(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】炭酸化装置及び炭酸化装置用のガス缶
(51)【国際特許分類】
F16K 1/00 20060101AFI20220708BHJP
B67D 1/04 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
F16K1/00 Z
B67D1/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559797
(86)(22)【出願日】2020-01-01
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 IL2020050002
(87)【国際公開番号】W WO2020230115
(87)【国際公開日】2020-11-19
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517301759
【氏名又は名称】ソーダストリーム インダストリーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル,ガイ
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン,アヴィ
(72)【発明者】
【氏名】シャレヴ,オレン
(72)【発明者】
【氏名】ファント,マーク
(72)【発明者】
【氏名】リング,アラン
(72)【発明者】
【氏名】シュケディ,アムノン
(72)【発明者】
【氏名】ブランド,ドゥヴィール
(72)【発明者】
【氏名】シュムエリ,イーヤル
(72)【発明者】
【氏名】アヴィグドール,アミト
(72)【発明者】
【氏名】シャシュア,エラン
(72)【発明者】
【氏名】ハルドフ,ハガイ
(72)【発明者】
【氏名】クロム,ドロン
【テーマコード(参考)】
3E082
3H052
【Fターム(参考)】
3E082AA10
3E082BB02
3E082CC03
3E082FF05
3H052AA01
3H052BA02
3H052CD09
3H052EA01
(57)【要約】
炭酸化装置は、炭酸化ヘッドと、ホルダーと、駆動機構と、を備え、前記ホルダーは、ガス缶を保持するように構成され、ソケット付きのコネクターと保持機構とを備え、前記コネクターは、前記缶のバルブが前記ソケットに直線的に挿入可能に構成され、前記ソケットは、前記バルブの一つ以上の横向きのポートと前記ホルダーの導管との間の流体の流れを可能にすると共に前記流体の流れからのガスの漏れを防止する、少なくとも一つの横向きの開口付きのシールを含み、前記保持機構は、前記バルブが前記ソケットへ挿入された後に、前記缶からの横向きの突起を保持して、前記バルブが前記ソケット内に留まるように構成され、前記駆動機構は、前記バルブを、前記ソケットに挿入された際に作動させて前記缶から前記ガスを解放させ、前記ガスを、前記導管を通して前記炭酸化ヘッドに流入させるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸化ヘッドと、ホルダーと、駆動機構と、を備え、
前記ホルダーは、ガス缶を保持するように構成され、ソケット付きのコネクターと保持機構とを備え、
前記コネクターは、前記缶のバルブが前記ソケットに直線的に挿入可能に構成され、
前記ソケットは、前記バルブの一つ以上の横向きのポートと前記ホルダーの導管との間の流体の流れを可能にすると共に前記流体の流れからのガスの漏れを防止する、少なくとも一つの横向きの開口付きのシールを含み、
前記保持機構は、前記バルブが前記ソケットへ挿入された後に、前記缶からの横向きの突起を保持して、前記バルブが前記ソケット内に留まるように構成され、
前記駆動機構は、前記バルブを、前記ソケットに挿入された際に作動させて前記缶から前記ガスを解放させ、前記ガスを、前記導管を通して前記炭酸化ヘッドに流入させるように構成されている、炭酸化装置。
【請求項2】
前記シールは、二つのガスケットを含み、前記横向きの開口は、前記2つのガスケット間に空隙を含む、請求項1の炭酸化装置。
【請求項3】
前記二つのガスケットのそれぞれは、平らな面を有するOリング形状に形成されている、請求項2の炭酸化装置。
【請求項4】
前記二つのガスケットのそれぞれは、前記二つのガスケットの開口が互いに対向するように向けられたU字状の断面を有する、請求項2の炭酸化装置。
【請求項5】
前記シールは、一つ以上の開口孔を有する一つのガスケットを含む、請求項1の炭酸化装置。
【請求項6】
前記ガスケットは、U字型の断面形状を有する、請求項5の炭酸化装置。
【請求項7】
前記U字型ガスケットの開口は内側に向き、前記開口孔は、前記ガスケットの外向きの凸状の面に形成されている、請求項6の炭酸化装置。
【請求項8】
前記U字型ガスケットの開口は外側に向き、前記開口孔は、前記ガスケットの内向きの凸状の面に形成されている、請求項6の炭酸化装置。
【請求項9】
前記保持機構は、複数の歯を有し、
前記複数の歯は、外方向にスライドして前記横向き突起の挿入を可能とし、内方向にスライドして前記歯を通過した前記横向き突起の取り外しを防止し、
前記ソケットからの前記バルブの取り外しを可能とする解除機構は、前記歯を外方向に引き込ませ、前記横向き突起の通過を可能とするように構成される、請求項1の炭酸化装置。
【請求項10】
前記保持機構は、非円形の開口付きのヨークを備え、前記横向きの突起は、非円形の横向きの突起を備え、
前記非円形の開口付きのヨークは、前記非円形の横向き突起が前記開口と整列した場合に、前記横向き突起の通過を可能とし、前記缶が、前記非円形の横向きの突起が前記開口と整列しないように回転された場合に、前記非円形の横向きの突起の通過を防止するように構成される、請求項1の炭酸化装置。
【請求項11】
前記横向きの突起を支持するように構成されたヨーク、及び、前記横向きの突起を前記ヨーク上に配置可能に持ち上げ可能なハンドル、を更に備え、前記ハンドルは持ち上げ機構によって前記ヨークに接続され、前記ハンドルが下げられた場合に、前記ヨークが前記バルブを持ち上げて前記バルブを前記ソケットに挿入させる、請求項1の炭酸化装置。
【請求項12】
前記ハンドルは、前記ハンドルが下げられた際に、前記缶の少なくとも一部を覆うように構成されたカバーを備える、請求項11の炭酸化装置。
【請求項13】
前記炭酸化装置のベースは、前記缶を配置するための開口を備え、
前記開口の床の少なくとも一部は不均一であり、前記缶が前記開口に配置された際に、前記缶を、前記ソケットと実質的に整列する向きに傾斜させる、請求項1の炭酸化装置。
【請求項14】
クレードルを更に備え、前記クレードルは外向きに傾斜可能で、前記缶が前記クレードルへ挿入されることを可能とし、前記クレードルは、内向きに回転された際に、前記バルブを前記ソケットに挿入するように構成される、請求項1の炭酸化装置。
【請求項15】
前記缶を直立して支持し、回転された際に、前記缶を持ち上げて前記バルブを前記ソケットに挿入するように構成された台を更に備える、請求項1の炭酸化装置。
【請求項16】
炭酸化装置に接続する缶であって、前記缶は、前記装置が液体を炭酸化させることを可能にするための加圧又は液化ガスを保持するように構成され、閉じられた際に前記缶に前記ガスを保持させ、開かれた際に前記缶と前記炭酸化装置又は前記ガスの供給源との間の流体接続を与えるように構成されたバルブを備え、
前記バルブは、本体と、ポペットと、弾性復元構造と、プランジャーと、ガスケットと、を備え、
前記本体は、缶ポート及び少なくとも二つの外部ポートを含み、前記缶ポートは、一端に設けられ、前記本体の縦軸に沿って向けられて前記缶へ挿入されるように構成され、前記少なくとも二つの外部ポートは、前記縦軸に対して横方向に開口し、前記縦軸を中心として実質的に等間隔離れて配置され、
前記ポペットは、前記縦軸に沿ってスライド可能であり、開位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を可能として、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶への流入、又は、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶からの流出を可能とし、前記開位置よりも前記缶ポートに対して遠位の閉位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を防止し、
前記弾性復元構造は、前記ポペットに復元力を加え、前記ポペットを前記閉位置に維持し、
前記プランジャーは、前記本体の外部に露出した外面を有し、前記復元力に打ち勝つ内向きの押し込み力が前記プランジャーに加えられた場合に、前記ポペットを、前記閉位置から前記開位置へスライドさせるように構成され、
前記ガスケットは、前記プランジャーの前記外面を、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の流路から、流体的に隔離するように構成される、缶。
【請求項17】
前記ガスケットの断面はU字状であり、前記ガスケットの開口は、前記缶に向けられている、請求項16の缶。
【請求項18】
前記外部ポートは、前記縦軸に実質的に直交するように向けられている、請求項16の缶。
【請求項19】
ガス缶を開閉するバルブであって、
本体と、ポペットと、弾性復元構造と、プランジャーと、ガスケットと、を備え、
前記本体は、缶ポート及び少なくとも二つの外部ポートを含み、前記缶ポートは、一端に設けられ、前記本体の縦軸に沿って向けられて前記缶へ挿入されるように構成され、前記少なくとも二つの外部ポートは、前記縦軸に対して横方向に開口し、前記縦軸を中心として実質的に等間隔離れて配置され、
前記ポペットは、前記縦軸に沿ってスライド可能であり、開位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を可能として、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶への流入、又は、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶からの流出を可能とし、前記開位置よりも前記缶ポートに対して遠位の閉位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を防止し、
前記弾性復元構造は、前記ポペットに復元力を加え、前記ポペットを前記閉位置に維持し、
前記プランジャーは、前記本体の外部に露出した外面を有し、前記復元力に打ち勝つ内向きの押し込み力が前記プランジャーに加えられた場合に、前記ポペットを、前記閉位置から前記開位置へスライドさせるように構成され、
前記ガスケットは、前記プランジャーの前記外面を、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の流路から、流体的に隔離するように構成される、バルブ。
【請求項20】
前記ガスケットの断面はU字状であり、前記ガスケットの開口は前記缶に向けられている、請求項19の缶。
