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特表2022-532364外科用ステープラのアクチュエータ支持構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(54)【発明の名称】外科用ステープラのアクチュエータ支持構造
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568041
(86)(22)【出願日】2020-05-05
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 IB2020054251
(87)【国際公開番号】W WO2020229943
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】16/410,006
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】コートライト・ニコラス・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミソン・バリー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クロッパー・マイケル・エス
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド・ブラッドレー・エイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC02
4C160CC09
4C160CC22
4C160CC40
(57)【要約】
外科用ステープラは、第1の細長い部材と、第2の細長い部材と、クランプ部材と、発射アセンブリとを含む。第2の細長い部材は、ステープルカートリッジを受け入れるように構成される。クランプ部材は、第1の細長い部材を第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能である。発射アセンブリは、ステープルカートリッジを発射するために並進可能である。発射アセンブリは、スライダと、ユーザによって選択的に作動されるように構成されたアクチュエータとを含む。スライダは、内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む。アクチュエータは、内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む。アクチュエータの内側係合特徴部は、アクチュエータがスライダに対して移動するときに、第1の界面でスライダの内側係合特徴部と係合するように構成される。アクチュエータの外側係合特徴部は、アクチュエータがスライダに対して移動するときに、第2の界面でスライダの外側係合特徴部と係合するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラであって、
(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、前記アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、
(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、
(c)前記第1の細長い部材を前記第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、
(d)発射アセンブリであって、前記第1の細長い部材が前記第2の細長い部材に対してクランプされたときに前記ステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、前記発射アセンブリは、
(i)スライダであって、
(A)内側係合特徴部と、
(B)外側係合特徴部と、を含む、スライダと、
(ii)ユーザによって選択的に作動されるように構成されたアクチュエータであって、
(A)前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、第1の界面で前記スライダの前記内側係合特徴部と係合するように構成された内側係合特徴部と、
(B)前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、第2の界面で前記スライダの前記外側係合特徴部と係合するように構成された外側係合特徴部と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
【請求項2】
前記第2の界面は前記第1の界面から離隔しており、前記第1の界面及び前記第2の界面は、前記スライダに対する前記アクチュエータの偏向を制限し、前記スライダと前記アクチュエータとの結合を改善するように構成されている、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項3】
前記スライダの前記外側係合特徴部は、前記スライダの外面に形成され、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部は、前記アクチュエータが前記スライダの第1の側面と前記スライダの第2の側面との間を移動するときに、前記スライダの前記外側係合特徴部に沿って摺動するように構成されている、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項4】
前記スライダの前記外側係合特徴部は、第1の外側凹部を含み、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部は、第1の外側突起を含み、前記第1の外側突起は、前記アクチュエータが前記スライダの第1の側面と前記スライダの第2の側面との間を移動するときに前記第1の外側凹部に沿って摺動するように構成されている、請求項2に記載の外科用ステープラ。
【請求項5】
前記スライダの前記外側係合特徴部は、第2の外側凹部を含み、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部は、第2の外側突起を含み、前記第2の外側突起は、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、前記第2の外側凹部に沿って摺動するように構成されている、請求項4に記載の外科用ステープラ。
【請求項6】
前記アクチュエータの前記第1の外側突起及び前記第2の外側突起は、上部弓形外側突起及び下部弓形外側突起を含み、前記スライダの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部は、上部弓形外側凹部及び下部弓形外側凹部を含み、前記上部弓形外側突起及び前記下部弓形外側突起は、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、それぞれ前記上部弓形外側凹部及び前記下部弓形外側凹部に沿って摺動するように構成されている、請求項5に記載の外科用ステープラ。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータに対して垂直に延びるアームを含み、前記第1の外側突起及び前記第2の外側突起は、前記アームから延びる第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起を含み、前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起は、前記スライダのそれぞれの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部に受け入れられるように構成されている、請求項5に記載の外科用ステープラ。
【請求項8】
前記第1のL字形突起及び前記第2のL字形突起は、第1の先端部分及び第2の先端部分を含み、前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起の前記第1の先端部分及び前記第2の先端部分は、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部の前記アームに平行に延び、前記スライダのそれぞれの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部に受け入れられるように構成されている、請求項7に記載の外科用ステープラ。
【請求項9】
前記アクチュエータの前記内側係合特徴部は、互いに反対向きに、かつ前記アクチュエータの前記外側係合特徴部の前記アームに垂直に延びる第1の内側突起及び第2の内側突起を含む、請求項7に記載の外科用ステープラ。
【請求項10】
前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起並びに前記第1の内側突起及び前記第2の内側突起は弓形である、請求項9に記載の外科用ステープラ。
【請求項11】
前記スライダの前記内側係合特徴部は、C字形係合特徴部を含み、前記C字形係合特徴部は、前記アクチュエータの前記内側係合特徴部を受け入れるように構成されたキャビティを形成している、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項12】
前記アクチュエータの前記内側係合特徴部は、互いに反対向きに延びる、反対向きの第1の内側突起及び第2の内側突起を含み、前記第1の内側突起及び前記第2の内側突起は、前記キャビティ内に確実に受け入れられるように構成されている、請求項11に記載の外科用ステープラ。
【請求項13】
前記スライダは、それぞれが第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含む第1の本体部分及び第2の本体部分を含み、前記スライダの前記外側係合特徴部は、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を受け入れるように構成された前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部を含む、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項14】
前記スライダは、内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第3の本体部分を含み、前記第3の本体部分の前記外側係合特徴部は、第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含み、それらは、前記第1の本体部分及び前記第2の本体部分の前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部と共に、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を受け入れるように構成されている、請求項13に記載の外科用ステープラ。
【請求項15】
前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部は、前記スライダの第1の側面及び第2の側面に沿って集合的に延びて、前記スライダの前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を案内する、請求項14に記載の外科用ステープラ。
【請求項16】
外科用ステープラであって、
(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、前記アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、
(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、
(c)前記第1の細長い部材を前記第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、
(d)発射アセンブリであって、前記第1の細長い部材が前記第2の細長い部材に対してクランプされたときに前記ステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、前記発射アセンブリは、
(i)それぞれ反対の方向に開口する第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含むスライダと、
(ii)ユーザによって選択的に作動されるように構成されたアクチュエータであって、
(A)本体と、
(B)前記本体から延びる第1の外側突起であって、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに前記第1の外側凹部に沿って摺動するように構成された、第1の外側突起と、
