(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】可動部分を備える、機器用ハウジングヘッド
(51)【国際特許分類】
G01T 7/00 20060101AFI20220706BHJP
G21F 1/08 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
G01T7/00 B
G21F1/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568353
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2020062135
(87)【国際公開番号】W WO2020233963
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519453320
【氏名又は名称】オラノ・デエス-デマンテレメ・エ・セルヴィス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・エスコフィエール
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン・ヴィアール
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA08
2G188AA19
2G188BB02
2G188BB04
2G188DD17
2G188DD30
(57)【要約】
機器を収容するためのヘッド(5)は、第1の部分(6)と、第1の部分(6)に対して可動である第2の部分(7)とを備える。第1の部分(6)は、支持マスト(22)に堅固に接続されるように構成される。第2の部分(7)は、ヘッド(5)の外側および機器用のハウジング内に至る開口部(73)を備える。ハウジングは、ヘッド(5)の内側に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器(3)を収容するためのヘッド(5)であって、少なくとも部分的に球状であり、前記ヘッド(5)は、
第1の部分(6)であって、本体(60)と接続端部材(62)とを備え、前記接続端部材(62)は、前記第1の部分(6)を支持ポール(22)に堅固に固定するように構成される、第1の部分と、
第2の部分(7)であって、球状キャップと、前記ヘッド(5)の外方向に開くポート(73)とを備え、前記ポート(73)は、前記機器(3)を収容することができるハウジング(50)内に開き、前記ハウジング(50)は、前記ヘッド(5)の内側に位置する、第2の部分と
を備え、
前記第2の部分(7)が、回転軸(R-R)の周りで前記第1の部分(6)に対して少なくとも回転移動可能であり、前記回転軸(R-R)は、前記支持ポール(22)の長手方向軸(X-X)に対して傾斜するように構成され、
前記本体(60)が、実質的に平面状である、前記第2の部分から前記第1の部分までの接合面(S1)によって切断された球形状を有し、
前記接合面(S1)が、前記支持ポール(22)の長手方向軸(X-X)に対して傾斜し、および/または前記ポート(73)の長手方向軸(Y-Y、Y1-Y1、Y2-Y2)が、前記接合面(S1)に対して傾斜する、
ヘッド(5)。
【請求項2】
前記第2の部分(7)が半球を含み、前記第2の部分(7)が半球を含み、および/または前記接続端部材(62)が円筒形状を有し、
前記接続端部材(62)の長手方向軸が、好ましくは、前記支持ポール(22)の前記長手方向軸に平行であるように構成される、
請求項1に記載のヘッド(5)。
【請求項3】
前記ポート(73)が、旋回面、好ましくは円錐、円錐台、または直円柱によって画定される、
請求項1または2に記載のヘッド(5)。
【請求項4】
前記ポート(73)が、実質的に前記ヘッド(5)の中心(51)において前記ハウジング(50)内に開き、および/または前記ポート(73)が、前記機器(3)用のハウジングを構成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項5】
前記ポート(73)の前記長手方向軸(Y-Y、Y1-Y1、Y2-Y2)が、前記支持ポール(22)の前記長手方向軸(X-X)と交差するように構成され、および/または前記接合面(S1)に垂直な軸が、前記支持ポール(22)の前記長手方向軸に対して傾斜するように構成される、
請求項1から4のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項6】
前記ポートの前記長手方向軸(Y-Y、Y1-Y1、Y2-Y2)が、前記接合面(S1)に対して、25°~155°の間、好ましくは25°~85°の間および95°~155°の間、非常に好ましくは実質的に25°である角度(α)で傾斜するように構成され、および/または
前記接合面(S1)が、前記支持ポールの前記長手方向軸(X-X)に対して、25°~155°の間、好ましくは25°~85°の間および95°~155°の間、非常に好ましくは実質的に25°である角度(β)で傾斜するように構成され、
前記接合面(S1)に対する前記ポートの前記長手方向軸(Y-Y、Y1-Y1、Y2-Y2)の前記傾斜角度(α)が、好ましくは、前記支持ポール(22)に対する前記接合面(S1)の前記傾斜角度(β)に実質的に等しい、
請求項1から5のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項7】
前記第1の部分(6)および/または前記第2の部分(7)が、X放射線および/またはガンマ放射線など放射能輻射に対する遮蔽材料、ならびに/あるいは熱的、化学的、細菌学的、電気的、および/または磁気的な絶縁材料を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッド(5)と、支持ポール(22)と、第1の部分(6)に対して第2の部分(7)を移動させるように構成されたアクチュエータ(80、82)と
を備える
装置。
【請求項9】
