(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(54)【発明の名称】飲料容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/73 20060101AFI20220707BHJP
【FI】
B65D85/73
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568293
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2020063385
(87)【国際公開番号】W WO2020229565
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019112818.8
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520431306
【氏名又は名称】アルダー メタル ビバレッジ ホールディングス ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨブゲス,ウド
【テーマコード(参考)】
3E035
【Fターム(参考)】
3E035AA01
3E035AA03
3E035BA06
3E035BA08
3E035BB08
3E035BC02
3E035BC03
3E035BD01
3E035BD04
3E035CA01
3E035DA02
(57)【要約】
飲料容器(2)内に配置される流体容器(1)ある。流体容器(1)は、軸方向(3)において第1端(4)と第2端(5)との間に延在しており、流体容器壁(6)内部に流体(8)を収容する第1容積部分(7)を有する。流体容器(1)は、第1端(4)と第2端(5)との間に、中央領域(9)を有し、該中央領域は、軸方向(3)に沿って、前記軸方向(3)に対して交差する方向に延在する一定断面積部分(10)と、前記軸方向(3)に平行に延在し且つ前記一定断面積部分(10)の重心点を通って延在する長手方向軸(11)とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器(2)内に配置される流体容器(1)であって、
前記流体容器(1)は、軸方向(3)において、第1端(4)と第2端(5)との間に延在しており、
前記流体容器(1)は、流体容器壁(6)内部に、流体(8)を収容する第1容積部分(7)を有し、
前記流体容器(1)は、前記第1端(4)と前記第2端(5)との間に、中央領域(9)を有し、
該中央領域は、前記軸方向(3)に沿って、
前記軸方向(3)に対して交差する方向に延在する一定断面積部分(10)と、
前記軸方向(3)に平行に延在し且つ前記一定断面積部分(10)の重心点を通って延在する長手方向軸(11)と
を有し、
前記流体容器(1)は、少なくとも前記第1端(4)と前記中央領域(9)との間に、第1端領域(12)を有し、
a)前記流体容器壁(6)の対向する領域同士が接触することによって、前記第1端領域(12)の少なくとも一部が形成されるか、又は、
b)前記第1端領域(12)は、前記軸方向(3)に沿って、前記軸方向(3)に対して交差する方向に延在し且つ第1重心点(14)を備えた第1断面積部分(13)を複数有するか、又は、
その両方であり、
前記重心点(14)のうち少なくとも幾つかは、前記長手方向軸(11)から径方向(15)に離れて配置されている
流体容器。
【請求項2】
請求項1に記載の流体容器(1)であって、
前記第1重心点(14)のうち少なくとも幾つかは、それぞれの前記第1重心点(14)に対応する第1断面積部分(13)の外側に位置している
流体容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流体容器(1)であって、
互いに接触する前記領域同士は、接続領域(16)を形成し、
前記接続領域(16)は、前記長手方向軸(11)に対して交差する方向に幅(17)に亘って延在し且つ前記長手方向軸(11)に沿って長さ(18)に亘って延在し、
前記接続領域(16)の少なくとも一部は、前記幅(17)に亘って、湾曲した外形を有する
流体容器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の流体容器(1)であって、
前記流体容器(1)は、前記第1端領域(12)において、少なくとも1つの孔(19)を有する
流体容器。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の流体容器(1)を作製する方法であって、
以下のステップ
a)スリーブ状の本体(20)を提供するステップであって、
前記本体(20)は、前記軸方向(3)に沿って第1本体端(21)と第2本体端(22)との間で延在し、且つ、前記軸方向(3)に沿って、前記軸方向(3)に対して交差する方向に延在する一定断面積部分(10)を有するステップと、
b)少なくとも前記第1本体端(21)の変形を行い、前記第1端領域(12)を形成するステップと、
c)前記第1端領域(12)の少なくとも一部において前記流体容器壁(6)の対向する領域同士を接続し、接続領域(16)を形成するステップと
を少なくとも含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
ステップb)は、熱変形を含み、
前記熱変形の間に前記本体(20)が少なくとも部分的に加熱される
方法。
