(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(54)【発明の名称】双方向DC/DCコンバータ及びエネルギ貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
H02M3/155 P
H02M3/155 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564219
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2021110804
(87)【国際公開番号】W WO2021254533
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202110146268.6
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518141882
【氏名又は名称】深▲せん▼市正浩創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EcoFlow Inc.
【住所又は居所原語表記】Plant A202,Founder Technology Industrial Park,Shiyan Sub-district,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王 雷
(72)【発明者】
【氏名】陳 熙
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA20
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730AS17
5H730BB13
5H730BB14
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE13
5H730FD51
5H730FG05
5H730XX04
5H730XX12
5H730XX35
(57)【要約】
第1ハーフブリッジ回路と、第2ハーフブリッジ回路と、インダクタンス回路と、インダクタンス電流検出回路と、制御回路とを含む双方向DC/DCコンバータ。制御回路は、動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、目的スイッチ回路及び還流スイッチ回路を確定し、この制御回路は、さらに、目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、目的スイッチ回路がオンであるときに還流スイッチ回路をオフにし、目的スイッチ回路がオフであるときに還流スイッチ回路をオンにし、インダクタンス回路を流れる電流値が所定閾値以下であるときに還流スイッチ回路をオフにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハーフブリッジ回路と、第2ハーフブリッジ回路と、インダクタンス回路と、インダクタンス電流検出回路と、制御回路と、を含む双方向DC/DCコンバータであって、
前記第1ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、直流バスに接続するための第1電源ポートに接続するためのものであり、
前記第2ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、エネルギ貯蔵装置に接続するための第2電源ポートに接続するためのものであり、
前記インダクタンス回路は、一端が前記第1ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、他端が前記第2ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、前記第1ハーフブリッジ回路及び前記第2ハーフブリッジ回路は、前記インダクタンス回路によりHブリッジ回路を形成し、
前記インダクタンス電流検出回路は、前記インダクタンス回路を流れる電流値を採取し、
前記制御回路は、4つの前記スイッチ回路及び前記インダクタンス電流検出回路にそれぞれ接続され、前記双方向DC/DCコンバータの動作モードを確定し、前記動作モードに基づいて1つの前記ハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記制御回路は、さらに前記目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、前記目的スイッチ回路がオンであるときに前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに前記目的スイッチ回路がオフであるときに前記還流スイッチ回路をオンにし、前記電流値が所定閾値以下であるときに、前記インダクタンス回路の貯蔵エネルギの放出が完了であることを確定し、前記還流スイッチ回路をオフにする、双方向DC/DCコンバータ。
【請求項2】
前記インダクタンス電流検出回路は、抵抗回路及びサンプリング回路を含み、
前記抵抗回路は、前記Hブリッジ回路に設けられ、前記サンプリング回路は、前記抵抗回路及び前記制御回路に接続され、前記制御回路は、前記サンプリング回路により前記抵抗回路を流れる電流値を取得して前記インダクタンス回路を流れる電流値を確定する、請求項1に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項3】
前記サンプリング回路は、第1差動回路及び第2差動回路を含み、
前記第1差動回路の正入力端子は、前記抵抗回路の第1端に接続され、前記第1差動回路の負入力端子は、前記抵抗回路の第2端に接続され、前記第1差動回路の信号出力端子は、前記制御回路に接続され、
前記第2差動回路の正入力端子は、前記抵抗回路の第2端に接続され、前記第2差動回路の負入力端子は、前記抵抗回路の第1端に接続され、前記第2差動回路の信号出力端子は、前記制御回路に接続され、
前記抵抗回路を流れる電流の方向が第1端から第2端への方向である場合、前記制御回路は、前記第1差動回路により前記インダクタンス回路を流れる電流値を確定し、
前記抵抗回路を流れる電流の方向が第2端から第1端への方向である場合、前記制御回路は、前記第2差動回路により前記インダクタンス回路を流れる電流値を確定し、請求項2に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項4】
前記制御回路は、前記双方向DC/DCコンバータの動作モードを確定するものであり、具体的には、
動作指令を取得し、前記動作指令及び前記第1電源ポートの電圧値と前記第2電源ポートの電圧値との大きさの関係に基づいて前記動作モードを確定し、
前記動作モードは、昇圧充電、昇圧放電、降圧充電及び降圧放電を含む、請求項1に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項5】
前記第1ハーフブリッジ回路は、直列接続される第1スイッチ回路と第2スイッチ回路を含み、
前記第2ハーフブリッジ回路は、直列接続される第3スイッチ回路と第4スイッチ回路を含み、
前記第1スイッチ回路は、前記第1ハーフブリッジ回路の上アームであり、
前記第3スイッチ回路は、前記第2ハーフブリッジ回路の上アームであり、
前記第2スイッチ回路は、前記第1ハーフブリッジ回路の下アームであり、
前記第4スイッチ回路は、前記第2ハーフブリッジ回路の下アームであり、
前記制御回路は、前記動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、具体的には、
前記動作モードが降圧充電である場合、前記第1ハーフブリッジ回路を前記目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記第1スイッチ回路を前記目的スイッチ回路、前記第2スイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記動作モードが昇圧充電である場合、前記第2ハーフブリッジ回路を前記目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記第4スイッチ回路を前記目的スイッチ回路、前記第3スイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記動作モードが昇圧放電である場合、前記第1ハーフブリッジ回路を前記目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記第2スイッチ回路を前記目的スイッチ回路、前記第1スイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記動作モードが降圧放電である場合、前記第2ハーフブリッジ回路を前記目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記第3スイッチ回路を前記目的スイッチ回路、前記第4スイッチ回路を還流スイッチ回路として確定する、請求項4に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項6】