前記アクチュエータ(80、82)が、駆動シャフト(80)を備え、前記駆動シャフト(80)の長手方向軸が、前記支持ポールの長手方向軸(X-X)に平行である、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記アクチュエータ(80、82)が、伝動デバイス(82)を備え、前記伝動デバイス(82)が、角度伝動歯車、特にかさ歯車を備える、
請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記アクチュエータ(80、82)が、伝動デバイス(82)を備え、前記伝動デバイス(82)が、第1の伝動要素(84)と第2の伝動要素(86)とを備え、
前記第1の伝動要素(84)が、前記第1の部分(6)内に収容され、および/または前記第2の伝動要素(86)が、前記第2の部分(7)と堅固に一体となっている、
請求項8から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持ポールの前記長手方向軸(X-X)に対する前記ポート(73)の位置を制御するためのデバイス(10)
を備える、
請求項8から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
制御装置(1)であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッド(5)、または特に視準装置である請求項8から12のいずれか一項に記載の装置と、
前記ヘッド(5)のハウジング(50)内に収容された測定機器(3)であって、検出器、特にX放射線検出器および/またはガンマ放射線検出器を含む、測定機器(3)と
を備える、
制御装置(1)。
【請求項14】
前記検出器が、前記検出器の長手方向軸が支持ポール(22)の長手方向軸(X-X)に平行であるように前記ヘッド(5)の内側に延び、および/または、
前記制御装置(1)が、実質的に前記支持ポールの前記長手方向軸(X-X)に沿って前記ヘッド(5)の内側に延びる前記検出器用の電力供給または信号伝送手段(30)を備える、
請求項13に記載の制御装置(1)。
【請求項15】
請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッド(5)または請求項8から12のいずれか一項に記載の装置を製造する方法であって、前記ヘッド(5)が、少なくとも第1の材料および第2の材料で作製され、前記第1の材料が、前記第2の材料よりも機械的に強く、前記第1の材料が、前記第2の材料の周りに位置し、
前記製造する方法が、好ましくは付加製造によって前記第1の材料から前記ヘッドの外板(52)を製造するステップを含む、
製造する方法。
【請求項16】
前記第2の材料が、X放射線および/またはガンマ放射線などの放射能輻射に対する遮蔽材料であり、
前記第1の材料が、好ましくは、ステンレス鋼を含み、および/または
前記第2の材料が、好ましくは、鉛、銅、および/またはタングステンを含む、
請求項15に記載の製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの介入に不適切な有害環境、特に核燃料サイクルもしくは原子力発電施設、または核材料を使用する実験室、リアクタ、もしくは研究施設などの放射能環境内の作業のための機器ハウジングヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジングヘッドは、機器を種々の方向に配向し、さらに機器を周辺環境の影響から保護することを可能にする。
【0003】
機器を種々の方向に配向し、同時にその環境から保護することを可能にする既存の解決策は、重くかさばるものである。
【0004】
たとえば、高放射線環境内で放射能源からのX放射線および/またはガンマ放射線の正確な測定を実施するために、支持ポールに取り付けられ、X放射線および/またはガンマ放射線検出器が内部に収容された、知られている構造を有するコリメータを使用することが必要である。これらのコリメータの形状は円筒状である。各コリメータは、放射能環境内での検出を可能にしながら、検出器を放射線から絶縁することを可能にする。支持ポールの端部においてこれらのコリメータおよび検出器を使用することにより、オペレータは放射線から保護される。
【0005】
コリメータおよびこれが収容する検出器を放射能源に対してできるだけ良好に配置することができるように、支持ポールの端部には、種々の平面内で配向可能である支持体が装備され、それによって、測定装置の全体的なサイズおよび重量は増加する。
【0006】
しかし、一方ではいくつかの小空間にはこれらのコリメータがアクセスできず、他方ではコリメータが収容する検出器の視野、すなわち検出立体角が限定される。したがって、これらのコリメータを移動させることがしばしば必要であり、それによってゾーンの全体サイズを調査する場合に複雑になる可能性があり、オペレータを放射線に曝露するリスクが増大する。さらに、測定される放射能源の軸内に検出器を配置することはしばしば困難であり、これは、得られた測定データを処理して算出によってこれらのデータを補正することが必要であることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術の解決策において遭遇する問題を少なくとも部分的に解決することを目的とする。
【0008】
この点に関して、本発明の1つの目的は、機器を収容するためのヘッドである。このヘッドは、少なくとも部分的に球状である。このヘッドは、第1の部分と、第1の部分に対して可動である第2の部分とを備える。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の部分は、本体と接続端部材とを備える。接続端部材は、第1の部分を支持ポールに堅固に固定するように構成される。
【0010】
第2の部分は、球状キャップを備える。第2の部分は、ポートであって、このヘッドの外方向に開き、機器用のハウジング内に開く、ポートを備える。ハウジングは、このヘッドの内側に位置する。第2の部分は、支持ポールの長手方向軸に対して傾斜するように設計された回転軸の周りで、第1の部分に対して少なくとも回転移動可能である。
【0011】