【請求項7】
請求項5及び6のいずれか1項に記載の方法であって、
ステップc)の後に、前記接続領域(16)の少なくとも一部の変形が行われる
方法。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載の方法であって、
ステップb)の間に又はステップb)の後に、少なくとも前記第1端領域(12)において、前記流体容器(1)の切断が行われる
方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記切断は、ステップc)の間に又はステップc)の後に行われる
方法。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか1項に記載の方法であって、
ステップb)の一部として、前記第2本体端(22)はさらに変形されて第2端領域(23)が形成される
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
ステップb)の間に又はステップb)の後に、前記第2端領域(23)において、前記流体容器(1)の切断が行われる
方法。
【請求項12】
外殻(24)を少なくとも備える飲料容器(2)であって、
前記外殻(24)は、基部(25)と、蓋(26)と、前記基部(25)を前記蓋(26)に接続する壁領域(27)とを有し、
前記飲料容器(2)は、液体(29)を部分的に充填可能な第2容積部分(28)を有し、
前記第2容積部分(28)内に、請求項1~4のいずれか1項に記載の流体容器(1)が配置される
飲料容器。
【請求項13】
請求項12に記載の飲料容器(2)であって、
前記基部(25)と前記壁領域(27)との間で周方向(30)に延在する第1コア斜面(31)と、
前記第1コア斜面(31)に対向して配置されており、且つ、前記蓋(26)と前記壁領域(27)との間で前記周方向(30)に延在する第2コア斜面(32)とを
少なくとも備え、
前記第2容積部分(28)の最大高さ部分(33)は、前記第1コア斜面(31)と前記第2コア斜面(32)との間で延在しており、
前記流体容器(1)は、
前記第1端(4)が前記第1コア斜面(31)内に配置されており、
前記第2端(5)が前記第2コア斜面(32)内に配置されており、
前記コア斜面(31、32)を介して、径方向(15)に対して形状嵌合式で、前記第2容積部分(28)内に配置されている
飲料容器。
【請求項14】
請求項13に記載の飲料容器(2)であって、
前記流体容器(1)は、前記第1端(4)と前記第2端(5)との間で、容器長(34)に亘って延在しており、
前記容器長(34)は、前記最大高さ(33)より最大で5ミリメートル小さい
飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器用の流体容器に関し、特に(金属)飲料缶である飲料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料容器は、液体等の内容物及び流体容器を収容することに供される。密封状態(初期状態)では、飲料容器は、周囲に対して又は約1バールの大気圧に対して高圧となっている。流体容器は、飲料容器内に配置することを意図したものであり、流体(飲料容器の内容物とは異なる又は飲料容器の液体とは異なる流体)を収容する。この流体は、特に飲料容器が開放されると、飲料容器の内容物中に又は飲料容器の液体中に放出される。
【0003】
特に内容物が炭酸飲料である飲料缶の場合、飲料容器は、初めて開放される前には内圧が6.2バールまで達していることがある。
【0004】
飲料容器内部に圧力容器(widget)が配置されている飲料容器が、特許文献1から公知である。この場合は、圧力容器内にガスが収容されており、飲料容器が開放された際にこのガスが容器内の孔から放出され、飲料容器内に収容されている液体を泡立たせる。ガスは、一般的には、不活性ガスであり、場合によって二酸化炭素でも使用される。不活性ガスとは、例えば窒素である。圧力容器は、飲料容器の基部領域に配置されており、圧力容器から液体中へ放出されるガスは、最大限可能な量の液体を刺激し、泡立たせる。このようにするために、圧力容器は液体中に完全に沈むように配置されている。
【0005】
爾後公開された特許文献2から、中に圧力容器の配置されている飲料容器が公知である。この圧力容器は、飲料容器内で保持要素によって又は接着剤によって、その適所に固定されるように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0227213(A2)号
【特許文献2】独国特許第102018110764号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明の目的は、先行技術に関連して存在する問題を少なくとも部分的に克服することであり、特に、代替となる態様で配置可能であり且つその位置については固定可能な(圧力容器としての)流体容器を提供することである。
【0008】
これらの目的は、請求項1の特徴部分に記載の流体容器によって達成される。従属請求項には、さらなる有利な実施形態を記載する。従属請求項において個々に説明する特徴は、技術的に有意な方法で互いに組み合わせ可能であり、これらの特徴は本発明のさらなる実施形態を規定し得ることが指摘されるべきである。本発明のさらに好適な実施形態を記載する本明細書において、これらの請求項に記載の特徴はさらに記載され且つより詳細に説明される。
【0009】
