(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(54)【発明の名称】女性用ケアパッドに使用される接着剤を試験する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 19/04 20060101AFI20220707BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20220707BHJP
【FI】
G01N19/04 D
A61F13/56 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567802
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2020032643
(87)【国際公開番号】W WO2020232099
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】313011456
【氏名又は名称】ボスティック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バークホルダー,ルーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】スタチンスキ,ラッセル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】バン ダイク,ケイラ
(72)【発明者】
【氏名】アワリエ,ゴーティエ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BB20
3B200CA11
(57)【要約】
女性用ケアパッド、母乳パッド又はいくつかの大人用失禁パッド等の接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験するシステムは、重錘を位置決めするための間隙を画定する第1基板及び第2基板を備え、重錘は、力測定システムを使用することにより、基板の上を移動し布材から接着剤付き衛生物品を分離する。方法がこのシステムを利用し、重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定する。測定された力は、システム全体、すなわち、物品と布材との間の接着剤が作用しなくなるために必要な力と物品がひだ状になるために必要な力との両方を反映する。所定の試験に応じて、1つ又は2つの重錘を使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験する方法であって、
第1基板に布材を接着して前記第1基板の上面で前記布材を固定するステップと、
前記上面に少なくとも1つの重錘を配置するステップであって、前記少なくとも1つの重錘にリード線が取り付けられる、ステップと、
前記布材に接着剤付き衛生物品を接着するステップと、
前記第1基板に第2基板を取り付けるステップと、
前記少なくとも1つの重錘に力をかけて、前記布材の上で前記少なくとも1つの重錘を移動させるとともに前記布材から前記接着剤付き衛生物品を分離しながら、前記少なくとも1つの重錘が前記接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのリード線が、前記少なくとも1つの重錘に取り付けられ、前記第2基板が、前記少なくとも1つのリード線を受け入れる開口部を有し、前記方法が、前記開口部を通して前記少なくとも1つのリード線を延在させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの重錘が1つの重錘からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの重錘が2つの重錘からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記布材が、前記第1基板の縁部で折り曲げられ、前記布材が、前記第1基板の下面に接着される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フックテープが、前記布材が折り曲げられている位置で、前記第1基板の前記上面と前記第1基板の下面とに接着される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接着剤付き衛生物品が、ウィングを有し、前記第1基板が凹部を有し、前記凹部が、前記接着剤付き衛生物品の前記ウィングと、前記凹部に隣接する前記第1基板の前記下面まで折り曲げられる前記布材とを受け入れる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記布材を前記第1基板に接着するときのプリーツの形成を低減させるように前記布材を切断するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ウィングを切断するか、又は前記物品を軸方向に再配置するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
3~20回の試験サイクル、好ましくは3~10回の試験サイクル、最も好ましくは3~7回の試験サイクルの後に布材を交換するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記測定するステップが、前記少なくとも1つの重錘の荷重によって移動する直線距離に基づいて、前記力及び前記力の勾配を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