【請求項21】
開口と、少なくとも一つのチャンネルと、を備え、
前記開口は、液体を炭酸化する加圧又は液化ガスを保持するように構成されたガス缶のバルブの挿入を可能とするように形成され、
前記バルブは、缶ポートと、少なくとも一つの外部ポートと、ガスケットとを含み、
前記缶ポートは、一端に設けられ、前記バルブの本体の縦軸に沿って向けられて前記缶に挿入されるように構成され、
前記少なくとも一つの外部ポートは横向きに開口し、
前記ガスケットは、前記バルブのプランジャーの外面を流体的に隔離するように構成され、
前記プランジャーは、復元力に打ち勝つ内向きの押し込み力が該プランジャーに加わった場合に、前記少なくとも一つの外部ポートと前記缶ポートとの間の流体的な連通を可能にするように構成され、
前記少なくとも一つのチャンネルは、加圧ガスを、缶充填システムの縦向きの充填ポートから、前記開口に挿入されたバルブの前記少なくとも一つの外部ポートと流体的に連通する一つ以上の横チャンネルに導くように構成されている、アダプター。
【請求項22】
前記バルブは、前記充填システムの充填ヘッドへの前記アダプターの取り付けを可能とする構造を含む、請求項21のアダプター。
【請求項23】
前記少なくとも一つのチャンネルは、前記アダプターが前記充填ヘッドに取り付けられた場合に、前記充填ポートと流体的に連通するように構成された少なくとも一つの横向きのチャンネルを含む、請求項22のアダプター。
【請求項24】
前記アダプターは、前記バルブへの前記アダプターの取り付けを可能とする構造を含み、前記アダプターの遠位端は、前記充填システムの充填ヘッドに接続されるように構成される、請求項21のアダプター。
【請求項25】
前記少なくとも一つのチャンネルは、前記遠位端が前記充填ヘッドに接続された場合に、前記充填ポートと流体的に連通するように構成された、前記遠位端に設けられた縦向きのチャンネルを備える、請求項24のアダプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸化装置に関する。特には、本発明は、炭酸化装置及び炭酸化装置用のガス缶に関する。
【背景技術】
【0002】
炭酸化装置は、家庭、オフィス、カフェテリア及び他の環境で一般に使用されている。典型的な炭酸化装置は、装置に取り付けられるボトル内の水又は他の液体に二酸化炭素を注入するように作動される。他の形式の炭酸化装置は、炭酸化された飲料をカップ又は他の容器に分配するように構成される。
【0003】
液体に注入されて液体を炭酸化する二酸化炭素は、一般的には、加圧された又は液化されたガスの缶に提供される。炭酸化装置は、ガスをシリンダーから解放して、ガスを液体に導いて炭酸化させる、ユーザーが操作可能な機構を備える。一般には、ガス解放機構の操作は、機構にシリンダーのバルブを開かせる。ガス缶が炭酸化装置に装着されると、バルブを含むバルブヘッドが炭酸化装置のガス缶コネクターに接続される。
【0004】
シリンダーのガスがなくなると、空のシリンダーは、満杯のシリンダーと交換される。この交換は、一般に、装置のユーザーによって行われる。例えば、シリンダーのバルブヘッドには、外雄ネジが設けられ、コネクターのソケットの内ネジと螺合することで、ガス缶コネクターに接続される。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態において、炭酸化装置が提供され、前記炭酸化装置は、炭酸化ヘッドと、ホルダーと、駆動機構と、を備え、前記ホルダーは、ガス缶を保持するように構成され、ソケット付きのコネクターと保持機構とを備え、前記コネクターは、前記缶のバルブが前記ソケットに直線的に挿入可能に構成され、前記ソケットは、前記バルブの一つ以上の横向きのポートと前記ホルダーの導管との間の流体の流れを可能にすると共に前記流体の流れからのガスの漏れを防止する、少なくとも一つの横向きの開口付きのシールを含み、前記保持機構は、前記バルブが前記ソケットへ挿入された後に、前記缶からの横向きの突起を保持して、前記バルブが前記ソケット内に留まるように構成され、前記駆動機構は、前記バルブを、前記ソケットに挿入された際に作動させて前記缶から前記ガスを解放させ、前記ガスを、前記導管を通して前記炭酸化ヘッドに流入させるように構成されている。
【0006】
さらに、本発明の実施形態において、前記シールは、二つのガスケットを含み、前記横向きの開口は、前記2つのガスケット間に空隙を含む。
【0007】
さらに、本発明の実施形態において、前記二つのガスケットのそれぞれは、平らな面を有するOリング形状に形成されている。
【0008】
さらに、本発明の実施形態において、前記二つのガスケットのそれぞれは、前記二つのガスケットの開口が互いに対向するように向けられたU字状の断面を有する。
【0009】
さらに、本発明の実施形態において、前記シールは、一つ以上の開口孔を有する一つのガスケットを含む。
【0010】
さらに、本発明の実施形態において、前記ガスケットは、U字型の断面形状を有する。
【0011】
さらに、本発明の実施形態において、前記U字型ガスケットの開口は内側に向き、前記開口孔は、前記ガスケットの外向きの凸状の面に形成されている。
【0012】
さらに、本発明の実施形態において、前記U字型ガスケットの開口は外側に向き、前記開口孔は、前記ガスケットの内向きの凸状の面に形成されている。
【0013】
さらに、本発明の実施形態において、前記保持機構は、複数の歯を有し、前記複数の歯は、外方向にスライドして前記横向き突起の挿入を可能とし、内方向にスライドして前記歯を通過した前記横向き突起の取り外しを防止し、前記ソケットからの前記バルブの取り外しを可能とする解除機構は、前記歯を外方向に引き込ませ、前記横向き突起の通過を可能とするように構成される。
【0014】
さらに、本発明の実施形態において、前記保持機構は、非円形の開口付きのヨークを備え、前記横向きの突起は、非円形の横向きの突起を備え、前記非円形の開口付きのヨークは、前記非円形の横向き突起が前記開口と整列した場合に、前記横向き突起の通過を可能とし、前記缶が、前記非円形の横向きの突起が前記開口と整列しないように回転された場合に、前記非円形の横向きの突起の通過を防止するように構成される。
【0015】
さらに、本発明の実施形態において、前記横向きの突起を支持するように構成されたヨーク、及び、前記横向きの突起を前記ヨーク上に配置可能に持ち上げ可能なハンドル、を更に備え、前記ハンドルは持ち上げ機構によって前記ヨークに接続され、前記ハンドルが下げられた場合に、前記ヨークが前記バルブを持ち上げて前記バルブを前記ソケットに挿入させる。
【0016】
さらに、本発明の実施形態において、前記ハンドルは、前記ハンドルが下げられた際に、前記缶の少なくとも一部を覆うように構成されたカバーを備える。
【0017】
さらに、本発明の実施形態において、前記炭酸化装置のベースは、前記缶を配置するための開口を備え、前記開口の床の少なくとも一部は不均一であり、前記缶が前記開口に配置された際に、前記缶を、前記ソケットと実質的に整列する向きに傾斜させる。
【0018】
さらに、本発明の実施形態において、クレードルを更に備え、前記クレードルは外向きに傾斜可能で、前記缶が前記クレードルへ挿入されることを可能とし、前記クレードルは、内向きに回転された際に、前記バルブを前記ソケットに挿入するように構成される。
【0019】
さらに、本発明の実施形態において、前記缶を直立して支持し、回転された際に、前記缶を持ち上げて前記バルブを前記ソケットに挿入するように構成された台を更に備える。
【0020】
本発明の実施形態において、缶が提供され、前記缶は、炭酸化装置に接続する缶であって、前記缶は、前記装置が液体を炭酸化させることを可能にするための加圧又は液化ガスを保持するように構成され、閉じられた際に前記缶に前記ガスを保持させ、開かれた際に前記缶と前記炭酸化装置又は前記ガスの供給源との間の流体接続を与えるように構成されたバルブを備え、前記バルブは、本体と、ポペットと、弾性復元構造と、プランジャーと、ガスケットと、を備え、前記本体は、缶ポート及び少なくとも二つの外部ポートを含み、前記缶ポートは、一端に設けられ、前記本体の縦軸に沿って向けられて前記缶へ挿入されるように構成され、前記少なくとも二つの外部ポートは、前記縦軸に対して横方向に開口し、前記縦軸を中心として実質的に等間隔離れて配置され、前記ポペットは、前記縦軸に沿ってスライド可能であり、開位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を可能として、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶への流入、又は、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶からの流出を可能とし、前記開位置よりも前記缶ポートに対して遠位の閉位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を防止し、前記弾性復元構造は、前記ポペットに復元力を加え、前記ポペットを前記閉位置に維持し、前記プランジャーは、前記本体の外部に露出した外面を有し、前記復元力に打ち勝つ内向きの押し込み力が前記プランジャーに加えられた場合に、前記ポペットを、前記閉位置から前記開位置へスライドさせるように構成され、前記ガスケットは、前記プランジャーの前記外面を、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の流路から、流体的に隔離するように構成される。
【0021】
さらに、本発明の実施形態において、前記ガスケットの断面はU字状であり、前記ガスケットの開口は、前記缶に向けられている。
【0022】
さらに、本発明の実施形態において、前記外部ポートは、前記縦軸に実質的に直交するように向けられている。
【0023】
本発明の実施形態において、バルブが提供され、前記バルブは、ガス缶を開閉するバルブであって、本体と、ポペットと、弾性復元構造と、プランジャーと、ガスケットと、を備え、前記本体は、缶ポート及び少なくとも二つの外部ポートを含み、前記缶ポートは、一端に設けられ、前記本体の縦軸に沿って向けられて前記缶へ挿入されるように構成され、前記少なくとも二つの外部ポートは、前記縦軸に対して横方向に開口し、前記縦軸を中心として実質的に等間隔離れて配置され、前記ポペットは、前記縦軸に沿ってスライド可能であり、開位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を可能として、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶への流入、又は、前記少なくとも二つの外部ポートを通した前記缶からの流出を可能とし、前記開位置よりも前記缶ポートに対して遠位の閉位置の場合には、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の連通を防止し、前記弾性復元構造は、前記ポペットに復元力を加え、前記ポペットを前記閉位置に維持し、前記プランジャーは、前記本体の外部に露出した外面を有し、前記復元力に打ち勝つ内向きの押し込み力が前記プランジャーに加えられた場合に、前記ポペットを、前記閉位置から前記開位置へスライドさせるように構成され、前記ガスケットは、前記プランジャーの前記外面を、前記外部ポートと前記缶ポートとの間の流体の流路から、流体的に隔離するように構成される。