前記第1ハーフブリッジ回路は、前記第1スイッチ回路に並列接続される第1バイパススイッチ回路をさらに含み、
前記第2ハーフブリッジ回路は、前記第3スイッチ回路に並列接続される第2バイパススイッチ回路をさらに含み、
前記第1バイパススイッチ回路の内部抵抗値が前記第1スイッチ回路の内部抵抗値よりも低く、
前記第2バイパススイッチ回路の内部抵抗値が前記第3スイッチ回路の内部抵抗値よりも低く、
前記制御回路は、さらに、前記第1ハーフブリッジ回路が前記目的ハーフブリッジ回路である場合、前記第1バイパススイッチ回路をオフにし、前記第2バイパススイッチ回路をオンにし、前記第2ハーフブリッジ回路が前記目的ハーフブリッジ回路である場合、前記第1バイパススイッチ回路をオンにし、前記第2バイパススイッチをオフにする、請求項5に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項7】
前記第1バイパススイッチ回路及び前記第2バイパススイッチ回路は、いずれも継電器を含む、請求項6に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項8】
前記制御回路は、さらに、スイッチ制御量に基づいて前記目的スイッチ回路のデューティ比を確定し、
前記スイッチ制御量は、電流偏差制御量を含み、
前記電流偏差制御量は、前記動作モードでの電流設定値と前記電流値との差である、請求項1に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項9】
前記制御回路は、さらに、補償電流値に基づいて前記電流偏差制御量を補正し、
前記補償電流値は、前記電流設定値と前記第2電源ポートを流れる電流平均値との差である、請求項8に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項10】
前記スイッチ回路は、1つのスイッチ又は並列接続される複数のスイッチを含み、
前記制御回路は、さらに充電電力又は放電電力に基づいてオンにするスイッチの数を確定する、請求項1に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項11】
前記スイッチは、MOSトランジスタである請求項10に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項12】
前記制御回路は、PWM制御信号により前記目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御する、請求項10に記載の双方向DC/DCコンバータ。
【請求項13】
第1ハーフブリッジ回路と、第2ハーフブリッジ回路と、インダクタンス回路と、インダクタンス電流検出回路と、制御回路とを含む双方向DC/DCコンバータであって、
前記第1ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、直流バスに接続するための第1電源ポートに接続するためのものであり、
前記第2ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、エネルギ貯蔵装置に接続するための第2電源ポートに接続するためのものであり、各前記スイッチ回路はそれぞれ1つのスイッチ又は並列接続される複数のスイッチからなり、
前記インダクタンス回路は、一端が前記第1ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、他端が前記第2ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、前記第1ハーフブリッジ回路及び前記第2ハーフブリッジ回路は、前記インダクタンス回路によりHブリッジ回路を形成し、
前記インダクタンス電流検出回路は、前記インダクタンス回路を流れる電流値を採取するものであり、
前記制御回路は、4つの前記スイッチ回路及び前記インダクタンス電流検出回路にそれぞれ接続され、前記双方向DC/DCコンバータの動作モードを確定し、前記動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、前記目的スイッチ回路がオンであるときに前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路がオフであるときに前記還流スイッチ回路をオンにし、前記電流値が所定閾値以下であるときに前記インダクタンス回路の貯蔵エネルギの放出が完了したと確定し、前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに、スイッチ制御量に基づいて前記目的スイッチ回路のデューティ比を確定し、前記スイッチ制御量は、電流偏差制御量を含み、前記スイッチ制御量は、前記電流偏差制御量の変化によって変化し、前記電流偏差制御量は、前記動作モードでの電流設定値と前記電流値との差であり、
前記制御回路は、さらに、補償電流値に基づいて前記電流偏差制御量を補正し、制御精度を向上させ、
前記補償電流値は、前記電流設定値と前記第2電源ポートを流れる電流平均値との差である、双方向DC/DCコンバータ。
【請求項14】
双方向DC/DCコンバータ及びエネルギ貯蔵装置を含むエネルギ貯蔵システムであって、
前記エネルギ貯蔵装置は、前記双方向DC/DCコンバータの第2電源ポートに接続され、
前記双方向DC/DCコンバータは、第1ハーフブリッジ回路と、第2ハーフブリッジ回路と、インダクタンス回路と、インダクタンス電流検出回路と、制御回路とを含み、
前記第1ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、直流バスに接続するための第1電源ポートに接続するためのものであり、
前記第2ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、エネルギ貯蔵装置に接続するための第2電源ポートに接続するためのものであり、
前記インダクタンス回路は、一端が前記第1ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、他端が前記第2ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、前記第1ハーフブリッジ回路及び前記第2ハーフブリッジ回路は、前記インダクタンス回路によりHブリッジ回路を形成し、
前記インダクタンス電流検出回路は、前記インダクタンス回路を流れる電流値を採取するものであり、
前記制御回路は、4つの前記スイッチ回路及び前記インダクタンス電流検出回路にそれぞれ接続され、前記双方向DC/DCコンバータの動作モードを確定し、前記動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、前記目的スイッチ回路がオンであるときに前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路がオフであるときに前記還流スイッチ回路をオンにし、前記電流値が所定閾値以下であるときに前記インダクタンス回路の貯蔵エネルギの放出が完了したと確定し、前記還流スイッチ回路をオフにする、エネルギ貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年02月03日に提出された中国特許出願第2021101462686(発明の名称:双方向DC/DCコンバータ及びエネルギ貯蔵システム)の優先権を主張し、そのすべての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電圧変換技術分野に属し、特に双方向DC/DCコンバータ及びエネルギ貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ここでの記述は、本出願に関連する背景情報のみを提供するものであり、必ずしも例示的な技術を構成するものではない。