測定された力から、前記少なくとも1つの重錘が前記接着剤付き衛生物品と接触しているときに対応する移動した距離の間の平均力を取得するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記接着剤付き衛生物品が、ウィングあり又はウィングなしの女性用ケアパッド、母乳パッド及び大人用失禁パッドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの重錘が、線状突起を有し、前記第2基板が、その下面に、前記少なくとも1つの重錘が移動する際に前記突起と嵌合するように適合された線状溝を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの重錘の前記物品との中心接触点に対応する点において、前記接着剤付き衛生物品の内面に指標点を印すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記布材が、木綿、ポリエステル、絹、ナイロン、スパンデックス、エラスタン、再生セルロース、ウール又はそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記力をかけるステップの前に、前記物品を流体で汚すステップ、前記物品を、指定された時間、上昇した温度にさらすステップ、又は前記物品に重みを加えるステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験するシステムであって、
布材と前記布材に接着された接着剤付き衛生物品とを受け入れるように適合された上面を有する第1基板と、
前記第1基板との間の間隙を画定して前記第1基板に取り付けられた第2基板と、
前記上面に配置されるとともに前記間隙内に位置決めされた少なくとも1つの重錘と、
前記少なくとも1つの重錘に力をかけて、前記布材の上で前記少なくとも1つの重錘を移動させるとともに前記布材から前記接着剤付き衛生物品を分離しながら、前記少なくとも1つの重錘が前記接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定する力測定システムと、
を備える、システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの重錘に取り付けられたリード線をさらに備え、前記第2基板が、前記リード線を受け入れる開口部を有し、前記リード線が、前記力測定システムに取り付けられている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの重錘が1つの重錘からなる、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの重錘が2つの重錘からなる、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記布材が折り曲げられている位置で、前記第1基板の前記上面と前記第1基板の下面とに接着されたフックテープをさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1基板が凹部を有し、前記凹部が、前記接着剤付き衛生物品の前記ウィングと、前記凹部に隣接する前記第1基板の前記下面まで折り曲げられる前記布材とを受け入れる、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの重錘が、線状突起を有し、前記第2基板が、その下面に、前記少なくとも1つの重錘が移動する際に前記突起と嵌合するように適合された線状溝を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
前記力測定システムが、前記少なくとも1つの重錘が前記接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の平均力と、前記少なくとも1つの重錘が前記接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力-距離曲線の勾配とを求める手段を備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項26】
請求項1に記載の方法に従って試験された複数の接着剤配合物に対して最適な接着特性を有する接着剤配合物。
【請求項27】
請求項26に記載の接着剤配合物で作製された女性用ケアパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性用ケアパッド等、接着剤付き衛生物品を布材の上に取り付けるために使用される接着剤の接着特性を試験する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの衛生物品は、それらの外面に接着剤を有し、接着剤は、下着、ブラジャー又は水着等の衣類に面し、それにより、衣類に物品を接着するように意図されている。こうした衛生物品の内面(すなわち、身体に面する面)は、体液を吸収するように意図されている。こうした衛生物品には、女性用ケアパッド、母乳パッド及びいくつかの大人用失禁パッドがある。
【0003】
理解することができるように、接着剤は、上昇した温度にさらされた後、体液で汚れた(insulted)後、複数の方向に力が加わったにも関わらず等、種々の条件において衣類に十分に接着することが重要である。さらに、接着剤は、現時点で且つ将来において下着及び水着に使用される種々の布材に十分に接着しなければならない。
【0004】
こうした物品、特に女性用ケアパッドに対して、任意の特定の接着剤の有用性、接着剤の付着量、及び物品に対して使用される接着剤パターンを予測するために、特定の条件をシミュレートすることが困難であることが分かっている。こうした試験としては、支持されない状態で、物品を布材に接合して、それらを引き離すことにより剥離試験を行うことによる、剥離試験があった。他の試験としては、布地に接着されない状態で、例えばねじることにより、非線形の又は動的な動きを加えたときに、汚れたパッドに漏れがあるか否かの試験があった。
