(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(54)【発明の名称】血液製剤を生産するための材料及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/19 20150101AFI20220706BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20220706BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20220706BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220706BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20220706BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220706BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220706BHJP
【FI】
A61K35/19 Z
A61P7/04
A61P17/02
A61K9/08
A61K47/22
A61K47/02
A61K47/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512705
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 US2020031172
(87)【国際公開番号】W WO2020227149
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508180585
【氏名又は名称】セルフィアー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】モンゴメリー ジョシュア ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】イシュラー ブレイデン カール
(72)【発明者】
【氏名】エイモス スティーブン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】モスコウィッツ キース アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】リー アンバー ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ホルダ ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】フィッツパトリック グレン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ マイケル アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA12
4C076CC14
4C076DD25Z
4C076DD37
4C076DD55
4C076DD60Z
4C076DD67
4C076FF12
4C076FF61
4C076GG06
4C076GG50
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB38
4C087MA16
4C087MA17
4C087MA23
4C087MA44
4C087MA65
4C087NA14
4C087ZA53
4C087ZA89
(57)【要約】
本明細書では、血液製剤の調製のための材料及び方法が提供される。1つの態様において、本明細書では、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物であって、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の50%未満のタンパク質濃度を有する、組成物が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血小板を含む出発材料、血小板を含む希釈された出発材料、濃縮された血小板組成物、又はこれらの組合せのタンジェンシャルフロー濾過(TFF)により、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物を調製することを含む、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物を調製するためのプロセスであって、
前記水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の50%以下のタンパク質濃度を有する、
プロセス。
【請求項2】
病原体低減ステップをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記病原体低減ステップがTFFに先行する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記出発材料が、約60~約80mg/mLのタンパク質濃度を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
TFFが、少なくとも2ダイアボリュームでのダイアフィルタリングを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
TFFが、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含む調製剤を用いたダイアフィルタリングを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
TFFが、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含む調製剤への緩衝液交換を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記調製剤が、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)を含む緩衝剤と、重炭酸ナトリウムを含む塩基と、トレハロース、ポリスクロース、又はこれらの組合せを含む装填剤とを含む、請求項6~7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記調製剤が、エタノール、DMSO、又はこれらの組合せを含む有機溶媒を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の30%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の10%以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約15%である、請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約7%~約10%である、請求項1~12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記組成物が、(散乱強度による)5.0%未満の微粒子を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記組成物が、(散乱強度による)4.0%未満の微粒子を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
血小板又は血小板誘導体を含む前記組成物を凍結乾燥及び/又は凍結保存することをさらに含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
血小板又は血小板誘導体を含む前記組成物を熱的に処理することをさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも55%のCD41陽性パーセントを有する、請求項1~17のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも80%のCD42陽性パーセントを有する、請求項1~18のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも70%のアネキシンV陽性パーセントを有する、請求項1~19のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも8%のCD47陽性パーセントを有する、請求項1~20のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも80%のCD62陽性パーセントを有する、請求項1~21のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記血小板又は血小板誘導体が、細胞膜に会合したフィブリノーゲンを有する、請求項1~22のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記血小板又は血小板誘導体が、約4.8×10
3粒子/μLの濃度のときに、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下で少なくとも25nMのトロンビンピーク高さ(TPH)を生成する、請求項1~23のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記血小板又は血小板誘導体が、10
6粒子当たり少なくとも1.5トロンビン生成力価単位(TGPU)の力価を有する、請求項1~24のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも約70×10
3粒子/μLの濃度のときに、総血栓形成分析システム(T-TAS)アッセイで14分未満の閉塞時間をもたらす、請求項1~25のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記血小板誘導体がトロンボソームを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記出発材料が、
(a)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスI抗体に対し陽性であるか、
(b)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスII抗体に対し陽性であるか、
(c)規制機関が承認した検査に基づいてHNA抗体に対し陽性であるか、又は
(d)(a)、(b)、及び(c)のうちの1つ以上である、
請求項1~27のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記組成物が、
(a)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスI抗体に対し陰性であるか、
(b)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスII抗体に対し陰性であるか、
(c)規制機関が承認した検査に基づいてHNA抗体に対し陰性であるか、又は
(d)(a)、(b)、及び(c)のうちの1つ以上である、
請求項1~28のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項30】
請求項1~29のいずれか1項に記載のプロセスで調製された、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物。
【請求項31】
血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物であって、前記水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の50%以下のタンパク質濃度を有する、組成物。
【請求項32】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の30%以下である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の10%以下である、請求項31または32に記載の組成物。
【請求項34】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約15%である、請求項31または32に記載の組成物。
【請求項35】
前記水性媒体の前記タンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約8%~約10%である、請求項31~34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
前記水性媒体が、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とをさらに含む、請求項31~35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
前記水性媒体が、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)を含む緩衝剤と、重炭酸ナトリウムを含む塩基と、トレハロース、ポリスクロース、又はこれらの組合せを含む装填剤とを含む、請求項31~36のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項38】
前記水性媒体が、エタノール、DMSO、又はこれらの組合せを含む有機溶媒を含む、請求項31~37のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項39】
(散乱強度による)5.0%未満の微粒子を含む、請求項31~38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
(散乱強度による)4.0%未満の微粒子を含む、請求項31~38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも55%のCD41陽性パーセントを有する、請求項31~40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも80%のCD42陽性パーセントを有する、請求項31~41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも70%のアネキシンV陽性パーセントを有する、請求項31~42のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも8%のCD47陽性パーセントを有する、請求項31~43のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも80%のCD62陽性パーセントを有する、請求項31~44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
前記血小板又は血小板誘導体が、細胞膜に会合したフィブリノーゲンを有する、請求項31~45のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
前記血小板又は血小板誘導体が、約4.8×10
3粒子/μLの濃度のときに、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下にあるときに少なくとも50nMのトロンビンピーク高さ(TPH)を生成する、請求項31~46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
前記血小板又は血小板誘導体が、10
6粒子当たり少なくとも1.5トロンビン生成力価単位(TPGU)の力価を有する、請求項31~47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
前記血小板又は血小板誘導体が、少なくとも約70×10
3粒子/μLの濃度のときに、総血栓形成分析システム(T-TAS)アッセイで14分未満の閉塞時間をもたらす、請求項31~48のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項50】
前記血小板誘導体がトロンボソームを含む、請求項31~49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
(a)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスI抗体に対し陰性であるか、
(b)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスII抗体に対し陰性であるか、
(c)規制機関が承認した検査に基づいてHNA抗体に対し陰性であるか、又は
(d)(a)、(b)、及び(c)のうちの1つ以上である、
請求項31~50のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項52】
血液凝固関連の疾患又は状態の治療を必要とする対象における前記血液凝固関連の疾患又は状態を治療する方法であって、請求項30~51のいずれかに記載の組成物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項53】
前記血液凝固関連の疾患又は状態が、フォンウィルブランド病、血友病、血小板無力症、血小板減少症、血小板減少性紫斑病、外傷、又はこれらの組合せからなる群より選択される、請求項52に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月3日に出願された米国仮特許出願第62/843,061号及び2019年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/936,122号の優先権を主張し、各出願の全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
政府の利益に関する表明
本発明は、米国保健福祉省のBiomedical Advanced Research and Development Authority(BARDA)によって認可された契約番号HHSO100201300021に基づく政府支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本開示は、概して、血液製剤、例えば、HLA抗体含量が低減した血液製剤、及びこのような血液製剤を生産する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
血液は多数の成分から構成された複雑な混合物である。概して、血液は4つの主要部:赤血球、白血球、血小板、及び血漿を含むものと説明することができる。最初の3つは細胞又は細胞類似成分であるが、4番目の血漿は、多くの身体機能に必要な塩、タンパク質、及び他の因子の広範囲かつ可変的な混合物を含む液体成分である。血液の成分は、様々な方法によって互いに分離することができる。概して、差次的遠心分離が、血液中の異なる成分をサイズに基づき、またいくつかの用途では密度に基づき分離するために、現在最も一般的に使用されている。
【0005】
不活性化された血小板(一般的には栓球(thrombocyte)とも称される)は、小さく、しばしば不規則な形状(例えば、円板状又は卵形)の血液の巨核球由来成分であり、血液凝固プロセスに関与している。血小板は、外傷又は受傷に起因する過度の失血だけでなく、通常の生理活動による過剰な失血から身体を保護するのに役立つ。血小板は、正常な止血に不可欠であり、受傷した血管から血液が漏出するのを第一線で防御していると考えられる。概して血小板は、破れた血管の内層に付着し、活性化する過程で不定形の形状に変化し、血漿中に存在する、又は血小板自身若しくは血液の他の成分によって放出される、凝固システムの成分と相互作用することによって機能する。精製された血小板は、血小板数減少(血小板減少症)及び血小板機能異常(血小板無力症)の治療に使用されている。濃縮された血小板はしばしば、受傷後の出血、又は後天的な血小板機能の障害若しくは欠損中の出血(例えば、手術中に発生するもの及び血小板阻害剤の存在によるもの)の出血を制御するために使用される。
【発明の概要】
【0006】
概要
本明細書は、少なくとも部分的には、遊離タンパク質(例えば、抗体(例えば、ヒト白血球抗原(HLA)抗体、又はヒト好中球抗原(HNA)抗体)のレベルを低減させた血液製剤(例えば、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)の生産に基づくものである。
【0007】
本明細書では、血小板と水性媒体とを含む組成物であって、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の50%未満のタンパク質濃度を有する、組成物が提供される。
【0008】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を有し得る。水性媒体のタンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の30%未満であり得る。水性媒体のヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度の30%未満であり得る。水性媒体のヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度の30%未満であり得る。水性媒体のHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト好中球抗原(HNA)抗体濃度の30%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の10%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の10%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の10%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の10%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の5%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の5%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の5%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の5%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の3%未満であり得る。水性媒体は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の3%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の3%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の3%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の1%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の1%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の1%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の1%未満であり得る。タンパク質濃度は、0.5cmの経路長を用いて、280ナノメートル(nm)における吸光度によって定量され得る。いくつかの実施形態において、280nmにおける吸光度は1.7AU未満であり得る。いくつかの実施形態において、280nmにおける吸光度は1.66AU未満であり得る。いくつかの実施形態において、280nmにおける吸光度は1.6AU未満であり得る。いくつかの実施形態において、血小板数は少なくとも200×103血小板/μLであり得る。いくつかの実施形態において、血小板数は少なくとも2250×103血小板/μLであり得る。いくつかの実施形態において、当該組成物の赤血球数は0.2×106赤血球/μL未満であり得る。いくつかの実施形態において、組成物はさらに赤血球を含み得る。いくつかの実施形態において、赤血球数は0.2×106赤血球/μL未満であり得る。当該組成物は、規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスI抗体に対し陰性であり得る。当該組成物は、規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスII抗体に対し陰性であり得る。当該組成物は、規制機関が承認した検査に基づいてHNA抗体に対し陰性であり得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。HLAクラスI抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。HLAクラスI抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HLAクラスI抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。HLAクラスII抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。HLAクラスII抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HLAクラスII抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。HNA抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。HNA抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HNA抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。水性媒体はさらに、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含むことができる。緩衝剤はHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)とすることができる。塩基は重炭酸ナトリウムとすることができる。装填剤は、単糖、多糖、又はこれらの組合せとすることができる。単糖は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、及びキシロースからなる群より選択することができる。単糖はトレハロースとすることができる。多糖はポリスクロースとすることができる。塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はこれらの組合せとすることができる。有機溶媒は、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。当該組成物は、血小板を含む出発材料のタンジェンシャルフロー濾過(TFF)、血小板を含む出発材料の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製することができる。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも50%低減され得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも75%低減され得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも90%低減され得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも95%低減され得る。出発材料は、(a)規制機関が承認した検査に基づいたHLAクラスI抗体に対し陽性であるか、(b)規制機関が承認した検査に基づいたHLAクラスII抗体に対し陽性であるか、(c)規制機関が承認した検査に基づいたHNA抗体に対し陽性であるか、又は(d)(a)、(b)、及び(c)のうちの1つ以上であり得る。出発材料のタンパク質濃度は、約60~約80mg/mlであり得る。出発材料はドナー血液製剤を含み得る。ドナー血液製剤は、プールされたドナー血液製剤であり得る。出発材料は、ドナーアフェレーシス材料を含み得る。TFFは、濃縮を含み得る。
TFFは、ダイアフィルタリングを含み得る。ダイアフィルタリングは、少なくとも2ダイアボリュームでのダイアフィルタリングを含み得る。TFFは緩衝液交換を含み得る。TFFは、孔径約0.2μm~約1μmの膜を用いて行われ得る。TFFは、孔径約0.2μm~約0.45μmの膜を用いて行われ得る。TFFは、約20℃~約37℃の温度で実施することができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の50%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の30%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の10%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の5%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の3%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の1%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が1.70AU未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が1.66AU未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が1.60AU未満になるまで行うことができる。TFFは、血小板濃度が少なくとも約2000×103血小板/μLになるまで行うことができる。TFFは、血小板濃度が少なくとも約2250×103血小板/μLになるまで行うことができる。TFFは、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含む緩衝液への緩衝液交換を含み得る。緩衝剤はHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)とすることができる。塩基は重炭酸ナトリウムとすることができる。装填剤は、単糖、多糖、又はこれらの組合せとすることができる。単糖は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、及びキシロースからなる群より選択することができる。単糖はトレハロースとすることができる。多糖はポリスクロースとすることができる。塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はこれらの組合せとすることができる。有機溶媒は、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。遠心分離は、1400×g~約1550×gにおける遠心分離を含み得る。遠心分離は、1450×g~約1500×gにおける遠心分離を含み得る。当該プロセスは、血小板を含む組成物の遠心分離が欠如してもよい。当該組成物は、(散乱強度による)5.0%未満の微粒子を含み得る。当該組成物は、(散乱強度による)4.5%未満の微粒子を含み得る。当該組成物は、(散乱強度による)4.0%未満の微粒子を含み得る。当該組成物は、(散乱強度による)3.5%未満の微粒子を含み得る。血小板又は血小板誘導体のCD41陽性パーセントは、少なくとも55%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD41陽性パーセントは、少なくとも60%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD41陽性パーセントは、少なくとも65%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD42陽性パーセントは、少なくとも80%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD42陽性パーセントは、少なくとも85%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD42陽性パーセントは、少なくとも90%であり得る。血小板又は血小板誘導体は、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約10%を保持し得る。血小板又は血小板誘導体は、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約15%を保持し得る。血小板又は血小板誘導体は、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約20%を保持し得る。血小板又は血小板誘導体のアネキシンV陽性パーセントは、少なくとも70%であり得る。血小板又は血小板誘導体のアネキシンV陽性パーセントは、少なくとも75%であり得る。血小板又は血小板誘導体のアネキシンV陽性パーセントは、少なくとも80%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも8%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも10%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも15%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも20%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも80%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも82%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも85%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも90%であり得る。血小板又は血小板誘導体は、細胞膜に会合したフィブリノーゲンを有し得る。水性媒体の乳酸濃度は、2.0mmol/L未満であり得る。水性媒体の乳酸濃度は、1.5mmol/L未満であり得る。水性媒体の乳酸濃度は、約0.4~約1.3mmol/Lであり得る。水性媒体の乳酸濃度は、約0.5~約1.0mmol/Lであり得る。血小板誘導体はトロンボソームを含み得る。
【0009】
また、本明細書では、血小板と水性媒体とを含む組成物を調製するためのプロセスであって、血小板を含む出発材料のタンジェンシャルフロー濾過(TFF)、血小板を含む出発材料の遠心分離、又はこれらの組合せを含み、当該水性媒体がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の50%未満のタンパク質濃度を有する、プロセスも提供される。
【0010】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。出発材料は、(a)規制機関が承認した検査に基づいたHLAクラスI抗体に対し陽性であるか、(b)規制機関が承認した検査に基づいたHLAクラスII抗体に対し陽性であるか、(c)規制機関が承認した検査に基づいたHNA抗体に対し陽性であるか、又は(d)a)、b)、及びc)のうちの1つ以上であり得る。出発材料のタンパク質濃度は、約60~約80mg/mLであり得る。出発材料はドナー血液製剤を含み得る。ドナー血液製剤は、プールされたドナー血液製剤であり得る。出発材料はドナーアフェレーシス材料を含み得る。TFFは濃縮を含み得る。TFFはダイアフィルタリングを含み得る。ダイアフィルトレーションは、少なくとも2ダイアボリュームでのダイアフィルタリングを含み得る。TFFは緩衝液交換を含み得る。TFFは、孔径約0.2μm~約1μmの膜を用いて行われ得る。TFFは、孔径約0.2μm~約0.45μmの膜を用いて行われ得る。TFFは、約20℃~約37℃の温度で実施することができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の50%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の30%未満になるまで行う。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の10%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の5%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の3%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の1%未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が1.70AU未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が1.66AU未満になるまで行うことができる。TFFは、0.5cmの経路長を用いて、水性媒体の280nmにおける吸光度が1.60AU未満になるまで行うことができる。TFFは、血小板濃度が少なくとも約2000×103血小板/μLになるまで行うことができる。TFFは、血小板濃度が少なくとも約2250×103血小板/μLになるまで行うことができる。TFFは、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含む緩衝液への緩衝液交換を含み得る。緩衝剤はHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)とすることができる。塩基は重炭酸ナトリウムとすることができる。装填剤は、単糖、多糖、又はこれらの組合せとすることができる。単糖は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、及びキシロースからなる群より選択することができる。単糖はトレハロースとすることができる。多糖はポリスクロースとすることができる。塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はこれらの組合せとすることができる。有機溶媒は、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。遠心分離は、1400×g~約1550×gにおける遠心分離を含み得る。遠心分離は、1450×g~約1500×gにおける遠心分離を含み得る。当該プロセスは、血小板を含む組成物の遠心分離が欠如してもよい。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも50%低減され得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも75%低減され得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも90%低減され得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも95%低減され得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の30%未満であり得る。水性媒体のヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度の30%未満であり得る。水性媒体のヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度の30%未満であり得る。水性媒体のHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト好中球抗原(HNA)抗体濃度の30%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の10%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の10%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の10%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の10%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の5%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の5%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の5%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の5%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の3%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の3%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の3%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の3%未満であり得る。タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の1%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の1%未満であり得る。水性媒体のヒトHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の1%未満であり得る。水性媒体のヒトHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の1%未満であり得る。当該組成物は、規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスI抗体に対し陰性であり得る。当該組成物は、規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスII抗体に対し陰性であり得る。当該組成物は、規制機関が承認した検査に基づいてHNA抗体に対し陰性であり得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。
HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。HLAクラスI抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。HLAクラスI抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HLAクラスI抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。HLAクラスII抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。HLAクラスII抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HLAクラスII抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。HNA抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、5%未満であり得る。HNA抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、3%未満であり得る。HNA抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、1%未満であり得る。当該組成物が(散乱強度による)5.0%未満の微粒子を含む、請求項125~199のいずれか1項に記載のプロセス。当該組成物は、(散乱強度による)4.5%未満の微粒子を含み得る。当該組成物は、(散乱強度による)4.0%未満の微粒子を含み得る。当該組成物は、(散乱強度による)3.5%未満の微粒子を含み得る。血小板又は血小板誘導体のCD41陽性パーセントは、少なくとも55%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD41陽性パーセントは、少なくとも60%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD41陽性パーセントは、少なくとも65%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD42陽性パーセントは、少なくとも80%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD42陽性パーセントは、少なくとも85%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD42陽性パーセントは、少なくとも90%であり得る。血小板又は血小板誘導体は、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約10%を保持し得る。血小板又は血小板誘導体は、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約15%を保持し得る。血小板又は血小板誘導体は、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約20%を保持し得る。血小板又は血小板誘導体のアネキシンV陽性パーセントは、少なくとも70%であり得る。血小板又は血小板誘導体のアネキシンV陽性パーセントは、少なくとも75%であり得る。血小板又は血小板誘導体のアネキシンV陽性パーセントは、少なくとも80%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも8%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも10%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも15%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD47陽性パーセントは、少なくとも20%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも80%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも82%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも85%であり得る。血小板又は血小板誘導体のCD62陽性パーセントは、少なくとも90%であり得る。血小板又は血小板誘導体は、細胞膜に会合したフィブリノーゲンを有し得る。水性媒体の乳酸濃度は、2.0mmol/L未満であり得る。水性媒体の乳酸濃度は、1.5mmol/L未満であり得る。水性媒体の乳酸濃度は、約0.4~約1.3mmol/Lであり得る。水性媒体の乳酸濃度は、約0.5~約1.0mmol/Lであり得る。血小板誘導体はトロンボソームを含み得る。当該プロセスはさらに、病原体低減ステップを含み得る。病原体低減ステップはTFFに先行してもよい。当該プロセスはさらに、血小板又は血小板誘導体を含む組成物を凍結乾燥することを含み得る。当該プロセスはさらに、血小板又は血小板誘導体を含む組成物を熱的に処理することをさらに含み得る。
【0011】
また、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのプロセスによって調製された血小板と水性媒体とを含む組成物も提供される。
【0012】
また、本明細書では、フリーズドライされた血小板を調製するためのプロセスであって、(a)本明細書に記載のいずれかのプロセスを用いて血小板と水性媒体とを含む組成物を調製することと、(b)血小板と当該水性媒体とを含む当該組成物をフリーズドライすることとを含む、プロセスも提供される。
【0013】
また、本明細書では、本明細書に記載のいずれかのプロセスによって調製された、フリーズドライされた血小板を含む組成物も提供される。
【0014】
また、本明細書では、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物を調製する方法であって、血小板を含む出発材料を希釈して希釈された出発材料を形成することと、血小板を約2250×103細胞/μL(±250×103)に濃縮して濃縮された血小板組成物を形成することと、濃縮された血小板組成物を少なくとも2ダイアボリューム(DV)の調製剤で洗浄してTFF処理された組成物を形成することとを含む、方法も提供される。
【0015】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。希釈することは、ほぼ同じ重量(±10%)の調製剤で希釈することを含み得る。当該方法はさらに、病原体低減ステップを含み得る。病原体低減ステップは、出発材料を希釈する前に行われ得る。残留血漿パーセンテージは、約15%未満の相対血漿(血漿タンパク質含量による定量)であり得る。洗浄後、TFF処理した組成物中の細胞の濃度が約2000×103細胞/μL(±300×103)でない場合、当該方法はさらに、この範囲内に入るように調製剤を希釈すること又は濃縮することを含み得る。当該方法はさらに、TFF処理された組成物を凍結乾燥して、凍結乾燥された組成物を形成することを含み得る。当該方法はさらに、凍結乾燥された組成物を約80℃で約24時間処理することを含み得る。
【0016】
また、本明細書では、本明細書に記載のいずれかの方法で調製された血小板又は血小板誘導体を含む組成物も提供される。
【0017】
本明細書に記載の材料及び方法は、いくつかの利点を提供することができる。第一に、他の場合には採取が見送られるドナーの採取を可能にし、アフェレーシス材料の競合を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1Aは、側方散乱及び前方散乱を用いてPBS中のクラスI及びクラスII HLA FLOWPRA(商標)ビーズを識別するための初期ゲート配置を示している。
図1Bは、フィコエリトリン蛍光及び前方散乱を用いてPBS中のクラスI及びクラスII HLA FLOWPRA(商標)ビーズを識別するための初期ゲート配置を示している。
【
図2A】
図2Aは、PBS、供給業者の乏血小板血漿(PPP)(三連)、クラスI HLAでゲーティングされたドナーの乏血小板血漿(三連)におけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図2B】
図2Bは、PBS、供給業者の乏血小板血漿(PPP)(三連)、及びクラスII HLAでゲーティングされたドナーの乏血小板血漿(三連)におけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図2C】
図2Cは、PBS、供給業者の乏血小板血漿(PPP)(単一データセット)、及びクラスI HLAでゲーティングされたドナーの乏血小板血漿(単一データセット)におけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図2D】
図2Dは、PBS、供給業者の乏血小板血漿(PPP)(単一データセット)、及びクラスII HLAでゲーティングされたドナーの乏血小板血漿(単一データセット)におけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図3】
図3Aは、クラスI HLAでゲーティングされたGeorge King PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図3Bは、クラスII HLAでゲーティングされたGeorge King PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図4】
図4Aは、クラスI HLAでゲーティングされたドナー1 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図4Bは、クラスII HLAでゲーティングされたドナー1 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図5】
図5Aは、クラスI HLAでゲーティングされたドナー2 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図5Bは、クラスII HLAでゲーティングされたドナー2 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図6】
図6Aは、クラスI HLAでゲーティングされたドナー3 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図6Bは、クラスII HLAでゲーティングされたドナー3 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図7】
図7Aは、クラスI HLAでゲーティングされたドナー4 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図7Bは、クラスII HLAでゲーティングされたドナー4 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図8】
図8Aは、クラスI HLAでゲーティングされたドナー5 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図8Bは、クラスII HLAでゲーティングされたドナー5 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図9】
図9Aは、クラスI HLAでゲーティングされたドナー6 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図9Bは、クラスII HLAでゲーティングされたドナー6 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図10】
図10Aは、クラスI HLAでゲーティングされたドナー7 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図10Bは、クラスII HLAでゲーティングされたドナー7 PPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図11】
図11Aは、クラスI HLAでゲーティング及びプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図11Bは、クラスII HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図12】
図12Aは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を50%保持した(280nmにおける吸光度による)後の、クラスI HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図12Bは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を50%保持した(280nmにおける吸光度による)後の、クラスII HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図13】
図13Aは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を約8%保持した(280nmにおける吸光度による)の後、クラスI HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図13Bは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を約8%保持した(280nmにおける吸光度による)の後、クラスII HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図14】
図14Aは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を約6%保持した(280nmにおける吸光度による)の後、クラスI HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図14Bは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を約6%保持した(280nmにおける吸光度による)の後、クラスII HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図15】
図15Aは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を約1%保持した(280nmにおける吸光度による)の後、クラスI HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
図15Bは、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)で血漿タンパク質を約1%保持した(280nmにおける吸光度による)の後、クラスII HLAでゲーティングされたプールされたドナーPPPにおけるFLOWPRA(商標)ビーズの例示的なFITC-Hヒストグラムを示している。
【
図16】
図16は、染色されていない(濃色のデータポイント)又は抗CD-41抗体で染色された(淡色のデータポイント)トロンボソームの例示的なフローサイトメトリーデータを示している。
【
図17】
図17は、アネキシンVとインキュベートしたトロンボソームの例示的なヒストグラムであり、カルシウムありの場合(淡色のデータポイント)及びなしの場合(濃色のデータポイント)を示している。
【
図18】
図18は、抗CD62抗体(淡色のデータポイント)又はアイソタイプ対照(濃色のデータポイント)とインキュベートしたトロンボソームの例示的なヒストグラムを示している。
【
図19】
図19は、組織因子及びリン脂質を含むPRP試薬(実線及び長い破線)並びに対照のセファリン(点線)の存在下でのトロンボソームにおけるトロンビンピーク高さのプロットを示している。
【
図20】
図20は、染色されていない(黒色)若しくはアイソタイプ対照抗体で染色された(濃灰色)低血漿トロンボソーム又はFITCで標識された9F9抗体(薄い灰色)の例示的なヒストグラム比較、及び2つの複製物の平均蛍光強度を示す表である。
【
図21】
図21は、染色されていない(黒色)又は抗PAC-1抗体で染色された(薄灰色)低血漿トロンボソームの例示的なヒストグラム比較、及び2つの複製物の平均蛍光強度を示す表である。
【
図22A】
図22Aは、様々な濃度の標識された抗CD47抗体又はアイソタイプ対照で処理したトロンボソーム(1×10
6細胞)の平均蛍光強度のプロットである。
【
図22B】
図22Bは、染色されなかった(黒色)、アイソタイプ対照抗体で染色された(濃灰色)、又は抗CD47抗体で染色された(薄灰色)トロンボソームの例示的なヒストグラムである。
【
図22C】
図22Cは、様々な濃度の標識抗CD47抗体又はアイソタイプ対照で処理したトロンボソーム(250,000細胞)の平均蛍光強度のプロットである。
【
図22D】
図22Dは、染色されなかった(黒色)、アイソタイプ対照抗体で染色された(濃灰色)、又は抗CD47抗体で染色された(薄灰色)トロンボソームの例示的なヒストグラムである。
【
図23A】
図23Aは、ヒト期限内保存血小板(バッチJ)及びそれに由来する血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有パーセントを動的光散乱(DLS)によって定量したプロットである。
【
図23B】
図23Bは、ヒトの期限内保存血小板(バッチK)及びそれに由来する血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図23C】
図23Cは、ヒトの期限内保存血小板(バッチL)及びそれに由来する血小板誘導体(凍結乾燥前)における、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図24A】
図24Aは、ヒト期限内保存血小板(バッチD)及びそれに由来する血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図24B】
図24Bは、ヒトの期限内保存血小板(バッチE)及びそれに由来する血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図24C】
図24Cは、ヒトの期限内保存血小板(バッチF)及びそれに由来する血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図26A】
図26Aは、病原体を除去するように処理した(バッチN)又は処理しなかった(バッチM)再水和トロンボソームにおける、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図26B】
図26Bは、病原体を除去するように処理した(バッチK)又は処理しなかった(バッチJ)再水和トロンボソームにおける、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図27A】
図27Aは、病原体を除去するように処理した(バッチN)又は処理しなかった(バッチM)hIDSPにおける、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図27B】
図27Bは、病原体を除去するように処理しなかったhIDSP及びそれに由来するトロンボソーム(バッチM)における、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図27C】
図27Cは、病原体を除去するように処理したhIDSP及びそれに由来するトロンボソーム(バッチN)における、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図28A】
図28Aは、病原体を除去するように処理した(バッチK)又は処理しなかった(バッチJ)hIDSPにおける、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図28B】
図28Bは、病原体を除去するように処理しなかったhIDSP及びそれに由来するトロンボソーム(バッチJ)における、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図28C】
図28Cは、病原体を除去するように処理したhIDSP及びそれに由来するトロンボソーム(バッチK)における、異なる半径の粒子の占有パーセントをDLSによって定量したプロットである。
【
図29A】
図29Aは、光透過凝集測定法を用いた血小板、トロンボソーム、及びこれらの組合せの透過率のバープロットである。
【
図29B】
図29Bは、凝集後の血小板、トロンボソーム、及びこれらの組合せの血小板(及び/又はトロンボソーム)数のバープロットである。
【
図29C】
図29Cは、光透過凝集測定法における血小板、トロンボソーム、及びこれらの組合せの透過率のバープロットである。
【
図30】
図30は、GPRPの存在下及び非存在下におけるトロンビンで活性化された血小板、トロンボソーム、及びこれらの組合せの透過率のバープロットである。
【
図31】
図31は、RGDSの存在下及び非存在下におけるPMAで活性化された血小板、トロンボソーム、及びこれらの組合せの凝集パーセントのバープロットである。
【
図32】
図32Aは、活性化された血小板のSEMを示している(スケールバー=2μm)。
図32Bは、活性化された血小板のSEMを示している(スケールバー=1μm)。
図32Cは、再水和されたヒトトロンボソームのSEMを示している(スケールバー=2μm)。
図32Dは、再水和されたヒトトロンボソームのSEMを示している(スケールバー=1μm)。
【
図33A】
図33Aは、全血における剪断下のトロンボソーム接着のプロットである。
【
図33B】
図33Bは、血漿における剪断下のトロンボソーム接着のプロットである。
【
図33C】
図33Cは、GPRP不在下のマイクロキャピラリーチャネルにおけるフィブリン形成を示している。
【
図33D】
図33Dは、GPRP存在下でのマイクロキャピラリーチャネルにおけるフィブリン形成の欠如を示している。
【
図33E】
図33Eは、GPRPが血漿における剪断下のトロンボソーム接着に及ぼす効果のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、「血小板」という用語は、全血小板、断片化された血小板、及び血小板誘導体を含み得る。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「当該(the)」、「前記(the)」は、文脈による別段の明確な定めがない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「血小板」への言及は、複数のこのような血小板を含む。さらに、同等の用語を用いて説明され得る用語の使用は、それらの同等の用語の使用を含む。したがって、例えば、「対象」という用語の使用は、「患者」、「個体」、及び治療に供する者を示すために当該技術分野で使用される他の用語を含むものと理解されたい。
【0021】
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術的用語及び科学的用語は、当該用語が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本開示の実施又は試験を行う際には、本明細書に記載の方法及び物質に類似した又は同等の、任意の方法及び物質を使用することもできるが、ここでは好ましい方法及び物質について説明する。本明細書で言及される全ての刊行物は、これらの刊行物の引用に関連した方法及び/又は材料を開示及び説明するため、参照により本明細書に援用される。援用されたいかなる刊行物と矛盾する場合も本開示が優先される。
【0022】
詳細な説明
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、このような用語が限定的であるようには意図されていないことを理解されたい。さらに、値の範囲が開示される場合、当業者は、開示された範囲内の他の全ての特定の値が、本明細書で各々の特定の値又は範囲を開示する必要なく、これらの値及びこれらの値が表す範囲によって本質的に開示されていることを理解するであろう。例えば、1~10という開示された範囲には、1~9、1~5、2~10、3.1~6、1、2、3、4、5などが含まれる。さらに、開示された各範囲には、範囲内の低い値に対しそれよりも最大5%低い値が、範囲内の高い値に対しそれよりも最大5%高い値が含まれる。例えば、4~10という開示された範囲には3.8~10.5が含まれる。この概念は、この文書内では「約(about)」という用語によって取り込まれている。
【0023】
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術的用語及び科学的用語は、当該用語が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本開示の実施又は試験を行う際には、本明細書に記載の方法及び物質に類似した又は同等の、任意の方法及び物質を使用することもできるが、ここでは好ましい方法及び物質について説明する。本明細書で言及される全ての刊行物は、これらの刊行物の引用に関連した方法及び/又は材料を開示及び説明するため、参照により本明細書に援用される。援用されたいかなる刊行物と矛盾する場合も本開示が優先される。
【0024】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、「血小板」という用語は、全血小板、断片化された血小板、血小板誘導体、又はトロンボソームを含み得る。上記の定義内の「血小板」には、例えば、全血中の血小板、血漿中の血小板、任意選択で選択血漿タンパク質を補充した緩衝液中の血小板、低温保存された血小板、乾燥血小板、凍結保存された血小板、解凍された凍結保存された血小板、再水和された乾燥血小板、再水和された凍結保存された血小板、凍結乾燥された血小板、解凍された凍結乾燥された血小板、又は再水和された凍結乾燥された血小板が含まれ得る。「血小板」は、哺乳類の「血小板」とすることができ、例えば、ヒトの血小板の場合も非ヒト哺乳類の血小板の場合もある。
【0025】
本明細書で使用する場合、「トロンボソーム」(Tソームとも呼ばれる)は、調製剤(例えば、本明細書に記載のいずれかの調製剤)で処理され、凍結乾燥(例えば、フリーズドライ)された血小板誘導体である。いくつかの場合には、トロンボソームは、プールされた血小板から調製することができる。トロンボソームは、常温で乾燥形態で2~3年の貯蔵寿命を有し得、数分以内に滅菌水で再水和して直ちに注入することができる。トロンボソームの一例としてはTHROMBOSOME(登録商標)があり、これは、血小板減少症患者の急性出血の治療向けに臨床試験が行われている。
【0026】
輸血関連急性肺障害(TRALI)は、輸血された血液製剤中の抗体(例えば、ヒト白血球抗原(HLA)、ヒト好中球抗原(HNA)、又は顆粒球抗体)の存在によって引き起こされると考えられている状態であり、このような抗体は輸血レシピエントの抗原に反応する可能性がある。
【0027】
ハイリスクと考えられるドナー、又はヒト白血球抗原(HLA)クラスI、クラスII、及び好中球特異的抗体が陽性のドナー由来の血漿ベース血液製剤は、ヒト由来血小板製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)の輸血又は生産で使用することが禁止されており、そのためドナープールからは除外されている。
【0028】
タンジェンシャルフロー濾過(TFF)又はマルチパス遠心分離の使用により、血液製剤中の抗体量を、例えば、FDAに承認された現在の検査方法では検出できない限界まで、低減することができる。いくつかの場合には、ある特定の血漿成分(例えば、HLA抗体)を低減することにより、このドナー集団を血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)の生産に受け入れることが可能になり得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。
【0029】
トロンボソーム又は凍結保存血小板の生産は、米国内の血液ドナーセンターで実施されるアフェレーシス採取の利用可能性によって制限される。これらの製品の競争は激しく、血液製剤製造ニーズへの分配は、通常、患者ケアニーズよりも優先度が低い。血液製剤製造(例えば、スケールアップ)は、他の場合には採取が見送られるドナーからのアフェレーシス採取が助けとなり得る。これが遂行され得る1つの方法は、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)又は遠心分離及び血漿除去を利用することにより、ドナー血漿中の遊離抗体レベルを低減して、FDAに承認された現在の検査閾値を満たすことである。原材料(例えば、ドナー血漿)の遠心分離は、典型的にはTFFよりも時間がかかるものの、原材料に同様の効果をもたらし得る。いくつかの場合には、ドナー血漿を除去し、緩衝液で置き換えることで、本発明者らが、タンパク質(例えば、抗体(例えば、HLA抗体又はHNA抗体))の含量が(例えば、280nmにおける吸光度による定量において)減少した最終製品(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)を製造し、特性決定することができるようになる。このような製品は、TRALIの輸血関連の原因を低減することにより、製品のレシピエントにとっての安全性を高めることができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される材料及び方法は、以前に採取が見送られたドナー(例えば、HLA抗体のスクリーニングが陽性である者、又はドナー履歴から陽性HLAのリスクが示される者)を、血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)の製造に使用される原材料のドナープールに入れることを可能にし得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。さらに、原材料(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、血小板又はプールされた血小板))からのHLA抗体を低減することで、最終製品(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)をHLA低減済みとしてラベル付けすることが可能になり、レシピエントにとっての製品の安全性を高めることができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、検出不可能なレベルのHLA抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、検出不可能なレベルの、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、検出不可能なレベルのHLAクラスI抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、検出不可能なレベルのHLAクラスII抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、検出不可能なレベルのHNA抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、抗体の検出は、規制機関が承認した(例えば、FDA承認済み)アッセイを用いて行うことができる。規制機関が承認したアッセイは、任意の適切な規制機関が承認したアッセイとすることができる。いくつかの実施形態において、規制機関が承認した検査は、One Lambda製のLABSCREEN(商標)Mixedとすることができる。いくつかの実装形態において、規制機関が承認した検査は、LUMINEX(登録商標)100/200又はLUMINEX(登録商標)XY及びHLA FUSION(商標)ソフトウェアを用いて実施することができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、基準レベルを下回るレベルの、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、基準レベルを下回るレベルのHLAクラスI抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、基準レベルを下回るレベルのHLAクラスII抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、基準レベルを下回るレベルのHNA抗体を有し得る。基準レベルは、任意の適切な基準レベルであり得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に陰性反応を示す。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスI抗体に陰性反応を示し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスII抗体に陰性反応を示し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される血液製剤(例えば、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物)は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HNA抗体に陰性反応を示し得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。規制機関が承認したアッセイは、任意の適切な規制機関が承認したアッセイとすることができる。いくつかの実施形態において、規制機関が承認した検査は、One Lambda製のLABSCREEN(商標)Mixedとすることができる。いくつかの実装形態において、規制機関が承認した検査は、LUMINEX(登録商標)100/200又はLUMINEX(登録商標)XY及びHLA FUSION(商標)ソフトウェアを用いて実施することができる。
【0034】
