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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】対抗ドローンシステム
(51)【国際特許分類】
   F41H 11/02 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
F41H11/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561921
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(85)【翻訳文提出日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 US2020019745
(87)【国際公開番号】W WO2020236238
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】16/415,924
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520441626
【氏名又は名称】アンドゥリル・インダストリーズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ANDURIL INDUSTRIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レビン・ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ラッキー・パーマー・エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ハマーシュタイン・ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ジョセフ
(57)【要約】
本システムは、複数のセンサシステム、対抗ドローン、およびプロセッサを含む。複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されているセンサを1つ以上含む。対抗ドローンは、ネットワークに接続されている。プロセッサは、複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、潜在的標的に対して統合データセットを生成し、少なくとも部分的に統合データセットに基づいて潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脅威ドローンに対抗するシステムであって、
複数のセンサシステムと、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記ネットワークに接続されている、対抗ドローンと、
プロセッサであって、
前記複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、
前記潜在的標的に対して統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられていると判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出す
ように構成されている、プロセッサと
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記複数のセンサシステムのうちの前記センサシステムは、センサタワーセンサシステム、車両に搭載されているセンサシステム、対抗ドローンに取り付けられているセンサシステム、人間に取り付けられているセンサシステム、電柱センサシステム、または建物センサシステムを含む、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローン指示は、前記対抗ドローン自体を前記脅威ドローンに向けて発射または推進させるために、前記対抗ドローンを待機させる、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、前記脅威ドローンを阻止するために、ターミナル誘導を実行する、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記プロセッサは、センサシステムプロセッサまたは対抗ドローンプロセッサを含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記センサシステムは、メッシュネットワークを利用して前記プロセッサと通信する、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、メッシュネットワークを利用して前記プロセッサと通信する、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的の前記指標は、前記未加工のセンサ情報を含む、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、前記未加工のセンサ情報は、無線周波数データ、レーダーデータ、赤外線データ、光学データ、ライダーデータ、振動計データ、音声データ、および/または超音波データうちの1つ以上を含む、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、前記未加工のセンサ情報は、誘導情報を生成するために使用される、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、前記誘導センサ情報は、高度、位置データ、ジオフェンスエリア内の場所、標的の軌道、レーダー画像、赤外線画像、光学画像、ライダー画像、振動プロファイル、RFプロファイル、音プロファイル、および/またはRF耐性標識の有無を含む、システム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムであって、前記センサシステムは、前記誘導センサ情報を生成する、システム。
【請求項13】
請求項9に記載のシステムであって、前記プロセッサは、前記誘導センサ情報を生成する、システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的の特徴が範囲内であるか否かを判断することを含む、システム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的がジオフェンスエリア内にあるか否かを判断することを含む、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的の軌道が前記潜在的標的をジオフェンスエリアの半径内に導くものであるか否かを判断することを含む、システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的の画像が、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの画像プロファイルと合致しているか否かを判断することを含み、前記潜在的標的の画像は、光学画像、レーダー画像、ライダー画像、または赤外線画像を含む、システム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的振動プロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの振動プロファイルと合致するか否かを判断することを含み、前記振動プロファイルは、レーザー振動計データを含む、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的のRFプロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンのRFプロファイルと合致するか否かを判断することを含み、前記RFプロファイルは、RFデータを含む、システム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的の音プロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの音プロファイルと合致するか否かを判断することを含む、システム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローン指示のうちの1つの対抗ドローン指示は、対抗ドローン待機指示、破壊指示、無能化指示、および/または前記脅威ドローンを捕獲する指示を含む、システム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、1つ以上のペイロードを備え、前記1つ以上のペイロードのうちの1つのペイロードは、動的ペイロード、爆発性ペイロード、捕獲網、または信号マーカーを含む、システム。
【請求項20】
脅威ドローンに対抗する方法であって、
複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記潜在的標的について統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられていると判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することと、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出し、前記対抗ドローンは、前記ネットワークに接続されていること
を備える、方法。
【請求項21】
脅威ドローンに対抗するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に具現化され、
複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムが、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記潜在的標的に対して統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられている判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すためのコンピュータ命令を備え、前記対抗ドローンは、前記ネットワークに接続されている
、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ドローンは広く普及しており、カメラおよび即席の爆発装置などのペイロードを運搬する能力があり、これらは誤用される可能性がある。しかしながら、操縦性およびドローンの操作のしやすさから、ドローンが特定の領域を飛行するのを防ぐことは困難である。また、ドローンが脅威であると検知して判断することは困難であり、問題であると判断されたドローンを阻止することはなおさら困難である。
【0002】
以下の詳細な説明および添付の図面には、本発明の様々な実施形態を開示している。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】対抗ドローンシステムの実施形態を示すブロック図である。
【0004】
図2】ジオフェンスエリア内のセンサステーションおよび対抗ドローンステーションの実施形態を示すブロック図である。
【0005】
図3】脅威ドローンを阻止するために対抗ドローンに指示を通信するメッシュネットワークの実施形態を示すブロック図である。
【0006】
図4】センサステーションの実施形態を示すブロック図である。
【0007】
図5】対抗ドローンステーションの実施形態を示すブロック図である。
【0008】
図6】対抗ドローンの実施形態を示すブロック図である。
【0009】
図7】最初の対抗ドローンが目的を達成するのを支援するために第2の対抗ドローンを待機場所に配置し直している実施形態を示すブロック図である。
【0010】
図8A】潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、その指標を提供し、対抗ドローンステーションで対抗ドローンに指示を出すプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【0011】
図8B】統合データセットを生成するプロセスの実施形態を示すプロセスフローチャートである。
【0012】
図9】センサステーションから未加工のセンサデータおよび誘導センサ情報を受信するプロセスの実施形態を示すプロセスフローチャートである。
【0013】
図10】データを使用して誘導センサ情報を生成するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【0014】
図11】潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、その指標を提供するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【0015】
図12】脅威ドローンを阻止するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【0016】