本体は、実質的に平面状である、第2の部分から第1の部分までの接合面によって切断された球形状を有する。第2の部分から第1の部分までの接合面は、支持ポールの長手方向軸に対して傾斜し、および/またはポートの長手方向軸は、第2の部分から第1の部分までの接合面に対して傾斜する。
【0012】
本発明によるヘッドにより、このヘッドおよびこのヘッド内に収容される機器を備える装置の質量および全体サイズを抑制し、周囲環境に対する機器の保護を確実にしながら、放射能環境などのヒトの介入に不適切な有害環境内で作業をより容易に実行することが可能である。
【0013】
特に、このヘッドにより、作業を、小さいまたはアクセスが難しい空間内で、確実に、機器の作業位置を特定できるようにして実行することが可能である。
【0014】
たとえば、機器は、観察動作を可能にし、この場合機器はカメラであってもよく、距離測定動作を可能にし、この場合機器はテレメータであってもよく、切断動作を可能にし、この場合機器はレーザヘッドであってもよく、除染動作を可能にし、この場合機器はレーザヘッドまたは除染生成物を噴霧するためのノズルであってもよい。
【0015】
特に接続ポールは、オペレータによって、直接的に、または遠隔動作もしくは遠隔操作による遠隔で並進式および/または回転移動させやすいため、第1の部分に対する第2の部分の回転移動性は、機器の視野/作用を増大させる。
【0016】
このヘッドの部分的な球形状により、その質量および全体サイズが最適化される。このヘッドは、簡単な幾何学形状を有し、それによって製造し、必要な場合に洗浄および/または除染することがより容易になる。
【0017】
第2の部分から第1の部分までの接合面は、実質的に平面状である。接合面は、第1の部分と第2の部分との間の接合部において漏出路を限定する場所では非平面状であることができ、それによって機器をヘッド環境からより良好に保護または絶縁する。少なくとも接合面のほとんどは、平面状である。
【0018】
支持ポールの長手方向軸に対する接合面の傾斜により、機器の視野/作用は拡大される。
【0019】
本発明は、任意選択により、以下の特性のうちの1つまたは複数を組み合わせてまたは単独で含むことができる。
【0020】
1つの特徴によれば、第1の部分は、実質的には1つの半球を備え、第2の部分は、1つの半球を備える。
【0021】
別の特徴によれば、接続端部材は、円筒形状を有し、接続端部材の長手方向軸は、好ましくは、支持ポールの長手方向軸に平行になるように設計される。
【0022】
1つの特徴によれば、ポートは、回転面、好ましくは円錐、円錐台、または直円柱によって画定される。
【0023】
1つの特徴によれば、ポートは、実質的にこのヘッドの中心においてハウジング内に開く。これは、機器による作業と共に、このヘッドの内側の機器の電力供給も容易にする傾向がある。
【0024】
別の特徴によれば、ポートは、機器用のハウジングを構成する。これは、たとえば、有害環境内およびヒトの介入に不適切な動作において使用可能な任意の小型サイズの機器となる。
【0025】
別の特徴によれば、ポートの長手方向軸は、支持ポールの長手方向軸と交差するものである。
【0026】
好ましくは、接合面に垂直な軸もまた、支持ポールの長手方向軸に対して傾斜する。
【0027】
1つの特徴によれば、ポートの長手方向軸は、25°~155°の間、好ましくは25°~85°の間および95°~155°の間、最も好ましくは実質的に25°の角度で接合面に対して傾斜する。
【0028】
1つの特徴によれば、接合面は、25°~155°の間、好ましくは25°~85°の間および95°~155°の間、さらに好ましくは実質的に25°の角度で支持ポールの長手方向軸に対して傾斜する。
【0029】
別の特徴によれば、接合面に対するポートの傾斜角度は、支持ポールの長手方向軸に対する接合面の傾斜角度と実質的に等しい。これらの傾斜角度は、好ましくは小さく、それによって機器の視野/作用、すなわち機器の作用/視野の立体角を増大させる。
【0030】
1つの特徴によれば、第1の部分および/または第2の部分は、X放射線および/またはガンマ放射線などの放射能輻射に対する遮蔽材料を含む。
【0031】
1つの特徴によれば、第1の部分および/または第2の部分は、熱的、化学的、細菌学的、電気的、および/または磁気的絶縁材料を含む。
【0032】
したがって、このヘッドは、その内部に収容された機器の保護を確実にするように環境に適合される。したがって、ヘッドハウジング内に収容された機器が放射線測定装置であるとき、遮蔽材料からなる第2の部分内に作製されたポートにより、視準機能を確実にすることが可能になり、それによってこのヘッドは、視準ヘッドである。
【0033】
本発明はまた、上記で規定したようなヘッドを備えるコリメータに関し、このヘッドは、このとき、放射能輻射検出器を収容するように設計された視準ヘッドである。
【0034】
本発明はまた、支持ポールと共に上記で規定されたようなヘッドを備える装置に関する。
【0035】
好ましくは、この装置は、特にこのヘッドがX放射線および/またはガンマ放射線などの放射能輻射に対する遮蔽材料を含む場合、視準装置である。
【0036】
1つの特徴によれば、この装置は、第1の部分に対して第2の部分を移動させるように構成されたアクチュエータを備える。
【0037】
1つの特徴によれば、アクチュエータは、支持ポールの長手方向軸に平行である長手方向軸を有する駆動シャフトを備える。
【0038】
1つの特徴によれば、アクチュエータは、伝動デバイスである。有利には、伝動デバイスは、第1の伝動要素と第2の伝動要素とを備える。
【0039】
1つの特徴によれば、伝動デバイスは、角度伝動歯車、特にかさ歯車を備える。
【0040】
かさ歯車は、信頼高く頑強であり、満足のいく効率性および減速比を有し、構造が簡単で安価であるという利点を有する。
【0041】
1つの特徴によれば、第1の伝動要素は、第1の部分内に収容される。
【0042】
1つの特徴によれば、第2の伝動要素は、第2の部分と堅固に一体となっている。
【0043】
第2の伝動要素は、たとえば、第2の部分に取り付けられる。あるいは、第2の伝動要素は、第2の部分との一体品であり、第2の部分の一部を形成する。
【0044】