【0004】
DC/DCコンバータは、電圧変換を実現できるため、リチウム電池の充放電に適用できる。具体的には、リチウム電池を充放電する際に、DC/DCコンバータの内部にbuck回路又はboost回路が形成されることにより電圧変換を実現する。しかし、従来技術において、DC/DCコンバータが動作するときの信頼性が低いという問題があった。
【発明の概要】
【0005】
本発明の各実施例によれば、双方向DC/DCコンバータ及びエネルギ貯蔵システムが提供される。
【0006】
第1態様では、本発明の実施例によれば、第1ハーフブリッジ回路と、第2ハーフブリッジ回路と、インダクタンス回路と、前記インダクタンス電流検出回路と、制御回路と、を含む双方向DC/DCコンバータであって、
前記第1ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、直流バスに接続するための第1電源ポートに接続するためのものであり、
前記第2ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、エネルギ貯蔵装置に接続するための第2電源ポートに接続するためのものであり、
前記インダクタンス回路は、一端が前記第1ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、他端が前記第2ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、前記第1ハーフブリッジ回路及び前記第2ハーフブリッジ回路は、前記インダクタンス回路によりHブリッジ回路を形成し、
前記インダクタンス電流検出回路は、前記インダクタンス回路を流れる電流値を採取し、
前記制御回路は、4つの前記スイッチ回路及び前記インダクタンス電流検出回路にそれぞれ接続され、前記双方向DC/DCコンバータの動作モードを確定し、前記動作モードに基づいて1つの前記ハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記制御回路は、さらに前記目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、前記目的スイッチ回路がオンであるときに前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに前記目的スイッチ回路がオフであるときに前記還流スイッチ回路をオンにし、前記電流値が所定閾値以下であるときに、前記インダクタンス回路の貯蔵エネルギの放出が完了であることを確定し、前記還流スイッチ回路をオフにする、双方向DC/DCコンバータが提供される。
【0007】
第2態様では、本発明の実施例によれば、第1ハーフブリッジ回路と、第2ハーフブリッジ回路と、インダクタンス回路と、インダクタンス電流検出回路と、制御回路とを含む双方向DC/DCコンバータであって、
前記第1ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、直流バスに接続するための第1電源ポートに接続するためのものであり、
前記第2ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、エネルギ貯蔵装置に接続するための第2電源ポートに接続するためのものであり、各前記スイッチ回路はそれぞれ1つのスイッチ又は並列接続される複数のスイッチからなり、
前記インダクタンス回路は、一端が前記第1ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、他端が前記第2ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、前記第1ハーフブリッジ回路及び前記第2ハーフブリッジ回路は、前記インダクタンス回路によりHブリッジ回路を形成し、
前記インダクタンス電流検出回路は、前記インダクタンス回路を流れる電流値を採取するものであり、
前記制御回路は、4つの前記スイッチ回路及び前記インダクタンス電流検出回路にそれぞれ接続され、前記双方向DC/DCコンバータの動作モードを確定し、前記動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、前記目的スイッチ回路がオンであるときに前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路がオフであるときに前記還流スイッチ回路をオンにし、前記電流値が所定閾値以下であるときに前記インダクタンス回路の貯蔵エネルギの放出が完了したと確定し、前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに、スイッチ制御量に基づいて前記目的スイッチ回路のデューティ比を確定し、前記スイッチ制御量は、電流偏差制御量を含み、前記スイッチ制御量は、前記電流偏差制御量の変化によって変化し、前記電流偏差制御量は、前記動作モードでの電流設定値と前記電流値との差であり、
前記制御回路は、さらに、補償電流値に基づいて前記電流偏差制御量を補正し、制御精度を向上させ、
前記補償電流値は、前記電流設定値と前記第2電源ポートを流れる電流平均値との差である、双方向DC/DCコンバータが提供される。
【0008】
第3態様では、本発明の実施例によれば、双方向DC/DCコンバータ及びエネルギ貯蔵装置を含むエネルギ貯蔵システムであって、
前記エネルギ貯蔵装置は、前記双方向DC/DCコンバータの第2電源ポートに接続され、
前記双方向DC/DCコンバータは、第1ハーフブリッジ回路と、第2ハーフブリッジ回路と、インダクタンス回路と、インダクタンス電流検出回路と、制御回路とを含み、
前記第1ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、直流バスに接続するための第1電源ポートに接続するためのものであり、
前記第2ハーフブリッジ回路は、直列接続される2つのスイッチ回路を含み、エネルギ貯蔵装置に接続するための第2電源ポートに接続するためのものであり、
前記インダクタンス回路は、一端が前記第1ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、他端が前記第2ハーフブリッジ回路における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、前記第1ハーフブリッジ回路及び前記第2ハーフブリッジ回路は、前記インダクタンス回路によりHブリッジ回路を形成し、
前記インダクタンス電流検出回路は、前記インダクタンス回路を流れる電流値を採取するものであり、
前記制御回路は、4つの前記スイッチ回路及び前記インダクタンス電流検出回路にそれぞれ接続され、前記双方向DC/DCコンバータの動作モードを確定し、前記動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、前記目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定し、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、前記目的スイッチ回路がオンであるときに前記還流スイッチ回路をオフにし、
前記制御回路は、さらに、前記目的スイッチ回路がオフであるときに前記還流スイッチ回路をオンにし、前記電流値が所定閾値以下であるときに前記インダクタンス回路の貯蔵エネルギの放出が完了したと確定し、前記還流スイッチ回路をオフにする、エネルギ貯蔵システムが提供される。
【0009】
本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細は、以下の図面及び説明で提示される。本明細書、図面及び特許請求の範囲から、本発明の他の特徴、目的及び利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明する。明らかなように、以下に示される図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者が創造的な労働なしにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】従来技術におけるDC/DCコンバータの回路構造の模式図である。
【
図2】従来技術におけるDC/DCコンバータの別の回路構造の模式図である。
【
図3】一実施例におけるエネルギ貯蔵システムの回路構造の模式図である。
【
図4】一実施例におけるエネルギ貯蔵システムがリチウム電池の充放電に使用される場合の例示的な回路構造の模式図である。