図13】ドローンの飛行コントローラに指示するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、多くの方法で実施でき、例えば、プロセス、装置、システム、物質の組成、コンピュータ可読記憶媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品、および/またはプロセッサとして実施でき、プロセッサは、例えばプロセッサに接続されたメモリに格納され、かつ/またはメモリによって提供された指示を実行するように構成されたプロセッサである。本明細書では、これらの実施形態、または本発明が採り得る何らかの他の形態を技術と称することがある。全般に、開示した方法の工程順序は、本発明の範囲内で変更されてよい。特に明記しない限り、タスクを実行するように構成されていると記載されているプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、そのタスクをある特定の時間に実行するように一時的に構成されている一般的な構成要素として、またはそのタスクを実行するように製造されている特定の構成要素として実装されてよい。本明細書で使用しているように、「プロセッサ」という用語は、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するように構成された1つ以上のデバイス、回路、および/または処理コアを指す。
【0018】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細な説明を、本発明の原理を例示している添付の図面に沿って以下に提示する。本発明は、そのような実施形態と関連付けて記載されているが、本発明はいかなる実施形態にも限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に限定されるだけであり、本発明は、多数の代替案、修正案および同等案を包含する。本発明を完全に理解してもらうために、多くの特定の詳細を以下の説明に記載している。これらの詳細は例を目的として提供されるものであり、本発明は、これらの特定の詳細の一部または全部がなくとも特許請求の範囲に従って実施され得る。明瞭にするために、本発明に関する技術分野で公知の技術上の材料は、本発明を無駄に不明瞭にしないために詳細に説明されていない。
【0019】
脅威ドローンを検知して阻止する対抗ドローンシステムを開示する。本システムは、複数のセンサシステム、1つの対抗ドローン、および1つのプロセッサを含む。複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを含む。対抗ドローンは、ネットワークに接続されている。プロセッサは、複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、潜在的標的に対して統合データセットを生成し、統合データセットは、潜在的標的の指標と、潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、統合データセットを生成することは、潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて潜在的標的に関連付けられていると判断することと、潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせることと、を含み、少なくとも部分的に統合データセットに基づいて潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すように構成されている。いくつかの実施形態では、本システムは、プロセッサに接続されプロセッサに指示を出すように構成されたメモリおよび/またはユーザインターフェースをさらに含む。
【0020】
対抗ドローンシステムは、1つ以上のセンサシステムにあるセンサ(例えばステーション、タワー、ドローン、ドローンステーションにあるセンサ、車両に搭載されているセンサ、人間に取り付けられているセンサ、電柱に取り付けられているセンサ、建物に取り付けられているセンサなど)を用いて周囲の領域を監視する。対抗ドローンシステムは、(例えばセンサシステムから導出される情報を統合したものを用いて)物体を検知し、その物体が脅威ドローンか否かを判断する。対抗ドローンシステムは、複数のセンサシステムを用いて物体を検知する。センサシステムは、ネットワークでつながっている1つ以上のセンサとプロセッサを含む。各センサシステムは、センサから得た未加工のセンサ情報または未加工のセンサ情報を処理して誘導センサ情報を物体の検知に向けて提供する。複数のセンサシステムから得た未加工のセンサ情報と誘導センサ情報とは、物体の一貫した包括的な画像を作成するために統合される。このデータ処理は、1つのプロセッサで(例えばサーバ、センサシステム、対抗ドローンなどで)決定されるか、複数のプロセッサを用いて決定される(例えば統合/導出は、センサシステムで行われるものと、サーバで行われるものと、対抗ドローンで行われるものとがある)。
【0021】
センサから得たデータの統合は、以下のうちの1つ以上を含む。未加工のセンサ情報を受信する、誘導センサ情報を受信する、未加工のセンサ情報を処理して誘導センサ情報にする(必要に応じて)、未加工のセンサ情報および誘導センサ情報が物体と関連付けられているか否かを判断する(例えばその情報が同じ物体と関係があるか否かを判断する)、その情報が物体と関連付けられている他の情報と一致しているか否かを判断する(例えばデータを平均化すべきか、外れ値または疑似データとして破棄すべきかを判断する)、様々なデータおよび様々なセンサから組み合わせまたは多次元ビューを決定する(例えばデータのオーバーレイ、データの平均化、平均化を含む統計ビューの作成、偏差や分布などの変動の判定、元のセンサに基づいたデータの変換(例えばある特定のセンサの特徴に対する較正、元の視点の立体的な変換など)またはその他の任意の適切な変換)、および/または、関連付けられている未加工のセンサ情報、誘導センサ情報、変換された情報、オーバーレイ情報、統計情報、時系列の履歴情報、よく似た物体の情報(例えば履歴情報データベースから)を含むデータオブジェクトを含む統合データベースまたはデータセットを作成する。
【0022】
その後、統合データセットは、物体が脅威の物体を含んでいるか否か特に物体が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断するために使用される。
【0023】
物体が脅威ドローンであるという判断に応答して、一連の対抗ドローンには作戦に基づいて指示が出される。作戦は、対抗ドローンを何台使用する必要があり、脅威ドローンと交戦するためにどのペイロードを運搬する必要があるかを示す。例えば、作戦は、脅威ドローンをどうするか、例えば脅威ドローンを破壊するか、無能にするか、捕獲するか否かについて目的を示す。作戦の目的は、作戦を実行するために必要なペイロードの種類またはドローンの種類、および目的を達成する方法を指示する。
【0024】
対抗ドローンシステムは、ジオフェンスエリアを監視し、進入してくる脅威ドローンから保護するために、1つ以上のセンサシステムと1つ以上の対抗ドローンステーションとを一つに結び付けるネットワークを含む。いくつかの実施形態では、ネットワークはさらに、メッシュネットワークを含む。様々な実施形態では、センサシステムおよび対抗ドローンステーションは、同一の場所に設置され、かつ/または単一のプラットフォームに組み込まれる。いくつかの実施形態では、センサシステムは、脅威ドローンではない物体(例えば鳥、飛行機など)を識別するために使用される。センサシステムデータは、ドローン検知用および/または対抗ドローンの誘導用に一つに統合される。
【0025】
対抗ドローンは、1つ以上のペイロードを搭載している可能性があり、ペイロードとして、動的ペイロード、爆発性ペイロード、捕獲網、カメラ、または信号マーカーがある。センサシステムは、ネットワークと連携して、複数の未加工のセンサ情報および/または誘導センサ情報をサーバプロセッサに提供して、進入してくる脅威ドローンに応答して、利用可能な望ましい対抗ドローン特性(例えばバッテリレベル、ペイロードなど)に基づき、阻止確率を計算に入れて、どの阻止用ドローンを展開させるかを判断するのを補助する。阻止確率は、特定の検知された脅威ドローンの量、サイズ、種類、位置、高度、速度、加速度、および/または軌道、ならびに場合によってはローカルの環境条件(例えばその日の時刻、ローカルの視界、周囲温度、風速、風向、霧、雨または雪の程度など)に関する情報を示す未加工のセンサ情報および/または誘導センサ情報に基づいて算出される。
【0026】
対抗ドローンシステムが用いることのできる応答作戦は、システムの管理者によって設定可能である。応答作戦の設定は、例えば以下のうちの1つ以上のパラメータに基づく。保護領域の特徴(例えば公共領域に近い場所、軍事領域に近い場所、交通機関に近い場所など)、保護領域に望まれる保護レベル(例えばきわめて重要、犠牲にしてよい、など)、保護領域近くでの活動状態(例えば紛争地帯、国境領域、民間領域など)、またはその他の任意の適切なパラメータ。
【0027】
開示した対抗ドローンシステムは、脅威ドローンを検知するためにセンサのデータを統合できるようにし、かつ/またはサーバプロセッサから1つ以上の対抗ドローンにターミナル誘導の自律的な受け渡しができるようにすることによって、他の対抗ドローン対策よりも改善されており、その結果、有効性および速度が増している。本システムは、進入してくる脅威ドローンを迅速に破壊するか、無能にするか、捕獲するために潜在的に多数ある対抗ドローン、ペイロード、および阻止作戦の感知、通信および自律的展開を調整することによって、既存の制限を克服するように設計されている。また、本システムによりユーザは、システム動作中はいつでも介入が可能である。
【0028】
図1は、対抗ドローンシステムの実施形態を示すブロック図である。図示した例では、潜在的標的100は、センサステーション102によって検知され、センサステーションは、未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報を、ネットワーク104およびネットワークインターフェース106を介してサーバ110内に収容されているプロセッサ108に通信する。プロセッサ108は、受信した未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報を用いて、潜在的標的100が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、潜在的標的100が脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、ネットワーク104を介して対抗ドローン112に対抗ドローン指示を出す。いくつかの実施形態では、対抗ドローン指示は、対抗ドローン112が脅威ドローンを阻止するための誘導制御(例えば自律制御)をいつ引き受けるのか、対抗ドローン112がいつ誘導制御を止めてサーバ110に戻すのかという指示を含む。いくつかの実施形態では、対抗ドローン112の自律制御は、依然としてサーバ110からの情報(例えばセンサステーション102などの複数のセンサステーションから集めたセンサ情報)を使用しながら脅威ドローンの阻止を改善するために、ローカルのセンサ情報に対してより迅速な応答ができるようにする。対抗ドローン112との通信は、無線通信経路114を介して直接か、通信経路118を用いて対抗ドローンステーション116を介してよい。様々な実施形態では、通信経路118は、有線および/または無線の通信経路を含む。開示した本発明を実施するのに有用な無線通信の例として、高周波(RF)およびマイクロ波周波数―衛星および/または地上の両方―赤外線(IR)、自由空間光、音波、超音波、ならびに電磁誘導(例えば短距離RFIDタグ)がある。有線通信方法の例として、ツイストペアケーブル、同軸ケーブル、および光ファイバケーブルがある。様々な実施形態では、ネットワーク104は、標準ネットワーク、ハイブリッドネットワーク、および/または固有のネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、仮想プライベートネットワーク、メッシュなど)などの有線および/または無線の通信ネットワークを含む。
【0029】
プロセッサ108により、誘導センサ情報を生成して潜在的標的100が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断するための様々な手法が可能になる。いくつかの実施形態では、適応ニューラルネットワーク、またはその他のアルゴリズムによる手法(例えば画像認識、予測モデリングなど)を基盤とする自動学習がプロセッサ108に用いられる。いくつかの実施形態では、自動学習では、潜在的標的が脅威ではないことをより迅速かつ決定的に判断するために、脅威ドローンではないと判断されている指定の潜在的標的から収集したデータを使用する―例えば、ニュートラルネットワークは、潜在的標的が脅威ではないことを適切に識別するために、脅威ではないと確認されたドローンの一連のトレーニングでトレーニングされる。例えば、鳥の画像プロファイルには、どの種類のドローンとも異なる固有の特徴がある(例えば翼の形状、翼の模様、体形、体の模様、尾の特徴(例えば長さ、形状、または色など)、翼の周期性、飛行経路、音、および/または群れの一部か否か)。
【0030】
プロセッサ108は、メモリ120に保存された指示および/またはメモリから出された指示を、任意選択のI/Oインターフェース124を介するユーザ入力122、および/またはユーザシステム128を介するユーザ入力126と共に受信して、潜在的標的100が脅威ドローンを含んでいると判断された際に最適な対抗ドローン指示を決定する。
【0031】
メモリ120は、センサステーション102から得た未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報、センサステーション102の状態(例えばオンライン、オフライン、誤作動表示など)、対抗ドローン112、対抗ドローンステーション116およびセンサステーション102に関するローカル情報、対抗ドローン112状態の情報(例えばバッテリレベルの情報)、または対抗ドローンシステムの操作を容易にするその他の任意の適切な情報を保存する。
