IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソウル バイオシス カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(54)【発明の名称】発光パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20220707BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20220707BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20220707BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/54
H01L33/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566348
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 KR2020006187
(87)【国際公開番号】W WO2020231131
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】62/847,868
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/869,979
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/849,842
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム, チャン ヨン
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA82
5F142AA86
5F142BA02
5F142CE04
5F142CE32
5F142CG03
5F142CG42
5F142FA16
5F142FA30
5F142FA32
5F142FA42
5F142FA46
5F142GA02
(57)【要約】
発光パッケージが提供され、前記発光パッケージは、第1LEDサブユニットと、前記第1LEDサブユニット上に配置された第2LEDサブユニットと、前記第2LEDサブユニット上に配置された第3LEDサブユニットと、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットのうちの少なくとも1つに電気的に接続された複数の接続電極であって、前記複数の接続電極は、側面を有し、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットのうちの少なくとも1つの側面を覆うように配置されている、複数の接続電極と、前記接続電極の少なくとも側面を囲む第1パッシベーション層と、第1面と第2面が対向しており、前記第1面が前記LEDサブユニットに対向している絶縁層と、前記絶縁層の第2面に配置され、前記接続電極の少なくとも1つに接続された第1電極と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1LEDサブユニットと、
前記第1LEDサブユニット上に配置された第2LEDサブユニットと、
前記第2LEDサブユニット上に配置された第3LEDサブユニットと、
前記第1、第2及び第3LEDサブユニットのうちの少なくとも1つに電気的に接続された複数の接続電極であって、前記複数の接続電極は、側面を有し、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットのうちの少なくとも1つの側面を覆うように配置されている、複数の接続電極と、
前記接続電極の少なくとも側面を囲む第1パッシベーション層と、
第1面と第2面が対向しており、前記第1面が前記LEDサブユニットに対向している絶縁層と、
前記絶縁層の第2面に配置され、前記接続電極の少なくとも1つに接続された第1電極と、
を含む、発光パッケージ。
【請求項2】
前記複数の接続電極は、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットの少なくとも1つと重なっている、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項3】
前記第1LEDサブユニットが配置された基板をさらに含み、
前記基板は、前記第1パッシベーション層から露出している、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項4】
前記第1パッシベーション層は、前記複数の接続電極の間に配置されている、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項5】
前記第1電極は、前記複数の接続電極の1つに対応する複数のコンタクト電極を含み、
前記複数のコンタクト電極は、第1ピッチで互いに離間し、
前記複数の接続電極は、第2ピッチで互いに離間し、前記第1ピッチは前記第2ピッチよりも大きい、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項6】
第1LEDサブユニットは、第1方向に沿って垂直方向に延び、
前記第1電極は、前記第1方向に沿って前記第1LEDサブユニットから離れて延在する、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項7】
前記絶縁層の前記第2面に配置された補助電極と、
前記補助電極の少なくとも側面を囲み、前記第1パッシベーション層から間隔を空けて配置された第2パッシベーション層と、
をさらに含む、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項8】
上面及び側面を有し、前記第1LEDサブユニットが配置された基板と、
前記絶縁層の前記第2面に配置された補助電極と、
前記補助電極の少なくとも側面を囲む第2パッシベーション層と、
をさらに含み、
前記第1パッシベーション層が、前記基板の上面及び側面を覆う、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項9】
前記第1LEDサブユニットが配置された基板をさらに含み、
前記第1LEDサブユニットは、第1発光積層体を含み、
前記第2LEDサブユニットは、第2発光積層体を含み、
前記第3LEDサブユニットは、第3発光積層体を含み、
前記第1、第2及び第3発光積層体は、前記基板と重なる領域が順次小さくなり、
前記発光積層体の少なくとも1つは、表面積が約10,000平方μm以下のマイクロLEDを含む、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項10】
前記第1パッシベーション層は、黒色のエポキシモールディングコンパウンド及びポリイミドフィルムの少なくとも一方を含み、
前記第1パッシベーション層は、前記第3LEDサブユニットの上面を覆う、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項11】
前記第3LEDサブユニットと前記複数の接続電極との間に配置された第2パッシベーション層をさらに含む、請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項12】
前記複数の接続電極の少なくとも1つは、前記第2パッシベーション層の側面の一部及び上面の一部を覆う、請求項11に記載の発光パッケージ。
【請求項13】
前記第1パッシベーション層は、前記複数の接続電極の間に配置される、請求項11に記載の発光パッケージ。
【請求項14】
前記第1パッシベーション層は、前記複数の接続電極の間で前記第2パッシベーション層に接触する、請求項12に記載の発光パッケージ。
【請求項15】
前記第1パッシベーション層と前記第2パッシベーション層とは、同一材料を含む、請求項11に記載の発光パッケージ。
【請求項16】
前記第1電極は、前記複数の接続電極の1つに対応する複数のコンタクト電極を含み、
前記複数のコンタクト電極は、第1ピッチで互いに離間し、
前記複数の接続電極は、第2ピッチで互いに離間し、前記第1ピッチは前記第2ピッチよりも大きい、請求項11に記載の発光パッケージ。
【請求項17】
前記第1LEDサブユニットが配置された基板をさらに含み、
前記第2パッシベーション層の側面と前記基板の上面との間に定義される角度が約80°未満である、請求項11に記載の発光パッケージ。
【請求項18】
前記第1パッシベーション層は、前記基板の上面を露出する、請求項17に記載の発光パッケージ。
【請求項19】
前記絶縁層の前記第2面上に形成された側面を有する補助電極と、
前記補助電極の少なくとも側面を囲み、前記第1パッシベーション層及び前記第2パッシベーション層から離隔して配置された第3パッシベーション層と、
をさらに含む、請求項11に記載の発光パッケージ。
【請求項20】
上面及び側面を有し、前記第1LEDサブユニットが配置された基板と、
前記絶縁層の前記第2面に配置された補助電極と、
前記補助電極を実質的に囲む第3パッシベーション層と、
をさらに含み、
前記第1パッシベーション層が、前記基板の上面及び側面の少なくとも一部を覆う、請求項11に記載の発光パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、ディスプレイ用の発光チップ及びその製造方法に関し、より具体的には、積層構造を有するマイクロ発光チップ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無機質な光源である発光ダイオード(LED)は,ディスプレイ,車載用ランプ,一般照明など,さまざまな技術分野で利用されている。発光ダイオードは、長寿命、低消費電力、高応答性などの特長を持ち、既存の光源に代わって急速に普及している。
【0003】
発光ダイオードは、主にディスプレイ装置のバックライト用光源として使用されてきた。しかし、最近では、発光ダイオードを用いて直接画像を表示できるマイクロLEDディスプレイが開発されている。
【0004】
一般的に、表示装置は、青、緑、赤の光の混合色を用いて様々な色を実現する。表示装置は、青、緑、赤の各色に対応するサブピクセルを有する画素を含み、ある画素の色は、そのサブピクセルの色に基づいて決定され、画素の組み合わせによって画像を表示することができる。
【0005】
LEDは、その構成材料によって様々な色を発光することができるため、表示装置は通常、青、緑、赤の光を発する個々のLEDチップを2次元平面上に配置することができる。しかし、サブピクセルごとに1つのLEDチップを設けると、表示装置を形成するために実装が必要なLEDチップの数が、例えば数十万個以上、数百万個以上と非常に多くなり、実装作業に多大な時間と手間がかかる場合がある。さらに、サブピクセルは表示装置の2次元平面上に配置されるため、青、緑、赤の光に対するサブピクセルを含めて1つの画素に比較的大きな面積が必要となり、各サブピクセルの発光面積を小さくすると、サブピクセルの輝度が劣化してしまうという問題がある。
【0006】
また、マイクロLEDは一般的に表面積が約10,000平方μm以下と非常に小さいため、この小ささに起因する様々な技術的問題が生じている。例えば、基板上にマイクロLEDのアレイを形成し、基板を切断することにより、マイクロLEDを個々のマイクロLEDチップに個片化することがある。その後、プリント基板などの別の基板にマイクロLEDチップを実装し、その際に様々な転写技術を用いることがある。しかし、これらの転送ステップにおいて、各マイクロLEDチップは、その小さなサイズと脆弱な構造のために、一般的に取り扱いが困難である。さらに、表示装置などのターゲット基板上に形成される電極は、複数のサブピクセルが2次元平面上に配置された従来の画素の電極のピッチに相当するピッチで互いに離間しているのが一般的である。
【0007】
この「背景」で開示されている上記の情報は、あくまでも本発明の概念の背景を理解するためのものであり、したがって、先行技術に該当しない情報が含まれている可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の原理及びいくつかの例示的な実施例に従って構成された発光チップは、様々な転写プロセスの間、発光積層構造を保護することができる。
【0009】
本発明の原理及びいくつかの例示的な実施例に従って構成された発光チップ、例えばマイクロLED、及びそれを用いたディスプレイは、構造が単純化されており、製造時の実装プロセスの時間を短縮することができる。
【0010】
本発明の原理といくつかの例示的な実施例に従って構成された発光パッケージ、例えばマイクロLEDは、取り扱いや移動を容易にするために内部構造を強化して、従来のディスプレイデバイスに搭載することができる。
【0011】
本発明の原理及びいくつかの例示的な実施例に従って構成された発光パッケージ、例えばマイクロLEDは、LED積層体の1つの成長基板など、発光積層構造の基板を除去しないことによって生成された強化構造を有する。
【0012】
本発明の概念の追加の特徴は、以下の説明に記載され、部分的には説明から明らかになり又は本発明の概念の実践によって知ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