【
図5】一実施例における双方向DC/DCコンバータの回路構造の模式図である。
【
図6】一実施例においてインダクタンス回路を流れる電流値に基づいて還流スイッチ回路をオフにする制御タイミングチャートである。
【
図7】一実施例におけるインダクタンス電流検出回路の回路構造の模式図である。
【
図8】一実施例におけるサンプリング回路の回路構造の模式図である。
【
図9】一実施例における制御回路が動作モードを確定するフローチャートである。
【
図10A】一実施例における双方向DC/DCコンバータの動作モードが降圧充電である場合に形成された回路構造の模式図である。
【
図10B】
図10Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第1スイッチ回路がオンであり且つ第2スイッチ回路がオフであるときの回路構造の模式図である。
【
図10C】
図10Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第1スイッチ回路がオフであり且つ第2スイッチ回路がオンであるときの回路構造の模式図である。
【
図10D】双方向DC/DCコンバータの動作モードが降圧充電である場合の例示的な回路構造の模式図である。
【
図11A】一実施例における双方向DC/DCコンバータの動作モードが昇圧充電である場合に形成された回路構造の模式図である。
【
図11B】
図11Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第4スイッチ回路がオンであり且つ第3スイッチ回路がオフであるときの回路構造の模式図である。
【
図11C】
図11Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第4スイッチ回路がオフであり且つ第3スイッチ回路がオンであるときの回路構造の模式図である。
【
図11D】双方向DC/DCコンバータの動作モードが昇圧充電である場合の例示的な回路構造の模式図である。
【
図12A】一実施例における双方向DC/DCコンバータの動作モードが昇圧放電である場合に形成された回路構造の模式図である。
【
図12B】
図12Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第2スイッチ回路がオンであり且つ第1スイッチ回路がオフであるときの回路構造の模式図である。
【
図12C】
図12Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第2スイッチ回路がオフであり且つ第1スイッチ回路がオンであるときの回路構造の模式図である。
【
図12D】双方向DC/DCコンバータの動作モードが昇圧放電である場合の例示的な回路構造の模式図である。
【
図13A】一実施例における双方向DC/DCコンバータの動作モードが降圧放電である場合に形成された回路構造の模式図である。
【
図13B】
図13Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第3スイッチ回路がオンであり且つ第4スイッチ回路がオフであるときの回路構造の模式図である。
【
図13C】
図13Aに示される双方向DC/DCコンバータの、第3スイッチ回路がオフであり且つ第4スイッチ回路がオンであるときの回路構造の模式図である。
【
図13D】双方向DC/DCコンバータの動作モードが降圧放電である場合の例示的な回路構造の模式図である。
【
図14】一実施例で用いる閉ループの模式図である。
【
図15】一実施例で用いる別の閉ループ模式図である。
【
図16】一実施例におけるバイパススイッチ回路の回路構造の模式図である。
【
図17】一実施例における双方向DC/DCコンバータの具体的な回路構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術的解決策を明確で完全に説明する。明らかに、以下に記載の実施例は、すべての実施例ではなく、本出願の実施例の一部にすぎない。本発明の実施例に基づいて当業者が創造的な労働をせずに獲得したすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0012】
また、本明細書、特許請求の範囲、又は上記図面中の用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等(存在する場合)は、類似の対象を区別するために使用されるものであり、必ず特定の順序又は優先順位を記述するものではなく、それらの相対的重要性を示す又は暗示するものとして理解されるべきではない。
【0013】
さらに、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「及び/又は」は、関連するリストされたアイテムのうちの1つ又は複数の任意の組み合わせ及び可能なすべての組み合わせを指し、これらの組み合わせを含むことが理解されるべきである。
【0014】
DC/DCコンバータがリチウム電池の充放電に使用される際に、その内部にはbuck回路又はboost回路が形成されることで直流から直流への電圧変換を実現することができる。
【0015】
図1に示すように、DC/DCコンバータ内部には、buck回路を形成することができ、即ち、メインスイッチS1、還流ダイオードS2及びインダクタンスLからなる。このようにして、DC/DCコンバータは、リチウム電池の降圧充電が可能となるように、直流電源が出力した電圧をリチウム電池が耐えられる充電電圧に低減させることができる。或いは、
図2に示すように、DC/DCコンバータ内部には、boost回路を形成することができる。このようにして、DC/DCコンバータは、リチウム電池の昇圧充電が可能となるように、直流電源が出力した電圧をリチウム電池に適した充電電圧に増大させることができる。
図1及び
図2においてメインスイッチS1及び還流ダイオードS2としてMOSトランジスタが使用されている。当業者に知られるように、MOSトランジスタは寄生ダイオード(ボディダイオードと呼ばれてもよい)を有するため、本発明の図面にはMOSトランジスタの寄生ダイオードが示されていない。
【0016】
本発明者は、DC/DCコンバータが動作する際に安定性が低いことで、DC/DCコンバータの信頼性が低いという問題を発見した。具体的には、従来技術におけるDC/DCコンバータでは、スイッチが還流ダイオードとして使用され(即ち、スイッチがサブトランジスタとして使用される)、メイントランジスタ及びサブトランジスタは、通常厳格な相補的な導通の制御戦略を採用する。つまり、メイントランジスタがオンであるときにサブトランジスタがオフであり、メイントランジスタがオフであるときにサブトランジスタがオンである。これにより、インダクタンス電流が断続的である場合、サブトランジスタは、還流完了後にもオン状態にある可能性がある。そうすると、電流が逆方向に流れるなどの問題が引き起こされ、DC/DCコンバータが電圧を正常に変換できないおそれがあることで、DC/DCコンバータの安定性が低くなる。例えば、
図1及び
図2に示されるDC/DCコンバータでは、スイッチS2が還流ダイオード(即ち、スイッチS2がサブトランジスタ)として使用されるため、インダクタンスLの電流が断続的である場合、スイッチS2は還流完了後にもオン状態にある可能性がある。この場合、電池はスイッチS2及びインダクタンスLを介して放電することでインダクタンスLを流れる電流は逆方向になり、深刻なものはポジティブフィードバックが発生し、制御が失敗し、ひいては過電流保護が起動され、又は電力部品が損傷する可能性がある。これによって、DC/DCコンバータは正常に電圧を変換することができず、コンバータの安定性が低くなる。
【0017】
そのため、本発明の実施例によれば、エネルギ貯蔵システムが提供される。
図3に示すように、このエネルギ貯蔵システムは、双方向DC/DCコンバータ10及びエネルギ貯蔵装置20を含む。具体的には、双方向DC/DCコンバータ10は、直流バスに接続するための第1電源ポート110及びエネルギ貯蔵装置20に接続するための第2電源ポート120を有する。直流バスは、直流負荷又は直流電源に直接接続されてもよく、AC/DC変換回路を介して交流負荷又は交流電源に接続されてもよい。説明の便宜上、本実施例では、直流バスに接続される設備を外部設備30と呼ぶ。エネルギ貯蔵装置20は、電気エネルギを貯蔵する能力を有する装置であり、例えば、リチウム電池などであってもよい。例示的には、本発明の実施例に記載のエネルギ貯蔵システムは、リチウム電池の充放電試験に適用でき、リチウム電池の正常使用過程にも適用できる。