飲料容器内に配置される流体容器を提案する。流体容器は、軸方向において、第1端と第2端との間に延在しており、且つ、流体容器壁内部に、流体を収容する第1容積部分を有する。流体容器は、第1端と第2端との間に、(円筒形状又は回転対称等、スリーブ状の)中央領域を有する。この中央領域は、軸方向に沿って、軸方向に対して交差する方向に延在する一定断面積部分と、軸方向に平行に延在し且つ一定断面積部分の重心点を通って延在する長手方向軸とを有する。
【0010】
流体容器は、少なくとも第1端と中央領域との間に、第1端領域を有し、
a)流体容器壁の対向する領域同士が接触することによって、第1端領域の少なくとも一部が形成されるか、又は、
b)第1端領域は、軸方向に沿って、軸方向に対して交差する方向に延在し且つ第1重心点を備えた第1断面積部分を複数有するか、又は、
その両方である。
これらの重心点のうち少なくとも幾つかは、長手方向軸から径方向に離れて配置されている。
【0011】
特に、流体容器は、プラスチック製の流体容器壁を有し、特に、ポリプロピレン製又はこれの代わりに異なる材料製の流体容器壁を有する。流体容器壁は、特に厚くても1ミリメートル、好ましくは厚くても0.5ミリメートル、特に好ましくは0.25ミリメートルの壁厚を有する。
【0012】
流体容器は、少なくとも中央領域において、大きくても20ミリメートル、好ましくは大きくても15ミリメートル、特に好ましくは13ミリメートルの直径を有する。特に、直径は、小さくとも5ミリメートル、好ましくは小さくとも10ミリメートルである。
【0013】
流体容器により取り囲まれる第1容積部分は、少なくとも1つの孔又は厳密に1つの孔を介して、流体容器の周囲に接続することができる。そして、第1容積部分は、特に、密封されているものとみなせる流体容器壁によって形成されている。この少なくとも1つの孔は、特に、0.5ミリメートルの最大孔径を有する。流体容器は、孔無しに設計することもできる。
【0014】
中央領域は、特に、第1容積の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも75%を含む。
【0015】
特に、中央領域は、第1端と第2端との間で長手方向軸に沿って延在する流体容器の容器長の少なくとも25%に亘って、好ましくは少なくとも50%に亘って、好ましくは少なくとも75%に亘って、軸方向に沿って延在する。
【0016】
中央領域は、一定断面積部分を有し、この一定断面積部分は、流体容器壁とこの流体容器壁により断面が取り囲まれている面積部分とにより形成されている。一定断面積部分は重心点を有し、この重心点は、特にこの一定断面積部分内に配置されている(従って、中央領域が円筒形の構成であれば、一定断面積部分は、例えば重心点が円の中心に配置される円形を有する)。
【0017】
特に、長手方向軸は、中央領域の一定断面積部分の重心点全てを通って延在する。
【0018】
第1端領域は、特に、中央領域とは異なる形状を有する。特に、第1端領域は、長手方向軸に関して回転対称ではない形態を有する。
【0019】
特に、第1端領域は、例えば中央領域内の形状に対応する形状から、長手方向軸に対して実質的に交差する方向に流体容器壁の圧縮が行われることによって、形成される。この圧縮の結果、はじめは互いに対向し互いから離れて配置されていた流体容器壁の領域同士が、互いに接触し(且つ互いに寄り掛かり)、材料接続式の態様等で互いに接続されることもある。
【0020】
これの代わりに又はこれに加えて、特に、第1端領域は、軸方向に沿って、軸方向に対して交差する方向に延在する第1断面積部分を有し、これらの第1断面積部分は、流体容器壁により、及び、各第1断面それぞれにおいてこの流体容器壁が取り囲み得る面積部分により、形成されている。これらの第1断面積部分はそれぞれ、第1重心点を有し、これらの第1重心点のうち少なくとも幾つかは、径方向について、長手方向軸から離れて配置される。
【0021】
特に、各第1重心点は、中央領域の一定断面積部分内においては、長手方向軸に沿って並んだ状態となる。
【0022】
各第1重心点は、特に、それぞれの第1重心点に対応する第1断面積部分内に配置されている。
【0023】
特に、第1重心点のうち少なくとも幾つかは、それぞれの第1重心点に対応する第1断面積部分の外側に位置している。例えば第1断面積部分が三日月形状に延びる場合に、このような構成となることがある。
【0024】
特に、互いに接触する(流体容器壁の)領域同士は、接続領域を形成し、この接続領域は、長手方向軸に対して交差する方向に幅に亘って延在し且つ長手方向軸に沿って長さに亘って延在する。特に、長さは、流体容器壁の壁厚よりも、特に少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、特に好ましくは少なくとも10倍大きい。
【0025】
接続領域においては、特に、流体容器は、流体容器壁により取り囲まれる第1容積部分を持たない。
【0026】
特に、接続領域の少なくとも一部は、幅に亘って(即ち第1断面積部分に亘って)、湾曲した(即ち特に直線的ではない)外形を有する。
【0027】
特に、流体容器は、第1端領域において、少なくとも1つの孔を有し、また、場合によって複数の孔を有する。少なくとも1つの孔は、流体容器内の第1容積部分を、流体容器壁を介して、流体容器の外側に存在している周囲に接続する。特に、少なくとも1つの孔(特に複数の孔のそれぞれ)は、接続領域の外側に位置する。
【0028】
