(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(54)【発明の名称】車両用後方確認ミラー
(51)【国際特許分類】
B60R 1/07 20060101AFI20220707BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20220707BHJP
【FI】
B60R1/07
B60R1/26 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562077
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 IB2020054467
(87)【国際公開番号】W WO2020230014
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019000006822
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521455143
【氏名又は名称】ルマテック エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】LUMATECH S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】ルイージ マリア ソリセ
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF29
3D053GG06
3D053GG12
3D053HH04
3D053HH09
3D053HH14
3D053HH18
3D053HH19
3D053HH52
3D053KK03
3D053KK12
(57)【要約】
車両に取付け固定されるよう構成された支持アーム(20)と、当該支持アーム(20)に回転可能に取り付けられたケーシング(30)とを備えた、車両用の後方確認装置(10)であって、上記ケーシング(30)に取付け固定されたミラー(40)を備えたことを特徴とする後方確認装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取付け固定されるよう構成された支持アーム(20)と、該支持アーム(20)に回転可能に取り付けられたケーシング(30)とを備えた、前記車両用の後方確認装置(10)であって、前記ケーシング(30)に取付け固定されたミラー(40)を備えたことを特徴とする後方確認装置。
【請求項2】
請求項1に記載の後方確認装置(10)において、
前記支持アーム(20)に取付け固定された第1の電動機(50)であり、前記支持アーム(20)に対して第1の幾何学的軸(R)周りに回転するよう構成されたスピンドル(51)を含む第1の電動機(50)と、
前記スピンドル(51)に取付け固定された支持フレーム(60)であり、前記第1の幾何学的軸(R)周りに回転して少なくとも第1の角度位置から少なくとも第2の角度位置に切り換わる支持フレーム(60)と、
前記支持フレーム(60)に取り付けられたアクチュエータ(70)であり、前記ケーシング(30)に取付け固定され、第2の幾何学的軸(S)及び第3の幾何学的軸(T)周りに回転するよう構成され、前記第2の幾何学的軸(S)は前記第3の幾何学的軸(T)に対して垂直であるアクチュエータ(70)と
を備え、前記ケーシング(30)は、前記第1の幾何学的軸(R)、前記第2の幾何学的軸(S)、及び前記第3の幾何学的軸(T)周りに回転して、前記支持アーム(20)に対して複数の角度位置に切り換わることを特徴とする後方確認装置。
【請求項3】
請求項2に記載の後方確認装置(10)において、
前記アクチュエータ(70)は、前記ケーシング(30)の支持体(37)に取付け固定され、該支持体(37)は、前記ケーシング(30)に取付け固定されることを特徴とする後方確認装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の後方確認装置(10)において、前記支持フレーム(60)は、支持体(61)を含み、前記アクチュエータ(70)は、前記第2の幾何学的軸(S)周り及び前記第3の幾何学的軸(T)周りの両方で回転するように前記支持フレーム(60)の前記支持体(61)に回転可能に取り付けられることを特徴とする後方確認装置。
【請求項5】
