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特表2022-532237電極接合体、二次電池、及び製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】電極接合体、二次電池、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20220706BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20220706BHJP
   H01M 10/0525 20100101ALI20220706BHJP
   H01M 10/054 20100101ALI20220706BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20220706BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20220706BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20220706BHJP
   H01M 50/486 20210101ALI20220706BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20220706BHJP
   H01G 11/52 20130101ALI20220706BHJP
   H01G 11/70 20130101ALI20220706BHJP
   H01G 11/26 20130101ALI20220706BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20220706BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M10/052
H01M10/0525
H01M10/054
H01M10/0587
H01M10/0566
H01M50/474
H01M50/486
H01M4/13
H01G11/52
H01G11/70
H01G11/26
H01G11/84
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568250
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 US2020033038
(87)【国際公開番号】W WO2020232324
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】62/849,071
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514157766
【氏名又は名称】エノビクス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Enovix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ダルトン,ジェレミー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブザッカ,ロバート エス
(72)【発明者】
【氏名】ラヒリ,アショク
(72)【発明者】
【氏名】ラマサブラマニアン,ムラリ
(72)【発明者】
【氏名】バルデス,ブルーノ エイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,キム ハン
(72)【発明者】
【氏名】カルカテラ,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】カルドソ,ベンジャミン エル
【テーマコード(参考)】
5E078
5H021
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5E078AA05
5E078AA14
5E078BA12
5E078BA26
5E078CA06
5E078FA12
5H021AA06
5H021CC05
5H021EE04
5H021EE05
5H021EE06
5H021EE09
5H021EE10
5H021EE11
5H021EE29
5H021HH01
5H021HH04
5H021HH10
5H029AJ05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AK05
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029AM12
5H029AM16
5H029BJ02
5H029BJ12
5H029BJ14
5H029CJ16
5H029DJ04
5H029DJ14
5H029EJ12
5H029HJ03
5H029HJ07
5H029HJ09
5H029HJ19
5H050AA07
5H050AA19
5H050BA15
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB03
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB12
5H050CB20
5H050DA19
5H050FA02
5H050FA05
5H050FA15
5H050HA01
5H050HA07
5H050HA09
5H050HA12
(57)【要約】
二次電池及びその製造方法が提供される。二次電池は、電極活物質以外の材料を含むスペーサ構造体の集団を有する電極層を含むことができ、(a)スペーサ集団は電極層の容積Vの約0.1%から約35%の範囲内の電極層内の総容積を占め、(b)スペーサ集団の部材は、電極層の各副容積内に位置しており、電極層は、(i)電極層の容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)電極集電体のユニットセル部分、(bb)セパレータ層、(cc)電極層の頂面、(dd)電極層の底面、(ee)電極層の第一端面、及び(ff)電極層の第二端面によってすべての側面に境界が接している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池であって、
前記二次電池は電池筐体、電極接合体、キャリアイオン、前記電池筐体内の非水系電解液を含み、
前記電極接合体はユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、
前記ユニットセルは、前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記対電極集電体の前記ユニットセル部分まで前記積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、
前記電極層は、前記電極層に隣接する前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記電極層に隣接する前記セパレータ層まで前記積層連続体の前記積層方向において測定される幅W、前記積層方向に直交する第二方向において前記電極層の頂面から底面まで測定される高さH、ならびに前記積層方向及び前記高さ方向に直交する第三方向において第一表面から第二表面まで測定されるL、ならびに前記電極集電体の前記ユニットセル部分、前記セパレータ層、前記電極層の前記頂面、前記電極層の前記底面、前記電極層の第一端面、及び前記電極層の第二端面によって境界が定められる容積Vを有し、
前記電極層はスペーサ構造体の集団を含み、前記スペーサ構造体の集団は前記電極活物質以外の材料を含み、(a)前記スペーサ集団は前記電極層の前記容積Vの約0.1%から約35%の範囲内の前記電極層内の総容積を占め、(b)前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によってすべての側面に境界が接している、前記二次電池。
【請求項2】
前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、前記電極層は、1モルの電極活物質あたり1モル超のキャリアイオンを許容する容量を有する電極活物質層を含み、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、前記スペーサ材料は、前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、1モルのスペーサ材料あたり1モル未満のキャリアイオンというキャリアイオンを許容する容量を有し、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、請求項1~2のいずれかに記載の二次電池。
【請求項4】
前記スペーサ構造体の集団は、ポリマー材料、電極活物質、電極集電体材料、対電極集電体材料、及びセパレータ材料のうちのいずれか1つ以上を含む、スペーサ材料を含む、請求項1~3のいずれかに記載の二次電池。
【請求項5】
前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、
前記スペーサ材料は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペンを含むモノマーに由来するフルオロポリマー、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブテンなど)、エチレン-ジエン-プロペン三元共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、アクリレート類、スチレン類、エポキシ類、シリコン類、ポリビニリデンフルオリド-co-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-co-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン-co-ビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレン、及び/またはそれらの共重合体の組み合わせのうちのいずれか1つ以上を含む、請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記スペーサ集団は、総容積の少なくとも0.1%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、及び/または少なくとも0.75%、及び前記電極層の前記総容積Veの35%未満、25%未満、10%未満及び/または5%未満を占める、請求項1~5のいずれかに記載の二次電池。
【請求項7】
前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも20%、少なくとも10%及び/または少なくとも5%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によってすべての側面に境界が接している、請求項1~6のいずれかに記載の二次電池。
【請求項8】
前記二次電池は、前記電極層及び前記対電極層を有する一連の積層シートを含み、
前記積層方向は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記第二方向及び前記積層方向の両方に直交する第三方向において測定される、請求項1~7のいずれかに記載の二次電池。
【請求項9】
前記積層連続体の各ユニットセル内の前記スペーサ構造体の集団の部材は、前記積層方向における前記スペーサ構造体の集団の他の部材とアライメントされる、請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記二次電池は、少なくとも1つのユニットセルを含み、前記少なくとも1つのユニットセルは、前記ユニットセルの内側巻回部が前記ユニットセルの外側巻回部よりも小さい直径を有している状態で、内側領域の周りに連続して巻回され、前記内側領域からの半径が大きくなるにつれ前記ユニットセルの前記直径が大きくなる、請求項1~9のいずれかに記載の二次電池。
【請求項11】
前記積層連続体は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記二次電池の中央領域から前記二次電池の外側区間まで、前記電極層の巻回経路に対応する前記電極層の最長寸法に沿って測定される、請求項10に記載の二次電池。
【請求項12】
前記ユニットセルの前記内側巻回部内に配置されるスペーサ構造体が前記ユニットセルの前記外側巻回部内のスペーサ構造体と前記積層方向においてアライメントされるように、前記スペーサ構造体の集団の部材はアライメントされる、請求項10に記載の二次電池。
【請求項13】
前記電極層の前記最長寸法に沿って前記電極層内に配置されるスペーサ間の距離は、前記二次電池の前記内側領域から前記二次電池の前記外側領域までの半径が大きくなるにつれ大きくなる、請求項12に記載の二次電池。
【請求項14】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記長さLに沿って前記電極層内に配置される複数のスペーサ構造体を含む、請求項1~13のいずれかに記載の二次電池。
【請求項15】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の周辺部に位置している単一のスペーサ構造体を含む、請求項1~14のいずれかに記載の二次電池。
【請求項16】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記幅Wを通って前記電極集電体から前記セパレータ層まで延在する前記集団の1つ以上の部材を含む、請求項1~15のいずれかに記載の二次電池。
【請求項17】
前記スペーサ構造体の集団が前記電極層の前記幅Wに沿って前記電極集電体層の第一表面から前記電極集電体層の前記第一表面に対向する前記セパレータ層の第一表面まで延在する範囲の中央値は、前記電極層の前記幅Wの60%未満、50%未満、40%未満、及び/または25%未満であり、前記電極層の前記幅Wの少なくとも2%、少なくとも3%及び/または少なくとも5%である、請求項1~16のいずれかに記載の二次電池。
【請求項18】
第一隣接ユニットセル及び第二隣接ユニットセルを含み、前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、電極集電体を共有し、
前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルの両方はそれらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の集団を含む、請求項1~17のいずれかに記載の二次電池。
【請求項19】
前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルは、前記共有された電極集電体を通って前記第一電極層及び前記第二電極層のそれぞれの中に延出する同じスペーサ構造体の集団を共有する、請求項18に記載の二次電池。
【請求項20】
第一ユニットセル及び第二ユニットセルを含み、前記第一ユニットセル及び前記第二ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、それらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の第一集団、及びスペーサ構造体の第二集団を含み、
前記第一電極層内の前記スペーサ構造体の第一集団の位置は、前記第二電極層内の前記スペーサ構造体の第二集団の位置と積層方向においてアライメントされる、請求項1~19のいずれかに記載の二次電池。
【請求項21】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記セパレータ層との間の界面に配置される、請求項1~20のいずれかに記載の二次電池。
【請求項22】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記集電体層の前記表面との間の界面に配置される、請求項1~21のいずれかに記載の二次電池。
【請求項23】
前記電極層は、70%未満の空隙部、60%未満の空隙部、25%未満の空隙部、及び/または10%以下の空隙部を、前記電極層の前記総容積Vのパーセンテージとして有する、請求項1~22のいずれかに記載の二次電池。
【請求項24】
前記電極層内の前記電極活物質の導電性と前記電極層内の前記スペーサ集団のすべての部材の合計の導電性との比は、少なくとも2:1、少なくとも5:1、及び/または少なくとも50:1である、請求項1~23のいずれかに記載の二次電池。
【請求項25】
充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池のための電極接合体であって、
前記電極接合体はユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、
前記ユニットセルは、前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記対電極集電体の前記ユニットセル部分まで前記積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、
前記電極層は、前記電極層に隣接する前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記電極層に隣接する前記セパレータ層まで前記積層方向において測定される幅W、前記積層方向に直交する第二方向において前記電極層の頂面から底面まで測定される高さHe、ならびに前記積層方向及び前記高さ方向に直交する第三方向において、第一表面から第二表面まで測定される長さLe、ならびに前記電極集電体の前記ユニットセル部分、前記セパレータ層、前記電極層の前記頂面、前記電極層の前記底面、前記電極層の第一端面、及び前記電極層の第二端面によって境界が定められる容積Vを有し、
前記電極層はスペーサ構造体の集団を含み、(a)前記スペーサ集団は前記電極層の前記容積Vの約0.1%から約35%の範囲内の前記電極層内の総容積を占め、(b)前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によってすべての側面に境界が接している、前記電極接合体。
【請求項26】
前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、前記電極層は、1モルの電極活物質あたり1モル超のキャリアイオンを許容する容量を有する電極活物質層を含み、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、請求項25に記載の電極接合体。
【請求項27】
前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、前記スペーサ材料は、前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、1モルのスペーサ材料あたり1モル未満のキャリアイオンというキャリアイオンを許容する容量を有し、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、請求項25~26のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項28】
前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、前記スペーサ材料は、ポリマー材料、電極活物質、電極集電体材料、対電極集電体材料、及びセパレータ材料のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項25~27のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項29】
前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、
前記スペーサ材料は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペンを含むモノマーに由来するフルオロポリマー、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブテンなど)、エチレン-ジエン-プロペン三元共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、アクリレート類、スチレン類、エポキシ類、シリコン類、ポリビニリデンフルオリド-co-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-co-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン-co-ビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレン、及び/またはそれらの共重合体の組み合わせのうちのいずれか1つ以上を含む、請求項28に記載の電極接合体。
【請求項30】
前記スペーサ集団は、総容積の少なくとも0.1%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、及び/または少なくとも0.75%、及び前記電極層の前記総容積Veの35%未満、25%未満、10%未満及び/または5%未満を占める、請求項25~29のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項31】
前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも20%、少なくとも10%及び/または少なくとも5%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によってすべての側面に境界が接している、請求項25~30のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項32】
前記電極接合体は、前記電極層及び前記対電極層を有する一連の積層シートを含み、
前記積層方向は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記第二方向及び前記積層方向の両方に直交する第三方向において測定される、請求項25~31のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項33】
前記積層連続体の各ユニットセル内の前記スペーサ構造体の集団の部材は、前記積層方向における前記スペーサ構造体の集団の他の部材とアライメントされる、請求項32に記載の電極接合体。
【請求項34】
前記電極接合体は、少なくとも1つのユニットセルを含み、前記少なくとも1つのユニットセルは、前記ユニットセルの内側巻回部が前記ユニットセルの外側巻回部よりも小さい直径を有している状態で、内側領域の周りに連続して巻回され、前記内側領域からの半径が大きくなるにつれ前記ユニットセルの前記直径が大きくなる、請求項25~33のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項35】
前記積層連続体は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記電極接合体の中央領域から前記電極接合体の外側区間まで、前記電極層の巻回経路に対応する前記電極層の最長寸法に沿って測定される、請求項34に記載の電極接合体。
【請求項36】
前記ユニットセルの前記内側巻回部内に配置されるスペーサ構造体が前記ユニットセルの前記外側巻回部内のスペーサ構造体と前記積層方向においてアライメントされるように、前記スペーサ構造体の集団の部材はアライメントされる、請求項35に記載の電極接合体。
【請求項37】
前記電極層の前記最長寸法に沿って前記電極層内に配置されるスペーサ間の距離は、前記二次電池の前記内側領域から前記電極接合体の前記外側領域までの半径が大きくなるにつれて大きくなる、請求項36に記載の電極接合体。
【請求項38】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記長さLに沿って前記電極層内に配置される複数のスペーサ構造体を含む、請求項25~37のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項39】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の周辺部に位置している単一のスペーサ構造体を含む、請求項25~38のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項40】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記幅Wを通って前記電極集電体から前記セパレータ層まで延在する前記集団の1つ以上の部材を含む、請求項25~39のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項41】
前記スペーサ構造体の集団が前記電極層の前記幅Wに沿って前記電極集電体層の第一表面から前記電極集電体層の前記第一表面に対向する前記セパレータ層の第一表面まで延在する範囲の中央値は、前記電極層の前記幅Wの60%未満、50%未満、40%未満、及び/または25%未満であり、前記電極層の前記幅Wの少なくとも2%、少なくとも3%及び/または少なくとも5%である、請求項25~40のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項42】
第一隣接ユニットセル及び第二隣接ユニットセルを含み、前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、1つの電極集電体を共有し、
前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルの両方はそれらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の集団を含む、請求項25~41のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項43】
前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルは、前記共有された電極集電体を通って前記第一電極層及び前記第二電極層のそれぞれの中に延出する同じスペーサ構造体の集団を共有する、請求項42に記載の電極接合体。
【請求項44】
第一ユニットセル及び第二ユニットセルを含み、前記第一ユニットセル及び前記第二ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、それらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の第一集団、及びスペーサ構造体の第二集団を含み、
