退を防ぐために、大気圧にあるとき、パッケージは実質的に気密でなければならない。
【0006】
溶着によって密封される容器の場合には、パッケージの気密密封は、例えば、溶着プロセスの間違った実行により、例えば、不完全な溶着によって危うくされる場合がある。溶接温度の設定の誤り、接着溶着材の間違った選択、溶着エリア内の接触面の不完全な平面性、および溶着エリア内の不純物または異物の存在は、容器の気密密封の達成を損ない得るどれも要因である。
【0007】
キャップによって閉鎖されるボトルなどの硬質または半硬質の容器の場合には、よく知られているように、気密密封は、例えば、キャップが施される領域におけるそのキャップまたはボトルの形状不良によって、あるいはキャップ付け機の動作問題、例えば、キャップを施すステップにおけるアライメントの問題によって、危うくなる場合がある。
【0008】
一般に、容器閉鎖における明らかな不完全により生じる容器からの物質の喪失は、注意深い作業者によって目視でも容易に検出することができる。そのような喪失は、一般に、容器からの物質の明らかな流出を必然的に伴う。したがって、そのような状況下では、包装ラインの監督を担当している注意深い作業者は、主に、それを処分してこれが消費者に提供されるのを防ぐために、またはそれをさらなる検査または修理に委ねるために、充填および密封ステップのすぐ下流で不完全な容器を容易に識別し、必要に応じてそれを取り除くことができる。
【0009】
容易に理解できるように、容器からの漏れの検出は、マイクロクラックおよびマイクロ穴による漏れの場合と同じように、漏れが小さくなるにつれて作業者にとってより難しくなる。これらの漏れは、マイクロリーク、すなわち、容器からのとても少量のリークと定められ、これらは、それらが液体または他の物質の明らかな流出を必然的に伴わないので直ちに検出可能ではなく、長い目で見ればそれらは製品の品質を損ない得る。概して、そのようなマイクロリークは、数十ミクロン程度のクラックによって、さらには数ミクロン、例えば3~7μm程のクラックによっても引き起こされる。
【0010】
密封容器からのマイクロリークの存在を有効に検出するやり方の問題を解決するために、いくつかの解決策が、これまで提案されてきた。
【0011】
ヒートシール容器からの漏れを検出するやり方の問題に対する第1の知られている解決策は、例えば、米国特許第3708949(A)号に開示されている。この文献は、ヒートシールされた包みの気密を形成し、続いて検査する方法および装置を開示する。そのような文献に開示された方法は、調整大気導入後に容器が密封されるステップと、容器が機械的ストレスにかけられるステップであって、容器の壁によって囲まれる体積を減少させ、容器内に囲まれる気体の圧力を増加させ、結果的に、それによってマイクロクラックが存在する場合に気体の流出を促進する、容器が機械的ストレスにかけられるステップと、調整大気中に存在するトレーサガスの存在を気体検出器が容器の外部で検出するステップと、検査を通ることができなかった容器が取り除かれるステップとを実質的に含む。
【0012】
熱密封容器の気密を検査する別の知られている方法は、WO2013/011329(A2)に開示されている。この文献の教示によれば、容器は、ことによると密封エリア内に存在するマイクロクラックを通しての気体流出を促進するために、トレーサガスが充填され、圧縮にかけられる。電極の対を含む適切な検出器は、気体マイクロリークが生じる可能性が高い容器の領域の近くに位置する。検出器電極における電圧の変化により、トレーサガスの存在を検出する。
【0013】
WO2017125386(A2)は、典型的には細片の形態にある化学物質が容器に施される方法を開示する。物質は、その物理的特性および/または化学的特性が、物質に接触する気体、例えば酸素の濃度に依存して変化するようになっている。物質の特性の変化は、容器の外部に位置する検出器によって検出可能な発せられた電磁放射の周波数、波長、または位相の変化を引き起こす。
【0014】
DK201570808(A1)は、トレーサガスが導入されている密封容器からの気体リークを検出する装置を開示する。装置は、気密試験中に容器が受け入れられる分析チャンバと、チャンバの内部に真空を作り出すことができるデバイスとを含む。気体検出器は、トレーサガスの存在を検出するためにチャンバと連通状態で配置される。
【0015】