1つの特徴によれば、この装置は、支持ポールの長手方向軸に対するポートの位置を制御するためのデバイスを備える。
【0045】
したがって、位置制御デバイスは、このヘッドが配置される環境からオペレータを保護しながら、このヘッドによって担持された機器によって正確な作業を実行することを可能にする。
【0046】
本発明はまた、制御装置、すなわち測定装置および/または監視装置に関する。この制御装置は、上記で規定したようなヘッドまたは上記で規定したような装置、特に視準装置を備える。この制御装置はまた、ヘッドハウジング内に少なくとも部分的に収容された機器を含む。機器は、好ましくは測定機器である。
【0047】
1つの特徴によれば、機器は、検出器、特にX放射線検出器および/またはガンマ線検出器を備える。
【0048】
この制御装置は、この制御装置の質量および全体サイズ、ならびに放射能環境などのヒトの介入に不適切な有害な環境に対するオペレータの曝露を抑制しながら、検出器、および上記で規定したようなヘッドまたは装置によって実施される、特に放射能環境内での(視準により)正確で(調査される環境のかなりの広さを走査することにより)拡張的な検査動作を実行することを容易にし、可能にもする。
【0049】
1つの特徴によれば、検出器は、検出器の長手方向軸が支持ポールの長手方向軸に平行であるようにこのヘッドの内側に延びる。
【0050】
別の特徴によれば、この制御装置は、検出器の電力供給または信号伝送手段を備える。
【0051】
1つの特徴によれば、検出器の電力供給または信号伝送手段は、実質的に支持ポールの長手方向軸に沿ってこのヘッドの内側に延びる。
【0052】
したがって、第1の部分に対する第2の部分の移動中、検出器の電力供給または信号伝送ケーブルを損傷するリスクが、低減される。
【0053】
最後に、本発明は、上記で規定したようなヘッドまたは上記で規定したような装置、特に視準装置を製造する方法に関する。このヘッドは、単一の材料またはいくつかの材料で作製される。いくつかの材料の場合、第1の材料は、第1の材料とは別個の第2の材料の周りに位置する。第1の材料は、より機械的に抵抗性があり、より容易に除染可能であるように選択されるが、第2の材料は、放射線を吸収し、機械的、放射線学的、熱的、化学的、細菌学的、電気的、および/または磁気的な絶縁を提供する能力に関して選択される。
【0054】
好ましい実施形態によれば、この製造する方法は、第1の材料からこのヘッドの外板を製造するステップを含む。さらにより好ましくは、この製造するステップは、付加製造によって実行される。
【0055】
1つの特徴によれば、第2の材料は、X放射線および/またはガンマ放射線などの放射能輻射に対する遮蔽材料である。
【0056】
好ましくは、第1の材料は、ステンレス鋼を含む。
【0057】
好ましくは、第2の材料は、鉛、銅、および/またはタングステンを含む。
【0058】
このヘッドは、周囲の放射線から機器を保護しながら、第1の材料の外板によって満足のいく機械的強度および熱的抵抗を有する。
【0059】
本発明は、付属の図を参照して、限定ではなく直説のみのために与えられた例示的な実施形態の説明を読み取ることによって、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】検出穴が第1の方向に配向されている、本発明の第1の実施形態による制御装置の部分的概略斜視図である。
【
図2】検出穴が第2の方向に配向されている、制御装置の部分的概略斜視図である。
【
図5】制御装置の部分的な概略長手方向断面図である。
【
図6】制御装置の第2の可動部分の部分的な概略長手方向断面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態による制御装置の部分的概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
さまざまな図の同一、同様、または等価の部分は、1つの図から別の図への切替えを容易にするために同じ参照記号を有する。
【0062】
図1~
図6は、第1の実施形態による、放射能環境内の制御デバイス、この場合は測定装置1を表す。この放射能環境は、たとえば、原子炉の一次回路導管、放射能材料用の貯蔵タンク、または放射能材料用の貯蔵パックなどの原子力産業設備であってもよい。
【0063】
測定装置1は、支持ポール22の長手方向軸に対応する長手方向軸X-Xを有する。軸方向は、測定装置1の長手方向軸X-Xに平行な方向である。
【0064】
測定装置1は、測定装置1のヘッド5内に収容された検出器3を放射線から保護しながら、所与の放射線源からの放射能環境内のX放射線および/またはガンマ放射線を正確に測定するように構成される。
【0065】
測定装置1は、装置2と検出器3とを備える。図示する実施形態では、装置2は、視準装置である。視準装置2は、支持ポール22と、検出器3を収容するように構成されたヘッド5と、ヘッド5の内側に少なくとも部分的に、かつポール22の内側に少なくとも部分的に収容されたアクチュエータ8とを備える。
【0066】
視準装置2は、ヘッド5の外板52を通過するポート73の位置を制御するための位置制御デバイス(図示せず)をさらに備える。
【0067】
支持ポール22は、放射能環境内の開口部に挿入されるものである。これは、オペレータを放射能から保護しながら、オペレータによって、直接的に、または遠隔動作もしくは遠隔操作によって遠隔で放射能環境内に移動されるように設計される。
【0068】
図3および
図5をより具体的に参照すれば、検出器3は、装置1の機器を形成する。図示する両方の例示的な実施形態では、検出器3は、X放射線および/またはガンマ線検出器、たとえばプローブである。検出器3は、たとえばテレメータまたはカメラなどの別の測定機器を備えることもできる。
【0069】
通常、検出器3は、ヘッド5の部分6内に少なくとも部分的に収容される。図示する実施形態では、検出器3は、支持ポール22と堅固に一体となっている。検出器の長手方向軸は、支持ポール22の長手方向軸X-Xに平行である。
【0070】