【0024】
さらに、本発明の実施形態において、前記ガスケットの断面はU字状であり、前記ガスケットの開口は前記缶に向けられている。
【0025】
本発明の実施形態において、アダプターが提供され、前記アダプターは、開口と、少なくとも一つのチャンネルと、を備え、前記開口は、液体を炭酸化する加圧又は液化ガスを保持するように構成されたガス缶のバルブの挿入を可能とするように形成され、前記バルブは、缶ポートと、少なくとも一つの外部ポートと、ガスケットとを含み、前記缶ポートは、一端に設けられ、前記バルブの本体の縦軸に沿って向けられて前記缶に挿入されるように構成され、前記少なくとも一つの外部ポートは横向きに開口し、前記ガスケットは、前記バルブのプランジャーの外面を流体的に隔離するように構成され、前記プランジャーは、復元力に打ち勝つ内向きの押し込み力が該プランジャーに加わった場合に、前記少なくとも一つの外部ポートと前記缶ポートとの間の流体的な連通を可能にするように構成され、前記少なくとも一つのチャンネルは、加圧ガスを、缶充填システムの縦向きの充填ポートから、前記開口に挿入されたバルブの前記少なくとも一つの外部ポートと流体的に連通する一つ以上の横チャンネルに導くように構成されている。
【0026】
さらに、本発明の実施形態において、前記バルブは、前記充填システムの充填ヘッドへの前記アダプターの取り付けを可能とする構造を含む。
【0027】
さらに、本発明の実施形態において、前記少なくとも一つのチャンネルは、前記アダプターが前記充填ヘッドに取り付けられた場合に、前記充填ポートと流体的に連通するように構成された少なくとも一つの横向きのチャンネルを含む。
【0028】
さらに、本発明の実施形態において、前記アダプターは、前記バルブへの前記アダプターの取り付けを可能とする構造を含み、前記アダプターの遠位端は、前記充填システムの充填ヘッドに接続されるように構成される。
【0029】
さらに、本発明の実施形態において、前記少なくとも一つのチャンネルは、前記遠位端が前記充填ヘッドに接続された場合に、前記充填ポートと流体的に連通するように構成された、前記遠位端に設けられた縦向きのチャンネルを備える。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明がよりよく理解され、その実用的な適用が認識されるために、以下の図面が適用され以下に参照される。図面は例としてのみ提供され、発明の目的を制限しない。同じ要素は、同じ参照番号によって記される。
【0031】
図1は、ガス缶バルブの一例を示す模式的な断面図である。
【0032】
図2は、
図1に示されるガス缶バルブの模式的な拡大図である。
【0033】
図3Aは、バルブが閉じられた際の、
図1に示されるガス缶バルブの模式的な断面図である。
【0034】
図3Bは、バルブが開かれた際の、
図1に示されるガス缶バルブの模式的な断面図である。
【0035】
図4Aは、横向きの外部ポート付きのガス缶バルブへのコネクターであって、一対の固体ガスケットを含むコネクターの模式的な断面図である。
【0036】
図4Bは、
図4Aに示されるコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0037】
図4Cは、横向きの外部ポート付きのガス缶バルブへのコネクターであって、U字型の断面を有する一対のガスケットを含むコネクターの模式的な断面図である。
【0038】
図4Dは、
図4Cに示されるコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0039】
図5Aは、横向きの外部ポート付きのガス缶バルブへのコネクターであって、内向きに湾曲したガスケットを含むコネクターの模式的な断面図である。
【0040】
図5Bは、
図5Aに示されるコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0041】
図5Cは、横向きの内開口付きのガス缶バルブへのコネクターであって、外向きに湾曲したガスケットを含むコネクターの模式的な断面図である。
【0042】
図5Dは、
図5Cに示されるコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0043】
図6は、ガス缶及び円形の突出ディスク付きのガス缶バルブを模式的に示す。
【0044】
図7Aは、
図6に示されるガス缶を保持するスナップイン缶ホルダーの模式的な断面図を示す。
【0045】
図7Bは、
図7Aに示されるスナップイン缶ホルダーへの缶の挿入を模式的に示す。
【0046】
図7Cは、
図7Aに示されるスナップイン缶ホルダーからの缶の取り外しを模式的に示す。
【0047】
図8Aは、ガス缶及び非円形の横向き突起付きのガス缶バルブを模式的に示す。
【0048】
図8Bは、炭酸化装置の缶ホルダーへの、
図8Aに示されるガス缶の挿入を模式的に示す。
【0049】
図8Cは、
図8Bに示される缶ホルダーに固定されたガス缶を模式的に示す。
【0050】
図9Aは、閉じられた際に缶を所定の位置に持ち上げるように構成された閉止可能なカバーを有する缶ホルダー付きの炭酸化装置の一例を模式的に示す。
【0051】
図9Bは、
図9Aに示される缶ホルダーの持ち上げ機構の詳細を模式的に示す。
【0052】
図9Cは、カバーが閉じられた状態での、
図9Bに示される缶ホルダーの模式的な断面図である。
【0053】
図10Aは、閉じられた際に缶を所定の位置に持ち上げるように構成された傾斜可能な缶クレードル付きの炭酸化装置の缶ホルダーを模式的に示す。
【0054】
図10Bは、缶クレードルが十分に挿入された状態での、
図10Aに示される缶ホルダーの模式的な断面図である。
【0055】
図11Aは、回転時にガス缶を所定位置に持ち上げるように構成されたベースを含み、缶の装着又は取り外しを可能にする構成に示される、缶ホルダーを模式的に示す。
【0056】
図11Bは、缶が操作位置に固定された構成の場合における、
図11Aに示される缶ホルダーを模式的に示す。
【0057】
図12Aは、ガス缶の配置を可能にするように持ち上げられたハンドルを有する缶ホルダー付きの炭酸化装置の一例を模式的に示す。
【0058】
【0059】
図12Cは、缶がホルダーの内側に配置さえた状態での、
図12Bに示される缶ホルダーの模式的な断面図である。
【0060】
【0061】
図12Eは、ベースへの缶の挿入後に缶バルブをヨーク内に傾斜するように構成された、
図12Bに示される炭酸化装置のベースの一例を模式的に示す。
【0062】
図13Aは、ハンドルを、ガス缶を炭酸化装置に挿入するように下降した状態での、
図12Aに示される炭酸化装置を模式的に示す。
【0063】
【0064】
【0065】
図14Aは、横向きの外部ポート付きのガス缶の、缶充填システムの充填ヘッドへの接続を可能にする充填ヘッドアダプターを模式的に示す。
【0066】
図14Bは、
図14Aに示される缶バルブアダプターの図を模式的に示し、缶バルブが挿入可能なアダプターの側面を示す。
【0067】
【0068】
図14Dは、
図14Aに示される缶バルブアダプターを組み込んだ缶充填装置を模式的に示す。
【0069】
【0070】
図15Aは、横向きの外部ポート付きの缶バルブ上へ配置して、缶充填システムの充填ヘッドへの缶バルブの接続を可能にする缶バルブアダプターを模式的に示す。
【0071】
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細なしに実施することができることは当業者には理解されるべきである。他の例では、本発明を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素、モジュール、ユニット及び/又は回路は詳細に説明されていない。
【0073】
本発明の実施形態は、この点に関して限定されないが、例えば、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「確定」、「分析」、「検査」などの用語を使用する議論は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理(例えば、電子)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び/又は変換する、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、又は他の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセス、又は動作及び/又はプロセスを実行するための命令を記憶することができる他の情報非一時的記憶媒体(例えばメモリ)内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び/又は変換する、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、または他の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセスを参照することができる。本発明の実施形態はこの点に限定されないが、ここに使用される「複数」という用語は、例えば、「複数」又は「2つ以上」を含み得る。「複数」という用語は、本明細書を通して、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータなどを記述するために使用されてもよい。明示的に記載されない限り、本明細書に記載される方法の実施形態は、特定の順序又はシーケンスに限定されない。さらに、記載された方法の実施形態又はその要素のいくつかは、同時に、同一時点で、又は同時に起こり得るか、または実行され得る。別の指示がない限り、本明細書で使用される「又は」という接続詞は、包括的である(記載されたオプションのいずれか又は全て)と理解されるべきである。
【0074】
本発明の実施形態において、炭酸化装置、又は、炭酸化装置と共に使用するためにガス缶を充填する缶充填システムの缶ホルダーは、ガス缶のバルブの缶ホルダーのソケットへの直線的な挿入を可能として、ガス缶と、缶ホルダーを含む装置又はシステムとの間のガス(例えば、二酸化炭素)の流れを可能とするように構成される。同様に、ホルダーは、ソケットからのバルブの直線的な取り外しを可能とするように構成される。この場合、直線的な挿入は、ガス缶(例えば、バルブ上の)のネジをホルダー又はソケットのネジにねじ込むための缶の複数回の回転を含まない、ソケットへの挿入及び接続をいう。
【0075】
例えば、炭酸化装置は、ガス缶のバルブを開いて、ガスを缶から解放するように作動可能である。炭酸化装置は、解放されたガスを、炭酸化装置の炭酸化ヘッドに流させるように構成された、一つ以上の導管の配置を含む。水などの液体のボトル又は他の容器は、炭酸化ヘッドに取り付けられて、解放されたガスが入り込んで液体を炭酸化する。