図4に示すように、エネルギ貯蔵装置20はリチウム電池であってもよい。第1電源ポート110に接続される直流バスはAC/DC変換装置を介して商用電源に接続される。商用電源は、交流電源としてエネルギ貯蔵装置に充電する。また、双方向DC/DCコンバータが双方向変換回路であるため、エネルギ貯蔵装置が出力した直流電流は双方向DC/DCコンバータを通過した後、AC/DC変換装置によって交流電流に変換されてから電力系統に入ってもよい。
【0018】
本発明の実施例に係る双方向DC/DCコンバータ10は、
図5に示すように、第1ハーフブリッジ回路130、第2ハーフブリッジ回路140、インダクタンス回路150、インダクタンス電流検出回路160及び制御回路170を含む。
【0019】
第1ハーフブリッジ回路130及び第2ハーフブリッジ回路140は、いずれも直列接続した2つのスイッチ回路を含み、第1ハーフブリッジ回路130は第1電源ポート110に接続され、第2ハーフブリッジ回路140は第2電源ポート120に接続される。インダクタンス回路150はインダクタンスを含み、その一端は第1ハーフブリッジ回路130における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続され、他端は第2ハーフブリッジ回路140における2つのスイッチ回路の接続箇所に接続される。理解され得るように、第1ハーフブリッジ回路130及び第2ハーフブリッジ回路140は、インダクタンス回路150を介してHブリッジ回路を形成する。インダクタンス電流検出回路160はこのHブリッジ回路に設けられ、インダクタンス回路150を流れる電流値を採取する。
【0020】
制御回路170は、マイクロ制御ユニット(Microcontroller Unit,MCU)、デジタル信号処理(Digital Signal Processor,DSP)制御システムなどを含み、それぞれ4つのスイッチ回路に接続される(図に接続関係が示されていない)。具体的には、それぞれが各スイッチ回路の制御端子に接続することができる。制御回路170は、インダクタンス電流検出回路160にも接続される。
【0021】
制御回路170は、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードを確定し、動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路として確定し、目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路、もう1つのスイッチ回路を還流スイッチ回路として確定することができる。具体的には、制御回路170は具体的な動作モードに基づいて2つのハーフブリッジ回路から目的ハーフブリッジ回路を確定すると同時に、目的スイッチ回路及び還流スイッチ回路を確定することができる。これによって、双方向DC/DCコンバータ10は、目的ハーフブリッジ回路及びインダクタンス回路150を介して昇圧回路又は降圧回路を形成し、例えば、boost回路又はbuck回路を形成することができる。
【0022】
さらに、制御回路170は、目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御するとともに、目的スイッチ回路がオンであるときに還流スイッチ回路をオフにし、目的スイッチ回路がオフであるときに還流スイッチ回路をオンにし、インダクタンス回路150を流れる電流値が所定閾値以下である場合、還流スイッチ回路をオフにする。つまり、還流スイッチ回路がオンにされた後、インダクタンス回路150を流れる電流値と所定閾値との大きさの関係に応じて事前にこの還流スイッチ回路をオフにする必要があるかを判断する。所定閾値は、インダクタンス回路150に貯蔵されたエネルギの放出が完了したこと又は完了すると確定されたときの電流の閾値である。一実施形態において、この所定閾値を0Aに設定してもよく、他の実施形態において、この閾値を一定の範囲内に設定してもよく、電流がこの範囲内であれば、インダクタンス回路150における貯蔵エネルギの放出が完了したと判定することができる。したがって、実際に検出されたインダクタンス回路150を流れる電流値とインダクタンス回路150における貯蔵エネルギの放出が完了したときの閾値との比較により、インダクタンス回路150における貯蔵エネルギの放出が完了したか、即ち、回路にはまだ還流電流があるかを判断することができる。これによって、還流終了時に還流スイッチ回路をオフにすることができる。
【0023】
具体的には、インダクタンス回路150に還流スイッチ回路により還流が形成される場合、連続的な放電により、インダクタンス回路150に貯蔵された電気エネルギは徐々に放出されて少なくなり、還流回路全体における電流も徐々に減少される。インダクタンス回路150を流れる電流値が所定閾値よりも低くなったときに、制御回路170は、インダクタンス回路150に貯蔵された電気エネルギの放出が完了した又は完了すると確定することができる。これによって、制御回路170は、還流スイッチ回路をオフにすることができる。本実施例において、インダクタンス回路150が位置する回路における実際の電流検出に基づいて還流スイッチ回路をオフにする時点を確定できるため、インダクタンス回路150の還流終了後に還流スイッチ回路をタイムリーにオフにすることができる。従来のメインスイッチと還流スイッチは、厳格に相補的に導通し、つまり、一方がオンとなると、もう一方がオフとなり、還流スイッチは、メインスイッチが再度オンにされたときにのみオフにされる。その結果、還流スイッチのオン時間はインダクタンス回路の還流時間よりも長くなり、つまり、還流終了後にも還流スイッチがオン状態にある場合がある。この場合、還流回路における電源設備は、放電することで電流が逆方向に流動し、深刻なのはポジティブフィードバックが発生し、ひいては制御が失敗し、DC/DC過電流保護が発生したり、電力部品が損傷したりする恐れがある。これに対し、本実施例において、還流終了時に還流スイッチ回路をタイムリーにオフにすることができるため、上記問題の発生を効果的に回避できるとともに、スイッチ回路をインダクタンス回路150の還流回路として使用することにより、大きなエネルギ損失をもたらすことがない。
【0024】
図6を参照されたい。制御回路170は、図に示される「メインスイッチ駆動信号曲線図」に対応するPWM制御信号により目的スイッチ回路を制御することにより、目的スイッチ回路は周期的オン/オフを実現することができる。理解され得るように、目的スイッチ回路の各オン/オフ周期Tは同じであり、即ち、T1、T2、T3、T4、T5は同じであり、インダクタンス回路150を流れる各時点の電流値は、図における対応曲線に示され、所定閾値の具体的な数値も合理的に設定することができる。目的スイッチ回路がオンであるとき、制御回路170は、還流スイッチ回路(即ち、サブスイッチ)をオフにし、この場合、インダクタンス回路150を流れる電流値は段々大きくなる。例えば、T1及びT2オン/オフ周期内において、目的スイッチ回路がt
1時間帯内でオン状態にある場合、この時間帯で制御回路170は還流スイッチ回路をオフにする必要があり、インダクタンス回路150を流れる電流値は大きくなる。そして、目的スイッチ回路がオフにされた場合、制御回路170は還流スイッチ回路をオンにする必要があり、この場合、インダクタンス回路150は還流スイッチ回路により還流を形成し、還流の進行に伴い、インダクタンス回路150を流れる電流値は小さくなる。このようにして、インダクタンス回路150を流れる電流値が所定閾値よりも低くなったときに、制御回路170は、還流スイッチ回路をオフにすることができ、即ち、還流終了時に還流スイッチ回路をタイムリーにオフにすることができる。例えば、T1及びT2オン/オフ周期内において、インダクタンス回路150は、t
2時間帯内で還流を形成し、還流の進行に伴い、インダクタンス回路150を流れる電流値が所定閾値よりも低くなるため、制御回路170は事前に還流スイッチ回路をオフにすると、メインスイッチ回路及び還流スイッチ回路はt
3時間帯内でいずれもオフ状態にある。なお、T3、T4及びT5オン/オフ周期内において、目的スイッチ回路がオフであるときにインダクタンス回路150を流れる電流値が所定閾値よりも低くはないため、制御回路170は事前に還流スイッチ回路をオフにする必要がなく、つまり、本実施例では、「事前にオフにする」ことは、還流が終了し、且つメインスイッチがオフにされていない場合に実行され、還流が終了しておらず、且つメインスイッチが既にオンにされた場合に、還流スイッチを直接オフにすればよい。