【0032】
データ記憶ユニット130は、対抗ドローンシステム(図1)の初期の設定情報、メンテナンス記録、システムログ、イベントログ、または対抗ドローンシステムの操作および維持を容易にするその他の任意の適切な情報を記憶するために使用される。初期の対抗ドローンシステムの設定情報として、対抗ドローンステーション116に利用可能なペイロード情報、閾値決定レベル(例えば上限高度閾値レベル、下限高度閾値レベル、最大速度閾値レベル、確率閾値レベルなど)、既知のドローンプロファイルもしくは推測されるドローンプロファイル(例えば画像プロファイル、振動プロファイル、RFプロファイル、および/または音プロファイルなど)、または対抗ドローンシステムの操作を容易にするその他の任意の適切な情報がある。
【0033】
推測されるドローンプロファイルとして、ドローンとよく似た特徴(例えばサイズ、速度、音の周波数、RF放射など)がみられるが既知の画像プロファイルまたはその他の固有で決定的なドローンプロファイルではないプロファイルがある。様々な実施形態では、既知のドローンプロファイルとして、脅威ドローン、非脅威ドローン、またはその他の任意の適切な種類のドローンがある。
【0034】
いくつかの実施形態では、ネットワーク104は必須ではなく、直接の通信リンクでシステム構成要素(例えばセンサステーション102、対抗ドローンステーション116、ユーザシステム128、サーバ110など)同士の通信が可能になる。
【0035】
図2は、ジオフェンスエリア内のセンサステーションおよび対抗ドローンステーションの実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、図2の潜在的標的216、センサステーション208、および対抗ドローンステーション210は、図1の潜在的標的100、センサステーション102、および対抗ドローンステーション116に相当する。図示した例では、ジオフェンスエリア200は、保護資産202を取り囲み、1つ以上のセンサステーション(例えばセンサステーション204、センサステーション206、センサステーション208など)および1つ以上の対抗ドローンステーション(例えば対抗ドローンステーション210、対抗ドローンステーション212、対抗ドローンステーション214など)を含む。1つ以上のセンサステーションから提供された未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報を用いて潜在的標的216が脅威ドローンであると判断された場合、対抗ドローンが軌道経路218を保護資産202に向かって移動するときに、対抗ドローンに潜在的標的216から保護するよう指示できる。
【0036】
様々な実施形態では、1つ以上のセンサステーションおよび対抗ドローンステーションは、固定され、かつ/または移動可能である。センサステーションおよび対抗ドローンステーションは、ジオフェンスエリア200に進入する脅威ドローンから継続的に保護するように動作する。様々な実施形態では、ジオフェンスエリア200は、動的に画定されるか(例えばある一箇所を中心とする半径)、一連の所定の座標(例えば一連の地図座標)および/またはローカルの物理的な特徴物(例えば山、壁、フェンス、建物など)に基づいて静的に画定される。様々な実施形態では、単一のジオフェンスエリアがあるか、離れている、重なっている、かつ/または他のジオフェンスエリアに含まれている2つ以上のジオフェンスエリアがあるか、その他の任意の適切なエリアの構成がある。いくつかの実施形態では、運用地帯を画定するために1つ以上のジオフェンスエリアが用いられ、各ジオフェンスエリアが別々の管理方針を有する。例えば、保護資産202の中または周囲のジオフェンス「安全地帯」(図2には示していない)は、安全地帯内で爆発性ペイロードを使用しないよう対抗ドローンシステムへの指示を規定しているが、爆発性ペイロードは安全地帯以外では許可されている。
【0037】
図3は、脅威ドローンを阻止するために対抗ドローンに指示を通信するメッシュネットワークの実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、図3の脅威ドローン304、対抗ドローン302、対抗ドローンステーション306、メッシュネットワーク312、およびセンサステーション310は、図1の潜在的標的100、対抗ドローン112、対抗ドローンステーション116、ネットワーク104、およびセンサステーション102に相当する。図示した例では、対抗ドローン302には、脅威ドローン304がジオフェンスエリア300の中に位置している保護資産308に到達する前に飛行経路306を通って脅威ドローン304を阻止するよう指示が与えられている。いくつかの実施形態では、阻止指示は、動的ペイロードを送り込むことによって脅威ドローン304を排除するよう対抗ドローン302に指示する。いくつかの実施形態では、動的ペイロードは、対抗ドローン302に取り付けられた別個のペイロードではなく、対抗ドローン302全体である。脅威ドローン304を排除する指示の目標は、脅威ドローン304を破壊するか無能にすることである。いくつかの実施形態では、阻止指示は、対抗ドローン302から網を広げるか他の捕獲用ペイロード(例えばフック、縄でつながれた槍など)を使用して脅威ドローン304を捕獲するよう対抗ドローン302に指示する。
【0038】
図示した例では、センサステーション310は、阻止作戦を決定するのに有用なメッシュネットワーク312を介して未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報をサーバ(図3には示していない)に対して提供する。するとサーバは、適切な指示を決定し、メッシュネットワーク312および対抗ドローンステーション314を介して指示を対抗ドローン302に出す。センサステーション310は、対抗ドローン302の目的達成に向けた進捗を監視し、監視データをサーバにも報告する。阻止の進捗も対抗ドローン302に搭載されているセンサによって直接監視され、進捗データは、対抗ドローン302の無線通信システムを介してサーバに送信される。いくつかの実施形態では、脅威ドローンの阻止が成功したことは、対抗ドローン302から信号マーカーペイロードが展開されることで示され、信号マーカーペイロードは、センサステーション310によって検知され、メッシュネットワーク312を介してサーバに中継される。
【0039】
様々な実施形態では、対抗ドローン302への阻止指示として、飛行指示に向けて対抗ドローンがサーバからいつ制御されるか、飛行指示に向けた直接制御を受けるために対抗ドローンがいつサーバから制御を受けるか、直接制御を受ける時をどのように判断するか(例えば脅威ドローン304への接近が閾値未満、脅威ドローン304を阻止する推定時間が閾値未満など)、サーバへ飛行して戻るために制御を止める時をどのように判断するか(例えば、脅威ドローン304への接近が閾値を超えている、脅威ドローン304を阻止する推定時間が閾値を超えているなど)という指示、またはその他の任意の適切な指示がある。
【0040】
図4は、センサステーションの実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、図4のセンサステーション400を使用して図1のセンサステーション102を実現する。図示した例では、センサステーション400は、1つ以上のセンサ(例えばRFセンサ402、レーダーセンサ404、IRセンサ406、光学センサ408、ライダーセンサ410、レーザー振動計センサ412、音声センサ414、超音波センサ416など)を備えている。
【0041】
1つ以上のセンサは、無線周波数データ、赤外線データ、光学データ、ライダーデータ、レーダーデータ、音声データ、超音波データなどの未加工のセンサ情報、またはその他の適切な未加工のセンサ情報を作成する。センサステーション400は、1つ以上のセンサを使用して、1つ以上のジオフェンスエリアの内側および/または外側にある潜在的標的を監視する。様々な実施形態では、センサステーション400は、移動型センサタワーまたは固定設備もしくは恒久的な設備を備えている。いくつかの実施形態では、搭載センサを備えた1つ以上の対抗ドローンは、移動型センサステーションとして機能する。いくつかの実施形態では、センサシステムは人間に取り付けられ、移動型センサステーションとして機能する。
【0042】
1つ以上のセンサは、未加工のセンサ情報をプロセッサ418に通信する。いくつかの実施形態では、未加工のセンサデータはサーバに提供され、サーバが、受信した未加工のセンサ情報から誘導センサ情報を生成する。いくつかの実施形態では、プロセッサ418は、受信した未加工のセンサ情報から誘導センサ情報を生成し、誘導センサ情報は、その後、サーバプロセッサに送信される。いくつかの実施形態では、適応ニューラルネットワーク、またはその他の種類のアルゴリズムによる手法を基盤とする自動学習が、メモリ420に保存された指示および/またはメモリから出された指示を使ってプロセッサ418によって用いられる。いくつかの実施形態では、センサデータの処理は、センサステーション400、サーバ、または対抗ドローンステーションで実施されるか、あるいは、時間と処理の制約がシステムの性能にとって肝要であるため、処理が最も効率的かつ迅速である場所に少なくとも部分的に基づいて対抗ドローンで実施される―例えば、処理するのに最適な場所を決定するために処理速度およびデータ送信時間が考慮される(例えば、要約データのみがサーバに送信されるように送信時間を短縮するためにセンサデータをローカルで処理することが合理的である場合はこの作戦が用いられ、データを中央サーバで処理する方がデータを複数のサーバにわたって集約できるために効率的である場合は、データはサーバに送られて処理される)。メモリ420は、未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報、センサの状態(例えばオンライン、オフライン、誤作動表示など)、またはセンサステーション400の操作を容易にするその他の任意の適切なデータや情報も記憶する。様々な実施形態では、誘導センサ情報として、高度、位置データ(例えばxy地図座標、経度および緯度など)、ジオフェンスエリア内の場所、標的の軌道、レーダー画像、赤外線画像、光学画像、ライダー画像、振動プロファイル、音プロファイル、RFプロファイル、RF耐性標識の有無、またはその他の任意の適切な未加工のデータ派生情報がある。
【0043】
いくつかの実施形態では、RF耐性標識の有無の表示が、プロセッサ418によってネットワークインターフェース422を介してサーバプロセッサに中継される。いくつかの実施形態では、プロセッサ418によって導出された高度情報が、データ記憶ユニット424に記憶されている閾値の高度値と比較され、その結果の指標がサーバに中継される。いくつかの実施形態では、プロセッサ418が位置データを使用して、潜在的標的がジオフェンスエリア内にあるか否かを判断し、その結果の指標がサーバに中継される。いくつかの実施形態では、プロセッサ418が標的の軌道を使用して、潜在的標的の軌道がジオフェンスエリアの半径内にあるか否かを判断し、その結果の指標がサーバに中継される。いくつかの実施形態では、プロセッサ418が誘導センサ情報を使用して、潜在的標的の画像プロファイル、振動プロファイル、RFプロファイル、および/または音プロファイルを生成し、データ記憶ユニット424に記憶されている既知のドローンプロファイルまたは推測されたドローンプロファイルと比較する。これらの比較結果の指標はサーバに中継される。
【0044】
いくつかの実施形態では、サーバは、上記の導出情報を使用して対抗ドローンに対する指示を決定する。いくつかの実施形態では、サーバは、ユーザが再考または監視するために、未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報をユーザシステムに提供する。いくつかの実施形態では、サーバは、1つ以上のセンサステーションから受信した未加工のセンサデータを使用して上記の情報を導出する(例えばよりよい判断のためにデータを集約する)。
【0045】
いくつかの実施形態では、プロセッサ418は、対抗ドローンへの指示を自律的に決定し、対抗ドローンにこれらの指示を出す。
【0046】
様々な実施形態では、センサステーション400、対抗ドローンセンサシステム、車両に搭載されたセンサシステム、および/または人間に取り付けられたセンサシステムは、脅威ドローンの検知および/または対抗ドローンを脅威ドローンに向かわせる誘導のために使用する未加工のデータおよび/または導出データを提供するセンサシステムとして使用される。
【0047】
図5は、対抗ドローンステーションの実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、対抗ドローンステーション500を使用して、図1の対抗ドローンステーション116を実現する。図示した例では、対抗ドローンステーション500は、1つ以上のドローン発着台(例えばドローン発着台512、ドローン発着台514、ドローン発着台516、ドローン発着台518、ドローン発着台520など)と通信状態にある複数の対抗ドローン(例えば対抗ドローン502、対抗ドローン504、対抗ドローン506、対抗ドローン508、対抗ドローン510など)を備えている。いくつかの実施形態では、対抗ドローンステーション500は、保護されたジオフェンスエリアの内側および/または外側に位置している。様々な実施形態では、対抗ドローンステーション500は、移動型のプラットフォームまたは固定設備もしくは恒久的な設備を備えている。1つ以上のドローン発着台と1つ以上の対抗ドローンとの接続として、電気的接続および/または物理的接続があってよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、対抗ドローンステーション500は、悪天候のとき、または外部の力による攻撃から、対抗ドローンを保護する外ハウジングを備えている。いくつかの実施形態では、1つ以上の対抗ドローンは、1つ以上のドローン発着台に物理的な方法で(例えば遠隔制御されるクランプで)物理的に取り付けられて、対抗ドローンを風、地面の動き、またはその他の振動から守る。