例示的な実施形態による発光パッケージは、第1LEDサブユニットと、前記第1LEDサブユニット上に配置された第2LEDサブユニットと、前記第2LEDサブユニット上に配置された第3LEDサブユニットと、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットのうちの少なくとも1つに電気的に接続された複数の接続電極であって、前記複数の接続電極は、側面を有し、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットのうちの少なくとも1つの側面を覆うように配置されている、複数の接続電極と、前記接続電極の少なくとも側面を囲む第1パッシベーション層と、第1面と第2面が対向しており、前記第1面が前記LEDサブユニットに対向している絶縁層と、前記絶縁層の第2面に配置され、前記接続電極の少なくとも1つに接続された第1電極と、を含む。
【0014】
前記複数の接続電極は、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットの少なくとも1つと重なっていてもよい。
【0015】
前記第1LEDサブユニットが配置された基板をさらに含んでいてもよく、前記基板は、前記第1パッシベーション層から露出していてもよい。
【0016】
前記第1パッシベーション層は、前記複数の接続電極の間に配置されていてもよい。
【0017】
前記第1電極は、前記複数の接続電極の1つに対応する複数のコンタクト電極を含んでいてもよく、前記複数のコンタクト電極は、第1ピッチで互いに離間していてもよく、前記複数の接続電極は、第2ピッチで互いに離間し、前記第1ピッチは前記第2ピッチよりも大きくてもよい。
【0018】
第1LEDサブユニットは、第1方向に沿って垂直方向に延びていてもよく、前記第1電極は、前記第1方向に沿って前記第1LEDサブユニットから離れて延在していてもよい。
【0019】
発光パッケージは、前記絶縁層の前記第2面に配置された補助電極と、前記補助電極の少なくとも側面を囲み、前記第1パッシベーション層から間隔を空けて配置された第2パッシベーション層と、をさらに含んでいてもよい。
【0020】
発光パッケージは、上面及び側面を有し、前記第1LEDサブユニットが配置された基板と、前記絶縁層の前記第2面に配置された補助電極と、前記補助電極の少なくとも側面を囲む第2パッシベーション層と、をさらに含んでいてもよく、前記第1パッシベーション層が、前記基板の上面及び側面を覆っていてもよい。
【0021】
発光パッケージは、前記第1LEDサブユニットが配置された基板をさらに含んでいてもよい。前記第1LEDサブユニットは、第1発光積層体を含んでいてもよく、前記第2LEDサブユニットは、第2発光積層体を含んでいてもよく、前記第3LEDサブユニットは、第発光積層体を含んでいてもよい。前記第1、第2及び第3発光積層体は、前記基板と重なる領域が順次小さくなっていてもよく、前記発光積層体の少なくとも1つは、表面積が約10,000平方μm以下のマイクロLEDを含んでいてもよい。
【0022】
前記第1パッシベーション層は、黒色のエポキシモールディングコンパウンド及びポリイミドフィルムの少なくとも一方を含んでいてもよく、前記第1パッシベーション層は、前記第3LEDサブユニットの上面を覆っていてもよい。
【0023】
発光パッケージは、前記第3LEDサブユニットと前記複数の接続電極との間に配置された第2パッシベーション層をさらに含んでいてもよい。
【0024】
前記複数の接続電極の少なくとも1つは、前記第2パッシベーション層の側面の一部及び上面の一部を覆っていてもよい。
【0025】
前記第1パッシベーション層は、前記複数の接続電極の間に配置されていてもよい。
【0026】
前記第1パッシベーション層は、前記複数の接続電極の間で前記第2パッシベーション層に接触していてもよい。
【0027】
前記第1パッシベーション層と前記第2パッシベーション層とは、同一材料を含んでいてもよい。
【0028】
前記第1電極は、前記複数の接続電極の1つに対応する複数のコンタクト電極を含んでいてもよく、前記複数のコンタクト電極は、第1ピッチで互いに離間していてもよく、前記複数の接続電極は、第2ピッチで互いに離間し、前記第1ピッチは前記第2ピッチよりも大きくなっていてもよい。
【0029】
発光パッケージは、前記第1LEDサブユニットが配置された基板をさらに含んでいてもよい。この場合、前記第2パッシベーション層の側面と前記基板の上面との間に定義される角度が約80°未満であってもよい。
【0030】
前記第1パッシベーション層は、前記基板の上面を露出してもよい。
【0031】
発光パッケージは、前記絶縁層の前記第2面上に形成された側面を有する補助電極と、前記補助電極の少なくとも側面を囲み、前記第1パッシベーション層及び前記第2パッシベーション層から離隔して配置された第3パッシベーション層と、
をさらに含んでもよい。
【0032】
発光パッケージは、上面及び側面を有し、前記第1LEDサブユニットが配置された基板と、前記絶縁層の前記第2面に配置された補助電極と、前記補助電極を実質的に囲む第3パッシベーション層と、をさらに含んでいてもよく前記第1パッシベーション層が、前記基板の上面及び側面の少なくとも一部を覆っていてもよい。
【0033】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は例示的かつ説明的であり、請求項に記載された本発明のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、本発明の例示的な実施形態を示しており、説明と合わせて本発明の概念を説明する役割を果たしている。
【0035】
図1】本発明の例示的な実施形態に従って構成された発光パッケージの模式的な断面図である。
図2】例示的な実施形態に従って構成された発光積層構造の模式的な断面図である。
図3A】例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図3B】例示的な実施形態による、図3Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図4A】例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図4B】例示的な実施形態による、図4Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図5A】例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図5B】例示的な実施形態による、図5Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図6A】例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図6B】例示的な実施形態による、図6Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図7A】例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図7B】例示的な実施形態による、図7Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図8A】例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図8B】例示的な実施形態による、図8Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図9A】例示的な実施形態に従って構成された発光チップの概略的な平面図である。
図9B図9Aの線A-A’に沿って取った概略的な断面図である。
図9C図9Aの線B-B’に沿って取った概略的な断面図である。
図10】例示的な実施形態による図1の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
図11】例示的な実施形態による図1の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
図12】例示的な実施形態による図1の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
図13】例示的な実施形態による図1の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
図14】例示的な実施形態による図1の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
図15】基本的的な構造を示す、例示的な実施形態による発光モジュールの模式的な底面図である。
図16】別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図である。
図17】さらに別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図である。
図18】本発明の別の例示的な実施形態に従って構成された発光パッケージの模式的な断面図である。
図19A】別の例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図19B】別の例示的な実施形態による、図19Aに示すその対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図20A】別の例示的な実施形態による発光チップの製造工程を示す平面図である。
図20B】別の例示的な実施形態による、図20Aに示すその対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
図21】別の例示的な実施形態による、図18の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
図22】別の例示的な実施形態による、図18の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
図23】さらに別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図である。
図24】さらに別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の記載では、説明のために、本発明の様々な例示的な実施形態又は実装の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。本明細書で使用される「実施形態」(embodiments)及び「実装」(implementations)は、本明細書で開示される発明的概念の1つ以上を採用する装置又は方法の非限定的な例である交換可能な言葉である。しかしながら、様々な例示的な実施形態は、これらの特定の詳細なしに又は1つ以上の同等の配置で実施することができることは明らかである。他の例では、様々な例示的な実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、よく知られた構造や装置をブロック図の形で示している。さらに、様々な例示的な実施形態は異なっていてもよいが、排他的である必要はない。例えば、例示的な実施形態の特定の形状、構成及び特性は、本発明の概念から逸脱することなく、別の例示的な実施形態で使用又は実装することができる。
【0037】
特に明記しない限り、図示された例示的な実施形態は、本発明の概念を実際に実施することができるいくつかの方法の様々な詳細の例示的な特徴を提供するものとして理解されるべきである。したがって、特に指定しない限り、様々な実施形態の特徴、構成要素、モジュール、層、フィルム、パネル、領域及び/又は側面など(以下、個別に又はまとめて「要素」と呼ぶ)は、本発明の概念から逸脱することなく、別の方法で組み合わせ、分離し、交換し及び/又は再配置することができる。
【0038】
添付図面のクロスハッチング及び/又はシェーディングの使用は、一般に、隣接する要素間の境界を明確にするためのものである。そのため、クロスハッチングや陰影の有無にかかわらず、特定の材料、材料特性、寸法、比率、図示された要素間の共通性及び/又は要素のその他の特性、属性、性質などについて、指定されない限り、好みや要求を伝えたり示したりするものではない。さらに、添付の図面では、要素のサイズ及び相対的なサイズは、明確化及び/又は説明目的のために誇張されている場合がある。例示的な実施形態が異なって実施される可能性がある場合、特定の処理順序が記載された順序とは異なって実行される可能性がある。例えば、連続して記述された2つのプロセスは、実質的に同時に実行されてもよいし、記述された順序とは逆の順序で実行されてもよい。また、同様の参照数字は同様の要素を示す。
【0039】