【0076】
この方法において、ガス缶の挿入又は交換が容易化される。缶の挿入又は取り外しの容易化は、缶ホルダーと缶との間のシールが過度に締め付けられたり他に損傷したりするリスクなしに、熟練していないユーザーによる缶の迅速で簡単な交換を可能にする。
【0077】
一例として、缶ホルダーは、手動で(又は、機械的に補助されて)、缶の端部、一般には、缶からガス(例えば、二酸化炭素)を解放するように作動可能なバルブを含む端部をスナップ嵌め可能にするように(又は、ガス供給源から缶を充填することを可能にするように)構成される。例えば、缶ホルダー上のスライド可能又は引き込み可能な突起又は歯は、缶からの一つ以上の対応する突起に係合するように構成される。他の例では、挿入は、缶が一つの方向(例えば、缶上の非円形突起を、缶ホルダー上の対応する非円形開口に整列されている)に向け、その後、缶を別の方向に回転させて缶を缶ホルダーに保持した際に、開口を介した挿入を含むことができる。
【0078】
あるいは又は加えて、缶ホルダー、又は缶ホルダーと結び付けられた炭酸化装置(又は缶充填システム)の一部は、缶挿入機構を、缶ホルダーのコネクターに缶のバルブを接続する機構に結合する缶挿入機構を含む。
【0079】
例えば、缶挿入機構は、缶からヨークへの突起の配置後に缶上に閉じられるハンドル(例えば、ドア又はカバーとして機能する場合がある)を含むことができる。ハンドルを閉じると、ヨークと突起が持ち上がり、バルブがコネクターに挿入される。別の例では、缶は、傾斜可能なクレードルに、クレードルが外側に傾斜したときに配置されてもよい。クレードルを直立する向きに内側に傾けると、缶が持ち上がり、バルブがコネクターに挿入される。別の例では、缶はベース上に(例えば、直立)配置されてもよい。機構の作動、例えばベースの回転は、缶を持ち上げて、バルブをコネクターに挿入してもよい。
【0080】
挿入運動(例えば、バルブを炭酸化装置の缶ホルダーへねじ込むためにガス缶を複数回の回転させることのない)を用いた炭酸化装置への挿入用に構成されたガス缶バルブは、缶バルブを装置の缶から離間させやすいスラストの発生を回避するように設計されている。したがって、バルブは、コネクターから離れる方向に最小の(例えば、約ゼロ)スラストを発生するように、例えば、バルブ(例えば、実質的に反対側の2つのポート)の周囲に横方向に、実質的に等間隔で配置されたガス解放用ポートを有するように設計されてもよい。
【0081】
バルブが炭酸化装置の缶ホルダーに接続されると、炭酸化装置の機構は、缶からガスを解放するために作動される。解放されたガスは、炭酸化装置の炭酸化ヘッドへ流入し、炭酸化ヘッドに接続された、又は他の方法でガスを液体に注入可能に構成された、ボトル又は他の容器の液体内容物を炭酸化する。
【0082】
同様に、ガス缶バルブは、缶充填システムの充填ヘッドの缶ホルダーへのバルブの接続を可能にするように構成される。充填ヘッドに接続されると、缶充填システムは作動されて、缶を加圧又は液化ガスで充填する。
【0083】
ガス缶バルブの本体の近位側の(例えば、炭酸化装置又は充填システムへのガス管の接続)端は、缶ホルダーに接続するように構成される。ガス缶バルブの縦軸は、バルブの駆動機構の運動方向に沿って(一般的には、縦軸に沿ってスライドするように構成されたスライド可能なポペットの形状で)ガス缶バルブを通過する軸と考えられる。
【0084】
ガス缶バルブの遠位端は、ガス缶に挿入されて取り付けられる(例えば、螺合、溶接、又は他の方法で)。遠位端は、缶に挿入可能で開かれる内部缶ポートを含む。
【0085】
ガス缶バルブの本体は、また、バルブの縦軸(例えば、それぞれは、缶ホルダーへの接続方向から少なくとも80°、一般には少なくとも90°である)に対して横方向に開口し、缶本体(の縦軸)に沿って(例えば、その実質的に反対側の2つの外部ポート)実質的に等しい間隔で配置された二つ以上の外部ポートを含む。外部ポートは、バルブのガス解放機構によってバルブが開かれたときに缶からガスを逃がすことができるように構成されている(例えば、バルブ内のポペットの遠位運動を引き起こすことによって)。バルブが開かれ、ガス缶バルブが充填システムの缶ホルダーに接続されると、外部ポートを通って加圧又は液化ガスで缶を充填することができる。
【0086】
外部ポートの横方向に等間隔に離れた位置は、ガス解放機構の意図的な作動によるものであるか否かにかかわらず、缶から逃げるガスを、等間隔に離れた横方向に向けることができる。その結果、一方の外部ポートを通ったガスの解放によって発生する横方向のスラストは、他方の外部ポートを通ったガスの解放によって発生するスラストと対抗する。
【0087】
外部ポートの横方向に等間隔離れた配置は、ポートが縦方向に沿ってガスを解放する一般的な配置よりも有利であり得る。縦方向に配置されたポートでは、解放されたガスは、缶をその接続部から押しのけやすいスラストを発生し得る。従って、このような縦方向に配置されたポートでは、バルブをネジ付きソケットにねじ込むことを含む接続が必要とされる。横向きのポートを通したガスの解放によって発生するスラストは、ガス缶ホルダー用のガス缶の挿入又は取り外しの方向に直角であるため、ガス缶を缶ホルダーから離間させやすい力を発生しない。従って、缶ホルダーは、ネジ付きソケットを含まないスナップイン又は他の配置を含むことができる。それゆえ、ガス缶と横向きポート付きのバルブとの接続及び取り外しは、缶と縦向きに配置されたポート付きのバルブとの接続及び取り外しよりも簡単である。
【0088】
一般的には、バルブは、ポペットをバルブの縦軸方向にスライドさせることによって開かれ、又は、閉じられる。一般的には、ポペットが缶ホルダーから離れて遠位にスライドすると、バルブが開かれ、缶ポートを通した間の内部と外部ポートとの間の、バルブの本体内の液体の流通が可能になる。一方で、ポペットが缶ホルダーに向かって近位にスライドすると、バルブが閉じられ、外部ポートと缶の内部との間の液体の流通が遮断される。例えば、ポペットの近位端は、密閉ガスケットに抗して押され、缶ポートと外部ポートとの間の液体の流通を防止する。バルブを開くと、外部ポートを介した液体源(例えば、缶充填システムの)から缶への流入、又は缶ポート及び外部ポートを介した缶からの液体の流出が可能になる(例えば、炭酸化装置へ)。
【0089】
一つ以上の形式の密閉構造は、ガス缶バルブに含まれ、ガスのプランジャーに沿った流れを防止する。例えば、プランジャーを取り囲むガスケットの断面は、U字状である。U字状の開口は、缶の内部へ向けられる。これにより、プランジャーが移動して缶からガスが解放される場合、加圧ガスはU字状ガスケットの開口を充填し、ガスケットの壁を外方向に押し、プランジャーの周囲の密閉を強固にし、解放されたガスがプランジャーの周囲に沿って逃げることを防止する。
【0090】
バルブのポペットを遠位にスライドさせるプランジャーは、例えば、炭酸化装置又は缶充填システムの、駆動機構にアクセス可能に構成される。一般には、プランジャーは、例えば、炭酸化装置又は缶充填システムの、缶ホルダーに位置付けられた駆動機構によって接触され作動される外面を有する。プランジャーの近位端は、プッシュボタンを形成する外面を含む。プランジャーの近位端は、缶バルブの近位表面でくぼみ内に配置されてもよい。くぼみは、例えば、くぼみよりも広い表面によって、プランジャーの不用意な押圧を防止する。
【0091】
押し込み力がプランジャーの近位端に加えられると、プランジャーは、例えば、ポペットの縦軸と同軸上の軸に沿って、遠位に移動される。プランジャーの遠位端は、プランジャーが遠位に押された場合、ポペットの近位端に接触及び押圧するように構成される。それゆえ、プランジャーの近位端でプッシュボタンを押し込むと、ポペットを遠位に押し込み、ガス缶バルブを開く。例えば、炭酸化装置又は充填システムの駆動機構は、ガス缶バルブの近位端でプッシュボタンを押す伸縮可能なロッド又は他の要素を含む。駆動機構が、少なくとも所定の力と同程度の力を加えると、ポペットは遠位に十分にスライドし、缶器ポートと外部ポートとの間の流体接続を可能にする。
【0092】
プランジャーは、ポペットと別の部品として製造されてもよい。あるいは、プランジャーは、例えば、ポペットの近位端を形成するポペットの一体部として製造されてもよい。
【0093】
一般には、ガス缶バルブは、十分に大きい力が外面に加えられていない場合、ポペットを閉止位置(例えば、近位)に維持する復元構成も含む。例えば、バネは、バネの力が、ポペットに、例えばプランジャーを介して、加えられる遠位押し込み力によって打ち勝たない限り、ポペットを近位に押すように構成される。
【0094】
ガス缶バルブは、例えば、炭酸化装置の又は缶充填システムの、缶ホルダーによってガス缶の保持を可能又は簡易化する構造を含んでもよい。例えば、ガス缶バルブは、缶ホルダーの協働構造、例えば一つ以上の溝又はスロット、に嵌合する一つ以上の突起を含んでもよい。ガス缶が缶ホルダーに保持される場合、缶ホルダーはガス缶バルブの外部ポートを、例えば、缶ホルダーと結び付けられる、一つ以上の導管と接続するように構成される。
【0095】
例えば、ディスク形状の横向き突起は、例えば、ガス缶バルブとガス缶の接続部の近傍で、横方向に外向きに延びる。ディスクは、缶ホルダーの対応するヨークに挿入するように構成される。ディスクは、ガス缶バルブと缶と間のワッシャーとして挿入されてもよく、又は、ガス缶バルブ又は缶の一部として製造されてもよい。
【0096】
例えば、ヨークは、ディスクの厚みを収容する十分な幅を有するU字状の溝を含む。ガス缶が、缶ホルダーによって保持されずにヨークが空いている場合、ガス缶のディスクは、ヨークの溝にスライドする。ディスクがヨークに十分に挿入されると、缶ホルダーの閉止機構が作動して、ガス缶バルブの近位端を、缶ホルダーと結び付けられる(例えば、一体化された、又は近接する)協働コネクターに挿入する。例えば、閉止機構は、ガス缶のバルブの近位端を、炭酸化装置又は缶充填システムの密閉されたソケット内に持ち上げるためのハンドル、レバー、又は他の力伝達構造を含む。閉止機構の動作は、例えば、コネクターに接続された際にガスシリンダーを少なくとも一部覆う、ハンドル(例えば、カバー、ドア又はシャッターとして機能する)を閉じることを含む。
【0097】
あるいは又は加えて、ヨークは、ガス缶バルブがコネクターに挿入されたときにディスクを把持するために伸長可能な二つ以上の歯またはアームを含んでもよい。
【0098】
あるいは又は加えて、ディスクは非対称であってもよい。非対称性は、非対称性ディスクが非対称性開口と整列しているときに、ヨーク内の対応する非対称性開口を通して非対称性ディスクを挿入することを可能にする。非対称ディスクを、非対称ディスクが非対称開口と整列していない向きに回転させると(例えば、90°)、非対称ディスクをヨーク内に保持することができる。この場合、閉止機構は、ガス缶バルブの近位端を密閉コネクターに挿入することに加えて、ガスシリンダーを回転させて(例えば、90°)、非対称ディスクを缶ホルダーのヨーク内に保持するように構成することができる。