(C)前記本体から延びる第2の外側突起であって、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに前記第2の外側凹部に沿って摺動するように構成された、第2の外側突起と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
【請求項17】
前記第1の外側突起及び前記第2の外側突起は、前記スライダの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部に受け入れられるように構成された第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起を含み、前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起の先端は、前記本体に平行に延びる、請求項16に記載の外科用ステープラ。
【請求項18】
外科用ステープラであって、
(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、前記アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、
(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、
(c)前記第1の細長い部材を前記第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、
(d)発射アセンブリであって、前記第1の細長い部材が前記第2の細長い部材に対してクランプされたときに前記ステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、前記発射アセンブリは、
(i)スライダであって、
(A)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第1の本体部分と、
(B)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第2の本体部分と、
(C)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第3の本体部分と、を含む、スライダと、
(ii)アクチュエータであって、
(A)前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記内側係合特徴部に対して移動するように構成された内側係合特徴部と、
(B)前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記外側係合特徴部に対して移動するように構成された外側係合特徴部と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
【請求項19】
前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記外側係合特徴部はそれぞれ、第1の外側凹部、第2の外側凹部及び第3の外側凹部を含み、前記第1の外側凹部、前記第2の外側凹部及び前記第3の外側凹部は、前記スライダの第1の側面及び前記スライダの第2の側面から集合的に延び、それにより、前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記第1の外側凹部、前記第2の外側凹部及び前記第3の外側凹部は、前記スライダの前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を集合的に保持及び案内する、請求項18に記載の外科用ステープラ。
【請求項20】
前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記内側係合特徴部はそれぞれ、集合的にキャビティを形成する第1の内側凹部、第2の内側凹部、及び第3の内側凹部を含み、前記アクチュエータの前記内側係合特徴部は、前記キャビティ内に確実に受け入れられるように構成された第1の内側突起及び第2の内側突起を含む、請求項19に記載の外科用ステープラ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
胃腸吻合術などの一部の外科手術では、組織の1つ以上の層をクランプし、クランプされた層を切断し、同時に層を通してステープルを打ち込んで、組織の切断された層をそれらの切断された端部の近くで実質的に互いに封止することが望ましい場合がある。そのような手術に使用され得るそのような器具の1つは、「線形カッター」とも呼ばれる線形外科用ステープラである。線形外科用ステープラは一般に、ステープルカートリッジ(又は「再装填部」)を支持するように構成された遠位ジョーを有する第1の半体(「カートリッジ半体」又は「再装填半体」と呼ばれる)と、ステープル形成特徴部を有するアンビル表面を支持する遠位ジョーを有する第2の半体(「アンビル半体」と呼ばれる)とを含む。ステープラは、ステープラ半体を共に解放可能にクランプするように構成された移動可能なクランプレバーを更に含む。ステープラ半体は、クランプレバーが閉じられたときに2つの遠位ジョーの間に組織を受け入れてクランプするために、互いに対して枢動するように構成される。ステープラの発射アセンブリは、クランプされた層を切断し、同時に切断線の両側の組織を通してステープルを打ち込むよう作動するように構成される。ステープラを発射した後、クランプレバーを開いてステープラ半体を分離し、切断されステープル留めされた組織を解放することができる。
【0002】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が製造及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を製造又は使用したことがないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示しており、上記の本発明の一般的な説明、及び以下の実施形態の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
図1】ステープラのカートリッジ半体及びアンビル半体が、完全閉鎖位置にあるカートリッジ半体のクランプレバーと共に結合されていることを示す、例示的な線形外科用ステープラの遠位斜視図である。
図2図1の線形外科用ステープラの分解斜視図である。
図3図1の線形外科用ステープラのステープルカートリッジアセンブリの断面斜視図である。
図4A】ステープラ半体が開放位置にあるクランプレバーと共にそれらの近位端で結合されていることを示す、図1の線形外科用ステープラの断面側面図である。
図4B】ステープラ半体が部分的閉鎖位置にあるクランプレバーと共に結合されていることを示す、図1の線形外科用ステープラの断面側面図である。
図4C】ステープラ半体が完全閉鎖位置にあるクランプレバーと共に結合されていることを示す、図1の線形外科用ステープラの断面側面図である。
図5A】近位の発射前位置にあるステープラのアクチュエータを示す、図1の線形外科用ステープラの遠位斜視図である。
図5B】遠位の発射位置にあるアクチュエータを示す、図1の線形外科用ステープラの遠位斜視図である。
図6図1の線形外科用ステープラの発射アセンブリの遠位斜視図である。
図7図1の線形外科用ステープラのシュラウドに対して角度が付けられたアクチュエータの上面図である。
図8図6の発射アセンブの分解近位斜視図であり、発射アセンブリが、図2のフレームに沿って摺動可能なアクチュエータ、上部本体部分、下部本体部分、及び中央本体部分を含む図である。
図9図6の発射アセンブリ及びフレームの分解側面立面図であり、アクチュエータ、上部本体部分、下部本体部分、及び中央本体部分がそれぞれ、内側係合特徴部を含む図である。
図10図6の線形外科用ステープラの近位断面斜視図であり、第1の本体部分及び第2の本体部分の内側結合特徴部がアクチュエータの内側結合特徴部と係合している図である。
図11図1の線形外科用ステープラの例示的な代替発射アセンブリの斜視図であり、発射アセンブリが、図2のフレームに沿って摺動可能な例示的アクチュエータ及び例示的スライダを含む図である。
図12図11の発射アセンブリの分解斜視図であり、発射アセンブリは、図2のフレームに沿って摺動可能なアクチュエータ、上部本体部分、下部本体部分、及び中央本体部分を含む図である。
図13図11の発射アセンブリの側面立面図である。
図14図11の発射アセンブリの分解側面立面図であり、アクチュエータ、上部本体部分、下部本体部分、及び中央本体部分がそれぞれ、内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む図である。
図15】別の視点からとった図11の発射アセンブリの断面斜視図であり、スライダの内側係合特徴部がアクチュエータの内側係合特徴部と係合し、スライダの外側内側係合特徴部がアクチュエータの外側係合特徴部と係合している図である。
図16図15の発射アセンブリの拡大部分の拡大断面斜視図である。
図17】別の角度からとった図11の発射アセンブリの斜視図であり、スライダの内側係合特徴部は、アクチュエータの内側係合特徴部と係合し、スライダの外側係合特徴部はアクチュエータの外側係合特徴部と結合されている図である。
図18】例示的な代替線形外科用ステープラの近位斜視図であり、アクチュエータの上部外側突起及び下部外側突起が、カートリッジ半体及びアンビル半体のシュラウドのレールと係合している図である。
図19図18のアクチュエータの上部突起が、図18の線形外科用ステープラのシュラウドのレールと係合していることを示す上面図である。
【0004】
図面は、いかなる方法でも限定することを意図するものではなく、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも示されていないものを含めて、他の様々な方法で実施され得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を例示しており、説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たす。しかしながら、本発明は示された正確な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、すべて本発明から逸脱することなく、他の異なる明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないと見なされるべきである。
【0006】
本開示を明確にするために、本明細書において、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科医のより近くに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタのより近くに配置され、かつ外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。更に、図面を参照して「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は例示的な説明の目的でのみ使用され、限定的又は絶対的であることを意図しないことが理解されるであろう。この点に関して、本明細書に開示されるような外科用器具は、本明細書に示され記載されるものに限定されない様々な方向及び位置で使用され得ることが理解されるであろう。
【0007】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書で記載されるような意図された目的で機能することを可能にする適切な寸法公差を示す。
【0008】
I.例示的な線形外科用ステープラ
A.線形外科用ステープラの概要
図1及び図2は、胃腸吻合手術などの様々な切断及びステープル留め手術において使用するのに適した例示的な線形外科用ステープラ(10)(「線形カッター」とも呼ばれる)を示す。線形外科用ステープラ(10)は、カートリッジ半体(12)(「再装填半体」とも呼ばれる)及びアンビル半体(14)を含み、それらは、互いに解放可能に結合して、それらの間に組織をクランプするように構成される。カートリッジ半体(12)は、フレーム(16)を含む。フレーム(16)は、細長いチャネルを形成するために略U字形であるように示されている。フレーム(16)は、近位フレーム部分(18)と、遠位フレーム部分(20)と、それらの間に内側に配置された一対の直立側部フランジ(22)とを含む。近位フレーム部分(18)は、発射アセンブリ(34)の一部分を摺動可能に保持する。遠位ジョー部分(20)は、ステープルカートリッジ(80)(又は「再装填部」)を支持する。
【0009】