要素や層が他の要素や層の「上」にある、「接続されている」、「結合されている」とした場合、他の要素や層の上に直接あるか、接続されているか、結合されているか、あるいは介在する要素や層が存在している可能性がある。しかし、ある要素や層が、他の要素や層の「直上」にある、「直接接続されている」、「直接結合されている」とした場合、介在する要素や層は存在しない。このため、「接続されている」という用語は、介在する要素の有無にかかわらず、物理的、電気的及び/又は流体的な接続を指すことがある。さらに、D1軸、D2軸、D3軸は、x、y、z-軸のような直交座標系の3軸に限定されず、より広い意味で解釈されてもよい。例えば、D1軸、D2軸、D3軸は、互いに直交していてもよいし、互いに直交しない異なる方向を表していてもよい。本開示の目的のために、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」及び「X、Y及びZからなる群から選択される少なくとも1つ」は、Xのみ、Yのみ、Zのみ又はX、Y及びZのうちの2つ以上の任意の組み合わせ、例えば、XYZ、XYY、YZ及びZZなどと解釈されてもよい。本明細書では、「及び/又は」という用語は、関連する記載された項目の1つ又は複数の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0040】
本明細書では、様々なタイプの要素を説明するために「第1」、「第2」などの用語を使用することがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用される。したがって、以下で説明する第1要素は、本開示の教示から逸脱することなく、第2要素と呼ぶことができる。
【0041】
本明細書では、説明の目的で、図面に示されたある要素と他の要素との関係を説明するために、下に(beneath)、下方に(below)、真下に(under)、より低い(lower)、上方に(above)、上の方の(upper)、真上に(over)、より高い(higher)、側方の(side)(例えば、側壁(sidewall)のように)などの空間的に相対的な用語を使用することができる。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて、使用、操作及び製造における装置の異なる向きを包含することを意図している。例えば、図面の装置を裏返した場合、他の要素又は特徴の「下方」(below)又は「下」(beneath)として記述された要素は、他の要素又は特徴の「上方」(above)に向けられることになる。したがって、「下方」(below)という例示的な用語は、上と下の両方の向きを包含することができる。さらに、本装置は、他の向き(例えば、90度回転させたり、他の向きにしたり)であってもよく、そのような場合、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0042】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、限定することを意図したものではない。本明細書で使用される単数形、「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、本明細書で使用される用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」及び/又は「含んでいる(including)」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素(elements)、構成要素(components)及び/又はそれらのグループの存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。また、本明細書では、「実質的に」、「約」及びその他の類似した用語は、程度を表す用語ではなく、近似性を表す用語として使用されており、当業者であれば認識できるであろう、測定値、計算値及び提供された値の固有の偏差を考慮するために利用されていることにも留意されたい。
【0043】
本明細書では、様々な例示的な実施形態を、理想化された例示的な実施形態及び/又は中間構造の概略図である断面図及び/又は分解図を参照して説明している。そのため、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状からの変動が予想される。したがって、ここで開示されている例示的な実施形態は、必ずしも特定の図示された領域の形状に限定して解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形状の偏差を含むものである。このように、図面に図示された領域は、本質的に概略的であり、これらの領域の形状は、デバイスの領域の実際の形状を反映していない可能性があり、そのような場合、必ずしも限定を意図するものではない。
【0044】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本開示が一部をなす技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されているのと同じ意味を持つ。一般的に使用されている辞書で定義されているような用語は、本明細書で明示的にそのように定義されていない限り、関連する技術の文脈での意味と一致する意味を持つと解釈されるべきであり、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0045】
以下、本開示の例示的な実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。本明細書で使用されるように、例示的な実施形態による発光積層構造、発光チップ、発光パッケージ又は発光モジュールは、当技術分野で知られているように、約10,000平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含んでもよい。他の例示的な実施形態では、マイクロLEDは、特定のアプリケーションに応じて、約4,000平方μm未満の表面積又は約2,500平方μm未満の表面積を有してもよい。
【0046】
図1は、本発明の例示的な実施形態に従って構成された発光パッケージの模式的な断面図である。
【0047】
図1を参照すると、図示の例示的な実施形態による発光パッケージ110は、発光チップ100と、発光チップ100の少なくとも側面を囲むモールディング層(molding layer)91(又は第1モールディング層)と、絶縁層11pと、リード電極11pcとを含む。発光チップのアレイが基板11上に形成されていてもよく、図1の発光パッケージ110に含まれる発光チップ100は、アレイから個片化されたものを例示しており、これをさらに加工して発光パッケージ110を形成する。
【0048】
例示的な実施形態による発光チップ100は、基板11の長手方向と交差する方向、例えば垂直方向に沿って互いに配置された少なくとも2つ以上の発光サブユニット又は発光積層体を含んでいてもよい。このように、発光チップ100は、各発光積層体の動作状態に応じて様々な色の光を表示することができるが、従来の発光装置では、単色の光を発する複数の発光セルの組み合わせによって様々な色を表示することができる。より詳細には、従来の発光装置は、フルカラー表示を実現するために、2次元平面に沿って互いに間隔をあけて配置された、それぞれ異なる色の光、例えば、赤、緑、青を発する発光セルを含むのが一般的である。そのため、従来の発光セルでは、比較的大きな面積を占めることがある。しかし、例示的な実施形態に従って構成された発光チップ100は、複数の発光積層体を積層することによって、様々な色を有する光を放出することができ、それによって、高レベルの集積化を実現し、従来の発光装置よりもかなり小さい面積を通じてフルカラースペクトルを実装することができる。
【0049】
また、発光積層構造を含む発光チップ100を他の基板に実装して、例えば表示装置を製造する場合には、その積層構造により、従来の発光装置に比べて、実装するチップ数を大幅に削減することができる。このように、発光積層構造を採用した表示装置の製造は、特に1つの表示装置に数十万又は数百万の画素が形成される場合には、実質的に簡略化され得る。発光チップ100は、図2に示すような発光積層構造と、発光積層構造に接続された複数の接続電極とを含んでいてもよいが、以下に詳細に説明する。
【0050】
モールディング層91は、発光チップ100の少なくとも側面を取り囲み、発光チップ100を外部からの衝撃から保護してもよい。図示された例示的な実施形態によれば、モールディング層91は、発光チップ100の基板11を露出させて、光効率を高めてもよい。絶縁層11pは、有機絶縁材料や、SiO2、SiNx、Al23などの無機絶縁材料を含んでいてもよい。リード電極11pcは、絶縁層11pに形成された開口部を介して、後に詳述する発光チップ100と電気的に接続されていてもよい。また、リード電極11pcは、所定のピッチP(図15参照)で互いに離間していてもよい。例えば、リード電極11pcの間のピッチPは、回路基板や表示装置などのターゲット基板の電極のピッチに対応していてもよい。このようにして、例示的な実施形態による発光パッケージ110は、表示装置のターゲット基板の構成を変更することなく、従来の表示装置に実装することができる。発光サブユニットまたは発光積層体は、長手方向に沿って長手方向に延びていてもよく、リード電極11pcは、長手方向に沿って発光サブユニットまたは発光積層体から離れて延びていてもよい。
【0051】
図2は、例示的な実施形態に従って構成された発光積層構造の模式的な断面図である。
【0052】
図2を参照すると、図示の例示的な実施形態による発光積層構造は、基板11上に配置された第1LEDサブユニット、第2LEDサブユニット及び第3LEDサブユニットを含む。第1LEDサブユニットは、第1発光積層体20を含んでいてもよく、第2LEDサブユニットは、第2発光積層体30を含んでいてもよく、第3LEDサブユニットは、第3発光積層体40を含んでいてもよい。図面では、3つの発光積層体20、30及び40を含む発光積層構造が示されているが、本発明の概念は、発光積層構造に形成される特定の数の発光積層体に限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光積層構造は、その中に2つ以上の発光積層を含んでもよい。以下では、例示的な実施形態による3つの発光積層体20、30及び40を含むものを参照して、発光積層構造を説明する。
【0053】
基板11は、光を透過させるための光透過性の絶縁材料を含んでいてもよい。しかし、いくつかの例示的な実施形態では、基板11は、特定の波長を有する光のみを透過する半透明に形成されてもよく又は、特定の波長を有する光の一部のみを透過する部分透明に形成されてもよい。また、基板11は、その上に第3発光積層体40をエピタキシャル成長させることが可能な成長基板であってもよく、例えば、サファイア基板などであってもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態において、基板11は、他の様々な透明な絶縁材料を含んでもよい。例えば、基板11は、ガラス、石英、シリコン、有機ポリマー又は有機無機複合材料、例えば、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、又は酸化ガリウム(Ga23)などを含んでいてもよい。別の例として、いくつかの例示的な実施形態における基板11は、その上に形成された発光積層体のそれぞれに発光信号及び共通電圧を提供するために、その中に電気配線を含むプリント回路基板又は複合基板であってもよい。
【0054】
第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のそれぞれは、基板11に向けて光を発するように構成されている。そのため、例えば第1発光積層体20から発せられた光は、第2及び第3発光積層体30及び40を通過してもよい。例示的な実施形態によれば、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のそれぞれから放出された光は、互いに異なる波長帯域を有してもよく、基板11からより遠くに配置されている発光積層体は、より長い波長帯域を有する光を放出してもよい。例えば、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40は、それぞれ、赤色光、緑色光、青色光を発光してもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではない。別の例として、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40は、それぞれ赤色光、青色光及び緑色光を発光してもよい。さらに別の例として、別の例示的な実施形態では、1つ以上の発光積層体は、実質的に同じ波長帯域を有する光を放出してもよい。さらに別の例として、発光積層構造が、当該技術分野で知られているように約10,000平方μm未満又は他の例示的な実施形態では約4,000平方μm又は約2,500平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含む場合、マイクロLEDの小さなフォームファクタ(form factor)により、動作に悪影響を及ぼすことなく、基板11から遠くに配置された発光積層体が、基板11に近くに配置されたものから放出された光よりも短い波長帯域を有する光を放出してもよい。この場合、マイクロLEDは低い動作電圧で動作させることができるため、発光積層体間に別のカラーフィルタを設ける必要がない場合もある。以下、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40は、例示的な実施形態に従って、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光を放出するものとして例示的に説明する。