本明細書では、血小板及び/又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)と水性媒体とを含む組成物が提供される。いくつかの実施形態において、水性媒体は、調製剤(例えば、本明細書に記載のいずれかの調製剤)を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、基準レベルを下回るレベルの、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、基準レベルを下回るレベルのHLAクラスI抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、基準レベルを下回るレベルのHLAクラスII抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、基準レベルを下回るレベルのHNA抗体を有し得る。基準レベルは、任意の適切な基準レベルであり得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に陰性反応を示し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスI抗体に陰性反応を示し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスII抗体に陰性反応を示し得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される水性媒体は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HNA抗体に陰性反応を示し得る。規制機関が承認したアッセイは、任意の適切な規制機関が承認したアッセイとすることができる。いくつかの実施形態において、規制機関が承認した検査は、One Lambda製のLABSCREEN(商標)Mixedとすることができる。いくつかの実装形態において、規制機関が承認した検査は、LUMINEX(登録商標)100/200又はLUMINEX(登録商標)XY及びHLA FUSION(商標)ソフトウェアを用いて実施することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、水性媒体の残留血漿の量は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)と比較して低減され得、残留血漿のパーセンテージ(例えば、残留血漿の約50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、又は0.1%以下)であり得る。いくつかの実施形態において、水性媒体の残留血漿の量は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)と比較して低減され得、残留血漿のパーセンテージ範囲(例えば、残留血漿の約5%~約50%、約5%~約40%、約5%~約30%、約5%~約20%、約5%~約15%、約5%~約10%、約10%~約20%、約7%~約15%、約7%~約10%、約8%~約15%、約8%~約10%、約0.1%~約5%、約0.1%~約3%、約0.1%~約1%、約0.5%~約3%、約0.5%~約1%、又は約1%~約3%)であり得る。いくつかの実施形態において、水性媒体のタンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)のタンパク質濃度の約50%以下(例えば、約40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、又は0.1%以下)であり得る。いくつかの実施形態において、水性媒体のタンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)のタンパク質濃度の約5%~約50%(例えば、約5%~約40%、約5%~約30%、約5%~約20%、約5%~約15%、約5%~約10%、約10%~約20%、約7%~約15%、約7%~約10%、約8%~約15%、又は約8%~約10%)であり得る。いくつかの実施形態において、水性媒体のタンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)のタンパク質濃度の約0.1%~約5%(例えば、約0.1%~約3%、約0.1%~約1%、約0.5%~約3%、約0.5%~約1%、約1%~約2%、又は約1%~約3%)であり得る。タンパク質の濃度は、任意の適切な方法によって測定することができる。いくつかの実施形態において、タンパク質濃度は、280nmにおける吸光度(A280)によって測定され得る。いくつかの実施形態において、水性媒体のA280は、0.5cmの経路長を用いて、1.70AU未満(例えば、1.66AU未満、1.6AU未満、1.5AU未満、1.4AU未満、1.3AU未満、1.2AU未満、1.1AU未満、1.0AU未満、0.9AU未満、0.8AU未満、0.7AU未満、0.6AU未満、0.5AU未満、0.4AU未満、0.3AU未満、0.2AU未満、又は0.1AU未満)であり得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、水性媒体のHLAクラスI抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)のHLAクラスI抗体濃度の約70%未満(例えば、約60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)であり得る。HLAクラスI抗体の濃度は、任意の適切な方法によって測定することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、水性媒体のHLAクラスII抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)のHLAクラスII抗体濃度の約50%未満(例えば、約40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)であり得る。HLAクラスII抗体の濃度は、任意の適切な方法によって測定することができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、水性媒体のHNA抗体濃度は、ドナーアフェレーシス血漿(例えば、単一ドナーアフェレーシス血漿又はプールされたドナーアフェレーシス血漿)のHNA抗体濃度の約50%未満(例えば、約40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)であり得る。HNA抗体の濃度は、任意の適切な方法によって測定することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の血小板数は、少なくとも106(例えば、少なくとも5×106、107、5×107、108、5×108、109、5×109、又は1010)であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の血小板数は、少なくとも約200×103血小板/μL(例えば、少なくとも約300×103、400×103、500×103、750×103、1000×103、1500×103、2000×103、又は2500×103血小板/μL)であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の血小板数は、少なくとも約2000×103血小板/μL(例えば、少なくとも約2050×103、2100×103、2150×103、2200×103、2250×103、2300×103、2350×103、2400×103、2450×103、又は2500×103血小板/μL)であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の血小板数は、1000×104血小板/μL以下であり得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、赤血球を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組成物の赤血球数は、約1010未満(例えば、5×109未満、109未満、5×108未満、108未満、5×107未満、107未満、5×106未満、又は106未満)であり得る。いくつかの実施形態において、赤血球数は、0.2×106/μL未満(例えば、0.1×106/μL未満、0.5×105/μL未満、又は0.1×105/μL未満)であり得る。
【0041】
いくつかの場合には、フローサイトメトリーを使用して、本明細書に記載の組成物を評価することができる。いくつかの実施形態において、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体は、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる血小板と水性媒体とを含む組成物の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。いくつかの実施形態において、HLAクラスI抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる血小板と水性媒体とを含む組成物の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。いくつかの実施形態において、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージは、クラスIIのHLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる血小板と水性媒体とを含む組成物の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。いくつかの実施形態において、HNA抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる血小板と水性媒体とを含む組成物の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。
【0042】
いくつかの実施形態において、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体は、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる水性媒体の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。いくつかの実施形態において、HLAクラスI抗体に陽性のビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる水性媒体の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。いくつかの実施形態において、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージは、クラスIIのHLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる水性媒体の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。いくつかの実施形態において、HNA抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる水性媒体の定量において、10%未満(例えば、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、又は0.1%未満)である。
【0043】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、1つ以上の追加の成分を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、調製剤(例えば、本明細書に記載のいずれかの調製剤)を含み得る。いくつかの実施形態において、当該組成物は、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含み得る。緩衝剤は、任意の適切な緩衝剤とすることができる。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)とすることができる。塩基は、任意の適切な塩基とすることができる。いくつかの実施形態において、塩基は重炭酸ナトリウムとすることができる。装填剤は、任意の適切な装填剤とすることができる。いくつかの実施形態において、装填剤は、単糖、多糖、又はこれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態において、装填剤は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、及びキシロースからなる群より選択することができる。いくつかの実施形態において、装填剤はトレハロースとすることができる。いくつかの実施形態において、多糖はポリスクロースとすることができる。塩は、任意の適切な塩とすることができる。いくつかの実施形態において、塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はこれらの組合せとすることができる。有機溶媒は、任意の適切な有機溶媒とすることができる。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びこれらの組合せからなる群より選択することができる。
【0044】
調製剤は、任意の適切な成分を含むことができる。いくつかの実施形態において、調製剤は液体媒体を含み得る。いくつかの実施形態において、調製剤は、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及び血液若しくは血液製剤中に見出され得るか又は血小板の乾燥に有用であることが知られている任意の他の塩から選択される1つ以上の塩、又はこれらのうちの2つ以上の任意の組合せを含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、調製剤は1つ以上の塩、例えば、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及び血液又は血液製剤中に見出され得る任意の他の塩を含む。例示的な塩としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、及びこれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、調製剤は約0.5mM~約100mMの1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、約0.5mM~約100mM(例えば、約0.5~約2mM、約2mM~約90mM、約2mM~約6mM、約50mM~約100mM、約60mM~約90mM、約70~約85mM)の1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、約5mM、約75mM、又は約80mMの1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びこの2つの組合せから選択される1つ以上の塩を約0.5mM~約2mMの濃度で含む。
【0046】
好ましくは、これらの塩は、血小板又は血小板誘導体(例えば、フリーズドライされた血小板)を含む組成物中に、全血中に見出される量とほぼ同じ量で存在する。
【0047】
いくつかの実施形態において、調製剤はさらに、担体タンパク質を含む。いくつかの実施形態において、担体タンパク質は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、又はこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態において、担体タンパク質は約0.05%~約1.0%(w/v)の量で存在する。
【0048】
調製剤は、血小板に対し無毒性であり、かつ溶液に対し、本明細書で提供されるプロセスの間に溶液が曝露される温度で妥当な緩衝能力をもたらす、任意の緩衝液とすることができる。したがって、緩衝液は、任意の市販された既知の生物学的に適合性の緩衝液、例えば、リン酸緩衝液(例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS))、重炭酸/炭酸(例えば、重炭酸ナトリウム緩衝液)、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES)、及びトリスベース緩衝液(例えば、トリス緩衝食塩水(TBS))を含み得る。同様に、緩衝液は、以下の緩衝液のうちの1つ以上を含み得る:プロパン-1,2,3-トリカルボン酸(トリカルバリル酸);ベンゼンペンタカルボン酸;マレイン酸;2,2-ジメチルコハク酸;EDTA;3,3-ジメチルグルタル酸;ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノ-トリス(ヒドロキシメチル)-メタン(BIS-TRIS);ベンゼンヘキサカルボン酸(メリト酸);N-(2-アセトアミド)イミノ-二酢酸(ADA);ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸;ピロリン酸;1,1-シクロペンタン二酢酸(3,3-テトラメチレングルタル酸);ピペラジン-1,4-ビス-(2-エタンスルホン酸)(PIPES);N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES);1,1-シクロヘキサン二酢酸;3,6-エンドメチレン-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸(EMTA;ENDCA);イミダゾール;2-(アミノエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(CHOLAMINE);N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES);2-メチルプロパン-1,2,3-トリカルボン酸(β-メチルトリカルボン酸);2-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS);リン酸;及びN-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)。いくつかの実施形態において、調製剤は1つ以上の緩衝液、例えば、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES)、又は重炭酸ナトリウム(NaHCO3)を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は約5~約100mMの1つ以上の緩衝液を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、約5~約50mM(例えば、約5mM~約40mM、約8mM~約30mM、約10mM~約25mM)の1つ以上の緩衝液を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、約10mM、約20mM、約25mM、又は約30mMの1つ以上の緩衝液を含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、調製剤は、単糖及び二糖などの1つ以上の糖を含み、これにはスクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、デキストロース、及びキシロースが含まれる。いくつかの実施形態において、糖は単糖である。いくつかの実施形態において、糖は二糖である。いくつかの実施形態において、糖は単糖、二糖、又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、糖は非還元二糖である。いくつかの実施形態において、糖はスクロース、マルトース、トレハロース、グルコース(例えば、デキストロース)、マンノース、又はキシロースである。いくつかの実施形態において、糖はトレハロースを含む。いくつかの実施形態において、調製剤はデンプンを含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、ポリスクロース(スクロースとエピクロロヒドリンとのポリマー)を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、約10mM~約1,000mMの1つ以上の糖を含む。いくつかの実施形態において、調製剤は、約50~約500mMの1つ以上の糖を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の糖が10mM 10~500mMの量で存在する。いくつかの実施形態において、1つ以上の糖が50mM~200mMの量で存在する。いくつかの実施形態において、1つ以上の糖が100mM~150mMの量で存在する。いくつかの実施形態において、1つ以上の糖は凍結乾燥剤であり、例えば、いくつかの実施形態において、凍結乾燥剤は、トレハロース、ポリスクロース、又はこれらの組合せを含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物は、水又は生理食塩水のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、フリーズドライされた血小板)を含む組成物は、DMSOを含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、調製剤はアルコール(例えば、エタノール)などの有機溶媒を含む。このような調製剤においては、溶媒の量は0.1%~5.0%(v/v)を範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、約0.1%(v/v)~約5.0%(v/v)、例えば、約0.3%(v/v)~約3.0%(v/v)、又は約0.5%(v/v)~約2%(v/v)を範囲とすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、好適な有機溶媒としては、限定されるものではないが、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、ハロゲン化溶媒、炭化水素、ニトリル、グリコール、硝酸アルキル、水、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、好適な有機溶媒としては、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、酢酸、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル(IPE)、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン(例えば、1,4-ジオキサン)、アセトニトリル、プロピオニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、アニソール、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、エチレングリコール、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、及びこれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はこれらの組合せからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、エタノール、DMSO、又はこれらの組合せを含む。エタノールなどの有機溶媒の存在は、血小板、血小板誘導体、又はトロンボソーム(例えば、フリーズドライされた血小板誘導体)の処理に有益であり得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、調製剤は有機溶媒を含まない。いくつかの実施形態において、調製剤は有機溶媒を含む。いくつかの実施形態において調製剤はDMSOを含む。
【0054】
調製剤のpHは、任意の適切なpHであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、調製剤のpHは約6.0~約7.4(例えば、約6.5~約6.9、又は約6.6~約6.8)であり得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、1つ以上の他の成分が(例えば、調製剤の一部として)血小板と組み合わされ得る。例示的な成分としては、血小板の凝集及び活性化を防止するためのプロスタグランジンE1又はプロスタサイクリン及び又はEDTA/EGTAを挙げることができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、調製剤は、実施例1で示されるような緩衝液Aであり得る。いくつかの実施形態において、調製剤は、実施例1で示されるような緩衝液Aを含み得、このとき、1つ以上の成分(例えば、エタノール)が、実施例1で示される量の最大3倍の量で存在する。使用することができる調製剤組成物の非限定的な例を表P1~P6に示す。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
表P5は、緩衝液B中のHEPES及び塩の濃度を示している。pHは、NaOHで7.4に調整することができる。アルブミンは緩衝液Bの任意選択の成分である。
【0063】
【0064】
表P6は、別の例示的な調製剤である。
【0065】
いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体を含む組成物を再水和することは、血小板に水性液体を加えることを含む。いくつかの実施形態において、水性液体は水である。いくつかの実施形態において、水性液体は水溶液(例えば、緩衝液)である。いくつかの実施形態において、水性液体は食塩水である。いくつかの実施形態において、水性液体は懸濁液である。
【0066】
いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、膜上に存在するタンパク質及び/又は脂質を介した血小板膜の約10%未満(例えば約8%未満、例えば約6%未満、例えば約4%未満、例えば約2%未満、例えば約0.5%未満)の架橋を有する。いくつかの実施形態において、再水和された血小板又は血小板誘導体(例えばトロンボソーム)は、膜上に存在するタンパク質及び/又は脂質を介した血小板膜の約10%未満(例えば約8%未満、例えば約6%未満、例えば約4%未満、例えば約2%未満、例えば約0.5%未満)の架橋を有する。
【0067】
いくつかの実施形態において、血小板又はプールされた血小板は、TFFの前に、又は調製剤で希釈される前に、約6.0~約7.4のpHに酸性化され得る。いくつかの実施形態において、当該方法は、血小板を酸性化してpH約6.5~約6.9にすることを含む。いくつかの実施形態において、当該方法は、血小板を酸性化してpH約6.6~約6.8にすることを含む。いくつかの実施形態において、酸性化は、酸性クエン酸デキストロース(ACD)を含む溶液をプールされた血小板に加えることを含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、血小板は、TFFの前に、又は調製剤で希釈される前に単離される。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、遠心分離を用いて血小板を単離することを含む。いくつかの実施形態において、遠心分離は、約1000×g~約2000×gの相対遠心力(RCF)で行われる。いくつかの実施形態において、遠心分離は、約1300×g~約1800×gの相対遠心力(RCF)で行われる。いくつかの実施形態において、遠心分離は、約1500×gの相対遠心力(RCF)で行われる。いくつかの実施形態において、遠心分離は約1分~約60分間行われる。いくつかの実施形態において、遠心分離は約10分~約30分間行われる。いくつかの実施形態において、遠心分離は約30分間行われる。
【0069】
いくつかの実施形態において、血小板は、対象を治療する前に、例えば液体媒体中に単離される。
【0070】
いくつかの実施形態において、血小板はドナー由来の血小板である。いくつかの実施形態において、血小板は、アフェレーシスステップを含むプロセスによって得られる。いくつかの実施形態において、血小板はプールされた血小板である。
【0071】
いくつかの実施形態において、血小板は複数のドナーからプールされる。このような複数のドナーからプールされた血小板は、本明細書ではプールされた血小板と称されることもある。いくつかの実施形態において、ドナーは5例超、例えば10例超、例えば20例超、例えば50例超、例えば最大約100例のドナーである。いくつかの実施形態において、ドナーは約5~約100例、例えば約10~約50例、例えば約20~約40例、例えば約25~約35である。プールされた血小板は、本明細書に記載されたいずれかの組成物を作製するために使用することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、血小板はin vitroで誘導される。いくつかの実施形態において、血小板は培養物中で誘導又は調製される。いくつかの実施形態において、血小板を調製することは、巨核球の培養物から血小板を誘導又は成長させることを含む。いくつかの実施形態において、血小板を調製することは、ヒト多能性幹細胞(PSC)(胚性幹細胞(ESC)及び/又は誘導多能性幹細胞(iPSC)を含む)の培養物から血小板(又は巨核球)を誘導又は成長させることを含む。
【0073】
したがって、いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、本明細書に記載のように対象を治療する前に調製される。いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は凍結乾燥される。いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、凍結保存される。例えば、いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体は、血漿及びDMSO(例えば、3~9%のDMSO(例えば、6%のDMSO))中で凍結保存され得る。いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体は、2020年2月13日に公開された米国特許出願公開第2020/0046771A1号(その全体が参照により本明細書に援用される)に記載のように凍結保存される。
【0074】
いくつかの実施形態において、血小板(例えば、アフェレーシス血小板、全血から単離された血小板、プールされた血小板、又はこれらの組合せ)は、液体媒体を含む調製剤中で、10,000血小板/μL~10,000,000血小板/μLの濃度で、例えば50,000血小板/μL~2,000,000血小板/μL、例えば100,000血小板/μL~500,000血小板/μL、例えば150,000血小板/μL~300,000血小板/μL、例えば200,000血小板/μLの濃度で、懸濁液を形成する。
【0075】
いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を乾燥することを含む。いくつかの実施形態において、乾燥ステップは、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を凍結乾燥することを含む。いくつかの実施形態において、乾燥ステップは、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)をフリーズドライすることを含む。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、乾燥ステップから得られた血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を再水和することを含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、治療又は機能的アッセイで使用する前に、低温保存、凍結保存、又は凍結乾燥される(例えば、トロンボソームを生成するため)。
【0077】
血小板を乾燥するための任意の既知の技法は、当該技法が5%未満の最終残留含水量を達成できる限り、本開示に従って使用することができる。好ましくは、当該技法は2%未満、例えば、1%、0.5%、又は0.1%の最終残留含水量を達成する。好適な技術の非限定的な例としては、フリーズドライ(凍結乾燥)及び噴霧乾燥がある。好適な凍結乾燥方法を表LAに提示する。さらなる例示的な凍結乾燥方法は、米国特許第7,811,558号、米国特許第8,486,617号、及び米国特許第8,097,403号に見出すことができる。例示的な噴霧乾燥方法は、乾燥ガスとしての窒素を本開示に従う調製剤と組み合わせ、次いで、二流体ノズル構成を有するGEA Processing Engineering,Inc.(Columbia MD,USA)のGEA Mobile Minor噴霧乾燥器に混合物を導入し、150℃~190℃の範囲の入口温度、65℃~100℃の範囲の出口温度、0.5~2.0バールの範囲の原子速度、5~13kg/時間の範囲の原子速度、60~100kg/時間の範囲の窒素使用、及び10~35分の実行時間で混合物を噴霧乾燥することを含む。噴霧乾燥の最終ステップは、乾燥された混合物を優先的に採取することである。いくつかの実施形態における乾燥された組成物は、-20℃以下から90℃以上の範囲の温度で少なくとも6ヵ月間安定している。
【0078】
【0079】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示のように得られる血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を乾燥するステップ、例えば、本明細書で開示のように得られる血小板及び/又は血小板誘導体をフリーズドライするステップは、血小板及び/又は血小板誘導体を凍結乾燥剤(例えば、非還元二糖)とインキュベートすることを含む。したがって、いくつかの実施形態において、血小板及び/又は血小板誘導体を調製するための方法はさらに、血小板を凍結乾燥剤とインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥剤は糖である。いくつかの実施形態において、糖は、非還元二糖などの二糖である。
【0080】
いくつかの実施形態において、血小板及び/又は血小板誘導体は、血小板を凍結乾燥剤とインキュベートするのに十分な時間及び好適な温度で、凍結乾燥剤とインキュベートする。好適な凍結乾燥剤の非限定的な例としては、単糖及び二糖などの糖があり、これにはスクロース、マルトース、トレハロース、グルコース(例えば、デキストロース)、マンノース、及びキシロースが含まれる。いくつかの実施形態において、凍結乾燥剤の非限定的な例としては、血清アルブミン、デキストラン、ポリビニルピロリドン(PVP)、デンプン、及びヒドロキシエチルデンプン(HES)が挙げられる。いくつかの実施形態において、例示的な凍結乾燥剤は、高分子量ポリマーを含み得る。「高分子量」とは、平均分子量が約70kDa以上、最大1,000,000kDaのポリマーを意味する。非限定的な例としては、スクロースとエピクロロヒドリンとのポリマー(例えば、ポリスクロース)がある。いくつかの実施形態において、凍結乾燥剤はポリスクロースである。任意の量の高分子量ポリマーを凍結乾燥剤として使用することができるが、最終濃度が約3%~10%(w/v)、例えば3%~7%、例えば6%となるような量を使用することが好ましい。
【0081】
本明細書で開示される組成物で使用するための例示的な糖は、トレハロースである。糖の内容にかかわらず、糖は任意の適切な量で組成物中に存在することができる。例えば、糖は1mM~1Mの量で存在し得る。諸実施形態において、糖は10mM 10~500mMの量で存在する。いくつかの実施形態において、糖は20mM~200mMの量で存在する。諸実施形態において、糖は40mM~100mMの量で存在する。様々な実施形態において、糖は、上記に挙げられた範囲内の異なる特定の濃度で存在し、当業者であれば、本明細書中で各々を具体的に記載する必要なく、様々な濃度を直ちに理解することができる。組成物中に2つ以上の糖類が存在する場合、各糖は、上記に挙げられた範囲及び特定の濃度に応じた量で存在し得る。
【0082】
いくつかの場合には、トロンボソームの調製はさらに、米国特許第8,486,617号に記載の手順(例えば、実施例1~5)及び同第8,097,403号に記載の手順(例えば、実施例1~3など)(参照によりこれらの全体が本明細書に援用される)のうちの1つ以上を含む。いくつかの場合には、出発材料(例えば、1つ以上のドナー血小板単位)が最初に共通の容器にプールされる。いくつかの実施形態において、出発材料は、1つ以上のドナー血小板単位を含み得る。いくつかの実施形態において、出発材料はドナー血漿を含み得る。出発材料は、遠心分離の前に抗凝固緩衝液(すなわち、ACD-A)で酸性化される場合もされない場合もある。血漿は、遠心分離後に血小板ペレットから吸引することができる。細胞を懸濁液に再懸濁させる前に、凍結保護剤を含む細胞適合性緩衝液(例えば、調製剤と同様又は同じであり得る装填緩衝液)を血小板ペレットに加えてもよい。所望の場合、血小板を緩衝液で所定の濃度(例えば、2200k/ul~2800k/ul)に希釈しても希釈しなくてもよい。緩衝液中の血小板は、18℃~37℃のインキュベート温度で0分~240分間インキュベートされ得る。凍結保護増量剤(例えば、ポリスクロース)を、最終増量剤濃度が1%~10%w/v(好ましくは6%w/v)となるように緩衝液中の血小板に加えることができる。遠心分離され処理された血小板は、バイアルに充填し、凍結乾燥し、熱処理することができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の粒子サイズ(例えば、直径、最大寸法)は、少なくとも約0.5μm(例えば、少なくとも少なくとも約0.6μm、少なくとも約0.7μm、少なくとも約0.8μm、少なくとも約0.9μm、少なくとも約1.0μm、少なくとも約1.2μm、少なくとも約1.5μm、少なくとも約2.0μm、少なくとも約2.5μm、又は少なくとも約5.0μm)である。いくつかの実施形態において、粒子サイズは約5.0μm未満(例えば、約2.5μm未満、約2.0μm未満、約1.5μm未満、約1.0μm未満、約0.9μm未満、約0.8μm未満、約0.7μm未満、約0.6μm未満、約0.5μm未満、約0.4μm未満、又は約0.3μm未満)である。いくつかの実施形態において、粒子サイズは約0.5μm~約5.0μm(例えば、約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)である。
【0084】
いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の少なくとも50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%)の粒子サイズが、約0.5μm~約5.0μm(例えば、約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲内にある。いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の最大99%(例えば、最大約95%、最大約80%、最大約75%、最大約70%、最大約65%、最大約60%、最大約55%、又は最大約50%)が、約0.5μm~約5.0μm(例えば、約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲内にある。いくつかの実施形態において、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の約50%~約99%(例えば、約55%~約95%、約60%~約90%、約65%~約85、約70%~約80%)が、約0.5μm~約5.0μm(例えば約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲内にある。