カートリッジ半体(12)は、側部フランジ(22)とほぼ整列してフレーム(16)の下面に枢動可能に結合されたクランプレバー(24)を更に含む。クランプレバー(24)は、自由近位端と、枢動ピン(28)でフレーム(16)に枢動可能に結合された遠位端とを有する細長いレバーアーム(26)を含む。一対の対向するジョー(30)は、フレーム(16)の側部フランジ(22)に沿ってレバーアーム(26)の遠位端から遠位に延びる。各ジョー(30)は、閉鎖近位端及び開放遠位端を有するそれぞれの細長いスロット(32)を含み、このスロットは、アンビル半体(14)のそれぞれのラッチ突起(56)と係合するように構成された上部カム表面及び下部カム表面を画定する。以下に記載されるように、クランプレバー(24)は、開放位置と閉鎖位置との間でフレーム(16)に対して枢動し、アンビル半体(14)をカートリッジ半体(12)に対して解放可能にクランプし、それによって、それらの間に組織層を捕捉するように動作可能である。
【0010】
図2に最もよく示されるように、カートリッジ半体(12)の発射アセンブリ(34)は、概略的に示され、フレーム(16)の近位フレーム部分(18)内に摺動可能に保持されたスライダ(36)と、スライダ(36)と移動可能に結合されたアクチュエータ(38)(又は「発射ノブ」)と、スライダ(36)から遠位に延び、ステープルカートリッジ(80)内に収容されたスレッド(100)(図3に示される)と結合するように構成された細長い作動ビーム(図示せず)とを含む。本実施例のアクチュエータ(38)は、カートリッジ半体(12)の近位端を中心に枢動して、ステープラ(10)の「両面発射」を提供するように構成される。具体的には、アクチュエータ(38)は、遠位発射ストロークを実行するためにカートリッジ半体(12)のいずれかの側面に沿って配置されてもよく、それにより、ステープラ(10)は、外科手術中に様々な方向で都合よく発射され得る。
【0011】
スライダ(36)は、図2及び図5Aに示される近位ホーム位置と、図5Bに示される遠位発射位置との間で、アクチュエータ(38)によって近位フレーム部分(18)内で並進可能に駆動されるように構成される。近位ホーム位置では、スライダ(36)は、フレーム(16)の近位端に固定されたポスト(40)に当接する。ポスト(40)の自由端は、横方向に延在する枢動ピン(42)を支持する。以下に記載されるように、アクチュエータ(38)は、ステープラ半体(12、14)が互いに完全に結合され、クランプレバー(24)が閉じられたときに、遠位に駆動され得る。ステープラ(10)のいずれかの側面に沿ったアクチュエータ(38)の遠位前進は、スライダ(36)及び細長い作動ビームを遠位に駆動し、次に、スレッド(100)を、ステープルカートリッジ(80)を通して遠位に駆動する。以下に記載されるように、ステープルカートリッジ(80)を通ったスレッド(100)の遠位並進は、ステープラ半体(12、14)の間にクランプされた組織の同時のステープル留め及び切断をもたらす。
【0012】
図1及び図2に最もよく示されるように、線形外科用ステープラ(10)のアンビル半体(14)は、近位フレーム部分(52)及び遠位ジョー部分(54)を有する細長いアンビルチャネル(50)を含む。アンビルチャネル(50)は、アンビルチャネル(50)の内側部分からカートリッジ半体(12)に向かう方向に横方向に延びる一対の突起(56)の形態のラッチ特徴部を更に含む。各ラッチ突起(56)は、以下に記載されるように、アンビル半体(14)がカートリッジ半体(12)と結合され、クランプレバー(24)が開放位置から閉鎖位置に枢動されるときに、それぞれのクランプレバージョー(30)のスロット(32)内に捕捉されるように構成された円形回転キャップを含み得る。一対のフック(58)は、フレーム部分(52)の近位端から近位に延在し、カートリッジ半体(12)の近位枢動ピン(42)の両側の側端を解放可能に捕捉するように構成される。遠位ジョー部分(54)は、複数のステープル形成ポケット(図示せず)を有するアンビルプレート(60)の形態のアンビル表面を支持し、更に遠位先端部材(62)を支持する。ステープラ(10)の他の変形例では、アンビル表面は、アンビルチャネル(50)の遠位ジョー部分(54)と一体に形成されてもよく、又は別の方法で遠位ジョー部分(54)に堅固に接続されてもよい。
【0013】
本実施例のアンビル半体(14)は、アンビルチャネル(50)の内側部分に取り付けられたステープル高さ調整機構(64)を更に含む。ステープル高さ調整機構(64)は、例えば1つ以上のカム特徴部(図示せず)を介してアンビルプレート(60)と動作可能に結合され、また、一対のユーザ係合可能な突起(66)を含む。複数の所定の位置の間で突起(66)を長手方向に調整することにより、アンビルプレート(60)は、アンビルチャネル(50)の遠位ジョー部分(54)に対して横方向に移動する。これにより、形成されるステープルの高さを画定する、アンビルプレート(60)とステープルカートリッジ(80)のデッキ(94)との間の横方向間隙距離の調整が可能になる。より厚い組織をステープル留めするとき、より大きい間隙距離、ひいてはより大きいステープル高さを設定することができる。逆に、より薄い組織をステープル留めするとき、より小さい間隙距離、ひいてはより小さいステープル高さを設定することができる。ステープル高さ調整機構(64)は、いくつかの変形例では省略されてもよく、その場合、アンビル表面はアンビルチャネル(50)に対して固定されてもよいことが理解されよう。例えば、アンビル表面は、遠位ジョー部分(54)と一体に形成されてもよく、又は別の方法で遠位ジョー部分(54)にしっかりと固定されてもよい。
【0014】
図1及び図2に示されるように、線形外科用ステープラ(10)は、ステープラ(10)の選択部分を覆い、使用中に操作者によるステープラ(10)の効果的な把持及び操作を促進する複数のシュラウド(70、72、74)を更に含む。本実施例では、カートリッジ半体(12)は、フレーム(16)の近位フレーム部分(18)の外向き側面を覆うシュラウド(70)を含む。カートリッジ半体(12)は、クランプレバー(24)の外向き側面を覆い、フレーム(16)及びシュラウド(70)に対してクランプレバー(24)と共に枢動するように構成されたシュラウド(72)を更に含む。アンビル半体(14)は、アンビルチャネル(50)の近位フレーム部分(52)の外向き側面を覆うシュラウド(74)を含み、それは、近位フック(58)を含む。各シュラウド(70、72、74)は、当業者に明らかな任意の適切な手段によって、ステープラ(10)のそれぞれの構成要素と結合されてもよい。更に、各シュラウド(70、72、74)は、1つ以上の材料で形成されてもよく、外科手術中にステープラ(10)の安全かつ効率的な使用を可能にするために、操作者によるシュラウド(70、72、74)の効果的な把持を促進するのに適したテクスチャリングを備えてもよい。
【0015】
図2及び図3に示されるように、本実施例のステープルカートリッジ(80)は、カートリッジ本体(82)と、カートリッジ本体(82)の開放下側を覆うパン(84)と、カートリッジ本体(82)内に収容され、それぞれが対応するステープル(88)を打ち込むように構成された複数のステープルドライバ(86)と、を備えるアセンブリ内にある。カートリッジ本体(82)は、フレーム(16)の遠位ジョー部分(20)の対応する係合特徴部(図示せず)と解放可能に係合するように構成された係合特徴部(90)を有する近位端と、テーパ状ノーズ(92)を画定する遠位端とを含む。カートリッジ本体(82)の上側は、略平面のデッキ(94)を画定し、それを通して長手方向スロット(96)及び複数のステープルキャビティ(98)が開口する。各ステープルキャビティ(98)は、それぞれのステープルドライバ(86)及びステープル(88)を収容する。図3に示されるように、カートリッジ本体(82)の内部は、スレッド本体(102)及びナイフ部材(104)を含むスレッド(100)を摺動可能に収容する。スレッド本体(102)の側面は、遠位に先細になる複数のカム傾斜部(106)を支持する。スレッド本体(102)の近位端は、ステープルカートリッジ(80)がステープラ(10)のカートリッジ半体(12)に取り付けられたときに、発射アセンブリ(34)の細長い作動ビーム(図示せず)の遠位端とロック係合するように構成された下向きに延びるタブ(108)を含む。ナイフ部材(104)は、スレッド本体(102)の上側から上方に延び、組織を切断するように構成された遠位向き切断縁部(110)を有する。
【0016】
スレッド(100)は、発射アセンブリ(34)の遠位作動に応答してカートリッジ本体(82)を通って遠位に並進するように構成され、これにより、ナイフ部材(104)は、長手方向スロット(96)を通って遠位に並進して、ステープラ半体(12、14)の間にクランプされた組織を切断する。同時に、カム傾斜部(106)は、カートリッジ本体(82)のそれぞれの内部スロット(図示せず)を通って遠位に並進して、ステープルドライバ(86)及びステープル(88)を、ステープルキャビティ(98)を通して上方に作動させ、それにより、ステープル(88)の自由端がクランプされた組織を貫通し、アンビルプレート(60)のステープル形成ポケットに対して変形する。このようにして、発射アセンブリ(34)の遠位作動は、ステープラ半体(12、14)の遠位エンドエフェクタ部分の間にクランプされた組織の同時切断及びステープル留めを提供する。
【0017】
線形外科用ステープラ(10)及びステープルカートリッジ(80)は更に、2011年3月15日に発行された「Surgical Stapling Instrument with Cutting Member Arrangement」と題する米国特許第7,905,381号、2011年6月7日に発行された「Surgical Stapler with Apparatus for Adjusting Staple Height」と題する米国特許第7,954,686号、2013年1月8日に発行された「Surgical Stapler Having A Closure Mechanism」と題する米国特許第8,348,129号、及び/又は2014年7月29日に発行された「Linear Cutting and Stapling Device with Selectively Disengageable Cutting Member」と題する米国特許第8,789,740号のうちの1つ以上の教示に従って更に構成可能及び動作可能であり得る。これらの参考文献のそれぞれの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
B.線形外科用ステープラの例示的な使用
図4A図4Cは、外科手術中のステープラ半体(12、14)の例示的な結合を示す。図4Aに示されるように、アンビル半体(14)の近位端は、カートリッジ半体(12)の近位枢動ピン(42)がアンビル半体(14)の近位フック(58)によって受け入れられるように、カートリッジ半体(12)の近位端と整列する。クランプレバー(24)が開放位置にある状態で、アンビル半体(14)は、次に、近位枢動ピン(42)を中心にカートリッジ半体(12)に向かって枢動されて、アンビル半体(14)のラッチ突起をクランプレバージョー(30)のスロット(32)内に向ける。ラッチ突起(56)がクランプレバージョー(30)によって受け入れられると、クランプレバー(24)は、図4Bに示される部分的閉鎖位置に向かって枢動される。クランプレバー(24)のこの部分的閉鎖位置では、アンビル半体(14)は、カートリッジ半体(12)で部分的にクランプされ、これにより、ステープラ(10)は、半体(12、14)が互いに不所望に分離することなく片手で保持され得る。更に、この状態では、ステープラ半体(12、14)の遠位部分は、互いに離隔したままで、遠位部分の間に組織を位置決めすることを可能にする。組織は、この部分的にクランプされた状態の達成前又は達成時に、ステープラ半体(12、14)の遠位部分の間に位置決めされてもよいことが理解されよう。
【0019】
図4Cに示されるように、クランプレバー(24)は次に、クランプレバージョー(30)のカム表面が、クランプレバージョー(30)のスロット(32)の閉鎖近位端に対して近位にアンビル半体(14)のラッチ突起を引くように、その完全閉鎖位置に向かって更に枢動され、それによって、それらの間にしっかりと位置決めされた組織と共にステープラ半体(12、14)を完全にクランプする。ステープラ(10)の半体(12、14)が完全にクランプされた状態になると、アクチュエーター(38)を操作して、ステープルカートリッジ(80)を発射することができる。特に、図5A及び図5Bに示されるように、アクチュエータ(38)は、ステープラ(10)の近位端を中心に枢動して、ステープラ(10)の側面のうちの1つを覆う。アクチュエータ(38)は次に、上述の方法で発射アセンブリ(34)を作動させるように遠位に駆動され、それによってクランプされた組織を同時に切断及びステープル留めする。遠位発射ストロークが完了すると、アクチュエータ(38)は、図2に示されるその近位ホーム位置に戻されてもよく、次いで、クランプレバー(24)は、ステープラ半体(12、14)を互いに分離し、ステープル留めされ切断された組織を解放するように開放されてもよい。