【0099】
ガス缶バルブと炭酸化装置、缶充填システム、又は他の装置との間のガスの流れを可能にするコネクターは、密閉構造を含むソケットを含んでもよい。密閉構造は、他の方向へのガスの漏れを防止しながら、ガス缶バルブの外部ポートとコネクターのガス導管との間の流体接続を可能にするように構成されてもよい。例えば、密閉構造は、コネクターの導管とガス缶バルブの外部ポートとの間をガスが流れる二つ以上のガスケットを含んでもよい。あるいは又は加えて、密閉構造のガスケットは、ガスが流れる一つ以上の開口を含んでもよい。ガスケットは、加圧ガスで充填された際に広がるU字形状を有してもよく、さらに密閉性を高める。
【0100】
横向きの外部ポート付きのガス缶バルブを備えるガス缶の充填を可能にするために、充填ヘッドアダプターが、缶充填システムの充填ヘッドに取り付けられる場合もある。例えば、充填ヘッドアダプターは、ガス缶の縦軸と同軸上の缶充填システムの充填ポートと、ガス缶バルブの横向きに位置決めされた外部ポートとの間の流体経路を与えてもよい。流体経路は、缶充填システムの充填ポートからガス缶バルブの外部ポートへの加圧ガス(又は液化ガス)の流体の流れを可能とする、一つ以上の溝、チャンネル、管又は他の構造を備えてもよい。例えば、充填ヘッドアダプターは、充填ヘッドにボルトや他の方法で締め付けられてもよい。
【0101】
缶バルブアダプターは、横向きの外部ポート付きのガス缶バルブに取り付け可能である場合もある。缶バルブアダプターをガス缶バルブに嵌め込むと、軸上(縦軸上)充填ポート付きの缶充填システムの充填ヘッドへの缶バルブアダプターの挿入によって、ガス缶の充填を可能とする。缶バルブアダプターは、ガス缶の縦軸と同軸上の缶充填システムの充填ポートと、ガス缶バルブの横向きに位置付けられた外部ポートとの間の流体経路を与えるように構成される。一般には、缶バルブアダプターによって与えられる流体経路は、充填ポートとガス缶バルブの外部ポートとの間の閉じた管又はチャンネルのシステムを含む。
【0102】
図1は、ガス缶バルブの一例を示す模式的な断面図である。
図2は、
図1に示されるガス缶バルブの模式的な拡大図である。
図3Aは、バルブが閉じられた際の、
図1に示されるガス缶バルブの模式的な断面図である。
【0103】
ガス缶バルブ10の内部要素は、バルブ本体12内に含まれる。一般には、バルブ本体12は、黄銅又は他の金属で形成される。缶ポート14を含むバルブ本体12の端部は、ガス缶46に挿入されるように構成されている。バルブ本体12の境界面は、ガスケット34で密閉される。ガスは、缶ポート14とガスフィルター36とを通って、ガス缶46の内キャビティ48から中央チャンネル15へ流れる。
【0104】
過剰圧の場合にガス缶46からガスを制御して解放するために、ガス缶46は、バーストディスク40を備える。バーストディスク40は、バーストディスクプラグ38とバルブ本体12との間の所定の位置に保持される。バーストディスク40を破裂させるのに十分な過剰圧の場合、中央チャンネル15内のガスは、バーストディスク40を破裂させた後、バーストディスクプラグ38を通って外へ流れ、バーストディスクプラグ38内の排出開口39を通って大気に逃げる。
【0105】
ディスク44は、バルブ本体12とガス缶46との間に保持される場合もある。ディスク44は、缶ホルダーの対応するスロット又は溝に嵌め込まれるように構成されてもよい。あるいは又はディスク44に加えて、バルブ本体12と一体的な一つ以上の突起が、バルブ本体12から横方向に延びて、缶ホルダーの協働する構造に係合してもよい。あるいは又は加えて、バルブ本体12は、缶ホルダーの一つ以上の協働する突起に係合するように構成された一つ以上のへこみを備えてもよい。
【0106】
ガス缶バルブ10がガス缶46に挿入されてガス缶バルブ10が開かれると、ガス缶46からのガスは、一対の反対向きの外部ポート16を通して解放される。このようにして、一対の外部ポート16を通したガスの解放によって発生する正味スラストはゼロに近づく。
【0107】
ガス缶バルブは、二つ以上の反対向きの外部ポート16を含む場合がある。例えば、追加の対の外部ポート16が、バルブ本体12の外周に沿って外部ポート16を均等に分散するように向けられてもよい。
【0108】
ガス缶バルブ10が閉じられると、示されるように、バルブポペット18が、インサート22(例えば、その上面から延びる環状の畝形状)のバルブシート24にバネ20によって押圧される。それゆえ、ガス缶46の内キャビティ48と外部ポート16との間の全ての流体接続が遮断される。
【0109】
ガス缶バルブ10は、プランジャー26の外面26aに押し込み力が加えられることで開かれる。外面26aは、露出されて、例えば、ガス缶バルブ10が接続される炭酸化装置又は缶充填システムの、アクチュエータに機械的にアクセス可能である(例えば、それによって押されて)。一般には、押し込み力は、缶ホルダー内に位置決めされた、又は、他の方法で結び付けられる、作動ロッドによって加えられてもよい。外面26aは、バルブ本体12の外端において、へこみ27内に位置決めされてもよい。へこみ27内に外面26aを位置させることで、プランジャー26へ押し込み力が不用意に又は意図せずに加わることを防止する。
【0110】
外面26aへ押し付け力が加わると、プランジャー26がバルブポペット18へ向けて押される。外面26aに加えられた押し込み力が、バネ20によって、及びガス缶46内のガスの圧力によって及ぼされる対抗力に打ち勝つだけ十分であると、プランジャー26の端部26bは、バルブポペット18をバルブシート24から離れるように押す。
【0111】
バルブポペット18がバルブシート24に対して押し込まれなくなると、ガスは、バルブポペット18とインサート22との間に流入し始める。例えば、炭酸化中、ガス缶46の内キャビティ48が、加圧又は液化ガスで充填されるとする。バルブポペット18とインサート22との間の流れが可能な場合、ガスは、インサート22の溝23を通って密閉ハウジング30の周囲を外部ポート16に向かって外方向に流れ得る。外部ポート16を通って解放されたガスは、その後、炭酸化される液体にガスが注入される炭酸化ヘッドとのコネクターによって方向付けられる。一方で、外部ポート16が充填システムに接続されると、加圧又は液化ガスが外部ポート16に注入され、密閉ハウジング30の周囲を内方向に向かって、インサート22の溝23と、インサート22とバルブポペット18との間とを通り、中央チャンネル15を通って、ガス缶46の内キャビティ48へ流れる。
【0112】
ガスは、密閉ガスケット28によって(例えば、外部ポートがガス缶バルブ10の縦軸に沿った一般的な従来の缶のように)、プランジャー26の周囲に沿ってガス缶バルブ10から逃げることが防止される。示される例において、密閉ガスケット28は、ほぼU字状の断面を有し、開口がインサート22とガス缶46に向いている。密閉ガスケット28は、密閉ハウジング30とインサートリテーナー32によって所定の位置に保持される。これにより、ガス缶46の方向からのガスの圧力は、密閉ガスケット28の開口を広げやすく、プランジャー26に沿ってガスの逃げを防止する密閉を高める。あるいは又は加えて、他の形状の断面(例えば、密閉を高めるガス圧を可能とするV字状、W字状、又は他の形状、又は他の形状)を有し、又は他の機構によって所定位置に保持される密閉ガスケットが使用されてもよい。
【0113】
図3Bは、バルブが開いた場合の、
図1に示されるガス缶バルブの模式的な断面図である。
【0114】
示される例において、バルブポペット18は、ガス缶バルブ10に押し込まれて、バルブシート24から離れ、バルブポペット18とインサート22との間に空隙50を形成している。したがって、ガスは、空隙50を通って中央チャンネル15と外部ポート16との間に流れる。ガスは、密閉ガスケット28によって、プランジャー26の周囲、例えば、プランジャー26と密閉ハウジング30との間、を流れることが防止される。それゆえ、ガスは、中央チャンネル15と外部ポート16との間へ、溝23及び密閉ハウジング30とバルブハウジング12との間の空間を含む経路を通って、いずれの方向にも流れるように制限される。
【0115】
ガス缶バルブ10は、ガス缶バルブ10とガス缶46とを缶ホルダーに保持するためのネジを含まない一つ以上の形式のコネクターに挿入されるように構成されてもよい。加えて、ガス缶バルブ10に接続するためのコネクターは、横向きの外部ポート16へ、又はから、ガスを案内するように構成されてもよい。従って、コネクターは、ガスの他方向への逃げを防止しつつ、外部ポート16とガス導管(例えば、炭酸化装置の炭酸化ヘッドへの、又は、缶充填システムのガス供給源からの)との間のガスの横方向への流れを可能とするように構成されてもよい。
【0116】
コネクターは、ガス缶バルブ10上へ十分に小さい摩擦力を及ぼし、ガス缶バルブ10のコネクターへの挿入、及びガス缶バルブ10のコネクターからの取り外しを可能とするように構成されてもよい。一方で、コネクターは、ガス缶バルブ10がコネクターに挿入された場合に、導管(例えば、炭酸化装置又は缶充填システムの)と外部ポート16との間のガスの流れを可能とするように構成されてもよい。
【0117】
図4Aは、横向き外部ポート付きのガス缶バルブへのコネクターであって、一対の固体ガスケットを備えるコネクターの模式的な断面図である。
図4Bは、
図4Aに示されるコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0118】
缶コネクター52は、ガス缶バルブ10の挿入を可能とするように構成されている。缶コネクター52は、さらに、ガス缶バルブ10の外部ポート16と缶コネクター52のガス導管54との間の流体接続を可能とするように構成される。例えば、炭酸化装置の缶コネクター52において、ガス導管54は、缶コネクター52を炭酸化装置の炭酸化ヘッドに接続する。缶充填システムの缶コネクター52において、ガス導管54は、缶コネクター52を缶充填システムのガス供給源に接続する。一つのガス導管54が示されているが、缶コネクターの他の例は、二つ以上のガス導管54を含んでもよい。
【0119】
缶コネクター52は、二つの固体ガスケット56間に空隙58が形成される一対の固体ガスケット56の形状の密閉構造を含むソケット51を含む。示される例において、各固体ガスケット56は、空隙58に面する平らな環状面56aを有するOリングの形状をなす。他の例においては、各ガスケットは、中空であってもよく、完全な又は部分的な環状の孔を含んでもよく、又は、矩形状、又は示される例の形状と異なる外形を有してもよい。
【0120】
示される例において、ガスは、固体ガスケット56の間の空隙58を通って、ガス缶バルブ10の外部ポート16と缶コネクター52のガス導管54との間へ流れてもよい。
【0121】
図4Cは、横向きの外部ポート付きのガス缶バルブへのコネクターであって、U字状の断面の一対のガスケットを含むコネクターの模式的な断面である。
図4Dは、