【0085】
いくつかの場合には、微粒子は、約0.5μm未満(約0.45μm又は0.4μm未満)の粒径(例えば、直径、最大寸法)を有する粒子であり得る。いくつかの場合には、微粒子は、約0.01μm~約0.5μm(例えば、約0.02μm~約0.5μm)の粒径を有する粒子であり得る。
【0086】
血小板又は血小板誘導体(例えばトロンボソーム)を含む組成物(例えば、本明細書に記載の方法に従って調製された組成物)の微粒子含量は、組成物中の半径約1nm~約60,000nmの全ての粒子の総散乱強度の約5.0%未満(例えば、約4.5%未満、4.0%未満、3.5%未満、3.0%未満、2.5%未満、2.0%未満、1.5%未満、1.0%未満、又は0.5%未満)に寄与し得る。本明細書で使用する場合、「散乱強度による」微粒子の含量とは、組成物中の半径約1nm~約60,000nmの全ての粒子の散乱強度に基づく微粒子の含量を指す。微粒子の含量は、任意の適切な方法、例えば、動的光散乱(DLS)によって測定することができる。いくつかの場合には、DLSに使用する試料の粘度は、血漿のおよその粘度であることから約1.060cPとする(又はそうなるように調整する)ことができる。
【0087】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、細胞表面マーカーを有し得る。細胞表面マーカーの存在は、任意の適切な方法を用いて定量することができる。いくつかの実施形態において、細胞表面マーカーの存在は、1つ以上の細胞表面マーカーに特異的な結合タンパク質(例えば、抗体)及びフローサイトメトリーを用いて(例えば、陽性パーセントとして、例えば、約2.7×105トロンボソーム/μL及び約4.8μLの抗CD41抗体、約3.3μLの抗CD42抗体、約1.3μLのアネキシンV、又は約2.4μLの抗CD62抗体を用いて)定量され得る。細胞表面マーカーの非限定的な例としては、CD41(糖タンパク質IIb又はGPIIbとも呼ばれ、例えば抗CD41抗体を用いてアッセイされ得る)、CD42(例えば抗CD42抗体を用いてアッセイされ得る)、CD62(CD62P又はP-セレクチンとも呼ばれ、例えば抗CD62抗体を用いてアッセイされ得る)、ホスファチジルセリン(例えばアネキシンV(AV)を用いてアッセイされ得る)、及びCD47(自己認識に使用され、このマーカーがないと、場合によってはファゴサイトーシスにつながり得る)が挙げられる。任意の細胞表面マーカーの陽性パーセントは、任意の適切な陽性パーセントとすることができる。例えば、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、本明細書に記載の方法によって調製されたもの)の平均CD41陽性パーセントは、少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも67%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%)であり得る。別の例として、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、本明細書に記載のもの)の平均CD42陽性パーセントは、少なくとも65%(例えば、少なくとも67%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%)であり得る。別の例として、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、本明細書に記載の方法によって調製されたもの)の平均CD62陽性パーセントは、少なくとも10%(例えば、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%)であり得る。また別の例として、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、本明細書に記載の方法によって調製されたもの)の平均アネキシンV陽性率は、少なくとも25%(例えば、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%)であり得る。別の例として、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、本明細書に記載の方法によって調製されたもの)の平均CD47陽性パーセントは、少なくとも約8%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は55%)であり得る。
【0088】
糖タンパク質VI(GPVI)は、コラーゲンに対する血小板受容体であり、コラーゲンがGVPIに結合することで血小板が活性化される。トロンボソームでは、新鮮な血小板と比較して、受容体結合が顕著に低減し得る。いかなる特定の理論にも拘束されないが、製造プロセスによってトロンボソーム中のこの受容体のいくつかのコピーがブロック又は破壊され、それがおそらくはトロンボソーム中のコラーゲン結合の新鮮な血小板と比較した低減をもたらすものと考えられる。
【0089】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、細胞膜に会合したフィブリノーゲンを有し得る。活性化血小板の凝集は、GPIIb/IIIa複合体の形成によって媒介され、これがフィブリノーゲン(第1因子とも呼ばれる)と結合し血餅を形成し得る。GPIIb/IIIaは、CD41/CD61複合体としても知られる血小板フィブリノーゲン受容体である。GPIIb/IIIaクローンのPAC-1は、GPIIb/IIIaの活性形態に結合する。いかなる特定の理論にも拘束されないが、細胞膜上のフィブリノーゲンの存在は、血餅を形成可能な血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を示し得るものと考えられる。同様に、いかなる特定の理論にも拘束されないが、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、本明細書に記載の方法によって調製されたもの)に抗PAC1抗体が結合しないことは、GPIIb/GPIIIaの活性形態に結合したフィブリノーゲンを示し得ると考えられる。これは、PAC-1が同じ複合体に結合するためである。いくつかの場合には、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、本明細書に記載の方法によって調製されたもの)は、より多量の残留血漿を保持する場合、より多量の結合したフィブリノーゲンを有し得る。
【0090】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、例えば、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下にあるときに、トロンビンを生成可能である。例えば、いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、約4.8×103粒子/μLの濃度)は、組織因子(例えば、0.25pM、0.5pM、1pM、2pM、5pM、又は10pM)と任意選択でリン脂質とを含む試薬の存在下にあるときに、少なくとも25nM(例えば、少なくとも30nM、35nM、40nM、45nM、50nM、52nM、54nM、55nM、56nM、58nM、60nM、65nM、70nM、75nM、又は80nM)のトロンビンピーク高さ(TPH)を生成し得る。例えば、いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、約4.8×103粒子/μLの濃度)は、組織因子(例えば、0.25pM、0.5pM、1pM、2pM、5pM又は10pM)と任意選択でリン脂質とを含む試薬の存在下にあるときに、約25nM~約100nM(例えば、約25nM~約50nM、約25~約75nM、約50~約100nM、約75~約100nM、約35nM~約95nM、約45~約85nM、約55~約75nM、又は約60~約70nM)のTPHを生成し得る。いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、約4.8×103粒子/μLの濃度)は、PRP試薬(Thrombinoscopeのカタログ番号TS30.00)の存在下にあるときに、例えば、20μLのPRP試薬と、約4.8×103粒子/μLの血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む80μLの組成物とを含む条件を用いて、少なくとも25nM(例えば、少なくとも30nM、35nM、40nM、45nM、50nM、52nM、54nM、55nM、56nM、58nM、60nM、65nM、70nM、75nM、又は80nM)のTPHを生成し得る。いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)(例えば、約4.8×103粒子/μLの濃度)は、PRP試薬(Thrombinoscopeのカタログ番号TS30.00)の存在下にあるときに、例えば、20μLのPRP試薬と、約4.8×103粒子/μLの血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む80μLの組成物とを含む条件を用いて、約25nM~約100nM(例えば、約25nM~約50nM、約25~約75nM、約50~約100nM、約75~約100nM、約35nM~約95nM、約45~約85nM、約55~約75nM、又は約60~約70nM)のTPHを生成し得る。
【0091】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、例えば、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下にあるときに、トロンビンを生成可能である。例えば、いくつかの場合には、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の力価は、106粒子当たり少なくとも1.2(例えば、少なくとも1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、又は2.5)トロンビン生成力価単位(TGPU)であり得る。例えば、いくつかの場合には、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の力価は、106粒子当たり1.2~2.5TPGU(例えば、106粒子当たり1.2~2.0、1.3~1.5、1.5~2.25、1.5~2.0、1.5~1.75、1.75~2.5、2.0~2.5、又は2.25~2.5TPGU)であり得る。TPGUは以下のように計算することができる:TGPU/100万粒子=[TPH(nM)]*[力価係数(IU)/(nM)]/[ウェル内の57.6万粒子]。同様に、トロンビンの試料の力価係数は以下のように計算することができる:力価係数=キャリブレーター活性計算値(IU)/有効キャリブレーター活性(nM)。いくつかの場合には、キャリブレーター活性は、WHO国際トロンビン標準に基づき得る。
【0092】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、例えば総血栓形成分析システム(T-TAS(登録商標))の使用による定量において、凝集可能であり得る。いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体は、少なくとも70×103粒子/μL(例えば、少なくとも73×103、100×103、150×103、173×103、200×103、250×103、又は255×103粒子/μL)の濃度のときに、例えば、血小板低減クエン酸塩加全血において、14分未満(例えば、13.5、13、12.5、12、11.5、又は11分未満)のT-TAS閉塞時間(例えば、kPaが80に到達するまでの時間)をもたらし得る。いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体は、少なくとも70×103粒子/μL(例えば、少なくとも73×103、100×103、150×103、173×103、200×103、250×103、又は255×103粒子/μL)の濃度のときに、血小板低減クエン酸塩加全血において、例えば、少なくとも1300(例えば、少なくとも1380、1400、1500、1600、又は1700)の曲線下面積(AUC)をもたらし得る。
【0093】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、例えば凝集アゴニストの存在下で、凝集可能である。凝集アゴニストの非限定的な例としては、トロンビン及びコラーゲンが挙げられる。いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の凝集パーセントは、凝集アゴニストの存在下で、少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、67%、70%、75%、85%、90%、又は99%)であり得る。いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の凝集パーセントは、凝集アゴニストの存在下で、約25%~約100%(例えば、約25%~約50%、約25%~約75%、約50%~約100%、約75%~約100%、約40%~約95%、約55%~約80%、又は約65%~約75%)であり得る。凝集パーセントは、任意の適切な方法、例えば、光透過凝集測定法によって定量することができる。
【0094】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物は、細胞基質及び/又は代謝産物の適切な条件及び量(例えば、pH、pCO2、pO2、HCO3濃度、総二酸化炭素(TCO2)、sO2、及び乳酸濃度)を有し得る。乳酸は、解糖の産物であってもよい。いかなる特定の理論にも拘束されないが、出発材料は、製造時までに一定期間(例えば、約3日)呼吸し解糖を行いながらex vivoで保存されているため、高い乳酸濃度を有し得る。例えば、いくつかの場合には、pHは約6.0~約7.5(例えば、約6.0~約7.4、約6.9~約7.5、又は約7.0~約7.3)とすることができる。別の例として、pCO2は、約10~約20mmHg(例えば、約10~約15mmHg、約15~約20mmHg、又は約17~約19mmHg)とすることができる。pO2は、約140~約165mmHg(例えば、約140~約150mmHg、約150~約160mmgH、又は約160~約165mmHg)とすることができる。HCO3濃度は、約4.5~約6.5mmol/L(例えば、約5.0~約6.0mmol/L)とすることができる。総二酸化炭素は、約4~約8mmol/L(例えば、約5~約7mmol/L)とすることができる。sO2は、少なくとも約98%(例えば、少なくとも約99%)とすることができる。乳酸濃度は、約2.0mmol/L未満(例えば、1.5mmol/L未満又は1.0mmol/L未満)とすることができる。乳酸濃度は、約0.4~約1.3mmol/L(例えば、約0.5~約0.6mmol/L、約0.5~約1.0mmol/L、又は約0.8~約1.3mmol/L)とすることができる。
【0095】
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性によって立証されるようないくらかの代謝活性を保持し得る。いくつかの場合には、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、ドナーアフェレーシス血小板のLDH活性の少なくとも約10%(例えば、少なくとも約12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、又は45%)を保持し得る。いかなる特定の理論にも拘束されないが、ポリスクロースを加える量が増加すれば、残存するLDH活性の量が増加すると考えられる(例えば、8%ポリスクロースを含む調製剤の産物は、4%ポリスクロースを含む調製剤の産物よりも多くLDH活性を保持する)。同様に、いかなる特定の理論にも拘束されないが、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む凍結乾燥された組成物を熱処理すると、保持されるLDH活性の量が増加すると考えられている。別の例として、代謝活性は、エステラーゼ活性の保持(例えば、カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFDASE)のアセテート基を切断してフルオロフォアをマスク解除する細胞の能力)によって立証することができる。
【0096】
血液製剤においては、概して病原体の低減が望ましい。いかなる特定の理論にも拘束されないが、病原体低減のいくつかの方法は、処理された血液製剤中で微粒子の形成を引き起こすことができると考えられている。病原体低減の1つの方法は、適切な波長の照明で病原体の核酸を変化させるための、感光性核酸インターカレート化合物の使用を伴う。INTERCEPT(登録商標)システム(Cerus社製)は、アモトサレン(amotosalen)(UVAの照明で核酸に架橋を形成する核酸インターカレート化合物)を使用する。
【0097】
本明細書に記載の最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))は、任意の適切な方法によって調製することができる。本明細書に記載の最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))は、本明細書に開示されている方法によって調製することができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、最終血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤は、本明細書に記載のように、血小板と水性媒体とを含む組成物をフリーズドライさせた結果であり得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤は、出発材料(例えば、未処理の血液製剤(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))、又は部分的に処理された血液製剤(例えば、濾過を経た血液製剤))のタンジェンシャルフロー濾過(TFF)を用いて調製することができる。いくつかの実施形態において、最終血液製剤は、出発材料(例えば、未処理の血液製剤(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))、又は部分的に処理された血液製剤(例えば、濾過を受けた血液製剤))の遠心分離を用いて調製することができる。本明細書に記載の方法は、概してアフェレーシス材料を出発材料とする文脈で説明されているが、他の材料、例えば、in vitroで培養された血小板、又は全血を使用してもよいことは理解されよう。いくつかの場合には、血小板は全血(例えば、プールされた全血)から分離され得る。
【0098】
出発材料は、任意の適切な出発材料とすることができる。いくつかの実施形態において、出発材料のタンパク質濃度は、約60~約80mg/mLとすることができる。いくつかの実施形態において、タンパク質濃度は、全血の血漿中のタンパク質濃度に基づき得る。いくつかの実施形態において、タンパク質濃度は、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度に基づき得る。いくつかの実施形態において、出発材料は、ドナー血液製剤(例えば、全血又は分画された血液)とすることができる。いくつかの実施形態において、出発材料は、プールされたドナー血液製品(例えば、プールされた全血又はプール及び分画された血)であり得る。いくつかの実施形態において、出発材料は、ドナーアフェレーシス血漿を含み得る。いくつかの実施形態において、出発材料は、ドナーアフェレーシス血漿に由来し得る。本明細書で使用する場合、「ドナーアフェレーシス血漿」とは、血小板又は他の血球が含まれているかいないかにかかわらず、アフェレーシス材料の血漿成分を指すことができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、出発材料は、ドナーアフェレーシス材料(例えば、ドナー血小板又はドナー血小板のプール)とすることができる。いくつかの実施形態において、出発材料は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)に基づいて、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体のうちの1つ以上に対し陽性である。いくつかの実施形態において、出発材料は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスI抗体に対し陽性反応を示し得る。いくつかの実施形態において、出発材料は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HLAクラスII抗体に対し陽性反応を示し得る。いくつかの実施形態において、出発材料は、規制機関が承認したアッセイ(例えば、FDA承認済みアッセイ)で、HNA抗体に対し陽性反応を示し得る。規制機関が承認したアッセイは、任意の適切な規制機関が承認したアッセイとすることができる。いくつかの実施形態において、規制機関が承認した検査は、One Lambda製のLABSCREEN(商標)Mixedとすることができる。いくつかの実装形態において、規制機関が承認した検査は、LUMINEX(登録商標)100/200又はLUMINEX(登録商標)XY及びHLA FUSION(商標)ソフトウェアを用いて実施することができる。
【0100】
いくつかの実施形態において、出発材料は病原体低減ステップ、例えば、UVAの照明で核酸に架橋を形成する核酸インターカレート化合物を経ることができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、出発材料(例えば、1単位以上のドナー血小板)を、最初に共通の容器にプールすることができる。出発材料は、最初に、酸性化された洗浄緩衝液(例えば、対照緩衝液)で希釈する場合もしない場合もある。いかなる特定の理論にも拘束されないが、酸性化した洗浄緩衝液で洗浄することで、処理中の血小板活性化を低減することができると考えられている。いくつかの場合には、出発材料は、2つの一般的な処理経路を経ることができ、すなわち、最終濃度に濃縮する前に、所望の残留成分(例えば、残留ドナー血漿のパーセンテージ)に達するまで制御緩衝液(例えば、TFFを使用)で洗浄するか、又は、制御緩衝液(例えば、TFFを使用)で洗浄する前に、所望の残留成分(例えば、残留ドナー血漿のパーセンテージ)に達するまで出発材料を最終濃度に濃縮することができる。TFF処理された材料は、バイアルに充填し、凍結乾燥し、熱処理する。
【0102】
いくつかの実施形態において、当該方法は、初期希釈ステップを含み得、例えば、出発材料(例えば、未処理血液製剤(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))を調製剤(例えば、本明細書に記載の調製剤のいずれか)で希釈して、希釈された出発材料を形成することができる。いくつかの場合には、初期希釈ステップは、出発材料の質量の少なくとも約10%(例えば、出発材料の質量の少なくとも約15%、25%、50%、75%、100%、150%、又は200%)に等しい質量の調製剤による希釈を含み得る。いくつかの実施形態において、初期希釈ステップは、TFF装置を用いて実施され得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、当該方法は、濃縮(例えば、血小板の濃縮)(例えば、出発材料又は希釈された出発材料の濃縮)して、濃縮された血小板組成物を形成することを含み得る。例えば、濃縮は、約1000×103~約4000×103血小板/μL(例えば、約1000×103~約2000×103、約2000×103~約3000×103、又は約4000×103血小板/μL)に濃縮することを含み得る。いくつかの実施形態において、濃縮ステップは、TFF装置を用いて行われ得る。
【0104】
血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の濃度は、任意の適切な方法で定量することができる。例えば、カウンターを使用して、懸濁液中の血球の濃度をインピーダンスを用いて定量化することができる(例えば、Beckman Coulter AcT 10又はAcT diff 2)。
【0105】
いくつかの実施形態において、TFFは、出発材料、希釈された出発材料、濃縮血小板組成物、又はこれらの組合せのダイアフィルタリング(「洗浄」と呼ばれることもある)を含み得る。いくつかの実施形態において、ダイアフィルタリングは、少なくとも2ダイアボリューム(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10ダイアボリューム、又はそれ以上)での洗浄を含み得る。いくつかの実施形態において、TFFは緩衝液交換を含み得る。いくつかの実施形態において、緩衝液がTFFで使用され得る。緩衝液は、任意の適切な緩衝液とすることができる。いくつかの実施形態において、緩衝液は調製剤(例えば、本明細書に記載のいずれかの調製剤)であってもよい。いくつかの実施形態において、緩衝液は、希釈に使用したものと同じ調製剤であってもよい。いくつかの実施形態において、緩衝液は、希釈に使用したものと異なる調製物であってもよい。いくつかの実施形態において、緩衝液は、緩衝剤を含む凍結乾燥剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒(例えば、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はこれらの組合せからなる群より選択される有機溶媒)とを含み得る。緩衝剤は、任意の適切な緩衝剤とすることができる。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、HEPES((4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)とすることができる。塩基は、任意の適切な塩基とすることができる。いくつかの実施形態において、塩基は重炭酸ナトリウムとすることができる。いくつかの実施形態において、糖は単糖であり得る。いくつかの実施形態において、装填剤は糖であり得る。いくつかの実施形態において、糖は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース(例えば、デキストロース)、マンノース、又はキシロースを含み得る。いくつかの実施形態において、単糖はトレハロースとすることができる。いくつかの実施形態において、装填剤はポリスクロースを含み得る。塩は、任意の適切な塩とすることができる。いくつかの実施形態において、塩は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、又はこれらの組合せからなる群より選択することができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、孔径約0.1μm~約1μm(例えば、約0.1μm~約1μm、約0.1μm~約0.5μm、約0.2~約0.45μm、約0.45~約1μm、約0.1μm、約0.2μm、約0.45μm、約0.65μm、又は約1μm)の膜がTFFで使用され得る。膜は、任意の適切な材料から作製することができる。いくつかの場合には、膜は親水性膜であり得る。いくつかの実施形態において、膜は疎水性膜であり得る。いくつかの実施形態において、名目上の分子量カットオフ(NMWCO)が少なくとも約100kDa(例えば、少なくとも約200、300kDa、500kDa、又は1000kDa)の膜がTFFで使用され得る。TFFは任意の適切な温度で実施することができる。いくつかの実施形態において、TFFは、約20℃~約37℃の温度(例えば、約20℃~約25℃、約20℃~約30℃、約25℃~約30℃、約30℃~約35℃、約30℃~約37℃、約25℃~約35℃、又は約25℃~約37℃)で実施され得る。いくつかの実施形態において、TFFは、約100ml/分~約800ml/分の流量(例えば、循環流量)(例えば、約100~約200ml/分、約100~約400ml/分、約100~約600ml/分、約200~約400ml/分、約200~約600ml/分、約200~約800ml/分、約400~約600ml/分、約400~約800ml/分、約600~約800ml/分、約100ml/分、約200ml/分、約300ml/分、約400ml/分、約500ml/分、約600ml/分、約700ml/分、又は約800ml/分)で実施され得る。
【0107】
いくつかの実施形態において、TFFを特定のエンドポイントに到達するまで実施して、TFF処理された組成物を形成することができる。エンドポイントは、任意の適切なエンドポイントとすることができる。いくつかの実施形態において、エンドポイントは、残留血漿のパーセンテージ(例えば、残留血漿の約50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、又は0.1%以下)であり得る。いくつかの実施形態において、エンドポイントは280nmにおける相対的吸光度(A280)であり得る。例えば、エンドポイントは、TFFの前(例えば、出発材料又は希釈された出発材料)のA280(例えば、0.5cmの経路長を使用)の約50%以下(例えば、約40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、又は0.1%以下)であるA280(例えば、0.5cmの経路長を使用)である。いくつかの実施形態において、A280は、7.5%血漿=1.66AUを測定するシステムに対応し得る。いくつかの実施形態において、A280を測定するための装置は、以下のように構成することができ、すなわち、0.5cmギャップのフローセルをTFFシステムの濾液ラインに取り付けることができる。フローセルは、フローセルの各側面に光ファイバーケーブル(光源ケーブル及び光検出器ケーブル)を取り付けてフローセル光計測器に接続させることができる。フローセルは、光ファイバーケーブルの各側面のシリカガラスレンズを用いて作製することができる。いくつかの実施形態において、エンドポイントは絶対的A280(例えば、0.5cmの経路長を使用)であり得る。例えば、エンドポイントは、1.70AU以下(例えば、1.66AU以下、1.6AU以下、1.5AU以下、1.4AU以下、1.3AU以下、1.2AU以下、1.1AU以下、1.0AU以下、0.9AU以下、0.8AU以下、0.7AU以下、0.6AU以下、0.5AU以下、0.4AU以下、0.3AU以下、0.2AU以下、又は0.1AU以下)のA280(例えば、0.5cmの経路長を使用)であり得る。いくつかの実施形態において、残留血漿のパーセンテージ、相対的A280、又はA280は、血小板と水性媒体とを含む組成物の水性媒体に基づいて定量され得る。いくつかの実施形態において、残留血漿のパーセンテージは、A280との既知の相関に基づいて定量され得る。いくつかの実施形態において、TFFが(例えば、調製剤を用いて)試料の濃縮又は希釈を含み得るため、エンドポイントは血小板濃度とすることができる。例えば、エンドポイントは、少なくとも約2000×103血小板/μL(例えば、少なくとも約2050×103、2100×103、2150×103、2200×103、2250×103、2300×103、2350×103、2400×103、2450×103、又は2500×103血小板/μL)の血小板濃度であり得る。別の例として、エンドポイントは、約1000×103~約2500血小板/μL(例えば、約1000×103~約2000×103、約1500×103~約2300×103、又は約1700×103~約2300×103血小板/μL)の血小板濃度とすることができる。いくつかの実施形態において、エンドポイントは、複数の基準(例えば、残留血漿のパーセンテージ及び血小板濃度、相対的A280及び血小板濃度、又は絶対的A280及び血小板濃度)を含み得る。
【0108】
典型的には、TFF処理された組成物は、続いて凍結乾燥し、任意選択で熱処理ステップを伴い、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))を形成する。ただし、いくつかの場合には、TFF処理された組成物が最終血液製剤とみなされることもある。
【0109】
いくつかの実施形態において、血液製剤は、血液製剤(例えば、未処理の血液製剤(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料)、又は部分的に処理された血液製剤(例えば、TFFを経た血液製剤))の遠心分離を用いて調製され得る。いくつかの実施形態において、血液製剤は、血液製剤(例えば、未処理の血液製剤(例えば、ドナーアフェレーシス材料)、又は部分的に処理された血液製剤(例えば、TFFを経た血液製剤))の遠心分離をせずに調製することができる。遠心分離は、任意の適切なステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、遠心分離は、遅い加速度、遅い減速度、又はこれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、遠心分離は、約1400×g~約1550×g(例えば、約1400~約1450×g、約1450~約1500×g、又は1500~約1550×g、約1400×g、約1410×g、約1430×g、約1450×g、約1470×g、約1490×g、約1500×g、約1510×g、約1530×g、若しくは約1550×g)における遠心分離を含み得る。いくつかの実施形態において、遠心分離の持続時間は約10分~約30分(例えば、約10分~約20分、約20分~約30分、約10分、約20分、又は約30分)であり得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、最終血液製剤は、TFF及び遠心分離の両方を用いて(例えば、TFFの後に遠心分離、又は遠心分離の後にTFFを行い)調製することができる。
【0111】
また、本明細書では、本明細書に記載のいずれかの方法によって調製された組成物も提供される。
【0112】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、処理中の複数のポイントで分析されることがある。いくつかの実施形態において、出発材料(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))は、抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)について分析されることがある。いくつかの実施形態において、出発材料(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))は、(例えば、280nmでの吸光度(例えば、0.5cmの経路長を使用)によって)タンパク質濃度について分析されることがある。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップ(例えば、タンパク質濃度が、未処理血液製剤のタンパク質濃度の75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)に低減されたとき)の組成物は、抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)について分析されることがある。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップにおける血液製剤の抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)は、出発材料の抗体含量と比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))は、抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)について分析されることがある。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、最終血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))の抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)は、出発材料の抗体含量と比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤は、検出不可能なレベルのHLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の水性媒体は、本明細書に記載のように分析されることがある。
【0113】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、処理中の複数のポイントで分析されることがある。いくつかの実施形態において、ドナーアフェレーシス血漿は、抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)について分析されることがある。いくつかの実施形態において、ドナーアフェレーシス血漿は、(例えば、280nmにおける吸光度により)タンパク質濃度について分析されることがある。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップ(例えば、タンパク質濃度が、未処理血液製剤のタンパク質濃度の75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)に低減されたとき)の組成物は、抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)について分析されることがある。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップにおける血液製剤の抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)は、ドナーアフェレーシス血漿の抗体含量と比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))は、抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)について分析されることがある。本明細書に記載のいくつかの実施形態において、最終血液製剤は、血小板と水性媒体とを含む組成物であり得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))の抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)は、ドナーアフェレーシス血漿の抗体含量と比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤は、検出不可能なレベルのHLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の水性媒体は、本明細書に記載のように分析されることがある。