【0025】
一実施例において、
図7に示すように、インダクタンス電流検出回路160は、抵抗回路161及びサンプリング回路162を含む。抵抗回路161は、高精度抵抗を含み、上記Hブリッジ回路に設けられる。サンプリング回路162は、抵抗回路161及び制御回路170に接続される。具体的には、双方向DC/DCコンバータ10が動作状態にある場合、抵抗回路161とインダクタンス回路150は直列接続関係にあるため、抵抗回路161を流れる電流はインダクタンス回路150を流れる電流と等しい。これによって、制御回路170は、サンプリング回路162によりインダクタンス回路150を流れる電流値を確定することができる。例えば、制御回路170は、サンプリング回路162により抵抗回路161の両端の電圧値を取得し、この電圧値及び抵抗回路161の抵抗値に基づいて抵抗回路161を流れる電流値を確定することができる。抵抗回路161とインダクタンス回路150が同一回路において直列接続されるため、インダクタンス回路150を流れる電流値を確定することができる。
【0026】
一実施形態において、
図8に示すように、サンプリング回路162は、第1差動回路1621及び第2差動回路1622を含む。第1差動回路1621の正入力端子は、抵抗回路161の第1端に接続され、負入力端子は、抵抗回路161の第2端に接続され、信号出力端子は、制御回路170に接続される。したがって、抵抗回路161を流れる電流の方向が第1端から第2端への方向である場合、制御回路170は、第1差動回路1621によりインダクタンス回路150を流れる電流値を確定することができる。例えば、第1差動回路1621は抵抗回路161の両端の電圧を採取し、対応する電気信号を生成するため、制御回路170は、第1差動回路1621が入力した電気信号に基づいて抵抗回路161の両端の電圧値を確定し、さらにインダクタンス回路150を流れる電流値を確定することができる。同様に、第2差動回路1622の正入力端子は、抵抗回路161の第2端に接続され、負入力端子は、抵抗回路161の第1端に接続され、信号出力端子は、制御回路170に接続される。したがって、抵抗回路161を流れる電流方向が第2端から第1端への方向である場合、制御回路170は、第2差動回路1622によりインダクタンス回路150を流れる電流値を確定することができる。
【0027】
一実施例において、制御回路170は、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードを確定し、具体的には、動作指令を取得し、動作指令及び第1電源ポート110の電圧値と第2電源ポート120的電圧値との大きさの関係に基づいて動作モードを確定する。双方向DC/DCコンバータ10の動作モードは、昇圧充電、昇圧放電、降圧充電及び降圧放電を含む。具体的には、動作指令は、充電指令、放電指令などを含んでもよい。この動作指令は、監視ホストコンピュータから通信により制御回路170に送信されてもよく、ユーザがコンバータ上の指令ボタンを直接操作することで送信されてもよい。例えば、監視ホストコンピュータは、ユーザの操作に基づいて制御回路170に具体的な動作指令を送信することができる。或いは、例えば、ユーザは、コンバータ上の放電スイッチボタン又は充電スイッチボタンを直接操作することで具体的な動作指令を送信することもできる。これによって、制御回路170は動作指令を受信し、第1電源ポート110の電圧値と第2電源ポート120の電圧値との大きさの関係に基づいて動作モードを確定することができる。例えば、
図9に示すように、動作指令が充電指令である場合において、第1電源ポート110の電圧値(図中、V1)が第2電源ポート120の電圧値(図中、V2)を超えた場合、動作モードが降圧充電であると確定され、そうではない場合、動作モードが昇圧充電であると確定される。同様に、動作指令が放電指令である場合において、第1電源ポート110の電圧値が第2電源ポート120の電圧値を超えた場合、動作モードが昇圧放電であると確定され、そうではない場合、動作モードが降圧放電であると確定される。
【0028】
一実施例において、
図5に示すように、第1ハーフブリッジ回路130は、直列接続される第1スイッチ回路と第2スイッチ回路を含み、第2ハーフブリッジ回路140は、直列接続される第3スイッチ回路と第4スイッチ回路を含む。第1スイッチ回路及び第3スイッチ回路は、それぞれ対応するハーフブリッジ回路の上アームとなり、第2スイッチ回路及び第4スイッチ回路は、それぞれ対応するハーフブリッジ回路の下アームとなる。具体的には、第1スイッチ回路は、第1ハーフブリッジ回路130の上アームとして第1電源ポート110の正極110Aに接続され、第3スイッチ回路は、第1ハーフブリッジ回路130の下アームとして第1電源ポート110の負極110Bに接続される。同様に、第3スイッチ回路は、第2ハーフブリッジ回路140の上アームとして第2電源ポート120の正極120Aに接続され、第4スイッチ回路は、第2ハーフブリッジ回路140の下アームとして第2電源ポート120の負極120Bに接続される。さらに、一実施形態において、各スイッチ回路はそれぞれ1つのスイッチ又は並列接続される複数のスイッチを含むことができる。例えば、1つのMOSトランジスタ又は並列接続される3つのMOSトランジスタを含む。また、スイッチは、ボディダイオードのスイッチなどを含んでもよい。図には、ボディダイオードが示されていない。
【0029】
本実施例において、制御回路170は、動作モードに基づいて目的ハーフブリッジ回路、目的スイッチ回路及び還流スイッチ回路を確定することができる。目的スイッチ回路は、メインスイッチとして理解され得る。還流スイッチ回路は、サブスイッチとして理解され得る。これによって、双方向DC/DCコンバータ10は、目的ハーフブリッジ回路及びインダクタンス回路150により昇圧回路又は降圧回路を形成することができる。以下、具体的に説明する。
【0030】
(1)動作モードが降圧充電である場合において、制御回路170は、第1ハーフブリッジ回路130が目的ハーフブリッジ回路であり、第1スイッチ回路が目的スイッチ回路であり、第2スイッチ回路が還流スイッチ回路であり、即ち、第1スイッチ回路がメインスイッチであり、第2スイッチ回路がサブスイッチであることを確定することができ、
図10Aに示すように、双方向DC/DCコンバータ10は、第1ハーフブリッジ回路130及びインダクタンス回路150によりbuck降圧回路を形成する。この場合、第2ハーフブリッジ回路140はオフ状態にあり、第1ハーフブリッジ回路130及びインダクタンス回路150に生成する電流は、第2ハーフブリッジ回路140におけるスイッチのボディダイオードを流れた後、エネルギ貯蔵装置20に出力される。したがって、回路をより明確に説明するために、
図10Aにはオフ状態にある第2ハーフブリッジ回路140が省略される。他の実施例において、インダクタンス回路150と第2電源ポート120の120Aとが接続されるように第3スイッチ回路をオン状態に保持してもよいが、これに限定されない。
【0031】
より具体的には、第1スイッチ回路がオンであり、第2スイッチ回路がオフであるとき、
図10Bに示すように、外部設備30は、第1スイッチ回路によりエネルギ貯蔵装置20に充電すると同時に、インダクタンス回路150に充電する。
図10Bには、オフ状態にある第2ハーフブリッジ回路140及びオフ状態にある第2スイッチ回路が省略される。回路の動作より明確に説明するために、以降の図面にもオフ状態にあるスイッチユニットが省略される。第1スイッチ回路がオフであり、第2スイッチ回路がオンであるとき、
図10Cに示すように、インダクタンス回路150に貯蔵された電気エネルギは第2スイッチ回路により還流を形成し、エネルギ貯蔵装置20に充電する。例示的には、
図10Dに示すように、第1スイッチ回路は、スイッチS1を含んでもよく、第2スイッチ回路は、スイッチS2を含んでもよく、インダクタンス回路150は、インダクタンスLを含んでもよく、スイッチS1及びスイッチS2はいずれも少なくとも1つのMOSトランジスタを含む。インダクタンス電流検出回路160における抵抗回路161は、抵抗Rを含んでもよい。この場合において、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが降圧充電である場合、スイッチS1はメインスイッチ、スイッチS2はサブスイッチである。これによって、メインスイッチS1がオンであり、サブスイッチS2がオフであるとき、電流が流れる方向は図における曲線1)に示され、メインスイッチS1がオフであり、サブスイッチS2がオンであるとき、電流が流れる方向は図における曲線2)に示される。