【0020】
C.例示的な発射アセンブリ
図6図10は、図2の線形外科用ステープラ(10)の発射アセンブリ(34)の詳細を示す。図5A及び図5Bを参照して前述したように、発射アセンブリ(34)は、第1の細長い部材(アンビル半体(14)として示される)が第2の細長い部材(カートリッジ半体(12)として示される)に対してクランプされたときにステープルカートリッジ(80)を発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である。図6は、図1の線形外科用ステープラ(10)の発射アセンブリ(34)の遠位斜視図を示す。前述したように、発射アセンブリ(34)は、スライダ(36)及びアクチュエータ(38)を含む。図7は、図1の線形外科用ステープラ(10)のシュラウド(74)に対して角度が付けられたアクチュエータ(38)の上面図を示しており、これは、偏心荷重がアクチュエータ(38)に加えられたときに起こり得る。
【0021】
以下の図を参照してより詳細に説明するように、スライダ(36)は、第1の本体部分(上部本体部分(118)として示される)、第2の本体部分(下部本体部分(120)として示される)、及び第3の本体部分(中央本体部分(122)として示される)を含む。図8は、図6の発射アセンブリ(34)の分解近位斜視図を示しており、スライダ(36)は、図2のカートリッジ半体(12)の近位フレーム部分(18)の細長いチャネル(109)と摺動可能に係合し、それによりスライダ(36)及びアクチュエータ(38)は細長いチャネル(109)に沿ってユニットとして長手方向に移動する。図9は、図6の発射アセンブリ(34)のアクチュエータ(38)、上部本体部分(118)、下部本体部分(120)、及び中央本体部分(122)の分解側面立面図を示す。
【0022】
アクチュエータ(38)については、図6図10を参照して以下に説明する。アクチュエータ(38)は、ユーザによって加えられた力を発射アセンブリ(34)に伝達して、組織の離断を行うように構成される。アクチュエータ(38)は本体(126)を含み、本体(126)は、ユーザによる把持を改善するための把持特徴部(128)を含み得る。アクチュエータ(38)は、アクチュエータ(38)の本体(126)から離れて延びる内側係合特徴部(130)を含む。図示のように、内側係合特徴部(130)は、互いに反対の方向を向く上部弓形内側突起(132)及び下部弓形内側突起(134)を含む。アクチュエータ(38)はまた、同様に互いに反対の方向を向く上部外側突起(136)及び下部外側突起(138)を含む。図示のように、上部弓形内側突起(132)及び下部弓形内側突起(134)並びに上部外側突起(136)及び下部外側突起(138)は、アクチュエータ(38)の本体(126)に対して垂直に、かつ平行に延びる。言い換えれば、上部弓形内側突起(132)及び上部外側突起(136)は両方とも垂直上向きであり、下部弓形内側突起(134)及び下部外側突起(138)は両方とも垂直下向きである。特に、上部外側突起(136)及び下部外側突起(138)は、そこから延びる突起又は他の特徴部なしに垂直に延びる滑らかな内面(140)を有する。
【0023】
上部本体部分(118)及び下部本体部分(120)は、中央本体部分(122)内に長手方向に摺動して集合的にスライダ(36)を形成するように構成される。上部本体部分(118)は、長手方向スロット(146)(図8に示される)によって分離された第1のアーム(142)及び第2のアーム(144)を含む。上部本体部分(118)の第1のアーム(142)及び第2のアーム(144)は、内側係合特徴部(148)を含む。図示のように、内側係合特徴部(148)は、長手方向スロット(146)に開口する上部弓形内側凹部(150)である。上部弓形内側凹部(150)は、アクチュエータ(38)の内側係合特徴部(130)の上部弓形内側突起(132)を確実に受け入れて保持するように構成される。長手方向スロット(146)は、中央本体部分(122)を受け入れるように構成される。特に、長手方向スロット(146)は、中央本体部分(122)の遠位突起(152)を収容して受け入れるように構成される。上部本体部分(118)は、下部本体部分(120)の遠位スロット(156)内に受け入れられるように構成された下部遠位突起(154)(図8に示される)を含む。
【0024】
同様に、下部本体部分(120)は、長手方向スロット(162)(図8に示される)によって分離された第1のアーム(158)及び第2のアーム(160)を含む。下部本体部分(120)の第1のアーム(158)及び第2のアーム(160)は、アクチュエータ(38)の内側係合特徴部(130)を確実に受け入れて保持するように構成された内側係合特徴部(164)を含む。図示のように、内側係合特徴部(164)は、長手方向スロット(162)に開口する下部弓形内側凹部(166)である。上部本体部分(118)及び下部本体部分(120)の上部弓形内側凹部(150)及び下部弓形内側凹部(166)は、集合的にキャビティ(168)を画定し、キャビティ(168)内のアクチュエータ(38)の内側係合特徴部(130)の上部弓形内側突起(132)及び下部弓形内側突起(134)を集合的に捕捉する。長手方向スロット(162)は、中央本体部分(122)を受け入れるように構成される。図8に示されるように、下部本体部分(120)は、下部レール(170)を含む。アクチュエータ(38)は、アクチュエータ(38)が上部本体部分(118)の停止特徴部(174)及び下部本体部分(120)の停止特徴部(176)に接触するまで、スライダ(36)に対して回転されてもよい。
【0025】
図8図9は、内側係合特徴部(175)を含む中央本体部分(122)を示す。内側係合特徴部(175)は、アクチュエータ(38)の内側係合特徴部(130)の上部弓形内側突起(132)及び下部弓形内側突起(134)と係合するC字形係合特徴部(178)であり得る。C字形係合特徴部(178)は、互いに対向し、かつ垂直に配向されているように示される上部保持特徴部(180)及び下部保持特徴部(182)を含む。C字形係合特徴部(178)は、内側係合特徴部(130)の上部弓形内側突起(132)及び下部弓形内側突起(134)を受け入れるキャビティ(184)を形成する。中央本体部分(122)は、下部レール(186)を含む。下部本体部分(120)の下部レール(170)及び中央本体部分(122)の下部レール(186)は、トラックを形成する細長いチャネル(109)に沿って摺動して、遠位に移動するときにスライダ(36)を垂直に案内するように構成される。
【0026】
図10は、図6の線形外科用ステープラ(10)の近位断面斜視図を示しており、上部本体部分(118)及び下部本体部分(120)によって集合的に形成されたC字形係合特徴部(188)は、アクチュエータ(38)の内側係合特徴部(130)の上部弓形内側突起(132)及び下部弓形内側突起(134)と係合する。このように、中央本体部分(122)のC字形係合特徴部(178)並びに上部本体部分(118)及び下部本体部分(120)によって集合的に形成されるC字形係合特徴部(178)は、アクチュエータ(38)の内側係合特徴部(130)が分離するのを防止するためのトラックを提供するように整列されるキャビティ(168、184)を形成する。
【0027】
II.アクチュエータ支持が改善された例示的な線形外科用ステープラ
ユーザが線形外科用ステープラ(10)のアクチュエータ(38)に偏心荷重を加える状況では、発射アセンブリ(34)の個々の構成要素に高いねじり力が加えられる。高いねじり力は、発射アセンブリ(34)の個々の構成要素の偏向を引き起こす可能性があり、これにより、個々の構成要素が互いに分離することができる。例えば、これらの個々の構成要素は、アクチュエータ(38)、上部本体部分(118)、下部本体部分(120)、及び/又は中央本体部分(122)を含むことができる。例えば、図7は、アクチュエータ(38)に偏心荷重が加えられたときに図1の線形外科用ステープラ(10)の第1のシュラウドに対して角度が付けられたアクチュエータ(38)の上面図を示す。更に、この偏向は、アクチュエータ(38)がスライダ(36)から分離する機会を提供する可能性があり、これは望ましくない。その結果、発射アセンブリ(34)のこれらの個々の構成要素の偏向を防止するか、又は少なくとも最小限にするために、スライダ(36)とアクチュエータ(38)との界面を強化することが望ましい場合がある。
【0028】
図11図16Bを参照して以下により詳細に説明するように、例示的な代替発射システム(212)及び例示的な線形外科用ステープラ(310)は、外科医が加えた偏心荷重が発射アセンブリ(212、312)内にねじり荷重を生成する場合、アクチュエータ(216、316)上の局所応力及び関連する偏向を制限し得る。発射システム(212)及び線形外科用ステープラ(310)は、発射アセンブリ(212、312)の個々の構成要素が互いに近接したままであり、高い発射力の状況中に個々の構成要素ではなく統合されたシステムとして振る舞うことを可能にする。例えば、図11図17を参照して以下に説明するように、発射アセンブリ(34)の個々の構成要素の界面は、発射アセンブリ(212)の望ましくない偏向を最小限にするために、発射アセンブリ(212)に変形されてもよい。更に、図18及び図19を参照して以下に説明するように、シュラウド(70、74)と線形外科用ステープラ(310)のアクチュエータ(316)との間の界面は、界面を強化し、望ましくない偏向を最小限にするように変形されてもよい。
【0029】
A.アクチュエータ支持を改善するための例示的な代替発射アセンブリ
図11図17は、上記の線形外科用ステープラ(10)などの線形外科用ステープラと共に使用するための第1の例示的な代替発射アセンブリ(212)を示す。発射アセンブリ(212)を強化し、発射アセンブリ(212)の望ましくない偏向を最小限にするために、発射アセンブリ(34)の代わりに発射アセンブリ(212)を使用することができる。発射アセンブリ(34)と同様に、発射アセンブリ(212)は、アンビル半体(14)がカートリッジ半体(12)に対してクランプされたときにステープルカートリッジ(80)を発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である。
【0030】
図11は、上記のスライダ(36)及びアクチュエータ(38)と同様のスライダ(214)及びアクチュエータ(216)を含む発射アセンブリ(212)の斜視図を示す。スライダ(214)は、第1の本体部分(上部本体部分(218)として示される)、第2の本体部分(下部本体部分(220)として示される)、及び第3の本体部分(中央本体部分(222)として示される)を含む。上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)は、特に明記されていない限り、上記の上部本体部分(118)、下部本体部分(120)、及び中央本体部分(122)と同様である。上部本体部分(218)及び下部本体部分(220)は、中央本体部分(222)内に長手方向に摺動して集合的にスライダ(214)を形成するように構成され得る。上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)は、フレーム(16)の近位フレーム部分(18)に沿って摺動可能であり得る。スライダ(214)は、図2のカートリッジ半体(12)の近位フレーム部分(28)の細長いチャネル(109)と摺動可能に係合し、それにより、スライダ(214)及びアクチュエータ(216)は、近位フレーム部分(18)の細長いチャネル(109)に沿ってユニットとして長手方向に移動することができる。
【0031】
図12図14は、上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)をより詳細に説明する。図12は、図11の発射アセンブリの分解斜視図を示しており、これにより、上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)の個々の特徴部がより容易に想定される。図13は、図11の発射アセンブリの側面立面図を示し、上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)の特徴部とアクチュエータ(216)との結合を示す。図14は、図11の発射アセンブリ(212)のアクチュエータ(216)並びに上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)の分解側面立面図を示しており、アクチュエータ(216)並びに上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)はそれぞれ、以下に記載されるように、発射アセンブリ(212)を強化し、発射アセンブリ(212)の望ましくない偏向を最小限にする特徴部を含む。