【0114】
血液製剤のタンパク質濃度は、任意の適切な方法で測定することができる。いくつかの実施形態において、血液製剤のタンパク質濃度は、280nmの吸光度を用いて測定することができる。
【0115】
血液製剤の抗体含量(例えば、HLA又はHNAの抗体含量)は、任意の適切な方法で測定することができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、HLA検出方法として、One Lambda、Thermo Fisher ScientificのFLOWPRA(商標)Screening又はLABScreen Multi検査キットが使用され得る。原材料をTFFや遠心分離の前に検査して、ヒト白血球抗原(HLA)及びヒト好中球抗原(HNA)に対するクラスI及びII抗体のベースラインレベルを定量することができる。検査は、HLA及びHNAの除去を測定するために、遠心分離又はTFFによる処理後に繰り返すことができる。インプロセスコントロールを維持するために、TFF手順の全体において追加の検査ポイントを実施することができる。確実に低減し現行のFDA検査及び許容要件に準拠するために、凍結乾燥及びアニーリングの後、バッチからランダムに試料を選択し、HLA/HNA抗体の定性試験を実施することができる。
【0117】
いくつかの実施形態において、2つの血液製剤の抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)は、マーカー(例えば、HLA又はHNA抗体に結合しているそれぞれHLA又はHNAでコーティングされたビーズ)に対し陽性であるビーズのパーセンテージを定量することにより、比較することができる。任意の適切な比較方法を使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法を用いて、2つの血液製剤の抗体含量を比較することができる。いくつかの実施形態において、このような方法は以下のように実施され得る。血漿のアリコート(例えば、約1mL)乏血小板血漿を得ることができる。いくつかの実施形態において、(例えば、0.2μmのフィルターを用いて)濾過した乏血小板血漿(PPP)のアリコート(例えば、約1mL)を得ることができる。クラスI HLAでコーティングされたビーズ及び/又はクラスII HLAでコーティングされたビーズを血漿に加えて(例えば、約20μLのPPPに対し約5μLの各タイプのビーズ)、PPP及びビーズの混合物を形成することができる。PPP及びビーズの混合物はボルテックスすることができる。PPP及びビーズの混合物をインキュベートして、インキュベートされた混合物を形成することができる。任意の適切なインキュベート条件を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態において、インキュベートは、インキュベートされた混合物を形成するために、ある時間の間(例えば、約30分間)、ある温度(例えば、室温)で、他の条件(例えば、暗中)を用いて行うことができる。いくつかの実施形態において、インキュベートは、撹拌(例えば、穏やかなロッキング)を含み得る。インキュベートされた混合物中のビーズは、任意の適切な条件を用いて洗浄することができる。いくつかの実施形態において、インキュベートされた混合物中のビーズは、洗浄緩衝液で洗浄することができる。洗浄されたビーズは、任意の適切な方法によってインキュベートされた混合物から分離することができる。いくつかの実施形態において、洗浄したビーズを遠心分離(例えば、9,000×gで2分間)によって分離して、ペレット状のビーズを得ることができる。いくつかの実施形態において、洗浄ステップが繰り返され得る。ビーズを再懸濁してビーズ溶液を形成することができる。検出可能部分と結合体化した抗体(例えば、アッセイされた抗体含量(例えば、HLA又はHNA抗体含量)に結合する抗体)をビーズ溶液(例えば、蛍光レポーター(例えば、FITC)と結合体化したαIgG)を加えることができる。抗体は、任意の適切な条件下でビーズ溶液とインキュベートすることができる。いくつかの実施形態において、抗体は、ある時間の間(例えば、約30分間)、ある温度(例えば、室温)で、他の条件(例えば、暗中)を用いてインキュベートして、標識されたビーズを形成することができる。標識されたビーズを洗浄して、検出可能部分と結合体化した未結合の抗体を除去することができる。標識されたビーズは、任意の適切な条件を用いて洗浄することができる。いくつかの実施形態において、標識されたビーズは、洗浄緩衝液で洗浄することができる。洗浄した標識されたビーズは、任意の適切な方法によって分離することができる。いくつかの実施形態において、洗浄した標識されたビーズを遠心分離(例えば、9,000gで2分間)によって分離して、ペレット状の標識ビーズを得ることができる。いくつかの実施形態において、洗浄ステップが繰り返され得る。標識されたビーズは、任意の適切な方法によって検出することができる。いくつかの実施形態において、標識されたビーズは、フローサイトメトリーによって検出することができる。いくつかの実施形態において、検出は、検出可能な部分に対し陽性であるビーズのパーセンテージを、陰性対照と比較して測定することを含み得る。いくつかの実施形態において、陰性対照は、抗体(例えば、HLAクラスI、HLAクラスII、又はHNA抗体)に対し陰性であることが知られているPPP試料を用いて、上記のように調製することができる。
【0118】
いくつかの実施形態において、血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))は、処理中に複数のポイントで分析することができる。いくつかの実施形態において、出発材料(例えば、ドナーアフェレーシス材料)を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、出発材料(例えば、ドナーのアフェレーシス材料)は、(例えば、280nmでの吸光度により)タンパク質濃度について分析されることがある。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップ(例えば、出発材料のタンパク質濃度が75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)に低減されたとき)の血液製剤を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップ(例えば、出発材料のタンパク質濃度が75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)に低減されたとき)の血液製剤を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップの血液製剤からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントは、出発材料からの陽性ビーズのパーセントと比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップの血液製剤からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントは、ビーズの総量の75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)であり得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存血小板、フリーズドライ血小板(例えば、トロンボソーム))からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)は、出発材料からの陽性ビーズのパーセントと比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントは、ビーズの総量の75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の水性媒体は、本明細書に記載のように分析されることがある。
【0119】
いくつかの実施形態において、血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))は、処理中に複数のポイントで分析することができる。いくつかの実施形態において、ドナーのアフェレーシス血漿を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、ドナーアフェレーシス血漿は、(例えば、280nmにおける吸光度により)タンパク質濃度について分析されることがある。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップ(例えば、出発材料のタンパク質濃度が75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)に低減されたとき)の血液製剤を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップ(例えば、出発材料のタンパク質濃度が75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)に低減されたとき)の血液製剤を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップの血液製剤からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントは、ドナーのアフェレーシス血漿からの陽性ビーズのパーセントと比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、処理の中間ステップの血液製剤からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントは、ビーズの総量の75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)であり得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))を分析して、陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントを定量することができる。いくつかの実施形態において、最終血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントは、ドナーアフェレーシス材料からの陽性ビーズのパーセントと比較して、少なくとも5%低減(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減)され得る。いくつかの実施形態において、最終血液製剤からの陽性ビーズ(例えば、HLA又はHNAでコーティングされたビーズ)のパーセントは、ビーズの総量の75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物の水性媒体は、本明細書に記載のように分析されることがある。
【0120】
陽性ビーズのパーセンテージは、任意の適切な方法を用いて定量することができる。いくつかの実施形態において、陽性のビーズは、陰性対照試料と比較して定量することができる。陰性対照試料は、任意の適切な陰性対照試料であり得る。いくつかの実施形態において、陰性対照試料を使用して、ある特定のパーセンテージ(例えば、約0.01%~約1%(例えば、約0.01%~約0.05%、約0.05%~約0.1%、約0.1%~約0.5%、約0.5%~約1%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、又は約1%))未満の陰性対照試料が陽性ゲート内に存在するように、陽性ゲーティングを決定することができる。いくつかの実施形態において、陰性対照試料は緩衝液(例えば、PBS)であり得る。いくつかの実施形態において、陰性対照試料は、合成血漿組成物であり得る。いくつかの実施形態において、陰性対照試料は、アッセイする抗体(例えば、HLA抗体又はHNA抗体)に対し陰性であることが知られている血液製剤であり得る。
【0121】
また、本明細書では、血小板を含む組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)のパーセンテージを低減する方法であって、タンジェンシャルフロー濾過によって当該組成物を濾過することを含む、方法も提供される。また、本明細書では、血小板を含む組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)の量を低減する方法であって、タンジェンシャルフロー濾過によって当該組成物を濾過することを含む、方法も提供される。また、本明細書では、血小板を含む組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)に対し陽性であるビーズのパーセンテージを低減する方法であって、タンジェンシャルフロー濾過によって当該組成物を濾過することを含む、方法も提供される。
【0122】
また、本明細書では、血小板を含む組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)のパーセンテージを低減する方法であって、遠心分離によって当該組成物を濾過することを含む、方法も提供される。また、本明細書では、血小板を含む組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)の量を低減する方法であって、遠心分離によって当該組成物を濾過することを含む、方法も提供される。また、本明細書では、血小板を含む組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)に対し陽性であるビーズのパーセンテージを低減する方法であって、遠心分離によって当該組成物を濾過することを含む、方法も提供される。
【0123】
本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)の量は、基準レベルを下回って低減され得る。基準レベルは、任意の適切な基準レベルであり得る。本明細書に記載のいずれかの方法のいくつかの実施形態において、組成物(例えば、血液製剤)中の抗体(例えば、HLA抗体(例えば、HLAクラスI抗体若しくはHLAクラスII抗体)又はHNA抗体)に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、本明細書に記載の方法を経る前の血液製剤と比較して低減され得る。抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、任意の適切な量だけ低減され得る。いくつかの実施形態において、抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、本明細書に記載のいずれかの方法を経る前の血液製剤と比較して、少なくとも5%低減され得る(例えば、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減され得る)。
【0124】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物は、任意の適切な追加の処理ステップを経ることができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物はフリーズドライされ得る。いくつかの実施形態において、フリーズドライされた血小板は熱的に処理され得る(例えば、約80℃で約24時間)。
【0125】
例えば、いくつかの実施形態において、組成物は凍結保存又はフリーズドライされ得る。いくつかの実施形態において、第1の組成物(例えば、本明細書に記載の血小板と水性媒体とを含む組成物)は混合物で処理され得る。いくつかの実施形態において、混合物は、塩基を含む凍結乾燥剤と、装填剤と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒(例えば、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はこれらの組合せからなる群より選択される有機溶媒)とを含んで、血小板を含む第2の組成物を形成することができる。いくつかの実施形態において、装填剤は糖であり得る。いくつかの実施形態において、糖は単糖であり得る。いくつかの実施形態において、糖類は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース(例えば、デキストロース)、マンノース、又はキシロースであり得る。いくつかの実施形態において、装填剤はポリスクロースであり得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、第1の組成物又は第2の組成物は乾燥され得る。いくつかの実施形態において、第1の組成物又は第2の組成物は、凍結保護剤で乾燥され得る。いくつかの実施形態において、凍結保護剤は、第3の組成物を形成するために、糖と、任意選択で塩基と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒(例えば、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はこれらの組合せからなる群より選択される有機溶媒)とを含み得る。いくつかの実施形態において、凍結保護剤はポリスクロースであり得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、第1の組成物又は第2の組成物はフリーズドライされ得る。いくつかの実施形態において、第1の組成物又は第2の組成物は、凍結保護剤を用いてフリーズドライされ得る。いくつかの実施形態において、凍結保護剤は、第4の組成物を形成するために、糖と、任意選択で塩基と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒(例えば、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はこれらの組合せからなる群より選択される有機溶媒)とを含み得る。いくつかの実施形態において、フリーズドライは、約-40℃~約5℃の温度で行われ得る。いくつかの実施形態において、フリーズドライは、勾配(例えば、約-40℃~約5℃)で行われ得る。いくつかの実施形態において、(例えば、約20℃~約40℃で)二次乾燥ステップが行われ得る。
【0128】
また、本明細書では、本明細書に記載のいずれかの方法によって生産された血液製剤(例えば、血小板、凍結保存された血小板、フリーズドライされた血小板(例えば、トロンボソーム))も提供される。
【0129】
いくつかの実施形態において、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる本明細書に記載の組成物の定量において、血小板を含む組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血小板を含む組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して、少なくとも10%(例えば少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%)低減される。
【0130】
いくつかの実施形態において、HLAクラスI抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる本明細書に記載の組成物よるの定量において、血小板を含む組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血小板を含む組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して、少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%)低減される。
【0131】
いくつかの実施形態において、HLAクラスII抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージは、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる本明細書に記載の組成物の定量において、血小板を含む組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血小板を含む組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して、少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%)低減される。
【0132】
いくつかの実施形態において、HNA抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージは、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる本明細書に記載の組成物の定量において、血小板を含む組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血小板を含む組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して、少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%)低減される。
【0133】
本明細書で提供される組成物を作製するためのプロセスの中で、凍結乾燥剤の任意選択の追加は、乾燥の前の最後のステップであり得る。ただし、いくつかの実施形態において、凍結乾燥剤は、組成物の他の成分(例えば、塩、緩衝液、任意選択で凍結保護剤、又は他の成分)と同時に、又はその前に加えられ得る。いくつかの実施形態において、凍結乾燥剤を調製剤に添加し、十分に混合して乾燥溶液を形成し、乾燥容器(例えば、ガラス又はプラスチック製の血清バイアル、凍結乾燥バッグ)に分注し、TFF処理された組成物の乾燥を可能にする条件に供して乾燥組成物を形成する。
【0134】
様々な実施形態において、凍結乾燥バッグは、処理中にガスがバッグの少なくとも一部又は全ての部分を通過できるように構成されたガス透過性バッグである。ガス透過性バッグは、バッグの内部のガスを周囲環境に存在する大気中のガスと交換するのを可能にし得る。ガス透過性バッグは、酸素、窒素、水、空気、水素、二酸化炭素などのガスに透過性であり、本明細書で提供される組成物におけるガス交換を可能にする。いくつかの実施形態において、ガス透過性バッグは、その壁を介し二酸化炭素を透過させることにより、バッグの内部に存在する二酸化炭素の一部の除去を可能にする。いくつかの実施形態において、バッグからの二酸化炭素の放出は、バッグ内に含まれる組成物の所望pHレベルを維持するのに有利であり得る。
【0135】
いくつかの実施形態において、本明細書におけるプロセスの容器は、閉鎖又は密封されたガス透過性容器である。いくつかの実施形態において、容器は、閉鎖又は密封された容器であり、その一部はガス透過性である。いくつかの実施形態において、容器内に収容される製剤の体積に対する閉鎖又は密封された容器(例えば、バッグ)のガス透過性部分の表面積(以下、「SA/V比」と称される)は、本明細書で提供される組成物のpH維持を改善するように調整され得る。例えば、いくつかの実施形態において、容器のSA/V比は、少なくとも約2.0cm2/mL(例えば、少なくとも約2.1cm2/mL、少なくとも約2.2cm2/mL、少なくとも約2.3cm2/mL、少なくとも約2.4cm2/mL、少なくとも約2.5cm2/mL、少なくとも約2.6cm2/mL、少なくとも約2.7cm2/mL、少なくとも約2.8cm2/mL、少なくとも約2.9cm2/mL、少なくとも約3.0cm2/mL、少なくとも約3.1cm2/mL、少なくとも約3.2cm2/mL、少なくとも約3.3cm2/mL、少なくとも約3.4cm2/mL、少なくとも約3.5cm2/mL、少なくとも約3.6cm2/mL、少なくとも約3.7cm2/mL、少なくとも約3.8cm2/mL、少なくとも約3.9cm2/mL、少なくとも約4.0cm2/mL、少なくとも約4.1cm2/mL、少なくとも約4.2cm2/mL、少なくとも約4.3cm2/mL、少なくとも約4.4cm2/mL、少なくとも約4.5cm2/mL、少なくとも約4.6cm2/mL、少なくとも約4.7cm2/mL、少なくとも約4.8cm2/mL、少なくとも約4.9cm2/mL、又は少なくとも約5.0cm2/mLであり得る。いくつかの実施形態において、容器のSA/V比は、最大約10.0cm2/mL(例えば、最大約9.9cm2/mL、最大約9.8cm2/mL、最大約9.7cm2/mL、最大約9.6cm2/mL、最大約9.5cm2/mL、最大約9.4cm2/mL、最大約9.3cm2/mL、最大約9.2cm2/mL、最大約9.1cm2/mL、最大約9.0cm2/mL、最大約8.9cm2/mL、最大約8.8cm2/mL、最大約8.7cm2/mL、最大約8.6cm2/mL、最大約8.5cm2/mL、最大約8.4cm2/mL、最大約8.3cm2/mL、最大約8.2cm2/mL、最大約8.1cm2/mL、最大約8.0cm2/mL、最大約7.9cm2/mL、最大約7.8cm2/mL、最大約7.7cm2/mL、最大約7.6cm2/mL、最大約7.5cm2/mL、最大約7.4cm2/mL、最大約7.3cm2/mL、最大約7.2cm2/mL、最大約7.1cm2/mL、最大約6.9cm2/mL、最大約6.8cm2/mL、最大約6.7cm2/mL、最大約6.6cm2/mL、最大約6.5cm2/mL、最大約6.4cm2/mL、最大約6.3cm2/mL、最大約6.2cm2/mL、最大約6.1cm2/mL、最大約6.0cm2/mL、最大約5.9cm2/mL、最大約5.8cm2/mL、最大約5.7cm2/mL、最大約5.6cm2/mL、最大約5.5cm2/mL、最大約5.4cm2/mL、最大約5.3cm2/mL、最大約5.2cm2/mL、最大約5.1cm2/mL、最大約5.0cm2/mL、最大約4.9cm2/mL、最大約4.8cm2/mL、最大約4.7cm2/mL、最大約4.6cm2/mL、最大約4.5cm2/mL、最大約4.4cm2/mL、最大約4.3cm2/mL、最大約4.2cm2/mL、最大約4.1cm2/mL、又は最大約4.0cm2/mL)であり得る。いくつかの実施形態において、容器のSA/V比は、約2.0~約10.0cm2/mLの範囲(例えば、約2.1cm2/mL~約9.9cm2/mL、約2.2cm2/mL~約9.8cm2/mL、約2.3cm2/mL~約9.7cm2/mL、約2.4cm2/mL~約9.6cm2/mL、約2.5cm2/mL~約9.5cm2/mL、約2.6cm2/mL~約9.4cm2/mL、約2.7cm2/mL~約9.3cm2/mL、約2.8cm2/mL~約9.2cm2/mL、約2.9cm2/mL~約9.1cm2/mL、約3.0cm2/mL~約9.0cm2/mL、約3.1cm2/mL~約8.9cm2/mL、約3.2cm2/mL~約8.8cm2/mL、約3.3cm2/mL~約8.7cm2/mL、約3.4cm2/mL~約8.6cm2/mL、約3.5cm2/mL~約8.5cm2/mL、約3.6cm2/mL~約8.4cm2/mL、約3.7cm2/mL~約8.3cm2/mL、約3.8cm2/mL~約8.2cm2/mL、約3.9cm2/mL~約8.1cm2/mL、約4.0cm2/mL~約8.0cm2/mL、約4.1cm2/mL~約7.9cm2/mL、約4.2cm2/mL~約7.8cm2/mL、約4.3cm2/mL~約7.7cm2/mL、約4.4cm2/mL~約7.6cm2/mL、約4.5cm2/mL~約7.5cm2/mL、約4.6cm2/mL~約7.4cm2/mL、約4.7cm2/mL~約7.3cm2/mL、約4.8cm2/mL~約7.2cm2/mL、約4.9cm2/mL~約7.1cm2/mL、約5.0cm2/mL~約6.9cm2/mL、約5.1cm2/mL~約6.8cm2/mL、約5.2cm2/mL~約6.7cm2/mL、約5.3cm2/mL~約6.6cm2/mL、約5.4cm2/mL~約6.5cm2/mL、約5.5cm2/mL~約6.4cm2/mL、約5.6cm2/mL~約6.3cm2/mL、約5.7cm2/mL~約6.2cm2/mL、又は約5.8cm2/mL~約6.1cm2/mL)であり得る。
【0136】
ガス透過性の閉鎖された容器(例えば、バッグ)又はその一部は、1つ以上の様々なガス透過性の材料から作製され得る。いくつかの実施形態において、ガス透過性バッグは、フルオロポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びパーフルオロアルコキシ(PFA)ポリマー)、ポリオレフィン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE))、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、及びこれらの任意の組合せを含む1つ以上のポリマーで作製され得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、乾燥された血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)は、熱処理に供することができる。加熱は、約25℃を超える温度(例えば、約40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、又はそれ以上)で実施され得る。いくつかの実施形態において、加熱は約70℃~約85℃(例えば、約75℃~約85℃、又は約75℃若しくは80℃)で行われる。加熱の温度は、加熱を実施する時間の長さと組み合わせて選択され得る。任意の適切な時間を使用することができるが、典型的には、凍結乾燥された血小板は、1時間以上36時間以下加熱される。したがって、諸実施形態において、加熱は、少なくとも2時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、又は少なくとも30時間実施される。例えば、凍結乾燥された血小板は、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、又は30時間加熱され得る。非限定的な例示的な組合せとしては、乾燥した血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を、30℃より高い温度で少なくとも30分間加熱すること;乾燥した血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を、50℃より高い温度で少なくとも10時間加熱すること;乾燥した血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を75℃より高い温度で少なくとも18時間加熱すること;及び乾燥した血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を80℃で24時間加熱することが挙げられる。いくつかの実施形態において、加熱は、密封された容器(例えば、蓋付きバイアル)内で実施され得る。いくつかの実施形態において、密封された容器は、加熱の前に真空に供する。熱処理ステップは、特にアルブミン又はポリスクロースなどの凍結保護剤の存在下では、フリーズドライされた血小板の安定性及び貯蔵寿命を改善することが分かっている。実際に、血清アルブミン又はポリスクロースと凍結乾燥後の熱処理ステップとの特定の組合せにより、熱処理ステップを伴わない凍結保護剤よりも有利な結果が得られている。凍結保護剤(例えば、スクロース)は、任意の適切な量(例えば、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の質量又は体積に対して約3%~約10%)で存在することができる。
【0138】
いくつかの場合には、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物は、約室温で約10分にわたって水(例えば、注射用滅菌水)で再水和させることができる。概して、再水和体積は、乾燥前にトロンボソームの各バイアルの充填に使用した量にほぼ等しい。
【0139】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されているように調製された血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)の保存安定性は、調製前の血小板の保存安定性に少なくともほぼ等しい。
【0140】
いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、血小板又は血小板誘導体を投与する前に、(例えば、調製剤、例えば、本明細書に記載の調製剤を用いて)血小板又は血小板誘導体を凍結保存することを含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を投与する前に、(例えば、本明細書に記載の調製剤を用いて)血小板又は血小板誘導体を含む組成物を乾燥することを含む。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、乾燥ステップの後に組成物を加熱することを含み得る。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、フリーズドライステップ又は加熱ステップの後に、組成物を再水和することを含み得る。
【0142】
いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を投与する前に、血小板又は血小板誘導体を含む組成物を(例えば、本明細書に記載の調製剤を用いて)フリーズドライすることを含む。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、フリーズドライステップの後に組成物を加熱することを含み得る。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、フリーズドライステップ又は加熱ステップの後に、組成物を再水和することを含み得る。
【0143】
いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、血小板、血小板誘導体、又はトロンボソームを投与する前に、(例えば、調製剤、例えば、本明細書に記載の調製剤を用いて)血小板、血小板誘導体、又はトロンボソームを低温保存することを含む。
【0144】
保存条件としては、例えば、標準的な室温保存(例えば、約20~約30℃の範囲の温度で保存)又は低温保存(例えば、約1~約10℃の範囲の温度で保存)が挙げられる。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を投与する前に、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物を、(例えば、本明細書に記載の調製剤を用いて)凍結保存すること、フリーズドライすること、解凍すること、再水和すること、及びこれらの組合せを含む。例えば、いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を投与する前に、(例えば、トロンボソームを形成するために、)血小板又は血小板誘導体を含む組成物を、(例えば、本明細書に記載の調製剤を用いて)乾燥することを含む。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、乾燥ステップから得られた組成物を再水和することを含み得る。
【0145】
いくつかの実施形態において、本明細書では、血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む組成物を調製するための方法が提供される。この方法は、血小板を含む出発材料を調製剤(例えば、実施例1に示される緩衝液A)でほぼ等重量(±10%)に希釈することと、血小板を約2250×103細胞/μL(±250×103)に濃縮することと、次いで2~4ダイアボリューム(DV)(例えば、約2ダイアボリューム)の調製剤で洗浄してTFF処理組成物を形成することとを含み得る。残留血漿パーセンテージは、約15%未満の相対血漿(血漿タンパク質含量による定量)であり得る。洗浄後、TFF処理した組成物中の細胞の濃度が約2000×103細胞/μL(±300×103)でない場合、細胞は、この範囲内に入るように調製剤で希釈するか、又は濃縮することができる。当該方法はさらに、TFF処理された組成物を凍結乾燥し、次に血小板又は血小板誘導体(例えば、トロンボソーム)を含む凍結乾燥された組成物を約80℃で約24時間処理することを含み得る。いくつかの実施形態において、当該方法はさらに、例えば出発材料を希釈する前に、病原体低減ステップを含み得る。
【0146】
また、本明細書では、本明細書に記載のいずれかの方法によって生成された組成物も提供される。
【0147】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される任意の組成物は、本明細書に記載の方法によって作製することができる。
【0148】
本明細書で開示されている特定の実施形態は、「~からなる」又は「~から本質的になる」という表現を用いて、請求項でさらに限定されることがある。
【0149】
例示的な実施形態
実施形態1は、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物であって、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の50%以下のタンパク質濃度を有する、組成物である。
【0150】
実施形態2は、当該水性媒体のタンパク質濃度が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の30%以下である、実施形態1に記載の組成物である。
【0151】
実施形態3は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度の30%未満であるヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度を有する、実施形態1又は2に記載の組成物である。
【0152】
実施形態4は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度の30%未満であるヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度を有する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組成物である。
【0153】
実施形態5は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト好中球抗原(HNA)抗体濃度の30%未満であるHNA抗体濃度を有する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の組成物である。
【0154】
実施形態6は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の10%以下である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の組成物である。