測定装置1は、検出器3に電力を供給し、信号を検出器3から伝送するための電力供給および信号伝送手段30を備える。この電力供給および信号伝送手段30は、少なくとも1本の電気的および/または光ケーブルを備え、このケーブルは、検出器3に電気的および/光学的に接続されることによって、支持ポール22の内側およびヘッド5の内側に収容される。
【0071】
ヘッド5は、部分的球形状を有する。このヘッドは、ポート73を通る視準された放射線の検出器3による測定を可能にしながら、検出器3を少なくとも部分的に放射線から絶縁するように構成される。
【0072】
ヘッド5は、外板52と、外板52によって取り囲まれた内側部分54とを備える。ヘッド5は、第1の部分6と、第1の部分6に対して回転軸R-Rの周りで回転移動可能である第2の部分7とを備える。第1の部分6および第2の部分7は、実質的に平面状である接合面S1上で互いに機械的に接触している。第1の部分6および第2の部分7は、一緒になって、ヘッド5の内側のセンサ3用のハウジング50を画定する。
【0073】
具体的に
図5および
図6を参照すれば、外板52は、ヘッド5を外方向に画定する。外板は、ヘッド5の変形を抑制するのに十分な機械的強度を有し、容易に除染可能である第1の材料で作製される。第1の材料は、通常、ステンレス鋼を含む。
【0074】
内側部分54は、外板52の内側に位置する。内側部分は、ハウジング50を外方向に画定する。内側部分は、ヘッド5の材料量のほとんどに相当する。内側部分54は、検出器3の放射線、通常はX放射線および/またはガンマ放射線遮蔽材料である第2の材料で作製される。第2の材料は、第1の材料よりも低い機械的強度のものであってもよいが、第1の材料よりも良好な検出器3に対する放射線保護を提供する。第2の材料は、たとえば、鉛、銅、および/またはタングステンを含む。
【0075】
検出器のハウジング50は、接続ポールの長手方向軸X-Xに沿って延びる円筒状部分53と、中央ボール形状空洞51とを備える。
【0076】
円筒状部分53は、長手方向軸X-Xに平行である母線を有する直円柱である。円筒状部分は、ヘッド5を支持ポール22に接続するための接続端部材62を通ってヘッド5の外方向に開く。円筒状部分は、ハウジング50の容積部のほとんどに相当する。円筒状部分53は、検出器3および検出器の電力供給手段30を挿入するための穴を形成する。円筒状部分は、検出器の電力供給手段30を収容する。円筒状部分はまた、検出器の長手方向に沿って検出器3のほとんどを収容する。円筒状部分53は、ヘッドの第1の固定された部分6内に設けられ、それによって第1の部分6に対する第2の部分7の移動中、電力供給手段30、また比較的程度は低いが、検出器3を損傷するリスクを抑制する。
【0077】
中央空洞51は、実質的には、ヘッド5によって形成された部分的球形の中心に位置する。中央空洞51は、円筒状部分53内に開く。
【0078】
図1~
図6を一緒に参照すれば、第1の部分6は、支持ポール22に対して固定される。第1の部分は、本体60と、接続端部材62と、第1のガイド部材64と、第1の円周方向ストッパ61とを備える。第1の部分は、一体品として作製される。
【0079】
接続端部材62は、支持ポールの長手方向軸X-Xに平行である母線を有する直円柱である。接続端部材は、本体60から支持ポールの長手方向軸X-Xの周りを延びる。接続端部材は、ヘッド5を支持ポール22に堅固に固定するように構成される。接続端部材は、支持ポール22と機械的に係合するように構成された雄ねじ63を備え、クランピングによって支持ポールに取り付けられる。
【0080】
第1の部分6の本体60は、接合面S1によって切断された略球形状を有する。図示する実施形態では、この本体は、略半球形状を有する。
【0081】
第2の部分7は、本体70と第2のガイド部材74とを備える。検出器3用の検出穴を形成するポート73は、第2の部分を通過する。第2の部分は、一体品として作製される。
【0082】
第2の部分の本体70は、接合面S1によって切断された球形状を有する。第2の部分の本体70は、第1の部分の本体60に対する略補間的形状を有して、球形を形成する。図示する実施形態では、本体70は半球形状を有する。
【0083】
ポート73は、第2の部分の本体70を通って検出器3のハウジング50内に、そしてヘッド5の外方向に開く。ポート73は、中央空洞51においてハウジング50内に開く。図示する実施形態では、ポート73は、円筒形または軸Y-Yを有する直円錐の形状を有する。ポートの長手方向軸Y-Yは、支持ポールの長手方向軸X-Xと交差する。ポートの長手方向軸Y-Yは、接合面S1に対して、特に25°~155°の間、好ましくは25°~85°の間および95°~155°の間である角度αで傾斜する。図示する実施形態では、角度αは、実質的に25°に等しい。
【0084】
図1では、ポートの長手方向軸Y-Yは、特に支持ポールの長手方向軸X-Xに対して第1の方向Y1-Y1に沿って配向されて、この第1の方向Y1-Y1から来るX放射線および/またはガンマ放射線が測定される。
【0085】
図2では、ポートの長手方向軸Y-Yは、特に支持ポールの長手方向軸X-Xに対して第2の方向Y2-Y2に沿って配向されて、この第2の方向Y2-Y2から来るX放射線および/またはガンマ放射線が測定される。
【0086】
第2の部分から第1の部分までの接合面S1は、特に放射線漏出路を限定することを可能にするガイド部材64、74のところは除き、その表面のほとんどにわたって平面状である。接合面は、支持ポールの長手方向軸X-Xに対して、特に25°~155°の間、好ましくは25°~85°の間および95°~155°の間である角度βで傾斜する。図示する実施形態では、角度βは、実質的に25°に等しい。
【0087】
接合面S1は、第1の部分6と第2の部分7との間の接合部において放射線漏出路を限定するために、第1のガイド部材64および第2のガイド部材74において非平面状である。接合面S1の平坦性がこうして連続しない結果、検出器3は、周囲の放射能に対してより良好に保護されると同時に、ポート73を通って到達する放射能輻射のより正確な測定を可能にする。
【0088】
第1の部分6に対する第2の部分7の回転軸R-Rは、接合面S1と直交する。この回転軸は、支持ポールの長手方向軸X-Xに対して傾斜する。回転軸は、支持ポールの長手方向軸X-Xと交差する。回転軸は、中央空洞51の直径を通り抜け、それによって第1の部分6に対する第2の部分7の移動中、検出器3を損傷するリスクをさらに抑制する。