前記第一電極層内の前記スペーサ構造体の第一集団の位置は、前記第二電極層内の前記スペーサ構造体の第二集団の位置と積層方向においてアライメントされる、請求項25~43のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項45】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記セパレータ層との間の界面に配置される、請求項25~44のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項46】
前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記集電体層の前記表面との間の界面に配置される、請求項25~45のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項47】
前記電極層は、少なくとも40%の空隙部、少なくとも50%の空隙部、少なくとも60%の空隙部、少なくとも75%の空隙部、及び/または少なくとも90%の空隙部を、前記電極層の前記総容積Vのパーセンテージとして有する、請求項25~46のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項48】
前記電極層内の前記電極活物質の導電性と前記電極層内の前記スペーサ集団のすべての部材の合計の導電性との比は、少なくとも2:1、少なくとも5:1、及び/または少なくとも50:1である、請求項25~47のいずれかに記載の電極接合体。
【請求項49】
充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池の形成方法であって、
電極接合体、キャリアイオン、及び電池筐体内に非水系電解液を提供することであって、
前記電極接合体はユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、
前記ユニットセルは、前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記対電極集電体の前記ユニットセル部分まで前記積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、
前記電極層は前記電極層に隣接する前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記電極層に隣接する前記セパレータ層まで前記積層方向において測定される幅W、前記積層方向に直交する方向において前記電極層の頂面から底面まで測定される高さH、ならびに前記積層方向及び前記高さ方向に直交する方向において第一表面から第二表面まで測定される長さLe、ならびに前記電極集電体の前記ユニットセル部分、前記セパレータ層、前記電極層の前記頂面、前記電極層の前記底面、前記電極層の第一端面、及び前記電極層の第二端面によって境界が定められる容積Veを有し、
前記電極層はスペーサ構造体の集団を含み、(a)前記スペーサ集団は前記電極層の前記容積Veの約0.1%から約35%の範囲内の前記電極層内の総容積を占め、(b)前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Veの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によってすべての側面に境界が接している、
前記提供することと、
放電状態から充電状態まで前記二次電池を充電することを含む形成プロセスを実行することと、
を含む、前記方法。
【請求項50】
前記電極層は、前記形成プロセス前に固体電極活物質の第一容積、及び前記形成プロセス後に、前記第一容積より大きい固体電極活物質の第二容積を有し、
前記方法は、1%未満、0.5%未満、0.25%未満及び/または0.1%未満である、前記形成プロセス前から前記形成プロセス後までの前記ユニットセルのWUCにおける変化に対して、前記電極層内の前記固体電極活物質の前記第一容積よりも少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、及び/または少なくとも100%大きい前記第二容積まで、前記電極層内の前記固体電極活物質の前記容積を増加させる前記形成プロセスを実行することを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記形成プロセス中に、前記積層方向における前記電極接合体の成長を拘束する、及び/または前記電極接合体内の前記ユニットセルの集団のアライメントを維持する、電極拘束体セットを設けることをさらに含む、請求項49~50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記電極拘束体セットは前記積層方向における成長を拘束する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記形成プロセスに次いで前記電極拘束体セットを除去することを含む、請求項51~52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記電極拘束体セットを前記二次電池の前記筐体内に設けることを含む、請求項51~53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記電極拘束体セットを前記二次電池の前記筐体の外側に設けることを含む、請求項51~54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記電極接合体は請求項25~50に記載のいずれかを含み、
前記二次電池は請求項1~24に記載のいずれかを含む、請求項51~55のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、エネルギー貯蔵装置で使用するための電極接合体を製造する方法、及び本明細書のそれらの方法に従って製造された電極接合体を含むエネルギー貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロッキングチェア型またはインサーション型二次電池は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、またはマグネシウムのイオンなどのキャリアイオンが電解質を介して正極と負極との間を移動するエネルギー貯蔵装置のタイプである。二次電池は、単一の電池セル、または電気的に結合されて電池を形成する2つ以上の電池セルを含むことができ、各電池セルは、正極、負極、微多孔質セパレータ、及び電解質を含む。
【0003】
ロッキングチェア型電池セルでは、正極及び負極の両方は、キャリアイオンを挿入して抽出する材料を含む。セルが放電すると、キャリアイオンは負極から抽出され、正極内に挿入される。セルが充電されると、逆のプロセスが起こり、キャリアイオンは正極から抽出され、負極内に挿入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャリアイオンが電極間を移動する場合、永続的な課題の1つは、電池が繰り返し充電され放電すると、電極が膨張して収縮する傾向があるという事実にある。サイクル中の膨張及び収縮は、電極が膨張すると、電気的な短絡及び電池の不具合が発生することから、電池の信頼性及びサイクル寿命にとって問題となる傾向がある。発生する可能性のあるさらに別の問題は、例えば製造、使用、または輸送中の電池への物理的または機械的応力が原因で、電極アライメントが一致しなくなると、電池の短絡及び不具合となる可能性があることである。
【0005】
したがって、電池の信頼性及びサイクル寿命を向上させるために、電池サイクル中の電極の膨張及び収縮を制御する必要性が残っている。さらに、それらのような電池を製造するために、信頼できる効果的な手段の必要性が残っている。すなわち、電池のサイクル中に電極接合体の膨張が制御されている、電極接合体を含む電池を提供するための効率的な製造方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、簡単に言えば、本開示の一態様は、充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池に関する。この二次電池は、電池筐体、電極接合体、キャリアイオン、この電池筐体内の非水系電解液を含む。この二次電池では、電極接合体は、ユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、このユニットセルは、電極集電体のユニットセル部分から対電極集電体のユニットセル部分まで積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、電極層は、この電極層に隣接する電極集電体のユニットセル部分から電極層に隣接するセパレータ層まで積層連続体の積層方向において測定される幅W、積層方向に直交する第二方向において電極層の頂面から底面まで測定される高さH、ならびに積層方向及び高さ方向に直交する第三方向において第一表面から第二表面まで測定される長さL、ならびに電極集電体のユニットセル部分、セパレータ層、電極層の頂面、電極層の底面、電極層の第一端面、及び電極層の第二端面によって境界が定められる容積Vを有する。電極層は、電極活物質以外の材料を含むスペーサ構造体の集団を含み、(a)スペーサ集団は電極層の容積Vの約0.1%から約35%の範囲内の電極層内の総容積を占め、(b)スペーサ集団の部材は、電極層の各副容積内に位置しており、電極層は、(i)電極層の容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)電極集電体のユニットセル部分、(bb)セパレータ層、(cc)電極層の頂面、(dd)電極層の底面、(ee)電極層の第一端面、及び(ff)電極層の第二端面によってすべての側面に境界が接している。
【0007】
本開示の別の態様は、充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池についての電極接合体に関する。この電極接合体は、ユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは、積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、このユニットセルは、電極集電体のユニットセル部分から対電極集電体のユニットセル部分まで積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、電極層は、この電極層に隣接する電極集電体のユニットセル部分から電極層に隣接するセパレータ層まで積層方向において測定される幅W、積層方向に直交する第二方向において電極層の頂面から底面まで測定される高さHe、ならびに積層方向及び高さ方向に直交する第三方向において第一表面から第二表面まで測定される長さLe、ならびに電極集電体のユニットセル部分、セパレータ層、電極層の頂面、電極層の底面、電極層の第一端面、及び電極層の第二端面によって境界が定められる容積Vを有する。電極層はスペーサ構造体の集団を含み、(a)スペーサ集団は電極層の容積Vの約0.1%から約35%の範囲内の電極層内の総容積を占め、(b)スペーサ集団の部材は、電極層の各副容積内に位置しており、電極層は、(i)電極層の容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)電極集電体のユニットセル部分、(bb)セパレータ層、(cc)電極層の頂面、(dd)電極層の底面、(ee)電極層の第一端面、及び(ff)電極層の第二端面によってすべての側面に境界が接している。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池の形成方法に関する。この二次電池の形成方法は、電極接合体、キャリアイオン、及び電池筐体内の非水系電解液を提供することを含み、電極接合体はユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、このユニットセルは電極集電体のユニットセル部分から対電極集電体のユニットセル部分まで積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、電極層はこの電極層に隣接する電極集電体のユニットセル部分から電極層に隣接するセパレータ層まで積層方向において測定される幅W、積層方向に直交する方向において電極層の頂面から底面まで測定される高さH、ならびに積層方向及び高さ方向に直交する方向において第一表面から第二表面まで測定される長さLe、ならびに電極集電体のユニットセル部分、セパレータ層、電極層の頂面、電極層の底面、電極層の第一端面、及び電極層の第二端面によって境界が定められる容積Veを有する。電極層はスペーサ構造体の集団を含み、(a)スペーサ集団は電極層の容積Veの約0.1%から約35%の範囲内の電極層内の総容積を占め、(b)スペーサ集団の部材は、電極層の各副容積内に位置しており、電極層は、(i)電極層の容積Veの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)電極集電体のユニットセル部分、(bb)セパレータ層、(cc)電極層の頂面、(dd)電極層の底面、(ee)電極層の第一端面、及び(ff)電極層の第二端面によってすべての側面に境界が接している。この方法は、二次電池を放電状態から充電状態まで充電することを含む形成プロセスを実行することをさらに含む。
【0009】
本開示の他の態様、特徴及び実施形態は、部分的には議論され、部分的には、以下の説明及び図面において明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】電極接合体を含む二次電池の一実施形態の斜視図である。
図1B】電極接合体を含む二次電池の別の実施形態の斜視図である。
図2A】電極接合体を含む二次電池のさらなる実施形態の斜視図及び断面図である。
図2B】電極接合体を含む二次電池のさらなる実施形態の斜視図及び断面図である。
図3A】電極接合体用の電極構造体、対電極構造体、及びセパレータ層を含む構造体の一実施形態の分解平面図である。
図3B図3Aの電極接合体の構造体の実施形態の分解断面図である。
図3C】積層構成での図3A及び3Bの電極接合体の構造体の実施形態の断面図であり、さらに拘束体セットを含む。
図4A】Y-X平面で見た、電極接合体用の、電極集電体、電極層、セパレータ層及び対電極集電体を含む構造体の一実施形態の断面図である。
図4B】Y-Z平面で見た、図4Aの電極接合体の構造体の実施形態の断面図である。
図4C】Y-Z平面で見た、電極接合体用の電極集電体、電極層、セパレータ層、及び対電極集電体を含み、電極層内にスペーサ構造体の集団を含む構造体の別の実施形態の断面図である。
図5A】Y-X平面で見た、電極接合体用の電極集電体、電極層、セパレータ層、及び対電極集電体を含み、電極層内にスペーサ構造体の集団を含む構造体の別の実施形態の断面図である。
図5B】Y-X平面で見た、図5Aの電極接合体についての構造体の実施形態の断面図であり、電極層内の電極活物質の容積を増加させる形成プロセスに続く形成後の段階にある。
図5C】Y-Z平面で見た、図5Aの電極接合体についての構造体の実施形態の断面図である。
図5D】Y-X平面で見た、電極接合体用の電極集電体、電極層、セパレータ層、及び対電極集電体を含み、電極層内にスペーサ構造体の集団を含む構造体の別の実施形態の断面図である。
図6】Y-X平面で見た、電極接合体用の電極集電体、電極層、セパレータ層、及び対電極集電体を含み、電極層内にスペーサ構造体の集団を含む構造体の別の実施形態の断面図である。
図7A】Y-X平面で見た、第一及び第二ユニットセルの部分を含み、その第一及び第二電極層内にスペーサ構造体の集団を含む、電極接合体についての構造体の別の実施形態の断面図である。
図7B】Y-X平面で見た、第一及び第二ユニットセルの部分を含み、その第一及び第二電極層内にスペーサ構造体の集団を含む、電極接合体についての構造体の別の実施形態の断面図である。
図7C】Y-X平面で見た、第一及び第二ユニットセルの部分を含み、その第一及び第二電極層内にスペーサ構造体の集団を含み、共有された電極集電体を通過する、電極接合体についての構造体の別の実施形態の断面図である。
図8A】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図8B】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図8C】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図8D】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図8E】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図8F】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図8G】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図8H】電極接合体用の電極構造体及び/またはスペーサ層上に形成されるスペーサ構造体の各実施形態の平面図である。
図9】代表的な寸法及びその副容積を有する、電極層116の実施形態の概略図を示す。
図10】代表的な寸法及びその副容積を有する、電極層116の実施形態の概略図を示す。
図11A】巻回電極接合体の一実施形態の断面図(A)であり、巻回電極接合体の第一及び第二ユニットセルの区間を示す、Aの巻回電極接合体の拡大断面図である。
図11B】巻回電極接合体の一実施形態の断面図(A)であり、巻回電極接合体の第一及び第二ユニットセルの区間を示す、Aの巻回電極接合体の拡大断面図である。
図12】巻回電極接合体の別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
本明細書で使用される場合、文脈上明らかに別段に示されない限り、「a」、「an」及び「the」(すなわち、単数形)は、複数の指示対象を指す。例えば、一例では、「1つの電極(an electrode)」に対する指示対象は、単一の電極、及び複数の同様の電極の両方を含む。
【0012】
本明細書で使用される「約」及び「おおよそ」は、記載された値のプラスまたはマイナス10%、5%、または1%を指す。例えば、一例では、約250μmは、225μmから275μmを含む。さらなる例として、一例では、約1,000μmは、900μmから1,100μmを含む。別段に示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される量(例えば、測定値など)などを表すすべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって変更されるものとして理解されるべきである。したがって、それに反して指示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは近似値である。各数値パラメータは少なくとも、通常の丸め技術を適用することによって、報告される有効桁数を考慮して解釈されるべきである。
【0013】
二次電池の文脈で本明細書に使用される「アノード」は、二次電池の負極を指す。
【0014】
本明細書で使用される「アノード活性」は、二次電池のアノードでの使用に適した材料を意味する。
【0015】
二次電池の文脈で本明細書に使用される「カソード」は、二次電池の正極を指す。
【0016】
本明細書で使用される「カソード活性」は、二次電池のカソードでの使用に適した材料を意味する。
【0017】
二次電池の状態の文脈で本明細書に使用される「充電状態」は、二次電池がその定格容量の少なくとも75%まで充電されている状態を指す。例えば、電池は、その定格容量の少なくとも80%、その定格容量の少なくとも90%、さらにはその定格容量の少なくとも95%、例えばその定格容量の100%まで充電されることができる。
【0018】
本明細書で使用される「Cレート」は、二次電池が充電される、または放電する速度の尺度を指し、電池がその公称定格容量を1時間で供給する、理論上の電流引き込みで放電電流が除算されたものとして定義される。例えば、1CのCレートは、1時間で電池を放電させる放電電流を示し、2Cのレートは、1/2時間で電池を放電させる放電電流を示し、C/2のレートは、2時間で電池を放電させる放電電流を示すなど。
【0019】
二次電池の状態の文脈で本明細書に使用される「放電状態」は、二次電池がその定格容量の25%未満まで放電している状態を指す。例えば、電池は、その定格容量の10%未満など、その定格容量の20%未満、さらにはその定格容量の0%など、その定格容量の5%未満まで放電することができる。
【0020】
充電状態と放電状態との間の二次電池のサイクルの文脈で本明細書に使用される「サイクル」は、電池を充電させて、及び/または放電させて、充電状態か放電状態かいずれかである第一状態から、第一状態の反対である第二状態(すなわち、第一状態が放電であった場合には充電状態、または第一状態が充電であった場合には放電状態)へのサイクルで電池を移行させてから、電池を第一状態に戻してサイクルを完了することを指す。例えば、充電状態と放電状態との間の二次電池の単一サイクルは、充電サイクル中にある場合、電池を放電状態から充電状態まで充電させてから、放電させて放電状態に戻し、サイクルを完了することを含むことができる。また、単一サイクルは、放電サイクル中にある場合、電池を充電状態から放電状態まで放電させてから、充電させて充電状態に戻し、サイクルを完了することを含むことができる。
【0021】
本明細書で使用される「Y軸」、「X軸」、及び「Z軸」は、相互に垂直な軸を指す(すなわち、それぞれが互いに直交している)。例えば、本明細書で使用される「Y軸」、「X軸」、及び「Z軸」は、三次元の態様または配向を規定するために使用されるデカルト座標系に類似している。そのようなものとして、本明細書における本発明の主題の要素の説明は、要素の三次元配向を説明するために使用される特定の一軸または複数の軸に限定されない。換言すれば、本発明の主題の三次元の態様を参照する場合、これらの軸は交換可能であることができる。
【0022】
本明細書で使用される「Y方向」、「X方向」、及び「Z方向」は、相互に垂直な方向を指す(すなわち、それぞれが互いに直交している)。例えば、本明細書で使用される「Y方向」、「X方向」、及び「Z方向」は、三次元の態様または配向を規定するために使用されるデカルト座標系のそれぞれY軸、X軸、及びZ軸に概して平行であってもよい。
【0023】
二次電池の充電状態と放電状態との間のサイクルの文脈で本明細書に使用される「繰り返しサイクル」は、放電状態から充電状態まで、または充電状態から放電状態まで、1回より多いサイクルを繰り返すことを指す。例えば、充電状態と放電状態との間のサイクルを繰り返すことは、放電状態から充電状態まで充電させ、放電させて放電状態に戻し、再度、充電状態まで充電させ、最後に、放電させて放電状態に戻す際など、放電状態から充電状態まで少なくとも2回のサイクルを繰り返すことを含むことができる。さらに別の例として、充電状態と放電状態との間のサイクルを少なくとも2回繰り返すことは、充電状態から放電状態まで放電させ、充電させて充電状態まで戻し、再度、放電状態まで放電させ、最後に、充電させて充電状態まで戻すことを含むことができる。さらなる例として、充電状態と放電状態との間のサイクルを繰り返すことは、放電状態から充電状態まで、少なくとも5回のサイクル、さらには少なくとも10回のサイクルを繰り返すことを含むことができる。さらなる例として、充電状態と放電状態との間のサイクルを繰り返すことは、放電状態から充電状態まで、少なくとも25、50、100、300、500、さらには1000回のサイクルを繰り返すことを含むことができる。
【0024】
二次電池の文脈で本明細書に使用される「定格容量」は、標準温度条件(25℃)下で測定された、一定期間にわたって指定された電流を供給する二次電池の容量を指す。例えば、定格容量は、指定された時間に出力される電流を決定するか、指定された電流に、電流を出力することができる時間を決定するかいずれかによって、電流と時間の積をとる、アンペア時の単位で測定されることができる。例えば、定格20アンペア時の電池の場合、定格電流が2アンペアに指定されると、電池は10時間で電流が出力されるということを定めているものであることがわかることができ、反対に、定格の時間が10時間に指定されると、電池は10時間で2アンペアを出力するものであることがわかることができる。特に、二次電池の定格容量は、Cレートなどの指定された放電電流での定格容量として与えられることができ、Cレートは電池がその容量に対して放電する速度の尺度である。例えば、1CのCレートは1時間で電池が放電する放電電流を示し、2Cは1/2時間で電池が放電する放電電流を示し、C/2は2時間で電池が放電する放電電流を示すなど。したがって、例えば、1CのCレートで定格20Amp・hrの電池は、1時間で20Ampの放電電流を与えるが、2CのCレートで定格20Amp・hrの電池は、1/2時間で40Ampの放電電流を与え、C/2のCレートで定格20Amp・hrの電池は、2時間で10Ampの放電電流を与える。
【0025】
二次電池の電極接合体の文脈で本明細書に使用される「積層方向」は、電極接合体内の構造体が互いに対して積層される方向を指す。ある特定の実施形態によれば、積層方向は、電極接合体のユニットセル内の構造体間の最短距離に概して平行であってもよい。
【0026】
二次電池の電極接合体の文脈で本明細書に使用される「積層連続体」は、ユニットセル内のそれらの構造体(例えば、電極集電体のユニットセル部分、電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極層のユニットセル部分)、及び/または積層方向において電極接合体を横断する際に遭遇する、それらのような構造体の区間を指す。一実施形態によれば、角柱状電極接合体の場合、ユニットセルの積層連続体は、積層方向においてユニットセルの第一端部及びユニットセルの第二端部によって結合されるユニットセルの構造体を含む。別の実施形態によれば、巻回電極接合体の場合、ユニットセルの積層連続体は、積層方向においてユニットセルの第一端部及びユニットセルの第二端部によって結合されるユニットセルのそれらの区間に対応し、これらの区間は電極接合体の同じ巻回部内に位置している。
【0027】
本明細書で使用される「巻回電極接合体」は、電極及び対電極の構造体が電極接合体の内側領域の周りに巻回されることにより、電極接合体が複数の巻回部を含み、電極接合体の内側領域からの半径が大きくなるにつれて複数の巻回部のそれぞれの直径が大きくなる、電極接合体を指す。ある特定の実施形態によれば、巻回電極接合体は、巻回電極接合体の内側領域から外側領域までの半径Rに平行な方向に平行である積層方向を有し、巻回電極接合体内の1つ以上の電極層は、電極接合体の内側領域から電極接合体の外側領域まで、積層方向に平行な第一方向において測定される幅寸法W、積層方向に直交する第二方向において測定される高さ寸法H、ならびに積層方向及び第二方向に直交する第三方向において測定される長さ寸法Lを有する。一実施形態によれば、相互に直交する座標R(半径)、Z(高さ)、及びA(方位角)を有する円筒座標で測定される場合、積層方向は半径Rに概して平行であり、第二方向はZ方向(高さ方向)に概して平行であり、第三方向は電極接合体内の総巻回数についての角度方向Aに沿って測定される。