【0155】
実施形態7は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の10%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の組成物である。
【0156】
実施形態8は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の10%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の組成物である。
【0157】
実施形態9は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の10%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態1~8のいずれか1つに記載の組成物である。
【0158】
実施形態10は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の5%以下である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の組成物である。
【0159】
実施形態11は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の5%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の組成物である。
【0160】
実施形態12は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の5%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態1~11のいずれか1つに記載の組成物である。
【0161】
実施形態13は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の5%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物である。
【0162】
実施形態14は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の3%以下である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の組成物である。
【0163】
実施形態15は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の3%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載の組成物である。
【0164】
実施形態16は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の3%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態1~15のいずれか1つに記載の組成物である。
【0165】
実施形態17は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の3%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の組成物である。
【0166】
実施形態18は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の1%以下である、実施形態1~17のいずれか1つに記載の組成物である。
【0167】
実施形態19は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の1%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態1~18のいずれか1つに記載の組成物である。
【0168】
実施形態20は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の1%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態1~19のいずれか1つに記載の組成物である。
【0169】
実施形態21は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の1%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態1~20のいずれか1つに記載の組成物である。
【0170】
実施形態22は、タンパク質濃度が、0.5cmの経路長を用いて、280ナノメートル(nm)における吸光度によって定量される、実施形態1~21のいずれか1つに記載の組成物である。
【0171】
実施形態23は、280nmにおける吸光度が1.7AU以下である、実施形態22に記載の組成物である。
【0172】
実施形態24は、280nmにおける吸光度が1.66AU以下である、実施形態22に記載の組成物である。
【0173】
実施形態25は、280nmにおける吸光度が1.6AU以下である、実施形態22に記載の組成物である。
【0174】
実施形態26は、血小板数が少なくとも200×103血小板/μLである、実施形態1~25のいずれか1つに記載の組成物である。
【0175】
実施形態27は、血小板数が少なくとも2250×103血小板/μLである、実施形態26に記載の組成物である。
【0176】
実施形態28は、当該組成物が0.2×106赤血球/μL未満の赤血球数を有する、実施形態1~27のいずれか1つに記載の組成物である。
【0177】
実施形態29は、当該組成物が赤血球をさらに含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の組成物である。
【0178】
実施形態30は、赤血球数が0.2×106赤血球/μL未満である、実施形態29に記載の組成物である。
【0179】
実施形態31は、当該組成物が、規制機関が承認した試験に基づいてHLAクラスI抗体に対し陰性である、実施形態1~30のいずれか1つに記載の組成物である。
【0180】
実施形態32は、当該組成物が、規制機関が承認した試験に基づいてHLAクラスII抗体に対し陰性である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の組成物である。
【0181】
実施形態33は、当該組成物が、規制機関が承認した試験に基づいてHNA抗体に対し陰性である、実施形態1~32のいずれか1つに記載の組成物である。
【0182】
実施形態34は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでそれぞれコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0183】
実施形態35は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでそれぞれコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態1~34のいずれか1つに記載の組成物である。
【0184】
実施形態36は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでそれぞれコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態1~35のいずれか1つに記載の組成物である。
【0185】
実施形態37は、HLAクラスI抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0186】
実施形態38は、HLAクラスI抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0187】
実施形態39は、HLAクラスI抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0188】
実施形態40は、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0189】
実施形態41は、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0190】
実施形態42は、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0191】
実施形態43は、HNA抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0192】
実施形態44は、HNA抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0193】
実施形態45は、HNAに対し陽性のビーズのパーセンテージが、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物である。
【0194】
実施形態46は、当該水性媒体が、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とをさらに含む、実施形態1~45のいずれか1つに記載の組成物である。
【0195】
実施形態47は、当該緩衝剤がHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)である、実施形態46に記載の組成物である。
【0196】
実施形態48は、当該塩基が重炭酸ナトリウムである、実施形態46~47のいずれか1つに記載の組成物である。
【0197】
実施形態49は、当該装填剤が、単糖、多糖、又はこれらの組合せである、実施形態46~48のいずれか1つに記載の組成物である。
【0198】
実施形態50は、当該単糖が、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、及びキシロースからなる群より選択される、実施形態49に記載の組成物である。
【0199】
実施形態51は、当該単糖がトレハロースである、実施形態49に記載の組成物である。
【0200】
実施形態52は、当該多糖がポリスクロースである、実施形態49~51のいずれか1つに記載の組成物である。
【0201】
実施形態53は、当該塩が塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はこれらの組合せである、実施形態46~52のいずれか1つに記載の組成物である。
【0202】
実施形態54は、当該有機溶媒が、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びこれらの組合せからなる群より選択される、実施形態46~53のいずれか1つに記載の組成物である。
【0203】
実施形態55は、当該組成物が、血小板を含む出発材料のタンジェンシャルフロー濾過(TFF)、血小板を含む出発材料の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製される、実施形態1~54のいずれか1つに記載の組成物である。
【0204】
実施形態56は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも50%低減される、実施形態55に記載の組成物である。
【0205】
実施形態57は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも75%低減される、実施形態55に記載の組成物である。
【0206】
実施形態58は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも90%低減される、実施形態55に記載の組成物である。
【0207】
実施形態59は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも95%低減される、実施形態55に記載の組成物である。
【0208】
実施形態60は、当該出発材料が、
a)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスI抗体に対し陽性であるか、
b)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスII抗体に対し陽性であるか、
c)規制機関が承認した検査に基づいてHNA抗体に対し陽性であるか、又は
d)a)、b)、若しくはc)のうちの1つ以上である、
実施形態55~59のいずれか1つに記載の組成物である。
【0209】
実施形態61は、当該出発材料が約60~約80mg/mlのタンパク質濃度を有する、実施形態55~60のいずれか1つに記載の組成物である。
【0210】
実施形態62は、当該出発材料がドナー血液製剤を含む、実施形態55~61のいずれか1つに記載の組成物である。
【0211】
実施形態63は、当該ドナー血液製剤がプールされたドナー血液製剤である、実施形態62の組成物である。
【0212】
実施形態64は、当該出発材料がドナーアフェレーシス材料を含む、実施形態62~63のいずれか1つに記載の組成物である。
【0213】
実施形態65は、TFFが濃縮を含む、実施形態55~64のいずれか1つに記載の組成物である。
【0214】
実施形態66は、TFFがダイアフィルタリングを含む、実施形態55~65のいずれか1つに記載の組成物である。
【0215】
実施形態67は、ダイアフィルタリングが少なくとも2ダイアボリュームでのダイアフィルタリングを含む、実施形態66に記載の組成物である。
【0216】
実施形態68は、TFFが緩衝液交換を含む、実施形態55~67のいずれか1つに記載の組成物である。
【0217】
実施形態69は、TFFが、孔径約0.2μm~約1μmの膜を用いて行われる、実施形態55~68のいずれか1つに記載の組成物である。
【0218】
実施形態70は、TFFが、約0.2μm~約0.45μmの孔径を有する膜を用いて行われる、実施形態55~68のいずれか1つに記載の組成物である。
【0219】
実施形態71は、TFFが約20℃~約37℃の温度で実施される、実施形態55~70のいずれか1つに記載の組成物である。
【0220】
実施形態72は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の50%以下になるまで行われる、実施形態55~71のいずれか1つに記載の組成物である。
【0221】
実施形態73は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の30%以下になるまで行われる、実施形態55~71のいずれか1つに記載の組成物である。
【0222】
実施形態74は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の10%以下になるまで行われる、実施形態55~71のいずれか1つに記載の組成物である。
【0223】
実施形態75は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の5%以下になるまで行われる、実施形態55~71のいずれか1つに記載の組成物である。
【0224】
実施形態76は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の3%以下になるまで行われる、実施形態55~71のいずれか1つに記載の組成物である。
【0225】
実施形態77は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の1%以下になるまで行われる、実施形態55~71のいずれか1つに記載の組成物である。
【0226】
実施形態78は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が1.70AU以下になるまで行われる、実施形態55~77のいずれか1つに記載の組成物である。
【0227】
実施形態79は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が1.66AU以下になるまで行われる、実施形態55~77のいずれか1つに記載の組成物である。
【0228】
実施形態80は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が1.60AU以下になるまで行われる、実施形態55~77のいずれか1つに記載の組成物である。
【0229】
実施形態81は、TFFが、血小板濃度が少なくとも約2000×103血小板/μLになるまで行われる、実施形態55~80のいずれか1つに記載の組成物である。
【0230】
実施形態82は、TFFが、血小板濃度が少なくとも約2250×103血小板/μLになるまで行われる、実施形態55~80のいずれか1つに記載の組成物である。
【0231】
実施形態83は、TFFが、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含む調製剤への緩衝液交換を含む、実施形態55~82のいずれか1つに記載の組成物である。
【0232】
実施形態84は、当該緩衝剤がHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)である、実施形態83に記載の組成物である。
【0233】
実施形態85は、当該塩基が重炭酸ナトリウムである、実施形態83~84のいずれか1つに記載の組成物である。
【0234】
実施形態86は、当該装填剤が、単糖、多糖、又はこれらの組合せである、実施形態83~85のいずれか1つに記載の組成物である。
【0235】
実施形態87は、当該単糖が、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、及びキシロースからなる群より選択される、実施形態86に記載の組成物である。
【0236】
実施形態88は、当該単糖がトレハロースである、実施形態86に記載の組成物である。
【0237】
実施形態89は、当該多糖がポリスクロースである、実施形態86~88のいずれか1つに記載の組成物である。
【0238】
実施形態90は、当該塩が塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はこれらの組合せである、実施形態83~89のいずれか1つに記載の組成物である。
【0239】
実施形態91は、当該有機溶媒が、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びこれらの組合せからなる群より選択される、実施形態83~90のいずれか1つに記載の組成物である。
【0240】
実施形態92は、遠心分離が1400×g~約1550×gにおける遠心分離を含む、実施形態55~91のいずれか1つに記載の組成物である。
【0241】
実施形態93は、遠心分離が1450×g~約1500×gにおける遠心分離を含む、実施形態55~91のいずれか1つに記載の組成物である。
【0242】
実施形態94は、当該プロセスが、血小板を含む組成物の遠心分離を含まない、実施形態55~91のいずれか1つに記載の組成物である。
【0243】
実施形態95は、当該組成物が(散乱強度による)5.0%未満の微粒子を含む、実施形態1~94のいずれか1つに記載の組成物である。
【0244】
実施形態96は、当該組成物が(散乱強度による)4.5%未満の微粒子を含む、実施形態1~94のいずれか1つに記載の組成物である。
【0245】
実施形態97は、当該組成物が(散乱強度による)4.0%未満の微粒子を含む、実施形態1~94のいずれか1つに記載の組成物である。
【0246】
実施形態98は、当該組成物が(散乱強度による)3.5%未満の微粒子を含む、実施形態1~94のいずれか1つに記載の組成物である。
【0247】
実施形態99は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも55%のCD41陽性パーセントを有する、実施形態1~98のいずれか1つに記載の組成物である。
【0248】
実施形態100は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも60%のCD41陽性パーセントを有する、実施形態1~98のいずれか1つに記載の組成物である。
【0249】
実施形態101は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも65%のCD41陽性パーセントを有する、実施形態1~98のいずれか1つに記載の組成物である。
【0250】
実施形態102は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも65%のCD42陽性パーセントを有する、実施形態1~101のいずれか1つに記載の組成物である。
【0251】
実施形態103は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも80%のCD42陽性パーセントを有する、実施形態1~101のいずれか1つに記載の組成物である。
【0252】
実施形態104は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも90%のCD42陽性パーセントを有する、実施形態1~101のいずれか1つに記載の組成物である。
【0253】
実施形態105は、前記血小板又は血小板誘導体が、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約10%を保持する、実施形態1~104のいずれか1つに記載の組成物である。
【0254】
実施形態106は、前記血小板又は血小板誘導体が、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約15%を保持する、実施形態1~104のいずれか1つに記載の組成物である。
【0255】
実施形態107は、前記血小板又は血小板誘導体が、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約20%を保持する、実施形態1~104のいずれか1つに記載の組成物である。
【0256】
実施形態108は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも25%のアネキシンV陽性パーセントを有する、実施形態1~107のいずれか1つに記載の組成物である。
【0257】
実施形態109は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも50%のアネキシンV陽性パーセントを有する、実施形態1~107のいずれか1つに記載の組成物である。
【0258】
実施形態110は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも70%のアネキシンV陽性パーセントを有する、実施形態1~107のいずれか1つに記載の組成物である。
【0259】
実施形態111は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも8%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態1~110のいずれか1つに記載の組成物である。
【0260】
実施形態112は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも10%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態1~110のいずれか1つに記載の組成物である。
【0261】
実施形態113は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも15%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態1~110のいずれか1つに記載の組成物である。
【0262】
実施形態114は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも20%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態1~110のいずれか1つに記載の組成物である。
【0263】
実施形態115は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも10%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態1~114のいずれか1つに記載の組成物である。
【0264】
実施形態116は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも50%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態1~114のいずれか1つに記載の組成物である。
【0265】
実施形態117は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも80%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態1~114のいずれか1つに記載の組成物である。
【0266】
実施形態118は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも90%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態1~114のいずれか1つに記載の組成物である。
【0267】
実施形態119は、当該血小板又は血小板誘導体が、細胞膜に会合したフィブリノーゲンを有する、実施形態1~118のいずれか1つに記載の組成物である。
【0268】
実施形態120は、当該水性媒体が2.0mmol/L未満の乳酸濃度を有する、実施形態1~119のいずれか1つに記載の組成物である。
【0269】
実施形態121は、当該水性媒体が1.5mmol/L未満の乳酸濃度を有する、実施形態1~119のいずれか1つに記載の組成物である。
【0270】
実施形態122は、当該水性媒体が約0.4~約1.3mmol/Lの乳酸濃度を有する、実施形態1~121のいずれか1つに記載の組成物である。
【0271】
実施形態123は、当該水性媒体が約0.5~約1.0mmol/Lの乳酸濃度を有する、実施形態1~121のいずれか1つに記載の組成物である。
【0272】
実施形態124は、当該血小板誘導体がトロンボソームを含む、実施形態1~123のいずれか1つに記載の組成物である。
【0273】
実施形態125は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約50%である、実施形態1又は22~124のいずれか1つに記載の組成物である。
【0274】
実施形態126は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約30%である、実施形態1~5又は22~125のいずれか1つに記載の組成物である。
【0275】
実施形態127は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約15%である、実施形態1~5又は22~126のいずれか1つに記載の組成物である。
【0276】
実施形態128は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約8%~約10%である、実施形態1~9又は22~127のいずれか1つに記載の組成物である。
【0277】
実施形態129は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約7%~約10%である、実施形態1~9又は22~128のいずれか1つに記載の組成物である。
【0278】
実施形態130は、当該血小板又は血小板誘導体が、約4.8×103粒子/μLの濃度のときに、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下にあるときに少なくとも25nMのトロンビンピーク高さ(TPH)を生成する、実施形態1~129のいずれか1つに記載の組成物である。
【0279】
実施形態131は、当該血小板又は血小板誘導体が、約4.8×103粒子/μLの濃度のときに、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下にあるときに少なくとも50nMのトロンビンピーク高さ(TPH)を生成する、実施形態1~129のいずれか1つに記載の組成物である。
【0280】
実施形態132は、当該血小板又は血小板誘導体が、106粒子当たり少なくとも1.5トロンビン生成力価単位(TGPU)の力価を有する、実施形態1~129のいずれか1つに記載の組成物である。
【0281】
実施形態133は、当該血小板又は血小板誘導体が、少なくとも約70×103粒子/μLの濃度のときに、総血栓形成分析システム(T-TAS)アッセイで14分未満の閉塞時間をもたらす、実施形態1~129のいずれか1つに記載の組成物である。
【0282】
実施形態134は、前記血小板又は血小板誘導体が、約70×103粒子/μLの濃度のときに、総血栓形成分析システム(T-TAS)アッセイで12分未満の閉塞時間をもたらす、実施形態1~129のいずれか1つに記載の組成物である。
【0283】
実施形態135は、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物を調製するためのプロセスであって、
血小板を含む出発材料、血小板を含む希釈された出発材料、濃縮された血小板組成物、又はこれらの組合せのタンジェンシャルフロー濾過(TFF)により、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物を調製することを含み、
前記水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の50%以下のタンパク質濃度を有する、プロセスである。
【0284】
実施形態136は、当該出発材料が、
a)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスI抗体に対し陽性であるか、
b)規制機関が承認した検査に基づいてHLAクラスII抗体に対し陽性であるか、
c)規制機関が承認した検査に基づいてHNA抗体に対し陽性であるか、又は
d)a)、b)、及びc)のうちの1つ以上である、
実施形態125に記載のプロセスである。
【0285】
実施形態137は、当該出発材料が約60~約80mg/mLのタンパク質濃度を有する、実施形態135~136のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0286】
実施形態138は、当該出発材料がドナー血液製剤を含む、実施形態135~137のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0287】
実施形態139は、当該ドナー血液製剤がプールされたドナー血液製剤である、実施形態138のプロセスである。
【0288】
実施形態140は、当該出発材料がドナーアフェレーシス材料を含む、実施形態135~139のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0289】
実施形態141は、TFFが濃縮を含む、実施形態135~140のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0290】
実施形態142は、TFFがダイアフィルタリングを含む、実施形態135~141のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0291】
実施形態143は、ダイアフィルタリングが少なくとも2ダイアボリュームでのダイアフィルタリングを含む、実施形態142に記載のプロセスである。
【0292】
実施形態144は、TFFが緩衝液交換を含む、実施形態135~143のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0293】
実施形態145は、TFFが、孔径約0.2μm~約1μmの膜を用いて行われる、実施形態135~144のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0294】
実施形態146は、TFFが、孔径約0.2μm~約0.45μmの膜を用いて行われる、実施形態135~145のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0295】
実施形態147は、TFFが約20℃~約37℃の温度で実施される、実施形態135~146のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0296】
実施形態148は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の50%以下になるまで行われる、実施形態135~147のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0297】
実施形態149は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の30%以下になるまで行われる、実施形態135~148のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0298】
実施形態150は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の10%以下になるまで行われる、実施形態135~149のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0299】
実施形態151は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の5%以下になるまで行われる、実施形態135~150のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0300】
実施形態152は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の3%以下になるまで行われる、実施形態135~151のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0301】
実施形態153は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が出発材料の280nmにおける吸光度の1%以下になるまで行われる、実施形態135~152のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0302】
実施形態154は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が1.70AU以下になるまで行われる、実施形態135~153のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0303】
実施形態155は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が1.66AU以下になるまで行われる、実施形態135~154のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0304】
実施形態156は、TFFが、0.5cmの経路長を用いて、当該水性媒体の280nmにおける吸光度が1.60AU以下になるまで行われる、実施形態135~155のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0305】
実施形態157は、TFFが、血小板濃度が少なくとも約2000×103血小板/μLになるまで行われる、実施形態135~156のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0306】
実施形態158は、TFFが、血小板濃度が少なくとも約2250×103血小板/μLになるまで行われる、実施形態135~156のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0307】
実施形態159は、TFFが、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含む調製剤を用いたダイアフィルタリングを含む、実施形態135~158のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0308】
実施形態160は、TFFが、緩衝剤と、塩基と、装填剤と、任意選択で塩と、任意選択で少なくとも1つの有機溶媒とを含む調製剤への緩衝液交換を含む、実施形態135~159のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0309】
実施形態161は、当該緩衝剤がHEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)である、実施形態149~160のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0310】
実施形態162は、当該塩基が重炭酸ナトリウムである、実施形態149~161のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0311】
実施形態163は、当該装填剤が、単糖、多糖、又はこれらの組合せである、実施形態149~162のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0312】
実施形態164は、当該単糖が、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、キシロース、及びこれらの組合せからなる群より選択される、実施形態163に記載のプロセスである。
【0313】
実施形態165は、当該単糖がトレハロースである、実施形態163に記載のプロセスである。
【0314】
実施形態166は、当該多糖がポリスクロースである、実施形態163~165のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0315】
実施形態167は、当該塩が塩化ナトリウム、塩化カリウム、又はこれらの組合せである、実施形態159~166のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0316】
実施形態168は、当該有機溶媒が、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びこれらの組合せからなる群より選択される、実施形態159~167のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0317】
実施形態169は、当該プロセスが、血小板を含む出発材料、血小板を含む希釈された出発材料、濃縮された血小板組成物、又はこれらの組合せの遠心分離を含まない、実施形態135~168のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0318】