【0032】
1.例示的なアクチュエータ
アクチュエータ(216)については、図11図14Aを参照して以下により詳細に説明する。アクチュエータ(38)と同様に、アクチュエータ(216)は、ユーザによって選択的に作動され、ユーザによって加えられた力を発射アセンブリ(212)に伝達して、組織の離断を実行する。アクチュエータ(216)は、アーム(224)及び本体(226)を含む。本体(226)は、ユーザによる把持を改善するための把持特徴部(228)を含み得る。図示のように、アーム(224)は、アクチュエータ(216)の本体(226)に対して垂直に延びる。アーム(224)は、内側係合特徴部(230)及び外側係合特徴部(231)を含む。内側係合特徴部(230)は、アクチュエータ(216)の本体(226)から離れて延びる。図示のように、内側係合特徴部(230)は、互いに反対の方向を向く上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)を含む。図14及び図16に示されるように、上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)は垂直に延びる。特に、上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)は、アーム(224)に対して垂直に、かつ本体(226)に対して平行に延びる。
【0033】
上記のアクチュエータ(38)とは異なり、アクチュエータ(216)は、外側係合特徴部(231)を含む。外側係合特徴部(231)は、スライダ(214)とアクチュエータ(216)との間の界面を強化するように構成された上部突起及び下部突起を含むことができる。特に、外側係合特徴部(231)は、上部L字形弓形外側突起(236)及び下部L字形弓形外側突起(238)を含むものとして示されている。しかしながら、外側係合特徴部(231)は、様々な適切な形状及びサイズを有し得ることも想定される。上部L字形弓形外側突起(236)及び下部L字形弓形外側突起(238)は、アーム(224)から離れて反対の方向に延びる。上部L字形弓形外側突起(236)は、上部先端部分(237)を含む。図14及び図16に示されるように、上部先端部分(237)は、垂直界面(239a)及び水平界面(239b)を含む。同様に、下部L字形弓形外側突起(238)は、下部先端部分(240)を含む。図14及び図16に示されるように、下部先端部分(240)は、垂直界面(241a)及び水平界面(241b)を含む。上部L字形弓形外側突起(236)及び下部L字形弓形外側突起(238)の上部先端部分(237)及び下部先端部分(240)は、アクチュエータ(216)のアーム(224)に平行に延びるように示されている。図示のように、アクチュエータ(216)の下半分は、アクチュエータ(216)の上半分の鏡像である。
【0034】
2.例示的な上部本体部分
上部本体部分(218)は、長手方向スロット(246)(図12に示される)によって分離された第1のアーム(242)及び第2のアーム(244)を含む。上部本体部分(218)の第1のアーム(242)及び第2のアーム(244)は、内側係合特徴部(248)及び外側係合特徴部(249)を含む。図示のように、内側係合特徴部(248)は、長手方向スロット(246)に開口し、下部本体部分(220)に向かって(下向きに)開口する上部弓形内側凹部(250)である。上部弓形内側凹部(250)は、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)の上部弓形内側突起(232)を確実に受け入れて保持するように構成される。長手方向スロット(246)は、中央本体部分(222)を受け入れるように構成される。特に、長手方向スロット(246)は、中央本体部分(222)の遠位突起(252)を収容して受け入れるように構成される。上部本体部分(218)は、下部本体部分(220)の遠位スロット(256)内に受け入れられるように構成された下部遠位突起(254)(図12及び図14に示される)を含む。
【0035】
上記の上部本体部分(118)とは異なり、上部本体部分(218)は、上部弓形外側凹部(251)として示されている外側係合特徴部(249)を含む。しかしながら、外側係合特徴部(249)は、様々な適切な形状及びサイズを有し得ることも想定される。上部弓形外側凹部(251)は、上部弓形内側凹部(250)とは反対の方向に上向きに開口する。上部弓形外側凹部(251)は、互いに垂直であるように示される垂直界面(253a)及び水平界面(253b)を含む。
【0036】
3.例示的な下部本体部分
下部本体部分(220)は、長手方向スロット(262)(図12に示される)によって分離された第1のアーム(258)及び第2のアーム(260)を含む。下部本体部分(220)の第1のアーム(258)及び第2のアーム(260)は、内側係合特徴部(264)及び外側係合特徴部(265)を含む。内側係合特徴部(264)は、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)を確実に受け入れて保持するように構成される。図示のように、内側係合特徴部(264)は、長手方向スロット(262)に開口する下部弓形内側凹部(266)である。上部本体部分(218)及び下部本体部分(220)の上部弓形内側凹部(250)及び下部弓形内側凹部(266)は、集合的にキャビティ(268)を画定し、キャビティ(268)内のアクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)の上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)を集合的に捕捉する。長手方向スロット(262)は、中央本体部分(222)を受け入れるように構成される。図12に示されるように、下部本体部分(220)は、下部レール(270)を含む。アクチュエータ(216)は、アクチュエータ(216)が上部本体部分(218)の停止特徴部(274)及び下部本体部分(220)の停止特徴部(276)に接触するまで、スライダ(214)に対して回転されてもよい。
【0037】
上記の下部本体部分(120)とは異なり、下部本体部分(220)は、下部弓形外側凹部(272)として示されている外側係合特徴部(265)を含む。しかしながら、外側係合特徴部(265)は、様々な適切な形状及びサイズを有し得ることも想定される。下部弓形外側凹部(272)は、下部弓形内側凹部(266)とは反対の方向に上向きに開口する。下部弓形外側凹部(272)は、互いに垂直であるように示される垂直界面(273a)及び水平界面(273b)を含む。
【0038】
4.例示的な中央本体部分
中央本体部分(222)は、中央本体部分(122)と同様であり、図11図14を参照して以下により詳細に説明する。図12及び図14に示されるように、中央本体部分(222)は、内側係合特徴部(275)及び外側係合特徴部(277)を含む。内側係合特徴部(275)は、C字形係合特徴部(278)として示され、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)の上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)と係合する。C字形係合特徴部(278)は、垂直に配向されているように示される対向する上部保持特徴部(280)及び下部保持特徴部(282)を含む。C字形係合特徴部(278)は、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)の上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)を受け入れるキャビティ(284)を形成する。中央本体部分(222)は、下部レール(286)を含む。下部本体部分(220)の下部レール(270)及び中央本体部分(222)の下部レール(286)は、細長いチャネル(109)に沿って近位フレーム部分(18)に沿って摺動し、遠位に移動するときにスライダ(214)を垂直に案内するように構成される。上部本体部分(218)及び下部本体部分(220)によって集合的に形成されたC字形係合特徴部(288)は、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)の上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)と係合する。図11及び図13に示されるように、中央本体部分(222)のC字形係合特徴部(278)並びに上部本体部分(218)及び下部本体部分(220)によって集合的に形成されたC字形係合特徴部(288)は、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)が分離するのを防止するためのトラックを提供するように整列されるキャビティ(268、284)を形成する。
【0039】
上記の中央本体部分(122)とは異なり、中央本体部分(222)は、外側係合特徴部(277)を含む。中央本体部分(122)の外側係合特徴部(277)は、上部弓形外側凹部(290)及び下部弓形外側凹部(292)を含み、これらは、上部本体部分(118)及び下部本体部分(120)の上部弓形外側凹部(251)及び下部弓形外側凹部(272)と共に、アクチュエータ(216)の外側係合特徴部(231)を受け入れるように構成される。上部弓形外側凹部(290)は、垂直界面(294a)及び水平界面(294b)を含む。下部弓形外側凹部(292)は、垂直界面(296a)及び水平界面(296b)を含む。
【0040】
5.例示的な界面
この構造を考慮に入れて、図15図17は、スライダ(214)とアクチュエータ(216)の係合をより詳細に示す。図15は、別の視点からとった図11の発射アセンブリの断面斜視図を示しており、スライダ(214)の内側係合特徴部(内側係合特徴部(248、264、275)として示される)は、第1の界面でアクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)と係合し、スライダ(214)の外側係合特徴部(外側係合特徴部(249、265、277)として示される)は、第2の界面でアクチュエータ(216)の外側係合特徴部(231)と係合する。図16は、図15の拡大部分の拡大断面斜視図を示す。図17は、別の視点からとった図11の発射アセンブリ(212)の斜視図を示しており、スライダ(214)の内側係合特徴部はアクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)と係合し、スライダ(214)の内側係合特徴部はアクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)と結合される。
【0041】
アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)は、アクチュエータ(216)がスライダ(214)に対して移動するときに、第1の界面(例えば、内側界面)でスライダ(214)の内側係合特徴部(内側係合特徴部(248、264、275)として示される)と係合するように構成される。図示のように、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)の上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)は、キャビティ(168、184)内に確実に受け入れられる。特に、上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)は、アクチュエータ(216)がスライダ(214)に対して移動するときに、それぞれ上部弓形凹部及び下部弓形凹部に沿って摺動するように構成される。上部弓形外側凹部(251)及び下部弓形外側凹部(272)は、スライダ(214)の第1の側面(298)及び第2の側面(300)を集合的に延在させて、アクチュエータ(216)の上部弓形内側突起(232)及び下部弓形内側突起(234)をスライダ(214)の第1の側面(298)と第2の側面(300)との間で案内する。
【0042】
アクチュエータ(216)の外側係合特徴部(231)は、アクチュエータ(216)がスライダ(214)に対して移動するときに、第2の界面(例えば、外側界面)でスライダ(214)の外側係合特徴部(外側係合特徴部(249、265、277)として示される)と係合するように構成される。例えば、アクチュエータ(216)がスライダ(214)の第1の側面(298)と第2の側面(300)との間を移動するとき、アクチュエータ(216)の外側係合特徴部(231)は、スライダ(214)の外側係合特徴部に沿って摺動することができる。