【0032】
(2)動作モードが昇圧充電である場合、制御回路170は、第2ハーフブリッジ回路140を目的ハーフブリッジ回路として確定し、第4スイッチ回路を目的スイッチ回路、第3スイッチ回路を還流スイッチ回路として確定することができ、即ち、第4スイッチ回路はメインスイッチ、第3スイッチ回路がサブスイッチである。
図11Aに示すように、双方向DC/DCコンバータ10は、第2ハーフブリッジ回路140及びインダクタンス回路150によりboost昇圧回路を形成する。この場合、第1ハーフブリッジ回路130はオフ状態にあり、インダクタンス回路における電流が第1スイッチ回路のスイッチのボディダイオードを流れた後、第1電源ポート110により出力される。他の実施例において、インダクタンス回路150が第1電源ポート110の110Aに接続されるように第1スイッチ回路をオン状態に保持してもよいが、これに限定されない。より具体的には、第4スイッチ回路がオンであり、第3スイッチ回路がオフであるとき、
図11Bに示すように、外部設備30は、第4スイッチ回路によりインダクタンス回路150に充電し、第4スイッチ回路がオフであり、第3スイッチ回路がオンであるとき、
図11Cに示すように、インダクタンス回路150に貯蔵された電気エネルギは、第3スイッチ回路により還流を形成し、外部設備30及びインダクタンス回路150は共にエネルギ貯蔵装置20に充電する。例示的には、
図11Dに示すように、第3スイッチ回路はスイッチS3を含んでもよく、第4スイッチ回路はスイッチS4を含んでもよく、インダクタンス回路150はインダクタンスLを含んでもよく、インダクタンス電流検出回路160における抵抗回路161は抵抗Rを含んでもよい。この場合において、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが昇圧充電である場合、スイッチS4はメインスイッチ、スイッチS3はサブスイッチである。これによって、メインスイッチS4がオンであり、サブスイッチS3がオフであるとき、電流が流れる方向は図における曲線1)に示され、メインスイッチS4がオフであり、サブスイッチS3がオフであるとき、電流が流れる方向は図における曲線2)に示される。
【0033】
(3)動作モードが昇圧放電である場合、制御回路170は、第1ハーフブリッジ回路130が目的ハーフブリッジ回路であり、第2スイッチ回路が目的スイッチ回路であり、第1スイッチ回路が還流スイッチ回路であり、即ち、第2スイッチ回路がメインスイッチであり、第1スイッチ回路がサブスイッチであり、
図12Aに示すように、双方向DC/DCコンバータ10は第1ハーフブリッジ回路130及びインダクタンス回路150によりboost昇圧回路を形成する。この場合、第2ハーフブリッジ回路140はオフ状態にあり、エネルギ貯蔵装置が出力した電流は第3スイッチ回路のスイッチのボディダイオードを流れた後、インダクタンス回路に出力される。他の実施例において、インダクタンス回路150が第2電源ポート120の120Aに接続されるように第3スイッチ回路をオン状態に保持してもよいが、これに限定されない。より具体的には、第2スイッチ回路がオンであり、第1スイッチ回路がオフであるとき、
図12Bに示すように、エネルギ貯蔵装置20は、第2スイッチ回路によりインダクタンス回路150に電力を提供し、第2スイッチ回路がオフであり、第1スイッチ回路がオンであるとき、
図12Cに示すように、インダクタンス回路150に貯蔵された電気エネルギは、第1スイッチ回路により還流を形成し、エネルギ貯蔵装置20及びインダクタンス回路150は共に外部設備30に電力を提供する。例示的には、
図12Dに示すように、第1スイッチ回路はスイッチS1を含んでもよく、第2スイッチ回路はスイッチS2を含んでもよく、インダクタンス回路150はインダクタンスLを含んでもよく、インダクタンス電流検出回路160における抵抗回路161は抵抗Rを含んでもよい。この場合において、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが昇圧放電である場合、スイッチS2はメインスイッチ、スイッチS1はサブスイッチである。これによって、メインスイッチS2がオンであり、サブスイッチS1がオフであるとき、電流が流れる方向は図における曲線1)に示され、メインスイッチS2がオフであり、サブスイッチS1がオフであるとき、電流が流れる方向は図における曲線2)に示される。
【0034】
(4)当動作モードが降圧放電である場合、制御回路170は、第2ハーフブリッジ回路140を目的ハーフブリッジ回路として確定し、第3スイッチ回路を目的スイッチ回路、第4スイッチ回路を還流スイッチ回路として確定することがき、即ち、第3スイッチ回路がメインスイッチであり、第4スイッチ回路がサブスイッチである。
図13Aに示すように、双方向DC/DCコンバータ10は、第2ハーフブリッジ回路130及びインダクタンス回路150によりbuck降圧回路を形成する。この場合、第1ハーフブリッジ回路130はオフ状態にあり、インダクタンス回路における電流は第1スイッチ回路のスイッチのボディダイオードを流れた後、第1電源ポート110によって出力される。他の実施例において、インダクタンス回路150が第1電源ポート110の110Aに接続されるように第1スイッチ回路をオン状態に保持してもよいが、これに限定されない。より具体的には、第3スイッチ回路がオンであり、第4スイッチ回路がオフであるとき、
図13Bに示すように、エネルギ貯蔵装置20は第3スイッチ回路により外部設備30に電力を提供すると同時に、インダクタンス回路150に電力を提供し、第3スイッチ回路がオフであり、第4スイッチ回路がオンであるとき、
図13Cに示すように、インダクタンス回路150に貯蔵された電気エネルギは第4スイッチ回路により還流を形成し、外部設備30に電力を提供する。例示的には、
図13Dに示すように、第3スイッチ回路はスイッチS3を含んでもよく、第4スイッチ回路はスイッチS4を含んでもよく、インダクタンス回路150はインダクタンスLを含んでもよく、インダクタンス電流検出回路160における抵抗回路161は抵抗Rを含んでもよい。この場合において、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが昇圧充電である場合、スイッチS4はメインスイッチ、スイッチS3はサブスイッチである。これによって、メインスイッチS4がオンであり、サブスイッチS3がオフであるとき、電流が流れる方向は図における曲線1)に示され、メインスイッチS4がオフであり、サブスイッチS3がオフであるとき、電流が流れる方向は図における曲線2)に示される。
【0035】
一実施例において、双方向DC/DCコンバータ10がエネルギ貯蔵装置20の充放電に適用される場合、エネルギ貯蔵装置20の充電電流又は放電電流の大きさを制御するために、制御回路170は、スイッチ制御量に基づいて目的スイッチ回路のデューティ比を確定するためにも使用される。スイッチ制御量は、電流偏差制御量を含む。電流偏差制御量は、動作モードでの電流設定値とインダクタンス回路150を流れる電流値との差値である。
【0036】
本実施例において、電流設定値は、ユーザ又はシステムが所望な充放電の電流値であり、即ち、ユーザ又はシステムが所望する、エネルギ貯蔵装置20が充電する際の充電電流値又は放電する際の放電電流値である。一実施形態において、この電流設定値は、ユーザが監視ホストコンピュータにより制御回路170に送信するものであってもよい。例えば、ユーザは、監視ホストコンピュータにより制御回路170に動作指令を送信する際にこの電流設定値を一緒に送信し、又は双方向DC/DCコンバータ10が動作中に、ユーザは調整などの目的でこの電流設定値を制御回路170に送信する。或いは、この電流設定値は、所定のパラメータであってもよい。例えば、双方向DC/DCコンバータ10に複数の参考値が記憶され、例えば、充電電流参考値、放電電流参考値などが記憶される。双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが昇圧又は降圧充電である場合、制御回路170は、充電電流参考値を上記電流設定値とすることができる。同様に、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが昇圧又は降圧放電である場合、制御回路170は、放電電流参考値を上記電流設定値とすることができる。一実施形態において、この電流設定値は、数値的には、マッピング関係表により確定することができる。例えば、このマッピング関係表には、複数の使用シナリオに対応する充放電電流参考値が記録され、具体的な使用シナリオに応じて、このマッピング関係表により対応する参考値を取得し、この参考値を上記電流設定値とすることができる。