したがって、先行技術の教示によれば、マイクロリークを検出するステップは、一般に、容器が密封される前に容器に導入されるトレーサガス、典型的には二酸化炭素(CO2)、ヘリウム(He)、または水素(H2)の助けを借りて実行される。CO2漏れを検出するために、容器の外部のトレーサガスの存在が、通常、液体またはトレーサガス(例えば、He)が検出されるときに、検出器、例えば、電極によって、あるいは非分散型赤外(NDIR)技法または他の技法に基づく動作をする検出器によって一般に検出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の第1の目的は、先行技術に関して上述された制約および欠点を受けない密封容器内のクラックの存在を突き止める方法および装置を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、リークが少量またはとても少量のクラックによる、すなわち、それがマイクロリークに相当し、数ミクロンの開口部によって引き起こされる場合でも、容器が機械的に絞られている、または容器が機械的に絞られていない硬質または可撓性タイプの様々な種類の容器からの漏れを検出することを可能にする上記種類の方法および装置を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、もしあれば、漏れのより高速な検出を可能にし、したがって生産または容器処理プラントの稼働速度を最大にすることを可能にする方法および装置である、先行技術と比較した場合に改善された稼働速度を可能にする密封容器からの漏れを検出する方法および装置を提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、周囲環境の条件の乱れまたは変化の場合でも、漏れ検出におけるより高い精度を可能にする上記種類の方法および装置を提供することである。
【0020】
本発明のさらなる(ただし、最後ではない)目的は、大規模な工業的利用を方法および装置が有することができるように、信頼できるとともに安価なやり方で使用できる方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記または他の目的は、添付の特許請求の範囲に記載された方法および装置によって実現される。
【0022】
本発明の説明
密封容器内のクラックの存在を突き止める方法は、密封容器が配置される検出区域を定めるステップと、容器が検出区域内にあるときに、容器内のクラックの存在を示す温度勾配の存在を突き止めるステップとを主に含む。
【0023】
先行技術のデバイスとは逆に、その動作は、特定のトレーサガスの濃度に関するセンサに基づき、本発明による方法および装置は、したがって、トレーサガスの存在および測定を必要とすることなく、および圧力差を利用することなく、温度勾配を測定することによって容器からのリークの存在を突き止めることを可能にする。
【0024】
有利には、適宜、本発明による装置は、試料と検出が行われる環境との間の熱交換を促すために検査される試料容器を絞りにかけるための機械的にストレスをかける手段を含むことができる。
【0025】
機械的にストレスをかける手段は、検査される製品の進行方向に対して好ましくは横方向に配置され、製品が進行する平面にほぼ平行な回転軸を有する一対の回転可能なローラを好ましくは含む、絞り組立体を含むことができる。検査される製品が、コンベヤベルト上で進行するとき、したがって、回転可能なローラは、その回転軸がベルトの進行方向を横切り、ベルト平面に平行な平面上にある状態で配置されることが好ましい。
【0026】
本発明によれば、温度Tcである検査される密封容器は、好ましくは容器を検出区域へ移送することができる少なくとも1つのコンベヤベルトまたは円形コンベヤ、あるいはコンベヤまたは任意の他の装置を含む位置決め組立体によって検出区域内に配置される。
【0027】
本発明の特定の実施形態によれば、検出区域は、その雰囲気が温度Taで維持される検出トンネルの内部で定められる。好ましくは、少なくとも1つの温度センサおよび/または少なくとも1つのサーマルカメラ、吸込手段、および絞り手段が、検出トンネル内に設けられる。
【0028】