図4Cに示されるコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0122】
缶コネクター53は、ガス缶バルブ10の挿入を可能とし、ガス缶バルブ10の外部ポート16と缶コネクター53のガス導管54との間の流体接続を可能とするように構成されている。
【0123】
缶コネクター53は、一対のU字状ガスケット60の形状の密閉構造を含むソケット51を含む。各U字状ガスケット60は、開口60aを囲むU字状の断面を有する。示される例において、U字状ガスケット60の一方は、他方に対して逆向きであり、U字状ガスケット60の開口60aは互いに対向するように向いている。U字状ガスケット60は、空隙58によって離間している。
【0124】
示される例において、ガスは、U字状ガスケット60の間の空隙58を通って、ガス缶バルブ10の外部ポート16とガス導管54との間を流れる。ガスは、開口60aを充填する。それゆえ、ガスの圧力は、U字状ガスケット60を広げやすく、開口60aを開いて、U字状ガスケット60を周囲の構造に対して押圧し、ガスの漏れを更に防止する。
【0125】
図5Aは、横向きの外部ポート付きのガス缶バルブへのコネクターであって、内向きに湾曲したガスケットを含むコネクターの模式的な断面である。
図5Bは、
図5Aに示されるコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0126】
缶コネクター61は、ガス缶バルブ10の挿入を可能とし、ガス缶バルブ10の外部ポート16と缶コネクター61のガス導管54との間の流体接続を可能とするように構成される。
【0127】
缶コネクター61は、一つのU字状(又はC字状)のガスケット62の形状の密閉構造を含むソケット51を備える。U字状ガスケット62は、開口62aを囲むU字状の断面を有する。U字状ガスケット62の開口62aは、U字状ガスケットの対称軸に向かって、内向きに開口している。U字状ガスケット62の外向きの凸状面は、外開口孔64によって貫通されている。示される例において、U字状ガスケット62は、四つの等間隔に離れた外開口孔64を含む。他の例では、U字状ガスケット62は、四つ以下、又は以上の外開口孔64を含んでもよい。
【0128】
示される例において、ガスは、U字状ガスケット62内の外開口孔64を通って、ガス缶バルブ10の外部ポート16と缶コネクター61のガス導管54との間を流れる。ガスは、開口62aを充填する。それゆえ、ガスの圧力は、U字状ガスケット62を広げやすく、さらに開口62aを開いて、U字状ガスケット62を周囲の構造に対して押圧して、ガスの漏れを更に防止する。
【0129】
図5Cは、横向きの内開口付きのガス缶バルブへのコネクターであって、外向きに湾曲したガスケットを含むコネクターの模式的な断面である。
図5Dは、
図5Cのコネクターのガスケットを模式的に示す。
【0130】
缶コネクター65は、ガス缶バルブ10の挿入を可能とし、ガス缶バルブ10の外部ポート16と缶コネクター65のガス導管との間の流体接続を可能とするように構成される。
【0131】
缶コネクター65は、一つのU字状(又はC字状)のガスケット66の形状の密閉構造を含むソケット51を備える。U字状ガスケット66は、開口66aを囲むU字状の断面を有する。U字状ガスケット66の開口66aは、U字状ガスケット66の対称軸から離れて外向きに開口している。U字状ガスケット66の内向きの凸状面は、内開口孔68によって貫通している。示される例において、U字状ガスケット66は、四つの等間隔に離れた内開口孔68を有する。他の例において、U字状ガスケット66は、四つ以下、又は以上の内開口孔68を有してもよい。
【0132】
示される例において、ガスは、U字状ガスケット66の内開口孔68を通って、ガス缶バルブ10の外部ポート16と缶コネクター65のガス導管54との間を流れる。ガスは、開口66aを充填する。それゆえ、ガスの圧力は、U字状ガスケット66を広げやすく、開口66aをさらに開き、U字状ガスケット66を周囲の構造に押圧して、ガスの漏れを更に防止する。
【0133】
缶ホルダーは、挿入されたガス缶46を保持する構造を備えてもよい。特には、構造は、ガス缶46、ガスU缶バルブ10、又は双方から外方向へ突出する構造と係合するように構成されてもよい。外方向へ突出する構造は、円形又は他の形状のディスク44を含んでもよい。ディスクは、ガス缶バルブ10が、ガス缶46に、一般的にはねじ込まれて取り付けられた場合に、ガス缶バルブ10とガス缶46との間に保持されるワッシャーの形状に構成されてもよい。
【0134】
図6は、ガス缶及び円形の突出ディスク付きのガス缶バルブを模式的に示す。
【0135】
示される例において、ディスク44は、円形で、ガス缶46とガス缶バルブ10との間に保持される。
【0136】
図7Aは、
図6に示されるガス缶を保持するスナップイン缶ホルダーの模式的な断面を示す。
【0137】
示される例において、缶ホルダー70は、ガス缶バルブ10の外端(ガス缶46に対して遠位)を缶コネクター76内に向かう上向きに押圧することで、ガス缶の挿入を可能とするように構成される。
図7には、缶ホルダー76は、缶コネクター61(U字状ガスケット62付き)と同様の形状を有することが示されているが、缶コネクター76は、上記の缶コネクターのいくつかと同じ、又は他の様式の缶コネクターの形状を有してもよい。
【0138】
缶ホルダー70は、少なくとも二つのスライド可能な歯71を含む。弾性バネ又は他の要素(図示省略)は、各スライド可能な歯71を、互いに向けて内向きに押すように構成されている。各スライド可能な歯71は、缶ホルダー70から外向きに面する傾斜面71aを有する。それゆえ、ディスク44付きのガス缶46が缶ホルダー70内へ(
図7の上向き)に押されると、ディスク44は、傾斜面71aを押し、各スライド可能な歯71を外方向にスライドさせる。スライド可能な歯71が外方向へスライドすると、ガス缶バルブ10が缶コネクター76へ挿入される。ディスク44がスライド可能な歯71を越えて挿入されると、弾性要素がスライド可能な歯71を内方向に押す。スライド可能な歯71が内方向に位置することで、ディスク44の外方向への移動を防止し、ガス缶46を缶ホルダー70に保持する。スライド可能な歯71の位置は、スライド可能な歯71がディスク44の通過後に内向きにスライドした際に、ガス缶バルブ10が缶コネクター76に十分に挿入されるように選択される。ディスク44の円形状は、ガス缶46を特別な向き(その縦軸に沿った)に保持する必要なく、ガス缶46の挿入を可能とする。
【0139】
図7Bは、
図7Aに示されるスナップイン缶ホルダーへの缶の挿入を模式的に示す。
【0140】
示される例において、ガス缶46のガス缶バルブ10は、ガス缶バルブ10を缶コネクター76に向けて、上向きの動き67aで移動させることで、缶コネクター76に挿入される。ガス缶バルブ10が缶コネクター76に挿入されると、スライド可能な歯71は、ディスク44によって外方向に押される。ガス缶バルブ10が缶コネクター76に十分に挿入されると、スライド可能な歯71が、ディスク44の下方へ内向きにパチンと閉じ、ディスク44、それゆえガス缶46を、缶ホルダー70内に固定する。
【0141】
示される例において、缶ホルダーベース73(例えば、炭酸化装置の、又は缶充填システムの)は、開口75を有する。これにより、ガス缶46は、ガス缶46の下端が開口75を通して下向きに延びて、ガス缶46とガス缶バルブ10の縦軸が上向きの動き67aと並ぶように挿入される。したがって、ガス缶46は、ガス缶バルブ10を缶コネクター76に挿入するためには、上向きの動き67aと平行に(例えば、ガス缶46の回転なしに)移動させることのみを必要とする。
【0142】
図7Cは、
図7Aに示されるスナップイン缶ホルダーからの缶の取り外しを模式的に示す。
【0143】
示される例において、ディスク44は、スライド可能な歯71によって缶ホルダー70に固定される。缶ホルダー70からのガス缶46の取り外しを可能とするために、解除機構69が作動されて、スライド可能な歯71を外方向に引き込ませて、ディスク44がスライド可能な歯71を越えて下方向へ移動することを可能とする。例えば、解除機構69は、作動される際に、スライド可能な歯71を外向きに引き込ませるプッシュボタン、レバー、又は他のユーザーが操作可能な要素を含む。スライド可能な歯71が引き込まれると、ガス缶46は、ガス缶バルブ10の下向きの動き67bにより、缶コネクター76から離れるように移動し、缶ホルダー70から取り外される。
【0144】
缶ホルダー70は、ユーザーによって、例えば、ボタン又はレバーを押すことによって、作動可能な引き込み機構を備え、スライド可能な歯71を引き込んで、缶ホルダー70からのガス缶46の取り外しを可能とする。
【0145】
あるいは又は加えて、ガス缶46を缶ホルダーに保持する機構は、一軸に沿って長い非円形の非対称ディスクと共に作動するように構成されてもよい。
【0146】
図8Aは、ガス缶及び非円形の横向きの突起付きのガス缶バルブを模式的に示す。
【0147】
示される例において、非円形の横向きの突起72は、ガス缶46とガス缶バルブ10との間に保持される。示される例において、非円形の横向きの突起72は、二重に先が切られた円形状を有する。他の例において、非円形の横向きの突起は、他の非円形を有してもよい。
【0148】
図8Bは、
図8Aに示されるガス缶の、炭酸化装置の缶ホルダーへの挿入を模式的に示す。
【0149】
示される例において、非円形の横向きの突起72は、二重に先が切られた円形の形状をなす。他の例において、非円形の横向きの突起72は、円形の対称でないいずれの形状でもよい。例えば、非円形の横向きの突起72は、多角形、楕円形、又は他の非円形を有してもよい。
【0150】
示される例において、炭酸化装置63は、炭酸化ヘッド81及び缶ホルダー74を備える。缶ホルダー74は、長い開口77付きのヨーク78を備える。ガス缶46上の非円形の横向きの突起72の長手方向の面が、ヨーク78の長い開口77と並ぶと、ガス缶46は、ガス缶バルブ10が缶コネクター76に挿入されるまで、直線運動79aで移動する。
【0151】
ガス缶バルブ10が缶コネクター76に挿入されると、ガス缶46は回転運動79bで(又は、反対方向の回転で)その軸を中心として回転させられる。ガス缶46を回転させることで、非円形の横向き突起72が十分な角度だけ回転し、非円形の横向きの突起72が長い開口77と並ばなくなる。そのように回転されると、ヨーク78は、非円形の横向きの突起72の外方向への移動(例えば、直線運動79aと反対の方向へ)を防止する。これにより、ガス缶46及びガス缶バルブ10は、缶ホルダー74と缶コネクター76内に固定される。
【0152】
他の例において、例えば、非円形の横向きの突起が他の形状の場合、ヨークの開口は、非円形の横向きの突起の形状と一致するように形成される。これにより、非円形の横向きの突起が開口と並ぶと、非円形の横向きの突起は、開口に挿入される。挿入後、ガス缶46及び非円形の横向きの突起は、開口と横向きの突起とが並ばなくなるまで回転される。それゆえ、そのような回転後、非円形の横向きの突起及び取り付けられたガス缶46は、ヨークから取り外されることが不可能となる。