特に、第1端領域の構成は、第2端領域にも適用できるが、両方の端領域の構成は異なってもよい。
【0029】
特に、第2端領域は、第1端領域と同一の構成を有するが、孔を有しないことが好ましい。
【0030】
特に、孔は、針等により穿孔される。例えば、直径が0.1ミリメートルの孔を形成するには、直径が0.14ミリメートルの針を使用することができる。小さめの直径が生じるのは、穿孔工程中に容器の材料が部分的に弾性変形するためである。
【0031】
射出成形工程で作製された公知の容器はその孔が例えばコアプルにより形成されるが、それと比較すると、それよりも小さめの孔を、穿孔によって再生可能に作製することができる。
【0032】
さらに、前述の流体容器を作製する方法を提案する。この方法は、少なくとも以下のステップを含む。
a)スリーブ状の本体を提供するステップであって、この本体は、軸方向に沿って第1本体端と第2本体端との間で延在し、且つ、軸方向に沿って、軸方向に対して交差する方向に延在する一定断面積部分を有するステップ
b)少なくとも第1本体端の(第1)変形を行い、第1端領域を形成するステップ
c)第1端領域の少なくとも一部において流体容器壁の対向する領域同士を接続し、接続領域を形成するステップ
【0033】
特に、本体の一定断面積部分とは、本体から作製される流体容器の一定断面積部分である。
【0034】
特に、本体の本体端は、周上で、軸方向について同じ高さのところで終端する。しかし、少なくとも1つの本体端が、軸方向について、90度未満の角度、特に45~80度の間のある角度で延在することも可能である。
【0035】
特に、ステップb)は、熱(第1)変形を含み、この熱変形の間に本体が少なくとも部分的に加熱される。特に、温度を高めることにより塑性(第1)変形が可能になり、これにより、変形した本体の弾性的な跳ね返りが、可能な限り最大限に抑制される。
【0036】
特に、スリーブ状の本体の(理論上の)容積は、第1変形によって第1容積まで減少される。
【0037】
特に、ステップb)では、塑性(第1)変形が行われる、即ち、第1本体端が永続的に変形する。
【0038】
特に、(第1)変形は、対向する容器壁同士を押圧することを含む。結果として生じる第1重心点が、中央領域から、流体容器の端に近づくと、径方向において長手方向軸から外方へ、より離れたところに移動する。それぞれの端領域の少なくとも一部は、流体容器壁の対向する領域同士が互いに寄り掛かれる程度まで、押圧可能である。その後、容器壁同士を接続することにより、端領域のこの部分に、接続領域が生成できる。
【0039】
特に、ステップc)は、接続工程を含み、例えば熱接続工程、例えば溶接、特にパルス溶接を含む。
【0040】
特に、ステップb)とステップc)は、同時に行われる。
【0041】
特に、ステップc)の後に、接続領域の(第2)変形、又は、ステップc)において互いに接続された領域の少なくとも一部の(第2)変形が行われる。
【0042】
特に、第2変形は、熱変形をも含む。特に、第2変形によって第1容積が減少することはない。好ましくは、第2変形により接続領域が変形するだけである。特に、第2変形により、接続領域の少なくとも一部は、それらの幅に亘って(即ち第1断面積部分に亘って)、湾曲した外形が与えられる。
【0043】
特に、熱変形の一部として、本体は、少なくとも部分的に(好ましくは変形対象の領域において)、(局所的に)高められた温度まで加熱され、その後変形する。この温度は、特に少なくとも摂氏60度、好ましくは少なくとも摂氏100度である。
【0044】
特に、ステップb)の間に又はステップb)の後に、少なくとも第1端領域において、流体容器が切断される。
【0045】
好ましくは、切断は、ステップc)の間に又はステップc)の後に行われる。
【0046】
特に、切断は、(接続領域の)第2変形の後にも行われる。
【0047】
切断により、流体容器の容器長が決まる。
【0048】
切断は、本体の材料を分離(切断等)することにより遂行することができる。またはこれの代わりに、切断は、容器長を定める変形(例えば折り畳み、折り曲げ等)をも含むことができる。さらに、切断は、本体の材料の熱変換や化学変換を含むことが可能である。
【0049】
特に、この方法の一部として、第1端の領域に、少なくとも1つの孔が配置又は作製される。孔は、好ましくは、ステップc)の間に又はステップc)後に作製される。特に好ましくは、孔は、第2変形後又は切断後又はその両方で、作製される。
【0050】
特に、ステップb)の一部として、第2本体端はさらに変形されて第2端領域が形成される。
【0051】
第1本体端の構成は、特に第2本体端に等しく適用されるが、これらの2つの本体端の構成は異なってもよい。
【0052】
特に、第2本体端は、第1本体端と同一の構成を有するが、孔を有しないことが好ましい。
【0053】
特に、ステップb)の間に又はステップb)の後に、第2端領域において、流体容器の切断が行われる。
【0054】
特に、本体又は流体容器への流体の少なくとも部分的な充填は、流体容器が完全に密封される前に行われる。
【0055】
また、これの代わりに、(周囲の空気又は周囲の大気以外の)流体を流体容器に全く充填しないでおいて、後の時点で初めて、しかもその際には少なくとも1つの孔を介して、流体容器に充填することも可能である。
【0056】
流体として、ガス、液体、粉末等の固体を使用することができる。また、流体は、いくつかの異なる流体から構成することができ、例えば粉末状及びガス状の流体、粉末状及び液状の流体等から構成することもできる。特に、流体容器内部の流体の物理的状態は、経時的に変化しうる。