【0005】
衛生物品の試験に対して、標準規格、例えば、EDANA Nonwovens Industry Groupによって収集された標準規格が存在する。これらの試験の大部分は、衛生用品を製造するために使用される不織布材料、フィルム材料及び吸収性材料の特性(すなわち、不織布材料の引裂強度、フィルム材料の破裂強度、又は超吸収性ポリマーの吸収性)、組み立てられた吸収性衛生物品の吸収性及び漏れ、並びに、適切な実験計画、データ収集及びデータ分析の一般的なガイドライン(例えば、複合材料積層強度(Composite Lamination Strength)、すなわち剥離試験)に焦点を当てている。吸収性衛生物品の、それを使用中に適所に留まるようにする特性を試験する、一般的に許容される標準的な方法はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
接着剤付き衛生物品における接着剤の有用性、特定の付着量及び接着剤パターンをより正確に予測する方法及びシステムを開発することが望ましい。布材に対する物品のいかなる動きの存在も特定することが望ましいだけでなく、そうした動きをもたらすために必要な力とともに破損のメカニズムを決定することも有用である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術の欠点を鑑みて、本発明の一実施形態は、接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験する方法を含み、前記方法は、第1基板に布材を接着して第1基板の上面で布材を固定するステップと、上記上面に少なくとも1つの重錘を配置するステップであって、少なくとも1つの重錘にリード線が取り付けられる、ステップと、布材に接着剤付き衛生物品を接着するステップと、第1基板に第2基板を取り付けるステップと、少なくとも1つの重錘に力をかけて、布材の上で少なくとも1つの重錘を移動させるとともに布材から接着剤付き衛生物品を分離しながら、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定するステップとを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験するシステムは、布材と布材に接着された接着剤付き衛生物品とを受け入れるように適合された上面を有する第1基板と、第1基板との間の間隙を画定して第1基板に取り付けられた第2基板と、上記上面に配置されるとともに上記間隙内に位置決めされた少なくとも1つの重錘と、少なくとも1つの重錘に力をかけて、布材の上で少なくとも1つの重錘を移動させるとともに布材から接着剤付き衛生物品を分離しながら、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定する力測定システムとを含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の方法及びシステムにより、10、50又は100のあり得る接着剤配合物等、本発明の方法及びシステムによって試験された複数の接着剤配合物に対して、最適な接着特性を有する配合物として、接着剤配合物を特定することができる。1つの実施形態では、こうした接着剤配合物は、布材に女性用ケアパッドを取り付けるために使用される最適な接着特性を実証する。本発明は、こうした接着剤配合物とこうした接着剤配合物で作製された女性用ケアパッドとを企図する。
【0010】
上述した全体的な説明と以下の詳細な説明との両方が、本発明を例示するものであって、限定するものではないことが理解されるべきである。
【0011】
本発明は、添付図面に関連して読まれるとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。一般的な慣行に従って、図面のさまざまな特徴は正確な縮尺ではないことが強調される。図面には、以下の図が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による、接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験する組み立てられたシステムの斜視図である。
【
図2】
図1に示すシステムの構成要素の平面図である。
【
図3A】
図1に示すシステムの、第1基板を含む、いくつかの構成要素の上面図である。
【
図3B】
図1に示すシステムの第2基板の上面図である。
【
図4】ウィング(羽根)を有する接着剤付き衛生物品が取り付けられている、
図1に示すシステムの第1基板の上面図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による布材における好ましい切れ目を示す。
【
図5B】本発明の一実施形態による布材における好ましい折り目を示す。
【
図6】ウィングを有する接着剤付き衛生物品が取り付けられている、
図1に示すシステムの第1基板の上面図であり、ウィングは、第1基板の凹部に隣接して第1基板の下面に取り付けられている。
【
図7A】本発明の別の実施形態の、第1基板を含む、いくつかの構成要素の上面図である。
【
図8】本明細書の実施例による女性用ケアパッドを試験することによって達成された荷重対距離を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態は、下着に接着されるように適合された、女性用ケアパッド、母乳パッド又はいくつかの大人用失禁パッド等、接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験するシステムに関する。