【0089】
第1のガイド部材64および第2のガイド部材74は一緒になって、第1の部分6に対する第2の部分7の移動を案内するためのガイド部材を形成する。
【0090】
第1のガイド部材64は、接合面S1において第1の部分6の本体60内に設けられた第1の凹部65および第2の凹部67を備える。これらの凹部65、67はそれぞれ、第1の部分6に対する第2の部分7の回転軸R-Rの周りに環状溝の形状を有する。これらの環状溝65、67は、環状リブによって回転軸R-Rに対して互いから径方向に離間される。
【0091】
第2のガイド部材74は、接合面S1において第2の部分7の本体70から突起する第1の突起部分75および第2の突起部分77を備える。これらの突起部分75、77はそれぞれ、第1の部分6に対する第2の部分7の回転軸R-Rの周りに環状リブ形状を有する。これらの環状リブ75、77は、環状溝によって回転軸R-Rに対して互いから径方向に離間される。
【0092】
第2のガイド部材74は、接合面S1において第1の部材64と機械的にぴったりと係合するように適合される。より具体的には、第2の部分の突起部分75、77は、第1の部分6の凹部65、67に挿入されて、第2の部分7が回転軸R-Rの周りで、接合面S1に沿って第1の部分6に対して滑らずに回転することを可能にする。
【0093】
アクチュエータ8は、第2の部分7を第1の部分6に対して移動させるように構成される。アクチュエータ8は、駆動デバイスと伝動デバイス82とを備える。
【0094】
駆動デバイスは、駆動シャフト80を備え、その長手方向軸は、駆動シャフトが少なくとも部分的に収容される支持ポール22の長手方向軸X-Xに平行である。駆動シャフト80は、中空であり、支持ポールの長手方向軸X-Xの周りに円形断面を有する実質的に円筒状である。駆動シャフト80の内側は、検出器3を少なくとも部分的に収容する。駆動シャフト80はまた、接続端部材62内に少なくとも部分的に収容される。駆動シャフト80は、たとえば、モータ(図示せず)によって駆動されることによって、その長手方向軸の周りで回転移動可能である。
【0095】
伝動デバイス82は、第1の伝動要素84と第2の伝動要素86とを備える。伝動デバイスは、第1の伝動要素84の回転軸X-Xに対する第2の伝動要素86の回転軸R-Rの傾斜により、角度伝動歯車を形成する。第2の伝動要素86の回転軸R-Rおよび第1の伝動要素84の回転軸X-Xは交差しているため、伝動デバイス82は、かさ歯車を形成する。
【0096】
第1の伝動要素84は、支持ポール22および駆動シャフト80の長手方向軸X-Xに平行である旋回軸を有する第1の歯付きホイールである。第1の伝動要素84は、検出器3の周りに第1の部分6の内側に収容される。第1の伝動要素84は、第1の部分6および検出器3に対して回転移動可能である。第1の伝動要素は、駆動シャフト80と回転的に一体となっており、駆動シャフトは、第1の部分6に対して第1の伝動要素を可動に駆動する。
【0097】
第2の伝動要素86は、第2の部分7の回転軸R-Rである旋回軸を有する第2の歯付きホイールである。第2の伝動要素86は、これが少なくとも部分的に画定する接合面S1に位置する。第2の伝動要素86は、これと噛み合う第1の伝動要素84によって、第1の部分6に対して可動に駆動される。第2の伝動要素は、第2の部分の本体70と回転的に一体となっている。図示する実施形態では、第2の伝動要素86は、第2の部分7の本体70に取り付けられるか、またはこれと一体品であることによって、第2の部分の本体70と堅固に一体となっている。
【0098】
第1の伝動要素84は、接続デバイスによって駆動シャフト80と回転的に一体となっていることによって駆動シャフト80に機械的に接続される。この接続デバイスは、少なくとも1つの第1のラグ26と少なくとも1つの第2のラグ28とを備える。各第1のラグ26は、たとえば駆動シャフト80の長手方向軸に対して径方向に突起することによって、駆動シャフト80と堅固に一体となっている。各第2のラグ28は、たとえば、駆動シャフト80の長手方向軸に沿って軸方向に突起することによって、第1の伝動要素84と堅固に一体となっている。各第2のラグ28は、たとえばこの第1のラグ26に対して回転式当接状態にあることによって、第1のラグ26の1つと機械的にぴったりと係合するように設計される。
【0099】
図示する第1の実施形態では、駆動シャフト80は、駆動シャフトの長手方向軸X-Xに対して円周方向に均一に分散された少なくとも3つの第1の雄型ラグ26を備える。第1の歯付きホイールは、駆動シャフトの長手方向軸X-Xに対して円周方向に均一に分散された少なくとも3つの第2の雌型ラグ28を備える。
【0100】
駆動シャフト80および接続端部材62はまた、接続端部材62に対する駆動シャフト80の回転運動を限定するために、円周方向ストッパ61、81を備える。円周方向ストッパ61、81は、回転軸R-Rの周りの第1の部分6に対する第2の部分7の回転を限定するためのものである。
【0101】
第1の円周方向ストッパ61は、支持ポールの長手方向軸X-Xに沿って軸方向に接続端部材62の上側リムから突起する。第1の円周方向ストッパ61は、円筒状突出形状を有する。
【0102】
第2の円周方向ストッパ81は、支持ポールの長手方向軸X-Xに対して径方向に外方向に駆動シャフト80から突起する。第2の円周方向ストッパ81は、円筒状突出形状を有する。第2の円周方向ストッパは、第1の円周方向ストッパ61と機械的に接触するように構成され、それによって第1の部分6に対するアクチュエータ8の回転ストロークを限定する。
【0103】
ヘッド5を製造する方法によれば、ヘッド5は、いくつかのステップにおいて製造される。最初に、ヘッドの外板52は、第1の材料から付加製造によって、たとえば金属粉末のレーザ溶融によって製造される。第1の部分6の外板52は、特に、第2の部分7の外板から独立して製造される。次いで、内側部分54は、外板52の内側に製造される。内側部分54は、たとえば、第2の材料から鋳造することによって生み出される。