【0028】
本明細書で使用される「円筒座標」は、基準軸として機能する、選択された原点からの高さ(Z)、基準軸(Z軸)からの距離R(半径)、及び角度位置または方位角Aによって空間内での位置を指定する座標系を指し、R、Z及びAは相互に直交する座標である。
【0029】
本明細書で使用される「直交方向」は、選択された座標系において、互いに相互に垂直である方向を指す。例えば、デカルト座標系の場合、直交方向は、座標系のX、Y及びZ軸に平行な方向である。別の例として、円筒座標系の場合、直交方向は、相互に垂直なR(半径)、Z(高さ)、及び方位角(A)の座標に沿って規定される方向である。
【0030】
本明細書で使用される「角柱状電極接合体」は、積層方向に交互に積層された一連の層状シートを有する電極及び対電極の構造体を含む電極接合体を指す。ある特定の実施形態によれば、角柱状電極接合体は、Y軸に平行な積層方向を有し、巻回電極接合体内の1つ以上の電極層は、積層方向に平行な第一方向において測定される幅寸法W、Z軸に平行な第二方向において測定される高さ寸法H、及びX軸に平行な第三方向において測定される長さ寸法Lを有し、X、Y及びZは相互に直交するデカルト座標における軸を有する。
【0031】
巻回電極接合体に関して本明細書で使用される「巻回部」は、開始点から、円筒座標で方位角方向Aに沿った開始点から360°回転する終了点まで延在するユニットセルのセグメントを含む。
【0032】
詳細な説明
一般に、本開示の態様は、例えば図1Aに示されるように、充電状態と放電状態との間のサイクルを繰り返す、二次電池102などのエネルギー貯蔵装置100、及びその製造方法を対象とする。二次電池102は、電池筐体104、電極接合体106、及びキャリアイオンを含み、そのうえ、電池筐体内に非水系電解液などの電解質を含むことができる。
【0033】
さらに、ある特定の実施形態では、本開示の態様は、電池、コンデンサ、燃料電池などのエネルギー貯蔵装置100に組み込まれるときに特定の利点を提示することができる電極接合体106を提供する。一実施形態では、電極接合体106、及びこの電極接合体106を含む二次電池102は、電極接合体106を含む二次電池の充電及び/または放電中に本来であれば起こる可能性のある、電極の成長、膨潤、及び/または膨張のうちの少なくとも1つに対応するように選択される構成及び/または構造を有する。例えば、電極接合体106は、二次電池102が放電状態から充電状態まで最初に充電されると、初期形成段階中に起こる可能性のある電極の成長、膨潤、及び/または膨張に対応することができる。また、電極接合体106は、二次電池102のサイクル中に起こる可能性のある成長、膨潤及び/または膨張に対応するように構成されてもよい。
【0034】
ある特定の実施形態によれば、放電状態から充電状態に移行する際に、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムのうちの1つ以上などのキャリアイオンは、電池の正極と負極との間を移動する。次に、キャリアイオンは、電極に達すると、電極材料内でインターカレートする、または合金化することで、その電極のサイズ及び容積が増加することがある。反対に、充電状態から放電状態に移行することを逆にすると、イオンがデインターカレートすることで、または脱合金化することで、電極が収縮することができる。この合金化及び/またはインターカレーション、及び脱合金化及び/またはデインターカレーションは、電極における著しい容積変化をもたらすことができる。さらに別の実施形態では、電極からのキャリアイオンの輸送は、例えば、残りの材料層(例えば、LCO及びいくつかの他の材料を含む)の静電反発を増加させることによって、電極のサイズを増加させることができる。二次電池102内の膨潤を引き起こすことができる他の機構は、例えば、電極上でのSEIの形成、電解質及び他の構成成分の分解、さらにはガスの形成を含むことができる。一実施形態では、二次電池が放電状態から充電状態まで充電されると、充電状態が二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、放電状態が二次電池の定格容量の25%未満である場合、電極は、1モルの電極活物質あたり1モル超のキャリアイオンを許容する容量を有する電極活物質層を含むことができるため、電極及び/または電極接合体106の膨潤を引き起こす。したがって、充電及び放電時に電極が膨張及び収縮を繰り返すだけでなく、他の膨潤機構により、電極接合体106にひずみが生じることがあることで、性能が低下し、最終的には二次電池の不具合さえもたらす可能性がある。
【0035】
さらに、二次電池を放電状態から充電状態まで充電させる初期充電プロセスによって、二次電池を最初に形成するために実行される初期形成プロセスでは、同様の機構により、例えば形成プロセス中に電極活物質が成長する、及び/または膨潤することなどが原因で、電極接合体が膨潤することができることで、電極接合体内にひずみが生じることがある。すなわち、電極接合体106を含む二次電池102の製造中に、二次電池102の少なくとも1回の初期充電サイクルを含む初期形成プロセスを実行することができ、このプロセスを、電流、温度及び持続時間のうちの1つ以上を含む注意深く制御された条件下で実行し、二次電池102の構成要素間の所望の構造及び接触の形成を促進することができる。初期形成プロセスは、特定の電池構造及び組成に応じて、単一の初期充電サイクルのみを含んでもよい、または複数の充電サイクル(例えば、1回以上のサイクルでの二次電池の充電及び放電)を含んでもよい。一実施形態では、初期形成プロセスは、一連の部分充電及び/または放電サイクルを含むことができる。これら一連の部分充電及び/または放電サイクルは、例えば、二次電池を少なくとも部分的に充電させる(例えば、全容量の10%まで充電させる)充電プロセスなどであり、その充電プロセス後、形成される二次電池の特性に応じて、二次電池を少なくとも部分的に放電させる(例えば、全容量の5%まで放電させる)後続の放電プロセスが続き、その後、二次電池を少なくとも部分的に、さらには完全に充電させるさらなる充電プロセス、及び/またはさらなる充電及び/または放電プロセスが続くことができる。一実施形態によれば、初期形成プロセスは、二次電池102をそのフルパワー及び/または全容量にする製造中の最終段階として実行されることができる。
【0036】
図3A~3Cを参照すると、ある特定の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、形成プロセス中に起こる可能性のある電極の成長に少なくとも部分的に対応するために、電極接合体106の一部として設けられることができる。ある特定の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、電極活物質と、隣接するセパレータ層130などの隣接する構造体との間の空隙及び/または空間を画定するように、電極活物質層125内、及び/または電極活物質層125の周りなど、電極層116内の膨張する電極活物質に対して位置決めされることができる。一実施形態では、空隙及び/または空間は、形成段階中などに電極活物質が成長することができる容積を提供することができることにより、電極接合体106に過度のひずみを生じることなく、電極活物質の膨張を可能にする。その結果、ある特定の実施形態では、電極接合体106内にスペーサ構造体400の集団を設けることによって、形成プロセス中、及び/または二次電池102の充電状態と放電状態との間のサイクルの繰り返し中に発生することがある、電極活物質の膨張による、その中の構造体のひずみ及び/または変形が少なくなることを示す、二次電池102が形成されることができる。
【0037】
再び図1A及び1B、ならびに図3Bを参照すると、一実施形態では、電極接合体106は、電極構造体110の集団、対電極構造体112の集団、及び対電極構造体112から電極構造体110を電気的に絶縁する電気絶縁用セパレータ130を含む。これらの図中に示されるように、電極構造体110、対電極構造体112、及び電気絶縁用セパレータ130は、交互配置の一連の積層された層を含むことができる。一実施形態では、電極構造体110の集団は、電極集電体114の集団、及び電極活物質を含むことができる電極層116の集団を含むことができる。電極層116の集団は、例えば、電極集電体114の対向する側面に配置される第一及び第二電極層116a、116bを含むことができる。対電極構造体112の集団は、対電極集電体118の集団、及び対電極活物質を含むことができる対電極層120の集団を含むことができる。対電極層120の集団は、例えば、対電極集電体118の対向する側面に配置される第一及び第二対電極層120a、120bを含むことができる。
【0038】
ある特定の実施形態によれば、電極接合体106は、複数の異なるサイズ、形状、及び構成を含むことができる。例えば、図1A及び1Bを参照すると、一実施形態では、電極接合体は、第一方向(例えば、Y軸に平行な)内にある積層方向に積層される一連の積層シートを含む一連の電極及び対電極の構造体110、112を含む。図1Aに示されるような実施形態では、電極層116を含む電極構造体110は、積層方向に直交する(例えば、Z軸に平行な)第二方向において測定される高さ寸法H、ならびに積層方向及び第二方向に直交する(例えば、X軸に平行な)第三方向において測定される長さ寸法L、ならびに積層方向(例えば、Y軸に平行な)に沿って測定される幅寸法Wを有する(例えば、図3Bを参照する)。図1Bに示されるような実施形態では、電極層116を含む電極構造体110は、図1Aのその高さの半分である高さ寸法Hを有する。
【0039】
図2A、2B及び11A~11Bを参照すると、電極接合体106の一実施形態が示され、電極及び対電極構造体110、112は、複数の巻回部またはターン205を有する巻回電極接合体106内に構成され、この巻回電極接合体106では、電極及び対電極のシート110、112は、電極接合体106の内側領域200から電極接合体106の外側領域202まで渦巻形状に巻回される。巻回電極接合体の各巻回部205は、開始点207aから、方位角方向A(例えば、円筒座標での)に沿った開始点から360°回転する終了点207bまで延在するユニットセルのセグメントを含む。この実施形態によれば、電極構造体110は、電極層116を含み、これらの電極層116は、Z軸に平行な測定される高さ寸法H、積層方向において測定される幅寸法Wを有し、この幅寸法は、巻回構成の場合、電極接合体106の内側領域200から電極接合体106の外側領域202までの半径Rに概ね平行な方向に対応し、この半径Rに沿って一連の巻回部205a、205bが遭遇する。さらに、示される実施形態では、電極接合体のRに沿った積層方向は、Z軸に直交する方向にある。すなわち、一実施形態によれば、積層連続体800は、積層方向R内に積層され、電極層116の高さHeは、積層方向Rに直交する第二方向(例えば、Z方向)内で測定される。一実施形態によれば、巻回電極層116の長さ寸法Lは、積層方向及び第二方向に直交する第三方向において測定され、この第三方向は、電極接合体の内側領域から電極接合体の外側領域までの、電極接合体内の総巻回数について角度及び/または方位角方向A(例えば、円筒座標では)に沿って測定される。一実施形態では、巻回電極層の長さLは、内側領域200から外側領域202までの巻回電極の渦巻状経路208に沿った電極層116の全長であり、この渦巻状経路の方向Tは、渦巻状経路208に沿った各点でZ軸及び積層方向Rに直交している。図2Aに示される実施形態では、電極接合体106は、Z軸に沿って卵円型の形状を有するように見える断面を有する。図2Bに示される実施形態では、電極接合体106は、Z軸に沿って円形型の形状を有するように見える断面を有する。
【0040】
図1A~1B及び図3A~3Bを参照すると、一実施形態によれば、電極接合体106は、ユニットセル500の集団を含み、各ユニットセル500は、積層連続体800では、電極集電体層114のユニットセル部分、電極層116、セパレータ層130、対電極層120、及び対電極集電体層118のユニットセル部分を含む。図3A~3Cを参照すると、一実施形態では、ユニットセル500は、電極集電体層114のユニットセル部分及び対電極集電体層118のユニットセル部分、電極集電体層114の1つの側面に配置される電極構造体110の第一電極層116a、ならびに電極集電体層114に対向する対電極集電体層118の1つの側面に配置される対電極構造体112の第一対電極層120aを含む。ユニットセル内の電極及び対電極層は、電極層がセパレータ130の第一側面133aに近接し、第一対電極材料層がセパレータ130の対向する第二側面133bに近接するように配置されてもよい。ある特定の実施形態によれば、セパレータ130は、電極層116をユニットセル500内の対電極層120から電気的に絶縁することができ、ユニットセルを含む電極接合体が電池の充電状態と放電状態との間のサイクルの繰り返し中に、二次電池の一部として使用される場合には、キャリアイオンは、ユニットセル内で電極層116と対電極層120との間のセパレータ130を介して主に交換されることができる。
【0041】
さらに、ある特定の実施形態によれば、電極集電体層及び/または対電極集電体層のユニットセル部分は、それらの間に電流を供給して電極集電体層及び/または対電極集電体層のユニットセル部分間の電子の移動を促進するなどの際に、ユニットセル内の電気化学反応に関与するその部分である。例えば、図1Aを参照すると、第一ユニットセル500aは、ユニットセル500a内の電気化学反応に関与する電極集電体114のユニットセル部分を含むが、隣接する第二ユニットセル500bは、第二ユニットセル500b内の電気化学反応に関与する共有電極集電体114のそのユニットセル部分を含む。例えば、集電体のユニットセル部分は、図4Aに示されるような実施形態では、Y方向におけるXZ平面に沿って分割される集電体の半分であってもよい、または電極接合体106の構成及び他の特性に応じて異なる構成を有してもよい。
【0042】
ユニットセル500内の積層連続体800は、ユニットセル500内のそれらの構造体(例えば、電極集電体のユニットセル部分、電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極層のユニットセル部分)、及び/または積層方向において電極接合体を横断する際に遭遇する、それらのような構造体の区間を含む。積層方向は、電極接合体内の構造体が互いに対して積層される方向である。ある特定の実施形態によれば、積層方向は、電極接合体のユニットセル内の構造体間の最短距離に概して平行であってもよい。例えば、図1A及び1Bの角柱状電極接合体の場合、積層方向は、電極層116が互いに対して積層される方向である軸Yに平行であり、積層連続体800は、軸Yに沿って移動するときに遭遇するユニットセルのそれらの部材、すなわち、電極集電体114のユニットセル部分、電極層116、セパレータ層130、対電極層120、及び対電極集電体118のユニットセル部分を含む。したがって、この実施形態でのユニットセル500の積層連続体800は、Y方向における電極集電体114のユニットセル部分及び対電極集電体のユニットセル部分によって境界が定められる。図2A及び2Bの巻回電極接合体の実施形態では、図11A~11Bにも示されるように、積層方向は、電極接合体106の内側領域200から電極接合体106の外側領域202までの方向Rに平行であり、各外側巻回部205bがより内側の巻回部205の頂部上に積層される方向である。その結果、この実施形態の電極接合体106の積層連続体800は、方向Rに沿って移動するときに遭遇するユニットセルのそれらの部材、すなわち、電極集電体114のユニットセル部分、電極層116、セパレータ層130、対電極層120、及び対電極集電体118のユニットセル部分を含む。したがって、この実施形態での個別のユニットセル500のそれぞれの積層連続体800は、電極接合体の同じ巻回部205内の方向Rに沿う、電極集電体114のユニットセル部分の区間、及び対電極集電体のユニットセル部分の区間によって境界が定められる。
【0043】
一実施形態によれば、ユニットセル500は、角柱状電極接合体内のユニットセル500の実施形態を示す、例えば図3B、及び図4~6に示されるような、電極集電体114のユニットセル部分から対電極集電体118のユニットセル部分まで、積層連続体800の積層方向において測定される幅WUCを有する。さらに、渦巻状巻回電池の場合、図11A~11Bに示されるように、電極接合体の巻回経路208に沿ったユニットセル500の任意の巻回部205で測定される幅WUCは、積層方向における最も近い電極集電体及び対電極集電体の隣接区間502(例えば、巻回経路208の積層方向Rに沿った同じ巻回部205内のそれらの区間502)を含むユニットセル内の積層連続体について測定される、電極集電体114のユニットセル部分から対電極集電体118のユニットセル部分まで積層方向Rに沿った幅に対応する。
【0044】
さらに別の実施形態によれば、電極層116は、電極層116に隣接する電極集電体114のユニットセル部分から電極層116に隣接するセパレータ層130まで、積層方向において測定される幅Wを有する。図3B及び図4~6に示される実施形態を参照すると、角柱状電極接合体の場合、幅Wは、積層方向における、電極集電体層114の第一表面115aとセパレータ層130の対向する第一表面131aとの間で測定されたものである。同様に、渦巻状巻回電池の場合、図11A~11Bに示されるように、電極接合体の巻回経路208に沿ったいずれかの巻回部205について測定される幅Wは、積層方向における最も近い電極集電体及びセパレータの隣接区間(例えば、電極接合体の巻回経路208の同じ巻回部205内のそれらの区間502)を含む積層連続体について測定される、電極集電体114のユニットセル部分から電極層116に隣接するセパレータ層130まで積層方向Rに沿った幅に対応する。
【0045】
実施形態によれば、電極層116は、積層方向に直交する方向において、電極層116の頂面119aから底面119bまで測定される高さHeをさらに含む。角柱状電極接合体の実施形態を示す図1A及び1Bを参照すると、高さHは、電極層116の頂面119aから底面まで、Y内の積層方向に直交するZ方向に対して平行に測定される寸法であってもよい。図1A及び1Bに示されるように、高さHは、X方向に沿って測定される長さ方向Lにさらに直交しており、図1Bに示される実施形態では、長さLは、電極層116の最長寸法に沿って測定される。図2A~2Bに示されるような、渦巻状巻回電極接合体の実施形態を参照すると、高さHは、R内の積層方向に直交するZ方向に対して平行に測定される寸法であってもよい。
【0046】
ある特定の実施形態によれば、電極層116の頂面119a及び底面119bは、積層方向に直交する方向における電極層の端部にある、電極構造体の幅W内の任意の物理的構造体の表面と同一の広がりをもつ。例えば、形成後の電極接合体の一実施形態では、頂面及び底面119a、119bは、図1A及び1Bに示されるように、電極層116内の電極活物質層125の端面を含むことができる。別の例として、一実施形態では、スペーサ構造体が電極層116の周辺部の周りに配置され、電極活物質層125が周辺のスペーサ構造体(複数可)の内部に配置される(例えば、図5Cに示されるような)場合などには、頂面及び底面119a、119bは、スペーサ構造体の頂面及び底面を含み、これらスペーサ構造体の頂面及び底面は、電極層116のそれぞれ頂端部及び底端部に配置されることができる。さらに別の例として、形成前の電極接合体では、例えば図4Bに示されるように、空隙部126は電極活物質層125とセパレータとの間に存在してもよく、頂面及び底面119a、119bは、電極層116内の電極活物質層125の端面と同一の広がりをもつ。したがって、高さHは、それらの頂面119aと底面119bとの間で測定される寸法である(例えば、図4Bに示されるように)。同様に、一実施形態では、スペーサ構造体が電極層116の周辺部の周りに配置され、電極活物質層125及び空隙部126が周辺のスペーサ構造体(複数可)の内部に配置される(例えば、図5A及び5Cに示されるような)場合などには、頂面及び底面119a、119bは、電極層116のそれぞれ頂端部及び底端部に配置されるスペーサ構造体400の頂面及び底面と同一の広がりをもつ。
【0047】
本明細書の実施形態によれば、電極層116は、積層方向及び高さ方向に直交する方向において、第一端面121aから第二端面121bまで測定される長さLeをさらに有する。角柱状電極接合体の一実施形態を示す図1Aを参照すると、長さLは、電極層116の第一端面121aから第二端面121bまで、Y内の積層方向及び高さ方向Zに直交するX方向に対して平行に測定される寸法であってもよい。角柱状電極接合体の別の実施形態を示す図1Bを参照すると、長さLは、電極層116の第一端面121aから第二端面121bまで、Y内の積層方向及びX方向に直交する、示されるようなZ方向に対して平行に測定される寸法であってもよい。図2A~2Bに示されるような巻回電極接合体の実施形態を参照すると、長さLは、電極接合体106の内側領域200での第一端面121aから外側領域202での第二端面121bまでの巻回電極の渦巻状経路208に沿って測定される、電極層116の全範囲であってもよく、この渦巻状経路の方向Tは、渦巻状経路に沿った各点でZ軸及び積層方向Rに直交している。すなわち、ある特定の実施形態による巻回電極層116の長さLは、Z軸及び積層方向に直交する方向T内の巻回経路内のすべての点に沿って測定される電極層116の全範囲であることができる。
【0048】
一実施形態によれば、長さLは、電極層116の最長寸法、例えば、図1BのX軸に平行である寸法Lに対応することができ、これは、図示されるように、寸法WまたはHよりも大きな範囲を有するため、「最長」の寸法である。例えば図1Aに示されるようなものなど、別の実施形態では、電極層の2つの寸法が等しい場合、長さLは、X方向に沿った寸法であるように選択されることができ、高さHはZ方向に沿って測定されるが、電極層116の側面のサイズが等しい場合、そのような実施形態では、X及びZ方向が交換可能であってもよいことが図1Aからわかることができる。最後に、図2A~2Bに示されるような巻回の実施形態では、最長寸法は、渦巻状経路に沿って方向T内に巻回される寸法に等しい。例えば、図2A~2Bに示されるような巻回電極116が図1A~Bに示されるような平坦化された実施形態に巻き出された場合、方向T内の渦巻状経路に沿った寸法は、X方向に平行な方向において測定される高さ寸法H、またはY軸に平行な方向において(例えば、巻回構成の場合には方向R内で)測定される電極層の幅寸法Wよりも大きい。したがって、ある特定の実施形態における巻回電極116の長さLは、巻回電極接合体106を形成するまで巻回される電極層の寸法に対応する電極の最長寸法を有してもよい。
【0049】
一実施形態によれば、電極層116の第一及び第二端面121a、121bは、これらを使用して電極層116の長さLを規定することができるため、長さ方向Le内の電極層の両方の端部にある電極構造体の幅W内の任意の物理的構造体の表面と同一の広がりをもつ。例えば、形成後の電極接合体では、第一及び第二端面121a、121bは、電極層116内の電極活物質層125の端面を含むことができる。別の例として、一実施形態では、スペーサ構造体が電極層116の周辺部の周りに配置され、電極活物質層125が周辺のスペーサ構造体(複数可)の内部に配置される(例えば、図5Bに示されるような)場合などには、第一及び第二端面121a、bは、スペーサ構造体の端面を含み、これらスペーサ構造体の端面は電極層116のそれぞれ第一及び第二端部に配置されることができる。さらに別の例として、形成前の電極接合体では、例えば図4Aに示されるように、空隙部126は電極活物質層125とセパレータとの間に存在してもよく、第一及び第二端面121a、121bは、電極層116内の電極活物質層125の端面と同一の広がりをもつ。同様に、一実施形態では、スペーサ構造体が電極層116の周辺部の周りに配置され、電極活物質層125及び空隙部126が周辺のスペーサ構造体(複数可)の内部に配置される(例えば、図5Aに示されるような)場合などには、第一及び第二端面121a、121bは、電極層116のそれぞれ第一及び第二端部に配置されるスペーサ構造体の端面と同一の広がりをもつ。
【0050】
さらに別の実施形態によれば、電極集電体114及び/またはセパレータ層130の間に不規則な、または鋸歯状の界面を有する電極層116についての電極層116の幅Wを決定することができる。そのような不規則な界面は、例えば、セパレータ材料及び/または電極集電体材料の部分が電極層116内に延出する場合、例えば図4Cまたは他の構成などに示されるような、セパレータ材料及び/または電極集電体材料の一部分がスペーサ構造体400として機能する場合などに、存在することができる。鋸歯状の、または不規則な界面が存在する、そのような実施形態では、幅Wは、電極層116に隣接する電極集電体114のユニットセル部分と、電極集電体のユニットセル部分から電極層の対向する側面の電極層116に隣接するセパレータ層との間で、電極集電体及び/またはセパレータの表面115a、131aのうちの1つ以上を特定する第一及び第二境界面123a及び123bのうちの1つ以上を設置することによって測定されることができる。すなわち、電極集電体114の第一表面115a、及びセパレータ層130の第一表面131aのうちの1つ以上は、電極集電体層114及び/またはセパレータ層113と電極層116との間の界面を特定する境界面123a、123bに応じて画定されることができる(例えば、図3Bのように)。例えば、一実施形態によれば、電極集電体層114のユニットセル部分の第一表面115aとして設置される第一境界面123aは、(i)第一境界面と、ユニットセルの積層連続体内の第一境界面に平行であり、セパレータ層130から離れる方向における第一境界面の第二側面にある任意の他の平面との内の領域の少なくとも80%が電極集電体材料を含み、(ii)ユニットセルの積層連続体内のセパレータに向けて第一境界面の第一側面の第一境界面に平行な任意の他の平面の領域が電極集電体材料の80%未満を含む、平面として画定されてもよい。すなわち、電極集電体の境界面(第一表面)は、セパレータから電極集電体まで移動する際に、ユニットセル内の積層方向に沿ったその位置に対応するように設置されてもよく、その位置では、平面内で遭遇する材料の少なくとも80%は、積層方向に直交する方向では、集電体材料である。理解されることができるように、さらなる実施形態では、境界面(第一表面)は、要件(i)では少なくとも90%の領域(複数可)が集電体材料である、及び/または少なくとも95%の領域(複数可)が集電体材料である、及び/または少なくとも98%の領域(複数可)が集電体材料である場合に設置されることができる。したがって、集電体層114と電極層116との間の界面が比較的平らである、及び/または滑らかである場合、第一表面115aが境界面に等しいことがわかることが可能であってもよく、この境界面内の100%の材料が電極集電体であるが、セパレータ層に向かう境界面の第一側面のいかなる平面も境界面内に電極集電体をほとんど、またはまったく含まない。すなわち、本明細書の実施形態によれば、本明細書で画定される境界面は、電極集電体と電極層116との間の界面が比較的鋸歯状である、及び/または不均一である構造体だけでなく、界面がより明確に画定される構造体に対して設置されることができる。