【0043】
上部L字形弓形外側突起(236)及び下部L字形弓形外側突起(238)は、上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)の外側凹部に対して移動する。上部L字形弓形外側突起(236)及び下部L字形弓形外側突起(238)は、スライダ(214)の上部本体部分(218)及び下部本体部分(220)の上部外側弓形凹部(251)及び下部外側弓形凹部(272)並びに中央本体部分(222)の上部外側弓形凹部(290)及び下部外側弓形凹部(292)のそれぞれに受け入れられるように構成される。特に、上部L字形弓形外側突起(236)は、アクチュエータ(216)がスライダ(214)に対して移動するときに、上部弓形外側凹部(251、290)に沿って摺動するように構成され、下部L字形弓形外側突起(238)は、アクチュエータ(216)がスライダ(214)に対して移動するときに、下部弓形外側凹部(272、292)に沿って摺動するように構成される。
【0044】
特に、上部弓形外側凹部(251、290)及び下部弓形外側凹部(272、292)は、スライダ(214)の第1の側面(298)からスライダ(214)の第2の側面(300)まで延在し、それにより、上部本体部分(218)、下部本体部分(220)、及び中央本体部分(222)の上部弓形外側凹部(251、290)及び下部弓形外側凹部(272、292)は、アクチュエータ(216)の上部L字形弓形外側突起(236)及び下部L字形弓形外側突起(238)をスライダ(214)の第1の側面(298)と第2の側面(300)との間で集合的に保持及び案内する。上部先端部分(237)及び下部先端部分(240)は、スライダ(214)のそれぞれの上部弓形外側凹部(251、290)及び下部弓形外側凹部(272、292)に受け入れられるように構成される。アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)の上部弓形内側突起(232)と下部弓形内側突起(234)との間の相対間隔は、アクチュエータ(216)の内側係合特徴部(230)をキャビティ(268、284)内に確実に受け入れて維持するように構成される。
【0045】
スライダ(214)及びアクチュエータ(216)の外側係合特徴部(外側係合特徴部(249、265、277)として示される)は、スライダ(214)とアクチュエータ(216)との間の第2の界面を強化するための少なくとも1つの追加の接触点を提供する。図示のように、第2の界面は、第1の界面から離隔している。追加の接触点は、スライダ(214)に対するアクチュエータ(216)の偏向を制限して、スライダ(214)とアクチュエータ(216)との結合を改善するように構成される。図15図17に示されるように、アクチュエータ(216)の上部先端部分(237)の垂直界面(239a)は、上部本体部分(218)の垂直界面(253a)に対して摺動し、アクチュエータ(216)の上部先端部分(237)の水平界面(239b)は、上部本体部分(218)の水平界面(253b)に対して摺動する。更に、アクチュエータ(216)の下部先端部分(240)の垂直界面(241a)は下部本体部分(220)の垂直界面(273a)に対して摺動し、アクチュエータ(216)の上部先端部分(237)の水平界面(241b)は下部本体部分(220)の水平界面(273b)に対して摺動する。更に、図14の分解側面図に示されるように、アクチュエータ(216)が中央本体部分(222)と係合しているとき、アクチュエータ(216)の上部先端部分(237)の垂直界面(239a)は中央本体部分(222)の垂直界面(294a)に対して摺動し、アクチュエータ(216)の上部先端部分(237)の水平界面(239b)は中央本体部分(222)の水平界面(294b)に対して摺動する。更に、アクチュエータ(216)の下部先端部分(240)の垂直界面(241a)は、中央本体部分(222)の垂直界面(296a)に対して摺動し、アクチュエータ(216)の上部先端部分(237)の水平界面(241b)は、中央本体部分(222)の水平界面(296b)に対して摺動する。
【0046】
B.アクチュエータ支持を改善するための例示的な代替線形外科用ステープラ
図18は、別の例示的な線形外科用ステープラ(310)の近位斜視図を示す。線形外科用ステープラ(310)は、以下に別段の記載がある場合を除いて、一般に、上記の線形外科用ステープラ(10)と同様である。線形外科用ステープラ(10)と同様に、線形外科用ステープラ(310)は、第1の細長い部材(先にアンビル半体(14)として示されている)、第2の細長い部材(先にカートリッジ半体(12)として示されている)、及びクランプ部材(先にクランプレバー(24)として示されている)を含む。線形外科用ステープラ(10)に関して前述したように、アンビル半体(14)は、アンビル表面(アンビルプレート(60)として示される)を支持する遠位部分(先に遠位ジョー部分(54)として示されている)を含み、アンビルプレート(60)は複数のステープル形成ポケットを含む。発射アセンブリ(34)と同様に、発射アセンブリ(312)は、アンビル半体(14)がカートリッジ半体(12)に対してクランプされたときにステープルカートリッジ(80)を発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である。線形外科用ステープラ(10)に関して前述したように、カートリッジ半体(12)は、ステープルカートリッジ(80)を受け入れるように構成された遠位部分(遠位ジョー部分(20)として示される)を含み、クランプレバー(24)は、アンビル半体(14)をカートリッジ半体(12)に対して解放可能にクランプするように動作可能である。
【0047】
図18に示されるように、発射アセンブリ(312)は、スライダ(314)及びアクチュエータ(316)を含む。スライダ(314)は、第1の本体部分(上部本体部分(318)として示される)及び第2の本体部分(下部本体部分(320)として示される)を含む。スライダ(314)は、中央本体部分(図示せず)を含むことができるが、それは中央本体部分(122)と同様である。アクチュエータ(316)は、ユーザによる把持を改善するための把持特徴部(328)を含み得る本体(326)を含む。アクチュエータ(316)は、線形外科用ステープラ(310)のシュラウド(370、374)に摺動可能に係合するように構成された上部突起(330)及び下部突起(332)を含むものとして示されている。図18に示されるように、シュラウド(374)はシュラウド(74)と同様であり、上部レッジ(376)を含む。上部レッジ(376)は、垂直界面(378a)及び水平界面(378b)を含む。図示のように、垂直界面(378a)は、水平界面(378b)に対して90度の角度で配置される。同様に、シュラウド(370)は、シュラウド(70)と同様に、アクチュエータ(316)の下部突起(332)と係合するように構成された下部レッジ(380)を含む。下部レッジ(380)は、垂直界面(382a)及び水平界面(382b)を含む。同様に、垂直界面(382a)は、水平界面(382b)に対して90度の角度で配置される。
【0048】
シュラウド(370、374)とアクチュエータ(316)との係合は、アクチュエータ(316)が遠位に移動する際ユーザが力を加えるときに、アクチュエータ(316)を安定させ、アクチュエータ(316)の偏向及び/又は回転を制御することができる。図19は、図18のアクチュエータ(316)の上部突起(330)が、図18の線形外科用ステープラ(310)のシュラウド(374)の上部レッジ(376)と係合している上面図を示す。アクチュエータ(316)とシュラウド(370、374)との間の界面は、アクチュエータ(316)をシュラウド(370、374)に対して90度の角度にし、上部レッジ(376)及び下部レッジ(380)との更なる係合のために突出部を締め付ける。アクチュエータ(316)とシュラウド(370、374)との間の界面はまた、スライダ(314)の上部本体部分(318)及び下部本体部分(320)の分離を最小限にすることができる。
【0049】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願の後続の出願において任意の時点で提示され得るいかなる特許請求の範囲も制限することを意図していないことを理解されたい。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単に例示的な目的のために提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形形態は、以下の実施例で言及される特定の特徴部を省略し得ることも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、発明者又は発明者の権利相続人によって後にそうである旨が明示的に示されない限り、重要であると見なされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含むクレームが提示された場合、これらの追加の特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして推定されるべきではない。
【実施例1】
【0050】
外科用ステープラであって、(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、(c)第1の細長い部材を第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、(d)発射アセンブリであって、第1の細長い部材が第2の細長い部材に対してクランプされたときにステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、発射アセンブリは、(i)スライダであって、(A)内側係合特徴部と、(B)外側係合特徴部と、を含む、スライダと、(ii)ユーザによって選択的に作動されるように構成されたアクチュエータであって、(A)アクチュエータがスライダに対して移動するときに、第1の界面でスライダの内側係合特徴部と係合するように構成された内側係合特徴部と、(B)アクチュエータがスライダに対して移動するときに、第2の界面でスライダの外側係合特徴部と係合するように構成された外側係合特徴部と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
【実施例2】
【0051】
第2の界面は第1の界面から離隔しており、第1の界面及び第2の界面は、スライダに対するアクチュエータの偏向を制限し、スライダとアクチュエータとの結合を改善するように構成されている、実施例1に記載の外科用ステープラ。
【実施例3】
【0052】
スライダの外側係合特徴部は、スライダの外面に形成され、アクチュエータの外側係合特徴部は、アクチュエータがスライダの第1の側面とスライダの第2の側面との間を移動するときに、スライダの外側係合特徴部に沿って摺動するように構成されている、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の外科用ステープラ。
【実施例4】
【0053】
スライダの外側係合特徴部は、第1の外側凹部を含み、アクチュエータの外側係合特徴部は、第1の外側突起を含み、第1の外側突起は、アクチュエータがスライダの第1の側面とスライダの第2の側面との間を移動するときに第1の外側凹部に沿って摺動するように構成されている、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の外科用ステープラ。
【実施例5】
【0054】
スライダの外側係合特徴部は、第2の外側凹部を含み、アクチュエータの外側係合特徴部は、第2の外側突起を含み、第2の外側突起は、アクチュエータがスライダに対して移動するときに、第2の外側凹部に沿って摺動するように構成されている、実施例4に記載の外科用ステープラ。
【実施例6】
【0055】
アクチュエータの第1の外側突起及び第2の外側突起は、上部弓形外側突起及び下部弓形外側突起を含み、スライダの第1の外側凹部及び第2の外側凹部は、上部弓形外側凹部及び下部弓形外側凹部を含み、上部弓形外側突起及び下部弓形外側突起は、アクチュエータがスライダに対して移動するときに、それぞれ上部弓形外側凹部及び下部弓形外側凹部に沿って摺動するように構成されている、実施例5に記載の外科用ステープラ。
【実施例7】
【0056】
アクチュエータは、アクチュエータに対して垂直に延びるアームを含み、第1の外側突起及び第2の外側突起は、アームから延びる第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起を含み、第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起は、スライダのそれぞれの第1の外側凹部及び第2の外側凹部に受け入れられるように構成されている、実施例5に記載の外科用ステープラ。