【0055】
第1発光積層体20は、第1型半導体層21、活性層23及び第2型半導体層25を含む。例示的な実施形態によれば、第1発光積層体20は、これに限定されることなく、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素リン化物(GaAsP)、アルミニウムガリウムインジウムリン化物(AlGaInP)及びガリウムリン化物(GaP)などの赤色光を放出する半導体材料を含んでもよい。また、第1発光積層体20の第2型半導体層25の下に、第1下部コンタクト電極25pが配置されていてもよい。
【0056】
第2発光積層体30は、第1型半導体層31、活性層33及び第2型半導体層35を含む。例示的な実施形態によれば、第2発光積層体30は、これに限定されることなく、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、リン化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)、リン化アルミニウムガリウム(AlGaP)など、緑色に発光する半導体材料を含んでいてもよい。第2発光積層体30の第2型半導体層35の下には、第2下部コンタクト電極35pが配置されている。
【0057】
第3発光積層体40は、第1種半導体層41と、活性層43と、第2種半導体層45とを含む。例示的な実施形態によれば、第3発光積層体40は、これに限定されることなく、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、セレン化亜鉛(ZnSe)など、青色に発光する半導体材料を含んでいてもよい。第3発光積層体40の第2型半導体層45上には、第3下部コンタクト電極45pが配置されている。
【0058】
例示的な実施形態によれば、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の第1型半導体層21、31及び41のそれぞれと、第2型半導体層25、35及び45のそれぞれは、単層構造又は多層構造を有していてもよく、いくつかの例示的な実施形態では、超格子層を含んでいてもよい。さらに、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の活性層23、33及び43は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有していてもよい。
【0059】
第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pのそれぞれは、光を透過させるための透明導電材料を含んでいてもよい。例えば、下部コンタクト電極25p、35p、45pは、これに限らず、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)などの透明導電性酸化物(TCO)を含んでいてもよい。
【0060】
第1発光積層体20と第2発光積層体30との間には、第1接着層61が配置されており、第2発光積層体30と第3発光積層体40との間には、第2接着層63が配置されている。第1接着層61及び第2接着層63は、光を透過する非導電性材料を含んでいてもよい。例えば、第1接着層61及び第2接着層63は、それぞれOCA(Optical Clear Adhesive)を含んでいてもよく、これに限定されることなく、エポキシ、ポリイミド、SU8、SOG(Spin-on Glass)、BCB(Benzocyclobutene)などを含んでいてもよい。
【0061】
例示的な実施形態によれば、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のそれぞれが独立して駆動されてもよい。より詳細には、各発光積層体の第1及び第2型半導体層の一方には共通の電圧Scが印加され、各発光積層体の第1及び第2型半導体層の他方にはそれぞれの発光信号SR、SG及びSBが印加されてもよい。例えば、図示の例示的な実施形態によれば、各発光積層体の第1型半導体層21、31、41がn型であり、各発光積層体の第2型半導体層25、35、45がp型であってもよい。この場合、第3発光積層体40は、第1発光積層体20及び第2発光積層体30と比較して、製造工程を簡略化するために、p型半導体層45が活性層43の上に配置されるように、積層順序が逆になっていてもよい。以下、図示された例示的な実施形態にしたがって、第1型及び第2型半導体層を、交換可能にそれぞれp型及びn型半導体層と呼ぶことがある。
【0062】
図示した例示的な実施形態による発光積層構造は、共通のp型構造を有するが、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、各発光積層体の第1型半導体層21、31及び41がp型であり、各発光積層体の第2型半導体層25、35及び45がn型であって、共通のn型発光積層構造を形成してもよい。さらに、いくつかの例示的な実施形態において、各発光積層体の積層順序は、図面に示されたものに限定されることなく、様々に変更されてもよい。以下、図示した例示的な実施形態に係る発光積層構造について、共通のp型発光積層構造を参照して説明する。
【0063】
例示的な実施形態によれば、発光積層構造は、そこから放出される光の純度及び効率を向上させるための様々な追加の構成要素をさらに含んでもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、より短い波長を有する光が、より長い波長を発する発光積層体に向かって移動するのを防ぐ又は少なくとも抑制するために、隣接する発光積層体の間に波長通過フィルタを形成してもよい。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、発光積層体間で光の明るさのバランスをとるために、少なくとも1つの発光積層体の発光面に凹凸部が形成されてもよい。例えば、一般的に緑色の光は赤色の光や青色の光よりも視認性が高いため、いくつかの例示的な実施形態では、赤色の光や青色の光を発する発光積層体に凹凸部を形成してその光効率を向上させ、発光積層体から発せられる光の間の視認性のバランスを取ってもよい。
【0064】
以下、例示的な実施形態に基づいて、発光チップの形成方法を、図面を参照しながら説明する。
【0065】
図3A図4A図5A図6A図7A及び図8Aは、例示的な実施形態による、図1の発光パッケージに含まれる発光チップの製造工程を示す平面図である。図3B図4B図5B図6B図7B及び図8Bは、例示的な実施形態による、図3A図4A図5A図6A図7A及び図8Aに示されたその対応する平面図の線A-A’に沿って取られた断面図である。
【0066】
図2に戻って、第3発光積層体40の第1型半導体層41、第3活性層43及び第2型半導体層45は、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法によって、基板11上に順次成長させてもよい。第3下部コンタクト電極45pは、例えば、物理的気相成長法や化学的気相成長法によって第3p型半導体層45上に形成されてもよく、透明導電性酸化物(TCO)を含んでいてもよい。例示的な実施形態により第3発光積層体40が青色光を発光する場合、基板11は、Al23(例えば、サファイア基板)を含み、第3下部コンタクト電極45pは、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウムスズ亜鉛(ITZO)などの透明導電性酸化物(TCO)を含み得るが、これに限定されるものではない。また、第1発光積層体20及び第2発光積層体30も同様に、仮基板上に第1型半導体層、活性層及び第2型半導体層をそれぞれ順次成長させて形成し、第2型半導体層上に透明導電性酸化物を含む下部コンタクト電極を、例えば化学気相成長法などによりそれぞれ形成してもよい。
【0067】
例示的な実施形態によれば、第1及び第2発光積層体20及び30は、その間に第1接着層61を介在させて互いに隣接してもよく、第1及び第2発光積層体20及び30の仮基板の少なくとも一方は、例えば、レーザーリフトオフ工程、化学的工程、機械的工程などによって除去されてもよい。この場合、いくつかの例示的な実施形態では、光取り出し効率を向上させるために、露出した発光積層体に凹凸部を形成してもよい。その後、第1及び第2発光積層体20及び30を、その間に第2接着層63を介在させて第3発光積層体40と隣接させ、第1及び第2発光積層体20及び30の仮基板の残りの一方を、例えば、レーザーリフトオフ工程、化学的工程、機械的工程などによって除去してもよい。この場合、いくつかの例示的な実施形態では、光の取り出し効率を向上させるために、露出した残りの発光積層体に凹凸部を形成してもよい。
【0068】
別の例示的な実施形態では、第2接着層63は、第3発光積層体40上に形成されてもよい。そして、第2発光積層体30を、第2接着層63を間に介在させて第3発光積層体40に隣接させ、第2発光積層体30の仮基板を、レーザーリフトオフ工程、化学工程、機械工程などで除去してもよい。その後、第2発光積層体30上に第1接着層61を形成してもよい。これにより第1発光積層体20は、第1接着層61を間に挟んで第2発光積層体30に隣接していてもよい。第1発光積層体20が第3発光積層体40に結合された第2発光積層体30に結合されると、第1発光積層体20の仮基板は、レーザーリフトオフ工程、化学的工程、機械的工程などによって除去されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、光抽出効率を向上させるために、別の発光積層体に結合される前又は後に、1つの発光積層体の1つ又は複数の表面に凹凸部を形成してもよい。
【0069】
図3A及び図3Bを参照すると、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の各々の様々な部分は、第1型半導体層21、第1下部コンタクト電極25p、第1型半導体層31、第2下部コンタクト電極35p、第3下部コンタクト電極45p及び第1型半導体層41の一部を露出させるために、エッチング処理などを介してパターニングされてもよい。図示の例示的な実施形態によれば、第1発光積層体20は、発光積層体20、30及び40の中で最も小さい面積を有する。しかし、本発明の概念は、発光積層体20、30及び40の相対的な大きさに限定されない。
【0070】
図4A及び図4Bを参照すると、第1発光積層体20の第1型半導体層21の上面の一部が、ウェットエッチングなどによってパターニングされ、そこに第1上部コンタクト電極21n(以下、第1n型コンタクト電極ともいう)が形成されてもよい。このようにして、第1型半導体層21と第1上部コンタクト電極21nとの間のオーミックコンタクトのレベルを高めてもよい。第1上部コンタクト電極21nは、単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよく、これに限定されることなく、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、W、Cu又はこれらの合金、例えばAu-Te合金やAu-Ge合金などを含んでいてもよい。例示的な実施形態では、第1上部コンタクト電極21nは、約100nmの厚さを有し、基板11に向かう下方向の発光効率を高めるために、高い反射率を有する金属を含んでいてもよい。
【0071】
図5A及び図5Bを参照すると、第1発光積層体20、第2発光積層体30及び第3発光積層体40の側面の少なくとも一部に、第1絶縁層81が配置されていてもよい。第1絶縁層81は、ポリイミド、SiO2、SiNx、Al23などの様々な有機又は無機の絶縁材料を含んでいてもよい。例えば、第1絶縁層81は、DBR(Distributed Bragg Reflector)を含んでいてもよい。別の例として、第1絶縁層81は、黒色の有機ポリマーを含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、発光積層体20、30及び40から発せられた光を基板11に向けて反射するために、電気的にフローティングの金属反射層が第1絶縁層81上にさらに配置されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第1絶縁層81は、互いに異なる屈折率を有する2以上の絶縁層で形成された単層構造又は多層構造を有していてもよい。
【0072】
例示的な実施形態によれば、第1絶縁層81の一部を除去して、第1、第2、第3及び第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH及び50CHを形成してもよい。第1コンタクトホール20CHは、第1n型コンタクト電極21nの一部を露出させるために、第1n型コンタクト電極21n上に画定される。第2コンタクトホール30CHは、第2発光積層体30の第1型半導体層31の一部を露出させてもよい。第3コンタクトホール40CHは、第3発光積層体40の第1型半導体層41の一部を露出させてもよい。第4コンタクトホール50CHは、第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pの一部を露出させてもよい。第4コンタクトホール50CHは、第1下部コンタクト電極25pの一部を露出させる第2サブコンタクトホール50CHbと、第2及び第3下部コンタクト電極35p及び45pを露出させる第1サブコンタクトホール50CHaとを含んでもよい。しかし、いくつかの例示的な実施形態では、単一の第1サブコンタクトホールCHaが、第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pのそれぞれを露出させてもよい。