【0057】
基部と、蓋と、基部を蓋に接続する(円筒形の)壁領域とを有する外殻(初期状態において防漏性のもの)を少なくとも備える(金属製)飲料容器を提案する。飲料容器は第2容積部分を有し、この第2容積部分は、(第3容積の)液体を部分的に充填可能である(又は初期状態において液体が充填されている)。前述の流体容器は、第2容積部分内に配置される。
【0058】
飲料容器は、特に飲料缶である。
【0059】
飲料容器が直立状態のとき、重力方向に対して、基部は下に、蓋は上にある。特に、基部と蓋との間の壁領域は、(飲料容器が直立している場合)重力方向と(実質的に)平行に、軸方向に沿って延在し、且つ、周方向には基部及び蓋の周りに完全に延在している。
【0060】
初期状態においては、飲料容器は、特に第1圧力下あり、第1圧力は周囲の第2圧力よりも大きい(特に、第2圧力は大きくても1.1バールであり、第1圧力は、好ましくは少なくとも2.5バールである)。容積部分(第1容積部分、第2容積部分、第3容積部分)内部の圧力は、飲料容器が初期状態にある限りにおいて、いずれも特に同じである。
【0061】
初期状態では、流体容器は、少なくとも部分的に流体(ガス等)が充填される(液体が、特に第3容積部分から部分的に充填されることもある)。飲料容器が開放されて圧力が周囲と平衡となると、少なくとも流体(液体の場合もある)は、例えば少なくとも1つの孔を介して、第1容積部分から液体中へ又は第3容積部分内へ放出される。
【0062】
特に、流体容器又は接続領域は、以下のように設計することができる。飲料容器が開放されて圧力が周囲と平衡となったときに、通常は密封されるように設計されている流体容器が突如開放され、流体容器から流体が液体中へ放出可能となる。このとき、流体容器の開放は、特にこの目的のために定められた場所にて行われる。
【0063】
第2容積は、特に0.1~5リットルの間であり、大きくても3リットルが好ましく、大きくても1.5リットルが特に好ましい。
【0064】
第3容積は、特に、第2容積よりも、1%~10%小さく、好ましくは1%~5%小さい。
【0065】
第1容積は、特に、第2容積の1%~5%であり、好ましくは1%~3%である。
【0066】
特に、第1容積と第3容積の合計は、第2容積より少なくとも1%小さい。
【0067】
飲料容器は、通常は、蓋内の、動作可能な密封開口を介して開放される。特に、密封開口は再密封することは不可能であり、初期状態において飲料容器内全体に及んでいた高圧力は、密封開口を再密封しても、限定的な程度にしか復元できない。
【0068】
飲料容器は、軸方向に沿って、特に基部から蓋まで延在している。軸方向は、壁領域と平行であることが好ましい。特に、飲料容器は、略円筒形状に設計されており、(蓋内の構造や、第2容積部分を開閉するための構造は別として)軸方向と平行に延びる回転軸又は対称軸を有する。
【0069】
特に、飲料容器は、少なくとも1つの第1コア斜面(第1段部)と、第2コア斜面(第2段部)とを備える。第1コア斜面は、基部と壁領域との間に又は基部内に、周方向に延在しており、第2コア斜面は、第1コア斜面に対向して配置されており、且つ、蓋と壁領域との間で又は蓋内で周方向に延在する。第2容積部分の最大高さ部分は、(軸方向に沿って)第1コア斜面と第2コア斜面との間で延在する。
【0070】
特に、流体容器は、第1端が第1コア斜面内に配置されており、第2端が第2コア斜面内に配置されている。流体容器は、これらのコア斜面を介して、径方向に対して形状嵌合式で、第2容積部分内に配置されている。
【0071】
特に、流体容器は、第1端と第2端との間で容器長に亘って延在しており、容器長は、最大高さより最大で5ミリメートル小さい。
【0072】
少なくとも流体容器の特別な設計により、流体容器を、飲料容器内に、適所に永続的に固定されるように配置可能である。
【0073】
特に、例えば、さらなる保持要素や接着剤は必要なくなる。接着剤は、必要に応じて、流体容器を飲料容器内に少なくとも一時的に配置する、例えば壁領域上に配置するために使用されることもある。
【0074】
特に、流体容器をコア斜面内で固定することにより、(飲料容器内に収容される液体の低温殺菌の影響等で)接着剤が少なくとも一時的に軟化しても、流体容器が飲料容器内で変位しないことが可能になる。
【0075】
よって、特に、飲料容器が、壁領域と、基部又は蓋とを有することができ、且つ、このような収容器としての飲料容器に液体を充填することができる。流体容器は、あらかじめ飲料容器内に配置可能である(且つ、必要に応じて、例えば、接着剤を介して飲料容器内に固定される)。流体容器が配置された後、飲料容器を密封するために、基部又は蓋の欠けている方を設けることができる。密封する前に、流体が提供されることもある。
【0076】
第2容積部分は、特に基部と蓋との間で、軸方向に沿って、最大高さ部分を(つまりコア斜面間に)有し、流体容器は、第1端と第2端との間に、軸方向に沿って、最大高さの少なくとも85%である容器長を有する。容器長は、特に好ましくは、最大高さの少なくとも90%であり又は少なくとも95%でもあり、特に好ましくは最大高さの少なくとも99.5%である。
【0077】
飲料容器が直立している場合、特に、流体容器の第1容積部分は、蓋の近傍の上側領域にまで延在している。上側領域は、液体の所定の充填レベルの上方に位置する。
【0078】