本発明のさらなる特定の実施形態では、検出トンネルは、レイノルズ数ができる限り低く維持されることを確実にするようになされる。検出区域内のレイノルズ数の増加は、渦または空気の乱流を引き起こす可能性があり、そのような現象は、温度勾配検出に悪影響を及ぼし得る。通る試料容器のリークによる温度勾配を流れの乱流の動きおよび通る容器の幾何学的形状による勾配から正確に区別するために、したがって、TaとTcの間の差を可能な限り大きく増加させ、レイノルズ数を低く保つようにトンネル内の空気の動きをできる限り層流で維持することを可能にするトンネルの幾何学的形状を用意することが必要である。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によれば、検出トンネルは、少なくとも1メートルの長さであり、トンネルの少なくとも入口に、より好ましくは入口および出口に空気バリアを備える。空気バリアは、例えば、直線スロットを備えるとともに、対応するエアカーテンまたはブレード、すなわち、適切に構成されたスロットによって拡散されるときに平面にわたってほぼ広がる気流を定め、流速のおかげで、拡散器からある距離にわたってそのような構成を維持するように構成されている空気拡散器によって生成することができる。
【0030】
好ましくは、検出トンネルは、検査される試料容器が通るトンネル内の温度を一定に維持するための加熱手段および/または冷却手段をさらに備える。手段は、トンネル内全体で温度を一定におよび均一に維持することができ、それによって乱流または温度勾配を防ぐ。
【0031】
装置の特に好ましい実施形態によれば、トンネルは、サーモスタット、すなわち、その温度を変化させることなく熱を発生または吸収することができるシステムを実質的に定めるように構成される。好ましい実施形態では、トンネルは、流体が一定の温度で流れるダクトを備える。好ましくは、ダクトは、検出区域を通しての試料の通過を妨げないようにトンネル壁の近くに位置する。
【0032】
本発明の第1の実施形態によれば、温度勾配の存在は、少なくとも1つのサーマルカメラによって突き止められる。有利には、本発明のこの第1の実施形態による方法は、その作用範囲で検出区域の少なくとも一部を監視するようになされた複数のサーマルカメラを用いて実施することができる。しかし、サーマルカメラによる実施は、工業プラント内の容器制御ラインの必要性に対して時間がかかり、費用がかかるものとなり得るとともに、さらに、サーマルカメラによる温度勾配の検出に基づく方法は、検出区域を通過する試料からのマイクロリークに対する感度が十分でないという結果になり得る。
【0033】
本発明の第2の実施形態によれば、温度勾配の存在は、温度センサによって突き止められる。
【0034】
好ましくは、本発明のこの第2の実施形態による装置は、検出トンネル内に位置するとともにトンネル内の複数の箇所から気体混合物を吸い込む吸込手段を備え、混合物をいくつかの温度センサへ向ける検出ヘッドを含む。
【0035】
好ましくは、検出区域は、少なくとも1つのダクトを通して少なくとも1つの温度センサと連通し、これを通して検出区域から吸い込まれた空気は、温度センサへ伝達される。
【0036】
本発明のいくつかの好ましい実施形態を、下記添付図面を参照して、非限定の例によって与える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】本発明の好ましい実施形態による装置の側面斜視図である。
【
図3】
図1に示された装置に組み込まれる検出トンネルの側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
全ての図において、同じ参照番号は、等しいまたは機能的に均等な構成要素を示すために用いられている。
【0039】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態により作製され、検出区域13を備える検出装置11が概略的に示されている。検出区域13は、すなわち、容器CTの内容物を容器の外部の周囲環境と連通することができる開口部に関する可能性のある漏れの存在を突き止めるために検査される密封容器CTを受け入れるようになされている。本発明の好ましい実施形態によれば、検出区域13は、フレーム17を含む支持構造15によって定められ、それは、外部環境と連通する。
【0040】
装置11は、センサ19を通過するまたはかすめる気体混合物の温度勾配の存在を示す電気信号を生成するようになされた温度センサデバイス19をさらに含む。本発明の特定の実施形態では、センサ19は、小さい温度変化に応答して大きい抵抗変化を示す焼結半導体材料で作製されたサーミスタである。分析される気体混合物は、センサ19を通過するときに、センサに関連した電気回路内を通る電気信号の少なくとも1つのパラメータの変化を引き起こす。この変化は、センサ19を通過する気体混合物によって誘起される温度勾配に比例する。他の実施形態では、様々なタイプの温度センサが使用され得る。そのような種類のセンサは、当業者に知られており、したがってそれらはより詳細には説明されない。