実施形態170は、当該プロセスが、血小板を含む組成物の遠心分離を含まない、実施形態135~169のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0319】
実施形態171は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも50%低減される、実施形態135~170のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0320】
実施形態172は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも75%低減される、実施形態135~170のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0321】
実施形態173は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも90%低減される、実施形態135~170のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0322】
実施形態174は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性であるビーズのパーセンテージが、それぞれクラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる組成物の定量において、血液製剤組成物のタンジェンシャルフロー濾過、血液製剤組成物の遠心分離、又はこれらの組合せを含むプロセスによって調製されていない類似の組成物と比較して少なくとも95%低減される、実施形態135~170のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0323】
実施形態175は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の30%以下である、実施形態135~174のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0324】
実施形態176は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度の30%未満であるヒト白血球抗原(HLA)クラスI抗体濃度を有する、実施形態135~175のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0325】
実施形態177は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度の30%未満であるヒト白血球抗原(HLA)クラスII抗体濃度を有する、実施形態135~176のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0326】
実施形態178は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のヒト好中球抗原(HNA)抗体濃度の30%未満であるHNA抗体濃度を有する、実施形態135~17のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0327】
実施形態179は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の10%以下である、実施形態135~178のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0328】
実施形態180は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の10%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態135~179のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0329】
実施形態181は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の10%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態135~180のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0330】
実施形態182は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の10%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態135~181のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0331】
実施形態183は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の5%以下である、実施形態135~182のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0332】
実施形態184は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の5%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態135~183のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0333】
実施形態185は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の5%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態135~184のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0334】
実施形態186は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の5%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態135~185のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0335】
実施形態187は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の3%以下である、実施形態135~186のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0336】
実施形態188は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の3%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態135~187のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0337】
実施形態189は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の3%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態135~188のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0338】
実施形態190は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の3%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態135~189のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0339】
実施形態191は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の1%以下である、実施形態135~190のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0340】
実施形態192は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスI抗体濃度の1%未満であるヒトHLAクラスI抗体の濃度を有する、実施形態135~191のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0341】
実施形態193は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHLAクラスII抗体濃度の1%未満であるヒトHLAクラスII抗体の濃度を有する、実施形態135~192のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0342】
実施形態194は、当該水性媒体が、ドナーアフェレーシス血漿中のHNA抗体濃度の1%未満であるヒトHNA抗体濃度を有する、実施形態135~193のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0343】
実施形態195は、当該組成物が、規制機関が承認した試験に基づいてHLAクラスI抗体に対し陰性である、実施形態135~194のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0344】
実施形態196は、当該組成物が、規制機関が承認した試験に基づいてHLAクラスII抗体に対し陰性である、実施形態135~195のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0345】
実施形態197は、当該組成物が、規制機関が承認した試験に基づいてHNA抗体に対し陰性である、実施形態135~196のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0346】
実施形態198は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでそれぞれコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態135~197のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0347】
実施形態199は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでそれぞれコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態135~198のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0348】
実施形態200は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群より選択される抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLA、クラスII HLA、又はHNAでそれぞれコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態135~199のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0349】
実施形態201は、HLAクラスI抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態135~200のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0350】
実施形態202は、HLAクラスI抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態135~201のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0351】
実施形態203は、HLAクラスI抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスI HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態135~202のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0352】
実施形態204は、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態135~203のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0353】
実施形態205は、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態135~204のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0354】
実施形態206は、HLAクラスII抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、クラスII HLAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態135~205のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0355】
実施形態207は、HNA抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、5%未満である、実施形態135~206のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0356】
実施形態208は、HNA抗体に対し陽性のビーズのパーセンテージが、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、3%未満である、実施形態135~207のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0357】
実施形態209は、HNAに対し陽性のビーズのパーセンテージが、HNAでコーティングされたビーズを用いたフローサイトメトリーによる当該組成物の定量において、1%未満である、実施形態135~208のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0358】
実施形態210は、当該組成物が(散乱強度による)5.0%未満の微粒子を含む、実施形態135~209のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0359】
実施形態211は、当該組成物が(散乱強度による)4.5%未満の微粒子を含む、実施形態135~209のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0360】
実施形態212は、当該組成物が(散乱強度による)4.0%未満の微粒子を含む、実施形態135~209のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0361】
実施形態213は、当該組成物が(散乱強度による)3.5%未満の微粒子を含む、実施形態135~209のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0362】
実施形態214は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも55%のCD41陽性パーセントを有する、実施形態135~213のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0363】
実施形態215は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも60%のCD41陽性パーセントを有する、実施形態135~213のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0364】
実施形態216は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも65%のCD41陽性パーセントを有する、実施形態135~213のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0365】
実施形態217は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも65%のCD42陽性パーセントを有する、実施形態135~216のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0366】
実施形態218は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも80%のCD42陽性パーセントを有する、実施形態135~216のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0367】
実施形態219は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも90%のCD42陽性パーセントを有する、実施形態135~216のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0368】
実施形態220は、前記血小板又は血小板誘導体が、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約10%を保持する、実施形態135~219のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0369】
実施形態221は、前記血小板又は血小板誘導体が、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約15%を保持する、実施形態135~219のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0370】
実施形態222は、前記血小板又は血小板誘導体が、ドナーアフェレーシス血小板の乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも約20%を保持する、実施形態135~219のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0371】
実施形態223は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも25%のアネキシンV陽性パーセントを有する、実施形態135~222のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0372】
実施形態224は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも50%のアネキシンV陽性パーセントを有する、実施形態135~222のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0373】
実施形態225は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも75%のアネキシンV陽性パーセントを有する、実施形態135~222のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0374】
実施形態226は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも8%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態135~225のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0375】
実施形態227は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも10%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態135~225のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0376】
実施形態228は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも15%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態135~225のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0377】
実施形態229は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも20%のCD47陽性パーセントを有する、実施形態135~225のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0378】
実施形態230は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも10%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態135~229のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0379】
実施形態231は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも50%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態135~229のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0380】
実施形態232は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも80%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態135~229のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0381】
実施形態233は、当該血小板又は血小板誘導体が少なくとも90%のCD62陽性パーセントを有する、実施形態135~229のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0382】
実施形態234は、当該血小板又は血小板誘導体が、細胞膜に会合したフィブリノーゲンを有する、実施形態135~233のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0383】
実施形態235は、当該水性媒体が2.0mmol/L未満の乳酸濃度を有する、実施形態135~234のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0384】
実施形態236は、当該水性媒体が1.5mmol/L未満の乳酸濃度を有する、実施形態135~234のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0385】
実施形態237は、当該水性媒体が約0.4~約1.3mmol/Lの乳酸濃度を有する、実施形態135~236のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0386】
実施形態238は、当該水性媒体が約0.5~約1.0mmol/Lの乳酸濃度を有する、実施形態135~236のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0387】
実施形態239は、当該血小板誘導体がトロンボソームを含む、実施形態135~238のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0388】
実施形態240は、病原体低減ステップをさらに含む、実施形態135~239のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0389】
実施形態241は、当該病原体低減ステップがTFFに先行する、実施形態240に記載のプロセスである。
【0390】
実施形態242は、血小板又は血小板誘導体を含む当該組成物を凍結乾燥することをさらに含む、実施形態135~241のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0391】
実施形態243は、血小板又は血小板誘導体を含む当該組成物を凍結保存することをさらに含む、実施形態135~241のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0392】
実施形態244は、血小板又は血小板誘導体を含む当該組成物を熱的に処理することをさらに含む、実施形態135~243のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0393】
実施形態245は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約50%である、実施形態135~148、154~174、又は195~244のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0394】
実施形態246は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約30%である、実施形態135~149、154~178、又は195~245のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0395】
実施形態247は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約5%~約15%である、実施形態135~148、154~178、又は195~246のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0396】
実施形態248は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約8%~約10%である、実施形態135~148、154~182、又は195~247のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0397】
実施形態249は、タンパク質濃度がドナーアフェレーシス血漿のタンパク質濃度の約7%~約10%である、実施形態135~148、154~182、又は195~248のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0398】
実施形態250は、当該血小板又は血小板誘導体が、約4.8×103粒子/μLの濃度のときに、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下にあるときに少なくとも25nMのトロンビンピーク高さ(TPH)を生成する、実施形態135~249のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0399】
実施形態251は、当該血小板又は血小板誘導体が、約4.8×103粒子/μLの濃度のときに、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下にあるときに少なくとも50nMのトロンビンピーク高さ(TPH)を生成する、実施形態135~249のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0400】
実施形態252は、当該血小板又は血小板誘導体が、106粒子当たり少なくとも1.5トロンビン生成力価単位(TGPU)の力価を有する、実施形態135~249のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0401】
実施形態253は、当該血小板又は血小板誘導体が、少なくとも約70×103粒子/μLの濃度のときに、総血栓形成分析システム(T-TAS)アッセイで14分未満の閉塞時間をもたらす、実施形態135~249のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0402】
実施形態254は、当該血小板又は血小板誘導体が、少なくとも約70×103粒子/μLの濃度のときに、総血栓形成分析システム(T-TAS)アッセイで12分未満の閉塞時間をもたらす、実施形態135~249のいずれか1つに記載のプロセスである。
【0403】
実施形態255は、実施形態135~254のいずれか1つに記載のプロセスで調製された、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む、組成物である。
【0404】
実施形態256は、フリーズドライされた血小板を調製するためのプロセスであって、
a)実施形態135~254のいずれか1つに記載のプロセスを用いて、血小板と水性媒体とを含む組成物を調製することと、
b)血小板と当該水性媒体とを含む当該組成物をフリーズドライすることと
を含む、プロセスである。
【0405】
実施形態257は、実施形態235に記載のプロセスによって調製された、フリーズドライされた血小板を含む組成物である。
【0406】
実施形態258は、血小板又は血小板誘導体と水性媒体とを含む組成物を調製するための方法であって、
血小板を含む出発材料を希釈して、希釈された出発材料を形成することと、
当該血小板が約2250×103細胞/μL(±250×103)の濃度を有するように当該希釈された出発材料を濃縮して、濃縮された血小板組成物を形成することと、
当該濃縮された血小板組成物を少なくとも2ダイアボリューム(DV)の調製剤で洗浄して、TFF処理された組成物を形成することと
を含む、方法である。
【0407】
実施形態259は、希釈することが、ほぼ同じ重量(±10%)の調製剤で希釈することを含む、実施形態258に記載の方法である。
【0408】
実施形態260は、病原体低減ステップをさらに含む、実施形態258~259のいずれか1つに記載の方法である。
【0409】
実施形態261は、当該病原体低減ステップが当該出発材料を希釈する前に行われる、実施形態260に記載の方法である。
【0410】
実施形態262は、残留血漿パーセンテージが約15%相対血漿以下(血漿タンパク質含量による定量)である、実施形態258~261のいずれか1つに記載の方法である。
【0411】
実施形態263は、洗浄後、TFF処理された組成物中の細胞の濃度が約2000×103細胞/μL(±300×103)でない場合、調製剤を希釈するか、又はこの範囲内に入るように濃縮してもよい、実施形態258~262のいずれか1つに記載の方法である。
【0412】
実施形態264は、当該TFF処理された組成物を凍結乾燥して凍結乾燥された組成物を形成することをさらに含む、実施形態258~263のいずれか1つに記載の方法である。
【0413】
実施形態265は、当該凍結乾燥された組成物を約80℃で約24時間処理することをさらに含む、実施形態264に記載の方法である。
【0414】
実施形態266は、実施形態258~265のいずれか1つに記載の方法で調製された血小板又は血小板誘導体を含む組成物である。
【0415】
実施形態267は、血液凝固関連の疾患又は状態の治療を必要とする対象における当該血液凝固関連の疾患又は状態を治療する方法であって、実施形態1~134、255、又は266のいずれかに記載の組成物の治療有効量を当該対象に投与することを含む、方法である。
【0416】
実施形態268は、当該血液凝固関連の疾患又は状態が、フォンウィルブランド病、血友病、血小板無力症、血小板減少症、血小板減少性紫斑病、外傷、又はこれらの組合せからなる群より選択される、実施形態267に記載の方法である。
【0417】
実施形態269は、血液凝固関連の疾患又は状態の治療を必要とする対象における当該血液凝固関連の疾患又は状態を治療する方法であって、実施形態135~254のいずれかに記載のプロセスによって調製された組成物の治療有効量を当該対象に投与することを含む、方法である。
【0418】
実施形態270は、当該血液凝固関連の疾患又は状態が、フォンウィルブランド病、血友病、血小板無力症、血小板減少症、血小板減少性紫斑病、外傷、又はこれらの組合せからなる群より選択される、実施形態269に記載の方法である。
【0419】
実施形態271は、血液凝固関連の疾患又は状態の治療を必要とする対象における当該血液凝固関連の疾患又は状態を治療する方法であって、実施形態258~266のいずれかに記載のプロセスによって調製された組成物の治療有効量を当該対象に投与することを含む、方法である。
【0420】
実施形態272は、当該血液凝固関連の疾患又は状態が、フォンウィルブランド病、血友病、血小板無力症、血小板減少症、血小板減少性紫斑病、外傷、又はこれらの組合せからなる群より選択される、実施形態271に記載の方法である。
【実施例】
【0421】
実施例1.タンジェンシャルフロー濾過(TFF)法
アフェレーシス血小板を、標準的な作業手順(以下のプロセスステップを含む:血小板希釈、血小板濃縮、血小板洗浄)に従ってタンジェンシャルフロー濾過に供した。
【0422】
血小板ドナー単位を、最初に共通の容器にプールする。血小板は、処理中の血小板の活性化を低減するために、最初に酸性化した洗浄緩衝液(例えば、対照緩衝液)で希釈する場合もあれば、希釈しない場合もある。血小板は2つの処理経路を経ることができ、すなわち、最終製品濃度に濃縮する前に所望の残留成分(例えば、ドナー血漿)に達するまで対照緩衝液で洗浄する経路、又は所望の残留成分(例えば、ドナー血漿)に達するまで対照緩衝液で洗浄する前に、血小板を最終製品濃度に濃縮する経路を経ることができる。TFF処理された血小板は、次いでバイアルに充填し、凍結乾燥し、熱処理する。
【0423】
1つの特定のプロトコルは以下の通り。
【0424】
この実施例におけるTFFプロセスの全てのステップで緩衝液Aを使用した。このプロセスは18~24℃の温度で行った。
【0425】
【0426】
血小板をTFF(PendoTECHコントローラーシステム)に装填し、これをRepligen TFF Cassette(XPM45L01E)で調製した。血小板を等重量(±10%)の緩衝液Aで希釈し、約2250×103個/μL(±250×103)まで濃縮し、次いで約2ダイアボリューム(DV)の緩衝液Aで洗浄した。目標血漿パーセンテージは、典型的には相対血漿15%未満(血漿タンパク質含量による定量)とした。血漿タンパク質の除去を、既知の相関関係に基づき280nmのUV吸光度によってモニタリングした。洗浄後、細胞濃度が2000×103細胞/μL(±300×103)でない場合は、この範囲内に収まるように細胞を緩衝液Aで希釈するか又は濃縮した。細胞は典型的には、凍結乾燥し、次に80℃で24時間熱処理し、それによってトロンボソームを形成したが、凍結乾燥の前に細胞を使用することもあった(「凍結乾燥前(pre-lyo)」トロンボソームと呼ぶこともある)。典型的には、トロンボソームを室温で10分にわたって再水和した。概して、再水和体積は、乾燥前にトロンボソームの各バイアルの充填に使用した量に等しい。
【0427】
いくつかの場合には、約51%の相対血漿量、約8.1%の相対血漿量、約6.0%の相対血漿量、及び約1.3%の相対血漿量に相関するUV読取り値で試料を採取した。約6.0%以下の試料を用いた各処理ステップにわたり、低体積のアリコートを試料採取した。
【0428】
実施例2.試験計画及びアッセイプロトコル
試験計画:
トロンボソームバッチAを実施例1に記載のTFF法により生産し、血小板供給業者の報告において高αHLA力価であるドナーから採取したアフェレーシス血小板を使用した。
【0429】
αHLA検査のために、個々のドナー単位、ドナープール、TFFプロセスに沿った時点を収集した。血漿をHLAビーズ(One Lambda FLOWPRA(商標)Screen Test)に加え、αIgG二次抗体で染色し、フローサイトメトリー(Novocyte 3005構成)によってαHLA-IgG結合を評価した。
【0430】
2種類のビーズ、すなわちHLAクラスI抗原でコーティングされたビーズ及びHLAクラスII抗原でコーティングされたビーズを評価した。ビーズゲーティングをFLOWPRA(商標)Screen Testの説明書に記載の通りに実施した。「αHLA陽性」集団は、George King(GK)PPP(乏血小板血漿)陰性対照及び単一ドナー新鮮採取陰性対照に基づいてゲーティングする。生産後に追加の陰性対照を収集して、これらの陽性ゲートの理想的な配置を確認する。
【0431】
Spherotech COMPtrolコンペンセーションビーズ上のFITC-及びPE-結合体化マウスIgGを用いてコンペンセーション設定を確立した。HLAクラスIIビーズはPE内で蛍光発光し、IgG検出に使用される二次抗体はFITC結合体化されている。
【0432】
アッセイプロトコル:
1.One Lambda FLOWPRA(商標)Screen Testキットの成分を解凍して4℃とする。
2.各所望採取ポイントから、0.2μmで濾過したPPPの1mLアリコートを得る。
3.1.7mLマイクロ遠心管に、5μLのクラスI HLAビーズ及び5μLのクラスII HLAビーズをピペッティングする。20μLの濾過済み試験血漿を加える。ボルテックスして混合する。
4.血漿をHLAコーティングビーズと共に、室温及び暗中で30分間、穏やかにロッキング/撹拌しながらインキュベートする。
5.10×洗浄緩衝液を脱イオン水で希釈して、適切な体積の1×作業ストックにする。
6.ビーズを1mLの洗浄緩衝液で洗浄する。ボルテックスし、9,000g×2分で遠心分離してビーズをペレット化する。上清を吸引する。
7.ステップ6を繰り返す。
8.100×αIgG-FITCを洗浄緩衝液で希釈して適切な体積の1×作業ストックにする。
9.100μLの1×αIgG-FITCを、洗浄したHLAビーズが入った管に加える。ボルテックスして混合する。
10.HLAビーズをαIgG-FITCと共に、室温及び暗中で30分間、穏やかにロッキングしながらインキュベートする。
11.ステップ6及び7を繰り返して、結合していないαIgG-FITCを洗い流す。
12.洗浄したHLAビーズを200μLのPBSに再懸濁する。ボルテックスして混合する。
13.100μLのHLAビーズ懸濁液を96ウェルU底マイクロプレートの適切なウェル(単数又は複数)にピペッティングし、NovoSamplerにドッキングする。
14.NovoCyteを使用して、フローサイトメトリーによりイベントを収集する。
a.先に定量したFLOWPRA(商標)Beadsゲートにおいて、FSC-H閾値10,000で10,000イベントをゆっくり収集する。
b.二次停止条件は、実行時間2分及び総試料体積40μLとした。
c.ウェル間のキャリーオーバーを最小限にするために、SIPを各試料間で洗浄する。試験ポイント間のキャリーオーバーを最小限にするために、各三連セット間でPBSのウェルを実行する。