特に、飲料容器が直立している場合、第2容積部分は、少なくとも1つの最低地点を(第1コア斜面内に)有する。流体容器の第1端は、第1コア斜面内へ延在し、最低地点にまで又は少なくとも最低地点に近い領域にまで延在している。流体が充填されている又は流体を充填可能な流体容器の第1容積部分は、基部の近傍の下側領域にまで延在しており、特に、少なくとも1つの孔は、最低地点から、大きくとも20ミリメートル、特に大きくとも10ミリメートル、好ましくは大きくとも6ミリメートル、特に好ましくは大きくとも4ミリメートル離れたところに配置されている。
【0079】
飲料容器内の、以前から公知であるガス充填式圧力容器又は流体容器は、通常は、基部及び壁領域に対して中央寄りに配置されていた。この場合、これらの流体容器は、第2容積部分の内方へ(規則的に)湾曲した基部に当接するように配置されており、必要に応じて、この基部に接着剤によって固締されていた。湾曲した基部上に配置することにより、流体容器内の孔は、必然的に、第2容積部分の最低地点から遠い距離のところに配置される。しかしながら、これまでは、流体と反応させる(例えば泡を形成する)ために刺激できたのは、飲料容器内に収容された液体の小さな部分容積だけであった。
【0080】
本事例において提案する、軸方向に及び垂直に延在している流体容器は、径方向における広がりが小さめであるおかげで、基部又は第2容積部分に対して中心を外して配置することもできる。よって、圧力容器は、壁領域の特に(すぐ)近傍に配置することができ、飲料容器のコア斜面(湾曲した基部の周りに規則的に延在する飲料容器の最低周縁)内へ延在することができる。
【0081】
少なくとも1つの孔を最低地点から近い距離のところに配置する結果として、第3容積部分のより大きな部分容積を、少なくとも流体が流体容器から流出することによって刺激することができる。
【0082】
特に、流体容器は、飲料容器の両方のコア斜面内へ延在しており、これにより、コア斜面を介して、少なくとも径方向についてはその適所に固定される(即ち、両方のコア斜面内へ延在している)。
【0083】
特に、流体容器は、飲料容器によって(特に飲料容器のみによって)、(好ましくは片方の又は両方のコア斜面により)、少なくとも1つの端部にて弾性変形可能であり、好ましくは両端にて弾性変形可能である。これにより、圧力容器も、コア斜面内及び第1容積部分内で、周方向に対してその適所に固定される。
【0084】
特に、流体容器は、少なくとも第1端又は第2端が飲料容器の壁(基部、蓋、壁領域等)の(すぐ)近傍にくるように配置されており、これにより、少なくとも軸方向に関して、端部と壁との間には当接面が形成される。特に、圧力容器が軸方向に沿ってさらに変位することにより壁に接触する流体容器の端部が少なくとも径方向又は周方向において変位させられるように、流体容器は壁に対して配置される。この文脈において、近傍(benachbart)という語は、特に、端部が壁から、大きくても2ミリメートルの距離のところに配置されることを意味する。その際、すぐ近傍(unmittelbar benachbart)という語は、端部が壁に接触することを意味する。
【0085】
特に、流体容器の少なくとも1つの端部は、接続領域の領域において、湾曲した外形を有し、この湾曲した外形は、対応するコア斜面の外形に周方向において適合するように設計されている。
【0086】
特に、両端はいずれも、壁の(すぐ)近傍に配置され、これにより、流体容器の、軸方向におけるさらなる移動は少なくとも制限される。
【0087】
特に、流体容器が飲料容器に対して移動することによって流体容器が外れたり雑音が発生するのを防止することができる。
【0088】
これの代わりに、流体容器は、接着剤を使用して、飲料容器の壁(特に壁領域)に接続可能である。圧力容器は、飲料容器のコア斜面内へ延在していること等により、少なくとも径方向に関して、その適所にさらに固定される、又は、(例えば、少なくとも弾性変形の結果の又は保持要素による)圧力嵌めで、その適所に固定されもする。
【0089】
飲料容器及び流体容器は、公知のやり方で充填可能であり、例えば以下のようなやり方で充填できる。
・基部及び壁領域を備える収容器を、蓋無しで設ける
・(例えば孔を備えており、必要に応じて流体が既に充填されているか又は流体無しの)流体容器を設ける
・接着剤を必要に応じて使用して、収容器内に流体容器を配置する
・収容器に、液体(第3容積)を充填する
・必要に応じて、不活性ガス等流体(必要に応じて少なくとも部分的に液化されたもの)を、収容器に(第3容積から始めて特に第2容積を超えないところまで)充填する
・蓋を用いて収容器を(ガス密に)密封し、飲料容器を形成する
・必要に応じて、基部が(重力方向に対して)上方を向くように、且つ、必要に応じて存在する少なくとも1つの孔が、第2容積の液体充填レベルよりも上に配置されるように、飲料容器をひっくり返す
・必要に応じて、不活性ガス等流体を孔を介して流体容器に充填する。不活性ガスは、閉じられた飲料容器内で加熱されることにより膨張する、又は、不活性ガスの物理的状態の変化とそれに伴う不活性ガスの膨張が生じる
・初期状態における飲料容器を提供する
【0090】
流体容器の実施形態は、飲料容器及び方法に等しく当てはまり、その逆も同様である。
【0091】
疑義を回避するために言えば、本明細書において使用する序数詞(「第1」、「第2」、「第3」等)は、主として、幾つかの同じような対象物、数値、工程を区別するために(のみ)供されるものであり、すなわち、特に、これらの序数詞が、これら対象物、数値、工程の、互いに対する任意の依存関係や順序を必ずしも定めるものではない。依存関係や順序が必要である場合には、このことは本明細書において明記されるか、あるいは、実際に記載されている実施形態を検討することにより、当業者にとって明らかになる。