請求項4に記載の後方確認装置(10)において、前記アクチュエータ(70)用の前記支持体(61)は、半球部分(62)及びベース部分(63)を含み、前記半球部分(62)は、前記アクチュエータ(70)と前記ケーシング(30)との間の係合を可能にするよう構成された貫通開口を少なくとも含み、前記ベース部分(63)は、前記支持フレーム(60)に取付け固定されるよう構成された壁を含むことを特徴とする後方確認装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の後方確認装置(10)において、前記支持フレーム(60)の前記支持体(61)は、前記ミラー(40)に対して逆方向に取り付けられることを特徴とする後方確認装置。
【請求項7】
請求項2~6のいずれか1項に記載の後方確認装置(10)において、前記支持アーム(20)は、ベース支持体(26)を含み、前記第1の電動機(50)は、前記ベース支持体(26)の上方に取付け固定され、前記第1の幾何学的軸(R)は、前記ベース支持体(26)に対して垂直であることを特徴とする後方確認装置。
【請求項8】
請求項7に記載の後方確認装置(10)において、前記支持アーム(20)は、ベース(25)と、該ベース(25)に取付け固定された下部及び前記ベース支持体(26)を形成する上部を含むロッド(27)とを含むことを特徴とする後方確認装置。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか1項に記載の後方確認装置(10)において、前記第3の幾何学的軸(T)は、前記第1の幾何学的軸(R)と平行であることを特徴とする後方確認装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の後方確認装置(10)において、前記ケーシング(30)は、貫通開口(32)を含む下部を含む後方確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用後方確認ミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
最新技術では、自動車又はオートバイの後方確認ミラーは既知である。既知の後方確認ミラーは、自動車への装着用のアームと、装着用アームに回転可能に取り付けられたカバーケーシング及びカバーケーシングに回転可能に取り付けられたミラーと、鉛直な幾何学的回転軸周りにケーシングを回転させて、後方確認ミラーケーシングを動作位置からケーシングが占める全体寸法を小さくするように自動車両のフレームに向けて折り畳まれる転倒位置に切り換える、装着用アームに取付け固定された第1の電動機と、2つの幾何学的回転軸周りにミラーを回転させて自動車両の運転者の後方視界を調整する、カバーに取付け固定された第2の電動機とを備える。ミラーは、ケーシングに回転可能に取り付けられ、ケーシングは、車両の後方確認ミラーのアームに回転可能に取り付けられる。
【0003】
不利な点として、既知の後方確認ミラーは、交通法規で要求される視野の全景が見えるミラーが十分に大きいことを確実にする必要があるので、体積の全体寸法がかなり大きい。
【0004】
不利な点として、後方確認ミラーのかなり大きな全体寸法が自動車両の空力的形状に悪影響を及ぼし、その性能を低下させて燃料消費量を多くする。
【0005】
不利な点として、2軸上のミラーの回転機構は、衝撃又はタンパリングを受けて後方確認ミラーを脆弱にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、自動車両の運転者に視野の全景が見えるようにし、自動車両のエアロダイナミクスを向上させ、したがって車両の燃料消費量を減らすか又は性能を向上させて、従来技術の欠点を解決する、壊れにくく、より小型で安全で堅固な、よりよく保護された後方確認ミラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の車両用の後方確認ミラーにより達成される。
【0008】
他の特徴は、従属請求項に規定される。
【0009】
本発明の特徴及び利点は、添付の概略図を参照して以下の説明を読めばより明白になり、以下の説明は例示的であり限定的ではないと理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】車両装着用のアーム、ケーシング、及びミラーを備えた本発明による車両用の後方確認ミラーの正面図である。
【
図2】ケーシングが第1の幾何学的回転軸周りに回転する、車両装着用のアームに対する3つの異なる角度位置でケーシングを示す、後方確認ミラーの上面図である。
【
図3】
図1の線III-IIIに従った断面図であり、ケーシングの第1の角度位置を示し、第1の電動機が車両装着用のアームのベース支持体に取付け固定され、第1の電動機はスピンドルを含み、支持フレームがスピンドルに取り付けられ、支持フレームはベース支持体に対して垂直な第1の幾何学的軸周りに回転し、第2の電動機が支持フレームに取り付けられ、第2の電動機はケーシング支持体に取り付けられたアクチュエータを含み、アクチュエータは相互に垂直な2つの幾何学的軸周りにケーシング支持体を移動させ、ミラーはケーシングに取付け固定される。