【0051】
同様に、セパレータ130の第一表面131aとして設置される第二境界面123bは、平面であってもよく、その場合(i)第二境界面と、ユニットセルの積層連続体内の第二境界面に平行であり、ユニットセル内の電極集電体114から離れる方向における第二境界面の第一側面にある任意の他の平面との内の少なくとも80%の領域はセパレータ材料を含み、(ii)ユニットセルの積層連続体内の電極集電体114に向かう第二境界面の第二側面の第二境界面に平行な任意の他の平面の領域は80%未満のセパレータ材料を含む、すなわち、セパレータ層の境界面(第一表面)は、電極集電体からセパレータまで移動する際に、ユニットセル内の積層方向に沿ったその位置に対応するように設置されてもよく、その位置では、積層方向に直交する方向に沿ってその平面内で遭遇する材料の少なくとも80%はセパレータ材料である。理解されることができるように、さらなる実施形態では、境界面(第一表面)は、要件(i)では少なくとも90%の領域(複数可)がセパレータ材料である、及び/または少なくとも95%の領域(複数可)が電流セパレータ材料である、及び/または少なくとも98%の領域(複数可)がセパレータ材料である場合に設置されることができる。したがって、セパレータ層130と電極層116との間の界面が比較的平らである、及び/または滑らかである場合、第一表面131aが境界面に等しいことがわかることが可能であってもよく、この境界面内の100%の材料がセパレータ材料であるが、電極集電体層に向かう境界面の第二側面のいかなる平面も境界面内にセパレータ材料をほとんど、またはまったく含まない。すなわち、本明細書の実施形態によれば、本明細書で画定される境界面は、セパレータ層130と電極層116との間の界面が比較的鋸歯状である、及び/または不均一である構造体だけでなく、界面がより明確に画定される構造体に対して設置されることができる。
【0052】
さらに、ある特定の実施形態によれば、図3Bに示される第一及び第二境界面123a、123bはデカルト座標(X、Y及びZ)に沿った寸法を有する平面であるが、積層方向に沿ったユニットセル内の表面間の界面を描く境界面123a、123bが湾曲した境界面、または他の形状を有する境界面をも含んでもよいことが理解されることができる。例えば、図2A及び2B、ならびに図11A及11Bの巻回電極接合体を参照すると、第一及び第二境界面は、電極層116の渦巻状巻回部に概して対応する湾曲した形状を有してもよい。ある特定の実施形態によれば、電極層116の幅Wは、電極集電体のユニットセル部分の第一及び第二境界面123a、bと、積層連続体内のセパレータ層130との間の距離として測定されることができる。さらに別の実施形態によれば、電極集電体114及びセパレータの第一及び第二表面115a、131aが比較的滑らかである、及び/または容易に特定可能である場合、この幅Wは、表面115aと表面131aとの間の距離に単純に等しくてもよい。さらに別の実施形態によれば、幅Wは、比較的不規則な形状を有する電極集電体及び/またはセパレータに設置される第一及び/または第二境界面のうちの1つ以上と、比較的滑らかである、及び/または容易に特定可能である電極集電体及び/またはセパレータのうちのその他のものの表面との間の幅であってもよい。すなわち、幅Wは、電極集電体の表面と、セパレータの表面との間の寸法の範囲であることが理解されることができ、これらの表面は、構造体間の容易に特定可能な界面の表面、及び/またはその表面に対応するように設置される境界面のいずれかとして設置され、上記の基準を満たす。
【0053】
一実施形態によれば、電極層116は容積Veを有し、この容積Veは、電極集電体114のユニットセル部分、セパレータ層130、電極層116の頂面119a、電極層116の底面119b、電極層116の第一端面121a、及び電極層121aの第二表面121aによって境界が定められる。例えば、図3A及び3Bを参照すると、容積Veは、第一及び第二端面121a、121bの間で測定される電極層Lの長さに、頂面119aと底面119bとの間で測定される電極層116の高さHを乗算し、電極集電体層114のユニットセル部分の第一表面115aとセパレータ層130の第一表面131aとの間で測定される幅Wを乗算するものとして計算される。また、幅Wは、第一境界面123aと第二境界面123bとの間の距離を決定することによって測定されてもよく、これら第一境界面123a及び第二境界面123bは、本明細書で論じられるように、電極集電体層1124のユニットセル部分の第一表面115a、及びセパレータ層の第一表面131aとして設置される。
【0054】
図9を参照すると、一実施形態によれば、電極層116の容積Veは、電極層が幅寸法Weに直交する寸法内の不規則または不均一な形状を有する場合でさえ計算されることができる。例えば、図9に示されるように、電極層116は、積層方向Yに沿って見えるように、X-Z平面内に見え、寸法Hは、電極層116の長さLに沿って変化することがわかることができる。同様に、他の実施形態では、寸法Lは、電極層116の高さHに沿って変化することができ、他の両方の寸法L及び/またはHは、互いの関数として、及び/または幅Weの関数として変化してもよい。したがって、ある特定の実施形態では、容積を決定するために、電極層116の容積の積分を計算して、容積Veを決定することができる。電極層116の容積の積分は、当業者によって理解されるような適切な数学的方法に従って計算されることができる。そのような容積の積分の計算の一例として、幅Wは、電極集電体のユニットセル部分及びユニットセル内のセパレータの第一及び第二境界面123a、123bを決定する(例えば、これらの構造体の表面で)ことによって設定されることができ、次に、第一端面と第二端面との間の距離(長さL)、及び頂面と底面との間の距離(高さH)を使用して、次式に従って電極層の容積を計算することができる。
【0055】
容積=∫H(l)×W(l)×dl(L=0からL=Lにわたって積分する)
【0056】
電極集電体のユニットセル部分、セパレータ層、電極層の頂面、電極層の底面、電極層の第一表面、及び電極層の第二表面によって境界が定められる、電極層116の容積を決定する他の手段も使用することができる。例えば、一実施形態では、X、Y及びZに沿ったさまざまな異なる点での複数の断面を、X-Y、Y-Z及びX-Zの平面に沿ってとることができ、これらの平面を使用して三次元モデルを構築することができ、この三次元モデルは、電極層の総容積Vを計算する計算技術を使用して、電極層の3D構造を厳密に近似する。
【0057】
実施形態では、図3A~3C及び図4~6に示されるように、電極層116は、その中に配置されるスペーサ構造体400の集団を含む。一実施形態では、スペーサ構造体400の集団は、二次電池を形成するために実行される形成プロセスの前に、電極材料をセパレータ層130から物理的に離隔する、電極層116の一部として設けられてもよい。したがって、スペーサ400の集団は、層116内の電極材料とセパレータ130との間に空隙部の存在を可能にし、電極材料などの電極接合体106の構成要素の膨張をもたらす可能性がある形成プロセス中に生じる可能性がある、あらゆる応力を低下させることができる。例えば、図5Aに描かれる実施形態に示されるように、電極層116は、電極層116の幅Wに少なくとも部分的に沿って延在する電極活物質層125、及び電極層116の残りを占める空隙部126を含むことができる。例えば、空隙部126は、電極接合体106が、電極接合体106を含む二次電池を充電させる、及び/または形成するための形成プロセスを実行する前の、形成前の段階である場合に設けられてもよい。別の実施形態では、図5Bに示されるように、形成プロセスを実行した後の形成後の段階では、電極接合体106は、形成段階中に膨張して電極層116の幅Wに沿ってさらに拡張し、さらにはセパレータ層130との界面まで及ぶ可能性がある電極活物質層125を含む。
【0058】
一実施形態では、スペーサ構造体の集団は、複数のスペーサ構造体を含み、これら複数のスペーサ構造体は、電極層116内で、積層方向に直交する電極層の方向に沿って配置される。例えば、図3Cに示される実施形態では、複数のスペーサ構造体は、ある特定の実施形態では電極層116の最長寸法であってもよい、電極層116の長さLに対応する方向(例えば、X方向)に沿って配置される。さらに別の例として、図11Aに描かれる実施形態に示されるように、スペーサ構造体400の集団は、ある特定の実施形態では電極層の最長寸法に対応してもよい、巻回電極116の渦巻状経路の方向Tに沿ったさまざまな点に配置されてもよい。さらに別の実施形態によれば、電極層116内のスペーサ構造体400の集団は、例えば図8Bに描かれる実施形態に示されるように、電極層の周辺部404に少なくとも部分的に沿って延在する単一のスペーサ構造体などの単一のスペーサ構造体400のみを含むことができる。スペーサ構造体の集団は、図6に描かれる実施形態に示されるように、電極層116とセパレータ層130との界面で、及び/またはその界面に隣接して、例えば、セパレータ層130の表面131aで、及び/またはその表面に隣接して、電極層116に沿って配置されることができる。図6に示される実施形態では、スペーサ構造体400の集団の部材は、電極層の幅Wを部分的にのみ通って電極活物質層125まで延在する。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、電極層116と電極集電体114のユニットセル部分との界面で、及び/またはその界面に隣接して、例えば、電極集電体114のユニットセル部分の表面115aで、及び/またはその表面に隣接して、電極層116に沿って配置されることができる、及び/または図5Aに描かれる実施形態に示されるように、電極層116と電極集電体114のユニットセル部分との界面と、セパレータ層130との間の電極層116の幅Wに沿って延在することができる。
【0059】
さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団の部材は、セパレータ層130の表面131aから電極集電体のユニットセル部分の表面115aまで(例えば、電極層116の幅Wを実質的に横切って)延在するその第一部分410a、及び電極集電体114のユニットセル部分に隣接して配置される電極活物質層126の表面127と同一平面にある位置まで、電極層116の幅Wを部分的にのみ横切って延在するその第二部分410bを有する(図5Dなどを参照する)部材を含むことができる。すなわち、同じスペーサ構造体の部材は、電極層116の幅Wに沿った異なる点で終端する、XまたはZ方向に沿った異なる部分などの異なる部分410a、410bを有してもよい。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体の集団の1つ以上の部材は、第一及び第二スペーサ材料を任意選択で有する、第一及び第二セグメント410c、410dを含んでもよい。例えば、図5Dを再度参照すると、一実施形態では、1つ以上のスペーサ構造体400は、集電体の表面115aから、電極活物質層の表面127と同一平面上にある電極層のWに沿った位置まで延在する構造体の区間内に第一セグメント410c、及び電極活物質層の表面127と同一平面上にある電極層のWに沿った位置から、セパレータ層130の表面131aまで延在する第二セグメント410dを含むことができる。第一及び第二セグメント410c、410dは、例えば、別々に製造されるが、同じスペーサ材料を含むスペーサ構造体400の異なるセグメントであってもよい、及び/または第一及び第二スペーサ材料を各含む第一及び第二セグメントを含んでもよく、これら第一及び第二スペーサ材料はそれぞれ互いに異なる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体400は、第一及び第二部分410a、b、ならびに第一及び第二セグメント410c、dの組み合わせを含むことができる。
【0060】
ある特定の実施形態では、電極活物質層125は、形成段階中に膨張して、形成前の段階に残された空隙部126を実質的に完全に充填することができる。他の実施形態では、形成プロセス中に、電極活物質層125は空隙部を部分的にのみ充填するように膨張することにより、形成後に、少なくともいくらかの残りの空隙部126は電極層116に残ったままになる。そのような部分的な充填は、例えば、電極活物質、または電極接合体を含む二次電池のサイクル中に発生することができる他の物質のさらなるあらゆる膨張に対応するのに有利であることができる。ある特定の実施形態によれば、形成前及び/または形成後のいずれかの電極活物質層125は、多孔質層をさらに含むことができることにより、二次電池102の形成前及び/または形成後のいずれかに、電極活物質層125自体は、スペーサ400があることで与えられるあらゆる空隙部から独立した空隙部を含むことができる。例えば、一実施形態では、電極活物質層125(形成前または形成後の段階では)は、電極活物質層125の容積あたりの空隙部の容積のパーセントとして測定される、少なくとも10%、少なくとも25%、及び/または少なくとも50%の空隙部を含むことができ、通常、電極活物質層の容積の約10%から70%の範囲内の空隙部など、70%未満の空隙部、例えば、60%未満の空隙部、50%未満の空隙部、及び/または25%未満の空隙部などを含んでもよい。したがって、電極活物質層125自体に含まれる任意の空隙部を含むことにより、一実施形態では、形成後の段階中の電極層116は、電極層の総容積Vのパーセンテージとして60%未満の空隙部、例えば、50%未満の空隙部、40%未満、30%未満、20%未満、及び/またはさらには約10%以下の空隙部などを電極層116の総容積Vのパーセンテージとして含む。別の実施形態では、形成前の段階中の電極層は、少なくとも40%の空隙部を電極層の総容積のパーセンテージとして、例えば、少なくとも50%の空隙部、少なくとも60%の空隙部、少なくとも75%の空隙部、及び/または少なくとも90%の空隙部を電極層の総容積のパーセンテージとして含む。すなわち、形成前の段階では、電極層の空隙部は最大90%であってもよく、または90%に等しくてもよく、形成後の段階では、わずか10%ほどまで低下してもよい。
【0061】
一実施形態では、スペーサ構造体400の集団は、電極活物質層125内の電極活物質以外の材料を含む。例えば、一実施形態では、スペーサ構造体400の集団は、二次電池を形成するために実行される形成プロセス中、及び/または二次電池の充電サイクル中に容積が実質的に増加しない材料を含むことができる。別の例として、スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含むことができ、このスペーサ材料の容積は、形成及び/または充電サイクル中に増加するが、二次電池の形成プロセス中に、及び/または二次電池のサイクル中に発生する電極活物質の1モルあたりの容積のあらゆる増加よりもスペーサ材料の1モルあたりの量が少なくなることによって増加する。例えば、一実施形態では、スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含むことができ、このスペーサ材料は、電極接合体106を含む二次電池102を放電状態から充電状態まで充電させると、1モルのスペーサ材料あたり1モル未満のキャリアイオンというキャリアイオンを許容する容量を有することができる。したがって、スペーサ材料は、例えば、二次電池を放電状態から充電状態まで充電させると、1モルの電極活物質あたり1モル超のキャリアイオンを許容する容量を電極活物質の層が有する場合などには、電極層で使用される電極活物質よりも少ない膨張を示すことができる。二次電池の充電状態は二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、放電状態は二次電池の定格容量の25%未満である。一実施形態では、スペーサ構造体400の集団は、セパレータ層内で使用するのに適している材料、及び/または本明細書の他の箇所に記載されているいずれかのような、電極及び/または対電極の材料として使用するのに適している材料のうちのいずれか1つ以上を含む。別の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、本明細書の他の箇所に記載されている任意の電極活物質などの電極活物質を含むことができる。一実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、二次電池102内で起こる電気化学反応における不活性及び/または非反応性など、電池環境中の動作及び貯蔵における相対的に不活性及び/または非反応性である材料を含む。例えば、一実施形態では、スペーサ構造体の集団は、セパレータ層130に適している、本明細書の他の箇所に記載されているポリマー材料のいずれかなどのポリマー材料を含むことができる。一実施形態では、スペーサ構造体400の集団は、非多孔質スペーサ材料を含むことができる。別の実施形態では、スペーサ構造体400の集団は、多孔質スペーサ材料を含むことができ、例えば、スペーサ構造体400の集団は、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、さらには少なくとも90%の構造体に対する空隙率を与える多孔質スペーサ材料を含むことができる。一実施形態では、スペーサ構造体400の集団は、二次電池102の形成プロセス中に、及び/または二次電池102のサイクルを繰り返している間に、所定のサイズ及び形状を実質的に維持している際など、二次電池の形成プロセス中に、及び/または二次電池のサイクルを繰り返している間に、加えられる可能性のある圧力に耐えるのに十分な力学的強度を与えることができるスペーサ材料を含む。
【0062】
さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、導電率が比較的低いスペーサ材料を含むことができることにより、電極層内のスペーサ構造体400のすべての全体的な導電性は、電極集電体層及び対電極集電体のいずれかの、及び/または両方のその導電性よりも低く、さらには電極層116内の電極活物質の合計の導電性よりも低くてもよい。例えば、一実施形態によれば、電極層内の電極活物質の導電性と、電極層内のスペーサ集団のすべての部材の合計の導電性との比は、少なくとも2:1、少なくとも5:1、及び/または少なくとも50:1である。
【0063】
一実施形態では、スペーサ構造体の集団は、セパレータ層130の材料と同じ材料であるスペーサ材料を含むことができる。例えば、一実施形態では、電極層の幅に画定されるWに少なくとも部分的に沿って、セパレータ層130から(例えば、セパレータ層に画定される第二境界面123bから)延出する1つ以上のスペーサ構造体が設けられることができる。さらに別の実施形態では、スペーサ構造体の集団は、電極集電体層の材料と同じ材料であるスペーサ材料を含むことができる。例えば、一実施形態では、電極層116の幅に画定されるWに少なくとも部分的に沿って、集電体層114のユニットセル部分から(例えば、集電体層のユニットセル部分に画定される第一境界面123aから)延出するスペーサ構造体が設けられることができる。一実施形態では、セパレータ材料を含むスペーサ構造体は、セパレータ層とのユニット単位の部品として製造されることができる、またはセパレータ構造体は、セパレータ層とは別に形成され、電極層116内に設けられてもよい。さらに別の実施形態では、スペーサ構造体の集団は、電極活物質のものと同じスペーサ材料を含むことができる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、それが電極活物質層125の電極活物質と同じでなくても、電極活物質として作用する容量(例えば、キャリアイオンを許容する容量)を有するスペーサ材料を含むことができる。一実施形態では、スペーサ材料は、リチウムスペーサ構造体の(例えば、リチウムシート電極を含むリチウム二次電池用の)酸化チタンリチウム、グラフェン、スズ、ゲルマニウム、及び遷移金属の酸化物類だけでなく、それらの硫化物類、リン化物類、及び窒化物類のうちの1つ以上を含む、本明細書の他の箇所に記載されている、いずれかの電極活物質を含むことができる。
【0064】
ある特定の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団が電極層116の容積Vの約0.1%から約35%の範囲内にある電極層116内の総容積を占めるような構成及び分布で、スペーサ構造体400の集団は電極層116内に設けられる。すなわち、ある特定の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、形成前の電極接合体内に空隙部126を与えるのに十分な総容積を電極層116内に含む。さらに、ある特定の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、形成後のいかなるスペーサ構造体の存在も二次電池の充電状態と放電状態との間のサイクルに著しく悪影響を及ぼさないように十分に小さい総容積を電極層116内に含む。したがって、一実施形態では、スペーサ構造体の集団は、電極層の容積Vの少なくとも0.1%、例えば、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、及び/または少なくとも1%などである総容積を電極層内で占める。別の実施形態では、スペーサ構造体の集団は、電極層の容積Vの35%未満、例えば、25%未満、10%未満、5%未満、及び/または2%未満などである総容積を電極層116内で占める。例えば、スペーサ構造体の集団は、電極層の容積Vの0.25%から25%の範囲、例えば、電極層の容積Vの0.5%から10%の範囲などの内にある総容積を電極層116内で占めることができる。
【0065】
別の実施形態によれば、電極層116の総容積Vのパーセントとしての固体電極活物質層125の容積は、電極活物質層の成長及び/または膨張のために、形成プロセスに次いで増加する。一実施形態によれば、電極層116は、形成プロセス前の第一容積の固体電極活物質、及び第一容積よりも大きい形成プロセス後の第二容積の固体電極活物質を含む。すなわち、ある特定の実施形態によれば、形成プロセスを実行して、電極層内の固体電極活物質の容積を、電極層内の固体電極活物質の第一容積よりも少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、及び/または少なくとも100%大きい第二容積まで増加させることができる。さらに、固体電極活物質の容積における増加は起こることができるが、形成前のユニットセルの幅WUCと比較した、形成後に示されるユニットセルの幅WUCにおける変化が、いくつかの実施形態では、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、及び/または0.1%未満であり得る、及び/または形成前及び形成後の両方のユニットセルの幅WUCが実質的に同じであり得るため、ユニットセル500の幅は形成プロセス中に実質的に変化しない。
【0066】
さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は電極層116内に分布する、及び/または設けられることにより、この集団の少なくとも1つの部材は、(i)電極層116の容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)集電体114のユニットセル部分、(bb)セパレータ層130、(cc)電極層の頂面、(dd)電極層の底面、(ee)電極層の第一端面、及び(ff)電極層の第二端面によってすべての側面に境界が接している、電極層116の各副容積内に位置している。電極層116の総容積Vにおける副容積SVは、当業者によって理解されるように、適切な数学的方法によって計算されることができる。図10を参照すると、一例によれば、副容積SVは、以下の式に従って、電極層116の長さLに沿った任意の2点間で計算されることができる。
【0067】
副容積SV=∫H(l)×W(l)×dl
(L=LからL=Lにわたって積分する)
【0068】
したがって、電極層116の総容積Vの10%以上に相当する上記で規定された任意の副容積について、電極層116内に分布するスペーサ構造体の集団は、この集団の少なくとも1つの部材が副容積内に位置しているようにある。一実施形態によれば、スペーサ構造体は、積層方向(幅方向W)内の電極接合体内のユニットセル構造体に十分な支持をもたらす分布で、電極層116内に分布することにより、電極接合体内のユニットセル構造体の完全性は維持されることができる。一実施形態によれば、スペーサ構造体は、電極接合体の積層連続体内のユニットセルの崩壊または不具合につながる可能性がある、過度に大きなギャップまたは空隙部にならないように、十分な構造上の支持を提供するように分布する。一実施形態では、スペーサ構造体の集団は、少なくとも1つの部材が電極層の容積Vの少なくとも20%を有する電極接合体の各副容積内に、さらには電極層の容積Vの少なくとも10%を有する電極接合体の各副容積内に、例えば、電極層の容積Vの少なくとも5%を有する電極接合体の各副容積内などに位置しているように分布する。
【0069】
図4A~7Cを参照すると、スペーサ層の集団を含む、電極接合体のユニットセル500のさまざまな実施形態が示される。図4Aを参照すると、ユニットセル500の断面は、図3B~3Cの実施形態に示されるような、電極接合体のユニットセル500のX-Y平面に沿って取られたものとして示される。この実施形態では、ユニットセルは、積層方向(Y軸に平行な)内の電極集電体114のユニットセル部分と対電極集電体118のユニットセル部分との間で測定される幅WUCを有する。電極層116は、電極集電体に隣接して配置される電極活物質層125、及び電極活物質層125とセパレータの表面との間の空隙部126を含み、示されるように、そして本明細書の他の箇所に議論されるように、電極層の幅Wが電極集電体114とセパレータとの間に画定され、電極活物質層125及び空隙部126の両方は、電極層116の幅W内に含まれる。一実施形態によれば、ユニットセル500は、ユニットセル500を含む二次電池を完全に形成する形成プロセスを実行する前の形成前の段階にあってもよいが、形成後の段階の同じユニットセル500は、空隙部126のかなり大きな部分、さらには実質的にすべてを充填する電極活物質層125を含むことができる。さらに、示されるように、断面は、スペーサが存在しないZ内の位置でX-Y平面に対して取られるが、三次元の完全なユニットセルは、Zに沿った他の平面内にスペーサ構造体を含む。電極層116は、電極活物質層125の端部を有する、第一及び第二端面121a、121bを含む。
【0070】