【0153】
図8Cは、
図8Bに示される缶ホルダーに固定されたガス缶を模式的に示す。
【0154】
図8Cに示されるように、非円形の横向きの突起72は、約90°の回転運動79b(又はその反対の方向)で回転され、非円形の横向きの突起72の長手方向の面が、長い開口77の長手方向の面に対してほぼ直角となる。これにより、ガス缶46は、缶ホルダー74に固定される。ガス缶46の缶ホルダー74からの取り外しを可能とするために、ガス缶46は、非円形の横向きの突起72の長手方向の面が長い開口77の長手方向の面と並ぶまで回転される。そのように並べられると、ガス缶46は、ガス缶46を直線運動79aと反対の方向に引くことによって、缶ホルダー74から取り外される。
【0155】
缶ホルダーは、ガス缶46が缶ホルダー内に閉じられた際に、ガス缶46を持ち上げるように構成されてもよい。閉止機構は、例えば、ガス缶46が挿入可能なキャビティを少なくとも部分的に覆うハンドル(例えば、ドア又は他のカバーとして機能する)、ガス缶46が挿入可能な傾倒可能なクレードル、又は、ガス缶46が立てられるベース、を含んでもよい。
【0156】
図9Aは、閉じられた際に缶を所定位置に持ち上げるように構成された閉止可能なカバーを有する缶ホルダー付きの炭酸化装置を模式的に示す。
図9Bは、
図9Aに示される缶ホルダーの持ち上げ機構の詳細を模式的に示す。
【0157】
ディスク44(円形又は、矩形、又は他の多角形、楕円形、又は他の形状)付きのガス缶46が炭酸化装置63の缶ホルダー90に挿入されると、ディスク44は、ヨーク94上に嵌め込まれて、保持される。缶カバー92は、ヒンジレバー機構96(又は、例えば、ヨーク94の運動を缶カバー92の運動に連結する一つ以上のヒンジ、レバー、ギア、プーリ、又は他の機械要素を含む、他の機構によって)ヨーク94に接続される。これにより、缶カバー92が下向き及び内向き(例えば、ガス缶46に向かって)回転されてガス缶46を覆うと、ヨーク94は缶コネクター76に向かって持ち上げられる。缶カバー92が十分に閉じられると、ガス缶バルブ10は、缶コネクター76に完全に挿入される。完全に挿入されると、ユーザーがガス解放制御部97(例えば、示される例においてはプッシュボタン、又は他のユーザーが操作可能な制御部)を操作して、駆動機構にガス缶バルブ10を作動させ、ガス缶46からガスを解放する。
【0158】
図9Cは、カバーが閉じられた場合の、
図9Bに示される缶ホルダーの模式的な断面図である。
【0159】
缶カバー92が完全に閉じられると、ガス缶バルブ10は、缶コネクター76に完全に挿入される。示される例において、駆動ロッド98は、ガス缶バルブ10のプランジャー26に隣接して位置している。示される例において、ガス解放制御部97が押されると、駆動機構は、駆動ロッド98をプランジャー26に対して押し込む。駆動ロッド98及びプランジャー26の押し込みを続けると、ガス缶バルブ10が開き、外部ポートを介してガス缶46から缶コネクター76のガス導管へガスを解放する。
【0160】
図10Aは、閉じられた場合に缶を所定位置に持ち上げるように構成された傾倒可能な缶クレードル付きの炭酸化装置の缶ホルダーを模式的に示す。
【0161】
ディスク44(円形、又は矩形、又は他の多角形、楕円形、又は他の形状)付きのガス缶46は、示されるように、缶クレードル102が外方向に傾けられると、炭酸化装置63の缶ホルダー100の缶クレードル102に挿入又は取り外される。挿入されたガス缶46のディスク44は、ヨーク94上に嵌め込まれる。なお、示される例において、ディスク44及びヨーク94の機能は、ガス缶46を、缶クレードル102上の適切な位置に案内することである。他の例において、缶クレードル102、ガス缶46、又は双方は、缶クレードル102内のガス缶46の配置を案内するための他の構造を有してもよい。
【0162】
缶クレードル102は、ヒンジレバー機構104によって(又は、一つ以上のヒンジ、レバー、ギア、プーリ、又は他の機械要素を含む、他の機構によって)、缶ホルダー100の固定構造に接続される。それゆえ、ガス缶46が缶クレードル102に挿入されて缶クレードル102が内方向に回転されると(ガス缶46が直立するまで上向きに持ち上げられるように)、缶クレードル102及びガス缶46は、缶コネクター76に向けて持ち上げられる。
【0163】
図10Bは、缶クレードルが完全に挿入されている、
図10Aに示される缶ホルダーの模式的な側面図である。
【0164】
示されるように、缶クレードル102及びガス缶46は、内向きに傾けられて直立する。ガス缶バルブ10は缶コネクター76に完全に挿入され、ガス解放制御部97、駆動機構99及び駆動ロッド98の操作によって、ガス缶バルブ10の作動を可能とする。
【0165】
図11Aは、回転された際にガス缶を所定位置に持ち上げるように構成されるベースを有する缶ホルダーであって、缶の挿入又は取り外しを可能とする構造に示される缶ホルダーを模式的に示す。
【0166】
缶ホルダー110(例えば、炭酸化装置の、又は缶充填システムの)のベース118は、缶支持台112を備える。示される構成の場合、缶支持台112は十分に低く、ガス缶バルブ10付きのガス缶46が、缶支持台112と缶コネクター76との間に嵌め込まれる。この構成において、ガス缶46は、缶ホルダー110に挿入される、又は、缶ホルダー110から取り外される。
【0167】
缶支持台112は、ガス缶46を持ち上げるために回転されて、ガス缶バルブ10が缶コネクター76に挿入される。示される例において、缶支持台112は回転されて、缶支持台112上のタブ114が、ベース118上の傾斜116に乗り上がる。それゆえ、タブ114が傾斜116の最上部に向かって回転されるように缶支持台112を回転させると、ガス缶46及びガス缶バルブ10が持ち上げられ、ガス缶バルブ10が缶コネクター76に挿入される。
【0168】
図11Bは、缶が作動位置に固定される構成における場合に、
図11Aに示される缶ホルダーを模式的に示す。
【0169】
示される例のように、ガス缶バルブ10が缶コネクター76に挿入されると、缶支持台112と缶ホルダー110との間の空間が狭くなり、ガス缶46が缶ホルダー110から取り外すことが不可能となる。タブ114が傾斜116の最低部へ向かって逆に回転されるようにガス缶46を回転させると、缶支持台112と缶コネクター76との間の空間が十分に広くなり、ガス缶46とガス缶バルブ10の缶コネクター76からの取り外しを可能にする。ベース118は、缶支持台112の不用意な又は意図しない下降を防止する構成を含む場合もある。例えば、ベース118は、解放(例えば、アンラッチ)機構が作動されるまで、タブ114を、傾斜116の最上部に保持するように構成されたラッチ又は他の構造を含んでもよい。
【0170】
缶ホルダー110は、挿入されたガス缶46を固定する一つ以上の構造を含んでもよい。例えば、ガス缶46がディスク44を含む場合、缶ホルダー110は、ディスク44を所定位置に保持するスライド可能な歯71又は他の構造を含んでもよい。ガス缶46が非円形の横向き突起72を含む場合、缶ホルダー110は長い開口77付きのヨーク78を含んでもよい。缶ホルダー110は、他の形式の固定構造を含んでもよい。
【0171】
図12Aは、ガス缶の挿入を可能にするために持ち上げられるハンドルを有する缶ホルダー付きの炭酸化装置の例を模式的に示す。
【0172】
炭酸化装置120のハンドル122は、軸127を中心とした回転によって持ち上げられ又は下降される。炭酸化装置120において、ヨーク94は、持ち上げ機構(
図12Dに図示)によってハンドル122に連結される。ハンドル122が持ち上げられると、示される例のように、ヨーク94は、缶コネクター76から離れて下降される。ヨーク94と缶コネクター76との間の空間は、ヨーク94と缶コネクター76との間へのガス缶バルブ10の配置を可能とするのに十分となる。
【0173】
【0174】
示されるように、炭酸化装置120のベース128の開口124は、ガス缶46の底部(例えば、ガス缶バルブ10が取り付けられる端部とは反対の、ガス缶46の端部)の開口124への配置を可能とする。ガス缶バルブ10をヨーク94の方向へ回転させると(矢印123に示されるように)、ディスク44(又は、ガス缶46からの他の横向きの突起)は、ヨーク94上に載置される。
【0175】
開口124は、開口124に載置されたガス缶46と缶コネクター76とが整列するように構成される。例えば、整列は、ガス缶46の軸を、缶コネクター76の軸と平行に向け、ガス缶46が缶コネクター76と同軸上となるように軸を横方向に整列させることを含む。
【0176】
図12Cは、内側に缶が載置された、
図12Bに示される缶ホルダーの模式的な断面図である。
【0177】
示される例において、開口124の部分的に隆起した床領域124aは、不均一な床面129を呈するように設計されて、ガス缶46をヨークに向かって独立して傾斜させ、ヨークの内半径に立てかけられ、それによって、缶コネクター76のソケットに整列する。
【0178】
隆起した床領域124aは、開口124の空間の一部(例えば、アーチ状部)を覆う。開口124の残りの部分は、下部領域124bを含む。示される例において、開口124は、下部領域124bに床を有していない。他の例において、隆起した床領域124aは、下部領域124bの床上に隆起している。
【0179】
隆起した床領域124aの面積は、ガス缶46の重心(一般には、缶シリンダー軸131に沿って又はその近く)が、下部領域124b上となる形状及び寸法に設けられる。その結果、ガス缶46が開口124に載置されると、重力がガス缶46を回転させて、ヨークの内部半径に寄りかからせ、缶コネクター76(例えば、そのソケット)と整列する。
【0180】
なお、隆起した床領域124aを有する開口124は炭酸化装置と関連して図示されて記載されているが、隆起した床領域124aは、他の例(例えば、
図8、9及び11に示される例)に組み込まれてもよい。
【0181】
図12Dは、12Cに示される缶ホルダーの持ち上げ機構を模式的に示す。
図12Eは、ベースにシリンダーを挿入後に、シリンダーバルブをヨークに傾けるように構成された、12Bに示される炭酸化装置のベースの一例を模式的に示す。
【0182】
示されるように、ガス缶46のディスク44は、ヨーク94に乗っている。ピン125は、ハンドル122に取り付けられ、ヨーク94上のスロット121に挿入される。軸127に沿った回転によってハンドル122を下降させると、ピン125が炭酸化装置120から外方向に回転する。スロット121は、湾曲し(示される例のように)又は傾斜し、又は非水平及び非垂直であり、スロット121の外端は、スロット121の内端よりも低くなっている。したがって、ハンドル122を下降させることによるピン125の外方向への回転は、スロット121とヨーク94に、上向きの力を及ぼす。それゆえ、ハンドル122を下降させることによって、ヨーク94、及びヨーク94に置かれたガス缶46を、缶コネクター76に向かって持ち上げる。
【0183】