【0104】
図7は、第2の実施形態による測定装置1を表す。第2の実施形態による測定装置1は、主に支持ポール22が視準装置2のヘッド5との一体品である点において第1の実施形態のものとは異なる。
図7はまた、本発明の第1の実施形態でも使用可能である、支持ポールの長手方向軸X-Xに対するポート73の位置を制御するための制御デバイス10を表す。
【0105】
ポート73の位置を制御するための制御デバイス10は、支持ポール22上にマークされた第1の目盛り11と、駆動シャフト80上にマークされた第2の目盛り12とを備える。支持ポール22が接合面S1に対して傾斜すると考えると、第1の目盛り11および第2の目盛り12により、ポート73の位置を支持ポールの長手方向軸X-Xに対して視覚的に特定することが可能になる。
【0106】
第1の実施形態による、または第2の実施形態による測定装置1は、放射能環境へのオペレータの曝露、測定装置1の質量および全体サイズを抑制しながら、検出器3および視準装置2によって実施される、放射能環境内の測定動作を実行することを容易にする。
【0107】
接続ポール22をオペレータによって、または遠隔動作によって並進的におよび/または回転可能に移動させることができると考えると、第1の部分6に対する第2の部分7の回転可動性により、検出器3の視野が高められる。
【0108】
検出器3の視野は、接続ポールの長手方向軸X-Xと接合面S1によって形成された角度βおよびポート73と接合面S1との間の角度αが小さく、非ゼロであるという事実によって高められる。
【0109】
ヘッド5の部分的な球形状は、その質量および全体サイズを最適化する。さらに、ヘッド5は、簡単な幾何学形状を有し、それによって製造および除染をより容易にする。
【0110】
第1の材料からの外板52の製造により、ヘッド5は、満足のいく機械的強度を有する。さらに、ヘッド5は、第2の遮蔽材料で作製された内側部分54によって放射線に対して検出器3を保護する。
【0111】
当然ながら、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者は、説明した本発明にさまざまな改変を加えることができる。
【0112】
あるいは、装置1は、機器を支持し、機器3を機械的、放射線学的、熱的、化学的、細菌学的、電気的、および/または磁気的に少なくとも部分的に保護および/または絶縁するように構成された装置であってもよい。
【0113】
あるいは、装置1は、サンプリング、洗浄および/または除染ツールなどの、検出器とは別個である機器3を備える。
【0114】
機器3は、第2の部分7内、特にポート73内に主に収容されてもよい。機器3がテレメータ、カメラ、および/またはサンプリングツールである場合、これは、たとえば第2の部分7に取り付けられてもよい。
【0115】
装置1が放射線、電気および/または磁気絶縁機能を有さない場合、装置1のヘッド5は、遮蔽材料を有さない。特に、装置は、装置1の質量および全体サイズを抑制するために、内側部分54を有さず、外板52だけを含んでもよい。
【0116】
ヘッド5は、さまざまな形状および寸法、特にヘッド5を挿入するための開口部に適合された形状および寸法のものであってもよい。ヘッド5は、たとえば、部分的に球状である代わりに円筒状である。ヘッド5は、全体的にまたはほぼ全体的に球状であってもよい。
【0117】
あるいは、第1の部分6は、支持ポール22と堅固に一体となる代わりに、支持ポール22に対してヒンジ留めされる。さまざまなタイプの機械的接続が、たとえばはんだ付け、ろう付け、溶接、弾性インターロックなどによってヘッド5と支持ポール22との間で可能である。
【0118】
第2の部分7は、複合動作で第1の部分6に対して可動であることができ、この動作は、好ましくは少なくとも1つの回転動作を含む。たとえば、第2の部分7は、第1の部分6に対するらせん接続で可動である。
【0119】
ヘッド5は、付加製造無しに、特にこれが単一の構成材料、通常は第1の材料で作製される場合に鋳造によって製造されてもよい。
【0120】
機器3がサンプリングツールである場合、ポート73は、サンプリング穴である。機器3が洗浄および/または除染ツールである場合、ポート73は、噴霧ポートである。
【0121】
ポート73は、さまざまな形状を有することができる。特に、ポートは、中央空洞51内に開く円錐状および/または円錐台状の開口部を形成することができる。ポート73の寸法は、たとえば、単一の第1の部分6に対して交換可能な第2の部分7を提供することによって変えてもよい。ポート73の形状または寸法を変更するために、スペーサなどのポート73に対する相補的部分が、挿入されてもよい。
【0122】
ポートの位置を制御するための制御デバイス10は、装置1の長手方向軸X-Xに対するポート73の相対位置を自動的に特定するように構成され得る。制御デバイスは、たとえば、ヘッド5の外側にあってもよい制御ユニット(図示せず)を備える。
【符号の説明】
【0123】
1 測定装置
2 視準装置
3 検出器
5 ヘッド
6 第1の部分
7 第2の部分
8 アクチュエータ
10 制御デバイス
22 支持ポール
26 第1のラグ
28 第2のラグ
30 電力供給および信号伝送手段
50 ハウジング
51 中央ボール形状空洞
52 外板
53 円筒状部分
54 内側部分
60 第1の部分の本体
61 第1の円周方向ストッパ
62 接続端部材
63 雄ねじ
64 第1のガイド部材
65 第1の凹部
67 第2の凹部
70 第2の部分の本体
73 ポート
74 第2のガイド部材
75 第1の突起部分
77 第2の突起部分
80 駆動シャフト
82 伝動デバイス
84 第1の伝動要素
86 第2の伝動要素
S1 接合面
R-R 回転軸
X-X 支持ポールの長手方向軸
Y-Y ポートの長手方向軸
Y1-Y1 第1の方向
Y2-Y2 第2の方向
【手続補正書】
【提出日】2022-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器(3)を収容するためのヘッド(5)であって、少なくとも部分的に球状であり、前記ヘッド(5)は、