図4Bを参照すると、ユニットセル500の断面は、図3B~3Cに示されるような実施形態など、電極接合体106のユニットセル500のY-Z平面に沿って取られたものとして示される。この実施形態では、ユニットセルは、積層方向(Y軸に平行な)内の電極集電体114のユニットセル部分と対電極集電体118のユニットセル部分との間で測定される幅WUCを有する。電極層116は、電極集電体に隣接して配置される電極活物質層125、及び電極活物質層125とセパレータの表面との間の空隙部126を含み、示されるように、そして本明細書の他の箇所に議論されるように、電極層の幅Wが電極集電体114とセパレータとの間に画定され、電極活物質層125及び空隙部126の両方は、電極層116の幅W内に含まれる。一実施形態によれば、ユニットセル500は、ユニットセル500を含む二次電池を完全に形成する形成プロセスを実行する前の形成前の段階にあってもよいが、形成後の段階の同じユニットセル500は、空隙部126のかなり大きな部分、さらには空隙部126の実質的にすべてを充填する電極活物質層125を含むことができる。さらに、示されるように、断面は、スペーサが存在しないX内の位置でY-Z平面に対して取られるが、三次元の完全なユニットセルは、Zに沿った他の平面内にスペーサ構造体を含むことができる。電極層116は、電極活物質層125の端部を有する、頂面及び底面119a、119bを含む。
【0071】
図5Aを参照すると、ユニットセル500の別の実施形態の断面は、スペーサ構造体400を見ることができるZ内の位置で、Y-Z平面に沿って取られたものとして示される。この実施形態では、ユニットセルは、積層方向(Y軸に平行な)内の電極集電体114のユニットセル部分と対電極集電体118のユニットセル部分との間で測定される幅WUCを有する。電極層116の断面は、電極集電体に隣接して配置される電極活物質層125、電極活物質層125のいずれかの側面のスペーサ構造体400、及び電極活物質層125とセパレータ130の表面131aとの間の空隙部126を含む。電極層の幅Wは、示されるように、そして本明細書の他の箇所に議論されるように、電極集電体114とセパレータ130との間に画定されることができ、電極活物質層125、スペーサ構造体400、及び空隙部126は、電極層116の幅W内に含まれる。一実施形態によれば、ユニットセル500は、ユニットセル500を含む二次電池を完全に形成する形成プロセスを実行する前の形成前の段階にあってもよいが、形成後の段階の同じユニットセル500は、空隙部126のかなり大きな部分、さらには空隙部126の実質的に全部を充填する電極活物質層125を含むことができる。2つのスペーサ構造体400は、電極活物質層125のいずれかの端部に配置され、電極集電体のユニットセル部分から幅Wに沿ってセパレータ130まで延在する。さらに、示されるように、断面は、スペーサが存在するZ内の位置でY-X平面に対して取られ、三次元の完全なユニットセルは、所望の間隔特性に従って、Zに沿った他の平面内にさらなるスペーサ構造体を含むことができる。電極層116は、第一及び第二端面121a、121bを含み、これら第一及び第二端面121a、121bは、示されるような実施形態では、長さ寸法内のそれぞれのスペーサ構造体のそれぞれの端部を含み、電極層116の長さ寸法Lを画定する。図5Bは、電極活物質層125が少なくとも部分的に、さらには実質的に完全に空隙部126を充填するまで膨張した形成プロセスに続く、形成後の段階にある、図5Aのユニットセルを示す一実施形態である。
【0072】
図5Cは、Y-Z平面で取られた断面内で、スペーサ構造体400を見ることができるX内の位置にある、図5Aのユニットセルを示す。この実施形態では、ユニットセルは、積層方向(Y軸に平行な)内の電極集電体114のユニットセル部分と対電極集電体118のユニットセル部分との間で測定される幅WUCを有する。電極層116の断面は、スペーサ構造体400を含み、示されるように、そして本明細書の他の箇所に議論されるように、電極層の幅Wが電極集電体114とセパレータとの間に画定され、このスペーサ構造体400は、電極層116の幅W内に含まれる。電極層116は、頂面及び底面119a、119bを含み、これらは、示される実施形態では、高さ寸法(Z軸に平行な)のスペーサ構造体400のそれぞれの頂端部及び底端部を含み、電極層116の高さHを画定する。さらなる実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、例えば、図8A、8C及び図8E~8Hに描かれる実施形態に示されるように、長さL及び/または高さHに沿って配置される複数の構造体400を含むことができる、及び/または電極層116の長さL及び/または高さHを実質的に横切って延在する1つ以上のスペーサ構造体400を含むことができる。
【0073】
図6は、Y-X平面で取られた断面中で、Z内の位置でのスペーサ構造体400を含むユニットセルのさらに別の実施形態を示し、Z内の位置では、スペーサ構造体400が見え、長さ方向における電極層116の周辺部に位置しており、電極活物質層125の内面127から延出することができる。この実施形態では、ユニットセルは、積層方向(Y軸に平行な)内の電極集電体114のユニットセル部分と対電極集電体118のユニットセル部分との間で測定される幅WUCを有する。電極層116の断面は、スペーサ構造体400を電極活物質層125のいずれかの側面に含み、示されるように、そして本明細書の他の箇所に議論されるように、電極層の幅Wが電極集電体114とセパレータとの間に画定され、電極層116の幅W内には、電極活物質層125、空隙部126及びスペーサ構造体400が含まれる。電極層116は、第一及び第二端面121a、121bを含み、これら第一及び第二端面121a、121bは、示される実施形態では、電極活物質層125の端面、及び長さ寸法で(X軸に沿って)隣接するスペーサ構造体400の端面を含み、スペーサ構造体400及び電極活物質層116を含む電極層116の長さLを画定する。図5Aに示される実施形態と比較して、図6に示されるようなスペーサ構造体400は、セパレータとの界面から、電極層の幅Wの途中までしか延出しない。一実施形態によれば、形成前の段階では、スペーサ構造体400は、電極活物質層125の表面127からセパレータ層130の表面131まで延在する。形成後の段階では、電極活物質が膨張して形成前の空隙部126を少なくとも部分的に充填する一実施形態では、スペーサ構造体は、幅寸法Wに沿った電極活物質層を少なくとも部分的に通ってセパレータ層130の表面131aから延出してもよい。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体400は、電極集電体114の表面115aから、幅寸法Wに沿って電極活物質層を少なくとも部分的に通って延出してもよい。一実施形態によれば、スペーサ構造体の集団の部材は、電極集電体及びセパレータ層の対向する表面間の、電極層の幅寸法W全体(幅Wの100%)にわたって、または電極層の幅Wの少なくとも75%、少なくとも85%、及び/または少なくとも90%にわたってさえ延在する。別の実施形態によれば、電極層116内のスペーサ構造体400の中央値の範囲は、例えば、セパレータ層130から電極集電体114に向かって、またはその逆に測定されるような、電極層116の幅Wの60%未満、50%未満、40%未満、25%未満、及び/または15%未満であってもよい。一実施形態では、電極層116内のスペーサ構造体の集団の部材の中央値の範囲は、例えば、セパレータ層130から電極集電体114に向かって、またはその逆に測定されるような、電極層の幅Wの少なくとも2%、少なくとも3%、及び/または少なくとも5%であってもよい。別の実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、電極層116の幅寸法Wに部分的にのみ沿って延在するスペーサ構造体と、幅寸法Wに完全に沿って延在するスペーサ構造体の組み合わせ(例えば、図5A及び6に示されるスペーサ構造体の組み合わせ)を含むことができる。他の適切なスペーサ構造体の構成及び配置もまた提供されることができる。
【0074】
図7A~7Cは、二次電池102の電極接合体106とともに使用するのに適したスペーサ構造体400のさらなる実施形態を示す。図7Aに示される実施形態では、共通の電極集電体114を共有する2つの隣接するユニットセル500a、500bの部分が示される。示される実施形態では、電極集電体114は、電極集電体(第一ユニットセル500a内の)の第一側面に配置される第一電極層116a、及び電極集電体(第二ユニットセル500b内の)の対向する第二側面に第二電極層116bを備える。第一電極層116は、第一ユニットセル500aについて、電極活物質層の第一層125a、及び電極活物質の第一層125aとセパレータ130との間の第一空隙部126aを含み、スペーサ構造体400は、電極集電体114の第一ユニットセル部分から、積層方向におけるセパレータに向かって、そして第一電極活物質層125aの周辺部の周りに延出する。第二電極層116bは、第二ユニットセル500bについて、電極活物質層の第二層125b、及び電極活物質の第二層125bとセパレータ130との間の第二空隙部126bを含み、スペーサ構造体400は、電極集電体114の第二ユニットセル部分から、積層方向におけるセパレータに向かって、そして第二電極活物質層125bの周辺部の周りに延出する。示される実施形態は、形成前の電極接合体106が空隙部126a、126bを有することを示すが、形成後の電極接合体の実施形態では、電極活物質は、セパレータに向かって膨張することができ、空隙部を実質的に充填することができる。
【0075】
同様に、図7Bは、隣接するユニットセル500a、500bが共通の電極集電体114を共有し、スペーサ構造体400が隣接するユニットセル500a、500bの第一及び第二電極層116a、116b内に設けられている、一実施形態を示す。第一電極層116aは、第一ユニットセル500aについて、電極活物質層の第一層125a、及び電極活物質の第一層125aとセパレータ130との間の第一空隙部126aを含む。スペーサ構造体400は、第一電極活物質層125の第一内面127aから積層方向におけるセパレータに向かって延出し、第一内面の周縁部に位置している。第二電極層116bは、第二ユニットセル500bについて、電極活物質層の第二層125b、及び電極活物質の第二層125bとセパレータ130との間の第二空隙部126bを含む。スペーサ構造体400は、第二電極活物質層125bの第二内面127bから積層方向におけるセパレータ130に向かって延出し、第二内面127bの周縁部に位置している。示される実施形態によれば、スペーサ構造体400は、セパレータ130から電極集電体114のユニットセル部分まで、電極層116の幅Wに部分的にのみ沿って延在する。
【0076】
図7A及び7Bに示される実施形態によれば、隣接する第一及び第二ユニットセル500a、500bは、その第一及び第二電極層116a、116b内に、例えば、電極集電体114を共有する隣接するユニットセルなどの内に配置されるスペーサ構造体400を含むことができる。同様に、図2A及び2Bに示されるような巻回構造体では、スペーサ構造体400は、積層方向R内の電極構造体の隣接する巻回部内に設けられてもよい。ただし、他の実施形態では、スペーサ構造体400は、電極接合体の積層方向に沿った積層連続体の交互ユニットセル(例えば、すべての他のユニットセル)内に、または複数のある特定のユニットセル及び/または1つのある特定のユニットセルのみの内に設けられてもよい。さらに別の実施形態では、スペーサ構造体400は、それらが積層方向において互いにアライメントされるように配置されてもよい。例えば、図7Aに示される実施形態では、第一ユニットセル500aの第一電極層116a内のスペーサが第二ユニットセル500bの第二電極層116b内のスペーサと積層方向(Y方向)内でアライメントされるように、スペーサ構造体400はアライメントされる。そのような間隔は、例えば、積層方向に沿ったユニットセル内に実質的に均一な空隙部を設けるのに有利であることができる。同様に、図11Aを参照すると、スペーサの位置は、スペーサの少なくともいくつかが積層方向Rに沿って互いにアライメントされるように配列されてもよい。また、図7A及び7Bでは、スペーサ400が電極層116の周辺部に向けて位置しているように示されるが、スペーサが電極層116内のより中央に配置されてもよい、及び/または電極層116の周辺部で内側領域に沿って位置していてもよい。
【0077】
図7Cは、隣接する第一及び第二ユニットセル500a、500bのさらに別の実施形態を示し、これらは、その電極層116内に配置されるスペーサ構造体400を含む。図7Cの実施形態は、第一及び第二電極層116a、116bがそれぞれ、スペーサ構造体400が周辺に位置している電極活物質層125a、125bを含み、隣接する第一及び第二ユニットセル500が電極集電体400を共有するという点で、図7Aの実施形態と同様である。ただし、図7Cに示される実施形態では、スペーサ構造体400は、両方のユニットセル500a、500bによって共有される電極集電体114内に形成されるアパーチャを通って延在することにより、スペーサ構造体400の同じ集団は、第一及び第二ユニットセル500a、500bの両方の内に延在する。
【0078】
さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団を1つ以上の電極層116内だけでなく、1つ以上の対電極層118内にも設けることなどによって、スペーサ構造体400の集団を、電極構造体110と対電極構造体112の両方の一部として電極接合体106内に設けてもよい。例えば、スペーサ構造体400の第一集団は、電極接合体内の電極層116内に設けられることができ、スペーサ構造体400の第二集団は、電極接合体の対電極層120内に設けられることができ、それらのような層は、電極接合体内の同じユニットセルのもの、及び/または異なるユニットセル内のものである。ある特定の実施形態によれば、1つ以上の対電極層120内に設けられるスペーサ構造体400の集団は、例えば、図3A~3C、図4A~4C、図5A~5D、図6図7A~7C、図8A~8H、図9~10及び図11A~11Bのいずれかなどに、電極層116に関して本明細書の他の箇所に記載される任意のものに対応する、構成及び/または配置で設けられることができる。すなわち、電極層116内のスペーサ構造体400の集団について本明細書の他の箇所で説明される配置及び/または構成は、ある特定の実施形態では、対電極層内のスペーサ構造体の集団に適していてもよく、対電極層120、対電極活物質、及び/または対電極集電体118は、本明細書のその他の箇所に記載される電極層116、電極活物質、及び/または電極集電体114の代わりに用いられる。
【0079】
一実施形態では、電極層及び対電極層の両方の内にスペーサ構造体の第一及び第二集団を設けることは、例えば、形成プロセス中に、及び/または電極及び対電極の活物質を含む二次電池の充電状態と放電状態との間のサイクル中などに、電極活物質及び対電極活物質の両方が膨張及び/または収縮を受ける場合には、有利であることがある。一実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、二次電池の充電中に膨張する電極活物質、及び二次電池の放電中に膨張する対電極活物質を含む構成に設けられてもよい、及び/または電極活物質及び対電極活物質の両方は二次電池の充電時に膨張してもよい、及び/または両方は二次電池の放電時に膨張してもよい。さらに別の実施形態によれば、そのうえ、電極活物質及び/または対電極活物質のうちの1つ以上は、二次電池の充電及び/または放電時に収縮してもよい。一実施形態では、電極活物質及び対電極活物質(同じまたは異なる大きさの膨張を有する)の両方は、充電プロセス及び/または放電プロセス中に、互いに膨張し、収縮してもよい。一実施形態では、スペーサ構造体の集団は、電極層とセパレータ層との間の界面に設けられることができ、スペーサ構造体の別の集団は、同じユニットセル及び/または異なるユニットセルのいずれかの内の対電極層とセパレータ層との間の界面に設けられることができることで、形成プロセス中に、及び/または二次電池の充電状態と放電状態との間のサイクル中に、電極活物質及び対電極活物質内で起こる可能性がある膨張(及び場合によっては収縮)に対応することができる。
【0080】
図8A~8Hは、電極層116内に配置されるスペーサ構造体400の集団のさらなる実施形態を示す。示されるように、スペーサ構造体400は、突出部402を含むことができ、これらの突出部は、電極集電体114及び/または電極活物質層125の表面などの電極構造体の表面上に形成されてもよく、さまざまな形状及び形態を取ってもよい。さらに別の実施形態によれば、図8A~8Hに示される構成のいずれかなどで、スペーサ構造体400を、セパレータ層130及び電極集電体層114のうちの1つ以上の表面上に形成して、接合し、電極接合体の組み立て中に電極層を含むユニットセル500を形成することができる。一実施形態では、図8Aに示されるように、スペーサ構造体は、電極層116の周辺部404の周りに位置決めされる一連の一段高い隆起部を含む。周辺部400の周りに突出部及び/または隆起部を設けることによって、ある特定の実施形態では、構造体は空隙部の周りの層を安定化させることができるため、セパレータ層及び電極層116は、例えば実質的にこれらの層が空隙部内に曲がる、または変形することなく、互いに離隔されたままである。図8Bに示される実施形態では、スペーサ構造体の集団は、電極層116の周辺部400の周りに一段高い単一の隆起部を含む。
【0081】
さらなる一実施形態では、図8Cに示されるように、スペーサ構造体400の集団は、電極層116の表面上の異なる点にわたって分布する複数のカラムまたは他の隆起した特徴を含んでもよい。突出部を表面全体に分布させることにより、これらの突出部を有する層116の曲げ及び/または変形が抑制され、突出部が隣接する層(すなわち、セパレータ層130)に接触することができる場合には、積層連続体内に配置されるときの電極層の積層の圧力下でさえ、これらの層間の分離を維持することができる。
【0082】
さらなる実施形態は、図8D及び8Eに示され、これら図8D及び8Eは、層の表面上に形成され、層の高さ及び長さにわたってなど、層の1つ以上の寸法にわたって斜めに延在する一連の隆起部(図8D)、ならびに電極層116の周辺部404の周りに形成される一連の十字形の突出部を含むスペーサ構造体の集団を示す。さらに、図8Fは、電極層116の周辺部404の周りに分布し、具体的には、高さ方向(Z寸法)内で電極層のエッジに位置している一連の突出部をスペーサ構造体400の集団が含む、一実施形態を示す。図8G及び8Hは、複数のスペーサ構造体の分布及び構成のさらなる実施形態を示し、その中の1つは、スペーサ構造体間の間隔が電極層116の高さ方向(Z寸法)に沿って減少し(図8H)、その中の1つは、スペーサ構造体間の間隔が高さ方向(Z寸法)に沿って均一である(図8G)。
【0083】
ある特定の実施形態によれば、スペーサ構造体間の距離は、電極層116の1つ以上の寸法に沿って増加してもよい、及び/または減少してもよい、及び/または巻回電極内のユニットセル及び/または巻回部間で増加してもよい、及び/または減少してもよい。例えば、図11A及び11Bに示される渦巻状巻回電池の実施形態を参照すると、一実施形態では、スペーサ構造体間の間隔は、電極接合体の内側領域から外側領域までの電極の長さLに沿って増加することにより、電極接合体の隣接する巻回部内のスペーサ構造体が積層方向R内で互いにアライメントされることができる。すなわち、積層方向R内で互いにアライメントされるスペーサ構造体を設ける、スペーサ構造体間の間隔は、増加するRの関数として増加することができる。一実施形態では、ユニットセルの内側巻回部205a内に配置されるスペーサ構造体400がユニットセルの外側巻回部205b内にあるスペーサ構造体400と積層方向においてアライメントされるように、スペーサ構造体400の集団の部材はアライメントされる。図11Cは、巻回電極接合体106のさらに別の実施形態を示し、その中では、巻回部205は、電極層116の巻回経路208に沿った直線状のエッジを含む。
【0084】
一実施形態によれば、電極層116内にスペーサ400の集団を含む電極接合体106は、充電状態と放電状態との間のサイクルを繰り返す二次電池での使用に適しているものである。ある特定の実施形態によれば、スペーサの集団を含む電極接合体は、本明細書の他の箇所で論じられるように、形成プロセスを実行する前の形成前の段階にあってもよい。すなわち、電極接合体106は、二次電池などの貯蔵装置への組み込みに適しており、形成プロセスを経るものであってもよい。また、本明細書の実施形態は、形成プロセスを経た二次電池または他の貯蔵装置の一部を電極接合体が形成する場合など、形成後の段階にある電極接合体106を企図してもよい。
【0085】
一実施形態によれば、充電状態と放電状態との間のサイクルを繰り返す二次電池の形成方法は、電極接合体、キャリアイオン、及び電池筐体内に非水系電解液を提供すること、ならびに放電状態から充電状態まで二次電池を充電させることを伴う形成プロセスを実行することを含む。一実施形態では、形成プロセスを実行して、電極層内の固体電極活物質の容積を増加させることができることにより、形成後の容積は、電極層内の固体電極活物質の第一容積よりも少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、及び/または少なくとも100%大きい。さらに、固体電極活物質の容積における増加は起こることができるが、形成前のユニットセルの幅WUCと比較した、形成後に示されるユニットセルの幅WUCにおける変化が、いくつかの実施形態では、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、及び/または0.1%未満である、及び/または形成前及び形成後の両方のユニットセルの幅WUCが実質的に同じであり得るため、ユニットセル500の幅は形成プロセス中に実質的に変化しない。
【0086】
ある特定の実施形態によれば、形成プロセスは、二次電池102の少なくとも1回の初期充電サイクルを含むことができ、このサイクルを、電流、温度及び持続時間のうちの1つ以上を含む注意深く制御された条件下で実行し、二次電池102の構成要素間の所望の構造及び接触、例えばユニットセル500内の構造体間の所望の構造及び接触などの形成を促進することができる。概して、形成プロセスは、二次電池をその定格容量まで充電することができるように、内部構造及び形態を再配列する、及び/または最適化する条件下で実行される1回以上の初期充電ステップを含んでもよい。形成プロセスは、特定の電池の構造及び組成に従って、本明細書の他の箇所で説明されるように、単一の初期充電サイクルのみを含んでもよく、または複数の充電サイクルを含んでもよく、二次電池102をそのフルパワー及び/または全容量にするために、二次電池製造中の最終段階として実行されることができる。
【0087】
一実施形態では、図3Cを参照すると、電極拘束体セット602により、形成プロセス中に、電極接合体の積層方向においての成長を拘束すること、及び/または電極接合体内のユニットセルの集団のアライメントを維持することがもたらされる。例えば、電極拘束体セット602は、第一及び第二拘束部材600a、600bを含むことができ、これらの拘束部材は、積層方向(図3CのY方向)に沿って離隔され、形成プロセス中に、また任意選択で形成後に、積層方向における電極接合体内の構造体のアライメントを維持することができる。一実施形態では、電極層116内の電極活物質の成長及び/または膨潤は、積層方向に圧力をかけることができる、及び/またはユニットセル500を互いにアライメントから外させることができる。それを受けて、電極拘束体セット602を設けることにより、ユニットセル内の空隙部126が、その中で電極活物質を膨張させることを可能にするために効果的に利用されることができるように、各ユニットセル内の構造体のアライメントは維持されることができる。
【0088】
一実施形態では、電極拘束体セット602は、図3Cに示されるように、積層方向に沿って互いに離隔される第一及び第二拘束部材600a、600bを含む。別の実施形態では、電極拘束体セットは、第一及び第二拘束部材600a、600bを含み、これら第一及び第二拘束部材600a、600bは、積層方向に直交する別の方向に沿って、例えば、X方向またはZ方向のうちの1つ以上に沿って、互いに離隔され、X方向及びZ方向のうちの1つ以上の内で拘束する、及び/または積層方向に直交する方向に沿って拘束する1つ以上の拘束体に加えて、積層方向に沿って拘束する拘束体の組み合わせもまた提供されてもよい。角柱状電極接合体の一実施形態によれば、第一及び第二拘束部材は、図3Cに示されるように、積層方向に対応するY方向に沿って離隔されてもよい。巻回電極接合体の別の実施形態によれば、拘束体セット602は、例えば、巻回電極接合体の外周部の周りに延在する、円筒形拘束部材、及び/または円筒形拘束体の1つ以上のセグメントを設けることによってなど、積層方向Rに沿って拘束するように構成されてもよい。例えば、巻回電極接合体の拘束体セットは、電極接合体のための缶または他の筐体104であってもよい。
【0089】
一実施形態では、電極拘束体セットは、電池筐体104(図示せず)内に設けられる。別の実施形態では、電極拘束体セット602は、電池筐体(図3Cに示される)の外側に設けられる。電池筐体104は、その中の二次電池で使用される電解質を封止する封止筐体であってもよい。さらなる一実施形態では、電極拘束体セット602は、形成プロセス前に、及び/またはその間に設けられ、形成後に電極接合体106から除去されることができる。さらに別の実施形態によれば、例えば二次電池の通常サイクル中の電極活物質の成長及び/または膨潤に抵抗するなどのために、電極拘束体セット602を、形成プロセス前に、及び/またはその間に設けることができ、形成後に二次電池の一部として保持する。それに限定されないが、形成プロセスの前、その最中、及び/またはその後に、電極接合体106を拘束するために設けられることができる適切な電極拘束体の実施形態は、例えば、2019年5月7日に発行されたBusacca et al.の米国特許第10,283,807号、及び2019年1月8日に発行されたBusacca et al.の米国特許第10,177,400号に記載されており、これら両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用されている。
【0090】
一実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団の少なくとも一部、さらには完全にすべては、例えば、形成後の段階中にスペーサ構造体400を電極活物質内に配合することができる場合、形成プロセス後に存在しなくなることができる。さらに、ある特定の実施形態によれば、例えば、電極活物質層125が形成後の電極層の実質的に全容積を占めるように、形成後の段階中にスペーサ構造体の集団を電極活物質層125内に混合することができる。例えば、形成前の段階中にリチウム電極を含む二次電池に使用される、リチウムスペーサ構造体をスペーサ構造体が含む場合、形成プロセスにより、リチウム含有電極活物質が成長するため、形成後の段階中に、リチウムスペーサ構造体と電極層の残りの部分との間の界面は識別できないことがある。さらに別の実施形態によれば、スペーサの集団は、形成前に電解質を電極接合体内に充填した後、化学反応することができるため、スペーサの集団の少なくとも一部及び/またはすべては、形成後に識別することができなくなる。さらに別の実施形態によれば、電極接合体106の組み立て後(例えば、ユニットセル500の積層後)、及び形成プロセス前、形成プロセス中、または形成プロセス後のいずれかに、例えばユニットセル500内の空隙部126を維持する別の方法が提供される場合に、スペーサの集団の少なくとも一部及び/またはすべてが除去されてもよい。