【0433】
結果
実施例3.ゲート配置及び陰性対照
クラスI及びクラスIIのHLAビーズを識別するための初期ゲート配置は、PBS中のFLOWPRA(商標)ビーズを用いて決定する。(
図1A及び
図1B)
【0434】
バックグラウンド/非特異的結合は、GK PPP及び新鮮なドナーPPPを用いて三連で確立する。(例示的なデータを
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bに示す)なお、GKのPPPが新鮮なドナー血漿よりもFITC-Hで高くシフトしていることに留意されたい。これは、ドナーの変動性及びGK血漿の凍結/解凍効果に起因する可能性がある。追加の試料採取が必要となる。GK PPPの1%未満がFITC陽性になるように陽性ゲートを配置する。
【0435】
実施例4.単一ドナーの結果
各HLAクラスの代表的なFITC-Hヒストグラムを試料ごとに示す。陽性率>1%が陽性である。蛍光比は、GK PPP陰性対照(クラスI及びクラスIIビーズのFITC-H強度)に対し報告される。蛍光比>1.0が陽性である。追加の陰性対照を収集するに伴って、これらの陽性ゲート及び蛍光比が更新される。
【0436】
HLAクラスI又はクラスII抗体の集団は、当該ビーズタイプにおいて陽性率及び蛍光比の両方が1以下の場合、陰性である。
【0437】
ドナー1:HLAクラスII陽性。三連データからのクラスIの平均陽性率は0.2%、蛍光比0.3であり、クラスIIの平均陽性率は16.5%、蛍光比1.6である。(例示的なデータを
図4A及び
図4Bに示す)
【0438】
ドナー2:HLAクラスI及びクラスII陽性。三連データからのクラスIの平均陽性率は1.3%、蛍光比1.4であり、クラスIIの平均陽性率は20.3%、蛍光比1.9である。(例示的なデータを
図5A及び
図5Bに示す)
【0439】
ドナー3:HLAクラスI及びクラスII陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は85.2%、蛍光比は14.4である。クラスIIの平均陽性率は12.0%、蛍光比は0.8である。(例示的なデータを
図6A及び
図6Bに示す)
【0440】
ドナー4:HLAクラスI及びクラスII陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は83.5%、蛍光比は14.5である。クラスIIの平均陽性率は12.6%、蛍光比は0.8である。(例示的なデータを
図7A及び
図7Bに示す)
【0441】
ドナー5:HLAクラスI及びクラスII陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は4.9%、蛍光比は1.2である。クラスIIの平均陽性率は1.3%、蛍光比は0.8である。(例示的なデータを
図8A及び
図8Bに示す)
【0442】
ドナー6:HLAクラスI陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は2.7%、蛍光比は0.9である。クラスIIの平均陽性率は0.3%、蛍光比は0.7である。(例示的なデータを
図9A及び
図9Bに示す)
【0443】
ドナー7:HLAクラスII陽性。三連データからのクラスIの平均陽性率は0.7%で、蛍光比は0.5である。クラスIIの平均陽性率は9.0%、蛍光比は1.3である。(例示的なデータを
図10A及び
図10Bに示す)
【0444】
ドナー1~7の結果を表1にも示す。
【0445】
【0446】
GK PNPプールにHLA陽性ドナーが存在する可能性があるため、表2はN=1のHLA陰性ドナーに対する結果を示している。
【0447】
【0448】
実施例5.濾過の結果
プール:HLAクラスI及びクラスII陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は61.1%、蛍光比は4.6である。クラスIIの平均陽性率は9.0%、蛍光比は1.1である。(例示的なデータを
図11A及び
図11Bに示す)
【0449】
初期希釈(51%):HLAクラスI及びクラスII陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は48.2%、蛍光比は4.2である。クラスIIの平均陽性率は5.9%、蛍光比は0.9である。(例示的なデータを
図12A及び
図12Bに示す)
【0450】
「20%」血漿(8.1%):HLAクラスI陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は2.4%、蛍光比は1.0である。クラスIIの平均陽性率は0.2%、蛍光比は0.5である。(例示的なデータを
図13A及び
図13Bに示す)
【0451】
「<10%」血漿(6.0%):ボーダーラインHLAクラスI陽性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は1.1%、蛍光比は1.0である。クラスIIの平均陽性率は0.2%、蛍光比は0.5である。(例示的なデータを
図14A及び
図14Bに示す)
【0452】
「<3%」血漿(1.3%):HLA陰性。三連データからのクラスIのデータの平均陽性率は0.4%、蛍光比は0.2である。クラスIIの平均陽性率は0.1%、蛍光比は0.4である。(例示的なデータを
図15A及び
図15Bに示す)
【0453】
濾過の結果を表3A及び表3Bにも示す。
【0454】
【0455】
(表3B)PBS中のHLAビーズを用いて測定したバックグラウンド蛍光を試料蛍光から差し引いてから、平均蛍光強度の低減パーセント(抗体結合低減の尺度)を計算した。
100%以上の値は、示されたビーズに対する検出可能HLA抗体の結合が完全に低減したことを示す。
【0456】
GK PNPプールにHLA陽性ドナーが存在する可能性があるため、表4はN=1のHLA陰性ドナーに対する結果を示している。
【0457】
【0458】
実施例6.表面マーカー及びトロンビン生成。
実施例1に記載のTFF法によってトロンボソームバッチを生産し、フローサイトメトリーを用いて細胞表面マーカーの発現をアッセイした。
【0459】
フローサイトメトリーを使用して、トロンボソームをCD41、CD62、及びホスファチジルセリン(PS)の発現について評価した。試料には染色時におよそ270,000/μLのトロンボソームが含まれており、サイトメーターで試料を分析する前におよそ1:34に希釈した。トロンボソーム試料を再水和し、脱イオン水で1:2に希釈した。抗CD41のストックを、47.6μLの抗体を52.4μLのHMTAに加えることによって希釈した。10μLの希釈されたトロンボソームを10μLのHMTA及び10μLの希釈されたCD41抗体に加えることにより、抗CD41で染色された試料を作製した。12μLの抗CD62を23.8μLの抗CD41及び64.2μLのHMTAと組み合わせることにより、抗CD62マスターミックスを調製した。アイソタイプ対照ミックスも同様にして作製した。10μLの希釈されたトロンボソームを20μLの抗CD62マスターに加えることにより、抗CD62で染色された試料を作製した。アイソタイプマスターミックスを使用して、アイソタイプ対照試料を同様にして作製した。11.7μLのAVを83.3μLの抗CD41及び80μLのHMTAと組み合わせることにより、アネキシンV(AV)マスターミックスを調製した。50mM GPRPを含む20μLの希釈されたトロンボソームを、15mM CaCl2を含む20μLのHMTA及び20μLのAVマスターミックスに加えることにより、AVで染色された試料を作製した。カルシウムなしのHMTAを用いて陰性ゲーティング対照試料を同様にして作製して、AVがPSに結合するのを防止した。全ての試料を室温で20分間インキュベートした。インキュベート後、全ての試料に1mLのHBSを加えた。AV試験試料の希釈に使用したHBSには5mMのCaCl2が含まれていた。抗CD41結合を使用して、目的集団を識別した。CD62発現及びPS発現を、CD41陽性集団内の抗CD62及びAVの結合によって評価した。
【0460】
糖タンパク質IIb(GPIIb、抗原CD41としても知られている)の発現を、抗CD41抗体(4.8μL、Beckman Coulter、パーツ番号IM1416U)を用いてアッセイした。アッセイしたトロンボソームはCD41陽性を示した(表5;
図16)。
【0461】
【0462】
ホスファチジルセリン(PS)の発現を、アネキシンV(AV)(1.3μL、BD Biosciences、カタログ番号550475)を用いてアッセイした。AVは、カルシウム依存性リン脂質結合タンパク質である。アッセイしたトロンボソームはAV陽性を示した(表6;
図17)。
【0463】
【0464】
P-セレクチン(CD62Pとも呼ばれる)の発現を、抗CD62P抗体(2.4μL、BD Biosciences、カタログ番号550888)を用いてアッセイした。アッセイしたトロンボソームはCD62陽性を示した(表7、
図18)。
【0465】
【0466】
トロンビン生成は、以下のプロトコルを用いて、組織因子及びリン脂質を含むPRP試薬の存在下、4.8×10
3トロンボソーム/μlで測定した。平均では、トロンボソーム試料のトロンビンピーク高さ(TPH)は60.3nMであった。セファリンを陽性対照として使用した。(表8;
図19)
【0467】
試験したバイアルごとに、トロンボソームの再水和試料を、対照緩衝液中のOctaplasの30%溶液を用いて、フローサイトメトリーの粒子数に基づいて希釈して7,200粒子/μLにした。96ウェルプレート内で、20μLのPRP試薬(Diagnostica Stago、カタログ番号86196)及び80μLの希釈されたトロンボソームを加えることにより、試料ウェルを生成した。20μLのトロンビンキャリブレーター試薬(Diagnostica Stago、カタログ番号86197)を80μLの希釈されたトロンボソームに加えることにより、キャリブレーターウェルを生成した。このプレートをプレートリーダーに装填し、暗中40℃で10分間インキュベートした。試料のインキュベート中、40μLのFluCa基質(Diagnostica Stagoカタログ番号86197)を、37℃に温めた1.6mLのFluo-Buffer(Diagnostica Stagoカタログ番号86197)に加え、ボルテックスして混合することにより、FluCa溶液を調製した。FluCa溶液を分注シリンジに吸引し、各反応ウェルに20μLずつ機械的に分注して、各ウェルのトロンボソーム最終濃度を4,800粒子/μLにし、トロンビン生成反応を開始した。トロンビン生成は、75分にわたり各ウェルの蛍光によって測定した。
【0468】
例示的なステップバイステッププロトコルは以下の通り。
1.CATソフトウェアをオープンし、装置をセットアップし、製造業者のガイドラインに従ってPRP試薬(組織因子及びいくらかのリン脂質を含む)、キャリブレーター、並びにfluo-buffer及びfluo-substrateを調製する。
2.Octaplas及びTGA希釈緩衝液を37℃の水浴で10分間解凍する。
3.解凍したOctaplasをTGA希釈用緩衝液に加えて、30%のOctaplasを含む緩衝液を作出する。
4.30%のOctaplasミックスを使用して、再構成したセファリンを1:50に希釈し、陽性対照として使用する。
5.トロンボソームを細胞培養グレードの水で10分間再水和し、次いで30%のOctaplasで希釈して7,200トロンボソーム/μLにする。
6.マルチチャネルピペットを用いて、各試験ウェルに20μLのPRP試薬を加える。各較正ウェルに20μLのキャリブレーターを加える。
7.各試験及び較正ウェルに80μLの試料を加える。陰性対照ウェルには80μLの30%のOctaplasを、陽性対照のウェルには1:50のセファリンを加える。
8.プレートをトレイに挿入し、40℃で10分間インキュベートする。インキュベート後、fluo-buffer及びfluo-substrateの混合物(蛍光標識されたペプチドを含み、トロンビンによって切断されると蛍光シグナルを発生する)をアクティブウェルに分注する。
9.20秒間隔で75分間プレートを読み取って、トロンビン生成プロファイルを完全に捕捉する。
【0469】
【0470】
これらのアッセイのデータを表9にまとめる。
【0471】
(表9)
1フローサイトメトリー前方散乱のサイジングビートを用いて評価した粒子径。
【0472】
実施例7.9F9及びPAC-1の結合。
活性化血小板の凝集は、GPIIb/IIIa複合体の形成によって媒介され、これがフィブリノーゲン(第1因子とも呼ばれる)と結合し血餅を形成し得る。GPIIb/IIIaは、CD41/CD61複合体としても知られる血小板フィブリノーゲン受容体である。このプロセスにおいて、ADPはGPIIb/IIIa複合体の活性形態を促進する。抗体9F9は、細胞膜に会合したフィブリノーゲンに結合する。したがって、細胞膜上のフィブリノーゲンの存在は、血餅を形成可能なトロンボソームの存在を示す。
【0473】
実施例1に従って調製したトロンボソームのバイアルを、10mLの脱イオン水を用いて再水和した。トロンボソームのアリコートを、HMTA(HEPES修飾タイロードアルブミン)を用いて希釈して1×105粒子/μLの最終濃度にした。表11に示すように試料を調製した。10μLの希釈されたトロンボソームを20μLのHMTAに加えることにより、染色されていない試料を調製した。FITCアイソタイプ対照試料は、10μLの希釈されたトロンボソームを10μLのアイソタイプ対照抗体(BD Biosciences、カタログ番号555748)及び10μLのHMTAに加えることにより、調製した。9F9で染色された試料は、10μLの希釈されたトロンボソームを10μLの9F9抗体(BD Biosciences、カタログ番号340507)及び10μLのHMTAに加えることにより、調製した。PAC-1で染色された試料は、10μLの希釈されたトロンボソームを、5μLのアイソタイプ対照抗体及び15μLのHMTAに加えることにより、調製した。全ての試料は、反応混合物当たり合計1×106粒子を用いて二連で調製した。試料を、外光を避けて室温で20分間インキュベートした。インキュベート後、全ての試料を1mLのHBSで希釈し、ACEA NovoCyteフローサイトメーターを用いて取得した。PAC-1によって生成された蛍光シグナルを使用して、結合したフィブリノーゲンなしの活性化GPIIb/IIIa受容体の発現を定量した。9F9からの蛍光シグナルを使用して、トロンボソームの表面受容体へのフィブリノーゲンの結合を定量した。
【0474】
【0475】
【0476】
試料をフローサイトメトリーによってアッセイしたところ、再水和後に表面に結合したフィブリノーゲンが存在することが示され(
図20)、一方、抗PAC-1抗体は顕著な結合を示さなかった(
図21)。これは、TFFによって調製されたトロンボソームが、GPIIb/GPIIIaの活性形態と結合したフィブリノーゲンを含むというさらなる証明である(PAC-1も同じ複合体に結合する)。
【0477】
実施例8.CD47結合の評価
CD47は、自己認識に使用される細胞表面マーカーである。このマーカーがなければ、場合によってはファゴサイトーシスが生じ得る。
【0478】
実施例1に記載のように調製したトロンボソーム1バイアルを10mLの注射用滅菌水で再水和し、漸増体積のPacific Blue(BD Biosciencesカタログ番号561564)又は対応するアイソタイプ対照(BD Biosciencesカタログ番号560373)と結合体化した抗CD47抗体で染色した。全ての試料には100万個の細胞が含まれていた。この滴定の結果、最大蛍光シグナルはバックグラウンドの約5倍となり(
図22A)、全体的なCD47陽性率は約40%となった(表12)。例示的なヒストグラムを
図22Bに示す。
【0479】
V450と結合体化したCD47抗体のアリコートを、HMTAを用いて1:10、1:5、及び1:2の希釈度で調製した。AcT diff 2を用いてトロンボソーム試料の初期濃度を定量し、HMTAを用いて1mLアリコートの濃度を100×103/μLに調整した。TFFトロンボソームを、10μLの抗体を10μLの希釈されたトロンボソームに加えることにより、各抗体希釈度において二連で染色した。希釈されていない抗体で染色された試料も同様にして生成した。10μLのHMTAを10μLの希釈されたトロンボソームに加えることにより、染色されていない対照試料を作製した。この試料調製を、抗CD47の代わりにアイソタイプ対照抗体を用いて繰り返した。全ての試料を、光を避けて室温で20分間インキュベートした。インキュベート後、試料を500μLのHBSで希釈し、ACEA NovoCyteフローサイトメーターを用いて各試料について15,000イベントを取得した。試験試料中のV450蛍光を使用して、トロンボソーム表面のCD47に対する抗体結合を評価した。アイソタイプ対照試料のV450蛍光を使用して、非特異的結合をモニタリングした。
【0480】
表11は、様々な量の抗体(抗CD47又はアイソタイプ対照)による試料の平均蛍光強度を示している。
【0481】
【0482】
表12は、様々な濃度の抗CD47抗体におけるCD47陽性パーセントを示している。
【0483】
【0484】
異なるロットからのTFFトロンボソームの第2のバイアルを再水和し、Pacific Blueと結合体化した抗CD47又は対応するアイソタイプ対照の体積を漸増しながら染色した。全ての試料には250,000細胞が含まれていた。この場合もまた、バックグラウンドの約5倍~6倍の蛍光シグナルが認められ(
図22C)、全体的なCD47陽性率は約50%であった(表15)。例示的なヒストグラムを
図22Dに示す。
【0485】
第2の試験は新たなTFFトロンボソーム試料で実施し、抗CD47がトロンボソームに結合することによって生じるシグナルの強度を改善するために、抗体量を漸増し、試料当たりのトロンボソーム数を漸減しながら使用した。AcT diff 2を用いてトロンボソーム試料の初期濃度を定量し、HMTAを用いて1mLアリコートの濃度を25×103/μLに調整した。試料は、以下の表13に従い、抗体量を漸増しながら二連で染色した。各試料の最終体積は一定に40μLで保持した。各試料中のトロンボソームの総数は、一定に250×103/μLで保持した。この試料調製を、抗CD47の代わりにアイソタイプ対照抗体を用いて繰り返した。
【0486】
【0487】
全ての試料を、光を避けて室温で20分間インキュベートした。インキュベート後、試料を500μLのHBSで希釈し、ACEA NovoCyteフローサイトメーターを用いて各試料について15,000イベントを取得した。試験試料中のV450蛍光を使用して、トロンボソーム表面のCD47に対する抗体結合を評価した。アイソタイプ対照試料のV450蛍光を使用して、非特異的結合をモニタリングした。
【0488】
表14は、様々な量の抗体(抗CD47又はアイソタイプ対照)による試料の平均蛍光強度を示している。
【0489】
【0490】
表15は、様々な濃度の抗CD47抗体におけるCD47陽性パーセントを示している。
【0491】
【0492】
実施例9.微粒子含量の低減
実施例1に従って調製した(ただし、凍結乾燥なし)トロンボソームと比較したヒト期限内保存血小板(hIDSP)の微粒子含量を、動的光散乱を用いて比較した。結果を
図23A~
図23C及び表16に示す。
図23A~
図23Cは、各データポイントの強度の合計が1.0に等しくなるように相対的強度を基準に正規化されたヒストグラムである。例えば、特定のデータポイントのy軸の値が0.1の場合、典型的には、当該データポイントが試料の散乱強度の10%を占めていると解釈することができる。
【0493】
トロンボソームのバッチの製造に使用するアフェレーシス単位のプールを作製して分析を行った。この試料タイプを「hIDSP」として示す。このhIDSP(ヒト期限内保存血小板(human In-Date Stored Platelet))プールから1mLのアリコートを採取し、動的光散乱(DLS;Thrombolux(Light Integra))分析を行った。このアリコートからの試料をキャピラリーに採取し、DLS装置に挿入した。キャピラリーを装置内に1分間置いて、温度及び動きを平衡化させた。機械の内部温度は37℃である。1分間の平衡化の後、試料の粘度設定を選択した。DLS装置は、血漿中の試料(例えば、アフェレーシス単位)向けの粘度設定が組み込まれている。この粘度設定をhIDSP試料に使用した。この設定の粘度は1.060cP(センチポイズ)である。血漿粘度の設定を選択した後、試料を分析した。同じhIDSPアリコートから、第2及び第3の試料をキャピラリーに採取し、このhIDSPプロトコルを用いて三連で分析した。次いで、このデータから微粒子のパーセンテージを定量した。
【0494】
「凍結乾燥前」試料は、トロンボソームの製造プロセスからの中間試料である。この試料タイプは、凍結乾燥の直前に採取された材料である。これらの試料をDLSで分析するため、試料の粘度測定を行った。粘度計(Rheosense μVISC)にはオーブンが組み込まれており、試料をDLS装置の温度(37℃)にするために使用される。試料の粘度分析の前に、オーブンを37℃に加熱しなければならない。凍結乾燥前試料の粘度を定量するため、400~350μLの試料をシリンジに採取し、粘度計に挿入した。粘度計に試料を挿入した後、装置の温度は再び37℃に達する必要がある。オーブンが37℃に達した後、試料の分析を行った。「Measurement Volume」を400μLに設定した以外は全ての設定をAUTOとした。この粘度を同じ試料のDLS測定に使用した。この凍結乾燥前試料から1mLのアリコートを採取し、動的光散乱(DLS;Thrombolux-LightIntegra)分析を行った。このアリコートからの試料をキャピラリーに採取し、DLS装置に挿入した。キャピラリーを装置内に1分間置いて、温度及び動きを平衡化させた。装置の内部温度は37℃である。1分間の平衡化の後、先に測定した粘度をDLS装置の粘度設定に入れた。粘度を入力した後、試料を分析した。同じ凍結乾燥前アリコートから、第2及び第3の試料をキャピラリーに採取し、この凍結乾燥前プロトコルを用いて三連で分析した。次いで、このデータから微粒子のパーセンテージを定量した。
【0495】
トロンボソームを標準プロトコルに従って再水和し、SeraSub(CST Technologies,Inc.)及びACDの混合液中で1:5に希釈した。SeraSub/ACD希釈液は、ACDをSeraSub中で1:9に希釈したものである。1mLのトロンボソームの1:5希釈液を調製してDLSによって分析した。トロンボソーム希釈液の試料をキャピラリーに採取し、DLS装置に挿入した。キャピラリーを装置内に1分間置いて、温度及び動きを平衡化させた。機械の内部温度は37℃である。1分間の平衡化の後、試料の粘度設定を選択した。試料に使用した粘度は1.200cPであった。粘度を入力した後、試料を分析した。第2、第3、及び第4の試料をキャピラリーに採取し、このトロンボソームプロトコルを用いて四連で分析した。次いで、データ(及び適用可能な場合は血小板半径)から微粒子のパーセンテージを定量した。
【0496】
【0497】
追加の実験では、実施例1に従って調製した再水和したトロンボソームに対するヒト期限内保存血小板(hIDSP)の微粒子含量を、動的光散乱(DLS)を用いて比較した。結果を
図24A~C及び表17に示す。
【0498】
【0499】
実施例12.代謝産物の分析
表18は、実施例1に記載のトロンボソームの調製物におけるpH及び存在する代謝産物の分析を示しており、これには初期希釈後、血小板誘導体濃縮後、及びダイアフィルトレーションプロセスの終了後における血小板原材料の分析が含まれ、これはi-STATハンドヘルド血液分析器及びCG4+カートリッジを用いて定量した。
【0500】
iStat分析用の血小板試料は、異なる処理ステップで小体積(1ml)で採取した。「原材料」と称するiStat分析用の最初の試料は、血小板ドナー単位をプールした後、任意の処理が行われる前に採取した。「初期希釈液」と名づけられ、プールされた血小板単位は、TFF処理に血小板を供する前に対照緩衝液で1:1に希釈した。TFFの濃縮段階の最後に、血小板製剤から「濃縮終了」試料を採取した。細胞を洗浄した後、凍結乾燥器に入る際の製剤を代表するものとして「DV終了(凍結乾燥前)」試料を採取した。
【0501】
【0502】
実施例11.病原体の低減
血液製剤においては、概して病原体の低減が望ましい。病原体低減の1つの方法は、適切な波長の照明で病原体の核酸を変化させるための、感光性核酸インターカレート化合物の使用を伴う。
【0503】
INTERCEPT(登録商標)システム(Cerus社製)は、アモトサレン(amotosalen)(UVAの照明で核酸に架橋を形成する核酸インターカレート化合物)を使用する。このシステムで使用する例示的なパラメーターを表19に示し、システムの概略図を
図25Aに示し、198分(およそ14/分平均)での2.6Lの材料処理について例示的なプロセスデータを
図25B~Cに示す。
【0504】
実施例9に記載のようにDLSを実施した。
【0505】
【0506】
INTERCEPT(登録商標)システムによる処理のあり又はなしで、実施例1におけるように調製したトロンボソームのpH及び代謝産物の例示的な比較データを表20に示す。
【0507】
【0508】
機能的特性評価(AcT数及び凝集パラメーター)並びに細胞表面マーカーの例示的な比較データを、表21(hIDSP)、表22(凍結乾燥前)、及び表23(凍結乾燥し、再水和して10mLの注射用滅菌水で約1.8×106/μLの濃度にした後(個々の試料数は表23に示す))に示す。
【0509】
【0510】
【0511】
【0512】
また、トロンボソームの調製物の様々な段階における微粒子含量も、実施例9に記載のように定量した。
図26A~
図26Bは、病原体低減処理のあり又はなしで調製した、再水和したトロンボソームの類似性を示している。これらのデータの概要を表24に示す。
図27Aは、病原体低減処理のあり又はなしでのhiDSPの微粒子含量を示している。
図27B~
図27Cは、
図29Aに示されるhiDSP及びそれから調製した再水和したトロンボソームの微粒子含量を比較したものである。これらのデータの概要を表25に示す。
図28Aは、病原体低減処理のあり又はなしでのhiDSPの微粒子含量を示している。
図28B~
図28Cは、
図28Aに示されるhiDSP及びそれから調製した再水和したトロンボソームの微粒子含量を比較したものである。これらのデータの概要を表26に示す。
【0513】
【0514】
【0515】
【0516】
実施例12.血小板とトロンボソームとの間の相互作用。
この実施例において「血小板」とは、採取からおよそ3時間後にクエン酸塩加処理した全血から単離した血小板である。トロンボソームは、実施例1に記載の方法で調製したバッチDとする。表27は、この実施例における実験の試料レイアウトである。
【0517】
【0518】
血小板及びトロンボソームの共凝集を光透過凝集測定法によって評価した。血小板及びトロンボソームを共インキュベートし、凝集測定法+/-4β-ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)による血小板活性化によって評価した。全血から単離した新鮮採取血小板に対しては、100ng/mLのPMAを使用した。保存された血小板(すなわち、アフェレーシス血小板)に対しては、1000ng/mLのPMAを使用した。
【0519】
ACD抗凝固処理全血から新鮮な血小板を単離し、洗浄し、HMTAで250,000細胞/μLに希釈した。標準プロトコルに従ってトロンボソームを再水和し、HMTAで250,000細胞/μLに希釈した。HMTA中血小板及びHMTA中トロンボソームの各アリコートを同じ割合で混合した。血小板、トロンボソーム、及び混合試料を、ホルボール-ミリステート-アセテート(PMA;100ng/mL)の活性化に応じて、光透過凝集測定法(Helena AggRAM)によって評価した。混合した試料を撹拌棒のあり又はなしで評価し、撹拌に誘導された剪断力が観察された血小板-トロンボソーム共凝集に及ぼす効果について評価した。
【0520】
図29Aは、アゴニストありの場合及びなしの場合における表30の試料の透過率を示している。剪断ありでアゴニストなし(黒色)の混合により、トロンボソーム及び新鮮採取血小板が血小板の活性化及び凝集を誘導した。PMA(灰色)は血小板を活性化した。またΔ透過率の大きさはトロンボソームとの混合凝集を示唆している。剪断なしの場合、活性化しないか、又は
図29Aで観察されたよりも規模の小さい共凝集が認められる。
【0521】
また、凝集測定の前後で、血小板及びトロンボソームAcT数も評価した。
図29Bは、凝集後の数を示している。白色のバーが他のバー(単数又は複数)よりも大きい場合については、トロンボソームが血小板凝集体に取り込まれていることが示唆される。アゴニストなし(黒色)の場合に粒子数が絶対的に減少したことは、とりわけ劇的で予想外である。
【0522】
また、剪断が凝集に及ぼす効果についても評価した。撹拌棒のあり又はなしで混合凝集測定法(血小板:トロンボソームの数が1:1)を繰り返した。結果を
図29Cに示す。これらの結果は、血小板アゴニストの不在下では、観察可能な共凝集に剪断が必要であることを示している。測定された数及び共凝集の規模は、血漿では緩衝液に比べるとわずかに減少している。
【0523】
実施例13.GPRPによるフィブリントラップの阻害。
この実施例では、「血小板」は、採血からおよそ1時間後の全血から単離する。トロンボソームは、実施例1に記載の方法で調製したバッチHとする。
【0524】
ACD抗凝固処理全血から新鮮な血小板を単離し、洗浄し、HMTAで250,000細胞/μLに希釈した。標準プロトコルに従ってトロンボソームを再水和し、HMTAで250,000細胞/μLに希釈した。HMTA中血小板及びHMTA中トロンボソームの各アリコートを同じ割合で混合した。血小板、トロンボソーム、又は混合懸濁液の各群を均等に分け、一方の群はフィブリン重合を阻害するために1mMのGPRPで処理し、一方の群は未処理のままとした。ペプチドGly-Pro-Arg-Pro(GPRP;Sigma-Aldrich、品目G1895)は、フィブリンの重合を防止するペプチドである。血小板、トロンボソーム、及び混合試料を、トロンビン(2.5U/mL)の活性化に応じて、光透過凝集測定法(Helena AggRAM)によって評価した。
【0525】
図30は、血小板、トロンボソーム、並びに血小板及びトロンボソームの2:1及び1:1混合物をいずれもトロンビンで活性化させ、GPRP(1mM)の存在下又は非存在下で用いた共凝集実験の結果を示している。混合物の場合には、トロンボソーム集団が増加するに伴って、総凝集測定値が減少した。このことから、血小板及びトロンボソームの相互作用が、部分的にはフィブリン捕捉によって引き起こされることが示唆される。しかし、共凝集相互作用の大部分は血小板に媒介されており、GPRPを伴っても凝集の測定値が高いことから立証されるように、フィブリン捕捉に依存するものではなかった。
【0526】
実施例12~13は、血小板活性化を伴う(及びより少ない程度で、血小板活性化を伴わない)剪断下で、血小板及びトロンボソームが共凝集したことを示している。フィブリン重合阻害剤であるGPRPは、トロンビン活性化後の血小板-トロンボソーム共凝集をわずかに阻害するに過ぎなかった。
【0527】
実施例14.RGDSの共凝集阻害。
この実施例では、「血小板」は、採血からおよそ1時間後の全血から単離する。トロンボソームは、実施例1に記載の方法で調製したバッチHとする。
【0528】
ACD抗凝固処理全血から新鮮な血小板を単離し、洗浄し、HMTAで250,000細胞/μLに希釈した。標準プロトコルに従ってトロンボソームを再水和し、HMTAで250,000細胞/μLに希釈した。HMTA中血小板及びHMTA中トロンボソームの各アリコートを同じ割合で混合した。血小板、トロンボソーム、又は混合懸濁液の各群を均等に分け、一方の群は血小板へのフィブリノーゲン結合を阻害するために100μMのRGDSで処理し、一方の群は未処理のままとした。RGDS (Arg-Gly-Asp-Ser;Cayman Chemical、品目15359)は、血小板表面インテグリン、特にGPIIb/IIIaに結合するペプチド配列である。これは、血小板がフィブリノーゲン及び他の接着タンパク質に結合するのを阻害する。血小板、トロンボソーム、及び混合試料を、ホルボールミリステートーアセテート(PMA;100ng/mL)の活性化に応じて、光透過凝集測定法によって評価した。
【0529】
100μMのRGDSを用いて共凝集実験を行い、PMAで活性化して、血小板とトロンボソームとの間のフィブリノーゲン架橋によって相互作用が生じるかどうかを調べた。結果を
図31に示す。RGDSは、共凝集測定値の50%超をブロックした。このことから、血小板及びトロンボソームの相互作用は、大部分がフィブリノーゲン結合によって引き起こされ得ることが示唆される。
【0530】
実施例12~14は、トロンボソームが、(例えば、光透過凝集測定法による立証において)活性化された血小板と容易に共凝集することを示している。自発的な共凝集は、剪断によって誘導される。血小板-トロンボソームの相互作用は、緩衝液と血漿の両方で明らかである。GPRPは共凝集を実質的に阻害しないが、RGDSは共凝集を実質的に阻害する。このことは、共凝集の機構において、能動的な血小板ーフィブリノーゲン結合が重要な役割を果たしていること、及び共凝集が受動的なフィブリン捕捉のみでは引き起こされないことが示唆される。
【0531】
実施例15.走査電子顕微鏡(SEM)。
再水和したトロンボソームの10mLアリコートを2000RPMで30分間遠心分離した。遠心分離試料の上清を取り出して1mLにし、廃棄した。試料を穏やかに撹拌してトロンボソームを再懸濁させた。濃縮されたトロンボソームを、15分ごとに撹拌しながら2時間、pH7.4の0.1Mカコジル酸緩衝液中の3%グルタルアルデヒドで処理した。トロンボソームを滅菌水で3回すすぎ、15分ごとに撹拌しながら1時間、1%四酸化オスミウム溶液に移した。次いで、試料を滅菌水でさらに3回洗浄し、0.5mLの液滴をポリスルホンフィルター膜に移した。マウントした試料を液体窒素で凍結し、真空下で乾燥した後、金スパッタリングを行い、走査型電子顕微鏡を用いてイメージングした。
【0532】
図32A~
図32Dは、血小板及びヒトトロンボソームのSEMを示している。活性化直後の血小板が
図32A(スケールバー=2μm)及び
図32B(スケールバー=1μm)に示されている。実施例1におけるように調製した再水和したヒトトロンボソームが
図32C(スケールバー=2μm)及び
図32D(スケールバー=1μm)に示されている。
【0533】
実施例16.T-TAS(登録商標)トロンボソームデータ。
Total Thrombus-formation Analysis System(T-TAS(登録商標)、FUJIMORI KOGYO CO.,LTD)では、試料が、鉱油を用いて、コラーゲンコーティングマイクロチャネルに押し込まれる。圧力の変化を使用して血栓形成を評価する。閉塞開始時間はΔ10kPaに達するまでの時間であり、閉塞時間はARチップ(Zacros、品目番号TC0101)を用いてΔ80kPaに達するまでの時間である。
【0534】
FUJIMORI KOGYO CO.,LTDによれば、ARチップは、主としてフィブリン及び活性化した血小板からなる混合白色血栓の形成を分析するために使用することができる。当該チップは、コラーゲン及び組織因子でコーティングされた流路(幅300μm×高さ50μm)を有し、凝固機能及び血小板機能を分析するために使用することができる。これに対し、PLチップは、主として活性化した血小板からなる血小板血栓の形成を分析するために使用することができる。PLチップは、コラーゲンのみでコーティングされた流路を有し、血小板機能を分析するために使用することができる。
【0535】
T-TAS(登録商標)試薬(CaCTI,ARチップ)を37℃に温め、トロンボソームを標準プロトコルに従って再水和した。再水和したトロンボソームのアリコートを3900gx10分の遠心分離で洗浄し、クエン酸ナトリウムで抗凝固処理した乏血小板血漿(PPP)に再懸濁させておよそ300,000個/μLとした。CaCTI(20μL)をPPP中のトロンボソーム(480μL)と混合し、高剪断下でT-TAS ARチップに通過させた。システム内の圧力を、30分にわたり、又はチャネル内の最大背圧が達成されるまでモニタリングした。
【0536】
製造者の指示に従ってT-TAS(登録商標)装置を使用するための準備を行った。ARチップ(Diapharma、カタログ番号TC0101)及びARチップCalcium Corn Trypsin Inhibitor(CaCTI;Diapharma、カタログ番号TR0101)を室温に温めた。300uLの再水和したトロンボソームを1.7mLマイクロ遠心管に移し、3900g×10分で遠心分離してペレット化した。トロンボソームペレットを、George King(GK)のプールされた正常ヒト血漿又は自己由来血小板を含む若しくは含まない自己血漿に再懸濁し、AcT数(Beckman Coulter AcT Diff 2 Cell Counter)による定量において、約100,000~450,000/uLの濃度にした。20uLのCaCTI及び480uLのGK血漿中トロンボソーム試料を穏やかなピペッティングで混合した。試料を製造業者の指示に従ってT-TAS(登録商標)に装填し実行した。
【0537】
表28は、ARチップ及び高剪断装置設定を用いて製造者の指示に従って実行した実験での、クエン酸塩加全血、実施例1で調製したトロンボソームを様々な濃度で添加した血小板低減クエン酸塩加全血、及び実施例1で調製したトロンボソームを様々な濃度で追加したGeorge King乏血小板血漿(GK PPP)におけるT-TAS(登録商標)の結果を示している。
【0538】
【0539】
時間経過の結果を
図33A~
図33Bに示す。血小板低減全血中のトロンボソームの濃度を増加させると、閉塞時間の短縮によって、よりロバストな血栓形成が促進された(
図33A)。乏血小板血漿(PPP)中のトロンボソームの濃度を増加させると、閉塞時間の短縮によって、よりロバストな血栓形成が促進された(
図33B)。
【0540】
GPRP(1mM)が閉塞活性に及ぼす効果についてもアッセイした。表29は、GPRPの存在下及び不在下における、トロンボソームあり又はなしの乏血小板血漿のT-TAS(登録商標)の結果を示している。フィブリノーゲン形成防止のためにGPRPを添加しても、トロンボソームを含む試料が閉塞圧力に達することは防止されなかった。血漿中のトロンボソーム試料にGPRPを添加すると、マイクロキャピラリーチャネルにおけるフィブリンの形成が防止されるが(
図33C(GPRPなし)、
図33D(GPRPあり)、いずれもGK PPP中)、トロンボソーム(PPP)にGPRPを添加すると、血栓形成は防止されなかった(
図33E)。
【0541】
【0542】
本発明の実施形態は様々な変更及び代替形態に適用可能であるが、具体的な実施形態が例として図面で例示され、以下に詳細に説明される。しかし、記載された特定の実施形態に本発明を限定することは意図されていない。それとは逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲内に収まる全ての変更、等価物、及び代替形態を網羅するように意図されている。
【国際調査報告】