【0037】
具体的には、制御回路170は、PWM制御信号により目的スイッチ回路の周期的オン/オフを駆動することができる。理解され得るように、エネルギ貯蔵装置20の充放電電流は、インダクタンス回路150により影響されるため、制御回路170は、電流閉ループによりエネルギ貯蔵装置20の充放電電流を制御することができる。より具体的には、
図14に示すように、制御回路170は、確定された電流設定値(図中、I
ref)とインダクタンス回路150を流れる電流値(図中、I
fed)との差に基づいて電流偏差制御量を確定することができる。スイッチ制御量に電流偏差制御量が含まれるため、電流偏差制御量が変化すると、スイッチ制御量も変化する。したがって、制御回路170は、スイッチ制御量に基づいて目的スイッチ回路のデューティ比を確定し、PWM制御信号のデューティ比を調整し、例えば、デューティ比を増大又は減少できる。これによって、インダクタンス回路150を離れる電流値を調整し、ひいてはエネルギ貯蔵装置20の充放電電流値を調整することができる。これによって、制御回路170は、双方向DC/DCコンバータ10の充電電流値又は放電電流値を効果的に制御することができる。
【0038】
一実施形態において、制御精度を向上させるために、制御回路170は、補償電流値に基づいて電流偏差制御量を補正することにも使用される。補償電流値は、電流設定値と第2電源ポート120を離れる電流平均値との差である。上記のように、メイン回路及び還流回路があるため、インダクタンス電流のピークと電池電流の平均値との間の対応関係は、変化可能である。即ち、異なる動作条件下で、対応関係は異なる。したがって、上記電流ピーク制御アルゴリズムのみにより、出力電流の精度を保証できない。したがって、一実施例において、インダクタンス電流により偏差を制御する際に、電池電流の平均値により補償し、電池電流(即ち、エネルギ貯蔵装置20の電流;充電電流又は放電電流であり得る)制御的精度を向上させる。具体的には、第2電源ポート120を流れる電流の平均値は、所定時間帯内で第2電源ポート120を流れる電流の平均値である。また、エネルギ貯蔵装置20が第2電源ポート120に接続されるため、第2電源ポート120を流れる電流の平均値は、エネルギ貯蔵装置20を流れる電流の平均値とみなされ得る。さらに、補償電流値が電流設定値と第2電源ポート120を流れる電流平均値との差値であるため、補償電流値は、所望な充放電電流値と実際の充放電電流値との差である。したがって、制御回路170は、補償電流値に基づいて電流偏差制御量を補正し、制御精度を向上させることができる。例えば、
図15に示すように、制御回路170は、電流設定値(図中、I
ref)と第2電源ポート120を流れる電流平均値(図中、I
ave)との差に基づいて補償電流値(図中、I
o_avg)を確定し、I
ref、I
fed及びI
o_avgに基づいて電流偏差制御量を確定することができ、これによって、制御精度が向上する。
【0039】
一実施例において、双方向DC/DCコンバータ10の消費電力をさらに低減させるために、
図16に示すように、第1ハーフブリッジ回路130は、第1スイッチ回路に並列接続される第1バイパススイッチ回路をさらに含み、第2ハーフブリッジ回路140は、第3スイッチ回路に並列接続される第2バイパススイッチ回路をさらに含む。第1バイパススイッチ回路の内部抵抗値は、第1スイッチ回路の内部抵抗値よりも低く、第2バイパススイッチ回路の内部抵抗値は、第3スイッチ回路の内部抵抗値よりも低い。したがって、第1バイパススイッチの導通損失は、第1スイッチ回路の導通損失よりも低い。同様に、第2バイパススイッチの導通損失は、第3スイッチ回路の導通損失よりも低い。
【0040】
本実施例において、制御回路170は、さらに第1ハーフブリッジ回路130が目的ハーフブリッジ回路である場合、第1バイパススイッチ回路をオフにし、第2バイパススイッチ回路をオンにし、第2ハーフブリッジ回路140が目的ハーフブリッジ回路である場合、第1バイパススイッチ回路をオンにし、第2バイパススイッチをオフにする。具体的には、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが降圧充電及び昇圧放電である場合、第1ハーフブリッジ回路130は目的ハーフブリッジ回路であり、制御回路170は、第1バイパススイッチ回路をオフにし、第2バイパススイッチ回路をオンにすることができる。これによって、インダクタンス回路150と第2電源ポート120の120Aとは、第2バイパススイッチ回路により接続されることが理解され得る。同様に、双方向DC/DCコンバータ10の動作モードが昇圧充電及び降圧放電である場合、第2ハーフブリッジ回路140は目的ハーフブリッジ回路であり、制御回路170は、第1バイパススイッチ回路をオンにし、第2バイパススイッチ回路をオフにすることができる。これによって、インダクタンス回路150と第1電源ポート110の110Aとは、第1バイパススイッチ回路により接続させることが理解され得る。したがって、バイパススイッチの導通損失がスイッチ回路の導通損失よりも低いため、双方向DC/DCコンバータ10の消費電力をさらに低減させ、双方向DC/DCコンバータ10の信頼性をさらに向上できる。
【0041】
一実施例において、上記のように、各スイッチ回路は、それぞれ1つのスイッチ又は並列接続される複数のスイッチを含むことができるため、制御回路170は、さらに充電電力又は放電電力に基づいてオンにするスイッチの数を確定することができる。例示的には、第1ハーフブリッジ回路130は、目的ハーフブリッジ回路であってもよく、第1スイッチ回路は、目的スイッチ回路であってもよい。第1スイッチ回路は、並列接続される3つのスイッチを含んでもよく、各スイッチが耐えられる電力は1100Wである。これによって、このときの充電電力又は放電電力が3000Wである場合、制御回路170は、オンにするスイッチの数が3であると確定し、このときの充電電力又は放電電力が1000Wである場合、制御回路170は、オンにするスイッチの数が1であると確定することができる。
【0042】
以上より、本発明の実施例における双方向DC/DCコンバータ10は、
図17に示すように、それぞれエネルギ貯蔵装置20及び外部設備30に接続でき、エネルギ貯蔵装置20の充放電に適用できる。具体的には、このコンバータにおいて、第1スイッチ回路はスイッチS1を含み、第2スイッチ回路はスイッチS2を含み、第3スイッチ回路はスイッチS3を含み、第4スイッチ回路はスイッチS4を含み、インダクタンス回路150はインダクタンスLを含み、抵抗回路161は高精度抵抗Rを含み、第1バイパススイッチ回路は継電器K1を含み、第2バイパススイッチ回路は継電器K2を含む。制御回路170は、スイッチS1、スイッチS2、スイッチS3及びスイッチS4の制御端子に夫々接続される。他の素子及び接続関係は、上記の説明及び図面に参照されたい。これによって、制御回路170は、動作指令及び第1電源ポート110の電圧値と第2電源ポート120の電圧値との大きさの関係に基づいて動作モードを確定すること;動作モードに基づいて1つのハーフブリッジ回路を目的ハーフブリッジ回路とし、目的ハーフブリッジ回路における1つのスイッチ回路を目的スイッチ回路として確定し、もう1つを還流スイッチ回路として確定し、目的ハーフブリッジ回路におけるバイパススイッチ回路をオフにし、もう1つのハーフブリッジ回路のバイパススイッチ回路をオンにすること;目的ハーフブリッジ回路における目的スイッチ回路の周期的オン/オフを制御し、目的スイッチ回路がオンであるときに還流スイッチ回路をオフにし、目的スイッチ回路がオフであるときに還流スイッチ回路をオンにし、インダクタンス回路150を流れる電流値が所定閾値以下であるときに還流スイッチ回路をオフにすることに適用できるが、これらに限定されない。
【0043】
以上の説明は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されない。当業者は、本発明に開示の技術範囲内において様々な同等な修正又は置換を容易に想到できる。これらの修正又は置換は、全て本発明の保護範囲に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるべきである。
【国際調査報告】