【0073】
図6A及び図6Bを参照すると、第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdは、第1、第2、第3及び第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH及び50CHが形成された第1絶縁層81上に形成されている。なお、第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdは、例えば、基板11の実質的な全面に導電層を形成し、フォトリソグラフィプロセスなどを用いて導電層をパターニングすることで形成することができる。
【0074】
第1パッド20pdは、第1コンタクトホール20CHが形成された領域に重なるように形成されており、第1パッド20pdが第1コンタクトホール20CHを介して第1発光積層体20の第1上部コンタクト電極21nに接続され得るようになっている。第2パッド30pdは、第2コンタクトホール30CHが形成された領域と重なるように形成されており、第2パッド30pdが第2コンタクトホール30CHを介して第2発光積層体30の第1型半導体層31に接続され得るようになっている。第3パッド40pdは、第3コンタクトホール40CHが形成された領域と重なるように形成されており、第3パッド40pdが第3コンタクトホール40CHを介して第3発光積層体40の第1型半導体層41と接続され得るようになっている。また、第4パッド50pdは、第4コンタクトホール50CHが形成された領域、より詳細には、第1サブコンタクトホール50CHa及び第2サブコンタクトホール50CHbが形成された領域と重なるように形成されており、第4パッド50pdが第1サブコンタクトホール50CHa及び第2サブコンタクトホール50CHbを介して第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p、45pに接続されてもよいようになっている。
【0075】
図7A及び図7Bを参照すると、第1絶縁層81上に第2絶縁層83が形成されていてもよい。第2絶縁層83は、ポリイミド、SiO2、SiNx、Al23などの様々な有機又は無機の絶縁材料を含んでもよい。例えば、第2絶縁層83は、DBR(Distributed Bragg Reflector)を含んでいてもよい。別の例として、第2絶縁層83は、黒色の有機ポリマーを含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、発光積層体20、30及び40から発せられた光を基板11に向けて反射するために、電気的にフローティングの金属反射層が第2絶縁層83上にさらに配置されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第2絶縁層83は、互いに異なる屈折率を有する2つ以上の絶縁層で形成された単層構造又は多層構造を有していてもよい。次に、第2絶縁層83をパターニングして、その中に第1、第2、第3及び第4貫通孔20ct、30ct及び40ct及び50ctを形成する。
【0076】
第1パッド20pdに形成された第1貫通孔20ctは、第1パッド20pdの一部を露出させる。第2パッド30pdに形成された第2貫通孔30ctは、第2パッド30pdの一部を露出させる。第3パッド40pdに形成された第3貫通孔40ctは、第3パッド40pdの一部を露出させる。第4パッド50pdに形成された第4貫通孔50ctは、第4パッド50pdの一部を露出させる。図示された例示的な実施形態では、第1、第2、第3及び第4貫通孔20ct、30ct、40ct及び50ctは、第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdが形成される領域にそれぞれ定義されてもよい。
【0077】
図8A及び図8Bを参照すると、第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpは、第1、第2、第3及び第4スルーホール20ct、30ct、40ct及び50ctが形成された第2絶縁層83上に形成されている。第1バンプ電極20bpは、第1貫通孔20ctが形成されている領域と重なるように形成されており、第1バンプ電極20bpが第1貫通孔20ctを介して第1パッド20pdと接続されるようになっている。第2バンプ電極30bpは、第2貫通孔30ctが形成された領域と重なるように形成されており、第2バンプ電極30bpが第2貫通孔30ctを介して第2パッド30pdに接続されるようになっていてもよい。第3バンプ電極40bpは、第3貫通孔40ctが形成されている領域と重なるように形成されており、第3バンプ電極40bpが第3貫通孔40ctを介して第3パッド40pdと接続されるようになっていてもよい。
【0078】
第4バンプ電極50bpは、第4貫通孔50ctが形成されている領域と重なるように形成されており、第4バンプ電極50bpが第4貫通孔50ctを介して第4パッド50pdと接続されるようになっている。より詳細には、第4パッド50pdは、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pに規定された第1サブコンタクトホール50CHa及び第2サブコンタクトホール50CHbを介して、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第2型半導体層25、35及び45に接続されている。特に、第4パッド50pdは、第2サブコンタクトホール50CHbを介して第1下部コンタクト電極25pに接続され、第1サブコンタクトホール50CHaを介して第2及び第3下部コンタクト電極35p及び45pに接続されている。このように、第4パッド50pdが1つの第1サブコンタクトホール50CHaを介して第2及び第3下部コンタクト電極35p及び45pに接続され得るので、発光チップ100の製造工程が簡略化され、発光チップ100のコンタクトホールが占める面積が縮小され得る。また、第4バンプ電極50bpの少なくとも一部は、第4パッド50pdと重なっていてもよい。第4バンプ電極50bpは、第4バンプ電極50bpと第4パッド50pdとの重なり部分において、その間に第2絶縁層83が介在した状態で、第4貫通孔50ctを介して第4パッド50pdに接続されている。
【0079】
第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpは、例えば、Ni、Ag、Au、Pt、Ti、Al、Cr、Wi、TiW、Mo、Cu、TiCuなどのうちの少なくとも1つを含む導電層を、基板11上に成膜し、パターニングすることによって形成してもよい。以下、第1パッド20pd及び第1バンプ電極20bpを総称して第1コンタクト部20Cと称し、第2パッド30pd及び第2バンプ電極30bpを総称して第2コンタクト部30Cと称し、第3パッド40pd及び第3バンプ電極40bpを総称して第3コンタクト部40Cと称し、第4パッド50pd及び第4バンプ電極50bpを総称して第4コンタクト部50Cと称してもよい。
【0080】
例示的な実施形態によれば、第1、第2、第3及び第4コンタクト部20C、30C、40C及び50Cは、様々な位置に形成されてもよい。例えば、発光チップ100が図面に示すように実質的に四角形の形状を有する場合、第1、第2、第3及び第4コンタクト部20C、30C、40C及び50Cは、実質的に四角形の形状の各角を囲むように配置されてもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されず、いくつかの例示的な実施形態において、発光チップ100は様々な形状を有するように形成されてもよく、第1、第2、第3及び第4コンタクト部20C、30C、40C及び50Cは、発光装置の形状に応じて他の場所に形成されてもよい。
【0081】
第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdは、互いに間隔を空けて絶縁されている。さらに、第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpは、互いに間隔を空けて絶縁されている。例示的な実施形態によれば、第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpのそれぞれは、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の側面の少なくとも一部を覆っていてもよく、これにより、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40から発生する熱のその場での放散が容易になる。
【0082】
なお、本発明の概念は、コンタクト部20C、30C、40C及び50Cの特定の構造に限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、バンプ電極20bp、30bp、40bp又は50bpが、コンタクト部20C、30C、40C及び50Cの少なくとも1つから省略されてもよい。この場合、コンタクト部20C、30C、40C及び50Cのパッド20pd、30pd、40pd及び50pdは、それぞれの接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceに接続されていてもよい。
【0083】
図9Aは、例示的な実施形態に従って構成された発光チップの模式的な平面図であり、図9B及び図9Cは、それぞれ図9Aの線A-A’及び線B-B’に沿って取った断面図である。
【0084】
図9A及び図9Bを参照すると、発光積層構造上には、互いに間隔を空けて第1、第2、第3、第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceが形成されていてもよい。第1、第2、第3、第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、それぞれ第1、第2、第3、第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpと電気的に接続されて、発光積層体20、30及び40のそれぞれに外部信号を伝達してもよい。より詳細には、図示の例示的な実施形態によれば、第1接続電極20ceは、第1パッド20pdを介して第1上部コンタクト電極21nに接続された第1バンプ電極20bpに接続されて、第1発光積層体20の第1型半導体層21に電気的に接続されていてもよい。また、第2接続電極30ceは、第2パッド30pdを介して第2バンプ電極30bpに接続され、第2発光積層体30の第1型半導体層31に電気的に接続されていてもよい。また、第3接続電極40ceは、第3パッド40pdに接続された第3バンプ電極40bpに接続されて、第3発光積層体40の第1型半導体層41に電気的に接続されていてもよい。また、第4接続電極50ceは、第4パッド50pdに接続された第4バンプ電極50bpに接続されて、第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p、45pを介して、発光積層体20、30及び40の第2型半導体層25、35、45にそれぞれ電気的に接続されていてもよい。
【0085】
図示された例示的な実施形態によれば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、基板11から垂直方向に突出する実質的に細長い形状を有していてもよい。接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、これに限定されることなく、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はこれらの合金などの金属を含んでいてもよい。例えば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの細長い形状からそこに加わる応力を軽減するために、2つ以上の金属又は複数の異なる金属層を含んでいてもよい。別の例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceがCuを含む場合、Cuの酸化を抑制するために、追加の金属をその上に堆積又はめっきしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceがCu/Ni/Snを含む場合、Cuは、発光積層構造にSnが浸入するのを防止してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、以下でより詳細に説明する、めっきプロセス中に金属層を形成するためのシード層を含んでもよい。
【0086】