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示すように、システム10は、第1基板12と、第1基板に取り付けられた第2基板14と、少なくとも1つの重錘16a、16bと、力測定システム18とを備える。第1基板12は、布材22と、布材に接着された接着剤付き衛生物品24とを受け入れるように適合された上面20を有する。第2基板14は第1基板に、第1基板と第2基板との間、すなわち、第1基板の上面20と第2基板の下面との間に間隙26を画定するように、(例えば、ナット及びボルトを介して)取り付けられている。第1基板12及び第1基板14に対して、広範囲の材料を使用することができ、プレキシガラスが好適であることが分かっている。少なくとも1つの重錘16a、16bが、第1基板12の上面20に配置され、間隙26内に位置決めされている。「重錘」という用語を用いるが、真の「重錘」が用いられることは必須ではなく、いかなるブロック又は他の形状の固体を使用してもよく、力測定システムは、適切に且つ既知の方法でプログラムすることができる。力測定システムは、少なくとも1つの重錘16a、16bに張力をかけて、布材22の上で少なくとも1つの重錘を引き寄せるとともに布材から接着剤付き衛生物品24を分離しながら、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定する役割を果たす。システムを別の方法で、例えば、少なくとも1つの重錘の外側から互いに向かって押圧力をかけることにより構成し、布材の上で少なくとも1つの重錘を移動させるとともに、布材から接着剤付き衛生物品24を分離しながら、力を測定することが可能であり得る。
【0014】
図示する実施形態は、衛生物品として女性用ケアパッドを示すが、本発明のシステム及び方法は、母乳パッド及び大人用失禁パッド等、他の任意の接着剤付き衛生物品で使用することができる。加えて、本発明のシステム及び方法は、ウィングあり又はなしの女性用ケアパッドで使用することができる。さらに、本発明のシステム及び方法は、広範囲の布材、すなわち、衣類、特に下着に好適である任意の布材で使用することができる。したがって、布材は、木綿、ポリエステル、絹、ナイロン、スパンデックス、エラスタン、再生セルロース、ウール、又はそれらの混合物を含むことができる。
【0015】
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示す実施形態では、重錘16a、16bの各々は、そこに取り付けられ且つそこから延在する、それぞれのリード線28a、28bを有する。組み立てられると、リード線28a、28bは、第2基板14の開口部30を貫通して延在するとともにその開口部30によって受け入れられ、こうした開口部2を介して力測定システム18に取り付けられる。第1基板12の開口部を通る等、別の経路により力測定システム18にリード線を供給するように等、別の方法でシステムを構成することができる。図示しないが、力測定システム18により2つの重錘16a、16bが同時に移動を開始するとともに等距離を移動するように、リード線を結合することが好ましい。
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示す実施形態は、2つの重錘16a、16bを使用し(本明細書ではバンチテスト(bunch test)と称する)、以下の
図7A及び
図7Bに示す実施形態は、単一の重錘を使用する(本明細書ではサイドテスト(side test)と称する)。
【0016】
布材22が第1基板12上で平滑に且つ実質的に固定されるように、布材22を取り付けることが望ましい。この理由は、力が、測定されるとき、物品24が布材22から外れることは反映するが、布材が第1基板12から分離することは反映しないことを確実にするためである。後者を反映する場合、力は物品24が布材22から外れることのみを反映しないため、これはデータの精度に悪影響を与える可能性がある。この実質的な固定は、
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示す実施形態では、布材22の第1基板12へのフック及びループ(面ファスナ)取付けによって達成することができる。特に、システム10は、布材が折り曲げられる位置で、第1基板12の上面20及び第1基板の下面に接着されたフックテープ(図示せず)をさらに備える。フックテープは、第1基板12の両面の全体若しくはその一部のみに、又は、より好ましくは、システムの動作時に布材が配置されることが意図されるそれらの面のみに接着することができる。布材は、ループ材料としての役割を果たし、したがって、面ファスナ機構によって実質的に固定される。
【0017】
本発明のシステムは、少なくとも1つの重錘に力をかけて、布材の上で少なくとも1つの重錘を移動させ、布材から接着剤付き衛生物品を分離しながら、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定する、力測定システム18を含む。力測定システムは、表面の上で重錘を移動させる荷重を測定するために使用される、任意の既知の力測定システムであり得る。こうした力測定システムは、Norwood、MassachusettsのInstronから入手可能である。好適であると考えられる1つのシステムは、Intron5500Rシステムである。それは、一端がリード線に結合され、他端が、取り付けられて組み立てられた基板に、例えば、第1基板12の下面から、第2基板14から離れる方向に延在する突出部に結合される。力測定システムは、システムに関連するソフトウェアを使用することを含む、既知の方法で使用することができる。
【0018】
図5、
図5A、
図5B及び