【0049】
いくつかの実施形態では、複数のドローン発着台は、1つ以上の対抗ドローンバッテリにエネルギーを充電するか、充電を維持するために、ドローン充電器522に電気接続される。ドローン発着台と対抗ドローンとの電気接続として、配線接続または電磁誘導結合があってよい。様々な実施形態では、ドローン充電器522は、温度または圧力を感知する回路と、充電の電流および圧力を安全に調整し、充電状態を明らかにし、充電終了時に遮断するマイクロプロセッサコントローラとを有するインテリジェント充電器であり、高速充電およびトリクル充電の機能を提供する1種類以上のスタンドアローン型または統合型の充電ユニットを有し、かつ/または太陽光発電、風力発電、またはその他の任意の望ましいエネルギー源からエネルギーを引き出す。あるいは、その他の任意の適切な充電の構成または構造である。
【0050】
いくつかの実施形態では、対抗ドローンステーション500は、1つ以上の対抗ドローンバッテリに充電電力を供給するために電気エネルギーを貯蔵するモバイルバッテリを収容している。いくつかの実施形態では、対抗ドローンステーション500は、1つ以上のエネルギー源の故障から保護することによって堅牢性が改善されたシステムを提供するために、2つ以上のエネルギー源を利用する。
【0051】
図示した例では、ドローン充電器522は、プロセッサ524およびネットワークインターフェース528を介してサーバプロセッサに通信し、プロセッサ524および無線インターフェース526を介して対抗ドローン506に通信する。プロセッサ524は、無線インターフェース526を介して対抗ドローン502、対抗ドローン504、対抗ドローン506、および/または対抗ドローン508に通信可能である。いくつかの実施形態では、プロセッサ524は、潜在的標的のドローンに関する情報から脅威ドローンを判断する(例えばメモリ532に保存された指示および/またはメモリから出された指示を使う適応ニューラルネットワーク、またはその他のアルゴリズムによる手法を基盤とする自動学習などを用いる)。メモリ532は、対抗ドローンステーション500の操作を容易にするために、対抗ドローン502、対抗ドローン504、対抗ドローン506、対抗ドローン508、および対抗ドローン510の対抗ドローン状態(例えばオンライン、オフライン、誤作動表示、バッテリレベル情報など)、またはその他の任意の適切な情報も記憶する。サーバプロセッサおよび/またはセンサステーションプロセッサによって行われるような阻止作戦および対抗ドローン指示を決定するのに有用な計算も、システムの冗長性を提供し、かつ/またはシステムの応答待ち時間を短縮するために、その全部または一部がプロセッサ524によって行われてよい。データ記憶ユニット530は、利用可能なペイロード情報、メンテナンス記録、システムログ、イベントログ、または対抗ドローンステーション500の操作および維持を容易にするその他の任意の適切な情報を記憶するために使用される。
【0052】
様々な実施形態では、対抗ドローンステーション500により、対抗ドローンのバッテリを交換するか、対抗ドローンのバッテリに燃料を補給するか、対抗ドローンのバッテリまたは対抗ドローンのペイロードに充電するか、対抗ドローンのエネルギー供給を新たにするその他の任意の適切な方法によって、対抗ドローンのエネルギー供給を新たにすることが可能になる。
【0053】
いくつかの実施形態では、対抗ドローンステーション500は、車両に取り付けられる。
【0054】
図6は、対抗ドローンの実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、図6の対抗ドローン600を使用して図1の対抗ドローン112を実現する。図示した例では、プロセッサ602は、無線インターフェース604を介して対抗ドローン指示を受信する。無線インターフェース604により、センサステーション、サーバ、および/または対抗ドローンステーションとの通信が可能になる。
【0055】
様々な実施形態では、センサ606は、以下のうちの1つ以上を含む。RFセンサ、IRセンサ、光学センサ、ライダーセンサ、レーダーセンサ、音声センサ、超音波センサ、空気速度センサ、またはその他の任意の適切なセンサ。いくつかの実施形態では、センサ606およびプロセッサ602は、ターミナル(最終)誘導システムを含む。例えば、ターミナル誘導システムは、対抗ドローンおよび/または対抗ドローンのペイロードが標的を阻止する直前の最終段階で主にまたは単独で有効になる誘導システムを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ602は、センサ606および/または外部センサ(例えばセンサステーションのセンサおよび/またはドローンステーションのセンサおよび/またはその他のドローンセンサ)から得たセンサデータと、コンピュータの視覚機能とを統合して、ドローン検知および/またはターミナル誘導を容易にできるように構成されている。いくつかの実施形態では、センサ606を使用して、1つ以上の潜在的標的の特徴に関する追加のセンサ情報または更新されたセンサ情報をサーバプロセッサに提供する(例えば潜在的標的ドローンの場所)。例えば、画像の解像度を改善すると、以前に明らかになった脅威ドローンの特徴(例えば種類、サイズ、ペイロード、速度など)に対して、改善した確率をサーバプロセッサが算出できるようになる。例えば、以前に明らかになった脅威ドローンの特徴は、センサステーションのセンサ、または対抗ドローンのセンサによって測定された特徴を含んでいたが、そのセンサは遠く離れたところにあったもので、センサ606よりも質の低いセンサが使用され、かつ/またはセンサ606とは異なる種類のセンサが使用されていた。いくつかの実施形態では、センサ606を使用して、ターミナル誘導システムおよび/またはサーバプロセッサが用いる脅威ドローンを阻止する行為の進行を監視する。
【0056】
送信機608は、耐性標識として有用なRF送信機を含む。プロセッサ602は、バッテリ610の充電レベルなどの搭載システムの準備状態および動作状態を監視し、対抗ドローン600の準備状態および動作状態を、無線インターフェース604を介して主要サーバプロセッサに中継する。いくつかの実施形態では、プロセッサ602は、メモリ612に保存された指示および/またはメモリから出された指示を用いて、受信した対抗ドローン指示を処理する。メモリ612は、対抗ドローンシステムの操作を容易にするために、飛行経路、ペイロード情報、対抗ドローンステーションの位置情報、状態情報、またはその他の任意の適切な情報を含む、受信した阻止指示も保存する。様々な実施形態では、指示は、識別した脅威ドローンを阻止するため、ペイロード614を送り込むため、識別した脅威ドローンを破壊するため、識別した脅威ドローンを無能にする、どこか別の場所で待機して次の指示を待つためのものであるか、その他の任意の適切な指示である。受信した対抗ドローン指示は、定められた飛行経路、速度、接近高度、接近方向、発射時間、および/または脅威ドローンを阻止した時点で展開させるペイロードを含む。ペイロード614として、動的ペイロード、爆発性ペイロード、捕獲網またはその他の捕獲ペイロード、および/または信号マーカーがある。いくつかの実施形態では、ペイロード614は、対抗ドローンステーションプロセッサおよび/またはサーバプロセッサに対して自己識別するために装着されたペイロード識別子(例えばRFIDタグ)を使用する。いくつかの実施形態では、対抗ドローン600および/または動的ペイロードは、標的のドローンに激突した場合に動力効果が最大になるように設計される。いくつかの実施形態では、動力効果は、対抗ドローンを高速で集中衝撃点を有する設計にすることによって最大になる。様々な実施形態では、ドローンの速度は、低い抗力、重量に対する高い推力比、振動を最小にするために高安定設計を有するか、高速な対抗ドローンを生み出すその他の任意の適切な設計によって改善される。いくつかの実施形態では、集中衝撃点は、対抗ドローンの尖った前面、発射ペイロード、または集中衝撃点を生み出すためのその他の任意の適切な方法を含む。いくつかの実施形態では、対抗ドローンの安定性は、垂直安定板、補助翼、飛行制御面、急回転、またはその他の任意の適切な安定機構を用いて改善される。
【0057】
様々な実施形態では、対抗ドローン指示として、飛行指示に向けて対抗ドローンがサーバからいつ制御されるか、飛行指示に向けた直接制御を受けるために対抗ドローンがいつサーバから制御を受けるか、直接制御を受ける時をどのように判断するか(例えば脅威ドローン304への接近が閾値未満、脅威ドローン304を阻止する推定時間が閾値未満など)、サーバへ飛行して戻るためにいつ制御をやめる時をどのように判断するか(例えば、脅威ドローン304への接近が閾値を超えている、脅威ドローン304を阻止する推定時間が閾値を超えているなど)という指示、またはその他の任意の適切な指示がある。いくつかの実施形態では、対抗ドローン指示は、サーバから得た標的の位置情報および/または飛行経路情報、および/または対抗ドローンプロセッサ(例えばプロセッサ602)を用いて明らかになった標的の位置情報および/または飛行経路情報を使用するか否かを決定するための指示を含む。例えば、標的の位置情報および/または飛行経路情報は、サーバからの方がより的確なことがあるか(例えば、複数の対抗ドローンセンサおよび複数のセンサステーションから通知されたとき)、あるいは、ローカルのセンサ情報を用いて、かつ/または外部ソースからの何らかの情報を用いるか全く情報を用いずに、対抗ドローンプロセッサによってローカルで判断されたときにより的確なことがあり、かつ/または時間的な遅延が少ないことがある。様々な実施形態では、飛行指示は、標的の位置情報および/または飛行経路の情報についてサーバの情報/判断を使うかローカルプロセッサの情報/判断を使うか、あるいはその他の任意の適切な飛行指示を使うか否かを判断するための決定基準を示す。様々な実施形態では、決定基準は、以下のうちの1つ以上を含む。対抗ドローンと脅威ドローンとの間の閾値が規定する距離よりも近いこと、対抗ドローンと脅威ドローンとの間の閾値が規定する距離よりも遠いこと、対抗ドローンに向かって移動していて対抗ドローンと脅威ドローンとの間の閾値距離内にいる時間が閾値内であること、対抗ドローンから離れるように移動していて対抗ドローンと脅威ドローンとの間の閾値距離を超えるところにいる時間が閾値内であること、またはその他の任意の適切な基準。
【0058】
いくつかの実施形態では、プロセッサ602は、一切のクランプ装置を解放し、かつ/または対抗ドローン600の発射を妨げる一切の外部ハウジングを開くようドローン発着台および/またはドローンステーションに指示を送信する。次にプロセッサ602は、発射するために物理的に障害がないことをサーバプロセッサに通信する。対抗ドローン指示で受信した発射時間に基づいて、対抗ドローン600は、プロセッサ602が飛行経路情報を飛行コントローラ616に送信することによって発射を進める。すると飛行コントローラは、速度コントローラ620を介して対抗ドローンのモータ618を作動させて制御し、離昇を達成する。
【0059】
飛行コントローラ616は、プロセッサ、ジャイロスコープ、加速度計、高度センサ(例えば気圧計)、電流センサ、比例-積分-微分(PID)コントローラ(例えば飛行中の対抗ドローン600の安定性を維持するため)、およびその他の構成要素で、脅威ドローンを阻止するための正しい進路を飛行コントローラ616に航行させて維持する標準で通例の構成要素を含む。飛行コントローラ616は、飛行の進行を監視する際、また、変化する外部変数(例えば、脅威ドローンの軌道の変化、環境条件、飛行中に受信した作戦の更新など)に応答するために必要に応じて飛行経路を調整する際に補助するために、センサ606からのデータ(例えばGPSの位置、空気速度、ネットワーク通信など)も受信する。
【0060】
バッテリ610は、1つ以上の対抗ドローンを(例えばトリクル充電によって)一定の準備状態に保つために、1つ以上のリチウムイオン電池セル、ニッケル水素電池セル、またはその他の任意の種類または数の充電式バッテリを含む。バッテリ610は、ドローン発着台インターフェース622を介して充電の電流を受け取り、ドローン発着台インターフェース622は、ドローン発着台との配線接続または電磁誘導結合を含む。様々な実施形態では、バッテリ610は、バッテリが故障した場合にシステムの冗長性または交換できる可能性を持たせるため、あるいはバッテリに、対抗ドローン600に対する最高レベルの充電および/または容量を備えるために(例えば飛行時間を最大にするため)、バッテリユニットおよび/またはバッテリの種類を2つ以上含む。様々な実施形態では、バッテリ610は、交換可能なバッテリ、使い捨てのバッテリ、補給可能なセル、充電式セル、またはその他の任意の適切なバッテリの種類を含む。様々な実施形態では、対抗ドローン600は、以下のうちの1つ以上によってエネルギー供給を新たにできる。バッテリを充電する、バッテリを交換する、バッテリに燃料を補給する、または対抗ドローン606へのエネルギー供給を新たにするその他の任意の適切な方法。
【0061】
様々な実施形態では、システムは、複数の対抗ドローンおよび/または複数の対抗ドローンステーションを含み、両者は互いに通信し合って(例えばメッシュ通信ネットワークで)センサ情報、処理リソース、誘導情報、またはその他の任意のシステムの機能を提供する―処理機能は、システムの迅速な応答または計算または通信の効率のために必要に応じて、分散するか、一箇所で行うか、1つのリソースから別のリソースに移動させながら行うことができる。