第1の部分(6)であって、本体(60)と接続端部材(62)とを備え、前記接続端部材(62)は、前記第1の部分(6)を支持ポール(22)に堅固に固定するように構成される、第1の部分と、
第2の部分(7)であって、球状キャップと、前記ヘッド(5)の外方向に開くポート(73)とを備え、前記ポート(73)は、前記機器(3)を収容することができるハウジング(50)内に開き、前記ハウジング(50)は、前記ヘッド(5)の内側に位置する、第2の部分と
を備え、
前記第2の部分(7)が、回転軸(R-R)の周りで前記第1の部分(6)に対して少なくとも回転移動可能であり、前記回転軸(R-R)は、前記支持ポール(22)の長手方向軸(X-X)に対して傾斜するように構成され、
前記本体(60)が、実質的に平面状である、前記第2の部分から前記第1の部分までの接合面(S1)によって切断された球形状を有し、
前記接合面(S1)が、前記支持ポール(22)の長手方向軸(X-X)に対して傾斜し、および/または前記ポート(73)の長手方向軸(Y-Y、Y1-Y1、Y2-Y2)が、前記接合面(S1)に対して傾斜する、
ヘッド(5)。
【請求項2】
前記第2の部分(7)が半球を含み、前記第2の部分(7)が半球を含み、および/または前記接続端部材(62)が円筒形状を有
する、
請求項1に記載のヘッド(5)。
【請求項3】
前記ポート(73)が、旋回面
によって画定される、
請求項1または2に記載のヘッド(5)。
【請求項4】
前記ポート(73)が、実質的に前記ヘッド(5)の中心(51)において前記ハウジング(50)内に開き、および/または前記ポート(73)が、前記機器(3)用のハウジングを構成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項5】
前記ポート(73)の前記長手方向軸(Y-Y、Y1-Y1、Y2-Y2)が、前記支持ポール(22)の前記長手方向軸(X-X)と交差するように構成され、および/または前記接合面(S1)に垂直な軸が、前記支持ポール(22)の前記長手方向軸に対して傾斜するように構成される、
請求項1から4のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項6】
前記ポートの前記長手方向軸(Y-Y、Y1-Y1、Y2-Y2)が、前記接合面(S1)に対して、25°~155°の間
である角度(α)で傾斜するように構成され、および/または
前記接合面(S1)が、前記支持ポールの前記長手方向軸(X-X)に対して、25°~155°の間
である角度(β)で傾斜するように構成され
る、
請求項1から5のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項7】
前記第1の部分(6)および/または前記第2の部分(7)が、X放射線および/またはガンマ放射線など放射能輻射に対する遮蔽材料、ならびに/あるいは熱的、化学的、細菌学的、電気的、および/または磁気的な絶縁材料を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載のヘッド(5)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッド(5)と、支持ポール(22)と、第1の部分(6)に対して第2の部分(7)を移動させるように構成されたアクチュエータ(80、82)と
を備える
装置。
【請求項9】
前記アクチュエータ(80、82)が、駆動シャフト(80)を備え、前記駆動シャフト(80)の長手方向軸が、前記支持ポールの長手方向軸(X-X)に平行である、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記アクチュエータ(80、82)が、伝動デバイス(82)を備え、前記伝動デバイス(82)が、角度伝動歯車
を備える、
請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記アクチュエータ(80、82)が、伝動デバイス(82)を備え、前記伝動デバイス(82)が、第1の伝動要素(84)と第2の伝動要素(86)とを備え、
前記第1の伝動要素(84)が、前記第1の部分(6)内に収容され、および/または前記第2の伝動要素(86)が、前記第2の部分(7)と堅固に一体となっている、
請求項8から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記支持ポールの前記長手方向軸(X-X)に対する前記ポート(73)の位置を制御するためのデバイス(10)
を備える、
請求項8から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
制御装置(1)であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッド(5)、または特に視準装置である請求項8から12のいずれか一項に記載の装置と、
前記ヘッド(5)のハウジング(50)内に収容された測定機器(3)であって、検出器
を含む、測定機器(3)と
を備える、
制御装置(1)。
【請求項14】
前記検出器が、前記検出器の長手方向軸が支持ポール(22)の長手方向軸(X-X)に平行であるように前記ヘッド(5)の内側に延び、および/または、
前記制御装置(1)が、実質的に前記支持ポールの前記長手方向軸(X-X)に沿って前記ヘッド(5)の内側に延びる前記検出器用の電力供給または信号伝送手段(30)を備える、
請求項13に記載の制御装置(1)。
【請求項15】
請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッド(5)または請求項8から12のいずれか一項に記載の装置を製造する方法であって、前記ヘッド(5)が、少なくとも第1の材料および第2の材料で作製され、前記第1の材料が、前記第2の材料よりも機械的に強く、前記第1の材料が、前記第2の材料の周りに位置し、
前記製造する方法が
、前記第1の材料から前記ヘッドの外板(52)を製造するステップを含む、
製造する方法。
【請求項16】
前記第2の材料が、X放射線および/またはガンマ放射線などの放射能輻射に対する遮蔽材料であ
る、
請求項15に記載の製造する方法。
【国際調査報告】