【0091】
さまざまな実施形態によれば、スペーサ構造体400は、さまざまな異なる方法によって形成されてもよい。例えば、一実施形態では、スペーサ構造体400は、スペーサ材料を電極構造体110(例えば、電極集電体及び/または電極活物質層)及び/またはセパレータ層上に印刷することによって、例えば、スクリーン印刷、ステンシル印刷、インクジェット印刷、重量印刷、及びその他の方法によって形成されることができる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体は、シャドウマスクを使用する蒸着法によって製造されることができる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体は、スペーサ材料を含むピンを電極構造体110及び/またはセパレータ層130内に機械的にしまりばめで嵌合することによって製造されることができる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体は、セパレータ層130及び/または電極構造体110の1つ以上の部分と共成形することによって製造されることができる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体は、ユニットセル500の組み立て中に電極構造体110とセパレータ130との間にオープンメッシュを渡設することによって製造されることができる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体は、グルーを用いて電極構造体110の頂部上にワイヤを敷設して電極構造体より上の所望の高さまで押圧することによって製造されることができる。ある特定の実施形態によれば、スペーサ構造体400の集団は、電極活物質層125の電極活物質と同時に析出する、またはその他の方法で形成されることができる。例えば、電極活物質が電極集電体114の表面上に析出する、またはその他の方法で形成される場合、スペーサ材料の集団は、この電極活物質層の形成プロセスの一部として同様に析出してもよい、またはその他の方法で形成されてもよい。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、電極活物質が電極集電体114上に析出する、またはその他の方法で形成される前に、及び/またはその上にすでに析出した、またはその他の方法で形成された後に析出することができる。さらに別の実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、電極活物質層の析出/形成プロセス中に、少なくとも部分的に析出する、及び/または形成されることができ、電極活物質層の形成が完了した後に完成することができる。別の実施形態によれば、スペーサ構造体の集団は、電極活物質層が形成される前に、及び/またはその後に、添加または削除プロセスとして形成されることができる。スペーサ構造体を製造する他の方法、及び/またはそれらの製造方法の組み合わせもまた提供されてもよい。
【0092】
さらに、本明細書で使用される場合、「電極構造体」または「電極活物質」などの「電極」という用語を使用して材料または構造を説明する実施形態ごとに、そのような構造及び/または材料が、ある特定の実施形態では、「負極構造体」または「負極活物質」などの「負極」のものに対応することができることを理解されたい。同様に、本明細書で使用される場合、「対電極構造体」または「対電極活物質」などの「対電極」という用語を使用して材料または構造を説明する実施形態ごとに、そのような構造及び/または材料が、ある特定の実施形態では、「正極構造体」または「正極活物質」などの「正極」のものに対応することができることを理解されたい。すなわち、適切な場合、電極及び/または対電極について記載された任意の実施形態は、電極及び/または対電極がそれぞれ、それらの対応する構造及び材料を含む、具体的には負極及び/または正極である、同じ実施形態に対応してもよい。
【0093】
その他の電池コンポーネント
電極110及び対電極112の集団の部材は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウムのイオンなどのキャリアイオンを吸収して放出することができる電気活性材料を含む。いくつかの実施形態では、電極構造体110の集団の部材は、アノード活性電気活性材料(負極と称されることもある)を含み、対電極構造体112の集団の部材は、カソード活性電気活性材料(正極と称されることもある)を含む。他の実施形態では、電極構造体110の集団の部材はカソード活性電気活性材料を含み、対電極構造体112の集団の部材はアノード活性電気活性材料を含む。例えば、負極活物質は、例えば、粒子凝集電極、粒子状材料のスラリーを形成して層形状に鋳造することなどによって粒子状材料から形成される電極活物質、またはモノリシック電極であってもよい。
【0094】
例示的なアノード活性電気活性材料は、グラファイト及びソフトもしくはハードカーボンなどの炭素材料、またはリチウムと合金を形成することができる範囲の金属、半金属、合金、酸化物及び化合物のいずれかを含む。アノード材料を構成することができる金属または半金属の具体的な例は、グラファイト、スズ、鉛、マグネシウム、アルミニウム、ホウ素、ガリウム、シリコン、Si/C複合材料、Si/グラファイト配合物、SiOx、多孔質Si、金属間Si合金、インジウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、ビスマス、カドミウム、アンチモン、銀、亜鉛、ヒ素、ハフニウム、イットリウム、リチウム、ナトリウム、グラファイト、炭素、チタン酸リチウム、パラジウム、及びそれらの混合物を含む。例示的な一実施形態では、アノード活物質は、アルミニウム、スズ、もしくはシリコン、またはそれらの酸化物、それらの窒化物、それらのフッ化物、もしくはそれらの他の合金を含む。別の例示的な実施形態では、アノード活物質は、ケイ素、酸化ケイ素、またはそれらの合金を含む。
【0095】
さらに別の実施形態では、アノード活物質は、リチウム金属、リチウム合金、炭素、石油コークス、活性炭、グラファイト、シリコン化合物、スズ化合物、及びそれらの合金を含むことができる。一実施形態では、アノード活物質は、難黒鉛化炭素、グラファイト系炭素などの炭素;LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnMe1-xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期表の第1族、第2族及び第3族にある元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属錯体酸化物;リチウム金属;リチウム合金;シリコン系合金;スズ系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、Biなどの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性ポリマー;Li-Co-Ni系材料などを含む。一実施形態では、アノード活物質は、天然グラファイト、合成グラファイトなどの結晶グラファイト、及びソフトカーボン、ハードカーボンなどのアモルファスカーボンを含む炭素系活物質を含むことができる。アノード活物質に適した炭素材料の他の例は、グラファイト、キッシュグラファイト、熱分解炭素、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ、黒鉛化炭素繊維、及び石油またはコールタールピッチ由来のコークスなどの高温焼結炭素を含むことができる。一実施形態では、負極活物質は、酸化スズ、硝酸チタン、及びシリコンを含んでもよい。別の実施形態では、負極は、リチウム金属膜などのリチウム金属、またはリチウムと、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Al及びSnからなる群から選択される1種類以上の金属との合金などのリチウム合金を含むことができる。さらに別の実施形態では、アノード活物質は、Si、Al、C、Pt、Sn、Pb、Ir、Ni、Cu、Ti、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Ca、Sr、Sb、Ba、Ra、Ge、Zn、Bi、In、Mg、Ga、Cd、Si合金、Sn合金、Al合金など、リチウムと合金化する、及び/またはインターカレートすることができる金属化合物;SiO(0<v<2)、SnO、バナジウム酸化物またはリチウムバナジウム酸化物など、リチウムイオンをドープ及び脱ドープすることができる金属酸化物;ならびにSi-C複合材料またはSn-C複合材料などの金属化合物及び炭素材料を含む複合材料を含むことができる。例えば、一実施形態では、リチウムと合金化する/インターカレートすることができる材料は、リチウム、インジウム、スズ、アルミニウム、もしくはシリコンなどの金属、またはそれらの合金;Li/3Ti/3OまたはSnOなどの遷移金属酸化物;及び人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(「MCMB」)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、または天然黒鉛などの炭素質材料であってもよい。さらに別の実施形態では、負極活物質は、ナトリウムまたはマグネシウムなどのキャリアイオンに適した組成物を含むことができる。例えば、一実施形態では、負極活物質は、層状炭素質材料、及び層状炭素質材料の層間に析出した化学式、NaSny-zの組成物を含むことができ、式中、MはTi、K、Ge、P、またはそれらの組み合わせであり、0<x≦15、1≦y≦5、及び0≦z≦1である。
【0096】
一実施形態では、負極活物質は、導電性材料及び/または導電助剤(例えば、炭素系材料、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、活性炭素、炭素繊維、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックなど)、導電性繊維(例えば、炭素繊維、金属繊維など)、導電性チューブ(例えば、カーボンナノチューブなど)、金属粉末(例えば、フッ化炭素粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末など)、導電性ウィスカ(例えば、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなど)、導電性金属酸化物(例えば、酸化チタンなど)、または導電性材料(例えば、ポリフェニレン誘導体など)をさらに含むことができる。さらにそのうえ、金属メッシュなどの金属繊維;銅、銀、ニッケル及びアルミニウムなどの金属粉末;またはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料を使用してもよい。さらに別の実施形態では、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、スチレン-ブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、フッ化ビニリデン-クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン-ペンタフルオロプロピレンコポリマー、プロピレン-テトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン-クロロトリフルオロエチレンコポリマー、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレンコポリマー、フッ化ビニリデン-パーフルオロメチルビニルエーテル-テトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン-アクリル酸コポリマーなどのうちの1つ以上などのバインダが提供されてもよく、単独で、または混合物としてかいずれかで使用されてもよい。
【0097】
例示的なカソード活物質は、広範囲のカソード活物質のいずれかを含む。例えば、リチウムイオン電池の場合、カソード活物質は、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、遷移金属窒化物、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属硫化物、及びリチウム遷移金属窒化物から選択されるカソード材料を含んでもよく、これらは、選択的に使用されてもよい。これらの遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、及び遷移金属窒化物の遷移金属元素は、d殻またはf殻を有する金属元素を含むことができる。そのような金属元素の具体例は、Sc、Y、ランタノイド類、アクチノイド類、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、及びAuである。追加のカソード活物質は、LiCoO、LiNi0.5Mn1.5、Li(NiCoAl)O、LiFePO、LiMnO、V、硫化オキシモリブデン類、リン酸塩類、ケイ酸塩類、バナジン酸塩類、硫黄、硫黄化合物類、酸素(空気)、Li(NiMnCo)O、及びそれらの組み合わせを含む。さらに、カソード活物質層の化合物は、リチウム含有化合物を含むことができ、これらのリチウム含有化合物は、リチウム、コバルト及び酸素を含む化合物(例えば、LiCoO)、リチウム、マンガン及び酸素を含む化合物(例えば、LiMn)、ならびにリン酸鉄リチウムを含む化合物(例えば、LiFePO)などの金属酸化物または金属リン酸塩をさらに含むことができる。一実施形態では、カソード活物質は、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リン酸鉄リチウム、または前述の酸化物の組み合わせから形成された複合酸化物のうちの少なくとも1つを含む。別の実施形態では、カソード活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)など、または1つ以上の遷移金属との置換化合物;Li1+xMn2-x(式中、xは0~0.33)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、LiFe、V、Cuなどのバナジウム酸化物;LiNi1-xの化学式で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物(式中、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGa、及びx=0.01~0.3);LiMn2-x(式中、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTa、及びx=0.01~0.1)またはLiMnMO(式中、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZn)の化学式で表されるリチウムマンガン複合酸化物;Liの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されるLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoOなどのうちの1つ以上を含むことができる。一実施形態では、カソード活物質は、式2:Li1+aFe1-xM’(PO4-b)Xのオリビン結晶構造を有するリチウム金属リン酸塩を含むことができ、式中、M’はAl、Mg、Ni、Co、Mn、Ti、Ga、Cu、V、Nb、Zr、Ce、In、Zn、及びYから選択される少なくとも1つであり、XはF、S、及びNから選択される少なくとも1つであり、-0.5≦a≦+0.5、0≦x≦0.5、及び0≦b≦0.1、例えば、LiFePO、Li(Fe,Mn)PO、Li(Fe,Co)PO、Li(Fe,Ni)POなどのうちの少なくとも1つである。一実施形態では、カソード活物質は、LiCoO 、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiNi1-yCo、LiCo1-yMn、LiNi1-yMn(0≦y≦1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、及びa+b+c=2)、LiMn2-zNi、LiMn2-zCo(0<z<2)、LiCoPO及びLiFePO、またはそれらの2つ以上の混合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0098】
さらに別の実施形態では、カソード活物質は、元素硫黄(S8)、硫黄系列化合物またはそれらの混合物を含むことができる。硫黄系列化合物は、具体的には、Li(n≧1)、有機硫黄化合物、炭素-硫黄ポリマー((C:x=2.5から50、n≧2)などであってもよい。さらに別の実施形態では、カソード活物質は、リチウム及びジルコニウムの酸化物を含むことができる。
【0099】
さらに別の実施形態では、カソード活物質は、コバルト、マンガン、ニッケル、またはそれらの組み合わせなどのリチウム及び金属の少なくとも1つの複合酸化物を含むことができ、これらが使用されてもよく、それらの例は、Li1-b(式中、0.90≦a≦1、及び0≦b≦0.5);Li1-b2-c(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、及び0≦c≦0.05);LiE2-b4-c(式中、0≦b≦0.5、及び0≦c≦0.05);LiNi1-b-cCo(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、及び0<a≦2);LiNi1-b-cCo2-a(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、及び0<a<2);LiNi1-b-cCo2-a(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、及び0<a<2);LiNi1-b-cMn(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、及び0<a≦2);LiNi1-b-cMn2-a(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、及び0<a<2);LiNi1-b-cMn2-a(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、及び0<a<2);LiNi(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、及び0.001≦d≦0.1);LiNiCoMnGeO(式中、0.90≦a≦1、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、及び0.001≦e≦0.1);LiNiG(式中、0.90≦a≦1及び0.001≦b≦0.1);LiCoG(式中、0.90≦a≦1及び0.001≦b≦0.1);LiMnG(式中、0.90≦a≦1及び0.001≦b≦0.1);LiMn(式中、0.90≦a≦1及び0.001≦b≦0.1);QO;QS;LiQS;V;LiV;LiX’O;LiNiVO;Li(3-f)(PO(0≦f≦2);Li(3-f)Fe(PO(0≦f≦2);及びLiFePOである。上記の式では、AはNi、Co、Mn、またはそれらの組み合わせであり、MはAl、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素、またはそれらの組み合わせであり、DはO、F、S、P、またはそれらの組み合わせであり、EはCo、Mn、またはそれらの組み合わせであり、XはF、S、P、またはそれらの組み合わせであり、GはAl、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、またはそれらの組み合わせであり、QはTi、Mo、Mn、またはそれらの組み合わせであり、X’はCr、V、Fe、Sc、Y、またはそれらの組み合わせであり、JはV、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、またはそれらの組み合わせである。例えば、LiCoO、LiMn2x(x=1または2)、LiNi1-xMn2x(0<x<1)、LiNi1-x-yCoMn(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)、またはFePOを使用することができる。一実施形態では、カソード活物質は、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムニッケルコバルト酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムマンガン酸化物、もしくはリン酸鉄リチウムなどのリチウム化合物;ニッケル硫化物;銅硫化物;硫黄;鉄酸化物;またはバナジウム酸化物のうちの少なくとも1つを含む。
【0100】
一実施形態では、カソード活物質は、ナトリウム含有材料、例えば、NaFeO、NaMnO、NaNiO、もしくはNaCoOなどの式NaM の酸化物;または式NaMn1-a で表される酸化物のうちの少なくとも1つなどを含むことができ、式中、Mは少なくとも1つの遷移金属元素であり、0≦a<1である。代表的な正極活物質は、Na[Ni1/2Mn1/2]O、Na2/3[Fe1/2Mn1/2]Oなど;Na0.44Mn1-a で表される酸化物、Na0.7Mn1-a 2.05anで表される酸化物(式中、Mは少なくとも1つの遷移金属元素であり、0≦a<1である);Na Si1230によってNaFeSi1230またはNaFeSi12Oとして表される酸化物(式中、Mは少なくとも1つの遷移金属元素であり、2≦b≦6、及び2≦c≦5);NaFeSi18またはNaMnFeSi18などのNa Si18で表される酸化物(式中、Mは少なくとも1つの遷移金属元素であり、3≦d≦6、及び1≦e≦2);NaFeSiOなどのNa Siで表される酸化物(式中、Mは遷移金属元素、マグネシウム(Mg)及びアルミニウム(Al)から選択される少なくとも1つの元素であり、1≦f≦2及び1≦g≦2);NaFePO、NaFe(PO、Na(PO、NaCo(POなどのリン酸塩;NaFeBOまたはNaFe(BOなどのホウ酸塩;NaFeFまたはNaMnFなどのNaで表されるフッ化物(式中、Mは少なくとも1つの遷移金属元素であり、2≦h≦3)、Na(PO、Na(POFOなどのフルオロリン酸塩を含む。正極活物質は、前述のものに限定されず、当該技術で使用される任意の適切な正極活物質が使用されることができる。一実施形態では、正極活物質は、好ましくは、NaMnO、Na[Ni1/2Mn1/2]O及びNa2/3[Fe1/2Mns1/2]Oなどの層状型酸化物カソード材料、Na(PO及びNaCo(POなどのリン酸塩カソード、またはNa(PO及びNa(POFOなどのフルオロリン酸塩カソードを含む。
【0101】
さらに別の実施形態では、カソード活物質は、導電助剤及び/またはバインダのうちの1つ以上をさらに含むことができ、これは、例えば、本明細書のアノード活物質について記載された導電助剤及び/またはバインダのいずれかであってもよい。
【0102】
一実施形態では、電極集電体114は、金属材料などの適切な導電性材料を含むことができる。電極集電体114は、本明細書の実施形態による、負極集電体であることができる、及び/または正極集電体であってもよい。一実施形態によれば、電極集電体は、負極集電体である。一実施形態では、電極集電体は、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、パラジウム、焼成炭素、か焼炭素、インジウム、鉄、マグネシウム、コバルト、ゲルマニウム、リチウム、銅またはステンレス鋼の表面処理材料(炭素、ニッケル、チタン、銀を含む)、アルミニウム-カドミウム合金、及び/またはそれらの他の合金のうちの少なくとも1つを含むことができる。別の例として、一実施形態では、電極集電体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅またはステンレス鋼の表面処理材料(炭素、ニッケル、チタン、銀を含む)、アルミニウム-カドミウム合金、及び/またはそれらの他の合金のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、電極集電体は、銅及びステンレス鋼のうちの少なくとも1つを含む。
【0103】
一実施形態では、対電極集電体118は、金属材料などの適切な導電性材料を含むことができる。対電極集電体118は、本明細書の実施形態による、負極集電体であることができる、及び/または正極集電体であってもよい。一実施形態によれば、対電極集電体は、正極集電体である。一実施形態では、対電極集電体は、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、焼結炭素、アルミニウムまたはステンレス鋼の表面処理材料(炭素、ニッケル、チタン、銀を含む)、及び/またはそれらの合金のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、対電極集電体はアルミニウムを含む。
【0104】
一実施形態では、リチウムイオン(または他のキャリアイオン)が充電及び放電プロセス中にアノード活物質に取り込まれる、またはアノード活物質を脱離するときに、アノード活物質は、体積の膨張及び収縮に対応するために有意な空隙体積分率を提供するように微細構造化される。一般に、アノード活物質の空隙体積分率は少なくとも0.1である。ただし、通常、アノード活物質の空隙体積分率は0.8以下である。例えば、一実施形態では、負極活物質の空隙体積分率は、約0.15から約0.75である。さらなる例として、一実施形態では、アノード活物質の空隙体積分率は、約0.2から約0.7である。さらなる例として、一実施形態では、アノード活物質の空隙体積分率は、約0.25から約0.6である。
【0105】