【0062】
データ記憶ユニット624は、利用可能なペイロード情報、メンテナンス記録、システムログ、イベントログ、または対抗ドローン600の操作および維持を容易にするその他の任意の適切な情報を記憶するために使用される。
【0063】
図7は、最初の対抗ドローンが目的を達成するのを支援するために第2の対抗ドローンを待機場所に配置し直している実施形態を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、図7の対抗ドローン702、脅威ドローン704、および対抗ドローンステーション718は、それぞれが図1の対抗ドローン112、潜在的標的100、および対抗ドローンステーション116に相当する。図示した例では、対抗ドローン702には、脅威ドローン704がジオフェンスエリア700の中に位置している保護資産708に到達する前に飛行経路706を通って脅威ドローン704を阻止するよう指示が与えられている。また、対抗ドローン710には、飛行経路714を通って待機場所712まで飛行し、次の指示を待つよう指示が与えられている。いくつかの実施形態では、対抗ドローン710は、1つ以上の脅威ドローンの特徴に関する追加のセンサ情報または更新されたセンサ情報をサーバプロセッサに提供する。サーバプロセッサは、対抗ドローン702が目的達成に向かう進捗に基づいて次の指示を決定する。様々な実施形態では、サーバプロセッサは、対抗ドローンステーション716を介して、または対抗ドローン710の無線通信システムを直接介して、対抗ドローン710に次の指示を出す。いくつかの実施形態では、待機場所712は、脅威ドローン704に向けての一連の潜在的飛行経路の方向のうちの1つである場所を含む。いくつかの実施形態では、対抗ドローン710には、空間および/または時間および/または場所および/または脅威ドローン704の飛行方向に対する接近に基づいて脅威ドローン704に対処するための制御を自動的に引き受けるよう指示が備わっている。
【0064】
いくつかの実施形態では、次の指示は、動的ペイロードを送り込むことによって脅威ドローン704を排除する際に対抗ドローン702を支援するように対抗ドローン710に指示する。いくつかの実施形態では、対抗ドローン710の動的ペイロードは、対抗ドローン710に取り付けられた別個のペイロードではなく、対抗ドローン710全体である。脅威ドローン704を排除する指示の目標は、脅威ドローン704を破壊するか無能にすることである。いくつかの実施形態では、次の指示は、対抗ドローン710から網を広げるか他の捕獲用ペイロード(例えばフック、縄でつながれた槍など)を使用して脅威ドローン704を捕獲するよう対抗ドローン710に指示する。いくつかの実施形態では、次の指示は、ペイロードを展開せずに対抗ドローンステーション716に戻るよう対抗ドローン710に指示する(例えば対抗ドローン702が支援なしに目的を達成する)。
【0065】
いくつかの実施形態では、サーバプロセッサから対抗ドローン710への次の指示は、対抗ドローン702がペイロードを展開させる前に出される。いくつかの実施形態では、対抗ドローン710に次の指示を出すタイミングは、対抗ドローン702の目的達成の進捗に全体的または部分的に基づいている。様々な実施形態では、対抗ドローン702の目的達成の進捗は、ジオフェンスエリア700の中または外にある様々なセンサステーション(図7には示していない)からサーバプロセッサに報告される。いくつかの実施形態では、様々なセンサステーション(図7には示していない)から得た未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報は、対抗ドローン702の目的達成の進捗を明らかにするためにサーバプロセッサによって使用される。いくつかの実施形態では、対抗ドローン710または対抗ドローン702から得た未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報は、対抗ドローン702の目的達成の進捗を明らかにするためにサーバプロセッサによって使用される。いくつかの実施形態では、対抗ドローン710への次の指示は、対抗ドローン702がペイロードを展開した後に出される(例えばサーバプロセッサが受信して処理した未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報が、対抗ドローン702が目的を達成する確率が許容閾値よりも低いことを示している)。いくつかの実施形態では、対抗ドローン710への次の指示は、対抗ドローン702が目的を達成した後に出される(例えば対抗ドローン702が脅威ドローン704を無能にし、無能になった脅威ドローン704を対抗ドローン710が捕獲して戻ることが望まれる)。
【0066】
いくつかの実施形態では、対抗ドローン710は、目的達成のために対抗ドローン702を最善の形で支援するとサーバプロセッサが判断した対抗ドローンステーション718または他のいずれかの対抗ドローンステーションと関連付けられている1つ以上の対抗ドローンのうちの1つである。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つ以上の対抗ドローン(図7には示していない)は、1つ以上の待機場所まで飛行して次の指示を待って対抗ドローン702を支援するか、待機せずに脅威ドローン704を排除することに従事するかを指示される。様々な実施形態では、1つ以上の対抗ドローンは、対抗ドローンに対するペイロード選択肢のいずれかまたはすべてを含んでいる脅威ドローン704を排除する際に対抗ドローン702を支援する。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つ以上の対抗ドローンは、脅威ドローン(例えば脅威ドローン704)を検知することなく1つ以上の待機場所まで飛行するよう指示される。
【0069】
様々な実施形態では、図10図11図12、および/または図13の処理は、システムの迅速な応答または計算または通信の効率のために必要に応じて、(例えば中央プロセッサまたはサーバ、対抗ドローンプロセッサ、センサステーションプロセッサ、ドローンステーションプロセッサなどに)分散されるか、一箇所(例えば中央プロセッサまたはサーバ、対抗ドローンプロセッサ、センサステーションプロセッサ、またはドローンステーションプロセッサなど)で行われるか、1つのリソースから別のリソースに移動させながら行われる。
【0070】
図8Aは、対抗ドローンシステムのプロセスの実施形態を示すフローチャートである。様々な実施形態では、図8Aのプロセスは、図1のプロセッサ108を使用するか、図1の対抗ドローンステーション116のプロセッサを使用するか、図1対抗ドローン112のプロセッサを使用して実行される。図示した例では、図8Aのプロセスは、センサステーションを介して潜在的標的を監視し、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かの指標を提供し、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、対抗ドローンステーションにある対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すために、対抗ドローンシステム(例えば図1の対抗ドローンシステム)によって使用される。いくつかの実施形態では、図8Aのプロセスは、対抗ドローンステーションにない1つ以上の対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すために使用される。様々な実施形態では、図8Aのプロセスは、1つ以上の対抗ドローンに(例えば無線ネットワークを介して)直接、かつ/または1つ以上の対抗ドローンに(例えば1つ以上の対抗ドローンステーションでネットワークインターフェースを介して)間接的に、対抗ドローン指示を出すために使用される。
【0071】
図示した例では、800で、センサシステムから潜在的標的の指標を受信し、センサシステムは、センサを含む。例えば、サーバプロセッサがセンサシステムから潜在的標的の指標を受信する。センサシステムは、未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報をサーバプロセッサに提供して、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断するのを補助する。様々な実施形態では、潜在的標的の指標は、以下のうちの1つ以上を含む。画像プロファイル、振動プロファイル、音プロファイル、RFプロファイル、サイズ情報、速度情報、接近高度、接近方向、または対抗ドローンシステムが監視するように構成されている対象の潜在的標的の種類と一致するその他の任意の適切な未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報。いくつかの実施形態では、センサシステムは、設定可能な基準に基づいてサーバプロセッサに潜在的標的の指標を提供しないように構成されている例えば、潜在的標的が物理的な地帯(例えば高度の上限閾値を上回る飛行、閾値距離よりも遠い飛行―例えば、高空飛行のジェット機の移動が高すぎる)の外側にある、測定された潜在的標的の特徴が閾値以外である(例えば飛行が速すぎる―例えば、移動が速すぎるジェット機は潜在的な脅威ドローンの標的であるとみなされる)、潜在的標的が標的ではないプロファイルを有している(例えば潜在的標的がRF耐性標識を発信しているなど)。いくつかの実施形態では、センサシステムは、基準のセンサパラメータで検知された何らかの変化に基づいて潜在的標的の指標を提供するように構成されている(例えば設定基準デシベルレベルを超えて検知された音のデシベルレベル、設定した基準周波数帯域外の音の周波数、設定した基準レーダー画像内に存在しない、レーダーが検知した静止物体など、あらゆる速度または接近方向の物体、または1つ以上の設定基準センサパラメータからのその他の変化)。いくつかの実施形態では、指標は、対抗ドローンのセンサからも受信される。様々な実施形態では、センサは、以下のうちの1つ以上を含む。RFセンサ、レーダーセンサ、IRセンサ、光学センサ、ライダーセンサ、レーザー振動計センサ、音声センサ、超音波センサ、またはその他の任意の適切なセンサ。
【0072】
802では、センサシステムから未加工のセンサ情報および/または誘導センサ情報を受信する。例えば、サーバは、未加工のセンサデータおよび/または誘導センサ情報をセンサシステムから受信する。様々な実施形態では、未加工のセンサデータは、以下のうちの1つ以上を含む。無線周波数データ、レーダーデータ、赤外線データ、光学データ、ライダーデータ、レーザー振動計データ、音声データ、超音波データ、またはその他の任意の適切なデータ。様々な実施形態では、誘導センサ情報は、以下のうちの1つ以上を含む。高度、位置データ、ジオフェンスエリア内の場所、標的の軌道、レーダー画像、赤外線画像、光学画像、ライダー画像、振動プロファイル、RFプロファイル、音プロファイル、RF耐性標識の有無、またはその他の任意の適切な導出情報。
【0073】
804では、未加工のセンサ情報を用いて誘導センサ情報を生成する。例えば、誘導センサ情報は、サーバプロセッサによって、センサシステムから受信した未加工のセンサデータおよび誘導センサ情報から生成される。いくつかの実施形態では、804の処理は省略され、誘導センサ情報はサーバプロセッサに生成されない。
【0074】
805では、潜在的標的に対する統合データを生成する。例えば、サーバ、センサシステム、対抗ドローン、対抗ドローンステーションのプロセッサが、受信した未加工のセンサ情報または誘導センサ情報から統合データセットを決定する。いくつかの実施形態では、統合データセットは、潜在的標的の指標を含み、かつ以下のうちの1つ以上を含む。潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報。いくつかの実施形態では、統合データセットを生成することは、潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上が潜在的標的と関連付けられているものであると判断することと、潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせることとを含む。いくつかの実施形態では、統合データの生成は自律的に行われる。
【0075】
806では、統合データセットに基づいて潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断する。例えば、サーバプロセッサは、受信した統合データセットの未加工のデータおよび/または誘導センサ情報を用いて、潜在的標的の指標、センサから得たデータ、および/または誘導センサ情報に基づいて、潜在的標的が脅威ドローンであるか否かを判断する。いくつかの実施形態では、RF耐性標識があれば、潜在的標的が脅威ドローンではないと判断するのに十分である。いくつかの実施形態では、統合データセットに基づいて潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、自律的に行われる。潜在的標的が脅威ドローンを含んでいないという判断に応答して、制御は812に進む。812では、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいないことを示し、プロセスは終了する。例えば、プロセッサのユーザに、潜在的標的が脅威ドローンではないという指標を提供する。
【0076】