【実施例8】
【0057】
第1のL字形突起及び第2のL字形突起は、第1の先端部分及び第2の先端部分を含み、第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起の第1の先端部分及び第2の先端部分は、アクチュエータの外側係合特徴部のアームに平行に延び、スライダのそれぞれの第1の外側凹部及び第2の外側凹部に受け入れられるように構成されている、実施例7に記載の外科用ステープラ。
【実施例9】
【0058】
アクチュエータの内側係合特徴部は、互いに反対向きに、かつアクチュエータの外側係合特徴部のアームに垂直に延びる第1の内側突起及び第2の内側突起を含む、実施例7~8のいずれか1つ以上に記載の外科用ステープラ。
【実施例10】
【0059】
第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起並びに第1の内側突起及び第2の内側突起は弓形である、実施例9に記載の外科用ステープラ。
【実施例11】
【0060】
スライダの内側係合特徴部は、C字形係合特徴部を含み、C字形係合特徴部は、アクチュエータの内側係合特徴部を受け入れるように構成されたキャビティを形成している、実施例1~10のいずれか1つ以上に記載の外科用ステープラ。
【実施例12】
【0061】
アクチュエータの内側係合特徴部は、互いに反対向きに延びる、反対向きの第1の内側突起及び第2の内側突起を含み、第1の内側突起及び第2の内側突起は、キャビティ内に確実に受け入れられるように構成されている、実施例1~11のいずれか1つ以上に記載の外科用ステープラ。
【実施例13】
【0062】
スライダは、それぞれが第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含む第1の本体部分及び第2の本体部分を含み、スライダの外側係合特徴部は、アクチュエータの外側係合特徴部を受け入れるように構成された第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含む、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載の外科用ステープラ。
【実施例14】
【0063】
スライダは、内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第3の本体部分を含み、第3の本体部分の外側係合特徴部は、第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含み、それらは、第1の本体部分及び第2の本体部分の第1の外側凹部及び第2の外側凹部と共に、アクチュエータの外側係合特徴部を受け入れるように構成されている、実施例13に記載の外科用ステープラ。
【実施例15】
【0064】
第1の本体部分、第2の本体部分及び第3の本体部分の第1の外側凹部及び第2の外側凹部は、スライダの第1の側面及び第2の側面に沿って集合的に延びて、スライダの第1の側面と第2の側面との間でアクチュエータの外側係合特徴部を案内する、実施例14に記載の外科用ステープラ。
【実施例16】
【0065】
外科用ステープラであって、(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、(c)第1の細長い部材を第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、(d)発射アセンブリであって、第1の細長い部材が第2の細長い部材に対してクランプされたときにステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、発射アセンブリは、(i)それぞれ反対の方向に開口する第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含むスライダと、(ii)ユーザによって選択的に作動されるように構成されたアクチュエータであって、
(A)本体と、(B)本体から延びる第1の外側突起であって、アクチュエータがスライダに対して移動するときに第1の外側凹部に沿って摺動するように構成された、第1の外側突起と、(C)本体から延びる第2の外側突起であって、アクチュエータがスライダに対して移動するときに第2の外側凹部に沿って摺動するように構成された、第2の外側突起と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
【実施例17】
【0066】
第1の外側突起及び第2の外側突起は、スライダの第1の外側凹部及び第2の外側凹部に受け入れられるように構成された第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起を含み、第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起の先端は、本体に平行に延びる、実施例16に記載の外科用ステープラ。
【実施例18】
【0067】
外科用ステープラであって、(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、(c)第1の細長い部材を第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、(d)発射アセンブリであって、第1の細長い部材が第2の細長い部材に対してクランプされたときにステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、発射アセンブリは、(i)スライダであって、(A)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第1の本体部分と、(B)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第2の本体部分と、(C)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第3の本体部分と、を含む、スライダと、(ii)アクチュエータであって、(A)第1の本体部分、第2の本体部分及び第3の本体部分の内側係合特徴部に対して移動するように構成された内側係合特徴部と、(B)第1の本体部分、第2の本体部分及び第3の本体部分の外側係合特徴部に対して移動するように構成された外側係合特徴部と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
【実施例19】
【0068】
第1の本体部分、第2の本体部分及び第3の本体部分の外側係合特徴部はそれぞれ、第1の外側凹部、第2の外側凹部及び第3の外側凹部を含み、第1の外側凹部、第2の外側凹部及び第3の外側凹部は、スライダの第1の側面及びスライダの第2の側面から集合的に延び、それにより、第1の本体部分、第2の本体部分及び第3の本体部分の第1の外側凹部、第2の外側凹部及び第3の外側凹部は、スライダの第1の側面と第2の側面との間でアクチュエータの外側係合特徴部を集合的に保持及び案内する、実施例18に記載の外科用ステープラ。
【実施例20】
【0069】
第1の本体部分、第2の本体部分及び第3の本体部分の内側係合特徴部はそれぞれ、集合的にキャビティを形成する第1の内側凹部、第2の内側凹部、及び第3の内側凹部を含み、アクチュエータの内側係合特徴部は、キャビティ内に確実に受け入れられるように構成された第1の内側突起及び第2の内側突起を含む、実施例18~19のいずれか1つ以上に記載の外科用ステープラ。
【0070】
V.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適切な方法は、本明細書の教示を考慮して、当業者には容易に明らかになるであろう。このような修正及び変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0071】
更に、本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上は、2018年2月6日に出願された「Release Mechanism for Linear Surgical Stapler」と題する米国特許出願第15/889,363号、2018年2月6日に出願された「Lockout Assembly for Linear Surgical Stapler」と題する米国特許出願第15/889,370号、2018年2月6日に出願された「Features to Align and Close Linear Surgical Stapler」と題する米国特許出願第15/889,374号、2018年2月6日に出願された「Releasable Engagement features for Proximal Portions of Linear Surgical Stapler」と題する米国特許出願第15/889,376号、2018年2月6日に出願された「Firing Lever Assembly for Linear Surgical Stapler」と題する米国特許出願第15/889,388号、2018年2月6日に出願された「Clamping Mechanism for Linear Surgical Stapler」と題する米国特許出願第15/889,390号、及び/又は本明細書と同日に出願された「Actuator Retainer for Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[Atty.Ref. END9093USNP1]号に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。これらの出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又は他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。したがって、また必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0073】
上記の装置の変形形態は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手術に適用するだけでなく、ロボット支援医療処置及び手術にも適用することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、Intuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどのロボット外科用システムに容易に組み込むことができる。
【0074】
上記の装置の変形形態は、1回の使用後に廃棄するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態を、再調整施設において、又は処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。そのような技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本出願の範囲内にある。
【0075】
単に例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製バックのような閉鎖及び封止された容器に入れる。次に、容器及び装置を、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線の場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることがある。次に、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。装置はまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0076】
本発明の様々な実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な修正のいくつかについて述べたが、他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の詳細に限定されないものとして理解される。
【0077】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラであって、
(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、前記アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、
(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、