【0092】
以下で、図面を参照して、本発明及び技術的環境を、より詳細に説明する。本発明が、図示する実施形態により限定されるべきではないことに留意すべきである。特段の記載のない限り、特に、図で説明する事項から部分的特徴を抽出し、それらを他の構成要素及び本明細書又は図又はその両方の知見と組み合わせることも可能である。同一の参照符号は同一の対象物を表すものであり、他の図の説明から必要に応じて任意の説明を補足として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【
図2】
図1における流体容器を接着剤と共に斜視図で示している。
【
図3】流体容器が中に配置された飲料容器を部分透視斜視図で示している。
【
図4】
図3における飲料容器を流体容器と共に部分透視側面図で示している。
【
図5】
図3及び
図4における飲料容器を、上下逆の状態で、側面図で示している。
【
図6】
図3~
図5における飲料容器と、流体容器とを、側面図で示している。
【
図7】流体容器を作製するための本体を斜視図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1は、流体容器1を斜視図で示している。
図2は、
図1における流体容器を、接着剤35と共に斜視図で示している。以下、
図1及び
図2を共に記載する。
【0095】
流体容器1は、軸方向3において、第1端4と第2端5との間に延在しており、且つ、流体容器壁6内部に、流体8を収容する第1容積部分7を有する。流体容器1は、第1端4と第2端5との間に、(円筒形状又は回転対称等、スリーブ状の)中央領域9を有する。この中央領域は、軸方向3に沿って、軸方向3に対して交差する方向に延在する一定断面積部分10と、軸方向3に平行に延在し且つ一定断面積部分10の重心点を通って延在する長手方向軸11とを有する。流体容器1は、第1端4と中央領域9との間に第1端領域12を有する。流体容器壁6の対向する領域同士が接触することによって、第1端領域12の一部が形成され、第1端領域12は、軸方向3に沿って、軸方向3に対して交差する方向に延在し且つ第1重心点14を備えた第1断面積部分13を複数有する。これらの第1重心点14のうち少なくとも幾つかは、長手方向軸11から径方向15に離れて配置されている(
図4参照)。
【0096】
流体容器1によって取り囲まれている第1容積部分7は、厳密に1つの孔19を介して、流体容器1の周囲に接続されている。
【0097】
第1端領域12は、中央領域9内の形状に対応する形状から、長手方向軸11に対して実質的に交差する方向に流体容器壁6の圧縮が行われることによって、形成される。この圧縮の結果、はじめは互いに対向し互いから離れて配置されていた流体容器壁6の領域同士が、互いに接触し(且つ互いに寄り掛かり)、材料接続式の態様等で互いに接続される。
【0098】
第1端領域12は、軸方向3に沿って、軸方向3に対して交差する方向に延在する第1断面積部分13を有し、これらの第1断面積部分は、流体容器壁6により、及び、各第1断面それぞれにおいてこの流体容器壁が取り囲み得る面積部分により、形成されている。これらの第1断面積部分13はそれぞれ、第1重心点14を有し、これらの第1重心点は、中央領域9の一定断面積部分10内においては、長手方向軸11に沿って並んだ状態となる(
図4参照)。これらの第1重心点14の一部は、それぞれの第1重心点14に対応する第1断面積部分13内に配置される。第1重心点14のうち幾つか(端部4、5の近くにあるもの)は、それぞれの第1重心点14に対応する第1断面積部分13の外側に位置している。図示するように、第1断面積部分が三日月形状に延びる場合に、このような構成となる。
【0099】
互いに接触する流体容器壁6の領域同士は、接続領域16を形成し、この接続領域16は、長手方向軸11に対して交差する方向に幅17に亘って延在し且つ長手方向軸11に沿って長さ18に亘って延在する。接続領域16は、幅に亘って(即ち第1断面積部分13に亘って)、湾曲した(即ち特に直線的ではない)外形を有する。
【0100】
図示するように、第1端領域12の構成は、第2端領域23にも適用できる。第2端領域23は、第1端領域12と同一の構成を有するが、孔19を有しない。
【0101】
図3は、流体容器1が中に配置された飲料容器2を部分透視斜視図で示している。
図4は、
図3における飲料容器2を流体容器1と共に部分透視側面図で示している。:
図5は、
図3及び
図4における飲料容器2を、上下逆の状態で、側面図で示している。
図6は、
図3~
図5における飲料容器2と、流体容器1とを、側面図で示している。以下、
図3~
図6を共に記載する。
図1及び
図2の実施形態を参照する。
【0102】
飲料容器2は、外殻24(初期状態において防漏性のもの)を備え、この外殻24は、基部25と、蓋26と、基部25を蓋26に接続する円筒形の壁領域27とを有する。飲料容器2は第2容積部分28を有し、この第2容積部分28は、第3容積36の液体29が部分的に充填される。流体容器1は、第2容積部分28内に配置される。
【0103】