図面に示すように、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、発光積層構造と後述する外部の配線又は電極との間の電気的接続を容易にするために、実質的に平坦な上面を有していてもよい。例示的な実施形態によれば、発光チップが、当技術分野で知られているように約10,000平方μm未満又は他の例示的な実施形態では約4,000平方μm又は約2,500平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含む場合、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、図面に示すように、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のうちの少なくとも1つの部分と重なっていてもよい。より詳細には、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、発光積層構造の側面に形成された少なくとも1つの段差に重なっていてもよい。このようにすると、接続電極の下面の面積がその上面よりも大きいので、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceと発光積層構造との間に、より大きな接触面積を形成することができる。したがって、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、発光積層構造体上により安定して形成され得る。例えば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの外側を向く一方の側面Lの長さ(又は高さ)Lと、発光チップ100の中央を向く他方の側面の長さL’とは、異なっていてもよい。より詳細には、接続電極の外側を向く一方の側面の長さLは、発光チップ100の中央を向く他方の側面の長さL’よりも大きくてもよい。例えば、接続電極の対向する2つの側面の長さLおよびL’の差は、発光積層体20、30及び40のうちの1つの厚さ(又は高さ)よりも大きくてもよい。このようにすると、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceと発光積層構造との接触面積が大きくなり、発光チップの構造が強化されてもよい。また、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、発光積層構造の側面に形成された少なくとも1つの段差に重なっていてもよいので、発光積層構造から発生する熱をより効率的に外部に逃がすことができる。
【0087】
例示的な実施形態によれば、接続電極の外側を向く一側面の長さLと、発光チップ100の中央を向くその他側面の長さL’との差は、約3μmであってもよい。この場合、発光積層構造は、薄く形成されてもよく、特に、第1発光積層体20は、約1μmの厚さを有してもよく、第2発光積層体30は、約0.7μmの厚さを有してもよく、第3発光積層体40は、約0.7μmの厚さを有してもよく、第1及び第2接着層61及び63は、それぞれ約0.2μm乃至約0.3μmの厚さを有してもよいが、これに限定されるものではない。別の例示的な実施形態によると、接続電極の外側を向く一方の側面の長さLと、発光チップ100の中央を向くその他方の側面の長さL’との差は、約10μm乃至約16μmであってもよい。この場合、発光積層構造は、相対的に厚く形成され、より安定した構造を有することができ、特に、第1発光積層体20は、約4μm乃至約5μmの厚さを有してもよく、第2発光積層体30は、約3μmの厚さを有してもよく、第3発光積層体40は、約3μmの厚さを有してもよく、第1接着層61及び第2接着層63は、それぞれ約3μmの厚さを有してもよいが、これに限定されるものではない。さらに別の例示的な実施形態によれば、接続電極の外側を向く一方の側面の長さLと、発光チップ100の中央を向くその他方の側面の長さL’との差は、最も長い側面の長さの約25%であってもよい。しかし、本発明の概念は、接続電極の対向する側面間の長さの差が特定のものに限定されるものではなく、接続電極の対向する側面間の長さの差は様々であってもよい。
【0088】
いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのうちの少なくとも1つは、発光積層体20、30及び40のそれぞれの側面と重なっていてもよく、これにより、発光積層体20、30及び40のそれぞれの間の温度のバランスを取り、内部で発生した熱を効率的に外部に放散することができる。また、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceが金属などの反射材を含む場合、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、少なくとも1つ以上の発光積層体20、30及び40から発せられた光を反射して、光の有効性を向上させることができる。
【0089】
第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの形成方法は特に限定されない。例えば、例示的な実施形態によれば、発光積層構造上に伝導面としてシード層を成膜し、接続電極が形成されるべき所望の位置にシード層が配置されるように、フォトリソグラフィなどを用いてシード層をパターニングしてもよい。次いで、シード層を、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はそれらの合金などの金属でめっきし、シード層を除去してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、めっきされた金属の酸化を防止又は少なくとも抑制するために、無電解ニッケル浸漬金(ENIG)などにより、めっきされた金属(例えば、接続電極)上に追加の金属を堆積又はめっきしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、シード層は各接続電極に残っていてもよい。
【0090】
例示的な実施形態によれば、コンタクト部20C、30C、40C及び50Cからバンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpが省略された場合、パッド20pd、30pd、40pd及び50pdがそれぞれの接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceに接続されてもよい。例えば、コンタクト部20C、30C、40C及び50Cのパッド20pd、30pd、40pd及び50pdを部分的に露出させるスルーホール20ct、30ct、40ct及び50ctを形成した後、発光積層構造体上に伝導面としてシード層を成膜し、接続電極が形成されるべき所望の位置にシード層が配置されるように、フォトリソグラフィなどを用いてシード層をパターニングしてもよい。この場合、シード層は、各パッド20pd、30pd、40pd及び50pdの少なくとも一部と重なっていてもよい。例示的な実施形態によれば、シード層は、それに限定されることなく、約1000Åの厚さに堆積されてもよく、次いで、シード層は、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はそれらの合金などの金属でめっきされてもよく、シード層は除去されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、めっきされた金属の酸化を防止又は少なくとも抑制するために、無電解ニッケル浸漬金(ENIG)などにより、めっきされた金属(例えば、接続電極)上に追加の金属を堆積又はめっきしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、シード層は各接続電極に残っていてもよい。
【0091】
図10図11図12図13図14は、例示的な実施形態による図1の発光パッケージの製造工程を示す概略断面図である。
【0092】
図10を参照すると、基板11上に形成された発光チップ100のアレイは、互いに分離されて、所望のピッチでキャリア基板95に転写されてもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光チップ100は、ディスプレイデバイスなどのターゲットデバイスの電極のピッチに適合するピッチで転写されてもよい。
【0093】
例示的な実施形態によれば、個片化された発光チップ100は、その間に介在する接着層15によってキャリア基板95に転写されてもよい。キャリア基板95は、接着層15を介在させて発光チップ100を安定的に実装するものであれば、特に限定されない。接着層15は、テープであってもよいが、本発明の概念は、接着層15が発光チップ100をキャリア基板95に安定的に取り付けつつ、その後の工程で発光チップ100を剥離することができるものであれば、これに限定されるものではない。発光チップ100がキャリア基板95に実装されると、図11に示すように、発光チップ100の少なくとも側面を覆うようにモールディング層91が形成されてもよい。例示的な実施形態によれば、モールディング層91は、発光チップ100から放出された光の一部を透過させてもよく、また、外部の光の一部を反射、回折及び/又は吸収して、外部の光が発光チップ100によってユーザに見える可能性のある方向に向かって反射されるのを防止してもよい。モールディング層91は、発光チップ100の少なくとも側面を覆って、発光チップ100を外部の湿気や応力から保護するとともに、発光パッケージの構造的な構成を強化して、その後の転写及び/又は実装工程を容易にしてもよい。
【0094】
モールディング層91は、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの間に配置された第1発光積層体20の一部(例えば、発光積層構造の上部構造)を覆うように、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの間に形成されてもよい。このように、モールディング層91は、後続の工程で加わる可能性のある外部からの衝撃から発光構造体を保護するとともに、発光チップ100に十分な接触面積を与えて、後続の搬送工程での取り扱いを容易にすることができる。さらに、モールディング層91は、発光チップ100の側面への光の漏れを防止し、隣接する発光チップ100から放出される光の干渉を防止又は少なくとも抑制することができる。
【0095】
例示的な実施形態によれば、モールディング層91の上面は、研磨処理などにより、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの上面と実質的に面一になっていてもよい。例示的な実施形態によるモールディング層91は、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)を含んでもよいが、これに限定されるものではなく、黒色や透明などの様々な色を有するように形成されてもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、モールディング層91は、感光性を有するポリイミドドライフィルム(PID)を含んでもよい。
【0096】
モールディング層91は、積層法、めっき法及び/又は印刷法など、当技術分野で知られている様々な方法によって形成されてもよい。例えば、モールディング層91は、発光パッケージ110の実質的に平面的な上面を提供することによって光の均一性を向上させるために、発光チップ100上に有機ポリマーシートを配置し、真空中で高温及び圧力を印加する真空ラミネートプロセスによって形成されてもよい。
【0097】
図12を参照すると、絶縁層11pは、モールディング層91及び発光チップ100の実質的に全体に形成されていてもよい。絶縁層11pは、有機絶縁材料や、SiO2やSiOxなどの無機絶縁材料を含んでいてもよい。
【0098】
図13を参照すると、絶縁層11pには、開口部が形成されていてもよい。開口部は、発光チップ100の第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれの少なくとも一部と重なっていてもよい。次に、絶縁層11p上に導電層を形成し、パターニングしてリード電極11pcを形成してもよい。リード電極11pcは、これに限定されることなく、フォトリソグラフィ工程によって形成してもよい。絶縁層11pの開口部は、第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれの少なくとも一部と重なっており、リード電極11pcを形成する導電層は、開口部を実質的に埋めているので、リード電極11pcは、第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれと電気的に接続されていてもよい。また、リード電極11pcは、互いに絶縁されるように間隔をあけて配置され、発光チップ100から所望の範囲で外側に延びてファンアウト構造となっていてもよい。このようにすれば、発光チップ100のサイズが非常に小さい場合であっても、発光チップ100とリード電極11pcとを含む発光パッケージ110は、回路基板などに容易に実装することができる。いくつかの例示的な実施形態において、リード電極11pcは、これに限定されることなく、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はこれらの合金などの金属を含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態において、リード電極11pcは、高温で部分的に溶融されることにより、発光チップ100の接続電極との電気的接続を容易にするために、ENIGにより表面処理されてもよい。