【
図4】
図1の線II-IIIに従った断面図であり、ミラーを下向きにするケーシングの第2の角度位置を示す。
【
図5】
図1の線II-IIIに従った断面図であり、ミラーを上向きにするケーシングの第3の角度位置を示す。
【
図6】
図3の線VI-VIに従った断面図を示し、ミラーを車両の後側に向けるケーシングの第4の角度位置を示す。
【
図7】
図3の線VI-VIに従った断面図を示し、ミラーを車両フレームに対して外部方向に向けるケーシングの第5の角度位置を示す。
【
図8】
図3の線VI-VIに従った断面図を示し、ミラーを車両フレームに向けて内部方向に向けるケーシングの第6の角度位置を示す。
【
図9】
図3の線IX-IXに従った断面図を示し、支持アーム、第1の電動機、及び支持フレーム内の、車両と後方確認ミラーとの間に2つの電動機の動作用の電気ケーブルを通すための中空経路を示す。
【
図10】第1の電動機、支持フレーム、アクチュエータを含む第2の電動機、及びケーシングに取り付けられたケーシング支持体を備えた、ケーシングの3つの軸上の回転機構を特に示す不等角斜視図を示す。
【
図11】ケーシングの3つの軸上の回転機構の分解不等角斜視図を示す。
【
図12】ケーシング支持体がミラーに取り付けられ、ミラーがケーシングに取付け固定された、代替的な後方確認ミラーの
図1の線III-IIIに従った断面図を示す。
【
図13】ケーシング内で半透鏡の一部に取り付けられたカメラも示す、代替的な後方確認ミラーの
図3の線IX-IXに従った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記の図を参照すると、車両に取付け固定されるよう構成された支持アーム20と、当該支持アーム20に回転可能に取り付けられたケーシング30と、当該ケーシング30に取付け固定されたミラー40とを備えた、上記車両用の後方確認装置10が示されている。
【0012】
後方確認装置10は、上記支持アーム20に取付け固定された第1の電動機50を備える。当該第1の電動機50は、上記支持アーム20に対して第1の幾何学的軸R周りに回転するよう構成されたスピンドル51を含む。
【0013】
後方確認装置10は、上記スピンドル51に取付け固定された支持フレーム60を備える。当該支持フレームは、上記第1の幾何学的軸R周りに回転して、少なくとも第1の角度位置から特に
図6~
図8に示すような少なくとも第2の角度位置に切り換わる。
【0014】
後方確認ミラー10は、上記支持フレーム60に取り付けられたアクチュエータ70を備える。アクチュエータ70は、第1の電動機50と電気的に接続されるか、又は図示しない第2の電動機と電気的に接続される。
【0015】
上記アクチュエータ70は、上記ケーシング30に部分的に取付け固定され、上記アクチュエータ70は、第2の幾何学的軸S及び第3の幾何学的軸T周りに回転するよう構成され、上記第2の幾何学的軸Sは、上記第3の幾何学的軸Tと垂直である。
【0016】
アクチュエータ70は、支持フレーム60と共に移動する。
【0017】
上記ケーシング30は、上記第1の幾何学的軸R、上記第2の幾何学的軸S、及び上記第3の幾何学的軸T周りに回転して、特に
図3~
図8に示すように上記支持アーム20に対する複数の角度位置から切り換わる。
【0018】
ケーシング30は、第1の電動機50及びアクチュエータ70を含む回転機構を収容し保護する。
【0019】
上記アクチュエータ70は、上記ケーシング30の支持体37に取付け固定され、当該支持体37は、上記ケーシング30に取付け固定される。
【0020】
ケーシング30の支持体37は、ケーシング30内の車両の進行方向前方に取り付けられる。
【0021】
上記支持フレーム60は、支持体61を含む。上記アクチュエータ70は、上記第2の幾何学的軸S周り及び上記第3の幾何学的軸T周りの両方で回転するように上記支持フレーム60の上記支持体61に回転可能に取り付けられる。
【0022】
特に
図11に示すように、上記アクチュエータ70用の上記支持体61は、半球部分62及びベース部分63を含む。上記半球部分62は、上記アクチュエータ70とケーシング30の上記支持体37とを確実に係合させるよう構成された貫通開口を少なくとも含む。上記ベース部分63は、上記支持フレーム60の本体65に取付け固定されるよう構成された平面壁を含み、本体65は、相互に取付け固定可能であるように支持体61の上記ベース部分63と相補的な形状68を有する要素を含む部分を含む。
【0023】
ベース部分63及び支持フレーム60の本体65の相補的な部分68は、ミラー40に対して逆方向の車両の前進方向側にある。