飲料容器2は、第1コア斜面31と、第2コア斜面32とを備える。第1コア斜面31は、基部25と壁領域27との間で又は基部25内で、周方向に延在しており、第2コア斜面32は、第1コア斜面31に対向して配置されており、且つ、蓋26と壁領域27との間で又は蓋26内で周方向30に延在する。第2容積部分の最大高さ部分33は、軸方向3に沿って、第1コア斜面31と第2コア斜面32との間で延在する。
【0104】
流体容器1は、第1端4が第1コア斜面31内に配置されており、第2端5が第2コア斜面32内に配置されている。流体容器1は、これらのコア斜面31、32を介して、径方向15に対して形状嵌合式で、第2容積部分28内に配置されている。
【0105】
流体容器1の特別な設計により、流体容器1を、飲料容器2内に、適所に永続的に固定されるように配置可能である。
【0106】
飲料容器2が直立している場合、第2容積部分28は、少なくとも1つの最低地点37を(第1コア斜面31内に)有する。流体容器1の第1端4は、第1コア斜面31内へ延在し、最低地点37まで又は少なくとも最低地点に近い領域まで延在している。流体8が充填される流体容器1の第1容積部分7は、基部25の近傍の下側領域まで延在しており、孔19は、最低地点37から僅かな距離だけ離れて配置されている。
【0107】
本事例において提案する、軸方向3に延在している流体容器1は、図示するように、径方向15における広がりが小さめであるおかげで、基部25又は第2容積部分28に対して中心を外して配置することができる。よって、流体容器1は、壁領域27のすぐ近傍に配置することができ、飲料容器2のコア斜面31、32(湾曲した基部25及び蓋26の周りに規則的に延在する飲料容器2の又は第2容積部分28の最低又は最高周縁)内へ延在することができる。
【0108】
図示するように、流体容器1は、その端部4、5が飲料容器2の両方のコア斜面31、32内へ延在しており、これにより、コア斜面31、32を介して、少なくとも径方向15についてはその適所に固定される(即ち、両方のコア斜面31、32内へ延在している)。
【0109】
流体容器1の両端4、5は、それぞれの接続領域16の領域において、湾曲した外形を有し、この湾曲した外形は、対応するコア斜面31、32の外形に周方向30において適合するように設計されている。
【0110】
ここでは、両端4、5はいずれも、壁のすぐ近傍に配置され、これにより、流体容器1の、軸方向3におけるさらなる移動は少なくとも制限される。
【0111】
図7は、流体容器1を作製するための本体20を斜視図で示している。
図8は、
図1及び
図2における流体容器1を側面図で示している。以下、
図7及び
図8を共に記載する。
図1~
図6の実施形態を参照する。
【0112】
流体容器1を作製する方法は、ステップa)を含み、ステップa)は、スリーブ状の本体20を提供するステップであって、この本体20は、軸方向3に沿って第1本体端21と第2本体端22との間で延在し、且つ、軸方向3に沿って、軸方向3に対して交差する方向に延在する一定断面積部分10を有する。ステップb)によれば、第1本体端21の第1変形を行って第1端領域12を形成し、且つ、第2本体端の第1変形を行って、第2端領域23を形成する。ステップc)によれば、第1端領域12の及び第2端領域23の一部において流体容器壁6の対向する領域同士がそれぞれ接続され、接続領域16がそれぞれ形成される。
【0113】
図7では、本体20の本体端21、22がいずれも、周上で、軸方向3について同じ高さのところで終端することを見ることができる。
【0114】
スリーブ状の本体20の(理論上の)容積(
図7において本体端21、22間に見られるもの)は、第1変形によって第1容積7まで減少する。第1変形は、対向する容器壁6同士を端領域12、23内で押圧することを含む。結果として生じる第1重心点14が、本体20の中央領域9から、流体容器1の端4、5に近づくと、径方向15において長手方向軸11から外方へ、より離れたところに移動する。それぞれの端領域12、23の少なくとも一部は、流体容器壁6の対向する領域が互いに寄り掛かれる程度まで、押圧される。その後、容器壁6同士を接続することにより、端領域12、23のこの部分に、接続領域16が生成される。
【0115】
ステップc)の後に、接続領域16の第2変形、又は、ステップc)において互いに接続された領域の少なくとも一部の第2変形が行われる。第2変形によって第1容積7がさらに減少することはない。第2変形により接続領域16が変形するだけである。第2変形により、接続領域16は、それらの幅17に亘って(即ち第1断面積部分13に亘って)、湾曲した外形が与えられる。
【0116】
さらに、両方の端領域12、23における流体容器1の切断が行われ、これにより、流体容器2の容器長34が決まる。容器長34は、流体容器1に提供される飲料容器2の最大高さ33に定められる。
【0117】
さらに、本方法の一部として、第1端領域12の領域に、孔19が配置又は作製される。
【符号の説明】
【0118】
1 流体容器
2 飲料容器
3 軸方向
4 第1端
5 第2端
6 流体容器壁
7 第1容積部分
8 流体
9 中央領域
10 一定断面積部分
11 長手方向軸
12 第1端領域
13 第1断面積部分
14 第1重心点
15 径方向
16 接続領域
17 幅
18 長さ
19 孔
20 本体
21 第1本体端
22 第2本体端
23 第2端領域
24 外殻
25 基部
26 蓋
27 壁領域
28 第2容積
29 液体
30 周方向
31 第1コア斜面
32 第2コア斜面
33 最大高さ
34 容器長
35 接着剤
36 第3容積
37 最低地点
【国際調査報告】