【0099】
図14を参照すると、絶縁層11pが配置された発光チップ100から、接着層15及びキャリア基板95を除去してもよい。そして、リード電極11pcを含む発光チップ100を所望の形状に切断して、発光パッケージ110として形成してもよい。例えば、図15に示す発光パッケージ110(又は発光モジュール)は、絶縁層11p上に配置された4個の発光チップ100(2x2)を含む。しかし、本発明の概念は、発光パッケージ110に形成される発光チップ100の数が特定の数であることに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光パッケージ110は、絶縁層11p上に形成された1つ以上の発光チップ100を含んでもよい。加えて、本発明の概念は、発光パッケージ110における1つ以上の発光チップ100の特定の配置に限定されない。例えば、発光パッケージ110内の1つ以上の発光チップ100は、n×m配列であってもよく、n及びmは自然数である。
【0100】
例示的な実施形態によれば、発光パッケージ110のリード電極11pcは、回路基板などのターゲットデバイスの電極のピッチに対応する所定のピッチPで互いに離間していてもよい。例えば、リード電極11pc間のピッチPは、発光チップ100の隣接する接続電極間のピッチP’よりも大きくてもよい。このようにすれば、回路基板のその電極のレイアウトが従来の発光装置用に設計されたものであっても、発光パッケージ110をターゲット基板や回路基板に容易に実装することができる。
【0101】
例示的な実施形態によれば、発光パッケージ110のリード電極11pcは、例えば、異方性導電膜(ACF)接合によって回路基板等の電極に接合されてもよい。ACF接合は、他の接合方法に比べて低温で処理することができるため、リード電極11pcがACF接合によって回路基板等の電極に電気的に接合されると、発光チップ100が接合時に高温に曝されることから保護される場合がある。ただし、本発明の概念は、特定の接合方法に限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光パッケージ110は、Cu及びSnの少なくとも一方を含む異方性導電ペースト(ACP)、はんだ、ボールグリッドエリア(ball grid area:BGA)又はマイクロバンプを用いて、回路基板の電極などに接合されてもよい。この場合、リード電極11pcは、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceよりも広い接触面積が得られるため、発光パッケージ110のサイズが非常に小さくても、発光パッケージ110と回路基板等との接合処理が容易になる場合がある。
【0102】
図16は、別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図であり、図17は、別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図である。
【0103】
図16を参照すると、例示的な実施形態による発光パッケージ120は、発光パッケージ120が拡張電極11c及び第2モールディング層92をさらに含むことを除いて、図1の発光パッケージ110と実質的に同じである。例示的な実施形態によれば、発光チップ100の接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceにそれぞれ電気的に接続される、絶縁層11p上に配置されたリード電極11pc上に、複数の拡張電極11cがそれぞれ形成されてもよい。
【0104】
拡張電極11cは、互いに離れていてもよく、一般的には実質的に細長い形状を有しているが、本発明の概念は、拡張電極11cの1つの特定の形状に限定されるものではない。例示的な実施形態による拡張電極11cは、これに限定されることなく、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はこれらの合金などの金属を含んでもよい。例えば、拡張電極11cは、その細長い形状からそこに加わる応力を軽減するために、2つ以上の金属又は複数の異なる金属層を含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、拡張電極11cがCuを含む場合、Cuの酸化を抑制するために、追加の金属をその上に堆積又はめっきしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、拡張電極11cがCu/Ni/Snを含む場合、Cuは、発光積層構造にSnが浸入するのを防止してもよい。なお、拡張電極11cは、これに限定されることなく、金属めっき処理によって形成されてもよい。
【0105】
図示された例示的な実施形態によれば、拡張電極11cのそれぞれは、発光チップ100から離れて面するリード電極11pcの遠位端の近くに形成されてもよい。このように、拡張電極11cは、発光パッケージ120の各角部付近に形成されているので、発光パッケージ120を構造的に支持することができる。いくつかの例示的な実施形態では、構造的な信頼性をさらに向上させるために、拡張電極11cは、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceと重ならないようにしてもよい。
【0106】
第2モールディング層92は、絶縁層11p上に形成され、少なくとも拡張電極11cの側面を囲んでいてもよい。第2モールディング層92は、有機ポリマー又は無機ポリマーを含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第1モールディング層91及び第2モールディング層92の少なくとも一方は、シリカ又はアルミナなどのピラーをさらに含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第2モールディング層92は、積層法、めっき法及び/又は印刷法など、当技術分野で知られている様々な方法によって形成されてもよい。例えば、第2モールディング層92は、発光パッケージ120の実質的に平面的な上面を提供することによって光の均一性を向上させるために、発光チップ100上に有機ポリマーシートを配置し、真空中で高温及び圧力を印加する真空ラミネートプロセスによって形成されてもよい。このようにして、発光パッケージ120は、強化されたパッケージ構造を提供することができる。いくつかの例示的な実施形態では、第1及び第2モールディング層91及び92は、実質的に同じ材料又は互いに異なる材料を含んでもよい。
【0107】
図17を参照すると、例示的な実施形態による発光パッケージ130は、第1モールディング層91が発光チップ100の基板11の上に形成されて、外部の光が基板11によってユーザが視認し得る方向に向かって反射されることを防止することを除いて、図16の発光パッケージ120と実質的に同じである。この場合、いくつかの例示的な実施形態では、発光チップ100から発せられた光の50%を少なくとも透過させるために、絶縁層11pとは反対を向く基板11の上面を覆う第1モールディング層91の一部は、約100μm未満の厚さを有していてもよい。
【0108】
図18は、本発明の別の例示的な実施形態に従って構成された発光パッケージの模式的な断面図である。
【0109】
図18を参照すると、例示的な実施形態による発光パッケージ210は、発光チップ200と、絶縁層11p’と、リード電極11pc’と、発光チップ200の少なくとも側面を囲む第1モールディング層91’とを含む。発光パッケージ210は、接続電極の形状と、発光チップ200が接続電極の間に形成されたパッシベーション層90を含むこと以外は、図1の発光パッケージ110と実質的に同じであるが、以下ではより詳細に説明する。なお、絶縁層11p’及びリード電極11pc’は、上述した絶縁層11p及びリード電極11pcと実質的に同じであるので、冗長性を避けるために、その繰り返しの説明は省略する。
【0110】
例示的な実施形態によれば、発光パッケージ110のリード電極11pc’は、回路基板などのターゲットデバイスの電極のピッチに対応した所定のピッチで互いに離間していてもよい。このようにすれば、回路基板のその電極のレイアウトが従来の発光装置用に設計されたものであっても、発光パッケージ210は、表示装置などの最終装置のターゲット基板や回路基板に容易に実装することができる。
【0111】
図19A及び図20Aは、別の例示的な実施形態による発光チップの製造プロセスを示す平面図である。図19B及び図20Bは、別の例示的な実施形態による、図19A及び図20Aに示すその対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【0112】
図19A及び図19Bを参照すると、例示的な実施形態による発光チップ200は、発光積層構造と、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’(図20A及び図20B参照)と、発光積層構造上に形成されたパッシベーション層90とを含む。発光積層構造は、図8A及び図8Bに示す構成と実質的に類似している。しかしながら、図示の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層90は、図8A及び図8Bに示す発光積層構造の上面の少なくとも一部を覆うように形成されてもよい。より詳細には、図20Bに示すように、パッシベーション層90は、積層構造の上部に配置された第1発光積層体20の上面の少なくとも一部を覆い、製造時の外部応力から発光積層構造を保護してもよい。
【0113】
図示された例示的な実施形態によれば、パッシベーション層90は、基板11に対して傾斜した角度を形成してもよい。例えば、パッシベーション層90と基板11との間に形成される傾斜角度G及びG’(図20B参照)は、約80°未満であってもよい。傾斜角G及びG’が約80°よりも大きい場合、パッシベーション層90は、発光積層構造の側面に形成された段差を十分に覆うことができない可能性がある。いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90と基板11との間の傾斜角G及びG’は、約60°よりも大きく、約70°よりも小さくてもよい。このようにして、パッシベーション層90上に形成されるべき接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’(図20A及び図20B参照)も、発光積層構造上に安定して形成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90の上面と側面との間に形成されるエッジは、その上に形成される接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’が実質的に均一な厚さを有するように、滑らかな角度を形成してもよい。しかしながら、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90の上面と側面との間に実質的に鋭利なエッジが形成されてもよい。
【0114】
図20A及び図20Bを参照すると、図示された例示的な実施形態によれば、互いに間隔を空けた第1、第2、第3及び第4接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’がパッシベーション層90上に形成されている。上述したように、第1、第2、第3、第4接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’は、発光チップ100の第1、第2、第3、第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceと同様に、それぞれ第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpと電気的に接続され、発光積層体20、30及び40のそれぞれに外部信号を伝送することができる。より詳細には、第1接続電極20ce’は、第1パッド20pdを介して第1上部コンタクト電極21nに接続された第1バンプ電極20bpに接続されて、第1発光積層体20の第1型半導体層21に電気的に接続されていてもよい。また、第2接続電極30ce’は、第2パッド30pdを介して第2バンプ電極30bpに接続され、第2発光積層体30の第1型半導体層31に電気的に接続されていてもよい。また、第3接続電極40ce’は、第3パッド40pdに接続された第3バンプ電極40bpに接続されて、第3発光積層体40の第1型半導体層41に電気的に接続されていてもよい。また、第4接続電極50ce’は、第4パッド50pdに接続された第4バンプ電極50bpに接続されて、第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pを介して、発光積層体20、30及び40の第2型半導体層25、35及び45にそれぞれ電気的に接続されていてもよい。