806での潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、制御は808に進む。808では、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいることを示す。810では、対抗ドローンステーションで対抗ドローンに対抗ドローン指示を出し、プロセスは終了する。様々な実施形態では、対抗ドローン指示は、以下のうちの1つ以上を含む。定められた飛行経路、速度、接近高度、接近方向、発射時間、脅威ドローンを阻止した時点で展開させるペイロード、対抗ドローンの飛行を制御する基準(例えば飛行制御がローカルの対抗ドローン飛行経路に関する決定に基づいているか否か、および/または対抗ドローンの飛行を制御するためにサーバベースの情報が使用されているか否か、またはその他の任意の適切な指示。様々な実施形態では、ペイロードは以下のうちの1つ以上を含む。動的ペイロード、爆発性ペイロード、捕獲網、信号マーカー、またはその他の任意の適切なペイロード。いくつかの実施形態では、対抗ドローンステーションで対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すことは、自律的に行われる。
【0077】
図8Bは、統合データセットを生成するプロセスの実施形態を示すプロセスフローチャートである。いくつかの実施形態では、図8Bのプロセスを使用して図8Aの805を実施する。図示した例では、850で、潜在的標的、未加工のセンサ情報、誘導センサ情報の指標を受信する。852では、受信項目を選択する。例えば、受信項目は、潜在的標的、未加工のセンサ情報、および誘導センサ情報の指標のうちの1つを含む。854では、項目が潜在的標的に関連付けられているか否かを判断する。項目が潜在的標的に関連付けられているという判断に応答して、856で、項目データを潜在的標的に関連付けられている他のデータと統合することによって項目を潜在的標的と関連付け、制御は858に進む。項目が潜在的標的に関連していないという判断に応答して、制御は858に進む。858では、受信項目がまだあるか否かを判断する。受信項目がまだあることに応答して、制御は852に進む。受信項目がもうないことに応答して、プロセスは終了する。
【0078】
図9は、センサステーションから未加工のセンサデータおよび誘導センサ情報を受信するプロセスの実施形態を示すプロセスフローチャートである。いくつかの実施形態では、図9のプロセスを使用して図8Aのプロセス802を実施する。図示した例では、複数の未加工のデータ(すなわちRFデータ、レーダーデータ、IRデータ、光学データ、ライダーデータ、レーザー振動計データ、音声データ、および超音波データ)が、複数のセンサステーションセンサ(すなわちRFセンサ、レーダーセンサ、IRセンサ、光学センサ、ライダーセンサ、レーザー振動計センサ、音声センサ、および超音波センサ)から受信され、誘導センサ情報の複数の項目(すなわち標的画像、高度、位置、および速度情報、振動プロファイル、音プロファイル、RFプロファイル、更新後の高度、位置、および速度情報、ならびに標的の軌道)が、センサステーションプロセッサから受信される。900では、RFデータを受信する。例えば、RFシグネチャー、スペクトラム、またはプロファイルを受信する。902では、レーダーデータを受信する。904では、IRデータを受信する。906では、光学データを受信する。908では、ライダーデータを受信する。910では、レーザー振動計データを受信する。912では、音声データを受信する。914では、超音波データを受信する。916では、標的画像を受信する。918では、高度、位置、および速度情報を受信する。920では、振動プロファイルを受信する。922では、音プロファイルを受信する。924では、更新後の高度、位置、および速度情報を受信する。926では、標的の軌道を受信する。
【0079】
図10は、データを使用して誘導センサ情報を生成するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。様々な実施形態では、図10を使用して図8Aのプロセス804を実施するか、図8Aの802の誘導センサデータを生成する。
【0080】
図示した例では、1000で、IRデータ、レーダーデータ、ライダーデータ、および/または光学データを使用して標的画像を生成する。例えば、1つ以上のセンサから受信した未加工のデータを使用して、潜在的標的の画像(例えば光学画像、レーダー画像、ライダー画像、および/IR画像)または合成画像(例えば光学画像、レーダー画像、ライダー画像、およびIR画像の任意の組み合わせ)を生成する。様々な実施形態では、画像化レーダー技術(例えば合成開口レーダー)および/または走査または全視野ライダー画像化技術を用いて潜在的標的の2Dおよび/または3D画像を生成する。様々な実施形態では、潜在的標的の画像は、潜在的標的の一部または全体を含む静止画像またはビデオ画像を含む。
【0081】
1002では、レーダーデータ、ライダーデータ、および/または光学データを使用して高度、位置、および速度情報を生成する。例えば、レーダーデータ(例えばRFの飛行時間データ)、ライダーデータ(例えばレーザー光の飛行時間データ)、および/または光学データ(例えば光学画像からの測定値を使用して計算された推定位置)を使用して高度、位置、および速度情報を生成する。
【0082】
1004では、レーザー振動計データを使用して振動プロファイルを生成する。いくつかの実施形態では、ドローン振動を長距離で検知するためにレーザー振動計センサ(例えばレーザードップラー振動計)を使用し、検知されたドローン振動は、ドローンプロファイルのデータベースにあるドローンプロファイルと比較することによって識別できる顕著な特徴を有する。いくつかの実施形態では、検知されたドローン振動の顕著な特徴を用いて、ドローンがペイロードを保有しているか否かを判断する(例えばペイロードを保有しているドローンは、搭載していないドローンとは振動プロファイルが異なる)。
【0083】
1006では、音声データおよび/または超音波データを使用して音プロファイルを生成する。例えば、潜在的標的によって発生したか潜在的標的から反射して音声センサ(例えばパラボラマイク)が受信した可聴音波(例えば20Hz~20,000Hz)および/または超音波(例えば20kHz~200kHz)を利用して音プロファイルを作成するために音声および/または超音波データを使用する。
【0084】
1008では、レーダーデータ、ライダーデータ、および/または光学データを使用して更新後の高度、位置、および速度情報を生成する。例えば、更新後の高度、位置、および速度情報を継続的に生成するか、規則的な間隔で更新するか(例えば1秒に1回、2秒に1回など)、その他の任意の好都合な間隔または設定した一連の時間点で更新して、プロセス1008で標的の軌道を生成できるようにする。1010では、更新後の高度、位置、および速度情報に基づいて標的の軌道を生成する。例えば、標的の軌道は、潜在的標的の過去の位置および時間に基づいて未来時間の潜在的な未来の位置を示す。いくつかの実施形態では、ドローンの飛行経路は必ずしも直進で線形であるとは限らないため、未来時間に起こりそうな位置に対して確率マップを生成する。
【0085】
図11は、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、その指標を提供するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、図11のプロセスを使用して図8Aのプロセス806を実施する。
【0086】
1100では、検知したRFデータが耐性標識を含んでいるか否かを判断する。耐性標識を検知したことに応答して、制御は1102に進む。1102では、潜在的標的が脅威ドローンではないことを示し、プロセスを再開する。
【0087】
耐性標識が検知されないことに応答して、制御は1104に進む。1104では、潜在的標的の特徴が範囲内に存在するか否かを判断する。例えば、潜在的標的の特徴として、サイズ、高度、速度および/または加速度などがある。いくつかの実施形態では、潜在的標的の特徴は、(例えば、開示した対抗ドローンシステムが破壊するか無能にするか捕獲することが望まれている、またはそうすることが可能な脅威ドローンの種類に基づいて)システムの管理者が設定可能である。
【0088】
いくつかの実施形態では、潜在的標的のサイズは、範囲内に収まるように設定される(例えば潜在的標的は、最小サイズよりも大きいが最大サイズよりも小さい)。いくつかの実施形態では、潜在的標的の高度は、範囲内に収まるように設定される(例えば潜在的標的の高度は、最低高度よりも高いが最高高度よりも低い)。いくつかの実施形態では、潜在的標的の速度は、範囲内に収まるように設定される(例えば潜在的標的の速度は、ゼロよりも大きいが最大速度よりも小さい)。いくつかの実施形態では、潜在的標的の加速度は、範囲内に収まるように設定される(例えば潜在的標的の加速度は、ゼロよりも大きいが最大加速度よりも小さい)。
【0089】
1104で、潜在的標的の特徴が設定した範囲内に存在することに応答して(例えばシステムの管理者に設定されている)、制御は1106に進み、潜在的標的の特徴が設定した範囲外に存在することに応答して、制御は1102に戻る。
【0090】
1106では、潜在的標的がジオフェンスエリア内にあるか否かを判断する。潜在的標的がジオフェンスエリア内にないことに応答して、制御は1108に進む。1108では、潜在的標的の軌道が潜在的標的をジオフェンスエリア内に導くものであるか否かを判断する。潜在的標的の軌道が潜在的標的をジオフェンスエリア内に導くものではないことに応答して、制御は1102に戻る。
【0091】
潜在的標的がジオフェンスエリア内にあるか、軌道が潜在的標的をジオフェンスエリア内に導くものであることに応答して、制御は1110、1112、および1114に並行して進む。
【0092】
1110では、潜在的標的の画像が脅威ドローンの画像と合致する確率を算出する。1112では、潜在的標的の音プロファイルが脅威ドローンの音プロファイルと合致する確率を算出する。1114では、潜在的標的の振動プロファイルが脅威ドローンのプロファイルと合致する確率を算出する。1110、1112、および1114から得た確率は、1116に移される。いくつかの実施形態では、1110、1112、または1114に加えて、またはこの代わりに、潜在的標的のRFプロファイルが脅威ドローンのRFプロファイルと合致する確率を算出する。1116では、累積した脅威プロファイルの確率に基づいて、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいるか否かを判断する。例えば、1110、1112、および1114から得た確率の加重平均を使用して累積確率を生成し、その場合の確率の加重はシステムの管理者が設定可能である。また、この確率の加重平均を閾値の確率レベル(例えば70%の確率、80%の確率など)と比較する。累積確率レベルが閾値の確率レベルを超えていなければ、制御は1102に戻る。累積確率レベルが閾値の確率レベルを超えていれば、制御は1118に進む。1118では、潜在的標的が脅威ドローンを含んでいることを示し、プロセスは終了する。
【0093】
いくつかの実施形態では、例えば戦時中の交戦中に、対抗ドローンシステムは、指定の潜在的標的が何らかの種類のドローンプロファイルと合致すれば脅威ドローンであると判断するように設定される。いくつかの実施形態では、対抗ドローンシステムは、潜在的標的が高度閾値を上回っていて、ジオフェンスエリア内にあり、何らかの種類のドローンプロファイルと合致していれば、脅威ドローンであると判断するように設定される。
【0094】
いくつかの実施形態では、データベースを使用して、受信した標的プロファイル(例えば画像プロファイル、振動プロファイル、または音プロファイル)を保存されているドローンプロファイルと比較する。いくつかの実施形態では、ドローンプロファイルのデータベースは、以前にドローンプロファイルのデータベースに保存されていないドローンおよび脅威ドローンのプロファイルを含めるために更新される。
【0095】
脅威ドローンではないと判断するために1つ以上の評価を必要とする可能性があると示される潜在的標的の一例が鳥である。鳥は、閾値高度レベルを超えて、ジオフェンスエリア内で、かつ/またはジオフェンスエリアの半径内に導かれる軌道でセンサに対して現れる可能性がある。しかしながら、それが脅威ではないと判断するためには、その画像プロファイル、振動プロファイル、RFプロファイル、音プロファイル、および/またはその他の脅威ドローンの特徴を処理することが必要になる。
【0096】
対抗ドローンではないがドローンであると識別された指定の潜在的標的は、脅威ドローンではない(すなわち非脅威ドローン)と判断するために1つ以上の評価を必要とすることがある―例えば、地域のテレビ局のカメラのドローンまたは警察の監視ドローン。いくつかの実施形態では、非脅威ドローンのドローンプロファイルは、ドローンプロファイルのデータベースに保存されている。いくつかの実施形態では、RF耐性標識が非脅威ドローンによって使用され、RF耐性標識シグネチャーは、ドローンプロファイルのデータベースに保存されている。いくつかの実施形態では、非脅威ドローンのRF耐性標識は、開示した対抗ドローンシステムの対抗ドローンのものとは異なるRFシグネチャーを使用している。
【0097】
逆の例として、既知のまたは推測された脅威ドローンの画像プロファイル、振動プロファイル、RFプロファイル、音プロファイル、および/またはその他の脅威ドローンの特徴と合致する潜在的標的は、それがジオフェンスエリア外にあり、軌道がジオフェンスエリアの半径内に導かれていない場合、かつ/または閾値高度レベルを上回っていない場合は(例えば地上にあるか、対抗ドローンシステムの作動を要求しないフェンスまたはその他の物理的障壁によって停止させられる高度よりも低い場合)、脅威ドローン(すなわち実行可能な脅威)とはみなされない。