(c)前記第1の細長い部材を前記第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、
(d)発射アセンブリであって、前記第1の細長い部材が前記第2の細長い部材に対してクランプされたときに前記ステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、前記発射アセンブリは、
(i)スライダであって、
(A)内側係合特徴部と、
(B)外側係合特徴部と、を含む、スライダと、
(ii)ユーザによって選択的に作動されるように構成されたアクチュエータであって、
(A)前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、第1の界面で前記スライダの前記内側係合特徴部と係合するように構成された内側係合特徴部と、
(B)前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、第2の界面で前記スライダの前記外側係合特徴部と係合するように構成された外側係合特徴部と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
(2) 前記第2の界面は前記第1の界面から離隔しており、前記第1の界面及び前記第2の界面は、前記スライダに対する前記アクチュエータの偏向を制限し、前記スライダと前記アクチュエータとの結合を改善するように構成されている、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(3) 前記スライダの前記外側係合特徴部は、前記スライダの外面に形成され、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部は、前記アクチュエータが前記スライダの第1の側面と前記スライダの第2の側面との間を移動するときに、前記スライダの前記外側係合特徴部に沿って摺動するように構成されている、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(4) 前記スライダの前記外側係合特徴部は、第1の外側凹部を含み、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部は、第1の外側突起を含み、前記第1の外側突起は、前記アクチュエータが前記スライダの第1の側面と前記スライダの第2の側面との間を移動するときに前記第1の外側凹部に沿って摺動するように構成されている、実施態様2に記載の外科用ステープラ。
(5) 前記スライダの前記外側係合特徴部は、第2の外側凹部を含み、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部は、第2の外側突起を含み、前記第2の外側突起は、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、前記第2の外側凹部に沿って摺動するように構成されている、実施態様4に記載の外科用ステープラ。
【0078】
(6) 前記アクチュエータの前記第1の外側突起及び前記第2の外側突起は、上部弓形外側突起及び下部弓形外側突起を含み、前記スライダの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部は、上部弓形外側凹部及び下部弓形外側凹部を含み、前記上部弓形外側突起及び前記下部弓形外側突起は、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに、それぞれ前記上部弓形外側凹部及び前記下部弓形外側凹部に沿って摺動するように構成されている、実施態様5に記載の外科用ステープラ。
(7) 前記アクチュエータは、前記アクチュエータに対して垂直に延びるアームを含み、前記第1の外側突起及び前記第2の外側突起は、前記アームから延びる第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起を含み、前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起は、前記スライダのそれぞれの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部に受け入れられるように構成されている、実施態様5に記載の外科用ステープラ。
(8) 前記第1のL字形突起及び前記第2のL字形突起は、第1の先端部分及び第2の先端部分を含み、前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起の前記第1の先端部分及び前記第2の先端部分は、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部の前記アームに平行に延び、前記スライダのそれぞれの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部に受け入れられるように構成されている、実施態様7に記載の外科用ステープラ。
(9) 前記アクチュエータの前記内側係合特徴部は、互いに反対向きに、かつ前記アクチュエータの前記外側係合特徴部の前記アームに垂直に延びる第1の内側突起及び第2の内側突起を含む、実施態様7に記載の外科用ステープラ。
(10) 前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起並びに前記第1の内側突起及び前記第2の内側突起は弓形である、実施態様9に記載の外科用ステープラ。
【0079】
(11) 前記スライダの前記内側係合特徴部は、C字形係合特徴部を含み、前記C字形係合特徴部は、前記アクチュエータの前記内側係合特徴部を受け入れるように構成されたキャビティを形成している、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(12) 前記アクチュエータの前記内側係合特徴部は、互いに反対向きに延びる、反対向きの第1の内側突起及び第2の内側突起を含み、前記第1の内側突起及び前記第2の内側突起は、前記キャビティ内に確実に受け入れられるように構成されている、実施態様11に記載の外科用ステープラ。
(13) 前記スライダは、それぞれが第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含む第1の本体部分及び第2の本体部分を含み、前記スライダの前記外側係合特徴部は、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を受け入れるように構成された前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部を含む、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(14) 前記スライダは、内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第3の本体部分を含み、前記第3の本体部分の前記外側係合特徴部は、第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含み、それらは、前記第1の本体部分及び前記第2の本体部分の前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部と共に、前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を受け入れるように構成されている、実施態様13に記載の外科用ステープラ。
(15) 前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部は、前記スライダの第1の側面及び第2の側面に沿って集合的に延びて、前記スライダの前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を案内する、実施態様14に記載の外科用ステープラ。
【0080】
(16) 外科用ステープラであって、
(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、前記アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、
(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、
(c)前記第1の細長い部材を前記第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、
(d)発射アセンブリであって、前記第1の細長い部材が前記第2の細長い部材に対してクランプされたときに前記ステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、前記発射アセンブリは、
(i)それぞれ反対の方向に開口する第1の外側凹部及び第2の外側凹部を含むスライダと、
(ii)ユーザによって選択的に作動されるように構成されたアクチュエータであって、
(A)本体と、
(B)前記本体から延びる第1の外側突起であって、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに前記第1の外側凹部に沿って摺動するように構成された、第1の外側突起と、
(C)前記本体から延びる第2の外側突起であって、前記アクチュエータが前記スライダに対して移動するときに前記第2の外側凹部に沿って摺動するように構成された、第2の外側突起と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
(17) 前記第1の外側突起及び前記第2の外側突起は、前記スライダの前記第1の外側凹部及び前記第2の外側凹部に受け入れられるように構成された第1のL字形外側突起及び第2のL字形外側突起を含み、前記第1のL字形外側突起及び前記第2のL字形外側突起の先端は、前記本体に平行に延びる、実施態様16に記載の外科用ステープラ。
(18) 外科用ステープラであって、
(a)アンビル表面を支持する遠位部分を有する第1の細長い部材であって、前記アンビル表面は複数のステープル形成ポケットを含む、第1の細長い部材と、
(b)ステープルカートリッジを受け入れるように構成された遠位部分を有する第2の細長い部材と、
(c)前記第1の細長い部材を前記第2の細長い部材に対して解放可能にクランプするように動作可能なクランプ部材と、
(d)発射アセンブリであって、前記第1の細長い部材が前記第2の細長い部材に対してクランプされたときに前記ステープルカートリッジを発射するために、第1の長手方向位置から第2の長手方向位置に並進可能である、発射アセンブリと、を備え、前記発射アセンブリは、
(i)スライダであって、
(A)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第1の本体部分と、
(B)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第2の本体部分と、
(C)内側係合特徴部及び外側係合特徴部を含む第3の本体部分と、を含む、スライダと、
(ii)アクチュエータであって、
(A)前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記内側係合特徴部に対して移動するように構成された内側係合特徴部と、
(B)前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記外側係合特徴部に対して移動するように構成された外側係合特徴部と、を含む、アクチュエータと、を備える、外科用ステープラ。
(19) 前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記外側係合特徴部はそれぞれ、第1の外側凹部、第2の外側凹部及び第3の外側凹部を含み、前記第1の外側凹部、前記第2の外側凹部及び前記第3の外側凹部は、前記スライダの第1の側面及び前記スライダの第2の側面から集合的に延び、それにより、前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記第1の外側凹部、前記第2の外側凹部及び前記第3の外側凹部は、前記スライダの前記第1の側面と前記第2の側面との間で前記アクチュエータの前記外側係合特徴部を集合的に保持及び案内する、実施態様18に記載の外科用ステープラ。
(20) 前記第1の本体部分、前記第2の本体部分及び前記第3の本体部分の前記内側係合特徴部はそれぞれ、集合的にキャビティを形成する第1の内側凹部、第2の内側凹部、及び第3の内側凹部を含み、前記アクチュエータの前記内側係合特徴部は、前記キャビティ内に確実に受け入れられるように構成された第1の内側突起及び第2の内側突起を含む、実施態様19に記載の外科用ステープラ。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】