図6に示す実施形態では、システム10は、ウィング32a、32bを有する接着剤付き衛生物品24を受け入れるように構成されている。こうしたウィングは、ウィングが下着の縁部で折り曲げられ、下着の外面(すなわち、身体から離れる方に面する下着の表面)に接着されるのを可能にすることにより、接着剤付き衛生物品をより適切に下着に貼り付けることが知られている。この態様をシミュレートするために、第1基板12に凹部34a、34bが形成され、それらが、接着剤付き衛生物品24のウィング32a、32bを受け入れる役割を果たす。加えて、凹部34a、34bは、布材22を受け入れ、凹部に隣接する第1基板12の下面まで布材22が折り曲げられるのを可能にする。したがって、ウィングありの接着剤付き衛生物品が装着者によって使用されるときと同様に、ウィングは縁部の周りで折り曲げられ、布材の他方の側で布材に接着される。これは、使用者によって装着される際のパッドを最もよくシミュレートするように意図されている。
【0019】
再現性を向上させるために、重錘は、第1基板12及び第2基板14によって形成された間隙26によって画定される平面(すなわち、x-y平面)内で裏返しになることもねじれることもないことを確実にすることが好ましい。これは、試験の再現性を確保するために好ましい。ウィング32a、32bを受け入れる凹部34a、34bを含むことは、これを回避する1つの方法である。別の方法は、各重錘16a、16bに、動作時に重錘から第2基板14に向かって上方に延在するとともに移動の方向に対して平行に延在する、線状突起を設けることである。この突起は、少なくとも1つの重錘が移動する際に、第2基板14の下面に形成された線状溝と嵌合し得る。これは、物品がウィングを有するか否かに関わらず、重錘を安定させる役割を果たす。さらに、重錘が、テスト結果に影響を与える可能性のあるz方向の移動を行うことができないように、間隙26の高さが重錘の高さに近いことが好ましい。言い換えれば、重錘が起き上がって物品の上部に乗るのを可能にすることは望ましくないかもしれない。好ましくは、基板及び重錘の材料は、摩擦抵抗がほとんど発生しないように選択される。
【0020】
本発明の実施形態の別の特徴は、使用者が、少なくとも1つの重錘の物品との中心接触点に対応する点で接着剤付き衛生物品の内側に印を付ける、指標点36の使用である。図示するように、物品の背面にドットが配置されている。パッドの背面を何らかの力にさらすことは、女性用ケアパッドにかけられる典型的な力をより正確に反映することが分かっている。布材に物品を完全に接着する前に、第1基板の上に第2基板が配置され、指標点が第2基板の開口部と位置合せされることを確実にするように、パッドを検査する(且つ必要に応じて移動させる)ことができる。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験する方法は、第1基板12に布材22を接着して第1基板の上面20で布材を固定するステップと、その上面に少なくとも1つの重錘16a、16bを配置するステップと、布材に接着剤付き衛生物品24を接着するステップと、第1基板に第2基板14を取り付けるステップと、少なくとも1つの重錘に力をかけて、布材の上で少なくとも1つの重錘を移動させるとともに布材から接着剤付き衛生物品を分離しながら、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定するステップとを含む。このように、測定される力は、システム全体、すなわち、接着剤が物品と布材との間で作用しなくなるようにするために必要な力と、物品がひだ状になる(bunch)のに必要な力との両方を反映する。
【0022】
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示す実施形態では、リード線28a、28bは、それぞれの重錘16a、16bに取り付けられ、第2基板14は、リード線を受け入れる開口部30を有する。この実施形態では、本方法は、開口部30を貫通してリード線16a、16bを延在させるステップをさらに含む。上述したように、力測定システム18により2つの重錘16a、16bが同時に移動を開始するとともに等距離を移動するように、リード線を結合することが好ましい。後述するように、再現性を向上させるとともに(重錘を移動させるのとは対照的に)線を引き締めるだけの測定を行うことを回避するために、線に張力をかける力の測定を開始する前に、線からいかなるたるみも除去することが好ましい。本方法は、2つの重錘又は1つの重錘を使用することを含むことができる。
【0023】
前述したように、
図5、
図5A、
図5B及び
図6に示す実施形態では、システム10は、ウィング32a、32bを有する接着剤付き衛生物品24を受け入れるように構成されている。こうしたシステムを使用する方法は、衛生物品のウィングを受け入れる凹部を有する基板に布材を接着するときにプリーツの形成を低減させるように、布材を切断することを含むことができる。
図5Aに、布材の好ましい切れ目を示す。
図5Bに、好ましい折り目を示す。これらの切れ目及び折り目は、しわもプリーツもなしに第1基板に布を巻き付ける役割を果たす。
【0024】
理解することができるように、布材20は、数回の試験サイクルの後、残留接着剤を保持し、それによりその摩擦抵抗に影響を及ぼし、それにより結果に影響を与えることにより、悪影響を受けることになる可能性がある。したがって、布材を定期的に交換することが好ましい。好ましくは、布材は、3~20回の試験サイクルの後、好ましくは3~10回の試験サイクルの後、最も好ましくは3~7回の試験サイクルの後に交換される。
【0025】
上述したように、本方法は、少なくとも1つの重錘が線状突起を有し、第2基板が、その下面に、少なくとも1つの重錘が移動する際に突起と嵌合するように適合された対応する線状溝を有することで、使用することができる。加えて、本方法は、少なくとも1つの重錘の物品との所望の中心接触点に対応する点で、接着剤付き衛生物品の内側に指標点を印すことを含むことができる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、本方法は、力をかけるステップの前に、物品を流体で汚すステップ、物品を、指定された時間、上昇した温度にさらすステップ、又は物品に重みを加えるステップのうちの少なくとも1つをさらに含む。これは、接着剤にさらなる課題を課す現実のシナリオをシミュレートするように意図されている。例えば、衛生物品は、使用中に濡れる可能性があり、上昇した温度にさらされる可能性があり、又はさらなる力を受ける可能性がある。したがって、本発明の方法に対するこれらの変更形態は、これらのあり得る現実のシナリオをより適切にシミュレートする役割を果たし得る。