一実施形態では、アノード活物質は、例えば、多孔質アノード活物質を含む電極活性層125の形態のような、多孔質のアルミニウム、スズもしくはシリコン、またはそれらの合金を含む。多孔質シリコン層は、例えば、アノード酸化によって、エッチング(例えば、単結晶シリコンの表面上に金、白金、銀または金/パラジウムなどの貴金属を析出させ、その表面をフッ化水素酸と過酸化水素の混合物でエッチングすることによる)によって、またはパターン化された化学エッチングなどの当該技術で知られている他の方法によって形成されてもよい。さらに、多孔質アノード活物質は、一般に、少なくとも約0.1、ただし0.8未満の多孔度を有し、約1から約100マイクロメータの厚さを有する。例えば、一実施形態では、電極活物質層125は、多孔質シリコンを含むアノード活物質を含み、約5から約100マイクロメータの厚さ(W)を有し、約0.15から約0.75の多孔度を有する。さらなる例として、一実施形態では、電極活物質層125は、多孔質シリコンを含むアノード活物質を含み、約10から約80マイクロメータの厚さ(W)を有し、約0.15から約0.7の多孔度を有する。さらなる例として、そのような一実施形態では、電極活物質層125は、多孔質シリコンを含み、約20から約50マイクロメータの厚さ(W)を有し、約0.25から約0.6の多孔度を有する。さらなる例として、一実施形態では、電極活物質層125は、多孔質シリコン合金(ケイ化ニッケルなど)を含み、約5から約100マイクロメータの厚さ(W)を有し、約0.15から約0.75の多孔度を有する。
【0106】
電極層116の集団の部材の長さ(L)は、エネルギー貯蔵装置及びその使用目的に応じて変化する。ただし、一実施形態では、集団の部材は、約5mmから約500mmの範囲内の長さ(L)を有することができる。例えば、そのような一実施形態では、電極層の集団の部材は、約10mmから約250mmの長さ(L)を有する。さらなる例として、そのような一実施形態では、集団の部材は、約25mmから約100mmの長さ(L)を有する。さらなる例として、巻回電極接合体に対応する一実施形態では、集団の部材は、少なくとも50cm、例えば、少なくとも75cm、さらには少なくとも90cmの長さ(L)を有し、少なくとも約10メートル、さらには少なくとも100メートルの長ささえも有することができる。したがって、例として、巻回電極接合体の一実施形態では、集団の部材は、約50cmから約800メートル、例えば、75cmから約500メートル、さらには約75cmから約1メートルの範囲内の長さLを有してもよい。
【0107】
電極層116の集団の幅(W)もまた、エネルギー貯蔵装置及びその使用目的に応じて変化する。一実施形態では、電極層116の集団の各部材は、約0.01mmから2.5mmの範囲内の幅(W)を有することができる。例えば、一実施形態では、集団の各部材の幅(W)は、約0.025mmから約2mmの範囲内にある。さらなる例として、一実施形態では、集団の各部材の幅(W)は、約0.05mmから約1mmの範囲内にある。
【0108】
電極層116の集団の高さ(H)もまた、エネルギー貯蔵装置及びその使用目的に応じて変化する。ただし、一実施形態では、電極層116の集団の部材は、約0.05mmから約10mmの範囲内の高さ(H)を有することができる。例えば、一実施形態では、集団の各部材の高さ(H)は、約0.05mmから約5mmの範囲内にある。さらなる例として、一実施形態では、集団の各部材の高さ(H)は、約0.1mmから約1mmの範囲内にある。さらなる例として、巻回電極接合体の一実施形態では、集団の各部材の高さ(HE)は、約10mmから約500mmの範囲内、例えば、30mmから90mmの範囲を含む約25mmから約100mmの範囲内、さらには100mmから400mmの範囲内などの50mmから500mmの範囲内にある。
【0109】
一実施形態では、電極層116の集団の部材は、その幅(W)及びその高さ(H)のそれぞれよりも実質的に大きい長さ(L)を有する。例えば、一実施形態では、LとW及びHのそれぞれとの比は、電極層116の集団の部材ごとに、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、LとWとの比はそれぞれ少なくとも5:1であり、LとHとの比はそれぞれ少なくとも5:1である)。さらなる例として、一実施形態では、LとW及びHのそれぞれとの比は少なくとも10:1である。さらなる例として、一実施形態では、LとW及びHのそれぞれとの比は少なくとも15:1である。さらなる例として、一実施形態では、集団の部材ごとに、LとW及びHのそれぞれとの比は少なくとも20:1である。
【0110】
一実施形態では、電極層116の集団の部材の高さ(H)と幅(W)との比は、それぞれ少なくとも0.4:1である。例えば、一実施形態では、HとWとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ少なくとも2:1である。さらなる例として、一実施形態では、HとWとの比はそれぞれ少なくとも10:1である。さらなる例として、一実施形態では、HとWとの比はそれぞれ少なくとも20:1である。一実施形態では、HとWとの比は、それぞれ概して1,000:1未満である。例えば、一実施形態では、HとWとの比はそれぞれ500:1未満である。さらなる例として、一実施形態では、HとWとの比はそれぞれ100:1未満である。さらなる例として、一実施形態では、HとWとの比はそれぞれ10:1未満である。さらなる例として、一実施形態では、HとWとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ約2:1から約100:1の範囲内である。
【0111】
対電極層120の集団の部材の幅(WCE)もまた、エネルギー貯蔵装置及びその使用目的に応じて変化する。一実施形態では、対電極層の集団の部材は、約0.01mmから2.5mmの範囲内の幅(WCE)を有することができる。例えば、一実施形態では、集団の各部材の幅(WCE)は、約0.025mmから約2mmの範囲内にある。さらなる例として、一実施形態では、集団の各部材の幅(WCE)は、約0.05mmから約1mmの範囲内にある。
【0112】
対電極層120の集団の部材の高さ(HCE)もまた、エネルギー貯蔵装置及びその使用目的に応じて変化する。一実施形態では、対電極層120の集団の部材は、約0.05mmから約10mmの範囲内の高さ(HCE)を有することができる。例えば、一実施形態では、集団の各部材の高さ(HCE)は、約0.05mmから約5mmの範囲内にある。さらなる例として、一実施形態では、集団の各部材の高さ(HCE)は、約0.1mmから約1mmの範囲内にある。
【0113】
一実施形態では、対電極層120の集団の各部材は、幅(WCE)よりも実質的に大きく、その高さ(HCE)よりも実質的に大きい長さ(LCE)を有する。例えば、一実施形態では、LCEとWCE及びHCEのそれぞれとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ少なくとも5:1である(すなわち、LCEとWCEとの比はそれぞれ少なくとも5:1であり、LCEとHCEとの比はそれぞれ少なくとも5:1である)。さらなる例として、一実施形態では、LCEとWCE及びHCEのそれぞれとの比は、集団の部材ごとに少なくとも10:1である。さらなる例として、一実施形態では、LCEとWCE及びHCEのそれぞれとの比は、集団の部材ごとに少なくとも15:1である。さらなる例として、一実施形態では、LCEとWCE及びHCEのそれぞれとの比は、集団の部材ごとに少なくとも20:1である。
【0114】
一実施形態では、対電極層120の集団の部材の高さ(HCE)と幅(WCE)との比は、それぞれ少なくとも0.4:1である。例えば、一実施形態では、HCEとWCEとの比は、対電極層120の集団の部材ごとに、それぞれ少なくとも2:1である。さらなる例として、一実施形態では、HCEとWCEとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ少なくとも10:1である。さらなる例として、一実施形態では、HCEとWCEとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ少なくとも20:1である。一実施形態では、HCEとWCEとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ概して1,000:1未満である。例えば、一実施形態では、HCEとWCEとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ500:1未満である。さらなる例として、一実施形態では、HCEとWCEとの比はそれぞれ100:1未満である。さらなる例として、一実施形態では、HCEとWCEとの比はそれぞれ10:1未満である。さらなる例として、一実施形態では、HCEとWCEとの比は、集団の部材ごとに、それぞれ約2:1から約100:1の範囲内にある。
【0115】
一実施形態によれば、電極集電体及び対電極集電体のうちの1つ以上は、アルミニウム、炭素、銅、クロム、金、ニッケル、NiP、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、シリコン及びニッケルの合金、チタン、またはそれらの組み合わせなどの金属を含んでもよい(A.H.Whitehead及びM.Schreiberによる「Current collectors for positive electrodes of lithium-based batteries」、Journal of the Electrochemical Society,152(11)A2105-A2113(2005)を参照)。さらなる例として、一実施形態では、電極集電体はゴールドアルミニウムを含む。さらなる例として、一実施形態では、対電極集電体は銅またはその合金を含む。
【0116】
電気絶縁セパレータ層130は、電極構造体110の集団の各部材を、対電極構造体112の集団の各部材から電気的に絶縁してもよい。電気絶縁セパレータ層130は、非水系電解質を浸透させることができる微多孔質セパレータ材料を含むことができる。例えば、一実施形態では、この微多孔質セパレータ材料は、少なくとも50Å、より典型的には約2,500Åの範囲内の直径、及び約25%から約75%の範囲内の、より典型的には約35~55%の範囲内の空隙率を有する細孔を含む。さらに、微多孔質セパレータ材料に非水系電解質を浸透させて、電極及び対電極の集団の隣接する部材間のキャリアイオンの伝導を可能にすることができる。ある特定の実施形態では、例えば、微多孔質セパレータ材料の多孔度を無視して、充電または放電サイクル中のイオン交換のために、電極構造体110の集団の部材と対電極構造体112の集団の最も近い部材(複数可)(すなわち、同じユニットセル500の「隣接する対」及び/または部材)との間の少なくとも70vol%の電気絶縁セパレータ材料は、微多孔質セパレータ材料である。換言すれば、一実施形態では、微多孔質セパレータ材料は、電極構造体110の集団の部材と対電極構造体112の集団の最も近い部材との間に、少なくとも70vol%、少なくとも80vol%、少なくとも85vol%、少なくとも90vol%、少なくとも95vol%、及び/または少なくとも99vol%の電気絶縁材料を含む。
【0117】
一実施形態では、微多孔質セパレータ材料は、粒子状材料及びバインダを含み、少なくとも約20vol.%の空隙率(多孔度)を有する。微多孔質セパレータ材料の細孔は、少なくとも50Åの直径を有し、通常、約250~2,500Åの範囲内にある。微多孔質セパレータ材料は、通常、約75%未満の空隙率を有する。一実施形態では、微多孔質セパレータ材料は、少なくとも約25vol%の空隙率(多孔度)を有する。一実施形態では、微多孔質セパレータ材料は、約35~55%の空隙率を有する。
【0118】
微多孔質セパレータ材料用のバインダは、広範囲の無機またはポリマー材料から選択されてもよい。例えば、一実施形態では、バインダは、ケイ酸塩、リン酸塩、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、及び水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物からなる群から選択される有機材料である。例えば、一実施形態では、バインダは、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペンなどを含むモノマーに由来するフルオロポリマーである。別の実施形態では、バインダは、さまざまな分子量及び密度の範囲のいずれかを有する、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブテンなどのポリオレフィンである。別の実施形態では、バインダは、エチレン-ジエン-プロペン三元共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレートからなる群から選択される。別の実施形態では、バインダは、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、及びポリエチレンオキシドからなる群から選択される。別の実施形態では、バインダは、アクリレート、スチレン、エポキシ、及びシリコンからなる群から選択される。他の適切なバインダは、ポリビニリデンフルオリド-co-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-co-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン-co-ビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイミドまたはそれらの混合物から選択されてもよい。さらに別の実施形態では、バインダは、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシルメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレン、及び/またはそれらの組み合わせのいずれかから選択されてもよい。別の実施形態では、バインダは、2つ以上の前述のポリマーのコポリマーまたは配合物である。
【0119】
微多孔質セパレータ材料が含む粒子状材料もまた、広範囲の材料から選択されてもよい。一般に、それらのような材料は、動作温度での導電率及びイオン伝導度が比較的低く、微多孔質セパレータ材料に接触する電池の電極または集電体の動作電圧下では腐食しない。例えば、一実施形態では、粒子状材料は、1×10-4S/cm未満のキャリアイオン(例えば、リチウム)の伝導度を有する。さらなる例として、一実施形態では、粒子状材料は、1×10-5S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導度を有する。さらなる例として、一実施形態では、粒子状材料は、1×10-6S/cm未満のキャリアイオンに対する伝導度を有する。例示的な粒子状材料は、粒子状ポリエチレン、ポリプロピレン、TiO-ポリマー複合体、シリカエアロゲル、ヒュームドシリカ、シリカゲル、シリカヒドロゲル、シリカキセロゲル、シリカゾル、コロイド状シリカ、アルミナ、チタニア、苦土、カオリン、タルク、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含む。例えば、一実施形態では、粒子状材料は、TiO、SiO、Al、GeO、B、Bi、BaO、ZnO、ZrO、BN、Si、Geなどの粒子状酸化物または窒化物を含む。例えば、P.Arora及びJ.Zhang、「Battery Separators」Chemical Reviews 2004,104,4419-4462を参照する。他の適切な粒子は、BaTiO、Pb(Zr,Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT)、PB(MgNb2/3)O-PbTiO(PMN-PT)、ハフニア(HfO)、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、SiCまたはそれらの混合物を含むことができる。一実施形態では、粒子状材料は、約20nmから2マイクロメータ、より典型的には200nmから1.5マイクロメータの平均粒径を有する。一実施形態では、粒子状材料は、約500nmから1マイクロメータの平均粒径を有する。
【0120】
代替の実施形態では、微多孔質セパレータ材料が含む粒子状材料は、電池の機能のためのイオン伝導度をもたらすために、電解質の侵入に望ましい多孔度を維持しながら、焼結、結合、硬化などの技術によって結合されてもよい。
【0121】
微多孔質セパレータ材料は、例えば、静電引力またはファンデルワールス力などの表面エネルギーによって粒子が合一される粒子状セパレータ材料の電気泳動析出、粒子状セパレータ材料のスラリー堆積(スピンまたはスプレーコーティングを含む)、スクリーン印刷、ディップコーティング、及び静電スプレー堆積によって堆積してもよい。バインダは析出プロセスに含まれてもよく、例えば、粒子状材料は、溶媒蒸発時に沈殿するバインダが溶解してスラリー状に堆積すること、溶解したバインダ材料の存在下で電気泳動して析出すること、またはバインダ及び絶縁粒子などと共電気泳動して析出することができる。あるいは、またはさらに、バインダは、粒子が電極構造体の中または上に析出した後に加えられてもよく、例えば、粒子状材料が有機バインダ溶液内に分散し、ディップコーティングまたはスプレーコーティングした後、バインダ材料を乾燥、融解、または架橋結合することで、接着強度がもたらされてもよい。
【0122】
組み立てられた二次電池102では、微多孔質セパレータ材料に、二次電池電解質として使用するのに適した非水系電解質を浸透させてもよい。典型的には、非水系電解質は、有機溶媒及び/または溶媒混合物に溶解したリチウム塩及び/または塩類の混合物を含む。例示的なリチウム塩類は、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、及びLiBrなどの無機リチウム塩類、ならびにLiB(C、LiN(SOCF、LiN(SOCF、LiNSOCF、LiNSOCF、LiNSO、LiNSO11、LiNSO13、及びLiNSO15などの有機リチウム塩類を含む。さらに別の例として、電解質は、例えば、NaClO、NaPF、NaBF、NaCFSO、NaN(CFSO、NaN(CSO、及びNaC(CFSOのうちのいずれか1つ以上など、その電解質中に溶解したナトリウムイオンを含むことができる。同様に、マグネシウム及び/またはカリウムの塩類が与えられることができる。例えば、塩化マグネシウム(MgCl)、臭化マグネシウム(MgBr)、またはヨウ化マグネシウム(MgI)などのマグネシウム塩類、及び/または、それらだけでなく過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO)、硝酸マグネシウム(Mg(NO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、テトラフルオロホウ酸マグネシウム(Mg(BF)、テトラフェニルホウ酸マグネシウム(Mg(B(C、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム(Mg(PF)、ヘキサフルオロヒ酸マグネシウム(Mg(AsF)、パーフルオロアルキルスルホン酸マグネシウム((Mg(Rf1SO)、式中、Rf1はパーフルオロアルキル基である)、マグネシウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド((Mg((Rf2SON)、式中、Rf2はパーフルオロアルキル基である)、及びマグネシウムヘキサアルキルジシラジド((Mg(HRDS))、式中、Rはアルキル基である)からなる群から選択される少なくとも1つであってもよいマグネシウム塩が与えられてもよい。リチウム塩を溶解させるための例示的な有機溶媒は、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、及び鎖状エーテルを含む。環状エステルの具体例は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、γ-ブチロラクトン、炭酸ビニレン、2-メチル-γ-ブチロラクトン、アセチル-γ-ブチロラクトン、及びγ-バレロラクトンを含む。鎖状エステルの具体例は、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジブチル、炭酸ジプロピル、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、アルキルプロピオネート類、ジアルキルマロネート類、及びアルキルアセテート類を含む。環状エーテルの具体例は、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン類、ジアルキルテトラヒドロフラン類、アルコキシテトラヒドロフラン類、ジアルコキシテトラヒドロフラン類、1,3-ジオキソラン、アルキル-1,3-ジオキソラン類、及び1,4-ジオキソランを含む。鎖状エーテルの具体例は、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、及びテトラエチレングリコールジアルキルエーテル類を含む。
【0123】
さらに別の実施形態では、二次電池102は、有機電解液、無機電解液、固体ポリマー電解質、ゲルポリマー電解質、無機固体電解質、溶融型無機電解質などのうちのいずれかであってもよい電解質を含むことができる。電解質が固体電解質である、さらに別の実施形態では、この固体電解質自体が、電極間の絶縁、及びそこを介したキャリアイオンの通過をもたらすことができることにより、別個のセパレータ層が必要とされないことができる。すなわち、ある特定の実施形態では、固体電解質は、本明細書の実施形態に記載されるセパレータ130の代わりになることができる。一実施形態では、固体ポリマー電解質は、ポリエチレンオキシド(PEO)系、ポリ酢酸ビニル(PVA)系、ポリエチレンイミン(PEI)系、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、LiPON、及びポリメチルメタクリレート(PMMA)系のポリマー類またはそれらのコポリマー類から形成されるポリマーのいずれかを含むことができる。別の実施形態では、硫化物系固体電解質が提供されてもよく、例えば、硫化物系固体電解質は、LiS及びPのうちの少なくとも1つなど、リチウム及び/またはリンのうちの少なくとも1つ、及び/またはSiS、GeS、LiPS、Li、LiSiS、LiS-P、及び50LiSiO.50LiBO、及び/またはBなどの他の硫化物類を含んでもよい。固体電解質のさらに他の実施形態は、リチウム(Li)の窒化物、ハロゲン化物、及び硫酸塩、例えば、LiN、LiI、LiNI、LiN-LiI-LiOH、LiSiO、LiSiO-LiI-LiOH、LiSiS、LiSiO、LiSiO-LiI-LiOH、及びLiPO-LiS-SiSを含むことができる。
【0124】
本開示は、以下の列挙された実施形態をさらに含む。
【0125】
実施形態1.充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池であって、
前記二次電池は電池筐体、電極接合体、キャリアイオン、前記電池筐体内に非水系電解液を含み、
前記電極接合体はユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、
前記ユニットセルは、前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記対電極集電体の前記ユニットセル部分まで前記積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、
前記電極層は、前記電極層に隣接する前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記電極層に隣接する前記セパレータ層まで前記積層連続体の前記積層方向において測定される幅W、前記積層方向に直交する第二方向において前記電極層の頂面から底面まで測定される高さH、ならびに前記積層方向及び前記高さ方向に直交する第三方向において第一表面から第二表面まで測定される長さL、ならびに前記電極集電体の前記ユニットセル部分、前記セパレータ層、前記電極層の前記頂面、前記電極層の前記底面、前記電極層の第一端面、及び電極層の前記第二端面によって境界が定められる容積Vを有し、
前記電極層は前記電極活物質以外の材料を含むスペーサ構造体の集団を含み、前記スペーサ集団は前記電極層の前記容積Vの約0.1%から約35%の範囲内の前記電極層内の総容積を占める、前記二次電池。
【0126】
実施形態2.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも50%を含み、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された実施形態1に記載の二次電池。
【0127】
実施形態3.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも40%を含み、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0128】
実施形態4.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも30%を含み、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0129】
実施形態5.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも25%を含み、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0130】
実施形態6.前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、前記電極層は、1モルの電極活物質あたり1モル超のキャリアイオンを許容する容量を有する電極活物質層を含み、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0131】
実施形態7.前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、前記スペーサ材料は、前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、1モルのスペーサ材料あたり1モル未満のキャリアイオンというキャリアイオンを許容する容量を有し、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0132】
実施形態8.前記スペーサ構造体の集団は、ポリマー材料、電極活物質、電極集電体材料、対電極集電体材料、及びセパレータ材料のうちのいずれか1つ以上を有する、スペーサ材料を含む、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0133】
実施形態9.前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、