【0098】
図12は、脅威ドローンを阻止するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、図12のプロセスを使用して図8Aのプロセス810を実施する。
【0099】
1200では、脅威に対処する作戦に基づいてペイロードの種類を決定する。例えば、脅威ドローンを破壊する作戦には、動的ペイロードおよび/または爆発性ペイロードを使用し、脅威ドローンを捕獲する作戦には、網/フック/銛のペイロードを使用する。ペイロードの種類として、動的ペイロード、爆発性ペイロード、捕獲網またはその他の捕獲ペイロード、および/または信号マーカーがある。いくつかの実施形態では、作戦は、システムの管理者によって設定される。いくつかの実施形態では、応答作戦の設定は、例えば以下のうちの1つ以上を含むパラメータに基づく。保護領域の特徴(例えば公共領域に近い場所、軍事領域に近い場所、交通機関に近い場所など)、保護領域に望まれる保護レベル(例えばきわめて重要、犠牲にしてよい、など)、保護領域近くでの活動状態(例えば紛争地帯、国境領域、民間領域など)、またはその他の任意の適切なパラメータ。
【0100】
いくつかの実施形態では、戦時中の交戦中に、対抗ドローンシステムは、指定の潜在的標的が何らかの種類のドローンプロファイルと合致する場合は指定の脅威ドローンを破壊するよう対抗ドローン指示を出すように構成されている。様々な実施形態では、指定の脅威ドローンを破壊する指示は、1つ以上の動的ペイロードおよび/または爆発性ペイロードを展開させることを含む。いくつかの実施形態では、応答作戦は、指定の脅威ドローンが保護領域外に移動したときのみ指定の脅威ドローンを破壊するように設定される。
【0101】
いくつかの実施形態では、応答作戦は、指定の脅威ドローンを無能にするように設定される(例えば保護領域内にあるとき)。様々な実施形態では、指定の脅威ドローンを無能にする指示は、1つ以上の捕獲ペイロードおよび/または動的ペイロードを展開させることを含む。いくつかの実施形態では、指定の脅威ドローンを捕獲する指示は、1つ以上の捕獲ペイロードを展開させて脅威ドローンを獲得し、それを指定の場所(例えば対抗ドローンステーション)に輸送することを含む。
【0102】
様々な実施形態では、応答作戦は、1つ以上の信号マーカーを展開させて、対抗ドローンが脅威ドローンを阻止する場所を指定し、かつ/または脅威ドローンを破壊するか無能にすることに成功したことを示すように設定される。
【0103】
いくつかの実施形態では、対抗ドローンシステムの作戦または設定のどのような態様も、対抗ドローンシステムの1人以上のユーザがリアルタイムに更新できる。
【0104】
1202では、ペイロードの種類に基づいて対抗ドローン候補を決定する。例えば、利用可能な対抗ドローンのうち、いくつかのみに特定の応答作戦に望ましいペイロードの種類を装備してよい。望ましいペイロードの種類を装備した対抗ドローンを対抗ドローン候補に決定する。
【0105】
1204では、対抗ドローン候補に対して飛行経路を決定する。例えば、脅威ドローンを阻止するための飛行経路を、システムの管理者が設定した指示に基づいて決定する。いくつかの実施形態では、運用地帯を規定するために1つ以上のジオフェンスエリアが用いられ、各運用地帯で管理方針が異なる。例えば、保護資産の中または周囲のジオフェンス「安全地帯」が、対抗ドローンを安全地帯内に導く飛行経路を使用しないよう対抗ドローンシステムに対して指示を規定する。いくつかの実施形態では、攻撃軍勢による検知を回避するように―例えば、指定高度よりも下を飛行する、攻撃軍勢によって監視または保護されている領域を回避する、かつ/またはできる限り長期にわたって検知を回避するためにローカルの物理的な特徴物(例えば山、壁、建物など)を利用するなどによって、飛行経路が設定される。
【0106】
1206では、所定の飛行経路および作戦に基づいて、各対抗ドローン候補が脅威ドローンを阻止する確率を算出する。例えば、脅威ドローンを阻止する確率は、阻止する最短時間に基づいて計算される。いくつかの実施形態では、脅威ドローンを阻止する確率は、検知を回避する可能性が最も高い経路に基づいて計算される。様々な実施形態では、脅威ドローンを阻止する確率は、脅威ドローンの種類および/またはサイズ、脅威ドローンの防御機構、および/または1つ以上の選択した対抗ドローン候補およびそのペイロードを使用して識別した脅威ドローンを破壊し、無能にし、かつ/または捕獲することに成功したことに関して利用可能な履歴または(例えばサーバプロセッサが使用する自動学習アルゴリズムを介して)学習した履歴に基づいて計算される。様々な実施形態では、脅威ドローンを阻止する確率は、対抗ドローンシステムの運用を容易にするために、1つ以上の確率(例えば阻止する時間、検知の回避、成功した阻止の履歴など)またはその他の任意の適切な情報を計算に入れる累積確率に基づいて計算される。例えば、確率の加重平均を使用して累積確率を生成し、その場合の確率の加重はシステムの管理者が設定可能である。また、この確率の加重平均を閾値の確率レベル(例えば70%の確率、80%の確率など)と比較する。
【0107】
1208では、格付けされた阻止の確率に基づいて対抗ドローン候補からどのドローンが阻止指示を受信するかを判断する。いくつかの実施形態では、設定された閾値確率レベルよりも上に格付けされている対抗ドローンが一つもない場合、2つ以上の対抗ドローン候補を使用して脅威ドローン阻止の成功に至る確率を設定された閾値確率レベルよりも上に上げる。
【0108】
1210では、選択した阻止ドローンに指示を出す。いくつかの実施形態では、サーバとの無線通信を介して選択した阻止ドローンに指示を出す。
【0109】
1212では、選択した阻止ドローンの進捗を明らかにする。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサステーションが、利用可能なセンサステーションセンサ(例えばRFセンサ、レーダーセンサ、IRセンサ、光学センサ、音声センサなど)の1つ以上を使用して選択した阻止ドローンの進捗を監視する。いくつかの実施形態では、1つ以上の阻止用対抗ドローンが信号マーカー(例えばRF信号、視覚信号、音声信号など)を展開することによって阻止の成功を示す。
【0110】
1214では、目的が達成されたか否か、または新たな指示が必要か否かを判断する。目的が達成されたという判断に応答して、プロセスは1216に進む。1216では、目的が達成されたことまたは新たな指示が必要であることを示し、プロセスは1218に進む。1218では、終了指示またはドローンを阻止する新たな指示を出し、プロセスは終了する。例えば、ドローンステーションの着陸の割り当ては、ドローンのバッテリ状態および適切なペイロードの種類のドローンステーションへの望ましい割り振り、ならびに特定のドローンステーションでのスロットの可用性に基づいて、対抗ドローンに対して決定される。いくつかの実施形態では、ドローンステーションにドローンを再度割り振る時間がいつあるか、また、ペイロードの種類、ドローンの種類、またはその他の任意の適切な特徴のバランスをとるために適切なドローンステーションにドローンをいつ割り振るかを決定する。いくつかの実施形態では、阻止ドローンに終了指示は出されない(例えば阻止ドローンが機能しなくなった)。
【0111】
目的が達成されていない判断に応答して、プロセスは1220に進む。1220では、現在の作戦を続行するか否かを判断する。現在の作戦を続行するという判断に応答して、プロセスは1204に戻る。現在の作戦を続行しないという判断に応答して、プロセスは1222に進み、新たな作戦を出し、プロセスは1200に戻る。
【0112】
図13は、ドローンの飛行コントローラに指示するプロセスの実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、図13のプロセスを使用してドローンの飛行コントローラ(例えば図6の飛行コントローラ616)に指示を出す。いくつかの実施形態では、ドローンの飛行コントローラへの指示は、選択したドローンに出される阻止指示を遂行するプロセスで使用される。図示した例では、1300aにおいてで、サーバの脅威ドローンの場所および/または飛行経路情報を、ある場合は受信する。例えば、脅威ドローンを阻止しているドローンには阻止指示が出されている。阻止指示は、脅威ドローンを阻止しているドローンがサーバから提供された情報またはローカルで明らかになった情報を用いて、飛行コントローラにいつ指示するのかについての誘導受け渡し基準を決定するための情報を含む。1302では、脅威ドローンの場所および/または飛行経路情報をローカルで判断する。例えば、ドローンは、ローカルのセンサ情報を処理して脅威ドローンの場所および/または飛行経路情報を判断し、阻止任務を果たす。いくつかの実施形態では、他のセンサ(例えば他のドローンセンサ、センサステーションセンサなど)や他のセンサから得た集約データに基づいて、サーバから得られた以前の脅威ドローンの場所情報および/または飛行経路情報を使用する。1304では、サーバまたはローカルの脅威ドローンの場所および/または飛行経路情報を使用するか否かを判断する。サーバ情報を使用するという判断に応答して、制御は1306に進む。1306では、サーバが提供した脅威ドローンの場所に基づいて、サーバ飛行経路または決定された飛行経路を用いてドローンコントローラに指示し、制御は1310に進む。例えば、サーバは、ドローンの飛行経路を決定するために使用される情報源として使用される。サーバは、多くのセンサステーションからも多くのドローンからも情報を集約でき、情報がより正確になる可能性がある。ローカルの情報を使用するという判断に応答して、制御は1308に進む。1308では、ローカルで決定されたサーバ飛行経路を用いてドローンコントローラに指示され、制御は1310に進む。例えば、ローカルのドローンプロセッサは、ドローンセンサを情報源として使用してそれ自体の飛行経路を決定する。ドローンは、ローカルのセンサから得たセンサ情報を高速で処理でき、情報を極めて短い遅延でよりタイムリーなものにする可能性がある。これはつまり、脅威ドローンを追跡する際の応答時間ができる限り最短になることを意味する。1310では、場所/飛行経路情報がまだあるか否かを判断する。さらに場所/飛行経路情報があるという判断に応答して、制御は1300に進む。場所/飛行経路情報がもうないという判断に応答して、プロセスは終了する。
【0113】
上記の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、本発明は記載した詳細に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法がある。開示した実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脅威ドローンに対抗するシステムであって、
複数のセンサシステムと、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記ネットワークに接続されている、対抗ドローンと、
プロセッサであって、
前記複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、
前記潜在的標的に対して統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられていると判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出す
ように構成されている、プロセッサと
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記複数のセンサシステムのうちの前記センサシステムは、センサタワーセンサシステム、車両に搭載されているセンサシステム、対抗ドローンに取り付けられているセンサシステム、人間に取り付けられているセンサシステム、電柱センサシステム、または建物センサシステムを含む、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローン指示は、前記対抗ドローン自体を前記脅威ドローンに向けて発射または推進させるために、前記対抗ドローンを待機させる、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、前記脅威ドローンを阻止するために、ターミナル誘導を実行する、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記プロセッサは、センサシステムプロセッサまたは対抗ドローンプロセッサを含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記センサシステムは、メッシュネットワークを利用して前記プロセッサと通信する、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、メッシュネットワークを利用して前記プロセッサと通信する、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的の前記指標は、前記未加工のセンサ情報を含む、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、前記未加工のセンサ情報は、無線周波数データ、レーダーデータ、赤外線データ、光学データ、ライダーデータ、振動計データ、音声データ、および/または超音波データうちの1つ以上を含む、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、前記未加工のセンサ情報は、誘導情報を生成するために使用される、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、前記誘導センサ情報は、高度、位置データ、ジオフェンスエリア内の場所、標的の軌道、レーダー画像、赤外線画像、光学画像、ライダー画像、振動プロファイル、RFプロファイル、音プロファイル、および/またはRF耐性標識の有無を含む、システム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムであって、前記センサシステムは、前記誘導センサ情報を生成する、システム。