【0027】
力測定システムは、広範囲の有用なデータを提供するように選択することができる。最も重要なのは、物品が布材から分離されている際に重錘を移動させるために必要な力(すなわち、荷重)である。他の値としては、物品が布材に貼り付けられた距離の範囲等の所与の距離にわたる平均荷重とともに、特に、重錘が最初に物品と接触する点における、瞬間荷重値又はその勾配が含まれ得る。本方法は、測定された力から、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触しているときに対応する移動した距離の間の平均力を取得するステップをさらに含むことができる。一実施形態では、力-距離曲線の勾配の値は、物品が移動を開始したばかりの点において示される。この点における高い力の値及び/又は高い勾配は、好ましい接着剤、接着剤の荷重及び/又は接着剤パターンを反映する。
【0028】
図7A及び
図7Bは、1つの重錘のみが使用される本発明のシステムの代替実施形態を示す。この実施形態は、接着剤、その付着量、及び/又はその塗布パターンが、物品にかけられる異なる力プロファイルにいかに応答するかをシミュレートするために使用される。特に、
図7A及び
図7Bの実施形態は、力が1つの方向のみから物品に与えられる状況をシミュレートし、したがって、物品の幅全体にわたって、物品のひだ状化(bunching)が発生する。一方、
図1、
図2、
図3A及び
図3Bの実施形態は、力が物品に両方向から等しく与えられる状況をシミュレートし、したがって、物品のひだ状化は、物品の縁部から中心に発生する。
【0029】
図7A及び
図7Bに示す実施形態は、
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示す実施形態と概して同様である。
図7Aに示すように、第1基板52は、布材72を受け入れる上面60を有し、その上に、接着剤付き衛生物品64を接着することができる。重錘56が、第1基板52の上面60に配置され、第2基板が第1基板に取り付けられた後の第1基板と第2基板52との間の間隙内に位置決めされる。リード線68が、物品の幅全体を横切って延在し、
図7Bに示す第2基板54に形成された開口部80を貫通して供給され、その開口部80で、リード線68は、力測定システムまで延在するとともに力測定システムに取り付けられる。
図7Bに見ることができるように、開口部は、リード線68が基板の間の間隙から上向きに延在すべき場所、すなわち、重錘とは反対側の物品の縁部における位置に対応するように、第2基板54の幅の中心からオフセットしている。
【0030】
本方法を実施する際、以下の手法を使用することができる。第1に、(ループとしての役割を果たす)布を第1基板に取り付けられたフックテープに接着することにより、第1基板に布材が取り付けられる。次いで、布材に接着剤付き衛生物品が、少なくとも1つの重錘が所望の表面に接触することになるように物品を並べて、所望の位置で取り付けられる。再現性を向上させるために、布材に物品を接着するときに、物品に同じ力が与えられるべきである。例えば、標準的な2kgローラの同じ回数のパス(例えば、2回)を、ローラに対していかなる追加の下向きの圧力もかけられることなく使用することができる。重錘が第1基板の上に位置決めされた後、リード線が、第2基板の開口部を通して供給され、基板は互いにボルト締めされる。次いで、力測定システムに関連するソフトウェアが開かれ、試験のタイプ(すなわち、バンチ又はサイド)が指定される。次いで、力測定システムの下部ジョー内に基板を挟み込み、重錘から延在するリード線を力測定システムの上部ジョーに挟み込むことにより、組み立てられたシステムが力測定システムに取り付けられる。次に、紐からたるみの大部分を除去するようにジョーが調整され、ロードセルがゼロ設定される。次いで、力測定システムを開始することにより、試験が実行される。システムのソフトウェアは、以下を制御し、すなわち、リード線が移動する速度が特定の値に設定され、システムがデータを記録し始める最大力が特定され、重錘が移動する距離(例えば、バンチテストの場合は4~8cm、サイドテストの場合は7~11cm)が指定され、データが記録され、試験の後、システムは、重錘をそれらの元の位置に戻す。次に、使用者は、データにおいて、重錘が物品と接触していた点に対応する位置を特定する。ソフトウェアは、この範囲にわたり平均荷重及び平均勾配値を計算する。使用者は、破損モードに関するコメントも記録する。何回かの試験(例えば、5回の試験)の後、布材の新しいサンプルが、既存の布材に置き換わる。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の方法又はシステムにより、複数の接着剤配合物が試験される。各接着剤配合物は、本発明の方法又はシステムに基づいて、それ自体の接着特性を有することが分かる。最適な接着剤配合を有する接着剤配合物が特定され得る。試験される配合物の数は、10、50若しくは100等、2よりも大きい任意の数、又はそれらよりも大きい任意の数であり得る。1つの実施形態では、こうした接着剤配合物は、女性用ケアパッドを布材に取り付けるために使用される最適な接着特性を実証する。本発明は、こうした接着剤配合物と、こうした接着剤配合物で作製された女性用ケアパッドとを企図する。
【0032】
発明の態様
態様1.