【0024】
支持フレーム60の本体65は、第1の電動機50の上記スピンドル51を入れることができる少なくとも1つの貫通開口64を含む。貫通開口64は、上記スピンドル51の少なくとも1つの係合要素56それぞれと相補的な形状を有する少なくとも1つの係合要素66を含むので、スピンドル51及び支持フレーム60は支持アーム20に対して一体的に回転する。
【0025】
支持フレーム60の本体65は、上記第1の電動機50を収容するハウジング67を含む。
【0026】
上記支持フレーム60の上記支持体61は、違反行為又は衝撃からの保護を増すように上記ミラー40に対して逆方向に、すなわち車両の運動方向に取り付けられることが有利である。
【0027】
特に
図3~
図6及び
図9に示すように、上記支持アーム20は、ベース支持体26を含む。上記第1の電動機50は、上記ベース支持体26の上方に取付け固定される。上記第1の幾何学的軸Rは、ベース支持体26に対して垂直である。
【0028】
上記支持アーム20は、上記ケーシング30の組立体に適合したベース25と、上記ベース25に取付け固定された下部及び上記ベース支持体26を形成する上部を含むロッド27とを含む。ベース支持体26は、上記第1の電動機50と係合固定を可能にするために平坦である。
【0029】
好ましくは、
図3~
図5に示すように、上記第3の幾何学的軸Tは上記第1の幾何学的軸Rと平行である。
【0030】
代替として、上記第3の幾何学的軸Tが地面に対して垂直であり、第1の幾何学的軸Rが
図9に示すようにベース支持体26に対して垂直である可能性がある。
【0031】
上記ケーシング30は、貫通開口32を含む下部を含み、貫通開口32は、ロッド27を入れることができ、且つ上記3つの幾何学的軸R、S、T上のケーシング30の回転中にロッド27の妨げとならないのに十分な幅を有する。
【0032】
特に
図1、
図3~
図5、及び
図9に示すように、支持アーム20は、車両に電気的に接続された電気ケーブルの挿入を可能にする、支持アーム20の本体に開いた空洞21を含む。支持ベース25は、電気ケーブルを通すために支持アーム20の空洞21と連通する貫通開口を含む。電気ケーブルは、上記第1の電動機50及びアクチュエータ70に電気的に接続される。
【0033】
有利な点として、本発明の後方確認装置10は、より小型で安全で堅固であり、よりよく保護されており、壊れにくく、自動車両の運転者に視野の全景が見えるようにし、車両のエアロダイナミクスを向上させる、したがって車両の燃料消費量を減らし且つ/又は性能を向上させて、従来技術の欠点を解決する、支持アーム20及びケーシング30の形状の選択を可能にする。
【0034】
有利な点として、ミラー40がケーシング30に固定され、3つの軸R、S、T上のケーシング30の回転機構50、70がより小さいので、ケーシング30を小型化することができる。
【0035】
有利な点として、回転機構50、70の全体がケーシング30内にあり、唯一の貫通開口32が支持アーム20のロッド27を通すために下方に向いている。
【0036】
有利な点として、回転機構50、70の全体がケーシング30内にあり、ねじ回し及び/又はレバーでケーシング30を取り外すタンパリングを防止する。
【0037】
有利な点として、ミラー40は、ケーシング30と係合しており回転機構50、70とは直接係合していないことで、より堅固で安全且つ耐久性のある後方確認装置10を得ることを可能にする。
【0038】
代替として、
図12及び
図13に示すようにアクチュエータ70がミラー40の方向に取り付けられるようにすることが可能である。この代替形態では、支持フレーム60の支持体61は、上記アクチュエータ70を取り付けるための取付け用空洞を含む。この代替形態では、特に
図12に示すように第3の回転軸Tは第1の回転軸Rに対して回転する。
【0039】
代替として、ミラー40が少なくとも半透部45を含み、特に
図13に示すようにケーシング30がケーシング30内に取り付けられたカメラ90を含むようになっている。ミラー40の半透部45は、ミラー40の内側からミラー40の外側を見ることを可能にする。カメラ90は、
図1の後方確認装置10に取り付けることもできる。有利な点として、最新技術のようにミラー40ではなくケーシング30が3つの回転軸R、S、T上で回転するものであることにより、カメラ90はケーシング30に取付け固定される。
【0040】
こうして想到した発明は、全て同じ発明概念に入る多くの変更及び変形が可能である。さらに、全内容を等価な技術要素に置き換えることができる。実際には、使用する材料及びその寸法は、技術要件に従っていかなるタイプのものであってもよい。
【国際調査報告】