【請求項13】
請求項9に記載のシステムであって、前記プロセッサは、前記誘導センサ情報を生成する、システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的の特徴が範囲内であるか否かを判断することを含む、システム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的がジオフェンスエリア内にあるか否かを判断することを含む、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的の軌道が前記潜在的標的をジオフェンスエリアの半径内に導くものであるか否かを判断することを含む、システム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的の音プロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの音プロファイルと合致するか否かを判断することを含む、システム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローン指示のうちの1つの対抗ドローン指示は、対抗ドローン待機指示、破壊指示、無能化指示、および/または前記脅威ドローンを捕獲する指示を含む、システム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、1つ以上のペイロードを備え、前記1つ以上のペイロードのうちの1つのペイロードは、動的ペイロード、爆発性ペイロード、捕獲網、または信号マーカーを含む、システム。
【請求項20】
脅威ドローンに対抗する方法であって、
複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記潜在的標的について統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられていると判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することと、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出し、前記対抗ドローンは、前記ネットワークに接続されていること
を備える、方法。
【請求項21】
脅威ドローンに対抗するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に具現化され、
複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムが、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記潜在的標的に対して統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられている判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すためのコンピュータ命令を備え、前記対抗ドローンは、前記ネットワークに接続されている
、コンピュータプログラム製品。
【請求項22】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的の画像が、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの画像プロファイルと合致しているか否かを判断することを含み、前記潜在的標的の画像は、光学画像、レーダー画像、ライダー画像、または赤外線画像を含む、システム。
【請求項23】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的振動プロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの振動プロファイルと合致するか否かを判断することを含み、前記振動プロファイルは、レーザー振動計データを含む、システム。
【請求項24】
請求項1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的のRFプロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンのRFプロファイルと合致するか否かを判断することを含み、前記RFプロファイルは、RFデータを含む、システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
上記の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、本発明は記載した詳細に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法がある。開示した実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。
[適用例1]脅威ドローンに対抗するシステムであって、
複数のセンサシステムと、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記ネットワークに接続されている、対抗ドローンと、
プロセッサであって、
前記複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、
前記潜在的標的に対して統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられていると判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出す
ように構成されている、プロセッサと
を含む、システム。
[適用例2]適用例1に記載のシステムであって、前記複数のセンサシステムのうちの前記センサシステムは、センサタワーセンサシステム、車両に搭載されているセンサシステム、対抗ドローンに取り付けられているセンサシステム、人間に取り付けられているセンサシステム、電柱センサシステム、または建物センサシステムを含む、システム。
[適用例3]適用例1に記載のシステムであって、前記対抗ドローン指示は、前記対抗ドローン自体を前記脅威ドローンに向けて発射または推進させるために、前記対抗ドローンを待機させる、システム。
[適用例4]適用例2に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、前記脅威ドローンを阻止するために、ターミナル誘導を実行する、システム。
[適用例5]適用例1に記載のシステムであって、前記プロセッサは、センサシステムプロセッサまたは対抗ドローンプロセッサを含む、システム。
[適用例6]適用例1に記載のシステムであって、前記センサシステムは、メッシュネットワークを利用して前記プロセッサと通信する、システム。
[適用例7]適用例1に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、メッシュネットワークを利用して前記プロセッサと通信する、システム。
[適用例8]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的の前記指標は、前記未加工のセンサ情報を含む、システム。
[適用例9]適用例1に記載のシステムであって、前記未加工のセンサ情報は、無線周波数データ、レーダーデータ、赤外線データ、光学データ、ライダーデータ、振動計データ、音声データ、および/または超音波データうちの1つ以上を含む、システム。
[適用例10]適用例1に記載のシステムであって、前記未加工のセンサ情報は、誘導情報を生成するために使用される、システム。
[適用例11]適用例9に記載のシステムであって、前記誘導センサ情報は、高度、位置データ、ジオフェンスエリア内の場所、標的の軌道、レーダー画像、赤外線画像、光学画像、ライダー画像、振動プロファイル、RFプロファイル、音プロファイル、および/またはRF耐性標識の有無を含む、システム。
[適用例12]適用例9に記載のシステムであって、前記センサシステムは、前記誘導センサ情報を生成する、システム。
[適用例13]適用例9に記載のシステムであって、前記プロセッサは、前記誘導センサ情報を生成する、システム。
[適用例14]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的の特徴が範囲内であるか否かを判断することを含む、システム。
[適用例15]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的がジオフェンスエリア内にあるか否かを判断することを含む、システム。
[適用例16]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、前記潜在的標的の軌道が前記潜在的標的をジオフェンスエリアの半径内に導くものであるか否かを判断することを含む、システム。
[適用例14]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的の画像が、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの画像プロファイルと合致しているか否かを判断することを含み、前記潜在的標的の画像は、光学画像、レーダー画像、ライダー画像、または赤外線画像を含む、システム。
[適用例15]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的振動プロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの振動プロファイルと合致するか否かを判断することを含み、前記振動プロファイルは、レーザー振動計データを含む、システム。
[適用例16]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的のRFプロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンのRFプロファイルと合致するか否かを判断することを含み、前記RFプロファイルは、RFデータを含む、システム。
[適用例17]適用例1に記載のシステムであって、前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することは、潜在的標的の音プロファイルが、脅威ドローンのデータベース内にある脅威ドローンの音プロファイルと合致するか否かを判断することを含む、システム。
[適用例18]適用例1に記載のシステムであって、前記対抗ドローン指示のうちの1つの対抗ドローン指示は、対抗ドローン待機指示、破壊指示、無能化指示、および/または前記脅威ドローンを捕獲する指示を含む、システム。
[適用例19]適用例1に記載のシステムであって、前記対抗ドローンは、1つ以上のペイロードを備え、前記1つ以上のペイロードのうちの1つのペイロードは、動的ペイロード、爆発性ペイロード、捕獲網、または信号マーカーを含む、システム。
[適用例20]脅威ドローンに対抗する方法であって、
複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムは、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記潜在的標的について統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられていると判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断することと、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出し、前記対抗ドローンは、前記ネットワークに接続されていること
を備える、方法。
[適用例21]脅威ドローンに対抗するためのコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に具現化され、
複数のセンサシステムから潜在的標的の指標を受信し、前記複数のセンサシステムのうちの1つのセンサシステムが、ネットワークに接続されている1つ以上のセンサを備え、
前記潜在的標的に対して統合データセットを生成し、前記統合データセットは、前記潜在的標的の前記指標と、前記潜在的標的の別の指標、未加工のセンサ情報、および/または誘導センサ情報のうちの1つ以上とを含み、前記統合データセットを生成することは、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上がすべて前記潜在的標的に関連付けられている判断すること、前記潜在的標的の別の指標、前記未加工のセンサ情報、および/または前記誘導センサ情報のうちの1つ以上を組み合わせること、を含み、
少なくとも部分的に前記統合データセットに基づいて前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるか否かを判断し、
前記潜在的標的が前記脅威ドローンを含んでいるという判断に応答して、前記対抗ドローンに対抗ドローン指示を出すためのコンピュータ命令を備え、前記対抗ドローンは、前記ネットワークに接続されている
、コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】