接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験する方法であって、
第1基板に布材を接着して第1基板の上面で布材を固定するステップと、
上記上面に少なくとも1つの重錘を配置するステップであって、少なくとも1つの重錘にリード線が取り付けられる、ステップと、
布材に接着剤付き衛生物品を接着するステップと、
第1基板に第2基板を取り付けるステップと、
少なくとも1つの重錘に力をかけて、布材の上で少なくとも1つの重錘を移動させるとともに布材から接着剤付き衛生物品を分離しながら、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定するステップと、
を含む、方法。
【0033】
態様2.
少なくとも1つのリード線が、少なくとも1つの重錘に取り付けられ、第2基板が、少なくとも1つのリード線を受け入れる開口部を有し、当該方法が、開口部を通して少なくとも1つのリード線を延在させるステップをさらに含む、態様1に記載の方法。
【0034】
態様3.
少なくとも1つの重錘が1つの重錘からなる、態様1又は2に記載の方法。
【0035】
態様4.
少なくとも1つの重錘が2つの重錘からなる、態様1又は2に記載の方法。
【0036】
態様5.
布材が、第1基板の縁部で折り曲げられ、布材が、第1基板の下面に接着される、態様1~4のいずれかの方法。
【0037】
態様6.
フックテープが、布材が折り曲げられている位置で、第1基板の上面と第1基板の下面とに接着される、態様1~5のいずれかの方法。
【0038】
態様7.
接着剤付き衛生物品が、ウィングを有し、第1基板が凹部を有し、凹部が、接着剤付き衛生物品のウィングと、凹部に隣接する第1基板の下面まで折り曲げられる布材とを受け入れる、態様1~6のいずれかの方法。
【0039】
態様8.
布材を第1基板に接着するときのプリーツの形成を低減させるように布材を切断するステップをさらに含む、態様7に記載の方法。
【0040】
態様9.
ウィングを切断するか、又は物品を軸方向に再配置するステップをさらに含む、態様7に記載の方法。
【0041】
態様10.
3~20回の試験サイクル、好ましくは3~10回の試験サイクル、最も好ましくは3~7回の試験サイクルの後に布材を交換するステップをさらに含む、態様1~9のいずれかの方法。
【0042】
態様11.
測定するステップが、少なくとも1つの重錘の荷重によって移動する直線距離に基づいて、力及び力の勾配を測定することを含む、態様1~10のいずれかの方法。
【0043】
態様12.
測定された力から、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触しているときに対応する移動した距離の間の平均力を取得するステップをさらに含む、態様1~11のいずれかの方法。
【0044】
態様13.
接着剤付き衛生物品が、ウィングあり又はウィングなしの女性用ケアパッド、母乳パッド及び大人用失禁パッドからなる群から選択される、態様1~12のいずれかの方法。
【0045】
態様14.
少なくとも1つの重錘が、線状突起を有し、第2基板が、その下面に、少なくとも1つの重錘が移動する際に突起と嵌合するように適合された線状溝を有する、態様1~13のいずれかの方法。
【0046】
態様15.
少なくとも1つの重錘の物品との中心接触点に対応する点において、接着剤付き衛生物品の内面に指標点を印すステップをさらに含む、態様1~14のいずれかの方法。
【0047】
態様16.
布材が、木綿、ポリエステル、絹、ナイロン、スパンデックス、エラスタン、再生セルロース、ウール又はそれらの混合物からなる群から選択される、態様1~15のいずれかの方法。
【0048】
態様17.
力をかけるステップの前に、物品を流体で汚すステップ、物品を、指定された時間、上昇した温度にさらすステップ、又は物品に重みを加えるステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、態様1~16のいずれかの方法。
【0049】
態様18.
接着剤付き衛生物品に使用される接着剤を試験するシステムであって、
布材と布材に接着された接着剤付き衛生物品とを受け入れるように適合された上面を有する第1基板と、
第1基板との間の間隙を画定して第1基板に取り付けられた第2基板と、
上記上面に配置されるとともに上記間隙内に位置決めされた少なくとも1つの重錘と、
少なくとも1つの重錘に力をかけて、布材の上で少なくとも1つの重錘を移動させるとともに布材から接着剤付き衛生物品を分離しながら、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力を測定する力測定システムと、
を備える、システム。
【0050】
態様19.