【0115】
第1、第2、第3及び第4接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’の形成方法は、特に限定されない。例えば、例示的な実施形態によれば、パッシベーション層90上に導電層を成膜し、各導電層がそれぞれパッシベーション層90によって露出した第1バンプ電極20bp、第2バンプ電極30bp、第3バンプ電極40bp及び第4バンプ電極50bpの一部と重なるように、フォトリソグラフィなどを用いて導電層をパターニングしてもよい。例示的な実施形態による導電層(例えば、接続電極)は、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はこれらの合金などの金属を含んでいてもよい。この場合、別のめっき工程を省略してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’の酸化を防止又は少なくとも抑制するために、無電解ニッケル浸漬金(ENIG)などによって、導電層上に追加の金属を蒸着してもよい。
【0116】
図示された例示的な実施形態によれば、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’のそれぞれは、発光積層構造及びパッシベーション層90を実質的に覆うように、基板11から離れるように突出する湾曲した形状を有してもよい。図面に示すように、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’のそれぞれは、発光積層構造と外部の配線又は電極との間の電気的接続を容易にするとともに、後続の接合及び転送ステップの間にPCBなどの他の要素に対する発光チップ200の接着性を高めるために、実質的に平坦な上面を有していてもよい。図示された例示的な実施形態による接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’は、発光積層構造を保護するために、各発光積層体20、30及び40の少なくとも一部を取り囲んでもよく、これにより、発光チップ200は、パッシベーション層90とともに、その後の様々な工程に耐えうるより安定した構造を有する。例えば、発光積層構造を実質的に取り囲む接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’は、発光積層構造に直接かかる応力の少なくとも一部を吸収して、製造時に発光チップを保護することができる。
【0117】
図示された例示的な実施形態によれば、第3接続電極40ceは、第1接続電極20ceに対して非対称であるように示されている。より詳細には、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’のそれぞれは、パッシベーション層90と重ならない部分を有していてもよく、例えば図20Bは、第3接続電極40ce’のパッシベーション層90と重ならない部分が、基板11の対向する2つの端部付近で第1接続電極20ce’のそれよりも面積が大きいことを示している。しかしながら、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態において、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’のそれぞれは、互いに対称であってもよい。例えば、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’のそれぞれのうちパッシベーション層90と重ならない部分は、互いに同じ面積を有していてもよい。
【0118】
図面では、パッシベーション層90は、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’のうち、パッシベーション層90の上面に配置される部分の間には形成されていないが、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90の上面が接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’の上面と実質的に同一平面になるように、パッシベーション層90は接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’の間に形成されてもよい。このようにすれば、後の工程において、発光チップ200とプリント基板等との密着性をさらに強化することができる。なお、パッシベーション層90のうち、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’の間に配置される部分は、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’を形成する前に形成してもよいし、形成した後に形成してもよい。なお、図示した例示的な実施形態による発光チップ200の構成要素は、上述した発光チップ100の構成要素と実質的に同じであるため、実質的に同じ要素についての繰り返しの説明は、冗長性を避けるために省略する。
【0119】
図21及び図22は、別の例示的な実施形態による発光パッケージの製造工程を示す模式的な断面図である。
【0120】
図21を参照すると、基板11上に形成された発光チップ200のアレイは、互いに分離されて、所望のピッチでキャリア基板95’に転写されてもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光チップ200は、表示装置の回路基板などのターゲット装置の電極のピッチに適合するピッチで転写されてもよい。
【0121】
例示的な実施形態によれば、個片化された発光チップ200は、その間に介在する接着層15’によってキャリア基板95’に実装されてもよい。キャリア基板95’及び接着層15’は、特に限定されず、それぞれ図10を参照して上述したキャリア基板95及び接着層15と実質的に同じであってもよい。
【0122】
図22を参照すると、キャリア基板95’に発光チップ200が実装されると、発光チップ200を実質的に覆うようにモールディング層91’(又は第1モールディング層)が形成されてもよい。例示的な実施形態によれば、モールディング層91’は、発光チップ200から放出された光の一部を透過させてもよく、また、外部の光の一部を反射、回折及び/又は吸収して、外部の光が発光チップ200によってユーザに視認され得る方向に向かって反射されるのを防止してもよい。モールディング層91’は、発光チップ200を実質的に覆って、発光チップ200を外部の湿気や応力から保護するとともに、発光パッケージの構造的な構成を強化して、その後の転写及び/又は実装工程を容易にしてもよい。
【0123】
図示された例示的な実施形態によれば、モールディング層91’は、発光チップ200の接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’の間に形成され、パッシベーション層90の少なくとも一部を覆ってもよい。例示的な実施形態によるモールディング層91’は、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)を含んでもよいが、これに限定されるものではなく、黒色又は透明などの様々な色を有するように形成されてもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、モールディング層91’は、感光性を有するポリイミドドライフィルム(PID)を含んでもよい。モールディング層91’は、積層法、めっき法及び/又は印刷法など、当技術分野で知られている様々な方法で形成されてもよい。例えば、モールディング層91’は、発光パッケージの実質的に平面的な上面を提供することによって光の均一性を向上させるために、発光チップ200上に有機ポリマーシートを配置し、真空中で高温高圧を印加する真空ラミネートプロセスによって形成されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、モールディング層91’及びパッシベーション層90は、実質的に同じ材料又は互いに異なる材料を含んでもよい。
【0124】
図18に戻って、絶縁層11p’は、モールディング層91’で実質的に覆われた発光チップ200上に配置されてもよく、基板11上に形成された発光チップ200のアレイは、当技術分野における様々な既知の方法によって個片化されてもよく、それによって、図18の発光パッケージ210が提供される。
【0125】
図23は、さらに別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図であり、図24は、さらに別の例示的な実施形態による発光パッケージの模式的な断面図である。
【0126】
図23を参照すると、図示された例示的な実施形態による発光パッケージ220は、発光パッケージ220が拡張電極11c’と第2モールディング層92’とをさらに含むことを除いて、図18の発光パッケージ210と実質的に同じである。例示的な実施形態によれば、複数の拡張電極11c’は、絶縁層11p’上に配置されたリード電極11pc’上にそれぞれ形成され、発光チップ200の接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’にそれぞれ電気的に接続されてもよい。
【0127】
拡張電極11c’は、互いに離れていてもよく、一般的には実質的に細長い形状を有しているが、本発明の概念は、拡張電極11c’の1つの特定の形状に限定されない。例示的な実施形態による拡張電極11c’は、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はこれらの合金などの金属を含んでもよいが、これに限定されるものではない。例えば、拡張電極11c’は、その細長い形状からそこに加わる応力を軽減するために、2つ以上の金属又は複数の異なる金属層を含んでいてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、拡張電極11c’がCuを含む場合、Cuの酸化を抑制するために、追加の金属をその上に堆積又はめっきしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、拡張電極11c’がCu/Ni/Snを含む場合、Cuは、Snが発光積層構造に浸入するのを防止してもよい。なお、拡張電極11c’は、これに限定されることなく、金属めっき処理によって形成されてもよい。
【0128】
図示された例示的な実施形態によれば、拡張電極11c’のそれぞれは、発光チップ200から離れて面するリード電極11pc’の遠位端の近くに形成されてもよい。このように、拡張電極11c’が発光パッケージ220の各角部付近に形成されることで、拡張電極11c’は発光パッケージ220を構造的に支持することができる。いくつかの例示的な実施形態では、構造的な安定性を高めるために、拡張電極11c’は、接続電極20ce’、30ce’、40ce’及び50ce’と重ならなくてもよい。
【0129】
第2モールディング層92’は、絶縁層11p’上に配置され、拡張電極11c’を実質的に取り囲んでいてもよい。第2モールディング層92’は、有機ポリマー又は無機ポリマーを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第1及び第2モールディング層91’及び92’の少なくとも1つは、シリカ又はアルミナなどのピラーをさらに含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第2モールディング層92’は、積層法、めっき法及び/又は印刷法など、当技術分野で知られている様々な方法によって形成されてもよい。例えば、第2モールディング層92’は、発光チップ200上に有機ポリマーシートを配置し、真空中で高温高圧を印加して、発光パッケージ220の実質的に平面的な上面を提供して光の均一性を向上させる、真空ラミネートプロセスによって形成されてもよい。このようにして、発光パッケージ220は、強化されたパッケージ構造を提供することができる。
【0130】
図24を参照すると、さらに別の例示的な実施形態による発光パッケージ230は、第1モールディング層91’が発光チップ200の基板11の上に形成されて、外部の光が基板11によってユーザが視認し得る方向に向かって反射されることを防止することを除いて、図23の発光パッケージ220と実質的に同じである。この場合、いくつかの例示的な実施形態では、発光チップ200から発せられる光の50%を少なくとも透過させるために、絶縁層11p’とは反対を向く基板11の上面11pa’を覆う第1モールディング層91’の一部は、約100μm未満の厚さを有していてもよい。
【0131】
本明細書では、特定の例示的な実施形態及び実装を説明してきたが、他の実施形態及び修正がこの説明から明らかであろう。したがって、本発明の概念は、そのような実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲のより広い範囲と、当業者には明らかな、様々な自明な変更や均等物にも適用されるものである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】