図13Aは、ハンドルが下降してガス缶を炭酸化装置に挿入させた、
図12Aに示される炭酸化装置を模式的に示す。
【0184】
示されるように、ハンドル122は十分に下降されている。それゆえ、ヨーク94は、缶コネクター76に向かって十分に持ち上げられる。
【0185】
【0186】
示されるように、ハンドル122は、ガス缶46上に下降される。ハンドル122が十分に下降すると、ハンドル122は、ガス缶バルブ10と缶コネクター76との間の接続のさらなる遮蔽又は保護を与える場合もある。
【0187】
ハンドル122を下降させた結果、ヒンジレバー機構96は、ガス缶バルブ10を缶コネクター76内に持ち上げる。それゆえ、ガス解放制御部97及び駆動機構99の操作は、ガス缶バルブ10を作動させて、ガス缶46からガスを解放し、炭酸化装置120の炭酸化ヘッドに流す。
【0188】
ガス缶46が炭酸化装置120に挿入された後、缶カバー126はベース128に挿入されて閉じられる。
【0189】
図14Aは、横向き外部ポート付きのガス缶の、缶充填システムの充填ヘッドへの接続を可能にする充填ヘッドアダプターを模式的に示す。
図14Bは、
図14Aに示される缶バルブアダプターの図を模式的に示し、缶バルブが挿入可能なアダプターの側面を示す。
図14Cは、
図14Aに示される缶バルブアダプターの模式的な断面図である。
【0190】
充填ヘッドアダプター150は、缶充填システムの充填ヘッドに取り付けられる。例えば、充填ヘッドは、充填ヘッドアダプター150に取り付けられる前に、バルブの外部ポートが、缶の縦軸に沿って、又は平行に向けられる缶バルブの挿入を可能とするように設計されている。充填ヘッドアダプター150が充填ヘッドへの取り付けられると、充填ヘッドの縦方向に向いた充填ポートと、缶バルブの横方向に向いた外部ポート16との間に流体経路を与える。
【0191】
例えば、充填ヘッドアダプター150は、取付構造156(例えば、示される例のように孔、ネジ、一つ以上のブラケット、突起又は他の構造)を有し、充填ヘッドアダプター150の充填ヘッドへの取付を可能又は容易にする、又は、容易にする。示される例において、充填ヘッドアダプター150の充填ヘッドへの取付は、ボルト、ネジ、リベット、クリップ、又は他の取付要素を、取付構造156を通して充填ヘッドに挿入することを含む。密閉構造(例えば、Oリング、密閉リング、又は他の密閉構造)が、充填ヘッドアダプター150と充填ヘッドとの間に、例えば、シーラー溝154に、取り付けられてもよい。
【0192】
充填ヘッドアダプター150が充填ヘッドに取り付けられると、充填ヘッドの充填ポートと、充填ヘッドアダプター150の内部空間160に挿入された缶バルブの外部ポート16との間に、流体経路が形成される。缶バルブが内部空間160に挿入されると、バルブシール166(例えば、示されるようにOリング、又は密閉ディスク又は他の密閉構造)が、缶バルブのプランジャー26に流体的に接触する内部空間160内の空間へのガスの漏れを防止する。缶拘束構造161は、ガス缶46と缶バルブの内部空間160への正しい位置決めを容易にする。缶シール168(例えば、Oリング又は他の形式のシール)が、ガス缶46と充填ヘッドアダプター150との間の内部空間160の外部へのガスの漏れを防止又は抑制する場合もある。
【0193】
缶バルブが充填ヘッドアダプター150の内部空間160に挿入されると、加圧ガス(例えば、ガス状又は液化形状)が、縦方向に向いた充填ポートを通って缶充填システムから解放される。充填ヘッドアダプター150の横チャンネル152は、充填ポートと流体的に接続されるように位置決めされている。横チャンネル152と充填ヘッドとの間の、例えば、シーラー溝内154内の、シールは、横チャンネル152に沿う以外のガスの漏れ又は他の流れを防止又は妨害することができる。解放された加圧ガスは、充填ポートから、横チャンネル152に沿って、一以上の縦チャンネル162へ、例えば横チャンネル152の一つ以上の端部で横方向に流れる。加圧ガスは、各縦チャンネル162を通って充填ヘッドアダプター150内に流入し、半径方向チャンネルに流入する。半径方向チャンネル164のそれぞれは、充填ヘッドアダプター150内で半径方向または他の横方向に配向されている。加圧ガスは、各半径方向チャンネル164内を横方向に沿って内向きに流れ、缶バルブの外部ポート16に流入する。バルブシール166及び缶シール168は、半径方向チャンネル164から外部ポート16への加圧ガスの流れを容易にすることができる。
【0194】
へこみ158は、例えば充填ヘッドへの取り付け時に、充填ヘッドアダプター150の保持を容易にすることができる。へこみ158内の孔159は、ドリル加工、機械加工、又は他の方法で半径方向チャンネル164を形成することを容易にすることができる。
【0195】
管が、充填ヘッドの充填ポートと充填ヘッドアダプター150の孔159間の流体的な接続を形成する場合もある。
【0196】
14Dは、
図14Aに示される缶バルブアダプターを組み込んだ缶充填装置を模式的に示す。
図14Eは、
図14Dに示される缶充填装置の模式的な側面図である。
【0197】
缶充填装置180は、缶充填システムの構成要素である。缶充填装置180は、ガス缶バルブ10が充填ヘッドアダプター150に挿入されたガス缶46を、ガス供給源(図示省略)からの加圧(例えば、液化)ガスで充填するように構成されている。例えば、缶充填装置180は、自動的(例えば、コンピューター化された)制御システム又は手動によって制御可能である。ガスは、制御された手法で、充填ヘッド184を通って充填ヘッドアダプター150に流入する。例えば、充填ヘッド184は、電気的に制御可能なバルブ(例えば、ソレノイド)、圧力トランデューサ―、又は他の制御ユニットのような、様々な調整及び制御ユニットを含んでもよい。缶充填装置180は、例えば、遮断バルブ及び流量計を含む、監視及び制御要素186を含んでもよい。
【0198】
缶充填装置180は、缶充填アセンブリ182を含んでもよい。示される例では、缶充填アセンブリ182は、直立した(例えば、上方に向けられたガス缶バルブ10と共に実質的に垂直な)ガス缶46を、充填ヘッドアダプター150及び充填ヘッドの下方の位置まで直線軌道に沿って搬送するように構成された直線コンベヤ188を含む。ガス缶46が充填ヘッドアダプター150の下方に位置付けられている場合、リニアピストン190がガス缶46を持ち上げ、ガス缶バルブ10が充填ヘッドアダプター150内に挿入されるようにしてもよい。他の例では、ガス充填装置及びガス充填アセンブリの少なくとも一部の構成要素の向きが反転されてもよい。この場合、充填アセンブリは、反転されたガス缶46を下降させて、ガス缶バルブ10をガス缶46の下方の充填ヘッドアダプター150に挿入するように構成されてもよい。他の例では、ガス缶バルブは、水平方向または他の方向に沿って充填ヘッドアダプター150に押し込まれてもよい。
【0199】
図15Aは、缶充填システムの充填ヘッドへの缶バルブの取付を可能とする、横向きの外部ポート付きの缶バルブ上へ設置される缶バルブアダプターを模式的に示す。
図15Bは、
図15Aに示される缶バルブアダプターの模式的な断面である。
【0200】
缶バルブアダプター170は、横向きの外部ポート16を含む缶バルブ上へ載置されて取り付けられるように構成されている。缶バルブアダプター170は、そして、充填ポートが縦方向に向いた充填ヘッドによって缶バルブが取り付けられるガス缶46の充填を可能にする。
【0201】
示される例において、缶バルブアダプター170は、2つの要素、缶バルブ取付151と充填ヘッド取付172、から組み立てられる。示される例において、缶バルブ取付151と充填ヘッド取付172は、ネジ176で互いに装着される。充填ヘッド取付172の縦チャンネル174と缶バルブ取付151の横チャンネル152との間の密閉は、シーラー溝154内に載置されるシール(例えば、Oリング、ガスケット、又は他の密閉構造)によって与えられる。他の例においては、充填ヘッド取付172は、溶接又は半田付け、又は一つ以上のボルト、ネジ、ピン、クリップ、接着剤、又は、他の取付構造によって、缶バルブ取付151に取り付けられてもよい。へこみ178は、使用中の組立又は操作を容易にする。
【0202】
充填ヘッド取付172は、缶バルブアダプター170を、缶充填システムの充填ヘッドへ嵌め込むことを可能にするように形成されている。例えば、充填ヘッド取付172の少なくとも遠位(ガス缶46に対して)端は、縦向きの外部ポート付きの缶バルブの遠位端と同様に、遠位端に形成される。缶バルブアダプター170が缶バルブ上に載置されると、缶バルブの遠位端が、開口173を通して挿入された後、缶バルブ取付151内の内部空間160内に嵌まり込む。バルブシール166(例えば、示されるようにOリング、シールディスク、又は他の密閉構造)は、缶バルブのプランジャー26と流体的に接触する内部空間160内の空間への加圧ガスの漏れを防止する。缶シール168は、境界面において加圧ガスの漏れを防止する。
【0203】
缶バルブ取付151は、上記のように、充填ヘッドアダプター150と同様に構成されている。缶バルブアダプター170が、缶充填システムの充填ヘッドに挿入されると、充填ヘッド取付172内の縦チャンネル174は、充填ヘッドの充填ポートと流体的に接続する。加圧ガスは、それゆえ、充填ポートから縦チャンネル174を通って、缶バルブ取付151の横チャンネル152に流入する。加圧ガスは、缶バルブ取付151内を、各縦チャンネル162を通って、それぞれが缶バルブ取付151内を半径方向又は他の横方向に向いた、半径方向チャンネル164へ流入する。加圧ガスは、各半径方向チャンネル164内を、缶バルブの横向きの外部ポート16へ向かって横方向内向きに流入する。バルブシール166及び缶シール168は、加圧ガスの半径方向チャンネル164から外部ポート16への流れを容易にする。
【0204】
異なる実施形態がここに開示される。特定の実施形態の特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。したがって、特定の実施形態は、複数の実施形態の特徴の組み合わせであってもよい。本発明の実施形態の前述の説明は、説明及び説明の目的のために提示されている。これは、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの改変、変形、置換、変更及び均等物が可能であることは当業者に理解されるべきである。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の意図の範囲内を抜け落ちないように、全てのそのような改変及び変更をカバーすることを意図していることが理解されるべきである。
【0205】
本発明のいくつかの特徴がここに図示され、説明されてきたが、多くの改変、置換、変更、及び等価物が、現在、当業者に生じるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の意図の範囲内を抜け落ちないように、全てのそのような改変及び変更をカバーすることを意図していることが理解される。
【国際調査報告】