【0041】
装置11は、検出区域13および温度センサ19と連通するダクト21をさらに含む。本発明によれば、それが以下の説明からより明らかになるように、気体は、検出区域13からの気体吸込のステップにおいて検出区域13からセンサ19へ矢印f1によって示された方向にダクト21を通って流れる。
【0042】
本発明の好ましい実施形態では、ダクト21はコンベヤ29を介して検出区域13と連通する。本発明によれば、単一の検出区域13は、複数のコンベヤ29を備えることができる。例えば、区域13内を通る容器CTを取り囲むコンベヤ29が、区域13内を通る容器CTの側面のほぼ全体がコンベヤ29による空気吸込の影響を受けるように設けることができる。
【0043】
図1Aに戻ると、本発明による密封容器からの漏れを検出する方法の好ましい実施形態が、以下に説明される。
【0044】
方法は、気密が検査される容器が検出区域13内に配置されるステップと、検出区域13中に存在する空気が、検出区域13と連通する少なくとも1つの吸込ダクト21を通して吸い込まれるステップとを主に含む。
【0045】
したがって、本発明によれば、漏れを検出する方法は、主におよび好ましくは、- 密封容器が配置される検出区域13を定めるステップと、
- 検出区域13をダクト21を介して温度センサ19と連通するステップと、
- 検出区域13内に容器を配置するステップと、
- ダクト21を通して検出区域13から気体試料を吸い込むステップ、およびそれを容器内の気体漏れの存在を突き止めるセンサ19へ伝達するステップと、を含む。
【0046】
適宜、本発明による方法は、あり得る気体流出を促すために、試料容器が圧縮または絞るステップを受けるステップを含む。好ましくは、絞るステップは、回転可能なローラを含む絞り組立体によって実行される。
【0047】
図2を参照すると、図示の本発明の実施形態によれば、検査される試料容器は、位置決め組立体51によって本発明による装置11を組み込む機器10内に定められた検出区域13内に配置される。本実施形態によれば、位置決め組立体51は、容器を検出区域13に導入するまたは入れるための、および検出区域13から容器を取り出すまたは出すための対応するコンベヤベルトを含む。好ましくは、位置決め組立体51は、検出区域13内に、好ましくは、区域13の中央に容器を正確に配置する一対のサイドガイド55a、55bをさらに含む。
【0048】
図3を参照すると、検出区域13が対応する検出トンネル14の内部に定められる本発明の特定の実施形態が示されている。本発明の本実施形態によれば、トンネル14は、検査される試験容器CTが通るトンネル内の温度を一定に維持するために加熱手段および/または冷却手段16を備える。手段16は、トンネル全体で温度を一定および均一に維持するようになされており、それによって乱流または温度勾配を避ける。
【0049】
図示の実施形態では、トンネル14は、流体、例えば水が一定の温度で流れるダクト18を備える。好ましくは、ダクト18は、同じトンネルに内部に定められる検出区域13を通しての試料CTの通過を妨げないようにトンネル壁20の近くにまたは壁20に位置する。好ましくは、ダクト18は、検出区域13を取り囲むトンネル18の壁20の表面の大部分または主要部分にわたって延びる巻き路を定める単一の対応するパイプを含むことができる。
【0050】
常に、本発明によれば、試料製品CTのための入口開口部22は、検出区域13を通過する試料製品の進行方向にほぼ直交する平面上で分散されたエアカーテンまたはブレードによって占められることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、圧縮可能なまたは硬質のほぼ任意の種類の容器からリークおよびマイクロリークを検出するいくつかの分野において工業的な用途を見出す。本発明は、加圧された硬質の容器からの液体(例えば、水または飲料)の漏れを検出するために適用することもできる。
【0052】
説明および図示された本発明は、その全てが同じ発明の原理の範囲内に入るいくつかの変更および修正を受けることができる。
【国際調査報告】