少なくとも1つの重錘に取り付けられたリード線をさらに備え、第2基板が、リード線を受け入れる開口部を有し、リード線が、力測定システムに取り付けられている、態様18に記載のシステム。
【0051】
態様20.
少なくとも1つの重錘が1つの重錘からなる、態様18又は19に記載のシステム。
【0052】
態様21.
少なくとも1つの重錘が2つの重錘からなる、態様18又は19に記載のシステム。
【0053】
態様22.
布材が折り曲げられている位置で、第1基板の上面と第1基板の下面とに接着されたフックテープをさらに備える、態様18~21のいずれかのシステム。
【0054】
態様23.
第1基板が凹部を有し、凹部が、接着剤付き衛生物品のウィングと、凹部に隣接する第1基板の下面まで折り曲げられる布材とを受け入れる、態様18~22のいずれかのシステム。
【0055】
態様24.
少なくとも1つの重錘が、線状突起を有し、第2基板が、その下面に、少なくとも1つの重錘が移動する際に突起と嵌合するように適合された線状溝を有する、態様18~23のいずれかのシステム。
【0056】
態様25.
力測定システムが、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の平均力と、少なくとも1つの重錘が接着剤付き衛生物品と接触した後に移動する際の力-距離曲線の勾配とを求める手段を備える、態様18~24のいずれかのシステム。
【0057】
態様26.
態様1~17に記載の方法又は態様18~25のシステムによって試験された複数の接着剤配合物に対して最適な接着特性を有する接着剤配合物。
【0058】
態様27.
態様26に記載の接着剤配合物で作製された女性用ケアパッド。
【実施例】
【0059】
以下は、本発明の方法及びシステムの使用の実施例を提供する。
【0060】
図1、
図2、
図3A及び
図3Bに示すようなシステムを使用して、女性用ケアパッドの接着剤を試験した。このシステムは、プレキシガラス基板と250gの真鍮重錘を使用した。力測定システムとして、Illinois Tool Worksから入手可能なInstron5500R(Bluehill Softwareを含む)を使用した。2つの重錘を使用し、そのため、市販の女性用ケアパッドに対してバンチテストを実施した。
【0061】
この方法を実施する際、第1基板に取り付けられたフックテープに(ループとしての役割を果たす)布を接着することにより、第1基板に木綿布材を取り付けた。次いで、布材の所望の位置に接着剤付き衛生物品を取り付け、すなわち、重錘が物品の背面の近くで重錘の対面する側部全体に沿って物品と接触することができるように取り付けた。布材に物品を接着するために、標準的な2kgローラの2回のパスを、ローラに対して追加の下向きの圧力がかかることなく行った。重錘を第1基板上に位置決めした後、リード線を、62、力測定システムに関連するソフトウェアを開き、試験のタイプ(すなわち、バンチ)を指定した。次いで、力測定システムの下部ジョー内に基板を挟み込み、重錘から延在するリード線を力測定システムの上部ジョーに挟み込むことにより、組み立てたシステムを力測定システムに取り付けた。次に、紐からたるみの大部分を除去するようにジョーを調整し、ロードセルをゼロ設定した。次いで、力測定システムを開始することにより、試験を実行した。
【0062】
システムのソフトウェアは以下のように設定した。
a.初期移動速度は、16.5cm/minに設定した。
b.データの記録を開始する力は、デフォルトのデータ取込み速度で感じられる50gf(グラム重)に設定した。
c.重錘を移動させる距離は、バンチテストの場合は6.5cmで設定した。
d.データは記録データであり、試験実行の完了時に、重錘をそれらの初期位置に戻した。
【0063】
試験の後、使用者は、データにおいて、重錘が物品と接触していた点に対応する、すなわち3cm~6cmの位置を特定した。次いで、ソフトウェアは、それらの入力に基づいて、平均荷重及び平均勾配を計算した。5回のこうした実行からのデータを
図8として添付する。見ることができるように、最初の3.5cmは、重錘が物品と接触する前の布材に沿った重錘の移動を反映する。物品に接触すると、荷重は適切に増大する。検査により、使用者は、物品が最初に目に見えて移動した場所を記録することができる。異なる条件、すなわち、異なる物品、異なる接着剤、異なる接着剤荷重及び異なる接着剤パターンでのデータのセットを比較することにより、最適なシステムを特定することができる。
【国際調査報告】