前記スペーサ材料は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペンを含むモノマーに由来するフルオロポリマー、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブテンなど)、エチレン-ジエン-プロペン三元共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、アクリレート類、スチレン類、エポキシ類、シリコン類、ポリビニリデンフルオリド-co-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-co-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン-co-ビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレン、及び/またはそれらの共重合体の組み合わせのうちのいずれか1つ以上を含む、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0134】
実施形態10.前記スペーサ集団は、総容積の少なくとも0.1%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、及び/または少なくとも0.75%、及び前記電極層の前記総容積Veの35%未満、25%未満、10%未満及び/または5%未満を占める、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0135】
実施形態11.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも20%、少なくとも10%及び/または少なくとも5%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0136】
実施形態12.前記二次電池は、前記電極層及び前記対電極層を有する一連の積層シートを含み、前記積層方向は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記第二方向及び前記積層方向の両方に直交する第三方向において測定される、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0137】
実施形態13.前記積層連続体の各ユニットセル内の前記スペーサ構造体の集団の部材は、前記積層方向における前記スペーサ構造体の集団の他の部材とアライメントされる、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0138】
実施形態14.前記二次電池は、少なくとも1つのユニットセルを含み、前記少なくとも1つのユニットセルは、前記ユニットセルの内側巻回部が前記ユニットセルの外側巻回部よりも小さい直径を有している状態で、内側領域の周りに連続して巻回され、前記内側領域からの半径が大きくなるにつれ前記ユニットセルの前記直径が大きくなる、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0139】
実施形態15.前記積層連続体は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記二次電池の中央領域から前記二次電池の外側区間まで、前記電極層の巻回経路に対応する前記電極層の最長寸法に沿って測定される、列挙された先行実施形態14に記載の二次電池。
【0140】
実施形態16.前記ユニットセルの内側巻回部内に配置されるスペーサ構造体が前記ユニットセルの外側巻回部内のスペーサ構造体と前記積層方向においてアライメントされるように、前記スペーサ構造体の集団の部材はアライメントされる、列挙された先行実施形態14に記載の二次電池。
【0141】
実施形態17.前記電極層の前記最長寸法に沿って前記電極層内に配置されるスペーサ間の距離は、前記二次電池の前記内側領域から前記二次電池の前記外側領域までの半径が大きくなるにつれ大きくなる、列挙された先行実施形態16に記載の二次電池。
【0142】
実施形態18.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記長さLに沿って前記電極層内に配置される複数のスペーサ構造体を含む、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0143】
実施形態19.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の周辺部に位置している単一のスペーサ構造体を含む、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0144】
実施形態20.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記幅Wを通って前記電極集電体から前記セパレータ層まで延在する前記集団の1つ以上の部材を含む、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0145】
実施形態21.前記スペーサ構造体の集団が前記電極層の前記幅Wに沿って前記電極集電体層の第一表面から前記電極集電体層の前記第一表面に対向する前記セパレータ層の第一表面まで延在する範囲の中央値は、前記電極層の前記幅Wの60%未満、50%未満、40%未満及び/または25%未満であり、前記電極層の前記幅Wの少なくとも2%、少なくとも3%及び/または少なくとも5%である、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0146】
実施形態22.第一隣接ユニットセル及び第二隣接ユニットセルを含み、前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、電極集電体を共有し、
前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルの両方はそれらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の集団を含む、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0147】
実施形態23.前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルは、前記共有された電極集電体を通って前記第一電極層及び前記第二電極層のそれぞれの中に延出する同じスペーサ構造体の集団を共有する、列挙された先行実施形態22に記載の二次電池。
【0148】
実施形態24.第一ユニットセル及び第二ユニットセルを含み、前記第一ユニットセル及び前記第二ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、それらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の第一集団、及びスペーサ構造体の第二集団を含み、
前記第一電極層内の前記スペーサ構造体の第一集団の位置は、前記第二電極層内の前記スペーサ構造体の第二集団の位置と積層方向においてアライメントされる、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0149】
実施形態25.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記セパレータ層との間の界面に配置される、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0150】
実施形態26.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記集電体層の前記表面との間の界面に配置される、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0151】
実施形態27.前記電極層は、70%未満の空隙部、60%未満の空隙部、25%未満の空隙部、及び/または10%以下の空隙部を、前記電極層の前記総容積Vのパーセンテージとして有する、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0152】
実施形態28.前記電極層内の前記電極活物質の前記導電性と前記電極層内の前記スペーサ集団のすべての部材の合計の導電性との比は、少なくとも2:1、少なくとも5:1、及び/または少なくとも50:1である、列挙された先行実施形態のいずれかに記載の二次電池。
【0153】
実施形態29.充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池のための電極接合体であって、
前記電極接合体はユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、
前記ユニットセルは、前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記対電極集電体の前記ユニットセル部分まで前記積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、
前記電極層は、前記電極層に隣接する前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記電極層に隣接する前記セパレータ層まで前記積層方向において測定される幅W、前記積層方向に直交する第二方向において前記電極層の頂面から底面まで測定される高さHe、ならびに前記積層方向及び前記高さ方向に直交する第三方向において、第一表面から第二表面まで測定される長さLe、ならびに前記電極集電体の前記ユニットセル部分、前記セパレータ層、前記電極層の前記頂面、前記電極層の前記底面、前記電極層の第一端面、及び電極層の前記第二端面によって境界が定められる容積Vを有し、
前記電極層はスペーサ構造体の集団を含み、前記スペーサ集団は前記電極層の前記容積Vの約0.1%から約35%の範囲内の前記電極層内の総容積を占める、前記電極接合体。
【0154】
実施形態30.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも50%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態29に記載の電極接合体。
【0155】
実施形態31.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも40%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態29~30のいずれかに記載の電極接合体。
【0156】
実施形態32.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも30%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態29~31のいずれかに記載の電極接合体。
【0157】
実施形態33.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態29~32のいずれかに記載の電極接合体。
【0158】
実施形態34.前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、前記電極層は、1モルの電極活物質あたり1モル超のキャリアイオンを許容する容量を有する電極活物質層を含み、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、列挙された先行実施形態29~33のいずれかに記載の電極接合体。
【0159】
実施形態35.前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、前記スペーサ材料は、前記二次電池が前記放電状態から前記充電状態まで充電されると、1モルのスペーサ材料あたり1モル未満のキャリアイオンというキャリアイオンを許容する容量を有し、
前記充電状態は前記二次電池の定格容量の少なくとも75%であり、前記放電状態は前記二次電池の前記定格容量の25%未満である、列挙された先行実施形態29~34のいずれかに記載の電極接合体。
【0160】
実施形態36.前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、前記スペーサ材料は、ポリマー材料、電極活物質、電極集電体材料、対電極集電体材料、及びセパレータ材料のうちのいずれか1つ以上を有する、列挙された先行実施形態29~35のいずれかに記載の電極接合体。
【0161】
実施形態37.前記スペーサ構造体の集団は、スペーサ材料を含み、
前記スペーサ材料は、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロペンを含むモノマーに由来するフルオロポリマー、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブテンなど)、エチレン-ジエン-プロペン三元共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、及びポリエチレングリコールジアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリアクリルアミド、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、アクリレート類、スチレン類、エポキシ類、シリコン類、ポリビニリデンフルオリド-co-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-co-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン-co-ビニルアセテート、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオリド-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンナフタレン、及び/またはそれらの共重合体の組み合わせのうちのいずれか1つ以上を含む、列挙された先行実施形態36に記載の電極接合体。
【0162】
実施形態38.前記スペーサ集団は、総容積の少なくとも0.1%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%及び/または少なくとも0.75%、及び前記電極層の前記総容積Vの35%未満、25%未満、10%未満及び/または5%未満を占める、列挙された先行実施形態29~37のいずれかに記載の電極接合体。
【0163】
実施形態39.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも20%、少なくとも10%及び/または少なくとも5%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態29~38のいずれかに記載の電極接合体。
【0164】
実施形態40.前記電極接合体は、前記電極層及び前記対電極層を有する一連の積層シートを含み、前記積層方向は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記第二方向及び前記積層方向の両方に直交する第三方向において測定される、列挙された先行実施形態29~39のいずれかに記載の電極接合体。
【0165】
実施形態41.前記積層連続体の各ユニットセル内の前記スペーサ構造体の集団の部材は、前記積層方向における前記スペーサ構造体の集団の他の部材とアライメントされる、列挙された先行実施形態40に記載の電極接合体。
【0166】
実施形態42.前記電極接合体は、少なくとも1つのユニットセルを含み、前記少なくとも1つのユニットセルは、前記ユニットセルの内側巻回部が前記ユニットセルの外側巻回部よりも小さい直径を有している状態で、内側領域の周りに連続して巻回され、前記内側領域からの半径が大きくなるにつれ前記ユニットセルの前記直径が大きくなる、列挙された先行実施形態29~41のいずれかに記載の電極接合体。
【0167】
実施形態43.前記積層連続体は、第一方向にあり、前記電極層の前記高さHは、前記積層方向に直交する第二方向において測定され、前記電極層の前記長さLは、前記電極接合体の前記中央領域から前記電極接合体の前記外側区間まで、前記電極層の巻回経路に対応する前記電極層の最長寸法に沿って測定される、列挙された先行実施形態42に記載の電極接合体。
【0168】
実施形態44.前記ユニットセルの内側巻回部内に配置されるスペーサ構造体が前記ユニットセルの外側巻回部内のスペーサ構造体と前記積層方向においてアライメントされるように、前記スペーサ構造体の集団の部材はアライメントされる、列挙された先行実施形態43に記載の電極接合体。
【0169】
実施形態45.前記電極層の前記最長寸法に沿って前記電極層内に配置されるスペーサ間の距離は、前記二次電池の前記内側領域から前記電極接合体の前記外側領域までの半径が大きくなるにつれて大きくなる、列挙された先行実施形態44に記載の電極接合体。
【0170】
実施形態46.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記長さLに沿って前記電極層内に配置される複数のスペーサ構造体を含む、列挙された先行実施形態29~45のいずれかに記載の電極接合体。
【0171】
実施形態47.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の周辺部に位置している単一のスペーサ構造体を含む、列挙された先行実施形態29~46のいずれかに記載の電極接合体。
【0172】
実施形態48.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層の前記幅Wを通って前記電極集電体から前記セパレータ層まで延在する前記集団の1つ以上の部材を含む、列挙された先行実施形態29~47のいずれかに記載の電極接合体。
【0173】
実施形態49.前記スペーサ構造体の集団が前記電極層の前記幅Wに沿って前記電極集電体層の第一表面から前記電極集電体層の前記第一表面に対向する前記セパレータ層の第一表面まで延在する範囲の中央値は、前記電極層の前記幅Wの60%未満、50%未満、40%未満及び/または25%未満であり、前記電極層の前記幅Wの少なくとも2%、少なくとも3%及び/または少なくとも5%である、列挙された先行実施形態29~48のいずれかに記載の電極接合体。
【0174】
実施形態50.第一隣接ユニットセル及び第二隣接ユニットセルを含み、前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、電極集電体を共有し、
前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルの両方はそれらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の集団を含む、列挙された先行実施形態29~49のいずれかに記載の電極接合体。
【0175】
実施形態51.前記第一隣接ユニットセル及び前記第二隣接ユニットセルは、前記共有された電極集電体を通って前記第一電極層及び前記第二電極層のそれぞれの中に延出する同じスペーサ構造体の集団を共有する、列挙された先行実施形態50に記載の電極接合体。
【0176】
実施形態52.第一ユニットセル及び第二ユニットセルを含み、前記第一ユニットセル及び前記第二ユニットセルはそれぞれ第一電極層及び第二電極層を含み、それらのそれぞれの前記第一電極層及び前記第二電極層内にスペーサ構造体の第一集団、及びスペーサ構造体の第二集団を含み、
前記第一電極層内の前記スペーサ構造体の第一集団の位置は、前記第二電極層内の前記スペーサ構造体の第二集団の位置と積層方向においてアライメントされる、列挙された先行実施形態29~51のいずれかに記載の電極接合体。
【0177】
実施形態53.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記セパレータ層との間の界面に配置される、列挙された先行実施形態29~52のいずれかに記載の電極接合体。
【0178】
実施形態54.前記スペーサ構造体の集団は、前記電極層と前記集電体層の前記表面との間の界面に配置される、列挙された先行実施形態29~53のいずれかに記載の電極接合体。
【0179】
実施形態55.前記電極層は、少なくとも40%の空隙部、少なくとも50%の空隙部、少なくとも60%の空隙部、少なくとも75%の空隙部、及び/または少なくとも90%の空隙部を、前記電極層の前記総容積Vのパーセンテージとして有する、列挙された先行実施形態29~54のいずれかに記載の電極接合体。
【0180】
実施形態56.前記電極層内の前記電極活物質の前記導電性と前記電極層内の前記スペーサ集団のすべての部材の合計の導電性との比は、少なくとも2:1、少なくとも5:1、及び/または少なくとも50:1である、列挙された先行実施形態29~55のいずれかに記載の電極接合体。
【0181】
実施形態57.充電状態と放電状態との間を繰り返す二次電池の形成方法であって、
電極接合体、キャリアイオン、及び電池筐体内に非水系電解液を提供することであって、
前記電極接合体はユニットセルの集団を含み、各ユニットセルは積層連続体では、電極集電体層のユニットセル部分、電極活物質を含む電極層、セパレータ層、対電極層、及び対電極集電体層のユニットセル部分を含み、
前記ユニットセルは前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記対電極集電体の前記ユニットセル部分まで前記積層連続体の積層方向において測定される幅Wucを有し、前記電極層は前記電極層に隣接する前記電極集電体の前記ユニットセル部分から前記電極層に隣接する前記セパレータ層まで前記積層方向において測定される幅W、前記積層方向に直交する方向において前記電極層の頂面から底面まで測定される高さH、ならびに前記積層方向及び前記高さ方向に直交する方向において、第一表面から第二表面まで測定される長さLe、ならびに前記電極集電体の前記ユニットセル部分、前記セパレータ層、前記電極層の前記頂面、前記電極層の前記底面、前記電極層の第一端面、及び前記電極層の第二端面によって境界が定められる容積Veを有し、
前記電極層はスペーサ構造体の集団を含み、前記スペーサ集団は前記電極層の前記容積Veの約0.1%から約35%の範囲内の前記電極層内の総容積を占める、
前記提供することと、
放電状態から充電状態まで前記二次電池を充電することを含む形成プロセスを実行することと、
を含む、前記方法。
【0182】
実施形態58.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Veの少なくとも50%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態57に記載の方法。
【0183】
実施形態59.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Veの少なくとも40%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態57~58のいずれかに記載の方法。
【0184】
実施形態60.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Veの少なくとも30%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態57~59のいずれかに記載の方法。
【0185】
実施形態61.前記スペーサ集団の部材は、前記電極層の各副容積内に位置しており、
前記電極層は、(i)前記電極層の前記容積Vの少なくとも25%を有し、(ii)(aa)前記電極集電体の前記ユニットセル部分、(bb)前記セパレータ層、(cc)前記電極層の前記頂面、(dd)前記電極層の前記底面、(ee)前記電極層の前記第一端面、及び(ff)前記電極層の前記第二端面によって境界が定められる、列挙された先行実施形態57~60のいずれかに記載の方法。
【0186】
実施形態62.前記電極層は、前記形成プロセス前に固体電極活物質の第一容積、及び前記第一容積より大きい前記形成プロセス後の固体電極活物質の第二容積を有し、
前記方法は、1%未満、0.5%未満、0.25%未満及び/または0.1%未満である、前記形成プロセス前から前記形成プロセス後までの前記ユニットセルのWUCにおける変化に対して、前記電極層内の前記固体電極活物質の前記第一容積よりも少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、及び/または少なくとも100%大きい前記第二容積まで、前記電極層内の前記固体電極活物質の前記容積を増加させる前記形成プロセスを実行することを含む、列挙された先行実施形態57~61のいずれかに記載の方法。
【0187】
実施形態63.前記形成プロセス中に、前記積層方向における前記電極接合体の成長を拘束する、及び/または前記電極接合体内の前記ユニットセルの集団のアライメントを維持する、電極拘束体セットを設けることをさらに含む、列挙された先行実施形態57~62のいずれかに記載の方法。
【0188】
実施形態64.前記電極拘束体セットは前記積層方向における成長を拘束する、列挙された先行実施形態63に記載の方法。
【0189】
実施形態65.前記形成プロセスに次いで前記電極拘束体セットを除去することを含む、列挙された先行実施形態63~64のいずれかに記載の方法。
【0190】
実施形態66.前記電極拘束体セットを前記二次電池の前記筐体内に設けることを含む、列挙された先行実施形態63~65のいずれかに記載の方法。
【0191】
実施形態67.前記電極拘束体セットを前記二次電池の前記筐体の外側に設けることを含む、列挙された先行実施形態63~66のいずれかに記載の方法。
【0192】
実施形態68.前記電極接合体は列挙された先行実施形態29~56のいずれかを含み、前記二次電池は列挙された実施形態1~28のいずれかを含む、列挙された先行実施形態63~67のいずれかに記載の方法。
【0193】
参照による援用
本明細書で述べられるすべての刊行物及び特許は、それぞれ個々の刊行物または特許が参照により具体的かつ個々に援用されたかのように、すべての目的のために参照によりそれら全体が本明細書に援用されている。矛盾する場合は、本明細書におけるいかなる定義をも含む本出願が優先する。
【0194】
均等物
特定の実施形態が論じられたが、上記明細書は例証的であって制限的ではない。多くの変形形態は、本明細書を考慮すれば当業者に明らかとなるであろう。本実施形態の全範囲は、特許請求の範囲を、それらの均等物の全範囲とともに、及び本明細書をそのような変形形態とともに参照することによって決定されたい。
【0195】
別段に示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される、成分量、反応条件などを表すすべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって変更されるものとして理解されるべきである。したがって、それに反して指示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、取得しようとする所望の特性に応じて変化することができる近似値である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図9
図10
図11A
図11B
図12
【国際調査報告】